(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】密閉型圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04C 29/00 20060101AFI20241001BHJP
F04C 29/12 20060101ALI20241001BHJP
F04B 39/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
F04C29/00 B
F04C29/12 C
F04B39/00 102P
(21)【出願番号】P 2023533574
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2022026143
(87)【国際公開番号】W WO2023282163
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2021112422
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 浩志
(72)【発明者】
【氏名】上田 健史
(72)【発明者】
【氏名】多田 直人
(72)【発明者】
【氏名】秋本 諒
(72)【発明者】
【氏名】安井 達也
(72)【発明者】
【氏名】森田 雄大
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202117925(CN,U)
【文献】特開2001-132674(JP,A)
【文献】特開2019-183721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 29/00
F04C 29/12
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒の吐出管及び吸入管が設けられた縦置き筒状の圧縮機本体容器と、前記吸入管に接続されるアキュムレータ容器と、前記圧縮機本体容器内に配置されて前記アキュムレータ容器から前記吸入管を介して吸入した冷媒を圧縮して前記吐出管から吐出する圧縮部と、前記圧縮機本体容器内に配置されて前記圧縮部を駆動するモータと、を備える密閉型圧縮機であって、
開口側が前記圧縮機本体容器に接合されたカップ状のアキュムレータシェルを有する前記アキュムレータ容器と、
前記圧縮機本体容器及び前記アキュムレータ容器を支持する脚部材と、
前記脚部材を支持する弾性体と、
を備
え、
前記脚部材は、前記アキュムレータ容器の内部の冷媒によって霜が生じ得る領域から離れて固定されるように、前記圧縮機本体容器の外周面に接合されている、密閉型圧縮機。
【請求項2】
前記アキュムレータシェルの外周面には、前記アキュムレータ容器の内部の冷媒によって霜が生じ得る、
請求項1に記載の密閉型圧縮機。
【請求項3】
前記圧縮機本体容器は、円筒状のメインシェルと、前記メインシェルの下端に接合されたボトムシェルと、を有し、
前記圧縮機本体容器の前記ボトムシェルは、前記アキュムレータシェルの前記開口側に差し込まれて配置され、
前記アキュムレータシェルの前記開口側は、前記圧縮機本体容器の前記ボトムシェルに接合されている、
請求項1に記載の密閉型圧縮機。
【請求項4】
前記脚部材は、前記メインシェルの外周面に接合されている、
請求項
3に記載の密閉型圧縮機。
【請求項5】
複数の前記脚部材が、前記圧縮機本体容器の周方向に対して等間隔に配置されている、
請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
【請求項6】
前記脚部材は、前記メインシェルの外周面に固定される固定部と、前記弾性体が取り付けられる支持部と、を有し、
前記固定部は、鉛直方向に沿って延び、
前記支持部は、水平方向に沿って延びる、
請求項
4に記載の密閉型圧縮機。
【請求項7】
前記弾性体は、前記メインシェルの径方向において前記メインシェルの外周面よりも外側に、前記メインシェルとは離間して配置されている、
請求項
6に記載の密閉型圧縮機。
【請求項8】
前記アキュムレータ容器の外周面の少なくとも一部を覆う断熱部材を
更に備え、
前記断熱部材は、前記アキュムレータシェルの前記外周面の全周を覆って当該外周面に内面が接するカップ状に形成されている、
請求項
3に記載の密閉型圧縮機。
【請求項9】
前記アキュムレータ容器の内部から気体冷媒を送る気液分離管と、前記圧縮部が前記気体冷媒を吸入するための圧縮部吸入管と、前記気液分離管と前記圧縮部吸入管とを前記アキュムレータ容器の外部で接続する連結管と、前記アキュムレータ容器の外周面の少なくとも一部を覆う断熱部材と、を更に備え、
前記断熱部材は、前記気液分離管と前記連結管との接続部を少なくとも覆う第1管状部を有し、
前記第1管状部は、前記気液分離管の外周面及び前記連結管の外周面に接するように形成されている、
請求項3に記載の密閉型圧縮機。
【請求項10】
前記第1管状部は、前記圧縮部吸入管から離れて設けられている、
請求項9に記載の密閉型圧縮機。
【請求項11】
冷媒の吐出管及び吸入管が設けられた縦置き筒状の圧縮機本体容器と、前記吸入管に接続されるアキュムレータ容器と、前記圧縮機本体容器内に配置されて前記アキュムレータ容器から前記吸入管を介して吸入した冷媒を圧縮して前記吐出管から吐出する圧縮部と、前記圧縮機本体容器内に配置されて前記圧縮部を駆動するモータと、を備える密閉型圧縮機であって、
前記アキュムレータ容器は、開口側が前記圧縮機本体容器に接合されたカップ状のアキュムレータシェルと、前記アキュムレータシェルの内部に接合され、当該内部を断熱部とアキュムレータ部とに仕切る仕切り部材と、を有し、
前記断熱部は、前記仕切り部材と前記圧縮機本体容器との間に形成された断熱空間を有し、
前記圧縮機本体容器及び前記アキュムレータ容器を支持する脚部材が、
前記アキュムレータ容器の内部の冷媒によって霜が生じ得る領域から離れて固定されるように、前記アキュムレータシェルの外周面に
おいて前記アキュムレータシェルを挟んで前記断熱
空間と隣り合う位置に接合され、
前記脚部材を支持する弾性体が、前記脚部材に取り付けられている、密閉型圧縮機。
【請求項12】
前記アキュムレータシェルの外周面には、前記アキュムレータ容器の内部の冷媒によって霜が生じ得る、
請求項11に記載の密閉型圧縮機。
【請求項13】
前記断熱空間は、前記圧縮機本体容器の上下方向から見たときに前記アキュムレータシェルの内部の断面全域にわたって形成されている、
請求項12に記載の密閉型圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルを利用した冷凍機または空調機において冷媒を圧縮搬送する密閉型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
密閉型圧縮機としては、縦型円筒状の圧縮機本体容器の内部に圧縮部と圧縮部を駆動するモータを収容し、前記圧縮機本体容器の下部に、冷媒を気体冷媒と液体冷媒とに分離(以下、冷媒の気液を分離と称する。)して気体冷媒だけを圧縮部に吸入させるためのアキュムレータ容器が設けられた圧縮機が知られている。
【0003】
特許文献1の圧縮機は圧縮部がロータリ式の圧縮機であり、前記圧縮部に吸入される冷媒の気液を分離するアキュムレータ容器が、圧縮機本体容器とは独立した容器で構成されて、圧縮機本体容器の下方に配置されており、ブラケットを用いて圧縮機本体容器とアキュムレータ容器とが接続されている。
特許文献2の圧縮機は圧縮部がスクロール式の圧縮機であり、圧縮部と圧縮部を駆動するモータとを収容する圧縮機本体容器の下部にアキュムレータ容器が直接的に接合されている。
特許文献3の圧縮機は、密閉容器の内部を圧力仕切壁で区画し、圧力仕切壁の上部を圧縮部及びモータが収容される圧縮機本体容器とし、圧力仕切壁の下部をアキュムレータ容器としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-109283号公報
【文献】特開平3-202682号公報
【文献】特開平6-66258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1、2、3のように圧縮機本体容器における底部にアキュムレータ容器が接合された圧縮機において、圧縮機の製造コストを抑制するとともに、圧縮機本体容器からアキュムレータ容器への冷媒漏れを防止し、信頼性の高い密閉型圧縮機を実現するために、アキュムレータ容器を、圧縮機本体容器に直接的に溶接する構造が考えられている。このような構造の場合にも、圧縮機の振動を吸収して振動を抑えるために、アキュムレータ容器における底部にベース部材が取り付けられ、ベース部材に設けられた弾性体が設置箇所に載置されることで、ベース部材及び弾性体によってアキュムレータ容器及び圧縮機本体容器が支持される構造が考えられる。
【0006】
しかし、この構造の場合、圧縮機の運転時にアキュムレータ容器が内部のガス冷媒によって低温になり、アキュムレータ容器のアキュムレータシェルに取り付けられたベース部材が凍結することがある。このとき、ベース部材の凍結に伴って弾性体が冷却されることで、弾性体が劣化し、弾性が低下する問題がある。その結果、弾性が低下した弾性体によって圧縮機の振動を適正に吸収して振動を十分に抑えられなくなる。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、低温になるアキュムレータシェルによって弾性体が冷却されることを抑えられる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する密閉型圧縮機の一態様は、冷媒の吐出管及び吸入管が設けられた縦置き筒状の圧縮機本体容器と、吸入管に接続されるアキュムレータ容器と、圧縮機本体容器内に配置されてアキュムレータ容器から吸入管を介して吸入した冷媒を圧縮して吐出管から吐出する圧縮部と、圧縮機本体容器内に配置されて圧縮部を駆動するモータと、を備える密閉型圧縮機であって、開口側が圧縮機本体容器に接合されたカップ状のアキュムレータシェルを有するアキュムレータ容器と、圧縮機本体容器及びアキュムレータ容器を支持する脚部材と、脚部材を支持する弾性体と、を備える。脚部材は、アキュムレータ容器の内部の冷媒によって霜が生じ得る領域から離れて固定されるように、圧縮機本体容器の外周面に接合されている。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する密閉型圧縮機の一態様によれば、低温になるアキュムレータ容器によって弾性体が冷却されることを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施例のロータリ圧縮を示す縦断面図である。
【
図2】
図2は、実施例のロータリ圧縮機の圧縮部を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施例のロータリ圧縮機を示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施例のロータリ圧縮機を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施例のロータリ圧縮機が脚部材及び弾性体によって支持された状態を示すの側面図である。
【
図6】
図6は、変形例1のロータリ圧縮機を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、変形例1の要部を示す縦断面図である。
【
図8】
図8は、変形例2の要部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する密閉型圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する密閉型圧縮機が限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
(ロータリ圧縮機の構成)
本実施例では、圧縮機の一例として、ロータリ圧縮機について説明する。
図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。
図2は、実施例のロータリ圧縮機の圧縮部を示す分解斜視図である。
【0013】
図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、圧縮機本体容器10の内部に、圧縮部吸入管102から冷媒を吸入して圧縮した冷媒を圧縮機本体容器10の内部に吐出する圧縮部12と、圧縮部12を駆動するモータ11と、が収容され、圧縮部12で圧縮された高圧冷媒を圧縮機本体容器10の内部に吐出し、さらに吐出管107を通して冷凍サイクルに吐出する内部高圧型の密閉型圧縮機である。
【0014】
圧縮機本体容器10は、縦型円筒状のメインシェル10aと、カップ状のトップシェル10bと、カップ状のボトムシェル10cと、を有し、メインシェル10aの上端部にトップシェル10bの開口側10gが第1の溶接部Vで溶接によって固定され、メインシェル10aの下端部にボトムシェル10cの開口側10dが第2の溶接部Wで溶接によって固定されることにより構成されている。
【0015】
冷凍サイクルの低圧冷媒を圧縮部12に吸入するための圧縮部吸入管102がメインシェル10aを貫通して設けられている。詳しくは、メインシェル10aにガイド管101がろう付けによって固定され、圧縮部吸入管102はガイド管101の内側を通ってガイド管101にろう付けによって固定されている。
【0016】
圧縮部12で圧縮された高圧冷媒を圧縮機本体容器10の内部から冷凍サイクルに吐出するための吐出管107がトップシェル10bを貫通して設けられている。吐出管107はトップシェル10bに直接ろう付けによって固定されている。
【0017】
圧縮機本体容器10の下方には、冷凍サイクルから吸入される低圧冷媒の気液を分離して気体冷媒だけを圧縮部12に吸入させるためのアキュムレータ容器25が設けられている。詳しくは、圧縮機本体容器10におけるメインシェル10aとボトムシェル10cの第2の溶接部Wよりも下方の位置で、カップ状のアキュムレータシェル26の開口側26aをボトムシェル10cの反開口側10eに第3の溶接部Xで溶接によって固定してアキュムレータシェル26の内部が密閉されることによりアキュムレータ容器25が形成されている。
【0018】
アキュムレータシェル26には、アキュムレータ容器25の内部に冷凍サイクルから冷媒を吸入するアキュムレータ吸入管27と、アキュムレータ内部から気体冷媒を送る気液分離管31と、がそれぞれアキュムレータシェル26を貫通してアキュムレータシェル26にろう付けによって固定されている。
【0019】
気液分離管31はアキュムレータ容器25の外部で連絡管104を介して圧縮部吸入管102に接続されている。
【0020】
アキュムレータシェル26の下部には、圧縮機全体を支持するベース部材310が溶接によって固定されている。
【0021】
圧縮部12は、シリンダ121と、上端板160Tと、下端板160Sと、回転軸15を有し、上端板160T、シリンダ121、下端板160Sは順に積層され複数のボルト175により固定されている。上端板160Tには主軸受部161Tが設けられている。下端板160Sには副軸受部161Sが設けられている。回転軸15には主軸部153と偏心部152と副軸部151と、が設けられている。回転軸15の主軸部153が上端板160Tの主軸受部161Tに篏合し、回転軸15の副軸部151が下端板160Sの副軸受部161Sに篏合することにより、回転軸15は回転自在に支持される。
【0022】
モータ11は、外側に配置されたステータ111と、内側に配置されたロータ112と、を有している。ステータ111は、メインシェル10aの内周面に焼嵌めによって固定されている。ロータ112は、回転軸15に焼嵌めによって固定されている。
【0023】
圧縮機本体容器10の内部には、圧縮部12の摺動部材の潤滑および圧縮室内の高圧部と低圧部とのシールのために、圧縮部12がほぼ浸漬する量の潤滑油18が封入されている。
【0024】
次に、
図2によって圧縮部12を詳しく説明する。
シリンダ121には内部に円筒状の中空部130が設けられ、中空部130にはピストン125が配置されている。ピストン125は回転軸15の偏心部152に篏合している。シリンダ121には中空部130から外向きに設けられた溝部が設けられ、溝部にはベーン127が配置されている。シリンダ121には外周から溝部に通じるスプリング穴124が設けられ、スプリング穴124にはスプリング126が配置されている。ベーン127の一端がスプリング126によってピストン125に押し当てられることにより、シリンダ121の中空部130においてピストン125の外側の空間が吸入室133と吐出室131に区画される。シリンダ121には、外周から吸入室133に連通する吸入穴135が設けられている。吸入穴135には圧縮部吸入管102が接続される。上端板160Tには、上端板160Tを貫通して吐出室131に連通する吐出穴190が設けられている。上端板160Tには、吐出穴190を開閉する吐出弁200と、吐出弁200の反りを規制する吐出弁押さえ201と、がリベット202によって固定されている。上端板160Tの上側には、吐出穴190を覆う上端板カバー170が配置され、上端板160Tと上端板カバー170とで閉塞される上端板カバー室180を形成する。上端板カバー170は、上端板160Tとシリンダ121とを固定する複数のボルト175によって上端板160Tに固定される。上端板カバー170には、上端板カバー室180と圧縮機本体容器10の内部を連通する上端板カバー吐出穴172が設けられている。
【0025】
以下に、回転軸15の回転による吸入冷媒の流れを説明する。
回転軸15の回転によって、回転軸15の偏心部152に嵌合されたピストン125が公転運動することにより、吸入室133が容積を拡大しながら冷媒を吸入する。冷媒の吸入経路として、冷凍サイクルの低圧冷媒は、アキュムレータ吸入管27を通してアキュムレータ容器25の内部に吸入され、アキュムレータ容器25に吸入された冷媒に液が混ざっていた場合にはアキュムレータ容器25内の下部に滞留し、気体冷媒だけがアキュムレータ容器25の内部の上方に開口した気液分離管31に吸入される。気液分離管31に吸入された気体冷媒は、連絡管104と圧縮部吸入管102とを通って吸入室133に吸入される。冷凍サイクルから吸入される冷媒のうち液冷媒の量が多い場合は、アキュムレータ容器25の内部において液冷媒の液面が気液分離管31の開口端31bよりも上昇して多量の液冷媒が気液分離管31に流れ込む可能性がある。気液分離管31を通して圧縮部12に多量の液冷媒が流れ込むと圧縮部12を損傷させる原因となる。気液分離管31に多量の液冷媒が流れ込むことを防止するため、気液分離管31には液冷媒を少量ずつ気液分離管31に吸入させるための液戻し穴34が設けられている。
【0026】
次に、回転軸15の回転による吐出冷媒の流れを説明する。
回転軸15の回転によって、回転軸15の偏心部152に嵌合されたピストン125が公転運動することにより、吐出室131が容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が吐出弁200の外側の上端板カバー室180の圧力よりも高くなると、吐出弁200が開いて吐出室131から上端板カバー室180へ冷媒を吐出する。上端板カバー室180に吐出された冷媒は、上端板カバー170に設けられた上端板カバー吐出穴172から圧縮機本体容器10内に吐出される。
【0027】
圧縮機本体容器10内に吐出された冷媒は、ステータ111外周に設けられた上下を連通する切欠き(図示せず)、又はステータ111の巻線部の隙間(図示せず)、又はステータ111とロータ112との隙間115(
図1参照)を通ってモータ11の上方に導かれ、トップシェル10bに設けられた吐出管107から冷凍サイクルに吐出される。
【0028】
次に、潤滑油18の流れを説明する。
圧縮機本体容器10内の下部に封入されている潤滑油18は、回転軸の遠心力により回転軸の内部(図示せず)を通って圧縮部12に供給される。圧縮部12に供給された潤滑油18は、冷媒に巻き込まれ霧状となって冷媒とともに圧縮機本体容器10の内部に排出される。霧状となって圧縮機本体容器10の内部に排出された潤滑油18はモータ11の回転力によって遠心力で冷媒と分離され、油滴となって再び圧縮機本体容器10内の下部に戻る。しかしながら一部の潤滑油18は分離されずに冷媒とともに冷凍サイクルに排出される。冷凍サイクルに排出された潤滑油18は冷凍サイクルを循環してアキュムレータ容器25に戻り、アキュムレータ容器25の内部で分離されアキュムレータ容器25内の下部に滞留する。アキュムレータ容器25内の下部に滞留した潤滑油18は液冷媒とともに液戻し穴34を通って少量ずつ気液分離管31に流入し、吸入冷媒とともに吸入室133に吸入される。
【0029】
(ロータリ圧縮機の特徴的な構成)
次に、実施例のロータリ圧縮機1の特徴について説明する。本実施例における特徴には、
図1に示すように、脚部材309及び弾性体311を有するロータリ圧縮機1の支持構造が含まれる。
図3は、実施例のロータリ圧縮機を示す平面図である。
図4は、実施例のロータリ圧縮機を示す斜視図である。
図5は、実施例のロータリ圧縮機1が脚部材309及び弾性体311によって支持された状態を示す側面図である。
【0030】
図1、
図3及び
図4に示すように、ロータリ圧縮機1は、圧縮機本体容器10及びアキュムレータ容器25を支持する3つの脚部材309を備える。脚部材309は、金属板がL字状に折り曲げられて形成されている。脚部材309は、圧縮機本体容器10のメインシェル10aにおけるボトムシェル10c側である下端部の外周面に、第4の溶接部Yによって接合されている。このため、メインシェル10aの外周面に接合された脚部材309は、圧縮機本体容器10の外周面に固定されている。
【0031】
なお、本願が開示する密閉型圧縮機は、脚部材309が圧縮機本体容器10のメインシェルに接合される構造に限定されるものではなく、図示しないが、脚部材309がアキュムレータシェル26の開口側26aの外周面に第4の溶接部Yによって接合されてもよい。ここで、アキュムレータシェル26の開口側26aは、上述したように圧縮機本体容器10のボトムシェル10cの開口側10dの周壁の外周面に接合されている。したがって、アキュムレータシェル26の開口側26aの外周面に接合された脚部材309は、圧縮機本体容器10の外周面に固定されている。言い換えると、本願の開示において、脚部材309が圧縮機本体容器10の外周面に固定される構造には、脚部材309がアキュムレータシェル26の開口側26aの外周面に接合される構造と、脚部材309が圧縮機本体容器10のメインシェル10aの外周面やボトムシェル10cの外周面に接合される構造が含まれる。
【0032】
脚部材309は、
図3及び
図4に示すように、断面形状がL字状に形成されており、圧縮機本体容器10のメインシェル10aに固定される固定部としての固定片309aと、弾性体311が取り付けられる支持部としての支持片309bと、を有する。脚部材309の固定片309aは、鉛直方向であるメインシェル10aの上下方向に沿って延びており、第4の溶接部Yによってメインシェル10aの下端部の外周面に接合されている。支持片309bには、水平方向であるメインシェル10aの径方向に沿って延びており、弾性体311が嵌め込まれる取付け穴309cが形成されている。脚部材309の支持片309bに取り付けられた弾性体311は、メインシェル10aの径方向においてメインシェル10aの外周面よりも外側となる位置に、メインシェル10aとは離間して配置されることで、弾性体311がアキュムレータシェル26に接触しないように離れて配置されている。支持片309bに取り付けられた弾性体311は、後述するベース部材310によって下方から支持される。
【0033】
弾性体311がメインシェル10aの外周面から離されることで、メインシェル10aに接合されたアキュムレータ容器25から弾性体311が遠ざけて配置され、アキュムレータシェル26の外周面には弾性体311が接触しない。これにより、アキュムレータ容器25の周囲に生じた霜が弾性体311に直接付着してしまうのを防止でき弾性体311が凍結することを抑えることができる。
【0034】
また、このように脚部材309が圧縮機本体容器10のメインシェル10aに接合されることで、低温になるアキュムレータシェル26から離されると共に高温になるメインシェル10aに接して配置されることになる。このため、脚部材309は、アキュムレータシェル26側に固定される構造と比べて、内部がガス冷媒で低温になるアキュムレータ容器25によって脚部材309が冷却され難くなり、脚部材309が凍結することが効果的に抑えられる。したがって、低温のアキュムレータシェル26によって脚部材309を介して弾性体311が冷却されることが抑えられるので、弾性体311が有する弾性の低下が抑えられ、弾性体311によってロータリ圧縮機1の振動を安定的に吸収することで振動を抑制できる。
【0035】
また、
図3に示すように、3つの脚部材309は、圧縮機本体容器10のメインシェル10aの周方向に対して等間隔に配置されている。これにより、3つの脚部材309を用いた簡素な構造で、ロータリ圧縮機1全体が安定的に支持されて、各弾性体311によってロータリ圧縮機1の振動を吸収して振動を抑えられる。なお、脚部材309の個数や形状は、本実施例に限定されない。
【0036】
なお、実施例のロータリ圧縮機1は、金属製の脚部材309及びゴム製の弾性体311を備えるが、脚部材309及び弾性体311の材料は限定されない。例えば、脚部材309の少なくとも一部が、熱伝導性が低い樹脂材料等で形成されてもよい。
【0037】
図5に示すように、ロータリ圧縮機1は、ロータリ圧縮機1の取り付け位置に載置されるベース部材310を備えており、各脚部材309の支持片309bが、弾性体311を介してベース部材310に支持される。ベース部材310は、例えば、金属材料によって形成されており、各脚部材309に取り付けられた弾性体311を支持する柱状の支持部310aを有する。なお、ロータリ圧縮機1は、ベース部材310を備える構造に限定されるものでなく、脚部材309に設けられた弾性体311が設置箇所に直接載置されてもよい。
【0038】
支持部310aの上端部には、弾性体311に通された固定ねじ(図示せず)がねじ止めされることで、弾性体311が固定されている。支持部310aの下端部は、室外機の底板330にねじ止めされて固定されている。ベース部材310は、弾性体311を介して各脚部材309を支持することで、圧縮機本体容器10及びアキュムレータシェル26を支持する。ベース部材310は、アキュムレータシェル26の開口側26aとは反対側(以下、アキュムレータシェル26の反開口側と称する。)26bが底板330に接触しないように支持しており、弾性体311によってロータリ圧縮機1の振動が吸収されて振動が抑制される。
【0039】
なお、図示しないが、脚部材309は、ベース部材310と一体に形成されてもよい。
【0040】
また、本実施例では、脚部材309が圧縮機本体容器10のメインシェル10aの外周面に第4の溶接部Yによって接合されたが、図示しないが、圧縮機本体容器10のボトムシェル10cに接合されてもよい。内部が低温になるアキュムレータシェル26によって脚部材309が冷却されることを避ける観点では、内部が高温になる圧縮機本体容器10に脚部材309が接合される構造が好ましい。また、脚部材309は、図示しないが、圧縮機本体容器10のメインシェル10aと、アキュムレータシェル26の開口側26aとに跨るように第4の溶接部Yによって接合されてもよく、脚部材309によって圧縮機本体容器10のメインシェル10aとアキュムレータシェル26との連結状態の機械的強度を補うこともできる。
【0041】
また、脚部材309が圧縮機本体容器10に接合される場合、脚部材309の接合位置は、メインシェル10aの下端部よりも上方でもよい。しかし、脚部材309やベース部材310が大型化することを避けると共に、脚部材309及び弾性体311によってロータリ圧縮機1の上下方向における下側を安定して支持する観点では、脚部材309が、圧縮機本体容器10のメインシェル10aの下端部やボトムシェル10c、またはアキュムレータシェル26の開口側26aに接合される構造が好ましい。
【0042】
また、詳細は後述するが(変形例2)、アキュムレータシェル26の内部には、圧縮機本体容器10のボトムシェル10cに隣り合う位置に、中空の内部空間を有する断熱部が設けられてもよい。断熱部は、例えば、アキュムレータシェル26の内部を仕切る仕切り部材を有しており、内部空間が、仕切り部材と圧縮機本体容器10のボトムシェル10cとアキュムレータシェル26の開口側26aとで塞がれて形成される。この場合、例えば、脚部材309は、アキュムレータシェル26の開口側26aにおいて断熱部に対向する位置に接合される。このような断熱部を有する構造によれば、圧縮機本体容器10のメインシェル10aの下端部や、アキュムレータシェル26の開口側26aに接合された脚部材309と、アキュムレータシェル26との間の熱伝達が断熱部によって妨げられるので、アキュムレータシェル26によって脚部材309が冷却されることを更に抑えることができる。また、断熱部の内部空間には、断熱材が設けられることによって断熱性が高められてもよい。
【0043】
(実施例の効果)
上述したように実施例のロータリ圧縮機1は、アキュムレータシェル26の開口側26aが圧縮機本体容器10に接合されたアキュムレータ容器25と、圧縮機本体容器10の外周面に固定されて圧縮機本体容器10及びアキュムレータ容器25を支持する脚部材309と、脚部材209を支持する弾性体311と、を備える。これにより、内部が高温になる圧縮機本体容器10に近づけて脚部材309が配置されるので、内部が冷媒ガスで低温になるアキュムレータシェル26によって脚部材309が冷却され難くなり、脚部材309が凍結することが抑えられる。このため、低温になるアキュムレータ容器25によって弾性体311が冷却されることが抑えられるので、弾性体311が有する弾性の低下を抑えられる。その結果、弾性体311によってロータリ圧縮機1の振動を安定的に吸収して振動を抑制できる。
【0044】
また、実施例のロータリ圧縮機1は、圧縮機本体容器10のボトムシェル10cが、アキュムレータシェル26の開口側26aに差し込まれて配置されており、アキュムレータシェル26の開口側26aが圧縮機本体容器10のボトムシェル10cに接合されている。これにより、既存の圧縮機本体容器10を利用し、圧縮機本体容器10のボトムシェル10cをアキュムレータシェル26の開口側26aに差し込むことによって容易に適用できると共に、アキュムレータ容器25を圧縮機本体容器10に取り付けるための取り付けバンド等の取り付け部材を省き、製造コストの増加を抑えることができる。また、アキュムレータ容器25が別部材を介して圧縮機本体容器10のボトムシェル10cに間接的に連結される構造と比較して、別部材が有する固有振動数に起因する騒音、振動を避けられる。
【0045】
また、実施例のロータリ圧縮機1は、圧縮機本体容器10の周方向に対して等間隔に配置された3つの脚部材309を備える。これにより、3つの脚部材309を用いた簡素な構造で、ロータリ圧縮機1全体が安定的に支持されて、各弾性体311によってロータリ圧縮機1の振動を抑えられる。
【0046】
また、実施例のロータリ圧縮機1において、脚部材309が圧縮機本体容器10に接合された場合には、脚部材309がアキュムレータシェル26の開口側26aに接合される構造と比べて、脚部材309が、低温になるアキュムレータシェル26から脚部材309から離されると共に高温になるメインシェル10aに接するので、アキュムレータシェル26によって脚部材309が更に冷却され難くなる。このため、弾性体311が有する弾性の低下を更に抑えられる。
【0047】
以下、変形例1、2について図面を参照して説明する。変形例1、2において、実施例と同一の構成部材には、実施例と同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
(変形例1)
変形例1は、アキュムレータ容器25を覆う断熱部材が設けられる点が実施例と異なる。
図6は、変形例1のロータリ圧縮機を示す斜視図である。
図7は、変形例1の要部を示す縦断面図である。
図6及び
図7に示すように、変形例1のロータリ圧縮機2は、アキュムレータ容器25のアキュムレータシェル26の外周面26cを覆う断熱部材320を有する。断熱部材320がアキュムレータシェル26の外周面26cを覆うことで、外周面26cとアキュムレータ容器25の周辺の空気との間の熱伝達が遮られる。従って、アキュムレータシェル26の外周面26cが低温になった場合であっても、アキュムレータシェル26の外周面26cを覆う断熱部材320によって、アキュムレータ容器25の周囲の空気が低温になるのを抑制することができるので、アキュムレータ容器25の周囲に霜(氷)が付着することが抑えられる。
【0049】
断熱部材320は、アキュムレータシェル26の反開口側(底面側)26bから外周面26cの全周を覆うカップ状に形成されている。断熱部材320は、連絡管104の下端部、連絡管104と気液分離管31の接続部を覆う第1管状部320aと、アキュムレータ吸入管27の下端部側を覆う第2管状部320bと、を有する。また、実施例と同様に変形例1においても、弾性体311が取り付けられる脚部材309がメインシェル10aの外周部に固定されている。断熱部材320は、第1管状部320aを有することで、アキュムレータ容器25から連絡管104の長手方向に沿って成長した霜がメインシェル10aの外周面を経て、脚部材309まで達し、弾性体311が凍結することを抑えられる。さらに、アキュムレータ容器25やアキュムレータ吸入管27、連絡管104の下端部に生じた霜が、室外機の底板330まで成長し、霜(氷)と他部品との干渉に伴う異常音や異常振動が発生することを抑制できる。
【0050】
なお、図示しないが、断熱部材320は、例えば、アキュムレータシェル26の上端側と下端側とを結ぶように形成された切り込み、連絡管104の長手方向に沿って第1管状部320aに形成された切り込み、アキュムレータ吸入管27の長手方向に沿って第2管状部320bに形成された切り込みを有する。断熱部材320は、各切り込みを通して、アキュムレータ容器25の外側を覆うように取り付けられる。また、断熱部材320は、例えば、接着剤や接着テープ等によってアキュムレータシェル26の外周面26cに固定される。
【0051】
上述のように断熱部材320が設けられることにより、アキュムレータ容器25の周囲に霜(氷)が付着することが抑えられるので、低温になるアキュムレータ容器25の周囲から成長した霜が脚部材309を通って弾性体311に付着することが防げる。なお、断熱部材320は、アキュムレータ容器25の外周面26cの少なくとも一部を覆うように設けられることにより、アキュムレータ容器25の周囲において断熱部材320によって覆われた部分に氷が付着することを抑える効果が得られる。
【0052】
変形例1によれば、アキュムレータ容器25を覆う断熱部材320を備えることで、実施例と比べて、内部が冷媒ガスで低温になるアキュムレータ容器25によって脚部材309が更に冷却され難くなり、弾性体311が凍結することが更に抑えられる。このため、弾性体311が有する弾性の低下を更に抑えられるので、弾性体311によってロータリ圧縮機2の振動を安定的に吸収して振動を抑制できる。
【0053】
(変形例2)
変形例2は、アキュムレータ容器25内に断熱部が設けられる点が、実施例及び変形例1と異なる。
図8は、変形例2の要部を示す縦断面図である。
図8に示すように、変形例2のロータリ圧縮機3のアキュムレータ容器25は、アキュムレータシェル26の内部に接合され、この内部を断熱部35とアキュムレータ部36とに仕切る仕切り部材48を有する。
【0054】
断熱部35は、アキュムレータ容器25と脚部材309との間の熱伝達を遮る中空の断熱空間35aを有しており、断熱空間35aが、仕切り部材48と圧縮機本体容器10のボトムシェル10cとの間に形成されている。言い換えると、断熱部35は、アキュムレータ容器25の内部において、アキュムレータ部36と、ボトムシェル10cの反開口側10eとの間に形成されている。
【0055】
仕切り部材48の外周部48aは、アキュムレータシェル26の内周面に第5の溶接部Zによって接合されている。第5の溶接部Zは、アキュムレータシェル26の内周面の周方向にわたって形成されている。したがって、アキュムレータシェル26内において冷媒が導入されるアキュムレータ部36は、アキュムレータシェル26と、圧縮機本体容器10のボトムシェル10cと、仕切り部材28とによって密閉されて形成されている。仕切り部材28の外周部48aは、アキュムレータシェル26の下方に向かうように湾曲される形状に限定されず、アキュムレータシェル26の上方に向かうように湾曲されてもよい。なお、第5の溶接部Zは、アキュムレータシェル26の周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の点状の溶接部によって形成されていてもよい。
【0056】
脚部材309は、アキュムレータシェル26の外周面26cの開口側(上端側)26aにおける断熱部35に隣接する位置に接合されており、脚部材309に取り付けられた弾性体311が、低温になるアキュムレータ部36によって冷却されることが断熱部35で抑えられる。
【0057】
また、脚部材309は、支持片309bが、固定片309aよりも上方に位置する向きで、アキュムレータシェル26の外周面26cにおける開口側26aに、第4の溶接部Yによって接合されている。これより、支持片309bに取り付けられる弾性体311は、アキュムレータ容器25から更に遠ざけられるので、アキュムレータ容器25の周囲に生じた霜が脚部材309を通って弾性体311に付着し、弾性体311が凍結することが抑えられる。
【0058】
図示しないが、変形例2においても脚部材309は、メインシェル10aの外周面の下端部に接合されてもよく、メインシェル10aとアキュムレータ部36との間に配置された断熱部35によって、低温になるアキュムレータ容器25のアキュムレータ部36によって弾性体311が冷却されることを更に抑えられる。
【0059】
変形例2によれば、アキュムレータ容器25の内部に断熱部35が設けられ、脚部材309がアキュムレータシェル26の外周面26cにおける断熱部35に隣接する位置に接合されることで、実施例と比べて、内部が冷媒ガスで低温になるアキュムレータ部36によって脚部材309が更に冷却され難くなり、弾性体311が凍結することが更に抑えられる。このため、弾性体311が有する弾性の低下を更に抑えられるので、弾性体311によってロータリ圧縮機3の振動を安定的に吸収して振動を抑制できる。なお、変形例2においても、変形例1のように、アキュムレータシェル26の外周面の少なくとも一部を覆う断熱部材320が設けられてもよく、弾性体311の凍結を抑える効果を高められる。
【0060】
また、断熱部35の断熱空間35aが、圧縮機本体容器10とアキュムレータ部36との間に形成されていることで、高温の圧縮機本体容器10と低温のアキュムレータ部36との間での相互の伝熱が抑えられ、ロータリ圧縮機3の圧縮効率の低下を抑制することができる。
【0061】
図示しないが、例えば、圧縮機本体容器10のメインシェル10aの外周面や、アキュムレータシェル26の開口側26aの外周面26cに接合される環状部材を備えて、各脚部材309が環状部材に接合されてもよい。この場合、各脚部材309と環状部材とが一体に形成されてもよい。また、図示しないが、脚部材309は、アキュムレータシェル26の開口側26aや、圧縮機本体容器10のメインシェル10aの下端部を折り曲げて形成されたフランジ部によって形成されてもよい。
【0062】
なお、本実施例のロータリ圧縮機は、1つのシリンダを有する、いわゆる1シリンダ型のロータリ圧縮機に限定されず、2つのシリンダを有する、いわゆる2シリンダ型のロータリ圧縮機に適用されてもよい。また、本実施例は、ロータリ圧縮機を一例として説明したが、例えば、スクロール圧縮機等の他の圧縮機に適用されてもよく、本実施例と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0063】
1、2、3 ロータリ圧縮機
10 圧縮機本体容器
10c ボトムシェル
11 モータ
12 圧縮部
25 アキュムレータ容器
26 アキュムレータシェル
26a 開口側
26c 外周面
35 断熱部
35a 断熱空間
36 アキュムレータ部
48 仕切り部材
102 圧縮部吸入管(吸入管)
107 吐出管
309 脚部材
309a 固定片(固定部)
309b 支持片(支持部)
310 ベース部材
311 弾性体
320 断熱部材