(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】現像カートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20241001BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20241001BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G21/18 121
G03G15/00 680
G03G21/18 114
(21)【出願番号】P 2023104695
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2019058549の分割
【原出願日】2019-03-26
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-051067(JP,A)
【文献】特開平05-281854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像カートリッジであって、
第1方向に延びる現像ローラシャフトを有する現像ローラと、
現像剤を収容可能なケーシングであって、前記第1方向に対して交差する第2方向の一端に前記現像ローラが位置するケーシングと、
前記現像ローラシャフトと電気的に接続される第1端部と、前記第1端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第2端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な現像電極であって、前記第2端部は、前記第1端部よりも、前記ケーシングの前記一端から前記第2方向に離れている現像電極と、
前記ケーシングに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能な第1レバーであって、
前記第1レバーの一端部であり、力点として機能する一端部と、
前記第1レバーの他端部であり、作用点として機能する他端部と、
前記一端部と前記他端部との間に位置するカム面であって、支点として機能するカム面と、
を有する第1レバーと、
を備える現像カートリッジにおいて、
前記一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第1レバーが前記カム面を中心として前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記他端部が前記現像電極と前記ケーシングと前記現像ローラに対して移動することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の現像カートリッジであって、
前記現像電極は、導電性樹脂から作られることを特徴とする現像カートリッジ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記ケーシングに対して前記第1レバーを移動可能に保持するホルダ
をさらに備えることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像電極は、前記現像ローラシャフトを挿入可能な挿入孔を有し、
前記現像ローラシャフトは、前記挿入孔に挿入されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジは、感光体ドラムを有するドラムカートリッジのために使われ、
前記第1レバーが前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記カム面と前記ドラムカートリッジの一部とが接触した状態で、前記第1レバーが前記カム面を中心として移動することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項6】
請求項5に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジは、前記ドラムカートリッジに装着可能であり、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが接触し、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第2位置の場合、前記他端部が移動することに従って、前記現像電極が、前記ドラムカートリッジに対して、前記現像ローラおよび前記ケーシングと共に移動し、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが離れることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の現像カートリッジであって、
前記ドラムカートリッジは、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記現像電極を前記感光体ドラムへ向けて押圧する押圧部材
をさらに備え、
前記第1レバーの前記他端部は、前記押圧部材の押圧力に逆らって、前記現像電極の前記
第2端部を押圧することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーの前記他端部が移動すると、前記現像電極は、前記ドラムカートリッジのガイド面に沿って移動することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像電極の前記第1端部が、前記ドラムカートリッジの一部分に接触することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項10】
請求項9に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像電極の前記第2端部が、前記ドラムカートリッジの他の部分に接触することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記ケーシングは、
前記第1方向の一端に位置する第1外表面
を有し、
前記現像電極は、前記第1外表面に位置し、さらに、前記現像電極は、前記第1端部と前記第2端部との間で、前記第1外表面に沿って延びることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記第1レバーの前記一端部は、
第1方向に突出する凸部
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項13】
現像カートリッジであって、
第1方向に延びる現像ローラシャフトを有する現像ローラと、
現像剤を収容可能なケーシングであって、前記第1方向に対して交差する第2方向の一端に前記現像ローラが位置するケーシングと、
前記現像ローラシャフトが挿入される第1挿入孔を有する第1端部と、前記第1端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第2端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な第1軸受であって、前記第2端部は、前記第1端部よりも、前記ケーシングの前記一端から前記第2方向に離れている第1軸受と、
前記ケーシングに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能な第1レバーであって、
前記第1レバーの一端部であり、力点として機能する一端部と、
前記第1レバーの他端部であり、作用点として機能する他端部と、
前記一端部と前記他端部との間に位置するカム面であって、支点として機能するカム面と、
を有する第1レバーと、
を備える現像カートリッジにおいて、
前記一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第1レバーが前記カム面を中心として前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記他端部が前記第1軸受と前記ケーシングと前記現像ローラに対して移動することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項14】
請求項13に記載の現像カートリッジであって、
前記第1軸受は、導電性樹脂から作られることを特徴とする現像カートリッジ。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の現像カートリッジであって、
前記ケーシングに対して前記第1レバーを移動可能に保持するホルダ
をさらに備えることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項16】
請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記第1軸受は、前記現像ローラシャフトと電気的に接続可能な現像電極であることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項17】
請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像ローラシャフトが前記第1挿入孔に挿入された状態で、
前記第1軸受は、前記現像ローラシャフトについて回動可能であることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項18】
請求項13から請求項17のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジは、感光体ドラムを有するドラムカートリッジのために使われ、
前記第1レバーが前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記カム面と前記ドラムカートリッジの一部とが接触した状態で、前記第1レバーが前記カム面を中心として移動することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項19】
請求項18に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジは、前記ドラムカートリッジに装着可能であり、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが接触し、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1
レバーが前記第2位置の場合、前記他端部が移動することに従って、前記第1軸受が、前記ドラムカートリッジに対して、前記現像ローラおよび前記ケーシングと共に移動し、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが離れることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項20】
請求項18または請求項19に記載の現像カートリッジであって、
前記ドラムカートリッジは、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1軸受を前記感光体ドラムへ向けて押圧する押圧部材
をさらに備え、
前記第1レバーの前記他端部は、前記押圧部材の押圧力に逆らって、前記第1軸受の前記
第2端部を押圧することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項21】
請求項18から請求項20のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーの前記他端部が移動すると、前記第1軸受は、前記ドラムカートリッジのガイド面に沿って移動することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項22】
請求項18から請求項21のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記第1軸受の前記第1端部が、前記ドラムカートリッジの一部分に接触することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項23】
請求項22に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記第1軸受の前記第2端部が、前記ドラムカートリッジの他の部分に接触することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項24】
請求項13から請求項23のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記ケーシングは、
前記第1方向の一端に位置する第1外表面
を有し、
前記第1軸受は、前記第1外表面に位置し、さらに、前記第1軸受は、前記第1端部と前記第2端部との間で、前記第1外表面に沿って延びることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項25】
請求項13から請求項24のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記第1レバーの前記一端部は、
第1方向に突出する凸部
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置には、現像カートリッジが用いられる。現像カートリッジは、現像剤を供給するための現像ローラを有する。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の現像カートリッジは、ドラムカートリッジに対して装着される。ドラムカートリッジは、感光体ドラムを有する。ドラムカートリッジに現像カートリッジが装着されると、感光体ドラムと現像ローラとが接触する。そして、現像カートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像カートリッジは、感光体ドラムに対して現像ローラを位置決めするための部材を有する。また、現像カートリッジは、現像ローラのシャフトへバイアス電圧を供給するための現像電極を有する。また、現像カートリッジは、感光体ドラムから現像ローラを離間させるときに、押圧力を受ける部材を有する。しかしながら、現像ローラを位置決めするための部材と、現像ローラのシャフトへバイアス電圧を供給する現像電極と、離間時に押圧力を受ける部材とを、別々に設けると、現像カートリッジの部品点数が多くなる。
【0006】
本開示の目的は、現像カートリッジにおいて、部品点数を低減できる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1開示は、現像カートリッジであって、第1方向に延びる現像ローラシャフトを有する現像ローラと、現像剤を収容可能なケーシングであって、前記第1方向に対して交差する第2方向の一端に前記現像ローラが位置するケーシングと、前記現像ローラシャフトと電気的に接続される第1端部と、前記第1端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第2端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な現像電極であって、前記第2端部は、前記第1端部よりも、前記ケーシングの前記一端から前記第2方向に離れている現像電極であって、前記第1端部と前記第2端部との間において前記第2方向に延びる第1孔を有する現像電極と、前記ケーシングに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能な第1レバーであって、前記第1レバーの一端部であり、力点として機能する一端部と、前記第1レバーの他端部であり、作用点として機能する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に位置するカム面であって、支点として機能するカム面と、を有する第1レバーと、を備える現像カートリッジにおいて、前記一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第1レバーが前記カム面を中心として前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記第1孔に挿入された前記他端部が前記第1孔の内面を押圧することを特徴とする。
【0008】
本願の第2開示は、第1開示の現像カートリッジであって、前記一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第1レバーが前記カム面を中心として前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面を、前記現像ローラから離れる方向へ押圧することを特徴とする。
【0009】
本願の第3開示は、第1開示または第2開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面と連結していることを特徴とする。
【0010】
本願の第4開示は、第3開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーの前記他端部は、前記現像電極と共に移動可能であることを特徴とする。
【0011】
本願の第5開示は、第1開示から第4開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面を押圧せず、前記第1レバーが前記第2位置の場合、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面を押圧することを特徴とする。
【0012】
本願の第6開示は、第1開示から第5開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像電極は、導電性樹脂から作られることを特徴とする。
【0013】
本願の第7開示は、第1開示から第6開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1孔は、前記現像電極を貫通することを特徴とする。
【0014】
本願の第8開示は、第1開示から第7開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記ケーシングに対して前記第1レバーを移動可能に保持するホルダをさらに備えることを特徴とする。
【0015】
本願の第9開示は、第1開示から第8開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像電極は、前記現像ローラシャフトを挿入可能な挿入孔を有し、前記現像ローラシャフトは、前記挿入孔に挿入されることを特徴とする。
【0016】
本願の第10開示は、第9開示の現像カートリッジであって、前記現像ローラシャフトが前記挿入孔に挿入された状態で、前記現像電極は、前記現像ローラシャフトについて回動可能であることを特徴とする。
【0017】
本願の第11開示は、第1開示から第10開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジは、感光体ドラムを有するドラムカートリッジのために使われ、前記第1レバーが前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記カム面と前記ドラムカートリッジの一部とが接触した状態で、前記第1レバーが前記カム面を中心として移動することを特徴とする。
【0018】
本願の第12開示は、第11開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジは、前記ドラムカートリッジに装着可能であり、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが接触し、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第2位置の場合、前記他端部が前記第1孔の内面を押圧することに従って、前記現像電極が、前記ドラムカートリッジに対して、前記現像ローラおよび前記ケーシングと共に移動し、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが離れることを特徴とする。
【0019】
本願の第13開示は、第11開示または第12開示の現像カートリッジであって、前記ドラムカートリッジは、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記現像電極を前記感光体ドラムへ向けて押圧する押圧部材をさらに備え、前記第1レバーの前記他端部は、前記押圧部材の押圧力に逆らって、前記現像電極の前記内面を押圧することを特徴とする。
【0020】
本願の第14開示は、第11開示から第13開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーの前記他端部が前記現像電極の前記内面を押圧すると、前記現像電極は、前記ドラムカートリッジのガイド面に沿って移動することを特徴とする。
【0021】
本願の第15開示は、第11開示から第14開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像電極の前記第1端部が、前記ドラムカートリッジの一部分に接触することを特徴とする。
【0022】
本願の第16開示は、第15開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像電極の前記第2端部が、前記ドラムカートリッジの他の部分に接触することを特徴とする。
【0023】
本願の第17開示は、第1開示から第16開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記ケーシングは、前記第1方向の一端に位置する第1外表面を有し、前記現像電極は、前記第1外表面に位置し、さらに、前記現像電極は、前記第1端部と前記第2端部との間で、前記第1外表面に沿って延びることを特徴とする。
【0024】
本願の第18開示は、第1開示から第17開示のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、前記第1レバーの前記一端部は、第1方向に突出する凸部を有することを特徴とする。
【0025】
本願の第19開示は、第1開示から第18開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像電極は、前記現像ローラシャフトの一端部と電気的に接続可能であり、前記現像カートリッジは、さらに、前記現像ローラシャフトの他端部に装着可能な軸受であって、前記現像ローラシャフトの他端部が挿入される挿入孔を有する第3端部と、前記第3端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第4端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な軸受であって、前記第3端部と前記第4端部との間において前記第2方向に延びる第3孔を有する軸受と、前記ケーシングに対して、第3位置と第4位置との間で移動可能な第2レバーであって、前記第2レバーの一端部であり、力点として機能する一端部と、前記第2レバーの他端部であり、作用点として機能する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に位置するカム面であって、支点として機能するカム面と、を有する第2レバーと、を備え、前記第2レバーの一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第2レバーが、前記第2レバーの前記カム面を中心として前記第3位置から前記第4位置へ移動する場合、前記第3孔に挿入された前記第2レバーの前記他端部が前記第3孔の内面を押圧することを特徴とする。
【0026】
本願の第20開示は、第19開示の現像カートリッジであって、前記第2レバーの前記一端部は、第1方向に突出する凸部を有することを特徴とする。
【0027】
本願の第21開示は、現像カートリッジであって、第1方向に延びる現像ローラシャフトを有する現像ローラと、現像剤を収容可能なケーシングであって、前記第1方向に対して交差する第2方向の一端に前記現像ローラが位置するケーシングと、前記現像ローラシャフトが挿入される第1挿入孔を有する第1端部と、前記第1端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第2端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な第1軸受であって、前記第2端部は、前記第1端部よりも、前記ケーシングの前記一端から前記第2方向に離れている第1軸受であって、前記第1端部と前記第2端部との間において前記第2方向に延びる第1孔を有する第1軸受と、前記ケーシングに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能な第1レバーであって、前記第1レバーの一端部であり、力点として機能する一端部と、前記第1レバーの他端部であり、作用点として機能する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に位置するカム面であって、支点として機能するカム面と、を有する第1レバーと、を備える現像カートリッジにおいて、前記一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第1レバーが前記カム面を中心として前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記第1孔に挿入された前記他端部が前記第1孔の内面を押圧することを特徴とする。
【0028】
本願の第22開示は、第21開示の現像カートリッジであって、前記一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第1レバーが前記カム面を中心として前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面を、前記現像ローラから離れる方向へ押圧することを特徴とする。
【0029】
本願の第23開示は、第21開示または第22開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面と連結していることを特徴とする。
【0030】
本願の第24開示は、第23開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1軸受と共に移動可能であることを特徴とする。
【0031】
本願の第25開示は、第21開示から第24開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面を押圧せず、前記第1レバーが前記第2位置の場合、前記第1レバーの前記他端部は、前記第1孔の内面を押圧することを特徴とする。
【0032】
本願の第26開示は、第21開示から第25開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1軸受は、導電性樹脂から作られることを特徴とする。
【0033】
本願の第27開示は、第21開示から第26開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1孔は、前記第1軸受を貫通することを特徴とする。
【0034】
本願の第28開示は、第21開示から第27開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記ケーシングに対して前記第1レバーを移動可能に保持するホルダをさらに備えることを特徴とする。
【0035】
本願の第29開示は、第21開示から第28開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1軸受は、前記現像ローラシャフトと電気的に接続可能な現像電極であることを特徴とする。
【0036】
本願の第30開示は、第21開示から第29開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像ローラシャフトが前記第1挿入孔に挿入された状態で、前記第1軸受は、前記現像ローラシャフトについて回動可能であることを特徴とする。
【0037】
本願の第31開示は、第21開示から第30開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジは、感光体ドラムを有するドラムカートリッジのために使われ、前記第1レバーが前記第1位置から前記第2位置へ移動する場合、前記カム面と前記ドラムカートリッジの一部とが接触した状態で、前記第1レバーが前記カム面を中心として移動することを特徴とする。
【0038】
本願の第32開示は、第31開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジは、前記ドラムカートリッジに装着可能であり、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが接触し、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第2位置の場合、前記他端部が前記第1孔の内面を押圧することに従って、前記第1軸受が、前記ドラムカートリッジに対して、前記現像ローラおよび前記ケーシングと共に移動し、前記現像ローラの表面と前記感光体ドラムとの表面とが離れることを特徴とする。
【0039】
本願の第33開示は、第31開示または第32開示の現像カートリッジであって、前記ドラムカートリッジは、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1軸受を前記感光体ドラムへ向けて押圧する押圧部材をさらに備え、前記第1レバーの前記他端部は、前記押圧部材の押圧力に逆らって、前記第1軸受の前記内面を押圧することを特徴とする。
【0040】
本願の第34開示は、第31開示から第33開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーの前記他端部が前記第1軸受の前記内面を押圧すると、前記第1軸受は、前記ドラムカートリッジのガイド面に沿って移動することを特徴とする。
【0041】
本願の第35開示は、第31開示から第34開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記第1軸受の前記第1端部が、前記ドラムカートリッジの一部分に接触することを特徴とする。
【0042】
本願の第36開示は、第35開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記第1レバーが前記第1位置の場合、前記第1軸受の前記第2端部が、前記ドラムカートリッジの他の部分に接触することを特徴とする。
【0043】
本願の第37開示は、第21開示から第36開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記ケーシングは、前記第1方向の一端に位置する第1外表面を有し、前記第1軸受は、前記第1外表面に位置し、さらに、前記第1軸受は、前記第1端部と前記第2端部との間で、前記第1外表面に沿って延びることを特徴とする。
【0044】
本願の第38開示は、第21開示から第37開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーの前記一端部は、第1方向に突出する凸部を有することを特徴とする。
【0045】
本願の第39開示は、第21開示から第38開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像ローラシャフトの一端部は、前記第1軸受の前記第1挿入孔に挿入され、前記現像カートリッジは、さらに、前記現像ローラシャフトの他端部に装着可能な第2軸受であって、前記現像ローラシャフトの他端部が挿入される第2挿入孔を有する第3端部と、前記第3端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第4端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な第2軸受であって、前記第3端部と前記第4端部との間において前記第2方向に延びる第3孔を有する第2軸受と、前記ケーシングに対して、第3位置と第4位置との間で移動可能な第2レバーであって、前記第2レバーの一端部であり、力点として機能する一端部と、前記第2レバーの他端部であり、作用点として機能する他端部と、前記一端部と前記他端部との間に位置するカム面であって、支点として機能するカム面と、を有する第2レバーと、を備え、前記第2レバーの一端部が駆動力を受けたことに応じて、前記第2レバーが、前記第2レバーの前記カム面を中心として前記第3位置から前記第4位置へ移動する場合、前記第3孔に挿入された前記第2レバーの前記他端部が前記第3孔の内面を押圧することを特徴とする。
【0046】
本願の第40開示は、第39開示の現像カートリッジであって、前記第2レバーの前記一端部は、第1方向に突出する凸部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
本願の第1開示~第20開示によれば、第1レバーの一端部が受ける力に応じて、第1レバーの他端部が、現像電極の第1孔の内面を押圧することにより、現像カートリッジを動かすための力を加えることができる。また、現像電極とは別の部材を押圧する場合よりも、現像カートリッジの部品点数を低減できる。
【0048】
また、本願の第10開示によれば、現像電極が現像ローラシャフトについて回動可能である。このため、現像電極を最適な向きに押圧できる。
【0049】
また、本願の第18開示によれば、第1レバーの一端部が受ける押圧力が安定する。
【0050】
また、本願の第20開示によれば、第2レバーの一端部が受ける押圧力が安定する。
【0051】
本願の第21開示~第40開示によれば、第1レバーの一端部が受ける力に応じて、第1レバーの他端部が、第1軸受の第1孔の内面を押圧することにより、現像カートリッジを動かすための力を加えることができる。また、第1軸受とは別の部材を押圧する場合よりも、現像カートリッジの部品点数を低減できる。
【0052】
また、本願の第30開示によれば、第1軸受が現像ローラシャフトについて回動可能である。このため、第1軸受を最適な向きに押圧できる。
【0053】
また、本願の第38開示によれば、第1レバーの一端部が受ける押圧力が安定する。
【0054】
また、本願の第40開示によれば、第2レバーの一端部が受ける押圧力が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】現像カートリッジおよびドラムカートリッジの斜視図である。
【
図4】ケーシングの第1外表面の付近における現像カートリッジの分解斜視図である。
【
図5】ケーシングの第2外表面の付近における現像カートリッジの分解斜視図である。
【
図6】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
【
図7】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
【
図8】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
【
図9】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着された状態における、現像カートリッジおよびドラムカートリッジの断面図である。
【
図10】離間動作時の現像カートリッジおよびドラムカートリッジの断面図である。
【
図11】ドラムカートリッジから現像カートリッジを取り外すときの、現像カートリッジおよびドラムカートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0057】
なお、以下では、現像カートリッジ1の現像ローラ30が延びる方向を「第1方向」と称する。また、現像カートリッジ1のアジテータ20と現像ローラ30とが並ぶ方向を「第2方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0058】
<1.現像カートリッジおよびドラムカートリッジの概要>
図1は、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の斜視図である。
図1では、現像カートリッジ1が、ドラムカートリッジ2に装着された状態を示している。現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2は、電子写真方式の画像形成装置に使用される。画像形成装置は、例えば、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。
【0059】
図1に示すように、現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2と共に使用される。現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に対して装着可能である。現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に装着された状態で、画像形成装置に装着される。画像形成装置は、例えば4つの現像カートリッジ1を装着可能である。4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤(例えば、トナー)を収容する。画像形成装置は、現像カートリッジ1から供給される現像剤により、印刷用紙の記録面に画像を形成する。ただし、画像形成装置に装着可能な現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0060】
<2.現像カートリッジについて>
図2および
図3は、現像カートリッジ1の斜視図である。
図4は、ケーシング10の第1外表面11の付近における現像カートリッジ1の分解斜視図である。
図5は、ケーシング10の第2外表面12の付近における現像カートリッジ1の分解斜視図である。
図1~
図5に示すように、現像カートリッジ1は、ケーシング10、アジテータ20、現像ローラ30、供給ローラ40、ギア部50、第1軸受60、第1レバー110、ホルダ120、第2軸受70、および第2レバー130を備える。
【0061】
ケーシング10は、現像剤を収容可能な筐体である。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12とを有する。第1外表面11は、ケーシング10の第1方向の一端に位置する。第2外表面12は、ケーシング10の第1方向の他端に位置する。第1外表面11と第2外表面12とは、第1方向において互いに離れている。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12との間で第1方向に延びるとともに、第2方向にも延びる。
【0062】
ケーシング10の内部には、収容室13が設けられている。現像剤は、収容室13内に収容される。また、ケーシング10は、開口14を有する。開口14は、第2方向におけるケーシング10の一端に位置する。ケーシング10の外部空間と、収容室13とは、開口14を介して連通する。なお、ケーシング10は、第2方向の他端の外表面に、ハンドルを有していてもよい。
【0063】
アジテータ20は、アジテータシャフト21と羽根22とを有する。アジテータシャフト21は、第1方向に沿って延びる。羽根22は、アジテータシャフト21からケーシング10の内表面へ向けて広がる。アジテータシャフト21の一部と、羽根22とは、ケーシング10の収容室13内に配置される。アジテータシャフト21の第1方向の端部には、ギア部50に含まれるアジテータギア(図示省略)が取り付けられる。アジテータシャフト21は、アジテータギアに対して、相対回転不能に固定される。アジテータギアが回転すると、アジテータシャフト21および羽根22は、第1方向に延びる回転軸について回転する。そして、羽根22の回転により、収容室13内の現像剤が撹拌される。
【0064】
現像ローラ30は、第1方向に延びる回転軸A1について回転可能なローラである。現像ローラ30は、ケーシング10の開口14に位置する。すなわち、現像ローラ30は、ケーシング10の第2方向の一端に位置する。現像ローラ30は、現像ローラ本体31と現像ローラシャフト32とを有する。現像ローラ本体31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体31の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラシャフト32は、導電性である。現像ローラシャフト32の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0065】
現像ローラ本体31は、現像ローラシャフト32に対して、相対回転不能に固定される。また、現像ローラシャフト32の第1方向の端部には、ギア部50に含まれる現像ローラギア51が取り付けられる。現像ローラシャフト32は、現像ローラギア51に対して、相対回転不能に固定される。したがって、現像ローラギア51が回転すると、現像ローラシャフト32も回転し、現像ローラシャフト32と共に現像ローラ本体31も回転する。
【0066】
なお、現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、現像ローラシャフト32が、現像ローラ本体31の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0067】
供給ローラ40は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラである。供給ローラ40は、アジテータ20と現像ローラ30との間に位置する。供給ローラ40は、供給ローラ本体41と供給ローラシャフト42とを有する。供給ローラ本体41は、第1方向に延びる円筒状の部材である。供給ローラ本体41の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。供給ローラシャフト42は、供給ローラ本体41を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。
【0068】
供給ローラ本体41は、供給ローラシャフト42に対して、相対回転不能に固定される。また、供給ローラシャフト42の第1方向の端部には、ギア部50に含まれる供給ローラギア(図示省略)が取り付けられる。供給ローラシャフト42は、供給ローラギアに対して、相対回転不能に固定される。したがって、供給ローラギアが回転すると、供給ローラシャフト42も回転し、供給ローラシャフト42と共に供給ローラ本体41も回転する。
【0069】
なお、供給ローラシャフト42は、供給ローラ本体41を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、供給ローラシャフト42が、供給ローラ本体41の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0070】
現像カートリッジ1が駆動力を受けると、ケーシング10内の収容室13から、供給ローラ40を介して、現像ローラ30の外周面に、現像剤が供給される。その際、供給ローラ40と現像ローラ30との間において、現像剤は摩擦帯電される。一方、現像ローラ30の現像ローラシャフト32には、バイアス電圧がかけられている。このため、現像ローラシャフト32と現像剤との間の静電気力によって、現像ローラ本体31の外周面に、現像剤が引き付けられる。
【0071】
また、現像カートリッジ1は、図示を省略した層厚規制ブレードを有する。層厚規制ブレードは、現像ローラ本体31の外周面に供給された現像剤を、一定の厚みに成形する。その後、現像ローラ本体31の外周面の現像剤は、ドラムカートリッジ2の後述する感光体ドラム92へ供給される。このとき、現像剤は、感光体ドラム92の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ本体31から感光体ドラム92へ移動する。これにより、感光体ドラム92の外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0072】
ギア部50は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。
図5に示すように、ギア部50は、上述したアジテータギア、現像ローラギア51、および供給ローラギアと、複数のアイドルギアと、カップリング52と、ギアカバー53とを有する。ギアカバー53は、ケーシング10と共に、現像カートリッジ1の筐体を構成する。ギアカバー53は、ケーシング10の第2外表面12に、例えばねじ止めで固定される。複数のギアの少なくとも一部は、第2外表面12とギアカバー53との間に位置する。
【0073】
ギアカバー53は、第1方向に突出する円筒状のカラー531を有する。カップリング52は、カラー531の内側に収容される。カップリング52は、第1方向に凹む係合部521を有する。係合部521は、ギアカバー53から露出する。ドラムカートリッジ2に装着された現像カートリッジ1が画像形成装置に装着されると、画像形成装置の駆動シャフトが、カップリング52の係合部521に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング52を介して、アジテータギア、複数のアイドルギア、現像ローラギア51、および供給ローラギアに伝達される。
【0074】
なお、ギア部50に含まれる複数のギアは、歯の噛み合いによって回転力を伝達するものであってもよく、摩擦によって回転力を伝達するものであってもよい。
【0075】
第1軸受60は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。第1軸受60は、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部を回転可能に支持する。
図4に示すように、第1軸受60は、第1端部61と第2端部62とを有する。第2端部62は、第1端部61よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第2端部62は、第1端部61よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1軸受60は、第1端部61と第2端部62との間で、ケーシング10の第1外表面11に沿って延びる。
【0076】
第1軸受60は、第1アーム63と第2アーム64とを有する。第2アーム64は、第1アーム63よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第2アーム64は、第1アーム63よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1アーム63は、上述した第1端部61を有する。第2アーム64は、上述した第2端部62を有する。第1アーム63は、ケーシング10の第1外表面11に沿って、例えば直線状に延びる。第2アーム64は、ケーシング10の第1外表面11に沿って、例えば直線状に延びる。ただし、第1アーム63は、第2アーム64に対して曲がっている。第1アーム63と第2アーム64とがなす角度は、鈍角である。
【0077】
本実施形態では、第1アーム63と第2アーム64とが、一体成形されている。しかしながら、第1アーム63と第2アーム64とは、別部品であってもよい。その場合、第1アーム63と第2アーム64とが、互いに固定されていればよい。
【0078】
第1軸受60は、第1挿入孔65を有する。第1挿入孔65は、第1軸受60の第1端部61において、第1方向に延びる。第1挿入孔65は、第1端部61を第1方向に貫通する貫通孔であってもよいし、第1端部61を貫通していなくてもよい。第1挿入孔65は、円筒状の内周面を有する。現像ローラシャフト32の第1方向の一端部は、第1挿入孔65に挿入される。これにより、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部に、第1軸受60が装着される。そして、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部が、第1方向に延びる回転軸A1について、回転可能に支持される。また、第1軸受60も、ケーシング10に対して、現像ローラシャフト32について回動可能である。具体的には、第1端部61に対して第2端部62が、回転軸A1について回動可能である。
【0079】
第1軸受60は、導電性の現像電極である。第1軸受60は、例えば、導電性樹脂から作られる。ただし、第1軸受60は、金属から作られていてもよい。第1軸受60の第1端部61は、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部と接触する。したがって、第1軸受60の第1端部61は、現像ローラシャフト32と電気的に接続される。
【0080】
また、第1軸受60は第1孔67を有する。第1孔67は、第1端部61と第2端部62との間において、第2方向に延びる。また、第1孔67は、第1軸受60を、回転軸A1を中心とする回動方向に貫通する。ただし、第1孔67は、第1軸受60を貫通していなくてもよい。第1孔67には、後述する第1レバー110の他端部112が挿入される。
【0081】
第1レバー110は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。
図4に示すように、第1レバー110は、一端部111と、他端部112と、カム面113とを有する。一端部111は、第1方向および第2方向に対して交差する第3方向における、第1レバー110の一端に位置する。他端部112は、第3方向における第1レバー110の他端に位置する。カム面113は、第3方向において、一端部111と他端部112の間に位置する。また、第1レバー110の一端部111は、第1凸部114を有する。第1凸部114は、第1レバー110の一端部111から、第1方向に突出する。第1レバー110の他端部112は、第2凸部115を有する。第2凸部115は、第1レバー110の他端部112から、第1方向に突出する。
【0082】
第1レバー110は、ケーシング10に対して移動可能である。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態において、カム面113は、ドラムカートリッジ2の後述するドラムフレーム91に接触可能である。そして、第1レバー110は、カム面113を中心として、第1位置と第2位置との間で回動可能である。
【0083】
第1レバー110の他端部112は、第1軸受60の第1孔67に挿入される。そして、第1レバー110の他端部112は、第1軸受60の第1孔67の内面と連結している。具体的には、第1軸受60は、第1孔67の内面に係合面69(
図11参照)を有する。そして、この係合面69と、第1レバー110の第2凸部115とが、第3方向に向かい合う。すなわち、第1レバー110の第2凸部115が、第1軸受60の係合面69に係合する。これにより、第1軸受60から第1レバー110が、第3方向の一方側へ抜けることが防止される。また、回転軸A1を中心とする第1軸受60の回動範囲が規制される。
【0084】
ホルダ120は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。ホルダ120は、ケーシング10の第1外表面11に、例えばねじ止めで固定される。第1レバー110の一部分は、第1外表面11とホルダ120との間に位置する。第1レバー110の第1凸部114は、ホルダ120よりも第3方向の一方側に位置する。第1レバー110の第2凸部115は、ホルダ120よりも第3方向の他方側に位置する。第1凸部114とホルダ120とは、第3方向に向かい合う。これにより、ホルダ120から第1レバー110が、第3方向の他方側へ抜けることが防止される。すなわち、ホルダ120は、第1レバー110を、ケーシング10に対して移動可能に保持する。
【0085】
第2軸受70は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。より具体的には、第2軸受70は、ギアカバー53の外表面に位置する。第1軸受60と第2軸受70とは、第1方向に重なる位置にある。第2軸受70は、現像ローラシャフト32の第1方向の他端部を回転可能に支持する。
図5に示すように、第2軸受70は、第3端部71と第4端部72とを有する。第4端部72は、第3端部71よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第4端部72は、第3端部71よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第2軸受70は、第3端部71と第4端部72との間で、ケーシング10の第2外表面12に沿って延びる。
【0086】
第2軸受70は、第3アーム73と第4アーム74とを有する。第4アーム74は、第3アーム73よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第4アーム74は、第3アーム73よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第3アーム73は、上述した第3端部71を有する。第4アーム74は、上述した第4端部72を有する。第3アーム73は、ケーシング10の第2外表面12に沿って、例えば直線状に延びる。第4アーム74は、ケーシング10の第2外表面12に沿って、例えば直線状に延びる。ただし、第3アーム73は、第4アーム74に対して曲がっている。第3アーム73と第4アーム74とがなす角度は、鈍角である。
【0087】
本実施形態では、第3アーム73と第4アーム74とが、一体成形されている。しかしながら、第3アーム73と第4アーム74とは、別部品であってもよい。その場合、第3アーム73と第4アーム74とが、互いに固定されていればよい。
【0088】
第2軸受70は、第2挿入孔75を有する。第2挿入孔75は、第2軸受70の第3端部71において、第1方向に延びる。第2挿入孔75は、第3端部71を第1方向に貫通する貫通孔であってもよいし、第3端部71を貫通していなくてもよい。第2挿入孔75は、円筒状の内周面を有する。現像ローラシャフト32の第1方向の他端部は、第2挿入孔75に挿入される。これにより、現像ローラシャフト32の第1方向の他端部に、第2軸受70が装着される。そして、現像ローラシャフト32の第1方向の他端部が、第1方向に延びる回転軸A1について、回転可能に支持される。また、第2軸受70も、ケーシング10に対して、現像ローラシャフト32について回動可能である。具体的には、第3端部71に対して第4端部72が、回転軸A1について回動可能である。
【0089】
また、第2軸受70は第3孔77を有する。第3孔77は、第3端部71と第4端部72との間において、第2方向に延びる。また、第3孔77は、第2軸受70を、回転軸A1を中心とする回動方向に貫通する。ただし、第3孔77は、第2軸受70を貫通していなくてもよい。第3孔77には、後述する第2レバー130の他端部132が挿入される。第1軸受60の第1孔67と、第2軸受70の第3孔77とは、第1方向に重なる位置にある。
【0090】
第2レバー130は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。より具体的には、第2軸受70は、ギアカバー53の外表面に位置する。
図5に示すように、第2レバー130は、一端部131と、他端部132と、カム面133とを有する。一端部131は、第3方向における第2レバー130の一端に位置する。他端部132は、第3方向における第2レバー130の他端に位置する。カム面133は、第3方向において、一端部131と他端部132の間に位置する。また、第2レバー130の他端部132は、第3凸部135を有する。第3凸部135は、第2レバー130の他端部132から、第1方向に突出する。
【0091】
第1レバー110の一端部111と、第2レバー130の一端部131とは、第1方向に重なる位置にある。第1レバー110の他端部112と、第2レバー130の他端部132とは、第1方向に重なる位置にある。
【0092】
第2レバー130は、ケーシング10に対して移動可能である。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態において、カム面133は、ドラムカートリッジ2の後述するドラムフレーム91に接触可能である。そして、第2レバー130は、カム面133について、第3位置と第4位置との間で回動可能である。
【0093】
第2レバー130の他端部132は、第2軸受70の第3孔77に挿入される。そして、第2レバー130の他端部132は、第2軸受70の第3孔77の内面と連結している。具体的には、第2軸受70は、第3孔77の内面に係合面(図示省略)を有する。そして、この係合面と、第2レバー130の第3凸部135とが、第3方向に向かい合う。すなわち、第2レバー130の第3凸部135が、第2軸受70の係合面に係合する。これにより、第2軸受70から第2レバー130が、第3方向の一方側へ抜けることが防止される。また、回転軸A1を中心とする第2軸受70の回動範囲が規制される。
【0094】
図5に示すように、ギアカバー53は、第1方向に突出するギアカバー凸部532を有する。第2レバー130は、第2方向において、ギアカバー53のカラー531とギアカバー凸部532との間に位置する。これにより、第2レバー130の第2方向の移動が規制される。また、第2レバー130は、ギアカバー53のカラー531の外周面に沿って、円弧状に延びる。カラー531の一部分は、第3方向において、第2レバー130の一端部131と他端部132の間に位置する。これにより、第2レバー130の第3方向の移動が規制される。
【0095】
<3.ドラムカートリッジの構造>
図1に示すように、ドラムカートリッジ2は、ドラムフレーム91と、感光体ドラム92とを備える。現像カートリッジ1は、ドラムフレーム91に装着される。感光体ドラム92は、第1方向に延びる回転軸について回転可能な円筒状のドラムである。感光体ドラム92の外周面は、感光材料に被覆されている。感光体ドラム92は、第2方向におけるドラムフレーム91の一端に位置する。ドラムフレーム91に現像カートリッジ1が装着されると、現像ローラ30の外周面が、感光体ドラム92の外周面に接触する。
【0096】
図6~
図8は、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
図9は、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態における、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の断面図である。なお、
図9は、第1方向に直交し、かつ、第1軸受60および第1レバー110を通る断面を示している。
【0097】
図9に示すように、ドラムカートリッジ2は、第1ガイド面93および第2ガイド面94を有する。第1ガイド面93および第2ガイド面94は、ドラムフレーム91の第1方向の一端に位置する。また、第1ガイド面93と第2ガイド面94とは、感光体ドラム92の回転軸を中心とする回転方向に離れている。なお、ドラムカートリッジ2は、ドラムフレーム91の第1方向の他端にも、第1ガイド面93および第2ガイド面94と同様の、第3ガイド面(図示省略)および第4ガイド面(図示省略)を有する。
【0098】
また、
図9に示すように、ドラムカートリッジ2は、第1押圧部材95と第1コイルばね96とを備える。第1押圧部材95および第1コイルばね96は、導電性である。第1押圧部材95は、例えば、導電性樹脂から作られる。第1コイルばね96は、例えば、金属から作られる。第1押圧部材95および第1コイルばね96は、ドラムフレーム91の第1方向の一端に位置する。第1コイルばね96は、第2方向に伸縮可能な弾性部材である。第1コイルばね96の第2方向の一端は、第1押圧部材95に接続される。第1コイルばね96の第2方向の他端は、ドラムフレーム91に接続される。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、第1押圧部材95は、第1コイルばね96の弾性力により、第1軸受60の第2端部62を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。
【0099】
また、ドラムカートリッジ2は、第2押圧部材(図示省略)および第2コイルばね(図示省略)を備える。第2押圧部材および第2コイルばねは、ドラムフレーム91の第1方向の他端に位置する。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、第2押圧部材は、第2コイルばねの弾性力により、第2軸受70の第4端部72を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。
【0100】
なお、ドラムカートリッジ2は、第1コイルばね96および第2コイルばねに代えて、他の種類の弾性部材を備えていてもよい。例えば、ドラムカートリッジ2は、トーションばねや板ばねなどのコイルばね以外のばねや、ゴムなどを、弾性部材として備えていてもよい。
【0101】
また、
図6~
図9に示すように、ドラムカートリッジ2は、第1リリースレバー97を備える。第1リリースレバー97は、ドラムフレーム91の第1方向の一端に位置する。第1リリースレバー97は、第1方向に延びる軸について回動可能である。また、ドラムカートリッジ2は、第2リリースレバー(図示省略)を備える。第2リリースレバーは、ドラムフレーム91の第1方向の他端に位置する。第2リリースレバーは、第1方向に延びる回転軸について回動可能である。
【0102】
<4.現像カートリッジの装着動作について>
現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着されるときには、
図6~
図9のように、現像ローラ30が、感光体ドラム92に接近するように、ドラムカートリッジ2に対して現像カートリッジ1が移動する。このとき、
図6~
図9のように、第1軸受60の第2端部62が、第1リリースレバー97と接触し、第1リリースレバー97に沿って移動する。これに伴い、第1軸受60は、回転軸A1について回動する。同様に、第2軸受70の第3端部71が、第2リリースレバーと接触し、第2リリースレバーに沿って移動する。これに伴い、第2軸受70は、回転軸A1について回動する。
【0103】
このように、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着されるときに、第1軸受60および第2軸受70が、現像ローラ30の回転軸A1について回動する。このため、ドラムフレーム91に対してケーシング10を回転させることなく、第1軸受60を、感光体ドラム92と第1押圧部材95との間へ配置するとともに、第2軸受70を、感光体ドラム92と第2押圧部材との間へ配置することができる。したがって、画像形成装置のユーザは、ケーシング10を回転させる動作を行うことなく、現像ローラ30を感光体ドラム92へ接近させることができる。
【0104】
感光体ドラム92と第1押圧部材95との間に第1軸受60が配置されると、第1押圧部材95は、第1軸受60の第2端部62に接触する。そして、第1コイルばね96の弾性力によって、第1押圧部材95が、第1軸受60の第2端部62を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。そうすると、
図9のように、第1軸受60の第1端部61が、第1ガイド面93に接触し、第1軸受60の他の部分が、第2ガイド面94に接触する。これにより、ドラムフレーム91に対する第1軸受60の位置が固定される。
【0105】
同様に、第2押圧部材は、第2軸受70の第4端部72を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。そうすると、第2軸受70の第3端部71が、第3ガイド面に接触し、第2軸受70の他の部分が、第4ガイド面に接触する。これにより、ドラムフレーム91に対する第2軸受70の位置が固定される。
【0106】
また、ドラムフレーム91に対する第1軸受60および第2軸受70の位置が固定された状態で、第1押圧部材95が第1軸受60を押圧し、第2押圧部材が第2軸受70を押圧する。これにより、感光体ドラム92の外周面に、現像ローラ30の外周面が接触する。そして、感光体ドラム92に対して現像ローラ30が押し付けられる。
【0107】
このように、本実施形態では、第1軸受60が、第1端部61と第2端部62とを有し、かつ、第2端部62が第1端部61に対して回動可能である。また、第2軸受70が、第3端部71と第4端部72とを有し、かつ、第4端部72が第3端部71に対して回動可能である。このため、第1軸受60の第1端部61および第2端部62と、第2軸受70の第3端部71および第4端部72とを利用して、感光体ドラム92に対して現像ローラ30を位置決めできる。
【0108】
また、本実施形態では、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着される場合に、第1軸受60および第2軸受70が、回転軸A1について回動する。また。ドラムカートリッジ2から現像カートリッジ1を取り外す場合にも、同様に、第1軸受60および第2軸受70が、回転軸A1について回動する。このため、ケーシング10を回転させることなく、第1軸受60および第2軸受70を回動させて、ドラムカートリッジ2に対する現像カートリッジ1の装着および取り外しの動作をスムーズに行うことができる。
【0109】
<5.電圧の供給について>
第1押圧部材95および第1コイルばね96は、導電性である。第1押圧部材95は、例えば、導電性樹脂から作られる。第1コイルばね96は、例えば、金属から作られる。また、ドラムカートリッジ2は、第1コイルばね96と電気的に接触する電極端子98を備える。
図6~
図8に示すように、電極端子98は、ドラムフレーム91の外表面に露出する。また、既述の通り、現像ローラシャフト32および第1軸受60も、導電性である。このため、ドラムカートリッジ2に現像カートリッジ1が装着されて、第1押圧部材95が第1軸受60に接触した場合、電極端子98、第1コイルばね96、第1押圧部材95、第1軸受60、および現像ローラシャフト32が、互いに電気的に導通する。
【0110】
ドラムカートリッジ2に装着された状態の現像カートリッジ1が、画像形成装置に装着された場合、画像形成装置の電極端子と、ドラムカートリッジ2の電極端子98が接触する。そして、画像形成装置から電極端子98、第1コイルばね96、第1押圧部材95、および第1軸受60を介して、現像ローラシャフト32へ、バイアス電圧が供給される。その結果、バイアス電圧による静電気力で、現像ローラ本体31の外周面に現像剤が引き付けられる。
【0111】
このように、本実施形態では、ドラムカートリッジ2の第1押圧部材95を介して現像カートリッジ1の第1軸受60へ、バイアス電圧を供給する。このようにすれば、第1押圧部材95とは別に、第1軸受60へ電圧を供給するための導電性部品を設ける場合と比べて、ドラムカートリッジ2の部品点数を低減できる。したがって、ドラムカートリッジ2を小型化できる。
【0112】
また、本実施形態の第1軸受60は、(1)現像ローラシャフト32を回転可能に支持する軸受としての機能と、(2)ドラムカートリッジ2への現像カートリッジ1の装着時に、感光体ドラム92に対して現像ローラ30を位置決めする位置決め部材としての機能と、(3)現像ローラシャフト32へバイアス電圧を供給する現像電極としての機能と、の複数の機能を果たす。このため、これらの機能を別々の部材で実現する場合と比べて、現像カートリッジ1の部品点数を低減できるとともに、現像カートリッジ1を小型化できる。
【0113】
<6.離間動作について>
現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に装着された状態で画像形成装置に装着された後、画像形成装置から供給される駆動力により、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光体ドラム92から現像ローラ30を、一時的に離間させる動作である。例えば、画像形成装置においてモノクロ印刷を行うときに、ブラック以外の各色の現像カートリッジ1が、離間動作を行う。ただし、ブラックの現像カートリッジ1が、離間動作を行う場合があってもよい。
【0114】
図9のように、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、現像カートリッジ1は、現像ローラ30が感光体ドラム92に接触する接触位置に配置される。このときの第1レバー110の位置は、第1位置である。第1位置では、第1レバー110の他端部112が、第1軸受60の第1孔67の内面670から、離れている。したがって、第1レバー110の他端部112は、第1孔67の内面670を押圧しない。また、第1レバー110のカム面113は、ドラムフレーム91に接触している。また、このときの第2レバー130の位置は、第3位置である。第3位置では、第2レバー130の他端部132が、第2軸受70の第3孔77の内面から、離れている。したがって、第2レバー130の他端部132は、第2軸受70の第3孔77の内面を押圧しない。また、第2レバー130のカム面133は、ドラムフレーム91に接触している。
【0115】
図10は、離間動作時の現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の断面図である。なお、
図10は、第1方向に直交し、かつ、第1軸受60および第1レバー110を通る断面を示している。
【0116】
画像形成装置は、離間動作を行うときに、第1レバー110の一端部111に駆動力を与える。具体的には、画像形成装置は、図示を省略した駆動レバーを動作させる。そうすると、駆動レバーは、
図10の破線矢印のように、第1レバー110の一端部111を押圧する。これにより、第1レバー110は、カム面133を中心として、第1位置から第2位置へ回動する。このとき、第1レバー110の他端部112は、感光体ドラム92から離れる方向に移動して、第1軸受60の第1孔67の内面670を押圧する。具体的には、第1レバー110の他端部112が、第1押圧部材95の押圧力に逆らって、第1軸受60の第2端部62を、現像ローラ30から離れる方向へ押圧する。その結果、第1レバー110の他端部112と共に、第1軸受60が、感光体ドラム92から離れる方向へ移動する。
【0117】
また、画像形成装置は、離間動作を行うときに、第2レバー130の一端部131に駆動力を与える。具体的には、画像形成装置は、図示を省略した他の駆動レバーを動作させる。そうすると、駆動レバーは、第2レバー130の一端部131を押圧する。これにより、第2レバー130は、カム面133を中心として、第3位置から第4位置へ回動する。このとき、第2レバー130の他端部132は、感光体ドラム92から離れる方向に移動して、第2軸受70の第3孔77の内面を押圧する。具体的には、第2レバー130の他端部132が、第2押圧部材の押圧力に逆らって、第2軸受70の第4端部72を、現像ローラ30から離れる方向へ押圧する。その結果、第2レバー130の他端部132と共に、第2軸受70が、感光体ドラム92から離れる方向へ移動する。
【0118】
これにより、第1軸受60および第2軸受70と共に、ケーシング10および現像ローラ30が、感光体ドラム92から離れる方向へ移動する。その結果、感光体ドラム92の外周面から、現像ローラ30の外周面が離れる。すなわち、現像カートリッジ1が、ドラムカートリッジ2に対して、上述した接触位置から離間位置へ移動する。
【0119】
このように、本実施形態では、第1レバー110の一端部111が、画像形成装置の駆動レバーから受ける力に応じて、第1レバー110の他端部112が、第1軸受60の第1孔67の内面670を押圧する。これにより、現像カートリッジ1を接触位置から離間位置へ移動させるための力を加えることができる。すなわち、力点として機能する一端部111と、作用点として機能する他端部112と、支点として機能するカム面113と、を有する第1レバー110により、画像形成装置から供給される駆動力を、第1軸受60へ伝達できる。
【0120】
また、第2レバー130の一端部131が、画像形成装置の駆動レバーから受ける力に応じて、第2レバー130の他端部132が、第2軸受70の第3孔77の内面を押圧する。これにより、現像カートリッジ1を接触位置から離間位置へ移動させるための力を加えることができる。すなわち、力点として機能する一端部131と、作用点として機能する他端部132と、支点として機能するカム面133と、を有する第2レバー130により、画像形成装置から供給される駆動力を、第2軸受70へ伝達できる。
【0121】
つまり、画像形成装置から供給される駆動力が、ドラムカートリッジ2を介することなく、現像カートリッジ1の第1軸受60および第2軸受70に伝達される。このようにすれば、ドラムカートリッジ2に、駆動力を中継する部品を設ける必要がない。このため、ドラムカートリッジ2の部品点数を低減できる。したがって、ドラムカートリッジ2を小型化できる。
【0122】
また、この現像カートリッジ1では、第1レバー110の一端部111が、第1方向に突出する第1凸部114を有する。このため、第1凸部114が無い場合よりも、第1レバー110の一端部111の表面積が広い。したがって、離間動作時に、画像形成装置100の駆動レバーが、第1レバー110の一端部111を、安定して押圧することができる。これにより、画像形成装置1の離間動作が安定する。なお、第1レバー110と同様に、第2レバー130の一端部131も、第1方向に突出する凸部を有していてもよい。
【0123】
また、この現像カートリッジ1では、離間動作時に、現像ローラシャフト32を支持する第1軸受60および第2軸受70が、押圧力を受ける。このため、第1軸受60および第2軸受70とは別に、離間動作時に押圧力を受ける部材を設ける場合よりも、現像カートリッジ1の部品点数を低減できる。したがって、現像カートリッジ1を小型化できる。
【0124】
また、第1軸受60は、回転軸A1について回動可能である。このため、第1レバー110は、第1軸受60の第1孔67の内面670を、最適な向きに押圧できる。同様に、第2軸受70も、回転軸A1について回動可能である。このため、第2レバー130は、第2軸受70の第3孔77の内面を、最適な向きに押圧できる。
【0125】
また、現像カートリッジ1が接触位置から離間位置へ移動するときに、第1軸受60は、第2ガイド面94に沿って移動する。また、第2軸受70は、第4ガイド面に沿って移動する。これにより、第1レバー110は、回転軸A1を中心とする第1軸受60の位置を維持しながら、第1軸受60を押圧できる。また、第2レバー130は、回転軸A1を中心とする第2軸受70の位置を維持しながら、第2軸受70を押圧できる。
【0126】
<7.現像カートリッジの取り外し動作について>
図11は、ドラムカートリッジ2から現像カートリッジ1を取り外すときの、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の断面図である。なお、
図11は、第1方向に直交し、かつ、第1軸受60および第1レバー110を通る断面を示している。
【0127】
ドラムカートリッジ2から現像カートリッジ1を取り外すときには、ユーザにより、第1リリースレバー97および第2リリースレバーが押圧される。これにより、第1リリースレバー97および第2リリースレバーが、第1方向に延びる軸について回動する。そうすると、第1リリースレバー97が、第1レバー110を、第3方向の一方側へ押圧する。また、第2リリースレバーが、第2レバー130を、第3方向の一方側へ押圧する。さらに、第1レバー110の他端112が、第1軸受60の係合面69に接触して、係合面69を、第3方向の一方側へ押圧する。また、第2レバー130の他端132が、第2軸受70の係合面に接触して、係合面79を、第3方向の一方側へ押圧する。
【0128】
これにより、感光体ドラム92と第1押圧部材95との間から、第3方向の一方側へ、第1軸受60が抜ける。また、感光体ドラム92と第2押圧部材との間から、第3方向の一方側へ、第2軸受70が抜ける。その結果、ドラムカートリッジ2から、現像カートリッジ1を取り外すことができる。
【0129】
<8.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0130】
上記の実施形態では、現像カートリッジ1は、第1軸受と第2軸受とを備えていた。そして、第1軸受と第2軸受とが、同等の形状であり、いずれもケーシング10に対して回動可能であった。しかしながら、第2軸受は、第1軸受とは異なる形状であってもよい。また、第2軸受は、ケーシング10に対して回動不能であってもよい。また、現像カートリッジ1は、第2軸受を備えていなくてもよい。その場合、第1軸受が、ケーシング10の第1方向の両端のいずれかに配置されていればよい。
【0131】
上記の実施形態では、現像カートリッジ1は、1つの感光体ドラム92を有するドラムカートリッジ2に対して装着されるものであった。しかしながら、現像カートリッジ1は、複数の感光体ドラム92を有するドラムカートリッジに対して装着されるものであってもよい。
【0132】
また、現像カートリッジ1の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 現像カートリッジ
2 ドラムカートリッジ
10 ケーシング
11 第1外表面
12 第2外表面
13 収容室
14 開口
20 アジテータ
30 現像ローラ
31 現像ローラ本体
32 現像ローラシャフト
40 供給ローラ
41 供給ローラ本体
42 供給ローラシャフト
50 ギア部
51 現像ローラギア
52 カップリング
53 ギアカバー
60 第1軸受
61 第1端部
62 第2端部
63 第1アーム
64 第2アーム
65 第1挿入孔
67 第1孔
69 係合面
70 第2軸受
71 第3端部
72 第4端部
73 第3アーム
74 第4アーム
75 第2挿入孔
77 第3孔
91 ドラムフレーム
92 感光体ドラム
93 第1ガイド面
94 第2ガイド面
95 第1押圧部材
96 第1コイルばね
97 第1リリースレバー
98 電極端子
110 第1レバー
111 一端部
112 他端部
113 カム面
114 第1凸部
115 第2凸部
120 ホルダ
130 第2レバー
131 一端部
132 他端部
133 カム面
135 第3凸部
A1 回転軸