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特許7563718情報提供システム及び情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】情報提供システム及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20241001BHJP
   A61B 5/0537 20210101ALI20241001BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20241001BHJP
   A61B 5/352 20210101ALI20241001BHJP
【FI】
G16H20/60
A61B5/0537
A61B5/33 300
A61B5/352
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019097547
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020194198
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-05-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】児玉 美幸
(72)【発明者】
【氏名】久米川 真弓
(72)【発明者】
【氏名】武藤 有悟
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-051224(JP,A)
【文献】特開2013-188508(JP,A)
【文献】特開2017-176409(JP,A)
【文献】特開2009-050523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/05- 5/0538,5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体組成測定の目的を設定する目的設定部と、
目的ごとに、前記目的に関連する体組成測定値の項目を記憶した提供情報記憶部と、
体組成測定によって得られた前記ユーザの複数の項目に関する体組成測定値を取得して、前記提供情報記憶部を参照して前記目的設定部で設定された目的に関連する体組成測定値の項目を特定して、特定された項目に関する前記ユーザの体組成測定値に基づく情報を提供する情報提供部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記情報として、少なくとも体組成測定によって得られた前記ユーザの体組成測定値のうちの前記目的設定部で設定された目的に関連する一部の体組成測定値を含む情報を提供し、かつ、前記情報として提供される前記一部の体組成測定値の項目数を可変に設定する、情報提供システム。
【請求項2】
前記情報提供部は、前記ユーザの指示に基づいて前記体組成測定値の前記項目数を可変に設定する、請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記情報提供部は、所定の基準時からの経過時間、体組成測定の回数、及び体組成測定の頻度の少なくとも1つに基づいて前記体組成測定値の前記項目数を可変に設定する、請求項1記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報提供部は、前記体組成測定が行われたことをトリガとして前記情報を提供する、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報提供部は、前記情報として、前記ユーザの測定された複数の項目に関する体組成測定値のうちの前記目的に応じた一又は複数の項目の体組成測定値、前記一又は複数の項目の体組成測定値の組合せから算出される、前記目的に関する度数、係数、もしくは評価値、又は前記度数、係数、もしくは評価値に基づくメッセージを提供する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
体組成を測定する体組成測定部をさらに備え、
前記情報提供部は、前記体組成測定部から前記ユーザの複数の項目に関する体組成測定値を取得する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記目的設定部は、あらかじめ用意された複数の目的候補のなかからユーザによって選択された目的を前記目的として設定する、請求項1~のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
設定された前記目的についての目標を設定する目標設定部をさらに備え、
前記情報提供部は、前記特定された項目に関する前記ユーザの体組成測定値に基づいて、さらに前記情報として前記目標に応じた情報を提供する、請求項1~のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記情報提供部は、前記情報として、前記目標と前記特定された項目に関する前記ユーザの体組成測定値との差分に基づく情報を提供する、請求項に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記情報提供部は、前記特定された項目に関する前記ユーザの体組成測定値の組合せに基づいて、前記情報を提供する、請求項1~のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項11】
前記情報提供部は、前記体組成測定部と同じ装置に設けられる、請求項に記載の情報提供システム。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザの体組成測定の目的を設定する目的設定部、及び
目的ごとに、前記目的に関連する体組成測定値の項目を記憶した提供情報記憶部、
体組成測定によって得られた前記ユーザの複数の項目に関する体組成測定値を取得して、前記提供情報記憶部を参照して前記目的設定部で設定された目的に関連する体組成測定値の項目を特定して、特定された項目に関する前記ユーザの体組成測定値に基づく情報を提供する情報提供部、
として機能させ、
前記情報提供部は、前記情報として、少なくとも体組成測定によって得られた前記ユーザの体組成測定値のうちの前記目的設定部で設定された目的に関連する一部の体組成測定値を含む情報を提供し、かつ、前記情報として提供される前記一部の当該体組成測定値の項目数を可変に設定する、情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体組成測に基づいて情報を提供する情報提供システム及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
足や手などの身体の複数部位に電極を接触させて微弱な電流を流すことで生体インピーダンスを測定し、体重、身長等の情報と合わせることで、体脂肪率、体脂肪量、筋肉量、腹筋/背筋比、体水分量、骨量、内臓脂肪面積、基礎代謝量等の体組成を測定する体組成計が知られている。ユーザは、体組成計で測定を行うことで、自らの身体の各種の体組成測定値を知ることができ、継続的に体組成測定を行うことで、その変化を知ることができる。
【0003】
上述のように、体組成計を用いることで、体脂肪率、体脂肪量、筋肉量、腹筋/背筋比、体水分量、骨量、内臓脂肪面積、基礎代謝量等の各種の体組成の項目を測定できるが、ユーザのなかには、それらの値をどのように解釈してよいか分からない者もいる。各項目について、標準的ないし理想的な値を提示し、あるいはそのような標準的ないし理想的な値と測定値との差分を示す体組成計が提案されている(例えば、特許文献1の0087段落、図9を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-190142
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザが、「きれいな体つきにしたい」、「太りにくいからだを作りたい」等の思いがあったとしても、どの項目の体組成測定値に注目し、その体組成測定値をどの程度にすればよいのかの見当がつかないことがある。
【0006】
そこで、本発明は、体組成測定に基づいて、各ユーザにとって必要な情報を提供する情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の情報提供システムは、体組成測定の目的を設定する目的設定部と、体組成測定に基づいて、前記目的に応じた情報を提供する情報提供部とを備えた構成を有している。
【0008】
この構成により、単に測定された複数の項目の体組成測定値をすべて提示するのではなく、体組成測定の目的に応じた情報を提供できる。よって、ユーザには、体組成測定の動機が与えられ、健康状態の改善ないし維持が促進される。なお、情報提供部による情報の提供は、表示による情報提供であっても、音声その他の形式による情報提供であってもよい。また、目的設定部及び情報提供部は、タブレットやスマートフォンのような1つの装置に備えられていてよく、目的設定部及び情報提供部が、それぞれタブレット又はスマートフォンのような端末装置及び当該端末装置と通信可能なサーバ装置によって構成されてよい。例えば、スマートフォンが目的設定の指示を受ける機能を有し、当該指示をサーバ装置に送信することで、サーバ装置において目的が設定されてよい。
【0009】
上記の情報提供システムは、体組成を測定する体組成測定部をさらに備えていてよく、前記情報提供部は、前記体組成測定部における体組成測定に基づいて前記情報を提供してよい。この構成により、ユーザは体組成測定部における体組成測定に基づく情報の提供を受けることができる。なお、体組成測定部は、生体インピーダンスの測定によって体組成を測定するものであってよい。
【0010】
上記の情報提供システムにおいて、前記目的設定部は、あらかじめ用意された複数の目的候補のなかからユーザによって選択された目的を前記目的として設定してよい。この構成により、ユーザは、複数の目的候補のなかから選択することにより目的を設定できる。
【0011】
上記の情報提供システムは、指定された前記目的についての目標を設定する目標設定部をさらに備えていてよく、前記情報提供部は、前記体組成測定に基づいて、さらに前記情報として前記目標に応じた情報を提供してよい。この構成により、設定した目標に応じた情報の提供を受けることができる。
【0012】
上記の情報提供システムにおいて、前記情報提供部は、前記情報として、前記目的に応じた体組成測定値に関する情報を提供してよい。この構成により、体組成測定によって複数の項目の体組成測定値が得られた場合にも、そのうちの設定された目的に応じた体組成測定値に関する情報を提供できる。
【0013】
上記の情報提供システムにおいて、前記情報提供部は、前記情報として、前記目標と前記体組成測定により得られた体組成測定値との差分に基づく情報を提供してよい。この構成により、ユーザは、目標と実際のからだとの差分を知ることができる。
【0014】
上記の情報提供システムにおいて、前記情報提供部は、前記体組成測定によって得られた複数項目の体組成測定値の組合せに基づいて、前記情報を提供してよい。この構成により、体組成測定値を組み合わせることで目的に応じた情報を提供できる。
【0015】
上記の情報提供システムにおいて、前記情報提供部は、前記体組成測定部と同じ装置に設けられてよい。この構成により、ユーザが体組成測定部で体組成測定を行っている間に情報提供部により当該ユーザに対して目的に応じた情報を提供できる。
【0016】
本発明の一態様の情報提供プログラムは、コンピュータを、体組成測定の目的を設定する目的設定部、及び体組成測定に基づいて、前記目的に応じた情報を提供する情報提供部
として機能させる構成を有している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施の形態の情報提供システムの外観図である。
図2図2は、本発明の実施の形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態の目的選択の画面の例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態の情報提供部による提供情報の生成の例を説明する図である。
図6図6は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施の形態の目標設定の画面の例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態の情報提供システムの外観図である。本実施の形態の情報提供システムは、体組成計測システム100として構成されている。体組成計測システム100は、下部に被測定者(ユーザ)Uが乗る載台32を備え、載台32から立ち上がる支柱51の上端部に設けられた本体部52にタッチディスプレイ10を備えている。また、本体部52には、ケーブル53を介して右ハンドグリップ33R及び左ハンドグリップ33Lがそれぞれ接続されている。被計測者Uは、図1に示すように、裸足で平板32の上に立ち、右手で右ハンドグリップ33Rを握り、左手で左ハンドグリップ33Lを握ることで体組成を計測する。計測結果は、タッチディスプレイ10に表示される。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態の情報処理システムとしての体組成計測システム100の構成を示すブロック図である。図2では、本実施の形態に関連する構成のみを示している。体組成計測システム100は、タッチディスプレイ10と、情報提供装置20と、体組成計30とを備えている。タッチディスプレイ10は、液晶ディスプレイパネル等の表示パネル11と、表示パネル11と一体となってタッチ入力を受け付けるタッチセンサ等の入力装置12とを備えている。なお、入力装置12として、表示パネル11とは独立したボタン、スイッチ等の入力装置が用いられてもよい。
【0021】
体組成計30は、既存の体組成計と同様の構成を有している。体組成計30は、体組成測定部31と、載台32と、右ハンドグリップ33Rと、左ハンドグリップ33Lと、体重測定部34とを備えている。載台32は、右足通電電極321Rと、右足測定電極322Rと、左足通電電極321Lと、左足測定電極322Lとを備えている。また、右ハンドグリップ33Rは、右手通電電極331Rと、右手測定電極332Rとを備え、左ハンドグリップ33Lは、左手通電電極331Lと、左手測定電極332Lとを備えている。
【0022】
体重測定部34は、体重を計測するためのロードセルを備えている。ロードセルは荷重に応じて変形する金属部材の起歪体と、起歪体に貼られる歪みゲージとによって構成される。ユーザが載台32の上に乗ると、ユーザの荷重によってロードセルの起歪体が撓んで歪ゲージが伸縮する。歪みゲージの抵抗値(出力値)は、その伸縮に応じて変化する。体組成測定部31は、荷重がかかっていないときのロードセルの出力値(ゼロ点)と荷重がかかったときの出力値との差から体重を演算する。なお、ロードセルを用いた体重の測定に関する構成は、一般の体重計と同様の構成を用いればよい。
【0023】
体組成測定部31には、被測定者Uの生体情報として、年齢、性別、身長が入力される。被測定者Uの生体情報は、タッチディスプレイ10を介して体組成測定部31に入力される。
【0024】
体組成測定部31は、各通電用電極から被測定者Uの身体の所定部位に所定の周波数の微弱な電流を流す電流供給機能と、電流経路に生じる電位差を測定する電位差測定機能と、このような電流及び電位差の各値に基づいて、ユーザの全身及び各身体部位の生体インピーダンスを算出する生体インピーダンス算出機能とを備えている。
【0025】
体組成測定部31による被測定者Uの全身及び各身体部位の生体インピーダンスの測定は、例えば以下のようにして行う。
(1)全身の生体インピーダンスの測定では、左手通電電極331L及び左足通電電極321Lを用いて電流を供給し、左手、左腕、胸部、腹部、左脚部、左足を流れる電流経路において、その左手に接触している左手測定電極332Lと左足に接触している左足測定電極322Lとの間の電位差を測定する。
(2)右脚の生体インピーダンスの測定では、右手通電電極331R及び右足通電電極321Rを用いて電流を供給し、右手、右腕、胸部、腹部、右脚部、右足を流れる電流経路において、その左足に接触している左足測定電極322Lと右足に接触している右足測定電極322Rとの間の電位差を測定する。
(3)左脚の生体インピーダンスの測定では、左手通電電極331L及び左足通電電極321Lを用いて電流を供給し、左手、左腕、胸部、腹部、左脚部、左足を流れる電流経路において、その左足に接触している左足測定電極322Lと右足に接触している右足測定電極322Rとの間の電位差を測定する。
(4)右腕の生体インピーダンスの測定では、右手通電電極331R及び右足通電電極321Rを用いて電流を供給し、右手、右腕、胸部、腹部、右脚部、右足を流れる電流経路において、その左手に接触している左手測定電極332Lと右手に接触している右手測定電極332Rとの間の電位差を測定する。
(5)左腕の生体インピーダンスの測定では、左手通電電極331L及び左足通電電極321Lを用いて電流を供給し、左手、左腕、胸部、腹部、左脚部、左足を流れる電流経路において、その左手に接触している左手測定電極332Lと右手に接触している右手測定電極332Rとの間の電位差を測定する。
【0026】
体組成測定部31は、入力された被測定者Uの生体情報と、体重測定部34で測定された体重と、算出された各生体インピーダンスを所定の回帰式に適用して演算することで、全身及び身体部位ごとの体組成測定値を算出する。体組成測定部31は、体組成測定値として、脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、内臓脂肪量、内臓脂肪レベル、内蔵脂肪面積、皮下脂肪量、基礎代謝量、骨量、体水分率、BMI、細胞内液量、細胞外液量を算出する。体組成測定値の演算に関する構成も、一般の体組成計と同様の構成を用いることができる。
【0027】
情報処理装置20は、タッチディスプレイ10及び体組成計30に接続されている。情報提供装置20は、設定部21と、情報処理部22と、記憶部23とを備えている。情報処理装置20の設定部21及び情報処理部22は、汎用のコンピュータが本実施の形態の情報提供プログラムを実行することで実現される。あるいは、設定部21及び情報処理部22は、ASIC等の個別のハードウェアによって実現されてもよい。
【0028】
設定部21は、目的設定部211と、目標設定部212と、個人登録部213とを備えている。情報処理部22は、情報提供部221と、制御部222とを備えている。また、記憶部23は、提供情報記憶部231と、体組成記憶部232と、個人情報記憶部233とを備えている。
【0029】
個人登録部213は、ユーザIDやパスワード等のユーザ個人を特定するための情報(ユーザ特定情報)と、ユーザの身長、年齢、性別等の生体の情報とを含む個人情報を登録する。個人登録部213は、個人情報を登録するための登録画面を表示パネル11に表示し、登録画面に関連して入力装置12に対してされた入力に基づいて、個人情報を取得する。個人登録部213は、取得した個人情報をユーザごとに個人情報記憶部233に記憶する。
【0030】
目的設定部211は、ユーザごとに体組成測定の目的を設定する。目的設定部211は、ユーザの入力に従って目的を設定してもよいし、ユーザの情報に基づいて自動的に目的を設定してもよいし、ランダムに目的を設定してもよい。ユーザの入力に従って目的を設定する場合には、目的設定部211は、あらかじめ複数の目的候補を用意しておき、それらをユーザに提示するとともに、目的候補のなかからのユーザによる選択を受け付けることで目的を設定してよい。
【0031】
図3は、本発明の実施の形態の目的選択の画面の例を示す図である。目的設定部211には、体組成測定の目的の候補として、「脂肪を減らしたい」のような体組成の具体的な項目(この場合は、体脂肪率)を増減させるもの、「太りにくいからだを作りたい」、「きれいな筋肉を目指したい」、「競技会などを目指したい」、「生活習慣病を予防したい」のような体づくりの方針、「お腹をへこませたい」のような身体の特定の部位又は身体全体のサイズを増減させるもの、「今のからだを維持したい」のような現状維持を目指すものが用意されている。ユーザが目的選択画面においていずれかの目的を指定すると、当該目的が選択されて目的設定部211において当該目的が設定される。設定された目的は、個人登録において指定された、ユーザ個人を特定するユーザ特定情報とともに提供情報記憶部231に記憶される。
【0032】
情報提供部221は、目的設定部211にて目的が設定されると、体組成計30で体組成測定が行われたことをトリガとして、体組成計30における体組成測定に基づいて、設定された目的に応じた情報をタッチディスプレイ10に出力する。目的に応じた情報は、体組成計30にて得られた複数項目の体組成測定値のうちの目的に応じた一又は複数の項目の体組成測定値であってもよいし、そのような一又は複数の項目の体組成測定値の組合せから算出される、目的に関する度数、係数、ないし評価値(以下、単に「度数」という。)であってもよいし、それらの数値に基づくメッセージ(例えば、アドバイス、コメント、広告)であってもよい。目的に関する度数は、例えば、「太りにくいからだを作りたい」という目的に関して、太りにくさの度数であってよい。
【0033】
情報提供部221は、例えば、「太りにくいからだを作りたい」という目的が設定されている場合に、設定された目的に応じた情報として、体組成計30で得られた体組成測定値のうちの、その目的に関連する体組成の項目である体脂肪率及び筋肉量を出力してよい。このために、提供情報記憶部231には、目的ごとに、当該目的に関連する体組成測定値の項目との関係を規定するテーブルが記憶され、情報提供部221はこのテーブルを参照することで目的に対応する体組成測定値の項目を特定する。
【0034】
あるいは、情報提供部221は、その目的に関連する体脂肪率及び筋肉量から太りにくさの度数を算出して、その度数を、設定された目的に応じた情報として出力してもよい。この場合には、提供情報記憶部231は、目的ごとに、当該目的に対応する度数の算出式を記憶している。この算出式は、当該目的に関連する体組成測定値を変数とする式であり、情報提供部221は、設定された目的に対応する算出式に、体組成計30で測定された体組成測定値のうちの関連する体組成測定値を入力することで、当該目的に対応する度数を得る。
【0035】
また、上述のように、情報提供部221は、目的に応じた情報として、目的に関連するメッセージを出力してよい。例えば、情報提供部221は、設定された目的と、目的に応じた情報として提示される体組成測定値との関係、即ち、設定された目的に対して一部の体組成測定値が提示される理由を説明するコメントを出力してよい。
【0036】
また、例えば、情報提供部221は、目的に応じた情報として、目的に応じて増加ないし減少させるべき体組成測定値に関連する商品の広告を出力してよい。例えば、情報提供部221は、目的が「脂肪を減らしたい」であるときに、脂肪の燃焼を補助するサプリメントの広告を出力してよい。このために、提供情報記憶部231は、目的と当該目的に関連する商品の広告とを対応付けた広告テーブルを記憶している。情報提供部221は、目的が設定されると、広告テーブルを参照して、該当する広告を出力する。
【0037】
情報提供部221は、目的に応じた出力すべき情報として、目的に応じたコメント、アドバイス、広告等が複数あるときには、それらのうちから一部をランダムに選択して出力してよい。これにより、毎日同じコメント等が出力されることで、ユーザが飽きてしまうという状況を軽減できる。
【0038】
更に、情報提供部221は、目的に応じて選択された一部の体組成測定値を出力する場合において、出力する体組成測定値の項目数(種類数)を可変としてもよい。出力する体組成測定値の項目数は、ユーザの指示に従って可変としてよい。あるいは、情報提供部221は、目的を設定してからの経過時間に応じて項目数を増加させるようにしてよい。これにより、目的を設定した当初は、より少ない項目数の体組成測定値を提示することで、ユーザに、設定された目的と体組成測定値との関係を理解してもらい、徐々に項目数を増やしていくことで徐々により多くの項目の体組成測定値についての理解を深めてもらうことができる。また、体組成測定の回数ないし頻度の増加に応じて、提示する体組成測定値の項目数を増加させてもよい。特に、測定頻度が増加している場合には、ユーザの健康管理に関する意識が向上してきていると考えられるため、体組成測定についての理解を深めてもらうよいタイミングであると考えることができる。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。この情報提供画面は、情報提供部221が出力し、タッチディスプレイ10に表示される。図5の例では、「太りにくいからだを作りたい」という目的が設定されており、目的に関連する体組成測定値として、体脂肪率及び筋肉量が示されている。また、目的に関連したメッセージとして、目的に関連する体組成測定値を改善するためのアドバイスが示されている。さらに、目的に関連する広告も示されている。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態の情報提供部による提供情報の生成の例を説明する図である。この例では、例えば、目的として、「きれいな筋肉を目指したい」という目的が設定されている。このために、情報提供部221は、体組成計30で測定された体組成測定値のうち、体脂肪率(FAT)、筋肉量、内臓脂肪量、皮下脂肪量の値を用いて提供情報を生成する。具体的には、情報提供部221は、筋肉量(肢除脂肪重量)を身長の二乗で割ることで3段階の骨格筋量指標(Muscle mass Index)を算出し、この骨格筋量指標と3段階の体脂肪率との組み合わせによって、タイプI~タイプIXの9通りの体格タイプを求める。また、情報提供部221は、3段階の内臓脂肪量と5段階の皮下脂肪量から15通りの腹部断面モデルを決定する。
【0041】
図6及び図7は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。情報提供部221は、体格タイプと腹部断面モデルとを組み合わせた挿絵とともに、その説明文ないしアドバイスを含む情報提供画面を生成する。図6の例は、体格タイプがVであり、腹部断面モデルが9である例を示しており、図7の例は、体格タイプがVIIIであり、腹部断面モデルが4である例を示している。
【0042】
上記の例では、情報提供部221は、体組成計30で測定された体組成測定値のうち、目的に応じた体組成測定値を用いて提供する情報を生成する。また、図5~7の例では、情報提供部221は、体組成計30で生成された体組成測定値のうちの複数の体組成測定値を組み合わせることで提供情報を生成する。
【0043】
なお、上記の実施の形態では、情報が画面による表示の方式で提供されたが、情報提供の方式はこれに限られず、情報の一部又は全部が音声その他の方式でユーザに提供されてもよい。
【0044】
目標設定部212は、設定された目的についての目標を設定する。なお、目標設定部212による目標設定は任意であり、目標設定はしなくてもよい。目標設定部212は、設定された目的について情報提供部221から出力される提供情報(目的に関連する体組成測定値、又は目的に関連する度数)の目標値、及びその目標値の達成期限を目標として設定する。なお、目標設定部212は、目標値のみを設定し、達成期限を設定しなくてもよい。
【0045】
例えば、目的設定部211によって「太りにくいからだを作りたい」という目的が設定されており、情報提供部221が提供情報として、当該目的に関連する体組成測定値である体脂肪率及び筋肉量を出力する場合には、目標設定部212は、目標として、体脂肪率及び筋肉量の目標値及びその達成期限を設定する。また、例えば、目的設定部211によって「太りにくいからだを作りたい」という目的が設定されており、情報提供部221が提供情報として、当該目的に関連する度数を出力する場合には、目標設定部212は、目標として、太りにくさの度数の目標値及びその達成期限を設定する。
【0046】
目標設定部212は、目標を自動で設定してよいし、目標をユーザの入力に基づいて設定してもよい。目標設定部212は、目標を設定するときの実際のユーザの体組成測定値に基づいて目標値を設定してよい。目標設定部211は、例えば、目的に関連するユーザの体組成測定値を所定割合(例えば、10%)だけ改善した値を目標値として設定してよい。
【0047】
また、目標設定部212は、設定された目的に関連する体組成測定値の理想値を目標として設定してもよい。この場合には、提供情報記憶部231には、目的ごとに、体組成測定値の種類とその理想値との関係を示すテーブルを有し、目標設定部212は、このテーブルを参照することで目標値を決定してよい。この理想値は、例えば、理想値としてあらかじめ固定的に定められたものであってよく、あるいは、ユーザの体重、身長、年齢、性別等から所定の算出式によって算出されるものであってもよい。あるいは、理想値は、複数のユーザの体組成測定値を統計的に処理して得られる値(例えば、複数のユーザの平均値)であってもよい。
【0048】
あるいは、目標設定部212は、ユーザからの入力に基づいて目標値を決定してよい。例えば、上記のようにユーザの体組成測定値を所定の割合だけ改善した値を目標値として設定する場合において、当該割合をユーザからの入力に基づいて決定してよい。また、目標設定部212は、例えば、情報提供部221が目的に関する度数を情報提供する場合には、目標を設定しようとするときの度数をユーザに提示するとともに、目標とする度数をユーザに入力させることで目標値を設定してよい。
【0049】
目標設定部212は、「すごく」、「ほどほどに」、「少しだけ」のような感覚的な表現で目標候補をユーザに提示して、ユーザの選択を受けて、選択された感覚的表現に応じて目標値を設定してよい。この場合には、目標設定値212は、例えば、「すごく」が選択された場合には、ユーザの体組成測定値を15%改善した値を目標値とし、「ほどほどに」が選択された場合には、ユーザの体組成測定値を10%改善した値を目標値とし、「少しだけ」が選択された場合には、ユーザの体組成測定値を5%改善した値を目標値としてよい。
【0050】
また、目標設定部212は、設定した目標値について、達成期限を設定する。達成期限は、設定時からの時間で設定してもよいし、達成期限日で設定してもよい。目標設定部212は、達成期限を自動で設定してよく、ユーザの入力に従って達成期限を設定してもよい。目標設定部212は、「3カ月以内」、「6カ月以内」、「1年以内」のような複数の達成期限の候補をユーザに提示して、ユーザの選択を受けて、選択された期限を達成期限として設定してよい。あるいは、目標設定部212は、日単位、週単位、月単位等の所定の単位でユーザからの達成期限の入力を受けて達成期限を設定してもよい。
【0051】
図8は、本発明の実施の形態の目標設定の画面の例を示す図である。この目標設定画面では、目標値の候補として、目的に関連する体組成測定値や度数を15%改善する「すごく」、10%改善する「ほどほどに」、5%改善する「少しだけ」が表示されており、ユーザは、これらのいずれかを選択することで目標値を指定する。また、図8の目標設定画面では、目標の達成期限の候補として、「3カ月以内」、「6カ月以内」、「1年以内」の選択肢が表示されており、ユーザは、これらのいずれかを選択することで達成期限を指定する。
【0052】
この目標設定画面は、目標設定部212によって表示パネル11に表示される。目標設定部212は、この目標設定画面に関連して入力装置12に対してされた入力に従って、目標値及び達成期限を設定する。
【0053】
上述のように、情報提供部221が提供する情報は、目的設定部211で設定された目的に応じた情報であるが、この情報は、目標設定部212で目標が設定された場合には、その目標にも応じた情報であってよい。具体的には、情報提供部221は、目標値と体組成測定値との差分に基づく情報を出力してよい。これにより、ユーザは、目標と実際の身体との差分を知ることができる。例えば、情報提供部221は、提供情報として体脂肪率を出力する場合において、目標値とされている体脂肪率との差分が3%である場合に、測定された体脂肪率とともに、目標に応じた情報として「目標体脂肪率まで、あと3%減少させましょう」というコメントを出力してよい。
【0054】
このために、制御部222は、体組成計30で体組成測定が行われるたびに、その体組成測定値を、ユーザ特定情報に関連付けて体組成記憶部232に記憶させる。また、提供情報記憶部231には、差分を算出するための差分算出式が記憶されており、情報提供部221は、この差分算出式を用いて差分を算出する。さらに、提供情報記憶部231は、提供情報として出力するコメントのフォーマット(上記の例では、「目標体脂肪率まであと(体脂肪率の差分)%減少させましょう」)を記憶している。情報提供部221は、差分算出式で算出された値をこのフォーマットに代入することで、コメントを生成する。
【0055】
情報提供部221は、体組成記憶部232を参照することで、過去の所定期間(例えば、3日間、1週間等)の体組成測定値の遷移(変動)を取得し、この遷移に従って体組成が変化した場合に目標が達成される時期を算出し、当該時期と目標設定部212で設定された達成期限とを比較して、その差分を示す情報を、目標に応じた情報として出力してもよい。例えば、情報提供部221は、提供情報として、体組成測定値の遷移に基づいて算出された目標達成時期が達成期限よりも1週間前である場合に、「達成期限よりも1週間早く達成できます」というコメントを出力してよい。
【0056】
このために、提供情報記憶部231には、目標が達成される時期を算出するための時期算出式、及び目標値との差分を算出するための差分算出式が記憶している。情報提供部221は、提供情報記憶部231に記憶された時期算出式及び差分算出式を用いて、目標が達成される時期及び目標値との差分を算出する。また、提供情報記憶部231は、提供情報として出力するコメントのフォーマット(上記の例では、例えば、「達成期限よりも(余裕期間)早く達成できます」、「達成期限には間に合いません。達成期限の(超過期間)後に達成できます」)を記憶している。情報提供部221は、自基端出式及び差分算出式で算出された目標達成時期に基づく余裕期間や超過期間をこのフォーマットに代入することで、コメントを作成する。
【0057】
情報提供部221は、過去の所定期間の体組成測定値の変動における単位期間あたりの変化量と、達成期限までに必要とされる単位期間あたりの体組成測定値の変化量との差分に基づいて、目標に対応する情報を出力してもよい。例えば、過去の単位期間あたりの変化量が、必要な変化量を上回っていた場合に、当該上回っている分に相当するエネルギーを食物量に換算してコメントとして出力してよい。情報提供部221は、例えば、情報提供部221は、「多く消費した分のカロリーはごはん1.5杯分です」というコメントを出力してよい。また、情報提供部221は、例えば、過去の単に期間あたりの変化量が、必要な変化量を下回っている場合には、当該下回っている分に相当するエネルギーを食物量に換算してアドバイスとして出力してよい。例えば、情報提供部221は、「毎日ごはん1.5杯分のカロリー制限をしましょう」というアドバイスを出力してよい。
【0058】
このために、提供情報記憶部231には、設定された目標値と現在の体組成測定値ないし度数との差分と、過去の所定期間の体組成測定値の変動と、達成期限までの猶予期間とに基づいて、1日に増減させるべきエネルギーを算出するエネルギー算出式と、エネルギーを食物量に換算する換算式とが記憶されている。情報提供部221は、これらのエネルギー算出式及び換算式を用いて、設定された目標値と現在の体組成測定値ないし度数との差と、過去の所定期間の体組成測定値の変動と、達成期限までの猶予期間とから食物量を算出する。エネルギーと食物量との換算には、各食物の平均的な値を採用することができる。
【0059】
また、提供情報記憶部231は、提供情報として出力するコメントのフォーマット(上記の例では、「多く消費した分のカロリーは(食物)(量)分です」、「毎日(食物)(量)分のカロリー制限をしましょう」)を記憶している。情報提供部221は、換算式で算出された食物量をこのフォーマットに代入することで、コメントを生成する。
【0060】
図9は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。図9の例の情報提供画面では、直近3日間において、摂取したカロリーと消費したカロリーとを比較すると消費したカロリーの方が670kcal分多いことを示しており、それが、ごはん3杯分又はケーキ1.5個分であることが示されている。
【0061】
情報提供部2221は、目標が設定されているか否かに関わらず、過去の所定期間の体組成測定値の単位期間あたりの体組成測定値の変化量に相当するエネルギーを食物量ないしカロリーに換算してコメントとして出力してよい。例えば、情報提供部221は、「1日あたりの消費エネルギーは、ハンバーガー10個分です」というコメントを出力してよい。
【0062】
情報提供部221は、目標が設定されているか否かに関わらず、過去の所定期間の体組成測定値の遷移に従って体組成が変化した場合に、体組成測定値が将来的にどのようになるかを予測して、目的に応じた情報として当該予測値を出力してよい。例えば、情報提供部221は、直近の1か月間で体脂肪率が3%増加した場合に、3か月後に体脂肪率が9%増加すると予測して、提供情報として「このままいくと3か月後には体脂肪率が9%増加します」というコメントを出力してよい。
【0063】
情報提供部221は、目的に応じた情報として、目標と測定された体組成測定値とに基づいて、体組成測定値を目標値に近づけるためのアドバイスを出力してよい。例えば、情報提供部221は、目標値としての体脂肪率と、目標の達成期限ないし達成期限までの猶予期間と、体組成測定値としての体脂肪率と、体組成測定値としての基礎代謝量とに基づいて、達成期限までに目標値の体脂肪率になるために、当該ユーザが1日あたりの必要な運動量を算出して、算出された運動量をアドバイスとして出力してよい。
【0064】
例えば、情報提供部221は、「目標達成のために、1日30分のランニングをしましょう」というアドバイスを出力してよい。また、情報提供部221は、減少させるべき体脂肪率が上記と同じであったとしても、達成期限までの猶予期間がより短い場合には、例えば、「目標達成のために、1日45分のランニングをしましょう」とより厳しいアドバイスを出力することになる。
【0065】
このために、情報提供部221は、上記のエネルギー算出式と、エネルギーを運動量に換算する換算テーブルとが記憶されている。情報提供部221は、これらのエネルギー算出式及び換算式を用いて、設定された目標値と現在の体組成測定値ないし度数との差と、過去の所定期間の体組成測定値の変動と、達成期限までの猶予期間とから運動量を算出する。
【0066】
また、提供情報記憶部231は、提供情報として出力するコメントのフォーマット(上記の例では、「目標達成のために、1日(量)の(運動)をしましょう」)を記憶している。情報提供部221は、換算式で算出された運動量をこのフォーマットに代入することで、コメントを生成する。
【0067】
また、達成期限を設定していない場合には、情報提供部221は、体組成記憶部232を参照することで、過去の所定期間(例えば、3日間、1週間等)の体組成測定値の遷移(変動)を取得し、この遷移に従って体組成が変化した場合に目標が達成される時期を算出して出力してよい。
【0068】
図10は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。図10の例の情報提供画面では、直近3日間において、摂取したカロリーと消費したカロリーとを比較すると摂取したカロリーの方が670kcal分多い(食べ過ぎである)ことを示しており、この摂取過多のカロリーを消費するために必要な運動量を示している。
【0069】
図11は、本発明の実施の形態の情報提供画面の例を示す図である。図11の例の情報提供画面では、過去の体脂肪率の遷移に従って体脂肪率が変化した場合の目標達成時期を示している。図11の例の情報提供画面では、体脂肪率の目標値が24.0%と設定されており、過去の体脂肪率の遷移によれば、1週間後に27.5%となり、1か月後に1か月後に26.1%になり、目標値である24.0%を下回るのが半年後であることが予測されている。
【0070】
以上のように、本発明の実施の形態の体組成測定システム100では、体組成測定の目的を設定することができ、体組成計30における測定に基づいて、設定された目的に応じた情報がタッチディスプレイ10に表示される。また、目的についての目標を設定することで、目標値と測定された体組成測定値に基づく情報を提供することもできる。これにより、ユーザは、目的をもって体組成の測定を行うことができる。
【0071】
なお、上記の実施の形態では、タッチディスプレイ10と、情報処理装置20と、体組成計30とが一体となって図1に示す体組成計測システム100を構成していたが、タッチディスプレイ10と、情報処理装置20と、体組成計30とはそれぞれ互いに通信可能な別々の装置で構成されていてもよい。
【0072】
例えば、タッチディスプレイ10が、体組成計30と無線通信可能なスマートフォンやタブレット等のデバイスとして構成され、情報処理装置20は、タッチディスプレイ10に相当するデバイスと通信ネットワークを介して通信可能なサーバ装置として構成されてもよい。この場合に、体組成計30は、載台32に4つの電極のみを有し、ハンドグリップを有しない4電極方式の体組成計であってよく、あるいは、左右のハンドグリップに合計4つの電極のみを有する4電極方式の体組成計であってもよい。
【0073】
また、タッチディスプレイ10と情報処理装置20とがスマートフォン等のデバイスによって構成されてもよい。この場合に、記憶部23に記憶されるデータは、スマートフォンが通信ネットワークを介して更新サーバに接続することで更新されてもよい。
【0074】
なお、上記の実施の形態では、体組成測定システム100は、体組成計30で体組成を測定して、その体組成測定に応じた情報を提供したが、情報提供部221は、更に、血圧計、運動量計、尿糖計、歩数計等の器機からの測定値にも基づいて提供する情報を決定してもよい。
【0075】
上記の実施の形態では以下の発明も開示されている。
(1)複数項目の体組成測定値を測定する体組成測定部と、
測定された複数の体組成測定値から一部の体組成測定値を選択し、選択された体組成測定値に関する情報を提供する情報提供部と、
を備えた情報提供システム。
【0076】
(2)(1)の情報提供システムにおいて、
さらに、目的を設定する目的設定部を備え、
前記情報提供部は、設定された前記目的に応じて体組成測定値を選択する、情報提供システム。
【0077】
(3)(1)又は(2)の情報提供システムにおいて、
前記情報提供部は、前記体組成測定値を可変に選択する、情報提供システム。
【0078】
(4)(1)~(3)のいずれかの情報提供システムであって、
前記情報提供部は、所定の基準時からの経過時間、体組成測定の回数、又は体組成測定の頻度に応じて選択する体組成測定値の数を増加させる、情報提供システム。
【0079】
(5)(1)~(4)のいずれかの情報提供システムであって、
前記情報提供部は、選択した体組成測定値に応じたメッセージを前記情報として提供する、情報提供システム。
【0080】
(6)(5)の情報提供システムであって、
前記情報提供部は、前記メッセージとして、選択した体組成測定値と所定の基準値との差分に応じたメッセージを提供する、情報提供システム。
【符号の説明】
【0081】
10…タッチディスプレイ、11…表示パネル、12…入力装置、20…情報提供装置、21…設定部、211…目的設定部、212…目標設定部、213…個人登録部、22…情報処理部、221…情報提供部、222…制御部、23…記憶部、231…提供情報記憶部、232…体組成記憶部、233…個人情報記憶部、30…体組成計、31…体組成測定部、32…載台、33R…右ハンドグリップ、33L…左ハンドグリップ、34…体重測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11