IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社C.T.produceの特許一覧

<>
  • 特許-パック用シート 図1
  • 特許-パック用シート 図2
  • 特許-パック用シート 図3
  • 特許-パック用シート 図4
  • 特許-パック用シート 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】パック用シート
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/22 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
A45D44/22 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022525922
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 JP2022008920
(87)【国際公開番号】W WO2023166620
(87)【国際公開日】2023-09-07
【審査請求日】2022-05-23
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521280855
【氏名又は名称】有限会社C.T.produce
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 千裕
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】窪田 治彦
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0129412(US,A1)
【文献】特開2004-337373(JP,A)
【文献】特開昭64-34370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D44/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面の全部又は一部に粘着させてパックするパック用シートにおいて、
シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーであるシリカのパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料のみで構成されたことを特徴とするパック用シート。
【請求項2】
前記天然鉱石のパウダーの添加量は、0.1~1.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載のパック用シート。
【請求項3】
前記顔面の全部をパック可能な大きさと形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のパック用シート。
【請求項4】
前記顔面のうちの鼻よりも上方の顔面上部をパック可能な大きさと形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のパック用シート。
【請求項5】
前記顔面のうちの左右の両目よりも下方の顔面下部をパック可能な大きさと形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のパック用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顔面の全部又は一部に粘着させてパックするパック用シートに関し、特にシリコーンゲルに天然鉱石のパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料で構成されたパック用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
美顔用のパックの形態としては、パック用ジェルや美容液を塗るクリームパックと、顔面に被せるシート状のパック用マスク(シートパック)と、毛穴を清浄にする炭酸パックとがある。
【0003】
特許文献1には、シリコン樹脂シートを顔面形状に成形して、顎係止部と耳掛けとを一体形成した柔軟性のある立体形状のパック用マスクが開示されている。
特許文献2には、レーヨンにトルマリンの微粉末を混合した材料の不織布で製作したシート材からなる顔面パック用マスクが開示されている。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平5-21813号公報
【文献】実用新案登録第3024098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のパック用マスクを顔面に装着してパックする際に、予め顔面にクリームを塗る必要があるうえ、パック終了時にはクリームを拭き取ることが必要であるから、手間がかかり面倒である。パック用マスクはシリコン樹脂シートを成形したものであり、顔面への粘着性を有するものではないから、1対の耳掛けを用いて顔面に密着させることになる。しかし、顔面全体への密着性を高めることは困難で、パック性能に劣る。しかも、成形品であるため製作コストが高価になる。
【0007】
しかも、パック用マスクと顔面の間には皮膚を軟化させる液体を含むクリームが介在しているため、パック用マスクに皮膚に張りを持たせるリフトアップ機能を具備させることは難しい。
【0008】
特許文献2の顔面パック用マスクは、レーヨンにトルマリンの微粉末を混合した材料で製作した不織布で構成されている。レーヨンは公定水分率が高く、顔面への粘着性と密着性を有するものではないから、頭部の両側端部や頬部の両側端部に所定長さのスリットを形成し、顎部の両側にも切欠部を形成して、顔面の立体形状に沿うように形成する必要があるので、パック用マスクの構造が複雑化する。
しかも、レーヨンの不織布は公定水分率が高いため、また使用時には美容液や化粧水を十分に含ませるため、皮膚の弛みや皺を取るリフトアップ機能を高めることは難しい。
【0009】
本発明の目的は、顔面へ粘着する粘着性と密着性に優れ、リフトアップ機能に優れるパック用シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るパック用シートは、顔面の全部又は一部に粘着させてパックするパック用シートにおいて、シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーであるシリカのパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料のみで構成されたことを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、シリコーンゲルが超軟質の樹脂であって、顔面への粘着性と伸縮性を有するため、顔面に容易に粘着させて密着させることができるうえ、適宜引っ張って変形させることができるため、顔面の皮膚に張りを与えたり皺を伸ばしたりすることができる。特に、シリコーンゲルは皮膚を軟化させる液体を全く含んでいないため、皮膚の軟化や伸びが殆ど生じることがない。
【0012】
しかも、このパック用シートは、シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーであるシリカのパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料のみで構成されているため、パックしている間に天然鉱石のパウダーであるシリカのパウダーのリフトアップ機能が働いて顔面の皮膚がリフトアップされるため優れた美容効果も得られる。しかも、使用後に中性洗剤等で洗浄して表面を清浄に保持する限り、繰り返して使用することもできる。
【0013】
本発明は、次のような好ましい形態を採用することができる。
【0014】
の形態においては、前記天然鉱石のパウダーの添加量は、0.1~1.0重量%である。上記の構成によれば、天然鉱石のパウダーの添加量が1.0重量%超の場合は顔面への粘着性が若干低下するし、上記添加量が0.1重量%未満の場合は天然鉱石のリフトアップ機能が期待できなくなる。
【0015】
の形態においては、パック用シートが前記顔面の全部をパック可能な大きさと形状に形成された。上記の構成によれば、顔面の全部をパックすることができる。
の形態においては、パック用シートが前記顔面のうちの鼻よりも上方の顔面上部をパック可能な大きさと形状に形成された。
上記の構成によれば、顔面のうちの鼻よりも上方の顔面上部をパックすることができる。
【0016】
の形態においては、パック用シートが前記顔面のうちの左右の両目よりも下方の顔面下部をパック可能な大きさと形状に形成された。
上記の構成によれば、顔面のうちの左右の両目よりも下方の顔面下部をパックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例に係るパック用シートの正面図である。
図2図1のII -II線断面図である。
図3】変更例1に係るパック用シートの正面図である。
図4】変更例2に係るパック用シートの正面図である。
図5】変更例3に係るパック用シートの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のパック用シートを実施する実施例について説明する。
【実施例
【0019】
実施例に係るパック用シート1について、図1図2に基づいて説明する。
このパック用シート1は、顔面の全部に粘着させてパックするパック用シートであって、シリコーンゲルに天然鉱石のパウダーであるシリカのパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料のみで構成され、平板状のシート本体2の形態に形成されている。このシート本体2の厚さは、例えば1.0mm~3.0mmが望ましい。
【0020】
このパック用シート1は、顔面の全部をパック可能な大きさと形状に形成されている。このパック用シート1は、円形に近い上下に細長い楕円形の輪郭を有し、左右の目に対応する1対の楕円形穴3と、鼻の下半部に対応するU形スリット4と、口に対応する1つの楕円形穴5とを有する。
【0021】
前記シリカのパウダーの添加量は、0.1~1.0重量%である。このシリカのパウダーの粒径は0.02μm~200μmが望ましい。
【0022】
以上説明したパック用シート1の作用、効果について説明する。
パック用シート1がシリコーンゲルにシリカのパウダーを添加した練り込んだ合成樹脂材料のみで構成されている。
【0023】
シリコーンゲルは、超軟質の樹脂であって伸縮性があり、顔面への粘着性を有するため、顔面に容易に粘着させて密着させることができ、適宜引っ張って変形させることができるため、顔面に粘着させた状態で顔面のたるみや皺を延ばす方向へ指や掌で引っ張ることで、顔面の皮膚の弛みや皺を延ばし、皮膚に張りを与え、リフトアップすることができる。
特に、シリコーンゲルは皮膚を軟化させる液体を全く含んでいないため、皮膚の軟化や伸びが殆ど生じることがない。
【0024】
しかも、シリコーンゲルにシリカのパウダーを添加して練り込んだ合成樹脂材料のみで構成されているため、パックしている間にシリカのパウダーのリフトアップ機能が働いて顔面の皮膚がリフトアップされるため優れた美容効果も得られる。
しかも、使用後に中性洗剤等で洗浄して表面を清浄に保持する限り、繰り返して使用することもできる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
次に、変更例1について図3に基づいて説明する。
この変更例1は、前記実施例のパック用シート1を部分的に変更した例であり、同様の構成に同一の符号を付して説明を省略する。このパック用シート1Aは、顔面のうちの鼻よりも上方の顔面上部をパック可能な大きさと形状に形成されている。このパック用シート1Aを構成する材料や構造については前記実施例のパック用シート1と同様である。
【0029】
次に、変更例2について図4に基づいて説明する。
この変更例2は、前記実施例のパック用シート1を部分的に変更した例であり、同様の構成に同一の符号を付して説明を省略する。このパック用シート1Bは、顔面のうちの左右の両目よりも下方の顔面下部をパック可能な大きさと形状に形成されている。このパック用シート1Bを構成する材料や構造については前記実施例のパック用シート1と同様である。
【0030】
次に、変更例3について図5に基づいて説明する。
この変更例3は、前記実施例のパック用シートを部分的に変更した例であり、同様の構成に同一の符号を付して説明を省略する。このパック用シート1Cは、顔面のうちの1つの目の周辺部分をパック可能な大きさと形状に形成されている。このパック用シート1Cの外形形状は例えば楕円形であるが、この形状に限定されるものではない。 このパック用シート1Cを構成する材料や構造については前記実施例のパック用シート1と同様である。
【0031】
の他、当業者ならば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前記実施例や変更例に種々の変更を付加した形態で実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、顔面をパックするためのパック用シートを提供するものである。
【符号の説明】
【0033】
1,1A,1B,1C パック用シート
2 シート本体
図1
図2
図3
図4
図5