(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】病巣位置特定方法及び病巣位置特定システム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
A61B8/00
(21)【出願番号】P 2023524412
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2021115360
(87)【国際公開番号】W WO2022134647
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202011551545.3
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515206104
【氏名又は名称】チョンチン ハイフー メディカル テクノロジー カンパニー・リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.359,Jingdongfang Avenue,Beibei District,Chongqing 400714,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン、ミンイー
(72)【発明者】
【氏名】フー、ホンビン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ、イン
(72)【発明者】
【氏名】フー、ビン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、シャオビン
(72)【発明者】
【氏名】フー、リャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ツァイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ハオラン
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0046875(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0069976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0126121(US,A1)
【文献】特開2007-236823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体表のマークの位置特定によって病巣の位置を特定し、位置特定の際、画像収集コンポーネントを用いてマークの位置特定を行い、前記画像収集コンポーネントは、超音波プローブ及び少なくとも1つのカメラを含み、前記カメラは、前記超音波プローブのファンスイープ平面の片側又は両側に分布して、前記超音波プローブの相対位置と固定を保持し、且つ前記カメラの中心線は前記超音波プローブの中心線と平行である病巣位置特定方法において、
前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビューを形成し、前記参照ビューの寸法はプリセット寸法であり、且つ前記参照ビューには前記マークに対応する仮想マーク点が形成されるステップと、
前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビューを形成するステップは、所定位置特定指令を入力して、前記画像収集コンポーネントを前記所定位置特定指令に基づいてマークの上に移動させるステップと、前記画像収集コンポーネントが該所定位置特定指令を完了した後、カメラがリアルタイムで収集して形成された現在のビューにおいて、マークに対応する仮想マーク点が含まれるか否かを判断するステップと、前記現在のビューに仮想マーク点が含まれる場合は、前記現在のビューを前記参照ビューとして、超音波プローブのマークからの現在の高さ距離を所定位置特定高さとし、前記現在のビューに前記マークに対応する仮想マーク点が含まれない場合は、前記参照ビューが形成されるまで、所定位置特定指令を再び入力するステップと、を具体的に含み、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置を踏まえて、前記カメラと前記超音波プローブの実際位置関係に基づいて、前記超音波プローブの中心線をマークと重ね合わせる実際位置特定軌跡を決定するステップと、を含
み、
ここで、前記超音波プローブの中心線は、前記超音波プローブの超音波放射面に中心における垂直線である
ことを特徴とする病巣位置特定方法。
【請求項2】
前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、
前記所定位置特定高さに基づいて前記画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定し、前記超音波プローブを、超音波プローブの中心線に垂直であり、且つ前記所定位置特定高さに対応する平面であるプリセット平面内で移動させるステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の病巣位置特定方法。
【請求項3】
前記参照ビューを形成する方法は、
現在のビューとカメラの実際収集領域の撮像比例関係を確立し、前記撮像比例関係に基づいて前記参照ビューを形成するステップと、
前記所定位置特定高さのプリセット値を設定し、所定位置特定指令を入力することにより、前記所定位置特定高さを前記プリセット値に等しくさせ、前記比例関係を一定値にさせるステップ、
又は、
前記所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定高さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算するステップ、
又は、
カメラが収集する現在のビューに常に超音波プローブの一部の側縁輪郭があるようにカメラの取付位置を設定し、撮像比例関係を確立する際、カメラ中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビューにおける参照距離によって撮像比例関係を計算するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の病巣位置特定方法。
【請求項4】
前記カメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面上に位置するとき、前記参照ビューを形成する際に、前記カメラの中心線が前記参照ビューの中心に位置し、前記参照ビューは超音波ファンスイープ平面の中垂面の投影を横軸とし、前記横軸に垂直な方向を縦方向とする場合、前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、実際横方向変位と実際縦方向変位をそれぞれ計算するステップを含み、
前記実際縦方向変位を計算する方法は、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて、仮想マーク点を前記横軸に重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動するステップと、
前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際縦方向変位を計算するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項
3に記載の病巣位置特定方法。
【請求項5】
前記カメラの数は少なくとも1つであり、単一のカメラで形成された参照ビューによって前記実際位置特定軌跡を計算する場合、前記実際横方向変位を計算する方法は、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて計算するステップと、前記仮想マーク点の仮想横方向変位を計算するとともに、前記仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際横方向変位を計算するステップと、を含み、前記仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数1】
ここで、L
0は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブとカメラの中心距離であり、h
1は超音波プローブとカメラの高さ距離であり、h
2は前記所定位置特定高さであり、θはカメラの収集領域が横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビューの横方向において対応するビュー幅である
ことを特徴とする請求項
4に記載の病巣位置特定方法。
【請求項6】
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて前記実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブとの高さ差は等しく、前記第1カメラが収集して形成されるのは第1参照ビューであり、前記第2カメラが収集して形成されるのは第2参照ビューである場合、
前記実際横方向変位を計算する方法は、前記第1参照ビューにおける仮想マーク点の位置と、前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置とに基づいて、前記実際横方向変位を計算するステップを含み、前記実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数2】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブと各カメラの中心距離であり、L
1は第1参照ビューにおいての仮想マーク点からビュー中心までの横距離であり、L
2は第2参照ビューにおいての仮想マーク点からビュー中心までの横距離であり、第1カメラと第2カメラの収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビューと第2参照ビューのプリセットビュー幅はいずれもLである
ことを特徴とする請求項
4に記載の病巣位置特定方法。
【請求項7】
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて前記実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線における少なくとも1つのカメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、前記第1カメラが収集して形成されるのは第1参照ビューであり、前記第2カメラが収集して形成されるのは第2参照ビューである場合、前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、前記第1参照ビュー及び前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算し、さらに、前記仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び前記撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算するステップを含み、
前記仮想横方向変位と前記仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ中心線の仮想投影点を原点とし、超音波プローブのファンスイープ平面の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューの仮想マーク点の位置に基づいて、仮想マーク点の座標計算式群を確立し、
【数3】
ここで、仮想マーク点41の座標は(x
1,y
1)であり、θ
1は第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角であり、前記第1カメラ21の座標位置は(a
1,b
1)、前記第2カメラ22の座標位置は(a
2,b
2)、θ
2は第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角である
ことを特徴とする請求項
3に記載の病巣位置特定方法。
【請求項8】
前記参照ビュー
に対応し位置が固定され形状が固定された参照標尺を設置し、前記参照標尺に対応して目盛値が設定され、且つ目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示される
ことを特徴とする請求項1~
7のうちのいずれか一項に記載の病巣位置特定方法。
【請求項9】
各カメラに対して少なくとも2組のカメラ群を形成し、カメラ群毎には、1つ又は2つのカメラが含まれ、1組のカメラ群が収集して形成した参照ビューに基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を形成し、少なくとも2つの検証待ちの実際の位置特定軌跡に基づいて検証して最終的な実際位置特定軌跡を取得する病巣位置特定方法において、
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面に分布し、前記第1カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第2カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第1カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも3つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラを含み、第1カメラ、第3カメラは超音波プローブファンスイープ平面の一方側に分布し、第2カメラは超音波プローブファンスイープ平面の他方側に分布し、第3カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラの中心線と第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第3カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
前記カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第3実際位置特定軌跡を計算し、前記第1
実際位置特定軌跡、前記第2実際位置特定軌跡、第3実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する
ことを特徴とする請求項
3に記載の病巣位置特定方法。
【請求項10】
カメラと超音波プローブの実際位置関係に基づいて参照ビューにおいて超音波プローブの中心線を仮想投影点として融合するステップと、
前記実際位置特定軌跡を決定する際、参照ビューにおける仮想マーク点と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点とが重なり合うまで参照ビューにおいて超音波プローブの移動を制御するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項
3に記載の病巣位置特定方法。
【請求項11】
体表のマークの位置特定によって病巣の位置を特定する病巣位置特定システムであって、
超音波プローブと、前記超音波プローブのファンスイープ平面の片側又は両側に分布して、前記超音波プローブの相対位置と固定を保持し、且つ中心線が前記超音波プローブの中心線と平行であるカメラである少なくとも1つのカメラと、を有する画像収集コンポーネントと、
前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて形成され、寸法は固定数値であり、且つ前記マークに対応する仮想マーク点が形成される参照ビューを表示するための参照画像表示装置と、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置を踏まえて、前記カメラと前記超音波プローブの実際位置関係に基づいて、前記超音波プローブの中心線とマークとが重なり合う実際位置特定軌跡を計算するように配置される実際位置特定軌跡計算ユニットを有するプロセッサと、
ここで、前記超音波プローブの中心線は、前記超音波プローブの超音波放射面に中心における垂直線であり、
所定位置特定指令を入力して、前記画像収集コンポーネントを前記所定位置特定指令に基づいてマークの上に移動させるための所定位置特定指令入力ユニットと、
画像収集コンポーネントの移動を連動するための実行機構と、をさらに含み、
ここで、前記プロセッサは、前記所定位置特定指令に基づいて前記実行機構の移動を制御し、前記実行機構が該所定位置特定指令に対応する動作を実行した後、カメラ収集で形成された現在のビューにおいてマークに対応する仮想マーク点が含まれるか否かを判断し、仮想マーク点が含まれる場合、現在のビューを参照ビューとするように配置された所定位置特定処理ユニットをさらに含む
ことを特徴とする病巣位置特定システム。
【請求項12】
前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、運動境界条件を計算するための運動境界条件計算サブユニットを有し、前記運動境界条件計算サブユニットは
、所定位置特定高さに基づいて前記画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定して、前記超音波プローブがプリセット平面内で移動するように配置され、ここで、前記プリセット平面は、超音波プローブの中心線に垂直であり、且つ前記所定位置特定高さに対応する平面である
ことを特徴とする請求項
11に記載の病巣位置特定システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、現在のビューとカメラの実際収集領域の撮像比例関係を確立し、前記撮像比例関係に基づいて前記参照ビューを形成するように配置された撮像ユニットをさらに含み、
所定位置特定高さのプリセット値を設定し、所定位置特定指令を入力することにより前記所定位置特定高さを前記プリセット値に等しくして、前記比例関係を一定値にさせ、
又は、
前記所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定高さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算し、
又は、
カメラが収集する現在のビューにおいて常に超音波プローブの一部の側縁輪郭があるようにカメラの取付位置を設定し、撮像比例関係を確立する際、カメラ中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビューにおける参照距離によって撮像比例関係を計算する
ことを特徴とする請求項
11に記載の病巣位置特定システム。
【請求項14】
前記カメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面上に位置する場合、
前記撮像ユニットは、前記参照ビューを形成するとき、前記カメラの中心線が前記参照ビューの中心に位置し、前記参照ビューは超音波ファンスイープ平面の中垂面の投影を横軸とし、前記横軸に垂直な方向を縦方向とするように配置され、
実際位置特定軌跡計算ユニットは、実際横方向変位計算サブユニットと実際縦方向変位計算サブユニットを含み、ここで、前記実際縦方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて、仮想マーク点を前記横軸と重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動させ、前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づい
て実際縦方向変位を計算するように配置される
ことを特徴とする請求項
13に記載の病巣位置特定システム。
【請求項15】
前記カメラの数が1つの場合、前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置計算に基づいて、前記仮想マーク点の仮想横方向変位を計算し、前記仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づい
て実際横方向変位を計算するように構成され、
前記仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数4】
ここで、L
0は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブとカメラの中心距離であり、h
1は超音波プローブとカメラの高さ距離であり、h
2は前記所定位置特定高さであり、θはカメラの収集領域の横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビューの横方向に対応するビュー幅である
ことを特徴とする請求項
14に記載の病巣位置特定システム。
【請求項16】
前記カメラの数は2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、
前記撮像ユニットは、前記第1カメラが収集したデータに基づいて形成された第1参照ビューと、前記第2カメラが収集したデータに基づいて形成された第2参照ビューで構成され、
前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記第1参照ビューにおける仮想マーク点の位置と、前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、前記実際横方向変位を計算するように配置され、前記実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数5】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブと各カメラの中心距離であり、L
1は第1参照ビューにおける仮想マーク点のビュー中心からの横距離であり、L
2は第2参照ビューにおける仮想マーク点のビュー中心からの横距離であり、第1カメラと第2カメラの収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビューと第2参照ビューのプリセットビュー幅はいずれもLである
ことを特徴とする請求項
15に記載の病巣位置特定システム。
【請求項17】
前記カメラの数は2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線の少なくとも1つのカメラの中心線は、超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、 前記撮像ユニットは、前記第1カメラが収集したデータに基づいて形成された第1参照ビューと、前記第2カメラが収集したデータに基づいて形成された第2参照ビューで構成され、
前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算し、さらに、前記仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び前記撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算するように配置され、
前記仮想横方向変位と前記仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ中心線の仮想投影点を原点とし、超音波プローブファンスイープ平面の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブファンスイープ平面の中垂面の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューの仮想マーク点の位置に基づいて、仮想マーク点の座標計算式群を確立し、
【数6】
ここで、仮想マーク点の座標は(x
1,y
1)であり、前記第1参照ビューにおいて、θ
1は第1カメラの収集領域のX軸に対応する幅方向上での可視角度であり、前記第1カメラの座標位置は(a
1,b
1)であり、前記第2カメラの座標位置は(a
2,b
2)であり、θ
2は第2カメラの収集領域のX軸に対応する幅方向での可視角度である
ことを特徴とする請求項
13に記載の病巣位置特定システム。
【請求項18】
前記参照ビューにおいて又
は参照ビュー表示装置には参照標尺が設置され、前記参照標尺に対応して目盛値が設定され、且つ前記目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示される
ことを特徴とする請求項
11~
17のうちのいずれか一項に記載の病巣位置特定システム。
【請求項19】
前記病巣位置特定システムには、少なくとも2組のカメラ群が設置され、カメラ群毎の数は1つ又は2つのカメラであり、各前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、1組の前記カメラ群に基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を取得し、前記プロセッサは検証ユニットをさらに含み、前記検証ユニットは、少なくとも2つの検証待ちの実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を取得する
ことを特徴とする請求項
13に記載の病巣位置特定システム。
【請求項20】
前記プロセッサは、
カメラと超音波プローブの実際位置関係に基づいて参照ビューにおいて超音波プローブの中心線を仮想投影点として融合し、
前記実際位置特定軌跡を決定する際、参照ビューにおける仮想マーク点と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点とが重なり合うまで参照ビューにおいて超音波プローブの移動を制御するようにさらに配置される
ことを特徴とする請求項
13に記載の病巣位置特定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波治療技術分野に属し、特に病巣位置特定方法及び病巣位置特定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高強度集束超音波治療技術は超音波を集束することにより、病巣上に高強度で、連続した超音波エネルギーを形成することができ、これにより瞬間的な高温効果、キャビテーション効果、機械的効果とソノケミカル効果を発生させて、細胞膜、核膜を破裂させ、蛋白質を凝固させ、病巣組織を選択的に凝固性壊死させて、病巣の増殖、浸潤と転移の能力を失わせる。
【0003】
既存の超音波治療設備は治療過程において、通常、Bモードの超音波プローブを通じて病巣位置特定を誘導し、位置特定過程においてBモードの超音波プローブを何度も繰り返し運動して、医者が病巣周囲の解剖構造を想像し、病巣の位置を分析して探すのを補助する必要があり、この操作過程は煩雑で、時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術の欠点に鑑みて、本発明は、従来技術における病巣位置特定過程が煩雑で、時間がかかるなどの問題を解決するための病巣位置特定方法及び病巣位置特定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的及びその他の関連目的を実現するために、
本発明は、体表のマークの位置特定によって病巣の位置を特定し、位置特定の際、画像収集コンポーネントを用いてマークの位置特定を行い、前記画像収集コンポーネントは、超音波プローブ及び少なくとも1つのカメラを含み、前記カメラは、前記超音波プローブのファンスイープ平面の片側又は両側に分布して、前記超音波プローブの相対位置と固定を保持し、且つ前記カメラの中心線は前記超音波プローブの中心線と平行である病巣位置特定方法において、
前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビューを形成し、前記参照ビューの寸法はプリセット寸法であり、且つ前記参照ビューには前記マークに対応する仮想マーク点が形成されるステップと、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置を踏まえて、前記カメラと前記超音波プローブの実際位置関係に基づいて、前記超音波プローブの中心線をマークと重ね合わせる実際位置特定軌跡を決定するステップと、を含む病巣位置特定方法を提供する。
【0006】
任意で、前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビューを形成する方法は、
所定位置特定指令を入力して、前記画像収集コンポーネントを前記所定位置特定指令に基づいてマークの上に移動させるステップと、
前記画像収集コンポーネントが該所定位置特定指令を完了した後、カメラがリアルタイムで収集して形成された現在のビューにおいて、マークに対応する仮想マーク点が含まれるか否かを判断するステップと、
仮想マーク点が含まれる場合は、前記現在のビューを前記参照ビューとして、超音波プローブのマークからの現在の高さ距離を所定位置特定高さとし、仮想マーク点が含まれない場合は、前記参照ビューが形成されるまで、所定位置特定指令を再び入力するステップと、を含む。
【0007】
任意で、前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、
前記所定位置特定高さに基づいて前記画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定し、前記超音波プローブを、超音波プローブの中心線に垂直であり、且つ前記所定位置特定高さに対応する平面であるプリセット平面内で移動させるステップをさらに含む。
【0008】
任意で、前記参照ビューを形成する方法は、
現在のビューとカメラの実際収集領域の撮像比例関係を確立し、前記撮像比例関係に基づいて前記参照ビューを形成するステップと、
前記所定位置特定高さのプリセット値を設定し、所定位置特定指令を入力することにより、前記所定位置特定高さを前記プリセット値に等しくさせ、前記比例関係を一定値にさせるステップ、
又は、
前記所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定高さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算するステップ、
又は、
カメラが収集する現在のビューに常に超音波プローブの一部の側縁輪郭があるようにカメラの取付位置を設定し、撮像比例関係を確立する際、カメラ中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビューにおける参照距離によって撮像比例関係を計算するステップと、を含む。
【0009】
任意で、前記カメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面上に位置するとき、前記参照ビューを形成する際に、前記カメラの中心線が前記参照ビューの中心に位置し、前記参照ビューは超音波ファンスイープ平面の中垂面の投影を横軸とし、前記横軸に垂直な方向を縦方向とする場合、前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、実際横方向変位と実際縦方向変位をそれぞれ計算するステップを含み、ここで、前記実際縦方向変位を計算する方法は、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて、仮想マーク点を前記横軸に重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動するステップと、
前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際縦方向変位を計算するステップと、を含む。
【0010】
任意で、前記カメラの数は少なくとも1つである場合、前記実際横方向変位を計算する方法は、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて計算するステップと、前記仮想マーク点の仮想横方向変位を計算するとともに、前記仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際横方向変位を計算するステップと、を含み、前記仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0011】
【0012】
ここで、L0は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブとカメラの中心距離であり、h1は超音波プローブとカメラの高さ距離であり、h2は前記所定位置特定高さであり、θはカメラの収集領域が横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビューの横方向において対応するビュー幅である。
【0013】
任意で、前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブとの高さ差は等しく、前記第1カメラが収集して形成されるのは第1参照ビューであり、前記第2カメラが収集して形成されるのは第2参照ビューである場合、前記実際横方向変位を計算する方法は、前記第1参照ビューにおける仮想マーク点の位置と、前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置とに基づいて、前記実際横方向変位を計算するステップを含み、前記実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0014】
【0015】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブと各カメラの中心距離であり、L1は第1参照ビューにおいての仮想マーク点からビュー中心までの横距離であり、L2は第2参照ビューにおいての仮想マーク点からビュー中心までの横距離であり、第1カメラと第2カメラの収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビューと第2参照ビューのプリセットビュー幅はいずれもLである。
【0016】
任意で、前記カメラの数は2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線における少なくとも1つのカメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、前記第1カメラが収集して形成されるのは第1参照ビューであり、前記第2カメラが収集して形成されるのは第2参照ビューである場合、前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、前記第1参照ビュー及び前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算し、さらに、前記仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び前記撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算するステップを含み、
前記仮想横方向変位と前記仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ中心線の仮想投影点を原点とし、超音波プローブのファンスイープ平面の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューの仮想マーク点の位置に基づいて、仮想マーク点の座標計算式群を確立し、
【0017】
【0018】
ここで、仮想マーク点41の座標は(x1,y1)であり、θ1は第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角であり、前記第1カメラ21の座標位置は(a1,b1)、前記第2カメラ22の座標位置は(a2,b2)、θ2は第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角である。
【0019】
任意で、前記参照ビュー設置位置に対応し形状が固定された参照標尺を設置し、前記参照標尺に対応して目盛値が設定され、且つ目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示される。
【0020】
任意で、各カメラに対して少なくとも2組のカメラ群を形成し、カメラ群毎には、1つ又は2つのカメラが含まれ、1組のカメラ群が収集して形成した参照ビューに基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を形成し、少なくとも2つの検証待ちの実際位置特定軌跡に基づいて検証して最終的な実際位置特定軌跡を取得し、
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面に分布し、前記第1カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第2カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第1カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも3つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラを含み、第1カメラ、第3カメラは超音波プローブファンスイープ平面の一方側に分布し、第2カメラは超音波プローブファンスイープ平面の他方側に分布し、第3カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラの中心線と第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第3カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
前記カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第3実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡、前記第2位置特定軌跡、第3実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する。
【0021】
任意で、前記病巣位置特定方法は、
カメラと超音波プローブの実際位置関係に基づいて参照ビューにおいて超音波プローブの中心線を仮想投影点として融合するステップと、
前記実際位置特定軌跡を決定する際、参照ビューにおける仮想マーク点と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点とが重なり合うまで参照ビューにおいて超音波プローブの移動を制御するステップと、をさらに含む。
【0022】
相応に、本発明は、体表のマークの位置特定によって病巣の位置を特定する病巣位置特定システムであって、
超音波プローブと、前記超音波プローブのファンスイープ平面の片側又は両側に分布して、前記超音波プローブの相対位置と固定を保持し、且つ中心線が前記超音波プローブの中心線と平行であるカメラである少なくとも1つのカメラと、を有する画像収集コンポーネントと、
前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて形成され、寸法は固定数値であり、且つ前記マークに対応する仮想マーク点が形成される参照ビューを表示するための参照画像表示装置と、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置を踏まえて、前記カメラと前記超音波プローブの実際位置関係に基づいて、前記超音波プローブの中心線とマークとが重なり合う実際位置特定軌跡を計算するように配置される実際位置特定軌跡計算ユニットを有するプロセッサと、を含む病巣位置特定システムを提供する。
【0023】
任意で、前記病巣位置特定システムは、
所定位置特定指令を入力して、前記画像収集コンポーネントを前記所定位置特定指令に基づいてマークの上に移動させるための所定位置特定指令入力ユニットと、
画像収集コンポーネントの移動を連動するための実行機構と、をさらに含み、
ここで、前記プロセッサは、前記所定位置特定指令に基づいて前記実行機構の移動を制御し、前記実行機構が該所定位置特定指令に対応する動作を実行した後、カメラ収集で形成された現在のビューにおいてマークに対応する仮想マーク点が含まれるか否かを判断し、仮想マーク点が含まれる場合、現在のビューを参照ビューとするように配置された所定位置特定処理ユニットをさらに含む。
【0024】
任意で、前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、運動境界条件を計算するための運動境界条件計算サブユニットを有し、前記運動境界条件計算サブユニットは、前記所定位置特定高さに基づいて前記画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定して、前記超音波プローブがプリセット平面内で移動するように配置され、ここで、前記プリセット平面は、超音波プローブの中心線に垂直であり、且つ前記所定位置特定高さに対応する平面である。
【0025】
任意で、前記プロセッサは、現在のビューとカメラの実際収集領域の撮像比例関係を確立し、前記撮像比例関係に基づいて前記参照ビューを形成するように配置された撮像ユニットをさらに含み、
前記所定位置特定高さのプリセット値を設定し、所定位置特定指令を入力することにより前記所定位置特定高さを前記プリセット値に等しくして、前記比例関係を一定値にさせ、
又は、
前記所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定高さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算し、
又は、
カメラが収集する現在のビューにおいて常に超音波プローブの一部の側縁輪郭があるようにカメラの取付位置を設定し、撮像比例関係を確立する際、カメラ中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビューにおける参照距離によって撮像比例関係を計算する。
【0026】
任意で、前記カメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面上に位置する場合、
前記撮像ユニットは、前記参照ビューを形成するとき、前記カメラの中心線が前記参照ビューの中心に位置し、前記参照ビューは超音波ファンスイープ平面の中垂面の投影を横軸とし、前記横軸に垂直な方向を縦方向とするように配置され、
実際位置特定軌跡計算ユニットは、実際横方向変位計算サブユニットと実際縦方向変位計算サブユニットを含み、ここで、前記実際縦方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて、仮想マーク点を前記横軸と重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動させ、前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際縦方向変位を計算するように配置される。
【0027】
任意で、前記カメラの数が1つの場合、前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置計算に基づいて、前記仮想マーク点の仮想横方向変位を計算し、前記仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際横方向変位を計算するように構成され、
前記仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0028】
【0029】
ここで、L0は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブとカメラの中心距離であり、h1は超音波プローブとカメラの高さ距離であり、h2は前記所定位置特定高さであり、θはカメラの収集領域の横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビューの横方向に対応するビュー幅である。
【0030】
任意で、前記カメラの数は2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、
前記撮像ユニットは、前記第1カメラが収集したデータに基づいて形成された第1参照ビューと、前記第2カメラが収集したデータに基づいて形成された第2参照ビューで構成され、
前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記第1参照ビューにおける仮想マーク点の位置と、前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、前記実際横方向変位を計算するように配置され、前記実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0031】
【0032】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブと各カメラの中心距離であり、L1は第1参照ビューにおける仮想マーク点のビュー中心からの横距離であり、L2は第2参照ビューにおける仮想マーク点のビュー中心からの横距離であり、第1カメラと第2カメラの収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビューと第2参照ビューのプリセットビュー幅はいずれもLである。
【0033】
任意で、前記カメラの数は2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線の少なくとも1つのカメラの中心線は、超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、
前記撮像ユニットは、前記第1カメラが収集したデータに基づいて形成された第1参照ビューと、前記第2カメラが収集したデータに基づいて形成された第2参照ビューで構成され、
前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算し、さらに、前記仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び前記撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算するように配置され、
前記仮想横方向変位と前記仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ中心線の仮想投影点を原点とし、超音波プローブファンスイープ平面の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブファンスイープ平面の中垂面の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューの仮想マーク点の位置に基づいて、仮想マーク点の座標計算式群を確立し、
【0034】
【0035】
ここで、仮想マーク点41の座標は(x1,y1)であり、θ1は第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角であり、前記第1カメラ21の座標位置は(a1,b1)、前記第2カメラ22の座標位置は(a2,b2)、θ2は第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角である。
【0036】
任意で、前記参照ビューにおいて又は前記参照ビュー表示装置には参照標尺が設置され、前記参照標尺に対応して目盛値が設定され、且つ前記目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示される。
【0037】
任意で、前記病巣位置特定システムには、少なくとも2組のカメラ群が設置され、カメラ群毎の数は1つ又は2つのカメラであり、各前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、1組の前記カメラ群に基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を取得し、前記プロセッサは検証ユニットをさらに含み、前記検証ユニットは、少なくとも2つの検証待ちの実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を取得する。
【0038】
任意で、前記プロセッサは、
カメラと超音波プローブの実際位置関係に基づいて参照ビューにおいて超音波プローブの中心線を仮想投影点として融合し、
前記実際位置特定軌跡を決定する際、参照ビューにおける仮想マーク点と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点とが重なり合うまで参照ビューにおいて超音波プローブの移動を制御するようにさらに配置される。
【発明の効果】
【0039】
本発明の病巣位置特定方法及び病巣位置特定システムは、カメラによって撮像データを収集して参照ビューを形成し、参照ビューによって超音波プローブを補助して迅速な位置特定を行い、位置特定の難易度の低減、病巣の位置特定効率向上、操作時間の節約を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明において単一のカメラを用いた画像収集コンポーネントの例示的な構造の概略図である。
【
図2】超音波プローブが所定位置特定高さにあるときの、
図1における画像収集コンポーネントの正面視方向におけるマーク、病巣との位置関係の概略図である。
【
図3】
図1の画像収集コンポーネントの左方向上におけるビューである。
【
図4】
図1における画像収集コンポーネントの超音波プローブが所定位置特定高さにあるときの超音波プローブ、カメラ及びマークの位置関係図である。
【
図5】
図1の収集コンポーネントを用いて形成される例示的な参照ビューである。
【
図6】超音波プローブが所定位置特定高さにあるときの、画像収集コンポーネントと、マーク、病巣との位置関係図である(カメラは対称配置である)。
【
図7】
図6における、超音波プローブ、カメラ及びマークの位置関係図である。
【
図8】
図6の画像収集コンポーネントを用い、対応して形成された第1参照ビューである。
【
図9】
図6の画像収集コンポーネントを用い、対応して形成された第2参照ビューである。
【
図10】超音波プローブが所定位置特定高さにあるときの、画像収集コンポーネントの3次元空間内でのマーク、病巣との位置関係図である(カメラは非対称配置である)。
【
図11】超音波プローブが所定位置特定高さにあるときの、画像収集コンポーネントの正面視方向でのマーク、病巣との位置関係図である(カメラは非対称配置である)。
【
図12】超音波プローブが所定位置特定高さにあるときの、画像収集コンポーネントの左方向でのマーク、病巣との位置関係図である(カメラは非対称配置である)。
【
図13】
図10の画像収集コンポーネントを用いて、超音波プローブを原点として確立された座標系の模式図である。
【
図14】
図10の画像収集コンポーネントを用い、対応して形成された第1参照ビューである。
【
図15】
図10の画像収集コンポーネントを用い、対応して形成された第2参照ビューである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、本発明の実施形態を特定の具体的な実施例によって説明する。この技術に詳しい人物は、本明細書での開示内容から、本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。
【0042】
なお、本明細書にて使用する「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」及び「一」などの用語については、本発明が実施可能な範囲、その相対関係の変更又は調整を限定するためのものではなく、説明を容易にするためのものに過ぎず、実質的に技術内容の変更がない限り、本発明が実施可能な範疇とみなされる。
【0043】
本発明は病巣位置特定方法を提供し、
図1~15を参照すると、体表のマーク31の位置特定によって病巣32の位置を特定し、位置特定の際、画像収集コンポーネントを用いてマーク31の位置特定を行い、超音波プローブ1の中心線13をマーク31と重ね合わせ、超音波プローブ1はマーク31、即ち、病巣32に位置合わせされる。ここで、画像収集コンポーネントは、超音波プローブ1及び少なくとも1つのカメラ2を含み、各カメラ2は、超音波プローブ1のファンスイープ平面11の片側又は両側に分布して、超音波プローブ1の相対位置と固定を保持し、且つカメラ2の中心線23は前記超音波プローブ1の中心線13と平行であり、前記病巣位置特定方法は以下のステップを含む。
【0044】
S1、カメラ2(21、22を含む)がリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビュー4(41、42を含む)を形成し、参照ビュー4の寸法はプリセット寸法であり、且つ参照ビュー4にはマーク31に対応する仮想マーク点41が形成される。
【0045】
S2、仮想マーク点41の参照ビュー4における位置を踏まえて、カメラ2と超音波プローブ1の実際位置関係に基づいて、超音波プローブ1の中心線13をマーク31と重ね合わせる実際位置特定軌跡を決定する。
【0046】
本発明の病巣位置特定方法は、カメラ2によって撮像データを収集して参照ビュー4を形成して、参照ビュー4におけるマーク31点の位置により超音波プローブ1を補助して迅速な位置特定を行い、参照ビュー4を形成した後は、人為的な操作を必要とせず、参照ビュー4に基づいて画像収集コンポーネントの移動を制御して位置特定を完成することができ、位置特定の難易度を低減しているだけでなく、病巣の位置特定効率を向上させ、操作時間を節約することもできる。
【0047】
いくつかの実施例において、カメラ2がリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビュー4(S1)を形成する方法は以下のステップを含む。
【0048】
S101、所定位置特定指令を入力して、画像収集コンポーネントを所定位置特定指令に基づいてマーク31の上に移動させる。
【0049】
S103、画像収集コンポーネントが該所定位置特定指令を完了した後、カメラ2がリアルタイムで収集して形成された現在のビューにおいて、マーク31に対応する仮想マーク点41が含まれるか否かを判断する。
【0050】
仮想マーク点41が含まれる場合は、現在のビューを参照ビュー4として、超音波プローブ1のマーク31からの現在の高さ距離を所定位置特定高さh2とし、仮想マーク点41が含まれない場合は、参照ビュー4が形成されるまで、所定位置特定指令を再び入力する。
【0051】
上述及び後述の実施例において、超音波プローブ1はBモードの超音波プローブであり、Bモードの超音波プローブが収集した超音波データを処理し、現在の高さ距離を取得することができ、従来のBモードの超音波プローブが形成する超音波ビューにおいて、現在の高さ距離を直接読み取ることもでき、このような方法で現在の高さを取得する際、超音波プローブが所定位置特定高さにある場合、超音波プローブの収集範囲はマーク点をカバーする必要があり、もちろん、実際の実施過程では、他の装置を用いて現在の高さ距離を取得することもできるが、このような超音波プローブ1を用いて現在の高さ距離を直接取得する方法は、装置を簡略化し、コストを削減するのに有利である。
【0052】
いくつかの実施例において、実際位置特定軌跡(S2)を計算する方法は以下のステップをさらに含む。
【0053】
S201、所定位置特定高さh2に基づいて画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定し、超音波プローブ1を、超音波プローブ1の中心線13に垂直であり、且つ所定位置特定高さに対応する平面であるプリセット平面内で移動させる。このように高さ所定位置特定を先に行ってから画像収集コンポーネントの運動範囲を決めるという方式は、運動軌跡計算の煩雑さを簡略化し、病巣の位置特定効率を大幅に向上させるのに有利である。
【0054】
いくつかの実施例において、参照ビュー4(S1)を形成する方法は以下のステップを含む。
【0055】
S102、現在のビューとカメラ2の実際収集領域の撮像比例関係を確立し、撮像比例関係に基づいて参照ビュー4を形成する。カメラ2の収集角度範囲は固定パラメータであるため、カメラ2がマーク31点からの高さに近い場合、参照ビュー4に対応する収集領域の実際面積は相対的に小さく、逆に、カメラ2がマーク31点からの高さから遠い場合、参照ビュー4に対応する収集領域の実際面積は相対的に大きく、これにより撮像比例は所定位置特定高さの変化に応じて変化する。
【0056】
実際の実施過程において、撮像比例関係を確立する際、所定位置特定高さのプリセット値を設定して、所定位置特定指令を入力することにより、所定位置特定高さをプリセット値に等しくさせ、比例関係を一定値にさせてよく、つまり、実際位置特定軌跡の前に、超音波プローブ1をマーク31から固定高さ差のある位置まで移動させることで、演算データ量を低減し、より迅速な位置特定を実現することに有利である。もちろん、実際の実施過程において、所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定高さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算することもできる。
【0057】
実際の実施過程において、カメラ2の取付位置を変更することで、カメラ2が収集する現在のビューに常に超音波プローブ1の一部の側縁輪郭43(
図8、
図9を参照)があるようにすることもでき、このようにした場合は該撮像比例関係を確立する際、カメラ2中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビュー4における参照距離によって撮像比例関係を計算する。
【0058】
以下の各実施例では、実際位置特定軌跡を計算する方法を具体的に説明する。
【0059】
いくつかの実施例において、
図1~
図9を参照すると、カメラ2の中心線23が超音波プローブのファンスイープ平面11の中垂面12上に位置するとき、参照ビュー4を形成する際、カメラ2の中心線23が参照ビュー4の中心に位置し、参照ビュー4は超音波ファンスイープ平面11の中垂面12の投影を横軸とし、横軸に垂直な方向を縦方向とする場合、実際位置特定軌跡を計算する方法は以下のステップを含む。
【0060】
S202、実際横方向変位と実際縦方向変位をそれぞれ計算する。
【0061】
S2021、実際縦方向変位を計算する方法は、以下のステップを含む。
【0062】
S2021a、仮想マーク点41の参照ビュー4における位置に基づいて、仮想マーク点41を横軸に重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動する。
【0063】
S2021b、前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づいて実際縦方向変位を計算する。
【0064】
いくつかの実施例において、
図1~
図5を参照すると、カメラ2の数が少なくとも1つある場合、
S2022、実際横方向変位を計算する方法は以下のステップを含む。
【0065】
S2022a、仮想マーク点41の参照ビュー4における位置に基づいて計算し、仮想マーク点41の仮想横方向変位を計算する。
【0066】
S2022a、仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づいて実際横方向変位を計算する。
【0067】
具体的に、仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0068】
【0069】
ここで、L0は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブ1とカメラ2の中心距離であり、h1は超音波プローブ1とカメラ2の高さ距離であり、h2は前記所定位置特定高さであり、θはカメラ2の収集領域が横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビュー4の横方向において対応するビュー幅である。
【0070】
実際の実施過程において、超音波プローブ1のファンスイープ平面11は扇形であってもよいが、扇形に限定されない。
【0071】
いくつかの実施例では、参照ビュー設置位置に対応し形状が固定された参照標尺42を設置し、参照標尺42に対応して目盛値が設定され、且つ目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示され、
図5において、参照標尺42は参照ビュー4に融合形成され、参照標尺42は表示ウィンドウ内の画像の移動に伴って位置を変更せず、撮像比例の変化に伴っても変化することはなく、標尺42に基づいて実際横方向変位を直感的に観察することが容易であり、所定位置特定高さh
2を一定値に予め設定する場合、表示する目盛値は一定値であり、該参照標尺を参照ビューにおいて形成してもよく、該標尺を表示パネルなど参照ビューを表示するための装置において設定してもよい。
【0072】
別の実施例では、
図6~
図9を参照すると、カメラ2の数は2つであり、第1カメラ21と第2カメラ22を含み、第1カメラ21と第2カメラ22は超音波プローブ1のファンスイープ平面11の両側に対称分布し、第1カメラ21、第2カメラ22と超音波プローブ1との高さ差は等しく、第1カメラ21が収集して形成されるのは第1参照ビュー4a(
図8を参照)であり、第2カメラ22が収集して形成されるのは第2参照ビュー4b(
図9)である場合、以下のステップを含む。
【0073】
S2022、実際横方向変位を計算する方法は、第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41の位置と、第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41の位置とに基づいて、前記実際横方向変位を計算する。
【0074】
具体的に、実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0075】
【0076】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブ1と各カメラ2の中心距離であり、L1は第1参照ビュー4a4においての仮想マーク点41からビュー中心までの横距離であり、L2は第2参照ビュー4bにおいての仮想マーク点41からビュー中心までの横距離であり、第1カメラ21と第2カメラ22の収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビュー4aと第2参照ビュー4bのプリセットビュー幅はいずれもLである。
【0077】
さらに他の実施例では、
図10~
図15を参照すると、これもカメラ2の数は2つであり、第1カメラ21と第2カメラ22を含むが、第1カメラ21と第2カメラ22は超音波プローブ1のファンスイープ平面11の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線における少なくとも1つのカメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ21、第2カメラ22と超音波プローブ1の高さ差は等しく、第1カメラ21が収集して形成されるのは第1参照ビュー4aであり、第2カメラ22が収集して形成されるのは第2参照ビュー4bである場合、
S202、実際位置特定軌跡を計算する方法は以下のステップを含む。
【0078】
S2021、第1参照ビュー4a(
図14)及び第2参照ビュー4b(
図15)における仮想マーク点41の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算する。
【0079】
S2022、さらに、仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算する。
【0080】
このような方法では、第1カメラ21、第2カメラ22と超音波プローブ1の相対的な設置位置が柔軟で、使用過程において他の機器を避けるのに有利で、適応範囲がより広い。
【0081】
具体的に、S2021において、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ1中心線13の仮想投影点を原点とし、超音波プローブのファンスイープ平面11の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブのファンスイープ平面11の中垂面12の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、第1参照ビュー4aと第2参照ビュー4bの仮想マーク点41の位置に基づいて、仮想マーク点41の座標計算式群を確立し、
【0082】
【0083】
ここで、仮想マーク点41の座標は(x1,y1)であり、θ1は第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角であり、前記第1カメラ21の座標位置は(a1,b1)、前記第2カメラ22の座標位置は(a2,b2)、θ2は第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角である。
【0084】
実際の実施過程において、各カメラに対して少なくとも2組のカメラ群を形成し、カメラ群毎には、1つ又は2つのカメラが含まれ、1組のカメラ群が収集して形成した参照ビューに基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を形成し、少なくとも2つの検証待ちの実際位置特定軌跡に基づいて検証して最終的な実際位置特定軌跡を取得することができる。
【0085】
具体的に、いくつかの実施例において、前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しい。病巣位置特定の際、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された第1参照ビュー又は第2参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、つまり、単一のカメラに基づいて第1実際位置特定軌跡を決定する。第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、つまり、2つのカメラに基づいて第2実際位置特定軌跡を決定し、さらに、第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する。
【0086】
別の実施例において、カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面に分布し、第1カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第2カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第1カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する。
【0087】
さらに別の実施例において、カメラの数は少なくとも3つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラを含み、第1カメラ、第3カメラは超音波プローブファンスイープ平面の一方側に分布し、第2カメラは超音波プローブファンスイープ平面の他方側に分布し、第3カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラの中心線と第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第3カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラに対応して形成された第1参照ビュー及び第2参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する。
【0088】
さらに別の実施例において、カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡と前記第2位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する。
【0089】
さらにある実施例において、カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第3実際位置特定軌跡を計算し、前記第1位置特定軌跡、前記第2位置特定軌跡、第3実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する。
【0090】
各検証待ちの位置特定軌跡(第1位置特定軌跡又は前記第2位置特定軌跡又は第3実際位置特定軌跡)に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する場合、各スタンバイチェック位置特定軌跡の差値が予め設定された閾値より大きい場合、警告することができ、異常警告信号を発することができる。各スタンバイチェック位置特定軌跡の差値が予め設定された閾値以下であれば、各スタンバイチェック位置特定軌跡に対して平均値を求め、該平均値を最終的な実際位置特定軌跡とすることができる。
【0091】
上記各実施例において、実際位置特定軌跡は計算により決定され、その後、計算された実際位置特定軌跡に基づいて超音波プローブ1の移動を制御し、つまり、画像収集コンポーネント全体の移動を制御する。実際の実施過程においては、実際位置特定軌跡について計算するのではなく、カメラ2と超音波プローブ1の実際位置関係に基づいて参照ビュー4において超音波プローブ1の中心線13を仮想投影点として融合して、参照ビュー4における仮想マーク点41と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点41が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点41とが参照ビュー4において重なり合うまで超音波プローブ1の移動を制御する(つまり画像収集コンポーネントの移動を制御する)ことができる。ここで、参照ビュー4において前記仮想投影点を融合形成する場合、カメラ2の中心線23は参照ビュー4上で参照ビューの中心位置に対応し、超音波プローブ1の中心線23はカメラ2の中心線の方位、仮想投影点及び仮想マーク点41の方向に対応し、超音波プローブ1の中心線23とカメラ2の中心線の方位、仮想投影点及び仮想マーク点41の距離は撮像比例決定に応じて決定される。
【0092】
相応に、本発明は、体表のマーク31の位置特定によって病巣の位置を特定する病巣位置特定システムをさらに提供し、該病巣位置特定システムが病巣の位置を特定する詳細な方法及び効果については上述の病巣位置特定方法を参照されたく、本発明の病巣位置特定システムは、
超音波プローブ1と、前記超音波プローブ1のファンスイープ平面11の片側又は両側に分布して、前記超音波プローブ1の相対位置と固定を保持し、且つ中心線23が前記超音波プローブ1の中心線13と平行であるカメラである少なくとも1つのカメラと、を有する画像収集コンポーネントと、
前記カメラ2がリアルタイムで収集したデータに基づいて形成され、寸法は固定数値であり、且つ前記マーク31に対応する仮想マーク点41が形成される参照ビュー4表示するための参照ビュー表示装置(図示せず)と、
前記仮想マーク点41の前記参照ビュー4における位置を踏まえ、前記カメラ2と前記超音波プローブ1の実際位置関係に基づいて前記超音波プローブ1の中心線13とマーク31とが重なり合う実際位置特定軌跡を計算するように配置される実際位置特定軌跡計算ユニットを有するプロセッサ(図示せず)と、を含む。
【0093】
実際の実施過程において、上述のプロセッサは、中央プロセッサ(Central Processing Unit、略称CPU)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、略称NP)などを含む汎用プロセッサであってもよく、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing、略称DSP)、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、略称ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、略称FPGA)、又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。
【0094】
いくつかの実施例において、前記病巣位置特定システムは、
所定位置特定指令を入力して、前記画像収集コンポーネントを前記所定位置特定指令に基づいてマーク31の上に移動させるための所定位置特定指令入力ユニットと、
画像収集コンポーネントの移動を連動するための実行機構と、をさらに含み、
ここで、前記プロセッサは、前記所定位置特定指令に基づいて前記実行機構の移動を制御し、前記実行機構が該所定位置特定指令に対応する動作を実行した後、カメラ2収集で形成された現在のビューにおいてマーク31に対応する仮想マーク点41が含まれるか否かを判断し、仮想マーク点41が含まれる場合、現在のビューを参照ビュー4とするように配置された所定位置特定処理ユニットをさらに含む。
【0095】
いくつかの実施例において、前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、運動境界条件を計算するための運動境界条件計算サブユニットを有し、前記運動境界条件計算サブユニットは、前記所定位置特定高さに基づいて前記画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定して、前記超音波プローブ1がプリセット平面内で移動するように配置され、ここで、前記プリセット平面は、超音波プローブ1の中心線13に垂直であり、且つ前記所定位置特定高さに対応する平面である。
【0096】
いくつかの実施例において、前記プロセッサは、現在のビューとカメラ2の実際収集領域の撮像比例関係を確立し、前記撮像比例関係に基づいて前記参照ビュー4を形成するように配置された撮像ユニットをさらに含む。
【0097】
実際の実施過程において、撮像比例関係を確立する際、所定位置特定高さのプリセット値を設定し、所定位置特定指令を入力することにより所定位置特定高さプリセット値に等しくして、比例関係を一定値にさせ、つまり、実際位置特定軌跡の前に、超音波プローブ1をマーク31から固定高さ差のある位置に移動することができ、演算データ量を低減し、より迅速な定位を実現することに有利である。もちろん、実際の実施過程において、所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算することもできる。
【0098】
実際の実施過程において、カメラ2の取付位置を変更することにより、カメラ2が収集する現在のビューにおいて常に超音波プローブ1の一部の側縁輪郭があるようにカメラの取付位置を設定し、該撮像比例関係を確立する際、カメラ2中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビュー4における参照距離によって撮像比例関係を計算することもできる。
【0099】
いくつかの実施例では、前記カメラ2の中心線23が超音波プローブのファンスイープ平面11の中垂面12上に位置する場合、
前記撮像ユニットは、前記参照ビュー4を形成するとき、前記カメラ2の中心線23が前記参照ビュー4の中心に位置し、前記参照ビュー4は超音波ファンスイープ平面11の中垂面12の投影を横軸とし、前記横軸に垂直な方向を縦方向とするように配置される。
【0100】
実際位置特定軌跡計算ユニットは、実際横方向変位計算サブユニットと実際縦方向変位計算サブユニットを含み、ここで、前記実際縦方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点41の前記参照ビュー4における位置に基づいて、仮想マーク点41を前記横軸と重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動させ、前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際縦方向変位を計算するように配置される。
【0101】
いくつかの実施例では、前記カメラ2の数が1つの場合、前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点41の前記参照ビュー4における位置計算に基づいて、前記仮想マーク点41の仮想横方向変位を計算し、前記仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際横方向変位を計算するように構成され、
前記仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0102】
【0103】
ここで、L0は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブ1とカメラ2の中心距離であり、h1は超音波プローブ1とカメラ2の高さ距離であり、h2は前記所定位置特定高さであり、θはカメラ2の収集領域の横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビュー4の横方向に対応するビュー幅である。
【0104】
いくつかの実施例では、
図5を参照すると、参照ビュー4において、位置形状が固定された参照標尺が設置されており、参照標尺42に対応して目盛値が設定され、且つ目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示され、実際の実施過程においては、参照ビュー表示装置上に参照標尺を設置することもできる。
【0105】
いくつかの実施例において、前記カメラ2の数は2つであり、第1カメラ21と第2カメラ22を含み、第1カメラ21と第2カメラ22は超音波プローブ1のファンスイープ平面11の両側に対称分布し、第1カメラ21、第2カメラ22と超音波プローブ1の高さ差は等しく、
前記撮像ユニットは、前記第1カメラ21が収集したデータに基づいて形成された第1参照ビュー4aと、前記第2カメラ22が収集したデータに基づいて形成された第2参照ビュー4bで構成され、
前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41の位置と、前記第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41の位置に基づいて、前記実際横方向変位を計算するように配置され、前記実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【0106】
【0107】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブ1と各カメラ2の中心距離であり、L1は第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41のビュー中心からの横距離であり、L2は第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41のビュー中心からの横距離であり、第1カメラ21と第2カメラ22の収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビュー4aと第2参照ビュー4bのプリセットビュー幅はいずれもLである。
【0108】
いくつかの実施例において、前記カメラ2の数は2つであり、第1カメラ21と第2カメラ22を含み、第1カメラ21と第2カメラ22は超音波プローブ1のファンスイープ平面11の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線の少なくとも1つのカメラの中心線は、超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ21、第2カメラ22と超音波プローブ1の高さ差は等しく、このとき、第1カメラ21、第2カメラ22と超音波プローブ1との相対的な設置位置は柔軟であり、使用過程において他の機器を避けるのに有利であり、適応範囲がより広い。
【0109】
このとき、前記撮像ユニットは、前記第1カメラ21が収集したデータに基づいて形成された第1参照ビュー4aと、前記第2カメラ22が収集したデータに基づいて形成された第2参照ビュー4bで構成され、
前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、前記第1参照ビュー4aと前記第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算し、さらに、前記仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び前記撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算するように配置され、
前記仮想横方向変位と前記仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ1中心線の仮想投影点を原点とし、超音波プローブファンスイープ平面11の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブファンスイープ平面11の中垂面12の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、前記第1参照ビュー4aと前記第2参照ビュー4bの仮想マーク点41の位置に基づいて、仮想マーク点41の座標計算式群を確立し、
【0110】
【0111】
ここで、仮想マーク点41の座標は(x1,y1)であり、θ1は第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角であり、前記第1カメラ21の座標位置は(a1,b1)、前記第2カメラ22の座標位置は(a2,b2)、θ2は第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角である。
【0112】
いくつかの実施例において、前記病巣位置特定システムには、複数組のカメラ群が設置され、カメラ群毎の数は1つ又は2つのカメラであり、各前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、1組の前記カメラ群に基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を取得し、前記プロセッサは検証ユニットをさらに含み、前記検証ユニットは、少なくとも2つの検証待ちの実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を取得する。
【0113】
いくつかの実施例において、プロセッサは、
カメラと超音波プローブの実際位置関係に基づいて参照ビューにおいて超音波プローブの中心線を仮想投影点として融合し、
前記実際位置特定軌跡を決定する際、参照ビューにおける仮想マーク点と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点とが重なり合うまで参照ビューにおいて超音波プローブの移動を制御するようにさらに配置される。
【0114】
上記の各実施例における各ステップのシーケンス番号の大きさは、実行順序の前後を意味するものではなく、各過程の実行順序はその機能と固有の論理により決めるべきであって、本発明の実施例の実施過程に如何なる限定も構成するものではないと理解すべきである。
【0115】
上記実施例は本発明の原理及びその効果を例示的に説明しただけに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。この技術に詳しい人物はみな本発明の精神及び範疇に背かないことを前提に、上述の実施例をアレンジ又は変更することができる。よって、本分野において、一般的な知識を有する人物が、本発明の開示する精神及び技術思想から逸脱することなく完成させたすべての等価なアレンジ又は変更についても、本発明の請求項の範囲に含まれるとすべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 体表のマークの位置特定によって病巣の位置を特定し、位置特定の際、画像収集コンポーネントを用いてマークの位置特定を行い、前記画像収集コンポーネントは、超音波プローブ及び少なくとも1つのカメラを含み、前記カメラは、前記超音波プローブのファンスイープ平面の片側又は両側に分布して、前記超音波プローブの相対位置と固定を保持し、且つ前記カメラの中心線は前記超音波プローブの中心線と平行である病巣位置特定方法において、
前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビューを形成し、前記参照ビューの寸法はプリセット寸法であり、且つ前記参照ビューには前記マークに対応する仮想マーク点が形成されるステップと、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置を踏まえて、前記カメラと前記超音波プローブの実際位置関係に基づいて、前記超音波プローブの中心線をマークと重ね合わせる実際位置特定軌跡を決定するステップと、を含む
ことを特徴とする病巣位置特定方法。
[2] 前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて参照ビューを形成する方法は、
所定位置特定指令を入力して、前記画像収集コンポーネントを前記所定位置特定指令に基づいてマークの上に移動させるステップと、
前記画像収集コンポーネントが該所定位置特定指令を完了した後、カメラがリアルタイムで収集して形成された現在のビューにおいて、マークに対応する仮想マーク点が含まれるか否かを判断するステップと、
仮想マーク点が含まれる場合は、前記現在のビューを前記参照ビューとして、超音波プローブのマークからの現在の高さ距離を所定位置特定高さとし、仮想マーク点が含まれない場合は、前記参照ビューが形成されるまで、所定位置特定指令を再び入力するステップと、を含む
ことを特徴とする[1]に記載の病巣位置特定方法。
[3] 前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、
前記所定位置特定高さに基づいて前記画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定し、前記超音波プローブを、超音波プローブの中心線に垂直であり、且つ前記所定位置特定高さに対応する平面であるプリセット平面内で移動させるステップをさらに含む
ことを特徴とする[2]に記載の病巣位置特定方法。
[4] 前記参照ビューを形成する方法は、
現在のビューとカメラの実際収集領域の撮像比例関係を確立し、前記撮像比例関係に基づいて前記参照ビューを形成するステップと、
前記所定位置特定高さのプリセット値を設定し、所定位置特定指令を入力することにより、前記所定位置特定高さを前記プリセット値に等しくさせ、前記比例関係を一定値にさせるステップ、
又は、
前記所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定高さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算するステップ、
又は、
カメラが収集する現在のビューに常に超音波プローブの一部の側縁輪郭があるようにカメラの取付位置を設定し、撮像比例関係を確立する際、カメラ中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビューにおける参照距離によって撮像比例関係を計算するステップと、を含む
ことを特徴とする[2]に記載の病巣位置特定方法。
[5] 前記カメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面上に位置するとき、前記参照ビューを形成する際に、前記カメラの中心線が前記参照ビューの中心に位置し、前記参照ビューは超音波ファンスイープ平面の中垂面の投影を横軸とし、前記横軸に垂直な方向を縦方向とする場合、前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、実際横方向変位と実際縦方向変位をそれぞれ計算するステップを含み、
前記実際縦方向変位を計算する方法は、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて、仮想マーク点を前記横軸に重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動するステップと、
前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際縦方向変位を計算するステップと、を含む
ことを特徴とする[4]に記載の病巣位置特定方法。
[6] 前記カメラの数は少なくとも1つであり、単一のカメラで形成された参照ビューによって前記実際位置特定軌跡を計算する場合、前記実際横方向変位を計算する方法は、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて計算するステップと、前記仮想マーク点の仮想横方向変位を計算するとともに、前記仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際横方向変位を計算するステップと、を含み、前記仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数13】
ここで、L
0
は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブとカメラの中心距離であり、h
1
は超音波プローブとカメラの高さ距離であり、h
2
は前記所定位置特定高さであり、θはカメラの収集領域が横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビューの横方向において対応するビュー幅である
ことを特徴とする[5]に記載の病巣位置特定方法。
[7] 前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて前記実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブとの高さ差は等しく、前記第1カメラが収集して形成されるのは第1参照ビューであり、前記第2カメラが収集して形成されるのは第2参照ビューである場合、
前記実際横方向変位を計算する方法は、前記第1参照ビューにおける仮想マーク点の位置と、前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置とに基づいて、前記実際横方向変位を計算するステップを含み、前記実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数14】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブと各カメラの中心距離であり、L
1
は第1参照ビューにおいての仮想マーク点からビュー中心までの横距離であり、L
2
は第2参照ビューにおいての仮想マーク点からビュー中心までの横距離であり、第1カメラと第2カメラの収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビューと第2参照ビューのプリセットビュー幅はいずれもLである
ことを特徴とする[5]に記載の病巣位置特定方法。
[8] 前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて前記実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線における少なくとも1つのカメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、前記第1カメラが収集して形成されるのは第1参照ビューであり、前記第2カメラが収集して形成されるのは第2参照ビューである場合、前記実際位置特定軌跡を計算する方法は、前記第1参照ビュー及び前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算し、さらに、前記仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び前記撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算するステップを含み、
前記仮想横方向変位と前記仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ中心線の仮想投影点を原点とし、超音波プローブのファンスイープ平面の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューの仮想マーク点の位置に基づいて、仮想マーク点の座標計算式群を確立し、
【数15】
ここで、仮想マーク点41の座標は(x
1
,y
1
)であり、θ
1
は第1参照ビュー4aにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角であり、前記第1カメラ21の座標位置は(a
1
,b
1
)、前記第2カメラ22の座標位置は(a
2
,b
2
)、θ
2
は第2参照ビュー4bにおける仮想マーク点41と超音波プローブのファンスイープ平面(X軸に対応)との挟角である
ことを特徴とする[4]に記載の病巣位置特定方法。
[9] 前記参照ビュー設置位置に対応し形状が固定された参照標尺を設置し、前記参照標尺に対応して目盛値が設定され、且つ目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示される
ことを特徴とする[1]~[8]のいずれか一項に記載の病巣位置特定方法。
[10] 各カメラに対して少なくとも2組のカメラ群を形成し、カメラ群毎には、1つ又は2つのカメラが含まれ、1組のカメラ群が収集して形成した参照ビューに基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を形成し、少なくとも2つの検証待ちの実際の位置特定軌跡に基づいて検証して最終的な実際位置特定軌跡を取得する病巣位置特定方法において、
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面に分布し、前記第1カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第2カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第1カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、2つのカメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも3つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラを含み、第1カメラ、第3カメラは超音波プローブファンスイープ平面の一方側に分布し、第2カメラは超音波プローブファンスイープ平面の他方側に分布し、第3カメラの中心線は超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第1カメラの中心線と第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、病巣位置特定の際、第3カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
又は、
前記カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡と前記第2実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定し、
前記カメラの数は少なくとも4つであり、第1カメラ、第2カメラ、第3カメラ、第4カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、前記第1カメラと第2カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面上に位置し、第3カメラと第4カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ前記第3カメラと第4カメラの中心線はいずれも超音波プローブファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラと第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第1実際位置特定軌跡を計算し、第3カメラと第4カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第2実際位置特定軌跡を計算し、第1カメラ又は第2カメラに対応して形成された参照ビューに基づいて第3実際位置特定軌跡を計算し、前記第1実際位置特定軌跡、前記第2実際位置特定軌跡、第3実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を決定する
ことを特徴とする[4]に記載の病巣位置特定方法。
[11] カメラと超音波プローブの実際位置関係に基づいて参照ビューにおいて超音波プローブの中心線を仮想投影点として融合するステップと、
前記実際位置特定軌跡を決定する際、参照ビューにおける仮想マーク点と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点とが重なり合うまで参照ビューにおいて超音波プローブの移動を制御するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする[4]に記載の病巣位置特定方法。
[12] 体表のマークの位置特定によって病巣の位置を特定する病巣位置特定システムであって、
超音波プローブと、前記超音波プローブのファンスイープ平面の片側又は両側に分布して、前記超音波プローブの相対位置と固定を保持し、且つ中心線が前記超音波プローブの中心線と平行であるカメラである少なくとも1つのカメラと、を有する画像収集コンポーネントと、
前記カメラがリアルタイムで収集したデータに基づいて形成され、寸法は固定数値であり、且つ前記マークに対応する仮想マーク点が形成される参照ビューを表示するための参照画像表示装置と、
前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置を踏まえて、前記カメラと前記超音波プローブの実際位置関係に基づいて、前記超音波プローブの中心線とマークとが重なり合う実際位置特定軌跡を計算するように配置される実際位置特定軌跡計算ユニットを有するプロセッサと、を含む
ことを特徴とする病巣位置特定システム。
[13] 所定位置特定指令を入力して、前記画像収集コンポーネントを前記所定位置特定指令に基づいてマークの上に移動させるための所定位置特定指令入力ユニットと、
画像収集コンポーネントの移動を連動するための実行機構と、をさらに含み、
ここで、前記プロセッサは、前記所定位置特定指令に基づいて前記実行機構の移動を制御し、前記実行機構が該所定位置特定指令に対応する動作を実行した後、カメラ収集で形成された現在のビューにおいてマークに対応する仮想マーク点が含まれるか否かを判断し、仮想マーク点が含まれる場合、現在のビューを参照ビューとするように配置された所定位置特定処理ユニットをさらに含む
ことを特徴とする[12]に記載の病巣位置特定システム。
[14] 前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、運動境界条件を計算するための運動境界条件計算サブユニットを有し、前記運動境界条件計算サブユニットは、前記所定位置特定高さに基づいて前記画像収集コンポーネントの運動境界条件を限定して、前記超音波プローブがプリセット平面内で移動するように配置され、ここで、前記プリセット平面は、超音波プローブの中心線に垂直であり、且つ前記所定位置特定高さに対応する平面である
ことを特徴とする[13]に記載の病巣位置特定システム。
[15] 前記プロセッサは、現在のビューとカメラの実際収集領域の撮像比例関係を確立し、前記撮像比例関係に基づいて前記参照ビューを形成するように配置された撮像ユニットをさらに含み、
前記所定位置特定高さのプリセット値を設定し、所定位置特定指令を入力することにより前記所定位置特定高さを前記プリセット値に等しくして、前記比例関係を一定値にさせ、
又は、
前記所定位置特定高さのプリセット値を変数として撮像比例関係の計算モデルを確立し、所定位置特定高さの数値を取得した後に実際撮像比例関係を計算し、
又は、
カメラが収集する現在のビューにおいて常に超音波プローブの一部の側縁輪郭があるようにカメラの取付位置を設定し、撮像比例関係を確立する際、カメラ中心線から側縁輪郭までの実際距離と参照ビューにおける参照距離によって撮像比例関係を計算する
ことを特徴とする[13]に記載の病巣位置特定システム。
[16] 前記カメラの中心線が超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面上に位置する場合、
前記撮像ユニットは、前記参照ビューを形成するとき、前記カメラの中心線が前記参照ビューの中心に位置し、前記参照ビューは超音波ファンスイープ平面の中垂面の投影を横軸とし、前記横軸に垂直な方向を縦方向とするように配置され、
実際位置特定軌跡計算ユニットは、実際横方向変位計算サブユニットと実際縦方向変位計算サブユニットを含み、ここで、前記実際縦方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置に基づいて、仮想マーク点を前記横軸と重なり合うために必要な仮想縦方向変位に移動させ、前記仮想縦方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際縦方向変位を計算するように配置される
ことを特徴とする[15]に記載の病巣位置特定システム。
[17] 前記カメラの数が1つの場合、前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記仮想マーク点の前記参照ビューにおける位置計算に基づいて、前記仮想マーク点の仮想横方向変位を計算し、前記仮想横方向変位と前記撮像比例関係に基づいて前記実際横方向変位を計算するように構成され、
前記仮想横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数16】
ここで、L
0
は仮想横方向変位成分であり、aは超音波プローブとカメラの中心距離であり、h
1
は超音波プローブとカメラの高さ距離であり、h
2
は前記所定位置特定高さであり、θはカメラの収集領域の横方向上で対応する可視角度であり、Lは参照ビューの横方向に対応するビュー幅である
ことを特徴とする[16]に記載の病巣位置特定システム。
[18] 前記カメラの数は2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に対称分布し、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、
前記撮像ユニットは、前記第1カメラが収集したデータに基づいて形成された第1参照ビューと、前記第2カメラが収集したデータに基づいて形成された第2参照ビューで構成され、
前記実際横方向変位計算サブユニットは、前記第1参照ビューにおける仮想マーク点の位置と、前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、前記実際横方向変位を計算するように配置され、前記実際横方向変位の計算式は以下を満たし、
【数17】
ここで、yは実際横方向変位成分であり、aは超音波プローブと各カメラの中心距離であり、L
1
は第1参照ビューにおける仮想マーク点のビュー中心からの横距離であり、L
2
は第2参照ビューにおける仮想マーク点のビュー中心からの横距離であり、第1カメラと第2カメラの収集画像の横方向上での可視角度はいずれもθであり、第1参照ビューと第2参照ビューのプリセットビュー幅はいずれもLである
ことを特徴とする[17]に記載の病巣位置特定システム。
[19] 前記カメラの数は2つであり、第1カメラと第2カメラを含み、第1カメラと第2カメラは超音波プローブのファンスイープ平面の両側に分布し、且つ第1カメラの中心線と第2カメラの中心線の少なくとも1つのカメラの中心線は、超音波プローブのファンスイープ平面の中垂面からずれており、第1カメラ、第2カメラと超音波プローブの高さ差は等しく、
前記撮像ユニットは、前記第1カメラが収集したデータに基づいて形成された第1参照ビューと、前記第2カメラが収集したデータに基づいて形成された第2参照ビューで構成され、
前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューにおける仮想マーク点の位置に基づいて、仮想横方向変位と仮想縦方向変位を計算し、さらに、前記仮想横方向変位、仮想縦方向変位及び前記撮像比例関係に基づいて、実際横方向変位と実際縦方向変位を計算するように配置され、
前記仮想横方向変位と前記仮想縦方向変位を計算する際、超音波プローブ中心線の仮想投影点を原点とし、超音波プローブファンスイープ平面の仮想ファンスイープ投影線をY軸とし、超音波プローブファンスイープ平面の中垂面の仮想中垂投影線をX軸として座標系を確立し、前記第1参照ビューと前記第2参照ビューの仮想マーク点の位置に基づいて、仮想マーク点の座標計算式群を確立し、
【数18】
ここで、仮想マーク点の座標は(x
1
,y
1
)であり、前記第1参照ビューにおいて、θ
1
は第1カメラの収集領域のX軸に対応する幅方向上での可視角度であり、前記第1カメラの座標位置は(a
1
,b
1
)であり、前記第2カメラの座標位置は(a
2
,b
2
)であり、θ
2
は第2カメラの収集領域のX軸に対応する幅方向での可視角度である
ことを特徴とする[15]に記載の病巣位置特定システム。
[20] 前記参照ビューにおいて又は前記参照ビュー表示装置には参照標尺が設置され、前記参照標尺に対応して目盛値が設定され、且つ前記目盛値は、撮像比例に基づいてカメラの実際収集領域に対応する寸法値に換算して表示される
ことを特徴とする[12]~[19]のいずれか一項に記載の病巣位置特定システム。
[21] 前記病巣位置特定システムには、少なくとも2組のカメラ群が設置され、カメラ群毎の数は1つ又は2つのカメラであり、各前記実際位置特定軌跡計算ユニットは、1組の前記カメラ群に基づいて検証待ちの実際位置特定軌跡を取得し、前記プロセッサは検証ユニットをさらに含み、前記検証ユニットは、少なくとも2つの検証待ちの実際位置特定軌跡に基づいて最終的な実際位置特定軌跡を取得する
ことを特徴とする[15]に記載の病巣位置特定システム。
[22] 前記プロセッサは、
カメラと超音波プローブの実際位置関係に基づいて参照ビューにおいて超音波プローブの中心線を仮想投影点として融合し、
前記実際位置特定軌跡を決定する際、参照ビューにおける仮想マーク点と該仮想投影点の位置関係に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点が重なり合う対応する運動方向を決定し、該運動方向に基づいて、仮想投影点と仮想マーク点とが重なり合うまで参照ビューにおいて超音波プローブの移動を制御するようにさらに配置される
ことを特徴とする[15]に記載の病巣位置特定システム。