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  • 特許-クロック出力位相合わせ制御回路 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】クロック出力位相合わせ制御回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20241001BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20241001BHJP
   H04B 1/74 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04L7/00 930
G06F1/04 303A
H04B1/74
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022172396
(22)【出願日】2022-10-27
(65)【公開番号】P2024064073
(43)【公開日】2024-05-14
【審査請求日】2024-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】玉井 秀明
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-126821(JP,A)
【文献】特開2002-6980(JP,A)
【文献】米国特許第05834956(US,A)
【文献】特開2000-349624(JP,A)
【文献】特開平6-334639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
G06F 1/04
H04B 1/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック出力位相合わせ制御回路であって、
2つの前記クロック送信パネルのそれぞれは、
2つの前記クロック送信パネルの起動時間に差をつける起動時間調整部と、
2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成する分周部と、
前記正相出力と前記逆相出力の何れか一方を選択するセレクタと、を備え、
且つ、前記セレクタを制御する監視制御回路を、さらに備える、
クロック出力位相合わせ制御回路。
【請求項2】
前記監視制御回路は、
2つの前記クロック送信パネルの前記セレクタでそれぞれ選択されたクロックの位相を比較する位相比較部と、
2つの前記クロック送信パネルの前記セレクタでそれぞれ選択されたクロックの異常を監視する異常監視部と、
前記セレクタを制御する制御部と、を備える、
請求項1に記載のクロック出力位相合わせ制御回路。
【請求項3】
前記制御部は、2つの前記クロック送信パネルのそれぞれの出力クロックを同相にするか逆相にするかを設定する位相選択設定スイッチの情報を入力とする、
請求項2に記載のクロック出力位相合わせ制御回路。
【請求項4】
前記監視制御回路は、2つの前記クロック送信パネルに分散して搭載されている、
請求項1に記載のクロック出力位相合わせ制御回路。
【請求項5】
前記監視制御回路は、2つの前記クロック送信パネルとは独立したパネルに搭載されている、
請求項1に記載のクロック出力位相合わせ制御回路。
【請求項6】
0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック出力位相合わせ制御回路による制御方法であって、
2つの前記クロック送信パネルの起動時間に差をつけることと、
2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成することと、
前記正相出力と前記逆相出力の何れか一方を選択することと、
を含むクロック出力位相合わせ制御回路による制御方法。
【請求項7】
0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック出力位相合わせ制御回路のコンピュータに、
2つの前記クロック送信パネルの起動時間に差をつけることと、
2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成することと、
前記正相出力と前記逆相出力の何れか一方を選択することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロックを伝送する装置のクロック送信回路に関し、特に0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック出力位相合わせ制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック送信回路を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-126821
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クロックを伝送する装置(ネットワーク装置など)では、装置内部でのクロックの周波数と、装置から送信されるクロックの周波数が違う場合がある。これは装置内部におけるクロックの異常を検出する速度や、装置内部での冗長系の切り替えを行う速度を速く実行させるためである。例えば装置内部のクロックは10MHzの周波数のクロックで扱い、クロック送信パネル内部の最終段において2分周して5MHzのクロックを出力させる。この場合、装置から出力されるクロックの周波数5MHzは、そのクロック伝送装置の後段に接続されるクロック伝送装置の入力の規格となる。
【0005】
冗長構成がとられているクロック送信パネルのそれぞれにおいて、上記のように装置内部でのクロックを2分周して出力する場合、クロック送信パネルのそれぞれの最初の起動タイミングにより分周のタイミングが決定される。そのため、冗長構成がとられているクロック送信パネルから出力される2つのクロック出力が、同位相になるか逆位相になるかは分からなかった。
【0006】
本発明の目的は、冗長構成がとられているクロック送信パネルの2つのクロック出力を同位相で出力させるか、逆位相で出力させるかを制御することができるクロック出力位相合わせ制御回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係るクロック出力位相合わせ制御回路は、
0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック出力位相合わせ制御回路であって、
2つの前記クロック送信パネルのそれぞれは、
2つの前記クロック送信パネルの起動時間に差をつける起動時間調整部と、
2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成する分周部と、
前記正相出力と前記逆相出力の何れか一方を選択するセレクタと、を備え、
且つ、前記セレクタを制御する監視制御回路を、さらに備える、
ように構成されている。
また、本発明の他の形態に係るクロック出力位相合わせ制御回路による制御方法は、
0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック出力位相合わせ制御回路による制御方法であって、
2つの前記クロック送信パネルの起動時間に差をつけることと、
2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成することと、
前記正相出力と前記逆相出力の何れか一方を選択することと、
を含むように構成されている。
また、本発明の他の形態に係るプログラムは、
0系と1系との冗長構成を形成する2つのクロック送信パネルを含んで構成されるクロック出力位相合わせ制御回路のコンピュータに、
2つの前記クロック送信パネルの起動時間に差をつけることと、
2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成することと、
前記正相出力と前記逆相出力の何れか一方を選択することと、
を実行させるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述したような構成を有することにより、冗長構成がとられているクロック送信パネルの2つのクロック出力を同位相で出力させるか、逆位相で出力させるかを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係るクロック送信回路のパネル構成の一例を示す図である。
図2】出力クロック(0系)と出力クロック1系の例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第2の実施形態に係るクロック送信回路のパネル構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
次に本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るクロック送信回路のパネル構成の一例を示す図である。図1に示されるように、クロックを伝送する装置のクロック送信回路に関し、特に装置の内部で扱うクロックを装置の最終段の冗長構成がとられているクロック送信パネル内にて個別に2分周して出力させるクロックを伝送する装置のクロック送信回路のパネル構成は、クロック受信パネル(0系)103と、クロック受信パネル(1系)104と、クロック切替パネル(0系)105と、クロック切替パネル(1系)106と、クロック送信パネル(0系)107と、クロック送信パネル(1系)108より構成されている。
【0012】
クロック受信パネル(0系)103は、発振器(0系)101から出力されるクロックA01を入力とするバイポーラ・ユニポーラ変換部201、異常監視部202、分岐部203から構成される。クロック受信パネル(1系)104は、発振器(1系)102から出力されるクロックB01を入力とするバイポーラ・ユニポーラ変換部301、異常監視部302、分岐部303から構成される。クロック切替パネル(0系)105は、クロック受信パネル(0系)103およびクロック受信パネル(1系)104から出力されるクロックA02およびクロックB02を入力とするセレクタ204、異常監視部205、分岐部206から構成される。クロック切替パネル(1系)106は、クロック受信パネル(0系)103およびクロック受信パネル(1系)104から出力されるクロックA03およびクロックB03を入力とするセレクタ304、異常監視部305、分岐部306から構成される。
【0013】
クロック送信パネル(0系)107は、クロックA04およびクロックB04を入力とするセレクタ207、異常監視部208、分周部209、セレクタ210、ユニポーラ・バイポーラ変換部211、運用状態部212、起動時間調整部213、監視制御回路(0系)400から構成される。監視制御回路(0系)400は、制御部401、異常監視部402、403、位相比較部404から構成される。クロック送信パネル(1系)108は、クロックA05およびクロックB05を入力とするセレクタ307、異常監視部308、分周部309、セレクタ310、ユニポーラ・バイポーラ変換部311、運用状態部312、起動時間調整部313、監視制御回路(1系)500から構成される。監視制御回路(1系)500は、制御部501、異常監視部502、503、位相比較部504から構成される。
【0014】
本実施形態におけるクロック出力位相合わせ制御回路は、クロック送信パネル(0系)107、クロック送信パネル(1系)108との起動時間に差をつける起動時間調整部213,313と、それぞれのパネル内部に2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成する分周部209,309と、その正相クロックと逆相クロックを選択するセレクタ210,310と、そのセレクタを制御する監視制御回路400、500より構成される。監視制御回路400、500は、クロック送信パネル(0系)107とクロック送信パネル(1系)のそれぞれのセレクタ後のクロックA09、B09の位相を比較する位相比較部404、504と、クロック送信パネル(0系)のセレクタ後のクロックA09の異常を監視する異常監視部402、502と、クロック送信パネル(1系)のセレクタ後のクロックB09の異常を監視する異常監視部403、503と、クロック送信パネル107、108からの出力クロックA06、B06を同相にするか逆相にするかを制御する制御部401、501とで構成される。
【0015】
制御部401は、異常監視部208、308の監視結果信号A07、B07、出力クロックA06、B06を同相にするか逆相にするかを設定する位相選択設定スイッチによる位相選択設定情報、クロック送信パネル(0系)107の運用状態を管理する運用状態部212、異常監視部402、403の監視結果信号、位相比較部404の比較結果信号、制御部501からの監視制御結果信号B10を入力とし、セレクタ210への制御信号A08、制御部501への監視制御結果信号A10を出力とする。制御部501は、異常監視部208、308の監視結果信号A07、B07、出力クロックA06、B06を同相にするか逆相にするかを設定する位相選択設定スイッチによる位相選択設定情報、クロック送信パネル(1系)108の運用状態を管理する運用状態部312、異常監視部502、503の監視結果信号、位相比較部504の比較結果信号、制御部401からの監視制御結果信号A10を入力とし、セレクタ310への制御信号B08、制御部401への監視制御結果信号B10を出力とする。なお、位相選択の設定は、パネルに設定されたスイッチによる設定以外の方法、例えば不揮発性メモリによる設定であってもよい。
【0016】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0017】
図2に示されるように、出力クロックの0系と1系は、クロック送信パネル(0系)107とクロック送信パネル(1系)108の最初の起動タイミングにより、同位相で出力されるか、逆位相で出力されるかが決定される。図2の(1)は、クロック送信パネル(0系)107から出力されるクロック出力(0系)A09と、クロック送信パネル(1系)108から出力されるクロック出力(1系)B09が同位相になる例である。一方、図2の(2)は、クロック出力(0系)A09とクロック出力(1系)B09が逆位相になる例を示す。
【0018】
図3に、本実施形態の動作の一例を示すフローチャートを示す。図1図3に示されるように本実施形態では、以下のような動作が行われる。
【0019】
装置/パネルが起動(S101)された後、まず起動時間調整部213、313により0系/1系が時間差で起動完了(S102)する。起動時間調整部213、313は、0系/1系のパネルに別の種類のパネルを必要とせず、パネルが実装されるユニットのバックボード(図示せず)より0系/1系クロック送信パネルのそれぞれのスロットのSlotID情報を入手し、それを元に起動時間に差を設けることを可能とし、初期起動時の運用系のパネルを確実に確定させることができる。この起動時間調整部213、313は運用系決定時のチャタリングを防止することができ、本実施形態において切替を動作させる非運用系のパネルを確実に決定することが可能となる。またこの時点で、0系/1系それぞれのセレクタ210、310の初期状態は、両系ともに正相側の選択状態が設定される(S103)。なお、セレクタ210、310において選択された正相側のクロックは、互いに同位相になっている場合と互いに逆位相になっている場合とがあり得る。
【0020】
次に、0系/1系両系の監視制御回路400、500は、0系/1系の両系実装状態(S104)を確認した後、パネル内部の異常監視部208、308にて0系/1系両系の分周前クロック異常なし(S105)状態を確認する。さらにその後、監視制御回路内の異常監視部402、502にて0系/1系両系の分周後クロック異常なし(S106)の状態を確認する。その後、0系と1系の監視制御回路400、500の監視制御結果を0系の制御部401と1系の制御部501間でお互いに伝え合う(A10,B10)ことで監視制御結果の不一致を判断(S107)し、もし不一致であった場合はセレクタ210、310への制御は行わず、不一致が解消されるまでセレクタ210、310への制御は前値保持となる。本実施形態ではこれらの状態(S104,S105,S106,S107)がすべてOKにならない場合は、0系/1系それぞれのセレクタ210、310への制御は行わない。上記の条件がすべてOKになった場合、次の状態(S108)に遷移する。本実施形態のクロック出力位相合わせ回路は、非運用系側のセレクタを切り替える。
【0021】
具体的には、S108にて0系運用だった場合は、非運用系である1系側の監視制御回路500が作動し、S108にて1系運用だった場合は、非運用系である0系側の監視制御回路400が作動する。その後、S109,S110にて非運用系側の位相比較部404もしくは504にて位相比較結果が同位相か逆位相かを判断し、S111,S112,S113,S114においてそれぞれの条件に応じて何も変更しないか、非運用系側のセレクタを逆側に切り替えるかどうかを判断して実行(S115,S116,S117,S118,S119,S120,S121,S122)する。
【0022】
例えば、0系運用の場合(S108でYes)、監視制御回路500の制御部501は、位相選択設定値が同位相であれば(S109でYes)、クロックA09とクロックB09が同位相のとき(S111でYes)、セレクタ210、310の選択状態は変更せず(S115)、逆位相のとき(S111でNo)、セレクタ210の選択状態は変更せずにセレクタ310を逆側に切り替えるように制御を行う(S116)。また、制御部501は、位相選択設定値が逆位相であれば(S109でNo)、クロックA09とクロックB09が同位相のとき(S112でYes)、セレクタ210の選択状態は変更せずにセレクタ310を逆側に切り替え(S117)、逆位相のとき(S112でNo)、セレクタ210、310の選択状態は変更しない。
【0023】
また、1系運用の場合(S108でNo)、監視制御回路400の制御部401は、位相選択設定値が同位相であれば(S110でYes)、クロックA09とクロックB09が同位相のとき(S113でYes)、セレクタ210、310の選択状態は変更せず(S119)、逆位相のとき(S113でNo)、セレクタ210を逆側に切り替え、セレクタ310の選択状態は変更しない(S120)。また、制御部401は、位相選択設定値が逆位相であれば(S110でNo)、クロックA09とクロックB09が同位相のとき(S114でYes)、セレクタ210を逆側に切り替え、セレクタ310の選択状態は変更せず(S121)、逆位相のとき(S114でNo)、セレクタ210、310の選択状態は変更しない。
【0024】
以上のような動作が行われることにより、位相選択設定に応じてクロック送信パネルの出力同士を同位相で出力するか、逆位相で出力するかを選択することが可能となる。また本発明では上記(S123,S124,S125,S126)の状態の後にパネルの抜去・挿入等が行われ、あるいは、パネル自体に何らかの異常が発生した場合のために(S104)の状態に遷移してその後のフローを繰り替えるように構成されている。
【0025】
以上説明したように、本実施形態によれば、クロック送信パネル(0系)とクロック送信パネル(1系)の起動時間に差をつけて運用系決定時のチャタリングを防止する起動時間調整部と、出力パネル内に2分周したクロックの正相出力と逆相出力の両方を生成する分周部と、その正相クロックと逆相クロックを選択するセレクタと、そのセレクタを制御する監視制御回路とを有することにより、2つのクロック出力を同位相で出力させるか、逆位相で出力させるかを選択することができる。
【0026】
また、0系と1系のクロック送信パネル内の分周部をお互いに同期させるようにすれば、0系と1系の出力クロックの位相関係を特定することはできるが、分周のタイミングはそれぞれのパネルの起動タイミングとも同期をとる必要があり、回路規模が大きくなってしまい設計が容易ではなかった。本実施形態によれば、0系と1系のパネル内の分周部をお互いに同期させる回路を必要とせずに、2つのクロック出力を同位相で出力させるか、逆位相で出力させるかを選択することができる。
【0027】
このように2つのクロック出力を同位相で出力させるか、逆位相で出力させるかを選択することができるため、さらに以下のようなメリットがある。即ち、冗長系として後続のクロック装置に分配する場合、同位相での出力設定にすることにより、系切り替え時の位相飛びが大きく発生することがない。一方、装置の単体評価時には、逆位相での出力設定にすることにより、評価中に切り替えが行われたかどうかを、出力クロック波形をモニターして容易に確認することができる。そして、図1の実施形態の場合は監視制御を行うパネルを新たに実装することなく本機能を実現できる。
【0028】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係るクロック送信回路のパネル構成の一例を示す図である。本実施形態に係るクロック送信回路は、図1に示されるクロック送信回路における監視制御回路(0系)400、監視制御回路(1系)500、運用状態部212、運用状態部312の代わりに、監視制御回路パネル109、運用状態412を備えている。
【0029】
監視制御回路パネル109は、制御部401、異常監視部402、403、位相比較部404から構成されている。異常監視部402は、クロック送信パネル(0系)107のセレクト後のクロックA09の異常を監視する。異常監視部403は、クロック送信パネル(1系)108のセレクト後のクロックB09の異常を監視する。位相比較部404は、クロックA09とクロックB09の位相を比較する。制御部401は、異常監視部208、308の監視結果A07、B07、出力クロックA06、B06を同相にするか逆相にするかを設定する位相選択設定スイッチの設定、クロック送信パネル(0系)107およびクロック送信パネル(1系)108の運用状態412、異常監視部402、403の監視結果、位相比較部404の比較結果を入力とし、セレクタ210、310への制御信号A08、B08を出力とする。
【0030】
本実施形態は、図1に示される実施形態において0系/1系のパネルにそれぞれ実装されていた監視制御回路を監視制御パネルとして一つにまとめたものである。これにより装置に必要なパネルの品種が増えるが、図1図3における0系と1系の監視制御回路400、500の監視制御結果不一致を判断(S107)する必要がなくなる。
【0031】
本発明の幾つかの実施形態について説明したが、上述のクロック送信パネル(0系)107、クロック送信パネル(1系)108、監視制御回路(パネル)109、その他の回路は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータは、例えば、CPU、メインメモリ、ストレージ、インターフェースから構成することができるが、それに限定されない。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の利用が考えられる分野として、クロックを伝送する装置、例えば、冗長構成を形成する2つのクロックパネルを搭載したネットワーク装置が挙げられる。
【符号の説明】
【0033】
101 発振器(0系)
102 発振器(1系)
103 クロック受信パネル(0系)
104 クロック受信パネル(1系)
105 クロック切替パネル(0系)
106 クロック切替パネル(1系)
107 クロック送信パネル(0系)
108 クロック送信パネル(1系)
109 監視制御回路(パネル)
201 バイポーラ・ユニポーラ変換部
202 異常監視部
203 分岐部
204 セレクタ
205 異常監視部
206 分岐部
207 セレクタ
208 異常監視部
209 分周部
210 セレクタ
211 ユニポーラ・バイポーラ変換部
212 運用状態部
213 起動時間調整部
301 バイポーラ・ユニポーラ変換部
302 異常監視部
303 分岐部
304 セレクタ
305 異常監視部
306 分岐部
307 セレクタ
308 異常監視部
309 分周部
310 セレクタ
311 ユニポーラ・バイポーラ変換部
312 運用状態部
313 起動時間調整部
400 監視制御回路(0系)
401 制御部
402 異常監視部
403 異常監視部
404 位相比較部
500 監視制御回路(1系)
501 制御部
502 異常監視部
503 異常監視部
504 位相比較部
A01 発振器(0系)の出力クロック
A02 クロック受信パネル(0系)の出力クロック
A03 クロック受信パネル(0系)の出力クロック
A04 クロック切替パネル(0系)の出力クロック
A05 クロック切替パネル(0系)の出力クロック
A06 クロック送信パネル(0系)の出力クロック(0系)
A07 分周前クロックの異常監視結果信号
A08 クロック送信パネル(0系)のセレクタ制御信号
A09 クロック送信パネル(0系)のセレクト後のクロック
A10 監視制御回路(0系)の監視制御結果信号
A11 クロック送信パネル(0系)のスロットID情報
B01 発振器(1系)の出力クロック
B02 クロック受信パネル(1系)の出力クロック
B03 クロック受信パネル(1系)の出力クロック
B04 クロック切替パネル(1系)の出力クロック
B05 クロック切替パネル(1系)の出力クロック
B06 クロック送信パネル(1系)の出力クロック(1系)
B07 分周前クロックの異常監視結果信号
B08 クロック送信パネル(1系)のセレクタ制御信号
B09 クロック送信パネル(0系)のセレクト後のクロック
B10 監視制御回路(1系)の監視制御結果信号
B11 クロック送信パネル(1系)のスロットID情報
図1
図2
図3
図4