(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】排泄情報収集装置、便座一体型便器、及び排泄情報管理方法
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20241001BHJP
E03D 11/02 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
E03D11/02 Z
(21)【出願番号】P 2020196740
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】P 2020076427
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】青田 育博
(72)【発明者】
【氏名】山口 慶太
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 和俊
(72)【発明者】
【氏名】小林 裕和
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 潤平
(72)【発明者】
【氏名】山本 健史
(72)【発明者】
【氏名】須合 亮平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智之
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528413(JP,A)
【文献】特開平08-005631(JP,A)
【文献】特開2006-144291(JP,A)
【文献】特開2002-098693(JP,A)
【文献】特開2001-356122(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111305338(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0015791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-7/00
E03D 9/00-9/16
E03D 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレの便器の使用者を検知する人感センサと、
前記トイレの使用者の顔を撮像する撮像装置と、
前記便器における排泄物の情報を収集する情報収集部と、
前記人感センサ、前記撮像装置、及び前記情報収集部を制御する制御部と、
前記制御部を収納する収納筐体と、
を備え、
前記収納筐体は、前記便器の縁部を挟んで、前記便器の内側に配置される内側筐体及び前記便器の外側に配置される外側筐体を有するとともに、前記内側筐体と前記外側筐体とを繋ぎ前記縁部の上面に載置する橋架部を有し、
前記情報収集部は、前記内側筐体に配設され、
前記人感センサ及び前記撮像装置は
、前記外側筐体の外側に配設された別筐体に配設される、
前記外側筐体及び前記別筐体は、前記撮像装置の上部からの押圧力を逃がす方向に、前記別筐体が前記外側筐体に対して可動する機構を有する、
排泄情報収集装置。
【請求項2】
前記人感センサ、前記撮像装置は、少なくとも前記橋架部より高い位置に、それぞれ検知面、撮像レンズが位置するように配設される、
請求項1に記載の排泄情報収集装置。
【請求項3】
前記外側筐体又は前記別筐体に対する前記撮像装置の撮影方向を、前記トイレの使用者の動線に合わせて少なくとも水平方向に回動させる機構を備える、
請求項1又は2に記載の排泄情報収集装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記外側筐体に収納される、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置。
【請求項5】
前記外側筐体における前記内側筐体側の側面に配設されたクランプ機構を備え、
前記クランプ機構は、前記外側筐体に対する前記便器の距離を離す方向に長さを調整することで、前記内側筐体と前記外側筐体とを前記縁部に固定する機構である、
請求項1~
4のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置。
【請求項6】
前記クランプ機構における前記便器との接触面は、前記クランプ機構におけるクランプ軸に対して角度が変更可能な状態で取り付けられている、
請求項
5に記載の排泄情報収集装置。
【請求項7】
前記外側筐体は、前記クランプ機構を取り付けるための長孔を有し、
前記長孔のいずれかの位置で前記クランプ機構を固定するための固定ネジを備える、
請求項
5又は
6に記載の排泄情報収集装置。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置を着脱自在に備えるとともに、前記便器と、前記橋架部を挟んで前記便器の前記縁部の上側に配設される便座と、を備える、便座一体型便器。
【請求項9】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置を前記便器に設置して、前記トイレの使用者による排泄物の情報を管理する排泄情報管理方法であって、
前記人感センサで前記トイレの使用者が検知された場合、前記撮像装置で前記使用者の顔の画像を取得する第1取得ステップと、
前記情報収集部で排泄物の情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップで取得した画像に基づき顔認証処理を実行し、前記使用者を識別する識別ステップと、
前記識別ステップで識別した前記使用者と前記第2取得ステップで取得した排泄物の情報とを関連付けて記憶するステップと、
を備えた、排泄情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排泄情報収集装置、便座一体型便器、及び排泄情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレに関し、特許文献1には、便座と、霧化によりミストを発生させる霧化発生装置とを備えた便座装置が記載されている。特許文献1に記載の便座装置は、トイレ内の人の存在を検知する人検知手段と、人検知手段の検知信号に基づいて上記霧化発生装置の駆動を制御する制御手段とを備えている。
【0003】
また、特許文献2には、被介護者の排便の記録が自動的に採取され、病院や老人ホームなどの施設において、痴呆性の老人や児童が一人で排便を行う場合でも、トイレの利用時間や利用回数を確実に記録することを目的としたトイレセンサ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-155152号公報
【文献】特開2000-237098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、市場には多種多様な形状の便器が存在している。よって、特許文献2に記載のトイレセンサ装置を既存の便器や既存の便座付き便器に設置するためには、それぞれの便器の形状に合わせた構造のトイレセンサ装置を多くの種類用意する必要がある。また、特許文献2に記載のトイレセンサ装置に限らず、使用者が排泄した排泄物の情報を収集する他の収集装置についても、同様の課題があり、それぞれの便器の形状に合わせた構造の収集装置が必要となる。
【0006】
本開示の目的は、使用者が排泄した排泄物の情報を収集することが可能で、且つ、様々な形状の便器に設置することが可能な排泄情報収集装置、便座一体型便器、及びその装置を用いた排泄情報管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る排泄情報収集装置は、トイレの便器の使用者を検知する人感センサと、前記トイレの使用者の顔を撮像する撮像装置と、前記便器における排泄物の情報を収集する情報収集部と、前記人感センサ、前記撮像装置、及び前記情報収集部を制御する制御部と、前記制御部を収納する収納筐体と、を備え、前記収納筐体は、前記便器の縁部を挟んで、前記便器の内側に配置される内側筐体及び前記便器の外側に配置される外側筐体を有するとともに、前記内側筐体と前記外側筐体とを繋ぎ前記縁部の上面に載置する橋架部を有し、前記情報収集部は、前記内側筐体に配設され、前記人感センサ及び前記撮像装置は、前記外側筐体又は前記外側筐体の外側に配設された別筐体に配設される、ものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、使用者が排泄した排泄物の情報を収集することが可能で、且つ、様々な形状の便器に設置することが可能な排泄情報収集装置、便座一体型便器、及びその装置を用いた排泄情報管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る排泄情報収集装置を設置した便器の一構成例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態2に係る排泄情報収集装置を設置した便器の一構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図2の排泄情報収集装置の一部分を示す正面図である。
【
図4】
図2の排泄情報収集装置における別筐体の斜視図である。
【
図5】
図2の排泄情報収集装置における外側筐体に対する別筐体の可動の様子を示す概略側面図である。
【
図6】
図2の排泄情報収集装置を設置した便器における被写体検知エリアの一例を示す概略側面図である。
【
図7】
図2の排泄情報収集装置を設置した便器における被写体検知エリアの一例を示す概略上面図である。
【
図8】
図2の排泄情報収集装置を設置した便器における被写体検知エリアの他の例を示す概略上面図である。
【
図9】
図2の排泄情報収集装置を設置した便器における被写体検知エリアの他の例を示す概略上面図である。
【
図10】
図2の排泄情報収集装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図11】実施形態3に係る便座一体型便器の一構成例を示す斜視図である。
【
図12】実施形態4に係る排泄情報管理方法の一例を説明するためのフロー図である。
【
図13】実施形態5に係る排泄情報収集装置を設置したトイレの一構成例を示す斜視図である。
【
図14】
図13の排泄情報収集装置における人検知/識別ボックスの一例を示す斜視図である。
【
図17】
図13の排泄情報収集装置におけるセンサボックスの便器への固定用クランプ機構の一構成例を示す側面図である。
【
図18】実施形態5に係る排泄情報収集装置を設置したトイレの他の構成例を示す斜視図である。
【
図19】
図14の人検知/識別ボックスでの被写体検知エリアの一例を示す概略側面図である。
【
図20】
図14の人検知/識別ボックスでの被写体検知エリアの一例を示す概略上面図である。
【
図21】
図14の人検知/識別ボックスでの被写体検知エリアの他の例を示す概略上面図である。
【
図22】
図14の人検知/識別ボックスでの被写体検知エリアの他の例を示す概略上面図である。
【
図23】
図13の排泄情報収集装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図24】装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付すことがあり、重複する説明は適宜省略される。
【0011】
<実施形態1>
実施形態1について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態1に係る排泄情報収集装置を設置した便器の一構成例を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る排泄情報収集装置10は、便器1に設置されるものであり、人感センサ14、撮像装置15、情報収集部16、制御部17、及び後述する収納筐体を備えることができる。
【0013】
便器1は、側面1aとの間に滞水部分とを形成するための縁部1cを備えることができ、縁部1cから連なる平面部1bを備えることもできる。平面部1bには図示しない便座を取り付けることが可能である。
【0014】
人感センサ14は、トイレの便器1の使用者(利用者)を検知するセンサであり、例えば赤外線センサや光学センサなどが挙げられる。
【0015】
撮像装置15は、トイレの使用者の顔を撮像する装置であり、例えば、静止画及び/又は動画を撮影するカメラとすることができる。また、撮像装置15は、可視光カメラに限らず、赤外光カメラ等であってもよい。
【0016】
情報収集部16は、便器1における排泄物の情報を収集する部位であり、例えば、排泄物の形状、色などの排泄物の内容を、光学レンズを介して収集する撮像装置(撮像装置15と同様の装置)又は光学的に距離を計測する距離センサなどとすることができる。排泄情報とは、排泄の内容を示す情報とすることができ、より単純な例では、排泄物が大便(糞)であるか小便(尿)であるかを示す情報とすることができる。排泄情報には、排泄物の色を示す情報、固形物であるのであればその形状など、他の情報を含むこともできる。情報収集部16は、排泄物の情報として、単に排泄の有無を検知して収集する構成だけであってもよい。
【0017】
情報収集部16は、便器の滞水部分を含む領域(排泄範囲)を収集範囲とすることができ、この排泄範囲は排泄予定範囲と称することもできる。このような排泄範囲を撮像範囲に含めるように情報収集部16を設置しておくことで、撮像される撮像データには被写体として排泄物等が含まれることとなる。無論、上記の排泄範囲は、使用者が映り込まないような範囲とすることが好ましく、またレンズ等も使用者から見えないように情報収集部16が設置されることが好ましい。
【0018】
制御部17は、人感センサ14、撮像装置15、及び情報収集部16を制御する。例えば、制御部17は、人感センサ14での検知結果を受け取ることができ、撮像装置15に撮像を指示することや撮像された画像を受け取ることができ、情報収集部16に排泄物の情報を収集するように指示することや収集された情報を受け取ることができる。
【0019】
制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業用メモリ、及びプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現することができる。このプログラムは、例えば上述のような処理をCPUに実行させるためのプログラムとすることができる。また、制御部17は、例えば集積回路(Integrated Circuit)によって実現することもできる。
【0020】
上記の収納筐体は、制御部17を収納する筐体であり、便器1の縁部1cを挟んで(排泄情報収集装置10を設置時に挟むような位置に)、外側筐体11及び内側筐体13を有するとともに、橋架部12を有する。収納筐体を有する排泄情報収集装置10は、人感センサ14、撮像装置15、情報収集部16、及び制御部17を一体化した構造であると言える。
【0021】
内側筐体13は便器1の内側に配置される筐体であり、外側筐体11は便器1の外側に配置される筐体であり、その形状は問わず、排泄の邪魔にならなければよい。橋架部12は、内側筐体13と外側筐体11とを繋ぎ、縁部1cの上面に載置する部分であり、横架部と称することもできる。つまり、排泄情報収集装置10を便器1に設置する際には、外側筐体11及び内側筐体13は縁部1cの一部の両側に位置し、橋架部12が縁部1cの上記一部の上面に配されることになる。ここでは、より好ましい例として、制御部17を外側筐体11に収納した例を挙げているが、内側筐体13又は橋架部12に収納することもできる。
【0022】
また、情報収集部16は、内側筐体13に配設されるものとする。但し、情報収集部16における情報収集面を内側筐体13の開口部から露出させておくなどして、便器1の溜まりの部分(排泄物が排泄される領域)から情報を収集できるように、情報収集部16は配設される。上記情報収集面とは、例えばカメラの場合にはレンズ面、センサの場合には検出面などが該当する。
【0023】
また、人感センサ14及び撮像装置15は、外側筐体11に配設されることができる。或いは、人感センサ14及び撮像装置15は、外側筐体11の外側に配設された別筐体(図示せず)に配設されることができる。後者の例については実施形態2で詳細に説明する。以下では、前者の例を挙げて説明する。
【0024】
ここでも、撮像装置15は、トイレの使用者の顔を撮像可能なように例えばレンズを外側筐体11から露出させるなどして、外側筐体11に配設しておくことができる。また、人感センサ14は、トイレの使用者を検知可能なように検知面を外側筐体11から露出させるなどして、外側筐体11に配設しておくことができる。
【0025】
以上、本実施形態に係る排泄情報収集装置10によれば、トイレの使用者から聞き取る必要なく使用者が排泄した排泄物の情報を収集することが可能である。そして、本実施形態に係る排泄情報収集装置10によれば、便器1の形状に依らず取り付けることができる構造であるため、様々な形状の便器に設置することが可能であり、例えば要介護者宅のトイレの環境に左右されずに設置することができる。よって、本実施形態によれば、排泄情報収集装置の形状などが異なる種類数を増やす必要なく、様々な形状の便器に取り付けることができ、排泄情報収集装置の管理費用や製造費用を抑えることができる。本実施形態は、例えば、トイレの便器にセンサ類を配備した構造物を配置することがあるヘルスケアや医療介護の分野での好適に利用することができる。
【0026】
<実施形態2>
実施形態2について、
図2~
図10を併せて参照しながら実施形態1との相違点を中心に説明するが、実施形態1で説明した様々な例が適用できる。まず、
図2~
図5を参照して排泄情報収集装置の構成例について説明する。
図2は、実施形態2に係る排泄情報収集装置を設置した便器の一構成例を示す斜視図で、
図3は、
図2の排泄情報収集装置の一部分を示す正面図である。
【0027】
図2で例示するように、本実施形態に係る排泄情報収集装置20は、便器1に設置されるものであり、人感センサ24、撮像装置25、情報収集部26、制御部27、及び収納筐体を備えることができる。これらの構成要素は、それぞれ、
図1の人感センサ14、撮像装置15、情報収集部16、制御部17、及び収納筐体に対応するものであり、その詳細な説明を省略する。
【0028】
本実施形態では、人感センサ24及び撮像装置25は、別筐体28に配設されることができる。別筐体28は、外側筐体21の外側に配設された筐体であり、
図2では、好ましい例として便器1の後ろ方向に配設された例を挙げているが、外側筐体21の前側の側面又は図面右側の側面に配設することもできる。
【0029】
別筐体28は、人感センサ24及び撮像装置25を備えるものであり、以下、人検知/識別ボックスと称する。また、外側筐体21は制御部27を備えるものであり、以下、制御ボックスと称する。人検知/識別ボックス28は、撮像装置25の例としての顔認証用のカメラを備えるとともに、人検知用の人感センサ24を備える。
【0030】
制御ボックス21は、各センサからの情報分析するためのCPU及び外部のサーバ装置(サーバ)などと通信するためのWiFi(登録商標)インタフェースを備えることもできる。内側筐体23は排泄物の情報を収集するための光学センサ等の情報収集部26を備えるものであり、以下、センサボックスと称する。また、橋架部22は、制御ボックス21とセンサボックス23とをわたす部分であり、以下、わたりと称する。わたり22は、センサボックス23と制御ボックス21を繋ぐ機構で、便器1の縁部1cに設置される。わたり22は、ボックス間接続部(ボックス間接続構造物)と称することができる。
【0031】
排泄情報収集装置20には、各ボックスやわたり22に基板やそれらを接続するケーブルなどが備えられることになる。排泄情報収集装置20は、上述のような分割したボックス構成を採用し且つケーブルを接続するコネクタの向きを最適化することで、ケーブル余長に必要な空間を削減、基板と搭載部品のサイズダウンを図ることができ、全体の構造物の横幅を抑えることができる。トイレによって便器の脇に手すりがあるタイプも存在するが、排泄情報収集装置20は、このようなタイプに対しても装置の横幅を薄くしなくても設置することができる。
【0032】
また、排泄情報収集装置20のような構成を採用しない装置(以下、比較装置)には、人検知/認識機能を有するボックスと排泄情報収集機能を有するボックスとをケーブルで接続する必要がある。よって、比較装置では、そのケーブルの引き回しが、トイレ室内の寸法、配管、手すりに干渉により設置できない場合があり、仮に設置できても、設置には業者による作業が必須となるため、安価に実現することはできない。これに対し、排泄情報収集装置20では、上述のように容易に設置が可能であるため、安価に設置することができる。
【0033】
また、
図3で例示するように、人感センサ24、撮像装置25は、排泄情報収集装置20を便器1に設置した場合に、少なくともわたり22より高い位置に、それぞれ検知面、撮像レンズが位置するように配設されることが好ましい。また、便座(図示せず)の高さを考慮した所定の高さだけ高い位置に、検知面及び撮像レンズを備えることがより好ましい。また、撮像装置25は、
図3で例示するように、使用者の顔が撮影できるような撮影方向に向けて撮像レンズを設けておけばよい。
【0034】
また、排泄情報収集装置20は、制御ボックス21、わたり22、センサボックス23、人検知/識別ボックス28の他に、固定用クランプ機構29を備えることができる。固定用クランプ機構29は、排泄情報収集装置20と便器1を固定するための機構である。
【0035】
固定用クランプ機構29は、
図3で例示するように、制御ボックス21におけるセンサボックス23側の側面(つまり便器1側の側面)に配設されるクランプ機構の一例である。固定用クランプ機構29は、固定用クランプ機構29は、制御ボックス21に対する便器1の距離を離す方向に長さを調整することで、センサボックス23と制御ボックス21とを縁部1cに固定する機構である。
【0036】
わたり22は固定長であるため、縁部1cを制御ボックス21、固定用クランプ機構29、及びセンサボックス23で挟持した状態で、上記長さを調整すれば、排泄情報収集装置20を縁部1cに固定することができる。これにより、縁部1cの形状などの便器1の形状に依らず、確実に排泄情報収集装置20を固定して設置することができる。
【0037】
例えば、
図3に示すように、固定用クランプ機構29は、回動軸29bを回動可能に収納したクランプアセンブリ29aを備えることができる。さらに、固定用クランプ機構29は、回動軸29bの先端に取り付けられたクランプ軸29cと、クランプ軸29cの先端に取り付けられた接触部29dと、クランプ軸29cの接触部29dとは反対側に取り付けられた調整ナット29eと、を備えることができる。便器1の様々な形状(外側の曲面形状)合わせて調整ナット29eを調整して固定用クランプ機構29を便器1に固定することが可能となる。
【0038】
特に、固定用クランプ機構29における便器1との接触面(接触部29dの便器1側)は、クランプ軸29cに対して角度が変更可能な状態で取り付けられていることが、便器1の形状により合わせた状態でクランプすることができるため好ましい。例えば、接触部29dとクランプ軸29cとはボールジョイントを用いて取り付けることができる。
【0039】
また、固定用クランプ機構29は次のように制御ボックス21に取り付けることが好ましい。即ち、制御ボックス21は、固定用クランプ機構29を取り付けるための長孔32を1又は複数を有し、長孔32のいずれかの位置で固定用クランプ機構29を固定するための固定ネジ33を備えることが好ましい。ここで、長孔32は、例えば、
図3で例示するように制御ボックス21の本体に取り付けられた取り付け部材31に設けられることができる。
【0040】
このような長孔32を採用することで、便器1の形状により変わる便器1と制御ボックス21との距離を、長孔32に固定用クランプ機構29を固定する位置で調整することができる。
【0041】
このように、排泄情報収集装置20を、センサボックス23と制御ボックス21との間にわたり22を設けた構造物とし、わたり22を便器1の縁部1cに引っ掛け、引っ掛けた構造物と便器1を固定するために、固定用クランプ機構29を用いる。また、
図3では、固定用クランプ機構29としてトグルクランプを例に挙げたが、これに限ったものではない。但し、トグルクランプは、開閉レバーとして機能する回動軸29bを操作する場合にその操作にかける力が小さくても、大きな力で便器1と排泄情報収集装置20を容易に取り付け、取り外しすることが可能となるため、好ましいと言える。特に、クランプアセンブリ29aの開閉レバーによる開閉により、排泄情報収集装置20の便器1への取り付けと取り外しをワンタッチで実現することができる。
【0042】
上述のように、排泄情報収集装置20の便器1への取り付け/取り外しを次のような手順で行うことができる。まず、初めて便器1に排泄情報収集装置20を取り付ける場合、便器の曲面に合わせて調整ナット29eを調整し、固定用クランプ機構29を便器1に固定する。次いで、便器1と制御ボックス21の距離に合わせて固定ネジ33を長孔32の位置に固定することで、クランプアセンブリ29aを取り付け部材31に固定する。なお、長孔32に対し、左右で2箇所に固定ネジ33を設けることが好ましいが、図示したように1箇所であってもよい。また、長孔32は、図示したように上下に2つ以上設けることが好ましい。次いで、クランプアセンブリ29aの開閉レバーによる開閉により排泄情報収集装置20の取り付け、取り外しを行う。初めての取り付けを行った後は、排泄情報収集装置20の取り付けと取り外しを最後の手順のみで実施することができる。
【0043】
以上、このような固定用クランプ機構29を備えることで、工具を使用することなく且つトイレの便器を専用品に交換することなく、市場にある多種多様な便器1に排泄情報収集装置20を簡易に設置すること及び取り外すことができる。また、便器のタイプ毎に装置シリーズを追加する必要がなく、装置のベンダーはその管理費を削減することができる。また、固定用クランプ機構29を備えることで、例えば便器1の清掃時に排泄情報収集装置20を簡単に取り外し、再設置することができる。また、固定用クランプ機構29を備えることで、清掃のために手袋している状態の清掃員にも容易に取り外し及び再設置を行うことができ、清掃作業の効率を向上させることができる。
【0044】
また、制御ボックス21及び人検知/識別ボックス28は、撮像装置25や人感センサ24の上部からの押圧力を逃がす方向に、人検知/識別ボックス28が制御ボックス21に対して可動する機構(回動機構)を有することが好ましい。この回動機構は、人検知/識別ボックス28の破損防止するための機構(破損防止機構)として設けられる。
【0045】
このような機構の例について
図4及び
図5を参照しながら説明する。
図4は、排泄情報収集装置20における人検知/識別ボックス28の斜視図で、
図5は、排泄情報収集装置20における制御ボックス21に対する人検知/識別ボックス28の可動の様子を示す概略側面図である。
【0046】
図4及び
図5に示すように、人検知/識別ボックス28は、本体28aと、台座28dと、台座28dに取り付けられた上記回転機構の一部としての扇状部材28bと、扇状部材28bの先端に設けられた突起部28cと、を有することができる。
【0047】
扇状部材28b及び突起部28cを人検知/識別ボックス28に備えるとともに、
図5に示すように、制御ボックス21に、回動軸21aと、扇状部材28bをその回動軸21aを中心に矢視の方向に回動可能に格納する開口部分と、を備えることができる。なお、回動軸21aに対応する回動軸は扇状部材28b側にも設けられている。また、図示しない弾性部材などを配置することで、押圧力がなくなった後は元の位置に戻すように構成することもできる。
【0048】
実際、トイレの使用者が排泄情報収集装置20に手をついて破損させるリスクがあるのは、排泄情報収集装置20の上部にある人検知/識別ボックス28と想定される。人検知/識別ボックス28に上述のような破損防止機構を備えることで、使用者が手をついても人検知/識別ボックス28にかかる力を逃がすことができ、人検知/識別ボックス28の外れや破損などの、排泄情報収集装置20の破損を防止することができる。また、このような破損防止機構により、破損により使用者を負傷させることを防ぐことで、使用者の安全を確保することができる。排泄情報収集装置20は、例示したように、便器1より上に配置され、図示しない便座よりも上に配置される部品を備えることができ、そのような配置の場合に特に有益となる。
【0049】
次に、人検知/識別ボックス28での被写体検知エリアについて、
図4及び
図6~
図9を参照しながら説明する。
図6は、
図2の排泄情報収集装置を設置した便器における被写体検知エリアの一例を示す概略側面図である。
図7~
図9は、トイレ内における便器1の配置によって異なる、
図2の排泄情報収集装置20を設置した便器1における被写体検知エリアの例を示す概略上面図である。
【0050】
図4に示すように、人検知/識別ボックス28は、本体28aに取り付けられた台座28dと、台座28d及び本体28aの同じ位置に設けられた連通穴(図示せず)に取り付ける固定ネジ28eと、を備えることができる。台座28dは、制御ボックス21に常に固定されることができるが、上述したように扇状部材28b及び突起部28cを備えることもできる。
【0051】
人検知/識別ボックス28は、台座28dに対し、人感センサ24及び撮像装置25を配設した本体28aが回動可能に構成されており、その回動を固定ネジ28eで固定するように構成されることができる。つまり、人検知/識別ボックス28は水平方向に調整可能な機構(水平方向角度調整機構)を有することができる。台座28dに接続した人検知/識別ボックス28の本体28aを回転させて水平方向の角度を調整し、水平方向の角度の調整後、本体28aを固定ネジ28eで固定する。
【0052】
水平方向角度調整機構で例示したように、排泄情報収集装置20は、制御ボックス21又は人検知/識別ボックス28に対する撮像装置25の撮影方向を、少なくとも水平方向に回動させる機構を備えることが好ましい。特に、排泄情報収集装置20は、上記撮影方向を、使用者の動線に合わせて少なくとも水平方向に回動させる機構を備えることがさらに好ましい。
【0053】
具体的に画角の例を挙げて説明する。ここでは、2m×2mのトイレ空間を例に挙げ、排泄情報収集装置20に配備した使用者識別機能の画角範囲を
図6~
図9に示している。ここでも、人検知/識別ボックス28が、上述したように、水平方向に回転し、回転するボックスの向きを固定するための機構を備えた例を挙げる。
【0054】
図6において垂直方向の画角の範囲を示すように、撮像装置25の画角を47°、撮像装置25の設置角度74°とすると、車いすに乗った人の高さと立ってトイレを利用する人の高さの0.9m~1.8mまで画角に入れることが可能となる。なお、
図6中、Wは壁である。
【0055】
また、
図7~
図9にはドアに対する撮像装置25の配置や方向を変えた状態での水平方向の画角の範囲を示しており、白抜き矢印はトイレのドアから便器までの人の動線を表している。
図7~
図9で例示するように、トイレにおけるドアの配置や便器の設置場所に応じて、撮像装置25の配置や方向を変えるように人検知/識別ボックス28の水平方向の角度を調整することができる。これにより、トイレに空間にあるドアの左右、正面からの動線上の人を撮像装置25の画角範囲内に入れることが可能となる。
【0056】
以上のように、水平方向角度調整機構で例示した機構を備えることにより、撮像装置25を顔認識に最低限必要な画素数を有するような安価な装置でも、車いすや立ってトイレを利用する双方の人の識別が可能になる。実際、画角の広い撮像装置は画素数も多く高価であるが、本実施形態では安価な撮像装置で済ませることができる。また、固定ネジ28eで調整後に固定する機構を備えることで、一度固定した水平方向の人検知/識別ボックス28の向きを使用者が誤って変更できないようにガードすることができる。
【0057】
また、使用者の動線に合わせた水平方向角度調整機構を備えて撮像装置25の画角を制限することで、取得する画像は使用者のトイレ使用の動線上の画像のみとなりプライバシーを配慮することができる。
【0058】
また、
図4のような人感センサ24を撮像装置25と同じボックスに備える構成では、この機構(回動機構)により、人感センサ24の検知面も回動させることができる。これにより、人感センサ24も安価な装置で済ませることができる。
【0059】
特に、水平方向角度調整機構を備えるだけでなく、人検知/識別ボックス28を便器1又は便座の上側にその検知面や撮像レンズが位置するように配置することが好ましい。これにより、トイレ内の手すり、便器1、便座のフタ等と画角(人感センサ24の検知可能な角度や撮像装置25の撮影可能な画角)との干渉をより避けることができ、トイレの設置環境に依らず、安価に人検知/識別を実施することができる。
【0060】
次に、
図10を参照しながら、排泄情報収集装置20での制御の一例について説明する。
図10は、排泄情報収集装置20の一構成例を示すブロック図である。
【0061】
排泄情報収集装置20は、排泄情報収集装置20に無線接続されたサーバ(図示せず)とともにシステムを構成することができる。また、このシステムには、サーバに無線接続された、トイレの使用者の監視者がもつ端末装置(図示せず)を備えることができる。なお、これらの接続は例えば1つの無線LAN(Local Area Network)内で行うことができる。
【0062】
このシステムでは、排泄物の記録、端末装置への排泄物情報の提示(通知等)、及び排泄予測を、排泄情報収集装置20、サーバ、及び端末装置が連携しながら行う。記録や提示、予測等はどのような構成で実現してもよく、ここでは説明を省略するが、排泄情報収集装置20は、トイレ設置型の記録と通知及び排泄予想システムとして、又はその情報収集を担う装置として機能することができ、トイレセンサと称することもできる。また、排泄情報収集装置20は、排便排尿観察装置と称することができ、情報の記憶まで行う場合には排便排尿観察記録装置と称することができる。
【0063】
図10では、制御ボックス21に人検知/識別ボックス28も含めた状態で説明する。
図10に示すように、センサボックス23には、情報収集部26の例としての、距離センサ26a及び第1カメラ26bを収納しておくことができる。ボックス21,28には、例えば、CPU27a、コネクタ27b、USB I/F27c,27d、WiFiモジュール27e、Bluetoothモジュール27f、人感センサ24、及び撮像装置(第2カメラ)25を収納しておくことができる。なお、USBはUniversal Serial Busの略であり、USB、WiFi、及びBluetoothはいずれも登録商標である(以下同様)。
【0064】
図10に示すように、制御ボックス21とセンサボックス23とは、コネクタ27b及びUSB I/F27cで例示するインタフェースによって接続され、その接続線をわたり22の内部に備えることで、一つの排泄情報収集装置20を構成する。
【0065】
センサボックス23について説明する。
距離センサ26aは、対象物(便器1の使用者の臀部)との距離を計測し、便座に使用者が座ったことを検知するセンサであり、閾値の値を超えて一定時間経過した場合に対象物が便座に着座したことを検知する。また、距離センサ26aは、着座後に、対象物の距離が変動した場合、使用者が便座から退座したことを検知する。距離センサ26aは、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、光学センサなどを採用することができる。距離センサ26aは、光学センサを採用する場合、センサボックス23に設けられた穴から光(可視光に限らない)の送受信が行えるように、送受信素子を配置しておけばよい。ここでの送受信素子は、送信素子と受信素子とが別個に構成されていてもよいし、一体化されていてもよい。距離センサ26aは、コネクタ27bを介してCPU27aに接続されており、検知結果をCPU27a側に送信することができるようになっている。
【0066】
第1カメラ26bは、排泄物を撮像するカメラの一例であり、センサボックス23に設けられた穴にレンズ部分を配置させた光学カメラとすることができる。第1カメラ26bは、トイレの便器1における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置されている。第1カメラ26bは、USB I/F27cを介してCPU27aに接続されており、撮像データをCPU27a側に送信する。
【0067】
制御ボックス21について説明する。
CPU27aは、排泄情報収集装置20の主制御部の例であり、排泄情報収集装置20の全体を制御する。コネクタ27bは、人感センサ24及び距離センサ26aと、CPU27aと、を接続する。USB I/F27cは、第1カメラ26bとCPU27aとを接続し、USB I/F27dは、第2カメラ25とCPU27aとを接続する。
【0068】
人感センサ24は、特定領域(人感センサ24の測定領域範囲)に人が存在すること(人の入退室)を検知するセンサであ。人感センサ24は、その検知方式を問わず、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、光学センサなどを採用することができる。人感センサ24は、コネクタ27bを介してCPU27aに接続されており、特定領域に人を検知した場合、検知結果をCPU27aに送信する。この検知結果は、CPU27aによりWiFiモジュール27eを介してサーバに送信されることができる。また、CPU27aは、この検知結果を受けて、第2カメラ25への撮影指示を行うことができる。
【0069】
第2カメラ25は、撮像装置25の例であり、光学カメラとすることができ、トイレの使用者を識別するために使用者の顔画像を撮影して顔画像データを得るカメラの例である。第2カメラ25は、使用者の顔を撮像範囲に含めるように設置されることができる。
【0070】
Bluetoothモジュール27fは、使用者を識別するための識別データを、使用者が保持するBluetoothタグから受信する受信機の一例であり、他の近距離通信規格に基づくモジュールに置き換えることもできる。使用者が保持するBluetoothタグは、使用者毎に異なるIDとしておき、例えばリストバンド等に埋め込むなどして、使用者に保持させておくことができる。
【0071】
WiFiモジュール27eは、取得した各種データをサーバへ送信する通信機器の一例であり、他の通信規格を採用するモジュールに置き換えることもできる。第2カメラ25で取得された顔画像データやBluetoothモジュール27fで得られた識別データは、CPU27aによりWiFiモジュール27eを介してサーバに送信されることができる。
【0072】
CPU27a、USB I/F27c、WiFiモジュール27e、及びサーバは、第1カメラ26bで撮像された撮像データに基づき排泄情報を得る。この場合、撮像データから排泄情報を得る主な処理は、サーバが担うことができる。例えば、サーバは、学習済みモデルに撮像データを入力し、排泄情報を取得する。そして、サーバは、例えば、撮像データに、便器及びその洗浄用液体を除く被写体として糞尿以外の物体である異物が含まれるか否かを示す情報を、排泄情報の少なくとも一部として得る。
【0073】
サーバは、第2カメラ25で取得された顔画像データを、WiFiモジュール27eを介して受信し、予め記憶された認証用データと、例えばその特徴点などを比較して顔認証処理を行い、合致した認証用データに関連付けられた識別データを得る。このように、サーバは、識別データ(使用者を識別する識別データ)を得ること、つまり使用者を特定することができる。
【0074】
そして、サーバは、排泄情報収集装置20から撮像データとともに撮像データ取得時の便器1の使用者の顔画像データを得ることができるため、その顔画像データに基づき使用者が識別でき、内部の記憶装置に使用者毎の排泄情報を管理することができる。また、サーバは、使用者毎に提示情報の生成を行うこともできる。この顔認証処理により、最も近似した使用者を、現在のトイレの使用者として特定することができる。このように、上述した識別データは、便器1又は便器1が設置された部屋(トイレの個室)において、第2カメラ25で撮像された顔画像データに基づき、顔認証処理を実行することで、使用者を識別したデータとすることができる。なお、第2カメラ25で撮像した顔画像データは、プライバシーを考慮して保存しないようにしておくことが好ましい。
【0075】
そして、端末装置は、その提示情報を使用者毎に出力することができる。また、サーバは、使用者毎に1又は複数の提示対象者(例えば使用者が要介護者の場合には担当の監視者)を予め定めておけば、その提示対象者が使用している端末装置に提示情報を出力することができる。監視者としては、介護士が挙げられ、場合によっては医師も挙げられるが、介護士でなくても介助者も挙げることができる。また、本システムの適用環境によっては、監視者はそれ以外であってもよい。
【0076】
さらに、サーバは、Bluetoothモジュール27fで得られた識別データ(個人認証用データ)を、WiFiモジュール27eを介して受信し、予め記憶された認証用の識別データと比較してユーザ認証を行う。なお、例えば、自身のBluetoothタグを保持する介護士と、自身のBluetoothタグを保持する要介護者と、が一緒にトイレに入室した場合などには、後者を使用者として選択するようにしておけばよい。このように、サーバは、識別データ(使用者を識別する識別データ)を得ること、つまり使用者を特定することができる。
【0077】
そして、サーバは、排泄情報収集装置20から撮像データとともに撮像データ取得時の便器1の使用者を識別する識別データを得ることができるため、その識別データに基づき、内部の記憶装置に使用者毎の排泄情報を管理することができる。また、サーバは、使用者毎に提示情報の生成を行うこともできる。そして、端末装置は、その提示情報を使用者毎に出力することができる。また、サーバは、使用者毎に1又は複数の提示対象者を予め定めておけば、その提示対象者が使用している端末装置に提示情報を出力することができる。
【0078】
なお、この例では、顔画像データ及び識別データの2種類のデータから使用者を特定しており、2つの特定機能を有すると言えるが、無論、いずれか一方でも使用者の特定は可能である。例えば、本システムにおいて双方の特定機能を備えておき、運用時にいずれか一方を選択することができる。或いは、本システムにおいていずれか一方の特定機能のみを備えておくこともできる。
【0079】
<実施形態3>
実施形態3について、
図11を併せて参照しながら実施形態2との相違点を中心に説明するが、実施形態1,2で説明した様々な例が適用できる。
図11は、実施形態3に係る便座一体型便器の一構成例を示す斜視図である。
【0080】
図11に示すように、便座一体型便器50は、排泄情報収集装置20を着脱自在に備えるとともに、便器1と、わたり22を挟んで便器1の縁部1cの上側に配設される蓋42付き便座40と、を備える。便座40の本体41は、例えば使用者洗浄用の温水洗浄機能を搭載した便座とすることができる。蓋42は、便座40の本体41における開口部を塞ぐものであり、開閉可能になっている。
【0081】
便座40の本体41は、その下方に便器1の縁部1cと接する凸部41aを備えることができる。凸部41aは複数箇所に設けられることができる。そして、わたり22の厚みは、本体41の下側の凸部41aの厚み以下としておけばよい。また、わたり22は、その便座40の本体41の凸部41aの高さに応じて、その高さを調整できるように、上面に貼り付けるための弾性部材を備えることもできる。また、わたり22の上面における少なくとも便座40の本体41と接する部分を弾性部材で構成しておくこともできる。
【0082】
<実施形態4>
実施形態4について、
図12を併せて参照しながら実施形態1との相違点を中心に説明するが、実施形態1~3で説明した様々な例が適用できる。
図12は、実施形態4に係る排泄情報管理方法の一例を説明するためのフロー図である。
【0083】
上述のような排泄情報収集装置10は、例えば、次のような排泄情報管理方法に使用することができる。この排泄情報管理方法は、排泄情報収集装置10を便器1に設置して、トイレの使用者による排泄物の情報を管理する方法である。
【0084】
この排泄情報管理方法は、第1取得ステップ、第2取得ステップ、識別ステップ、及び記憶ステップを備える。第1取得ステップは、人感センサ14でトイレの使用者が検知された場合(ステップS1でYESとなった場合)、撮像装置15で使用者の顔の画像を取得する(ステップS2)。識別ステップは、第1取得ステップで取得した画像に基づき顔認証処理を実行し、使用者を識別(特定)する(ステップS3)。
【0085】
第2取得ステップは、情報収集部16で排泄物の情報を取得する(ステップS4)。なお、識別ステップは、第2取得ステップの前に実行することもできる。記憶ステップは、識別ステップで識別した使用者と第2取得ステップで取得した排泄物の情報とを関連付けて記憶する(ステップS5)。このように、排泄情報収集装置10は、排泄情報管理方法を実施する排泄情報管理システムの一部として使用することができる。
【0086】
制御の一例を挙げる。例えば、制御部17は、人感センサ14で人が検知された場合に、撮像装置15を起動させて使用者の顔画像を取得することができる。また、制御部17は、撮像装置15で取得された顔画像を、外部ネットワークに無線接続されたサーバに送信する。このサーバは受信した顔画像に基づき顔認証処理などを実行するように構成することができる。また、制御部17は、人感センサ14で人が検知された場合、又は撮像装置15で顔画像が取得された場合など、所定のタイミングで情報収集部16を起動させて、情報収集部16に排泄物の情報を収集させる。制御部17は、収集された情報を上記サーバに送信することができ、上記サーバは顔認証処理で使用者を識別した結果に基づいて使用者と排泄物の情報とを関連付けてデータベースなどに記憶する。
【0087】
本実施形態に係る排泄情報管理方法によれば、実施形態2で説明したようなシステムにおいて必要な、使用者毎の排泄情報の管理を行うことができる。
【0088】
また、上述の排泄情報管理方法は、次の使用者識別方法を含む。この使用者識別方法は、人感センサ14でトイレの使用者が検知された場合、撮像装置15で使用者の顔の画像を取得する第1取得ステップと、第1取得ステップで取得した画像に基づき顔認証処理を実行し、使用者を識別(特定)する識別ステップと、を含む。
【0089】
よって、本開示は、排泄情報収集装置10において情報収集部16を備えない使用者情報収集装置を含む。この場合にも内側筐体13は便器1への設置のために備えておけばよいが、無論、少なくとも内側治具のような内側部材が橋架部22の先端側に設けられていればよい。そして、上記の使用者識別方法は、この使用者情報収集装置を用いて使用者情報を収集し、使用者を識別することができる。この使用者情報収集装置に顔認証機能や使用者識別機能を備えておいて、使用者情報収集装置単独で使用者の識別を行うこともできるし、これらの機能をネットワーク接続されたサーバに備えて、サーバ側で使用者の識別を行うこともできる。このような使用者識別方法によれば、簡易で様々な形状の便器1への取り付けが可能な排泄情報収集装置10を用いてトイレの使用者を識別することができるようになる。
【0090】
<実施形態5>
実施形態5について、
図13~
図23を参照しながら実施形態2,3との相違点を中心に説明するが、実施形態1~4で説明した様々な例が適用できる。
図13は、実施形態5に係る排泄情報収集装置を設置したトイレの一構成例を示す斜視図である。
【0091】
図13に示すように、本実施形態に係る排泄情報収集装置60は、便器1に設置されるものであり、人感センサ24、撮像装置25、情報収集部26、制御部67、内側筐体63、橋架部62、外側筐体69、収納筐体61、及び別筐体68を備えることができる。また、排泄情報収集装置60はクランプ機構も備える。ここでは、
図11の例と同様に蓋42が本体41に配設された蓋付き便座40を有する便座一体型便器50に排泄情報収集装置60を着脱自在に設置された例に挙げて説明するが、実施形態1で説明したように便器1は便座一体型でなくてもよい。
【0092】
人感センサ24、撮像装置25、情報収集部26については実施形態2で説明した通りであるが、後述するように、人感センサ24及び撮像装置25はそれを配設する別筐体68の配置が実施形態2とは異なる。
【0093】
内側筐体63は、情報収集部26を配設した筐体であり、実施形態2においてセンサボックス23で例示したものである。内側筐体63を、以下、センサボックス63として説明する。センサボックス63は、排泄物の情報を収集するための例えば光学センサを配備しており、便器1の内側に配置されることになる。本実施形態では、外側筐体69は、後述するように制御ボックス21ではなく、主にクランプ機構を有する筐体である。
【0094】
橋架部(わたり)62は、わたり22に対応する部位であり、センサボックス63と外側筐体69とを橋架する部位である。つまり、わたり62は、センサボックス63と外側筐体69を繋ぐ機構で、便器1の縁部1cに設置される。外側筐体69は、後述するクランプ機構の一部を有することができる。外側筐体69は便器1の外側に配置される筐体であり、その形状は問わず、排泄の邪魔にならなければよい。
【0095】
情報収集部26が配設されるセンサボックス63、わたり62、外側筐体69、及びクランプ機構は、収集側筐体として構成することができる。つまり、収集側筐体は、便器1の縁部を挟んで、便器1の内側に配置されセンサボックス63及び便器1の外側に配置される外側筐体29を有するとともに、それらを繋ぎ縁部1cの上面に載置するわたり62を有し、且つクランプ機構を有する。
【0096】
収納筐体61は、制御部67を収納する筐体で、制御部27を収納する外側筐体(制御ボックス21で例示)に対応する筐体であり、以下、制御ボックス61として説明する。但し、制御ボックス61は、制御ボックス21とはその配置が異なることになる。但し、本実施形態では、制御ボックス61が外側筐体69から離間した位置に配設される例に限らず、両者を一体型とすることも可能である。
【0097】
制御部67は、実施形態2における制御部27と同様の機能を有し、人感センサ24、撮像装置25、及び情報収集部26を制御する。情報収集部26、人感センサ24、及び撮像装置25は、制御部に有線又は無線通信により接続される。また、制御ボックス61は、各センサからの情報分析するためのCPU及びサーバと通信するためのWiFiインタフェースを配備しておくことができる。
【0098】
別筐体68は、別筐体28に対応する筐体であり、人感センサ24及び撮像装置25が配設される。別筐体68は、別筐体28と同様に人検知用の人感センサ24及び顔認証用の撮像装置(カメラ)25を内部に又は一部を外部に配設するものであり、以下でも人検知/識別ボックス68として説明する。また、人検知/識別ボックス68は、水平方向にカメラの方向を調整するカメラ調整機構を配備しておくことができる。人検知/識別ボックス68は、センサボックス63及び収納筐体61とは別の筐体である。
【0099】
人検知/識別ボックス68は、
図13で例示したように、収納筐体61及び便器1から離間した位置に配設されることができる。外側筐体21の外側に配設された筐体であるが、
図13では、好ましい例として便器1が設置してあるトイレの壁Wに人検知/識別ボックス68が設置された例を挙げている。
【0100】
本実施形態では、人検知/識別ボックス68を外側筐体69から離間した位置に配しているため、実施形態2で説明したような破損防止機構を備えなくても、破損により使用者を負傷させることを防ぐことができ、使用者の安全を確保することができる。また、本実施形態では、人検知/識別ボックス68を外側筐体69から離間した位置に配しているため、撮像装置25が便器1から離れる。よって、本実施形態では、使用者にとって撮像装置25の存在が認識し難くなり、特にそのようなデザインで人検知/識別ボックス68を構成することで、使用者の不快感を低減させることができる。
【0101】
ここでも、撮像装置25は、トイレの使用者の顔を撮像可能なように例えばレンズを人検知/識別ボックス68から露出させておくこともできるが、顔が撮影できればよい。また、人感センサ24は、トイレの使用者を検知可能なように検知面を人検知/識別ボックス68から露出させておくこともできるが、人が検知できればよい。また、人感センサ24及び撮像装置25が制御部27に有線又は無線通信により接続されていれば情報の送受は可能である。なお、実施形態2の構成例でも同様に、人検知/識別ボックス28を制御ボックス21及び便器1から離間した位置に配設しておくこともできる。
【0102】
また、
図3で例示するように、人感センサ24、撮像装置25は、排泄情報収集装置20を便器1に設置した場合に、少なくともわたり22より高い位置に、それぞれ検知面、撮像レンズが位置するように配設されることが好ましい。また、便座40の高さを考慮した所定の高さだけ高い位置に、検知面及び撮像レンズを備えることがより好ましい。また、撮像装置25は、
図13で例示するように、使用者の顔が撮影できるような撮影方向に向けて撮像レンズを設けておけばよい。
【0103】
また、
図13では、情報収集部26がケーブルK1により制御部67に接続され、人感センサ24及び撮像装置25がケーブルK2により制御部67に接続された例を挙げている。また、排泄情報収集装置60の構成では、人検知/認識機能を有するボックスと制御部67を有するボックスと排泄情報収集機能を有するボックスとをケーブルK1,K2で接続している。しかし、人検知/認識機能を有するボックスがトイレの壁Wに配設され、制御部67を有するボックスが便器1の側面に配置されており、その設置作業も容易である。また、制御部27を有するボックスは便器1の背面側に配置されることもでき、この場合の設置作業も容易である。また、ケーブルK1,K2はいずれも制御ボックス61から電源を供給する電源供給線も含むことが望ましい。なお、制御ボックス61へは図示しない電源ケーブルから電源が供給される。
【0104】
なお、
図13では、ケーブルK1がわたり62の内部を通っていることを前提にしているが、ケーブルK1は、情報収集部26に接続されてセンサボックス62から導出され、直接制御ボックス61に接続されることも可能である。その場合、ケーブルK1は便器1の縁部1cの上面側を通る(縁部1cの上面と便座の本体41との間を通る)ことになる。
【0105】
次に、人検知/識別ボックス68の具体例について、
図14~
図16を参照しながら説明する。
図14は、人検知/識別ボックス68の一例を示す斜視図である。
図15は、
図14の人検知/識別ボックス68の分解図で、
図16は、
図14の人検知/識別ボックス68の上面図である。
【0106】
図14及び
図15に示すように、人検知/識別ボックス68は、使用者識別用の撮像装置25(顔認証用カメラ)を配備することができる。人検知/識別ボックス68は、制御ボックス61とはケーブルK2による有線接続を採用すること、或いは無線接続を採用することができ、いずれの場合でも制御ボックス61とは離した位置で利用可能となっている。
【0107】
人検知/識別ボックス68は、水平方向に回転し、回転するボックスの向きを固定するための機構を配備している。人検知/識別ボックス68の水平方向角度調整機構は、
図16の太線矢印で示すように、撮像装置25及び人感センサ24を含むボックス本体を、垂直軸中心に所定範囲で回動できるようにベース68aに配設した機構となる。なお、ベース68aの背面は、図示しないが、壁に設置するためのアタッチメント68bに取り付け可能な構造を有する。アタッチメント68bは壁に垂直に取り付けられ、ベース68aの回動軸が鉛直方向を向くようにアタッチメント68bに取り付けられることができる。
【0108】
このような回動を可能にするため、ボックス本体は、例えば
図15に示すように、センサカバー68c、センサ搭載部材68d、カメラ搭載部材68e、カメラカバー68f、及びL字状の固定板68p,68q、及びケーブルカバー68gを備えることができる。
【0109】
センサ搭載部材68dは、人感センサ24を搭載した部品で、下面側の中央付近に図示しない軸のための軸受け部68nを有することができる。センサカバー68cはセンサ搭載部材68dをカバーする部材で、人感センサ24用の窓68oを有する。カメラ搭載部材68eは、撮像装置25を搭載した部品で、上面側の中央付近にネジ68hのためのネジ受け部68mを有することができる。カメラカバー68fは、カメラ搭載部材68eをカバーする部材であってカメラ窓68kを有する。また、カメラカバー68fの上面の中央には回動固定用のネジ68hが設けられる。
【0110】
固定板68pは、ベース68aに一面が固定されるとともに、それに垂直な他面における穴にネジ受け部68mが緩挿されている。固定板68qは、ベース68aに一面が固定されるとともに、それに垂直な他面における穴に軸受け部68nが緩挿されている。また、ベース68aは、上下に円筒状の受け部を有しておけば、上側の受け部でカメラ搭載部材68eを回動可能に、下側の受け部でセンサ搭載部材68dを回動可能に配設することができる。
【0111】
人検知/識別ボックス68は、このような構造により、ベース68aに対してボックス本体の回動が可能となっている。ボックス本体内には撮像装置25が配備されているが、これにより、使用者のトイレ内での動線に合わせて水平方向に回転させることができる。回動の中心を、ネジ受け部68m及び軸受け部68n及びそれらを通る軸とすることができる。また、所定範囲は、例えば、ベース68aの内側に設けた凹部68rとカメラカバー68fの背面に設けた凸部(図示せず)とで規定することができる。凹部68rの水平方向断面の円弧の距離を凸部の水平方向断面の円弧の距離より長くしておけば、凹部68rに対する凸部の可動範囲を規定することができる。
【0112】
ネジ68hは、回動を固定するためのネジであり、ボックス本体の水平方向の回動を固定するために使用される。ベース68aに接続したボックス本体を回転し、水平方向の角度を調整し、水平方向の角度調整後、ネジ68hで固定する。このように、人検知/識別ボックス68は、ボックス本体を回動可能にベース68aに固定した機構となる。無論、水平方向角度調整機構としては、ここで説明した構成例に限らず、様々な例を採用することができる。
【0113】
次に、上述したクランプ機構について説明する。クランプ機構(固定用クランプ機構)は、排泄情報収集装置60のセンサボックス63と便器1を固定するための機構である。具体的には、固定用クランプ機構は、わたり62を介して縁部1cの内側との間の距離を調整して挟持することで、センサボックス63と外側筐体69とを縁部1cに固定する機構である。これにより、縁部1cの形状などの便器1の形状に依らず、確実に排泄情報収集装置60のセンサボックス63を固定して設置することができる。また、このような機構であれば、固定用クランプ機構の形状や構成部品は問わない。固定用クランプ機構は、その主な部品が外側筐体69に備えられることができる。
【0114】
固定用クランプ機構の例とともに、それによる便器1への取り付け/取り外しの手順について、
図17を参照しながら説明する。
図17は、
図13の排泄情報収集装置におけるセンサボックスの便器への固定用クランプ機構の一構成例を示す側面図である。
【0115】
図17に示すように、外側筐体69は筐体本体69aを備え、筐体本体69aは固定化金具等の固定用クランプ機構を保護するカバーともなる。固定用クランプ機構は、先端部69bをL字状に曲げた連結板等の連結部材69jと、先端部69bとの間で便器1の縁部1cを挟持するためスライド部材69cと、スライド部材69cを水平方向にスライドさせるための収納部69dと、を備えることができる。この例では、連結部材69jとしてわたり62そのものを利用した例を挙げる。わたり62における先端部69bとは反対側は、筐体本体69aに固定される。
【0116】
また、先端部69bは、便器1の縁部1cに引っ掛けるための部材とし、
図17における先端部69bの右側は、センサボックス63の外面に固定しておくことができる。但し、先端部69bはセンサボックス63の内部に固定しておくこともできる。その場合には後述する弾性部材69hはセンサボックス63の外面に設けておけばよい。
【0117】
また、固定用クランプ機構は、スライド部材69cを
図17の上図と下図との間で水平方向に移動させることが可能なように、収納部69dに1又は複数のスライド溝69eを備えることができる。また、固定用クランプ機構は、この移動量の調整及び固定のためにダイヤル式ノブ69fがスライド方向を中心に回動可能に設けられている。ダイヤル式ノブ69fを採用することで、軽い力でダイヤルを回すだけの調整のみで、工具が不要で簡単に着脱が可能になる。また、ダイヤル式ノブ69fとして、トルクリミッター付きノブを使用することで正常設置の確認が容易にできる。但し、ダイヤル式ノブ69fの代わりに、調整用のノブと固定用の部材とを設けることもできる。
【0118】
また、スライド部材69cの便器1側(先端部69b側)には縁部1cの挟持用に弾性部材69gを設けておくことができ、先端部69bの筐体本体69a側にも縁部1cの挟持用に弾性部材69hを設けておくことができる。弾性部材69g,69hの形状や材質は両者による縁部1cが強固に挟持でき縁部1cとの接触部分でズレないようなものであればよい。また、両者間の距離も縁部1cとして想定される最大限の長さが、スライド部材69cを最大限収納部69dに収納したとき(
図17の下図の状態)に確保できればよい。
【0119】
また、このような固定用クランプ機構を採用することで、小型で溝も少なく、拭き掃除も容易にすることができ、清掃時間も削減することができる。また、固定用クランプ機構は、弾性部材69g,69hを除き金属製とすることが強度の点から望ましいが、例えば収納部69d及び/又はスライド部材69cは樹脂などの他の材質で構成しておくこともできる。
【0120】
なお、
図17では、わたり62そのものを利用して固定用クランプ機構を構成した例を挙げたが、
図17で図示した連結部材69jをわたり62の内部に収納しておくこともできる。つまり、連結部材69jはわたり62の一部として配することができる。また、先端部69bはセンサボックス63の一部として配することができる。また、
図17では固定用クランプ機構としてC型クランプを用いた例を挙げたが、これに限ったものではない。
【0121】
上述の説明から分かるように、排泄情報収集装置60の主にセンサボックス63の便器1への取り付け/取り外しは、ダイヤル式ノブ69fを時計回り/反時計回りに回転させることで実施することができる。取り付け時には、
図17の下図のような状態から、わたり62の先端部69b(実際には弾性部材69h)を便器1の縁部1cに引っ掛けた後、固定のため反時計回りにダイヤル式ノブ69fを回転させる。これにより、
図17の上図のようにスライド部材69cと先端部69bとの間の距離を縮めて設置することができる。取り外し時には、固定解除のため、時計回りにダイヤル式ノブ69fを回転させることで、
図17の下図のような状態として構造物の固定が解除され、取り外し可能となる。特に、ダイヤル式ノブ69fとしてトルクリミッター付きノブを使用することで、着脱の正常設置確認を容易に行うことができる。
【0122】
このように、排泄情報収集装置60は、センサボックス63と制御ボックス61との間にわたり62及び外側筐体69(及びケーブルK1)を設けた構造物とし、わたり62を便器1の縁部1cに引っ掛け、引っ掛けた構造物と便器1を固定する。そして、この固定には固定用クランプ機構を用いる。
【0123】
以上、このような固定用クランプ機構を備えることで、工具を使用することなく且つトイレの便器を専用品に交換することなく、市場にある多種多様な便器1に排泄情報収集装置60を簡易に設置すること及び取り外すことができる。また、ダイヤル式ノブ69fを回動させることで、開閉の操作にかける力が小さくても、大きな力で便器1とセンサボックス63を容易に取り付け、取り外しすることが可能となる。また、便器のタイプ毎に装置シリーズを追加する必要がなく、装置のベンダーはその管理費を削減することができる。また、上述のような固定用クランプ機構を備えることで、例えば便器1の清掃時に排泄情報収集装置60の一部(便器1に設置されたセンサボックス63、わたり62、及び外側筐体69)を簡単に取り外し、再設置することができる。また、上述のような固定用クランプ機構を備えることで、清掃のために手袋している状態の清掃員にも容易に取り外し及び再設置を行うことができ、清掃作業の効率を向上させることができる。
【0124】
また、トイレによって便器の脇に手すりがあるタイプも存在するが、排泄情報収集装置60は、このようなタイプに対しても、外側筐体69の横幅を特段薄くしなくても設置することができる。また、制御ボックス61も便器1の後方側面に配することができるため、その横幅(厚み)を特段薄くしなくても設置することができる。
【0125】
次に、
図18を参照しながら、制御ボックス61に接続された人検知/識別ボックス68の他の配置例について詳細に説明する。
図18は、排泄情報収集装置60を設置したトイレの他の構成例を示す斜視図である。
【0126】
図18に示す配置例では、制御ボックス61に2台の人検知/識別ボックス68が接続され、互いが垂直な壁Wにそれぞれが設置されている。この場合にも、人検知/識別ボックス68のそれぞれは制御ボックス61とケーブルK2,K3で接続される。このように、人検知/識別ボックス68に配備した人感センサ24と撮像装置25は、トイレ環境に合わせ自由な配置で設置することが可能である。ここでも、人検知/識別ボックス68は水平方向に調整可能な機構となっている。設置後、人検知/識別ボックス68のボックス本体を
図18の矢視で示すように回動させ、水平方向の角度を調整し、角度調整後、人検知/識別ボックス68のボックス本体を回動固定用のネジ(ネジ68h)で固定することができる。
【0127】
このように、排泄情報収集装置60は、各機能によりボックスを分離することで、人検知/識別ボックス68のトイレ壁面への設置、便器1など利用箇所の構造物の配置を減らし、ユーザ接触による装置破損やユーザが怪我をするリスクを防止することができる。また、同様の理由から、使用者が感じうる装置が設置されている違和感を減少させることもできる。
【0128】
また、
図18の例のように複数の人検知/識別ボックス68を配置した場合には、制御部67はそれらから出力されたデータに基づき、総合的に人の検知や顔の識別を行えばよい。例えば顔の識別については最も正面を向いた画像データを採用することができる。また、人の検知は、例えば、最初に検知閾値を超えた場合に人がトイレに入ったと判定し、最後に検知閾値を下回ってから所定期間経過した場合に人が居なくなったと判定してもよい。また、複数の人感センサ24のそれぞれはその設置される位置や検知面の角度などにより、検知閾値を異ならせておけばよい。複数の人検知/識別ボックス68を配置することで、人検知率の向上や顔認識精度の向上を図ることができる。
【0129】
次に、水平方向角度調整機構に関して、具体例を挙げながら説明する。水平方向角度調整機構で例示したように、排泄情報収集装置60は、人検知/識別ボックス28のボックス本体に対する撮像装置25の撮影方向を、少なくとも水平方向に回動させる機構を備えることが好ましい。特に、上記撮影方向を、使用者の動線に合わせて少なくとも水平方向に回動させる機構を備えることがさらに好ましい。
【0130】
水平方向に回転し、回転するボックスの向きを固定するための機構を人検知/識別ボックス28が備えた構成例について、具体的に画角の例を挙げて説明する。ここでは、2m×2mのトイレ空間を例に挙げ、排泄情報収集装置60に配備した使用者識別機能の画角範囲を
図19~
図22に示している。
図19は、
図14の人検知/識別ボックス68での被写体検知エリアの一例を示す概略側面図である。
図20~
図22は、
図14の人検知/識別ボックス68での被写体検知エリアの例を示す概略上面図である。
【0131】
図19において垂直方向の画角の範囲を示すように、撮像装置25の画角及び撮像装置25の設置角度を適宜設定とすると、車いすに乗った人の高さと立ってトイレを利用する人の高さの0.9m~1.8mまで画角に入れることが可能となる。
【0132】
また、
図20~
図22にはドアに対する撮像装置25の配置や方向を変えた状態での水平方向の画角の範囲を示しており、太線矢印はトイレのドアから便器までの人の動線を表している。
図20~
図22で例示するように、トイレにおけるドアの配置や便器の設置場所に応じて、撮像装置25の配置や方向を変えるように人検知/識別ボックス28における水平方向の角度を調整することができる。これにより、トイレに空間にあるドアの左右、正面からの動線上の人を撮像装置25の画角範囲内に入れることが可能となる。また、
図18の例のように、トイレ環境の問題や検出率向上のために、人検知/識別ボックス68は複数台設置することも可能であり、
図21及び
図22では2台異なる場所に設置された場合の画角範囲の例を示している。
【0133】
以上のように、水平方向角度調整機構で例示した機構を備えることにより、撮像装置25を顔認識に最低限必要な画素数を有するような安価な装置でも、車いすや立ってトイレを利用する双方の人の識別が可能になる。実際、画角の広い撮像装置は画素数も多く高価であるが、本実施形態では安価な撮像装置で済ませることができる。また、縦方向に広く横方向に狭い画角を制限した撮像装置25を採用することで、車椅子や立ってトイレを利用する双方の人識別が必要な顔画像の画素数を確保しつつ、画素数が低い安価な撮像装置ラを選択することが可能となる。また、ネジ68hで調整後に固定する機構を備えることで、一度固定した水平方向の人検知/識別ボックス28の向きを使用者が誤って変更できないようにガードすることができる。
【0134】
また、使用者の動線に合わせた水平方向角度調整機構を備えて撮像装置25の画角を制限することで、取得する画像は使用者のトイレ使用の動線上の画像のみとなり、使用者以外の部分が映る可能性を少なくできるためプライバシーを配慮することができる。
【0135】
また、人感センサ24を撮像装置25と同じボックスに備えているため、回動機構により、人感センサ24の検知面も回動させることができる。これにより、人感センサ24も安価な装置で済ませることができる。
【0136】
特に、水平方向角度調整機構を備えるだけでなく、人検知/識別ボックス28を便器1又は便座の上側にその検知面や撮像レンズが位置するように配置することが好ましい。これにより、トイレ内の手すり、便器1、便座のフタ等と画角(人感センサ24の検知可能な角度や撮像装置25の撮影可能な画角)との干渉をより避けることができ、トイレの設置環境に依らず、安価に人検知/識別を実施することができる。
【0137】
次に、
図23を参照しながら、排泄情報収集装置60での制御の一例について説明する。
図23は、
図13の排泄情報収集装置60の一構成例を示すブロック図である。ここでは、
図10の排泄情報収集装置20との相違点について主に説明し、それ以外についての説明は省略する。
【0138】
排泄情報収集装置60は、排泄情報収集装置20と同様に、排泄情報収集装置60に無線接続されたサーバ(図示せず)とともにシステムを構成することができる。また、このシステムには、サーバに無線接続された、トイレの使用者の監視者がもつ端末装置(図示せず)を備えることができる。なお、これらの接続は例えば1つの無線LAN内で行うことができる。このシステムでは、排泄物の記録、端末装置への排泄物情報の提示(通知等)、及び排泄予測を、排泄情報収集装置20、サーバ、及び端末装置が連携しながら行う。
【0139】
図10の例と異なり、本実施形態では、
図17及び
図23に例示するように、制御ボックス61と人検知/識別ボックス68とは別の筐体であり、外側筐体69にはケーブル以外の電気的な部品は備えられていない。なお、センサボックス63についてはセンサボックス23と同様である。
【0140】
制御ボックス61には、例えば、CPU27a、コネクタ27b、USB I/F27c、WiFiモジュール27e、及びBluetoothモジュール27fを収納しておくことができる。但し、本実施形態でのコネクタ27bは、人感センサ24及び撮像装置(第2カメラ)25にも接続されている。人検知/識別ボックス68には、人感センサ24及び第2カメラ25を収納しておくことができる。
【0141】
図23に示すように、制御ボックス61とセンサボックス63とは、コネクタ27b及びUSB I/F27cで例示するインタフェースによって接続され、その接続線はケーブルK1に収容される。ケーブルK1の一部はわたり62(及び外側筐体69)の内部を通ることになる。また、制御ボックス61と人検知/識別ボックス68とは、コネクタ27bで例示するインタフェースによって接続され、その接続線はケーブルK2やケーブルK3に収容される。
【0142】
このように、排泄情報収集装置60には、各ボックスやわたり62に基板やそれらを接続するケーブルなどが備えられることになる。排泄情報収集装置60は、上述のような分割したボックス構成を採用し且つケーブルを接続するコネクタの向きを最適化することで、ケーブル余長に必要な空間を削減、基板と搭載部品のサイズダウンを図ることができる。また、本実施形態では、各ボックスの配置場所を分けることで個々の構造物の横幅を抑えることができる。
【0143】
以上、本実施形態に係る排泄情報収集装置60によれば、トイレの使用者から聞き取る必要なく使用者が排泄した排泄物の情報を収集することが可能である。そして、本実施形態に係る排泄情報収集装置60によれば、便器1の形状に依らず取り付けることができる構造であるため、様々な形状の便器に設置することが可能であり、例えば要介護者宅のトイレの環境に左右されずに設置することができる。よって、本実施形態によれば、排泄情報収集装置の形状などが異なる種類数を増やす必要なく、様々な形状の便器に取り付けることができ、排泄情報収集装置の管理費用や製造費用を抑えることができる。本実施形態は、例えば、トイレの便器にセンサ類を配備した構造物を配置することがあるヘルスケアや医療介護の分野での好適に利用することができる。
【0144】
また、実施形態4での説明と同様に本実施形態についても、排泄情報収集装置60において情報収集部26を備えない使用者情報収集装置として構成することができる。この使用者情報収集装置は、人感センサ24、撮像装置25、それらに有線又は無線通信により接続されそれらを制御する制御部67、橋架部62、外側筐体69、制御部67を収納する収納筐体61、及び別筐体68を備えることができる。この場合にも内側筐体63は便器1への設置のために備えておけばよいが、無論、少なくとも先端部69bのような内側部材が橋架部62の先端側に設けられていればよい。また、使用者情報収集装置においても、収納筐体61は外側筐体69から離間した位置に配設されることができ、また、別筐体68は収納筐体61及び便器1から離間した位置に配設されることができる。
【0145】
なお、この使用者情報収集装置を用いた使用者識別方法については実施形態4で説明した通りであり、簡易で様々な形状の便器1への取り付けが可能な使用者情報収集装置又は排泄情報収集装置60を用いてトイレの使用者を識別することができるようになる。
【0146】
<他の実施形態>
各実施形態において、排泄情報収集装置や使用者情報収集装置及びそれらのいずれかを備えた便座一体型便器やその利用方法について説明したが、例示したものに限らない。例えば、上記実施形態に係る排泄情報収集装置、使用者情報収集装置、便器、便座一体型便器における各部材の形状や部材間の位置関係などは、各部材の機能が果たせるものであればよい。また、排泄情報管理方法や使用者識別方法についても、例えば他のステップを追加したものなどであってもよく、取り扱う情報も例示したものに限ったものではない。
【0147】
また、実施形態1~5で説明した各装置は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。
図24は、装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0148】
図24に示す装置100は、プロセッサ101、メモリ102、及びインタフェース(I/F)103を有することができる。プロセッサ101は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPUなどであってもよい。プロセッサ101は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ102は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。実施形態1~5等で説明した各装置における機能は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。この際、他の装置との情報の送受はI/F103としての通信インタフェースを介して行うことができる。装置100が排泄情報収集装置又は使用者情報収集装置である場合には、センサ等のための入出力はI/F103としての入出力インタフェースを介して行うことができる。
【0149】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0150】
なお、本開示は上記の各実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0151】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
<付記>
(付記1)
トイレの便器の使用者を検知する人感センサと、
前記トイレの使用者の顔を撮像する撮像装置と、
前記便器における排泄物の情報を収集する情報収集部と、
前記人感センサ、前記撮像装置、及び前記情報収集部を制御する制御部と、
前記制御部を収納する収納筐体と、
を備え、
前記収納筐体は、前記便器の縁部を挟んで、前記便器の内側に配置される内側筐体及び前記便器の外側に配置される外側筐体を有するとともに、前記内側筐体と前記外側筐体とを繋ぎ前記縁部の上面に載置する橋架部を有し、
前記情報収集部は、前記内側筐体に配設され、
前記人感センサ及び前記撮像装置は、前記外側筐体又は前記外側筐体の外側に配設された別筐体に配設される、
排泄情報収集装置。
(付記2)
前記人感センサ、前記撮像装置は、少なくとも前記橋架部より高い位置に、それぞれ検知面、撮像レンズが位置するように配設される、
付記1に記載の排泄情報収集装置。
(付記3)
前記外側筐体又は前記別筐体に対する前記撮像装置の撮影方向を、前記トイレの使用者の動線に合わせて少なくとも水平方向に回動させる機構を備える、
付記1又は2に記載の排泄情報収集装置。
(付記4)
前記人感センサ及び前記撮像装置は、前記別筐体に配設され、
前記外側筐体及び前記別筐体は、前記撮像装置の上部からの押圧力を逃がす方向に、前記別筐体が前記外側筐体に対して可動する機構を有する、
付記1~3のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置。
(付記5)
前記制御部は、前記外側筐体に収納される、
付記1~4のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置。
(付記6)
前記外側筐体における前記内側筐体側の側面に配設されたクランプ機構を備え、
前記クランプ機構は、前記外側筐体に対する前記便器の距離を離す方向に長さを調整することで、前記内側筐体と前記外側筐体とを前記縁部に固定する機構である、
付記1~5のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置。
(付記7)
前記クランプ機構における前記便器との接触面は、前記クランプ機構におけるクランプ軸に対して角度が変更可能な状態で取り付けられている、
付記6に記載の排泄情報収集装置。
(付記8)
前記外側筐体は、前記クランプ機構を取り付けるための長孔を有し、
前記長孔のいずれかの位置で前記クランプ機構を固定するための固定ネジを備える、
付記6又は7に記載の排泄情報収集装置。
【0152】
(付記9)
トイレの便器の使用者を検知する人感センサと、
前記トイレの使用者の顔を撮像する撮像装置と、
前記便器における排泄物の情報を収集する情報収集部と、
前記人感センサ、前記撮像装置、及び前記情報収集部を制御する制御部と、
前記情報収集部が配設される収集側筐体と、
前記制御部を収納する収納筐体と、
前記人感センサ及び前記撮像装置が配設され、前記収集側筐体及び前記収納筐体とは別の筐体である別筐体と、
を備え、
前記情報収集部、前記人感センサ、及び前記撮像装置は、前記制御部に有線又は無線通信により接続され、
前記収集側筐体は、前記便器の縁部を挟んで、前記便器の内側に配置され前記情報収集部が配設される内側筐体及び前記便器の外側に配置される外側筐体を有するとともに、前記内側筐体と前記外側筐体とを繋ぎ前記縁部の上面に載置する橋架部を有し、且つ、前記橋架部を介して前記縁部の内側との間の距離を調整して挟持することで、前記内側筐体と前記外側筐体とを前記縁部に固定するクランプ機構を有する、
排泄情報収集装置。
(付記10)
前記収納筐体は、前記外側筐体から離間した位置に配設される、
付記9に記載の排泄情報収集装置。
(付記11)
前記別筐体は、前記収納筐体及び前記便器から離間した位置に配設される、
付記1~10のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置。
【0153】
(付記12)
付記1~11のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置を着脱自在に備えるとともに、前記便器と、前記橋架部を挟んで前記便器の前記縁部の上側に配設される便座と、を備える、便座一体型便器。
(付記13)
付記1~11のいずれか1項に記載の排泄情報収集装置を前記便器に設置して、前記トイレの使用者による排泄物の情報を管理する排泄情報管理方法であって、
前記人感センサで前記トイレの使用者が検知された場合、前記撮像装置で前記使用者の顔の画像を取得する第1取得ステップと、
前記情報収集部で排泄物の情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップで取得した画像に基づき顔認証処理を実行し、前記使用者を識別する識別ステップと、
前記識別ステップで識別した前記使用者と前記第2取得ステップで取得した排泄物の情報とを関連付けて記憶するステップと、
を備えた、排泄情報管理方法。
(付記14)
トイレの便器の使用者を検知する人感センサと、
前記トイレの使用者の顔を撮像する撮像装置と、
前記人感センサ及び前記撮像装置を制御する制御部と、
前記制御部を収納する収納筐体と、
を備え、
前記収納筐体は、前記便器の縁部を挟んで、前記便器の内側に配置される内側筐体又は内側部材及び前記便器の外側に配置される外側筐体を有するとともに、前記内側筐体又は前記内側部材と前記外側筐体とを繋ぎ前記縁部の上面に載置する橋架部を有し、
前記人感センサ及び前記撮像装置は、前記外側筐体又は前記外側筐体の外側に配設された別筐体に配設される、
使用者情報収集装置。
【0154】
(付記15)
トイレの便器の使用者を検知する人感センサと、
前記トイレの使用者の顔を撮像する撮像装置と、
前記人感センサ及び前記撮像装置に有線又は無線通信により接続され、前記人感センサ及び前記撮像装置を制御する制御部と、
前記制御部を収納する収納筐体と、
前記人感センサ及び前記撮像装置が配設され、前記収納筐体とは別の筐体である別筐体と、
前記便器の縁部を挟んで、前記便器の内側に配置される内側筐体又は内側部材及び前記便器の外側に配置される外側筐体と、
前記内側筐体又は前記内側部材と前記外側筐体とを繋ぎ前記縁部の上面に載置する橋架部と、
前記外側筐体は、前記橋架部を介して前記縁部の内側との間の距離を調整して挟持することで、前記内側筐体又は内側部材と前記外側筐体とを前記縁部に固定するクランプ機構と、
を備えた、使用者情報収集装置。
(付記16)
前記収納筐体は、前記外側筐体から離間した位置に配設される、
付記15に記載の使用者情報収集装置。
(付記17)
前記別筐体は、前記収納筐体及び前記便器から離間した位置に配設される、
付記14~16のいずれか1項に記載の使用者情報収集装置。
【0155】
(付記18)
付記14~17のいずれか1項に記載の使用者情報収集装置を前記便器に設置して、前記トイレの使用者を識別する使用者識別方法であって、
前記人感センサで前記トイレの使用者が検知された場合、前記撮像装置で前記使用者の顔の画像を取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップで取得した画像に基づき顔認証処理を実行し、前記使用者を識別する識別ステップと、
を備えた、使用者識別方法。
【符号の説明】
【0156】
1 便器
1a 側面
1b 平面部
1c 縁部
10、20、60 排泄情報収集装置
11、21 外側筐体(制御ボックス)
12、22、62 橋架部(わたり)
13、23、63 内側筐体(センサボックス)
14、24 人感センサ
15、25 撮像装置(第2カメラ)
16、26 情報収集部
17、27、67 制御部
21a 回動軸
26a 距離センサ
26b 第1カメラ
27a CPU
27b コネクタ
27c,27d USB I/F
27e WiFiモジュール
27f Bluetoothモジュール
28、68 別筐体(人検知/識別ボックス)
28a 本体
28b 扇状部材
28c 突起部
28d 台座
28e 固定ネジ
29 固定用クランプ機構
29a クランプアセンブリ
29b 回動軸
29c クランプ軸
29d 接触部
29e 調整ナット
31 取り付け部材
32 長孔
33 固定ネジ
40 便座
41 便座の本体
41a 凸部
42 蓋
50 便座一体型便器
61 収納筐体(制御ボックス)
68a ベース
68b アタッチメント
68c センサカバー
68d センサ搭載部材
68e カメラ搭載部材
68f カメラカバー
68g ケーブルカバー
68h ネジ
68k カメラ窓
68m ネジ受け部
68n 軸受け部
68o 人感センサ用の窓
68p、68q 固定板
68r 凹部
69 外側筐体
69a 筐体本体
69b 先端部
69c スライド部材
69d 収納部
69e スライド溝
69f ダイヤル式ノブ
69g、69h 弾性部材
69j 連結部材
100 装置
101 プロセッサ
102 メモリ
103 I/F