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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ペット用給水器
(51)【国際特許分類】
   A01K 7/02 20060101AFI20241001BHJP
   A01K 39/02 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A01K7/02
A01K39/02 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020194997
(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公開番号】P2022083589
(43)【公開日】2022-06-06
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 巧士
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/020369(WO,A1)
【文献】特開2014-97010(JP,A)
【文献】実開昭50-40781(JP,U)
【文献】実公昭39-5860(JP,Y1)
【文献】実公昭49-17426(JP,Y1)
【文献】特開2003-52269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 7/00
A01K 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水タンクと、
前記貯水タンク内の水を濾過するフィルターと、
前記フィルターを通過した水が吸引される吸引部と吸引された水が送出される送出部を有し、前記貯水タンク内の水を循環させる循環ポンプと、
前記循環ポンプの送出部に接続され、水を水面に送り出す送出パイプと、
少なくとも、前記送出パイプを遮蔽するカバー部材と、を備え、
ペットが水を飲むエリアから前記送出パイプが視認できないように構成し、
前記送出部により水が送出される方向は上方であり、
前記送出パイプは水を上方に案内する第1パイプ部と、水の流れを上方から横方向に変換させる第2パイプ部と、を備えていることを特徴とするペット用給水器。
【請求項2】
前記送出パイプは、
前記第2パイプ部から送出される水を水面に向けて斜め下方向に案内する送出ガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のペット用給水器。
【請求項3】
前記第2パイプ部の水の送出口は、その幅方向の長さが高さ方向の長さよりも長くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用給水器。
【請求項4】
前記送出口は、前記第2パイプ部の側面視で下方の方が突出するように斜めカットされていることを特徴とする請求項3に記載のペット用給水器。
【請求項5】
前記斜めカットの傾斜角度よりも前記送出ガイド部の傾斜角度の方がきつくなっていることを特徴とする請求項2を引用する請求項4に記載のペット用給水器。
【請求項6】
前記循環ポンプは、前記送出部を有するポンプ本体と、前記吸引部を有するとともに前記ポンプ本体に対して着脱自在なキャップとにより構成され、前記キャップの左右両端に着脱操作用の操作部が形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のペット用給水器。
【請求項7】
貯水タンクと、
前記貯水タンク内の水を濾過するフィルターと、
前記フィルターを通過した水が吸引される吸引部と吸引された水が送出される送出部を有し、前記貯水タンク内の水を循環させる循環ポンプと、
前記循環ポンプの送出部に接続され、水を水面に送り出す送出パイプと、
少なくとも、前記送出パイプを遮蔽するカバー部材と、を備え、
ペットが水を飲むエリアから前記送出パイプが視認できないように構成し、
前記送出パイプによる水の送出方向は、前記貯水タンクの内壁の方向に設定されると共に、前記内壁に対して傾斜した角度に設定されていることを特徴とするペット用給水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯水タンクと、前記貯水タンク内の水を濾過するフィルターと、前記フィルターを通過した水が吸引される吸引部と吸引された水が送出される送出部を有し、前記貯水タンク内の水を循環させる循環ポンプと、を備えたペット用給水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかるペット用給水器として下記特許文献1に開示されるものがある。このペット用給水器は、循環ポンプを用いて水を濾過しながら自動的に循環させて衛生的に問題がないようにしている。そのため、貯水タンクの上方に水飲み部が設けられ、貯水タンクから水飲み部にポンプにより水が供給され、その後、水は貯水タンクに戻るように構成されている。具体的には、貯水タンクの中央に上下方向に延びる送水パイプが設けられており、送水パイプの上端から送出された水は、その周囲に形成された傘状のトップファンネルの表面を伝って貯水タンクに戻るように構成されている。かかるペット用給水器において、犬や猫などのペットは、送水パイプから送出されている水を飲むことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-57340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のペット用給水器は、送出パイプから水が送出される状況がペットから視認できる位置に配置されている。多くのペットに対しては、水の動きが見えることに問題はないが、例えば、チワワのような犬は、臆病な性格であり、水が流れ出ているところに近づくことを警戒する傾向がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、臆病なペットであっても近づいて水が飲めるようなペット用給水器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明に係るペット用給水器は、
貯水タンクと、
前記貯水タンク内の水を濾過するフィルターと、
前記フィルターを通過した水が吸引される吸引部と吸引された水が送出される送出部を有し、前記貯水タンク内の水を循環させる循環ポンプと
前記循環ポンプの送出部に接続され、水を水面に送り出す送出パイプと、
少なくとも、前記送出パイプを遮蔽するカバー部材と、を備え、
ペットが水を飲むエリアから前記送出パイプが視認できないように構成したことを特徴とする。
【0007】
かかる構成のペット用給水器の作用・効果は以下の通りである。貯水タンク内の水はフィルターにより濾過され、循環ポンプにより循環させられる。濾過された水は、循環ポンプの送出部に接続された送出パイプから送出される。ここでカバー部材が設けられており、少なくとも、送水パイプが遮蔽され、ペットからは視認されないようにカバーされる。これにより、臆病なペットであっても安心して近づくことができ水を飲むことができるようになる。
【0008】
本発明において、前記送出部により水が送出される方向は上方であり、
前記送出パイプは水を上方に案内する第1パイプ部と、水の流れを上方から横方向に変換させる第2パイプ部と、を備えていることが好ましい。これにより、吸引した水を適切に水面まで戻すことができる。
【0009】
本発明に係る前記送出パイプは、前記第2パイプ部から送出される水を水面に向けて斜め下方向に案内する送出ガイド部を備えていることが好ましい。
【0010】
これにより、大きな音を発生させることなく水を戻すことができ、音に対して臆病なペットが安心して水を飲めるようになる。
【0011】
本発明において前記第2パイプ部の水の送出口は、その幅方向の長さが高さ方向の長さよりも長くなっていることが好ましい。
【0012】
これにより、水を送出するときの空気の巻き込みなどを抑制し、音の発生を抑制することができる。
【0013】
本発明に係る前記送出口は、前記第2パイプ部の側面視で下方の方が突出するように斜めカットされていることが好ましい。かかる構成により、音の発生を抑制しつつ、水を戻すことができる。
【0014】
本発明において、前記斜めカットの傾斜角度よりも前記送出ガイド部の傾斜角度の方がきつくなっていることが好ましい。かかる構成により、音の発生を抑制しつつ、水を水面にガイドすることができる。
【0015】
本発明に係る前記循環ポンプは、前記送出部を有するポンプ本体と、前記吸引部を有するとともに前記ポンプ本体に対して着脱自在なキャップとにより構成され、前記キャップの左右両端に着脱操作用の操作部が形成されていることが好ましい。
【0016】
これにより、キャップの着脱操作性を改善し、ポンプのメンテナンス作業をしやすくなる。
【0017】
本発明において、前記送出パイプによる水の送出方向は、前記貯水タンクの内壁の方向に設定されると共に、前記内壁に対して傾斜した角度に設定されていることが好ましい。
【0018】
かかる構成により、貯水タンク内の水の循環性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ペット用給水器の外観斜視図
図2】ペット用給水器の平面図
図3】ペット用給水器の側面図
図4】カバー部材を取り除いた状態の平面図
図5図2のA-A断面図
図6】カバー部材を取り除いた状態のA-A断面図
図7】ペット用給水器の分解斜視図
図8A】送出パイプの側面図
図8B】送出パイプの正面図
図8C】送出パイプの平面図
図8D】送出パイプの背面図
図8E】送出パイプの中央断面図
図9A】循環ポンプの側面図
図9B】循環ポンプの平面図
図9C】循環ポンプの正面図
図9D】循環ポンプの断面図
図10図4のB-B断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るペット用給水器の好適な実施形態をまず説明する。図1は、本実施形態に係るペット用給水器の外観斜視図である。図2は、ペット用給水器の平面図である。図3は、ペット用給水器の側面図である。図4は、カバー部材を取り除いた状態の平面図である。図5は、図2のA-A断面図である。図6は、同じくカバー部材を取り除いた状態のA-A断面図である。図7は、ペット用給水器の分解斜視図である。
【0021】
本発明に係るペット用給水器は、特に犬や猫に適した構成を有しているが、それ以外のペットに対しても応用可能である。その中でも特に水の流れや音に対して臆病なペット(チワワ等)には好適な構成を備えている。
【0022】
<貯水タンク及びカバー部材の構成>
図1などに示すように、ペット用給水器は貯水タンク1とカバー部材2を備えている。いずれも硬質の樹脂により形成される。図2からも分かるように、貯水タンク1は、平面視でほぼ正方形である。説明の便宜上、図2の下側が前、上側が後であると定義する。なお、貯蔵タンク1の形状は特定の形状に限定されるものではなく、長方形や円形、楕円形など種々の形状を採用することができる。図2では、ほぼ正方形であるが、前側は若干円弧上に膨らんだ形状になっている。また、4辺の内壁面は、いずれも外側に傾斜している。図3の側面図に示すように、傾斜形状は直線ではなく、外側に膨らむ2次曲線となっているが、直線状に傾斜させてもよく、種々の形状を選択することができる。また、図2の平面視において、四隅は円弧状に形成され、なめらかな形状を呈している。
【0023】
図3に示すように、貯水タンク1の高さは前方側にいくほど低くなっている。これはペットが水を飲みやすくできるようにするとともに、貯水タンク1の中に設置されるポンプ等の部品の高さを考慮したものである。
【0024】
貯水タンク1にはカバー部材2が着脱自在に取り付けられる。図2に示すように、カバー部材2の前面20は円弧状に突出した形状を有すると共に、壁面は上に行くほど後側になるよう傾斜している。貯水タンク1とカバー部材2の前面20で囲まれたエリアPがペットが水を飲むエリアになる。図1には、水面Wを表示している。他の図に関しても、必要に応じ、水面Wを記入している。
【0025】
図5にカバー部材2の前面の形状が示される。前面20の一番下には当接面21が形成され、貯水タンク1の底面に当接する。当接面21の左側には傾斜面22が形成され、貯水タンク1の底面との間に開口Cが形成される。当接面21のすぐ右側には水平面23が形成され、貯水タンク1の底面とは隙間が形成される。水平面23の右側には、傾斜面24が形成され、貯水タンク1の底面との間に開口Dが形成される。水平面23の下部にも隙間があり、同様に開口Dとして機能する。これらの開口C,Dは水を循環させるときの水を通過させる機能を有する。水の濾過が行われるのは、カバー部材2の内側であるので、濾過された水が水飲みのエリアPに行きわたるように開口C,Dを形成している。前面20の左右両側面は、貯水タンク1の内壁面と接するような形状になっている。
【0026】
カバー部材2の天面27は平板状に形成されるが、図7にも示すように、前面20以外の部分には、高さの低い突出部25が形成される。これにより、カバー部材2の強度を保持している。天面27の後部には突出部26が一体形成されており、貯水タンク1の後部壁面の上部に形成された溝部10に嵌まり込む。これにより、カバー部材2を貯水タンク1に対して安定して取り付けることができる。
【0027】
図7に示すように、貯水タンク1の後部の壁面には2カ所にリブ14が形成され、リブ14の上端には溝14aが形成される。この溝14aにカバー部材2の突出部25の先端が挿入される。これにより、安定した状態でカバー部材2を取り付けることができる。
【0028】
図4に貯水タンク1の内部構造を示す。図4は、カバー部材2を外した状態を示している。カバー部材2の前面20の形状は想像線で示される。貯水タンク1の中には、循環ポンプ3、送出パイプ4、フィルター5が配置され、これらの部品をまとめて貯水タンク1内に取り付けるための取り付け部材6が設けられている。これらの部品は、カバー部材2をかぶせることで外部からは視認できなくなる。
【0029】
取り付け部材6は、図4に示すように平面視でCの字に壁面が形成されている。貯水タンク1の底面に2カ所位置決め用のボス15が一体形成されており、このボス15に取り付け部材6に形成された位置決め用の穴60が挿入されることで、貯水タンク1の所定の位置に取り付け部材6が位置決めされる。なお、この取り付け部材6も貯水タンク1に対して着脱自在に取り付けられる。
【0030】
取り付け部材6の壁面のない箇所にフィルター5を挿脱するための係合溝61が形成されている。フィルター5には、係合溝61に係合案内される突出部50が左右2カ所形成されている。フィルター5については周知の構成であるので説明は省略する。取り付け部材6の壁面の高さは、貯水タンク1に入れる水の高さを考慮して決められている。すなわち、想定される水面よりも壁面の方が高くなるようにする。また、フィルター5の高さは、取り付け部材6の壁面の高さよりも高くなるように設定されている。従って、取り付け部材6の内部の空間は、その周囲から囲まれた空間となる。
【0031】
取り付け部材6の前面側の壁面にはリブ(突起部)62が形成されている。このリブ62は、カバー部材2の前面20の裏面に当接するようになっており、カバー部材2を安定した状態で取り付けさせることができる。また、壁面63は貯水タンク1の左側の壁面11に対して斜め方向に設定されている。フィルター5は、カバー部材2と貯水タンク1の間に形成される開口Dに近い位置に配置されている。また、斜め方向の壁面63は、開口Cに近い位置に設定されている。これにより、送出パイプ4から送出される水を開口Cの方向に向けることができる。
【0032】
<送出パイプの構成>
次に送出パイプ4の構成を図8A図8Eにより説明する。この送出パイプ4は、循環ポンプ3の送出部32に取り付けられる。具体的には、循環ポンプ4の送出部から送出される水を案内して水面へと送り出す。送出パイプ4は、第1パイプ部40と第2パイプ部41と送出ガイド部42とを有している。第1パイプ部40は垂直上方に延びており断面は円形である。すなわち、循環ポンプ3から送出された水を垂直上方に案内する。
【0033】
第2パイプ部41は、水平方向に延びており、第1パイプ部40を伝わってきた水の流れ方向を90゜変換させる。第2パイプ部41の出口にある送出口43は横長の長方形である。従って、第2パイプ部41の断面形状も同じく横長の長方形である。送出口43は、幅方向の長さが高さよりも大きくなっている。送出口43から水が送り出される。また、図8Aを見ても分かるように、送出口43は側面視で斜めカットされており、下方が突出するような傾斜形状を有している。第2パイプ部41及び送出口43を上記のように構成することで、第2パイプ部41の中は水で満たされて空気が巻き込まれることがない。従って、水の送出時の音の発生を抑制することができる。
【0034】
送出ガイド部42は送出口43のすぐ下部に設けられており、送出口43から送出された水を送出ガイド部42に沿ってガイドする。送出ガイド部42の表面に沿って水は水面へと流れ落ちる。送出口43の傾斜角度θ1と送出ガイド部42の傾斜角度θ2を比較すると、θ2の方がθ1よりも小さい。すなわち、送出ガイド部42の方が、垂直に近くなっており、傾斜角度がきつくなっている。
【0035】
<循環ポンプの構成>
次に循環ポンプ3の構成を図9A図9Dにより説明する。循環ポンプ3は、ポンプ本体30とキャップ31により構成される。ポンプ本体3の内部には、アクチュエータとしてのポンプ構造が収容される。ポンプ本体3の上面には送出部32が設けられており、断面円形のパイプ形状を有する。送出部32は、垂直上方に水を送り出すものであり、前述の送出パイプ4の第1パイプ部40が接続される。第1パイプ部40の内径に、送出部32が軽い圧入により挿入される。圧入ではあるが、メンテナンスが可能なように送出パイプ4は着脱自在である。
【0036】
キャップ31は、ポンプ本体30の前面に着脱自在に装着される。キャップ31には吸引部33が形成されており、多数のスリットが形成されている。このスリットを介して水がポンプ本体30の内部に吸引される。キャップ33の左右両側には操作部(操作つまみ)34が設けられている。操作部34は、図9A等に示すように、ポンプ本体30に近い位置に一体形成される。この操作部34を手でつまむことでキャップ31を取り外すことができる。キャップ31を外すことで、循環ポンプ3の清掃等のメンテナンスを行うことができる。キャップ31は、スナップフィット構造によりポンプ本体30に対して着脱できる。なお、かかるキャップ31の操作部34の構成は、本実施形態のようなペット用給水器ではなく、他のタイプ(例えば、先行文献に開示されるようなペット用給水器)に対しても、適用可能である。
【0037】
循環ポンプ3の底面には吸盤により形成された脚部35が3カ所設けられている。そのうち2カ所はキャップ31に設けられ、1か所はポンプ本体30の下面に設けられる。これにより、循環ポンプ3を強固に取り付けることができる。また、ポンプ動作時の音の発生を抑制することができる。
【0038】
貯水タンク1の四隅の1つに穴12が形成されており、循環ポンプ3の電源コード36を通過させる。穴12は、仕切り壁13により仕切られている。仕切り壁13の高さは、取り付け部材6の壁面よりも高くなっており、水が穴12から漏れることはない。
【0039】
<ペット用給水器の動作>
次にペット用給水器の動作について説明する。図10は、図4のB-B断面図である。まず、貯水タンク1の中に水を入れる。水面高さは、取り付け部材6の壁面の高さを超えないようにする。これは、フィルター5を通過した水のみが循環ポンプ3により循環されるようにするためである。
【0040】
フィルター5により濾過された水は、循環ポンプ3により吸引されて送出部32から送出される。そして、送出部32に接続された送出パイプ4を介して、第1パイプ部40、第2パイプ部41と水が送られる。第2パイプ部41の断面形状及び送出口43の形状は、横長の長方形であり、内部に空気が巻き込まれにくくなっている。すなわち、第1パイプ部40及び第2パイプ部41の内部に完全に水が満たされた状態で送出口43から水が送出されるので、音の発生をなくすことができるか、かなり抑制することができる。送出口43は図8Aにも示すように斜めカットされており、同様に音の発生の抑制に寄与する形状である。
【0041】
送出口43から流れ出た水は、送出ガイド部42の表面に沿って水面へと流れ落ち、音の発生もなく静かに水を循環させることができる。このように音の発生を抑制することで、水の音に対して臆病なペットが安心してエリアPで水を飲むことができる。
【0042】
また、図4にも示すように、送出パイプ4の送出口43は、貯水タンク1の壁面11の方向を向いていると共に、壁面11に対して水の送出方向が傾斜した状態で設置されている。また、送出口43の近くには開口C(図5参照)があるので、開口Cの方に向けて濾過された水を送り出すことができる。これにより、効率よく濾過された水をペットが水を飲むエリアPに送ることができる。そして、エリアP内の水は開口Dを介してフィルター5の方向に向かうことができるので循環効率を良くすることができる。
【0043】
また、カバー部材2を設けることで、取り付け部材6に搭載された循環ポンプ3、送出パイプ4、フィルター5を遮蔽している。特に、エリアPからは、送出パイプ4から水が流れ出ることを視認できないようになっている。従って、臆病なペットであっても、安心してエリアPで水を飲むことができる。
【0044】
<別実施形態>
本実施形態において、貯水タンク1は循環ポンプ等の他の部品を搭載する機能も兼ねているが、水を収容する機能に特化してもよい。その場合は、別に容器本体を設けて貯水タンクや循環ポンプ等の部品を搭載する構成を採用してもよい。
【0045】
送出部32による水の送出方向は垂直上方でなくてもよく、傾斜した上方であってもよい。同様に、第1パイプ部40についても垂直ではなく、傾斜した上方であってもよい。第2パイプ部41は、水平方向に設定されているが、送出ガイド部42へ導くために横方向に設定されていればよいので、水平ではない傾斜した角度に設定されていてもよい。なお、第1パイプ部40の断面形状は円形でなくてもよく、矩形等の他の形状を採用してもよい。第2パイプ部41についても同様に他の断面形状を採用してもよい。
【0046】
本実施形態では、循環ポンプ等を搭載するために取り付け部材6を介して貯水タンク1に取り付けているが、取り付け部材6を設けずに、直接貯水タンク1に個々の部品を取り付けるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 貯水タンク
2 カバー部材
20 前面
3 循環ポンプ
30 ポンプ本体
31 キャップ
32 送出部
33 吸引部
34 操作部
35 脚部
4 送出パイプ
40 第1パイプ部
41 第2パイプ部
42 送出ガイド部
43 送出口
5 フィルター
6 取り付け部材
P エリア
C 開口
D 開口
W 水面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図9D
図10