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7563815外部モデルと連動する生成型人工知能を含むK-GPTソリューションベースの電子装置及び電子装置の制御方法
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  • -外部モデルと連動する生成型人工知能を含むK-GPTソリューションベースの電子装置及び電子装置の制御方法 図1A
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  • -外部モデルと連動する生成型人工知能を含むK-GPTソリューションベースの電子装置及び電子装置の制御方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】外部モデルと連動する生成型人工知能を含むK-GPTソリューションベースの電子装置及び電子装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06N 5/00 20230101AFI20241001BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241001BHJP
【FI】
G06N5/00
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024077267
(22)【出願日】2024-05-10
【審査請求日】2024-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2023-0062471
(32)【優先日】2023-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0082455
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524155286
【氏名又は名称】ペルソナ エイアイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユ スンジェ
【審査官】千葉 久博
(56)【参考文献】
【文献】特許第6118887(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0084510(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0133234(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0052387(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0046964(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0051519(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0055425(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2436549(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 5/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置において、
質疑-応答を実行するための第1人工知能モデルを含むメモリと、
質疑-応答を実行するための第2人工知能モデルを含む外部電子装置と通信を実行するための通信部と、
前記第1人工知能モデル及び前記第2人工知能モデルの内、少なくとも1つを介してユーザの質疑に対する応答を提供するプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
少なくとも1つの文書に対する前記ユーザの前記質疑が獲得されると、前記質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得し、
前記第1人工知能モデルの応答に基づいて前記質疑をアップデートし、
アップデートされた前記質疑に基づいて前記第2人工知能モデルの応答を獲得し、
前記プロセッサは、
前記文書に対する前記第1人工知能モデルの意味論的分析に基づいて前記文書のカテゴリを分類し、
分類された前記カテゴリに基づいて、前記電子装置と連動する知識ベース内に前記文書を貯蔵し、
前記プロセッサは、
前記知識ベース内で前記文書と同じカテゴリに含まれた少なくとも1つの対象文書に基づいて、前記ユーザの質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得する、電子装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記ユーザの質疑に含まれた少なくとも1つのキーワードを識別し、
前記知識ベース内で前記文書と同じカテゴリに含まれた複数の文書を識別し、
前記複数の文書の内、前記キーワードに関連する少なくとも1つの対象文書を選択し、
選択された前記対象文書に基づいて前記ユーザの質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記質疑をアップデートする過程で、前記ユーザの質疑及び前記第1人工知能モデルの応答の内、少なくとも1つに含まれた個人情報を例示的な情報に置き換える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記質疑に関連する第1文書及び前記第1人工知能モデルの応答に関連する第2文書の内、少なくとも1つに一定の等級以上のセキュリティ等級が設定された場合、前記第1人工知能モデルの応答に含まれたセキュリティ情報を識別し、
前記質疑をアップデートする過程で、前記ユーザの質疑及び前記第1人工知能モデルの内、少なくとも1つに含まれた前記セキュリティ情報を例示的な情報に置き換える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
人工知能モデルは、
RNN(Recurrent Neural Network)モデルを含むエンジン、自然言語生成エンジン、自然言語処理エンジン、自然言語理解エンジン、及び対話エンジンの内、少なくとも1つを含み、
前記プロセッサは、
前記文書に基づいて前記人工知能モデルを構成する少なくとも1つのエンジンを訓練する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記ユーザの質疑に従って要請された少なくとも1つの業務を識別し、
識別された前記業務が既設定の第1業務に含まれる場合、前記質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得し、前記第1人工知能モデルの応答に基づいて前記質疑をアップデートし、アップデートされた前記質疑に基づいて、前記第2人工知能モデルの応答を獲得して提供し、
識別された前記業務が既設定された第2業務に含まれる場合、前記質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得して提供する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
識別された前記業務が前記第2業務に含まれた結果、前記第1人工知能モデルの応答が第1の応答として提供された以後、追加の応答を要請するユーザ入力が受信されると、前記第1人工知能モデルの応答に基づいて、前記質疑をアップデートし、アップデートされた前記質疑に基づいて前記第2人工知能モデルの応答を獲得して第2の応答として提供し、
前記第2の応答が提供された場合、前記第2の応答に含まれるが前記第1の応答に含まれない追加情報が存在するかどうかを識別し、
前記追加情報が存在する場合、識別された前記業務が前記第2業務ではない前記第1業務に含まれるように前記第1業務及び前記第2業務をアップデートし、
前記追加情報が存在しない場合、前記第2の応答に基づいて前記第1人工知能モデルを訓練する、請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
質疑-応答を実行するための第1人工知能モデルを含む電子装置の制御方法において、
少なくとも1つの文書に対するユーザの質疑が獲得されると、電子装置が前記質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得するステップと、
前記電子装置が、前記第1人工知能モデルの応答に基づいて前記質疑をアップデートするステップと、
前記電子装置が、アップデートされた前記質疑に基づいて外部電子装置に貯蔵されて質疑-応答を実行する第2人工知能モデルの応答を獲得するステップと、を含み、
前記電子装置の制御方法は、
前記文書に対する前記第1人工知能モデルの意味論的分析に基づいて前記文書のカテゴリを分類するステップと、
分類された前記カテゴリに基づいて、前記電子装置と連動する知識ベース内に前記文書を貯蔵するステップと、を含み、
前記第1人工知能モデルの応答を獲得するステップは、
前記知識ベース内で前記文書と同じカテゴリに含まれた少なくとも1つの対象文書に基づいて、前記ユーザの質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得する、電子装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は電子装置に関し、さらに詳細には、自体が備えたチャットボット(chatbot)及び外部チャットボットのすべてを活用して様々な業務と機能を提供する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、Chat-GPTを筆頭とする様々なGenerative AIが開発されサービスされている。特に、ユーザとの対話形式で多様な情報を提供したり業務を遂行するチャットボットなどの人工知能モデルは、ユーザとの直接的なコミュニケーション(communication)が可能であるという点で大きな利点がある。
【0003】
ただし、既存のチャットボットなどの人工知能モデルは、大規模なデータベースに基づいて訓練された後、多くのユーザを対象に共通に活用される場合がほとんどであるため、個人的な情報や業務に対して特化されることは難しいという物足りなさがあった。
【0004】
逆に、個人が保有した情報/データのみに基づいて人工知能モデルを訓練する場合、人工知能モデルの問題解決能力を普遍的な方向に有意に向上させることが難しいという問題があり、取り扱う情報の範囲が狭すぎるという点でも欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国特許第10-2436549
【文献】韓国公開特許第10-2022-0046964
【文献】韓国公開特許第10-2019-0055425
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、外部電子装置に貯蔵された人工知能モデルを利用しながらも、自体に貯蔵された人工知能モデルに対して敏感な情報乃至は特化した業務に基づいて学習を進行し、これを介して内部及び外部の人工知能モデルをそれぞれ相互補完的に活用して適切な応答と業務結果を提供できる電子装置を提供する。
【0007】
特に、本開示は、内部及び外部の人工知能モデルを活用して、ユーザ個人またはユーザが所属する団体/機関に非常に適合した応答/業務を提供しながらも、セキュリティの面で脆弱ではない電子装置を提供する。
【0008】
本開示の目的は、前記の目的に限定されず、言及されない本開示の他の目的及び利点は、以下の説明によって理解され得、本開示の実施形態によってさらに明らかに理解される。さらに、本開示の目的及び利点は、特許請求の範囲に示される手段及びその組み合わせによって実現され得ることが容易に分かることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態に係る電子装置は、質疑-応答を実行するための第1人工知能モデルを含むメモリ、質疑-応答を実行するための第2人工知能モデルを含む外部電子装置と通信を実行するための通信部、前記第1人工知能モデル及び前記第2人工知能モデルの内、少なくとも1つを介してユーザの質疑に対する応答を提供するプロセッサを含む。前記プロセッサは、少なくとも1つの文書に対するユーザの質疑が獲得されると、前記質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得し、前記第1人工知能モデルの応答に基づいて前記質疑をアップデート(update)し、アップデートされた前記質疑に基づいて前記第2人工知能モデルの応答を獲得する。
【0010】
前記プロセッサは、前記文書に対する前記第1人工知能モデルの意味論的分析に基づいて前記文書のカテゴリを分類し、分類された前記カテゴリに基づいて前記電子装置と連動する知識ベース内に前記文書を貯蔵することができる。
【0011】
この場合、前記プロセッサは、前記知識ベース内の前記文書と同じカテゴリに含まれた少なくとも1つの対象文書に基づいて、前記ユーザの質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得することができる。
【0012】
さらに、前記プロセッサは、前記ユーザの質疑に含まれた少なくとも1つのキーワードを識別し、前記知識ベース内で前記文書と同じカテゴリに含まれた複数の文書を識別し、前記複数の文書の内、前記キーワードに関連された少なくとも1つの対象文書を選択し、選択された前記対象文書に基づいて前記ユーザの質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得することもできる。
【0013】
一方、前記プロセッサは、前記質疑をアップデートする過程で、前記ユーザの質疑及び前記第1人工知能モデルの応答の内、少なくとも1つに含まれる個人情報を例示的な情報に置き換えることができる。
【0014】
また、前記プロセッサは、前記質疑に関連する第1文書及び第1人工知能モデルの応答に関連する第2文書の内、少なくとも1つに一定の等級以上のセキュリティ等級が設定された場合、前記第1人工知能モデルの応答に含まれた前記セキュリティ情報を識別し、前記質疑をアップデートする過程で、前記ユーザの質疑及び前記第1人工知能モデルの内、少なくとも1つに含まれた前記セキュリティ情報を例示的な情報に置き換えることもある。
【0015】
人工知能モデルは、RNN(Recurrent Neural Network)モデルを含むエンジン、自然言語生成エンジン、自然言語処理エンジン、自然言語理解エンジン、及び対話エンジンの内、少なくとも1つを含むことができる。そして、前記プロセッサは、前記文書に基づいて前記人工知能モデルを構成する少なくとも1つのエンジンを訓練することができる。
【0016】
前記プロセッサは、前記ユーザの質疑に従って要請された少なくとも1つの業務を識別し、識別された前記業務が既設定の第1業務に含まれる場合、前記質疑に対する第1人工知能モデルの応答を獲得し、前記第1人工知能モデルの応答に基づいて前記質疑をアップデートし、アップデートされた前記質疑に基づいて前記第2人工知能モデルの応答を獲得して提供し、識別された前記業務が既設定された第2業務に含まれる場合、前記質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得して提供することができる。
【0017】
ここで、識別された前記業務が第2業務に含まれた結果、前記第1人工知能モデルの応答が第1の応答として提供された後、追加の応答を要請するユーザ入力が受信されると、前記プロセッサは前記第1人工知能モデルの応答に基づいて前記質疑をアップデートし、アップデートされた前記質疑に基づいて前記第2人工知能モデルの応答を獲得して第2の応答として提供することができる。そして、前記第2の応答が提供された場合、前記プロセッサは、前記第2の応答に含まれるが前記第1の応答に含まれない追加情報が存在するかどうかを識別し、前記追加情報が存在する場合、識別された前記業務が前記第2業務ではない前記第1業務に含まれるように前記第1業務及び前記第2業務をアップデートし、前記追加情報が存在しない場合、前記第2の応答に基づいて前記第1人工知能モデルを訓練することができる。
【0018】
本開示の一実施形態に従って質疑-応答を実行するための第1人工知能モデルを含む電子装置の制御方法は、少なくとも1つの文書に対するユーザの質疑が獲得されると、前記電子装置が前記質疑に対する前記第1人工知能モデルの応答を獲得するステップ、前記電子装置が、前記第1人工知能モデルの応答に基づいて前記質疑をアップデートするステップ、前記電子装置がアップデートされた前記質疑に基づいて外部電子装置に貯蔵され、質疑-応答を実行する第2人工知能モデルの応答を獲得するステップを含む。
【発明の効果】
【0019】
本開示に従う電子装置及び制御方法は、内部の人工知能モデル及び外部の人工知能モデルを選択的に活用して、ユーザのための個人的な文書またはセキュリティ文書などに特化した応答を提供しながらも同時に、普遍的で有用な広範囲の応答/業務も提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本開示の一実施形態に係る電子装置の構成を説明するためのブロック図である。
図1B】本開示の一実施形態に係る、内部及び外部の人工知能モデルを用いて応答を提供する電子装置の動作を説明するためのブロック図である。
図2】本開示の一実施形態に係る電子装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図3】本開示の一実施形態に係る自体に貯蔵された人工知能モデル及び外部の人工知能モデルを利用する電子装置の機能的構成を説明するためのブロック図である。
図4】本開示の一実施形態に係る電子装置が要請された業務の種類に応じて人工知能モデルを選択的に活用する動作を説明するためのアルゴリズムである。
図5A】本開示の一実施形態に係る電子装置がユーザの質疑と共に文書の入力を受け、質疑に対する1つ以上の応答を提供する様子を示す図である。
図5B】本開示の一実施形態に係る電子装置がユーザの質疑と共に文書の入力を受け、質疑に対する1つ以上の応答を提供する様子を示す図である。
図6】本開示の様々な実施形態に係る電子装置の構成を説明するためのブロック図である
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示について具体的に説明する前に、本明細書及び図面の記載方法について説明する。
【0022】
まず、本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語は、本開示の様々な実施形態における機能を考慮して一般用語を選択した。しかしながら、このような用語は、当該技術分野に従事する技術者の意図や法律的または技術的解釈、及び新しい技術の出現などによって変わり得る。また、一部の用語は、出願人が任意に選定した用語もある。このような用語については、本明細書で定義された意味で解釈され得、具体的な用語定義がない限り、本明細書の全体的な内容及び当該技術分野の通常的の技術常識に基づいて解釈され得る。
【0023】
さらに、本明細書に添付された各図に記載された同じ参照番号または符号は、実質的に同じ機能を果たす部品または構成要素を示す。説明及び理解の便宜のために、互いに異なる実施形態においても同じ参照番号または符号を用いて説明する。すなわち、複数の図面において同一の参照番号を有する構成要素が全て示しているとしても、複数の図面が一つの実施形態を意味するものではない。
【0024】
また、本明細書及び特許請求の範囲においては、構成要素間の区分のために、「第1」、「第2」などのように序数を含む用語を使用することができる。このような序数は、同一または類似の構成要素を互いに区分するために用いるものであり、このような序数の使用によって用語の意味を限定的に解釈してはならない。一例として、このような序数と組み合わされた構成要素は、その数によって使用順序、配置順序などが制限されてはならない。必要に応じては、各序数は互いに交替して使用することもできる。
【0025】
本明細書において単数の表現は、文脈上明らかに異なるように意味を持たない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「構成される」などの用語は、本明細書上に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことで理解するべきである。
【0026】
本開示の実施形態において「モジュール」、「ユニット」、「部(part)」などのような用語は、少なくとも1つの機能または動作を実行する構成要素を指すための用語であり、このような構成要素はハードウェアまたはソフトウェアで実現されるか、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現され得る。また、複数の「モジュール」、「ユニット」、「部(part)」などは、それぞれが個別の特定のハードウェアで実現される必要がある場合を除外しては、少なくとも1つのモジュールまたはチップに一体化され、少なくとも1つのプロセッサとして実現され得る。
【0027】
また、本開示の実施形態においてある部分が他の部分と接続されているとする時、これは直接接続だけでなく、他の媒体を介した間接接続の場合も含む。また、ある部分がある構成要素を含むという意味は、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0028】
図1Aは本開示の一実施形態に係る電子装置の構成を説明するためのブロック図である。図1Aを参照すると、電子装置100はメモリ110、通信部120、プロセッサ130を含む。
【0029】
電子装置100は、1つ以上のコンピュータを含むサーバで実現され得、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップPCなどで実現されることもある。
【0030】
メモリ110は、電子装置100の構成要素の全体的な動作を制御するためのオペレーティングシステム(OS:Operating System)及び電子装置100の構成要素に関連する少なくとも1つのインストラクション(instruction)またはデータを貯蔵するための構成である。
【0031】
メモリ110は、ROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含むことができ、DRAMなどからなる揮発性メモリを含むことができる。また、メモリ110は、ハードディスク、SSD(Solid state drive)などを含むこともできる。
【0032】
通信部120は、電子装置100が様々な外部電子装置と通信を実行するための構成である。例えば、電子装置100は、通信部120を介して1つ以上のセンサ装置、ゲートウェイなどと通信を実行することができる。電子装置100がサーバである場合、電子装置100は様々なユーザのユーザ端末と通信を実行することができ、ユーザ端末を介してサービスに関連する様々なUI/UXを提供することができる。
【0033】
通信部120は、様々な有無線通信方式で少なくとも1つの外部装置と通信を実行するための回路、モジュール、チップなどを含むことができる。通信部120は、様々なネットワークを介して外部装置と接続することができる。
【0034】
ネットワークは、エリアまたは規模に応じて個人通信網(PAN;Personal Area Network)、ローカルエリアネットワーク(LAN;Local Area Network)、広域通信網(WAN;Wide Area Network)などであり得、ネットワークの開放性に応じてイントラネット(Intranet)、エクストラネット(Extranet)、またはインターネット(Internet)などで有り得る。
【0035】
通信部120は、LTE(long-term evolution)、LTE-A(LTE Advance)、5G(5th Generation)移動通信、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)(wideband CDMA)、UMTS(universal mobile telecommunications system) 、WiBro(Wireless Broadband)、GSM(Global System for Mobile Communications)、DMA(Time Division Multiple Access)、WiFi(Wi-Fi)、WiFi Direct、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、NFC(near field communication)、 Zigbee(登録商標)、LoRaなどの様々な無線通信方式を介して外部装置と接続され得る。
【0036】
また、通信部120は、イーサネット(Ethernet)、光ネットワーク(optical network)、USB(Universal Serial Bus)、サンダーボルト(ThunderBolt)などの有線通信方式を介して外部装置と接続されることもできる。
【0037】
この他にも、通信部120は、今後新たに考案される様々な通信方式/技術を活用した構成で有り得る。
【0038】
プロセッサ130は、電子装置100を全般的に制御するための構成である。具体的に、プロセッサ130は、メモリ110に接続される一方、メモリ110に貯蔵された少なくとも1つのインストラクション(instruction)を実行することによって、本開示の様々な実施形態に係る動作を実行することができる。
【0039】
プロセッサ130は、CPU、AP、DSP(Digital Signal Processor)などのような汎用プロセッサ、GPU、VPU(Vision Processing Unit)などのようなグラフィック専用プロセッサ、またはNPUなどのような人工知能専用プロセッサなどを含むことができる。人工知能専用プロセッサは、特定の人工知能モデルの訓練乃至利用に特化したハードウェア構造で設計され得る。
【0040】
図1Bは本開示の一実施形態に従って、内部及び外部の人工知能モデルを用いて応答を提供する電子装置の動作を説明するためのブロック図である。
【0041】
図1Bを参照すると、電子装置100は、質疑-応答を実行するための第1人工知能モデル111を含むことができる。
【0042】
人工知能モデル111は、自然言語処理及び対話進行のための様々なエンジン(例えば、DNN/RNN Engine、NLG、NLU、Dialog Engine、形態素分析エンジン、個体分析エンジン、意味分析エンジン、話行分析エンジン、関連語/類似語分析エンジン、ユーザ定義辞書など)を含むことができる。人工知能モデル111は、対話などに関連する生成型モデル(例えば、Generative Pre-trained Transformer)を含むことができる。本開示による第1人工知能モデル111は「K-GPT」と指称され得、ユーザと対話を実行するチャットボットの概念でコミュニケーションを進めることができる。
【0043】
人工知能モデル111は、データの形で電子装置100のメモリ110に貯蔵され得るが、少なくとも一部がプロセッサ130の制御を受けるハードウェアで実現されることもできる。
【0044】
図1Bを参照すると、電子装置100は、通信部120を介して少なくとも1つの外部電子装置200と通信を実行することができる。外部電子装置200は、少なくとも1つのサーバまたは端末機器に該当することができる。例えば、外部電子装置200は、特定の団体または機関だけのためではなく、汎用性乃至公共性を有する総合ソリューションを提供するためのGPTモデルに該当する第2人工知能モデル211を含むことができる。
【0045】
電子装置100は、外部電子装置200に貯蔵され、質疑-応答を実行するための第2人工知能モデル211と通信を実行することができる。
【0046】
第2人工知能モデル211もまた自然言語処理及び対話進行のための様々なエンジン(例えば、DNN/RNN Engine、NLG、NLU、Dialog Engine、形態素分析エンジン、個体分析エンジン、意味分析エンジン、話行分析エンジン、関連語/類似語分析エンジン、ユーザ定義辞書など)、生成型モデルなどを含むことができ、チャットボット乃至GPTモデルに該当し得る。
【0047】
このように、内部の第1人工知能モデル111及び外部の第2人工知能モデル211のすべてと連動することができる電子装置100は、第1及び第2人工知能モデルの内、少なくとも1つを介してユーザの質疑に対する応答を提供できる。
【0048】
関連して、図2は、本開示の一実施形態に係る電子装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
図2を参照すると、電子装置100は、少なくとも1つの文書に対するユーザの質疑を獲得することができる(S210)。
【0050】
電子装置100は、既に貯蔵された少なくとも1つの文書を選択するユーザ入力に従って文書を特定することができる。あるいは、電子装置100は、文書の入力を受けるためのUI(User Interface)を提供することができ、該当UI上でユーザ入力に応じて少なくとも1つの文書を選択してアップロードすることができる。
【0051】
質疑は、文書に関連する様々な質疑または要請を含み得る。ここで、質疑は単なる質疑であり得るが、特定の業務(例えば、データの整理、スケジュールの整理、文書の閲覧、文書の抜粋、要約、検索など)に対する要請を含むこともできる。
【0052】
質疑は音声またはテキストの形で入力することもでき、少なくとも1つのメニュー(例:データの整理、スケジュールの整理、文書の閲覧)の選択の形で入力され得る。
【0053】
一方、電子装置100は、質疑に対する第1人工知能モデル111の応答を獲得することができる(S220)。第1人工知能モデル111は、テキストまたは音声の形で応答を提供することができる。
【0054】
具体的に、電子装置100は、文書に対する第1人工知能モデル111の意味論的分析に基づいて(質疑に関連する)文書のカテゴリを分類することができる。このとき、文書に含まれた各キーワードが変換されたベクトルに基づいて各キーワードとカテゴリとの関連度を定義することができ、各キーワードとカテゴリとの関連度に基づいて文書のカテゴリを選択することができる。
【0055】
カテゴリは、電子装置100乃至第1人工知能モデル111の目的乃至機能に応じて様々に設定することができる。具体的に、電子装置100乃至第1人工知能モデル111が活用される団体、機関などの性質に応じてカテゴリを設定することができる。例えば、カテゴリは、公文書、私文書、報告書、記事、論文、本、一般文書、セキュリティ文書など、様々に区分され得る。
【0056】
または、カテゴリは特定の分野(例えば、公共分野)内で詳細に区分されることもできる。例えば、カテゴリには、税金、教育行政、治安、保健医療、不動産、道路交通、脆弱階層モニタリング(Monitoring)、産業雇用などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0057】
電子装置100は、分類されたカテゴリに基づいて電子装置100と連動する知識ベース内に文書を貯蔵することができる。すなわち、各カテゴリにマッチング(matching)する文書を貯蔵することができる。知識ベースは、電子装置100に含まれたもので有り得、電子装置100と通信接続された少なくとも1つのデータベースに含まれ得る。
【0058】
一実施形態として、電子装置100は、入力された質疑に関連する文書と同じカテゴリに含まれた少なくとも1つの対象文書に基づいて、ユーザの質疑に対する第1人工知能モデル111の応答を獲得することができる。例えば、教育行政カテゴリに該当する文書と共に質疑が入力された場合、電子装置100は、教育行政カテゴリに属する複数の文書の内、質疑に関連する少なくとも1つの対象文書を活用して応答を提供することができる。
【0059】
具体的に、電子装置100は、ユーザの質疑に含まれた少なくとも1つのキーワードを識別し、知識ベース内で文書と同じカテゴリに含まれた複数の文書を識別することができる。ここで、電子装置100は、複数の文書の内、識別されたキーワードに関連する少なくとも1つの対象文書を選択することができ、選択された対象文書に基づいてユーザの質疑に対する第1人工知能モデル111の応答を獲得することができる。
【0060】
一方、電子装置100は、第1人工知能モデル111の応答に最終応答を提供することができるが、第1人工知能モデル111及び第2人工知能モデル211のすべてを活用して応答を提供することもできる。
【0061】
具体的に、電子装置100は、質疑に対する第1人工知能モデル111の応答に基づいて質疑をアップデートすることができる(S230)。そして、電子装置100は、アップデートされた質疑に基づいて第2人工知能モデル211の応答を獲得することができる(S240)。
【0062】
関連して、図3は、本開示の一実施形態に従って、自体に貯蔵された人工知能モデル及び外部の人工知能モデルを用いる電子装置の機能的構成を説明するためのブロック図である。
【0063】
図3を参照すると、電子装置100は、第1人工知能モデル111を構成する様々なエンジンを含むことができる。具体的に、第1人工知能モデル111は、DNN/RNNエンジン、自然言語生成エンジン(NLG)、自然言語理解エンジン(NLU)、自然言語処理エンジン(NLP)、対話用エンジンなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0064】
図3を参照すると、電子装置100は、第1人工知能モデル111の管理(management)のための様々なエンジン/モジュールを含むことができる。具体的に、電子装置100は、第1人工知能モデル111で特定されるチャットボットを管理するためのチャットボット管理、ログ管理、学習履歴管理、送受信対話履歴管理、分析/統計/レポート生成、バックアップ/復元、テスト管理、モニタリング、一括テストなどの機能を実行できる。
【0065】
電子装置100は、様々なカテゴリ(例、カテゴリ1~8)のそれぞれについて文書が貯蔵された知識ベースと連動することができ、知識ベースは第1人工知能モデル111の学習過程及び/または応答生成過程に活用され得る。
【0066】
特に、第1人工知能モデル111は、ユーザ入力に応じてアップロードされた文書及びユーザとの対話内容に基づいて訓練され、様々な質疑に応答したり業務を実行することができる。具体的には、電子装置100は、アップロードされる様々な文書に基づいて第1人工知能モデル111を構成する各エンジンを訓練することができる。
【0067】
図3を参照すると、電子装置100は、チャットボットとのコミュニケーションの形態で提供されるUIを介してユーザの質疑を獲得することができる。例えば、質疑が音声(オーディオ信号)として入力された場合、第1人工知能モデル111は、音声が変換されたテキストの自然言語理解を実行して応答を生成することができる。
【0068】
この場合、電子装置100は、第1人工知能モデル111が生成した応答に基づいてユーザの質疑をさらにアップデートすることができる。例えば、「教育行政のパート別にどのように予算を分配すればよいか?」という質疑が獲得れた場合を仮定する。この場合、第1人工知能モデル111は、知識ベース内の関連カテゴリ(例えば、教育行政)内の文書に基づいて関連情報を収集することができる。その結果、第1人工知能モデル111は、知識ベース内文書の内容に基づいて「教育行政は国家職、地方職に区分され、全体予算はOOOウォンです」のような応答を提供することができる。さらに、第1人工知能モデル111は、過去の年度ごとの予算の配分履歴に関する情報を追加の応答として一緒に提供することができる。
【0069】
このとき、電子装置100は、既存の質疑に第1人工知能モデル111の応答を追加して質疑をアップデートすることができ、アップデートされた質疑を外部電子装置200に送信して第2人工知能モデル211の応答を獲得することができる。
【0070】
一方、質疑をアップデートする過程で、電子装置100は、ユーザの質疑及び第1人工知能モデル111の応答の内、少なくとも1つに含まれた個人情報または敏感情報を例示的な情報に置き換えることができる。個人情報とは、個人の識別情報、パスワード、プライバシーなどに関連する様々な情報を意味し、例えば、名前、住民番号、労働履歴、病歴などを含むことができるが、これらに限定されない。敏感情報とは、電子装置100が運営される団体または機関内で秘密性を付与したか公開してはならない情報を意味することができ、セキュリティが必要な機密情報、未公開情報、特定人かまたは特定の状況にのみ公開される情報などに該当することができる。
【0071】
一方、質疑に関連する少なくとも1つの文書にセキュリティ等級を設定され得る。例えば、ユーザの質疑の対象となる文書、及び/または第1人工知能モデル111の応答過程で活用された文書の内、少なくとも1つに一定等級以上のセキュリティ等級が設定された場合を仮定する。この場合、電子装置100は、第1人工知能モデルの応答に含まれたセキュリティ情報を識別することができ、質疑をアップデートする過程で、ユーザの質疑及び第1人工知能モデル111の応答の内、少なくとも1つに含まれたセキュリティ情報を例示的な情報に置き換えることができる。
【0072】
その結果、内部情報のみを扱うことなく汎用性ないし公共性を有する外部電子装置200に個人情報やセキュリティ情報が流出される状況が防止され得る。
【0073】
一方、本開示の一実施形態に係る電子装置100は、ユーザの質疑に応じて要請された業務の種類に応じて、第1人工知能モデル111及び第2人工知能モデル211を選択的に活用することができる。
【0074】
関連として、図4は、本開示の一実施形態に係る電子装置が要請された業務の種類に応じて人工知能モデルを選択的に活用する動作を説明するためのアルゴリズムである。
【0075】
図4を参照すると、電子装置100は、少なくとも1つの文書に対するユーザの質疑を獲得することができ(S410)、質疑に従って要請された業務の種類を識別することができる(S420)。
【0076】
業務の種類は、例えば、第1人工知能モデル111及び第2人工知能モデル211のすべてが必要な第1業務と、第1人工知能モデル111が単独で解決できる第2業務とに区分されることができる。ここで、第1業務と第2業務の区分は様々な方法で設定することができる。例えば、第1業務は外部検索、専門知識への応答、常識への応答、コーディング、データの整理と文書生成などを含み、第2業務は内部検索、内部知識への応答、スケジュールの整理などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0077】
要請された業務が既設定の第1業務に含まれる場合(S420-Y)、電子装置100は、質疑に対する第1人工知能モデル111の応答を獲得することができる(S430)。このとき、電子装置100は、第1人工知能モデル111の応答に従って質疑をアップデートすることができ(S440)、アップデートされた質疑に対する第2人工知能モデル211の応答を獲得(S450)して、最終的に応答を提供することができる(S460)。
【0078】
反面、要請された業務が既設定の第1業務に含まれない場合(S420-N)、電子装置100は、質疑に対する第1人工知能モデル111の応答を獲得(S430’)し、直ちに最終応答として提供することができる(S460)。
【0079】
一方、一実施形態として、識別された業務が第2業務に含まれた結果、第1人工知能モデルの応答が第1の応答として提供された以後(例えば、S430’→S460)、追加の応答を要請するユーザ入力が受信され得る。例えば、応答の内容が不足するか、質疑に合わない結果、追加の応答が要請され得る。
【0080】
この場合、電子装置100は、前述したS430乃至S460の過程を実行することができる。具体的に、電子装置100は、第1人工知能モデルの応答に基づいて質疑をアップデートし、アップデートされた質疑に基づいて第2人工知能モデルの応答を獲得して第2の応答として提供することができる。
【0081】
このように第2の応答が提供された場合、電子装置100は、第2の応答に含まれるが第1の応答には含まれない追加情報が存在するかどうかを識別することができる。すなわち、第1人工知能モデルは導出されなかったが、外部電子装置の第2人工知能モデルは提供する追加情報が存在することが確認される。
【0082】
ここで、追加情報が存在する場合、電子装置100は、先に識別された業務が第2業務ではない第1業務に含まれるように第1業務及び第2業務をアップデートすることができる。以降、同じ業務が要請される場合、該当業務は第1業務として識別されるので、電子装置100は、S430’段階ではないS430~S450段階を介して応答を獲得するようになる。その結果、該当業務に対して、今後にはユーザが所望するさらに豊富な情報を提供することができる。
【0083】
反面、追加情報が存在しない場合、電子装置100は、第2の応答に基づいて第1人工知能モデルを訓練することができる。具体的に、電子装置100は、第2の応答を確認したユーザの満足可否に対するユーザ入力を獲得することができ、第2の応答に満足したかまたは第2の応答が第1の応答より適切するとするユーザの評価が獲得されると、電子装置100は第2の応答に基づいて第1人工知能モデルを訓練することができる。その結果、第1人工知能モデルは、今後同じ業務に関連する要請が受信されたとしても、さらに適切な応答を提供するように学習され得る。
【0084】
さらなる実施形態として、前述のように第2の応答が提供された場合、電子装置100は、第2の応答と第1の応答との間の矛盾可否を識別することができる。すなわち、第1人工知能モデルの応答と第2人工知能モデルの応答とが互いに論理的に一致しないか衝突するか可否が確認される。このために、電子装置100は、第1の応答と第2の応答を構成するテキストを意味論的に分析し、主語、目的語、動詞、否定語などを識別することができ、それに基づいて応答との間の矛盾可否を識別することができる。
【0085】
例えば、同じ主語、目的語が含まれるが、第1の応答には動詞の肯定形が含まれ、第2の応答には同じ動詞の否定型が含まれる場合、矛盾するものとして識別され得る。
【0086】
この時、電子装置100は、第2の応答と第1の応答とが互いに矛盾することを知らせるメッセージを提供することができ、第1の応答と第2の応答の内、適切な応答を選択するためのユーザ入力を受信することができる。
【0087】
ここで、第1の応答が選択された場合、電子装置100は、知識ベースに貯蔵された文書の内、第1の応答のテキストとマッチングされる文書、すなわち第1人工知能モデル111が第1の応答を提供した根拠となった文書を識別することができる。このとき、電子装置100は、識別された文書が公開されたかどうかをユーザに問い合わせることができる。
【0088】
もし、識別された文書を外部に公開するためのユーザ入力が受信される場合、電子装置100は該当文書を第2人工知能モデル211が貯蔵された外部電子装置に送信することができる。
【0089】
反面、識別された文書を外部に公開しないためのユーザ入力が受信される場合、電子装置100は、前述した第1業務の内、識別された文書との関連度が一定値以上の少なくとも1つの第1業務を第2業務に変更設定できる。このように公開できない文書との関連度の高い第1業務は第2業務に変更設定されることにより、外部電子装置に対する秘密情報の流出が防止され、ユーザにのみ最適化された応答提供システムが構築され得る。
【0090】
ここで、関連度は、該当文書が仕事業務に関連付けられた程度を意味し、該当文書が業務に使用される頻度が高いほど関連度が大きく算出され得る。例えば、1人以上のユーザの質疑に従って要請された各々の第1業務に対して応答が提供される過程で、電子装置100は、各文書に含まれた情報が使用された頻度を記録することができ、記録された頻度に応じて、各々の第1業務に対する各文書の関連度が算出され得る。
【0091】
一方、適切な応答として前述した第2の応答が選択された場合、同様に、電子装置100は、知識ベースに貯蔵された文書の内の第1の応答のテキストとマッチングする文書、すなわち第1人工知能モデル111が第1の応答を提供した根拠となった文書を識別することができる。この時、電子装置100は、識別された文書内で第1の応答に関連する少なくとも1つのテキストを第2の応答に従って修正するか、または第1の応答に関連する少なくとも1つのテキストを削除することができる。
【0092】
一方、図5A図5Bは、本開示の一実施形態に係る電子装置がユーザの質疑と共に文書の入力を受け、質疑に対する1つ以上の応答を提供する様子を示す図である。
【0093】
図5A図5Bに示す画面は、サーバに実現された電子装置100が少なくとも1つのウェブページまたはアプリケーションを介してユーザ端末(例えば、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップPC、ノートパソコンなど)と連動してユーザ端末を介して提供されるUIで有り得る。あるいは、図5A図5Bに示す画面は、ユーザ端末で実現された電子装置100のディスプレイ上に表示されるUIで有り得ることもある。
【0094】
図5Aを参照すると、電子装置100は、UI510を介して受信されるユーザ入力に従って少なくとも1つの文書を獲得することができる。
【0095】
例えば、電子装置100がサーバである場合、電子装置100はユーザ端末を介してUI510を提供することができ、UI510上でユーザ端末に貯蔵された文書(例えば、「ABCD関連資料」)が選択されると、対応する該当文書をユーザ端末から受信することができる。ただし、電子装置100がユーザ端末自体で実現される場合も勿論可能である。
【0096】
このとき、電子装置100は、選択された文書に基づいて第1人工知能モデル111を訓練することができ、文書に関連するユーザの質疑を獲得することができる。
【0097】
関連して図5Aを参照すると、電子装置100は、メニューUI521、質疑用UI522、文書管理UI523などを提供することができる。
【0098】
メニューUI521は、チャットボットリスト、チャットボット設定、チャットボット作成、文書分析、MRC、区分分析など、電子装置100が第1人工知能モデル111を介して提供することができる様々なメニュー項目を含む。
【0099】
チャットボットリストは電子装置100を介して提供される1つ以上のチャットボットのリストを提供するためのメニュー項目である。関連して、電子装置100は、機能または用途に応じて区分された複数の第1人工知能モデルをそれぞれ含むことができ、各々の第1人工知能モデルは互いに異なるチャットボットの形態で提供される。この場合、各々の第1人工知能モデルは、互いに異なるカテゴリの知識ベースと連動して学習することができ、複数のチャットボットのリストが提供され、少なくとも1つのチャットボットがコミュニケーションの対象として選択され得る。あるいは、同じ質疑に対して複数のチャットボットがそれぞれ応答を提供することも可能である。
【0100】
チャットボット設定は、チャットボットに関連するさまざまな設定をサポートするためのメニュー項目である。例えば、各チャットボットが実行する業務、各チャットボットの活性化可否などが設定され得るが、これに限定されない。
【0101】
チャットボット制作は、少なくとも1つのチャットボットを生成するためのメニュー項目である。例えば、少なくとも1つのチャットボットを新たに生成して学習させるための少なくとも1つの文書を入力することができ、入力された文書に基づいて新しいカテゴリについて学習されたチャットボットが電子装置100上で自動に生成され得る。
【0102】
文書分析は、入力された文書の分析を実行するためのメニュー項目である。分析は、統計情報の生成、キーワード抽出、要約、信頼度分析など、様々な内容に該当することができる。
【0103】
MRC(Machine Reading Comprehension)は、自然言語処理と機械学習のためのメニュー項目に該当する。具体的に、第1人工知能モデル111を構成する各エンジン(例えば、文脈理解、対話生成、質疑-応答など)の学習はもちろん、活用に関する情報を提供することができる。
【0104】
構文分析は、文書を構成するテキストを構文別に分析するためのメニュー項目である。例えば、テキストが構文別に区分されて示されるUIが提供され得、区分ごとに主要キーワード乃至は関連する付加情報が提供され得るが、これらに限定されない。
【0105】
質疑用UI522は、ユーザの質疑を獲得するためのUIである。質疑用UI522を介してユーザの質疑が入力され得、入力された質疑が表示され得る。
【0106】
文書管理UI523は、質疑に関連する文書を表示するためのUIである。文書管理UI523は、質疑の対象となる文書は勿論第1人工知能モデル111が質疑に対する応答を準備する過程で活用される少なくとも1つの文書を含むことができる。
【0107】
図5Bを参照すると、質疑用UI522を介して「サービス事業入札公告を見られ、pdfファイルにして整理もしてくれ」という質疑が入力された状況を仮定する。この場合、電子装置100は、複数の第1人工知能モデルのそれぞれを介して複数の応答524-1、2、3をそれぞれ提供することができる。この時、各々の第1人工知能モデルは、互いに異なる業務(例えば、情報閲覧、ファイル生成及び提供、要約)を実行して応答を提供することができる。
【0108】
このとき、各々の第1人工知能モデルが応答を生成する過程で活用された文書は文書管理UI523上に表示することができる。
【0109】
一方、図6は、本開示の様々な実施形態に係る電子装置の構成を説明するためのブロック図である。
【0110】
図6を参照すると、電子装置100のプロセッサ130は、知識管理モジュール131、モデル学習モジュール132、応答提供モジュール133、セキュリティ管理モジュール134など、様々な機能的モジュールを含むことができる。各モジュールはソフトウェア及び/またはハードウェアで実現され得る。
【0111】
知識管理モジュール131は、第1人工知能モデル111の学習過程、応答生成過程などを支援するための様々な文書をカテゴリ別に管理するためのモジュールである。
【0112】
モデル学習モジュール132は、知識ベースに貯蔵されたカテゴリ別文書に基づいて第1人工知能モデル111を学習させるためのモジュールである。
【0113】
応答提供モジュール133は、第1人工知能モデル111の自然言語理解、自然言語処理などを介して応答を提供するためのモジュールである。応答提供モジュール133は、ユーザの質疑に関連する少なくとも1つの文書に基づいて応答に該当する様々な情報を提供することもでき、このとき人工知能モデル111の自然言語理解に基づく検索乃至分析が活用され得る。
【0114】
セキュリティ管理モジュール134はセキュリティ等級が設定されたセキュリティ文書、セキュリティ情報、個人情報などの流出を防止するためのモジュールである。セキュリティ管理モジュール134は、知識ベースに含まれた各文書のセキュリティ等級を管理することができ、セキュリティ等級はユーザ入力に従って文書ごとに設定され得る。または、セキュリティ管理モジュール134は、各文書に含まれたキーワードに基づいて各文書のセキュリティ等級を自動的に設定することもできる。このとき、セキュリティ管理モジュール134は、第1人工知能モデル111の意味論的分析に基づいて、各キーワードが個人情報に該当するか、敏感情報に該当するかなどを識別することができる。ここで、個人情報乃至敏感情報に該当するキーワードが多いほど、文書のセキュリティ等級が高く設定され得る。
【0115】
図6を参照すると、電子装置100は、メモリ110、通信部120、プロセッサ130の他にも、ユーザ入力部140、出力部150などをさらに含むことができる。
【0116】
ユーザ入力部140は、ユーザから様々なコマンドまたは情報の入力を受けるための構成である。ユーザ入力部140は、少なくとも1つのボタン、タッチパッド、タッチスクリーン、マイク、カメラ、センサなどで実現され得る。また、電子装置100は、少なくとも1つのキーパッド、ボタン、モーションセンサなどを備えた様々なユーザ入力装置(例えば、キーボード、マウスなど)と接続されることもできる。
【0117】
出力部150は、様々な情報を出力するための構成であり、ディスプレイ、スピーカ、イヤホン/ヘッドセット端子などを含むことができる。一実施形態として、出力部150のディスプレイを介して図5A乃至図5BのUI画面が提供され得る。
【0118】
一方、前述した様々な実施形態は、互いに抵触されるか矛盾しない限り、2つ以上の実施形態が互いに結合させて実現され得る。
【0119】
一方、以上で説明された様々な実施形態は、ソフトウェア(software)、ハードウェア(hardware)、またはこれらの組み合わせを用いてコンピュータ(computer)またはこれと類似の装置で読み取り可能な記録媒体内で実現することができる。
【0120】
ハードウェア的な実現によれば、本開示で説明される実施形態は、ASICs(Application Specific Integrated Circuits),DSPs(digital signal processors),DSPDs(digital signal processing devices),PLDs(programmable logic devices),FPGAs(field programmable gate arrays),プロセッサ(processors)、制御器(controllers)、マイクロコントローラ(micro-controllers)、マイクロプロセッサ(microprocessors)、及び他の機能を実行するための電気ユニット(unit)の内、少なくとも1つを用いて実現することができる。
【0121】
一部の場合に本明細書で説明される実施形態がプロセッサ自体で実現することができる。ソフトウェア的な実現によれば、本明細書で説明される手順及び機能のような実施形態は、別々のソフトウェアモジュールで実現され得る。前述のソフトウェアモジュールのそれぞれは、本明細書で説明される1つ以上の機能及び作動を実行することができる。
【0122】
一方、前述した本開示の様々な実施形態に係るロボットなどの電子装置での処理動作を実行するためのコンピュータ命令語(computer instructions)またはコンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable medium)に貯蔵され得る。このような非一時的なコンピュータ可読媒体に貯蔵されたコンピュータ命令語またはコンピュータプログラムは、特定機器のプロセッサによって実行されたときに、前述の様々な実施形態に係る電子装置における処理動作を前述の特定機器が実行するようにする。
【0123】
非一時的なコンピュータ可読媒体とは、レジスタ、キャッシュ、メモリなどのような短い瞬間にデータを貯蔵する媒体ではなく、半永久的にデータを貯蔵し、機器によって読み取る(reading)ことが可能な媒体を意味する。非一時的コンピュータ可読媒体の具体例としては、CD、DVD、ハードディスク、ブルーレイディスク、USB、メモリカード、ROMなどが有り得る。
【0124】
以上においては、本開示の好ましい実施形態について示して説明したが、本開示は前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本開示の要旨から逸脱することなく当該開示に属する技術分野において通常の知識を有する者によって様々な変形実施が可能であることはもちろんであり、そのような変形実施は、本開示の技術的思想または見通しから個別に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0125】
100:電子装置
【要約】      (修正有)
【課題】外部モデルと連動する生成型人工知能を含むK-GPTソリューションベースの電子装置及び電子装置の制御方法を提供する。
【解決手段】電子装置100は、質疑-応答を実行するための第1人工知能モデル111を含むメモリ110、質疑-応答を実行するための第2人工知能モデルを含む外部電子装置と通信を実行するための通信部120と、第1人工知能モデル及び第2人工知能モデルの内、少なくとも1つを介してユーザの質疑に対する応答を提供するプロセッサ130を含む。
【選択図】図6
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6