(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】説明支援システム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20241001BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20241001BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241001BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20241001BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241001BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20241001BHJP
H04L 51/216 20220101ALI20241001BHJP
【FI】
H04L67/00
G09B19/00 Z
G09B19/00 G
G06Q50/10
G06F3/16 620
G06F3/16 610
G06F3/01 510
G06F3/0481
H04L51/216
G06F3/16 650
(21)【出願番号】P 2023001222
(22)【出願日】2023-01-06
(62)【分割の表示】P 2021198060の分割
【原出願日】2021-12-06
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】511113970
【氏名又は名称】株式会社インタラクティブソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】関根 潔
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-212895(JP,A)
【文献】特開2012-208630(JP,A)
【文献】特開2014-075066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 3/16
G09B 19/00
G06Q 50/10
G06F 3/01
G06F 3/0481
H04L 51/216
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
説明資料を記憶した説明資料記憶部(3)と,
音声が入力される音声入力部(5)と,
前記音声に含まれる用語を解析して,音声用語を得る音声解析部(7)と,
表示情報を出力する出力制御部(9)と,
を有する,コンピュータを用いた説明支援システム(1)であって,
前記説明資料記憶部(3)は,キーワードと関連して,前記説明資料に含まれる説明情報を記憶し,
前記説明支援システム(1)は,聴衆端末(11)と接続され,
前記聴衆端末(11)から,疑問を受け取る疑問入力部(13)をさらに有し,
前記出力制御部(9)は,前記音声解析部(7)が解析した音声用語のうち前記疑問入力部(13)から疑問を受け取る前のものに含まれる前記キーワードを複数抽出し,
複数の前記キーワードには,
前記疑問を受け取る直前のキーワード及び前記疑問を受け取る前であって2番目に直前のキーワードを含み,
前記聴衆端末(11)から複数の前記キーワードのうち選択されたキーワードに関する選択情報を受け取り,前記選択情報を用いて,前記説明資料記憶部(3)から選択された前記キーワードと関連した前記説明情報を読み出し,前記聴衆端末(11)へ出力する,説明支援システム(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の説明支援システム(1)であって,
前記疑問は,
前記聴衆端末(11)に表示された疑問に関連するアイコンをタッチ又はクリックすることにより,前記説明支援システム(1)へ出力されたものか,
前記聴衆端末(11)の入力装置のいずれかのキー又はボタンを押すことにより,前記説明支援システム(1)へ出力されたものである,説明支援システム(1)。
【請求項3】
請求項1に記載の説明支援システム(1)であって,
前記聴衆端末(11)へ出力した説明情報である出力説明情報に関する情報を記憶する出力説明情報記憶部(15)をさらに有し,
前記聴衆端末(11)からの要求に応じて,前記出力説明情報記憶部(15)から前記出力説明情報を読み出して,前記聴衆端末(11)へ前記出力説明情報を出力する,出力説明情報出力部(17)をさらに有する,説明支援システム(1)。
【請求項4】
請求項3に記載の説明支援システム(1)であって,
前記聴衆端末(11)から,評価情報を受け取る評価情報入力部(19)をさらに有し,
前記出力説明情報記憶部(15)は,前記出力説明情報とともに前記評価情報を記憶し,
前記出力説明情報出力部(17)は,前記出力説明情報とともに前記評価情報を出力する,
説明支援システム(1)。
【請求項5】
請求項1に記載の説明支援システム(1)であって,
前記聴衆端末(11)から,評価情報を受け取る評価情報入力部(19)と,
前記評価情報を出力した聴衆の属性を記憶する聴衆属性記憶部(21)と,
前記属性と前記評価情報に基づいて属性ごとの評価を解析する評価解析部(23)と,
をさらに有する,説明支援システム(1)。
【請求項6】
コンピュータを,
説明資料を記憶した説明資料記憶部(3)と,
音声が入力される音声入力部(5)と,
前記音声に含まれる用語を解析して,音声用語を得る音声解析部(7)と,
表示情報を出力する出力制御部(9)と,
を有する,コンピュータを用いた説明支援システム(1)であって,
前記説明資料記憶部(3)は,キーワードと関連して,前記説明資料に含まれる説明情報を記憶し,
前記説明支援システム(1)は,聴衆端末(11)と接続され,
前記聴衆端末(11)から,疑問を受け取る疑問入力部(13)をさらに有し,
前記出力制御部(9)は,前記音声解析部(7)が解析した音声用語のうち前記疑問入力部(13)から疑問を受け取る前のものに含まれる前記キーワードを複数抽出し,
複数の前記キーワードには,
前記疑問を受け取る直前のキーワード及び前記疑問を受け取る前であって2番目に直前のキーワードを含み,
前記聴衆端末(11)から複数の前記キーワードのうち選択されたキーワードに関する選択情報を受け取り,前記選択情報を用いて,前記説明資料記憶部(3)から選択された前記キーワードと関連した前記説明情報を読み出し,前記聴衆端末(11)へ出力する,説明支援システム(1)
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,説明支援システムに関する。より詳しく説明すると,説明中に疑問点を解消できる説明支援システムに関する。
【0002】
特開2021-86389号公報には,通信システムが記載されている。このシステムは,ビデオ会議において,登壇者が,参加を所望する聴講者を簡単に選択して議論に参加させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の説明支援システムでは,聴衆が疑問に思っても,講義やプレゼンテーションが進行してしまう。一方,聴衆の疑問に話者が答えると,講義やプレゼンテーションが中断されてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は,基本的には,聴衆から疑問があった旨がシステムに入力されると,その疑問があった説明部分の前の部分に関する説明情報を,その聴衆に送ることにより解決される。
【0006】
この発明は,コンピュータを用いた説明支援システム1に関する。
このシステムは,説明資料記憶部3と,音声入力部5と,音声解析部7と,出力制御部9と,疑問入力部13を有する。このシステムは,出力説明情報記憶部15,出力説明情報出力部17,評価情報入力部19,聴衆属性記憶部21及び評価解析部23のいずれか1つ以上をさらに有してもよい。
【0007】
説明資料記憶部3は,説明資料を記憶する要素である。説明資料記憶部3は,キーワードと関連して,説明資料に含まれる説明情報をさらに記憶する。
音声入力部5は,音声が入力される要素である。
音声解析部7は,音声に含まれる用語を解析して,音声用語を得るための要素である。
出力制御部9は,表示情報を出力するための要素である。
疑問入力部13は,説明支援システム1と接続された聴衆端末11から疑問を受け取るための要素である。
【0008】
そして,出力制御部9は,音声解析部7が解析した音声用語のうち,疑問入力部13から疑問を受け取る前のものに含まれるキーワードを用いて,説明資料記憶部3からキーワードと関連した説明情報を読み出し,聴衆端末11へ出力する。
例えば聴衆端末の入力部から「?」が聴衆端末に入力されると,その疑問情報は,システム1に伝えられる。そして,疑問情報を受け取ったシステムは,疑問情報を受け取ったタイミング以前の音声用語のうち,キーワードに該当するものを解析する。そして,解析したキーワードを読み出して,そのキーワードに関連する説明情報(例えばプレゼンテーションの頁や説明文章)を,聴衆端末11に出力する。すると,具体的な質問を入力させなくても,疑問を持った聴衆端末に,疑問点に関する解説を表示させることができる。このようにすれば,講義やプレゼンテーションといった全体の説明の流れを遮ることなく,聴衆の疑問個所をオーダーメードに再説明できることとなる。さらにその疑問情報を記憶させることで,聴衆端末が疑問に思った箇所を繰り返し復習できるようになる。
【0009】
疑問は,聴衆端末11に表示された疑問に関連するアイコンをタッチ又はクリックすることにより,説明支援システム1へ出力されたものであってもよい。
または,疑問は,聴衆端末11の入力装置のいずれかのキー(例えば「?」キー),又はボタン(例えば,質問ボタン)を押すことにより,説明支援システム1へ出力されたものであってもよい。
このようにすれば,聴衆端末が疑問文を入力しなくても疑問といっても,単に疑問アイコンをクリックしたり,タッチパネルの場合は疑問アイコンをタッチしたり,キーボードの「?」を押したり,専用入力装置のボタンを押せば,疑問がある旨を,システム1へ伝えられる。
【0010】
出力説明情報記憶部15は,聴衆端末11へ出力した説明情報である出力説明情報に関する情報を記憶するための要素である。
出力説明情報出力部17は,聴衆端末11からの要求に応じて,出力説明情報記憶部15から出力説明情報を読み出して,聴衆端末11へ出力するための要素である。
このようにすれば,聴衆に対し,疑問点を何度も復習させることができることとなる。
【0011】
評価情報入力部19は,聴衆端末11から,評価情報を受け取るための要素である。この場合,出力説明情報記憶部15は,出力説明情報とともに評価情報を記憶することが好ましい。また,出力説明情報出力部17は,出力説明情報とともに評価情報を出力することが好ましい。
評価情報入力部19を有すれば,プレゼンテーションを聞いた聴衆が「いいね!」という評価した個所を記憶しておいて,その聴衆が「いいね!」した個所を容易に閲覧できるようにできる。すると,長いプレゼンテーションのうち,聴衆が有益だと思った個所に素早くアクセスできるようになる。
さらに,疑問が解消した場合,疑問が解消したことを通知でき,聴衆も何度も復習できることとなる。
【0012】
聴衆属性記憶部21は,評価情報を出力した聴衆の属性を記憶するための要素である。
評価解析部23は,属性と評価情報に基づいて属性ごとの評価を解析するための要素である。
例えば,開業医には6ページのスライドの評価が高く,1~5ページはすでに知っているので興味が薄い。一方,大病院の医師には,2~3ページのスライドの評価が高いといった属性ごとの評価を解析し,記憶できる。このため,このような情報を集めることで,聴衆の属性に応じて,用いるべきスライドや,軽く流すスライドなどを提案できる。
【0013】
この明細書は,コンピュータを上記のシステムとして機能させるためのプログラムや,そのようなプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記録媒体をも提供する。
【発明の効果】
【0014】
このシステムによれば,聴衆が疑問に思った場合,疑問があった説明部分の前の部分に関する説明情報を,その聴衆に送ることができる。すなわち,このシステムは,聴衆が疑問に思った際に,簡単に意思表示をすれば,話者の説明を遮ることなく,疑問に関する説明情報を入手することができるシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は,説明支援システムのブロック図である。
【
図2】
図2は,コンピュータを用いた説明支援方法を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図3は,コンピュータを用いた説明支援方法の例を示す概念図である。
【
図4】
図4は,プレゼンテーションと質問のタイミングの例を示す概念図である。
【
図5】
図5は,質問と属性の関連の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0017】
この発明は説明支援システム1に関する。説明支援システムは,説明者(講演者,プレゼンテーター,話者,教師,講師,先生,MR,説明者,医師,説明する方の者)の説明を支援するためのシステムに関する。このシステムは,説明者の説明を聞く複数の聴衆が存在する(聴衆用の端末が複数存在する)ものが好ましい。このシステムは,コンピュータに基づくシステムである。
【0018】
図1は,説明支援システムのブロック図である。
図1に示されるように,このシステム1は,説明資料記憶部3と,音声入力部5と,音声解析部7と,出力制御部9と,疑問入力部13を有する。このシステムは,出力説明情報記憶部15,出力説明情報出力部17,評価情報入力部19,聴衆属性記憶部21及び評価解析部23のいずれか1つ以上をさらに有してもよい。また,このシステム1は,例えばネットワークなどの通信網を介して,1又は複数の聴衆端末11と情報の授受を行うことができるように接続されている。
【0019】
コンピュータは,入力部,出力部,制御部,演算部及び記憶部を有しており,各要素は,バスなどによって接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。例えば,記憶部には,制御プログラムが記憶されていてもよいし,各種情報が記憶されていてもよい。入力部から所定の情報が入力された場合,制御部は,記憶部に記憶される制御プログラムを読み出す。そして,制御部は,適宜記憶部に記憶された情報を読み出し,演算部へ伝える。また,制御部は,適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は,受け取った各種情報を用いて演算処理を行い,記憶部に記憶する。制御部は,記憶部に記憶された演算結果を読み出して,出力部から出力する。このようにして,各種処理や各工程が実行される。この各種処理を実行するものが,各部や各手段である。コンピュータは,プロセッサを有し,プロセッサが各種機能や各種工程を実現するものであってもよい。
【0020】
本発明のシステムは,インターネット又はイントラネットなどのネットワークと接続された端末と,ネットワークに接続されたサーバとを含むものであってもよい。もちろん,単体のコンピュータや携帯端末が,本発明のシステムとして機能してもよいし,複数のサーバが存在してもよい。以下各要素について説明する。
【0021】
説明資料記憶部3は,説明資料を記憶するための要素である。説明資料記憶部3は,キーワードと関連して,説明資料に含まれる説明情報をさらに記憶する。例えば,コンピュータの記憶部が,説明資料記憶部3として機能する。
【0022】
音声入力部5は,音声が入力される要素である。例えば,コンピュータの入力部(マイク)が,音声入力部5として機能する。また,あらかじめ音声が録音されている場合,録音された音声を,システム内に入力するものが音声入力部として機能してもよい。この場合,記憶部,制御部及び演算部が,音声入力部として機能する。
【0023】
音声解析部7は,音声に含まれる用語を解析して,音声用語を得るための要素である。音声入力部5によりシステムに音声が入力される。そして,音声解析部7は,音声に含まれる用語を解析して,音声に含まれる用語である音声用語を得る。このような音声解析エンジンやプログラムは公知である。コンピュータの記憶部,制御部及び演算部が,音声解析部7として機能する。音声解析部7が解析した音声用語は,適宜記憶部に記憶される。
【0024】
出力制御部9は,表示情報を出力するための要素である。表示情報は,例えば,システムの表示部(モニタ)に表示されてもよい。また,表示情報は,例えば,聴衆端末11のモニタに表示されてもよい。例えば,コンピュータの記憶部,制御部,演算部及び出力部が,出力制御部9として機能する。そして,出力制御部9は,音声解析部7が解析した音声用語のうち疑問入力部13から疑問を受け取る前のものに含まれるキーワードを用いて,説明資料記憶部3からキーワードと関連した説明情報を読み出し,聴衆端末11へ出力する。聴衆端末11は,表示部にその説明情報を表示する。後述する疑問入力部13が,説明支援システム1と接続された聴衆端末11から疑問を受け取る。すると,疑問(疑問がある旨の情報)が,システムに入力される。システムは,並行して音声を解析して音声用語を得ている。疑問が入力されると,システムは,疑問が入力された際までの音声用語とキーワードとのマッチングを行う。そして,疑問が入力される際に最も直前に存在したキーワード(又は2番目や3番目のキーワード)を抽出する。抽出した1又は複数のキーワードは適宜記憶部に記憶される。システムは,抽出したキーワードを用いて,説明資料記憶部3からキーワードと関連した説明情報を読み出す。そして,システムは,読み出した説明情報を,聴衆端末11へ出力する。
説明情報の例は,各キーワードに関する説明文章であってもよいし,各キーワードを説明するプレゼンテーション資料であってもよいし,各キーワードを解説した教材であってもよいし,各キーワードに関する説明文の参照するためのリンク情報(例えばURL)であってもよい。抽出したキーワードは,関連する用語やトピックスを調べるシステムと組み合わせても良い。このようなシステムは,例えば同義語辞書などを有するシステムである。
【0025】
説明情報の別の例は,過去の疑問に基づくものであってもよい。この例では,キーワードに関連して複数の説明情報が記憶されている。そして,例えば,過去のプレゼンテーションにおいて,10頁目のスライドのあるタイミングで,あるキーワードに関し,ある時のプレゼンテーションでは説明情報Aが選択され,別の時のプレゼンテーションでは説明情報Bが選択されたする。すると,このプレゼンテーション資料の10頁目が表示されている所定のタイミングで,疑問の入力がなされたときは,説明情報Aか説明情報Bが選択されることが予想される。このため,疑問が入力される(例えば,聴衆が「?」を押す)と,聴衆端末の表示部に,説明情報A及び説明情報B(又は説明情報A及び説明情報Bのタイトル)が表示され,聴衆端末が選択した説明情報を説明情報としてもよい。
【0026】
疑問入力部13は,説明支援システム1と接続された聴衆端末11から疑問を受け取るための要素である。質問を受け取った後に,システムに質問に関する情報が入力される。
疑問は,聴衆端末11に表示された疑問に関連するアイコンをタッチ又はクリックすることにより,説明支援システム1へ出力されたものであってもよい。
または,疑問は,聴衆端末11の入力装置のいずれかのキー(例えば「?」キー),又はボタン(例えば,質問ボタン)を押すことにより,説明支援システム1へ出力されたものであってもよい。
【0027】
出力説明情報記憶部15は,聴衆端末11へ出力した説明情報である出力説明情報に関する情報を記憶するための要素である。コンピュータの記憶部が出力説明情報記憶部15として機能する。出力説明情報記憶部15は,例えば,聴衆に関する情報(IDや端末情報など)と関連して,出力説明情報を記憶してもよい。
【0028】
出力説明情報出力部17は,聴衆端末11からの要求に応じて,出力説明情報記憶部15から出力説明情報を読み出して,聴衆端末11へ出力するための要素である。例えば,コンピュータの入力部,制御部,演算部及び出力部が,出力説明情報出力部17として機能する。聴衆端末11が,出力説明情報を送るよう送信依頼を出力する。出力された送信依頼は,システム1に入力される。出力説明情報出力部17は,聴衆に関する情報を用いて,出力説明情報記憶部15から出力説明情報を読み出す。そして,出力説明情報出力部17は,読み出した出力説明情報を,聴衆端末11へ出力する。聴衆端末11は,出力説明情報を受け取り,聴衆端末11の表示部に説明情報に基づく表示を行う。表示部は,音声出力部であり,音声を表示(音声を出力)するものであってもよい。「?」を押したときに複数の内容が想定される場合,どちらが知りたいのかを選ぶことで出力説明情報を変えても良い。
【0029】
評価情報入力部19は,聴衆端末11から,評価情報を受け取るための要素である。例えば,コンピュータの入力部が,評価情報入力部19として機能する。聴衆端末11の入力部から,聴衆端末11にプレゼンテーションなどの説明に関する評価(例えば「いいね」)を入力される。聴衆端末11は,その評価に関する情報を出力部から出力する。出力された評価情報は,ネットワークを介して,システムに送られる。システムは,送られた評価情報を受け取り,システム内に入力する。コンピュータの入力部が評価情報入力部19として機能する。
【0030】
聴衆属性記憶部21は,評価情報を出力した聴衆の属性を記憶するための要素である。例えば,コンピュータの記憶部が聴衆属性記憶部21として機能する。評価情報を出力した聴衆とは,例えば「いいね!」という評価を出力した端末のユーザや端末である。属性とは,個人の社会的な関係(例えば,医師,大病院の医師,勤務医,開業医,大学院生,大学生,学生,教師,講師,准教授,教授,塾講師,個人事業主,会社役員,従業員,使用者などである)を意味する。
【0031】
評価解析部23は,属性と評価情報に基づいて属性ごとの評価を解析するための要素である。
【0032】
図2は,コンピュータを用いた説明支援方法を説明するためのフローチャートである。
図2に示されるように,この方法は,コンピュータを用いた説明支援方法であって,以下の工程を含む。また,コンピュータのプロセッサや,コンピュータは,例えば,コンピュータに以下の工程を行わせるものである。
システムに音声が入力される(音声入力工程:S101)。
システムが,入力された音声に含まれる用語を解析して,音声用語を得る(音声用語取得工程:S102)。
システムが,聴衆端末11から出力された疑問(疑問に関する情報)を受信する(疑問受信工程:S103)。
システムが,疑問を受信するまでの音声用語と,システム(の説明資料記憶部3)が記憶するキーワードとを照合する(キーワード照合工程:S104)。
システムが,照合した音声用語と一致したキーワードを抽出し,抽出キーワードを得る(抽出キーワード取得工程:S105)。抽出キーワードのうち,疑問を受信する前のものを疑問直前の抽出キーワードとして抽出する。
システムが,抽出キーワード(疑問直前の抽出キーワード,準候補である抽出キーワード)を用いて,システム(の説明資料記憶部3)にキーワードと関連して記憶されている説明情報を読み出す(説明情報読出し工程:S106)。
システムが,読み出した説明情報を聴衆端末11へ出力する(説明情報出力工程:S107)。
説明情報を受け取った聴衆端末11が,説明情報を聴衆端末の表示部に表示する(説明情報表示工程:S108)
【実施例1】
【0033】
以下,説明支援方法の例について説明する。
図3は,コンピュータを用いた説明支援方法の例を示す概念図である。
音声入力工程(S101)
音声入力工程(S101)は,システムの音声入力部5に音声が入力される工程である。
例えば,講師が,オンラインでつながっている生徒に対し,プレゼンテーション資料を用いて,講義をしている。この講義は,生配信のものであってもよいし,録音や録画されたものであってもよい。
【0034】
音声用語取得工程(S102)
音声用語取得工程(S102)は,システムの音声解析部7が,入力された音声に含まれる用語を解析して,音声用語を得る工程である。例えば,音声解析部7が音声を解析し,以下の音声用語を得る。
「糖尿病は,血糖値やヘモグロビンA1c(HbA1c)値が適正値よりも高い状態が慢性的に続く病気です。糖尿病は,血液中のブドウ糖を細胞へ届けるインスリンの分泌不足・異常が生じることで発症します。例えば,朝,空腹時に測った血糖値が126mg/dl以上の場合や,食事の有無を問わず,血糖値が200mg/dl以上の場合は,糖尿病と判断されます。糖尿病は,様々な疾患を併発します。糖尿病には,I型とII型があります。それぞれの治療薬には,薬A,薬B,薬Cがあります。薬Cは薬Dを接種している患者には禁忌です。・・・・」
【0035】
疑問受信工程(S103)
疑問受信工程(S103)は,システムの疑問入力部13が,聴衆端末11から出力された疑問(疑問に関する情報)を受信する工程である。例えば,聴衆端末の表示部には,疑問に関連するアイコンが表示されている。この表示部がタッチパネルの場合は,そのアイコン(例えば,「?アイコン」)をタッチすることにより,疑問が聴衆端末11からシステムに向けて出力される。
【0036】
キーワード照合工程(S104)
キーワード照合工程(S104)は,システムの出力制御部9が,疑問を受信するまでの音声用語と,システムの説明資料記憶部3が記憶するキーワードとを照合する工程である。
説明資料記憶部3には,プレゼンテーションに関連した複数のキーワードと,それぞれのキーワードに関連した説明情報が記憶されている。
例えば,この記憶部3には,キーワードとして「禁忌」,「薬D」,「薬C」が記憶されている。すると,出力制御部9が,音声用語とこれらのキーワードとを照合する。すると,音声用語のうち,疑問が入力された時点の前には,「禁忌」,「薬D」,「薬C」が存在する。このようにして,キーワードと,音声用語との照合が行われる。
【0037】
抽出キーワード取得工程(S105)
抽出キーワード取得工程(S105)は,システムの出力制御部9が,照合した音声用語と一致したキーワードを抽出し,抽出キーワードを得る工程である。例えば,この工程では,「禁忌」が,音声用語の中から,疑問直前の抽出キーワードとして抽出される。また,「薬D」,「薬C」が,音声用語の中から,準候補である抽出キーワードとして抽出されてもよい。この際,疑問直前の抽出キーワード以外に,疑問を受信する2番目に近いキーワードや3番目に近いキーワードなども併せて抽出し,準候補である抽出キーワードとして抽出してもよい。また,この抽出キーワードを,聴衆端末の表示部に表示させ,聴衆に選択させてもよい。選択情報が聴衆端末に入力されると,システム1に選択情報が入力され,抽出キーワードが決定される。さらに,聴衆の属性と過去の抽出キーワードとしての採用率を記憶しておき,候補として挙げられた複数のキーワードについて,聴衆の属性を考慮して,採用率の高い候補を抽出キーワードとしてもよい。
図3の例では,聴衆聴取端末に,「薬C」,「薬D」及び「禁忌」が表示される。なお,疑問が入力された時点から近い抽出キーワードの候補の順(「禁忌」,「薬D」,「薬C」)に,聴衆端末に抽出キーワードの候補が表示されてもよい。例えば,聴衆が,薬Dを選択する。すると,聴衆端末には,薬Dが選択された旨の情報が入力される。聴衆端末は,薬Dが選択された旨の情報をシステム1に送信する。すると,システム1は,「薬D」を抽出キーワードとする。このようにして,抽出キーワードが得られる。
【0038】
説明情報読出し工程(S106)
説明情報読出し工程(S106)は,システムの出力制御部9が,抽出キーワード(疑問直前の抽出キーワード,準候補である抽出キーワード)を用いて,システムの説明資料記憶部3にキーワードと関連して記憶されている説明情報を読み出す工程である。
システムの説明資料記憶部3には,キーワードと関連して説明情報が記憶されている。このため,抽出キーワードを用いることで,キーワードと関連した説明情報を読み出すことができる。例えば,「薬D」というキーワードと関連した,説明文章かプレゼンテーション資料が記憶されている。システムは,この説明情報を記憶部から読み出す。
【0039】
説明情報出力工程(S107)
説明情報出力工程(S107)は,システムの出力制御部9が,読み出した説明情報を聴衆端末11へ出力する工程である。聴衆端末11は,説明情報を受け取り,表示部に説明情報を表示させることができる。説明情報をより的確に絞り込む必要がある場合、該当するキーワードやキーワードが含まれている文章を表示して選択しても良い。また,この工程では,複数の説明情報の候補が記憶部から読み出されてもよい。そして,複数の説明情報又は複数の説明情報(タイトルなど)に関する情報が,聴衆端末11へ送信されてもよい。複数の説明情報の例は,「薬D」のプレゼンテーション資料,「薬D」のpdfドキュメント,「薬D」の説明テキスト,「薬Dの薬効について」,及び「薬Dの解説」である。このように複数の説明情報は,説明情報の種類や,タイトルであってもよい。すると,聴衆端末11の表示部には,複数の説明情報又は複数の説明情報(タイトルなど)が表示される。そして,聴衆端末11がいずれかの説明情報を選択する。すると,選択された説明情報が,聴衆端末11の表示部に表示される。また,説明情報を選択したことは聴衆端末11に入力され,システムへ出力される。この情報を受け取ったシステムは,選択した説明情報を聴衆端末へ出力してもよい。
【0040】
説明情報表示工程(S108)
説明情報を受け取った聴衆端末11が,説明情報を聴衆端末の表示部に表示する。
【実施例2】
【0041】
図4は,プレゼンテーションと質問のタイミングの例を示す概念図である。
一般的なウェビナーは途中で評価がないため,参加意識が低くセミナーからの離脱が多い。
このシステムでは,途中で聴衆から質問があったことを把握できる。例えば,このシステムでは,質問をリアルタイムで集計する。そして,集計した質問の数を,プレゼンテーターの表示部に表示する。また,好ましい態様では,あるプレゼンテーションに関して累計した質問の数も表示してもよい。すると,プレゼンテーターは,自らのプレゼンテーションが聴衆に理解されているか把握しながら,プレゼンテーションを行うことができる。例えば,質問が多い場合,プレゼンテーターは,平易な用語を用いて,ゆっくりプレゼンテーションを行ったり,難しいスライドを飛ばしたりすることで,聴衆の理解や満足度を上げることができる。つまり,プレゼンテーション中にアンケートを集め,評価をもらいながらプレゼンテーションを行うことで,理解度・満足度の高いプレゼンテーションを行えるようにすることができる。
【実施例3】
【0042】
図5は,質問と属性の関連の例を示す概念図である。この例では,聴衆端末は,評価(理解)を示す。例えば,聴衆端末は,プレゼンテーション中に,「いいね」であるといった,評価をシステムへ出力できる。また,例えば,システムは,聴衆端末を操作する聴衆の属性を把握できるようにされている。例えば,聴衆端末の識別情報又は聴衆の識別情報と,聴衆の属性が記憶部に記憶されており,聴衆端末の識別情報又は聴衆の識別情報を用いて,聴衆の属性を読み出すことができるようにされている。このようにすれば講演会で行っているアナライザーをリアルタイムでビジュアル化することができる。システムは,いいね(評価)の数や,いいね(評価)の累積値を集計し,プレゼンテーターの表示部に表示できる。すると,プレゼンテーターは,評価されていることを知り,自信をもってプレゼンテーションを行うことができるようになる。また,このようにすれば,ウェビナーに双方向性をもたせることができるようになる。また,属性別の響いたスライド(評価が多かったスライド)と説明の音声の該当箇所を記憶できる。すると,ある属性の聴衆に説明を行う場合に,その属性について評価の高かったスライドを抽出することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明は,情報産業において利用されうる。