IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電工ハードメタル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図1
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図2
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図3
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図4
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図5
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図6
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図7
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図8
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図9
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図10
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図11
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図12
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図13
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図14
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図15
  • 特許-切削インサートおよび加工方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】切削インサートおよび加工方法
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/14 20060101AFI20241001BHJP
   B23B 27/20 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B23B27/14 C
B23B27/14 B
B23B27/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024506910
(86)(22)【出願日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 JP2023020257
【審査請求日】2024-02-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503212652
【氏名又は名称】住友電工ハードメタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】諸口 浩也
(72)【発明者】
【氏名】吉村 綾
(72)【発明者】
【氏名】松田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】久木野 暁
【審査官】中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-237438(JP,A)
【文献】国際公開第2016/190351(WO,A1)
【文献】特表2018-534159(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090770(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/087496(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/14
B23B 27/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削に関与する表面がcBN基焼結体、ダイヤモンド基焼結体、セラミックス、サーメット又は超硬合金から構成され、
すくい面と、逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面との稜線で構成される切れ刃とを含む切削インサートであって、
前記切れ刃は、
隅加工用の第1切れ刃部と、
低切込み引き加工用の第2切れ刃部と、
高切込み引き加工用の第3切れ刃部と、
仕上げ面加工用の第4切れ刃部と、
前記第1切れ刃部と前記第4切れ刃部とを繋ぐ第1接続切れ刃部と、
前記第2切れ刃部と前記第4切れ刃部とを繋ぐ第2接続切れ刃部と、
前記第2切れ刃部と前記第3切れ刃部とを繋ぐ第3接続切れ刃部と、を有し、
前記第4切れ刃部は、前記第1切れ刃部と前記第2切れ刃部との間に配置され、
前記第2切れ刃部は、前記第4切れ刃部と前記第3切れ刃部との間に配置され、
前記第1切れ刃部、前記第2切れ刃部および前記第4切れ刃部の各々は、湾曲形状を有し、
前記第1切れ刃部の曲率半径は、0.1mm以上2.4mm以下であり、
前記第2切れ刃部の曲率半径は、3mm以上であり、
前記第4切れ刃部の曲率半径は、3mm以上であり、
前記第3切れ刃部は、直線形状を有し、
前記第1接続切れ刃部、前記第2接続切れ刃部および前記第3接続切れ刃部の各々は、湾曲形状を有しており、
前記第2切れ刃部の曲率半径は、前記第4切れ刃部の曲率半径よりも小さい、切削インサート。
【請求項2】
前記第1接続切れ刃部、前記第2接続切れ刃部および前記第3接続切れ刃部の各々の曲率半径は、0.2mm以上である、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項3】
前記第1切れ刃部、前記第2切れ刃部、前記第3切れ刃部および前記第4切れ刃部の各々の逃げ角は、3°以上20°以下である、請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
【請求項4】
前記逃げ面は、ホルダに拘束される拘束面を有し、
前記第2切れ刃部の頂角を第1角度とし、
前記拘束面と前記すくい面との稜線の頂角を第2角度とすると、
前記第2角度は、前記第1角度よりも小さく、
前記第2角度は、30°以上80°以下である、請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
【請求項5】
前記逃げ面は、ホルダに拘束される拘束面を有し、
前記第2切れ刃部の頂角を第1角度とし、
前記拘束面と前記すくい面との稜線の頂角を第2角度とすると、
前記第2角度は、前記第1角度よりも小さく、
前記第1角度は、35°以上85°以下である、請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
【請求項6】
前記拘束面の逃げ角は、0°である、請求項4に記載の切削インサート。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の切削インサートを用いた加工方法であって、
前記第2切れ刃部を用いて被削材を加工する引き加工において、前記第2切れ刃部の横すくい角は、-20°以上20°以下である、加工方法。
【請求項8】
前記第3切れ刃部を用いて被削材を加工する引き加工において、前記第3切れ刃部の横すくい角は、-20°以上20°以下である、請求項7に記載の加工方法。
【請求項9】
前記第2切れ刃部は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材に近い位置から0.15mm以下の範囲にあり、
前記第2切れ刃部を用いて被削材を加工する引き加工において、前記第2切れ刃部の横切れ刃角は、70°以上89°以下である、請求項7に記載の加工方法。
【請求項10】
前記第3切れ刃部は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材に近い位置から0.05mm以上0.5mm以下の範囲にあり、
前記第3切れ刃部の横切れ刃角は、60°以上85°以下である、請求項7に記載の加工方法。
【請求項11】
前記第2切れ刃部の横切れ刃角の最小値は、前記第3切れ刃部の横切れ刃角と同じである、請求項7に記載の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切削インサートおよび加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2019/087496号(特許文献1)には、すくい面と、逃げ面と、すくい面と逃げ面との間に配置されるチャンファーとを有する切削インサートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/087496号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば焼入鋼の高能率加工を行う場合、切削抵抗が高くなるため、切れ刃の欠損が発生しやすくなる。そのため、切削インサートの工具寿命を向上することが困難であった。
【0005】
本開示の目的は、工具寿命を向上可能な切削インサートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る切削インサートは、切削に関与する表面がcBN基焼結体、ダイヤモンド基焼結体、セラミックス、サーメット又は超硬合金から構成され、すくい面と、逃げ面と、すくい面と逃げ面との稜線で構成される切れ刃とを含む。切れ刃は、隅加工用の第1切れ刃部と、低切込み引き加工用の第2切れ刃部と、高切込み引き加工用の第3切れ刃部と、仕上げ面加工用の第4切れ刃部と、第1切れ刃部と第4切れ刃部とを繋ぐ第1接続切れ刃部と、第2切れ刃部と第4切れ刃部とを繋ぐ第2接続切れ刃部と、第2切れ刃部と第3切れ刃部とを繋ぐ第3接続切れ刃部と、を有している。第4切れ刃部は、第1切れ刃部と第2切れ刃部との間に配置されている。第2切れ刃部は、第4切れ刃部と第3切れ刃部との間に配置されている。第1切れ刃部、第2切れ刃部および第4切れ刃部の各々は、湾曲形状を有している。第1切れ刃部の曲率半径は、0.1mm以上2.4mm以下である。第2切れ刃部の曲率半径は、3mm以上である。第4切れ刃部の曲率半径は、3mm以上である。第3切れ刃部は、直線形状を有している。第1接続切れ刃部、第2接続切れ刃部および第3接続切れ刃部の各々は、湾曲形状を有している。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、工具寿命を向上可能な切削インサートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係る切削工具の構成を示す平面模式図である。
図3図3は、図1の領域IIIの拡大模式図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿った断面模式図である。
図5図5は、第2実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。
図6図6は、第2実施形態に係る切削インサートの構成を示す平面模式図である。
図7図7は、図6のVII-VII線に沿った断面模式図である。
図8図8は、図6のVIII-VIII線に沿った断面模式図である。
図9図9は、図6のIX-IX線に沿った断面模式図である。
図10図10は、図6のX-X線に沿った断面模式図である。
図11図11は、図6のXI-XI線に沿った断面模式図である。
図12図12は、本実施形態に係る第1加工方法を示す模式図である。
図13図13は、加工状態を示す拡大模式図である。
図14図14は、切込み量と切れ刃の横切れ刃角との関係を示す模式図である。
図15図15は、切れ刃の横すくい角を示す側面模式図である。
図16図16は、本実施形態に係る第2加工方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様(本実施形態とも称する)を列記して説明する。
【0010】
(1)本開示に係る切削インサート100は、切削に関与する表面がcBN基焼結体、ダイヤモンド基焼結体、セラミックス、サーメット又は超硬合金から構成され、すくい面50と、逃げ面70と、すくい面50と逃げ面70との稜線20で構成される切れ刃10とを含む。切れ刃10は、隅加工用の第1切れ刃部1と、低切込み引き加工用の第2切れ刃部2と、高切込み引き加工用の第3切れ刃部3と、仕上げ面加工用の第4切れ刃部4と、第1切れ刃部1と第4切れ刃部4とを繋ぐ第1接続切れ刃部11と、第2切れ刃部2と第4切れ刃部4とを繋ぐ第2接続切れ刃部12と、第2切れ刃部2と第3切れ刃部3とを繋ぐ第3接続切れ刃部13と、を有している。第4切れ刃部4は、第1切れ刃部1と第2切れ刃部2との間に配置されている。第2切れ刃部2は、第4切れ刃部4と第3切れ刃部3との間に配置されている。第1切れ刃部1、第2切れ刃部2および第4切れ刃部4の各々は、湾曲形状を有している。第1切れ刃部1の曲率半径は、0.1mm以上2.4mm以下である。第2切れ刃部2の曲率半径は、3mm以上である。第4切れ刃部4の曲率半径は、3mm以上である。第3切れ刃部3は、直線形状を有している。第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々は、湾曲形状を有している。
【0011】
(2)上記(1)に係る切削インサート100によれば、第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々の曲率半径は、0.2mm以上であってもよい。
【0012】
(3)上記(1)または(2)に係る切削インサート100によれば、第1切れ刃部1、第2切れ刃部2、第3切れ刃部3および第4切れ刃部4の各々の逃げ角は、3°以上20°以下であってもよい。
【0013】
(4)上記(1)から(3)のいずれかに係る切削インサート100によれば、逃げ面70は、ホルダに拘束される拘束面71を有していてもよい。第2切れ刃部2の頂角を第1角度θ8とし、拘束面71とすくい面50との稜線の頂角を第2角度θ9とすると、第2角度θ9は、第1角度θ8よりも小さくてもよい。第2角度θ9は、30°以上80°以下であってもよい。
【0014】
(5)上記(1)から(3)のいずれかに係る切削インサート100によれば、逃げ面70は、ホルダに拘束される拘束面71を有していてもよい。第2切れ刃部2の頂角を第1角度θ8とし、拘束面71とすくい面50との稜線の頂角を第2角度θ9とすると、第2角度θ9は、第1角度θ8よりも小さくてもよい。第1角度θ8は、35°以上85°以下であってもよい。
【0015】
(6)上記(4)または(5)に係る切削インサート100によれば、拘束面71の逃げ角は、0°であってもよい。
【0016】
(7)本開示の一態様に係る加工方法は、上記(1)から(6)のいずれかに記載の切削インサートを用いた加工方法であって、第2切れ刃部2を用いて被削材を加工する引き加工において、第2切れ刃部2の横すくい角は、-20°以上20°以下であってもよい。
【0017】
(8)上記(7)に係る加工方法によれば、第3切れ刃部3を用いて被削材を加工する引き加工において、第3切れ刃部3の横すくい角は、-20°以上20°以下であってもよい。
【0018】
(9)上記(7)または(8)に係る加工方法によれば、第2切れ刃部2は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材に近い位置から0.15mm以下の範囲にあってもよい。第2切れ刃部2を用いて被削材を加工する引き加工において、第2切れ刃部2の横切れ刃角は、70°以上89°以下であってもよい。
【0019】
(10)上記(7)または(8)に係る加工方法によれば、第3切れ刃部3は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材に近い位置から0.05mm以上0.5mm以下の範囲にあってもよい。第3切れ刃部3の横切れ刃角は、60°以上85°以下であってもよい。
【0020】
(11)上記(7)から(10)のいずれかに係る加工方法によれば、第2切れ刃部2の横切れ刃角の最小値は、第3切れ刃部3の横切れ刃角と同じであってもよい。
【0021】
本開示の実施形態に係る切削インサートの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。図1に示されるように、第1実施形態に係る切削インサート100は、刃部材6と、台金7とを有している。刃部材6は、台金7に取り付けられている。刃部材6は、切削に関与する。台金7の平面視形状は、特に限定されないが、例えば菱形である。台金7の鋭角コーナ部に、刃部材6が接合されている。台金7は、例えば、超硬合金またはサーメット等から構成されている。本実施形態に係る切削インサート100は、台金7の鋭角コーナ部に刃部材6が接合されて形成されているが、切削インサート100全体を刃部材6で形成してもよい。
【0023】
本開示は、菱形以外の多角形の切削インサート100にも適用される。刃先形状は共通しているので、菱形の切削インサート100のみを例示する。台金7の鋭角コーナ部には、上面の一部を部分的に落ち込ませた座繰り部8が形成されている。刃部材6は、座繰り部8において鑞付け等の接合手段により台金7に接合されている。
【0024】
刃部材6は、cBN基焼結体、ダイヤモンド基焼結体、セラミックス、サーメット又は超硬合金から構成される。cBN基焼結体は、cBN(立方晶型窒化硼素)を体積比で10%以上99.9%以下含む焼結体である。ダイヤモンド基焼結体は、ダイヤモンドを体積比で10%以上99.9%以下含む焼結体である。セラミックスは特に限定されないが、例えば、アルミナ(Al)、窒化けい素(Si)、炭化チタン(TiC)のセラミックスを好適に用いることができる。サーメットは特に限定されないが、例えば、窒化物系サーメット、炭化物系サーメットを好適に用いることができる。
【0025】
本実施形態に係る切削インサート100は、すくい面50と、逃げ面70と、切れ刃10と、底面60とを有している。切れ刃10は、すくい面50と逃げ面70との稜線20で構成される。稜線20は、2つの切れ刃10と、2つの第1稜線部21と、2つの第2稜線部22とを有している。切れ刃10は、稜線20の一部である。逃げ面70は、第1逃げ面部30と、第2逃げ面部40と、拘束面71とを有している。第1逃げ面部30は、切れ刃10に連なっている。第2逃げ面部40は、第1逃げ面部30および底面60の各々に連なっている。
【0026】
切れ刃10は、隅加工用の第1切れ刃部1と、低切込み引き加工用の第2切れ刃部2と、高切込み引き加工用の第3切れ刃部3と、仕上げ面加工用の第4切れ刃部4と、を有している。第4切れ刃部4は、第1切れ刃部1と第2切れ刃部2との間に配置されている。第2切れ刃部2は、第4切れ刃部4と第3切れ刃部3との間に配置されている。
【0027】
図2は、第1実施形態に係る切削工具の構成を示す平面模式図である。図2に示される平面模式図は、すくい面50に対して垂直な直線に沿って見た状態を示している。
【0028】
図2に示されるように、第1切れ刃部1は、湾曲形状を有している。第1切れ刃部1は、外側に凸となるように湾曲している。第1切れ刃部1は、コーナ切れ刃部である。第1切れ刃部1の曲率半径は、0.1mm以上2.4mm以下である。第1切れ刃部1の曲率半径は、特に限定されないが、0.2mm以上2.2mm以下であってもよいし、0.4mm以上2.0mm以下であってもよいし、0.6mm以上1.8mm以下であってもよい。
【0029】
第4切れ刃部4は、湾曲形状を有している。第4切れ刃部4の曲率半径は、3mm以上である。第4切れ刃部4の曲率半径は、特に限定されないが、5mm以上であってもよいし、10mm以上であってもよいし、20mm以上であってもよいし、40mm以上であってもよい。第4切れ刃部4の曲率半径は、80mm以下であってもよいし、70mm以下であってもよいし、60mm以下であってもよい。
【0030】
第2切れ刃部2は、湾曲形状を有している。第2切れ刃部2の曲率半径は、3mm以上である。第2切れ刃部2の曲率半径は、特に限定されないが、5mm以上であってもよいし、10mm以上であってもよいし、20mm以上であってもよいし、40mm以上であってもよい。第2切れ刃部2の曲率半径は、80mm以下であってもよいし、70mm以下であってもよいし、60mm以下であってもよい。第2切れ刃部2の曲率半径は、第4切れ刃部4の曲率半径と異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0031】
第3切れ刃部3は、直線形状を有している。第3切れ刃部3の長さは、第2切れ刃部2の長さよりも長くてもよい。第2切れ刃部2の長さとは、曲線状の第2切れ刃部2を直線状にして測定した長さである。第3切れ刃部3の長さは、例えば0.5mm以上5.0mm以下である。
【0032】
図2に示されるように、すくい面50は、第1すくい面部51と、第2すくい面部52とを有している。第1すくい面部51は、刃部材6により構成されている。第2すくい面部52は、台金7により構成されている。第2すくい面部52には、貫通孔5が形成されている。
【0033】
本実施形態に係る切削インサートは、2つの切れ刃10を有している。すくい面50に対して垂直な直線に沿って見て、貫通孔5は、2つの切れ刃10の間に位置している。2つの切れ刃10の各々は、1つの第1切れ刃部1と、2つの第2切れ刃部2と、2つの第3切れ刃部3と、2つの第4切れ刃部4とを有していてもよい。第1切れ刃部1は、2つの第4切れ刃部4の間に位置していてもよい。
【0034】
すくい面50に対して垂直な直線に沿って見て、2つの切れ刃10の各々は、2つの第1切れ刃部1を通る直線(切削インサートの対角線)に対して線対称の形状を有していてもよい。2つの切れ刃10の各々は、貫通孔5を通る軸線に対して2回対称の形状を有していてもよい。
【0035】
図2に示されるように、第1稜線部21および第2稜線部22は、台金7により構成されている。切れ刃10は、刃部材6により構成されている。2つの第1稜線部21は、互いに対向している。同様に、2つの第2稜線部22は、互いに対向している。すくい面50に対して垂直な直線に沿って見て、2つの第1稜線部21の各々と、2つの第2稜線部22の各々とは、直線形状を有している。
【0036】
2つの第3切れ刃部3のうち、第1の第3切れ刃部3は第1稜線部21に連なり、第2の第3切れ刃部3は第2稜線部22に連なっていてもよい。第1稜線部21の長さは、第1稜線部21に連なる第3切れ刃部3の長さよりも長くてもよい。第2稜線部22の長さは、第2稜線部22に連なる第3切れ刃部3の長さよりも長くてもよい。
【0037】
図2に示されるように、第2切れ刃部2の頂角は、第1角度θ8とする。具体的には、すくい面50に対して垂直な直線に沿って見て、第1角度θ8は、2つの第2切れ刃部2の各々の両端を通る直線により形成される角度である。逃げ面70は、ホルダに拘束される拘束面71を有している(図1参照)。拘束面71の逃げ角は、例えば0°である。拘束面71の逃げ角は、すくい面50に垂直な平面に対する拘束面71の角度である。拘束面71とすくい面50との稜線の頂角は、第2角度θ9とする。具体的には、すくい面50に対して垂直な直線に沿って見て、第2角度θ9は、第1稜線部21と第2稜線部22とにより形成される角度である。
【0038】
第1角度θ8は、例えば70°である。第1角度θ8は、35°以上85°以下であってもよいし、45°以上80°以下であってもよいし、55°以上75°以下であってもよい。第2角度θ9は、第1角度θ8よりも小さい。第2角度θ9は、例えば55°である。第2角度θ9は、30°以上80°以下であってもよいし、35°以上70°以下であってもよいし、40°以上60°以下であってもよい。
【0039】
第1稜線部21と第3切れ刃部3との接点において、第3切れ刃部3は第1稜線部21に対して傾斜していてもよい。同様に、第2稜線部22と第3切れ刃部3との接点において、第3切れ刃部3は第2稜線部22に対して傾斜していてもよい。第3切れ刃部3の頂角は、第1角度θ8よりも小さくてもよい。第3切れ刃部3の頂角は、第2角度θ9よりも大きくてもよい。第3切れ刃部3の頂角とは、すくい面50に対して垂直な直線に沿って見て、2つの第3切れ刃部3により形成される角度である。
【0040】
図3は、図1の領域IIIの拡大模式図である。図3に示されるように、切れ刃10は、第1接続切れ刃部11と、第2接続切れ刃部12と、第3接続切れ刃部13と、を有している。第1接続切れ刃部11は、第1切れ刃部1と第4切れ刃部4とを繋いでいる。第1接続切れ刃部11は、第1切れ刃部1と第4切れ刃部4との間に位置している。第2接続切れ刃部12は、第2切れ刃部2と第4切れ刃部4とを繋いでいる。第2接続切れ刃部12は、第2切れ刃部2と第4切れ刃部4との間に位置している。第3接続切れ刃部13は、第2切れ刃部2と第3切れ刃部3とを繋いでいる。第3接続切れ刃部13は、第2切れ刃部2と第3切れ刃部3との間に位置している。
【0041】
すくい面50に対して垂直な直線に沿って見て、第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々は、湾曲形状を有している。第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々は、外側に凸となるように湾曲している。第3接続切れ刃部13の曲率半径は、第1接続切れ刃部11および第2接続切れ刃部12の各々の曲率半径よりも大きくてもよい。
【0042】
第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々の曲率半径は、例えば0.2mm以上であってもよい。第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々の曲率半径は、例えば0.3mm以上であってもよいし、0.5mm以上であってもよい。第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々の曲率半径は、3mm未満であってもよいし、2mm未満であってもよい。
【0043】
第1接続切れ刃部11と、隣接する第1切れ刃部1および第4切れ刃部4の各々とは、曲率半径が違っていてもよい。第2接続切れ刃部12と、隣接する第2切れ刃部2および第4切れ刃部4の各々とは、曲率半径が違っていてもよい。第3接続切れ刃部13と、隣接する第2切れ刃部2および第3切れ刃部3の各々とは、曲率半径が違っていてもよい。
【0044】
図3に示されるように、第1逃げ面部30は、第1逃げ面領域31と、第2逃げ面領域32と、第3逃げ面領域33と、第4逃げ面領域34と、第5逃げ面領域35と、第6逃げ面領域36と、第7逃げ面領域37とを有している。第1逃げ面領域31は、第1切れ刃部1に連なっている。第2逃げ面領域32は、第2切れ刃部2に連なっている。第3逃げ面領域33は、第3切れ刃部3に連なっている。第4逃げ面領域34は、第4切れ刃部4に連なっている。
【0045】
第5逃げ面領域35は、第1接続切れ刃部11に繋がっている。第6逃げ面領域36は、第2接続切れ刃部12に連なっている。第7逃げ面領域37は、第3接続切れ刃部13に連なっている。第1逃げ面領域31と、第2逃げ面領域32と、第3逃げ面領域33と、第4逃げ面領域34と、第5逃げ面領域35と、第6逃げ面領域36と、第7逃げ面領域37とは、刃部材6により構成されている。
【0046】
第2逃げ面部40は、第1側面領域41と、第2側面領域42と、第3側面領域43と、第4側面領域44と、第5側面領域45と、第6側面領域46と、第7側面領域47とを有している。第1側面領域41は、第1逃げ面領域31および底面60の各々に連なっている。第2側面領域42は、第2逃げ面領域32および底面60の各々に連なっている。第3側面領域43は、第3逃げ面領域33および底面60の各々に連なっている。第4側面領域44は、第4逃げ面領域34および底面60の各々に連なっている。
【0047】
第5側面領域45は、第5逃げ面領域35および底面60の各々に連なっている。第6側面領域46は、第6逃げ面領域36および底面60の各々に連なっている。第7側面領域47は、第7逃げ面領域37および底面60の各々に連なっている。第1側面領域41と、第2側面領域42と、第3側面領域43と、第4側面領域44と、第5側面領域45と、第6側面領域46と、第7側面領域47とは、台金7により構成されている。
【0048】
図4は、図2のIV-IV線に沿った断面模式図である。図4に示される断面は、2つの第1切れ刃部1の各々の中点を通っている。2つの第1切れ刃部1の各々の中点を通る直線は、切削インサート100の対角線である。図4に示されるように、貫通孔5は、台金7を貫通している。貫通孔5は、すくい面50および底面60の各々に開口している。逃げ面70は、すくい面50に対して垂直に傾斜していてもよい。具体的には、第1逃げ面部30および第2逃げ面部40の各々は、すくい面50に対して垂直に傾斜していてもよい。
【0049】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る切削インサート100の構成について説明する。第2実施形態に係る切削インサート100は、主に、第1逃げ面部30の逃げ角が3°以上20°以下である構成において、第1実施形態に係る切削インサート100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係る切削インサート100と実質的に同じである。以下、第1実施形態に係る切削インサート100と異なる構成を中心に説明する。
【0050】
図5は、第2実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。図5に示されるように、逃げ面70は、ホルダ拘束面71と、第1逃げ面部30と、第2逃げ面部40とを有している。第2逃げ面部40は、ホルダ拘束面71に連なっている。第1逃げ面部30は、すくい面50に垂直な平面に対して内側に傾斜している。第2逃げ面部40は、ホルダ拘束面71に対して傾斜している。第2逃げ面部40は、台金により構成されている。第2逃げ面部40は、第1逃げ面部30および底面60の各々に連なっている。
【0051】
図6は、第2実施形態に係る切削インサートの構成を示す平面模式図である。図7は、図6のVII-VII線に沿った断面模式図である。図7に示される断面は、2つの第1切れ刃部1の各々の中点を通っている。
【0052】
図7に示されるように、第1切れ刃部1の逃げ角(第1逃げ角θ1)は、すくい面50に垂直な平面に対する第1逃げ面領域31の傾斜角である。第1逃げ角θ1は、例えば3°以上20°以下であってもよいし、5°以上18°以下であってもよいし、7°以上15°以下であってもよい。
【0053】
図8は、図6のVIII-VIII線に沿った断面模式図である。図8に示される断面は、2つの第4切れ刃部4の各々と交差し、かつ切削インサートの対角線と垂直である。図8に示されるように、第4逃げ面領域34は、すくい面50に垂直な平面に対して内側に傾斜している。第4切れ刃部4の逃げ角(第4逃げ角θ4)は、すくい面50に垂直な平面に対する第4逃げ面領域34の傾斜角である。第4逃げ角θ4は、例えば3°以上20°以下であってもよいし、5°以上18°以下であってもよいし、7°以上15°以下であってもよい。
【0054】
図9は、図6のIX-IX線に沿った断面模式図である。図9に示される断面は、2つの第2切れ刃部2の各々と交差し、かつ切削インサートの対角線と垂直である。図9に示されるように、第2逃げ面領域32は、すくい面50に垂直な平面に対して内側に傾斜している。第2切れ刃部2の逃げ角(第2逃げ角θ2)は、すくい面50に垂直な平面に対する第2逃げ面領域32の傾斜角である。第2逃げ角θ2は、例えば3°以上20°以下であってもよいし、5°以上18°以下であってもよいし、7°以上15°以下であってもよい。
【0055】
図10は、図6のX-X線に沿った断面模式図である。図10に示される断面は、2つの第3切れ刃部3の各々と交差し、かつ切削インサートの対角線と垂直である。図10に示されるように、第3逃げ面領域33は、すくい面50に垂直な平面に対して内側に傾斜している。第3切れ刃部3の逃げ角(第3逃げ角θ3)は、すくい面50に垂直な平面に対する第3逃げ面領域33の傾斜角である。第3逃げ角θ3は、例えば3°以上20°以下であってもよいし、5°以上18°以下であってもよいし、7°以上15°以下であってもよい。
【0056】
図11は、図6のXI-XI線に沿った断面模式図である。図11に示される断面は、第1稜線部21および第2稜線部22の各々と交差し、かつ切削インサートの対角線と垂直である。図11に示されるように、ホルダ拘束面71は、すくい面50に垂直である。ホルダ拘束面71の逃げ角は、すくい面50に垂直な平面に対するホルダ拘束面71の傾斜角である。ホルダ拘束面71の逃げ角は、例えば0°である。
【0057】
次に、本実施形態に係る加工方法について説明する。本実施形態に係る加工方法においては、本実施形態に係る切削インサート100を用いて被削材が加工される。
【0058】
図12は、本実施形態に係る第1加工方法を示す模式図である。図12に示されるように、切削インサート100は、押さえ部材160を用いてホルダ150に取り付けられる。押さえ部材160は、本体部162と、挿入部161とを有している。挿入部161は、切削インサート100の貫通孔5に挿入される。本体部162には、取付穴163が形成されている。取付穴163には、締結ネジ170が挿入される。これにより、押さえ部材160は、ホルダ150に固定される。押さえ部材160は、切削インサート100をホルダ150に引き寄せることにより、切削インサート100はホルダ150に固定される。
【0059】
本実施形態に係る切削インサート100は、外径引き加工が可能である。被削材200は、外周面201を有している。引き加工は、切削インサート100を第1送り方向Aに移動させながら行う加工である。第1送り方向Aは、切削インサート100からホルダ150に向かう方向である。引き加工においては、切れ刃10を用いて被削材200が加工される。第1送り方向Aは、被削材200の回転軸Xに平行である。被削材200は、回転軸Xの周りを回転方向Rに回転する。
【0060】
図13は、加工状態を示す拡大模式図である。図13に示される拡大模式図は、すくい面50に対して垂直な直線に沿って見た状態を示している。切れ刃10は、被削材200に対して切込み量apで切込んでいる。
【0061】
図13に示されるように、引き加工において第2切れ刃部2の横切れ刃角は、第5角度θ5である。第5角度θ5は、被削材200の外周面201と切れ刃10との接点における切れ刃10の接線と、被削材200の回転軸Xに対して垂直な直線とがなす角度である。
【0062】
図14は、切込み量と切れ刃の横切れ刃角との関係を示す模式図である。図14に示されるように、被削材200に対する切込み量が変化するにつれて、第2切れ刃部2の横切れ刃角は変化する。具体的には、被削材200に対する切込み量が大きくなるにつれて、第2切れ刃部2の横切れ刃角は、単調に小さくなる。
【0063】
第2切れ刃部2を用いて被削材200を加工する引き加工において、第2切れ刃部2の横切れ刃角は、90°未満である。第2切れ刃部2を用いて被削材200を加工する引き加工において、第2切れ刃部2の横切れ刃角は、70°以上89°以下であってもよいし、73°以上86°以下であってもよい。
【0064】
第2切れ刃部2は、低切込み引き加工において用いられる。具体的には、第2切れ刃部2の切込み量は、例えば0.15mm以下である。第2切れ刃部2の切込み量は、例えば0.1mm以下であってもよいし、0.05mm以下であってもよい。別の観点から言えば、第2切れ刃部2は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材200に近い位置から0.15mm以下の範囲にあってもよい。
【0065】
図14に示されるように、被削材200に対する切込み量が変化した場合において、第3切れ刃部3の横切れ刃角は変化しない。具体的には、被削材200に対する切込み量が大きくなった場合において、第3切れ刃部3の横切れ刃角は、一定である。たとえば切込み量が0.05mm以上0.5mm以下の範囲において、第3切れ刃部3の横切れ刃角は、一定であってもよい。
【0066】
第3切れ刃部3の横切れ刃角は、例えば60°以上85°以下である。第3切れ刃部3の横切れ刃角は、例えば63°以上82°以下であってもよいし、65°以上80°以下であってもよい。図14に示されるように、第2切れ刃部2の横切れ刃角の最小値は、第3切れ刃部3の横切れ刃角と同じである。
【0067】
第3切れ刃部3は、高切込み引き加工において用いられる。具体的には、第3切れ刃部3の切込み量は、例えば0.05mm以上である。第3切れ刃部3の切込み量は、例えば0.1mm以上であってもよいし、0.15mm超であってもよい。第3切れ刃部3の切込み量は、0.5mm以下であってもよい。別の観点から言えば、第3切れ刃部3は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材200に近い位置から0.05mm以上0.5mm以下の範囲にあってもよい。
【0068】
図15は、切れ刃の横すくい角を示す側面模式図である。図15に示される側面模式図は、被削材200の回転軸Xに対して垂直な直線に沿って見た状態を示している。
【0069】
第2切れ刃部2を用いて被削材200を加工する引き加工において、切削インサート100は、被削材200の回転軸Xに平行な方向に沿って第1送り方向Aに送られる。
【0070】
図15に示されるように、被削材200の回転軸Xに対して垂直な方向に見て、第2切れ刃部2の横すくい角は、被削材200の回転軸Xに平行な直線C1に対する第2切れ刃部2の傾斜角である。第2切れ刃部2の横すくい角は、第6角度θ6である。第6角度θ6は、例えば-20°以上20°以下であってもよい。第6角度θ6は、-15°以上15°以下であってもよいし、-10°以上10°以下であってもよい。
【0071】
第3切れ刃部3を用いて被削材200を加工する引き加工において、切削インサート100は、被削材200の回転軸Xに平行な方向に沿って第1送り方向Aに送られる。
【0072】
図15に示されるように、被削材200の回転軸Xに対して垂直な方向に見て、第3切れ刃部3の横すくい角は、被削材200の回転軸Xに平行な直線C2に対する第3切れ刃部3の傾斜角である。第3切れ刃部3の横すくい角は、第7角度θ7である。第7角度θ7は、例えば-20°以上20°以下であってもよい。第7角度θ7は、-15°以上15°以下であってもよいし、-10°以上10°以下であってもよい。
【0073】
なお、切削加工時において、切れ刃10がすくい面50よりも先に進む場合は、横すくい角は正の角度である。反対に、切削加工時において、切れ刃10がすくい面50よりも遅れる場合は、横すくい角は負の角度である。
【0074】
図16は、本実施形態に係る第2加工方法を示す模式図である。図16に示されるように、本実施形態に係る第2加工方法においては、端面加工および外径加工が実施されてもよい。被削材200は、外周面201と、端面202とを有している。外周面201は、被削材200の回転軸Xと平行である。端面202は、被削材200の回転軸Xと垂直である。押し加工および隅加工は、切削インサート100を第2送り方向B1に移動させながら行う加工である。押し加工および隅加工においては、第1切れ刃部1を用いて被削材200が加工される。引き加工は、切削インサート100を第3送り方向B2に移動させながら行う加工である。
【0075】
低切込み引き加工においては、第2切れ刃部2を用いて被削材200が加工される。高切込み引き加工においては、第3切れ刃部3を用いて被削材200が加工される。第2送り方向B1は、被削材200の回転軸Xに垂直である。第3送り方向B2は、被削材200の回転軸Xに平行である。
【0076】
次に、本実施形態に係る切削インサート100および加工方法の作用効果について説明する。
【0077】
本実施形態に係る切削インサート100は、低切込み引き加工用の第2切れ刃部2と、高切込み引き加工用の第3切れ刃部3とを有している。第2切れ刃部2の曲率半径は、3mm以上である。第3切れ刃部3は、直線形状を有している。
【0078】
切込み量が大きくなると、切れ刃10に対する負荷が大きくなる。低切込み引き加工においては、切込み量が大きくなるにつれて第2切れ刃部2の横切れ刃角が小さくなる。負荷が大きくなるにつれて横切れ刃角を小さくすることで、切れ刃10が欠けることを抑制することができる。一方、横切れ刃角が過度に小さくなると、切削加工の安定性が低下する。
【0079】
本実施形態に係る切削インサート100によれば、高切込み引き加工用の第3切れ刃部3は、直線形状を有している。そのため、高切込み引き加工においては、切込み量によらず横切れ刃角を一定に維持することができる。そのため、高切込み引き加工において、切削加工の安定性が低下することを抑制できる。従って、低切込み引き加工および高切込み引き加工の双方において、切削インサート100を長寿命化することができる。
【0080】
さらに本実施形態に係る切削インサート100は、仕上げ面加工用の第4切れ刃部4を有しているため、仕上げ面粗度を大幅に改善することができる。従って、高能率加工においても、安定的に良好な面粗度が得られる。なお、高能率加工とは、単位時間あたりに除去できる被削材200の体積が、例えば10cm3/分以上である加工のことである。
【0081】
本実施形態に係る切削インサート100によれば、第1切れ刃部1、第2切れ刃部2、第3切れ刃部3および第4切れ刃部4の各々の逃げ角は、3°以上20°以下であってもよい。第1切れ刃部1、第2切れ刃部2、第3切れ刃部3および第4切れ刃部4の各々の逃げ角を正の角度とすることにより、背分力方向の切削抵抗を低減することができる。従って、安定的に寸法精度を高めることができる。
【0082】
本実施形態に係る切削インサート100によれば、逃げ面70は、ホルダに拘束される拘束面71を有していてもよい。第2切れ刃部2の頂角を第1角度θ8とし、拘束面71とすくい面50との稜線の頂角を第2角度θ9とすると、第2角度θ9は、第1角度θ8よりも小さくてもよい。これにより、第2切れ刃部2の横切れ刃角を大きくしつつ、ホルダによる切削インサートの拘束力を高く維持することができる。
【0083】
本実施形態に係る切削インサート100によれば、拘束面71の逃げ角は、0°であってもよい。これにより、ホルダによる切削インサートの拘束力をさらに高く維持することができる。
【0084】
本実施形態に係る切削インサートを用いた加工方法によれば、第2切れ刃部2を用いて被削材200を加工する引き加工において、第2切れ刃部2の横すくい角は、-20°以上20°以下であってもよい。これにより、第2切れ刃部2への負荷を低減することができる。結果として、第2切れ刃部2の欠損を抑制することができる。従って、切削インサート100をさらに高寿命化することができる。
【0085】
本実施形態に係る切削インサートを用いた加工方法によれば、第3切れ刃部3を用いて被削材200を加工する引き加工において、第3切れ刃部3の横すくい角は、-20°以上20°以下であってもよい。これにより、第3切れ刃部3への負荷を低減することができる。結果として、第3切れ刃部3の欠損を抑制することができる。従って、切削インサート100をさらに高寿命化することができる。
【0086】
本実施形態に係る切削インサートを用いた加工方法によれば、第2切れ刃部2は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材200に近い位置から0.15mm以下の範囲にあってもよい。第2切れ刃部2を用いて被削材200を加工する引き加工において、第2切れ刃部2の横切れ刃角は、70°以上89°以下であってもよい。これにより、第2切れ刃部2への負荷を低減することができる。結果として、第2切れ刃部2の欠損を抑制することができる。従って、低切込み引き加工において、切削インサート100をさらに長寿命化することができる。
【0087】
本実施形態に係る切削インサートを用いた加工方法によれば、第3切れ刃部3は、回転軸に対して垂直な方向において最も被削材200に近い位置から0.05mm以上0.5mm以下の範囲にあってもよい。第3切れ刃部3の横切れ刃角は、60°以上85°以下であってもよい。これにより、第3切れ刃部3への負荷を低減することができる。結果として、第3切れ刃部3の欠損を抑制することができる。従って、高切込み引き加工において、切削インサート100をさらに長寿命化することができる。
【実施例
【0088】
本実施形態を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例により本実施形態が限定されるものではない。
<実施例1:低切込み加工条件>
表1および表2に記載の形状を有する切削インサート100(試料SA1からSA35およびSB1からSB9)を試作し、下記の条件にて切削評価を行った。試料SA1からSA35およびSB1からSB9の切削インサート100は、刃部材6と、台金7とを有している(図1参照)。試料SA1からSA35およびSB1からSB9の切削インサート100において、刃部材6の材料は、cBN基焼結体とした。
【0089】
表1および表2において、第1切れ刃、第2切れ刃、第3切れ刃、第4切れ刃、第1接続部、第2接続部および第3接続部は、それぞれ、第1切れ刃部1、第2切れ刃部2、第3切れ刃部3、第4切れ刃部4、第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13に対応する。表1および表2において、第1切れ刃、第2切れ刃、第4切れ刃、第1接続部、第2接続部および第3接続部の各々の欄に記載されている数値は、当該部分の曲率半径を示している。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
試料SA1から試料SA35の切削インサート100は、実施例である。試料SA1から試料SA35の切削インサート100において、第1切れ刃部1の曲率半径は、0.1mm以上2.4mm以下とした。第4切れ刃部4は、曲率半径が3mm以上の湾曲形状とした。第2切れ刃部2は、曲率半径が3mm以上の湾曲形状とした。第3切れ刃部3は、直線形状とした。第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々は、湾曲形状とした。
【0093】
試料SB1から試料SB9の切削インサート100は、比較例である。試料SB1の切削インサート100において、第1切れ刃部1の曲率半径は、0.09mmとした。試料SB2の切削インサート100において、第1切れ刃部1の曲率半径は、2.5mmとした。試料SB3の切削インサート100において、第2切れ刃部2の曲率半径は、2.9mmとした。試料SB4の切削インサート100において、第3切れ刃部3は、曲率半径が30mmの湾曲形状とした。
【0094】
試料SB5の切削インサート100において、第1接続切れ刃部11は、直線形状とした。試料SB6の切削インサート100において、第2接続切れ刃部12は、直線形状とした。試料SB7の切削インサート100において、第3接続切れ刃部13は、直線形状とした。試料SB8の切削インサート100において、第2切れ刃部2は、直線形状とし、かつ第3接続切れ刃部13および第3切れ刃部3は形成されなかった。試料SB9の切削インサート100において、第3接続切れ刃部13および第3切れ刃部3は形成されなかった。
【0095】
切削インサート100をホルダ150に装着した状態で、下記の被削材200を下記の切削条件で加工した。切削インサート100の切れ刃10が欠損した時の切削時間(工具寿命)を評価した。
(切削ジオメトリ)
切れ刃傾き角=-5°
(被削材)
高硬度鋼SCM415(HRC60)、直径=85mm、長さ=200mm
(切削条件)
切削速度:V=250m/分、送り量:f=0.5mm/回転、切込み量:ap=0.05mm、湿式
(加工形態)
外径加工(引き加工)
結果を表3および表4にまとめて示す。表3および表4に示されるように、切れ刃10の横すくい角は、-21°以上21°以下とした。第2切れ刃部2の横切れ刃角は、69°以上89°以下とした。試料SA35の切削インサート100のみにおいて、第3切れ刃部3の横切れ刃角は、80°とした。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
表3および表4に示されるように、試料SB1から試料SB7の切削インサート100と比較して、試料SA1から試料SA35の切削インサート100は、長い工具寿命を有することが確認された。
【0099】
試料SA1から試料SA3の切削インサート100に示されるように、第1切れ刃部1の曲率半径が0.1mm以上2.4mm以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0100】
試料SA4から試料SA6の切削インサート100に示されるように、第2切れ刃部2の曲率半径が3mm以上20mm以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0101】
試料SA7から試料SA9の切削インサート100に示されるように、第4切れ刃部4の曲率半径が3mm以上20mm以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0102】
試料SA15から試料SA18の切削インサート100に示されるように、第1切れ刃部1、第2切れ刃部2、第3切れ刃部3および第4切れ刃部4の各々の逃げ角が20°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0103】
試料SA19から試料SA22の切削インサート100に示されるように、ホルダ拘束面71の頂角が30°以上80°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0104】
試料SA23から試料SA25の切削インサート100に示されるように、ホルダ拘束面71の逃げ角が11°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0105】
試料SA26から試料SA29の切削インサート100に示されるように、切れ刃10の横すくい角が-20°以上20°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0106】
試料SA30から試料SA32の切削インサート100に示されるように、第2切れ刃部2の横切れ刃角が70°以上89°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
<実施例2:高切込み加工条件>
表5および表6に記載の形状を有する切削インサート100(試料SC1からSC36およびSD1からSD9)を試作し、下記の条件にて切削評価を行った。試料SC1からSC36およびSD1からSD9の切削インサート100は、刃部材6と、台金7とを有している(図1参照)。試料SC1からSC36およびSD1からSD9の切削インサート100において、刃部材6の材料は、cBN基焼結体とした。
【0107】
表5および表6において、第1切れ刃、第2切れ刃、第3切れ刃、第4切れ刃、第1接続部、第2接続部および第3接続部は、それぞれ、第1切れ刃部1、第2切れ刃部2、第3切れ刃部3、第4切れ刃部4、第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13に対応する。表5および表6において、第1切れ刃、第2切れ刃、第4切れ刃、第1接続部、第2接続部および第3接続部の各々の欄に記載されている数値は、当該部分の曲率半径を示している。
【0108】
【表5】
【0109】
【表6】
【0110】
試料SC1から試料SC36の切削インサート100は、実施例である。試料SC1から試料SC36の切削インサート100において、第1切れ刃部1の曲率半径は、0.1mm以上2.4mm以下とした。第4切れ刃部4は、曲率半径が3mm以上の湾曲形状とした。第2切れ刃部2は、曲率半径が3mm以上の湾曲形状とした。第3切れ刃部3は、直線形状とした。第1接続切れ刃部11、第2接続切れ刃部12および第3接続切れ刃部13の各々は、湾曲形状とした。
【0111】
試料SD1から試料SD9の切削インサート100は、比較例である。試料SD1の切削インサート100において、第1切れ刃部1の曲率半径は、0.09mmとした。試料SD2の切削インサート100において、第1切れ刃部1の曲率半径は、2.5mmとした。試料SD3の切削インサート100において、第2切れ刃部2の曲率半径は、2.9mmとした。試料SD4の切削インサート100において、第3切れ刃部3は、曲率半径が30mmの湾曲形状とした。
【0112】
試料SD5の切削インサート100において、第1接続切れ刃部11は、直線形状とした。試料SD6の切削インサート100において、第2接続切れ刃部12は、直線形状とした。試料SD7の切削インサート100において、第3接続切れ刃部13は、直線形状とした。試料SD8の切削インサート100において、第2切れ刃部2は、直線形状とし、かつ第3接続切れ刃部13および第3切れ刃部3は形成されなかった。試料SD9の切削インサート100において、第3接続切れ刃部13および第3切れ刃部3は形成されなかった。
【0113】
切削インサート100をホルダ150に装着した状態で、下記の被削材200を下記の切削条件で加工した。切削インサート100の切れ刃10が欠損した時の切削時間(工具寿命)を評価した。
(切削ジオメトリ)
切れ刃傾き角=-5°
(被削材)
高硬度鋼SCM415(HRC60)、直径=85mm、長さ=200mm
(切削条件)
切削速度:V=250m/分、送り量:f=0.5mm/回転、切込み量:ap=0.5mm、湿式
(加工形態)
外径加工(引き加工)
結果を表7および表8にまとめて示す。表7および表8に示されるように、切れ刃10の横すくい角は、-21°以上21°以下とした。第3切れ刃部3の横切れ刃角は、59°以上86°以下とした。試料SD8およびSD9の切削インサート100のみにおいて、第2切れ刃部2の横切れ刃角は、85°とした。
【0114】
【表7】
【0115】
【表8】
【0116】
表7および表8に示されるように、試料SD1から試料SD7の切削インサート100と比較して、試料SC1から試料SC36の切削インサート100は、長い工具寿命を有することが確認された。
【0117】
試料SC1から試料SC3の切削インサート100に示されるように、第1切れ刃部1の曲率半径が0.1mm以上2.4mm以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0118】
試料SC4から試料SC6の切削インサート100に示されるように、第2切れ刃部2の曲率半径が3mm以上20mm以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0119】
試料SC7から試料SC9の切削インサート100に示されるように、第4切れ刃部4の曲率半径が3mm以上20mm以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0120】
試料SC15から試料SC18の切削インサート100に示されるように、第1切れ刃部1、第2切れ刃部2、第3切れ刃部3および第4切れ刃部4の各々の逃げ角が20°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0121】
試料SC19から試料SC22の切削インサート100に示されるように、ホルダ拘束面71の頂角が30°以上80°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0122】
試料SC23から試料SC25の切削インサート100に示されるように、ホルダ拘束面71の逃げ角が11°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0123】
試料SC26から試料SC29の切削インサート100に示されるように、切れ刃10の横すくい角が-20°以上20°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0124】
試料SC32から試料SC35の切削インサート100に示されるように、第3切れ刃部3の横切れ刃角が60°以上86°以下の場合において、切削インサート100は長い工具寿命を有することが確認された。
【0125】
なお、試料SB8および試料SD8の切削インサート100は、高切込み加工条件において長い工具寿命を有するけれども、低切込み加工条件において長い工具寿命を有しなかった。試料SB9および試料SD9の切削インサート100は、低切込み加工条件において長い工具寿命を有するけれども、高切込み加工条件において長い工具寿命を有しなかった。
【0126】
以上の結果より、第1切れ刃部1の曲率半径を0.1mm以上2.4mm以下とし、第4切れ刃部4を曲率半径3mm以上の湾曲形状とし、第2切れ刃部2を曲率半径が3mm以上の湾曲形状とし、第3切れ刃部3を直線形状とすることにより、低切込み加工条件および高切込み加工条件の双方において、長い工具寿命を有することが実証された。
【0127】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0128】
1 第1切れ刃部、2 第2切れ刃部、3 第3切れ刃部、4 第4切れ刃部、5 貫通孔、6 刃部材、7 台金、8 座繰り部、10 切れ刃、11 第1接続切れ刃部、12 第2接続切れ刃部、13 第3接続切れ刃部、20 稜線、21 第1稜線部、22 第2稜線部、30 第1逃げ面部、31 第1逃げ面領域、32 第2逃げ面領域、33 第3逃げ面領域、34 第4逃げ面領域、35 第5逃げ面領域、36 第6逃げ面領域、37 第7逃げ面領域、40 第2逃げ面部、41 第1側面領域、42 第2側面領域、43 第3側面領域、44 第4側面領域、45 第5側面領域、46 第6側面領域、47 第7側面領域、50 すくい面、51 第1すくい面部、52 第2すくい面部、60 底面、70 逃げ面、71 ホルダ拘束面(拘束面)、100 切削インサート、150 ホルダ、160 押さえ部材、161 挿入部、162 本体部、163 取付穴、170 締結ネジ、200 被削材、201 外周面、202 端面、A
第1送り方向、B1 第2送り方向、B2 第3送り方向、C1,C2 直線、R 回転方向、X 回転軸、ap 切込み量。
【要約】
切削インサートは、すくい面(50)と、逃げ面(70)と、すくい面と逃げ面との稜(20)線で構成される切れ刃(10)とを含む。切れ刃は、隅加工用の第1切れ刃部(1)と、低切込み引き加工用の第2切れ刃部(2)と、高切込み引き加工用の第3切れ刃部(3)と、仕上げ面加工用の第4切れ刃部(4)と、第1接続切れ刃部と、第2接続切れ刃部と、第3接続切れ刃部と、を有している。第4切れ刃部は、第1切れ刃部と第2切れ刃部との間に配置されている。第2切れ刃部は、第4切れ刃部と第3切れ刃部との間に配置されている。第1切れ刃部、第2切れ刃部および第4切れ刃部の各々は、湾曲形状を有している。第1切れ刃部の曲率半径は、0.1mm以上2.4mm以下である。第2切れ刃部の曲率半径は、3mm以上である。第4切れ刃部の曲率半径は、3mm以上である。第3切れ刃部は、直線形状を有している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16