(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】おくるみ
(51)【国際特許分類】
A41B 13/06 20060101AFI20241001BHJP
A47D 7/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A41B13/06
A47D7/00 Z
(21)【出願番号】P 2021171377
(22)【出願日】2021-10-20
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】521461199
【氏名又は名称】加藤 八重子
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 八重子
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06662390(US,B1)
【文献】米国特許第04979250(US,A)
【文献】米国特許第08302225(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B13/04-17/00
A47G9/02
A41D11/00
A41D10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新生児や乳幼児を包む包み部と、
前記包み部と接続され、前記新生児や乳幼児の両足を収納する両足収納部と、を備え、
前記包み部は、
前記新生児や乳幼児を背中側から包む第1包み部と、
前記第1包み部と接続され、前記新生児や乳幼児を正面側から包む第2包み部と、を備え、
前記第1包み部は、前記第1包み部から前記第2包み部へ延びる
仮想線に対して線対称になるように互いに反対側に突出した第1翼状部
と第2翼状部と、を備え、
前記第2包み部は、
前記仮想線に対して互いに反対側に突出した第3翼状部
と第4翼状部と、を備え、
前記新生児や乳幼児の右肩及び右手を包む前記第1翼状部と
、前記新生児や乳幼児の左肩及び左手を包む前記第2翼状部と
、を前記新生児や乳幼児の首元正面側で
重ね合わせることで前記第1包み部を
前記新生児や乳幼児に固定し、
前記第3翼状部を
前記新生児や乳幼児の左肩越しに前記第1包み部に固定し、前記第4翼状部を
前記新生児や乳幼児の右肩越しに前記第1包み部に固定することにより
、前記第2包み部を
前記新生児や乳幼児に固定
し、
前記両足収納部に前記両足を収納してカエル足にした際に、前記新生児や乳幼児の両膝が前記おくるみの外部に露出する開口が、前記新生児や乳幼児に固定された前記おくるみの両側に前記第1包み部と前記第2包み部とで形成され、
前記両足収納部は、前記第1包み部から前記第2包み部に延びる方向が空洞になっている、
おくるみ。
【請求項2】
前記第1翼状部および前記第2翼状部は、前記第1包み部の前記第2包み部と反対側の端部に設けられる、
請求項1に記載のおくるみ。
【請求項3】
前記第3翼状部および前記第4翼状部は、前記第2包み部の前記第1包み部と反対側の端部に設けられる、
請求項1に記載のおくるみ。
【請求項4】
前記第1翼状部、前記第2翼状部、前記第3翼状部、および前記第4翼状部は、マジックテープ(登録商標)を留める位置を変えることで前記おくるみの大きさを調整する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のおくるみ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おくるみに関する。
【背景技術】
【0002】
おくるみは、一般的に、新生児や乳幼児の身体を包むように使用される。おくるみで包む目的は、新生児や乳幼児が母親の身体の中にいたときと同じような姿勢となることで、新生児や乳幼児に安心感を与えるためである。また、おくるみは、新生児や乳幼児の母親の負担を軽減するため簡単に新生児や乳幼児を包めることが求められる。従来から様々なタイプのおくるみが実用化されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、上部に乳児の頭を入れ、下部二重部分に足をM字型に届けて入れるようにし、作用の翼状片で折り返して包むようにした乳幼児用おくるみが記載されている。
【0004】
特許文献2には、育児器具上に置かれるマットとしての働きをするとともに、乳幼児の身体を包み込むことのできる形態を持つおくるみマットが記載されている。そして、
図5、段落[0010]、段落[0019]-[0021]には、乳幼児の足部はおくるみで包まず、乳幼児は足部を露出したままなので、足部を楽に動かすことができると記載されている。
【0005】
特許文献3には、乳児を人間工学的位置に維持するためのおくるみ用ブランケットが記載されている。そして、
図11、請求項18、段落[0073]には、乳児がカエル足などを維持するために、臀部位置決めフラップが、乳児の足の間に前進され、おくるみ用ブランケットの胴体部分に取着されることが記載されている。
【0006】
特許文献4には、乳幼児の体形に応じて、適切に育児器具を取り付けることができるおくるみが記載されている。そして、
図7-8、段落[0034]、段落[0046]には、乳幼児の体形や、新生児から4カ月程度の体形の違いを考慮して、股ベルトの挿通位置を選択することで、パッド部を適切に機能させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実公昭52-36527号公報
【文献】特開2008-279号公報
【文献】特表2015-522724号公報
【文献】特開2016-14197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
先行技術文献に開示されたおくるみでは、新生児や乳幼児の足をすべて包むかすべて露出するかである。足をすべて包む場合は、熱がこもり、体温が高くなりやすい。一方で、足を露出する場合は、体温が下がりやすくなる。そのため、上記文献記載のおくるみでは、新生児や乳幼児が適切な体温を維持することができない可能性があった。また、おくるみに包まれた新生児や乳幼児の姿勢によっては、新生児や乳幼児の股関節に影響を与える可能性がある。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、新生児や乳幼児の体温を適切に維持することができ、新生児や乳幼児の股関節を保護することができるおくるみを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るおくるみは、新生児や乳幼児を包む包み部と、前記包み部と接続され、前記新生児や乳幼児の両足を収納する両足収納部と、を備え、前記包み部は、前記新生児や乳幼児を背中側から包む第1包み部と、前記第1包み部と接続され、前記新生児や乳幼児を正面側から包む第2包み部と、を備え、前記第1包み部は、前記第1包み部から前記第2包み部へ延びる方向とは異なる第1方向に突出した第1翼状部と、前記第1包み部から前記第2包み部へ延びる方向に対し、前記第1方向とは反対側の第2方向に突出した第2翼状部と、を備え、前記第2包み部は、前記第1包み部から前記第2包み部へ延びる方向とは異なる第3方向に突出した第3翼状部と、前記第1包み部から前記第2包み部へ延びる方向に対し、前記第3方向とは反対側の第4方向に突出した第4翼状部と、を備え、前記第1翼状部と前記第2翼状部とにより、前記新生児や乳幼児の首元正面側で前記第1包み部を固定し、前記第3翼状部と前記第4翼状部とにより、前記新生児や乳幼児の首元背面側で前記第2包み部を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、新生児や乳幼児の体温を適切に維持することができ、股関節の保護をすることができるおくるみを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係るおくるみの展開図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の上半身がおくるみに包まれた状態を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の両足が収納された状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の身体全体がおくるみに包まれた状態を示す正面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の身体全体がおくるみに包まれた状態を示す右側面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児を包む手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るおくるみの実施形態について、以下図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るおくるみの展開図である。おくるみ1000は、
図1に示すように、包み部100、背面部101、第1包み部102、第2包み部103、第1翼状部104、第2翼状部105、両足収納部106、調整部107、第3翼状部108、および第4翼状部109を有する。
図1に示すように、おくるみ1000は、おくるみ1000の中心であり鉛直方向の仮想的な仮想線110に対して第1翼状部104と第2翼状部105とが線対称となっている。また、第3翼状部108と第4翼状部109とが、仮想線110に対して線対称となっている。
【0014】
なお、仮想線110は、あくまでも仮想的なものであって、実際に糸等で線状に縫われているわけではない。また、おくるみの素材は体温調節と新生児や乳幼児BAB(
図2等を参照)の肌を守るために柔らかいタオル生地が好ましいが、特に限定されず、新生児や乳幼児BABを包めるものであればよい。
【0015】
包み部100は、新生児や乳幼児BABを背中側から包む第1包み部102と、新生児や乳幼児BABの正面側から全身を包む第2包み部103とを有している。第1包み部102と第2包み部103とが、互いに接続されている。おくるみ1000の使用時、包み部100は、第1包み部102が新生児や乳幼児BABの背中側から股下に延び、第2包み部103が新生児や乳幼児BABの股下から正面側まで延びるように配置される(後述の
図5を参照)。
【0016】
第1包み部102は、新生児や乳幼児の背中側から上半身を包むように構成される。
図1に示すように、第1包み部102は、第1翼状部104、第2翼状部105を備えている。背面部101は、第1包み部102における新生児や乳幼児BABの背中が当たる部分である。第1翼状部104は、第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向とは異なる第1方向に突出している。なお、
図1では、第1翼状部104は、第1包み部102の第2包み部103と反対側の端部に設けられた場合が例示されているが、このような構成に限定されるものではない。第1翼状部104は、おくるみ1000の使用時、新生児や乳幼児BABの右肩及び右手を包むように構成されている。
【0017】
具体的には、第1翼状部104は、背面部101上の仮想的な仮想線110の垂直左方向に配置されている。言い換えれば、第1翼状部104は、背面部101の長手方向である左側縁から左側方に突出して延びている。
図1において、第1翼状部104の鉛直方向下側部分は、当該鉛直方向下側部分から背面部101に向かって弧を描くようにして、背面部101と繋がっている。なお、第1翼状部104は、新生児や乳幼児BABの右手や右肩を包む際に、
図2のように、第2翼状部105と重なり合う形になる。この場合、第1翼状部104が上側になっても下側になってもよい。なお、第1翼状部104にマジックテープ(登録商標)、粘着テープ、ベルト、磁石等の接着部材が具備されていてもよい。
【0018】
第2翼状部105は、第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向とは異なる第2方向に突出している。具体的には、第2翼状部105は、第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向に対し、第1方向とは反対側の第2方向に突出している。すなわち、第1方向は、
図1において、仮想線110の左側方向であり、第2方向は、
図1において、仮想線110の右側方向である。なお、
図1では、第2翼状部105は、第1包み部102の第2包み部103と反対側の端部に設けられた場合が例示されているが、このような構成に限定されるものではない。第2翼状部105は、おくるみ1000の使用時、新生児や乳幼児BABの左肩及び左手を包むように構成されている。そして、第1翼状部104と第2翼状部105とにより、新生児や乳幼児BABの首元正面側で第1包み部102を固定する。
【0019】
具体的には、第2翼状部105は、背面部101上の仮想的な仮想線110の垂直右方向に配置されている。言い換えれば、第2翼状部105は、背面部101の長手方向である右側縁から右側方に突出して延びている。
図1において、第2翼状部105の鉛直方向下側部分は、当該鉛直方向下側部分から背面部101にむかって弧を描くようにして、背面部101と繋がっている。なお、第2翼状部105は、新生児や乳幼児BABの左手や左肩を包む際に、
図2のように、第1翼状部104と重なり合う形になる。この場合、第2翼状部105が上側になっても下側になってもよい。なお、第2翼状部105にマジックテープ(登録商標)、粘着テープ、ベルト、磁石等の接着部材が具備されていてもよい。
【0020】
両足収納部106は、包み部100と接続されて設けられている。具体的には、両足収納部106は、
図1において、背面部101の直下、言い換えれば、背面部101に対し第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向に配置されている。両足収納部106は、第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向、
図1では鉛直方向が空洞になっている。これに対して、両足収納部106の左右方向の両端は適切な方法で背面部101の下部の包み部100に固定されている。これにより、両足収納部106を開き、背面部101側から新生児や乳幼児BABの両足を両足収納部106へ入れることができる。両足収納部106の素材は伸縮するものが好ましいが、これに限定されない。なお、左右の足のそれぞれに対応する足収納部が設けられてもよい。
【0021】
両足収納部106の下部、言い換えれば、両足収納部106に対し第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向には、調整部107が配置されている。調整部107は、
図1において、両足収納部106の直下に配置されている。調整部107は、
図1において、鉛直方向に大きさを調整することができる。なお、大きさを調整する方法は、ボタン、マジックテープ(登録商標)、粘着テープ、ベルト、磁石等が用いられてもよい。また、その方法は問わず、おくるみの大きさを調整することができればよい。なお、第1包み部102の背面部101が、おくるみ1000の大きさを調整する機能を有していてもよい。
【0022】
第2包み部103は、新生児や乳幼児の正面側から上半身を包むように構成される。
図1に示すように、第2包み部103は、第3翼状部108、第4翼状部109を備えている。第3翼状部108は、第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向とは異なる第3方向に突出している。なお、
図1では、第3翼状部108は、第2包み部103の第1包み部102と反対側の端部に設けられた場合が例示されているが、このような構成に限定されるものではない。第3翼状部108は、おくるみ1000の使用時、新生児や乳幼児BABの右半身を包むように構成されている。
【0023】
具体的には、第3翼状部108は、
図1において、おくるみ1000の鉛直方向中心付近で折りたたまれる。そして、第3翼状部108は、新生児や乳幼児BABの左肩越しに、第1包み部102の第1翼状部104の背面側や背面部101付近にマジックテープ(登録商標)等の接着できるもので固定される。これにより、新生児や乳幼児BABの右半身を固定することができる。なお、第3翼状部108には、マジックテープ(登録商標)に代えて、粘着テープ、ベルト、磁石等の接着部材が具備されていてもよい。
【0024】
第4翼状部109は、第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向とは異なる第4方向に突出している。具体的には、第4翼状部109は、第1包み部102から第2包み部103へ延びる方向に対し、第3方向とは反対側の第4方向に突出している。すなわち、第3方向は、
図1において、仮想線110の左側方向であり、第4方向は、
図1において、仮想線110の右側方向である。なお、
図1では、第4翼状部109は、第2包み部103の第1包み部102と反対側の端部に設けられた場合が例示されているが、このような構成に限定されるものではない。第4翼状部109は、おくるみ1000の使用時、新生児や乳幼児BABの左半身を包むように構成されている。そして、第3翼状部108と第4翼状部109とにより、新生児や乳幼児BABの首元背面側で第2包み部103を固定する。
【0025】
具体的には、第4翼状部109は、
図1において、おくるみ1000の鉛直方向中心付近でおりたたまれる。そして、第4翼状部109は、新生児や乳幼児BABの右肩越しに、第1包み部102の第2翼状部105の背面側や背面部101付近にマジックテープ(登録商標)等の接着できるもので固定される。これにより、新生児や乳幼児BABの左半身を固定することができる。なお、第4翼状部109には、マジックテープ(登録商標)に代えて、粘着テープ、ベルト、磁石等の接着部材が具備されていてもよい。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の上半身がおくるみに包まれた状態を示す図である。
図2に示すように、第1翼状部104と第2翼状部105によって、新生児や乳幼児BABの首元正面側で第1包み部102が固定されている。これにより、新生児や乳幼児BABの上半身が第1包み部102により包まれる。なお、
図2では、第2翼状部105を第1翼状部104の上に重ねることで新生児や乳幼児BABが包まれる例が示されているが、第1翼状部104を第2翼状部105の上に重ねることで新生児や乳幼児BABが包まれてもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の両足が収納された状態を示す図である。
図3に示すように、両足収納部106は、新生児や乳幼児BABの足先を収納できるように構成されていることが分かる。これにより、足先が両足収納部106に収納された新生児や乳幼児BABは、自然にカエル足の姿勢になることができる。
【0028】
図4は、本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の身体全体がおくるみに包まれた状態を示す正面図である。
図5は、本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児の身体全体がおくるみに包まれた状態を示す右側面図である。
図4、
図5に示すように、おくるみ1000は、新生児や乳幼児BABの身体を包んでいることが分かる。また、おくるみ1000に包まれた新生児や乳幼児BABの膝部は、おくるみ1000の外部に露出していることが分かる。これにより、新生児や乳幼児の体温が適切に保たれ、新生児や乳幼児BABに安心感を与えることができる。さらに、おくるみ1000に包まれた新生児や乳幼児BABがカエル足の姿勢になることで、新生児や乳幼児BABの股関節の保護をすることができる。
【0029】
次に、新生児や乳幼児BABをおくるみ1000で包む際の手順について説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係るおくるみにおいて、新生児や乳幼児を包む手順を示すフロー図である。
【0030】
まず、ステップS601において、背面部101に新生児や乳幼児BABの背面を合わせるように新生児や乳幼児BABを寝かせる。この時、背面部101の最上部には、新生児や乳幼児BABの首付近が当接するように寝かせる。
【0031】
次に、ステップS602において、
図2のように、新生児や乳幼児BABの上半身に第1翼状部104と第2翼状部105とを、新生児や乳幼児BABの上半身の前で重ね合わせるようにする。この場合、重ね合わせたときに第1翼状部104と第2翼状部105とを接着させる方法は、マジックテープ(登録商標)、粘着テープ、ベルト、磁石等に限られず、接着できるものであればよい。これにより、新生児や乳幼児BABを首元正面側から固定することができる。
【0032】
ステップS603において、
図3のように、新生児や乳幼児BABの足を両足収納部106に収納する。これにより、新生児や乳幼児BABはカエル足の姿勢を維持することができる。
【0033】
ステップS604において、新生児や乳幼児BABの股下から第2包み部103を持ち上げて、新生児や乳幼児BABの上半身に正面側から第2包み部103を掛ける。これにより、第1翼状部104および第2翼状部105が第2包み部103で覆われた状態となる。そして、
図4のように、新生児や乳幼児BABの左肩越しに、第3翼状部108を第1包み部102に固定する。また、新生児や乳幼児BABの右肩越しに、第4翼状部109を第1包み部102に固定する。これにより、新生児や乳幼児BABを首元背面側から固定することができる。
【0034】
これらのステップにより、
図4、
図5のように、新生児や乳幼児BABを適切に包むことができる。さらに、新生児や乳幼児BABの膝部が外部に露出することで、新生児や乳幼児BABが適切な体温を維持することができ、新生児や乳幼児BABがカエル足の姿勢を維持することで、新生児や乳幼児BABの股関節の保護をすることができる。
【0035】
このように、本実施形態によれば、少ない工程で新生児や乳幼児を包むことができる。これにより、新生児や乳幼児の母親が簡単におくるみ1000を利用することができるようになり、母親の負担が軽減される。また、おくるみ1000を利用することで、新生児や乳幼児BABに安心感を与えることができるため、新生児や乳幼児BABの睡眠を促すことができる。
【0036】
本実施の形態によれば、両足収納部106に両足を収納した状態で、新生児や乳幼児BABはおくるみ1000に包まれる。この構成によれば、新生児や乳幼児BABの足をカエル足にすることができ、新生児や乳幼児BABの膝部をおくるみ1000から露出させることができるので、新生児や乳幼児BABが適切な体温を維持することができ、新生児や乳幼児BABの股関節の保護をすることができる。
【0037】
本実施の形態によれば、第1翼状部104と第2翼状部105により新生児や乳幼児BABを首元正面側から固定し、第3翼状部108と第4翼状部109により新生児や乳幼児BABを首元背面側から固定することで、新生児や乳幼児BABをおくるみ1000に固定して包むことができる。この構成よれば、おくるみ1000が簡単な構成であるため、新生児や乳幼児BABを容易におくるみ1000で包むことができる。
【0038】
本実施の形態によれば、第1翼状部104および第2翼状部105は、第1包み部102の第2包み部103と反対側の端部に設けられる。また、第3翼状部108および第4翼状部109は、第2包み部の第1包み部と反対側の端部に設けられることで、新生児や乳幼児BABを少ない工程で簡単に包むことができる。
【0039】
また、本実施の形態によれば、第1翼状部104、第2翼状部105、第3翼状部108、および第4翼状部109は、マジックテープ(登録商標)で包む大きさを調整する。また、調整部107は調整部107を基準にしておくるみを鉛直方向上下に拡大又は縮小し、また、調整部107は、ボタンによっておくるみの大きさを調整することで、新生児や乳幼児BABの成長に応じておくるみ1000を長く利用することができ、ひいては利用者のコストの削減、節約に繋げることができる。調整部107がボタンの留める位置を変更する方法は、
図1を参照すると、調整部107が
図1の横方向にボタンを留める箇所をいくつか有し、これを取り外しすることによっておくるみ1000の大きさを変更することができる。なお、
図1に限らず、調整部107は、横方向に複数列ボタンを留める箇所を有することで段階的におくるみ1000の大きさを変更してもよい。
【0040】
本発明において、両足収納部106は、新生児や乳幼児BABの足を収納できるように第1包み部102から第2包み部103に延びる方向が空洞になっていることで、新生児や乳幼児BABの成長に応じて足をどのくらい入れるかを調整することができる。また、おくるみ1000で包んでも、熱がこもりにくく新生児や乳幼児の体温が適切に保つことができる。
【0041】
本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した各請求項に係る発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜設計変更をすることができる。
【符号の説明】
【0042】
100 包み部
101 背面部
102 第1包み部
103 第2包み部
104 第1翼状部
105 第2翼状部
106 両足収納部
107 調整部
108 第3翼状部
109 第4翼状部
110 仮想線
1000 おくるみ
BAB 新生児や乳幼児