IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友重機械工業株式会社の特許一覧

特許7563759作業機械の管理システム、作業機械の管理装置、作業員用端末、施工業者用端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】作業機械の管理システム、作業機械の管理装置、作業員用端末、施工業者用端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20241001BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20241001BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021527804
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(86)【国際出願番号】 JP2020025364
(87)【国際公開番号】W WO2020262661
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2019119886
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 正樹
(72)【発明者】
【氏名】階戸 文乃
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0286890(US,A1)
【文献】特開2009-235833(JP,A)
【文献】特開2017-156972(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0127013(KR,A)
【文献】特開2016-45956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械を管理する作業機械の管理システムであって、
作業機械から取得した作業の実績情報を用いて、前記作業機械の運転を行った作業員の運転技能の評価結果と、前記作業員を特定する識別情報とを対応付けた技能評価情報を生成して記憶部に格納する技能評価部と、
施工業者用端末から、作業員の検索条件の入力を受けて、前記記憶部を検索し、前記検索条件を満たす評価結果と対応付けられた作業員の識別情報を抽出する検索処理部と、
検索結果として前記施工業者用端末へ出力する出力部と、を有し、
前記技能評価部は、
前記作業の実績情報に基づき、前記作業機械が行った作業の種類を特定する作業種類特定部と、
前記作業の実績情報を取得したときに前記作業機械の運転を行っていた作業員を特定する作業員特定部と、
特定された作業の種類毎に、特定された作業員の運転技能の高さを示す指標を算出する指標算出部と、
前記作業の種類毎の前記指標と、前記作業員の識別情報とを対応付けて、技能評価情報とし、前記記憶部へ格納する格納部と、を有する、作業機械の管理システム。
【請求項2】
前記出力部は、
前記施工業者用端末から、作業依頼を行う作業員の識別情報の選択を受けて、前記識別情報が特定する作業員の作業員用端末へ、前記作業依頼が行われたことを示す通知を送信する、請求項1記載の作業機械の管理システム。
【請求項3】
前記記憶部は、
作業員の識別情報と、作業を行う期間と、前記作業を行う地域と、前記作業に対する賃金とを含む前記作業員の希望条件情報が格納されており、
前記検索条件は、作業を行う期間と、前記作業の現場となる地域と、前記作業に対して支払われる賃金と、を含み、
前記検索処理部は、
前記希望条件情報を参照して、前記検索条件を満たす作業員の識別情報を抽出する、請求項2記載の作業機械の管理システム。
【請求項4】
前記技能評価部は、
前記作業機械から、前記作業の実績情報を取得する度に、前記作業機械の運転を行った作業員の技能評価情報を更新する、請求項記載の作業機械の管理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、作業員の家族構成を示す情報が格納されており、
前記出力部は、前記作業員の家族構成を示す情報と、外部から提供される前記作業員の居住地域に関する居住地域情報と、に基づく通知を、前記施工業者用端末と前記作業員の作業員用端末の少なくとも何れか一方に送信する、請求項記載の管理システム。
【請求項6】
作業機械から取得した作業の実績情報を用いて、前記作業機械の運転を行った作業員の運転技能の評価結果と、前記作業員を特定する識別情報とを対応付けた技能評価情報を生成して記憶部に格納する技能評価部と、
施工業者用端末から、作業員の検索条件の入力を受けて、前記記憶部を検索し、前記検索条件を満たす評価結果と対応付けられた作業員の識別情報を抽出する検索処理部と、
検索結果として前記施工業者用端末へ出力する出力部と、を有し、
前記技能評価部は、
前記作業の実績情報に基づき、前記作業機械が行った作業の種類を特定する作業種類特定部と、
前記作業の実績情報を取得したときに前記作業機械の運転を行っていた作業員を特定する作業員特定部と、
特定された作業の種類毎に、特定された作業員の運転技能の高さを示す指標を算出する指標算出部と、
前記作業の種類毎の前記指標と、前記作業員の識別情報とを対応付けて、技能評価情報とし、前記記憶部へ格納する格納部と、を有する、作業機械の管理装置。
【請求項7】
作業機械の運転を行う作業員に関する情報と、前記作業員の就労に関する希望条件と、の入力を受け付ける受付部と、
入力された前記作業員に関する情報と、前記希望条件とを、作業機械を管理する管理装置へ送信する送信部と、
前記作業員に対する作業依頼を受け付けたことを示す画面を表示させる表示部と、を有し、
前記画面には、
依頼された作業と対応するアイコン画像が表示され、
前記表示部は、
前記アイコン画像が選択されると、前記アイコン画像と対応付けられた作業が行われる作業現場の写真、前記作業が完成した後の完成予想図、全体工期、全体工程、前記作業の内容に対して必要とされる作業員の人数、不足している作業員の人数のうち、少なくとも何れかを、前記画面に表示させる、作業員用端末。
【請求項8】
前記表示部は、
前記作業員に対して複数の作業依頼を受け付けた場合に、前記複数の作業依頼の一覧を前記画面に表示させ、
前記一覧から作業依頼が選択されると、選択された作業依頼により依頼される作業が行われる作業現場の写真、前記作業が完成した後の完成予想図、全体工期、全体工程、前記作業の内容に対して必要とされる作業員の人数、不足している作業員の人数のうち、少なくとも何れかを、前記画面に表示させる、請求項記載の作業員用端末。
【請求項9】
作業機械の運転を行う作業員の検索条件の入力を受け付けて、前記検索条件を示す検索条件情報を、前記作業機械を管理する管理装置へ送信する送信部と、
前記管理装置から、検索結果である作業員の一覧を表示される表示部と、を有し、
前記送信部は、
前記一覧から選択された作業員に対する作業依頼の送信要求を、前記管理装置に通知し、
前記表示部は、
前記管理装置から受け付けた、作業員による作業依頼の受諾の状況を示す結果画面を表示させ、
前記結果画面は、
作業の開始日から終了予定日までの作業期間における、前記作業依頼を受諾した作業員毎の作業期間を示す情報を含む、施工業者用端末。
【請求項10】
前記検索条件は、
作業員による前記作業機械の作業種類毎の運転技能の高さを示す指標を含み、
前記表示部は、
前記指標と、作業の日程と、地域と、要求される資格と、作業種類とを含む検索条件の入力画面を表示させる、請求項記載の施工業者用端末。
【請求項11】
前記表示部は、
前記作業員の一覧において、選択された作業員に関する情報を表示させ、
前記作業員に関する情報は、
選択された作業員の、前記作業依頼により依頼される作業の作業種類と対応する指標、選択された作業員が有する資格、選択された作業員の画像、過去数回の作業内容に関する情報の少なくとも何れかを含む、請求項10記載の施工業者用端末。
【請求項12】
前記表示部は、
前記選択された作業員の作業効率、燃費効率、実作業率の少なくとも何れかを、数値及び/又はグラフで表示させる、請求項10記載の施工業者用端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の管理システム、作業機械の管理装置、作業員用端末、施工業者用端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、求職者に関する情報を登録するデータベースを用意しておき、企業等の要望があった場合に、その求人条件に合致した求職者を選び出し、企業等に紹介するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-224238号公報
【文献】特開2018-169869号公報
【文献】特開2017-228168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のシステムでは、作業機械を使用する作業のように、作業種類によって異なる技能が要求される業種には対応していない。
【0005】
このため、従来では、作業機械を使用する作業においては、求人側は、作業種類に応じて必要な技能を有する人材を探して確保する必要があり、求職側は、自身の有する技能が要求される求人を探さねばならず、双方において手間がかかる。
【0006】
そこで、上記事情に鑑み、作業の種類に適した技能を有する人材を容易に割り当てることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る作業機械の管理システムは、作業機械を管理する作業機械の管理システムであって、作業機械から取得した作業の実績情報を用いて、前記作業機械の運転を行った作業員の運転技能の評価結果と、前記作業員を特定する識別情報とを対応付けた技能評価情報を生成して記憶部に格納する技能評価部と、施工業者用端末から、作業員の検索条件の入力を受けて、前記記憶部を検索し、前記検索条件を満たす評価結果と対応付けられた作業員の識別情報を抽出する検索処理部と、検索結果として前記施工業者用端末へ出力する出力部と、を有し、前記技能評価部は、前記作業の実績情報に基づき、前記作業機械が行った作業の種類を特定する作業種類特定部と、前記作業の実績情報を取得したときに前記作業機械の運転を行っていた作業員を特定する作業員特定部と、特定された作業の種類毎に、特定された作業員の運転技能の高さを示す指標を算出する指標算出部と、
前記作業の種類毎の前記指標と、前記作業員の識別情報とを対応付けて、技能評価情報とし、前記記憶部へ格納する格納部と、を有する
【0008】
また、本発明の実施形態に係る作業機械の管理装置は、作業機械から取得した作業の実績情報を用いて、前記作業機械の運転を行った作業員の運転技能の評価結果と、前記作業員を特定する識別情報とを対応付けた技能評価情報を生成して記憶部に格納する技能評価部と、施工業者用端末から、作業員の検索条件の入力を受けて、前記記憶部を検索し、前記検索条件を満たす評価結果と対応付けられた作業員の識別情報を抽出する検索処理部と、検索結果として前記施工業者用端末へ出力する出力部と、を有し、前記技能評価部は、前記作業の実績情報に基づき、前記作業機械が行った作業の種類を特定する作業種類特定部と、前記作業の実績情報を取得したときに前記作業機械の運転を行っていた作業員を特定する作業員特定部と、特定された作業の種類毎に、特定された作業員の運転技能の高さを示す指標を算出する指標算出部と、前記作業の種類毎の前記指標と、前記作業員の識別情報とを対応付けて、技能評価情報とし、前記記憶部へ格納する格納部と、を有する
【発明の効果】
【0009】
作業の種類に適した技能を有する人材を容易に割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態のショベルの管理システムの一例を示す概要図である。
図2】実施形態のショベルの管理システムの一例を示す構成図である。
図3】実施形態の管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】実施形態の作業員情報記憶部の一例を示す図である。
図5】実施形態の希望条件情報記憶部の一例を示す図である。
図6】実施形態の技能評価情報記憶部の一例を示す図である。
図7】実施形態の資格情報記憶部の一例を示す図である。
図8】実施形態の管理装置の機能を説明する図である。
図9】実施形態の技能評価部の処理を説明するフローチャートである。
図10】実施形態の管理装置と作業員用端末と施工業者用端末の動作を説明するシーケンス図である。
図11】実施形態の検索部の処理を説明するフローチャートである。
図12A】実施形態の作業員用端末の表示例を示す第一の図である
図12B】実施形態の作業員用端末の表示例を示す第二の図である
図13A】実施形態の作業員用端末の表示例を示す第三の図である。
図13B】実施形態の作業員用端末の表示例を示す第四の図である。
図14A】実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第一の図である。
図14B】実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第二の図である。
図15】実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第三の図である。
図16】別の実施形態の管理装置の機能を説明する図である。
図17】別の実施形態の作業員情報記憶の一例を示す図である。
図18】別の実施形態の検索部の処理を説明するフローチャートである。
図19】別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第一の図である。
図20】別の実施形態の作業員用端末の表示例を示す図である。
図21】別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第二の図である。
図22】さらに別の実施形態の管理装置の機能を説明する図である。
図23】さらに別の実施形態のレビュー情報記憶部の一例を示す図である。
図24】さらに別の実施形態の検索部の処理を説明するフローチャートである。
図25A】さらに別の実施形態の作業員用端末の表示例を示す第一の図である。
図25B】さらに別の実施形態の作業員用端末の表示例を示す第二の図である。
図26】さらに別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第一の図である。
図27】さらに別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第二の図である。
図28】さらに別の実施形態のショベルの管理システムの一例を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、実施形態のショベルの管理システムの一例を示す概要図である。
【0012】
本実施形態のショベルの管理システムSYSは、ショベル100と、管理装置300を含む。ショベルの管理システムSYSにおいて、ショベル100と管理装置300とは、ネットワークを介して通信を行い、管理装置300はショベル100を管理する。以下の説明では、ショベルの管理システムSYSを、管理システムSYSと呼ぶ。
【0013】
また、本実施形態の管理装置300は、端末装置400や端末装置500とネットワークを介して通信を行う。
【0014】
本実施形態のショベル100は、作業機械の一例である。ショベル100は、下部走行体1と、旋回機構2を介して旋回可能に下部走行体1に搭載される上部旋回体3と、アタッチメント(作業装置)としてのブーム4、アーム5、及び、バケット6と、キャビン10を備える。
【0015】
下部走行体1は、例えば、左右一対のクローラを含み、それぞれのクローラが走行油圧モータ1A,1B(図2参照)で油圧駆動されることにより、自走する。
【0016】
上部旋回体3は、旋回油圧モータ2A(図2参照)で駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。
【0017】
ブーム4は、上部旋回体3の前部中央に俯仰可能に枢着され、ブーム4の先端には、アーム5が上下回動可能に枢着され、アーム5の先端には、バケット6が上下回動可能に枢着される。ブーム4、アーム5、及び、バケット6は、それぞれ、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び、バケットシリンダ9により油圧駆動される。
【0018】
キャビン10は、オペレータ(作業員)が搭乗する操縦室であり、上部旋回体3の前部左側に搭載される。
【0019】
ショベル100は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、上空の通信衛星を利用する衛星通信網、インターネット等を含む所定の通信ネットワークNWを通じて、管理装置300と相互に通信を行うことができる。
【0020】
また、本実施形態の管理装置300は、ショベル100から作業の実積を示す実績情報を取得する。
【0021】
実績情報とは、所定の種別の作業(例えば、掘削作業、積込み作業、仕上げ作業等の繰り返し作業)の作業パターンに関する実績情報(以下、「作業パターン実績情報」)と、作業時の環境条件に関する実績情報(以下、「環境条件実績情報」)とを含む。
【0022】
作業パターンとは、所定の種別の作業を行う際のショベル100の一連の動作の型を示す。例えば、作業パターンには、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及び、バケット6等の動作要素の作業時の動作軌跡等が含まれる。また、作業パターン実績情報は、具体的に、ショベル100が実際に所定の種別の作業を行った際の当該ショベル100の作業パターンの実績を表す各種センサの検出情報等である。また、環境条件には、ショベル100の周辺環境に関する条件等の外的環境条件の他、ショベル100の動作に影響を与えるショベル100の可変される仕様(例えば、アームの長さ、バケットの種類等)等の内的環境条件が含まれうる。
【0023】
ショベル100は、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得すると、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を含む各種情報を管理装置300に送信(アップロード)する。
【0024】
管理システムSYSにおいて、管理装置300は、ショベル100から受信した作業パターン実績情報及び環境条件実績情報に基づき、ショベル100を操作する作業員のショベル100の操作に関する技能を評価し、作業員毎の評価結果を保持する。
【0025】
端末装置400は、例えば、ショベル100を操作する作業員によって使用される端末装置である。以下の説明では、端末装置400を作業員用端末400又は応募者用端末400と呼ぶ場合がある。
【0026】
本実施形態の端末装置500は、主に、例えば、ショベル100を用いた作業を行う施工業者によって使用される端末装置である。以下の説明では、端末装置500を施工業者用端末500と呼ぶ場合がある。
【0027】
本実施形態の管理装置300は、作業員用端末400から入力された作業員毎の就労に関する希望条件を、作業員毎に予め保持しておく。
【0028】
また、管理装置300は、施工業者用端末500から、作業員に関する検索条件と検索要求とを受け付けると、作業員毎の希望条件と評価結果と、に基づいて、作業内容に必要な技能を有し、且つ、作業に従事が可能とされる作業員を特定し、施工業者用端末500へ出力する。
【0029】
尚、図1の例では、管理システムSYSに含まれるショベル100は1台としたが、これに限定されない。管理システムSYSに含まれるショベル100の台数は任意であって良く、管理装置300と通信が可能なショベル100は全て管理システムSYSに含まれてもよい。
【0030】
また、本実施形態の管理装置300は、ショベル100と地理的に離れた位置に設置される端末装置である。管理装置300は、例えば、ショベル100が作業する作業現場外に設けられる管理センタ等に設置され、一又は複数のサーバコンピュータ等を中心に構成されるサーバ装置である。この場合、サーバ装置は、管理システムSYSを運用する事業者或いは当該事業者に関連する関連事業者が運営する自社サーバであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0031】
次に、図2を参照して、本実施形態の管理システムSYSについて、さらに説明する。図2は、実施形態のショベルの管理システムの一例を示す構成図である。
【0032】
尚、図中において、機械的動力ラインは二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御ラインは細い実線でそれぞれ示される。
【0033】
本実施形態のショベル100の油圧アクチュエータを油圧駆動する油圧駆動系は、エンジン11と、メインポンプ14と、レギュレータ14aと、コントロールバルブ17を含む。また、ショベル100の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。
【0034】
エンジン11は、油圧駆動系におけるメイン動力源であり、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。具体的には、エンジン11は、後述するエンジン制御装置(ECU:Engine Control Unit)74による制御下で、予め設定される目標回転数で一定回転し、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。
【0035】
レギュレータ14aは、メインポンプ14の吐出量を制御する。例えば、レギュレータ14aは、コントローラ30からの制御指令に応じて、メインポンプ14の斜板の角度(傾転角)を調節する。
【0036】
メインポンプ14は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、高圧油圧ライン16を通じてコントロールバルブ17に作動油を供給する。メインポンプ14は、上述の如く、エンジン11により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、上述の如く、コントローラ30による制御の下、レギュレータ14aにより斜板の傾転角が調節されることでピストンのストローク長が調整され、吐出流量(吐出圧)が制御されうる。
【0037】
コントロールバルブ17は、例えば、上部旋回体3の中央部に搭載され、オペレータによる操作装置26に対する操作に応じて、油圧駆動系の制御を行う油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、上述の如く、高圧油圧ライン16を介してメインポンプ14と接続され、メインポンプ14から供給される作動油を、操作装置26の操作状態に応じて、油圧アクチュエータ(走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9)に選択的に供給する。具体的には、コントロールバルブ17は、メインポンプ14から油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流量と流れる方向を制御する複数の制御弁を含む。例えば、コントロールバルブ17は、ブーム4(ブームシリンダ7)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17は、アーム5(アームシリンダ8)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17は、バケット6(バケットシリンダ9)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17は、上部旋回体3(旋回油圧モータ2A)に対応する制御弁を含む。また、例えば、コントロールバルブ17には、下部走行体1の右側のクローラ及び左側のクローラのそれぞれに対応する右走行制御弁及び左走行制御弁が含まれる。
【0038】
本実施形態に係るショベル100の操作系は、パイロットポンプ15と、操作装置26と、操作バルブ31を含む。
【0039】
パイロットポンプ15は、例えば、上部旋回体3の後部に搭載され、パイロットライン25を介して操作装置26及び操作バルブ31にパイロット圧を供給する。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプであり、上述の如く、エンジン11により駆動される。
【0040】
操作装置26は、キャビン10の操縦席付近に設けられ、オペレータが各種動作要素(下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、バケット6等)の操作を行うための操作入力手段である。換言すれば、操作装置26は、オペレータがそれぞれの動作要素を駆動する油圧アクチュエータ(即ち、走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9等)の操作を行うための操作入力手段である。操作装置26は、その二次側のパイロットラインがコントロールバルブ17にそれぞれ接続される。これにより、コントロールバルブ17には、操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に応じたパイロット圧が入力されうる。そのため、コントロールバルブ17は、操作装置26における操作状態に応じて、それぞれの油圧アクチュエータを駆動することができる。
【0041】
操作バルブ31は、コントローラ30からの制御指令(例えば、制御電流)に応じて、パイロットライン25の流路面積を調整する。これにより、操作バルブ31は、パイロットポンプ15から供給される一次側のパイロット圧を元圧として、二次側のパイロットラインに制御指令に対応するパイロット圧を出力することができる。操作バルブ31は、その二次側ポートが、コントロールバルブ17のそれぞれの油圧アクチュエータに対応する制御弁の左右のパイロットポートに接続され、コントローラ30からの制御指令に応じたパイロット圧を制御弁のパイロットポートに作用させる。これにより、コントローラ30は、オペレータにより操作装置26が操作されていない場合であっても、パイロットポンプ15から吐出される作動油を、操作バルブ31を介して、コントロールバルブ17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給させ、油圧アクチュエータを動作させることができる。
【0042】
尚、操作バルブ31に加えて、油圧アクチュエータ内に発生する過剰な油圧を作動油タンクにリリーフする電磁リリーフ弁が設けられてもよい。これにより、オペレータによる操作装置26に対する操作量が過剰な場合等において、積極的に、油圧アクチュエータの動作を抑制させることができる。例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9のボトム側油室及びロッド側油室のそれぞれの過剰な圧力を作動油タンクにリリーフする電磁リリーフ弁が設けられてよい。
【0043】
本実施形態に係るショベル100の制御系は、コントローラ30と、ECU74と、吐出圧センサ14bと、操作圧センサ15aと、表示装置40と、入力装置42と、撮像装置80と、状態検出装置S1と、通信機器T1を含む。
【0044】
コントローラ30は、ショベル100の駆動制御を行う。コントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、その組み合わせにより実現されてよい。例えば、コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置と、各種入出力用のインタフェース装置等を含むコンピュータを中心に構成される。コントローラ30は、例えば、補助記憶装置にインストールされる各種プログラムをCPU上で実行することにより各種機能を実現する。
【0045】
例えば、コントローラ30は、オペレータ等の所定操作により予め設定される作業モード等に基づき、目標回転数を設定し、ECU74に制御指令を出力することより、ECU74を介して、エンジン11を一定回転させる駆動制御を行う。
【0046】
また、例えば、コントローラ30は、必要に応じてレギュレータ14aに対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させることにより、いわゆる全馬力制御やネガコン制御を行う。
【0047】
また、例えば、コントローラ30は、ショベル100に関する各種情報を管理装置300にアップロードする機能(以下、「アップロード機能」)を有していてもよい。具体的には、コントローラ30は、ショベル100の所定の種別の作業時における作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信(アップロード)してよい。コントローラ30は、例えば、補助記憶装置等にインストールされる一以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される、アップロード機能に関する機能部として、情報送信部301を含む。
【0048】
また、例えば、コントローラ30は、オペレータによる操作装置26を通じたショベル100の手動操作をガイド(案内)するマシンガイダンス機能に関する制御を行う。また、コントローラ30は、オペレータによる操作装置26を通じたショベル100の手動操作を自動的に支援するマシンコントロール機能に関する制御を行ってよい。コントローラ30は、例えば、補助記憶装置等にインストールされる一以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能に関する機能部として、作業パターン取得部302と、マシンガイダンス部303を含む。
【0049】
尚、コントローラ30の機能の一部は、他のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。即ち、コントローラ30の機能は、複数のコントローラにより分散される態様で実現されてもよい。例えば、上述したマシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能は、専用のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。
【0050】
ECU74は、コントローラ30からの制御指令に応じて、エンジン11の各種アクチュエータ(例えば、燃料噴射装置等)を制御し、エンジン11を設定された目標回転数(設定回転数)で定回転させる(定回転制御)。このとき、ECU74は、エンジン回転数センサ11aにより検出されるエンジン11の回転数に基づき、エンジン11の定回転制御を行う。
【0051】
吐出圧センサ14bは、メインポンプ14の吐出圧を検出する。吐出圧センサ14bにより検出された吐出圧に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0052】
操作圧センサ15aは、上述の如く、操作装置26の二次側のパイロット圧、即ち、操作装置26におけるそれぞれの動作要素(油圧アクチュエータ)の操作状態に対応するパイロット圧を検出する。操作圧センサ15aによる操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に対応するパイロット圧の検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0053】
表示装置40は、コントローラ30と接続され、コントローラ30による制御下で、キャビン10内の着座したオペレータから視認し易い位置に設けられ、各種情報画像を表示する。表示装置40は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。
【0054】
入力装置42は、キャビン10内の着座したオペレータから手が届く範囲に設けられ、オペレータによる各種操作を受け付け、操作内容に対応する信号を出力する。例えば、入力装置42は、表示装置40と一体化される。また、入力装置42は、表示装置40と別に設けられてもよい。入力装置42は、表示装置40のディスプレイに実装されるタッチパネル、操作装置26に含まれるレバーの先端に設けられるノブスイッチ、表示装置40の周囲に設置されるボタンスイッチ、レバー、トグル等を含む。入力装置42に対する操作内容に対応する信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0055】
撮像装置80は、ショベル100の周辺を撮像する。撮像装置80は、ショベル100の前方を撮像するカメラ80F、ショベル100の左方を撮像するカメラ80L、ショベル100の右方を撮像するカメラ80R、及び、ショベル100の後方を撮像するカメラ80Bを含む。
【0056】
カメラ80Fは、例えば、キャビン10の天井、即ち、キャビン10の内部に取り付けられている。また、カメラ80Fは、キャビン10の屋根、ブーム4の側面等、キャビン10の外部に取り付けられていてもよい。カメラ80Lは、上部旋回体3の上面左端に取り付けられ、カメラ80Rは、上部旋回体3の上面右端に取り付けられ、カメラ80Bは、上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
【0057】
撮像装置80(カメラ80F,80B,80L,80R)は、それぞれ、例えば、非常に広い画角を有する単眼の広角カメラである。また、撮像装置80は、ステレオカメラや距離画像カメラ等であってもよい。撮像装置80によるショベル100の周辺の撮像画像(以下、「周辺画像」)は、コントローラ30に取り込まれる。
【0058】
状態検出装置S1は、ショベル100の各種状態に関する検出情報を出力する。状態検出装置S1から出力される検出情報は、コントローラ30に取り込まれる。
【0059】
例えば、状態検出装置S1は、アタッチメントの姿勢状態や動作状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、ブーム4、アーム5、及び、バケット6の俯仰角度(以下、それぞれ、「ブーム角度」、「アーム角度」、「バケット角度」)を検出してよい。つまり、状態検出装置S1は、ブーム角度、アーム角度、及びバケット角度のそれぞれを検出するブーム角度センサ、アーム角度センサ、及びバケット角度センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、ブーム4、アーム5、及び、バケット6の加速度、角加速度等を検出してよい。この場合、状態検出装置S1は、例えば、ブーム4、アーム5、及び、バケット6のそれぞれに取付けられる、ロータリエンコーダ、加速度センサ、角加速度センサ、6軸センサ、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)等を含みうる。また、状態検出装置S1は、ブーム4、アーム5、及び、バケット6のそれぞれを駆動するブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び、バケットシリンダ9のシリンダ位置、速度、加速度等を検出するシリンダセンサを含みうる。
【0060】
また、例えば、状態検出装置S1は、機体、つまり、下部走行体1及び上部旋回体3の姿勢状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、水平面に対する機体の傾斜状態を検出してよい。この場合、状態検出装置S1は、例えば、上部旋回体3に取り付けられ、上部旋回体3の前後方向及び左右方向の2軸回りの傾斜角度(以下、「前後傾斜角」及び「左右傾斜角」)を検出する傾斜センサを含みうる。
【0061】
また、例えば、状態検出装置S1は、上部旋回体3の旋回状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、上部旋回体3の旋回角速度や旋回角度を検出する。この場合、状態検出装置S1は、例えば、上部旋回体3に取り付けられるジャイロセンサ、レゾルバ、ロータリエンコーダ等を含みうる。つまり、状態検出装置S1は、上部旋回体3の旋回角度等を検出する旋回角度センサを含んでよい。
【0062】
また、例えば、状態検出装置S1は、アタッチメントを通じてショベル100に作用する力の作用状態を検出する。具体的には、状態検出装置S1は、油圧アクチュエータの作動圧(シリンダ圧)を検出してよい。この場合、状態検出装置S1は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9のそれぞれのロッド側油室及びボトム側油室の圧力を検出する圧力センサを含みうる。
【0063】
また、例えば、状態検出装置S1は、コントロールバルブ17内の制御弁のスプールの変位を検出するセンサを含んでよい。具体的には、状態検出装置S1は、ブームスプールの変位を検出するブームスプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、アームスプールの変位を検出するアームスプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、バケットスプールの変位を検出するバケットスプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、旋回スプールの変位を検出する旋回スプール変位センサを含んでよい。また、状態検出装置S1は、右走行制御弁及び左走行制御弁のそれぞれを構成する右走行スプール及び左走行スプールの変位を検出する右走行スプール変位センサ及び左走行スプール変位センサを含んでよい。
【0064】
また、例えば、状態検出装置S1は、ショベル100の位置や上部旋回体3の向き等を検出する。この場合、状態検出装置S1は、例えば、上部旋回体3に取り付けられるGNSS(Global Navigation Satellite System)コンパス、GNSSセンサ、方位センサ等を含みうる。
【0065】
通信機器T1は、通信ネットワークNWを通じて外部機器と通信を行う。通信機器T1は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールや、衛星通信網に接続するための衛星通信モジュール等である。
【0066】
情報送信部301は、ショベル100の所定の種別の作業時における作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信する。情報送信部301により送信される作業パターン実績情報には、例えば、状態検出装置S1から入力される各種検出情報が含まれる。また、情報送信部301により送信される環境条件実績情報には、例えば、撮像装置80から入力されるショベル100の周辺画像が含まれる。また、情報送信部301により送信される環境条件実績情報には、ショベル100の内的環境条件、例えば、大容量バケット仕様、ロングアーム仕様、クイックカップリング仕様等の可変される仕様に関する情報が含まれてもよい。
【0067】
また、情報送信部301から送信される情報には、オペレータ情報(作業員情報)が含まれてもよい。さらに、情報送信部301からは、作業日時、ショベル100の機番、オペレータ情報、各種検出情報、作業実績情報等が対応付けられて送信されてもよい。
【0068】
情報送信部301は、例えば、予め規定される対象の種別の作業が行われているか否かを逐次判定し、対象の種別の作業が行われていると判定すると、当該作業が行われている期間の作業パターン実績情報(つまり、状態検出装置S1から入力される各種検出情報)及び環境条件情報(つまり、撮像装置80から入力されるショベル100の周辺画像)を紐付けて、内部メモリ等に記録する。このとき、併せて、対象の種別の作業の開始及び終了に関する日時情報、並びに、当該作業時のショベル100の位置情報が、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報のセットに更に紐付けられる態様で、内部メモリに保存されてもよい。このとき、日時情報は、例えば、コントローラ30内部の所定の計時手段(例えば、RTC(Real Time Clock))から取得されうる。そして、情報送信部301は、ショベル100のキーオフ時(停止時)等の所定のタイミングにおいて、記録された作業パターン実績情報及び環境条件実績情報のセットを、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信する。また、情報送信部301は、対象の種別の作業が行われるたびに、その終了後、記録された作業パターン実績情報及び環境条件実績情報のセットを、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信してもよい。
【0069】
尚、環境条件実績情報には、撮像装置80に代えて、或いは、加えて、ショベル100に搭載される他のセンサにより検出される検出情報が含まれてよい。例えば、ショベル100には、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detecting and Ranging)等の他のセンサが搭載され、環境条件実績情報には、これらの距離センサの検出情報が含まれる態様であってもよい。以下、後述する現環境条件情報についても同様である。また、環境条件実績情報には、天候情報が含まれてもよい。天候情報は、例えば、状態検出装置S1に含まれうる雨滴感知センサ、照度センサ等の検出情報が含まれうる。また、情報送信部301は、作業パターン実績情報だけを管理装置300に送信してもよい。また、情報送信部301は、状態検出装置S1の検出情報や撮像装置80によるショベル100の周辺画像を、通信機器T1を通じて、逐次、管理装置300にアップロードしてもよい。この場合、管理装置300は、ショベル100からアップロードされる情報の中から対象の種別の作業が行われたときの情報を抽出し、作業パターン実績情報及び環境情報を生成してよい。
【0070】
作業パターン取得部302は、所定の種別の作業を行う場合に、所定の目標指標に関する現在の環境条件に最適の作業パターン(最適作業パターン)を管理装置300から取得する。例えば、作業パターン取得部302は、オペレータによる入力装置42に対する所定操作(以下、「取得要求操作」)に応じて、ショベル100の現在の環境条件に関する情報(以下、「現環境条件情報」)を含む、作業パターンの取得を要求する信号(取得要求信号)を、通信機器T1を通じて、管理装置300に送信する。
【0071】
これにより、管理装置300は、ショベル100の現在の環境条件に合わせた最適な作業パターンをショベル100に提供できる。現環境条件情報には、例えば、撮像装置80によるショベル100の最新の周辺画像が含まれる。また、現環境条件情報には、ショベル100の内的環境条件、例えば、大容量バケット仕様、ロングアーム仕様、クイックカップリング仕様等の可変される仕様に関する情報が含まれてもよい。また、現環境条件情報には、状態検出装置S1に含まれうる雨滴感知センサや照度センサ等の検出情報、つまり、天候情報が含まれてもよい。そして、作業パターン取得部302は、取得要求信号に応じて管理装置300から送信され、通信機器T1により受信される作業パターンに関する情報を取得する。
【0072】
マシンガイダンス部303は、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能に関する制御を行う。つまり、マシンガイダンス部303は、オペレータによる操作装置26を通じた各種動作要素(下部走行体1、上部旋回体3、並びに、ブーム4、アーム5、及びバケット6を含むアタッチメント)の操作を支援する。
【0073】
例えば、マシンガイダンス部303は、オペレータにより操作装置26を通じてアーム5の操作が行われている場合に、予め規定される目標設計面(以下、単に「設計面」)とバケット6の先端部(例えば、爪先や背面)とが一致するように、ブーム4及びバケット6の少なくとも一つを自動的に動作させてよい。また、マシンガイダンス部303は、併せて、アーム5を操作する操作装置26の操作状態に依らず、アーム5を自動的に動作させてもよい。つまり、マシンガイダンス部303は、オペレータによる操作装置26の操作をトリガにして、予め規定された動作をアタッチメントに行わせてよい。
【0074】
より具体的には、マシンガイダンス部303は、状態検出装置S1、撮像装置80、通信機器T1、及び入力装置42等から各種情報を取得する。また、マシンガイダンス部303は、例えば、取得した情報に基づいてバケット6と設計面との間の距離を算出する。そして、マシンガイダンス部303は、算出したバケット6と設計面との距離等に応じて、操作バルブ31を適宜制御し、油圧アクチュエータに対応する制御弁に作用するパイロット圧を個別に且つ自動的に調整することにより、それぞれの油圧アクチュエータを自動的に動作させることができる。操作バルブ31には、例えば、ブーム4(ブームシリンダ7)に対応するブーム比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、アーム5(アームシリンダ8)に対応するアーム比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、バケット6(バケットシリンダ9)に対応するバケット比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、上部旋回体3(旋回油圧モータ2A)に対応する旋回比例弁が含まれる。また、操作バルブ31には、例えば、下部走行体1の右側のクローラ及び左側のクローラのそれぞれに対応する右走行比例弁及び左走行比例弁が含まれる。
【0075】
マシンガイダンス部303は、例えば、掘削作業を支援するために、操作装置26に対するアーム5の開閉操作に応じて、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の少なくとも一つを自動的に伸縮させてよい。掘削作業は、設計面に沿ってバケット6の爪先で地面を掘削する作業である。マシンガイダンス部303は、例えば、オペレータが操作装置26に対して手動でアーム5の閉じ方向の操作(以下、「アーム閉じ操作」)を行っている場合に、ブームシリンダ7及びバケットシリンダ9のうちの少なくとも一つを自動的に伸縮させる。
【0076】
また、マシンガイダンス部303は、例えば、法面や水平面の仕上げ作業を支援するためにブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び、バケットシリンダ9の少なくとも一つを自動的に伸縮させてもよい。仕上げ作業は、例えば、バケット6の背面を地面に押さえ付けながら設計面に沿ってバケット6を手前に引く作業を含む。マシンガイダンス部303は、例えば、オペレータが操作装置26に対して手動でアーム閉じ操作を行っている場合に、ブームシリンダ7及びバケットシリンダ9の少なくとも一つを自動的に伸縮させる。これにより、所定の押し付け力でバケット6の背面を完成前の斜面(法面)或いは水平面に押し付けながら、完成後の法面或いは水平面である設計面に沿ってバケット6を移動させることができる。
【0077】
また、マシンガイダンス部303は、上部旋回体3を設計面に正対させるために旋回油圧モータ2Aを自動的に回転させてもよい。この場合、マシンガイダンス部303は、入力装置42に含まれる所定のスイッチが操作されることにより、上部旋回体3を設計面に正対させてよい。また、マシンガイダンス部303は、所定のスイッチが操作されるだけで、上部旋回体3を設計面に正対させ且つマシンコントロール機能を開始させてもよい。
【0078】
また、例えば、マシンガイダンス部303は、所定の種別の作業(例えば、掘削作業、積込み作業、仕上げ作業等)が行われている場合に、オペレータによる操作装置26に対する操作に応じて、アタッチメント、上部旋回体3、及び、下部走行体1の少なくとも一部の動作を、作業パターン取得部302により取得された作業パターン(最適作業パターン)に合わせるように制御する。これにより、オペレータは、ショベル100の操縦に関する習熟度に依らず、ショベル100の動作を、所定の目標指標、例えば、作業の速さの評価が相対的に高くなるように管理装置300から出力される、現在のショベル100の環境条件に最適な作業パターンに合わせることができる。
【0079】
また、マシンガイダンス部303は、最適作業パターンに基づき、ショベル100の動作の制御を行いながら、オペレータに対して、当該最適作業パターンに対応するショベル100の動作を表示装置40に表示させてもよい。例えば、マシンガイダンス部303は、最適作業パターンに基づき、ショベル100の動作の制御を行っている場合、最適作業パターンに対応するシミュレーション結果の動画を表示装置40に表示させる。これにより、オペレータは、実際の作業パターンの内容を表示装置40の動画で確認しながら、作業を進めることができる。
【0080】
本実施形態の管理装置300は、作業員情報記憶部310、希望条件情報記憶部320、技能評価情報記憶部330、資格情報記憶部340、検索処理部350、技能評価部360を有する。
【0081】
作業員情報記憶部310は、作業員に関する情報が格納される。希望条件情報記憶部320は、作業員毎の就労に関する希望条件を示す情報が格納される。技能評価情報記憶部330は、作業員毎の技能評価の結果を示す情報が格納される。資格情報記憶部340は、ショベル100を利用した作業の種類と、ショベルに関する資格との関係を示す情報が格納される。各記憶部の詳細は後述する。
【0082】
尚、図2に示す各記憶部は、1つの記憶部305としてされてもよい。言い換えれば、記憶部305は、作業員情報記憶部310、希望条件情報記憶部320、技能評価情報記憶部330、資格情報記憶部340を含む。
【0083】
検索処理部350は、施工業者用端末500から、検索条件と検索要求を受け付けると、希望条件情報記憶部320と技能評価情報記憶部330を参照して、検索条件を満たす作業員を特定し、特定した結果を施工業者用端末500へ送信する。尚、実施形態の検索条件とは、施工業者によって決められる作業員の募集要項であってもよい。
【0084】
また、検索処理部350は、作業員用端末400から、作業員に関する情報や、就労に関する希望条件を示す情報を受け付けると、作業員情報記憶部310や希望条件情報記憶部320に受け付けた情報を格納する。
【0085】
技能評価部360は、ショベル100から作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得すると、取得した作業パターン実績情報及び環境条件実績情報に基づき、作業員毎の技能評価の結果を示す技能評価情報を生成し、技能評価情報記憶部330に格納する。
【0086】
尚、図2の例では、作業員情報記憶部310、希望条件情報記憶部320、技能評価情報記憶部330、資格情報記憶部340が管理装置300に設けられるものとしたが、これに限定されない。上述した各記憶部は、一部又は全部が管理装置300と通信が可能な外部の装置に設けられていてもよい。
【0087】
また、図2の例では、技能評価部360が管理装置300に設けられるものとしたが、これに限定されない。技能評価部360は、例えば、後述するショベル100のコントローラ30に設けられていてもよい。その場合、技能評価部360は、作業員毎の技能評価情報を生成し、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報の代わりに、技能評価情報を管理装置300へ送信する。
【0088】
以下に、本実施形態の管理装置300について説明する。図3は、実施形態の管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0089】
本実施形態の管理装置300は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置311、出力装置312、ドライブ装置313、補助記憶装置314、メモリ装置315、演算処理装置316及びインタフェース装置317を含むコンピュータである。
【0090】
入力装置311は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置312は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インタフェース装置317は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0091】
検索処理部350を実現させる選定プログラムと、技能評価部360を実現させる技能評価プログラムは、管理装置300を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。選定プログラムと技能評価プログラムは、例えば記憶媒体318の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。選定プログラムと技能評価プログラムを記録した記憶媒体318は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0092】
また、選定プログラムと技能評価プログラムは、これらのプログラムを記録した記憶媒体318がドライブ装置313にセットされると、記憶媒体318からドライブ装置313を介して補助記憶装置314にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた選定プログラムと技能評価プログラムは、インタフェース装置317を介して補助記憶装置314にインストールされる。
【0093】
補助記憶装置314は、管理装置300の有する各記憶部等を実現するものであり、管理装置300にインストールされた選定プログラムと技能評価プログラムを格納すると共に、管理装置300による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置315は、管理装置300の起動時に補助記憶装置314から通信制御プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置316はメモリ装置315に格納された選定プログラムと技能評価プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0094】
次に、図4乃至図7を参照して、本実施形態の管理装置300の有する各記憶部について説明する。管理装置300の有する各記憶部は、例えば、補助記憶装置314やメモリ装置315等に設けられてもよい。
【0095】
図4は、実施形態の作業員情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の作業員情報記憶部310は、作業員用端末400において、作業員に入力された作業員に関する情報が格納される。以下の説明では、作業員情報記憶部310に格納された情報を作業員情報と呼ぶ。
【0096】
本実施形態の作業員情報は、情報の項目として、ユーザID、パスワード、氏名、年齢、住所、性別、連絡先、修了済講習等を含む。
【0097】
作業員情報記憶部310において、項目「ユーザID」は、その他の項目と対応付けられている。項目「ユーザID」の値は、作業員を特定する識別情報である。したがって、項目「ユーザID」の値は、作業員を識別するための作業員IDと同義である。
【0098】
項目「パスワード」の値は、作業員が管理システムSYSにログインする際等に入力されるパスワードである。項目「氏名」、「年齢」、「住所」、「性別」、「連絡先」のそれぞれの値は、作業員の氏名、年齢、住所、性別、連絡先を示す。
【0099】
項目「修了済講習」の値は、作業員が修了した講習を示す。ショベル100を用いた作業には、指定された講習を修了している作業員のみが行える作業が含まれる。したがって、項目「修了済講習」の値は、作業員が行うことができる作業種類を示すものでもある。
【0100】
図4の例では、ユーザID「1」の作業員は、「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」と「小型移動式クレーン運転技能講習」と、を修了していることがわかる。つまり、ユーザID「1」の作業員は、「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」と「小型移動式クレーン運転技能講習」を修了することが要求される作業を行う資格を保有していることがわかる。
【0101】
図5は、実施形態の希望条件情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の希望条件情報記憶部320は、端末装置400において、作業員に入力された、就労に関する希望条件を示す情報が格納される。以下の説明では、希望条件情報記憶部320に格納された情報を希望条件情報と呼ぶ。
【0102】
本実施形態の希望条件情報は、情報の項目として、ユーザID、希望日程、地域、希望賃金、希望作業種類を含む。希望条件情報記憶部320において、項目「ユーザID」は、その他の項目と対応付けられている。
【0103】
項目「希望日程」の値は、作業員が就労を希望する日程を示し、項目「地域」の値は、作業員が就労を希望する地域を示す。
【0104】
項目「希望賃金」の値は、作業員が希望する賃金を示し、項目「作業種類」の値は、作業員が希望するショベル100の作業種類を示す。
【0105】
図5の例では、ユーザID「1」の作業員は、×市において、○月×日~○月△日の期間で、「掘削作業」と「グラップル作業」を行う現場での就労を希望していることがわかる。
【0106】
図6は、実施形態の技能評価情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の技能評価情報記憶部330は、技能評価部360によって、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報に基づき生成された、作業員毎の技能評価情報が格納される。技能評価部360による、技能評価情報を生成する処理の詳細は、後述する。
【0107】
本実施形態では、技能評価部360がショベル100から作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得する度に、ショベル100を操作した作業員の技能評価情報が更新される。
【0108】
本実施形態の技能評価情報は、情報の項目として、ユーザIDとスコアを有し、両者は対応付けられている。また、項目「スコア」は、ショベル100の作業種類と対応付けられている。具体的には、項目「スコア」には、掘削作業、グラップル作業、クレーン作業、リフティングマグネット作業等のように、ショベル100で行われる作業種類が対応付けられている。
【0109】
項目「スコア」の値は、作業種類毎の作業員の技能評価の結果を示す。言い換えれば、項目「スコア」の値は、作業員によるショベル100の作業種類毎の運転技能の高さを示す指標である。
【0110】
本実施形態では、項目「スコア」の値が大きいほど、対応する作業種類の運転技能が高いことを示す。図6の例では、ユーザID「1」については、「掘削作業」と、「グラップル作業」と、について、スコアが対応付けられている。したがって、図6の例では、ユーザID「1」の作業員は、この2つの作業種類以外の作業種類の操作は行っておらず、技能について評価されていないことがわかる。
【0111】
また、図6の例では、「掘削作業」のスコアが「8」であり、「グラップル作業」のスコアが「7」である。したがって、ユーザID「1」の作業員は、掘削作業とグラップル作業の両方の運転技能が高いことがわかる。
【0112】
図7は、実施形態の資格情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の資格情報記憶部340は、予め管理装置300に格納されていてもよい。資格情報記憶部340には、資格情報が格納される。資格情報は、ショベル100による作業種類と、作業種類が示す作業を行うために修了する必要がある講習とを対応付けた情報であり、日本の労働安全衛生法第61条第1項の規定に関する内容を含む。
【0113】
具体的には、図7に示す資格情報は、作業員がショベル100を利用して「掘削作業」又は「グラップル作業」を行うためには「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」を修了している必要があることを示している。
【0114】
また、資格情報、作業員がショベル100を利用して「クレーン作業」又は「リフティングマグネット作業」を行うためには「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」及び「小型移動式クレーン運転技能講習」を修了している必要があることを示している。また、資格情報は、作業員がショベル100を利用して「ブレーカ作業」又は「コンクリート破砕作業」を行うためには「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」及び「車両系建設機械(解体用)運転技能講習」を修了している必要があることを示している。また、資格情報は、操作者がショベル100を利用して「杭打ち作業」を行うためには「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」及び「車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習」を修了している必要があることを示している。更に、資格情報は、操作者が公道(道路使用申請された場合を除く。)でショベル100を走行させるためには「大型特殊自動車免許」を持っている必要があることを示している。
【0115】
本実施形態では、掘削作業は、エンドアタッチメントとしてのバケット6がアタッチメントの先端に取り付けられたショベル100を用いて行われる作業を意味する。グラップル作業は、エンドアタッチメントとしてのグラップルがアタッチメントの先端に取り付けられたショベル100を用いて行われる作業を意味する。クレーン作業は、2本のバケットリンクの間に収納されているフックが引き出された状態のショベル100を用いて行われる作業を意味する。
【0116】
リフティングマグネット作業は、エンドアタッチメントとしてのリフティングマグネットがアタッチメントの先端に取り付けられたショベル100を用いて行われる作業を意味する。ブレーカ作業は、エンドアタッチメントとしてのブレーカが取り付けられたショベル100を用いて行われる作業を意味する。また、コンクリート破砕作業は、エンドアタッチメントとしてのはさみ状の解体工事用アタッチメントが取り付けられたコンクリート圧砕機としてのショベル100を用いて行われる作業を意味する。解体工事用アタッチメントは、鉄筋を切断する機能が付加されたアタッチメントであってもよい。また、杭打ち作業は、エンドアタッチメントとしての杭打ち用アタッチメントが取り付けられたショベル100を用いて行われる作業を意味する。
【0117】
次に、図8を参照して、本実施形態の管理装置300の機能について説明する。図8は、実施形態の管理装置の機能を説明する図である。
【0118】
本実施形態の管理装置300の検索処理部350は、入力受付部351、登録部352、検索部353、出力部354を有する。
【0119】
入力受付部351は、管理装置300に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部351は、作業員用端末400から作業員情報や希望条件情報の入力を受け付け、施工業者用端末500から作業員の検索条件の入力を受け付ける。
【0120】
登録部352は、入力受付部351が受け付けた各種の情報を対応する記憶部へ格納する。具体的には、登録部352は、作業員情報を作業員情報記憶部310へ格納し、希望条件情報を希望条件情報記憶部320へ格納する。
【0121】
検索部353は、入力受付部351が、施工業者用端末500から検索条件の入力を受け付けると、希望条件情報記憶部320、技能評価情報記憶部330を参照して、検索条件に該当する作業員を検索する。検索部353の詳細は後述する。
【0122】
出力部354は、作業員用端末400や施工業者用端末500に表示させる各種の情報を出力(送信)する。
【0123】
以下に、検索部353について説明する。本実施形態の検索部353は、作業員抽出部355、スコア照合部356を有する。
【0124】
作業員抽出部355は、作業員情報記憶部310に作業員情報が格納された作業員のうち、希望条件が検索条件と合致する作業員を特定する。また、作業員抽出部355は、スコア照合部356による照合の結果に応じて、作業員情報を抽出する。
【0125】
スコア照合部356は、技能評価情報記憶部330を参照し、特定された作業員と対応する技能評価情報に含まれるスコアと、検索条件に含まれる要求スコアとを照合する。
【0126】
本実施形態では、例えば、技能評価情報における、作業員が希望する作業種類と対応するスコアが、検索条件に含まれる要求スコアよりも大きい値である場合に、作業員抽出部355によって、特定された作業員の作業員情報が抽出されてもよい。
【0127】
次に、技能評価部360について説明する。本実施形態の技能評価部360は、情報取得部361、作業員特定部362、作業種類特定部363、スコア算出部364、格納部365を有する。
【0128】
情報取得部361は、ショベル100から送信された作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得する。
【0129】
作業員特定部362は、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報と対応する作業員を特定する。言い換えれば、作業員特定部362は、ショベル100が作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得したときに、ショベル100を操作していた作業員を特定する。
【0130】
作業種類特定部363は、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報に基づき、ショベル100で行われていた作業の種類を特定する。
【0131】
スコア算出部364は、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報に基づき、作業員のショベル100の運転技能の高さを示す指標を算出する。言い換えれば、スコア算出部364は、作業員のショベル100の運転技能の高さを示す指標を算出する指標算出部である。
【0132】
格納部365は、作業員特定部362により特定された作業員と対応するユーザIDと、作業種類特定部363により特定された作業種類と、スコア算出部364によって算出されたスコアとを対応付けて技能評価情報とし、技能評価情報記憶部330に格納する。
【0133】
以下に、図9を参照して、本実施形態の技能評価部360の処理について説明する。図9は、実施形態の技能評価部の処理を説明するフローチャートである。
【0134】
本実施形態の技能評価部360は、情報取得部361により、ショベル100から作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得する(ステップS901)。
【0135】
尚、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報は、ショベル100のキーオフ時(停止時)等にショベル100から送信されてもよい。また、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報は、ショベル100を操作する作業員が交代する度に、それまで取得した作業パターン実績情報及び環境条件実績情報がショベル100から送信されてもよい。
【0136】
続いて、技能評価部360は、作業員特定部362により、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報と対応する作業員を特定する(ステップS902)。
【0137】
具体的には、作業員特定部362は、例えば、キャビン10内に設置されたカメラによって、キャビン10に搭乗した作業員の顔画像を撮像し、顔認証等によって、作業員を特定してもよい。この場合、作業員情報記憶部310には、作業員の顔画像が作業員情報の一部として格納されていてもよい。
【0138】
尚、作業員の特定は、ショベル100において行われてもよい。例えば、ショベル100の表示装置40において、作業員により、ユーザIDが入力されると、ショベル100によって作業員が特定される。また作業員の特定は、端末装置400による照合などによって行われてもよい。したがって、ショベル100が作業員特定部362(オペレータ特定部)の機能を有していてもよい。
【0139】
続いて、技能評価部360は、作業種類特定部363により、ショベル100の作業種別を特定する(ステップS903)。
【0140】
本実施形態の作業種類特定部363は、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報に含まれる、作業パターンの実績を表す各種センサの検出情報や、アタッチメントの姿勢状態や動作状態等に基づき、ショベル100の作業種類を特定する。
【0141】
続いて、技能評価部360は、スコア算出部364により、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報から、作業員の操作の技能の高さを示す指標であるスコアを算出する(ステップS904)。
【0142】
具体的には、例えば、スコア算出部364は、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報から求められるショベル100の操作時間、消費した燃料、ショベル100の移動距離等を用いてスコアを算出してもよい。また、スコア算出部364は、例えば、操作時間が短く、且つ、消費した燃料が少ないほど、スコアが大きい値となるように、スコアの算出に用いられる情報の項目毎に重み付けを行ってもよい。
【0143】
また、スコア算出部364は、作業量と作業時間との比として作業効率、燃料使用量と作業時間との比である燃費効率、実稼働時間(作業時間から停止時間を除いた時間)と作業時間との比である実作業率等に基づいてスコアを算出してもよい。また、スコアは作業種別毎に算出されてもよい。
【0144】
続いて、技能評価部360は、格納部365により、特定された作業員のユーザIDと、特定された作業種類と、算出されたスコアとを対応付けて、技能評価情報記憶部330へ格納する(ステップS905)。
【0145】
本実施形態では、以上のようにして、作業員毎の技能評価情報が生成される。本実施形態の技能評価情報は、情報取得部361がショベル100から作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得する度に生成され、技能評価情報記憶部330に上書される。
【0146】
したがって、技能評価情報記憶部330に格納された技能評価情報は、作業員が日々の作業によって習得した技能が反映された情報となる。
【0147】
尚、本実施形態の技能評価部360による処理は、例えば、人工知能等によって実現されてもよい。その場合、技能評価部360は、作業パターン実績情報及び環境条件実績情報と、作業員のユーザIDとを入力とし、作業種類毎の作業員の運転技能の指標として最適な数値を出力すればよい。
【0148】
次に、図10を参照して、本実施形態の管理装置300の動作について説明する。図10は、実施形態の管理装置と作業員用端末と施工業者用端末の動作を説明するシーケンス図である。
【0149】
尚、本実施形態の管理装置300では、図10で説明する動作が行われる前に、作業員情報の入力画面を作業員用端末400に表示させ、作業員用端末400において入力された作業員情報を受信し、作業員情報記憶部310に格納しておく。
【0150】
本実施形態において、作業員用端末400は、希望条件の入力画面を表示させ、希望条件の入力を受け付ける(ステップS1001)。続いて、作業員用端末400は、希望条件を示す希望条件情報を管理装置300へ送信する(ステップS1002)。
【0151】
管理装置300は、検索処理部350の入力受付部351により、希望条件情報の入力を受け付けると、登録部352により、希望条件情報記憶部320へ希望条件情報を格納する(ステップS1003)。
【0152】
尚、ステップS1003までの動作は、以下に説明するステップS1004以降の動作の前に、予め行われていてもよい。
【0153】
また、本実施形態の施工業者用端末500は、検索条件の入力画面を表示させ、検索条件の入力を受け付ける(ステップS1004)。
【0154】
検索条件とは、具体的には、作業日程、地域、資格、作業種別、スコア等を含む。尚、検索条件に含まれる資格とは、修了済みであることが要求される講習を示す。
【0155】
続いて、施工業者用端末500は、入力された検索条件を示す検索条件情報を管理装置300に送信する(ステップS1005)。
【0156】
管理装置300は、入力受付部351により検索条件情報の入力を受け付けると、検索部353による検索を実行する(ステップS1006)。検索部353の処理の詳細は後述する。
【0157】
続いて、管理装置300は、検索部353による検索結果を施工業者用端末500へ送信する(ステップS1007)。検索部353による検索結果とは、例えば、作業員情報記憶部310から抽出された作業員情報の一覧であってもよい。
【0158】
施工業者用端末500は、検索結果を表示させ(ステップS1008)、作業を依頼する作業員の選択を受け付けると(ステップS1009)、選択された作業員を示す情報を管理装置300に送信する(ステップS1010)。言い換えれば、施工業者用端末500は、作業員に対する作業依頼の送信要求を、管理装置300に通知する。
【0159】
管理装置300は、出力部354によって、選択された作業員を示す情報を受け付けると、選択された作業員の作業員用端末400に作業依頼を受け付けたことを示す画面を表示させる(ステップS1011)。
【0160】
作業員用端末400は、ステップS1011において表示された画面において、作業依頼の受諾の可否を示す操作を受け付けると(ステップS1012)、受け付けた操作に応じた応答を管理装置300へ送信する(ステップS1013)。
【0161】
管理装置300は、作業員用端末400からの応答を受けると、出力部354により、この応答の内容を施工業者用端末500へ送信する(ステップS1014)。施工業者用端末500は、受け付けた応答に応じて、作業員による作業依頼の受諾の状況を示す結果画面を表示させる(ステップS1015)。
【0162】
尚、本実施形態の作業員用端末400と、施工業者用端末500とにおいて表示される画面は、管理装置300からの指示によって、各端末の有するブラウザ等によって表示されてもよい。
【0163】
次に、図11を参照して、本実施形態の検索部353の処理について説明する。図11は、実施形態の検索部の処理を説明するフローチャートである。図11の処理は、図10のステップS1006の詳細を示す。
【0164】
本実施形態の検索部353は、入力受付部351によって検索条件情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS1101)。ステップS1101において、入力を受け付けていない場合、検索部353は、検索条件情報の入力を受け付けるまで待機する。
【0165】
ステップS1101において、検索条件情報の入力を受け付けると、検索部353は、作業員情報記憶部310を参照し、検索条件に含まれる資格を保有する作業員が存在するか否かを判定する(ステップS1102)。
【0166】
ステップS1102において、該当する作業員が存在しない場合、検索部353は、後述するステップS1107へ進む。
【0167】
ステップS1102において、該当する作業員が存在する場合、検索部353は、作業員抽出部355により、作業員情報記憶部310から、該当するユーザIDを抽出する(ステップS1103)。
【0168】
続いて、検索部353は、希望条件情報記憶部320を参照し、抽出されたユーザIDを含む希望条件情報から、検索条件と合致する作業員が存在するか否かを判定する(ステップS1104)。
【0169】
言い換えれば、検索部353は、希望条件情報記憶部320において、抽出されたユーザIDを含む希望条件情報のうち、検索条件情報が示す検索条件と合致する希望条件を示す希望条件情報が存在するか否かを判定している。
【0170】
尚、このとき、検索部353は、希望条件情報に含まれる項目のうち、例えば、複数の条件が検索条件情報に含まれる項目と一致していれば、希望条件が検索条件と合致するものとしてもよい。
【0171】
具体的には、例えば、検索部353は、希望条件のうち、作業日程と地域とが、検索条件が示す作業日程と地域に含まれる場合に、検索条件と合致する作業員が存在すると判定してもよい。
【0172】
ステップS1104において、該当する作業員が存在しない場合、検索部353は、後述するステップS1107へ進む。
【0173】
ステップS1104において、該当する作業員が存在する場合、作業員抽出部355は、ステップS1103で抽出されたユーザIDの中から、該当する作業員を示すユーザIDを抽出する(ステップS1105)。
【0174】
続いて、検索部353は、スコア照合部356により、技能評価情報記憶部330を参照し、ステップS1105で抽出されたユーザIDを含む技能評価情報において、検索条件に含まれる資格と対応する作業種類のスコアが、検索条件に含まれるスコア以上の作業員が存在するか否かを判定する(ステップS1106)。
【0175】
ステップS1106において、該当する作業員が存在しない場合、検索部353は、該当する作業員が存在しないことを示す通知を検索結果として出力部354に渡す(ステップS1107)。尚、このとき、この通知には、検索条件の変更を促すメッセージ等を含めてもよい。
【0176】
ステップS1106において、該当する作業員が存在する場合、作業員抽出部355は、該当する作業員のユーザIDを、ステップS1105で抽出されたユーザIDの中から
抽出する(ステップS1108)。
【0177】
続いて、作業員抽出部355は、ステップS1108で抽出されたユーザIDと対応する作業員の希望条件とスコアを検索結果として取得し、出力部354へ渡し(ステップS1109)、処理を終了する。
【0178】
言い換えれば、作業員抽出部355は、希望条件情報記憶部320からステップS1108で抽出されたユーザIDを含む希望条件情報を取得し、技能評価情報記憶部330から、ステップS1108で抽出されたユーザIDを含む技能評価情報を取得する。そして、作業員抽出部355は、取得した希望条件情報と技能評価情報とを、検索結果として出力部354へ渡す。
【0179】
次に、図12及び図13を参照して、作業員用端末400の表示例について説明する。図12Aは、実施形態の作業員用端末の表示例を示す第一の図であり、図12Bは、実施態の作業員用端末の表示例を示す第二の図である。図12Aは、作業員用端末400における作業員情報の入力画面の一例を示す。図12Bは、作業員用端末400に表示される希望条件の入力画面の一例を示す。
【0180】
図12Aに示す入力画面121は、入力欄122を有する。入力欄122は、作業員のユーザID、パスワード、氏名、住所、修了済講習等が入力される。入力欄122に入力された値は、ユーザIDと対応づけられた作業員情報として、作業員情報記憶部310へ格納される。
【0181】
図12Bに示す入力画面123は、例えば、図10のステップS1001で作業員用端末400に表示される画面の一例である。入力画面123は、入力欄124と、操作ボタン125とを有する。入力欄124は、作業員の希望する日程、地域、賃金、作業種類等が入力される。
【0182】
また、入力画面123において、操作ボタン125が操作されると、入力欄124に入力された希望条件がユーザIDと対応つけられた希望条件情報として、管理装置300へ送信される。
【0183】
図13Aは、実施形態の作業員用端末の表示例を示す第三の図であり、図13Bは、実施形態の作業員用端末の表示例を示す第四の図である。図13Aは、作業員用端末400に表示される、作業依頼を受け付けたことを示す画面の一例を示す。図13Bは、作業員用端末400に表示される、作業依頼を受け付けたことを示す画面の他の例を示す。
【0184】
図13Aに示す画面131は、例えば、図10のステップS1012で作業員用端末400に表示される画面の一例である。
【0185】
画面131は、表示欄132と、操作ボタン133、134を有する。表示欄132には、作業員に対する作業依頼と、依頼する作業に関する募集要項(検索条件)とが表示させる。尚、画面131の例では、表示欄132には、修了済講習やスコアは表示されていないが、表示欄132には、これらが表示されてもよい。
【0186】
作業員用端末400は、画面131において、作業員により、操作ボタン133が操作されると、管理装置300に、作業依頼が受諾されたことを示す通知を送信する。また、作業員用端末400は、画面131において、作業員により、操作ボタン134が操作されると、管理装置300に、作業依頼が受諾されないことを示す通知を送信する。
【0187】
また、図13Aに示す作業依頼の画面131には、作業現場の写真や完成予想図が表示されてもよい。また、図面131には、依頼する作業に対して要求される必要スコアが表示されてもよい。
【0188】
また、画面131には、作業内容の詳細アイコンを表示してもよい。言い換えれば、画面131は、作業の内容と対応付けられたアイコン画像を含む。
【0189】
この場合、仕事を探している求職者が詳細アイコンを選択(タップ、クリック等により)すると、作業現場の写真や完成予想図が表示される。更に、全体工期、全体工程が表示され、工程毎に作業内容が表示される。そして、作業内容に対する必要人員数、不足している人員数が表示される。このように、作業内容の詳細を閲覧可能にすることで、求職者は同じ作業現場でも、不足している他の作業内容とその作業の必要スコアと比較して応募する作業内容を決定することができる。
【0190】
図13Bに示す画面136は、一人の作業員に対して、複数の作業依頼が通知された場合を示している。
【0191】
この場合、画面136には、作業員用端末400が受信した作業依頼の一覧137が表示される。作業員用端末400は、画面136において、一覧137から作業依頼が選択されると、画面136を、作業依頼の詳細を示す画面に遷移させてもよい。作業依頼の詳細を示す画面とは、例えば、図13Aに示す画面131等である。
【0192】
次に、図14及び図15を参照して、施工業者用端末500の表示例について説明する。図14Aは、実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第一の図であり、図14Bは、実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第二の図である。
【0193】
図14Aは、施工業者用端末500に表示される検索条件の入力画面の一例を示す。図14Bは、施工業者用端末500に表示される検索結果の一覧画面の一例を示す。
【0194】
図14Aに示す入力画面141は、例えば、図10のステップS1004で施工業者用端末500に表示される画面の一例である。
【0195】
入力画面141は、入力欄142と、操作ボタン143とを有する。入力欄142は、検索条件が入力される。図14Aの例では、入力欄142において、検索条件として、作業の日程、地域、要求される資格(修了すべき講習)、作業種類、スコアが入力される。
【0196】
施工業者用端末500は、入力画面141において、入力欄142において検索条件が入力されて、操作ボタン143が操作されると、管理装置300に対して検索条件と検索要求とを送信する。
【0197】
図14Bに示す一覧画面144は、例えば、図10のステップS1008で施工業者用端末500に表示される画面の一例である。
【0198】
一覧画面144は、表示欄145と、操作ボタン146と、を有する。表示欄145は、検索結果として取得された作業員の一覧が表示される。また、表示欄145は、作業員の希望条件やスコア等が表示される表示欄145-1と、作業依頼を行う作業員を選択するための選択欄145-2とが含まれる。
【0199】
表示欄145-1は、作業員を特定するユーザIDと氏名と、作業員毎の希望条件と、作業種類と対応するスコアとが対応付けられて表示される。選択欄145-2は、作業員毎に設けられている。
【0200】
画面144の例では、表示欄145において、ユーザID「1」の作業員と対応する選択欄にチェックが入力されており、施工業者用端末500において、作業依頼を行う作業員として、ユーザID「1」の作業員が選択されたことがわかる。
【0201】
施工業者用端末500は、画面144において、操作ボタン146が操作されると、選択された作業員を示す情報として、ユーザID「1」を管理装置300に送信する。
【0202】
また、画面141において、作業員(応募者)の一覧から、何れか一つの行が選択(タップ、クリック等により)されると、選択された応募者情報が表示される。応募者情報には、応募者のスコア、資格、写真(画像)、過去数回の作業内容に関する情報が含まれる。
【0203】
尚、画面141には、スコアだけでなく、作業効率、燃費効率、実作業率等の具体的な数値やグラフが表示されてもよい。更に、画面141には、過去数回の応募者の作業を撮影した動画が表示されてもよい。言い換えれば、画面141には、選択された応募者(作業員)の作業効率、燃費効率、実作業率等の少なくとも何れかが、数値やグラフで表示されてもよい。
【0204】
この場合、応募者情報は、作業者情報の一部として、作業員情報記憶部310に格納されていてもよい。
【0205】
管理装置300は、この情報を受信すると、ユーザID「1」と紐付けられた作業員用端末400に、作業依頼を受け付けたことを示す画面を表示させる(図13(A)参照)。
【0206】
図15は、実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第三の図である。図15に示す画面151は、例えば、図10のステップS1015において、施工業者用端末500に表示される、作業員による作業依頼の受諾の状況を示す結果画面である。
【0207】
結果画面151は、表示欄152、153を有する。表示欄152は、作業員に対して作業依頼を行った作業種類と地域を含む情報が表示される。
【0208】
また、表示欄153は、作業の開始日から終了予定日までの作業期間において、作業依頼を受諾した作業員に関する情報が表示される。
【0209】
結果画面151の例では、作業期間の開始日である○月×日から作業の終了予定日である○月○日までの作業期間の作業依頼を作業員「x」が受諾したことがわかる。
【0210】
また、結果画面151の例では、作業期間の開始日である○月×日から作業期間中の○月△日までの期間は、作業員「AA aa」が作業依頼を受諾したことがわかる。
【0211】
この結果から、現時点では、作業期間の後半は、作業員の人数が減少するため、作業の進みが遅くなることが推測できる。
【0212】
したがって、本実施形態によれば、施工業者に対し、作業期間中の○月△日から作業の終了予定日である○月○日までの期間の掘削作業の作業依頼を受諾する作業員を検索すれば良いことを容易に把握させることができる。
【0213】
また、本実施形態では、希望条件に含まれる日程が、作業期間中の○月△日から作業の終了予定日である○月○日まであり、地域が×市であり、掘削作業に必要な講習を修了している作業員を検索することを推奨する旨を示すメッセージを施工業者用端末500に表示させてもよい。
【0214】
さらには、管理装置300は、希望条件に含まれる日程が、作業期間中の○月△日から作業の終了予定日である○月○日まであり、地域が×市であり、掘削作業に必要な講習を修了している作業員を検索して、検索結果の一覧を施工業者用端末500に表示させてもよい。
【0215】
このように、本実施形態によれば、作業員は、作業員情報と希望条件情報とを登録するだけで、自身の希望条件に合った作業依頼を受け付けることができる。また、施工業者は、検索条件(募集要項)を入力するだけで、作業種類に必要な資格と技能を保有し、且つ、募集要項を満たす作業員の一覧を取得することができる。
【0216】
したがって、本実施形態によれば、施工業者が、作業種類に応じた資格と技能を有する作業員を探すために、求人の広告を出す、人づてで作業員を探す、といった過程が不要となる。
【0217】
また、本実施形態によれば、作業員の希望条件と、施工業者の募集要項とを照合して作業員を特定するため、施工業者と作業員との間で行われる勤務条件に関する交渉等の手間も低減することができる。
【0218】
したがって、本実施形態によれば、作業の内容に適した技能を有する人材を容易に割り当てることができる。
【0219】
また、本実施形態では、検索条件と希望条件に、地域を示す情報が含まれる。このため、例えば、作業現場までの作業員の送迎を行う場合には、作業現場がある地域に居住している作業員に作業依頼を行うことで、送迎にかかる距離や時間を短縮することができる。
【0220】
さらに、本実施形態によれば、作業員は、経験を積む度に自身の技能評価情報が更新されるため、技能を向上させることで作業依頼を受けやすくなる。このことから、本実施形態によれば、作業員の技能の向上に対する意欲を高めることができる。
【0221】
(別の実施形態)
以下に図面を参照して、別の実施形態について説明する。別の実施形態は、作業員を選定する際に、管理システムSYSの外部のサーバ等によって提供される外部情報や、作業員の勤怠の状況等を参照する点が、実施形態と相違する。よって、以下の別の実施形態の説明では、実施形態との相違点について説明し、実施形態と同様の機能構成を有するものには、実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0222】
図16は、別の実施形態の管理装置の機能を説明する図である。本実施形態の管理装置300Aは、作業員情報記憶部310A、希望条件情報記憶部320、技能評価情報記憶部330、資格情報記憶部340、検索処理部350A、技能評価部360を有する。
【0223】
本実施形態の作業員情報記憶部310Aは、格納している作業員情報に、作業員の家族構成や、作業員の勤怠等の項目が含まれる。作業員情報記憶部310Aの詳細は後述する。
【0224】
本実施形態の検索処理部350Aは、入力受付部351、登録部352、検索部353A、出力部354を有する。本実施形態の検索部353Aは、作業員抽出部355A、スコア照合部356、外部情報参照部357を有する。
【0225】
本実施形態の作業員抽出部355Aは、作業員を抽出する際に、作業員情報記憶部310Aに格納された作業員の勤怠に関する情報を参照する。
【0226】
本実施形態の外部情報参照部357は、管理システムSYSの外部サーバ等によって提供される外部情報を参照し、外部情報に応じて、作業員用端末400、施工業者用端末500に対する通知の有無を判定し、通知がある場合には、通知の内容を決定する。
【0227】
ここで、本実施形態の外部情報について説明する。本実施形態の外部情報とは、例えば、厚生労働省や気象庁等の公的な機関のサーバによって提供される感染症の流行に関する情報や、気象情報等を含む。気象情報とは、例えば、台風が接近する地域を示す情報等を含む。つまり、本実施形態の外部情報とは、作業員が居住する地域に関する居住地域情報である。
【0228】
本実施形態の外部情報参照部357は、例えば、管理装置300Aの管理者等によって、参照先となる外部サーバが予め設定されていてもよい。
【0229】
図17は、別の実施形態の作業員情報記憶の一例を示す図である。本実施形態の作業員情報記憶部310Aに格納された作業員情報は、情報の項目として、ユーザID、パスワード、氏名、年齢、住所、性別、連絡先、修了済講習、家族構成、勤怠等を含む。
【0230】
項目「家族構成」の値は、作業員の家族構成を示す。尚、家族構成の値の入力は、作業員の任意によって行われるものであってよい。
【0231】
項目「勤怠」の値は、作業員の勤怠を示す情報である。図17の例では、項目「勤怠」の値は、作業員の1週間毎の休暇の日数を示す。図17の例では、ユーザID「1」の作業員は、○月の1週目は、休暇が2日であり、2週目は、休暇が1日であることがわかる。
【0232】
尚、項目「勤怠」の値は、作業員によって入力されて、作業員情報記憶部310Aに格納されてもよいし、管理装置300Aが、過去の作業員が受諾した作業依頼の履歴から取得し、作業員情報記憶部310Aに格納されてもよい。
【0233】
また、作業員情報に含まれる、作業員の勤怠を示す情報は、図17の例に限定されない。作業員の勤怠を示す情報は、例えば、出勤日、出勤時間、退勤時間等であってもよい。また、作業員の勤怠を示す情報は、作業員情報とは別に管理されていてもよい。その場合、作業員情報と、作業員の勤怠を示す情報とは、ユーザIDによって対応付けられることになる。
【0234】
図18は、別の実施形態の検索部の処理を説明するフローチャートである。図18のステップS1801からステップS1808までの処理は、図11のステップS1101からステップS1108までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0235】
実施形態の検索部353Aは、ステップS1808に続いて、作業員抽出部355Aにより、作業員情報記憶部310Aを参照し、ステップS1808で抽出した作業員の休暇日数に応じて、作業依頼を行う作業員の優先順位を付与する(ステップS1809)。
【0236】
具体的には、例えば、ステップS1808で抽出されたユーザIDと対応する作業員の勤怠を示す情報を参照し、作業員が週休2日程度の休暇を取得しているか否かを判定する。そして、作業員抽出部355Aは、週休2日程度の休暇を取得していると判定された作業員に対し、週休2日程度の休暇を取得していないと判定された作業員よりも高い優先度を付与してもよい。
【0237】
本実施形態では、施工業者用端末500に検索結果の一覧画面を表示させる際に、ここで付与された優先度が高い作業員から順に表示させてもよい。
【0238】
続いて、検索部353Aは、外部情報参照部357により、外部サーバから提供される情報を参照する(ステップS1810)。
【0239】
続いて、検索部353Aは、参照した外部情報に応じて、作業員用端末400と施工業者用端末500に対する通知の有無を判定し、通知が有る場合にはその内容を決定する(ステップS1811)。
【0240】
ここで、ステップS1810とステップS1811の処理について説明する。本実施形態の外部情報参照部357は、例えば、地域毎の感染症の流行に関する情報を、外部情報として参照するものとして説明する。感染症とは、例えば、インフルエンザや麻疹等である。
【0241】
本実施形態の外部情報参照部357は、例えば、参照した外部情報における、ステップS1808で抽出されたユーザIDを含む作業員情報の項目「住所」の値が示す地域における感染症の流行を示す情報が含まれるか否かを判定する。
【0242】
そして、外部情報参照部357は、例えば、参照した外部情報に、この地域における感染症の流行を示す情報が含まれる場合、この作業員に対して、通知有りと判定し、体調の留意を促すメッセージを通知の内容に決定してもよい。また、外部情報参照部357は、参照した外部情報に、作業員の住所が示す地域における感染症の流行を示す情報が含まれない場合、この作業員に対して、通知無しと判定してもよい。
【0243】
また、本実施形態の外部情報参照部357は、外部情報に、施工業者用端末500から入力された検索条件に含まれる地域において、感染症の流行を示す情報が含まれる場合に、この地域の作業の作業依頼を行う作業員に対して、通知有りと判定してもよい。
【0244】
そして、外部情報参照部357は、この地域の作業の作業依頼を行う作業員に対して、作業現場となる地域に感染症が流行していることを示すメッセージを通知の内容に決定してもよい。
【0245】
また、外部情報参照部357は、作業員の家族構成に、就学児童等が含まれる場合には、外部情報から、児童が通学する学校において、感染症による学級閉鎖等が行われているか否かを判定してもよい。そして、外部情報参照部357は、学級閉鎖等が行われている場合には、この作業員に対し、体調の留意を促すメッセージを通知の内容に決定してもよい。
【0246】
尚、児童が通学する学校は、例えば、児童の年齢や作業員の住所となる地域に基づき、特定されてもよい。
【0247】
続いて、作業員抽出部355Aは、ステップS1808で抽出されたユーザIDと対応する作業員の希望条件とスコアを検索結果として取得し、出力部354へ渡し(ステップS1812)、処理を終了する。このとき、本実施形態の作業員抽出部355Aは、外部情報参照部357によって決定された内容の通知を、作業員の希望条件とスコアを検索結果と共に出力部354へ渡す。
【0248】
図19は、別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第一の図である。図19では、図10のステップS1004で施工業者用端末500に表示される検索結果の一覧画面の一例を示している。
【0249】
一覧画面144Aは、表示欄145Aと、操作ボタン146と、を有する。表示欄145Aは、検索結果として取得された作業員の一覧が表示される。また、表示欄145Aでは、作業員の情報は、作業員の勤怠を示す情報に基づき付与された優先度が高い順に、表示される。図19に示す表示欄145Aでは、ユーザID「1」の作業員が先頭に表示されている。したがって、表示欄145Aは、ユーザID「1」の作業員は、週休2日程度の休暇を定常的に取得しており、比較的負荷が少ない状態で作業することができる作業員である、と推定されることがわかる。
【0250】
また、表示欄145Aは、作業員の希望条件やスコア等が表示される表示欄145-1と、作業依頼を行う作業員を選択するための選択欄145-2と、作業員に対する感染症に関する通知の有無を示す表示欄145-3とが含まれる。
【0251】
本実施形態の表示欄145-3では、外部情報参照部357によって、通知有りと判定された作業員に対しては「有り」と表示され、通知無しと判定された作業員に対しては「無し」と表示される。図19の例では、ユーザID「1」の作業員に対して、感染症についての通知有りと判定されたことがわかる。
【0252】
図20は、別の実施形態の作業員用端末の表示例を示す図である。図20に示す画面131Aは、例えば、外部情報参照部357によって、通知有りと判定された作業員の作業員用端末400に表示される画面の例である。画面131Aは、例えば、図10のステップS1012で作業員用端末400に表示される。
【0253】
画面131Aは、表示欄132、139と、操作ボタン133、134を有する。表示欄139には、作業員の住所を含む地域にインフルエンザが流行していること、及び、作業員に体調の管理への留意を促すことを含むメッセージが表示される。
【0254】
図21は、別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第二の図である。図21に示す画面151Aは、例えば、図10のステップS1015において、施工業者用端末500に表示される、作業員による作業依頼の受諾の状況を示す結果画面である。
【0255】
図21では、外部情報参照部357によって参照された外部情報に、作業が行われる地域におけるインフルエンザの流行を示す情報が含まれる場合の結果画面を示している。
【0256】
結果画面151Aは、表示欄152A、153、155を有する。表示欄152Aは、作業員に対して作業依頼を行った作業種類と地域を含む情報と、作業が行われる地域でインフルエンザが流行していることを示す情報と、が表示される。
【0257】
また、表示欄155は、表示欄153に表示されている作業員のうち、1名について、外部情報に、作業員が居住している地域におけるインフルエンザの流行を示す情報が含まれることを示している。言い換えれば、表示欄155には、表示欄153に氏名が表示された作業員のうち、外部情報参照部357により、「通知有り」とされた作業員が1名存在することを示している。つまり、管理装置300Aは、作業依頼を行った作業員に対する感染症のリスクに関する情報を、施工業者用端末500へ通知している。
【0258】
このように、本実施形態では、作業員の勤怠を示す情報に応じて、検索結果の一覧に表示する際の表示順を決定する。したがって、本実施形態では、規則的に休暇を取得している作業員に対する作業依頼が行われやすくなる。このため、本実施形態によれば、一人の作業員に作業依頼が集中する、といった事態の発生を抑制でき、作業員に過大な負荷がかかることを防止できる。
【0259】
また、本実施形態では、外部サーバから提供される外部情報に基づき、作業員に対して体調の管理への留意を促すことができる。また、本実施形態では、外部サーバから提供される外部情報に基づき、施工業者に対して、作業依頼を行った作業員に対する感染症のリスクに関する情報を提示することができる。
【0260】
したがって、本実施形態によれば、感染症の流行に対して、作業員と施工業者の双方に留意を促すことができ、作業員の病欠による人手不足等に起因する作業工程の遅延の発生を抑制できる。
【0261】
また、上述の例では、感染症の流行を示す情報を居住地域情報(外部情報)とした例を説明したが、台風の接近を通知する情報を居住地域情報することもできる。
【0262】
この場合、外部情報参照部357は、参照した外部情報に、ステップS1808で抽出されたユーザIDを含む作業員情報の項目「住所」の値が示す地域における、台風の接近を通知する情報が含まれる場合に、通知有りと判定する。
【0263】
そして、外部情報参照部357は、この作業員に対して、台風の接近に伴う交通機関への影響への留意を促すメッセージを通知の内容に決定し、作業員用端末400に送信してもよい。
【0264】
また、本実施形態では、作業員が居住する地域に台風が接近していることを示すメッセージを、施工業者用端末500に送信してもよい。
【0265】
これにより、本実施形態では、作業員と施工業者の双方に、悪天候等に対する留意を促すことができ、交通機関への影響による作業員の欠員足等に起因する作業工程の遅延の発生を抑制できる。
【0266】
(さらに別の実施形態)
以下に図面を参照して、さらに別の実施形態について説明する。さらに別の実施形態は、作業員を選定する際に、作業員と施工業者との互いの評価を参照する点が、実施形態と相違する。よって、以下のさらに別の実施形態の説明では、実施形態との相違点について説明し、実施形態と同様の機能構成を有するものには、実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0267】
図22は、さらに別の実施形態の管理装置の機能を説明する図である。
【0268】
本実施形態の管理装置300Bは、作業員情報記憶部310、希望条件情報記憶部320、技能評価情報記憶部330、資格情報記憶部340、検索処理部350B、技能評価部360、レビュー情報記憶部370を有する。本実施形態の各記憶部は、記憶部305Aとして、管理装置300Bに設けられていてもよい。
【0269】
レビュー情報記憶部370は、作業員による施工業者に対する評価結果を示す情報と、施工業者による作業員に対する評価結果を示す情報とが格納される。
【0270】
以下の説明では、作業員による施工業者に対する評価結果を示す情報を、作業員による施工業者に対する施工業者レビュー情報と呼ぶ。また、以下の説明では、施工業者による作業員に対する評価結果を示す情報を、施工業者による作業員に対する作業員レビュー情報と呼ぶ。レビュー情報記憶部370の詳細は後述する。
【0271】
本実施形態の検索処理部350Bは、入力受付部351、登録部352A、検索部353B、出力部354を有する。
【0272】
本実施形態の登録部352Aは、作業員用端末400や施工業者用端末500から入力されるレビュー情報をレビュー情報記憶部370へ格納し、レビュー情報記憶部370を更新する。
【0273】
検索部353Bは、作業員抽出部355、スコア照合部356、レビュー参照部358、レビュー集計部359を有する。レビュー参照部358は、作業員抽出部355により作業員を抽出する際に、レビュー情報記憶部370を参照する。
【0274】
レビュー集計部359は、施工業者レビュー情報と、作業員レビュー情報とを集計し、作業員と施工業者との相性を示す指標を算出する。以下の説明では、作業員と施工業者との相性を示す指標を、マッチング度と呼ぶ。本実施形態では、マッチング度が高いほど、相性が良いと推定されることを示す。
【0275】
図23は、さらに別の実施形態のレビュー情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態のレビュー情報記憶部370は、作業員による施工業者に対する評価結果を示す施工業者レビュー情報371と、施工業者による作業員に対する評価結果を示す作業員レビュー情報372と、を含む。
【0276】
施工業者レビュー情報371は、情報の項目として、ユーザIDと、レビューと、を含み、項目「ユーザID」と項目「レビュー」とは対応付けられている。また、施工業者レビュー情報371において、項目「ユーザID」と項目「レビュー」とは、施工業者を特定する情報と対応付けられている。さらに、施工業者レビュー情報371において、項目「レビュー(評価)」の値は、例えば、「良い」、「普通」、「悪い」の3段階と対応付けられている。
【0277】
図23では、例えば、施工業者「A社」について、ユーザID「1」の作業員は、「良い」というレビューを10回登録し、「普通」というレビューを1回登録したことがわかる。
【0278】
つまり、ユーザID「1」の作業員は、施工業者「A社」から11回の作業依頼を受諾し、実際の作業を行っており、そのうち10回の作業について、「良い」と評価し、1回の作業について、「普通」と評価したことがわかる。
【0279】
また、施工業者レビュー情報371では、過去に施工業者「A社」の作業を行ったことがある作業員からのレビューの結果を集計した値を、合計としている。
【0280】
図23の施工業者レビュー情報371では、施工業者「A社」は、過去に、複数の作業員によって、23回の作業依頼が受諾されており、そのうち20回の作業については、「良い」と評価され、2回の作業については、「普通」と評価され、1回の作業については、「悪い」と評価されたことがわかる。
【0281】
作業員レビュー情報372は、情報の項目として、施工業者と、レビューと、を含み、項目「施工業者」と項目「レビュー」とは対応付けられている。項目「施工業者」の値は、施工業者を特定する情報を示す。具体的には、項目「施工業者」の値は、施工業者の名称等であって良い。
【0282】
また、作業員レビュー情報372において、項目「施工業者」と項目「レビュー」とは、ユーザIDと対応付けられている。さらに、作業員レビュー情報372において、項目「レビュー(評価)」の値は、例えば、「良い」、「普通」、「悪い」の3段階と対応付けられている。
【0283】
図23では、例えば、ユーザID「1」の作業員について、施工業者「A」は、「良い」というレビューを9回登録し、「普通」というレビューを2回登録したことがわかる。
【0284】
つまり、施工業者「A」は、ユーザID「1」の作業員に対して行った11回の作業依頼が受諾され、施工業者「A」は、そのうち9回の作業について、「良い」と評価し、1回の作業について、「普通」と評価したことがわかる。
【0285】
また、図23では、ユーザID「1」の作業員について、施工業者「B」は、「良い」というレビューを5回登録し、「普通」というレビューを3回登録したことがわかる。
【0286】
つまり、施工業者「B」は、ユーザID「1」の作業員に対して行った8回の作業依頼が受諾され、施工業者「B」は、そのうち5回の作業について、「良い」と評価し、3回の作業について、「普通」と評価したことがわかる。
【0287】
また、作業員レビュー情報372では、過去にユーザID「1」の作業員に作業を行わせたことがある施工業者業からのレビューの結果を集計した値を、合計としている。
【0288】
図23の作業員レビュー情報372では、ユーザID「1」の作業員は、過去に、複数の施工業者から作業依頼を受けて、35回の作業を行っており、そのうち25回の作業については、「良い」と評価され、8回の作業については、「普通」と評価され、2回の作業については、「悪い」と評価されたことがわかる。
【0289】
図24は、さらに別の実施形態の検索部の処理を説明するフローチャートである。図24のステップS2401からステップS2408までの処理は、図11のステップS1101からステップS1108までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0290】
実施形態の検索部353Bは、ステップS2408に続いて、レビュー参照部358により、レビュー情報記憶部370を参照する(ステップS2409)。
【0291】
具体的には、レビュー参照部358は、ステップS2408で抽出されたユーザIDが示す作業員に対する作業員レビュー情報372と、検索要求を行った施工業者に対する施工業者レビュー情報371とを参照する。
【0292】
続いて、検索部353Bは、レビュー集計部359により、ステップS2408でユーザIDが抽出された作業員と、検索要求を行った施工業者とのマッチング度を算出する(ステップS2410)。
【0293】
以下に、例えば、ステップS2408で抽出されたユーザIDをユーザID「1」とし、検索要求を行った施工業者を施工業者「A」とした場合のマッチング度の算出について説明する。
【0294】
ユーザID「1」の作業員レビュー情報372と、施工業者「A」の施工業者レビュー情報371から、ユーザID「1」が施工業者「A」の作業依頼に応じて作業を行った回数は11回である(図23参照)。
【0295】
このうち、施工業者レビュー情報371では、ユーザID「1」の作業員は、施工業者「A」に対する11回のレビューのうち、10回を「良い」としている。つまり、ユーザID「1」の作業員は、施工業者「A」の作業について、9割程度の割合で良いと評価している。
【0296】
また、作業員レビュー情報372では、施工業者「A」は、ユーザID「1」の作業員に対し、11回のレビューのうち、9回を「良い」としている。つまり、施工業者「A」は、8割程度の割合で良いと評価している。
【0297】
したがって、ユーザID「1」の作業員による施工業者「A」に対する評価も、施工業者「A」によるユーザID「1」の作業員に対する評価も、共に「良い」が8割以上であり、両者の相性が良いことが推定できる。
【0298】
この場合、レビュー集計部359は、ユーザID「1」の作業員と施工業者「A」とのマッチング度を「高い」とする。
【0299】
尚、レビュー集計部359は、作業員が施工業者に対して「良い」と評価した回数、「普通」と評価した回数、「悪い」と評価した回数及び施工業者が作業員に対して「良い」と評価した回数、「普通」と評価した回数、「悪い」と評価した回数を取得し、それぞれの回数を用いて、マッチング度を数値として算出してもよい。
【0300】
また、レビュー集計部359は、算出されたマッチング度に応じて、ステップS2408で抽出された作業員に優先度を付与し、施工業者用端末500に対して検索結果の一覧を表示させる際に、優先度に応じた順に一覧を表示させてもよい。
【0301】
ステップS2410に続いて、作業員抽出部355は、ステップS2408で抽出されたユーザIDと対応する作業員の希望条件とスコアを検索結果として取得し、出力部354へ渡し(ステップS2411)、処理を終了する。このとき、本実施形態の作業員抽出部355は、レビュー集計部359によって算出されたマッチング度を、作業員の希望条件とスコアの検索結果と共に出力部354へ渡す。
【0302】
図25Aは、さらに別の実施形態の作業員用端末の表示例を示す第一の図であり、図25Bは、さらに別の実施形態の作業員用端末の表示例を示す第二の図である。図25Aは、作業員が受諾した作業の作業期間が終了した後に作業員用端末400に表示される画面の例を示しており、図25Bは、レビューの登録画面の一例を示す。
【0303】
図25Aに示す画面131Bは、表示欄132、139Aと、操作ボタン133A、134Aを有する。表示欄139Aは、レビューの登録を促す旨を含むメッセージが表示される。
【0304】
また、作業員用端末400は、操作ボタン133Aが操作されると、画面131Bを、図25Bに示す画面131Cへ遷移させる。
【0305】
また、作業員用端末400は、操作ボタン134Aが操作されると、画面131Bの表示を終了してもよい。
【0306】
図25Bに示す画面131Cでは、施工業者に対するレビューとして、「良い」、「普通」、「悪い」の何れかを選択する選択欄と、選択結果を管理装置300Bへ送信するための操作ボタンとが表示される。
【0307】
作業員用端末400は、施工業者に対するレビューが入力されて、操作ボタンが操作されると、レビューの結果を管理装置300Bへ送信する。
【0308】
管理装置300Bは、作業員用端末400からレビューの結果を受信すると、登録部352Aによって、このレビューの結果を施工業者レビュー情報371に反映させる。
【0309】
図26は、さらに別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第一の図である。図26では、図10のステップS1004で施工業者用端末500に表示される検索結果の一覧画面の一例を示している。
【0310】
一覧画面144Bは、表示欄145Bと、操作ボタン146と、を有する。表示欄145Bは、検索結果として取得された作業員の一覧が表示される。
【0311】
また、表示欄145Bは、作業員の希望条件やスコア等が表示される表示欄145-1と、作業依頼を行う作業員を選択するための選択欄145-2と、作業員と施工業者用端末500を有する施工業者とのマッチング度が表示される表示欄145-4とが含まれる。
【0312】
本実施形態の表示欄145Bでは、表示欄145-4に表示されるマッチング度が高い作業員から順に表示される。
【0313】
図26の例では、表示欄145Bの先頭に表示されたユーザID「1」の作業員は、その次に表示されたユーザID「2」の作業員と比べて、検索要求を行った施工業者「A」とのマッチング度が高いことがわかる。
【0314】
図27は、さらに別の実施形態の施工業者用端末の表示例を示す第二の図である。図27に示す画面147は、施工業者が作業員に対して作業依頼を行った作業が終了した後に、施工業者用端末500に表示されるレビュー登録画面を示している。
【0315】
画面147は、入力欄148と、操作ボタン149とを有する。入力欄148は、作業依頼を受諾し、実際に作業を行った作業員のユーザIDと氏名の一覧と、作業員毎のレビューの選択ボタンとが対応付けられて表示されている。
【0316】
施工業者用端末500は、入力欄148において、作業員毎のレビューが選択されて、操作ボタン149が操作されると、レビューの結果を管理装置300Bへ送信する。
【0317】
管理装置300Bは、施工業者用端末500からレビューの結果を受信すると、登録部352Aによって、このレビューの結果を作業員レビュー情報372に反映させる。
【0318】
以上のように、本実施形態によれば、施工業者は、自社と相性が良いとされる作業員を容易に把握することができ、自社と相性が良い作業員に対する作業依頼を容易にすることができる。また、本実施形態では、作業員は、自身と相性が良いとされる施工業者からの作業依頼を受けやすくなる。
【0319】
尚、本実施形態では、作業員と施工業者とのマッチング度を算出するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、作業員抽出部355は、レビューされた合計回数に対する、レビューが「良い」とされた回数の割合が所定値以上の作業員を抽出するようにしてもよい。
【0320】
(さらに別の実施形態)
以下に図面を参照して、さらに別の実施形態について説明する。第四の実施形態は、管理装置300と、各種の作業種類が示す作業を行うために修了する必要がある講習を行う教習所で管理される情報処理装置と通信を行う点が、実施形態と相違する。よって、以下の第四の実施形態の説明では、実施形態との相違点について説明し、実施形態と同様の機能構成を有するものには、実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0321】
図28は、さらに別の実施形態のショベルの管理システムの一例を示す概要図である。本実施形態の管理システムSYS1は、管理装置300Cとショベル100とを有する。
【0322】
本実施形態の管理装置300Cは、ショベル100の作業種類に応じて修了する必要がある講習が行われる教習所で管理される情報処理装置600と通信を行う。
【0323】
情報処理装置600は、例えば、作業員のユーザIDと、作業員が受講する予定の講習又は受講中の講習を示す情報とを対応付けて保持している。そして、情報処理装置600は、作業員が講習を修了すると、修了した講習を特定する情報と、ユーザIDとを対応付けた修了情報を管理装置300Cに送信する。
【0324】
管理装置300Cは、情報処理装置600から、修了情報を受信すると、作業員情報記憶部310を修了情報に基づき更新する。
【0325】
本実施形態では、このように、教習所から修了情報を受信することで、作業員情報記憶部310に格納されている作業員情報が自動的に更新される。したがって、本実施形態によれば、作業員は、講習を修了する度に自身の作業員情報を更新する必要がない。
【0326】
また、本実施形態では、作業員情報が自動的に更新されるため、新たに取得した技能と対応する作業依頼を受けることができない、等といった事態の発生を防止できる。
【0327】
また、上述した各実施形態では、ショベル100を作業機械の一例として説明したが、作業機械は、ショベル100以外のものであっても良く、作業機械は、自機の作業パターン実績情報及び環境条件実績情報を取得し、管理装置300に送信することが可能な作業機械であれば、どのようなものであってもよい。
【0328】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0329】
また、本国際出願は、2019年6月27日に出願された日本国特許出願2019-119886に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2019-119886の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0330】
30 コントローラ
31 操作バルブ
40 表示装置
42 入力装置
80 撮像装置
80B,80F,80L,80R カメラ
100 ショベル(建設機械)
200 飛行体
300、300A、300B、300C 管理装置
301 情報送信部
302 作業パターン取得部
303 マシンガイダンス部
310 作業員情報記憶部
320 希望条件情報記憶部
330 技能評価情報記憶部
340 資格情報記憶部
350 検索処理部
360 技能評価部
370 レビュー情報記憶部
400 端末装置(作業員用端末)
500 端末装置(施工業者用端末)


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26
図27
図28