(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20241001BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20241001BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
F25D23/02 304A
F25D23/00 305H
F25D29/00 Z
(21)【出願番号】P 2023015145
(22)【出願日】2023-02-03
(62)【分割の表示】P 2021538519の分割
【原出願日】2019-08-02
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】剱持 正勝
(72)【発明者】
【氏名】井ノ口 弘洋
(72)【発明者】
【氏名】大和 康成
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-190128(JP,A)
【文献】特開2016-040491(JP,A)
【文献】特開2014-031959(JP,A)
【文献】特開2000-018812(JP,A)
【文献】特開平09-113113(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0089632(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
F25D 23/00
F25D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却対象を貯蔵する貯蔵空間が内部に形成され、前記貯蔵空間の前方に開口が形成された筐体と、
前記貯蔵空間より前方に設けられ、前記開口を開閉する扉と、
外部機器へ電波の送信または前記外部機器からの電波の受信を行い、前記扉に固定され
たアンテナ部と、
前記貯蔵空間に冷却された空気を供給する冷却装置と、
前記冷却装置を制御し、前記筐体に固定された制御装置と、
前記アンテナ部と前記制御装置とを通信可能に接続する接続線と、
を備えた冷蔵庫であり、
前記扉は、前記貯蔵空間の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板と、前記貯蔵空間の外部の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材と、を有し、
前記アンテナ部は、当該冷蔵庫を前方から見た場合に前記前面板と重ならず前記カバー部材と重なる位置に固定され、
前記扉は、前記カバー部材と共に基板収納空間を形成するケースを有し、
前記アンテナ部は、前記基板収納空間の中に位置し、
前記ケースは前記前面板よりも前方へ突出する突出部と、前記前面板よりも背面側に窪んだ凹部と、が形成され、
前記基板収納空間は前記突出部と前記カバー部材と前記凹部に囲まれた空間であ
り、
前記凹部は前記貯蔵空間の外部の空間と面し前記前面板の側方に取り付けられる側面部側キャップの一部である冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷蔵庫はヒンジ金具と前記ヒンジ金具を覆うヒンジカバーとを有し、
前記扉は前記ヒンジ金具を中心に回転可能に支持され、
前記扉は前記貯蔵空間の外部の空間と面し前記前面板の上方に設けられ穴が形成された
上面部側キャップ部を有し、
前記接続線は、前記上面部側キャップ部の前記穴と前記筐体の上面部のうち前記ヒンジ
カバーに覆われた部分とを経由して、前記アンテナ部と前記制御装置とを通信可能に接続
する、請求項
1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記扉は、ユーザーによる当該冷蔵庫の運転の操作を受け付ける操作部を有し、
前記操作部は、前記ケースと、電子部品が配置され前記基板収納空間の中に位置する操
作部基板と、を有する、請求項
1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記アンテナ部は前記前面板よりも前方に位置する、請求項
1に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示される冷蔵庫のように、貯蔵室を有する筐体と、この筐体に金属製のヒンジ部を介して回動可能に設けられその回動により貯蔵室の開口部を開閉する扉と、ヒンジ部周辺に引き出された接続線と、アンテナ部(特許文献1の無線通信部が該当)を有して接続線に接続されヒンジ部の後方に位置し外部機器と通信可能な無線通信手段を備えた冷蔵庫があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される冷蔵庫は、ヒンジ部が金属製であり、アンテナ部がヒンジ部の後方に位置する。このため、特許文献1に開示される冷蔵庫では、外部機器が冷蔵庫の前方に位置する場合において、アンテナ部より外部機器に送信される電波または外部機器よりアンテナ部に送信される電波の一部は金属製のヒンジ部で反射してしまう。従って、特許文献1に開示される冷蔵庫では、外部機器が冷蔵庫の前方に位置する場合において、アンテナ部と外部機器との通信がヒンジ部によって妨げられてしまう。
【0005】
本開示は、外部機器が冷蔵庫の前方に位置する場合において、アンテナ部と外部機器との通信がヒンジ部によって妨げられない冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る冷蔵庫は、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間が内部に形成され貯蔵空
間の前方に開口が形成された筐体と、貯蔵空間より前方に設けられ開口を開閉する扉と、
外部機器へ電波の送信または外部機器からの電波の受信を行い扉に固定されたアンテナ部
と、貯蔵空間に冷却された空気を供給する冷却装置と、冷却装置を制御し筐体に固定され
た制御装置と、アンテナ部と制御装置とを通信可能に接続する接続線と、を備えた冷蔵庫
であり、扉は貯蔵空間の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板と貯蔵空間の外部
の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材とを有し、アンテナ部は当該冷蔵庫
を前方から見た場合に前面板と重ならずカバー部材と重なる位置に固定され、扉はカバー
部材と共に基板収納空間を形成するケースを有し、アンテナ部は基板収納空間の中に位置
し、ケースは前面板よりも前方へ突出する突出部が形成され、基板収納空間は突出部とカ
バー部材とに囲まれた空間であり、凹部は貯蔵空間の外部の空間と面し前面板の側方に取り付けられる側面部側キャップの一部である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る冷蔵庫は、扉にアンテナ部が固定されるため、外部機器が冷蔵庫の前方に位置する場合においてアンテナ部と外部機器の通信がヒンジ部によって妨げられない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る冷蔵庫の前面と外部機器を示した図である。
【
図2】実施の形態1に係る冷蔵庫の
図1におけるA-A断面を示す断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の前面図である。
【
図5】実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の
図4におけるB-B断面を示す断面図である。
【
図6】実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の
図5における領域Cの拡大図である。
【
図7】実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の分解斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の背面図である。
【
図9】実施の形態2に係る冷蔵庫の開閉扉の
図4におけるB-B断面に相当する箇所を示す断面図である。
【
図10】実施の形態2に係る冷蔵庫の開閉扉の
図9における領域Dの拡大図である。
【
図11】実施の形態3に係る冷蔵庫の前面と外部機器を示した図である。
【
図12】実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の前面図である。
【
図13】実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の
図12におけるE-E断面を示す断面図である。
【
図14】実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の
図13における領域Fの拡大図である。
【
図15】実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の分解斜視図である。
【
図16】実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の背面図である。
【
図17】実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の前面図である。
【
図18】実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の
図17におけるG-G断面を示す断面図である。
【
図19】実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の
図18における領域Hの拡大図である。
【
図20】実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の分解斜視図である。
【
図21】実施の形態5に係る冷蔵庫の開閉扉の背面図である。
【
図22】実施の形態5に係る冷蔵庫の開閉扉の上面部側キャップ部の近傍の斜視図である。
【
図23】実施の形態5に係る冷蔵庫の開閉扉の
図21におけるI-I断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施の形態に係る冷蔵庫について図面に基づいて説明する。なお、本開示は以下の実施の形態のみに限定されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変形または省略することが可能である。さらに、各々の実施の形態ならびに変形例に係る冷蔵庫の構成ならびに付加的な構成を適宜組み合わせることも可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷蔵庫の前面と外部機器を示した図である。
図2は、実施の形態1に係る冷蔵庫の
図1におけるA-A断面を示す断面図である。
図3は、実施の形態1に係る冷蔵庫の上面図である。実施の形態1に係る冷蔵庫1について説明する。冷蔵庫1は、筐体2と、開閉扉3と、複数の引き出し扉4と、冷却装置5と、複数のヒンジ部6と、複数の運搬ハンドル7と、制御装置8と、操作部9と、接続線10と、無線通信装置11とを備える。
【0011】
筐体2は、樹脂製の内箱20と、金属製の外箱21と、内箱20と外箱21との間に断熱材22とを有する。断熱材22には、発泡断熱材または真空断熱材などの内箱20ならびに外箱21と比較して熱伝導率が低い素材が用いられる。また、筐体2の内部には貯蔵空間23と冷却室空間24が形成される。さらに、筐体2の一つの面には貯蔵空間23と筐体2の外部の空間とを連通させる開口が形成される。以降の説明では、筐体2の開口が形成された部分を前面部と称する。つまり、筐体2の開口は貯蔵空間の前方に形成される。また、前面部と貯蔵空間23を介して対向する筐体2の部分を背面部と称する。さらに、冷蔵庫1を前方から見た場合において、貯蔵空間23の右方に位置する筐体2の部分を右側面部、貯蔵空間23の左方に位置する筐体2の部分を左側面部、貯蔵空間23の下方に位置する筐体2の部分を下面部、貯蔵空間23の上方に位置する筐体2の部分を上面部、とそれぞれ称する。
【0012】
筐体2の貯蔵空間23は、食品などの冷却対象を貯蔵する空間である。貯蔵空間23は、開口を除き内箱20と外箱21と断熱材22とで覆われ、1つ又は複数の仕切り部材25により、複数の貯蔵室に区画される。実施の形態1の冷蔵庫では、冷蔵室23aと、製氷室23bと、切替室23cと、冷凍室23dと、野菜室23eと、の5つの貯蔵室に区画される。冷蔵室23aは各貯蔵室のうち最も上面部側に配置される。製氷室23bは冷蔵室23aよりも下面部側に配置される。切替室23cは製氷室23bの側方に隣接して配置される。冷凍室23dは製氷室23bおよび切替室23cよりも下面部側に配置される。野菜室23eは切替室23cよりも下面部側に配置され、各貯蔵室のうち最も下面部側に配置される。また、冷蔵室23aと、製氷室23bと、切替室23cと、冷凍室23dと、野菜室23eとはそれぞれ風路によって連通する。
【0013】
なお、切替室23cは、冷凍温度帯(例えば-18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)、ソフト冷凍温度帯(例えば-7℃程度)等の各種温度帯に切り替えることができる。切替室23cの各種温度帯の切り替えは制御装置8が冷却装置5を制御することによって行われる。
【0014】
筐体2の冷却室空間24は、冷却装置5の一部を収納する空間である。冷却室空間24は野菜室23eの背面部側に形成される。冷却室空間24と貯蔵空間23との間には少なくとも断熱材22が配置される。冷却室空間24には後述する冷却装置5の圧縮機51が配置される。
【0015】
また、筐体2の上面部の背面部側には、制御装置8を収納する凹形状の制御装置収納部26が形成される。さらに、筐体2の上面部の背面部側には制御装置収納部26を覆うように制御装置カバー27が固定される。
【0016】
開閉扉3は、冷蔵室23aと筐体2の外部の空間とを連通させる開口を開閉する扉である。開閉扉3はその左端部または右端部のうち一方の端部がヒンジ部6によって支持される。開閉扉3はヒンジ部6を中心としてヒンジ部6によって支持されない他方の端部が冷蔵庫1の前面部側に回転することによって、冷蔵室23aと筐体2の外部の空間とを連通させる開口が開かれる。実施の形態1の冷蔵庫1において開閉扉3は左面部側に位置する開閉扉3aと右面部側に位置する開閉扉3bの二枚あり、左面部側に位置する開閉扉3aの左端部がヒンジ部6によって支持され、右面部側に位置する開閉扉3bの右端部がヒンジ部6によって支持される。このため、左面部側に位置する開閉扉3aは開閉扉3aの左端部を中心に左面部側へ所定の角度範囲内で回転可能であり、右面部側に位置する開閉扉3bは開閉扉3bの右端部を中心に右面部側へ所定の角度範囲内で回転可能である。つまり、冷蔵庫1の開閉扉3は両開きの扉である。また、開閉扉3aの詳細な構成については後述する。
【0017】
複数の引き出し扉4は、製氷室23bと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、切替室23cと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、冷凍室23dと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、野菜室23eと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、をそれぞれ閉じる扉である。引き出し扉4は冷蔵庫1の前面部側に移動することができ、引き出し扉4が前面部側に移動することで開口が開かれる。また、引き出し扉4の背面部側には食品などを内部に収納できる容器が設けられる。容器は引き出し扉4が開口を閉じた状態では製氷室23b、切替室23c、冷凍室23d又は野菜室23eの内部に位置する。容器は引き出し扉4と連動して移動し、引き出し扉4を前面部側に移動させた状態では容器は開口を介して筐体2の外部の空間に引き出される。
【0018】
冷却装置5は、各貯蔵室を所定の温度に冷却するための装置である。冷却装置5は、圧縮機51、冷却器52、図示を省略したキャピラリーチューブなどの膨張手段、図示を省略した放熱パイプなどの凝縮器、庫内ファン53、ダンパ54より構成される。圧縮機51と冷却器52と膨張手段と凝縮器はそれぞれ冷媒配管で繋がっており、冷媒が循環する冷凍サイクルを形成する。圧縮機51は冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮する。凝縮器は圧縮機51により圧縮された冷媒を凝縮させる。膨張手段は凝縮器により凝縮された冷媒を膨張させる。冷却器52は膨張手段により膨張された冷媒によって冷却器52を通過する空気を冷却する。冷却器52と庫内ファン53は筐体2内の風路中に設置されており、冷却器52で冷却された空気が庫内ファン53によって各貯蔵室に流入する。また、冷却器52で冷却された空気の各貯蔵室への流入量をダンパ54の開閉によって調整することで、各貯蔵室の温度は調整される。なお、各貯蔵室に流入した空気は流入後に冷却器52に戻り再び冷却され、冷蔵庫1内の空気は庫内ファン53によって循環される。
【0019】
ヒンジ部6は、開閉扉3を所定の角度範囲内で回転可能なように支持する。ヒンジ部6はヒンジ金具61とヒンジカバー62より構成される。ヒンジ金具61は円筒形状のヒンジ軸が筐体2の前面部より突出するように筐体2の上面部に固定される。また、冷蔵庫1はヒンジ部6を二つ備えており、左面部側に位置するヒンジ部6aは開閉扉3aをヒンジ軸によって上面部側から支持し、右面部側に位置するヒンジ部6bは開閉扉3bをヒンジ軸によって上面部側から支持する。ヒンジ金具61は例えば金属製のものである。また、ヒンジ金具61はヒンジカバー62に覆われる。ヒンジカバー62は非導電性であり、例えば樹脂製である。また、ヒンジカバー62は筐体2の上面部に取り付けられる。
【0020】
また、図示は省略したが冷蔵庫1は、冷蔵室23aと製氷室23bとの間と、冷蔵室23aと切替室23cとの間と、にも円筒形状のヒンジ軸が筐体2の前面部より突出するように筐体2に固定されたヒンジ金具をそれぞれ有する。冷蔵室23aと製氷室23bとの間のヒンジ金具のヒンジ軸と、ヒンジ部6aのヒンジ金具61のヒンジ軸と、は冷蔵庫1の上下方向において重なるように配置される。冷蔵室23aと製氷室23bとの間のヒンジ金具は開閉扉3aをヒンジ軸によって下面部側から支持する。また、冷蔵室23aと切替室23cとの間のヒンジ金具のヒンジ軸と、ヒンジ部6bのヒンジ金具61のヒンジ軸と、は冷蔵庫1の上下方向において重なるように配置される。冷蔵室23aと切替室23cとの間のヒンジ金具は開閉扉3bをヒンジ軸によって下面部側から支持する。
【0021】
運搬ハンドル7は、冷蔵庫1の運搬時に運搬者が掴む部材である。運搬ハンドル7は筐体2の上面部の右背面部側の端部と、上面部の左背面部側の端部に設けられる。運搬ハンドル7は非導電性であり、例えば樹脂製である。
【0022】
制御装置8は、冷蔵庫1の運転を制御する。制御装置8は、操作部9と無線通信装置11と圧縮機51と庫内ファン53とダンパ54と通信可能に接続される。制御装置8は圧縮機51と庫内ファン53とダンパ54を制御して各貯蔵室の温度について制御を行う。制御装置8はマイクロコントローラと制御装置基板より構成される。マイクロコントローラはプロセッサーとメモリーを備える。制御装置8が行う制御ならびに通信は、プロセッサーがメモリーに記憶されたソフトウェアのプログラムに従って処理を実行することによって実現される。また、マイクロコントローラは制御装置基板上に設けられる。制御装置基板には、マイクロコントローラの他に、マイクロコントローラを動作させるために必要な電子部品と、接続線10と接続可能なコネクタと、マイクロコントローラと電子部品と制御装置側コネクタとを電気的に接続する配線パターンが設けられる。
【0023】
操作部9は、ユーザーによる冷蔵庫1の運転の操作を受け付ける。ユーザーは操作部9を操作することにより冷蔵庫1の運転を変更することができる。例えば、ユーザーが切替室23cの温度帯を変更する操作を操作部9に行うと、切替室23cの温度帯を変更する情報を含んだ信号が操作部9より制御装置8に送信され、当該信号を受信した制御装置8が切替室23cの温度帯をユーザーによって変更された温度帯に変更するよう冷却装置5を制御する。なお、操作部9は開閉扉3aに取り付けられており、詳細な構成については後述する。
【0024】
接続線10は各種信号を伝送する配線である。接続線10の詳細な構成については後述する。
【0025】
無線通信装置11は後述する外部機器200と無線で通信可能な装置である。無線通信装置11の詳細な構成については後述する。
【0026】
次に無線通信装置11と無線で通信が行われる外部機器200について説明する。外部機器200は冷蔵庫1を除く機器のことである。例えば、スマートフォンもしくはタブレット端末などの携帯端末、空気調和機もしくは換気扇などの家電機器、またはインターネットなどの外部ネットワークと通信可能に接続された集中コントローラなどが、外部機器200として挙げられる。これらの外部機器200と制御装置8とが無線通信装置11を介して通信を行うことにより、例えば以下に示すことなどを行うことができる。制御装置8が、他の家電機器の運転状態に関する情報を取得し、当該情報に基づいて冷蔵庫1の制御を行うことができる。制御装置8が、外部ネットワークより情報を取得し、当該情報に基づいて冷蔵庫1の制御を行うことができる。制御装置8が、外部ネットワーク上のクラウドサーバーに冷蔵庫1の運転状態に関する情報を送信し、クラウドサーバーは当該情報を蓄積することができる。制御装置8が、携帯端末に冷蔵庫1の運転状態に関する情報を送信し、携帯端末の制御装置が当該情報を携帯端末の表示部に表示を行うことができる。
【0027】
図4は、実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の前面図である。
図5は、実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の
図4におけるB-B断面を示す断面図である。
図6は、実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の
図5における領域Cの拡大図である。
図7は、実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の分解斜視図である。
図8は、実施の形態1に係る冷蔵庫の開閉扉の背面図である。なお、説明のために、
図7では操作部9と無線通信装置11と後述する発泡断熱材35との図示を省略し、
図8では後述する背面板34と発泡断熱材35との図示を省略する。次に開閉扉3aについて説明する。開閉扉3aは、操作部9と、無線通信装置11と、前面板31と、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と、を有する。
【0028】
前面板31は、開閉扉3aの前面部と側面部を構成する部材である。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、前面板31は貯蔵空間23の外部の空間に面する。前面板31は、鉄などの金属材料で形成された板状の部材である。前面板31は、左面部側の端部と右面部側の端部とが背面部側に曲げ起こされ、略U字状に形成される。前面板31のうち、曲げ起こされた端部側の部分でありそれぞれ対向し合う部分を前面板側部31aと称する。また、前面板側部31aを連結する部分を前面板基部31bと称する。前面板基部31bには穴部31cが形成される。
【0029】
上面部側キャップ部32は、開閉扉3aの上面部を構成する部材である。上面部側キャップ部32は前面板31の上面部側の端部に取り付けられる。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、上面部側キャップ部32は貯蔵空間23の外部の空間に面する。上面部側キャップ部32の左側面部側には筐体2の上面部に設けられたヒンジ金具61のヒンジ軸に支持される支持部32aが設けられる。また、支持部32aの近傍には、図示を省略したが、接続線10を後述する扉内空間36の内部に引き込むための穴が形成される。
【0030】
下面部側キャップ部33は、開閉扉3aの下面部を構成する部材である。下面部側キャップ部33は前面板31の下面部側の端部に取り付けられる。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、下面部側キャップ部33は貯蔵空間23の外部の空間に面する。下面部側キャップ部33の左側面部側には、冷蔵室23aと製氷室23bとの間に設けられたヒンジ金具61のヒンジ軸に支持される支持部33aが設けられる。また、下面部側キャップ部33にはユーザーが開閉扉3aを開閉する際に掴む持ち手33bが設けられる。
【0031】
背面板34は、開閉扉3aの背面部を構成する部材である。前面板側部31aの背面部側の端部に取り付けられる。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、背面板34は冷蔵室23aに面する部材である。背面板34は前面板31よりも剛性の低い材料が用いられており、例えば樹脂製である。つまり、前面板31は背面板34よりも剛性が高い。
【0032】
操作部9は、穴部31cを塞ぐように前面板基部31bに取り付けられる。操作部9は、操作部基板91と、操作部ケース92と、操作部カバー93とを備える。
【0033】
操作部基板91は、操作部9がユーザーによる冷蔵庫1の運転の操作を受け付けることができるように電子部品が配置された基板である。このような電子部品としては、例えば表示用のLED(Light Emitting Diode)と、静電容量の変化によってユーザーが操作を行ったことを検知する静電容量タッチセンサと、LEDおよび静電容量タッチセンサを動作させるための電子部品などが挙げられる。また、操作部基板91には各電子部品を電気的に接続する配線パターンを有する。
【0034】
操作部ケース92は、操作部ケース92の中央部92aが操作部ケース92の端部92bと比べて背面部側に窪んだ形状である。また、操作部ケース92の上下方向ならびに左右方向の寸法は、穴部31cの上下方向ならびに左右方向の寸法よりも長い。このため、操作部ケース92は穴部31cを背面部側から塞ぐように前面板基部31bに取り付けられる。前面板基部31bに取り付けられた操作部ケース92は、端部92bが前面板基部31bの背面部側の面と接する。
【0035】
操作部カバー93は穴部31cを前面部側から塞ぐように前面板基部31bに取り付けられる。操作部ケース92と操作部カバー93とが前面板基部31bに取り付けられることで、操作部ケース92と操作部カバー93は、操作部ケース92と操作部カバー93に囲まれた基板収納空間94を形成する。操作部基板91は、基板収納空間94の中に位置する。また、操作部基板91は操作部ケース92に固定される。
【0036】
操作部カバー93には、例えば温度表示など冷蔵庫1の運転状態を表す文字またはアイコンが表記されている。操作部カバー93に表記された文字またはアイコンは、操作部基板91に配置されたLEDの光が照射されることによってユーザーが視認できるようになる。また、操作部カバー93に表記された文字またはアイコンの一部は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、操作部基板91に配置された静電容量タッチセンサと重なった位置に表記される。このため、操作部カバー93に表記された文字またはアイコンをユーザーが触れることで静電容量タッチセンサが検知する静電容量が変化する。静電容量タッチセンサは、静電容量が変化することによってユーザーが表記された文字またはアイコンと対応付けられた機能を選択されたことを検知する。さらに、操作部カバー93は非導電性であり、例えば樹脂製又はガラス製である。なお、操作部カバー93がカバー部材に該当する。
【0037】
無線通信装置11は、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113を有する。アンテナ部111は外部機器200への電波の送信を行う。また、アンテナ部111は外部機器200からの電波の受信を行う。変復調部112はアンテナ部111で取得した電波に含まれる変調信号を復調する。また、変復調部112は冷蔵庫1に関する情報を含む信号をアンテナ部111より送信できるよう変調する。アンテナ部111と変復調部112は無線通信基板113上に設けられる。無線通信基板113には、アンテナ部111と変復調部112の他に、アンテナ部111と変復調部112を動作させるために必要な電子部品と、接続線10と接続可能なコネクタと、アンテナ部111と変復調部112と電子部品とコネクタとを電気的に接続する配線パターンが設けられる。また、無線通信装置11は基板収納空間94の中に位置する。さらに、無線通信装置11は操作部ケース92に固定される。
【0038】
さらに、操作部基板91と無線通信基板113には、それぞれの基板を互いに電気的接続する配線が設けられる。
【0039】
また、開閉扉3aには、前面部側を前面板基部31bおよび操作部ケース92で覆われ、背面部側を背面板34で覆われ、左右側面部側を前面板側部31aで覆われ、上面部側を上面部側キャップ部32で覆われ、下面部側を下面部側キャップ部33で覆われた扉内空間36が形成される。扉内空間36には発泡断熱材35が配置される。発泡断熱材35は前面板31、上面部側キャップ部32、下面部側キャップ部33ならびに背面板34と比較して熱伝導率が低い素材が用いられる。また、発泡断熱材35は扉内空間36に薬液が注入され注入した薬液が発泡することによって形成される。このような発泡断熱材として例えばウレタン断熱材などが挙げられる。
【0040】
なお、前面板31と、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、操作部ケース92と、操作部カバー93との取り付けは既存の取付手段で取り付ければよい。例えば、ねじ穴を形成しねじ止めを行う方法、嵌合部を形成し嵌合部同士を嵌合させる方法、ホットメルトまたは両面テープなどの接着部材によって接着する方法などが挙げられる。
【0041】
ここで、アンテナ部111と、前面板31と、操作部カバー93との位置関係について説明する。アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、前面板31に形成された穴部31cと重なる位置に固定される。このため、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、前面板31とは重ならない位置に固定される。また、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、操作部カバー93と重なる位置に固定される。なお、冷蔵庫1を前方から見た場合とは、換言すると、前面板31の前面板基部31bに対して垂直な方向から見た場合である。
【0042】
次に接続線10について詳細を説明する。接続線10は、無線通信装置接続線101と、霜取りヒーター接続線102とより構成される。
【0043】
無線通信装置接続線101は、制御装置8と無線通信装置11とを通信可能に接続する配線である。換言すると、無線通信装置接続線101はアンテナ部111と制御装置8とを通信可能に接続する。無線通信装置接続線101の一方の端部は制御装置8に接続され、他方の端部は無線通信基板113のコネクタに接続される。なお、操作部基板91と無線通信基板113にはそれぞれの基板を電気的に接続する配線が設けられるため、操作部9は無線通信装置接続線101を介して制御装置8と通信可能に接続される。
【0044】
霜取りヒーター接続線102は、制御装置8が図示を省略した開閉扉3aの霜取りヒーターを駆動または停止させる信号を伝達する配線である。霜取りヒーター接続線102の一方の端部は制御装置8に接続され、他方の端部は霜取りヒーターに接続される。
【0045】
無線通信装置接続線101の一部と霜取りヒーター接続線102の一部は、筐体2の上面部側の内箱20と外箱21の間に敷設される。無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102において筐体2の上面部側の内箱20と外箱21の間に敷設された部分よりも他方の端部側にそれぞれ位置する部分は、筐体2の外部へ引き出される。無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102において筐体2の外部へ引き出された部分は、開閉扉3aの上面部側キャップ部32の穴より扉内空間36の内部に引き込まれる。無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102において扉内空間36の内部に引き込まれた部分は、扉内空間36の内部に敷設される。
【0046】
無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102のうち、扉内空間36の内部に敷設される区間の一部は固定部材12によって前面板31に固定される。なお、実施の形態1に係る冷蔵庫1では固定部材12として粘着テープが用いられる。
【0047】
以上のように実施の形態1に係る冷蔵庫1は、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の前方に開口が形成された筐体2と、貯蔵空間23より前方に設けられ開口を開閉する扉(開閉扉3aが該当)と、外部機器200へ電波の送信または外部機器200からの電波の受信を行い扉に固定されたアンテナ部111と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、アンテナ部111と制御装置8とを通信可能に接続する接続線10と、を備え、扉は貯蔵空間23の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板31と貯蔵空間23の外部の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材(操作部カバー93が該当)とを有し、アンテナ部111は冷蔵庫1を前方から見た場合に前面板31と重ならずカバー部材と重なる位置に固定される構成である。実施の形態1に係る冷蔵庫1は、扉にアンテナ部111が固定されるため、外部機器200が冷蔵庫の前方に位置する場合においてアンテナ部111と外部機器200との通信がヒンジ部によって妨げられない効果を奏する。さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、アンテナ部111を冷蔵庫1の前方から見た場合に、金属材料で形成された前面板31とは重ならず非導電性の材料で形成されたカバー部材と重なる位置に固定されるため、扉の剛性を高くするために前面板31を金属材料で形成したとしてもアンテナ部111による電波の送信または電波の受信が前面板31に阻まれることを抑制する効果を奏する。
【0048】
また、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、扉(開閉扉3aが該当)は、ユーザーによる冷蔵庫1の運転の操作を受け付ける操作部9を有し、カバー部材(操作部カバー93が該当)と共に基板収納空間94を形成する操作部ケース92と、電子部品が配置され基板収納空間94の中に位置する操作部基板91と、を有し、アンテナ部111は、基板収納空間94の中に位置する構成を有する。この付加的な構成によって、アンテナ部111を既存の操作部9の内部に収納することができ、新規にアンテナ部111を覆うカバー部材を起工する必要が無く、コストを低減することができる効果を奏する。
【0049】
また、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、前面板31は穴部31cが形成されており、アンテナ部111は冷蔵庫1を前方から見た場合に穴部31cと重なる位置に固定される構成を有する。この付加的な構成によって、アンテナ部111を、冷蔵庫1を前方から見た場合に、金属製の前面板31とは重ならない位置に固定する構造を得られる効果を奏する。
【0050】
また、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、扉(開閉扉3aが該当)は前面板31の後方に位置し貯蔵空間23に面する背面板34を有し、背面板34と前面板31の間には扉内空間36が形成され、扉内空間36には前面板31に固定された接続線10が敷設され発泡断熱材35が配置され、前面板31は背面板34よりも剛性が高い構成を有する。発泡断熱材35が発泡する際には背面板34と前面板31に発泡断熱材35が膨張することによる応力がかかる。特に接続線10が固定された部材は接続線の厚みによって発泡断熱材35の膨張による応力が均一にかからず部材が変形してしまう可能性がある。この付加的な構成によって、接続線10は背面板34よりも剛性の高い前面板31に固定されるため、背面板34に接続線10が固定される場合に比べて、接続線10が固定された部材が変形してしまうことを抑制することができる効果を奏する。
【0051】
実施の形態1に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
【0052】
実施の形態1に係る冷蔵庫1は、貯蔵空間23は仕切り部材25によって複数の貯蔵室に区画されるが、これに限らない。例えば、仕切り部材を備えず、貯蔵空間は1つの貯蔵室のみを形成する冷蔵庫であっても構わない。
【0053】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、開閉扉3は両開きの扉であるが、これに限らない。例えば、右端部がヒンジ部によって支持された開閉扉または左端部がヒンジ部によって支持された開閉扉のいずれか一つによって筐体2の開口が閉じられる片開きの扉の冷蔵庫であっても構わない。この場合、片開きの扉の構成は、実施の形態1に係る開閉扉3aの構成とほぼ同様となる。
【0054】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、開閉扉3aに操作部9と無線通信装置11とが設けられるが、これに限らず、開閉扉3bに操作部9と無線通信装置11とを設けても構わない。
【0055】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、接続線10は筐体2の上面部側の内箱20と外箱21の間に敷設されるが、これに限らない。例えば、接続線10のうち一方の端部から開閉扉の上面部側キャップ部の穴に引き込まれるまでの区間を、外箱21の外面に沿って敷設しても構わない。
【0056】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、接続線10を前面板31に固定する固定部材12として粘着テープを用いている、これに限らない。例えば、前面板の扉内空間に面する側の面に爪部を形成させ、当該爪部に接続線を引っ掛けることによって接続線を前面板に固定しても構わない。
【0057】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、無線通信装置11の全ての構成が基板収納空間94の中に位置しているが、これに限らない。少なくとも電波を送受信するためのアンテナ部111が基板収納空間94の中に位置していればよい。
【0058】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、無線通信装置11の全ての構成が、冷蔵庫1を前方から見た場合に前面板31とは重ならず操作部カバー93と重なる位置に固定されるが、これに限らない。少なくとも電波を送受信するためのアンテナ部111が冷蔵庫1を前方から見た場合に前面板31とは重ならず操作部カバー93と重なる位置に固定されればよい。
【0059】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、操作部9は無線通信装置接続線101を介して制御装置8と通信可能に接続されるが、これに限らない。操作部と制御装置とを無線通信装置を介さずに通信可能に接続する接続線を新たに設けても構わない。
【0060】
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、無線通信装置11と操作部基板91は操作部ケース92に固定されるが、これに限らない。操作部基板と無線通信装置が操作部ケースと操作部カバーに囲まれた基板収納空間の中に位置するのであれば、無線通信装置と操作部基板を操作部カバーに固定しても構わない。
【0061】
実施の形態2.
次に実施の形態2に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態2に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、開閉扉3aの構成が異なる。なお、実施の形態2に係る冷蔵庫1は開閉扉3aを除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を省略する。
【0062】
図9は実施の形態2に係る冷蔵庫の開閉扉の
図4におけるB-B断面に相当する箇所を示す断面図である。
図10は実施の形態2に係る冷蔵庫の開閉扉の
図9における領域Dの拡大図である。開閉扉3aは、操作部9と、無線通信装置11と、前面板31と、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と、真空断熱材37とを有する。また、開閉扉3aの内部には扉内空間36が形成される。操作部9と、無線通信装置11と、前面板31と、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35とについては、実施の形態1の同名の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
扉内空間36には発泡断熱材35と真空断熱材37が配置される。真空断熱材37は、フィルムに囲まれた芯材を有しフィルムの内部が真空状態の断熱材である。また、真空断熱材37は発泡断熱材35よりも背面板34側に位置する。つまり、真空断熱材37と、前面板31との間に発泡断熱材35が配置される。
【0064】
以上のように実施の形態2に係る冷蔵庫1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の前方に開口が形成された筐体2と、貯蔵空間23より前方に設けられ開口を開閉する扉(開閉扉3aが該当)と、外部機器200へ電波の送信または外部機器200からの電波の受信を行い扉に固定されたアンテナ部111と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、アンテナ部111と制御装置8とを通信可能に接続する接続線10と、を備え、扉は貯蔵空間23の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板31と貯蔵空間23の外部の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材(操作部カバー93が該当)とを有し、アンテナ部111は冷蔵庫1を前方から見た場合に前面板31と重ならずカバー部材と重なる位置に固定される構成である。この構成によって、実施の形態2に係る冷蔵庫1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
【0065】
また、実施の形態2に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、扉内空間36には前面板31に固定された接続線10が敷設され、発泡断熱材35と真空断熱材37とが配置され、真空断熱材37は発泡断熱材35よりも背面板34側に位置する構成を有する。ここで当該付加的な構成と対比するために、前面板に接続線が固定され真空断熱材が発泡断熱材よりも前面板側に位置する場合について説明する。前面板に接続線が固定され真空断熱材が発泡断熱材よりも前面板側に位置する場合、真空断熱材と前面板との間に接続線が固定される。真空断熱材と前面板との間に接続線が固定された状態で発泡断熱材が発泡すると発泡断熱材の膨張による応力が接続線の厚みによって真空断熱材と接続線が接する箇所に集中する。応力が集中すると、真空断熱材が破損して真空断熱材の断熱性能が損なわれる可能性がある。対して、当該付加的な構成では、真空断熱材37が発泡断熱材35よりも背面板34側に位置するため、真空断熱材37と接続線10の間の空間に発泡断熱材35が位置し、接続線の厚みと発泡断熱材35の膨張とに起因する応力の集中が起きることを抑制している。従って、当該付加的な構成を有することによって、真空断熱材が発泡断熱材よりも前面板側に位置する場合と比較して、真空断熱材の破損を抑制することができる。
【0066】
実施の形態3.
次に実施の形態3に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態3に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、開閉扉3aの構成が異なる。なお、実施の形態3に係る冷蔵庫1は開閉扉3aを除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を省略する。
【0067】
図11は、実施の形態3に係る冷蔵庫の前面と外部機器を示した図である。
図12は、実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の前面図である。
図13は、実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の
図12におけるE-E断面を示す断面図である。
図14は、実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の
図13における領域Fの拡大図である。
図15は、実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の分解斜視図である。
図16は、実施の形態3に係る冷蔵庫の開閉扉の背面図である。なお、説明のために、
図15では発泡断熱材35の図示を省略し、
図16では背面板34と発泡断熱材35との図示を省略する。開閉扉3aは、操作部9と、無線通信装置11と、前面板31と、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と、側面部側キャップ部38と、を有する。ここで、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35とについては、実施の形態1で説明した上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と同様であるため説明を省略する。
【0068】
前面板31は開閉扉3aの前面部の一部と左側面部とを構成する部材である。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、前面板31は貯蔵空間23の外部の空間に面する部材である。前面板31は、金属板の左面部側の端部が背面部側に曲げ起こされることによって略L字状に形成される。前面板31は開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において貯蔵空間23の外部の空間に面する部材である。前面板31のうち、曲げ起こされ、開閉扉3aの左側面部を構成する部分を前面板側部31aと称する。また、前面板31のうち、曲げ起こされず、開閉扉3aの前面部を構成する部分を前面板基部31bと称する。実施の形態1の前面板31と異なり、前面板基部31bには穴部31cが形成されない。
【0069】
側面部側キャップ部38は開閉扉3aの前面部の一部と右側面部とを構成する部材である。側面部側キャップ部38は前面板31の前面板基部31bの右面部側の端部に取り付けられる。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、側面部側キャップ部38は貯蔵空間23の外部の空間に面する。側面部側キャップ部38のうち開閉扉3aの前面部を構成する箇所の一部には、背面部側に窪んだ凹部38aが設けられる。また、側面部側キャップ部38には、開閉扉3aをユーザーが開閉する際に掴む持ち手38bが設けられる。
【0070】
また、開閉扉3aには、前面部側を前面板基部31bおよび側面部側キャップ部38で覆われ、背面部側を背面板34で覆われ、左側面部側を前面板側部31aで覆われ、右側面部側を側面部側キャップ部38で覆われ、上面部側を上面部側キャップ部32で覆われ、下面部側を下面部側キャップ部33で覆われた扉内空間36が形成される。扉内空間36には、実施の形態1に係る冷蔵庫と同様に、発泡断熱材35が配置される。
【0071】
操作部9は、側面部側キャップ部38と一体である。また、操作部9は操作部基板91と、操作部カバー93とを有する。なお、操作部基板91と操作部カバー93とについては、形状と取付位置を除いて、実施の形態1の操作部基板91と操作部カバー93と同様であるため、同様の部分は説明を省略する。
【0072】
操作部カバー93は凹部38aに覆うように側面部側キャップ部38に取り付けられる。操作部カバー93は側面部側キャップ部38に取り付けられた際に、側面部側キャップ部38と段差が生じず平らになるような形状である。また、操作部カバー93が側面部側キャップ部38に取り付けられることにより、凹部38aと操作部カバー93とに囲まれた基板収納空間94が形成される。
【0073】
操作部基板91は、基板収納空間94の中に位置する。また、操作部基板91は凹部38aに固定される。このため、側面部側キャップ部38の凹部38aが操作部ケースに該当する。
【0074】
無線通信装置11は、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113を有する。なお、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113については、固定される位置を除いて、実施の形態1のアンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113と同様であるため、同様の部分は説明を省略する。
【0075】
アンテナ部111と変復調部112が設けられた無線通信基板113は、基板収納空間94の中に位置する。また、無線通信基板113は、凹部38aに固定される。さらに、アンテナ部111の前方は操作部カバー93によって覆われる。このため、操作部カバー93がカバー部材に該当する。
【0076】
さらに、操作部基板91と無線通信基板113には、それぞれの基板を電気的に接続する配線が設けられる。
【0077】
ここで、アンテナ部111と、前面板31と、操作部カバー93と、との位置関係について説明する。アンテナ部111は、側面部側キャップ部38の基板収納空間94に位置する。このため、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、前面板31とは重ならない位置に固定される。また、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、操作部カバー93と重なる位置に固定される。なお、冷蔵庫1を前方から見た場合とは、換言すると、前面板31の前面板基部31bに対して垂直な方向から見た場合である。
【0078】
次に接続線10について説明する。接続線10は無線通信装置接続線101と、霜取りヒーター接続線102とより構成される。無線通信装置接続線101と霜取りヒーター接続線102については、無線通信装置11の取付位置が変わったため無線通信装置接続線101の長さが短くなった点を除いて、実施の形態1の無線通信装置接続線101と霜取りヒーター接続線102と同様である。このため、実施の形態3の冷蔵庫においても、無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102は扉内空間36の内部に敷設される。また、無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102は固定部材12によって前面板31に固定される。
【0079】
以上のように実施の形態3に係る冷蔵庫1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の前方に開口が形成された筐体2と、貯蔵空間23より前方に設けられ開口を開閉する扉(開閉扉3aが該当)と、外部機器200へ電波の送信または外部機器200からの電波の受信を行い扉に固定されたアンテナ部111と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、アンテナ部111と制御装置8とを通信可能に接続する接続線10と、を備え、扉は貯蔵空間23の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板31と貯蔵空間23の外部の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材(操作部カバー93が該当)とを有し、アンテナ部111は冷蔵庫1を前方から見た場合に前面板31と重ならずカバー部材と重なる位置に固定される構成である。この構成によって、実施の形態3に係る冷蔵庫1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
【0080】
また、実施の形態3に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、扉(開閉扉3aが該当)は、ユーザーによる冷蔵庫の運転の操作を受け付ける操作部9を有し、カバー部材(操作部カバー93が該当)と共に基板収納空間94を形成する操作部ケース(凹部38aが該当)と、電子部品が配置され基板収納空間94の中に位置する操作部基板91と、を有し、アンテナ部111は、基板収納空間94の中に位置する構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態1で説明した同様の付加的な構成と同じ効果を奏することができる。
【0081】
また、実施の形態3に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、扉(開閉扉3aが該当)は、貯蔵空間23の外部の空間と面し前面板31の側方に取り付けられる側面部側キャップ部28を有し、操作部ケース(凹部38aが該当)は、側面部側キャップ部38の一部である構成を有する。この付加的な構成によって、穴部31cを形成する必要が無いため、実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して前面板の加工費用を抑制することができる効果を奏する。
【0082】
実施の形態3に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
【0083】
実施の形態3に係る冷蔵庫1では、開閉扉3aに操作部9と無線通信装置11とが設けられるが、これに限らず、開閉扉3bに操作部9と無線通信装置11とを設けても構わない。例えば、開閉扉3bに操作部9と無線通信装置11を設ける場合、前面板と側面部側キャップ部の構成は以下の部分が異なる。前面板は、開閉扉3bの前面部の一部と右側面部を構成する部材であり、金属板の右面部側の端部が背面部側に曲げ起こされることによって略L字状に形成される。また、側面部側キャップ部は、開閉扉3bの前面部の一部と左側面部を構成する部材であり、前面板の左面部側の端部に取り付けられる。
【0084】
実施の形態4.
次に実施の形態4に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態4に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、開閉扉3aの構成が異なる。なお、実施の形態4に係る冷蔵庫1は開閉扉3aを除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を省略する。
【0085】
図17は、実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の前面図である。
図18は、実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の
図17におけるG-G断面を示す断面図である。
図19は、実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の
図18における領域Hの拡大図である。
図20は、実施の形態4に係る冷蔵庫の開閉扉の分解斜視図である。なお、説明のために、
図20では発泡断熱材35の図示を省略する。開閉扉3aは、操作部9と、無線通信装置11と、前面板31と、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と、側面部側キャップ部38と、を有する。ここで、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35については、実施の形態1で説明した上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と同様であるため説明を省略する。
【0086】
前面板31は開閉扉3aの前面部の一部を構成する部材である。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、前面板31は貯蔵空間23の外部の空間に面する部材である。実施の形態1の前面板31と異なり、前面板31は右面部側の端部ならびに左面部側の端部は曲げ起こされない。従って、前面板31には、前面板側部31aが形成されない。また、穴部31cは前面板31の右面部側の端部に形成される。
【0087】
開閉扉3aは二つの側面部側キャップ部38を有する。ここで、前面板31の右面部側の端部に取り付けられ、開閉扉3aの前面部の一部と右側面部とを構成する部材である側面部側キャップ部38を右側面部側キャップ部38cと称する。また、前面板31の左面部側の端部に取り付けられ、開閉扉3aの左側面部とを構成する部材である側面部側キャップ部38を左側面部側キャップ部38dと称する。開閉扉3aが筐体2の開口を閉じる場合において、右側面部側キャップ部38cと左側面部側キャップ部38dは貯蔵空間23の外部の空間に面する。
【0088】
また、右側面部側キャップ部38cのうち開閉扉3aの前面部を構成する箇所の一部には、背面部側に窪んだ凹部38aが設けられる。さらに、凹部38aの縁には前面部側に突出する突出部38eが形成される。凹部38aと突出部38eは、冷蔵庫1を前方から見た場合に、穴部31cと重なる位置に固定される。つまり、凹部38aと突出部38eは、冷蔵庫1を前方から見た場合に、前面板31と重ならない位置に固定される。また、右側面部側キャップ部38cを前面板31に取り付けた場合において、突出部38eは前面板31から前方に突出する。
【0089】
開閉扉3aには、前面部側を前面板基部31bおよび右側面部側キャップ部38cで覆われ、背面部側を背面板34で覆われ、左側面部側を左側面部側キャップ部38dで覆われ、右側面部側を右側面部側キャップ部38cで覆われ、上面部側を上面部側キャップ部32で覆われ、下面部側を下面部側キャップ部33で覆われた扉内空間36が形成される。扉内空間36は、実施の形態1に係る冷蔵庫と同様に、発泡断熱材35が配置される。
【0090】
操作部9は、側面部側キャップ部38と一体である。また、操作部9は操作部基板91と、操作部カバー93とを有する。なお、操作部基板91と操作部カバー93については、形状と取付位置を除き、実施の形態1の操作部基板91と操作部カバー93と同様であるため、同様の部分については説明を省略する。
【0091】
また、操作部カバー93は凹部38aを前方から覆うように右側面部側キャップ部38cに取り付けられる。操作部カバー93は右側面部側キャップ部38cに取り付けられた際に、右側面部側キャップ部38cの突出部38eと段差が生じず平らになるような形状である。また、操作部カバー93が側面部側キャップ部38に取り付けられることにより、凹部38aと突出部38eと操作部カバー93とに囲まれた基板収納空間94が形成される。このため、基板収納空間94の一部は、前面板31よりも前方に位置する。
【0092】
操作部基板91は、基板収納空間94の中に位置する。また、操作部基板91は凹部38aに固定される。なお、側面部側キャップ部38の凹部38aが操作部ケースに該当する。
【0093】
無線通信装置11は、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113を有する。なお、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113については、固定される位置を除き、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113と同様であるため、同様の部分については説明を省略する。
【0094】
アンテナ部111と変復調部112が設けられた無線通信基板113は、基板収納空間94の中に位置する。また、無線通信基板113は、凹部38aに固定される。さらに、アンテナ部111の前方は操作部カバー93によって覆われる。このため、操作部カバー93がカバー部材に該当する。
【0095】
さらに、操作部基板91と無線通信基板113には、それぞれの基板を電気的に接続する配線が設けられる。
【0096】
ここで、アンテナ部111と、前面板31と、操作部カバー93と、との位置関係について説明する。アンテナ部111は、基板収納空間94の中に位置する。また、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、前面板31に形成された穴部31cと重なる位置に固定される。このため、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、前面板31とは重ならない位置に固定される。また、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、操作部カバー93と重なる位置に固定される。なお、冷蔵庫1を前方から見た場合とは、換言すると、前面板31の前面板基部31bに対して垂直な方向から見た場合である。
【0097】
さらに、アンテナ部111は、前面板31よりも前方に位置する。つまり、アンテナ部111と前面板31と操作部カバー93は、前面部側より操作部カバー93、アンテナ部111、前面板31の順に並んでいる。
【0098】
次に接続線10について説明する。接続線10は無線通信装置接続線101と、霜取りヒーター接続線102とより構成される。無線通信装置接続線101と霜取りヒーター接続線102については、無線通信装置11の取付位置が変わったため無線通信装置接続線101の長さが短くなった点を除いて、実施の形態1の無線通信装置接続線101と霜取りヒーター接続線102と同様である。このため、実施の形態4の冷蔵庫においても、無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102は扉内空間36の内部に敷設される。また、無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102は固定部材12によって前面板31に固定される。
【0099】
以上のように実施の形態4に係る冷蔵庫1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の前方に開口が形成された筐体2と、貯蔵空間23より前方に設けられ開口を開閉する扉(開閉扉3aが該当)と、外部機器200へ電波の送信または外部機器200からの電波の受信を行い扉に固定されたアンテナ部111と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、アンテナ部111と制御装置8とを通信可能に接続する接続線10と、を備え、扉は貯蔵空間23の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板31と貯蔵空間23の外部の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材(操作部カバー93が該当)とを有し、アンテナ部111は冷蔵庫1を前方から見た場合に前面板31と重ならずカバー部材と重なる位置に固定される構成である。この構成によって、実施の形態4に係る冷蔵庫1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
【0100】
また、実施の形態3に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、扉(開閉扉3aが該当)は、ユーザーによる冷蔵庫の運転の操作を受け付ける操作部9を有し、カバー部材(操作部カバー93が該当)と共に基板収納空間94を形成する操作部ケース(凹部38aが該当)と、電子部品が配置され基板収納空間94の中に位置する操作部基板91と、を有し、アンテナ部111は、基板収納空間94の中に位置する構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態1で説明した同様の付加的な構成と同じ効果を奏することができる効果を奏する。
【0101】
また、実施の形態4に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、扉(開閉扉3aが該当)は、貯蔵空間23の外部の空間と面し前面板31の側方に取り付けられる側面部側キャップ部28を有し、操作部ケース(凹部38aが該当)は、側面部側キャップ部38に設けられる構成を有する。この付加的な構成によって、穴部31cを形成する必要が無いため、実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して前面板の加工費用を抑制することができる効果を奏する。
【0102】
また、実施の形態4に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、操作部ケース(凹部38aが該当)は前面板31よりも前方へ突出する突出部38eが形成され、基板収納空間94は操作部ケースと突出部38eとカバー部材(操作部カバー93が該当)とに囲まれた空間であり、アンテナ部111は前面板31よりも前方に位置する構成を有する。この付加的な構成によって、無線通信装置11が前面板31よりも後方に位置する場合と比較して、アンテナ部111はより広い範囲に電波の送受信を行うことができる効果を奏する。
【0103】
実施の形態4に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
【0104】
実施の形態4に係る冷蔵庫1では、開閉扉3aに操作部9と無線通信装置11とが設けられるが、これに限らず、開閉扉3bに操作部9と無線通信装置11とを設けても構わない。例えば、開閉扉3bに操作部9と無線通信装置11を設ける場合、前面板と側面部側キャップ部の構成は以下の部分が異なる。前面板は、左面部側の端部に穴部が設けられる。また、側面部側キャップ部は、左側面部側キャップ部に凹部と突出部とが形成される。
【0105】
さらに、実施の形態4に係る冷蔵庫1では、右側面部側キャップ部38cに凹部38aが設けられるがこれに限らない。例えば、右側面部側キャップ部38cのうち開閉扉の前面部を構成する箇所に前面部側へ突出する突出部だけを設け、凹部38aは設けなくても構わない。この場合、突出部に操作部カバーが取り付けられ、右側面部側キャップ部の一部と突出部と操作部カバーとに囲まれた基板収納空間が形成される。このため、突出部と操作部カバーと共に基板収納空間を形成する右側面部側キャップ部の一部が操作部ケースに該当する。
【0106】
さらに、実施の形態4に係る冷蔵庫1の付加的な構成である、操作部ケースは前面板よりも前方へ突出する突出部38eが形成され、基板収納空間94は操作部ケースと突出部とカバー部材とに囲まれた空間であり、アンテナ部111は前面板よりも前方に位置する構成は、側面部側キャップ部の一部が操作部ケースである場合に限らず付加してもよい。例えば、当該付加的な構成は、実施の形態1のように、操作部ケースが側面部側キャップ部とは別に設ける場合でも付加しても良い。
【0107】
実施の形態5.
次に実施の形態5に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態5に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、開閉扉3aの構成が異なる。なお、実施の形態5に係る冷蔵庫1は開閉扉3aを除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を省略する。
【0108】
図21は、実施の形態5に係る冷蔵庫の開閉扉の背面図である。
図22は、実施の形態5に係る冷蔵庫の開閉扉の上面部側キャップ部の近傍の斜視図である。
図23は、実施の形態5に係る冷蔵庫の開閉扉の
図21におけるI-I断面を示す断面図である。開閉扉3aは、操作部9と、無線通信装置11と、前面板31と、上面部側キャップ部32と、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と、側面部側キャップ部38と、を有する。ここで、下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35については、実施の形態1で説明した下面部側キャップ部33と、背面板34と、発泡断熱材35と同様であるため説明を省略する。さらに、操作部9と、前面板31と、側面部側キャップ部38については、実施の形態3で説明した操作部9と、前面板31と、側面部側キャップ部38と同様であるため説明を省略する。
【0109】
上面部側キャップ部32には、下面部側に窪んだ凹部32bが形成される。凹部32bは下面部側の面と前面部側の面を有し、断面線I-Iにおける断面形状が略L字形状である。ここで、凹部32bの前面部側の面を凹部前面部32cと称し、凹部32bの下面部側の面を凹部下面部32dと称する。また、凹部下面部32dは上面部側キャップ部32を貫通する貫通孔32eが形成される。
【0110】
上面部側キャップ部32には、凹部32bを覆うように、上面部側キャップ部32の一部である上面部側キャップ部カバー32fが取り付けられる。上面部側キャップ部32に上面部側キャップ部カバー32fが取り付けられることにより、凹部32bと操作部カバー93fとに囲まれたアンテナ部収納空間32gが形成される。ここで上面部側キャップ部32と上面部側キャップ部カバー32fは、それぞれ非導電性であり、例えば樹脂製である。
【0111】
また、開閉扉3aには、発泡断熱材35が配置される扉内空間36が形成される。扉内空間36とアンテナ部収納空間32gとは貫通孔32eを介して連通する。
【0112】
無線通信装置11は、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113を有する。なお、アンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113とは、アンテナ部111が固定される位置を除き、実施の形態1のアンテナ部111と変復調部112と無線通信基板113と同様であるため、同様の部分については説明を省略する。
【0113】
アンテナ部111は、アンテナ部収納空間32gの中に位置する。また、アンテナ部111は凹部前面部32cに固定される。さらに、アンテナ部111の前方は前方に凹部前面部32cによって覆われる。このため、凹部前面部32cがカバー部材に該当する。
【0114】
また、変復調部112は無線通信基板113上に設けられるが、アンテナ部111は無線通信基板113上に設けられない。変復調部112が設けられた無線通信基板113は側面部側キャップ部38の基板収納空間94の中に位置する。また、無線通信基板113は凹部38aに固定される。
【0115】
さらに、操作部基板91と無線通信基板113には、それぞれの基板を電気的に接続する配線が設けられる。
【0116】
ここで、アンテナ部111と、前面板31と、凹部前面部32cと、との位置関係について説明する。アンテナ部111は、アンテナ部収納空間32gの中に位置する。このため、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、前面板31とは重ならない位置に固定される。また、アンテナ部111は、冷蔵庫1を前方から見た場合に、凹部前面部32cと重なる位置に固定される。なお、冷蔵庫1を前方から見た場合とは、換言すると、前面板31の前面板基部31bに対して垂直な方向から見た場合である。
【0117】
次に接続線10について説明する。接続線10は無線通信装置接続線101と、霜取りヒーター接続線102と、アンテナ部接続線103より構成される。無線通信装置接続線101と霜取りヒーター接続線102については、無線通信装置11の取付位置が変わったため無線通信装置接続線101の長さが短くなった点を除いて、実施の形態1の無線通信装置接続線101と霜取りヒーター接続線102と同様である。このため、実施の形態4の冷蔵庫においても、無線通信装置接続線101ならびに霜取りヒーター接続線102は扉内空間36の内部に敷設される。
【0118】
アンテナ部接続線103は、アンテナ部111と変復調部112とを通信可能に接続する配線である。アンテナ部接続線103の一方の端部は制御装置8に接続され、他方の端部は無線通信基板113の変復調部112と電気的に接続される配線パターン又は変復調部112に接続される。アンテナ部接続線103は、アンテナ部収納空間32gの内部と、貫通孔32eと、扉内空間36の内部に敷設される。
【0119】
また、無線通信装置接続線101、霜取りヒーター接続線102ならびにアンテナ部接続線103は固定部材12によって前面板31に固定される。
【0120】
以上のように実施の形態5に係る冷蔵庫1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の前方に開口が形成された筐体2と、貯蔵空間23より前方に設けられ開口を開閉する扉(開閉扉3aが該当)と、外部機器200へ電波の送信または外部機器200からの電波の受信を行い扉に固定されたアンテナ部111と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、アンテナ部111と制御装置8とを通信可能に接続する接続線10と、を備え、扉は貯蔵空間23の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板31と貯蔵空間23の外部の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材(凹部前面部32cが該当)とを有し、アンテナ部111は冷蔵庫1を前方から見た場合に前面板31と重ならずカバー部材と重なる位置に固定される構成である。この構成によって、実施の形態5に係る冷蔵庫1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
【0121】
また、実施の形態5に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、貯蔵空間23の外部の空間と面し前面板31の上方に設けられた上面部側キャップ部32を有し、アンテナ部111は上面部側キャップ部32の内部に位置する構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態3のように側面部側キャップ部38の内部にアンテナ部111が位置する場合とは比較して、アンテナ部111の上方に前面板31が位置しないため、より広い範囲に電波の送受信を行うことができる効果を奏する。
【0122】
実施の形態5に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
【0123】
実施の形態5に係る冷蔵庫1では、アンテナ部111がアンテナ部収納空間32gの中に位置し、変復調部112と無線通信基板113は基板収納空間94の中に位置するが、これに限らない。例えば、変復調部と無線通信基部をアンテナ部と同じくアンテナ部収納空間に収納しても構わない。例えば、変復調部と無線通信基板をアンテナ部収納空間に収納する場合、冷蔵庫1の構成は以下の部分が異なる。アンテナ部接続線103と、操作部基板91と無線通信基板113を電気的に接続する配線と、貫通孔32eが無くなる。冷蔵庫は、操作部と制御部を通信可能に接続する操作部接続線を備える。操作部接続線は、筐体2の上面部側の内箱20と外箱21の間と扉内空間36の内部とに敷設される。無線通信装置接続線は、扉内空間36の内部に敷設されず、上面部側キャップ部32の内部に敷設される。
【0124】
なお、実施の形態1から実施の形態5において、カバー部材は操作部カバー93、凹部前面部32cが該当する例について説明したが、これに限らない。貯蔵空間の外部の空間と面し非導電性の材料で形成され、当該冷蔵庫を前方から見た場合にアンテナ部と重なる位置にある部材であれば、あらゆる部材がカバー部材に該当する。
【0125】
以下、本開示の諸形態を付記としてまとめて記載する。
【0126】
(付記1)
冷却対象を貯蔵する貯蔵空間が内部に形成され、前記貯蔵空間の前方に開口が形成された筐体と、
前記貯蔵空間より前方に設けられ、前記開口を開閉する扉と、
外部機器へ電波の送信または前記外部機器からの電波の受信を行い、前記扉に固定されたアンテナ部と、
前記貯蔵空間に冷却された空気を供給する冷却装置と、
前記冷却装置を制御し、前記筐体に固定された制御装置と、
前記アンテナ部と前記制御装置とを通信可能に接続する接続線と、
を備えた冷蔵庫であり、
前記扉は、前記貯蔵空間の外部の空間と面し金属材料で形成された前面板と、前記貯蔵空間の外部の空間と面し非導電性の材料で形成されたカバー部材と、を有し、
前記アンテナ部は、当該冷蔵庫を前方から見た場合に前記前面板と重ならず前記カバー部材と重なる位置に固定され、
前記扉は、前記カバー部材と共に基板収納空間を形成するケースを有し、
前記アンテナ部は、前記基板収納空間の中に位置し、
前記ケースは前記前面板よりも前方へ突出する突出部が形成され、
前記基板収納空間は前記突出部と前記カバー部材とに囲まれた空間である、
冷蔵庫。
(付記2)
ヒンジ金具と前記ヒンジ金具を覆うヒンジカバーとを有し、
前記扉は前記ヒンジ金具を中心に回転可能に支持され、
前記貯蔵空間の外部の空間と面し前記前面板の上方に設けられ穴が形成された上面部側キャップ部と、を有し、
前記接続線は、前記上面部側キャップ部の前記穴と前記筐体の上面部のうち前記ヒンジカバーに覆われた部分とを経由して、前記アンテナ部と前記制御装置とを通信可能に接続する、付記1に記載の冷蔵庫。
(付記3)
前記扉は、ユーザーによる当該冷蔵庫の運転の操作を受け付ける操作部を有し、
前記操作部は、前記ケースと、電子部品が配置され前記基板収納空間の中に位置する操作部基板と、を有する、付記1又は2に記載の冷蔵庫。
(付記4)
前記アンテナ部は前記前面板よりも前方に位置する、付記1から3までのいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【符号の説明】
【0127】
1 冷蔵庫、2 筐体、3 開閉扉、3a 開閉扉、3b 開閉扉、4 引き出し扉、5 冷却装置、6 ヒンジ部、7 運搬ハンドル、8 制御装置、9 操作部、10 接続線、11 無線通信装置、12 固定部材、20 内箱、21 外箱、22 断熱材、23 貯蔵空間、23a 冷蔵室、23b 製氷室、23c 切替室、23d 冷凍室、23e 野菜室、24 冷却室空間、25 仕切り部材、26 制御装置収納部、27 制御装置カバー、31 前面板、31a 前面板側部、31b 前面板基部、31c 穴部、32 上面部側キャップ部、32a 支持部、32b 凹部、32c 凹部前面部、32d 凹部下面部、32e 貫通孔、32f 上面部側キャップ部カバー、32g アンテナ部収納空間、33 下面部側キャップ部、33a 支持部、33b 持ち手、34 背面板、35 発泡断熱材、36 扉内空間、37 真空断熱材、38 側面部側キャップ部、38a 凹部、38b 持ち手、38c 右側面部側キャップ部、38d 左側面部側キャップ部、38e 突出部、51 圧縮機、52 冷却器、53 庫内ファン、54 ダンパ、61 ヒンジ金具、62 ヒンジカバー、91 操作部基板、92 操作部ケース、92a 中央部、92b 端部、93 操作部カバー、94 基板収納空間、101 無線通信装置接続線、102 霜取りヒーター接続線、103 アンテナ部接続線、111 アンテナ部、112 変復調部、113 無線通信基板、200 外部機器。