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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】薬剤包装装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20241001BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
A61J3/00 310K
B65B1/30 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020121486
(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公開番号】P2022018402
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 勝義
(72)【発明者】
【氏名】藤本 洋平
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-032150(JP,A)
【文献】特開2002-085523(JP,A)
【文献】特開2000-203501(JP,A)
【文献】国際公開第2015/076266(WO,A1)
【文献】特開2017-86874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
B65B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を収容する薬剤容器から前記薬剤を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記薬剤が通過する薬剤経路と、
前記薬剤経路を通過した前記薬剤を包装する包装部と、
前記供給部および前記包装部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記薬剤の包装後に前記薬剤経路の清掃が必要であるか否かを表す判定フラグを薬剤情報に関連付けて記憶する記憶部を有し、
前記薬剤容器は、清掃材をさらに収容し、
前記制御部は、包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤が調剤データに含まれると、前記調剤データに従った包装が終了した後、次回の調剤データに含まれる薬剤の前記薬剤経路への供給を待機し、前記薬剤容器から前記薬剤経路に前記清掃材を供給
前記次回の調剤データが包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤を含み、前記次回の調剤データに含まれる包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤と前記調剤データに含まれる包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤とが同じ種類である場合、前記制御部は、前記調剤データに従った包装が終了した後、前記清掃材を前記薬剤容器から前記薬剤経路に供給せず、前記次回の調剤データに従った包装を開始する、薬剤包装装置。
【請求項2】
前記次回の調剤データが包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤を含まず、次々回以降の調剤データが包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤を含み、前記次々回以降の調剤データに含まれる包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤と前記調剤データに含まれる包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤とが同じ種類である場合、前記制御部は、前記調剤データに含まれる包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤と同じ薬剤を含む前記次々回以降の調剤データを、次回の調剤データに設定する、請求項に記載の薬剤包装装置。
【請求項3】
前記薬剤経路は、前記供給部から供給された前記薬剤を一服用分ずつに分配する分配部を複数有し、
前記制御部は、複数の前記分配部のうち、包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤を分配した分配部に、前記清掃材を供給する、請求項1または請求項に記載の薬剤包装装置。
【請求項4】
前記包装部は、前記薬剤経路を通過した前記清掃材を包装し、
前記制御部は、前記包装部が包装する前記清掃材の包数を、前記薬剤経路に供給される前記清掃材の量に従って決定する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の薬剤包装装置。
【請求項5】
前記薬剤容器から取り出される薬剤を収容する容器を備え、
包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤を前記容器から排出した後、前記薬剤容器から取り出される前記清掃材を前記容器に収容する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の薬剤包装装置。
【請求項6】
前記供給部は、前記容器を搬送する搬送部を有し、
前記搬送部は、包装後に前記薬剤経路の清掃が必要な薬剤を排出した後の前記容器を、前記薬剤容器から取り出される前記清掃材を受ける位置に搬送する、請求項に記載の薬剤包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-130972号公報(特許文献1)には、種類毎に散薬を収容するための複数の薬剤容器と、薬剤容器から排出された散剤を配分する分配ユニットと、散薬を個別に分包する分包動作を実行する薬剤分包装置とを備える、散薬分包装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-130972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献には、分配ユニットの周辺に清掃装置が設けられていると記載されている。上記文献には、薬剤が通過する薬剤経路の清掃と、薬剤の包装とのタイミングに関する記載はない。
【0005】
本開示では、薬剤経路の清掃と薬剤の包装とのタイミングを適正化できる、薬剤包装装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、薬剤を収容する薬剤容器から薬剤を供給する供給部と、供給部から供給された薬剤が通過する薬剤経路と、薬剤経路を通過した薬剤を包装する包装部と、供給部および包装部を制御する制御部とを備える、薬剤包装装置が提供される。制御部は、薬剤の包装後に薬剤経路の清掃が必要であるか否かを表す判定フラグを薬剤情報に関連付けて記憶する記憶部を有している。薬剤容器は、清掃材をさらに収容する。制御部は、包装後に薬剤経路の清掃が必要な薬剤が調剤データに含まれると、調剤データに従った包装が終了した後、次回の調剤データに含まれる薬剤の薬剤経路への供給を待機し、薬剤容器から薬剤経路に清掃材を供給する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に従った薬剤包装装置によれば、薬剤経路の清掃と薬剤の包装とのタイミングを適正化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】調剤システムを示す概略図である。
図2】実施形態に係る薬剤分包装置の概略構成図である。
図3】薬剤分包装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図4】中間容器(外部薬剤容器)の斜視図である。
図5】搬出容器の斜視図である。
図6】計量装置の概略構成図である。
図7】薬剤の供給および分包の処理の流れを示すフロー図である。
図8】中間容器を清掃する処理の流れを示すフロー図である。
図9】中間容器を清掃する処理の流れを示すフロー図である。
図10】中間容器の内面の撮像画像を表示する表示部を示す図である。
図11】中間容器の追加清掃の選択画面を表示する表示部を示す図である。
図12】ホッパおよび分配部を清掃する処理の流れを示すフロー図である。
図13】薬剤経路に清掃材を供給する処理の例の流れを示すフロー図である。
図14】ホッパを手動清掃する処理の例の流れを示すフロー図である。
図15】ホッパの内面の撮像画像を表示する表示部を示す図である。
図16】ホッパの追加清掃の選択画面を表示する表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0010】
図1は、調剤システム100を示す概略図である。図2は、実施形態に係る薬剤分包装置1の概略構成図である。図3は、薬剤分包装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、調剤システム100は、薬剤分包装置1と、計量装置80と、を備える。
【0012】
薬剤分包装置1は、薬剤を供給して分包する。薬剤分包装置1は、薬剤を供給するために、1又は複数の薬剤をそれぞれ量り取ることができる。本明細書において、薬剤の量り取りとは、薬剤容器等に収容された薬剤を必要な分だけ取り出すことをいう。薬剤分包装置1は、薬剤として散剤(粉状、細粒状、又は顆粒状の薬剤)を量り取る。薬剤分包装置1は、散剤に加えて錠剤を分包可能であってもよい。
【0013】
計量装置80は、薬剤分包装置1の外部に設置されている。計量装置80は、薬剤分包装置1に代わって薬剤を量り取ることができる。薬剤分包装置1及び計量装置80は、例えば、薬局又は病院に設置される。
【0014】
薬剤分包装置1が行う薬剤の供給及び分包は、オペレータにより入力された調剤データに基づいて行われる。
【0015】
薬剤分包装置1は、薬剤の分包のみを行うこともできる。この場合、薬剤の量り取りには、計量装置80等が用いられる。計量装置80は、オペレータが薬瓶等から取り出した薬剤を計量する。薬剤分包装置1は、薬剤の量り取りのみを行うこともできる。この場合、量り取られた薬剤は、分包されずに薬剤分包装置1の外部に出される。薬剤分包装置1は、量り取った薬剤を容器に収容し、当該容器をオペレータが取り出すことができるようにする。
【0016】
以下の説明では、薬剤分包装置1が薬剤を分包することを第1動作と称し、薬剤分包装置1が薬剤の量り取りを行ってその後に分包をしないことを第2動作と称する。第1動作において、薬剤分包装置1が量り取りを行なってもよく、薬剤分包装置1は量り取りを行わなくてもよい。薬剤分包装置1の外部で計量装置80等が量り取った(計量した)薬剤を、薬剤分包装置1が分包する場合も、第1動作に含まれる。
【0017】
薬剤分包装置1は、図2に示すように、第1保管部11と、第2保管部12と、第3保管部13と、を備える。また、薬剤分包装置1は、図2及び図3に示すように、搬送部14と、薬剤容器15と、第1情報処理部16と、量り取り部30と、第2情報処理部19と、第3情報処理部20と、表示部21と、操作部22と、薬剤排出部32と、分包部33と、清掃部38と、制御部50と、ロック機構52と、撮像装置54,56とを備える。
【0018】
第1保管部11は、薬剤が収容されていない複数の中間容器91を保管することができる。中間容器91は、供給及び分包の対象である薬剤を収容して薬剤分包装置1の各部に搬送するために用意されている。中間容器91の構成については後述する。
【0019】
第1保管部11は、例えば、複数の中間容器91を待機させるための複数の支持台を有し、それぞれの支持台で各中間容器91の底面を支持する構成とすることができる。ただし、中間容器91を実質的に保管できる限り、第1保管部11の構成は任意に変更することができる。
【0020】
第2保管部12は、薬剤が収容されていない複数の外部薬剤容器92を保管することができる。外部薬剤容器92は、オペレータが薬剤分包装置1の外部で用意した薬剤を収容し、その薬剤の分包のために薬剤分包装置1に導入される容器として用いられる。外部薬剤容器92は、薬剤分包装置1ではなく図1の計量装置80等が計量を行う場合に、計量装置80で計量される薬剤を収容し、計量された薬剤を収容した状態で薬剤分包装置1内へ導入するために、薬剤分包装置1において用意されている。外部薬剤容器92の構成については後述する。
【0021】
第3保管部13は、薬剤が収容されていない複数の搬出容器93を保管することができる。搬出容器93は、薬剤分包装置1が量り取り後に分包をしない場合に、量り取られた薬剤を収容して薬剤分包装置1から他の薬剤分包装置95へ薬剤を搬出するために、薬剤分包装置1において用意されている。
【0022】
第2保管部12及び第3保管部13は、例えば第1保管部11と同様に、外部薬剤容器92又は搬出容器93の底面を支持する構成とすることができる。
【0023】
中間容器91について説明する。図4は、中間容器91(外部薬剤容器92)の斜視図である。中間容器91は、図4に示すように、収容部91aと、排出経路部91bと、開閉部91cと、情報表示部(表示部)91dと、情報記録部(情報記録部材)91eと、を備える。
【0024】
収容部91aは、中間容器91が実質的に薬剤を収容する部分である。収容部91aは、上方を開放させた中空状に形成されている。
【0025】
排出経路部91bは、収容部91aの内部空間と外部空間とを接続する細い通路として構成されている。排出経路部91bは、収容部91aの端部に連通するように形成されている。
【0026】
開閉部91cは、シャッター状の可動部材として構成されている。開閉部91cは、収容部91aと排出経路部91bとの接続部分を開閉することができる。
【0027】
情報表示部91dは、調剤データ及び調剤に関する情報を表示可能なディスプレイである。情報表示部91dは、例えば、マイクロカプセル式又は電気泳動式の電子ペーパとして構成することができる。
【0028】
情報記録部91eは、例えば不揮発性のメモリを有しており、容器固有情報を記録することができる。容器固有情報には、容器の識別情報が含まれる。なお、容器固有情報には、容器の種類を示す情報(中間容器91、外部薬剤容器92、搬出容器93)を含むようにしてもよい。情報記録部91eは、例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグとして構成することができる。
【0029】
本実施形態の薬剤分包装置1では、同じ形状の中間容器91が複数用意されている。なお、互いに収容部91aの大きさが異なる複数種類の中間容器91が用意されていてもよい。この場合、多種の薬剤の量り取り等、量り取りを行う様々な状況に対応することができる。
【0030】
外部薬剤容器92について説明する。外部薬剤容器92は、図4に示すように、中間容器91と実質的に同様の構成である。外部薬剤容器92は、収容部92aと、排出経路部92bと、開閉部92cと、情報表示部92dと、情報記録部92eと、を備える。
【0031】
収容部92a、排出経路部92b、開閉部92c、情報表示部92d、及び情報記録部92eは、中間容器91における収容部91a、排出経路部91b、開閉部91c、情報表示部91d、及び情報記録部91eと同様の構成であるので、説明を省略する。
【0032】
本実施形態の薬剤分包装置1では、同じ形状の外部薬剤容器92が複数用意されている。なお、互いに収容部92aの大きさが異なる複数種類の外部薬剤容器92が用意されていてもよい。この場合、多種の薬剤の外部計量等、外部計量を行う様々な状況に対応することができる。
【0033】
搬出容器93について説明する。図5は、搬出容器93の斜視図である。搬出容器93は、図5に示すように、中間容器91から排出経路部91b及び開閉部91cを省略したものに相当する。搬出容器93は、収容部93aと、情報表示部93dと、情報記録部93eと、を備える。
【0034】
収容部93a、情報表示部93d、及び情報記録部93eは、中間容器91における収容部91a、情報表示部91d、及び情報記録部91eと同様の構成であるので、説明を省略する。
【0035】
本実施形態の薬剤分包装置1では、同じ形状の搬出容器93が複数用意されている。なお、互いに収容部93aの大きさが異なる複数種類の搬出容器93が用意されていてもよい。この場合、多種の薬剤の量り取り等、量り取りを行う様々な状況に対応することができる。
【0036】
搬送部14は、中間容器91、外部薬剤容器92、及び搬出容器93を搬送することができる。搬送部14は、図2に示すように、第1搬送部14aと、第2搬送部14bと、を備える。
【0037】
第1搬送部14a及び第2搬送部14bのそれぞれの動作は、制御部50により制御される。第1搬送部14aと第2搬送部14bとは、搬送を行う範囲が異なるだけであり、搬送を行う構成は実質的に同じであるため、以下では第1搬送部14aを例に挙げて説明する。
【0038】
第1搬送部14aは、中間容器91、外部薬剤容器92、又は搬出容器93を保持するための容器保持部を備えている。容器保持部は、薬剤分包装置1に定められた経路に沿って移動可能に構成されている。第1搬送部14aは、中間容器91、外部薬剤容器92、又は搬出容器93を容器保持部に保持した状態で、容器保持部を移動させることで、中間容器91、外部薬剤容器92、又は搬出容器93を搬送する。
【0039】
このように、本実施形態では、中間容器91、外部薬剤容器92及び搬出容器93を、共通の第1搬送部14aによって搬送する構成となっている。従って、3種類の容器のそれぞれにおいて、第1搬送部14a(容器保持部)に取り付けられる部分を同一の構成とすると、第1搬送部14aの構成を簡素化できるために好ましい。
【0040】
中間容器91、外部薬剤容器92及び搬出容器93は、構成及び機能の点で互いに類似している。従って、中間容器91は、第1動作に用いられる外部薬剤容器92としても使用可能である。また、中間容器91は、第2動作に用いられる搬出容器93としても使用可能である。外部薬剤容器92は、第1動作に用いられる中間容器91としても使用可能である。また、外部薬剤容器92は、第2動作に用いられる搬出容器93としても使用することもできる。容器の種類を減らすことで、構成の簡素化を実現することができる。
【0041】
図2には、第1搬送部14aの経路が破線で示され、第2搬送部14bの経路が2点鎖線で示されている。第1搬送部14aと第2搬送部14bは、個別の駆動源を備えており、それぞれが独立して動作可能である。従って、薬剤分包装置1は、第1搬送部14aによる容器の搬送と、第2搬送部14bによる容器の搬送と、を同時に並行して行うことができる。
【0042】
搬送部14が容器を保持する構成は様々であり、例えば、伸縮可能又は回転可能なアームの先端に容器保持部を設け、アームを伸縮させたり回転させたりして容器保持部の位置を変更する構成としてもよい。また例えば、容器をチャックで掴んだり、容器を吸引して保持したりしてもよい。
【0043】
薬剤容器15は、量り取りの対象となる薬剤を収容する。それぞれの薬剤容器15には、薬剤を容器外に排出して取り出すための開口が形成されている。
【0044】
原則として、複数の薬剤容器15には、それぞれ異なる種類の薬剤が収容される。ただし、例えば使用頻度が高い薬剤に関しては、同一の薬剤が複数の薬剤容器15に収容されてもよい。
【0045】
薬剤分包装置1は、薬剤のほかに賦形剤を取り扱うこともできる。複数の薬剤容器15のうち何れかの容器には、賦形剤が収容されてもよい。薬剤分包装置1は、薬剤(散剤)の賦形が必要な場合には、賦形剤を薬剤容器15から取り出す。この場合は、薬剤と同様に、賦形剤の供給を行うことができる。複数の薬剤容器15の何れかの容器には、清掃材が収容されてもよい。この場合、薬剤と同様に清掃材の供給を行うことができる。清掃材が薬剤容器15から取り出されて、薬剤分包装置1の薬剤経路に接触しながら分包されることにより、清掃材が接触する薬剤経路が清掃される。清掃材には、賦形剤が用いられてもよい。賦形剤および/または清掃材は、乳糖であってもよい。
【0046】
薬剤容器15の外面には、情報記録部71が設けられている。情報記録部71は、例えばRFIDタグとすることができる。情報記録部71には、薬剤容器15に収容された薬剤に関する情報(収容薬剤情報)を記憶することができる。収容薬剤情報には、薬剤名、薬剤容器15内の薬剤残量、薬剤の使用期限、前回補充日、量り取り部30の作動条件等が含まれる。薬剤分包装置1は、情報記録部71を読み取ることにより、収容薬剤情報を得ることができる。なお、情報記録部71に薬剤容器15の識別情報のみを記憶させておき、これを薬剤分包装置1で読み取ると、前述の収容薬剤情報が後述の記憶部61から呼び出されるようにしてもよい。
【0047】
第1情報処理部16は、情報記録部71から収容薬剤情報を読み取ることができる。第1情報処理部16は、例えばRFIDリーダライタとして構成することができる。第1情報処理部16は、薬剤分包装置1の任意の位置に設けられている。
【0048】
量り取り部30は、薬剤取出部17と、計量部18と、を備える。薬剤取出部17は、薬剤容器15から薬剤を取り出す。計量部18は、薬剤容器15から取り出された薬剤を計量する。
【0049】
薬剤取出部17は、複数の薬剤容器15を着脱可能に保持する。薬剤取出部17は、保持された薬剤容器15を所定位置に移動させ、当該所定位置において、薬剤容器15に収容されている薬剤を、開口を介して下方に取り出す。薬剤取出部17の動作は、第1情報処理部16が読み取った収容薬剤情報に基づいて、制御部50により制御される。
【0050】
計量部18は、載置台18aと、検出部18bと、を備える。載置台18aは、薬剤取出部17の上記の所定位置の下方に配置されている。載置台18aには、中間容器91又は搬出容器93を載置することができる。第1搬送部14aは、容器保持部に保持した中間容器91又は搬出容器93を搬送して、載置台18aに置いたり、載置台18aから取り去ったりすることができる。
【0051】
検出部18bは、載置台18aに中間容器91又は搬出容器93が載せられた状態で、容器の内部の薬剤を計量することができる。言い換えれば、計量部18は電子天秤として構成されており、載置台18aは電子天秤における計量皿の部分に相当する。検出部18bは、例えば電磁式又はロードセル式の荷重センサとして構成することができる。
【0052】
量り取り部30は、薬剤情報が示す薬剤のそれぞれについて全服用分を量り取るように、制御部50により制御される。制御部50は、薬剤情報が示す薬剤が収容された薬剤容器15を、薬剤取出部17により載置台18aの真上に適宜移動させる。その後、制御部50は、薬剤容器15から薬剤を下方に取り出し、取り出された薬剤を載置台18aに載置された中間容器91又は搬出容器93に収容するとともに、収容された薬剤について検出部18bにより計量を行う。
【0053】
第2情報処理部19は、計量部18にセットされた、中間容器91の情報記録部91e又は搬出容器93の情報記録部93eに記憶された、容器固有情報を取得する。また、第2情報処理部19は、計量部18にセットされた、中間容器91の情報表示部91d又は搬出容器93の情報表示部93dの、表示内容を変更することができる。第2情報処理部19は、例えばRFIDリーダライタとして構成されている。
【0054】
第3情報処理部20は、第1保管部11に保管された中間容器91の情報記録部91eに記憶された容器固有情報を取得する。第3情報処理部20による容器固有情報の取得は、第2保管部12に保管された外部薬剤容器92、又は第3保管部13に保管された搬出容器93に対しても同様に行われる。
【0055】
第3情報処理部20は、中間容器91又は搬出容器93に対して表示内容の変更を行うようにしてもよい。この場合、第2情報処理部19は、計量部18にセットされた中間容器91又は搬出容器93に対して、計量結果のみに関して表示内容の変更を行うようにしてもよい。
【0056】
表示部21は、薬剤分包装置1に関する様々な情報を表示可能な表示画面を有する装置である。表示部21としては、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等とすることが考えられる。表示部21は、薬剤分包装置1の適宜の位置に配置される。
【0057】
操作部22は、オペレータが薬剤分包装置1に対して各種の指示を行うために操作される。操作部22は、薬剤分包装置1の適宜の位置(例えば、表示部21の近傍)に配置される。操作部22はキーボードを含んで構成されていてもよく、表示部21がタッチパネルであって操作部22は表示部21に組み込まれた構成とすることもできる。
【0058】
薬剤排出部32には、第2搬送部14bにより搬送された中間容器91又は外部薬剤容器92がセットされる。薬剤排出部32は、セットされた中間容器91又は外部薬剤容器92内の薬剤を排出させることができる。薬剤排出部32には、中間容器91又は外部薬剤容器92を手動でセットすることも可能である。
【0059】
薬剤排出部32は、容器取付部32aを備える。容器取付部32aは、中間容器91又は外部薬剤容器92を取付可能に構成されている。容器取付部32aへの中間容器91又は外部薬剤容器92の取付けは、第2搬送部14bによって自動で、または手動で、行われる。
【0060】
容器取付部32aは、容器の開閉部91c,92cを閉鎖状態から開放状態に移動させる作動部を備える。容器取付部32aに取り付けられる前は、収容部91a,92aと排出経路部91b,92bとの接続部分が、閉鎖した状態となっている、容器取付部32aに容器が取り付けられる際に、作動部が開閉部91c,92cを移動させる。これにより、収容部91a,92aと排出経路部91b,92bとの接続部分が開放され、容器からの薬剤の排出が許容された状態になる。
【0061】
薬剤排出部32は、振動装置32bを備える。振動装置32bは、振動を発生させるモータ等を含んで構成されている。振動装置32bは制御部50によって制御される。振動装置32bは、制御部50からの制御信号に応じて振動を発生させる。振動装置32bが発生させた振動は、容器取付部32aに取り付けられた中間容器91又は外部薬剤容器92に伝達される。
【0062】
分包部33は、量り取り部30によって量り取られた薬剤を分包することができるように構成されている。分包部33は、量り取り部30によって量り取られた薬剤を一服用分ごとに分包するように、制御部50により制御される。分包部33は、分配部34と、包装部35と、を備える。
【0063】
分配部34は、薬剤排出部32によって容器から排出された薬剤を、一服用分ずつに分配する。分配部34は、分配皿34aと、送り部34bと、を備える。分配皿34aは、鉛直方向の軸を中心として回転可能に構成されている。薬剤排出部32は、容器から薬剤を排出させて、排出させた薬剤を回転する分配皿34a上に供給する。送り部34bは、分配皿34aに供給された薬剤を所定の量ずつ下方へ落下させる。
【0064】
薬剤を収容する薬剤容器15から中間容器91に薬剤を取り出す量り取り部30と、中間容器91を搬送する搬送部14と、中間容器91から薬剤を排出させて分配皿34aに供給する薬剤排出部32とは、実施形態の供給部を構成している。分包部33は、供給部によって供給された薬剤を分包する。
【0065】
図2に示すように、薬剤分包装置1は、複数(具体的には、2つ)の分配部34を備えている。それぞれの分配部34は、複数(具体的には、2つ)の薬剤排出部32を備えている。2つの薬剤排出部32のいずれか一方または両方から、1つの分配皿34a上に薬剤が供給される。2つの薬剤排出部32から、同じ種類の薬剤が1つの分配皿34aに供給されてもよく、異なる種類の薬剤が1つの分配皿34aに供給されてもよく、薬剤と賦形剤とが1つの分配皿34aに供給されてもよい。
【0066】
包装部35は、分配部34によって分配された薬剤を、包装材40によって包装する。包装部35は、ホッパ35aと、ヒータ35bと、を備える。ホッパ35aは、容器から分配皿34aに供給され分配皿34aから落下する薬剤を受ける。ホッパ35aは、分配皿34aから包装材40へ向けて落下する薬剤が通過する、薬剤経路を形成している。包装部35は、分配部34で一服用分ずつに分配された薬剤をホッパ35aを通じて包装材40に落下させる動作と、ヒータ35bにより包装材40を熱で溶着する動作とを繰り返す。これらの動作の繰り返しにより、一服用分ずつの薬剤が包装材40に封入される。薬剤が入れられた包装材40は、薬剤分包装置1の外部又は内部の貯留部へ送り出される。
【0067】
分配皿34aとホッパ35aとは、薬剤排出部32から供給された薬剤が通過する実施形態の薬剤経路を構成している。包装部35は、薬剤経路を通過した薬剤を包装する。
【0068】
供給待機部23は、薬剤の量り取りを行う量り取り部30と、薬剤の排出を行う薬剤排出部32との中間に設けられている。薬剤を収容する中間容器91又は外部薬剤容器92を、必要に応じて供給待機部23に置いて、待機させることができる。
【0069】
清掃部38は、中間容器91又は外部薬剤容器92の清掃を行うことができる。清掃は、例えば、中間容器91又は外部薬剤容器92の内面への、圧縮空気の吹き付け、吸引、ブラシなどによる払拭、などの任意の手段で行なわれてもよい。清掃を行うことにより、容器の内面に残留した薬剤が除去される。
【0070】
清掃部38の近傍には、清掃待機部37が設けられている。清掃される前の中間容器91又は外部薬剤容器92を、必要に応じて清掃待機部37に置いて、待機させることができる。
【0071】
供給待機部23及び清掃待機部37は、例えば、容器を載せることが可能な板状の部材として構成することができるが、これに限定されない。
【0072】
制御部50は、調剤データに基づいて、薬剤分包装置1の各部(具体的には、搬送部14、量り取り部30、薬剤排出部32及び分包部33等)を制御することができる。制御部50は、薬剤分包装置1の一部として構成されてもよく、他の薬剤分包装置95等の他の調剤機器を制御する調剤機器制御装置の一部として構成してもよい。
【0073】
詳細に説明すると、制御部50は、公知のコンピュータとして構成されており、CPU等の演算装置と、フラッシュメモリ又はハードディスク等の記憶装置と、外部と通信するための入出力部と、を備える。記憶装置には、各種のプログラムや設定値が記憶されている。演算装置は、各種プログラム等を記憶装置から読み出し、薬剤分包装置1の各部に設けられたセンサの検出値及び記憶装置に記憶された各種の設定値等に基づいて、薬剤分包装置1の各部の動作を制御する。制御部50は、上記したソフトウェアとハードウェアとを協働させて、図4に示す記憶部61、量り取り選択部62、及び案内部65における処理をし、その処理の結果としての指令信号の出力をすることにより、薬剤分包装置1を動作させることができる。
【0074】
記憶部61は、前述のように外部から入力された調剤データを記憶することができる。また、記憶部61は、第1情報処理部16で読み取った薬剤容器15の収容薬剤情報を、薬剤分包装置1内に配置された薬剤容器15の配置情報として記憶する。また、記憶部61は、薬剤分包装置1を動作するために必要な様々な設定値を記憶することができる。
【0075】
また、記憶部61は、薬剤についての固有情報である薬剤マスタ情報等の各種データを記憶する。このマスタ情報には、例えば、薬剤コード、薬剤名、JANコード(又はRSS)、薬瓶(薬剤容器)コード、区分(剤形:散薬、錠剤、外用薬等)、比重、薬剤種(普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬等)、配合変化、注意事項、常用量、同時服用禁止情報等が含まれる。
【0076】
また、記憶部61は、容器固有情報(容器の識別番号、容器の種類等)を容器マスタ情報として記憶することができる。
【0077】
量り取り選択部62は、調剤データに含まれる薬剤のうち少なくともいずれか1つが、分包部33の能力の事情で分包できない場合に、当該薬剤のうち量り取り部30で量り取りができる薬剤について、量り取り部30による量り取り動作を実行するか否かを、オペレータに選択させることができる。選択を実現する構成は様々であるが、例えば、量り取り選択部62が選択肢(例えば、実行する/しないのボタン)を表示部21に表示させ、操作部22を用いてオペレータに選択させてもよい。
【0078】
案内部65は、オペレータに案内(指示)を行うことができる。案内部65は、例えば、調剤データに含まれる薬剤のうち少なくとも何れかが分包部33の能力の事情で分包できない場合に、量り取り部30によって量り取られた薬剤を、他の薬剤分包装置95を使用して分包すべきことを、オペレータに知らせることができる。また、案内部65は、薬剤容器15から中間容器91に供給された薬剤が調剤データに基づく全服用分の量に対して不足する場合に、分包部33による分包動作を実行可能にするための対応として、外部計量対応を行うことが可能であることをオペレータに知らせることができる。
【0079】
外部計量対応とは、オペレータが薬剤分包装置1の外部で薬剤を所定量(全服用分)収容する外部薬剤容器92を用意し、その外部薬剤容器92を薬剤分包装置1に導入する対応である。このとき、補充対応又は薬剤容器導入対応を行うことが可能であることをオペレータに知らせることもできる。補充対応とは、薬剤容器15に薬剤を補充する対応である。薬剤容器導入対応とは、必要な量の薬剤が入っている薬剤容器15を薬剤分包装置1に導入する対応である。
【0080】
案内部65がオペレータへの案内を実現する方法は様々であるが、例えば、表示部21に適宜のメッセージを表示させることが考えられる。案内は、例えば、音声、又は通知ランプ等により行われてもよい。
【0081】
ホッパ35aは、薬剤分包装置1の筐体から取り外し可能とされている。ロック機構52は、ホッパ35aをロックして薬剤分包装置1からの取り外しを阻止する。ロック機構52によるロックが解除されることにより、ホッパ35aは、薬剤分包装置1から取り外し可能になり、薬剤分包装置1の筐体の外部への移動が可能になる。ロック機構52によるホッパ35aのロックと、ロックの解除とは、制御部50によって制御される。
【0082】
撮像装置54は、ホッパ35aの上方に配置されている。撮像装置54は、ホッパ35aの内部を撮像可能である。撮像装置54は、ホッパ35aの真上の位置と、ホッパ35aの真上からは外れた位置との間を往復移動可能であってもよい。撮像装置56は、清掃部56の上部に取り付けられている。撮像装置56は、清掃部38に収容された容器を撮像可能である。撮像装置54,56は、制御部50によって制御される。撮像装置54,56が撮像した画像は、表示部21に表示される。制御部50は、撮像装置54,56から撮像した画像を受信し、その画像を表示させる制御指令を表示部21に出力する。
【0083】
次に、図2を参照して、薬剤分包装置1に設定される様々な位置について説明する。これらの位置は何れも、搬送部14による容器の搬送元及び搬送先となり得る。
【0084】
第1待機位置P1は、第1保管部11において、薬剤を収容していない中間容器91が待機可能な位置である。第1待機位置P1は、第1保管部11で複数の中間容器91が保管されている保管位置ということもできる。
【0085】
第2待機位置P2は、第2保管部12において、薬剤を収容していない外部薬剤容器92が待機可能な位置である。第2待機位置P2は、第2保管部12で複数の外部薬剤容器92が保管されている保管位置ということもできる。
【0086】
第3待機位置P3は、第3保管部13において、薬剤を収容していない搬出容器93が待機可能な位置である。第3待機位置P3は、第3保管部13で複数の搬出容器93が保管されている保管位置ということもできる。
【0087】
計量位置P4は、計量部18が中間容器91又は搬出容器93に収容される薬剤の計量を行う位置である。
【0088】
第1取出位置P5は、中間容器91又は搬出容器93を薬剤分包装置1の外部に取り出すための位置である。たとえば、量り取り部30において薬剤容器15から中間容器91又は搬出容器93へ薬剤を量り取る場合であって、薬剤容器15に収容されている薬剤の量が不足している等のために取り出し量(計測量)が目標量である全服用分の量に対して不足したときに、目標量に満たない薬剤を収容する中間容器91又は搬出容器93を当該薬剤分包装置1の外部に取り出すために、第1取出位置P5が用いられる。この取り出しは、薬剤分包装置1に設けられた第1取出部25を介して行われる。
【0089】
本実施形態では、第1取出位置P5は計量位置P4と異なる位置に設定されている。これに限られず、たとえば計量位置P4が第1取出位置P5を兼ねる設定としてもよい。
【0090】
第2取出位置P6は、薬剤分包装置1ではなく計量装置80を用いて薬剤の計量を行う場合に、薬剤を収容する前の外部薬剤容器92を薬剤分包装置1の外部に取り出すための位置である。この取り出しは、薬剤分包装置1に設けられた第2取出部26を介して行われる。第2取出位置P6は、計量装置80で計量された薬剤を収容した外部薬剤容器92又は中間容器91を薬剤分包装置1に導入するためにセットする位置(導入位置)を兼ねてもよい。
【0091】
第3取出位置P7は、薬剤分包装置1の外部に搬出容器93を取り出すための位置である。たとえば、薬剤分包装置1で薬剤の量り取りを行うが分包は行わない場合に、量り取り部30で量り取られた薬剤を収容する搬出容器93を薬剤分包装置1の外部に取り出すために、第3取出位置P7が用いられる。この取り出しは、薬剤分包装置1に設けられた第3取出部27を介して行われる。
【0092】
供給待機位置P8は、量り取り部30で薬剤の量り取りが完了した後、分包部33で容器から薬剤を排出して分配皿34aに供給する前に、中間容器91を待機させておく位置である。供給待機位置P8は、計量装置80で計量された薬剤を収容した外部薬剤容器92又は中間容器91を、薬剤分包装置1に導入するためにセットする位置(導入位置)でもある。供給待機位置P8は、前述の供給待機部23に設定されている。供給待機位置P8は、第1取出位置P5、第2取出位置P6、又は第3取出位置P7を兼ねてもよい。
【0093】
供給位置P9は、薬剤排出部32において分配皿34aへの薬剤の供給が行われる際の中間容器91又は外部薬剤容器92の位置である。第2搬送部14bは、供給待機位置P8から供給位置P9へ、中間容器91を搬送する。薬剤分包装置1の外部から、薬剤を収容する外部薬剤容器92又は中間容器91を薬剤分包装置1に導入する場合には、その容器の導入位置が供給位置P9に設定されて、オペレータが薬剤排出部32に容器を直接セットする設定としてもよい。前述のように、薬剤分包装置1は複数(具体的には、4つ)の薬剤排出部32を備えており、4つの薬剤排出部32に供給位置P9が割り当てられている。
【0094】
清掃待機位置P10は、中間容器91又は外部薬剤容器92が、清掃部38における清掃を待機する位置である。清掃待機位置P10は、前述の清掃待機部37に設定されている。
【0095】
清掃位置P11は、中間容器91又は外部薬剤容器92が清掃部38によって清掃される位置である。
【0096】
本実施形態において、供給待機位置P8及び清掃待機位置P10は、搬送部14による容器の搬送の中継地点として機能する。
【0097】
具体的に説明すると、第1搬送部14aは、上記の第1待機位置P1、第2待機位置P2、第3待機位置P3、計量位置P4、第1取出位置P5、第2取出位置P6、第3取出位置P7、供給待機位置P8、及び清掃待機位置P10の間で、容器を搬送可能に構成されている。一方、第2搬送部14bは、供給待機位置P8、供給位置P9及び清掃待機位置P10の間で、容器を搬送可能に構成されている。
【0098】
従って、制御部50が第1搬送部14aにより中間容器91等を供給待機位置P8まで搬送した後、搬送された中間容器91等を適宜のタイミングで供給待機位置P8から第2搬送部14bにより搬送することができる。また、第2搬送部14bにより中間容器91等を清掃待機位置P10まで搬送した後、搬送された中間容器91等を適宜のタイミングで清掃待機位置P10から第1搬送部14aにより搬送することができる。
【0099】
本実施形態では、第2保管部12に保管された外部薬剤容器92を、第1搬送部14aにより第2取出位置P6まで搬送して薬剤分包装置1の外部に取り出すことができるように構成したが、第2保管部12に保管された外部薬剤容器92をオペレータが取り出すことができるようにしてもよい。この場合、第2保管部12は、薬剤分包装置1の外部に設けられていてもよい。
【0100】
次に、計量装置80について説明する。図6は、計量装置80の概略構成図である。計量装置80は、図7に示すように、制御部81と、計量部82と、情報処理部83と、表示部84と、を備える。計量部82、情報処理部83、及び表示部84は、それぞれ制御部81に電気的に接続されている。計量装置80は、外部薬剤容器92に収容する薬剤を計量することができる。中間容器91が外部計量のために用いられる場合は、計量装置80は、中間容器91に収容する薬剤を計量する。
【0101】
制御部81は、薬剤分包装置1の制御部50と通信可能であり、薬剤分包装置1の記憶部61に記憶された調剤データを受信することができる。計量装置80は、計量(目標量に対して不足する薬剤の計量等)が完了すると、計量結果を薬剤分包装置1に送信する。
【0102】
計量部82は、薬剤分包装置1の計量部18と実質的に同様の構成であるので、説明を省略する。計量装置80は、オペレータが適宜の薬瓶等から秤量皿等に取り出した薬剤を計量する。なお、計量装置80は、外部薬剤容器92に薬剤を収容する状態で外部薬剤容器92ごと薬剤の計量を行ってもよい。
【0103】
情報処理部83は、計量部82の近傍に配置されている。情報処理部83は、バーコードリーダと、RFIDリーダライタと、を有する。バーコードリーダは、上記の薬瓶等に設けられたバーコードを読み取ることができる。RFIDリーダライタは、外部薬剤容器92の情報記録部92eの内容を読み取ることができる。
【0104】
情報処理部83は、薬瓶等のバーコード及び外部薬剤容器92の情報記録部92eのそれぞれに記憶されている情報を読み取る処理を行う。具体的には、情報処理部83は、薬瓶等に設けられたバーコードから、当該薬瓶等の薬剤特定情報を読み取り、制御部81により当該薬瓶等に収容された薬剤を特定する。また、情報処理部83は、外部薬剤容器92の情報記録部92eに記憶されている容器固有情報を読み取る。計量装置80は、読み取った容器固有情報に対応する調剤データを、薬剤分包装置1の制御部50から取得する。その際、計量装置80は、計量対象となる薬剤の情報(薬剤の目標量を含む)も取得する。
【0105】
そして、制御部81は、薬剤特定情報に基づいて特定した薬剤が、薬剤分包装置1の制御部50から取得した調剤データに含まれる薬剤情報が示す薬剤のうち何れの薬剤に該当するかを特定する。制御部81は、薬剤特定情報に基づいて特定した薬剤が、調剤データに含まれる薬剤情報が示す薬剤の何れかに一致すると判断した場合、一致した薬剤情報が示す薬剤を計量対象として選択する。計量対象として選択された薬剤の計量を終えると、計量装置80は、薬剤分包装置1の制御部50から取得した調剤データとともに、薬剤の計測量を含む計量結果を、制御部81を介して、薬剤分包装置1の制御部50に送信する。薬剤分包装置1の制御部50は、計量結果を受信し、記憶部61に記憶される調剤データを更新する。
【0106】
情報処理部83は、外部薬剤容器92の情報表示部92dの表示内容を変更することができる。計量装置80での薬剤の計量を終えると、情報処理部83は、外部薬剤容器92の情報表示部92dに計測量(計量結果)を表示させる。また、調剤に関する情報として、目標量に相当する量の薬剤を収容しており、薬剤分包装置1に導入する準備ができた旨を、情報表示部92dに表示させるようにしてもよい。
【0107】
表示部84は、文字等を表示することが可能な表示画面を有する装置である。表示部84は、計量装置80の適宜の位置に配置されている。表示部84は、例えば、タッチパネル付きのディスプレイとして構成することができる。表示部84には、例えば、薬剤の名称及び薬剤の目標量、計測量等を表示することができる。また、表示部84には、薬瓶等の薬剤と量り取るべき薬剤とが一致しているか否かに関して、制御部81が判断した結果を表示することができる。これにより、薬瓶等の薬剤が調剤データに基づく必要な薬剤に間違いないことを確認することができる。
【0108】
次に、薬剤分包装置1を使用して行う薬剤の供給及び分包の処理について説明する。図7は、薬剤の供給および分包の処理の流れを示すフロー図である。
【0109】
まず準備として、薬剤分包装置1への薬剤情報の登録が行われる(ステップS101)。具体的には、薬剤分包装置1によって分包される薬剤について、その薬剤に関する情報が、薬剤の種類毎に記憶部61に記憶される。表示部50が薬剤情報の登録画面を表示部21に表示し、オペレータがこの登録画面に対して操作部22を用いて薬剤情報を入力してもよい。または、外部の機器から通信により薬剤分包装置1に薬剤情報を入力してもよい。
【0110】
記憶部61は、判定フラグを薬剤情報に関連付けて記憶する。判定フラグとは、薬剤が接触する箇所である中間容器91および薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)に残留し易いか否かを表すものであり、薬剤の包装後に薬剤経路の清掃が必要であるか否かを表すものである。判定フラグの有/無は、オペレータにより変更可能になっている。薬剤経路に残留し易い薬剤の他、毒薬、麻薬、向精神薬、劇薬、色つきの薬剤が、判定フラグ有に設定される。
【0111】
次に、調剤機器制御装置等の外部の情報処理装置から通信により、薬剤分包装置1への調剤データの入力が行われる(ステップS102)。制御部50は、入力された調剤データを表示部21に表示する。調剤データには、たとえば服用する1又は複数の薬剤名、剤形(散剤/錠剤/カプセル剤/液剤/外用薬)、服用法、服用量等が含まれる。服用法とは、1日の服用回数、服用時期、服用日数であり、服用量とは、全服用分の量(例えば重量)、一日服用分の量(重量)、一服用分の量(重量)等である。調剤データにはまた、服用者、目標量、計量結果(計測量又は目標量に対する不足量、余剰量)、各調剤データを識別する識別情報(調剤データ番号等)が含まれる。
【0112】
情報処理装置から通信により薬剤分包装置1に調剤データを入力する構成に加えて、オペレータが手動で調剤データを入力してもよい。この場合、制御部50は、調剤データの入力画面を表示部21に表示する。オペレータは、この入力画面に対して、操作部22を用いて調剤データを入力する。オペレータにより入力された調剤データは、制御部50の記憶部61に記憶される。
【0113】
調剤データの入力が完了すると、分包開始指令が行われる(ステップS103)。オペレータが手動で調剤データを入力する構成である場合、オペレータは、操作部22を用いて、制御部50に対して分包開始指令を入力する。
【0114】
次に、薬剤容器15からの薬剤の量り取りが実行される(ステップS104)。ステップS104の処理において、必要な薬剤容器15が薬剤分包装置1に導入されていない場合には、前述の薬剤容器導入対応をすることで、量り取りを継続できる。または、薬剤容器導入対応に替えて、外部計量対応をすることも可能である。
【0115】
次に、前回の薬剤分包後の薬剤経路(ホッパ35a)の清掃が完了したか否かが判断される(ステップS105)。前回の薬剤分包後のホッパ35aの清掃が完了するまで、ステップS105の判断が繰り返され、その間、先のステップS104で量り取られた薬剤の分配皿34aへの供給および包装開始は待機される。ホッパ35aの清掃の詳細については後述する。
【0116】
前回の薬剤分包後のホッパ35aの清掃が完了したと判断されると(ステップS105においてYES)、ステップS104で量り取られた薬剤を収容する容器から分配皿34aへの薬剤の供給が実行され(ステップS106)、包装部35における薬剤の包装が実行される(ステップS107)。包装が完了した後に、薬剤を排出した後の容器および薬剤経路(ホッパ35a)の清掃が行われる(ステップS108)。そして、処理を終了する(END)。
【0117】
以下、清掃の詳細について説明する。図8および図9は、中間容器91を清掃する処理の流れを示すフロー図である。
【0118】
中間容器91を清掃するには、まず、中間容器91に収容されている薬剤を分配皿34aへ供給する動作が完了したか否かが判断される(図8のステップS201)。薬剤の分配皿34aへの供給動作が完了するまで、ステップS201の判断が繰り返される。
【0119】
供給動作が完了したと判断されると(ステップS201においてYES)、制御部50は、中間容器91を供給位置P9から清掃待機位置P10へ移動させる(ステップS202)。制御部50は、供給位置P9において薬剤の排出を終えた後の中間容器91を保持し、保持した中間容器91を清掃待機位置P10へ移動させるように動作させる制御信号を、第2搬送部14bに出力する。制御信号を受けた第2搬送部14bが、供給位置P9から清掃待機位置P10まで中間容器91を搬送する。
【0120】
続いて、中間容器91を清掃待機位置P10から清掃位置P11へ移動させ(ステップS203)、清掃位置P11において中間容器91の清掃を実行する(ステップS204)。前述のように、中間容器91の清掃は、中間容器91の内面への圧縮空気の吹き付け、吸引、ブラシなどによる払拭、またはこれらの組み合わせ、などで行うことができる。
【0121】
中間容器91の清掃を終えた後、中間容器91に収容されていた薬剤について、判定フラグの確認が行われる(ステップS205)。この判定フラグは、薬剤が中間容器91に残留し易いか否かを表すものであり、薬剤排出部32による薬剤の排出後に中間容器91の追加清掃が必要であるか否かを表すものである。判定フラグの確認結果に基づいて、中間容器91の追加清掃が必要な薬剤であるか否かが判断される(ステップS206)。
【0122】
薬剤が中間容器91に残留し易いか否かを表す判定フラグの確認結果に基づいて中間容器91の追加清掃が必要な薬剤であるか否かを判断する構成に替えて、中間容器91の追加清掃が必要な薬剤であるか否かを表す個別の判定フラグ(第1の判定フラグ)を薬剤情報に関連付けて記憶部61に記憶させ、第1の判定フラグの確認結果に基づいて、中間容器91の追加清掃が必要な薬剤であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0123】
中間容器91に収容されていた薬剤が、中間容器91の追加清掃が必要でない薬剤であったと判断された場合(ステップS206においてNO)、先のステップS204における清掃処理によって中間容器91の内面は十分に清掃されていると見做される。その場合制御部50は、清掃部38で清掃された中間容器91を第1待機位置P1へ移動する(ステップS207)。制御部50は、清掃位置P11から清掃待機位置P10へと中間容器91を移動し、さらに清掃待機位置P10から第1待機位置P1へ中間容器91を移動するように、搬送部14を制御する。第1待機位置P1への中間容器91の移動が完了すると、処理を終了する(END)。
【0124】
中間容器91に収容されていた薬剤が、中間容器91の追加清掃が必要な薬剤であったと判断された場合(ステップS206においてYES)、次に中間容器91の撮像が行われ(ステップS208)、撮像された画像が表示部21に表示される(ステップS209)。制御部50は、清掃部38に取り付けられた撮像装置56に対し、清掃位置P11にある中間容器91の内面を撮像する制御信号を出力する。制御信号を受けた撮像装置56は、撮像を実行する。具体的には、撮像装置56は、図4に示される収容部91aの内面と、排出経路部91bの内面との撮像を行う。撮像装置56は、撮像した画像を、制御部50へ送信する。画像を受信した制御部50は、その受信した画像を表示部21に表示させる。
【0125】
図10は、中間容器91の内面の撮像画像を表示する表示部21を示す図である。図10に示される表示部21には、撮像装置56による中間容器91の排出経路部91bの撮像画像である先端画像201と、収容部91aの撮像画像である中央画像202とが表示されている。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、図10に示される撮像画像を見て、中間容器91の追加清掃が必要か否かを判断する(ステップS210)。
【0126】
中間容器91に収容されていた薬剤が、中間容器91に残留し易い薬剤でなく、中間容器91からの排出後に中間容器91の追加清掃が必要でない薬剤であったと判断された場合にも、中間容器91の撮像を行うようにしてもよい。この場合、撮像された画像は、表示部21に表示されない。撮像装置56は、撮像した画像を、制御部50へ送信する。画像を受信した制御部50は、その受信した画像を、必要に応じて呼び出し可能に保存する。
【0127】
図11は、中間容器91の追加清掃の選択画面を表示する表示部21を示す図である。表示部21が図10に示す画面を表示している状態で、オペレータが操作部22を操作することにより、図11に示される選択画面210が表示される。オペレータは、中間容器91の追加清掃が必要であると判断した場合、選択部211を操作する。オペレータは、中間容器91の追加清掃が必要でないと判断した場合、選択部212を操作する。
【0128】
選択部211,212は、中間容器91の清掃の要否に係る入力を受ける入力部としての機能を有している。図10に示される画面を視認して中間容器91の追加清掃の要否を判断したオペレータは、いずれかの選択部211,212を操作することにより、中間容器91の清掃の要否の判断の結果を制御部50に入力することができる。
【0129】
中間容器91の追加清掃が必要でないと判断された場合(ステップS210においてNO)、ステップS207における中間容器91の第1待機位置P1への移動が行われ、処理を終了する(END)。
【0130】
中間容器91の追加清掃が必要であると判断された場合(ステップS210においてYES)、中間容器91を第1取出位置P5へ移動する(ステップS211)。制御部50は、清掃位置P11から清掃待機位置P10へと中間容器91を移動し、さらに清掃待機位置P10から第1取出位置P5へ中間容器91を移動するように、搬送部14を制御する。
【0131】
オペレータは、第1取出位置P5に搬送された中間容器91を薬剤分包装置1の外部に取り出し、手動で追加清掃を行う。この追加清掃は、吸引、圧縮空気の吹き付け、ブラシなどによる払拭、水洗、またはこれらの組み合わせなど、任意の態様の清掃であってもよい。
【0132】
制御部50は、追加清掃が完了したか否かを判断する(ステップS212)。追加清掃が完了していないと判断された場合(ステップS212においてNO)、ステップS212の判断が繰り返される。制御部50がオペレータの入力を受け付けることで、追加清掃が完了したと判断される。
【0133】
追加清掃が完了したと判断された場合(ステップS212においてYES)、中間容器91を第1待機位置へ移動する(ステップS213)。制御部50は、追加清掃後の中間容器91を、第1取出位置P5から第1待機位置P1へ移動するように、搬送部14を制御する。第1待機位置P1への中間容器91の移動が完了すると、処理を終了する(図8のEND)。
【0134】
代替的には、中間容器91の追加清掃が必要であると判断された場合(ステップS210においてYES)、制御部50は、中間容器91を清掃位置P11から移動させずに中間容器91を清掃位置P11に位置させたままとし、清掃位置P11において中間容器91の清掃を実行することを繰り返すようにしてもよい。中間容器91の清掃を終えた後、制御部50は、撮像装置56に中間容器91の内面を撮像させ、撮像された画像を表示部21に表示する。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、その撮像画像を見て、中間容器91のさらなる追加清掃が必要か否かを判断する。中間容器91のさらなる追加清掃が必要でないと判断されるまで、これらの処理が繰り返される。
【0135】
中間容器91のさらなる追加清掃が必要でないと判断されると、ステップS207における中間容器91の第1待機位置P1への移動が行われ、処理を終了する(図8のEND)
図12は、ホッパ35aおよび分配部34を清掃する処理の流れを示すフロー図である。ホッパ35aおよび分配部34を清掃するには、まず、分包動作が完了したか否かが判断される(ステップS301)。分包動作が完了するまで、ステップS301の判断が繰り返される。
【0136】
分包動作が完了したと判断されると(ステップS301においてYES)、清掃が実行される(ステップS302)。清掃は、例えば、ホッパ35aの内面への、圧縮空気の吹き付け、吸引、ブラシなどによる払拭、またはこれらの組み合わせ、などの任意の手段で行なわれてもよい。清掃を行うことにより、ホッパ35aの内面に残留した薬剤が除去される。分配部34についても、圧縮空気の吹き付け、吸引、ブラシなどによる払拭、またはこれらの組み合わせ、などの任意の手段で清掃が行なわれ、分配部34に残留した薬剤が除去される。
【0137】
清掃を終えた後、先のステップS301の処理において分包された薬剤について、判定フラグの確認が行われる(ステップS303)。この判定フラグは、薬剤が薬剤経路に残留し易いか否かを表すものであり、薬剤を包装した後にその薬剤が通過したホッパ35aおよび分配皿34aの追加清掃が必要であるか否かを表すものである。判定フラグの確認結果に基づいて、薬剤経路(ホッパ35a)の追加清掃が必要な薬剤であるか否かが判断される(ステップS304)。
【0138】
薬剤が薬剤経路に残留し易いか否かを表す判定フラグの確認結果に基づいてホッパ35aおよび分配皿34aの追加清掃が必要な薬剤であるか否かを判断する構成に替えて、ホッパ35aおよび分配皿34aの追加清掃が必要な薬剤であるか否かを表す個別の判定フラグ(第2の判定フラグ)を薬剤情報に関連付けて記憶部61に記憶させ、第2の判定フラグの確認結果に基づいて、ホッパ35aおよび分配皿34aの追加清掃が必要な薬剤であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0139】
薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)の追加清掃が必要でない薬剤であると判断された場合(ステップS304においてNO)、先のステップS302における清掃処理によってホッパ35aの内面は十分に清掃されていると見做され、そのまま処理を終了する(図12のEND)。
【0140】
薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)の追加清掃が必要な薬剤であると判断された場合(ステップS304においてYES)、次回の調剤データに追加清掃が必要な薬剤が含まれ、その薬剤が、今回の調剤データにおける追加清掃が必要な薬剤(ステップS304の処理において追加清掃が必要と判断された薬剤)と同じ種類であるか否かが判断される(ステップS305)。
【0141】
次回の調剤データに同じ薬剤が含まれると判断された場合(ステップS305においてYES)、追加清掃は行なれず、そのまま処理を終了する(図12のEND)。
【0142】
清掃が必要な薬剤を分包する毎に追加清掃を行なうようにすると、調剤処理効率が低下する。一方、連続する2回の分包動作で同一の薬剤を分包する場合においては、先の分包動作中に薬剤経路に付着した残薬が後の分包動作中に混入しても、薬剤のコンタミネーションの発生とはならないので、その2回の分包動作の間に追加清掃を必ずしも行なわなくてもよい。
【0143】
そこで、薬剤経路の追加清掃が必要であると設定されている薬剤を分包した場合においても、次回の調剤データに同一の薬剤が含まれるときには、分包する毎に薬剤経路を清掃しないようにする。薬剤経路を清掃する頻度を必要最小限とすることで、薬剤分包装置1の調剤処理効率の低下を抑制することができる。
【0144】
次回の調剤データに同じ薬剤が含まれないと判断された場合(ステップS305においてNO)、既に薬剤分包装置1に入力されており次々回以降に分包されるものとして待機中の調剤データに、薬剤経路の追加清掃が必要な薬剤が含まれ、その薬剤が今回の調剤データに含まれる薬剤と同じ種類であるか否かが判断される(ステップS306)。
【0145】
待機中の調剤データに同じ薬剤が含まれると判断された場合(ステップS306においてYES)、調剤データの並べ替えが行なわれる(ステップS307)。具体的には、今回の調剤データにおける追加清掃が必要な薬剤と同じ種類の薬剤を含む調剤データを、次回の調剤データとするように、調剤データを並べ替える。そして、追加清掃は行なわず、そのまま処理を終了する(図12のEND)。
【0146】
調剤データの並べ替えによって、ステップS305の判断と同様に、次回の調剤データに同一の追加清掃必要な薬剤が含まれることになる。そのため、追加清掃を省略できる。薬剤経路を清掃する頻度を小さくすることで、薬剤分包装置1の調剤処理効率の低下を抑制することができる。
【0147】
待機中の調剤データに同じ薬剤が含まれないと判断された場合(ステップS306においてNO)、薬剤容器15から薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)に清掃材を供給することにより、薬剤経路の追加清掃が行なわれる(ステップS308)。
【0148】
薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)を追加清掃する場合には、前回の薬剤分包後の薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)の清掃が完了するまで、次の薬剤の分配皿34aへの供給は待機される。
【0149】
図13は、薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)に清掃材を供給する処理の例の流れを示すフロー図である。制御部50は、清掃材による清掃動作の設定が可能になっている。オペレータは準備として、清掃動作の設定を予め行なっておく(ステップS321)。この動作設定には、たとえば、清掃に使用する清掃材の種類、清掃材を供給する薬剤容器15、清掃材を供給する量、包数、空包数、分包速度、一包当たりの包装材40の長さ(紙幅)、一包当たりの最大収容量(g/包)、清掃材を供給する分配部34(清掃が必要な薬剤を分配した分配部のみ、薬剤を分配した分配部、全ての分配部)、清掃材を分配皿34aに供給する際の各種条件等が含まれる。包数は、清掃材を供給する量と一包当たりの最大収容量とに基づいて算出してもよい。一包当たりの清掃材の収容量を最大に設定することで、包数を最小にでき、消費する包装材40を最小にできるので、清掃材を供給するために使用する包装材40を節約できる。
【0150】
清掃材の供給においては、まず、清掃材が供給される中間容器91を、計量位置P4に搬送する(ステップS322)。このとき搬送される中間容器91は、前回の調剤データに係る動作(ステップS301の分包動作)で清掃が必要な薬剤を収容し、その薬剤を排出した後の中間容器91であってもよい。この場合においては、中間容器91は、供給位置P9から計量位置P4に搬送されて、計量位置P4において薬剤容器15から取り出される清掃材の供給を受けることになる。このようにすることで、中間容器91の内部が清掃材で清掃されるので、中間容器91の清掃の効率を向上できる。
【0151】
次に、薬剤容器15からの清掃材の量り取りが実行される(ステップS323)。制御部50は、清掃材が収容されている薬剤容器15から中間容器91に必要量の清掃材を取り出すように、量り取り部30を制御する。制御部50が量り取り部30を制御して薬剤容器15から中間容器91に清掃材を取り出す構成に替えて、オペレータが操作部22を操作することにより薬剤容器15から清掃材を取り出すようにしてもよい。
【0152】
清掃材は、乳糖であってもよい。清掃材は、賦形剤として用いられる種類の乳糖であってもよく、他の種類の乳糖であってもよい。または清掃材は、デンプン、炭酸水素ナトリウムなどの他の種類の粉体状の化合物であってもよい。
【0153】
続いて、清掃動作の設定に基づいて、清掃材を収容する中間容器91から分配皿34aへの清掃材の供給が実行され(ステップS324)、包装部35における清掃材の包装が実行される(ステップS325)。清掃材が薬剤が包装されるときに通過する経路と同じ経路を通過するときに、薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)の内面に付着した残薬に清掃材が衝突して内面から剥離されることにより、当該経路が清掃材によって清掃される。清掃材の包装が完了すると、ホッパ35aおよび分配部34の追加清掃が終了する(図13のEND)。
【0154】
清掃動作の設定で、清掃材を供給する分配部34が「清掃が必要な薬剤を分配した分配部のみ」に設定されていれば、薬剤経路のうち清掃が必要な薬剤が通過した箇所のみを清掃することとなり、少ない清掃材の使用量で清掃が必要な箇所を清掃できる。薬剤容器15から供給される薬剤を包装部35で包装する構成に替えて、包装部35で包装することなく、ホッパ35aに供給された清掃材を吸引して回収するようにしてもよい。または、薬剤容器15から供給される薬剤を、ホッパ35aに供給した後に、清掃材容器に回収するようにしてもよい。この場合、清掃材容器を、薬剤容器15と同様に収容する清掃材を供給できるように構成すれば、回収した清掃材を再利用することもできる。
【0155】
薬剤分包装置1は、2つの分配部34を備えている。前回の薬剤分包が一方の分配部34のみを使用するものであれば、他方の分配部34(分配皿34a)は清掃する必要がない。このため、他方の分配部34における分配皿34aへの薬剤の供給を行って、包装開始を待機するようにしてもよい。その間、薬剤分包装置1の外部で必要量の清掃材を外部薬剤容器92に収容し、その外部薬剤容器92を薬剤分包装置1に導入することで、一方の分配部34およびホッパ35aを、外部薬剤容器92から供給された清掃材によって清掃することができる。
【0156】
薬剤通路の追加清掃は、上述した清掃材による清掃と、手動清掃とを組み合わせて行なうことができる。ホッパ35aおよび分配皿34aの追加清掃を手動清掃で行なうか否かを表す個別の判定フラグ(第3の判定フラグ)を薬剤情報に関連付けて記憶部61に記憶させ、第3の判定フラグの確認結果に基づいて、清掃材による清掃と手動清掃との両方を行なったり、清掃材による清掃のみを行なって手動清掃を省略したり、手動清掃のみを行なって清掃材による清掃を省略したりすることが可能とされてもよい。
【0157】
手動清掃について説明する。図14は、ホッパ35aを手動清掃する処理の例の流れを示すフロー図である。ホッパ35aを手動清掃するには、まず、ホッパ35a内の撮像が行われ(ステップS331)、撮像された画像が表示部21に表示される(ステップS332)。制御部50は、ホッパ35aの上方に配置された撮像装置54に対し、ホッパ35aの内面を撮像する制御信号を出力する。制御信号を受けた撮像装置54は、撮像を実行する。撮像装置54は、撮像した画像を、制御部50へ送信する。画像を受信した制御部50は、その受信した画像を表示部21に表示させる。
【0158】
先のステップS301の処理において分包された薬剤が、薬剤経路に残留し易い薬剤でなく、包装後にホッパ35aの追加清掃が必要でない薬剤であったと判断された場合にも、ホッパ35aの撮像を行うようにしてもよい。この場合、撮像された画像は、表示部21に表示されない。撮像装置54は、撮像した画像を、制御部50へ送信する。画像を受信した制御部50は、その受信した画像を、必要に応じて呼び出し可能に保存する。
【0159】
図15は、ホッパ35aの内面の撮像画像を表示する表示部21を示す図である。図15に示される表示部21には、撮像装置54によるホッパ35a内面の撮像画像であるホッパ内面画像220が表示されている。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、図15に示される撮像画像を見て、ホッパ35aの追加清掃が必要か否かを判断する。
【0160】
図16は、ホッパ35aの追加清掃の選択画面を表示する表示部21を示す図である。表示部21が図15に示す画面を表示している状態で、オペレータが操作部22を操作することにより、図16に示される選択画面230が表示される。オペレータは、ホッパ35aの追加清掃が必要であると判断した場合、選択部231を操作する。オペレータは、ホッパ35aの追加清掃が必要でないと判断した場合、選択部232を操作する。
【0161】
選択部231,232は、ホッパ35aの清掃の要否に係る入力を受ける入力部としての機能を有している。図15に示される画面を視認してホッパ35aの追加清掃の要否を判断したオペレータは、いずれかの選択部231,232を操作することにより、ホッパ35aの清掃の要否の判断の結果を制御部50に入力することができる。
【0162】
ホッパ35aの追加清掃が必要でないと判断された場合(ステップS333においてNO)、そのまま処理を終了する(図14のEND)。
【0163】
ホッパ35aの追加清掃が必要であると判断された場合(ステップS333においてYES)、ホッパ35aのロックが解除される(ステップS334)。
【0164】
ステップS333においてホッパ35aの追加清掃が必要と判断したオペレータは、表示部21に表示される選択部231を操作することにより、ホッパ35aの追加清掃が必要であるとの判断結果を制御部50に対して入力する。この入力を受けた制御部50は、ロック機構52(図2,3)に対して、ホッパ35aのロックを解除するよう指令する制御信号を出力する。制御信号を受けたロック機構52は、ホッパ35aのロックを解除し、ホッパ35aを薬剤分包装置1から取り外し可能とする。
【0165】
続いて、ホッパ35aが薬剤分包装置1から取り外される(ステップS335)。取り外されたホッパ35aが清掃される(ステップS336)。清掃後のホッパ35aが、薬剤分包装置1に再取り付けされる(ステップS337)。これらのホッパ35aの取り外し、追加清掃および再取り付けは、薬剤分包装置1を使用するオペレータによって、手動で行われる。ステップS336における追加清掃は、吸引、圧縮空気の吹き付け、ブラシなどによる払拭、水洗、またはこれらの組み合わせなど、任意の態様の清掃であってもよい。
【0166】
ステップS337の再取り付け後に、オペレータの入力を制御部50が受け付けることで、制御部50は、追加清掃を完了したホッパ35aが取り付けられたと判断する。その後、制御部50は、ホッパ35aを再ロックする(ステップS338)。制御部50は、ロック機構52に対して、ホッパ35aをロックするよう指令する制御信号を出力する。制御信号を受けたロック機構52は、ホッパ35aをロックすることにより、ホッパ35aを薬剤分包装置1から取り外しできないようにする。このようにして、ホッパ35aの追加清掃を終了する(図14のEND)。
【0167】
分配皿34aについても、図示しないロック機構および撮像装置を用いて、ホッパ35aと同様に手動清掃することができる。
【0168】
図12に戻って、制御部50は、追加清掃が完了したか否かを判断する(ステップS309)。追加清掃が完了していないと判断された場合(ステップS309においてNO)、ステップS309の判断が繰り返される。制御部50が一連の追加清掃の処理を終える、または制御部50がオペレータの入力を受け付けることで、追加清掃が完了したと判断される。追加清掃が完了すると、処理を終了する(図12のEND)。
【0169】
図7,12に示されるように、包装後に薬剤経路(ホッパ35a、分配皿34a)の追加清掃が必要な薬剤について、ステップS301で包装が終了した後、ステップS309で薬剤経路の追加清掃が完了するまで、次の薬剤の包装開始が待機される(ステップS105,S107)。このように薬剤経路の清掃と薬剤の包装とのタイミングを適正化することで、薬剤経路を確実に清掃することができる。また、薬剤経路に付着した残薬が清掃によって内面から剥離することが考えられるが、清掃完了まで次の薬剤の包装が開始されないので、次の薬剤を包装するときに薬剤のコンタミネーションが発生することがない。したがって、薬剤の包装の品質を向上することができる。
【0170】
図7,12に示されるように、包装後に薬剤経路の清掃が必要な薬剤について、ステップS301で包装が終了した後、ステップS309で薬剤経路の清掃が完了するまで、次の薬剤の分配皿34aへの供給が待機される(ステップS105,S106)。ホッパ35aを吸引清掃するときに既に分配皿34aに薬剤が供給されていると、分配皿34a上の薬剤も吸引される可能性がある。清掃完了まで次の薬剤の分配皿34aへの供給を開始しないようにすれば、清掃時に次回の薬剤を吸引することを確実に回避することができる。
【0171】
図2を参照して説明したように、第1搬送部14aと第2搬送部14bとは独立して動作可能である。第2搬送部14bが供給待機位置P8から容器を移動させて供給待機位置P8には容器が存在しないようにした後であれば、薬剤容器15から量り取られた薬剤を収容する中間容器91を第1搬送部14aが供給待機位置P8まで搬送することが可能である。薬剤の包装が完了する前に次の薬剤を薬剤容器15から取り出すようにし、薬剤の包装と次の薬剤の量り取りとを実行する時間を重ねることにより、薬剤の量り取りおよび分包に要する時間を短縮することができる。
【0172】
図2に示されるように、薬剤分包装置1は、ホッパ35a内を撮像する撮像装置54を備えている。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、撮像装置54が撮像した撮像画像を見て、ホッパ35a内の状況を確認した上で、ホッパ35aの追加清掃を行うか否かを選択することができる。画像を確認した結果、通常の清掃でホッパ35aが十分に清掃されていることが確認できた場合には追加清掃は不要と選択することができ、この場合薬剤の分包に要する時間を短縮することができる。
【0173】
図2,15に示されるように、薬剤分包装置1は、撮像装置54が撮像した画像を表示する表示部21を備えている。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、表示部21に表示されたホッパ内面画像220を見ることで、ホッパ35a内の状況を確認することができる。
【0174】
図7,12および14に示されるように、包装後にホッパ35aの追加清掃が必要な薬剤について、ステップS301で包装が終了した後、次の薬剤の包装動作がステップS107で開始されるまでに、ステップS332で撮像装置54が撮像した画像を表示部21に表示する。このようにすれば、表示部21に表示されたホッパ内面画像220を見たオペレータがホッパ35aの追加清掃が必要と選択した場合に、そのホッパ35aの追加清掃が次の薬剤の包装に影響を与えることがない。次の薬剤を包装するときに、内面に残薬が付着した状態のホッパ35aを薬剤が通過することを防止でき、薬剤のコンタミネーションが発生することを回避できるので、薬剤の包装の品質を向上することができる。
【0175】
図16に示されるように、表示部21に、ホッパ35aの追加清掃の要否に係る入力を受ける選択部231,232が表示され、オペレータは操作部22を操作することでいずれかの選択部231,232を選択する。これにより、ホッパ35aの追加清掃の要否を、オペレータが薬剤分包装置1に確実に入力することができる。
【0176】
図2に示されるように、薬剤分包装置1は、ホッパ35aをロックするロック機構52を備えており、ロック機構52によるホッパ35aのロックを解除することで、ホッパ35aは薬剤分包装置1から取り外し可能である。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、ホッパ35aを薬剤分包装置1から取り外して、容易にホッパ35aを手動で清掃することができる。
【0177】
図14に示されるように、ステップS333でホッパ35aの追加清掃が必要であると判断されると、ステップS334でロック機構52によるホッパ35aのロックが解除され、ホッパ35aは取り外し可能とされる。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、追加清掃が必要であると判断したときに、ホッパ35aを薬剤分包装置1から取り外して、容易にホッパ35aを手動で追加清掃することができる。
【0178】
図12,13に示されるように、包装後にホッパ35aの清掃が必要な薬剤について、ステップS301で包装が終了した後、ステップS323,324において薬剤容器15から分配皿34aに清掃材が供給される。清掃材が薬剤経路の内面に付着した残薬を清掃することで、薬剤経路を確実に清掃することができる。次の薬剤の包装に先んじて清掃材の供給が実行されるようにし、清掃と薬剤の包装とのタイミングが適正化されているので、次の薬剤を包装するときに薬剤のコンタミネーションが発生することがない。したがって、薬剤の包装の品質を向上することができる。
【0179】
薬剤容器15に収容された賦形剤を清掃材として使用できる場合には、薬剤容器15に賦形剤と清掃材とを別々に収容する必要がなく、薬剤容器15により多くの種類の薬剤を収容することが可能になるので、薬剤分包装置1を使用してより多くの種類の薬剤の量り取りを行うことができる。
【0180】
図8,9に示されるように、ステップS206で、中間容器91から排出した薬剤が排出後に中間容器91の追加清掃が必要な薬剤であるか否かが判断される。追加清掃が不要な薬剤であれば、ステップS207で、薬剤を排出した後の中間容器91は第1待機位置P1へ搬送される。
【0181】
追加清掃が必要な薬剤であれば、ステップS208~S212の間、中間容器91は、第1待機位置P1とは異なる位置、具体的には清掃位置P11、第1取出位置P5または薬剤分包装置1の外部にあることになる。追加清掃が不要な場合には、中間容器91を速やかに第1待機位置P1へ戻して、次の量り取りに使用できるようにする。追加清掃が必要な場合には、第1待機位置P1とは異なる位置で中間容器91を追加清掃した上で第1待機位置P1へ戻すことで、次の薬剤を中間容器91に収容するときに薬剤のコンタミネーションが発生することがない。したがって、薬剤の包装の品質を向上することができる。
【0182】
図8に示されるように、ステップS203で、薬剤を排出した後の中間容器91は清掃位置P11へ搬送される。このようにすれば、清掃位置P11に搬送された中間容器91を、清掃部38で確実に清掃することができる。
【0183】
図8,9に示されるように、排出後に中間容器91の追加清掃が必要な薬剤を排出した後の中間容器91は、ステップS204で清掃された後、ステップS211で第1取出位置P5へ搬送される。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、第1取出位置P5へ搬送された中間容器91を薬剤分包装置1の外部に取り出して、容易に中間容器91を手動で追加清掃することができる。
【0184】
図2,10に示されるように、薬剤分包装置1は、中間容器91を撮像する撮像装置56と、撮像装置56が撮像した画像を表示する表示部21とを備えている。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、撮像装置56により撮像され表示部21に表示された先端画像201および中央画像202を見て、中間容器91の内部の状況を確認した上で、中間容器91の追加清掃を行うか否かを選択することができる。画像を確認した結果、通常の清掃で中間容器91が十分に清掃されていることが確認できた場合には追加清掃は不要と選択することができ、この場合薬剤の分包に要する時間を短縮することができる。
【0185】
図11に示されるように、表示部21に、中間容器91の追加清掃の要否に係る入力を受ける選択部211,212が表示され、オペレータは操作部22を操作することでいずれかの選択部211,212を選択する。これにより、中間容器91の追加清掃の要否を、オペレータが薬剤分包装置1に確実に入力することができる。選択部211が選択され、図9に示されるステップS210において追加清掃が必要と判断された場合には、ステップS211において中間容器91は第1取出位置P5へ搬送される。薬剤分包装置1を使用するオペレータは、第1取出位置P5へ搬送された中間容器91を薬剤分包装置1の外部に取り出して、容易に中間容器91を手動で追加清掃することができる。
【0186】
なお、これまでの説明においては、撮像装置54,56によって撮像された画像が表示部21に表示され、その画像を見たオペレータが追加清掃の要否を判断する例について説明したが、この例に限られるものではない。制御部50または他のコンピュータが、撮像装置54,56で撮像された画像を解析することによって、自動的に追加清掃の要否を判断する構成としてもよい。この場合、追加清掃が不要であれば、自動的に次の薬剤の供給および包装が実行され、追加清掃が必要であれば、自動的に追加清掃を行なってもよく、薬剤分包装置1の動作を待機させて追加清掃が必要な旨をオペレータに通知するようにしてもよい。
【0187】
以上のように実施形態について説明を行なったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0188】
1 薬剤分包装置、14 搬送部、14a 第1搬送部、14b 第2搬送部、15 薬剤容器、17 薬剤取出部、18 計量部、18a 載置台、18b 検出部、21 表示部、22 操作部、23 供給待機部、30 量り取り部、32 薬剤排出部、32a 容器取付部、32b 振動装置、33 分包部、34 分配部、34a 分配皿、34b 送り部、35 包装部、35a ホッパ、35b ヒータ、37 清掃待機部、38 清掃部、40 包装材、50 制御部、52 ロック機構、54,56 撮像装置、61 記憶部、62 量り取り選択部、65 案内部、91 中間容器、92 外部薬剤容器、93 搬出容器、100 調剤システム、201 先端画像、202 中央画像、210,230 選択画面、211,212,231,232 選択部、220 ホッパ内面画像、P1 第1待機位置、P2 第2待機位置、P3 第3待機位置、P4 計量位置、P5 第1取出位置、P6 第2取出位置、P7 第3取出位置、P8 供給待機位置、P9 供給位置、P10 清掃待機位置、P11 清掃位置。
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