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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】チャイルドシート装着装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/00 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
B62J1/00 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020169148
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061255
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000205292
【氏名又は名称】オージーケー技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 信行
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-218529(JP,A)
【文献】特開2011-235884(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0237119(US,A1)
【文献】特開2005-067422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席部(S)を支持する座席支持部(K)に、ハンドルバー(Ha)に嵌合する左右一対の吊掛具(T)と、ハンドルステム(Hb)に前部から嵌合して離脱を規制する保持具(U)とを設けたチャイルドシート装着装置であって、
前記座席支持部(K)にはハンドルステム(Hb)の後部と左右側部を覆う嵌合部(Ka)が形成され、この嵌合部(Ka)の左右側部に左右一対の挿入口部(4)が形成されており、
前記保持具(U)は、前記挿入口部(4)に左右本体脚部(5a)を挿入しかつ係合してハンドルステム(Hb)を前側から覆う保持本体(5)と、この保持本体(5)の左右本体脚部(5a)内に押し込み移動可能に挿入して挿入口部(4)に対する左右本体脚部(5a)の係合を解除可能にする解除部材(6)とが設けられており、
前記保持本体(5)は本体中間部(5b)の両側に前記左右本体脚部(5a)が形成され、この各本体脚部(5a)に挿入口部(4)内に形成した被係合部(7)と係脱可能に係合して本体脚部(5a)の抜け止めをする係合片(8)が設けられており、
前記解除部材(6)は解除中間部(6b)の両側に前記左右本体脚部(5a)内に挿入される左右解除脚部(6a)が形成され、この各解除脚部(6a)には、係合片(8)と対向して係合片(8)の係合を保持する係合保持部(6a1)と、押し込み移動することにより係合片(8)と対向して係合片(8)の離脱を許容する離脱許容部(6a2)とが形成されていることを特徴とするチャイルドシート装着装置。
【請求項2】
本体中間部(5b)と解除中間部(6b)との間には、係合保持部(6a1)が係合片(8)と対向する位置へ解除部材(6)を付勢する付勢部材(10)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート装着装置。
【請求項3】
前記保持本体(5)の本体脚部(5a)と解除部材(6)の解除脚部(6a)との間には、解除脚部(6a)が本体脚部(5a)内から抜け出るのを規制する抜け規制手段(11)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のチャイルドシート装着装置。
【請求項4】
前記嵌合部(Ka)の挿入口部(4)内には本体脚部(5a)挿入方向に複数の被係合部(7)が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のチャイルドシート装着装置。
【請求項5】
前記座席支持部(K)には、左右吊掛具(T)を挿入して取り付ける取付孔部(12)が上下複数段に形成され、各取付孔部(12)と吊掛具(T)との間には、吊掛具挿入方向複数位置に取り付ける固定手段(13)が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のチャイルドシート装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車のハンドルにチャイルドシートを装着するチャイルドシート装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車のハンドルに装着されるチャイルドシートは装着装置を備えている。この種の装置として特許文献1に開示された自転車用補助座席装置がある。
この自転車用補助座席装置は、ハンドルのハンドルバーに上から嵌合する左右一対の吊り掛け手段と、ハンドルステムに後部から嵌合する受け止め手段とが設けられており、受け止め手段は、ハンドルステムを嵌合するステム嵌合口を形成した中板と、この中板に枢支されていてステム嵌合口からのハンドルステムの離反を規制する遮断部材とを有し、中板にフック受片が設けられ、遮断部材にフック部が設けられ、遮断部材を遮蔽位置に回動してから横方向(長手方向)に移動することにより、フック部がフック受片に係合して遮断部材を遮蔽位置に確保するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4133682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、遮断部材を長手方向(横方向)に移動することによりフック部をフック受片に係合離脱させることができるので、ハンドルステムへの嵌合離脱を容易に行えるが、遮断部材の長手方向両端は露出し、フック受片からのフック部の離脱を阻止する部材がないため、横方向(係合方向と反対の方向)から予期せぬ外力が加わると、フック部がフック受片から不本意な離脱を生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたチャイルドシート装着装置を提供することを目的とする。
本発明は、ハンドルステムに嵌合される保持具に嵌合方向と同一方向に移動することにより係合を解除する解除部材を設けて、保持具の不本意な離脱を防止できるチャイルドシート装着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、座席部Sを支持する座席支持部Kに、ハンドルバーHaに嵌合する左右一対の吊掛具Tと、ハンドルステムHbに前部から嵌合して離脱を規制する保持具Uとを設けたチャイルドシート装着装置であって、
前記座席支持部KにはハンドルステムHbの後部と左右側部を覆う嵌合部Kaが形成され、この嵌合部Kaの左右側部に左右一対の挿入口部4が形成されており、
前記保持具Uは、前記挿入口部4に左右本体脚部5aを挿入しかつ係合してハンドルステムHbを前側から覆う保持本体5と、この保持本体5の左右本体脚部5a内に押し込み移動可能に挿入して挿入口部4に対する左右本体脚部5aの係合を解除可能にする解除部材6とが設けられており、
前記保持本体5は本体中間部5bの両側に前記左右本体脚部5aが形成され、この各本体脚部5aに挿入口部4内に形成した被係合部7と係脱可能に係合して本体脚部5aの抜け止めをする係合片8が設けられており、
前記解除部材6は解除中間部6bの両側に前記左右本体脚部5a内に挿入される左右解除脚部6aが形成され、この各解除脚部6aには、係合片8と対向して係合片8の係合を保持する係合保持部6a1と、押し込み移動することにより係合片8と対向して係合片8の離脱を許容する離脱許容部6a2とが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ハンドルステムに嵌合される保持具の不本意な離脱を防止できる。
即ち、本発明は、保持本体5の左右本体脚部5aを左右挿入口部4に挿入しかつ係合することにより、ハンドルステムHbに対する座席支持部Kの保持ができ、前記保持本体5に対して解除部材6を押し込み移動することにより係合を解除するので、本体脚部5aの挿入方向と解除部材6の解除移動方向とが逆になり、保持具Uの不本意な離脱を防止できる。また、保持本体5の係合片8が挿入口部4内の被係合部7と係合して保持本体5の抜け止めができ、係合保持部6a1が係合片8押し込み移動して離脱許容部6a2を係合片8に対向させることにより、保持本体5の離脱が可能になり、解除部材6を押し込み移動方向と解除部材6の解除移動方向とが逆になり、保持具Uの不本意な離脱を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態を示す断面側面図である。
図2】要部の拡大断面側面図である。
図3図1のX-X線断面図である。
図4図3のY-Y線断面図である。
図5図3のZ-Z線断面図である。
図6】保持具の斜視図である。
図7】保持具の分解斜視図である。
図8】保持具の分解平面図である。
図9】チャイルドシート全体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~3、9において、自転車のハンドルHに搭載されるチャイルドシートCSは、座席部Sとこの座席部Sを支持する座席支持部Kとを備え、座席支持部KにはハンドルバーHaに嵌合する左右一対の吊掛具Tと、ハンドルステムHbに前部から嵌合して離脱を規制する保持具Uとを有するチャイルドシート装着装置1が設けられている。
【0010】
座席支持部Kは、上部から子供が握る子供ハンドル部21が前上方向に突設され、下部が二股形状になっていてその左右外側に子供の足を載せるステップ部22が設けられている。
また、座席支持部Kの中途後部にヒンジ軸23を介して座席部Sの前部が連結されており、座席部Sは図1に示す座部が水平な姿勢から上部が子供ハンドル部21に覆い被さる姿勢まで姿勢変更可能になっている。
【0011】
前記座席支持部Kの上部はハンドルバーHaに対向配置可能であり、この上部に左右一対の取付孔部12が形成されされ、取付孔部12は上下複数段(図1、2においては3段)に形成され、左右一対の吊掛具Tが挿入されている。
左右各吊掛具Tは、後部が取付孔部12に挿入されかつ前部がハンドルバーHaに上から載る上挟持部材T1と、ハンドルバーHaを下から挟む下挟持部材T2とを有し、上挟持部材T1と下挟持部材T2とでハンドルバーHaを挟んでビス締めされることにより、ハンドルバーHaに吊り持ち状に取り付けられる。
【0012】
前記各取付孔部12を形成する壁と上挟持部材T1の後部挿入部分とにボルト13a等の締結具を貫通して螺合することにより、取付孔部12に対して吊掛具Tを固定可能にしている。前記壁と上挟持部材T1の後部挿入部分とのボルト13a貫通位置は吊掛具挿入方向複数位置にあり、前記壁及び締結具等によって、取付孔部12に対して吊掛具Tを吊掛具挿入方向複数位置に取り付ける固定手段13が構成されている。
【0013】
座席支持部Kは左右取付孔部12の間がハンドルステムHbに対向する挿入空間Eになっており、座席支持部Kの中途部(挿入空間Eの下方)には、ハンドルステムHbと当接可能な嵌合部Kaが形成されている。
前記嵌合部Kaは内縁がU字形状であって、ハンドルステムHbの後部と左右側部とを覆う形状であり、この嵌合部Kaの左右側部に左右一対の挿入口部4が形成されている。この挿入口部4は前方開口の空洞であって、ハンドルステムHbを前から覆う保持具Uが挿脱可能に挿入されており、空洞の天井部には谷形状の被係合部7が形成されている。
【0014】
図1~9において、前記保持具Uは平面視略コの字状(門形)であって、左右挿入口部4に挿入される保持本体5と、この保持本体5に挿入されかつ挿入方向移動可能な解除部材6と、この解除部材6を保持本体5から抜き出す方向に付勢する付勢部材10とを有する。
前記保持本体5は、左右挿入口部4に挿入される左右本体脚部5aと、この左右本体脚部5aを繋いでいてハンドルステムHbを前から覆うことのできる本体中間部5bとを有し、本体中間部5bとその両側の本体脚部5aの内部は中空に形成され、その中空内に解除部材6が挿入可能になっている。
【0015】
左右各本体脚部5aの天壁には、平面視略コの字状のスリット25を切り込んで係合片8が形成されている。この係合片8は、平坦な薄板の後端上面に山形(三角)突起を形成しており、前端を中心に後端の山形突起が上下に昇降するように、弾性変形可能でありかつ弾性復元する形状に形成されている。
係合片8の後端山形突起は本体脚部5aの天壁の上面より上方に突出していて、挿入口部4の三角谷の被係合部7に係合している(図2に図示)。本体脚部5aを挿入口部4から抜くときには、山形突起が三角谷から抜け出すので、係合片8は押し下げられる。
【0016】
前記解除部材6は、前記左右本体脚部5a内に挿入される左右解除脚部6aと、この左右解除脚部6aを繋いでいて本体中間部5b内に挿入される解除中間部6bとを有しており、各解除脚部6aには、矩形状の開口により離脱許容部6a2が形成され、開口より先端側に係合保持部6a1が形成されている。
解除部材6は保持本体5内にあって付勢部材10によって押し出し方向に力が働いているとき、解除脚部6aの係合保持部6a1が係合片8の後端と対向していて、係合片8が被係合部7から逃げる(離脱)のを阻止し、係合片8の係合を確保する。
【0017】
付勢部材10に抗して解除部材6を押し込み方向に移動すると、開口状の離脱許容部6a2が係合片8の後端と対向して、係合片8が被係合部7から逃げる(離脱)のを許容し、係合片8の離脱を許容する。離脱許容部6a2によって係合片8が被係合部7から離脱するのが許容されると係合解除状態になり、保持本体5を挿入口部4から引き抜くことができるようになる。
【0018】
前記解除部材6の押し込み移動は解除中間部6bと本体中間部5bとを指で挟んで行うが、この押し込み方向と解除部材6を保持本体5から引き抜く解除移動方向とは真逆になっている。
従って、ハンドルステムHbと座席支持部Kとが相対移動してハンドルステムHbが本体中間部5bに衝突しても、解除部材6が移動することはなく、解除部材6に外力が加わっても、保持本体5を引き抜く力にはなり得ない。
【0019】
前記挿入口部4の上面の被係合部7は、挿入方向複数箇所(図2では3箇所)に形成されており、保持本体5を挿入する位置を変更できるようになっている。通常、保持本体5はハンドルステムHbに当接する位置まで挿入口部4に挿入され、嵌合部Kaの内面と共にハンドルステムHbを挟持して、ハンドルステムHbに対する座席支持部Kの装着の”遊び”、”ぐらつき”を可及的に少なくしている。
【0020】
解除部材6を押し出し方向に付勢する付勢部材10は、本体中間部5bと解除中間部6bとの間に配置されており、コイルバネを例示しているが、板バネであってもよい。
前記本体脚部5aの先端側の底壁上面には浅溝11aが形成されており、解除脚部6aの長手方向中途下面には浅溝11aに係合する突起11bが形成されており、突起11bは浅溝11a内で移動可能であり、浅溝11aの端部でそれ以上の移動が阻止される。
【0021】
この移動阻止は、付勢部材10による解除部材6の押し出し規制であり、浅溝11a及び突起11bは、本体脚部5aと解除部材6の解除脚部6aとの間で、解除脚部6aが本体脚部5a内から抜け出るのを規制する抜け規制手段11を構成している。
前記チャイルドシートCSを自転車のハンドルHに搭載・装着する場合、チャイルドシート装着装置1は、左右吊掛具Tの上挟持部材T1の前部をハンドルバーHaに上から載せ、座席支持部Kの挿入空間EをハンドルステムHbに対向させ、嵌合部KaをハンドルステムHbに当接する。
【0022】
その状態において、下挟持部材T2をハンドルバーHaに下から宛がって上挟持部材T1とともにハンドルバーHaを挟んでビス締めにて固定し、嵌合部Kaの前方から保持具Uを左右挿入口部4に挿入する。
保持具Uは左右挿入口部4に挿入する際、中途部を指で摘まんで付勢部材10に抗して解除部材6を押し込み(図8の点線位置から2点鎖線位置へ移動)、離脱許容部6a2を係合片8に対向させて、係合片8の弾性変形による後退移動を許容する状態にしておく。この状態で係合片8が後退可能状態になるので挿入障害になることはなく、左右本体脚部5aを左右挿入口部4に挿入することができる。
【0023】
本体中間部5bがハンドルバーHaに当接するまで保持具Uを挿入すると、係合片8が弾性復元力で被係合部7と係合し、その状態で解除部材6を摘まむのを止める(押し込みを解除する)と、解除部材6は付勢部材10の付勢力で押し出し方向に移動され、係合片8に対向していた部分が離脱許容部6a2から係合保持部6a1に代わり、係合片8の後
退を阻止し、係合片8の係合を確保することになる。
【0024】
前述した実施形態においては、座席部Sを支持する座席支持部Kに、ハンドルバーHaに嵌合する左右一対の吊掛具Tと、ハンドルステムHbに前部から嵌合して離脱を規制する保持具Uとを設けたチャイルドシート装着装置であって、前記座席支持部KにはハンドルステムHbの後部と左右側部を覆う嵌合部Kaが形成され、この嵌合部Kaの左右側部に左右一対の挿入口部4が形成されており、前記保持具Uは、前記左右挿入口部4に左右本体脚部5aを挿入しかつ係合してハンドルステムHbを前側から覆う保持本体5と、この保持本体5の左右本体脚部5a内に押し込み移動可能に挿入して挿入口部4に対する左右本体脚部5aの係合を解除可能にする解除部材6とが設けられている。
【0025】
この構成によって、保持本体5の左右本体脚部5aを左右挿入口部4に挿入しかつ係合することにより、ハンドルステムHbに対する座席支持部Kの保持ができ、前記保持本体5に対して解除部材6を押し込み移動することにより係合を解除するので、本体脚部5aの挿入方向と解除部材6の解除移動方向とが逆になり、保持具Uの不本意な離脱を防止できる。
【0026】
また、前記実施形態においては、前記保持本体5は本体中間部5bの両側に前記左右本体脚部5aが形成され、この各本体脚部5aに挿入口部4内に形成した被係合部7と係脱可能に係合して本体脚部5aの抜け止めをする係合片8が設けられており、前記解除部材6は解除中間部6bの両側に前記左右本体脚部5a内に挿入される左右解除脚部6aが形成され、この各解除脚部6aには、係合片8と対向して係合片8の係合を保持する係合保持部6a1と、押し込み移動することにより係合片8と対向して係合片8の離脱を許容する離脱許容部6a2とが形成されている。
【0027】
この構成によって、保持本体5の係合片8が挿入口部4内の被係合部7と係合して保持本体5の抜け止めができ、係合保持部6a1が係合片8押し込み移動して離脱許容部6a2を係合片8に対向させることにより、保持本体5の離脱が可能になり、解除部材6を押し込み移動方向と解除部材6の解除移動方向とが逆になり、保持具Uの不本意な離脱を防止できる。
【0028】
さらに、前記実施形態においては、本体中間部5bと解除中間部6bとの間には、係合保持部6a1が係合片8と対向する位置へ解除部材6を付勢する付勢部材10が設けられている。
この構成によって、解除部材6を付勢部材10に抗して意識的に解除方向へ移動しない限り、係合片8と被係合部7との係合は確保できる。
【0029】
さらにまた、前記実施形態においては、前記保持本体5の本体脚部5aと解除部材6の解除脚部6aとの間には、解除脚部6aが本体脚部5a内から抜け出るのを規制する抜け規制手段11が設けられている。
この構成によって、保持本体5から解除部材6が不本意に抜けるのを防止できる。
そして、前記実施形態においては、前記嵌合部Kaの挿入口部4内には本体脚部5a挿入方向に複数の被係合部7が形成されている。
【0030】
この構成によって、ハンドルステムHbに径の異なるものがあっても、保持本体5をハンドルステムHbにより近づけて配置することができる。
そしてまた、実施形態においては、前記座席支持部Kには、左右吊掛具Tを挿入して取り付ける取付孔部12が上下複数段に形成され、各取付孔部12と吊掛具Tとの間には、吊掛具挿入方向複数位置に取り付ける固定手段13が設けられている。
【0031】
この構成によって、ハンドルバーHaに高さの異なるものがあっても、座席支持部K及び座席部Sを最適高さに配置することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、左右一対の吊掛具Tは分離されたものであるが、連結部材で連結して一体化してもい。
【符号の説明】
【0032】
1 チャイルドシート装着装置
4 挿入口部
5 保持本体
5a 本体脚部
5b 本体中間部
6 解除部材
6a 解除脚部
6a1 係合保持部
6a2 離脱許容部
6b 解除中間部
7 被係合部
8 係合片
10 付勢部材
11 規制手段
12 取付孔部
13 固定手段
23 ヒンジ軸
25 スリット
E 挿入空間
Ha ハンドルバー
Hb ハンドルステム
K 座席支持部
Ka 嵌合部
S 座席部
T 吊掛具
U 保持具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9