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特許7563484データ流通装置、提供装置、利用装置、データ流通システム、データ流通方法、データ提供方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】データ流通装置、提供装置、利用装置、データ流通システム、データ流通方法、データ提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/56 20220101AFI20241001BHJP
   H04L 67/06 20220101ALI20241001BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20241001BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241001BHJP
【FI】
H04L67/56
H04L67/06
G06F21/62 318
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022569384
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 JP2020046859
(87)【国際公開番号】W WO2022130521
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】木村 浩一
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-115007(JP,A)
【文献】特開2000-322440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/56
H04L 67/06
G06F 21/62
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する第1受信手段と、
前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知する第2流通路通知手段と、
前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信する第2受信手段と、
前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知する提供通知手段と、を備えた、データ流通装置。
【請求項2】
前記提供通知手段は、前記第2条件が満たされる場合に前記第2提供情報を前記利用装置に送信し、前記利用装置から確認情報を受信した場合に、前記利用装置に前記提供データを提供するよう前記提供装置に通知する、請求項1に記載のデータ流通装置。
【請求項3】
前記第2流通路通知手段は、前記第1条件が満たされる場合に前記第1提供情報を前記利用装置に送信し、前記利用装置から確認情報を受信した場合に、前記第2流通路に接続するよう通知する、請求項1又は2に記載のデータ流通装置。
【請求項4】
前記第2受信手段は、前記第2判定手段によって第i提供情報及び第i要求情報が第i条件を満たすと判定された場合に、前記第i提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第i+1提供情報と、前記第i要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第i+1要求情報とを、前記第2流通路を介して受信することを、i=2、…、n-1(nは3以上の整数)について実行し、
前記提供通知手段は、
第n提供情報及び第n要求情報が第n条件を満たす場合に、前記利用装置に前記提供データを提供するよう前記提供装置に通知する、請求項1から3の何れか1項に記載のデータ流通装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、
前記提供データを取得する提供データ取得手段と、
前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成する第1提供情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信する第1提供情報送信手段と、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成する第2提供情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信する第2提供情報送信手段と、
前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信する提供データ送信手段と、を備えた提供装置。
【請求項6】
請求項1から4の何れか1項に記載のデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、
前記要求を示す入力データを取得する入力データ取得手段と、
前記入力データに基づき第1要求情報を生成する第1要求情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1要求情報を送信する第1要求情報送信手段と、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記入力データに基づき前記第2要求情報を生成する第2要求情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2要求情報を送信する第2要求情報送信手段と、
前記提供装置から、前記第2流通路を介して前記提供データを受信する提供データ受信手段と、を備えた利用装置。
【請求項7】
請求項1から4の何れか1項に記載のデータ流通装置と、
請求項5に記載の提供装置と、
請求項6に記載の利用装置と、
を備えたデータ流通システム。
【請求項8】
提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信すること、
前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定すること、
前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知すること、
前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信すること、
前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定すること、及び、
前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知すること、を含むデータ流通方法。
【請求項9】
請求項8に記載のデータ流通方法を実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、
前記提供データを取得すること、
前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成すること、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信すること、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成すること、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信すること、及び、
前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信すること、を含むデータ提供方法。
【請求項10】
コンピュータをデータ流通装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する第1受信手段と、
前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知する第2流通路通知手段と、
前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信する第2受信手段と、
前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知する提供通知手段と、として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置から利用装置にデータを流通させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
提供者が提供するデータを利用者に流通させるための技術が知られている。例えば、特許文献1には、提供者による売りオファーと利用者による買いオファーとの組み合わせがマッチングの条件を満たすと、当該データを送出するためのチャネルを設定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特許第6694048号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の関連技術では、マッチングの条件が満たされたことに応答して、提供者から利用者にデータが流通する。しかしながら、マッチングの条件が満たされたデータであっても、必ずしも利用者が所望するデータであるとは限らない。この場合、利用者にとって、所望するデータが得られないという問題がある。また、データが当該データを所望しない利用者に流通することは、セキュリティ上の問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、セキュリティを強化しながら、利用者が所望するデータをより確実に提供する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るデータ流通装置は、提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する第1受信手段と、前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知する第2流通路通知手段と、前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信する第2受信手段と、前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する第2判定手段と、前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知する提供通知手段と、を備える。
【0007】
本発明の一側面に係る提供装置は、上述のデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記提供データを取得する提供データ取得手段と、前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成する第1提供情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信する第1提供情報送信手段と、前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成する第2提供情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信する第2提供情報送信手段と、前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信する提供データ送信手段と、を備える。
【0008】
本発明の一側面に係る利用装置は、上述のデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記要求を示す入力データを取得する入力データ取得手段と、前記入力データに基づき第1要求情報を生成する第1要求情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1要求情報を送信する第1要求情報送信手段と、前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記入力データに基づき前記第2要求情報を生成する第2要求情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2要求情報を送信する第2要求情報送信手段と、前記提供装置から、前記第2流通路を介して前記提供データを受信する提供データ受信手段と、を備える。
【0009】
本発明の一側面に係るデータ流通システムは、上述のデータ流通装置と、上述の提供装置と、上述の利用装置と、を備える。
【0010】
本発明の一側面に係るデータ流通方法は、提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信すること、前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定すること、前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知すること、前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信すること、前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定すること、及び、前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知すること、を含む。
【0011】
本発明の一側面に係るデータ提供方法は、上述のデータ流通方法を実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記提供データを取得すること、前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成すること、前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信すること、前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成すること、前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信すること、及び、前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信すること、を含む。
【0012】
本発明の一側面に係るデータ利用方法は、上述のデータ流通方法を実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記要求を示す入力データを取得すること、前記入力データに基づき第1要求情報を生成すること、前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1要求情報を送信すること、前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記入力データに基づき前記第2要求情報を生成すること、前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2要求情報を送信すること、及び、前記提供装置から、前記第2流通路を介して前記提供データを受信すること、を含む。
【0013】
本発明の一側面に係るプログラムは、コンピュータをデータ流通装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する第1受信手段と、前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知する第2流通路通知手段と、前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信する第2受信手段と、前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する第2判定手段と、前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知する提供通知手段と、として機能させる。
【0014】
本発明の一側面に係るプログラムは、コンピュータを提供装置として機能させるためのプログラムであって、上述のプログラムを実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記コンピュータを、前記提供データを取得する提供データ取得手段と、前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成する第1提供情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信する第1提供情報送信手段と、前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成する第2提供情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信する第2提供情報送信手段と、前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信する提供データ送信手段と、として機能させる。
【0015】
本発明の一側面に係るプログラムは、コンピュータを利用装置として機能させるためのプログラムであって、上述のプログラムを実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記コンピュータを、前記要求を示す入力データを取得する入力データ取得手段と、前記入力データに基づき第1要求情報を生成する第1要求情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1要求情報を送信する第1要求情報送信手段と、前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記入力データに基づき前記第2要求情報を生成する第2要求情報生成手段と、前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2要求情報を送信する第2要求情報送信手段と、前記提供装置から、前記第2流通路を介して前記提供データを受信する提供データ受信手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、セキュリティを強化しながら、利用者が所望するデータをより確実に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の例示的実施形態1に係るデータ流通システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の例示的実施形態1に係るデータ流通装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の例示的実施形態1に係る提供装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の例示的実施形態1に係る利用装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の例示的実施形態1に係るデータ流通方法の流れを示すフロー図である。
図6】本発明の例示的実施形態1に係るデータ提供方法の流れを示すフロー図である。
図7】本発明の例示的実施形態1に係るデータ利用方法の流れを示すフロー図である。
図8】本発明の例示的実施形態1に係るデータ流通方法の変形例の流れを示すフロー図である。
図9】本発明の例示的実施形態2に係るデータ構造の一例を示すブロック図である。
図10】本発明の例示的実施形態3に係るデータ流通システムの構成を示すブロック図である。
図11】本発明の例示的実施形態3に係るデータ構造の一例を示す図である。
図12】本発明の例示的実施形態3に係る他のデータ構造の一例を示す図である。
図13】本発明の例示的実施形態3に係る情報処理方法の流れを説明するシーケンス図である。
図14図13に続くシーケンス図である。
図15】本発明の例示的実施形態4に係るデータ流通システムの構成を示すブロック図である。
図16】本発明の例示的実施形態4に係るデータ構造の一例を示す図である。
図17】本発明の例示的実施形態4に係る他のデータ構造の一例を示す図である。
図18】本発明の例示的実施形態4に係る情報処理方法の流れを説明するシーケンス図である。
図19図18に続くシーケンス図である。
図20】本発明の例示的実施形態5に係るデータ流通システムの構成を示すブロック図である。
図21】本発明の例示的実施形態5に係るデータ構造の一例を示す図である。
図22】本発明の例示的実施形態5に係る他のデータ構造の一例を示す図である。
図23】本発明の例示的実施形態5に係る情報処理方法の流れを説明するシーケンス図である。
図24図23に続くシーケンス図である。
図25】本発明の各例示的実施形態における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0019】
<データ流通システムの構成>
本例示的実施形態に係るデータ流通システム1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、データ流通システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、データ流通システム1は、データ流通装置10と、提供装置20と、利用装置30と、を含む。データ流通システム1は、Publish/Subscribe型モデルの通信システムであり、データ流通装置10による制御の基に、提供装置20から利用装置30に提供データを提供する。
【0020】
データ流通装置10と、提供装置20及び利用装置30の各々とは、第1流通路を介して通信可能に接続される。また、データ流通装置10と、提供装置20及び利用装置30の各々とは、第2流通路を介して通信可能に接続され得る。図1には、提供装置20及び利用装置30を1つずつ示しているが、データ流通システム1が含む各装置の数は、1つに限定されず、複数であってもよい。
【0021】
(提供データ)
提供データは、提供装置20が提供可能なデータである。提供データの一例としては、映像データ、文書データ、音声データ、センサデータ、又はリソースデータ等があるが、これらに限られない。なお、ここでいうリソースデータとは、例えば、サービスを実施するために用いられるリソース(例えば、人、装置等)に関する情報をいう。提供装置20は、1又は複数の提供データを提供可能である。
【0022】
(第1流通路)
第1流通路は、データ流通装置10と、提供装置20及び利用装置30の各々との間を接続する流通路である。第1流通路は、データ流通システム1が稼動している間、これらの装置間を接続する。換言すると、第1流通路は、常設されている。第1流通路は、秘匿性の低い情報を送受信するための流通路である。第1流通路は、パブリックなネットワークによって構成される。第1流通路を実現するネットワークの一例としては、インターネット、公衆無線LAN(Local Area Network)が挙げられる。ただし、第1流通路を実現するネットワークは、上述したものに限定されない。
【0023】
(第2流通路)
第2流通路は、データ流通装置10と、提供装置20と、利用装置30との間を、一時的に接続する、第1流通路とは異なる非公開の流通路である。ここで、「非公開」であるとは、第2の流通路への接続情報が公開されておらず、当該接続情報が提供装置20と利用装置30とにのみ通知されることをいう。このため、第2流通路は、第1流通路を介して送受信する情報と比べて秘匿性の高い情報を送受信するための流通路として利用し得る。以降、第2流通路によって、データ流通装置10と、提供装置20と、利用装置30との間を接続することを、第2流通路を開設する、とも記載する。換言すると、第2流通路は、一時的に開設される。詳細には、第2流通路は、第1流通路において後述する第1条件が満たされた場合に一時的に開設される。第2流通路は、プライベートなネットワークによって構成される。第2流通路を実現するネットワークの一例としては、VPN(Virtual Private Network)が挙げられる。ただし、第2流通路を実現するネットワークは、上述したものに限定されない。
【0024】
ここで、第2流通路の開設中、データ流通システム1の状態は、第1モード、及び第2モードの何れかで有り得る。第1モードとは、提供データの開示範囲が制限された状態である。第2モードとは、提供データの全ての開示が許可された状態である。
【0025】
(データ流通装置の構成)
データ流通装置10の構成について、図2を参照して説明する。図2は、データ流通装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、データ流通装置10は、第1受信部11と、第1判定部12と、第2流通路通知部13と、第2受信部14と、第2判定部15と、提供通知部16とを含む。第1受信部11は、請求の範囲に記載した第1受信手段を実現する構成の一例である。第1判定部12は、請求の範囲に記載した第1判定手段を実現する構成の一例である。第2流通路通知部13は、請求の範囲に記載した第2流通路通知手段を実現する構成の一例である。第2受信部14は、請求の範囲に記載した第2受信手段を実現する構成の一例である。第2判定部15は、請求の範囲に記載した第2判定手段を実現する構成の一例である。提供通知部16は、請求の範囲に記載した提供通知手段を実現する構成の一例である。
【0026】
第1受信部11は、第1提供情報と第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する。
第1提供情報及び第1要求情報については後述する。
【0027】
第1判定部12は、第1提供情報及び第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する。第1条件については後述する。
【0028】
第2流通路通知部13は、第1条件が満たされる場合に、提供装置20及び利用装置30に対して、第2流通路に接続するよう通知する。これにより、データ流通システム1の状態は、第1モードに移行する。
【0029】
第2受信部14は、第2提供情報と、第2要求情報とを、第2流通路を介して受信する。第2提供情報及び第2要求情報については後述する。
【0030】
第2判定部15は、第2提供情報及び第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する。第2条件については後述する。
【0031】
提供通知部16は、第2条件が満たされる場合に、提供装置20に対して、第2流通路を介して利用装置30に提供データを提供するよう通知する。これにより、データ流通システム1の状態は、第2モードに移行する。
【0032】
(第1提供情報)
第1提供情報は、第1流通路を介して送受信される、提供データに関する情報である。第1提供情報は、後述する第2提供情報よりも詳細度が低い。換言すると、第1提供情報は、第2提供情報に比べて概略的な情報を含む。このため、第1提供情報は、第2提供情報に比べて秘匿性が低い。
【0033】
第1提供情報は、概略的な情報として、提供データに含まれる情報を含んでもよいし、提供データに付随する情報を含んでもよい。また、第1提供情報は、概略的な情報として、提供データを解析して得られる情報を含んでもよいし、複数の提供データを統合して得られる情報を含んでもよい。第1提供情報に含まれる情報の一例として、提供データの「分類」、提供データである文書データの「文書形式」、提供データである映像データを解析して得られる「被写体の色」、特定の時間帯に取得された「提供データの数」等が挙げられる。ただし、第1提供情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0034】
(第1要求情報)
第1要求情報は、第1流通路を介して送受信される、利用装置30による提供データに関する要求を示す。第1要求情報は、後述する第2要求情報に比べて詳細度が低い。換言すると、第1要求情報は、第2要求情報に比べて概略的である。このため、第1要求情報は、第2要求情報に比べて秘匿性が低い。
【0035】
第1要求情報は、例えば、利用装置30に入力される入力データから生成される。入力データは、例えば、映像データ、センサデータ、又はユーザが入力したユーザ入力情報であるが、これらに限られない。また、第1要求情報は、提供データに関する概略的な要求として、入力データに含まれる情報を含んでもよいし、入力データに付随する情報を含んでもよい。また、第1要求情報は、提供データに関する概略的な要求として、入力データを解析して得られる情報を含んでもよいし、複数の入力データを統合して得られる情報を含んでもよい。第1要求情報に含まれる情報の一例として、利用したい提供データの「分類」、利用したい文書データの「文書形式」、利用したい映像データに含まれる「被写体の色」等が挙げられる。ただし、第1要求情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0036】
(第2提供情報)
第2提供情報は、第2流通路を介して送受信される、提供データに関する情報である。第2提供情報は、第1提供情報より詳細である。このため、第2提供情報は、第1提供情報よりも秘匿性が高い。
【0037】
第2提供情報は、詳細な情報として、提供データに含まれる情報を含んでもよいし、提供データに付随する情報を含んでもよい。また、第1提供情報は、詳細な情報として、提供データを解析して得られる情報を含んでもよいし、複数の提供データを統合して得られる情報を含んでもよい。第2提供情報に含まれる情報の一例として、提供データである文書データの「作成者」、提供データである映像データから抽出された「顔画像」、同一の被写体を含む複数の映像データから得られる「被写体の移動範囲」等が挙げられる。ただし、第2提供情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0038】
(第2要求情報)
第2要求情報は、第2流通路を介して送受信される、利用装置30による提供データに関する要求を示す。第2要求情報は、第1要求情報に比べて詳細である。このため、第2要求情報は、第1要求情報に比べて秘匿性が高い。
【0039】
第2要求情報は、例えば、上述した入力データから生成される。また、第2要求情報は、提供データに関する詳細な要求として、入力データに含まれる情報を含んでもよいし、入力データに付随する情報を含んでもよい。また、第2要求情報は、提供データに関する詳細な要求として、入力データを解析して得られる情報を含んでもよいし、複数の入力データを統合して得られる情報を含んでもよい。第2要求情報に含まれる情報の一例として、利用したい文書データの「作成者」、利用したい映像データに含まれる「顔画像」、利用したい映像データに含まれる「被写体の移動範囲」等が挙げられる。ただし、第2要求情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0040】
(第1条件)
第1条件とは、第1提供情報及び第1要求情報が満たし得る条件であり、第1提供情報及び第1要求情報がマッチングするか否かを判定するための条件である。マッチングするとは、例えば、第1提供情報及び第1要求情報の少なくとも一部が一致すること、少なくとも一部が類似すること、一方の少なくとも一部が示す範囲に他方の少なくとも一部が示す範囲が含まれること等である。第1条件の一例として、「分類が一致する」、「被写体の色が類似する」、「一方が示す日時の範囲に他方が示す日時が含まれる」等が挙げられる。ただし、第1条件は、これらに限定されない。
【0041】
(第2条件)
第2条件とは、第2提供情報及び第2要求情報が満たし得る条件であり、第2提供情報及び第2要求情報がマッチングするか否かを判定するための条件である。マッチングするとは、例えば、第2提供情報及び第2要求情報の少なくとも一部が一致すること、少なくとも一部が類似すること、一方の少なくとも一部が示す範囲に他方の少なくとも一部が示す範囲が含まれること等である。第2条件の一例として、「作成者が一致する」、「顔画像が類似する」、「一方の被写体の移動範囲が他方の被写体の移動範囲を含む」等が挙げられる。ただし、第2条件は、これらに限定されない。
【0042】
(提供装置)
提供装置20の構成について、図3を参照して説明する。図3は、提供装置20の構成を示すブロック図である。図3に示すように、提供装置20は、提供データ取得部21と、第1提供情報生成部22と、第1提供情報送信部23と、第2提供情報生成部24と、第2提供情報送信部25と、提供データ送信部26とを含む。提供データ取得部21は、請求の範囲に記載した提供データ取得手段を実現する構成の一例である。第1提供情報生成部22は、請求の範囲に記載した第1提供情報生成手段を実現する構成の一例である。第1提供情報送信部23は、請求の範囲に記載した第1提供情報送信手段を実現する構成の一例である。第2提供情報生成部24は、請求の範囲に記載した第2提供情報生成手段を実現する構成の一例である。第2提供情報送信部25は、請求の範囲に記載した第2提供情報送信手段を実現する構成の一例である。提供データ送信部26は、請求の範囲に記載した提供データ送信手段を実現する構成の一例である。
【0043】
提供データ取得部21は、提供データを取得する。
【0044】
第1提供情報生成部22は、提供データに基づき第1提供情報を生成する。
【0045】
第1提供情報送信部23は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して第1提供情報を送信する。
【0046】
第2提供情報生成部24は、第2流通路に接続するよう通知された場合に、提供データに基づき第2提供情報を生成する。
【0047】
第2提供情報送信部25は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して第2提供情報を送信する。
【0048】
提供データ送信部26は、提供データを提供するよう通知された場合に、利用装置30に対して、第2流通路を介して提供データを送信する。
【0049】
(利用装置)
利用装置30の構成について、図4を参照して説明する。図4は、利用装置30の構成を示すブロック図である。図4に示すように、利用装置30は、入力データ取得部31と、第1要求情報生成部32と、第1要求情報送信部33と、第2要求情報生成部34と、第2要求情報送信部35と、提供データ受信部36とを含む。入力データ取得部31は、請求の範囲に記載した入力データ取得手段を実現する構成の一例である。第1要求情報生成部32は、請求の範囲に記載した第1要求情報生成手段を実現する構成の一例である。第1要求情報送信部33は、請求の範囲に記載した第1要求情報送信手段を実現する構成の一例である。第2要求情報生成部34は、請求の範囲に記載した第2要求情報生成手段を実現する構成の一例である。第2要求情報送信部35は、請求の範囲に記載した第2要求情報送信手段を実現する構成の一例である。提供データ受信部36は、請求の範囲に記載した提供データ受信手段を実現する構成の一例である。
【0050】
入力データ取得部31は、提供データに関する要求を示す入力データを取得する。入力データの詳細については後述する。
【0051】
第1要求情報生成部32は、入力データに基づき第1要求情報を生成する。
【0052】
第1要求情報送信部33は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して第1要求情報を送信する。
【0053】
第2要求情報生成部34は、第2流通路に接続するよう通知された場合に、入力データに基づき第2要求情報を生成する。
【0054】
第2要求情報送信部35は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して第2要求情報を送信する。
【0055】
提供データ受信部36は、提供装置20から、第2流通路を介して提供データを受信する。
【0056】
<データ流通システムが実行する情報処理方法の流れ>
以上のように構成されたデータ流通システム1が実行する情報処理方法の流れについて、図5図7を参照して説明する。データ流通システム1が実行する情報処理方法は、データ流通方法S10、データ提供方法S20、及びデータ利用方法S30を含む。なお、以下では、説明を簡単にするため、提供装置20が提供可能な提供データが1つであるものとして説明する。また、利用装置30が行う要求が1つであるものとする。また、提供装置20及び利用装置30が1つずつであるものとする。なお、「複数の提供データ及び複数の要求を対象とする場合」、及び「複数の提供装置20及び複数の利用装置30を含む場合」については後述する。
【0057】
(データ流通方法の流れ)
図5は、データ流通装置10が実行するデータ流通方法S10の流れを示すフロー図である。図5に示すように、データ流通方法S10は、ステップS101~S108を含む。
【0058】
(ステップS101)
ステップS101において、第1受信部11は、第1流通路を介して、提供装置20から第1提供情報を受信する。
【0059】
(ステップS102)
ステップS102において、第1受信部11は、第1流通路を介して、利用装置30から第1要求情報を受信する。なお、ステップS101及びS102の処理の実行順序は、この順に限られない。
【0060】
(ステップS103)
第1判定部12は、第1提供情報及び第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する。
【0061】
(ステップS103でNo)
ステップS103でNoと判定した場合、データ流通装置10は、データ流通方法S10を終了する。
【0062】
(ステップS103でYes:ステップS104)
ステップS103でYesと判定した場合、ステップS104において、第2流通路通知部13は、提供装置20及び利用装置30に対して、第2流通路に接続するよう通知する。例えば、第2流通路通知部13は、既存の第2流通路に接続するための接続情報を取得し、当該接続情報を提供装置20及び利用装置30に送信してもよい。また、例えば、第2流通路通知部13は、新たな第2流通路を開設し、当該新たな第2流通路に接続するための接続情報を提供装置20及び利用装置30に送信してもよい。これにより、データ流通システム1の状態は、第1モードに移行する。
【0063】
(ステップS105)
ステップS105において、第2受信部14は、第2流通路を介して、提供装置20から第2提供情報を受信する。
【0064】
(ステップS106)
ステップS106において、第2受信部14は、第2流通路を介して、利用装置30から第2要求情報を受信する。
【0065】
(ステップS107)
ステップS107において、第2判定部15は、第2提供情報及び第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する。
【0066】
(ステップS107でNo)
ステップS107でNoと判定した場合、データ流通装置10は、データ流通方法S10を終了する。
【0067】
(ステップS107でYes:ステップS108)
ステップS107でYesと判定した場合、ステップS108において、提供通知部16は、提供装置20に対して、第2流通路を介して利用装置30に提供データを提供するよう通知する。これにより、データ流通システム1の状態は、第2モードに移行する。
【0068】
(データ提供方法の流れ)
図6は、提供装置20が実行するデータ提供方法S20の流れを示すフロー図である。図6に示すように、データ提供方法S20は、ステップS201~S208を含む。
【0069】
(ステップS201)
ステップS201において、提供データ取得部21は、提供データを取得する。例えば、提供データ取得部21は、図示しないセンサ、入力装置、又はユーザ端末等から、提供データを取得する。
【0070】
(ステップS202)
ステップS202において、第1提供情報生成部22は、提供データに基づき第1提供情報を生成する。例えば、第1提供情報生成部22は、提供データに含まれる情報又は付随する情報を含む第1提供情報を生成する。また、例えば、第1提供情報生成部22は、提供データを解析して得られる情報を含む第1提供情報を生成する。
【0071】
(ステップS203)
ステップS203において、第1提供情報送信部23は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して第1提供情報を送信する。
【0072】
(ステップS204)
ステップS204において、第2提供情報生成部24は、データ流通装置10から、第2流通路に接続するよう通知されたか否かを判断する。換言すると、第2提供情報生成部24は、データ流通システム1の状態が第1モードであるか否かを判断する。
【0073】
(ステップS204でNo)
ステップS204でNoと判断した場合、提供装置20は、データ提供方法S20を終了する。
【0074】
(ステップS204でYes:ステップS205)
ステップS204でYesと判断した場合、ステップS205において、第2提供情報生成部24は、提供データに基づき第2提供情報を生成する。例えば、第2提供情報生成部24は、提供データに含まれる情報又は付随する情報を含む第2提供情報を生成する。また、例えば、第2提供情報生成部24は、提供データを解析して得られる情報を含む第2提供情報を生成する。
【0075】
(ステップS206)
ステップS206において、第2提供情報送信部25は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して第2提供情報を送信する。
【0076】
(ステップS207)
ステップS207において、提供データ送信部26は、提供データを提供するよう通知されたか否かを判断する。換言すると、提供データ送信部26は、データ流通システム1の状態が第2モードであるか否かを判断する。なお、ステップS205~S207は、第1モードにおける提供装置20の動作を示している。
【0077】
(ステップS207でNo)
ステップS207でNoと判断した場合、提供装置20は、データ提供方法S20を終了する。
【0078】
(ステップS207でYes:ステップS208)
ステップS207でYesと判断した場合、ステップS208において、提供装置20は、利用装置30に対して、第2流通路を介して提供データを送信する。なお、ステップS208は、第2モードにおける提供装置20の動作を示している。
【0079】
(データ利用方法の流れ)
図7は、利用装置30が実行するデータ利用方法S30の流れを示すフロー図である。図7に示すように、データ利用方法S30は、ステップS301~S307を含む。
【0080】
(ステップS301)
ステップS301において、入力データ取得部31は、入力データを取得する。例えば、入力データ取得部31は、図示しないセンサ、入力装置、又はユーザ端末等から、入力データを取得する。入力データの一例としては、前述したように、映像データ、センサデータ、ユーザ入力情報等が挙げられるが、これらに限られない。
【0081】
(ステップS302)
ステップS302において、第1要求情報生成部32は、入力データに基づき第1要求情報を生成する。例えば、第1要求情報生成部32は、入力データに含まれる情報又は付随する情報を含む第1要求情報を生成する。また、例えば、第1要求情報生成部32は、入力データを解析して得られる情報を含む第1要求情報を生成する。
【0082】
(ステップS303)
ステップS303において、第1要求情報送信部33は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して第1要求情報を送信する。
【0083】
(ステップS304)
ステップS304において、第2要求情報生成部34は、第2流通路に接続するよう通知されたか否かを判断する。換言すると、第2要求情報生成部34は、データ流通システム1の状態が第1モードであるか否かを判断する。
【0084】
(ステップS304でNo)
ステップS304においてNoと判断した場合、利用装置30は、データ利用方法S30を終了する。
【0085】
(ステップS304でYes:ステップS305)
ステップS304においてYesと判断した場合、ステップS305において、第2要求情報生成部34は、入力データに基づき第2要求情報を生成する。例えば、第2要求情報生成部34は、入力データに含まれる情報又は付随する情報を含む第2要求情報を生成する。また、例えば、第2要求情報生成部34は、入力データを解析して得られる情報を含む第2要求情報を生成する。
【0086】
(ステップS306)
ステップS306において、第2要求情報送信部35は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して第2要求情報を送信する。なお、ステップS305~S306は、第1モードにおける利用装置30の動作を示している。
【0087】
(ステップS307)
ステップS307において、提供データ受信部36は、提供装置20から、第2流通路を介して提供データを受信する。なお、当該ステップの処理は、データ流通装置10において第2条件が満たされないと判断された場合には、実行されない。換言すると、利用装置30は、第2提供情報及び第2要求情報が第2条件を満たす場合に、提供データを受信することができる。なお、本ステップの実行時において、データ流通システム1の状態は第2モードである。ステップS307は、第2モードにおける利用装置30の動作を示している。
【0088】
<変形例1>
複数の提供データ及び複数の要求を対象とする変形例について説明する。ここでは、提供装置20は、複数の提供データを提供可能である。また、利用装置30は、提供データに関する1又は複数の要求を行う。この場合、提供方法S20、利用方法S30、及びデータ流通方法S10は、それぞれ、以下のように変形される。
【0089】
(提供方法の変形点)
この場合、提供装置20は、ステップS201~S203の処理を任意の時点で実行する。換言すると、提供装置20は、提供データの取得に応じて第1提供情報を生成し、第1流通路を介してデータ流通装置10に対して送信する。なお、第1提供情報生成部22は、ステップS202において、複数の提供データを統合して得られる情報を含む第1提供情報を生成する場合もある。
【0090】
また、提供装置20は、ステップS204~S206の処理を任意の時点で実行する。換言すると、提供装置20は、第2流通路に接続するよう通知される度に、第1提供情報に対応する第2提供情報を生成し、第2流通路を介してデータ流通装置10に対して送信する。なお、第2流通路は、通知の度に異なり得る。ここで、第1提供情報に対応する第2提供情報とは、当該第1提供情報を生成するために参照した提供データから生成される第2提供情報である。なお、第2提供情報生成部24は、ステップS205において、複数の提供データを統合して得られる情報を含む第2提供情報を生成する場合もある。
【0091】
(利用方法の変形点)
また、利用装置30は、ステップS301~S303の処理を任意の時点で実行する。換言すると、利用装置30は、入力データの入力に応じて第1要求情報を生成し、第1流通路を介してデータ流通装置10に対して送信する。なお、第1要求情報生成部32は、ステップS302において、複数の入力データを統合して得られる情報を含む第1要求情報を生成する場合もある。
【0092】
また、利用装置30は、ステップS304~S306の処理を任意の時点で実行する。換言すると、利用装置30は、第2流通路に接続するよう通知される度に、第1要求情報に対応する第2要求情報を生成し、第2流通路を介してデータ流通装置10に対して送信する。なお、第2流通路は、通知の度に異なり得る。ここで、第1要求情報に対応する第2要求情報とは、当該第1要求情報を生成するために参照した入力データから生成される第2要求情報である。なお、第2要求情報生成部34は、ステップS305において、複数の入力データを統合して得られる情報を含む第2要求情報を生成する場合もある。
【0093】
また、データ流通装置10は、提供装置20から第1提供情報を受信する度に(ステップS101)、第1提供情報をメモリ(図示せず)に蓄積する。また、データ流通装置10は、利用装置30から第1要求情報を受信する度に(ステップS102)、第1要求情報をメモリに蓄積する。これにより、メモリには、複数の第1提供情報及び複数の第1要求情報が蓄積される。
【0094】
(データ流通方法の変形点)
また、ステップS103において、第1判定部12は、複数の第1提供情報及び複数の第1要求情報のうち、第1条件を満たす第1提供情報及び第1要求情報の組み合わせを抽出する。
【0095】
また、ステップS104において、第2流通路通知部13は、第1条件を満たす第1提供情報及び第1要求情報の組み合わせに応じて異なる第2流通路を開設する。換言すると、開設される第2流通路は、当該組み合わせに応じた専用の流通路である。第2流通路通知部13は、提供装置20に対して、第2流通路に接続するよう通知することに加えて、第1条件を満たした第1提供情報に対応する第2提供情報を送信するよう通知する。また、第2流通路通知部13は、利用装置30に対して、第2流通路に接続するよう通知することに加えて、第1条件を満たした第1要求情報に対応する第2要求情報を送信するよう通知する。
【0096】
また、データ流通装置10は、ステップS103~S106を繰り返し実行することにより、メモリに、複数の第2提供情報及び複数の第2要求情報を蓄積する。
【0097】
ステップS107において、データ流通装置10は、複数の第2提供情報及び複数の第2要求情報のうち、第2条件を満たす第2提供情報及び第2要求情報の組み合わせを抽出する。
【0098】
ステップS108において、データ流通装置10は、提供装置20に対して、第2条件を満たした第2提供情報に対応する提供データを提供するよう通知する。第2提供情報に対応する提供データとは、当該第2提供情報を生成するために参照した提供データである。
【0099】
<変形例2>
データ流通システム1が、複数の提供装置20及び複数の利用装置30を含む場合の情報処理方法について説明する。ここでは、各提供装置20は、複数の提供データを提供可能である。また、各利用装置30は、提供データに関する複数の要求を行う。
【0100】
この場合の情報処理方法は、「複数の提供データ及び複数の要求を対象とする場合の情報処理方法」と同様に変形されることに加えて、以下のように変形される。
【0101】
ステップS104において、データ流通装置10の第2流通路通知部13は、第1条件を満たす第1提供情報及び第1要求情報の組み合わせに応じて異なる第2流通路を開設する。その後、第2流通路通知部13は、第1提供情報の送信元の提供装置20、及び第1要求情報の送信元の利用装置30に対して、当該第2流通路に接続するよう通知を行う。
【0102】
また、ステップS108において、データ流通装置10は、第2条件を満たした第2提供情報の送信元の提供装置20に対して、当該第2提供情報に対応する提供データを提供するよう通知する。
【0103】
<変形例3>
本例示的実施形態は、第2流通路において複数段階の条件判定を経て提供データを提供するよう変形することができる。換言すると、本変形例において、第2流通路の開設中、データ流通システム1の状態は、第1モード~第nモード(nは3以上の整数)の何れかで有り得る。第1~第n-1モードは、提供データの開示範囲が段階的に制限された状態である。第nモードとは、提供データの全ての開示が許可された状態である。
【0104】
この場合、データ流通装置10における第2受信部14、第2判定部15、及び提供通知部16は、次のように変形される。
【0105】
第2受信部14は、第2判定部15によって第i提供情報及び第i要求情報が第i条件を満たすと判定された場合に、第i+1提供情報と第i+1要求情報とを第2流通路を介して受信することを、i=2、…、n-1について実行する。ここで、第i+1提供情報は、提供データに関する情報であり、第i提供情報よりも詳細である。また、第i+1要求情報は、利用したい提供データに関する要求を示す情報であり、第i要求情報よりも詳細である。
【0106】
第2判定部15は、第2受信部14が受信した第i提供情報及び第i要求情報が第i条件を満たすか否かを判定する(i=2、…、n)。第i条件とは、第i提供情報及び第i要求情報が満たし得る条件であり、第i提供情報及び第i要求情報がマッチングするか否かを判定するための条件である。
【0107】
提供通知部16は、第n条件が満たされる場合に、利用装置30に提供データを提供するよう提供装置20に通知する。
【0108】
(データ流通方法の変形点)
この場合、データ流通装置10は、データ流通方法S10を変形したデータ流通方法S10aを実行する。データ流通方法S10aについて、図8を参照して説明する。図8は、データ流通方法S10aの流れを示すフロー図である。図8に示すように、データ流通方法S10aは、ステップS105~S107の代わりに、i=2,…nについてステップS105a~S107a、S107bを繰り返す点が、図5に示したデータ流通方法S10に対して異なる。
【0109】
(ステップS105a)
ステップS105aにおいて、第2受信部14は、第2流通路を介して、第i提供情報を送信するよう提供装置20に通知することにより、第i提供情報を受信する。
【0110】
(ステップS106a)
ステップS106aにおいて、第2受信部14は、第2流通路を介して、第i要求情報を送信するよう利用装置30に通知することにより、第i要求情報を受信する。
【0111】
(ステップS107a)
ステップS107aにおいて、第2判定部15は、第i提供情報及び第i要求情報が第i条件を満たすか否かを判定する。
【0112】
(ステップS107aでNo)
ステップS107でNoと判定した場合、データ流通装置10は、データ流通方法S10を終了する。
【0113】
(ステップS107aでYes:ステップS107b)
ステップS107aにおいてYesと判定した場合、データ流通システム1の状態は、第i+1モードに移行する。そして、ステップS107bにおいて、第2判定部15は、i=nであるか否かを判断する。
【0114】
(ステップS107bでNo)
ステップS107bにおいてNoと判断した場合、第2判定部15は、iに1を加算して、ステップS105aからの処理を繰り返す。
【0115】
(ステップS107bでYes:ステップS108)
ステップS107bにおいてYesと判断した場合、データ流通システム1の状態は、第nモードに移行する。そして、ステップS108において、提供通知部16は、提供装置20に対して、第2流通路を介して利用装置30に提供データを提供するよう通知する。
【0116】
この場合、提供装置20は、提供方法S20のステップS205、S206を次のように変形して実行する。
【0117】
(提供方法の変形点)
提供装置20は、データ流通装置10から第i提供情報を送信するよう通知された場合に、ステップS205において第i提供情報を生成し、ステップS206において第i提供情報を送信する。
【0118】
(利用方法の変形点)
利用装置30は、データ流通装置10から第i要求情報を送信するよう通知された場合に、ステップS305において第i要求情報を生成し、ステップS306において第i要求情報を送信する。
【0119】
なお、データ流通システム1は、第1流通路、及び第2流通路の各モードについて、規定された詳細度より詳細な情報の送受信を許可しない機能を有していてもよい。例えば、データ流通装置10は、第1流通路、及び第2流通路を介して送信される情報を中継し、送信された情報が規定された詳細度より詳細である場合には、当該情報を破棄して中継しないようにしてもよい。
【0120】
<本例示的実施形態の効果>
本例示的実施形態及び各変形例は、セキュリティを強化しながら、利用者が所望するデータをより確実に提供することができる。その理由は、第1流通路を介して送受信する概略的な第1提供情報及び第1要求情報が第1条件を満たすことに加え、非公開の第2流通路を介して送受信する詳細な第2提供情報及び第2要求情報が第2条件を満たす場合に、提供データを提供するからである。これにより、第1条件を満たすだけで提供データを提供する場合と比べて、提供されたデータが、利用者が所望するデータである確実性が高くなる。換言すると、提供されたデータが、利用者が所望しないデータある可能性が低減する。その結果、本例示的実施形態は、利用者が所望しないデータが提供されることによる情報漏えいの可能性を低減することができ、セキュリティが強化される。
【0121】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態として、例示的実施形態1に係るデータ流通システム1が用いるのに好適なデータ構造の一例について、図9を参照して説明する。図9は、提供データ、入力データ、第1提供情報、第1要求情報、第2提供情報、及び第2要求情報のデータ構造の一例を示すブロック図である。
【0122】
(提供データ、入力データのデータ構造)
図9に示すように、提供データ及び入力データは、同一のデータ構造を有する。提供データ及び入力データは、属性「位置」及び「日時」と、その他の1又は複数の属性とを含む。各属性には、開示範囲i(i=1、…、n:nは3以上の整数)を示す情報が関連付けられている。各属性は、属性の識別情報(キー:属性1-1、1-2、…、2-1、2-2、…、n-1、n-2、…)と、値(バリュー:値1-1、1-2、…、2-1、2-2、…、n-1、n-2、…)とからなる。以降、キー「属性X-X」、及びバリュー「値X-X」からなる属性を、単に「属性X-X」と記載することもある。
【0123】
(位置)
属性「位置」は、提供データ又は入力データに関する位置を表す。例えば、属性「位置」は、当該データが生成された地点、又は当該データが取得された地点を示す情報であるが、これらに限られない。
【0124】
(日時)
属性「日時」は、提供データ又は入力データに関する日時を表す。例えば、属性「日時」は、当該データが生成された日時、又は当該データが取得された日時を示す情報であるが、これらに限られない。
【0125】
(開示範囲)
開示範囲iとは、詳細の程度を示す情報である。この例では、開示範囲iは、iが大きいほどより詳細であることを示す。換言すると、開示範囲iは、iが大きいほど秘匿性が高いことを示す。また、開示範囲1が関連付けられた属性は、第1流通路において送受信が許可される。また、2以上の開示範囲iが関連付けられた属性は、第1流通路では送受信が許可されず、第[i-1]条件が満たされた場合に、第2流通路での送受信が許可される。なお、開示範囲nが関連付けられた属性は、第[n-1]条件が満たされた場合に、最終的に送受信が許可される実データである。なお、図9の例では、属性「位置」及び「日時」には開示範囲iが関連付けられていないが、これらの一方又は両方に、それぞれ開示範囲iが関連付けられていてもよい。
【0126】
また、提供データは、必ずしも、開示範囲iを示す情報自体を含んでいなくてもよい。具体的には、提供データとは異なる、属性のキーと開示範囲iとを関連付けた情報を用意することにより、各属性に開示範囲が関連付けられてもよい。
【0127】
また、提供データ又は入力データは、必ずしも、開示範囲1~nの各々に関連付けられた属性を全て含んでいなくてもよい。例えば、提供データは、「位置」、「日時」、及び、開示範囲nに関連付けられた「実データ」を少なくとも含んでいればよい。この場合、第1提供情報に含めるための開示範囲1の属性は、提供装置20の第1提供情報生成部22が提供データに基づいて生成してもよい。また、第2提供情報に含めるための開示範囲2の属性は、提供装置20の第2提供情報生成部24が、提供データに基づいて生成してもよい。
【0128】
また、例えば、入力データは、必ずしも、開示範囲nに関連付けられた「実データ」を含んでいなくてもよい。例えば、入力データに、開示範囲1及び開示範囲2にそれぞれ関連付けられた属性が含まれる場合、開示範囲nに関連付けられた属性が含まれていなくても、第1要求情報及び第2要求情報は生成可能である。
【0129】
(第1提供情報、第1要求情報のデータ構造)
図9に示すように、第1提供情報及び第1要求情報は、同一のデータ構造を有する。第1提供情報及び第1要求情報は、属性1-1、属性1-2、…を含む。第1提供情報が含むこれらの属性は、提供データに含まれる、又は提供データに基づき生成された、開示範囲1以下が関連付けられた属性である。第1要求情報が含むこれらの属性は、入力データに含まれる、又は入力データに基づき生成された、開示範囲1以下が関連付けられた属性である。
【0130】
(第2提供情報、第2要求情報のデータ構造)
図9に示すように、第2提供情報及び第2要求情報は、同一のデータ構造を有している。第2提供情報及び第2要求情報は、属性2-1、属性2-2、…を含む。第2提供情報が含むこれらの属性は、提供データに含まれる、又は提供データに基づき生成された、開示範囲2以下が関連付けられた属性である。第2要求情報が含むこれらの属性は、入力データに含まれる、又は入力データに基づき生成された、開示範囲2以下が関連付けられた属性である。
【0131】
<データ流通システムが実行する情報処理方法の流れ>
図9に示すデータ構造を用いることにより、図5~7を参照して説明した情報処理方法(データ流通方法、データ提供方法、及びデータ利用方法)における詳細な動作は、以下に説明する通りとなる。なお、以下に説明するステップ以外のステップについては上述した通りであるため、説明を繰り返さない。
【0132】
(データ流通方法における詳細な動作)
(ステップS103)
ステップS103において、データ流通装置10の第1判定部12は、第1提供情報及び第1要求情報に含まれる、対応する属性の各組み合わせが、第1条件を満たすか否かを判定する。対応する属性の組み合わせは、例えば、第1提供情報に含まれる属性1-1と、第1要求情報に含まれる属性1-1とが対応する、といったように、事前に定められる。第1条件を満たす場合に、ステップS104の処理が実行される。
【0133】
(ステップS107)
ステップS107において、データ流通装置10の第2判定部15は、第2提供情報及び第2要求情報に含まれる、対応する属性の各組み合わせが、第2条件を満たすか否かを判定する。対応する属性の組み合わせは、例えば、第2提供情報に含まれる属性2-1と、第2要求情報に含まれる属性2-1とが対応する、といったように、事前に定められる。第2条件を満たす場合に、ステップS108の処理が実行される。
【0134】
(データ提供方法における詳細な動作)
(ステップS202)
ステップS202において、提供装置20の第1提供情報生成部22は、提供データを参照して、開示範囲1に関連付けられた属性を取得し、取得した属性を含む第1提供情報を生成する。例えば、第1提供情報生成部22は、提供データに含まれる、開示範囲1に関連付けられた属性1-1、属性1-2、…を取得してもよい。また、例えば、第1提供情報生成部22は、提供データを解析することにより、開示範囲1に関連付けられた属性1-1、属性1-2、…を生成してもよい。また、例えば、第1提供情報生成部22は、複数の提供データに基づいて、開示範囲1に関連付けられた属性1-1、属性1-2、…を生成してもよい。
【0135】
(ステップS205)
ステップS205において、提供装置20の第2提供情報生成部24は、提供データを参照して、開示範囲2以下に関連付けられた属性を取得し、取得した属性を含む第2提供情報を生成する。例えば、第2提供情報生成部24は、取得した提供データに含まれる、開示範囲2に関連付けられた属性2-1、属性2-2、…を取得してもよい。また、例えば、第2提供情報生成部24は、取得した提供データを解析することにより、開示範囲2に関連付けられた属性2-1、属性2-2を生成してもよい。また、例えば、第2提供情報生成部24は、複数の提供データに基づいて、開示範囲2に関連付けられた属性2-1、属性2-2、…を生成してもよい。
【0136】
(データ利用方法における詳細な動作)
(ステップS302)
ステップS302において、利用装置30の第1要求情報生成部32は、入力データを参照して、開示範囲1に関連付けられた属性を取得する。また、第1要求情報生成部32は、取得した属性を含む第1要求情報を生成する。例えば、第1要求情報生成部32は、入力データ自体に含まれる、開示範囲1に関連付けられた属性1-1、属性1-2、…を取得してもよい。また、例えば、第1要求情報生成部32は、入力データを解析することにより、開示範囲1に関連付けられた属性1-1、属性1-2、…を生成してもよい。また、例えば、第1要求情報生成部32は、複数の入力データに基づいて、開示範囲1に関連付けられた属性1-1、属性1-2、…を生成してもよい。
【0137】
(ステップS305)
ステップS305において、利用装置30の第2要求情報生成部34は、入力データを参照して、開示範囲2以下に関連付けられた属性を取得し、取得した属性を含む第2要求情報を生成する。例えば、第2要求情報生成部34は、入力データに含まれる、開示範囲2に関連付けられた属性2-1、属性2-2、…を取得してもよい。また、例えば、第2要求情報生成部34は、入力データを解析することにより、開示範囲2に関連付けられた属性2-1、属性2-2、…を生成してもよい。また、例えば、第2要求情報生成部34は、複数の入力データに基づいて、開示範囲2に関連付けられた属性2-1、属性2-2、…を生成してもよい。
【0138】
<本例示的実施形態の効果>
本例示的実施形態のデータ構造を用いることにより、提供データの種類、又は要求の種類が多岐に渡る場合であっても、データ流通システム1は、汎用的に動作することができる、との効果を奏する。
【0139】
〔例示的実施形態3〕
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。例示的実施形態3は、例示的実施形態1に係るデータ流通システム1を、警備員派遣システムにおいて適用するよう変形した態様である。また、本例示的実施形態では、例示的実施形態2に係るデータ構造を有する提供データ、入力データ、第1提供情報、第2提供情報、第1要求情報、及び第2要求情報を用いる。なお、例示的実施形態1及び2にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0140】
<データ流通システムの構成>
本例示的実施形態に係るデータ流通システム1Aの構成について、図10を参照して説明する。図10は、データ流通システム1Aの構成を示すブロック図である。図10に示すように、データ流通システム1Aは、データ流通装置10と、1又は複数の警備員管理システム200Aと、1又は複数の警備員依頼システム300Aとを含む。警備員管理システム200Aは、管理サーバ20Aと、1又は複数の警備員端末210Aとを含む。警備員依頼システム300Aは、依頼サーバ30Aと、1又は複数のセンサ310Aとを含む。
【0141】
データ流通システム1Aは、Publish/Subscribe型モデルの通信システムである。データ流通システム1Aは、データ流通装置10による制御の基に、派遣可能な警備員に関する警備員情報を、警備員管理システム200Aから警備員依頼システム300Aに提供する。
【0142】
データ流通装置10と、管理サーバ20A及び依頼サーバ30Aの各々とは、データ流通システム1Aが稼動している間、第1流通路を介して通信可能に接続される。また、データ流通装置10と、管理サーバ20Aと、依頼サーバ30Aとは、一時的に、第2流通路を介して通信可能に接続され得る。なお、図10には、3つの警備員管理システム200A、及び3つの警備員端末210Aを示しているが、データ流通システム1Aが含む警備員管理システム200Aの数、及び、各警備員管理システム200Aが含む警備員端末210Aの数は、3つに限定されない。また、図10には、3つの警備員依頼システム300A、及び3つのセンサ310Aを示しているが、データ流通システム1Aが含む警備員依頼システム300Aの数、及び、各警備員依頼システム300Aが含むセンサ310Aの数は、3つに限定されない。
【0143】
(管理サーバの構成)
管理サーバ20Aは、請求の範囲に記載した「提供装置」を実現する構成の一例である。管理サーバ20Aは、例示的実施形態1における提供装置20とほぼ同様に構成されるが、警備員端末210Aと通信可能に接続される点と、提供データとして警備員情報を提供する点とが少なくとも異なる。
【0144】
管理サーバ20A及び各警備員端末210A間は、ネットワークによって接続される。ネットワークは、例えば、無線LAN、有線LAN、WAN、モバイルデータ通信、またはこれらのうち少なくとも2つの組み合わせによって構成されるが、これらに限られない。
【0145】
管理サーバ20Aは、警備員端末210Aから取得する現在位置及び個人情報に基づいて、警備員情報を生成する。管理サーバ20Aは、警備員端末210Aに定期的に要求することにより現在位置及び個人情報を受信してもよいし、警備員端末210Aから定期的に送信される現在位置及び個人情報を受信してもよい。
【0146】
また、管理サーバ20Aは、警備員情報に基づいて、第1提供情報として空き警備員情報を生成し、第2提供情報として空き警備員詳細情報を生成する。
【0147】
(警備員端末の構成)
警備員端末210Aは、警備員が携帯可能なコンピュータによって構成される。警備員端末210Aは、例えば、スマートフォン、タブレット等であるが、これらに限定されない。警備員端末210Aは、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、及びGPS(Global Positioning System)受信機を有する。警備員端末210Aは、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより、メモリに記憶された警備員の個人情報を、通信インタフェースを介して管理サーバ20Aに送信する。また、警備員端末210Aは、GPS受信機を用いて算出した現在位置を、通信インタフェースを介して管理サーバ20Aに送信する。警備員端末210Aは、定期的に、個人情報及び現在位置を送信してもよいし、管理サーバ20Aからの定期的な要求に応じて、個人情報及び現在位置を送信してもよい。
【0148】
(依頼サーバの構成)
依頼サーバ30Aは、請求の範囲に記載した「利用装置」を実現する構成の一例である。依頼サーバ30Aは、例示的実施形態1における利用装置30とほぼ同様に構成されるが、センサ310Aと通信可能に接続される点と、入力データとしてセンサ値を取得する点とが少なくとも異なる。
【0149】
依頼サーバ30A及び各センサ310A間は、ネットワークによって接続される。ネットワークは、シリアル通信、無線LAN、有線LAN、WAN、モバイルデータ通信、またはこれらのうち少なくとも2つの組み合わせであるが、これらに限られない。
【0150】
依頼サーバ30Aは、定期的にセンサ310Aにセンサ値を要求することにより当該センサ値を受信してもよいし、センサ310Aから定期的に送信されるセンサ値を受信してもよい。
【0151】
また、依頼サーバ30Aは、センサ値から、第1要求情報として派遣要求情報を生成し、第2要求情報として派遣要求詳細情報を生成する。
【0152】
(センサの構成)
センサ310Aは、混雑度を検出するためのセンサである。センサ310Aは、例えば、カメラ、赤外線センサ、又は二酸化炭素の濃度を検出するセンサ等であるが、これらに限定されない。センサ310Aは、測定したセンサ値を依頼サーバ30Aに送信する。センサ310Aは、定期的に測定したセンサ値を依頼サーバ30Aに送信してもよいし、依頼サーバ30Aからの定期的な要求に応じて測定したセンサ値を送信してもよい。
【0153】
例えば、センサ310Aがカメラである場合、センサ310Aは、集光レンズ、撮像素子、プロセッサ、メモリ、及び通信インタフェースを備える。センサ310Aは、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより、集光レンズからの入射光を撮像素子により電気信号に変換し、電気信号をA/D変換して画像処理することによって映像データを生成する。また、センサ310Aは、生成した映像データと、現在の日時と、メモリに記憶された設置位置を示す情報とを、通信インタフェースを介して依頼サーバ30Aに送信する。
【0154】
(提供データ:警備員情報)
警備員情報は、請求の範囲に記載した「提供データ」の一例であり、管理サーバ20Aが提供可能なデータである。警備員情報は、警備員端末210Aを保持する警備員に関する情報であり、警備員管理システム200Aが派遣可能なリソース(警備員)を示す情報である。
【0155】
警備員情報のデータ構造について、図11を参照して説明する。図11は、警備員情報、空き警備員情報、及び空き警備員詳細情報のデータ構造の一例を示す図である。図11に示すように、警備員情報は、属性「位置」、及び「日時」を含む。「位置」は、当該警備員の現在位置を広域的に示す属性である。この例では、現在位置を広域的に示す属性とは、住所のうち市町村までを示す情報であるが、これに限られない。例えば、現在位置を広域的に示す属性とは、別途規定されたゾーンを特定する情報であってもよい。
【0156】
また、警備員情報は、開示範囲1に関連付けられた属性として「提供データの分類」及び「現在の空き状況」を含む。この例では、「提供データの分類」は「警備員情報」である。また、「現在の空き状況」は、「空き」である。
【0157】
また、警備員情報は、開示範囲2に関連付けられた属性として「能力」及び「階級」を含む。この例では、「能力」は、「雑踏警備」である。「能力」の他の例としては、「施設警備」、「避難誘導」等が挙げられるが、これらに限られない。また、「階級」は、「A」である。「階級」の他の例としては、「B」、「C」等があり、その場合、A、B、Cの順に階級が高いものとするが、これらに限られない。この例では、依頼元の混雑度に応じて、対応可能な階級が定められているとする。
【0158】
また、警備員情報は、開示範囲3に関連付けられた属性として「警備員氏名」、「連絡先」及び「詳細位置」を含む。「詳細位置」は、当該警備員の現在位置を狭域的に示す情報である。この例では、現在位置を狭域的に示す情報とは、詳細な住所を示す情報であるが、これに限れられない。例えば、現在位置を狭域的に示す情報は、緯度及び経度を含む情報であってもよい。
【0159】
(第1提供情報:空き警備員情報)
空き警備員情報は、請求の範囲に記載した「第1提供情報」の一例である。空き警備員情報は、複数の警備員情報を統合することにより生成される。複数の警備員情報から生成される空き警備員情報について、図11を参照して説明する。図11に示すように、空き警備員情報は、属性「提供データの分類」として「警備員情報」を含む。また、空き警備員情報は、属性「位置」として「A県A市」を含む。また、空き警備員情報は、属性「日時」として「2020年12月12日12時台」を含む。また、空き警備員情報は、属性「現在の空き警備員数」として「10人」を含む。これらの属性は、「提供データの分類」が「警備員情報」であり、かつ、「位置」が「A県A市」であり、かつ、「日時」が「2020年12月12日12時台」であり、かつ、「現在の空き状況」が「空き」である10の警備員情報の統合により生成される。なお、統合により生成されたこれらの属性には、開示範囲1が関連付けられることが事前に定められている。
【0160】
(第2提供情報:空き警備員詳細情報)
空き警備員詳細情報は、請求の範囲に記載した「第2提供情報」の一例である。空き警備員詳細情報は、個別の警備員情報から生成される。空き警備員詳細情報について、図11を参照して説明する。図11に示すように、空き警備員詳細情報は、属性「詳細位置」と、「日時」と、「現在の空き状況」と、「能力」と、「階級」とを含む。これらの属性は、警備員情報に含まれている。また、これらの属性には、開示範囲2が関連付けられている。
【0161】
(センサ値)
センサ値は、請求の範囲に記載した「入力データ」の一例であり、依頼サーバ30Aによる要求を示す情報である。センサ値について、図12を参照して説明する。図12は、センサ値、派遣要求情報、及び派遣要求詳細情報のデータ構造の一例を示す図である。図12に示すように、センサ値は、「日時」と、「位置」と、「実データ」とを含む。「日時」は、センサ値の測定日時である。「位置」は、センサ310Aの設置位置である。「実データ」は、計測された値である。
【0162】
(第1要求情報:派遣要求情報)
派遣要求情報は、請求の範囲に記載した「第1要求情報」の一例である。派遣要求情報は、入力データであるセンサ値から生成される。派遣要求情報について、図12を参照して説明する。図12に示すように、派遣要求情報は、属性「位置」、「日時」、「提供データの分類」、及び「必要人数」を含む。各属性は、利用したい警備員情報が有する、開示範囲1が関連付けられた属性である。
【0163】
具体的には、この派遣要求情報は、「提供データの分類」が「警備員情報」であるものを利用したいとの要求を示している。なお、本例示的実施形態では、派遣要求情報に属性「提供データの分類」として「警備員情報」を含めることは、事前に定められている。また、この派遣要求情報は、属性「位置」が「A県A市A区5-5」に近い警備員情報を利用したいとの要求を示している。当該属性は、センサ値が有する属性「位置」から生成される。また、この派遣要求情報は、属性「日時」が「2020年12月12日12時20分」に近い警備員情報を利用したいとの要求を示している。当該属性は、センサ値に含まれる属性「日時」から生成される。また、この派遣要求情報は、「必要人数」が「2人」であるため、属性「現在の空き警警備員数」が「2人」以上である警備員情報を利用したいとの要求を示している。なお、属性「必要人数」は、センサ値(例えば、映像データ)の解析結果である混雑度に応じた値である。また、派遣要求情報に含まれる属性「必要人数」と、空き警備員情報に含まれる属性「現在の空き警備員数」とは、互いに対応する属性であることが事前に定められている。
【0164】
(第2要求情報:派遣要求詳細情報)
派遣要求詳細情報は、請求の範囲に記載した「第2要求情報」の一例である。派遣要求詳細情報は、入力データであるセンサ値から生成される。センサ値から生成される派遣要求詳細情報について、図12を参照して説明する。図12に示すように、派遣要求詳細情報は、派遣要求詳細情報について、図12を参照して説明する。図12に示すように、派遣要求詳細情報は、属性「能力」及び「混雑度」を含む。各属性は、利用したい警備員情報が有する、開示範囲2が関連付けられた属性である。
【0165】
具体的には、この派遣要求詳細情報は、属性「能力」が「雑踏警備」である警備員情報を利用したいとの要求を示している。なお、本例示的実施形態では、派遣要求詳細情報に属性「能力」として「雑踏警備」を含めることは、事前に定められている。また、この派遣要求詳細情報は、「混雑度」が「中」程度であるため、「階級」が「B」以上である警備員情報を利用したいとの要求を示している。なお、属性「混雑度」は、センサ値(例えば、映像データ)の解析結果である混雑度に応じた値である。例えば、属性「混雑度」は、「大」、「中」、「小」の何れかの値をとる。また、派遣要求詳細情報に含まれる属性「混雑度」と、空き警備員詳細情報に含まれる属性「階級」とは、互いに対応する属性であることが事前に定められている。また、「混雑度」が「中」程度である場合には、「B」以上の「階級」が必要であることが事前に定められている。
【0166】
<情報処理方法の流れ>
次に、データ流通システム1Aが実行する情報処理方法S1Aの流れについて、図13及び図14を参照して説明する。図13は、情報処理方法S1Aの流れを説明するシーケンス図である。図14は、図13に続くシーケンス図である。情報処理方法S1Aは、データ流通装置10、管理サーバ20A、及び依頼サーバ30Aが、それぞれ、データ流通方法S10、データ提供方法S20、及びデータ利用方法S30を実行することにより実施される。
【0167】
図13及び図14に示すように、情報処理方法S1Aは、ステップA101~A112と、第2流通路を開設後のステップA201~A208とを含む。また、第2流通路を開設後は、提供データの開示範囲が制限される第1モード(ステップA201~A205)と、制限されない第2モード(ステップA206~A208)とを含む。
【0168】
(ステップA101)
ステップA101において、管理サーバ20Aの提供データ取得部21は、警備員端末210Aから取得した現在位置及び個人情報に基づいて、提供データである警備員情報を生成する。生成する警備員情報については、図11を参照して説明した通りである。
【0169】
(ステップA102)
ステップA102において、第1提供情報生成部22は、複数の警備員情報に基づいて、空き警備員情報を生成する。生成する空き警備員情報については、図11を参照して説明した通りである。例えば、第1提供情報生成部22は、属性「位置」及び「日時」が所定条件を満たす複数の警備員情報のうち、属性「現在の空き情報」が「空き」である警備員情報の数を空き警備員数として算出し、空き警備員情報に含める。
【0170】
(ステップA103)
ステップA103において、第1提供情報送信部23は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して空き警備員情報を送信する。データ流通装置10の第1受信部11は、空き警備員情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップA101~A103の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0171】
(ステップA104)
ステップA104において、依頼サーバ30Aの入力データ取得部31は、センサ310Aからセンサ値を取得する。取得するセンサ値については、図12を参照して説明した通りである。この例では、カメラであるセンサ310Aから、映像データを取得したものとする。
【0172】
(ステップA105)
ステップA105において、第1要求情報生成部32は、映像データに基づいて派遣要求情報を生成する。生成する派遣要求情報については、図12を参照して説明した通りである。例えば、第1要求情報生成部32は、映像データをAI(artificial intelligence)により解析した混雑度に基づいて警備員の必要人数を算出し、派遣要求情報に含める。
【0173】
(ステップA106)
ステップA106において、第1要求情報送信部33は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して派遣要求情報を送信する。データ流通装置10の第1受信部11は、派遣要求情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップA104~A106の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0174】
(ステップA107)
ステップA107において、データ流通装置10の第1判定部12は、メモリに蓄積した複数の空き警備員情報及び複数の派遣要求情報のうち、第1条件を満たす組み合わせがあるか否かを判断する。ここでは、第1条件は、以下の複数の条件が全て満たされることである。
・提供データの分類(警備員情報)が一致する。
・空き警備員情報に含まれる位置(広域的な位置)が、派遣要求情報に含まれる位置を含む。
・空き警備員情報に含まれる日時(日時の範囲)が、派遣要求情報に含まれる日時を含む。
・空き警備員情報に含まれる現在の空き警備員数が、派遣要求情報に含まれる必要人数以上である。
【0175】
(ステップA107でNo)
ステップA107においてNoと判断した場合、情報処理方法S1Aは終了する。
【0176】
(ステップA107でYes:ステップA108)
ステップA107においてYesと判断した場合、ステップA108において、第2流通路通知部13は、第2流通路の接続情報を取得する。
【0177】
(ステップA109)
ステップA109において、第2流通路通知部13は、第2流通路の接続情報を管理サーバ20Aに通知する。また、第2流通路通知部13は、第1条件を満たした空き警備員情報に対応する空き警備員詳細情報を、管理サーバ20Aに要求する。
【0178】
(ステップA110)
ステップA110において、管理サーバ20Aの第2提供情報送信部25は、受信した接続情報を用いて、第2流通路に接続する。
【0179】
(ステップA111)
ステップA111において、データ流通装置10の第2流通路通知部13は、第2流通路の接続情報を依頼サーバ30Aに通知する。また、第2流通路通知部13は、第1条件を満たした派遣要求情報に対応する派遣要求詳細情報を依頼サーバ30Aに要求する。
【0180】
(ステップA112)
ステップA112において、依頼サーバ30Aの第2要求情報送信部35は、受信した接続情報を用いて、第2流通路に接続する。
【0181】
(ステップA201)
ステップA201において、管理サーバ20Aの第2提供情報生成部24は、第1条件を満たした空き警備員情報を生成する際に参照した複数の警備員情報を特定する。また、第2提供情報生成部24は、特定した警備員情報の一部または全部に基づいて、それぞれの空き警備員詳細情報を生成する。生成する空き警備員詳細情報については、図11を参照して説明した通りである。例えば、第2提供情報生成部24は、警備員情報に含まれる、開示範囲2に関連付けられた属性「能力」及び「階級」を、空き警備員詳細情報に含める。
【0182】
(ステップA202)
ステップA202において、第2提供情報送信部25は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して、1又は複数の空き警備員詳細情報を送信する。データ流通装置10の第2受信部14は、1又は複数の空き警備員詳細情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップA201~A202の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0183】
(ステップA203)
ステップA203において、依頼サーバ30Aの第2要求情報生成部34は、第1条件を満たした派遣要求情報を生成する際に参照した映像データを特定する。また、第2要求情報生成部34は、特定した映像データに基づいて、派遣要求詳細情報を生成する。生成する派遣要求詳細情報については、図12を参照して説明した通りである。例えば、第2要求情報生成部34は、映像データをAIにより解析した混雑度を、派遣要求詳細情報に含める。
【0184】
(ステップA204)
ステップA204において、第2要求情報送信部35は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して派遣要求詳細情報を送信する。データ流通装置10の第2受信部14は、派遣要求詳細情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップA203~A204の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0185】
(ステップA205)
ステップA205において、データ流通装置10の第2判定部15は、メモリに蓄積した複数の空き警備員詳細情報及び複数の派遣要求詳細情報のうち、第2条件を満たす組み合わせがあるか否かを判断する。ここでは、第2条件は、以下の複数の条件が全て満たされることである。
・能力が一致する。
・空き警備員詳細情報に含まれる階級の値が、派遣要求詳細情報に含まれる階級の値を含む。
【0186】
(ステップA205でNo)
ステップA205においてNoと判断した場合、情報処理方法S1Aは終了する。
【0187】
(ステップA205でYes:ステップA206)
ステップA205においてYesと判断した場合、ステップA206において、提供通知部16は、管理サーバ20Aに対して、第2条件を満たした空き警備員詳細情報に対応する警備員情報を、第2流通路を介して依頼サーバ30Aに提供するよう通知する。
【0188】
(ステップA207)
ステップA207において、管理サーバ20Aの提供データ送信部26は、第2条件を満たした空き警備員詳細情報に対応する警備員情報を特定する。また、提供データ送信部26は、特定した警備員情報を、第2流通路を介して依頼サーバ30Aに送信する。
【0189】
(ステップA208)
ステップA208において、依頼サーバ30Aの提供データ受信部36は、第2流通路を介して警備員情報を受信する。
【0190】
<本例示的実施形態の効果>
本例示的実施形態は、警備員を派遣するシステムにおいて、セキュリティを強化しながら、依頼側が所望する警備員情報をより確実に提供することができる。その理由は、第1流通路を介して送受信する概略的な空き警備員情報及び派遣要求情報が第1条件を満たすことに加え、非公開の第2流通路を介して送受信する詳細な空き警備員詳細情報及び派遣要求詳細情報が第2条件を満たす場合に、警備員情報を提供するからである。これにより、第1条件を満たすだけで警備員情報を提供する場合と比べて、提供された警備員情報が、依頼側の詳細な派遣要求により適合するものである確実性が高くなる。換言すると、提供された警備員情報が、依頼側の詳細な派遣要求に適合しない可能性が低減する。その結果、本例示的実施形態は、実際には依頼を受けない警備員情報が情報漏えいする可能性を低減することができ、セキュリティが強化される。
【0191】
〔例示的実施形態4〕
本発明の第4の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。例示的実施形態4は、例示的実施形態1に係るデータ流通システム1を、IoT(Internet of Things)センサ値収集システムとして適用するよう変形した態様である。また、本例示的実施形態では、例示的実施形態2に係るデータ構造を有する提供データ、入力データ、第1提供情報、第2提供情報、第1要求情報、及び第2要求情報を用いる。なお、例示的実施形態1及び2にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0192】
<データ流通システムの構成>
本例示的実施形態に係るデータ流通システム1Bの構成について、図15を参照して説明する。図15は、データ流通システム1Bの構成を示すブロック図である。図15に示すように、データ流通システム1Bは、データ流通装置10Bと、1又は複数のセンサ値販売システム200Bと、1又は複数の購買装置30Bとを含む。センサ値販売システム200Bは、販売サーバ20Bと、1又は複数のIoTセンサ210Bとを含む。
【0193】
データ流通システム1Bは、Publish/Subscribe型モデルの通信システムである。データ流通装置10Bによる制御の基に、センサ値情報を、センサ値販売システム200Bから購買装置30Bに提供する。
【0194】
データ流通装置10Bと、販売サーバ20B及び購買装置30Bの各々とは、データ流通システム1Bが稼動している間、第1流通路を介して通信可能に接続される。また、データ流通装置10Bと、販売サーバ20Bと、購買装置30Bとは、一時的に、第2流通路を介して通信可能に接続され得る。なお、図15には、3つのセンサ値販売システム200B、及び3つのIoTセンサ210Bを示しているが、データ流通システム1Bが含むセンサ値販売システム200Bの数、及び、各センサ値販売システム200Bが含むIoTセンサ210Bの数は、3つに限定されない。また、図15には、3つの購買装置30Bを示しているが、データ流通システム1Bが含む購買装置30Bの数は、3つに限定されない。
【0195】
(データ流通装置の構成)
データ流通装置10Bは、例示的実施形態1における提供装置20とほぼ同様に構成されるが、第2条件が満たされた場合、さらに確認情報を受信した場合に提供データを通知する点が異なる。
【0196】
具体的には、データ流通装置10Bは、図5を参照して説明したデータ流通方法S10のステップS107でYesと判定した場合、ステップS108を実行する前に、第2提供情報を送信する処理及び確認情報を受信する処理を実行する。すなわち、提供通知部16は、第2条件が満たされる場合(ステップS107でYes)に、第2提供情報を購買装置30Bに送信する。また、提供通知部16は、購買装置30Bから確認情報を受信した場合に、当該購買装置30Bにセンサ値情報を提供するよう販売サーバ20Bに通知する(ステップS108)。ここで、確認情報は、該当するセンサ値情報の購入に対するユーザの承諾を示す情報と、決済のために必要となる情報を含む。
【0197】
(販売サーバの構成)
販売サーバ20Bは、請求の範囲に記載した「提供装置」を実現する構成の一例である。販売サーバ20Bは、例示的実施形態1における提供装置20とほぼ同様に構成されるが、IoTセンサ210Bと通信可能に接続される点と、提供データとしてセンサ値情報を販売する点とが少なくとも異なる。また、センサ値情報を販売する際に決済を行う点も異なる。
【0198】
販売サーバ20B及び各IoTセンサ210B間は、ネットワークによって接続される。ネットワークは、例えば、無線LAN、有線LAN、WAN、モバイルデータ通信、またはこれらのうち少なくとも2つの組み合わせによって構成されるが、これらに限られない。
【0199】
販売サーバ20Bは、IoTセンサ210Bから取得するセンサ値に基づいて、センサ値情報を生成する。販売サーバ20Bは、IoTセンサ210Bに定期的に要求することによりセンサ値を受信してもよいし、IoTセンサ210Bから定期的に送信されるセンサ値を受信してもよい。
【0200】
また、販売サーバ20Bは、センサ値情報に基づいて、第1提供情報として販売情報を生成し、第2提供情報として販売詳細情報を生成する。
【0201】
また、販売サーバ20Bは、データ流通装置10Bから提供データを購買装置30Bに提供するよう通知された場合に、決済サーバ(図示せず)に接続して決済を行う。
【0202】
(IoTセンサの構成)
IoTセンサ210Bは、IoTとして利用可能なセンサによって構成される。IoTセンサ210Bは、例えば、温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサ、音センサ等であるが、これらに限定されない。IoTセンサ210Bは、測定したセンサ値を販売サーバ20Bに送信する。IoTセンサ210Bは、定期的に測定したセンサ値を販売サーバ20Bに送信してもよいし、販売サーバ20Bからの定期的な要求に応じて測定したセンサ値を送信してもよい。
【0203】
(購買装置の構成)
購買装置30Bは、請求の範囲に記載した「利用装置」を実現する構成の一例である。購買装置30Bは、例示的実施形態1における利用装置30とほぼ同様に構成されるが、入力データとしてユーザ入力情報を取得する点と、販売詳細情報の受信に応じて確認情報を送信し得る点とが少なくとも異なる。
【0204】
詳細には、購買装置30Bは、入力装置(図示せず)の操作により入力されるユーザ入力情報を習得してもよいし、ネットワークを介して接続されたユーザ端末(図示せず)からユーザ入力情報を取得してもよい。また、購買装置30Bは、ユーザ入力情報から、第1要求情報として購買情報を生成し、第2要求情報として購買詳細情報を生成する。
【0205】
また、購買装置30Bは、図7を参照して説明したデータ利用方法のステップS306を実行した後、ステップS307を実行する前に、第2提供情報を受信する処理及び確認情報を送信する処理を実行する。すなわち、提供データ受信部36は、第2要求情報を送信した後、データ流通装置10Bから第2流通路を介して第2提供情報を受信した場合に、当該第2提供情報を表示装置(図示せず)に表示する。また、提供データ受信部36は、当該第2提供情報の表示に応答してユーザが入力した確認情報を受信した場合に、当該確認情報を、第2流通路を介してデータ流通装置10Bに送信する。その後、提供データ受信部36は、ステップS307を実行し、第2流通路を介してセンサ値情報を受信する。
【0206】
(提供データ:センサ値情報)
センサ値情報は、請求の範囲に記載した「提供データ」の一例であり、販売サーバ20Bが提供可能なデータである。センサ値情報は、IoTセンサ210Bによって測定されたセンサ値の実データを含む。
【0207】
センサ値情報のデータ構造について、図16を参照して説明する。図16は、センサ値情報、販売情報、及び販売詳細情報のデータ構造の一例を示す図である。図16に示すように、センサ値情報は、属性「位置」及び「日時」を含む。「位置」は、当該センサ値情報に含まれるセンサ値を測定したIoTセンサ201Bの設置場所を示す属性である。
【0208】
また、センサ値情報は、開示範囲1に関連付けられた属性「提供データの分類」を含む。この例では、「提供データの分類」は「気温データ」である。
【0209】
また、センサ値情報は、開示範囲2に関連付けられた属性「測定間隔」及び「価格」を含む。この例では、「測定間隔」は、「1時間毎」である。また、「価格」は、「5000円/月」である。
【0210】
また、センサ値情報は、開示範囲3に関連付けられた属性「実データ」を含む。
【0211】
(第1提供情報:販売情報)
販売情報は、請求の範囲に記載した「第1提供情報」の一例である。販売情報は、センサ値情報に基づき生成される。販売情報について、図16を参照して説明する。図16に示すように、販売情報は、属性「提供データの分類」を含む。また、販売情報は、属性「位置」を含む。また、販売情報は、属性「日時」を含む。これらの属性としては、センサ値情報に含まれる属性がそのまま適用される。これらの属性には、開示範囲1が関連付けられている。
【0212】
(第2提供情報:販売詳細情報)
販売詳細情報は、請求の範囲に記載した「第2提供情報」の一例である。販売詳細情報は、センサ値情報から生成される。販売詳細情報について、図16を参照して説明する。図16に示すように、販売詳細情報は、属性「測定間隔」と、「価格」とを含む。これらの属性としては、センサ値情報に含まれる属性がそのまま適用される。これらの属性には、開示範囲2が関連付けられている。
【0213】
(ユーザ入力情報)
ユーザ入力情報は、請求の範囲に記載した「入力データ」の一例であり、購買装置30Bによる要求を示す情報である。ユーザ入力情報について、図17を参照して説明する。図17は、ユーザ入力情報、購買情報、及び購買詳細情報のデータ構造の一例を示す図である。図17に示すように、ユーザ入力情報は、属性「位置」と、「日時」と、「提供データの分類」と、「測定間隔」と、「価格」とを含む。例えば、ユーザ入力情報は、これらの属性毎に、ユーザが所望の情報を入力することによって生成される。
【0214】
(第1要求情報:購買情報)
購買情報は、請求の範囲に記載した「第1要求情報」の一例である。購買情報は、入力データであるユーザ入力情報から生成される。購買情報について、図17を参照して説明する。図17に示すように、購買情報は、属性「位置」、「日時」、及び「提供データの分類」を含む。各属性は、購入したいセンサ値情報が有する、開示範囲1が関連付けられた属性である。
【0215】
具体的には、この購買情報は、「提供データの分類」が「気温データ」であるセンサ値情報を購入したいとの要求を示している。当該属性は、ユーザ入力情報に含まれる属性「提供データの分類」から生成される。また、この購買情報は、「位置」が「A県」であるセンサ値情報を購入したいとの要求を示している。当該属性は、ユーザ入力情報に含まれる属性「位置」から生成される。また、この購買情報は、「日時」が「2010年以降」であるセンサ値情報を購入したいとの要求を示している。当該属性は、ユーザ入力情報に含まれる属性「日時」から生成される。
【0216】
(第2要求情報:購買詳細情報)
購買詳細情報は、請求の範囲に記載した「第2要求情報」の一例である。購買詳細情報は、入力データであるユーザ入力情報から生成される。ユーザ入力情報から生成される購買詳細情報について、図17を参照して説明する。図17に示すように、購買詳細情報は、属性「測定間隔」及び「価格」を含む。各属性は、購入したいセンサ値情報が有する、開示範囲2が関連付けられた属性である。
【0217】
具体的には、この購買詳細情報は、「測定間隔」が「1日以下毎」であるセンサ値情報を購入したいとの要求を示している。当該属性は、ユーザ入力情報に含まれる属性「測定間隔」から生成される。また、この購買詳細情報は、「価格」が「6000円以下」であるセンサ値情報を購入したいとの要求を示している。当該属性は、ユーザ入力情報に含まれる属性「価格」から生成される。
【0218】
<情報処理方法の流れ>
次に、データ流通システム1Bが実行する情報処理方法S1Bの流れについて、図18及び図19を参照して説明する。図18は、情報処理方法S1Bの流れを説明するシーケンス図である。図19は、図18に続くシーケンス図である。情報処理方法S1Bは、データ流通装置10B、販売サーバ20B、及び購買装置30Bが、それぞれ、データ流通方法S10、データ提供方法S20、及びデータ利用方法S30を実行することにより実施される。
【0219】
図18及び図19に示すように、情報処理方法S1Bは、ステップB101~B107と、A108~A112と、第2流通路を開設後のステップB201~B212とを含む。また、第2流通路を開設後は、提供データの開示範囲が制限される第1モード(ステップB201~B205)と、制限されない第2モード(ステップB206~B208)とを含む。
【0220】
(ステップB101)
ステップB101において、販売サーバ20Bの提供データ取得部21は、IoTセンサ210Bからセンサ値を取得し、取得したセンサ値を含むセンサ値情報を生成する。生成するセンサ値情報については、図16を参照して説明した通りである。なお、提供データ取得部21は、IoTセンサ210Bからセンサ値を取得する度にセンサ値情報を生成しなくてもよい。例えば、提供データ取得部21は、取得したセンサ値をメモリ(図示せず)に蓄積しておき、一定期間中に蓄積したセンサ値を含むセンサ値情報を生成してもよい。
【0221】
(ステップB102)
ステップB102において、第1提供情報生成部22は、センサ値情報に基づいて販売情報を生成する。生成する販売情報については、図16を参照して説明した通りである。例えば、第1提供情報生成部22は、センサ値情報に含まれる、属性「位置」及び「日時」と、開示範囲1に関連付けられた属性「提供データの分類」とを、販売情報に含める。
【0222】
(ステップB103)
ステップB103において、第1提供情報送信部23は、データ流通装置10Bに対して、第1流通路を介して販売情報を送信する。データ流通装置10Bの第1受信部11は、販売情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップB101~B103の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0223】
(ステップB104)
ステップB104において、購買装置30Bの入力データ取得部31は、ユーザ入力情報を取得する。取得するユーザ入力情報については、図17を参照して説明した通りである。
【0224】
(ステップB105)
ステップB105において、第1要求情報生成部32は、ユーザ入力情報に基づいて購買情報を生成する。生成する購買情報については、図17を参照して説明した通りである。例えば、第1要求情報生成部32は、ユーザ入力情報に含まれる、属性「位置」及び「日時」と、開示範囲1に関連付けられた属性「提供データの分類」とを、購買情報に含める。
【0225】
(ステップB106)
ステップB106において、第1要求情報送信部33は、データ流通装置10Bに対して、第1流通路を介して購買情報を送信する。データ流通装置10Bの第1受信部11は、購買情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップB104~106の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0226】
(ステップB107)
ステップB107において、データ流通装置10Bの第1判定部12は、メモリに蓄積した複数の販売情報及び複数の購買情報のうち、第1条件を満たす組み合わせがあるか否かを判断する。ここでは、第1条件は、以下の複数の条件が全て満たされることである。
・提供データの分類(気温データ等)が一致する。
・販売情報に含まれる位置が、購買情報に含まれる位置の範囲に含まれる。
・販売情報に含まれる日時が、購買情報に含まれる日時の範囲に含まれる。
【0227】
(ステップB107でNo)
ステップB107においてNoと判断した場合、情報処理方法S1Bは終了する。
【0228】
(ステップB107でYes:ステップA108~A112)
ステップB107においてYesと判断した場合、データ流通システム1Bは、ステップA108~A112まで、情報処理方法S1Aと同様に実行する。これにより、販売サーバ20B及び購買装置30Bは、第2流通路に接続する。
【0229】
(ステップB201)
ステップB201において、販売サーバ20Bの第2提供情報生成部24は、第1条件を満たした販売情報に対応する販売詳細情報を生成する。生成する販売詳細情報については、図16を参照して説明した通りである。例えば、第2提供情報生成部24は、センサ値情報に含まれる、開示範囲2に関連付けられた属性「測定間隔」、及び「価格」を、販売詳細情報に含める。
【0230】
(ステップB202)
ステップB202において、第2提供情報送信部25は、データ流通装置10Bに対して、第2流通路を介して販売詳細情報を送信する。データ流通装置10Bの第2受信部14は、1又は複数の販売詳細情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップB201~B202の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0231】
(ステップB203)
ステップB203において、購買装置30Bの第2要求情報生成部34は、第1条件を満たした購買情報に対応する購買詳細情報を生成する。生成する購買詳細情報については、図17を参照して説明した通りである。例えば、第2要求情報生成部34は、ユーザ入力情報に含まれる、開示範囲2に関連付けられた属性「測定間隔」、及び「価格」を、購買詳細情報に含める。
【0232】
(ステップB204)
ステップB204において、第2要求情報送信部35は、データ流通装置10Bに対して、第2流通路を介して購買詳細情報を送信する。データ流通装置10Bの第2受信部14は、購買詳細情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップB203~B204の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0233】
(ステップB205)
ステップB205において、データ流通装置10Bの第2判定部15は、メモリに蓄積した複数の販売詳細情報及び複数の購買詳細情報のうち、第2条件を満たす組み合わせがあるか否かを判断する。ここでは、第2条件は、以下の複数の条件が全て満たされることである。
・販売詳細情報に含まれる測定間隔が、購買詳細情報に含まれる測定間隔の範囲に含まれる。
・販売詳細情報に含まれる価格が、購買詳細情報に含まれる価格に含まれる。
【0234】
(ステップB205でNo)
ステップB205においてNoと判断した場合、情報処理方法S1Bは終了する。
【0235】
(ステップB205でYes:ステップB206)
ステップB205においてYesと判断した場合、ステップB206において、提供通知部16は、購買装置30Bに対して、第2流通路を介して、販売詳細情報を送信する。
【0236】
(ステップB207)
ステップB207において、購買装置30Bの提供データ受信部36は、受信した販売詳細情報を、表示装置に表示する。ここで、ユーザは、表示された販売詳細情報の内容を確認し、販売を承諾する場合には、確認情報を入力する。確認情報は、当該承諾を示す情報と、決済のために必要となる情報とを含む。
【0237】
(ステップB208)
ステップB208において、提供データ受信部36は、ステップB207でユーザが入力した確認情報を、データ流通装置10Bに対して第2流通路を介して送信する。なお、ステップB208において、確認情報が入力されなかった場合、情報処理方法S1Bは終了する。
【0238】
(ステップB209)
ステップB209において、データ流通装置10Bの提供通知部16は、確認情報を受信したか否かを判断する。
【0239】
(ステップB209でNo)
ステップB209においてNoと判断した場合、情報処理方法S1Bは終了する。
【0240】
(ステップB209でYes:ステップB210)
ステップB209においてYesと判断した場合、ステップB210において、提供通知部16は、販売サーバ20Bに対して、第2条件を満たした販売詳細情報に対応するセンサ値情報を、第2流通路を介して依頼サーバ30Aに提供するよう通知する。このとき、提供通知部16は、確認情報に含まれる、決済に必要となる情報を、併せて通知する。
【0241】
(ステップB211)
ステップB211において、販売サーバ20Bの提供データ送信部26は、決済に必要となる情報を用いて決済サーバに接続し、決済を行う。決済に成功すると、提供データ送信部26は、第2条件を満たした販売詳細情報に対応するセンサ値情報を特定する。また、提供データ送信部26は、購買装置30Bに対して、第2流通路を介して特定したセンサ値情報を送信する。
【0242】
(ステップB212)
ステップB212において、購買装置30Bの提供データ受信部36は、第2流通路を介してセンサ値情報を受信する。
【0243】
なお、本例示的実施形態において、第2流通路通知部13は、第1条件が満たされる場合に販売情報を購買装置30Bに送信し、購買装置30Bから確認情報を受信した場合に、第2流通路を開設してもよい。これにより、第1条件が満たされた時点で販売情報を提示して購買装置30Bに確認情報を求めることで、購買を希望しない場合には第2流通路を開設する必要がない、という効果を奏する。
【0244】
<本例示的実施形態の効果>
本例示的実施形態は、セキュリティを強化しながら、購入者が希望するセンサ値情報をより確実に販売することができる。その理由は、第1流通路を介して送受信する概略的な販売情報及び購入情報が第1条件を満たすことに加え、非公開の第2流通路を介して送受信する詳細な販売詳細情報及び購入詳細情報が第2条件を満たす場合に、センサ値情報を販売するからである。これにより、第1条件を満たすだけでセンサ値情報を販売する場合と比べて、販売されたセンサ値情報が、購入者が希望するものである確実性が高くなる。換言すると、販売されたデータが、購入者が希望しないデータある可能性が低減する。その結果、本例示的実施形態は、購入者が希望しないデータが販売されることによる情報漏えいの可能性を低減することができ、セキュリティが強化される。
【0245】
〔例示的実施形態5〕
本発明の第5の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。例示的実施形態5は、例示的実施形態1に係るデータ流通システム1を、迷子検索システムとして適用するよう変形した態様である。また、本例示的実施形態では、例示的実施形態2に係るデータ構造を有する提供データ、入力データ、第1提供情報、第2提供情報、第1要求情報、及び第2要求情報を用いる。なお、例示的実施形態1及び2にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0246】
<データ流通システムの構成>
本例示的実施形態に係るデータ流通システム1Cの構成について、図20を参照して説明する。図20は、データ流通システム1Cの構成を示すブロック図である。図20に示すように、データ流通システム1Cは、データ流通装置10と、1又は複数の映像監視システム200Cと、1又は複数の迷子検索装置30Cとを含む。映像監視システム200Cは、映像サーバ20Cと、1又は複数のカメラ210Cとを含む。各映像監視システム200Cは、例えば、テーマパーク、スタジアム、オフィスビル、商業ビル、商店街、交通機関等といった施設内を映像により監視する。また、各カメラ210Cは、施設内の各箇所に設置される。迷子検索装置30Cは、該当する施設内の迷子センタに設置される。
【0247】
データ流通システム1Cは、Publish/Subscribe型モデルの通信システムであり、データ流通装置10による制御の基に、カメラ210Cが撮影した映像データを、映像監視システム200Cから迷子検索装置30Cに提供する。
【0248】
データ流通装置10と、映像サーバ20C及び迷子検索装置30Cの各々とは、データ流通システム1Cが稼動している間、第1流通路を介して通信可能に接続される。また、データ流通装置10と、映像サーバ20Cと、迷子検索装置30Cとは、一時的に、第2流通路を介して通信可能に接続され得る。なお、図20には、3つの映像監視システム200C、及び3つのカメラ210Cを示しているが、データ流通システム1Cが含む映像監視システム200Cの数、及び、各映像監視システム200Cが含むカメラ210Cの数は、3つに限定されない。また、図20には、3つの迷子検索装置30Cを示しているが、データ流通システム1Cが含む迷子検索装置30Cの数は、3つに限定されない。
【0249】
(映像サーバの構成)
映像サーバ20Cは、請求の範囲に記載した「提供装置」を実現する構成の一例である。映像サーバ20Cは、例示的実施形態1における提供装置20とほぼ同様に構成されるが、カメラ210Cと通信可能に接続される点と、提供データとして映像データを取得する点とが少なくとも異なる。
【0250】
映像サーバ20C及び各カメラ210C間は、ネットワークによって接続される。ネットワークは、例えば、無線LAN、有線LAN、WAN、モバイルデータ通信、またはこれらのうち少なくとも2つの組み合わせによって構成されるが、これらに限られない。
【0251】
映像サーバ20Cは、カメラ210Cに定期的に要求することにより映像データを受信してもよいし、カメラ210Cから定期的に送信される映像データを受信してもよい。
【0252】
また、映像サーバ20Cは、映像データから、第1提供情報として被写体情報を生成し、第2提供情報として被写体詳細情報を生成する。
【0253】
(カメラの構成)
カメラ210Cは、施設内の空間を撮影可能な箇所に設置される。カメラ210Cは、例えば、集光レンズ、撮像素子、プロセッサ、メモリ、及び通信インタフェースを備える。カメラ210Cは、集光レンズからの入射光を撮像素子により電気信号に変換し、電気信号をA/D変換して画像処理することによって映像データを生成する。映像データには、撮影日時と、撮影場所とを示す情報が付帯する。また、カメラ210Cは、生成した映像データを、通信インタフェースを介して映像サーバ20Cに送信する。例えば、カメラ210が映像データとして静止画像を生成する場合、定期的に映像データを生成して送信してもよいし、映像サーバ20Cからの定期的な要求に応じて映像データを送信してもよい。また、例えば、カメラ210が映像データとして動画像を生成する場合、生成する映像データをリアルタイムに送信する。
【0254】
(迷子検索装置の構成)
迷子検索装置30Cは、請求の範囲に記載した「利用装置」を実現する構成の一例である。迷子検索装置30Cは、例示的実施形態1における利用装置30とほぼ同様に構成されるが、入力データとしてユーザ入力情報を取得する点が少なくとも異なる。
【0255】
迷子検索装置30Cは、例えば、入力装置(図示せず)を介して、迷子センタのオペレータにより入力されるユーザ入力情報を習得してもよいし、ネットワークを介して接続されたユーザ端末(図示せず)からユーザ入力情報を取得してもよい。
【0256】
また、迷子検索装置30Cは、ユーザ入力情報から、第1要求情報として迷子情報を生成し、第2要求情報として迷子詳細情報を生成する。
【0257】
(提供データ:映像データ)
映像データは、請求の範囲に記載した「提供データ」の一例であり、映像サーバ20Cが提供可能なデータである。映像データは、カメラ210Cによって生成されたデータである。
【0258】
映像データのデータ構造について、図21を参照して説明する。図21は、映像データ、被写体情報、及び被写体詳細情報のデータ構造の一例を示す図である。図21に示すように、映像データは、属性「位置」、「日時」、及び「実データ」を含む。「位置」は、カメラ210Cの設置場所である。「日時」は、当該映像データの撮影日時である。「実データ」は、1または複数のフレームデータである。カメラ210Cから、映像データが動画像としてリアルタイムに送信される場合、「実データ」は、動画像から所定間隔毎に抽出された直近の1又は複数のフレームデータである。また、その場合、「日時」は、抽出された1又は複数のフレームデータが生成された日時の範囲である。また、「実データ」には、開示範囲3が関連付けられる。
【0259】
(第1提供情報:被写体情報)
被写体情報は、請求の範囲に記載した「第1提供情報」の一例である。被写体情報は、映像データから生成される。被写体情報について図21を参照して説明する。図21に示すように、被写体情報は、属性「提供データの分類」として「映像データ」を含む。本例示的実施形態では、「提供データの分類」として「映像データ」を含めることが事前に定められている。また、被写体情報は、「位置」として「設置場所A」と、「日時」として「2020年12月12日12時12分」とを含む。これらの属性は、映像データに含まれる情報から生成される。また、被写体情報は、「被写体の年齢」として「5~7歳」と、「被写体の服の色」として「赤系」とを含む。これらの属性は、映像データの実データをAIにより解析することにより生成される。なお、解析により生成されたこれらの属性「被写体の年齢」及び「被写体の服の色」には、開示範囲1が関連付けられることが事前に定められている。
【0260】
(第2提供情報:被写体詳細情報)
被写体詳細情報は、請求の範囲に記載した「第2提供情報」の一例である。被写体詳細情報は、映像データから生成される。被写体詳細情報について、図21を参照して説明する。図21に示すように、被写体詳細情報は、属性「被写体の顔」として「顔画像データ」と、「被写体ID」とを含む。これらの属性は、映像データの実データをAIにより解析することにより生成される。なお、これらの属性は、開示範囲2が関連付けられていることが事前に定められている。
【0261】
(ユーザ入力情報)
ユーザ入力情報は、請求の範囲に記載した「入力データ」の一例であり、迷子検索装置30Cによる要求を示す情報である。ユーザ入力情報について、図22を参照して説明する。図22は、ユーザ入力情報、迷子情報、及び迷子詳細情報のデータ構造の一例を示す図である。図22に示すように、ユーザ入力情報は、属性「位置」と、「日時」と、「年齢」と、「服の色」と、「画像データ」とを含む。例えば、ユーザ入力情報は、これらの属性毎に、迷子センタのオペレータが、迷子検索の依頼者から聞き取った情報を入力することによって生成される。また、属性「画像データ」は、依頼者が提供する写真のスキャンにより入力される。
【0262】
(第1要求情報:迷子情報)
迷子情報は、請求の範囲に記載した「第1要求情報」の一例である。迷子情報は、ユーザ入力情報から生成される。迷子情報について、図22を参照して説明する。図22に示すように、迷子情報は、属性「提供データの分類」、「日時」、「位置」、「年齢」及び「服の色」を含む。これらの属性は、利用したい映像データが有する、開示範囲1が関連付けられた属性である。
【0263】
具体的には、この迷子情報は、「提供データの分類」が「映像データ」であるものを利用したいとの要求を示している。なお、本例示的実施形態では、迷子情報に属性「提供データの分類」として「映像データ」を含めることが、事前に定められている。また、この迷子情報は、属性「日時」が「2020年12月12日12時00分」に近い映像データを利用したいとの要求を示している。また、この迷子情報は、属性「位置」が「A県A市A区1-1」に近い映像データを利用したいとの要求を示している。また、この迷子情報は、「被写体の年齢」が「6歳」である映像データを利用したいとの要求を示している。また、この迷子情報は、「被写体の服の色」が「赤」に類似する映像データを利用したいとの要求を示している。なお、迷子情報に含まれるこれらの属性は、ユーザ入力情報に含まれる、開示範囲1が関連付けられた属性から生成される。
【0264】
(第2要求情報:迷子詳細情報)
迷子詳細情報は、請求の範囲に記載した「第2要求情報」の一例である。迷子詳細情報は、ユーザ入力情報から生成される。迷子詳細情報について、図22を参照して説明する。図22に示すように、迷子詳細情報は、属性「被写体の顔」を含む。この迷子詳細情報は、当該「被写体の顔」に類似する「顔」を含む映像データを利用したいとの要求を示している。属性「被写体の顔」は、ユーザ入力情報に含まれる属性「画像データ」を解析することにより生成される。
【0265】
<情報処理方法の流れ>
次に、データ流通システム1Cが実行する情報処理方法S1Cの流れについて、図23及び図24を参照して説明する。図23は、情報処理方法S1Cの流れを説明するシーケンス図である。図24は、図23に続くシーケンス図である。情報処理方法S1Cは、データ流通装置10、映像サーバ20C、及び迷子検索装置30Cが、それぞれ、データ流通方法S10、データ提供方法S20、及びデータ利用方法S30を実行することにより実施される。
【0266】
図23及び図24に示すように、情報処理方法S1Cは、ステップC101~C107と、ステップA108~A112と、第2流通路を開設後のステップC201~C208とを含む。また、第2流通路を開設後は、提供データの開示範囲が制限される第1モード(ステップC201~C205)と、制限されない第2モード(ステップC206~C208)とを含む。
【0267】
(ステップC101)
ステップC101において、映像サーバ20Cの提供データ取得部21は、カメラ210Cから映像データを取得する。取得する映像データについては、図21を参照して説明した通りである。例えば、提供データ取得部21は、カメラ210Cから静止画像が送信される場合には、受信した静止画像を映像データとする。また、提供データ取得部21は、カメラ210Cから動画像がリアルタイムに送信される場合には、受信した動画像から所定間隔毎に直近の1又は複数のフレームデータを抽出し、抽出した1又は複数のフレームを映像データとする。
【0268】
(ステップC102)
ステップC102において、第1提供情報生成部22は、映像データに基づいて被写体情報を生成する。生成する被写体情報については、図21を参照して説明した通りである。例えば、第1提供情報生成部22は、映像データをAIにより解析して属性「被写体の年齢」及び「被写体の服の色」を生成し、被写体情報に含める。
【0269】
(ステップC103)
ステップC103において、第1提供情報送信部23は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して被写体情報を送信する。データ流通装置10の第1受信部11は、被写体情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップC101~C103の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0270】
(ステップC104)
ステップC104において、迷子検索装置30Cの入力データ取得部31は、ユーザ入力情報を取得する。前述したように、例えば、ユーザ入力情報は、迷子センタのオペレータによって入力される。入力されるユーザ入力情報については、図22を参照して説明した通りである。
【0271】
(ステップC105)
ステップC105において、第1要求情報生成部32は、ユーザ入力情報に基づいて迷子情報を生成する。生成する迷子情報については、図22を参照して説明した通りである。例えば、第1要求情報生成部32は、ユーザ入力情報に含まれる、属性「位置」及び「日時」と、開示範囲1に関連付けられた属性「年齢」及び「服の色」とを、迷子情報に含める。
【0272】
(ステップC106)
ステップC106において、第1要求情報送信部33は、データ流通装置10に対して、第1流通路を介して迷子情報を送信する。データ流通装置10の第1受信部11は、迷子情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップC104~C106の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0273】
(ステップC107)
ステップC107において、データ流通装置10の第1判定部12は、メモリに蓄積した複数の被写体情報及び複数の迷子情報のうち、第1条件を満たす組み合わせがあるか否かを判断する。ここでは、第1条件は、以下の複数の条件が全て満たされることである。
・提供データの分類(映像データ)が一致する。
・被写体情報に含まれる位置と、迷子情報に含まれる位置との距離が閾値以下である。
・被写体情報に含まれる日時と、迷子情報に含まれる日時との間の期間が閾値以下である。
・被写体情報に含まれる被写体の年齢の範囲が、迷子情報に含まれる被写体の年齢を含む。
・被写体情報に含まれる被写体の服の色が、迷子情報に含まれる被写体の服の色に類似する。
【0274】
(ステップC107でNo)
ステップC107においてNoと判断した場合、情報処理方法S1Cは終了する。
【0275】
(ステップC107でYes:ステップA108~A112)
ステップA107においてYesと判断した場合、データ流通システム1Cは、ステップA108~A112まで、情報処理方法S1Aと同様に実行する。これにより、映像サーバ20C及び迷子検索装置30Cは、第2流通路に接続する。
【0276】
(ステップC201)
ステップC201において、映像サーバ20Cの第2提供情報生成部24は、第1条件を満たした被写体情報を生成する際に参照した映像データを特定する。また、第2提供情報生成部24は、特定した映像データに基づいて、被写体詳細情報を生成する。生成する被写体詳細情報については、図21を参照して説明した通りである。例えば、第2提供情報生成部24は、映像データから抽出した「顔画像データ」と、当該「顔画像データ」をAIにより解析して特定した「被写体ID」とを生成し、被写体詳細情報に含める。
【0277】
(ステップC202)
ステップC202において、第2提供情報送信部25は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して、被写体詳細情報を送信する。データ流通装置10の第2受信部14は、1又は複数の被写体詳細情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップC201~C202の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0278】
(ステップC203)
ステップC203において、迷子検索装置30Cの第2要求情報生成部34は、第1条件を満たした迷子情報を生成する際に参照した映像データを特定する。また、第2要求情報生成部34は、特定した映像データに基づいて、迷子詳細情報を生成する。生成する迷子詳細情報については、図22を参照して説明した通りである。例えば、第2要求情報生成部34は、ユーザ入力情報に含まれる「画像データ」から「顔画像データ」を抽出し、迷子詳細情報に含める。
【0279】
(ステップC204)
ステップC204において、第2要求情報送信部35は、データ流通装置10に対して、第2流通路を介して迷子詳細情報を送信する。データ流通装置10の第2受信部14は、迷子詳細情報を受信し、メモリに蓄積する。ステップC203~C204の処理は、任意の時点で繰り返し実行される。
【0280】
(ステップC205)
ステップC205において、データ流通装置10の第2判定部15は、メモリに蓄積した複数の被写体詳細情報及び複数の迷子詳細情報のうち、第2条件を満たす組み合わせがあるか否かを判断する。ここでは、第2条件は、以下の複数の条件が全て満たされることである。
・被写体詳細情報に含まれる顔画像データと、迷子詳細情報に含まれる顔画像データとの類似度が閾値以上である。
【0281】
(ステップC205でNo)
ステップC205においてNoと判断した場合、情報処理方法S1Cは終了する。
【0282】
(ステップC205でYes:ステップC206)
ステップC205においてYesと判断した場合、ステップC206において、提供通知部16は、映像サーバ20Cに対して、第2条件を満たした被写体詳細情報に対応する映像データを、第2流通路を介して迷子検索装置30Cに提供するよう通知する。
【0283】
(ステップC207)
ステップC207において、映像サーバ20Cの提供データ送信部26は、第2条件を満たした被写体詳細情報に対応する映像データを特定する。また、提供データ送信部26は、特定した映像データを、第2流通路を介して迷子検索装置30Cに送信する。
【0284】
(ステップ208)
ステップ208において、迷子検索装置30Cの提供データ受信部36は、第2流通路を介して映像データを受信する。
【0285】
<本例示的実施形態の効果>
本例示的実施形態は、セキュリティを強化しながら、迷子検索の依頼者が所望する映像データをより確実に提供することができる。その理由は、第1流通路を介して送受信する概略的な被写体情報及び迷子情報が第1条件を満たすことに加え、非公開の第2流通路を介して送受信する詳細な被写体詳細情報及び迷子詳細情報が第2条件を満たす場合に、映像データを提供するからである。これにより、第1条件を満たすだけで映像データを提供する場合と比べて、提供された映像データに、検索対象の迷子が被写体として含まれている確実性が高くなる。換言すると、提供された映像データに、当該迷子が被写体として含まれていない可能性が低減する。その結果、本例示的実施形態は、当該迷子が被写体として含まれていない映像データが提供されることによる情報漏えいの可能性を低減することができ、セキュリティが強化される。
【0286】
〔ソフトウェアによる実現例〕
データ流通システム1、1A、1B、及び1Cをそれぞれ構成する各装置の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0287】
後者の場合、データ流通システム1、1A、1B、及び1Cをそれぞれ構成する各装置は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図25に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを、データ流通システム1、1A、1B、及び1Cをそれぞれ構成する各装置として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、データ流通システム1、1A、1B、及び1Cをそれぞれ構成する各装置の各機能が実現される。
【0288】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0289】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0290】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0291】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0292】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0293】
(付記1)
提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する第1受信手段と、
前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知する第2流通路通知手段と、
前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信する第2受信手段と、
前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知する提供通知手段と、を備えた、データ流通装置。
【0294】
上記構成によれば、セキュリティを強化しながら、利用者が所望するデータをより確実に提供することができる。その理由は、第1流通路を介して送受信する第1提供情報及び第1要求情報が第1条件を満たすことに加え、非公開の第2流通路を介して送受信する詳細な第2提供情報及び第2要求情報が第2条件を満たす場合に、提供データを提供するからである。これにより、第1条件を満たすだけで提供データを提供する場合と比べて、提供されたデータが、利用者が所望するデータである確実性が高くなる。換言すると、提供されたデータが、利用者が所望しないデータある可能性が低減する。その結果、本例示的実施形態は、利用者が所望しないデータが提供されることによる情報漏えいの可能性を低減することができ、セキュリティが強化される。
【0295】
(付記2)
前記提供通知手段は、前記第2条件が満たされる場合に前記第2提供情報を前記利用装置に送信し、前記利用装置から確認情報を受信した場合に、前記利用装置に前記提供データを提供するよう前記提供装置に通知する、付記1に記載のデータ流通装置。
【0296】
上記構成によれば、利用装置から確認情報を受信しない場合には、提供データを提供しないので、提供されたデータが、利用者が所望するデータである確実性がさらに高くなる。
【0297】
(付記3)
前記第2流通路通知手段は、前記第1条件が満たされる場合に前記第1提供情報を前記利用装置に送信し、前記利用装置から確認情報を受信した場合に、前記第2流通路に接続するよう通知する、付記1又は2に記載のデータ流通装置。
【0298】
上記構成によれば、利用装置から確認情報を受信しない場合には、第2流通路に接続するよう通知しないので、不要な場合には第2流通路に接続する必要がない。
【0299】
(付記4)
前記第2受信手段は、前記第2判定手段によって第i提供情報及び第i要求情報が第i条件を満たすと判定された場合に、前記第i提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第i+1提供情報と、前記第i要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第i+1要求情報とを、前記第2流通路を介して受信することを、i=2、…、n-1(nは3以上の整数)について実行し、
前記提供通知手段は、
第n提供情報及び第n要求情報が第n条件を満たす場合に、前記利用装置に前記提供データを提供するよう前記提供装置に通知する、付記1から付記3の何れか1つに記載のデータ流通装置。
【0300】
上記構成によれば、複数段階の条件判定を経て提供データを利用装置に提供するので、提供データが、利用者が所望するデータである確実性がさらに高くなる。
【0301】
(付記5)
付記1から4の何れか1つに記載のデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、
前記提供データを取得する提供データ取得手段と、
前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成する第1提供情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信する第1提供情報送信手段と、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成する第2提供情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信する第2提供情報送信手段と、
前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信する提供データ送信手段と、を備えた提供装置。
【0302】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0303】
(付記6)
付記1から4の何れか1つに記載のデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、
前記要求を示す入力データを取得する入力データ取得手段と、
前記入力データに基づき第1要求情報を生成する第1要求情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1要求情報を送信する第1要求情報送信手段と、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記入力データに基づき前記第2要求情報を生成する第2要求情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2要求情報を送信する第2要求情報送信手段と、
前記提供装置から、前記第2流通路を介して前記提供データを受信する提供データ受信手段と、を備えた利用装置。
【0304】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0305】
(付記7)
付記1から4の何れか1つに記載のデータ流通装置と、
付記5に記載の提供装置と、
付記6に記載の利用装置と、
を備えたデータ流通システム。
【0306】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0307】
(付記8)
提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信すること、
前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定すること、
前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知すること、
前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信すること、
前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定すること、及び、
前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知すること、を含むデータ流通方法。
【0308】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0309】
(付記9)
付記8に記載のデータ流通方法を実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、
前記提供データを取得すること、
前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成すること、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信すること、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成すること、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信すること、及び、
前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信すること、を含むデータ提供方法。
【0310】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0311】
(付記10)
付記8に記載のデータ流通方法を実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、
前記要求を示す入力データを取得すること、
前記入力データに基づき第1要求情報を生成すること、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1要求情報を送信すること、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記入力データに基づき前記第2要求情報を生成すること、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2要求情報を送信すること、及び、
前記提供装置から、前記第2流通路を介して前記提供データを受信すること、を含むデータ利用方法。
【0312】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0313】
(付記11)
コンピュータをデータ流通装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する第1受信手段と、
前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知する第2流通路通知手段と、
前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信する第2受信手段と、
前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知する提供通知手段と、として機能させるプログラム。
【0314】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0315】
(付記12)
コンピュータを提供装置として機能させるためのプログラムであって、付記11に記載のプログラムを実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記コンピュータを、
前記提供データを取得する提供データ取得手段と、
前記提供データに基づき前記第1提供情報を生成する第1提供情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1提供情報を送信する第1提供情報送信手段と、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記提供データに基づき前記第2提供情報を生成する第2提供情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2提供情報を送信する第2提供情報送信手段と、
前記提供データを提供するよう通知された場合に、前記利用装置に対して、前記第2流通路を介して前記提供データを送信する提供データ送信手段と、として機能させるプログラム。
【0316】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0317】
(付記13)
コンピュータを利用装置として機能させるためのプログラムであって、付記11に記載のプログラムを実行するデータ流通装置と前記第1流通路を介して通信可能に接続され、前記コンピュータを、
前記要求を示す入力データを取得する入力データ取得手段と、
前記入力データに基づき第1要求情報を生成する第1要求情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第1流通路を介して前記第1要求情報を送信する第1要求情報送信手段と、
前記第2流通路に接続するよう通知された場合に、前記入力データに基づき前記第2要求情報を生成する第2要求情報生成手段と、
前記データ流通装置に対して、前記第2流通路を介して前記第2要求情報を送信する第2要求情報送信手段と、
前記提供装置から、前記第2流通路を介して前記提供データを受信する提供データ受信手段と、として機能させるプログラム。
【0318】
上記構成によれば、付記1と同様の効果を奏する。
【0319】
〔付記事項3〕
上述した実施形態の一部又は全部は、更に、以下のように表現することもできる。
【0320】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
提供装置が提供可能な提供データに関する第1提供情報と、利用装置による提供データに関する要求を示す第1要求情報とを、第1流通路を介して受信する第1受信処理と、
前記第1提供情報及び前記第1要求情報が第1条件を満たすか否かを判定する第1判定処理と、
前記第1条件が満たされる場合に、前記提供装置及び前記利用装置に対して、前記第1流通路とは異なる非公開の第2流通路に接続するよう通知する第2流通路通知処理と、
前記第1提供情報よりも詳細な、前記提供データに関する第2提供情報と、前記第1要求情報よりも詳細な、前記要求を示す第2要求情報とを、前記第2流通路を介して受信する第2受信処理と、
前記第2提供情報及び前記第2要求情報が第2条件を満たすか否かを判定する第2判定処理と、
前記第2条件が満たされる場合に、前記提供装置に対して、前記第2流通路を介して前記利用装置に前記提供データを提供するよう通知する提供通知処理と、を実行するデータ流通装置。
【0321】
なお、このデータ流通装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記第1受信処理と、前記第1判定処理と、前記第2流通路通知処理と、前記第2受信処理と、前記第2判定処理と、前記提供通知処理と、を前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0322】
1、1A、1B、1C データ流通システム
200A 警備員管理システム
200B センサ値販売システム
200C 映像監視システム
300A 警備員依頼システム
10、10B データ流通装置
20 提供装置
20A 管理サーバ
20B 販売サーバ
20C 映像サーバ
30 利用装置
30A 依頼サーバ
30B 購買装置
30C 迷子検索装置
11 第1受信部
12 第1判定部
13 第2流通路通知部
14 第2受信部
15 第2判定部
16 提供通知部
21 提供データ取得部
22 第1提供情報生成部
23 第1提供情報送信部
24 第2提供情報生成部
25 第2提供情報送信部
26 提供データ送信部
31 入力データ取得部
32 第1要求情報生成部
33 第1要求情報送信部
34 第2要求情報生成部
35 第2要求情報送信部
36 提供データ受信部
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