(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20241001BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20241001BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G21/18 121
G03G15/08 390A
(21)【出願番号】P 2023134475
(22)【出願日】2023-08-22
(62)【分割の表示】P 2019234139の分割
【原出願日】2019-12-25
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 正仁
(72)【発明者】
【氏名】佐野 利幸
(72)【発明者】
【氏名】坂口 新太郎
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179119(JP,A)
【文献】特開2018-047983(JP,A)
【文献】特許第7338456(JP,B2)
【文献】特開2018-090342(JP,A)
【文献】特開2019-179120(JP,A)
【文献】特開2009-282126(JP,A)
【文献】特開2019-045580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
G03G 15/08
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムにトナーを供給する現像ロー
ラと、
前記現像ローラを前記感光ドラムに接触する接触位置と、前記感光ドラムから離間した離間位置との間で移動させることが可能な離間機構であって、回転可能なカム
と、カムフォロワを有する離間機構と、
発光素子と受光素子を有する離間センサであって、前記現像ローラが前記接触位置に位置する状態と、前記現像ローラが前記離間位置に位置する状態とを検知可能な離間センサと、
定着器と、
を備える画像形成装置であって、
前記カムは、
円板部と、
前記円板部の一方の面である第1面から突出
する端面カムである第1カム部と、
前記円板部の前記第1面から突出し
前記カムの回転軸線を中心とする径方向において前記第1カム部よりも内側に前記第1カム部と間隔をあけて配置される位相検出壁であって、前記発光素子が発する光を遮
る前記カムの回転方向の位相を示すための位相検出壁と、を有し、
前記カムフォロワは、
前記第1カム部と接触可能な接触部であって、前記第1カム部と接触した状態で少なくとも一部が前記カムの回転軸線を中心とする径方向において前記第1カム部よりも前記カムの内側に位置する接触部を有し、
前記接触部が前記第1カム部に案内され、前記カムの回転軸線の軸方向に沿って突出位置と待機位置との間でスライド移動することで前記現像ローラを移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記位相検出壁は、前記カムの前記回転軸線を中心とする円周方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1カム部は、前
記カムの回転軸線を中心とする円周方向に延びる形状を
有することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像ローラを有する現像カートリッジをさらに備え、
前記離間機構は、
前記カムの回転軸線に対して前記第1カム部の外周面よりも離れた位置に設けられた支持
軸をさらに有し、
前記カムフォロワは、
前記支持軸と係合
し、前記突出位置に位置した状態で前記現像カートリッジを押圧して前記現像ローラを前記離間位置に位置させ、前記待機位置に位置した状態で前記現像ローラを前記接触位置に位置させ
ることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
感光ドラムと、
前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラを有する現像カートリッジと、
前記現像ローラを前記感光ドラムに接触する接触位置と、前記感光ドラムから離間した離間位置との間で移動させることが可能な離間機構であって、回転可能なカムと、支持軸と、カムフォロワと、を有する離間機構と、
発光素子と受光素子を有する離間センサであって、前記現像ローラが前記接触位置に位置する状態と、前記現像ローラが前記離間位置に位置する状態とを検知可能な離間センサと、
定着器と、
を備える画像形成装置であって、
前記カムは、
円板部と、
前記円板部の一方の面である第1面から突出し、前記カムの回転軸線を中心とする円周方向に延びる第1カム部であって、前記現像ローラを移動させるための端面カムである第1カム部と、
前記円板部の前記第1面から突出し、前記第1カム部の内周面よりも内側に配置され、前記円周方向に延びる位相検出壁であって、前記発光素子が発する光を遮る前記カムの回転方向の位相を示すための位相検出壁と、を有し、
前記支持軸は、
前記カムの回転軸線に対して前記第1カム部の外周面よりも離れた位置に設けられ、
前記カムフォロワは、
前記第1カム部に接触可能な接触部と、
前記支持軸から離れる方向に延びるアームと、を有し、
前記支持軸と係合し、前記支持軸の軸方向に沿って突出位置と待機位置との間でスライド移動可能であって、前記突出位置に位置した状態で前記現像カートリッジを押圧して前記現像ローラを前記離間位置に位置させ、前記待機位置に位置した状態で前記現像ローラを前記接触位置に位置させ、
前記支持軸を中心として回動することで、前記接触部が前記第1カム部と接触可能な作動位置と、前記接触部が前記カムの回転軸線に対して前記第1カム部よりも離れた位置に位置する非作動位置との間で移動可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記離間機構は、前記カムフォロワを前記突出位置から前記待機位置へ向けて付勢するとともに、前記非作動位置から前記作動位置へ向けて付勢するバネをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カムフォロワは、
前記作動位置にある場合は、前記接触部が前記カムの回転に伴って第1カム部に案内されることで、前記突出位置と前記待機位置との間でスライド移動可能であり、
前記非作動位置にある場合は、前記接触部が前記第1カム部に案内されず、前記カムの回転とは無関係に前記待機位置に維持されることを特徴とする請求項
6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
第1開口を有する筐体と、
前記第1開口を閉鎖する閉鎖位置と前記第1開口を開放する開放位置との間で移動可能なカバーと、
前記筐体に対して前記第1開口を通って着脱可能なドロワであって、前記感光ドラムと、前記感光ドラムの端部を支持する側壁とを有し、前記側壁に第2開口を有するドロワと、
をさらに備え、
前記現像カートリッジは、前記ドロワに着脱可能であり、
前記カバーの開閉に連動して移動可能であり、リリース係合部を有するリリース部材と、
をさらに有し、
前記リリース部材は、前記カバーが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動するときに、前記リリース係合部が前記アームに接触して前記カムフォロワを前記作動位置から前記非作動位置へ回動させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カバーが前記閉鎖位置に位置する状態において、前記リリース係合部は、前記カムを正回転させて前記第1カム部が前記接触部を案内する場合に、前記アームと接触して前記カムフォロワの前記支持軸の軸回りの回動を規制することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記リリース部材の直動とともに移動し、前記リリース部材に対して揺動可能なストッパをさらに備え、
前記ストッパは、
前記カバーが前記開放位置から前記閉鎖位置に移動したときに、前記カムフォロワが前記作動位置に位置する場合に、前記リリース係合部と前記ストッパの間に前記アームが位置するように配置され、前記カムが逆回転する場合に、前記アームと接触して前記カムフォロワの前記作動位置から前記非作動位置への回動を規制し、
前記カバーが前記開放位置から前記閉鎖位置に移動したときに、前記カムフォロワが前記非作動位置に位置する場合に、前記バネの付勢力により前記カムフォロワが前記作動位置に向けて回動させられると、前記アームに押されることにより揺動し、前記カムフォロワの前記非作動位置から前記作動位置に向けての回動を許容することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
制御部と、
正回転および逆回転が可能であり、前記制御部により回転が制御されるモータをさらに備え、
前記カムは、前記第1カム部とともに回転する第2カム部をさらに有し、
前記離間機構は、
前記モータからの駆動力を現像ローラに伝達するための駆動伝達ギヤ列と、
前記モータからの駆動力を前記カムに伝達可能であり、前記モータが正回転する場合に前記カムを正回転させ、前記モータが逆回転する場合に前記カムを逆回転させる駆動制御ギヤ列と、
前記モータからの駆動力を前記現像ローラに伝達する伝達状態と、前記モータからの駆動力を前記現像ローラに伝達しない切断状態とで切替可能なクラッチと、
前記第2カム部に案内されて揺動するレバーであって、前記カムが正回転する場合には、前記クラッチを前記伝達状態と前記切断状態とに切り替え、前記カムが逆回転する場合には、前記クラッチを前記切断状態に維持するレバーと、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記クラッチは、遊星歯車機構を有し、
前記レバーは、前記第2カム部に案内されることにより、前記遊星歯車機構の1つの要素に係合して前記クラッチを前記伝達状態とする伝達位置と、前記1つの要素から離脱して前記クラッチを前記切断状態とする非伝達位置と、の間を揺動可能であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記位相検出壁は、
前記現像ローラが前記離間位置にあるときに前記発光素子が発する光を通過させる第1スリットと、前記現像ローラが前記接触位置にあるときに前記発光素子が発する光を透過させる第2スリットを備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記位相検出壁は、前記カムの回転軸線を中心とする円周方向に延び、
前記第2スリットの前記円周方向の大きさは、前記第1スリットの前記円周方向の大きさより大きいことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、シートに画像を形成する場合において、前記現像ローラを前記接触位置に維持する場合、前記発光素子が発する光が前記第2スリットを通過している位相で前記カムを停止させることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラを感光ドラムから離間させることが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、現像カートリッジの消耗を抑制するため、適宜なタイミングで現像ローラを感光ドラムから離間させることができるものがある。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置は、各色の現像ローラに対応して回転可能なカムを備え、各カムを回転させることで、各現像ローラを感光ドラムに接触させ、または、感光ドラムから離間させることができるようになっている。そして、この装置は、円板状のカムのギヤに、現像ローラを感光ドラムに接触させる位置と感光ドラムから離間させる位置との間で動かす板カム部を有するとともに、カムのホームポジションの位相を検出するための、リブ状のフラグが設けられている。位相検知センサがフラグを検出する際には、現像ローラは、感光ドラムに対して離間状態となっている。
【0004】
特許文献2に記載の画像形成装置も、現像ローラを感光ドラムに接触、または、離間させるカムを有している。そして、この装置は、回転する円板状のカムの一方の面に板カム部を有するとともに、他方の面に、カムの位相を検出するための複数のスリットを有する、円形状に立ち上がる壁を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-128017号公報
【文献】特開2009-282126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のカムでは、カムの位相を検出するためのフラグは、現像ローラが離間状態にあるときに検出される1つしか設けられておらず、現像ローラが感光ドラムに接触する状態でカムを停止させる際には、カムの位相の精度が不正確となるおそれがあった。
【0007】
一方、特許文献2のカムでは、現像ローラが感光ドラムに対して接触する状態と、離間する状態の両方を検出することができるが、カムの一方の面に板カム部を設け、他方の面に位相検出壁を設けてあるため、これらの機能の確保のために、カムの軸方向のスペースが大きく必要となる。このため、画像形成装置を小型化しにくくなるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、現像ローラが感光ドラムに接触する状態と、感光ドラムから離間する状態とを検知可能なカムをコンパクトに構成し、画像形成装置の小型化を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するための画像形成装置は、感光ドラムと、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラを有する現像カートリッジと、現像ローラを、感光ドラムに接触する接触位置と、感光ドラムから離間した離間位置との間で移動可能な離間機構と、発光素子と受光素子を有するフォトインタラプタと、を備える。
離間機構は、回転可能なカムであって、円板部と、円板部の一方の面である第1面から突出し、現像カートリッジを動かすための端面カムである第1カム部と、発光素子が発する光を遮る、カムの回転軸線を中心とする円周方向に延びる位相検出壁とを有するカムを有する。
位相検出壁は、現像ローラが離間位置にあるときに発光素子が発する光を通過させる第1スリットと、現像ローラが接触位置にあるときに発光素子が発する光を透過させる第2スリットであって、第1スリットと円周方向の大きさが異なる第2スリットとを有し、円板部の第1面から突出する。
【0010】
このような構成によれば、カムは、現像ローラを動かすための第1カム部が円板部の一方の面から突出し、位相検出壁は、同じ一方の面から突出する。このため、第1カム部と位相検出壁を設けるためにカムの軸方向の大きさを大きくする必要がない。すなわち、現像ローラが感光ドラムに接触する状態と、感光ドラムから離間する状態とを検知可能なカムをコンパクトに構成して、画像形成装置の小型化を図ることが可能である。
【0011】
前記した画像形成装置において、第1カム部は、円周方向に延びる形状を有し、位相検出壁は、第1カム部の内周面よりも内側に配置されていてもよい。
【0012】
このような構成によれば、第1カム部の、内周面の内側の空間を利用して位相検出壁を配置することができる。
【0013】
前記した画像形成装置において、第2スリットの円周方向の大きさは、第1スリットの円周方向の大きさより大きくてもよい。
【0014】
前記した画像形成装置は、制御部をさらに備えることができる。
制御部は、シートに画像を形成する場合において、現像ローラを接触位置に維持する場合、発光素子が発する光が第2スリットを通過している位相でカムを停止させることが望ましい。
【0015】
このような構成によれば、発光素子が発する光が第2スリットを通過しない位相でカムを停止させる場合よりも、現像ローラが感光ドラムに接触している確実性を高くした状態で画像形成の動作を行うことができる。
【0016】
前記した画像形成装置は、第1開口を有する筐体と、第1開口を閉鎖する閉鎖位置と第1開口を開放する開放位置との間で移動可能なカバーと、筐体に対して第1開口を通って着脱可能なドロワとをさらに備えることができる。ドロワは、感光ドラムと、感光ドラムの端部を支持する側壁とを有し、側壁に第2開口を有する。
現像カートリッジは、ドロワに着脱可能である。
離間機構は、筐体に設けられた支持軸と、支持軸と係合し、支持軸の軸方向に沿って突出位置と待機位置との間でスライド移動可能であるとともに、支持軸の軸周りに作動位置と非作動位置との間で回動可能なカムフォロワであって、第1カム部に接触可能な接触部と支持軸から離れる方向に延びるアームを有するカムフォロワと、カバーの開閉に連動して移動可能であり、リリース係合部を有するリリース部材と、をさらに有する。
リリース部材は、カバーが閉鎖位置から開放位置に移動するときに、リリース係合部がアームに接触してカムフォロワを作動位置から非作動位置へ回動させる。
カムフォロワは、作動位置にある場合は、カムが回転するにつれて、接触部が第1カム部に案内されて突出位置と待機位置との間でスライド移動可能であり、突出位置にある場合は、第2開口に入って現像カートリッジを押圧し現像ローラを離間位置に位置させ、待機位置にある場合は、第2開口から抜けて現像ローラを接触位置に位置させる。
また、カムフォロワは、非作動位置にある場合は、接触部が第1カム部に案内されず、カムの回転とは無関係に待機位置に維持される。
【0017】
このような構成によれば、カバーを閉鎖位置から開放位置に移動させると、カムフォロワが非作動位置へ回動する。カムフォロワは、非作動位置にある場合には、接触部が第1カム部に案内されないため、カムの回転とは無関係に待機位置に維持される。したがって、カバーを開けた場合には、カムフォロワが待機位置に位置するので、ドロワの側壁とカムフォロワの干渉を抑制することができる。
【0018】
前記した画像形成装置は、正回転および逆回転が可能であり、制御部により回転が制御されるモータをさらに備えることができる。
カムは、第1カム部とともに回転する第2カム部をさらに有する。
離間機構は、モータからの駆動力を現像ローラに伝達するための駆動伝達ギヤ列と、モータからの駆動力をカムに伝達可能であり、モータが正回転する場合にカムを正回転させ、モータが逆回転する場合にカムを逆回転させる駆動制御ギヤ列と、モータからの駆動力を現像ローラに伝達する伝達状態と、モータからの駆動力を現像ローラに伝達しない切断状態とで切替可能なクラッチと、第2カム部に案内されて揺動するレバーであって、カムが正回転する場合には、クラッチを伝達状態と切断状態とに切り替え、カムが逆回転する場合には、クラッチを切断状態に維持するレバーと、をさらに有することができる。
【0019】
離間機構は、カムフォロワを突出位置から待機位置へ向けて付勢するとともに、非作動位置から作動位置へ向けて付勢するバネをさらに備えることが望ましい。
【0020】
これによれば、1つのバネによりカムフォロワを突出位置から待機位置へ向けて付勢するとともに、非作動位置から作動位置へ向けて付勢することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0021】
カバーが閉鎖位置に位置する状態において、リリース係合部は、カムを正回転させて第1カム部が接触部を案内する場合に、アームと接触してカムフォロワの支持軸の軸回りの回動を規制する構成であってもよい。
【0022】
前記した画像形成装置は、リリース部材の直動とともに移動し、リリース部材に対して揺動可能なストッパをさらに備えることができる。
ストッパは、カバーが開放位置から閉鎖位置に移動したときに、カムフォロワが作動位置に位置する場合に、リリース係合部とストッパの間にアームが位置するように配置され、カムが逆回転する場合に、アームと接触してカムフォロワの作動位置から非作動位置への回動を規制し、カバーが開放位置から閉鎖位置に移動したときに、カムフォロワが非作動位置に位置する場合に、バネの付勢力によりカムフォロワが作動位置に向けて回動させられると、アームに押されることにより揺動し、カムフォロワの非作動位置から作動位置に向けての回動を許容することが望ましい。
【0023】
このような構成によれば、カバーが開放位置から閉鎖位置に移動したときに、カムフォロワが非作動位置に位置していたとしても、ストッパは、アームに押されることにより揺動し、カムフォロワの非作動位置から作動位置に向けての回動を許容するので、カムフォロワが作動位置に戻ることができる。
【0024】
前記したクラッチは、遊星歯車機構を有していてもよい。そして、レバーは、第2カム部に案内されることにより、遊星歯車機構の1つの要素に係合してクラッチを伝達状態とする伝達位置と、前記1つの要素から離脱してクラッチを切断状態とする非伝達位置と、の間を揺動可能である構成であってもよい。
【0025】
前記した課題を解決する画像形成装置は、感光ドラムと、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラを有する現像カートリッジと、現像ローラを、感光ドラムに接触する接触位置と、感光ドラムから離間した離間位置との間で移動可能な離間機構と、現像ローラの回転・停止を制御するクラッチと、発光素子と受光素子を有するフォトインタラプタと、を備える。
離間機構は、回転可能なカムであって、周囲にギヤ歯を有する円板部を有する。カムは、円板部の一方の面である第1面に、第1面から突出し、現像カートリッジを動かすための端面カムである第1カム部と、第1面から突出する位相検出壁であって、発光素子が発する光を通過させる第1スリットと第1スリットとカムの回転軸線を中心とする円周方向の大きさが異なる第2スリットとを有する、第1面から突出する円筒形の位相検出壁を有する。また、カムは、円板部の他方の面である第2面に、クラッチを操作するための板カムである第2カム部を有する。
フォトインタラプタは、現像ローラが離間位置にあるときに第1スリットを検出可能であり、かつ、現像ローラが接触位置にあるときに第2スリットを検出可能な位置に設けられる。
【0026】
このような構成によれば、カムは、現像ローラを動かすための第1カム部が円板部の一方の面から突出し、位相検出壁は、同じ一方の面から突出する。このため、第1カム部と位相検出壁を設けるためにカムの軸方向の大きさを大きくする必要がない。すなわち、現像ローラが感光ドラムに接触する状態と、感光ドラムから離間する状態とを検知可能なカムをコンパクトに構成して、画像形成装置の小型化を図ることが可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、現像ローラが感光ドラムに接触する状態と、感光ドラムから離間する状態とを検知可能なカムをコンパクトに構成し、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図2】ドロワ、カムおよびカムフォロワの斜視図である。
【
図3】現像カートリッジの斜視図(a)と、側面図(b)である。
【
図4】スライド部材を説明する、現像カートリッジの周辺を上から見た模式図であり、カムフォロワが待機位置に位置するとき(a)と突出位置に位置するとき(b)を示す。
【
図5】ドロワのサイドフレームの内面(現像カートリッジ側)を示す図である。
【
図6】駆動伝達機構を軸方向に沿って左側から見た図である。
【
図8】駆動伝達機構を軸方向に沿って右側から見た図である。
【
図9】カバーが閉鎖位置にあるときのリリース部材を示す側面図(a)と、カバーが開放位置にあるときのリリース部材を示す側面図(b)である。
【
図10】ストッパの構成を説明する図であり、(a)アームに押されない第1位置にある場合と、(b)アームに押されて揺動した第2位置にある場合を示す。
【
図11】クラッチをサンギヤ側から見た分解斜視図(a)と、キャリア側から見た分解斜視図(b)である。
【
図12】レバーの分解斜視図(a)と、第1レバーが回転規制部により回転が規制されている状態を示す図(b)と、第1レバーが第2レバーに対して揺動した状態を示す図(c)である。
【
図13】電源ON時の制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図14】カム逆転離間処理のフローチャートである。
【
図15】離間センサの信号と、現像ローラの状態を示す符号との関係を説明する図である。
【
図16】電源ON時の各部の動作を説明するタイミングチャートであり、離間センサが最初に第2スリットを検出した場合を示す。
【
図17】電源ON時の各部の動作を説明するタイミングチャートであり、離間センサが最初に第1スリットを検出した場合を示す。
【
図18】イエロー、マゼンタおよびシアンのカムを第1面側から見た斜視図(a)と、第2面側から見た斜視図(b)である。
【
図19】カムが正回転して現像ローラが接触位置にあるときのカム、カムフォロワおよびリリース部材を示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
【
図20】カムが正回転して現像ローラが離間位置にあるときのカム、カムフォロワおよびリリース部材を示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
【
図21】カバーが開放位置にあるときのカム、カムフォロワおよびリリース部材を示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
【
図22】
図21の状態から、カバーを開放位置から閉鎖位置に移動させたときのカム、カムフォロワおよびリリース部材を示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
【
図23】カム、カムフォロワおよびリリース部材を示す側面図であり、
図22の状態から、カムが逆回転してカムフォロワが非作動位置から作動位置に戻った状態を示す図(a)と、さらにカムが逆回転してストッパがカムフォロワの回動を規制している状態を示す図(b)である。
【
図24】カム、カムフォロワおよびリリース部材を示す側面図であり、
図23(b)の状態から、カムがさらに逆回転して現像ローラが離間位置に位置し、第1レバーが揺動位置にある状態を示す図(a)と、(a)の状態からカムが正回転して初期位置に位置した状態を示す図(b)である。
【
図25】画像形成時における各部の動作を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に示すように、実施形態に係る画像形成装置1は、カラープリンタであり、筐体10と、カバー11と、シート供給部20と、画像形成部30と、制御部2とを主に備えている。なお、本明細書において、便宜上、前後等の方向は、シートトレイ21が引き出される
図1の左を前として説明する。すなわち、
図1の左側を前、右側を後、上下をそのまま上下とし、
図1の紙面手前側を右、紙面奥側を左とする。
【0030】
筐体10は、前側に、第1開口10Aを有する。カバー11は、実線で示した第1開口10Aを閉鎖する閉鎖位置と、仮想線で示した第1開口10Aを開放する開放位置との間で移動可能である。筐体10には、図示しないカバー11の開閉状態を検出するカバーセンサが設けられており、制御部2は、カバーセンサの信号に基づいて、カバー11の開閉状態を判定することが可能である。
【0031】
シート供給部20は、筐体10内の下部に設けられ、シートSを収容するシートトレイ21と、シートトレイ21からシートSを画像形成部30に供給する供給機構22とを備えている。シートトレイ21は筐体10から
図1の左側に引き出して取り外し可能に構成されている。供給機構22は、筐体10内の前部に設けられ、給紙ローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、レジストレーションローラ27とを備えている。本明細書のシートSは、画像形成装置1が画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。
【0032】
シート供給部20では、シートトレイ21内のシートSが給紙ローラ23により送り出された後、分離ローラ24と分離パッド25との間でシートSが1枚ずつに分離される。
その後、シートSは、回転が停止した状態のレジストレーションローラ27によって先端位置が規制された後、レジストレーションローラ27が回転することで画像形成部30に供給される。
【0033】
また、シート供給部20においては、給紙センサ28Aと、レジ前センサ28Bと、レジ後センサ28Cとが設けられている。
給紙センサ28Aは、シートSの搬送方向における給紙ローラ23および分離ローラ24のすぐ下流側に設けられている。
レジ前センサ28Bは、搬送方向におけるレジストレーションローラ27の上流側に設けられている。
レジ後センサ28Cは、搬送方向におけるレジストレーションローラ27の下流側に設けられている。
【0034】
画像形成部30は、露光装置40と、複数の感光ドラム50を有するドロワ90(
図2参照)と、複数の現像カートリッジ60と、搬送装置70と、定着器80とを備えている。
【0035】
露光装置40は、図示しないレーザダイオード、偏向器、レンズおよびミラーを有している。露光装置40は、複数の感光ドラム50を露光する複数のレーザ光を発して、感光ドラム50の表面を走査するように構成されている。
【0036】
感光ドラム50は、イエローに対応した第1感光ドラム50Yと、マゼンタに対応した第2感光ドラム50Mと、シアンに対応した第3感光ドラム50Cと、ブラックに対応した第4感光ドラム50Kとを含む。なお、本明細書および図面において、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応して設けられている部材には、色を区別して示す場合に、それぞれ、Y,M,C,Kを付して示す。一方、色を区別しないで説明する場合には、符号にY,M,C,Kを付さず、名称も第1、第2などを省略する。
【0037】
現像カートリッジ60は、各感光ドラム50に対応して設けられている。具体的には、現像カートリッジ60は、第1感光ドラム50Yにトナーを供給する第1現像ローラ61Yを有する第1現像カートリッジ60Yと、第2感光ドラム50Mにトナーを供給する第2現像ローラ61Mを有する第2現像カートリッジ60Mと、第3感光ドラム50Cにトナーを供給する第3現像ローラ61Cを有する第3現像カートリッジ60Cと、第4感光ドラム50Kにトナーを供給する第4現像ローラ61Kを有する第4現像カートリッジ60Kとを含む。
【0038】
第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kは、シートSの移動方向の上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。
【0039】
各現像カートリッジ60は、
図1に実線で示した、現像ローラ61が対応する感光ドラム50に接触する接触位置と、
図1に仮想線で示した、現像ローラ61が対応する感光ドラム50から離間する離間位置との間で移動可能である。
【0040】
図2に示すように、感光ドラム50は、ドロワ90に回転可能に支持されている。また、ドロワ90は、第1現像カートリッジ60Y、第2現像カートリッジ60M、第3現像カートリッジ60Cおよび第4現像カートリッジ60Kを着脱可能に支持する。ドロワ90は、筐体10のカバー11(
図1参照)を開くことで形成される第1開口10Aを通って、筐体10に対して着脱可能である。ドロワ90は、感光ドラム50の軸方向に離れて配置された、側壁の一例である一対のサイドフレーム91と、一対のサイドフレーム91の前部同士を連結する連結フレーム92と、一対のサイドフレーム91の後部同士を連結する連結フレーム93とを備える。一対のサイドフレーム91は、右側のサイドフレーム91Rと、左側のサイドフレーム91Lとを含む。ドロワ90には、各感光ドラム50に対向して配置された、感光ドラム50を帯電させるための帯電器52(
図1参照)が設けられている。
【0041】
詳細な構造の図示は省略するが、一対のサイドフレーム91は、感光ドラム50の端部を支持する。また、一方のサイドフレーム91、ここでは、左側のサイドフレーム91Lは、第2開口91Aを有する。第2開口91Aは、サイドフレーム91Lの上縁に、下方に凹む切欠として形成されている。これにより、第2開口91Aは、サイドフレーム91Lを左右に貫通しており、後述するカムフォロワ170が入ることが可能になっている。
【0042】
画像形成装置1は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを、複数の感光ドラム50のうち対応する感光ドラム50に接触する接触位置と、当該感光ドラム50から離間した離間位置との間で移動させる離間機構を有する。離間機構は、第1色、第2色、第3色および第4色のそれぞれに対応して設けられている。
【0043】
具体的に、各離間機構は、現像ローラ61の回転軸線61X(
図1参照)と平行な軸周りに回転するカム150(150Y,150M,150C,150K)と、支持軸179と、カムフォロワ170と、第1バネ176と、リリース部材180(
図7参照)と、を有する。
カム150は、現像ローラ61の回転軸線方向(以下、単に「回転軸線方向」という。
)に突出する第1カム部152を有する。
【0044】
支持軸179は、左右に長く延びるシャフトである。支持軸179は、筐体10の図示しないサイドフレームに設けられている。
【0045】
カムフォロワ170は、支持軸179と係合し、支持軸179の軸方向に沿ってスライド移動可能であるとともに、支持軸179の軸周りに回動可能である。カムフォロワ170は、第1カム部152と接触可能な接触部172を有する。
具体的に、カムフォロワ170は、
図20(a),(b)に示す、接触部172が第1カム部152の端面に接触可能な作動位置と、
図21(a),(b)に示す、第1カム部152の端面に接触不可能な非作動位置との間で回動可能である。カムフォロワ170は、非作動位置においては、回転軸線方向から見て第1カム部152と重ならない位置に配置される。
また、カムフォロワ170は、作動位置にある場合は、カム150の第1カム部152の端面であるカム面152Fに接触するので、カム150が回転するにつれて第1カム部152に案内されて、
図4(b)に示す、現像ローラ61を離間位置に位置させる突出位置と、
図4(a)に示す、現像ローラ61を接触位置に位置させる待機位置との間でスライド移動可能である。
【0046】
カムフォロワ170は、突出位置にある場合は、第2開口91Aに入って現像カートリッジ60を押圧し現像ローラ61を離間位置に位置させ、待機位置にある場合は、第2開口91Aから抜けて現像ローラ61を接触位置に位置させる。
一方、カムフォロワ170は、カバー11が開放位置から閉鎖位置に移動することに伴うリリース部材180の移動により非作動位置にある場合は、接触部172が第1カム部152に案内されず、カム150の回転とは無関係に待機位置に維持される。
【0047】
図2に戻り、カム150と、カムフォロワ170とは、各現像カートリッジ60に対応して設けられている。カム150およびカムフォロワ170は、左側のサイドフレーム91Lの左右方向外側に配置されている。カム150、カムフォロワ170およびリリース部材180の詳細な構造については後述する。
【0048】
ドロワ90は、サイドフレーム91R,91Lの上部に、後述するスライド部材64に当接する被当接部94が設けられている。被当接部94は、例えば、感光ドラム50の軸方向と平行な第1方向と、感光ドラム50が並ぶ第2方向との両方に直交する第3方向(上下方向)に沿った軸回りに回転可能なローラからなる。
【0049】
また、ドロワ90は、各現像カートリッジ60に対応して設けられた、押圧部材95を備えている。押圧部材95は、各現像カートリッジ60ごとに、感光ドラム50の軸方向の両端部に設けられている。押圧部材95は、バネ95A(
図4(a),(b)参照)により後方へ向けて付勢されており、ドロワ90に現像カートリッジ60が装着されると、現像カートリッジ60の突起63Dを押圧して、現像ローラ61を対応する感光ドラム50に接触させるようになっている。
【0050】
図3(a),(b)に示すように、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)は、トナーを収容するケース63と、スライド部材64と、カップリング65を有する。
【0051】
ケース63は、一方の側面に、回転軸線方向に突出する突出部として、第1突出部63Aおよび第2突出部63Bを有する。
第1突出部63Aは、現像ローラ61の回転軸線61Xと同軸に配置され、回転軸線方向に突出している。
第2突出部63Bは、第1突出部63Aから所定距離離れて配置されている。本実施形態では、第2突出部63Bは、第1突出部63Aの上方に配置されている。
第1突出部63Aおよび第2突出部63Bは、ともに、回転軸線方向に平行な軸線周りに回転可能なローラである。
図示は省略するが、ケース63は、他方の側面にも、一方の側面と対称な位置に第1突出部63Aと第2突出部63Bが設けられている。
【0052】
また、ケース63は、側面の前側の上部に、押圧部材95により押圧される突起63Dを有している。突起63Dは、ケース63の、回転軸線方向における両端部に設けられている。
【0053】
カップリング65は、後述するカップリング軸119と係合して、カップリング軸119から回転駆動力が入力される。
【0054】
スライド部材64は、ケース63に対して回転軸線方向にスライド移動可能な部材である。スライド部材64は、カムフォロワ170に押圧されることで回転軸線方向にスライド移動可能である。
【0055】
図4(a),(b)に示すように、スライド部材64は、シャフト191と、第1当接部材192と、第2当接部材193とを備える。第1当接部材192は、シャフト191の一端に固定され、第2当接部材193は、シャフト191の他端に固定されている。
【0056】
シャフト191は、ケース63に形成された、回転軸線方向に延びる孔に貫通して配置され、ケース63にスライド移動可能に支持されている。
【0057】
第1当接部材192は、回転軸線方向における端面である押圧面192Aと、回転軸線方向に対して傾斜した斜面192Bとを有する。
押圧面192Aは、カムフォロワ170により押圧される面である。
斜面192Bは、スライド部材64がカムフォロワ170により回転軸線方向に押圧された場合に、ドロワ90の被当接部94に当接して、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)をシートSの移動方向に平行な方向へ向けて付勢し、現像カートリッジ60を移動させる(
図4(b)参照)。斜面192Bは、シャフト191の一端から他端に向かうにつれて、第2方向における感光ドラム50から対応する現像ローラ61に向かう方向(前方)に位置するように傾斜している。
【0058】
第2当接部材193は、第1当接部材192の斜面192Bと同様に傾斜した斜面193Bを有している。斜面193Bもスライド部材64がカムフォロワ170により回転軸線方向に押圧された場合に、ドロワ90の被当接部94に当接して、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)をシートSの移動方向に平行な方向へ向けて付勢し、現像カートリッジ60を移動させる(
図4(b)参照)。
【0059】
第1当接部材192とケース63の間には、スライド部材64を回転軸線方向の一方、ここでは、左側に向けて付勢するバネ194が配置されている。バネ194は、圧縮コイルバネであり、コイル内にシャフト191が通るようにシャフト191の外側に配置されている。
【0060】
図5に示すように、ドロワ90は、一方のサイドフレーム91Lの内側の面に、支持面としての第1支持面96Aおよび第2支持面96Bを有する。第1支持面96Aおよび第2支持面96Bは、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動するときに、第1突出部63Aおよび第2突出部63Bをそれぞれ下から支持する。第1支持面96Aおよび第2支持面96Bは、シートSの移動方向に延びている。
第1支持面96Aは、第1突出部63Aを支持するように配置されている。第1支持面96Aは、現像カートリッジ60をドロワ90に装着するときの現像ローラ61の案内と上下方向の位置決めの機能を兼ねている。
第2支持面96Bは、第2突出部63Bを支持するように第1支持面96Aの上方に配置されている。
図示は省略するが、ドロワ90は、他方のサイドフレーム91Rの内側の面にも、一方のサイドフレーム91Lと左右対称な第1支持面96Aおよび第2支持面96Bを有している。
【0061】
現像ローラ61が感光ドラム50に接触する接触位置に位置するとき、
図5の第1現像カートリッジ60Y、第2現像カートリッジ60Mおよび第3現像カートリッジ60Cのように第1突出部63Aが第1支持面96Aにおける後寄りに位置する。一方、現像ローラ61が感光ドラム50から離間する離間位置に位置するとき、
図5の第4現像カートリッジ60Kのように第1突出部63Aが第1支持面96Aにおける前寄りに位置する。
このようにして、離間機構は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを、接触位置から離間位置に移動させるときに、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kを、シートSの移動方向の下流側から上流側へ向けて移動させる。
【0062】
図18(a),(b)に示すように、カム150は、円板部151と、ギヤ部150Gと、第1カム部152と、第2カム部153と、位相検出壁154とを有する。カム150は、回転することにより、対応する現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる部材である。
【0063】
円板部151は、略円板形状を有し、支持プレート102(
図7参照)に回転可能に支持されている。円板部151は、軸線方向に貫通する1つの位置決め孔159を有している。位置決め孔159は、各カム150を支持プレート102に支持させる際に、図示しない組付治具に設けられたピンを挿すことで、各カム150の位相を所定の位相にした状態で組み付けることを容易にするための孔である。すなわち、組付治具は、4つのピンを有しており、各ピンを各カム150の位置決め孔159に挿すことで、各カム150が、設計上の所定の向きを向くようになっている。
ギヤ部150Gは、円板部151の外周に形成されている。
第1カム部152は、現像ローラ61を動かすための端面カムであり、円板部151の一方の面である第1面151Aから回転軸線方向に突出している。第1カム部152は、カム150の回転軸線を中心とする円周方向に延びる形状を有している。第1カム部152は、回転軸線方向における端面にカム面152Fを有する。
カム面152Fは、第1保持面F1と、第2保持面F2と、第1案内面F3と、第2案内面F4とを有する。
第1保持面F1は、カムフォロワ170を待機位置に保持する。
第2保持面F2は、カムフォロワ170を突出位置に保持する。
第1案内面F3は、第1保持面F1と第2保持面F2を繋ぐ、第1保持面F1に対して傾斜した面である。
第2案内面F4は、第2保持面F2と第1保持面F1を繋ぐ、第1保持面F1に対して傾斜した面である。
なお、
図10および
図19から
図24において、第1カム部152に付したドットハッチは、第2保持面F2を表す。
【0064】
第2カム部153は、レバー160と協働してクラッチ120を操作してクラッチ120の伝達・切断を切り換える部分である。第2カム部153は、円板部151の他方の面である第2面151Bから回転軸線方向に突出する板カムである。第2カム部153は、円板部151の側面のうち、第1カム部152が配置された側面とは反対側の側面から突出している。第2カム部153は、回転軸線方向から見て円弧状に延びている。第2カム部153は、円板部151と一体に形成されている。このため、第2カム部153は、第1カム部152ととともに回転する。
【0065】
位相検出壁154は、離間センサ4C,4K(
図7参照)の発光素子が発する光を遮る、カム150の回転軸線を中心とする円周方向に延びる壁である。位相検出壁154は、第1カム部152よりも回転中心に近い位置において、円板部151の第1面151Aから軸方向に突出している。つまり、位相検出壁154は、円板部151の側面のうち、第1カム部152が配置された側面と同じ側面から突出している。位相検出壁154は、第1カム部152の内周面152Sよりも内側に配置されている。位相検出壁154は、カム150の回転方向の位相を示すための、第1スリット154Aと第2スリット154Bとを有する。第1スリット154Aは、現像ローラ61が離間位置にあるときに離間センサ4C,4Kの発光素子が発する光を通過させる。第2スリット154Bは、現像ローラ61が接触位置にあるときに離間センサ4C,4Kの発光素子が発する光を透過させる。
第2スリット154Bは、第1スリット154Aと円周方向の大きさが異なる。具体的には、第2スリット154Bの円周方向の大きさは、第1スリット154Aと円周方向の大きさよりも大きい。
イエロー、マゼンタ、シアンに対応するカム150Y,150M,150Cにおいて、第1スリット154Aと第2スリット154Bは、およそ、カム150の回転軸線を挟んで反対側に位置する。ブラックに対応するカム150Kにおいては、第1スリット154Aと第2スリット154Bは、およそ、90度ごとに交互に位置する(
図7参照)。
【0066】
図19(a),(b)に示すように、カムフォロワ170は、スライド軸部171と、接触部172と、アーム173と、バネ掛け部174とを有する。
スライド軸部171は、筐体10に固定された支持軸179にスライド移動可能に支持されて、回転軸線方向にスライド移動可能である。
接触部172は、スライド軸部171から延出して設けられている。接触部172の、回転軸線方向の端面は、第1カム部152のカム面152Fに対向し、カム面152Fに接触可能である。
アーム173は、支持軸179およびスライド軸部171から離れる方向に延びている。アーム173は、スライド軸部171から、接触部172とは異なる方向、本実施形態では、一例として下方に延びている。
バネ掛け部174は、スライド軸部171から離れる方向に延びている。本実施形態では、バネ掛け部174は、一例として前方に延びている。
【0067】
第1バネ176は、バネの一例であり、引張バネである。第1バネ176の一端は、バネ掛け部174に引っ掛けられている。第1バネ176の他端は、支持プレート102における、バネ掛け部174よりも下の位置に引っ掛けられている。これにより、第1バネ176は、カムフォロワ170を、支持プレート102に近づく方、すなわち、突出位置から待機位置へ向けて付勢する。また、第1バネ176は、カムフォロワ170を、
図19(a)、(b)における反時計回り、すなわち、非作動位置から作動位置へ向けて付勢する。
【0068】
図7に示すように、各カム150Y,150M,150Cは、第1カム部152のカム150の回転方向の長さがカム150Yだけが他よりも長い点が異なるだけで、他の構成はほぼ同じである。また、ブラックのカム150Kは、回転方向に短い第1カム部152が2つ設けられている。
筐体10には、ブラックとシアンに対応して、離間センサ4C,4Kが設けられている。
【0069】
離間センサ4C,4Kは、カム150C,150Kの位相を検知可能な位相センサである。離間センサ4C,4Kは、発光素子と受光素子を有するフォトインタラプタからなる。離間センサ4C,4Kは、発光素子と受光素子の間に第1スリット154Aまたは第2スリット154Bが位置して、発光素子が発した光を受光素子が受光したときにON信号を制御部2に出力し、発光素子と受光素子の間に位相検出壁154が入って発光素子が発した光を遮り、受光素子が光を受光しないときにOFF信号を制御部2に出力する。
【0070】
前記した第1スリット154Aおよび第2スリット154Bは、それぞれ、現像ローラ61が離間位置にある場合および接触位置にある場合に離間センサ4C,4Kの発光素子が発する光が通過する。このため、離間センサ4C,4Kは、各現像ローラ61が離間位置にあり、発光素子が発する光が第1スリット154Aを通って受光素子で受光した場合に、ON信号を制御部2に出力する。また、離間センサ4C,4Kは、各現像ローラ61が接触位置にあり、発光素子が発する光が第2スリット154Bを通って受光素子で受光した場合に、ON信号を制御部2に出力する。別の言い方をすると、離間センサ4C,4Kは、現像ローラ61が離間位置にあるときに第1スリット154Aを検出可能であり、かつ、現像ローラ61が接触位置にあるときに第2スリット154Bを検出可能な位置に設けられる。
【0071】
本実施形態においては、便宜上、離間センサ4C,4Kの受光素子が光を受光する場合をONと呼び、受光しない場合をOFFと呼ぶ。離間信号を出力する場合と出力しない場合は、どちらの電圧が高くても構わない。なお、カム150Y,150Mにも位相検出壁154と同様の形状が設けられているが、カム150Y,150Mに対応する離間センサは設けられていない。
【0072】
図1に戻り、搬送装置70は、シートトレイ21と感光ドラム50との間に設けられている。搬送装置70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状のベルトからなる搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。搬送ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に張設され、外側の面が各感光ドラム50に対向配置されている。各転写ローラ74は、各感光ドラム50との間で搬送ベルト73を挟持するように搬送ベルト73の内側に配置されている。搬送装置70は、上側の外周面にシートSを載せた状態で搬送ベルト73を移動させることでシートSを搬送し、このときに、複数の感光ドラム50のトナー像をシートSに転写する。
【0073】
定着器80は、感光ドラム50および搬送装置70の後方に設けられている。定着器80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81に対向して配置された加圧ローラ82とを備えている。定着器80の上方には搬送ローラ15が設けられ、搬送ローラ15の上方には排出ローラ16が設けられている。
【0074】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム50の表面が、帯電器52により一様に帯電された後、露光装置40から照射される光により露光される。これにより、各感光ドラム50上に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0075】
また、ケース63内のトナーは現像ローラ61の表面に担持され、現像ローラ61が感光ドラム50に対向して接触するときに、感光ドラム50上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム50上でトナー像が形成される。
【0076】
次に、搬送ベルト73上に供給されたシートSが各感光ドラム50と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム50上に形成されたトナー像がシートS上に転写される。そして、シートSが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、シートS上に転写されたトナー像がシートSに熱定着される。
【0077】
定着器80から排出されたシートSは、搬送ローラ15および排出ローラ16によって筐体10の上面の排紙トレイ13に蓄積される。
【0078】
次に、現像ローラ61を駆動・停止するための構成と、現像ローラ61を感光ドラム50に対して接触・離間させるように動かすための構成の詳細について説明する。
図6に示すように、画像形成装置1は、現像ローラ61を駆動するモータ3と、モータ3から第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kに駆動力を伝達する駆動伝達機構100とを備えている。前記した離間機構の一部であるカム150は、駆動伝達機構100と機械的に接続されている。駆動伝達機構100は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kが離間位置にある場合において、現像ローラ61に駆動力を伝達しないように構成されている。
【0079】
モータ3は、現像ローラ61およびカム150を駆動する駆動源である。モータ3は、正回転および正回転とは逆の逆回転が可能であり、制御部2により回転が制御される。
【0080】
駆動伝達機構100は、
図6に示す、モータ3の駆動力を現像ローラ61に伝達するための駆動伝達ギヤ列100Dを含んでなり、駆動伝達ギヤ列100Dの駆動力の伝達を制御するための駆動制御ギヤ列100Cと機械的に接続されている。駆動制御ギヤ列100Cは、モータ3からの駆動力を各カム150に伝達可能であり、モータ3が正回転する場合にカム150を正回転させ、モータ3が逆回転する場合にカム150を逆回転させる。
図6、
図8において、駆動伝達ギヤ列100Dの各ギヤ同士の噛み合いは、太い実線で示し、駆動制御ギヤ列100Cの各ギヤ同士の噛み合いは、太い破線で示す。
【0081】
駆動伝達ギヤ列100Dは、2つの第1アイドルギヤ110(110A,110B)と、3つの第2アイドルギヤ113A,113B,113Cと、第3アイドルギヤ115(115Y,115M,115C,115K)と、4つのクラッチ120と、4つのカップリングギヤ117(117Y,117M,117C,117K)とを含んでなる。駆動伝達ギヤ列100Dを構成する各ギヤは、支持プレート102または図示しないフレームに支持されており、感光ドラム50の軸方向に平行な回転軸周りに回転可能である。
【0082】
モータ3は、回転駆動する出力軸3Aを有している。出力軸3Aには、図示しないギヤが設けられている。
【0083】
第3アイドルギヤ115Y,115M,115C,115Kは、各色に対応して設けられ、前から後ろに向かってこの順に配置されている。
【0084】
4つのクラッチ120は、それぞれ同じ構成を有している。各クラッチ120は、第3アイドルギヤ115Y,115M,115C,115Kの一つと噛み合って、第3アイドルギヤ115から駆動力を受ける。クラッチ120の構成については後述する。
【0085】
各カップリングギヤ117は、クラッチ120の一つと噛み合っている。各カップリングギヤ117は、同軸で一体に回転するカップリング軸119(
図7参照)を有している。カップリング軸119は、カバー11の開閉に連動して軸方向に移動可能に構成され、カバー11を閉めると現像カートリッジ60のカップリング65(
図3(a)参照)と係合する。
【0086】
このような駆動伝達ギヤ列100Dにより、イエローのカップリングギヤ117Yは、モータ3から、第1アイドルギヤ110A、第2アイドルギヤ113A、第3アイドルギヤ115Yおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
また、マゼンタのカップリングギヤ117Mは、モータ3から、第1アイドルギヤ110A、第2アイドルギヤ113A、第3アイドルギヤ115Mおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
また、シアンのカップリングギヤ117Cは、モータ3から、第1アイドルギヤ110B、第2アイドルギヤ113B、第3アイドルギヤ115Cおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
また、ブラックのカップリングギヤ117Kは、モータ3から、第1アイドルギヤ110B、第2アイドルギヤ113B、第3アイドルギヤ115C、第2アイドルギヤ113C、第3アイドルギヤ115Kおよびクラッチ120を介して駆動力が伝達される。
【0087】
図7、
図8に示すように、駆動制御ギヤ列100Cは、2つの第4アイドルギヤ131(131A,131B)と、2つの第5アイドルギヤ132(132A,132B)と、クラッチの一例であるYMCクラッチ140AおよびKクラッチ140Kと、2つの第6アイドルギヤ133(133A,133B)と、第7アイドルギヤ134と、第8アイドルギヤ135と、第9アイドルギヤ136と、第10アイドルギヤ137と、カム150(150Y,150M,150C,150K)とを含んでなる。駆動制御ギヤ列100Cを構成する各ギヤは、支持プレート102または図示しないフレームに支持されており、感光ドラム50の軸方向に平行な回転軸周りに回転可能である。
【0088】
2つの第5アイドルギヤ132は、第4アイドルギヤ131Aの前側に配置された第5アイドルギヤ132Aと、第4アイドルギヤ131Bの後側に配置された第5アイドルギヤ132Bとを含む。各第5アイドルギヤ132A,132Bは、第4アイドルギヤ131A,131Bと噛み合っている。
【0089】
YMCクラッチ140Aは、イエロー、マゼンタおよびシアンのカム150に駆動力を伝達する系列の駆動制御ギヤ列100Cの、駆動力の伝達・切断を切り換える。すなわち、YMCクラッチ140Aは、カム150Y,150M,150Cの回転・停止を切り替え可能である。YMCクラッチ140Aは、大径ギヤ140Lと、大径ギヤ140Lよりも歯数が少ない小径ギヤ140Sとを備える。YMCクラッチ140Aは、第5アイドルギヤ132Aの前側に配置され、大径ギヤ140Lが第5アイドルギヤ132Aと噛み合っている。
YMCクラッチ140Aは、例えば、電磁クラッチであり、通電すること(ONとする)により、大径ギヤ140Lと小径ギヤ140Sが一体に回転し、通電を止めると(OFFとする)、大径ギヤ140Lが空転して小径ギヤ140Sが回転しない。
【0090】
Kクラッチ140Kは、YMCクラッチ140Aと同じ構成を有している。Kクラッチ140Kは、ブラックのカム150に駆動力を伝達する系列の駆動制御ギヤ列100Cの、駆動力の伝達・切断を切り換える。Kクラッチ140Kは、大径ギヤ140Lと、大径ギヤ140Lよりも歯数が少ない小径ギヤ140Sとを備える。Kクラッチ140Kは、第5アイドルギヤ132Bの後側に配置され、大径ギヤ140Lが第5アイドルギヤ132Bと噛み合っている。
【0091】
2つの第6アイドルギヤ133は、YMCクラッチ140Aの前側に配置された第6アイドルギヤ133Aと、Kクラッチ140Kの後側に配置された第6アイドルギヤ133Bとを含む。各第6アイドルギヤ133は、YMCクラッチ140AまたはKクラッチ140Kの小径ギヤ140Sと噛み合っている。
【0092】
第7アイドルギヤ134は、第6アイドルギヤ133Aとカム150Yの間に配置されている。第7アイドルギヤ134は、第6アイドルギヤ133Aと、カム150Yのギヤ部150Gとに噛み合っている。
【0093】
第8アイドルギヤ135は、カム150Yとカム150Mの間に配置されている。第8アイドルギヤ135は、カム150Yのギヤ部150Gとカム150Mのギヤ部150Gとに噛み合っている。
【0094】
第9アイドルギヤ136は、カム150Mとカム150Cの間に配置されている。第9アイドルギヤ136は、カム150Mのギヤ部150Gとカム150Cのギヤ部150Gとに噛み合っている。
【0095】
第10アイドルギヤ137は、第6アイドルギヤ133Bとカム150Kの間に配置されている。第10アイドルギヤ137は、第6アイドルギヤ133Bと、カム150Kのギヤ部150Gとに噛み合っている。
【0096】
このような駆動制御ギヤ列100Cにより、イエローのカム150Yは、モータ3から、第1アイドルギヤ110A、第4アイドルギヤ131A、第5アイドルギヤ132A、YMCクラッチ140A、第6アイドルギヤ133Aおよび第7アイドルギヤ134を介して駆動力が伝達される。
また、マゼンタのカム150Mは、イエローのカム150Yから、第8アイドルギヤ135を介して駆動力が伝達される。
また、シアンのカム150Cは、マゼンタのカム150Mから、第9アイドルギヤ136を介して駆動力が伝達される。
そして、YMCクラッチ140Aに通電することにより、カム150Y,150M,150Cは同時に回転し、YMCクラッチ140Aの通電を止めることにより、カム150Y,150M,150Cは、ともに停止する。
【0097】
一方、ブラックのカム150Kは、モータ3から、第1アイドルギヤ110B、第4アイドルギヤ131B、第5アイドルギヤ132B、Kクラッチ140K、第6アイドルギヤ133Bおよび第10アイドルギヤ137を介して駆動力が伝達される。
そして、Kクラッチ140Kに通電することにより、カム150Kは回転し、Kクラッチ140Kの通電を止めることにより、カム150Kは停止する。
【0098】
次に、リリース部材180について説明する。
図7に示すように、リリース部材180は、カバー11を開くのに連動してカップリング軸119を回転軸線方向に移動させるともに、カムフォロワ170を作動位置から非作動位置へ移動させる部材である。
【0099】
図9(a)に示すように、リリース部材180は、カバー11とリンク11Aを介して連結されている。カバー11が
図9(a)に示す閉鎖位置から
図9(b)に示す開放位置に移動すると、リリース部材180は前方へ直動するようになっている。すなわち、リリース部材180は、カバー11の開閉に連動して移動可能である。
【0100】
図7に戻り、リリース部材180は、カップリング軸119を移動させるカップリング連動部材181と、カムフォロワ170を移動させるカムフォロワ連動部材182とを有する。また、画像形成装置1は、リリース部材180の直動とともに移動し、リリース部材180に対して揺動可能なストッパ183と、ストッパ183を付勢するストッパ付勢バネ184(
図10(a),(b)参照)をさらに備える。図示は省略するが、カップリング連動部材181は、感光ドラム50が並ぶ方向である前後方向に直動可能なように、筐体10に支持されている。
【0101】
カップリング連動部材181は、各カップリング軸119に対応して、貫通孔181Aと、カップリング退避カム181Bとを有している。貫通孔181Aは、カップリング軸119の先端部が通って、カップリング軸119がカップリング65と係合するのを許容する。カップリング退避カム181Bは、前後方向に対して傾斜した面を有し、リリース部材180が前方へ移動した場合に、カップリング軸119を回転軸線方向に移動させてカップリング65から外すように機能する。
【0102】
カムフォロワ連動部材182は、各カムフォロワ170に対応して計4つ設けられている。各カムフォロワ連動部材182は、カップリング連動部材181に固定され、カップリング連動部材181とともに前後に直動可能である。
【0103】
図10(a),(b)に示すように、カムフォロワ連動部材182は、リリース係合部182Aと、カムフォロワ保持部182Bとを有する。
リリース係合部182Aは、作動位置にあるカムフォロワ170のアーム173の後側で上方に突出し、アーム173の後側に位置する。このため、カバー11が閉鎖位置から開放位置に移動するときに、リリース部材180が前方へ直動すると、リリース係合部182Aがアーム173に接触してカムフォロワ170を作動位置から非作動位置へ回動させることが可能となっている。また、カバー11が閉鎖位置に位置する状態において、モータ3を正回転させて第1カム部152が接触部172を案内する場合に、リリース係合部182Aは、アーム173と接触してカムフォロワ170の支持軸179の軸回りの回動を規制する。
【0104】
カムフォロワ保持部182Bは、リリース係合部182Aの上端から後方に延びている。カムフォロワ保持部182Bは、上を向く面を有し、カバー11を閉鎖位置から開放位置に移動したときに非作動位置となったカムフォロワ170のアーム173と接触し、カムフォロワ170の姿勢を保持する部分である。
【0105】
ストッパ183は、前端部においてカムフォロワ連動部材182に回動可能に支持されている。具体的には、ストッパ183は、回動軸線方向に延びる軸線周りに回動可能であり、
図10(a)に示す回動規制位置と、
図10(b)に示す回動許容位置との間で上下に回動可能である。
【0106】
ストッパ付勢バネ184は、ストッパ183を常時、回動許容位置から回動規制位置へ向けて付勢するように配置されている。
図10(a)、(b)においては、ストッパ付勢バネ184を、ストッパ183の下に配置された圧縮コイルバネとして図示したが、ストッパ付勢バネは、トーションスプリングなどであってもよい。ストッパ183が最も上に位置する状態において、ストッパ183の上面は、カムフォロワ保持部182Bの上面よりも下に位置する。
【0107】
ストッパ183は、カバー11が開放位置から閉鎖位置に移動したときに、カムフォロワ170が作動位置に位置する場合に、
図10(a)に示すように、リリース係合部182Aとストッパ183の間にアーム173が位置するように配置されている。これにより、モータ3が逆回転してカム150が逆回転する場合に、アーム173と接触してカムフォロワ170の作動位置から非作動位置への回動を規制することができる(
図23(b)参照)。なお、本実施形態においては、画像形成装置1が画像形成する際のモータ3の回転方向を正回転とし、正回転と逆に回転する場合を逆回転とする。
【0108】
一方、
図10(b)に示すように、ストッパ183は、カバー11が開放位置から閉鎖位置に移動したときに、カムフォロワ170が非作動位置に位置する場合に、第1バネ176の付勢力によりカムフォロワ170が作動位置に向けて回動させられると、アーム173に押されることにより揺動し、カムフォロワ170の非作動位置から作動位置に向けての回動を許容する。
【0109】
次に、クラッチ120の構成とその機能について説明する。
図11(a),(b)に示すように、クラッチ120は、遊星歯車機構を有してなる。
クラッチ120は、モータ3からの駆動力を現像ローラ61に伝達する伝達状態と、モータ3からの駆動力を現像ローラ61に伝達しない切断状態とで切替可能に構成されている。具体的に、クラッチ120は、一つの軸を中心に回転可能な要素であるサンギヤ121、リングギヤ122およびキャリア123と、キャリア123に支持されるプラネタリギヤ124とを備えて構成されている。
【0110】
サンギヤ121は、ギヤ部121Aと一体に回転する円板部121Bと、円板部121Bの外周に設けられた複数の爪部121Cとを有する。爪部121Cは、尖った先端を有し、この尖った先端が周方向において、一方の回転方向に傾いている。
リングギヤ122は、内周面に設けられたインナーギヤ122Aと、外周面に設けられた入力ギヤ122Bとを有する。
【0111】
キャリア123は、プラネタリギヤ124を回転可能に支持する4つの軸部123Aを有する。また、キャリア123は、外周面に出力ギヤ123Bが設けられている。
【0112】
プラネタリギヤ124は、4つ設けられ、それぞれ、キャリア123の軸部123Aに回転可能に支持されている。プラネタリギヤ124は、サンギヤ121のギヤ部121Aに噛み合っているとともにリングギヤ122のインナーギヤ122Aに噛み合っている。
【0113】
クラッチ120は、入力ギヤ122Bが第3アイドルギヤ115と噛み合い、出力ギヤ123Bがカップリングギヤ117と噛み合っている(
図6参照)。
そして、サンギヤ121が回転しないように止められた状態では、入力ギヤ122Bに入力された駆動力を出力ギヤ123Bに伝達できる伝達状態となる。
一方、サンギヤ121が回転できる状態では、入力ギヤ122Bに入力された駆動力を出力ギヤ123Bに伝達できない切断状態となる。
クラッチ120が切断状態かつ出力ギヤ123Bに負荷が掛かっている状態で入力ギヤ122Bに駆動力が入力された場合は、出力ギヤ123Bは回転せず、サンギヤ121が空転する。
【0114】
図8に示すように、駆動伝達機構100は、第2カム部153に案内されて揺動するレバー160をさらに備える。レバー160は、支持プレート102に固定された支持軸102Aに揺動可能に支持されている。なお、レバー160は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して設けられている。
レバー160は、カム150と協働することにより、遊星歯車機構の要素であるサンギヤ121、リングギヤ122およびキャリア123のうちの1つの要素であるサンギヤ121に係合してサンギヤ121が回転しないように規制し、クラッチ120を伝達状態とし、サンギヤ121から離脱してクラッチ120を切断状態とする機能を有する。レバー160は、カム150が正回転する場合には、クラッチ120を伝達状態と切断状態とに切り替え、カム150が逆回転する場合には、クラッチ120を切断状態に維持する。
【0115】
具体的に、
図12(a)に示すように、レバー160は、第1レバー161と、第2レバー162と、第2バネ163とを有する。
第1レバー161は、支持軸102Aの中心軸である揺動軸X2の周りで揺動可能であり、第2カム部153に接触可能である。第1レバー161は、支持軸102Aに嵌合する孔161Bを有する回転支持部161Aと、回転支持部161Aから延びる第1アーム161Cと、回転支持部161Aから第1アーム161Cとは反対側に突出した突起161Dとを有する。
【0116】
第2レバー162は、揺動軸X2の周りで揺動可能である。第2レバー162は、クラッチ120の1つの要素であるサンギヤ121に係合可能である。第2レバー162は、第1レバー161と組み合わされ、
図12(b)、(c)に示すように、第1レバー161に対しても、揺動軸X2周りで相対的に揺動可能である。逆に言えば、第1レバー161は、第2レバー162に対して揺動軸X2周りで揺動可能なように第2レバー162に組み合わされている。
図12(c)のように、第1レバー161が第2バネ163の付勢力に抗して第2レバー162に対して揺動した位置を「揺動位置」とする。
【0117】
第2レバー162は、支持軸102Aに嵌合する孔162Bを有する回転支持部162Aと、回転支持部162Aから延びる第2アーム162Cと、回転規制部162Dと、バネ掛け部162Eとを有する。回転規制部162Dは、第2アーム162Cから揺動軸X2が延びる方向に突出している。回転規制部162Dは、
図12(b)に示すように、突起161Dが接触することによって、第2レバー162の第1レバー161に対する一方向の回転を規制する。
【0118】
第2バネ163は、トーションバネであり、第1レバー161を、第2レバー162に対して、突起161Dが回転規制部162Dに当接する方向に向けて付勢している。別の言い方をすれば、第2バネ163は、第2レバー162に設けられた回転規制部162Dが第1レバー161の突起161Dに接触することにより第1レバー161が第2レバー162に対して回転しないように付勢する。
【0119】
レバー160は、第1レバー161と第2レバー162が組み合わされた状態において、第2アーム162Cの先端が、サンギヤ121の円板部121Bの外周面に向けて延びている。そして、
図19(b)に示すように、バネ掛け部162Eには、第3バネ169の一端が引っ掛けられている。第3バネ169は、引っ張りバネであり、第3バネ169の他端は、支持プレート102の図示しないバネ掛け部に引っ掛けられている。これにより、第3バネ169は、第2レバー162を
図19(b)における時計回りに付勢している。すなわち、第3バネ169は、第2レバー162の第2アーム162Cを遊星歯車機構の1つの要素であるサンギヤ121(円板部121B)の外周面に向けて揺動させる方向に付勢する。第2アーム162Cは、サンギヤ121の外周面の爪部121Cに係合することでサンギヤ121の回転を規制することが可能である。
【0120】
レバー160は、第1アーム161Cの先端部が、第2カム部153の外周面と接触可能である。レバー160は、
図19(a),(b)に示すような、第1レバー161の先端部が第2カム部153から離間し、第2レバー162がクラッチ120の爪部121Cに係合してクラッチ120を伝達状態とする伝達位置と、
図20(a),(b)に示すような、第1レバー161の先端部が第2カム部153と接触して押し動かされることで、第2レバー162の先端部が遊星歯車機構の1つの要素であるサンギヤ121の爪部121Cから離脱してクラッチ120を切断状態とする非伝達位置とに移動可能である。
【0121】
また、レバー160は、第2レバー162が遊星歯車機構の1つの要素であるサンギヤ121の爪部121Cに係合している伝達位置にある状態で、モータ3が逆回転し、第1レバー161が第2カム部153に押されると、
図24(a)に示すように、第1レバー161が第2バネ163の付勢力に抗して第2レバー162に対して相対的に揺動し、揺動位置に位置する。このように、第1レバー161が第2レバー162に対して相対的に揺動できることにより、モータ3を逆回転させたときにレバー160に無理な力が掛からないようになっている。
【0122】
次に、制御部2による制御について説明する。
制御部2は、画像形成装置1の全体の動作を制御する装置である。制御部2は、CPU、ROM、RAM、入出力部等を有し、予め記憶されたプログラムを実行することで各処理を実行する。
【0123】
本実施形態において、制御部2は、離間センサ4C,4Kからの信号に基づいて、YMCクラッチ140AおよびKクラッチ140Kを制御し、現像ローラ61の感光ドラム50に対する接触・離間を制御する。
【0124】
制御部2は、カバー11が開放位置から閉鎖位置に移動した場合に、カム150を逆回転させ、離間センサ4C,4Kの発光素子が発する光が第1スリット154Aまたは第2スリット154Bを通った時間に基づいて第1スリット154Aを検出した後、カム150を停止させる第1初期制御(
図14のS101~S153参照)を実行する。また、制御部2は、第1初期制御の後、カム150を正回転させ、離間センサ4C,4Kの発光素子が発する光が第1スリット154Aを通る位置でカム150を停止させる第2初期制御(
図14のS160~S171参照)を実行する。さらに、制御部2は、シートSに画像を形成する場合において、現像ローラ61を接触位置に維持する場合、離間センサ4C,4Kの発光素子が発する光が第2スリット154Bを通過している位相でカム150を停止させる。
このため、制御部2は、例えば、
図13、
図14に示すような処理を行う。
【0125】
図13に示すように、制御部2は、電源がONになったか否かを判定し(S1)、電源がONになったと判定すれば(S1,Yes)、ステップS2に進み、電源がONになっていないと判定すれば(S1,No)、ONになるまで待つ。
【0126】
電源がONになった後、制御部2は、カバー11が閉まっているか否かを開閉センサの信号に基づいて判定する(S2)。制御部2は、カバー11が閉まっていないと判定した場合(S2,No)、カバー11が閉まるまで待ち、カバー11が閉まっていると判定した場合(S2,Yes)、カム150を逆回転させて現像ローラ61を感光ドラム50から離間させるカム逆転離間処理(S100)を実行する。その後、制御部2は、カバー11が開いているか否かを開閉センサの信号に基づいて判定する(S4)。制御部2は、カバー11が開いていないと判定した場合(S4,No)、カバー11が開くまで待ち、カバー11が開いていると判定した場合(S4,Yes)、ステップS2に進んで、カバー11が閉まるのを待つ処理を繰り返す。
【0127】
図14に示すように、制御部2は、カム逆転離間処理(S100)よって、カバー11が閉じられた後、カム150およびカム150と作用するレバー160およびカムフォロワ170を初期位置に戻す処理(「イニシャライズ動作」という。)を実行する。
【0128】
制御部2は、まず、モータ3を逆回転させ(S101)、その後、YMCクラッチ140AをONにする(S102)。これにより、カム150(150Y,150M,150C)が逆回転する。
【0129】
そして、制御部2は、離間センサ4CがOFFになったか否かを判定し(S111)、OFFになったと判定するまで待つ。離間センサ4CがOFFになったと判定したら(S111,Yes)、次は、離間センサ4CがONになったか否かを判定し(S120)、ONになったと判定するまで待つ。さらに、制御部2は、離間センサ4CがONになったと判定したら(S120,Yes)、カウント1のカウントを開始する(S121)。カウント1は、カム150の逆回転を開始した後、離間センサ4Cが最初に検出したスリットの大きさに対応する値である。
次に、制御部2は、離間センサ4CがOFFになったか否かを判定し(S122)、OFFになったと判定するまで待つ。制御部2は、離間センサ4CがOFFになったと判定したら(S122,Yes)、カウント1のカウントを終了する。
【0130】
そして、制御部2は、離間センサ4CがONになったか否かを判定し(S130)、ONになったと判定するまで待つ。制御部2は、離間センサ4CがONになったと判定した後(S130,Yes)、カウント2のカウントを開始する(S131)。カウント2は、カム150の逆回転を開始した後、離間センサ4Cが2回目に検出したスリットの大きさに対応する値である。次に、制御部2は、離間センサ4CがOFFになったか否かを判定し(S132)、OFFになったと判定するまで待つ。制御部2は、離間センサ4CがOFFになったと判定したら(S132,Yes)、カウント2のカウントを終了する(S134)。
【0131】
そして、制御部2は、カウント2が所定のしきい値より大きいか否かを判定する(S140)。この所定のしきい値は、第1スリット154Aが離間センサ4Cを通過するのに要する時間と、第2スリット154Bが離間センサ4Cを通過するのに要する時間とのあ間の時間である。制御部2は、カウント2が所定のしきい値より大きいと判定した場合(S140,Yes)、離間センサ4Cの間を第2スリット154Bが通過した後であるので、さらに、離間センサ4CがONになり(S141)、離間センサ4CがOFFになるまで(S142)待つ。そして、離間センサ4CがOFFになった後(S142,Yes)、または、ステップS140でカウント2が所定のしきい値より大きくないと判定した後に(S140,No)、所定時間T1が経過するのを待つ(S150)。この所定時間T1は、離間センサ4Cの間を第1スリット154Aが通り過ぎた後、所定角度、カム150を回転させるための時間である。制御部2は、ステップ150で所定時間T1が経過したと判断したら(S150,Yes)、YMCクラッチ140AをOFFにし(S151)、カム150の状態を「D」として記憶する(S152)。カム150は、YMCクラッチ140AをOFFにした時点で停止する。
【0132】
ここで、カム150の状態について説明する。
図15に示すように、カム150を正回転または逆回転させると、離間センサ4C,4Kは、第1スリット154Aを検出したことによる短い時間のON信号と、第2スリット154Bを検出したことによる長い時間のON信号を制御部2に出力する。制御部2は、所定のしきい値よりも長い時間のON信号を受信した場合には、そのON信号が、第2スリット154Bによるものであったと判定し、所定のしきい値よりも短い時間のON信号を受信した場合には、そのON信号が第1スリット154Aによるものであったと判定することができる。そして、第1スリット154Aが離間センサ4C,4Kの間にある状態を、例えば、状態Aとして記憶し、カム150が正回転する場合には、離間センサ4C,4KのON,OFFが切り替わる度に、A→B→C→D→A→・・・と記憶している状態を切り替えることで、カム150の状態を把握することができる。カム150が逆回転する場合には、この状態の変化の順序は逆になるので、離間センサ4C,4KのON,OFFが切り替わる度に、A→D→C→B→A→・・・と記憶している状態を切り替える。
前記したステップS152での状態は、カム150が逆回転しているときに、短い時間のON信号を受信した後、OFF信号になった状態であるので、状態はDと設定される。
【0133】
図14に戻り、制御部2は、ステップS152の後、モータ3を停止させる(S153)。次に、制御部2は、モータ3を正回転させ(S160)、YMCクラッチ140AをONにする(S161)。その後、制御部2は、離間センサ4CがONとなるまで待ち(S162)、ONとなったら(S162,Yes)、ONとなってから所定時間T2だけ待つ(S163)。そして、離間センサ4CがONとなってから所定時間T2が経過したら(S163,Yes)カム150の状態をAとして記憶する(S164)。そして、制御部2は、YMCクラッチ140AをOFFとし(S170)、モータ3を停止させる(S171)。ステップS163での所定時間T2は、カム150を停止した後に、第1スリット154Aの中央を離間センサ4Cの光が通るような時間であり、所定時間T1より短い時間に設定されている。
なお、ここでは、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカム150等を初期位置に戻す処理について説明したが、ブラックの場合にも、対象とするセンサが離間センサ4Kであり、対象とするクラッチがKクラッチ140Kであるだけであり、同様の処理をすることができるので詳細な説明を省略する。
【0134】
以上のような制御を実行する画像形成装置1による各部材の動作について、
図16、
図17のタイミングチャートおよび
図19から
図24を参照して説明する。
カバー11が閉鎖位置にあり、画像形成装置1が通常動作をしている場合、カムフォロワ170の接触部172は、
図19(a),(b)のように、第1カム部152の第1保持面F1に位置している場合(現像ローラ61が接触位置にある場合)や、
図20(a),(b)のように、第2保持面F2に位置している場合(現像ローラ61が離間位置にある場合)がある。いずれの場合であっても、モータ3が正回転してカム150が正回転(
図19、
図20において時計回りに回転)している場合、接触部172と第1カム部152の間で働く摩擦力は、接触部172を上方に引っ張り上げ、カムフォロワ170を図の反時計回りに付勢するので、カムフォロワ170は、アーム173がリリース係合部182Aに接触することによって姿勢が決まる。
【0135】
図20(a),(b)の状態、すなわち、接触部172が第2保持面F2に位置していて現像ローラ61が離間位置にある状態において、カバー11を閉鎖位置から開放位置へ移動させると、
図21(a),(b)に示すように、リリース部材180が、カバー11に引っ張られて前方へ直動する。これにより、カップリング軸119は、リリース部材180のカップリング退避カム181Bによって回転軸線方向に押されて引っ込み、カップリング65から外れる。また、リリース部材180が前方へ直動することにより、リリース係合部182Aがカムフォロワ170のアーム173を前方へ付勢し、カムフォロワ170を作動位置から非作動位置へ回動させる。そして、カムフォロワ保持部182Bがアーム173に接触することによって、カムフォロワ170の姿勢を保持する。このため、カバー11が開かれていて、カムフォロワ保持部182Bがカムフォロワ170の姿勢を保持している限り、カムフォロワ170は、カム150の位相に関わらず、非作動位置に保持される。
【0136】
カムフォロワ170が作動位置から非作動位置に回動すると、第1バネ176がカムフォロワ170を待機位置へ向けて付勢していることにより、接触部172が第1カム部152から外れた瞬間に、カムフォロワ170が突出位置から待機位置へ移動する。これにより、現像ローラ61は、離間位置から接触位置に移動する。カムフォロワ170が待機位置に位置することにより、スライド軸部171は、第2開口91Aから抜けるので、ドロワ90を、第1開口10Aを介して筐体10から引き出し、または、引き出したドロワ90を再度装着したとしても、スライド軸部171がドロワ90のサイドフレーム91Lと干渉しない。
【0137】
その後、カバー11を開放位置から閉鎖位置へ移動させるとカバーセンサがONになり(
図16の時刻t1参照)、
図22(a),(b)に示すように、リリース部材180が後方へ直動する。これにより、カップリング軸119は、突出してカップリング65に係合する。また、リリース部材180が後方へ直動することにより、カムフォロワ保持部182Bの上面は、カムフォロワ170のアーム173を保持しなくなるが、接触部172が第1カム部152の外周面に接触することにより、カムフォロワ170が非作動位置に保持される。このとき、アーム173の下端は、ストッパ183の上面よりも上に位置するので、ストッパ183に引っ掛かることがなく、ストッパ183は、アーム173の下を通って後方へ移動する。
【0138】
なお、カバー11が閉鎖位置にある状態で、接触部172が第1保持面F1に位置していて現像ローラ61が接触位置にあった場合には、カバー11を閉鎖位置から開放位置に移動し、さらに閉鎖位置に戻した場合には、カムフォロワ170は、第1バネ176の付勢力によって回動し、接触部172が第1カム部152と接触可能な位置まで戻ることができる(
図19(a),(b)参照)。すなわち、カムフォロワ170は、カバー11が開放位置から閉鎖位置に移動するときに、非作動位置から作動位置まで回動する。
【0139】
カバー11が閉鎖位置に位置した後、制御部2は、モータ3を逆回転させ(t2)、YMCクラッチ140AをONにする(t3)。これにより、カム150は逆回転する。
図22(a),(b)のように接触部172が第1カム部152の外周面に当たっている状態から
図23(a)に示すように、カム150が逆回転すると、第1カム部152の壁が接触部172から離れた時点で、カムフォロワ170は、第1バネ176の付勢力により非作動位置から作動位置へ、図の反時計回りに回動する。このとき、ストッパ183は、カムフォロワ170のアーム173に押されて下方へ一度揺動する。また、
図22(a)から
図23(a)へのカム150の逆回転において、第2スリット154Bが離間センサ4Cにより検出されて、長いON信号が出力される(時刻t6~t7)。
【0140】
そして、
図23(b)に示すように、さらにカム150が逆回転して、接触部172が第1カム部152の第2案内面F4に当たると、第2案内面F4と接触部172の摩擦力により、接触部172が下方に押され、カムフォロワ170が少し図の時計回りに回動する。そして、アーム173がストッパ183に当たることで、カムフォロワ170の姿勢が決まり、その後、カムフォロワ170は回動することなく、第2案内面F4に押されて突出位置へ向けて移動する。
【0141】
そして、
図23(b)の状態からさらにカム150が逆回転すると、
図24(a)に示すように、接触部172は、第2保持面F2に位置し、スライド軸部171が突出位置に位置することで、現像ローラ61は離間位置に位置する(t8)。そして、第1スリット154Aが離間センサ4Cを通り過ぎることで、離間センサ4Cの信号が、ONになり(t9)、その後OFFになる(t10)。そして、レバー160の第1レバー161は、第2カム部153に当たる。このとき、第2レバー162は、サンギヤ121に当たったままであるので動くことができず、その代わりに、第1レバー161が第2バネ163の付勢力に抗して揺動し、揺動位置となる。さらに、制御部2は、離間センサ4CがOFF(t10)になってから所定時間T1が経過したときに、YMCクラッチ140AをOFFにし(t11)、モータ3を停止させる(t12)。このとき、制御部2は、カム150の状態をDとして記憶する。なお、
図16、
図17においては、時刻t12以前の状態A~Cも参考として示している。
【0142】
その後、制御部2は、モータ3を正回転させ(t13)、YMCクラッチ140AをONにする(t14)ことで、カム150を正回転させる。そして、制御部2は、カム150が所定角度、正回転した後、第1スリット154Aが離間センサ4Cに到達して離間センサ4CがONとなってから所定時間T2が経過したときに、YMCクラッチ140AをOFFにする(t15)。そして、制御部2は、モータ3を停止する(t16)。これにより
図24(b)に示すように、接触部172は、第2保持面F2に位置し、スライド軸部171が突出位置に位置することで、現像ローラ61は離間位置に位置する。また、レバー160は、第2レバー162がサンギヤ121の爪部121Cに係合し、第1レバー161の先端部が第2カム部153から右側へ離れた状態となっている。これにより、電源がONにされ、カバー11が閉じられたときのイニシャライズ動作が完了し、カム150が初期位置に位置する。
【0143】
図16を参照して説明したイニシャライズ動作の例では、カバー11を閉じて、カム150が逆回転し始めた後、最初に第2スリット154Bが離間センサ4Cを通過した場合について説明した。しかし、
図17に示すように、カム150が逆回転し始めた後、最初に第1スリット154Aが離間センサ4Cを通過した場合(t4~t5)には、その後、さらに、第2スリット154Bが離間センサ4Cを通過し(t6~t7)、第1スリット154Aが離間センサ4Cを通過した(t9~t10)後、所定時間T1が経過したときに、カム150を停止させる(t11)。そして、カム150を正回転させ(t14)、離間センサ4CがONとなってから所定時間T2が経過したときに、YMCクラッチ140AをOFFにする(t15)。このようにして、
図16の場合と同様にして、カム150を初期位置で停止させることができる。
【0144】
次に、
図25を参照して、画像形成をする場合の制御部2の制御および各部材の動作について説明する。
図25では、一番上のイエローの第1現像ローラ61Yの動作のタイミングチャートに重ねて、線種を変えてマゼンタ、シアンおよびブラックの第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cおよび第4現像ローラ61Kの動作を示している。
【0145】
カラー印刷の処理をする場合、画像形成動作の前は、イニシャライズ動作が完了した状態であるので、すべての現像ローラ61が離間位置にある。
制御部2は、現像ローラ61を順次、接触位置にするため、まず、YMCクラッチ140AをONにするとともにKクラッチ140KをONにする(t0)。これにより、各カム150が正回転する(以下、画像形成動作の説明において単に「回転する」という。)。カム150Y,150M,150C,150Kが回転すると、すぐに、離間センサ4C,4KがOFFになる(t31)。そして、制御部2は、給紙ローラ23を所定時間動かして(t51)、シートSをピックアップして搬送を開始する。
【0146】
そして、制御部2は、シアンの離間センサ4CがOFF信号を出力したときから時間T11が経過したときに、YMCクラッチ140AをOFFにして(t32)、カム150Y,150M,150Cを一時停止させる。この時間T11は、一時停止タイミングにおいて、イエローのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Yの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。
【0147】
次に、制御部2は、レジ前センサ28BがON信号を出力したとき(t53、シートSの先端がレジ前センサ28Bを通過したとき)から時間T12が経過したときに、YMCクラッチ140AをONにして(t33)、カム150Y,150M,150Cの回転を再開させる。この時間T12は、第1現像ローラ61Yによる第1感光ドラム50Yの現像が、搬送されてきたシートSへのトナー像の転写に間に合うような時間に設定されている。
【0148】
また、制御部2は、ブラックの離間センサ4KがOFF信号を出力したときから時間T21が経過したときに、Kクラッチ140KをOFFにして(t42)、カム150Kを一時停止させる。この時間T21は、一時停止タイミングにおいて、ブラックのカムフォロワ170の接触部172が、カム150Kの第2保持面F2のうち、最も第2案内面F4に近い位置に位置するような時間に設定されている。
【0149】
また、制御部2は、レジ後センサ28CがON信号を出力したとき(t54、シートSの先端がレジ後センサ28Cを通過したとき)から時間T22が経過したときに、Kクラッチ140KをONにして(t43)、カム150Kを回転させる。時間T22は、第4現像ローラ61Kによる第4感光ドラム50Kの現像が、搬送されてきたシートSへのトナー像の転写に間に合うような時間に設定されている。
【0150】
次に、制御部2は、シアンの離間センサ4CがON信号を出力したとき(t34)から時間T13が経過したときに、YMCクラッチ140AをOFFにして(t35)、カム150Y,150M,150Cを停止させる。この時間T13は、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61Mおよび第3現像ローラ61Cのすべてが接触位置に位置するような時間であり、また、第2スリット154Bの円周方向における中央を離間センサ4Cの発光素子の光が通過する位置でカム150Y,150M,150Cが停止するような時間に設定されている。
【0151】
次に、制御部2は、ブラックの離間センサ4KがON信号を出力したとき(t36)から時間T23が経過したときに、Kクラッチ140KをOFFにして(t44)、カム150Kを停止させる。この時間T23は、第4現像ローラ61Kが接触位置に位置するような時間であり、また、第2スリット154Bの円周方向における中央を離間センサ4Kの発光素子の光が通過する位置でカム150Kが停止するような時間に設定されている。
【0152】
次に、制御部2は、レジ後センサ28CがOFF信号を出力したとき(t57、シートSの後端がレジ後センサ28Cを通過したとき)から時間T14が経過したときに、YMCクラッチ140AをONにして(t37)、カム150Y,150M,150Cを回転させ、第1現像ローラ61Y、第2現像ローラ61M、第3現像ローラ61Cを順次離間させ始める。時間T14は、第1現像ローラ61Yにより第1感光ドラム50Yの現像が完了し、さらに、第1感光ドラム50YからシートSへの転写が終わった直後に第1現像ローラ61Yが離間位置に移動することができるような時間に設定されている。
【0153】
次に、制御部2は、レジ後センサ28CがOFF信号を出力したとき(t57)から時間T24が経過したときに、Kクラッチ140KをONにして(t45)、カム150Kを回転させる。時間T24は、第4現像ローラ61Kにより第4感光ドラム50Kに現像が完了し、さらに、第4感光ドラム50KからシートSへの転写が終わった直後に第4現像ローラ61Kが離間位置に移動することができるような時間に設定されている。
【0154】
次に、制御部2は、シアンの離間センサ4CがOFF信号を出力したとき(t38)から時間T15が経過したときに、YMCクラッチ140AをOFFにして(t40)、カム150Y,150M,150Cを停止させる。時間T15は、第1スリット154Aの円周方向における中央を離間センサ4Cの発光素子の光が通過できるような位置でカム150Y,150M,150Cが停止する時間に設定されている。
【0155】
次に、制御部2は、シアンの離間センサ4CがOFF信号を出力したとき(t39)から時間T25が経過したときに、Kクラッチ140KをOFFにして(t46)、カム155Kを停止させる。時間T25は、第1スリット154Aの円周方向における中央を離間センサ4Kの発光素子の光が通過できるような位置でカム150Kが停止する時間に設定されている。
【0156】
以上のような画像形成時の動作により、現像中は、第2スリット154Bの円周方向における中央を離間センサ4C,4Kの発光素子の光が通過するような位置で各カム150が停止するので、各現像ローラ61が確実に接触位置にある状態を維持することができる。
【0157】
以上のような本実施形態によれば、カバー11を閉鎖位置から開放位置に移動させると、リリース係合部182Aがカムフォロワ170のアーム173に接触してカムフォロワ170を非作動位置へ回動させる。カムフォロワ170は、非作動位置にある場合には、接触部172が第1カム部152に案内されないため、カム150の回転とは無関係に待機位置に維持される。したがって、カバー11を開けた場合には、カム150が待機位置に位置するので、ドロワ90のサイドフレーム91Lとカムフォロワ170の干渉を抑制することができる。
【0158】
そして、カム150は、現像ローラ61を動かすための第1カム部152が円板部151の一方の面である第1面151Aから突出し、位相検出壁154は、同じ第1面151Aから突出する。このため、第1カム部152と位相検出壁154を設けるためにカム150の軸方向の大きさを大きくする必要がない。すなわち、現像ローラ61が感光ドラム50に接触する状態と、感光ドラム50から離間する状態とを検知可能なカム150をコンパクトに構成して、画像形成装置1の小型化を図ることが可能である。
【0159】
特に、位相検出壁154は、第1カム部152の内周面152Sの内側の空間に配置されているので、カム150をコンパクトに構成することができる。
【0160】
また、制御部2は、カム150を、逆回転させてイニシャライズ動作をさせ、発光素子が発する光が第1スリット154Aまたは第2スリット154Bを通った時間に基づき第1スリット154Aを検出した後、カム150を停止させるので、イニシャライズ動作を短い時間で実行するとともに、正確な位相でカム150を停止させることができる。
【0161】
さらに、制御部2は、発光素子が発する光が第1スリット154Aを通る位置でカム150を停止させるので、現像ローラ61が離間位置にある確実性を高くした状態で、イニシャライズ動作を完了させることができる。
【0162】
また、制御部2は、シートSに画像を形成する場合において、発光素子が発する光が第2スリット154Bを通る位置でカム150を停止させるので、発光素子が発する光が第2スリット154Bを通過しない位相でカム150を停止させる場合よりも、現像ローラ61が感光ドラム50に接触している確実性を高くした状態で画像形成の動作を行うことができる。
【0163】
そして、本実施形態では、1つの第1バネ176によりカムフォロワ170を突出位置から待機位置へ向けて付勢するとともに、非作動位置から作動位置へ向けて付勢することができるので、部品点数の削減を図ることができる。
【0164】
また、本実施形態では、カバー11が開放位置から閉鎖位置に移動したときに、カムフォロワ170が非作動位置に位置していたとしても、ストッパ183は、アーム173に押されることにより揺動し、カムフォロワ170の非作動位置から作動位置に向けての回動を許容する。このため、カムフォロワ170が作動位置に戻ることができる。
【0165】
また、本実施形態では、レバー160を第1レバー161と第2レバー162を組み合わせる構成として、第1レバー161が第2レバー162に対して揺動できる構成となっている。このため、モータ3が逆回転した場合に、レバー160に無理な力が掛からないようにすることができる。
【0166】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
【0167】
前記実施形態では、第2スリット154Bの円周方向の大きさが、第1スリット154Aの円周方向の大きさより大きかったが、第2スリット154Bの円周方向の大きさが、第1スリット154Aの円周方向の大きさより小さくても構わない。
【0168】
また、前記実施形態においては、位相検出壁154は、円周方向の大きさが異なる2つのスリットを有していたが、円周方向の大きさが異なる3つ以上のスリットを有していてもよい。
【0169】
前記実施形態では、制御部2は、
図14のステップS151の後に、カム150の状態を記憶していたが、ステップS140でカウント2がしきい値より大きいか否かを判定した直後にカム150の状態を記憶してもよい。
【0170】
前記実施形態において、側壁に設けられた第2開口は、上方に開いた凹部または切欠き形状であったが、第2開口は、側壁に設けられた貫通孔であってもよい。
【0171】
また、前記実施形態においては、4色のトナーを用いてカラー画像を印刷する画像形成装置1を例示したが、画像形成装置は、モノクロ印刷しかできないものであってもよいし、3色や5色のトナーを用いてカラー画像を印刷する装置であってもよい。
【0172】
また、画像形成装置は、複合機やコピー機であってもよい。
【0173】
さらに、前記した各実施形態及び変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 画像形成装置
2 制御部
3 モータ
4C,4K 離間センサ
30 画像形成部
40 露光装置
50 感光ドラム
60 現像カートリッジ
61 現像ローラ
80 定着器
90 ドロワ
100 駆動伝達機構
100C 駆動制御ギヤ列
100D 駆動伝達ギヤ列
120 クラッチ
140A YMCクラッチ
140K Kクラッチ
150 カム
151 円板部
151A 第1面
151B 第2面
152 第1カム部
152S 内周面
153 第2カム部
154 位相検出壁
154A 第1スリット
154B 第2スリット
160 レバー
170 カムフォロワ
180 リリース部材