(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】材料除去後のコンポーネントキャリア構造の自動化された品質試験
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20241001BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20241001BHJP
H05K 3/34 20060101ALN20241001BHJP
【FI】
G01R31/28 X
G01R31/26 G
G01R31/28 H
H05K3/34 512A
(21)【出願番号】P 2023520420
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 EP2021077832
(87)【国際公開番号】W WO2022078888
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-05-19
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519063934
【氏名又は名称】エーティーアンドエス オーストリア テクノロジー アンド システムテクニック アクツィエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パッチャー、ガーノット
(72)【発明者】
【氏名】ティジュン、フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】シャッティン、ガンター
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー、アイリーン
(72)【発明者】
【氏名】スピッツァー、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シュワイガー、ユルゲン
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特公平07-121505(JP,B2)
【文献】特開2020-165800(JP,A)
【文献】特開2012-253199(JP,A)
【文献】米国特許第04858479(US,A)
【文献】国際公開第2009/036331(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0190959(US,A1)
【文献】特開平03-239400(JP,A)
【文献】特開2001-244695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/26-27、
31/28-31/3193、
H05K 3/32-3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置であって、前記装置は、
少なくとも前記装置の入口及び出口の間の部分に沿って前記コンポーネントキャリア構造を取り扱うように構成されたハンドリングユニット;
前記品質試験を受けている前記コンポーネントキャリア構造を識別するように構成された識別ユニット;
前記品質試験を受けている前記コンポーネントキャリア構造の内部を露出させるために、前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成された材料除去ユニット;
前記材料の除去後の前記コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成された決定ユニット;及び
前記コンポーネントキャリア構造の品質を評価するために、前記コンポーネントキャリア構造の前記決定された少なくとも1つの試験対象の特性を評価するように構成された評価ユニット
を備える、装置。
【請求項2】
前記ハンドリングユニットは、少なくとも1つのロボット、具体的には多軸ロボットを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハンドリングユニットは、前記入口に続く前記装置のサブ部分に沿って、具体的には、前記入口及び前記材料除去ユニットの間で、前記コンポーネントキャリア構造を取り扱うように構成された入口ハンドリングサブユニットを有する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハンドリングユニットは、前記出口まで延びる前記装置のサブ部分に沿って、具体的には、前記材料除去ユニット及び前記出口の間で、前記コンポーネントキャリア構造を取り扱うように構成された出口ハンドリングサブユニットを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記識別ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造上及び/又は前記コンポーネントキャリア構造内の識別子の検出に基づいて前記コンポーネントキャリア構造を識別するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記識別ユニットは、前記検出された識別子をデータベース内の相関する識別情報と照合することによって、前記コンポーネントキャリア構造を識別するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記識別ユニット
が、具体的には、データベースから、前記識別されたコンポーネントキャリア構造に対して実行される前記品質試験を示す品質試験関連情報及び/又は指示を取得するように構成されている
という特徴;
前記材料除去ユニット
が、研削によって前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている
という特徴;
前記材料除去ユニットは、断面研削及び平面研削からなる群のうちの1つによって前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように
、構成されている
という特徴;
前記決定ユニット
が、前記材料の除去後に検出された前記少なくとも1つの予め定められた試験対象の少なくとも1つの画像を処理するように構成されている
という特徴;
前記コンポーネントキャリア構造の前記少なくとも1つの試験対象
が、少なくとも1つのドリル孔及び少なくとも1つの層構造からなる群のうち少なくとも1つを有する
という特徴;
前記コンポーネントキャリア構造の前記少なくとも1つの試験対象の前記特性
が、ドリル孔の直径、隣接するドリル孔間の距離、導電層構造の導電性トレースの幅、
前記導電層構造の隣接する導電性トレース間の距離、層構造の厚さ、
前記層構造の平面性、
前記層構造の層間剥離、及びプリント回路基板タイプのコンポーネントキャリア構造の任意の特徴からなる群の少なくとも1つを有する
という特徴;
前記評価ユニット
が、前記コンポーネントキャリア構造を複数の予め定められた品質クラスの1つに、具体的には、「合格」、「不合格」、及び「さらなる分析が必要」からなる品質クラスの群の1つの品質クラスに分類することによって前記品質を評価するように構成されている
という特徴;
前記評価ユニット
が、人工知能、具体的には、機械学習、より具体的には、ニューラルネットワークを使用して前記評価を実行するように構成された人工知能モジュールを有する
という特徴、
のうちの少なくとも1つ
の特徴を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、前記入口に配置され、試験前に、複数のコンポーネントキャリア構造を特に積み重ねて収容するように構成された入口収容ユニットを備える;
ここで、前記ハンドリングユニットは、試験されるコンポーネントキャリア構造を前記入口収容ユニットから前記入口を通して、具体的には、前記識別ユニットに移送するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、前記出口に配置され、試験後に、複数のコンポーネントキャリア構造を特に積み重ねて収容するように構成された出口収容ユニットを備える;
ここで、前記ハンドリングユニットは、試験されたコンポーネントキャリア構造を前記出口を通して前記出口収容ユニットに移送するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
材料を除去した後、前記コンポーネントキャリア構造の露出面を研磨するように構成された研磨ユニット
と;
前記材料除去ユニットによって前記コンポーネントキャリア構造から除去された材料の量を定量化するように構成された除去材料定量化ユニット
と;
前記コンポーネントキャリア構造がカプセル材内で前記決定を受けるように、前記コンポーネントキャリア構造を前記カプセル材内にカプセル化するように構成されたカプセル化ユニット
と;
前記コンポーネントキャリア構造を前記材料除去ユニットに供給する前に、より大きな本体
から前記コンポーネントキャリア構造を単一化するように構成された単一化ユニット
と;
前記コンポーネントキャリア構造を前記決定ユニットに供給する前に、前記コンポーネントキャリア構造を熱応力に露出させるように構成された熱応力露出ユニット
であって、
前記コンポーネントキャリア構造を熱応力浴に露出するように構成され
ている
、熱応力露出ユニットと;
超音波浴において、前記材料の除去後及び前記決定の前に前記コンポーネントキャリア構造を洗浄するように構成された洗浄ユニット
と;
前記コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの位置合わせ特徴に基づいて、前記決定の前及び/又は前記材料の除去前に前記コンポーネントキャリア構造を位置合わせするように構成された、
多軸ロボットを含む位置合わせユニット
と;
を備え、
前記決定ユニットは、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造に基づいて、前記少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成され、
前記決定ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造の検出された第1の画像に基づいて、大まかな方法で前記少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定し、前記第1の画像を検出した後、
検出された前記コンポーネントキャリア構造の検出された第2の画像に基づいて、洗練された方法で前記少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成されている
、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記材料の除去後の前記コンポーネントキャリア構造の内部の画像データを検出するように構成された検出ユニットを有
し;
前記決定ユニットは、材料除去、画像検出、及び任意選択で画像評価を含むシーケンスを反復して繰り返すことによって、前記少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成され
;
前記装置は、前記入口及び前記出口の間で人間の介入なしに前記品質試験を実行するように構成されている
、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
自動化された装置によってコンポーネントキャリア構造の品質試験を実行する方法であって、前記方法は、
少なくとも前記装置の入口及び出口の間の部分に沿って前記コンポーネントキャリア構造を取り扱う段階;
前記品質試験を受けている前記コンポーネントキャリア構造を識別する段階;
前記品質試験を受けている前記コンポーネントキャリア構造の内部を露出させるために、前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去する段階;
前記材料の除去後の前記コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定する段階;及び
前記コンポーネントキャリア構造の品質を評価するために、前記コンポーネントキャリア構造の前記決定された少なくとも1つの試験対象の特性を評価する段階
を備える、方法。
【請求項13】
前記コンポーネントキャリア構造は、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むパネル、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むアレイ、コンポーネントキャリアのプリフォーム、クーポン、及びコンポーネントキャリア、具体的には、プリント回路基板及び集積回路基板の
うちの一方、からなる群のうちの1つを有
し;
前記方法は、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造に基づいて、前記少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定する段階
と;
前記入口及び前記出口の間で人間の介入なしに前記品質試験を実行する段階
とを有する
、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
自動化された装置によって、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、請求項12又は13のいずれか1項に記載の方法を実行及び/又は制御するように適合される、コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
1つ又は複数のプロセッサに、請求項12又は13のいずれか1項に記載の方法を実行及び/又は制御させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置、自動化された装置によってコンポーネントキャリア構造の品質試験を実行する方法、コンピュータ可読媒体、及びプログラム要素に関する。
【背景技術】
【0002】
1つ又は複数の電子部品を備えるコンポーネントキャリアの製品機能の向上、そのような電子部品の小型化の増加、並びにプリント回路基板などのコンポーネントキャリアに搭載される電子部品の数の増加という文脈において、いくつかの電子部品を有する、ますます強力になったアレイのようなコンポーネント又はパッケージが使用されており、それらは複数の接点又は接続を有し、これらの接点間の間隔はさらに小さくなっている。同時に、コンポーネントキャリアは、厳しい条件下でも動作可能であるように、機械的に堅牢で、電気的に信頼できるものとすべきである。
【0003】
断面切り出しは、材料の特徴付け、故障解析の実行、及びプリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)などのコンポーネントキャリアの内部構造の露出に使用される技術である。断面切り出しには、その後の研削及び研磨工程でPCBを支持及び保護するために、ポッティング材料にPCBのターゲットセグメントを取り付けることが含まれ得る。取り付けられたPCBは慎重に研削され、次いで、関心のある対象検査面に達するまで、徐々により細かい媒体を使用して研磨される。このようにして準備されたPCBは、次いで、例えば、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)下で、ユーザによって検査され得る。平面研削は、ユーザによる検査のためにコンポーネントキャリアの内部を露出させるための別の技術である。
【0004】
コンポーネントキャリア、平面研削コンポーネントキャリア、及び関連する物体の断面の準備及び試験は、従来、技術者によって手動で実行されていた。これは、断面及び平面部分など、異なるタイプの検鏡試片に当てはまる。しかし、これには多大な労力及び品質試験の観点から限られた精度を伴い、工業規模でのスループットに関する厳しい要件に関して致命的になり得る。
【0005】
本発明の目的は、コンポーネントキャリア構造の品質を高い信頼性、高いスループット、及び相応の労力で評価することである。
【0006】
上で定義した目的を達成するために、独立請求項による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置、自動化された装置によってコンポーネントキャリア構造の品質試験を実行する方法、コンピュータ可読媒体、及びプログラム要素が提供される。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置が提供され、装置は、少なくとも装置の入口及び出口の間の部分に沿ってコンポーネントキャリア構造を取り扱うように構成されたハンドリングユニット、品質試験を受けている(又は、受ける)コンポーネントキャリア構造を識別するように構成された識別ユニット、品質試験を受けている(又は受ける)コンポーネントキャリア構造の内部を露出させるために、コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成された材料除去ユニット、上記材料除去後のコンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成された決定ユニット、及びコンポーネントキャリア構造の品質を評価するために、コンポーネントキャリア構造の決定された少なくとも1つの試験対象の特性(例えば、少なくとも1つの属性)を評価するように構成された評価ユニットを備える。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、自動化された装置によってコンポーネントキャリア構造の品質試験を実行する方法が提供され、方法は、少なくとも装置の入口及び出口の間の部分に沿ってコンポーネントキャリア構造を取り扱う段階、品質試験を受けている(又は、受ける)コンポーネントキャリア構造を識別する段階、品質試験を受けている(又は受ける)コンポーネントキャリア構造の内部を露出させるために、コンポーネントキャリア構造の材料を除去する段階、上記材料除去後のコンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定する段階、及びコンポーネントキャリア構造の品質を評価するために、コンポーネントキャリア構造の決定された少なくとも1つの試験対象の特性(例えば、少なくとも1つの属性)を評価する段階を備える。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、プログラム要素(例えば、ソースコード又は実行可能なコード内のソフトウェアルーチン)が提供され、これは、プロセッサ(マイクロプロセッサ又はCPUなど)により実行されると、上記の特徴を有する方法を制御及び/又は実行するように適合される。
【0010】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、コンピュータ可読媒体(例えば、CD、DVD、USBスティック、SDカード、フロッピディスク又はハードディスク又は任意の他の(具体的には、さらに小さい)記憶媒体)が提供され、ここには、プロセッサ(マイクロプロセッサ又はCPUなど)により実行されると、上記の特徴を有する方法を制御及び/又は実行するように適合されるコンピュータプログラムが記憶される。
【0011】
本発明の実施形態に従って実行され得るデータ処理は、コンピュータプログラムによって、すなわち、ソフトウェアによって、又は1つ又は複数の特別な電子最適化回路、すなわち、ハードウェアを使用することによって、又はハイブリッド形成、すなわち、ソフトウェアコンポーネント及びハードウェアコンポーネントによって、実現され得る。
【0012】
本出願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア」は、特に、機械的支持及び/又は電気的接続性及び/又は光学的接続性及び/又は熱的接続性を提供するために、その上及び/又はその中に1つ又は複数のコンポーネントを収容可能な任意の支持構造を意味し得る。換言すれば、コンポーネントキャリアは、コンポーネントの機械的及び/又は電子的キャリアとして構成され得る。具体的には、コンポーネントキャリアは、プリント回路基板、有機インターポーザ、及びIC(集積回路)基板のうち1つであり得る。コンポーネントキャリアはまた、上述のタイプのコンポーネントキャリアのうち異なるものを組み合わせたハイブリッドボードでもあり得る。
【0013】
本出願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア構造」は、具体的には、コンポーネントキャリア、例えば、パネル、アレイ、又はコンポーネントキャリア自体の製造中及び/又は製造後に取り扱われ、処理される薄いシートを意味し得る。したがって、コンポーネントキャリア構造は、具体的には、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むパネル、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むアレイ(1/4パネルなど)、コンポーネントキャリアのプリフォーム(すなわち、まだ製造が容易ではないコンポーネントキャリア)、又は容易に製造されるコンポーネントキャリア(プリント回路基板(PCB)又は集積回路(IC)基板など)を意味し得る。しかし、コンポーネントキャリア構造がクーポンであることも可能である。
【0014】
本出願の文脈において、用語「クーポン」(又は試験クーポン)は、具体的には、コンポーネントキャリア(具体的には、プリント回路基板)製造工程の品質を試験するために使用され得るコンポーネントキャリア本体(プリント回路基板のような本体など)を意味し得る。試験クーポンは、コンポーネントキャリア(プリント回路基板など)と同じパネル上で、例えば、パネルの端部で、又はコンポーネントキャリアの均一な形成部で、又はコンポーネントキャリア間の領域で作製され得る。次いで、クーポンは、例えば、適切な層アラインメント、電気的接続性などを確認にするために、品質試験の観点から検査され得る。クーポンはまた、内部構造を検査するために断面化され得る。クーポンは、使用タイプのコンポーネントキャリアと同じ寸法及び構造を有する導電性トレース及び垂直貫通接続(ビアなど)を含むように設計され得る。例えば、クーポンは、帯状の板(例えば、23×3.5平方センチメートルの寸法を有する;複数の個別に使用可能なクーポンセクションを含むクーポンのモジュール構成において、そのようなクーポンセクションはまた、例えば、3×1平方センチメートルなどの著しく小さい寸法を有し得る)であり得る。説明的に言えば、クーポンの構造的特徴は、同じパネルの対応するコンポーネントキャリア(PCBなど)の構造的特徴のミラー及びフィンガープリントとして機能する。説明的に言えば、ミラー機能はチェックすべきすべての複製を作成し、フィンガープリント機能は一意性を示し、構造的特徴が製造中に受けた工程の個別の特性を表示する。
【0015】
本出願の文脈において、用語「品質試験」は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の1つ又は複数の予め定められた試験対象の特性を分析することによる、コンポーネントキャリア構造の品質の評価を意味し得る。そのような品質試験では、コンポーネントキャリア構造の1つ又は複数のそのような特徴が1つ又は複数の品質基準を満たすか否かを試験し得る。そのような品質基準は、1つ又は複数の定性的品質基準(定性的なエラーパターン又は故障シナリオとして層構造の層間剥離の有無など)及び/又は1つ又は複数の定量的品質基準(許容可能な厚さの予め定められた範囲に関連するパターン化された銅層の厚さなど)を含み得る。コンポーネントキャリア構造の決定可能な品質欠陥の例としては、ドリル孔、毛の混入、ソルダーレジストの影響、分離すべき導電性トレース間の短絡などに関するアーティファクトがある。例えば、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行して、コンポーネントキャリア構造が工業規格(例えば、IPC6012、IPC-A-600、IPC-2221など)に準拠しているかどうかをチェックし得る。
【0016】
本出願の文脈において、用語「予め定められた試験対象」は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の品質を評価するための特性項目として予め定められた、材料除去によって露出されたコンポーネントキャリア構造の内部の構造的特徴を意味し得る。例えば、試験対象は、ドリル孔、又は少なくとも1つの導電層構造(例えば、パターン化された銅箔及び/又は銅充填レーザビア)及び/又は少なくとも1つの電気絶縁層構造(例えば、エポキシ樹脂などの樹脂を含むシート、及び任意選択でガラス繊維などの強化粒子)を有するコンポーネントキャリア構造の(特に積層された)層スタック内の層構造であり得る。具体的には、コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの試験対象の特性又は属性は、ドリル孔(銅などの導電性材料で充填し得るか又はし得ない、レーザドリル孔又は機械的ドリル孔など)の直径、隣接するドリル孔間の距離、層構造の厚さ(具体的には、パターン化された銅箔又は層の厚さ)、層構造の平面性(例えば、純粋に平面構成からの層構造のずれによって測定される)、層構造(すなわち、例えば、積層された層構造の一体のセットから少なくとも部分的に分離された層構造)の層間剥離などの1つ又は複数を有し得る。
【0017】
本発明の例示的な実施形態によれば、実質的にユーザの介入なしにコンポーネントキャリア構造の品質を決定できる、コンポーネントキャリア構造(プリント回路基板クーポンなど)の品質を試験する完全に自動化されたシステムが提供される。具体的には、研削及び研磨されたコンポーネントキャリア構造を作成、測定、及び分析する工程全体を自動化された方法で実行し得る。これにより、品質試験の十分に正確な実行を保証でき得ると同時に、製造工程中の任意の段階でコンポーネントキャリア構造の品質試験の観点から工業規模での高いスループットを達成でき得る。この目的のために、ロボットハンドリングユニットは、品質試験の一部又は全部の段階の間でコンポーネントキャリア構造を取り扱い得る。試験されるコンポーネントキャリア構造は、トレーサビリティのため、及び品質試験の結果を特定のコンポーネントキャリア構造に割り当てることを可能にするために、識別を受け得る。さらに、識別されたコンポーネントキャリア構造は、関心のある対象検査面に達するまで、機械制御された材料除去(例えば、限定されないが、研磨剤除去)工程を受け得る。したがって、材料除去は、コンポーネントキャリア構造の内部を露出させ、それによって、検査中の少なくとも1つの試験対象(具体的には、ドリル孔)へのアクセスを得るために達成され得る。また、次いで、完全に自動化された方法で、もう1つの試験対象が研磨処理されたコンポーネントキャリア構造から決定され得る。次いで、評価ユニットが、この決定の結果を評価して、品質試験の結果を導出し得る。非常に有利には、コンポーネントキャリア構造の有効性評価に関して上述の工程はいずれも、ユーザの介入を必要としない。これにより、コンポーネントキャリア構造の品質試験に関する人的資源の労力が削減されるだけでなく、品質試験がより客観的になり、したがって、より有意義で迅速になる。
【0018】
以下では、方法、装置、コンピュータ可読媒体、及びプログラム要素のさらなる例示的な実施形態について説明する。
【0019】
一実施形態では、ハンドリングユニットは、少なくとも1つのロボット、具体的には、多軸ロボットを含む。例えば、線形ロボット、多関節アームロボット、及び/又は6軸ロボット又はヘキサポッドのうちの少なくとも1つをロボットとして実装し得る。6軸ロボット又はヘキサポッドは、センサを備え、完全に自動化された装置セル内でコンポーネントキャリア構造を取り扱うのに完全に適している6軸を有するロボットを意味し得る。ヘキサポッドは、コンパクトなパッケージで6自由度の動きを提供し得る。絶対測定センサ、ソフトウェア、及びモーションコントローラヘキサポッドと組み合わせることで、複雑なモーションプロファイルを実行可能にし得る。本発明の例示的な実施形態によれば、ヘキサポッドは、材料除去工程(具体的には、研削工程)のために使用され得、したがって、そのようなヘキサポッドは、機械的に安定し得ると同時に、6軸で非常に正確に適合させ得る。したがって、そのようなヘキサポッドによって支持される対象の準備は、非常に正確になり得ると同時に、起こり得る位置ずれに対してより堅牢になり得る(これらは比較的容易に補正できる)。しかし、線形ロボット及び/又は多関節アームロボットは、自動化された装置の個別のワークステーション間のコンポーネントキャリア構造を取り扱うために使用され得る。
【0020】
一実施形態では、ハンドリングユニットは、入口に続く装置のサブ部分に沿って、具体的には、入口及び材料除去ユニットの間で、コンポーネントキャリア構造を取り扱うように構成された入口ハンドリングサブユニットを有する。さらに、ハンドリングユニットは、出口まで延びる装置のサブ部分に沿って、具体的には、材料除去ユニット及び出口の間でコンポーネントキャリア構造を取り扱うように構成された出口ハンドリングサブユニットを有し得る。例えば、第1のロボットを装置の入口側に設け得、第2のロボットを装置の出口側に設け得る。第1のロボット及び第2のロボットの間のインターフェースは、材料除去ユニットであり得る。
【0021】
一実施形態では、識別ユニットは、コンポーネントキャリア構造上及び/又はコンポーネントキャリア構造内の識別子の検出に基づいて、コンポーネントキャリア構造を識別するように構成されている。例えば、そのような識別子は、QRコード(登録商標)、バーコード、英数字コード、又は任意の他の光学的に読み取り可能なコードであり得る。あるいは、識別子は、コンポーネントキャリア構造に接続された無線トランスポンダ、例えば、RFIDタグ又はNFCタグであり得る。そのようなトランスポンダは、装置の対応する読み取りデバイスによって読み出され得る。
【0022】
一実施形態では、識別ユニットは、検出された識別子をデータベース内の相関する識別情報と照合することによって、コンポーネントキャリア構造を識別するように構成されている。例えば、コンポーネントキャリア構造の識別子から導出又は取得されたコードは、コンポーネントキャリア構造に関するより詳細な識別情報を取得するために、データベース内のデータセットと比較され得る。
【0023】
一実施形態では、識別ユニットは、具体的には、データベースから、識別されたコンポーネントキャリア構造に対して実行される品質試験を示す品質試験関連情報及び/又は品質試験関連指示を取得するように構成されている。そのような好ましい実施形態では、識別子はまた、識別後に実行されるコンポーネントキャリア構造特有の品質試験の記述をエンコードする。したがって、識別子から導出された品質試験関連情報は、品質試験に応じて制御するための装置のプロセッサ又は制御ユニットに供給され得る。
【0024】
一実施形態では、決定ユニットは、材料除去後に検出された少なくとも1つの予め定められた試験対象の少なくとも1つの画像を処理するように構成されている。具体的には、決定ユニットは、コンポーネントキャリア構造の露出平面の顕微鏡写真(具体的には、研削面パターン又は研磨切断画像などの顕微鏡写真)に基づいて、1つ又は複数の試験対象を決定し得る。本出願の文脈において、用語「平面を露出させるために材料を除去する」は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の水平、垂直、又は対角線方向における材料除去を意味し得る。したがって、露出面は任意の方向(具体的には、水平、垂直、又は対角線)を有し得る。例えば、検出ユニット(カメラなど)は、研削及び好ましくは研磨の後に、コンポーネントキャリア構造の露出面の画像を撮像し得る。この画像に基づいて、次いで、コンポーネントキャリア構造の品質にとって特に有意義なものとして予め定められた1つ又は複数の試験対象が、上記画像で(例えば、自動画像認識によって)識別され得る。
【0025】
一実施形態では、装置は、入口に配置され、試験前に複数のコンポーネントキャリア構造を特に積み重ねて収容するように構成された入口収容ユニットを備え、ここで、ハンドリングユニットは、試験されるコンポーネントキャリア構造を入口収容ユニットから入口を通して、特に識別ユニットに移送するように構成されている。したがって、品質試験の文脈において、ユーザがしなければならないことは、入口収容ユニット(例えば、マガジン)で品質試験されるコンポーネントキャリア構造を積み重ねることだけである。次いで、残りの品質試験はすべて、装置によって自給自足の方法で実行できる。
【0026】
一実施形態では、装置は、出口に配置され、試験後に複数のコンポーネントキャリア構造を特に積み重ねて収容するように構成された出口収容ユニットを備え、ここで、ハンドリングユニットは、試験されたコンポーネントキャリア構造を出口を通して、出口収容ユニットに移送するように構成されている。したがって、品質試験の最後に、処理されたコンポーネントキャリア構造は、積み重ねられて出口収容ユニット(例えば、さらなるマガジン)に収集され得る。その後、ユーザはこれらの品質試験済み試料に再びアクセスできる。
【0027】
一実施形態では、装置は、除去された材料の量を定量化するように構成された除去材料定量化ユニットを備える。コンポーネントキャリア構造から(例えば、研削によって)除去された材料を収集することによって、材料除去工程の進行状況に関する情報を取得でき、所望の試験対象又は、これまで見えなかった関心のある平面が露出したとき、好ましくは、ドリル孔の中心に到達したときに、材料除去工程を停止させることが可能である。
【0028】
追加的に又は代替的に、材料除去工程の進行(具体的には、研削の進行)を決定する他の概念も同様に実施され得る。例としては、材料除去の観点からコンポーネントキャリア構造の外縁の変化した位置検出、そこから材料を除去するためにコンポーネントキャリア構造に影響を与える材料除去ユニット又は工具の変化した位置の検出、コンポーネントキャリア構造に対する材料除去ユニットの影響を示すセンサデータ(例えば、接触圧力及び/又は回転速度)の検出、材料除去の観点から犠牲構造上及び/又はコンポーネントキャリア構造の試験対象上で感知されたセンサデータの変化の検出などである。
【0029】
一実施形態では、装置は、コンポーネントキャリア構造を材料除去ユニットに供給する前に、より大きな本体、具体的には、パネルからコンポーネントキャリア構造を単一化(又は分離)するように構成された単一化(又は分離)ユニットを備える。具体的には、コンポーネントキャリア構造(具体的にはクーポン)の単一化は、フライス加工又はレーザ切断によって達成され得る。
【0030】
一実施形態では、装置は、コンポーネントキャリア構造を決定ユニットに供給する前に、コンポーネントキャリア構造を熱応力に露出させるように構成された熱応力露出ユニットを備える。通常の使用中、コンポーネントキャリアは、例えば、通常の動作中の熱サイクルによって、熱応力を受け得る。現実的な条件下でコンポーネントキャリア構造の品質を試験し、通常の使用中に発生する熱応力を考慮するために、少なくとも1つの試験対象を決定し、これに基づいてコンポーネントキャリア構造の品質を評価する前に、そのような熱応力をシミュレートし得る(又はコンポーネントキャリア構造がそのような熱応力を受け得る)。
【0031】
一実施形態では、熱応力露出ユニットは、コンポーネントキャリア構造を熱応力浴に露出させるように、具体的には、コンポーネントキャリア構造を熱応力浴上に、より具体的には、溶融はんだ上に浮かべるように構成されている。したがって、現実的な方法でコンポーネントキャリア構造に熱応力を加えるために、コンポーネントキャリア構造は、流動性はんだ材料の浴にさらされ得る。非常に有利には、そのような熱応力試験は容易に自動化し得る。
【0032】
一実施形態では、装置は、具体的には、超音波浴(すなわち、洗浄を促進する超音波にさらされる洗浄又はすすぎ浴)において、材料除去後及び決定前にコンポーネントキャリア構造を洗浄するように構成された少なくとも1つの洗浄ユニットを備える。例えば、洗浄は、(好ましくは、研削による)材料除去後で、材料除去によって露出されたコンポーネントキャリア構造の表面の画像を検出する前に実行し得る。各研削段階後のそのような洗浄工程は、画像の品質を改善し、したがって、上記画像に対する1つ又は複数の試験対象の決定の信頼性及び精度を改善し得る。所望又は必要に応じて、洗浄後及び光学分析の前に、エッチングユニットによって追加のエッチング工程を実行して、画像から導出可能な情報の量をさらに増やし、したがって、試験対象の識別可能な量を増やし得る。具体的には、銅の結晶構造及びメッキ構造は、エッチングによって見えるようになり得る。
【0033】
一実施形態では、装置は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの位置合わせ特徴に基づいて、画像検出前及び/又は材料除去前にコンポーネントキャリア構造を位置合わせするように構成された位置合わせユニットを備える。好ましくは、上記位置合わせユニットは、優れた位置合わせ精度を得るために、多軸ロボット、最も好ましくは、ヘキサポッドを有し得る。露出面の画像を撮像するカメラに関して(少なくとも1つの試験対象を示す)コンポーネントキャリア構造の露出面の適切な方向を保証するために、装置は、コンポーネントキャリアの1つ又は複数の位置合わせマーカーの位置を自動的に決定し得、画像を撮像する前にコンポーネントキャリア構造の位置及び/又は方向を調整し得る。追加的に又は代替的に、上記表面を露出させるための材料除去の前又は間に、そのような位置合わせ工程を実行し得る。これにより、品質試験の精度が向上する。
【0034】
一実施形態では、装置は、上記材料除去後にコンポーネントキャリア構造の内部の画像データを検出するように構成された検出ユニットを備える。この文脈において、検出ユニット(例えば、カメラを有する)によって画像化されるコンポーネントキャリア構造の前の内部平面は、前の材料除去段階によって露出され得る。次いで、画像検出の結果は、試験対象を決定するために決定ユニットに送られ得る。
【0035】
一実施形態では、決定ユニットは、コンポーネントキャリア構造の検出された第1の画像に基づいて、大まかな方法で少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定し、第1の画像を検出した後に検出されたコンポーネントキャリア構造の検出された第2の画像に基づいて、洗練された方法で少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成されている。好ましくは、第2の画像は、コンポーネントキャリア構造の表面をエッチングした後に撮像され得る。したがって、決定ユニットは、決定された品質情報の精度をさらに向上させるために、2つ以上の段階で動作し得る。大まかな決定の後に細かい決定を行うことができる。決定の異なる段階間で、コンポーネントキャリア構造の分析された表面は、1つ又は複数の試験対象の決定の信頼性を改善するために、(具体的には、エッチング及び/又は追加の研削及び/又は研磨によって)追加的に処理され得る。
【0036】
一実施形態では、決定ユニットは、材料除去、画像検出、及び任意選択で画像評価を含むシーケンスを反復して繰り返すことによって、少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成されている。例えば、コンポーネントキャリア構造は、研削、画像検出、試験対象の決定、及び任意選択で評価のシーケンスを受けてから、上記シーケンスを1回又は複数回繰り返し得る。非常に有利には、分析中のコンポーネントキャリア構造は、材料除去ユニット、検出ユニット、及び決定ユニット及び/又は評価ユニットによる反復して繰り返す処理を2回又は3回以上受け得る。試験対象の決定及び/又は評価により、品質試験の分解能又は信頼性がさらに改善される可能性があるか、又は改善されるべきであることが示される場合、追加の材料が、露出面を改変するために、コンポーネントキャリア構造から除去され得る(実施形態では、さらなる研磨も可能である)。この手段をとることによって、コンポーネントキャリア構造の露出面に対応する断面平面は、空間的にシフト及び/又は傾斜され得る。その後、追加の研磨工程が実行され得る。次いで、それに応じて処理されたコンポーネントキャリア構造の露出面は、検出ユニットによる追加の画像撮像を受け得、次いで、追加的に取得された画像は決定ユニット及び評価ユニットによってさらに処理され得る。反復的に、1つ又は複数の問題が、検出ユニットによって撮像されたコンポーネントキャリア構造の露出面の画像に基づいて識別され得る。材料除去ユニットの研削工程は、上記1つ又は複数の問題を取り除くために(例えば、品質試験に関する工業規格への準拠を達成するために)調整され得、繰り返される材料除去の結果は、検出ユニットによって検出され、決定ユニット及び評価ユニットによって分析され得る。そのような反復手法によって、完全に自動化された品質試験を高精度で実行し得る。
【0037】
一実施形態では、材料除去ユニットは、研削によってコンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている。具体的には、研削は、グラインディングホイール(又は別の研削体)を材料除去又は切削工具として使用し得る研磨機械加工工程を意味し得る。研磨剤の各粒子は、微細な一点切れ刃として機能し、コンポーネントキャリア構造から極小片を剪断し得る。しかし、他の実施形態では、コンポーネントキャリア構造からの材料除去は、研削以外の方法によって、例えば、レーザ加工又は任意の種類の切断によって達成され得る。
【0038】
一実施形態では、材料除去ユニットは、断面研削及び平面研削からなる群のうちの1つによってコンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている。断面研削に関しては、板状のコンポーネントキャリア構造を切断する平面での分析を可能にするコンポーネントキャリア構造の断面が作成され得る。断面研削は、分析のために関心のある内部平面を露出させるために、コンポーネントキャリア構造の一部を切断又は研削する破壊技術である。得られた断面では、ドリル孔の品質を評価でき、ビアのメッキ品質及び厚さを評価でき、他の試験対象も分析できる。そのような他の試験対象の一例として、積層工程の品質を示す、コンポーネントキャリア構造の材料内の隙間をアクセス可能にさせ得る。平面研削又は表面研削に関して、そのような技術は、コンポーネントキャリア構造の平坦な表面上に平滑な仕上げをもたらすために使用され得る。平面研削は、粗い粒子で覆われたスピニングホイール(又は任意の他の本体)が、コンポーネントキャリア構造の主表面から小片を切り取り、それによって、コンポーネントキャリア構造の内部層の主表面にアクセスする、研磨機械加工工程として示され得る。
【0039】
一実施形態では、装置は、材料を除去した後にコンポーネントキャリア構造の露出面を研磨するように構成された研磨ユニットを備える。研磨は、表面をこするか、又は化学作用を利用することによって滑らかな表面を作成し、粗さが減少した表面を残す工程を意味し得る。研削とは対照的に、研磨はコンポーネントキャリア構造の表面から顕著な量の材料を除去するのではなく、単に表面を平坦化することによって平面性を高める。研磨は、より粗い研磨剤から始めて複数の段階を使用し得、その後の各段階はより細かい研磨剤を使用し得る。
【0040】
一実施形態では、装置は、コンポーネントキャリア構造がカプセル材中で検出及び/又は判定を受けるように、カプセル材内にコンポーネントキャリア構造をカプセル化するように構成されたカプセル化ユニットを備える。例えば、コンポーネントキャリア構造は、処理及び/又は検出中のその取り扱いを簡素化するために、樹脂のマトリックスに埋め込まれ得る。そのようなカプセル化工程は自動化され得、コンポーネントキャリア構造を保護する応力緩衝としても機能し得る。
【0041】
別の好ましい実施形態では、決定ユニットは、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造に基づいて、少なくとも1つの予め定められた試験対象を決定するように構成されている。それに応じて、方法は、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造に基づいて、少なくとも1つの予め定められた試験対象の画像を検出及び/又は決定する段階を備え得る。非常に有利には、自動化された装置は、光学的検査の前にコンポーネントキャリア構造(クーポンなど)のカプセル化を必ずしも必要としない。カプセル化を省略し、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造を検査すると、自動化された品質試験が大幅に簡素化され、加速され得る。
【0042】
一実施形態では、評価ユニットは、決定された少なくとも1つの試験対象の特性に基づいて、コンポーネントキャリア構造の品質を評価するように構成されている。例えば、各試験対象のパラメータの特性の所望の範囲を予め定められ(例えば、データベースに記憶され)得る。分析されたコンポーネントキャリア構造の各試験対象及び対応する特性(例えば、ドリル孔の直径)について、それぞれの試験対象が所望の予め定められた特性の要件に適合するか否かが評価ユニットによって評価され得る。
【0043】
一実施形態では、評価ユニットは、コンポーネントキャリア構造を複数の品質クラスのうちの1つ、具体的には、「合格」、「不合格」、及び「さらなる分析が必要」からなるクラスの群の1つのクラスに分類することによって品質を評価するように構成されている。コンポーネントキャリア構造を「合格」として分類することは、コンポーネントキャリア構造の分析された1つ又は複数の試験対象が、コンポーネントキャリア構造の満足できる品質を示し、コンポーネントキャリア構造(具体的には、割り当てられたコンポーネントキャリア)が、意図される使用のために進行し得ることを意味する。コンポーネントキャリア構造を「不合格」と分類することは、コンポーネントキャリア構造の分析された1つ又は複数の試験対象が、コンポーネントキャリア構造の不十分な品質を示し、コンポーネントキャリア構造(具体的には、割り当てられたコンポーネントキャリア)が、廃棄物又は欠陥製品と見なされることを意味する。利用可能なデータに基づいて、十分に信頼できる結論を引き出すことができないと評価が結論付けられた場合、装置は、対応する指示を出力し得、例えば、追加の自動分析を提案又は実行し得るか、又は人間のユーザベースの評価を提案し得る。試験された各コンポーネントキャリア構造を複数の予め定められた群のうちの1つに、そのように分類することにより、品質試験の自動実行を簡素化し得る。例えば、欠陥を評価するために、IPC-6012D(バージョン:2015年9月)の「3.6構造的完全性」の章に記載されている基準の1つ又は複数が考慮され得る。
【0044】
より具体的には、評価ユニットは、コンポーネントキャリア構造の各試験対象を、複数の品質クラスのうちの1つ、具体的には、「合格」、「不合格」、及び「さらなる分析が必要」からなるクラスの群の1つのクラスに分類することによって品質を評価するように構成され得る。有利には、検査される試験対象の各特性、属性、又はパラメータは、このようにして分類され得る。最終的な決定は、前の段落で説明したように行い得るが、個別の特性、属性、又はパラメータに関する判定は、そのような品質決定の基礎を形成し得る。それほど重要でないパラメータのほんの僅かなずれのみの場合、コンポーネントキャリア構造は「合格」で評価できると決定され得る。そのような決定のための基礎としての基準は、ユーザによって、又は品質を示す仕様によって予め定められ得る。
【0045】
一実施形態では、評価ユニットは、人工知能、具体的には、機械学習、より具体的には、ニューラルネットワークを使用して評価を実行するように構成された人工知能モジュールを有する。本出願の文脈において、用語「人工知能」は、具体的には、ニューラルネットワーク、自己学習又は自己適応システム、ファジー論理などのようなツールを意味し得る。人工知能は、電子的なハードウェア及びソフトウェアのリソースに基づいて、人間とは独立して動作し得る。それに対応して、人工知能モジュールは、人工知能機能を含む物理的又は仮想的エンティティであり得る。人工知能は、具体的には、プロセッサ(コンピュータシステムなど)が明示的な命令を使用したり、パターンに依存したりなどせずに、特定のタスクを実行するために使用し得るアルゴリズム及び/又は統計モデルの実装を意味し得る。具体的には、人工知能アルゴリズムは、タスクを実行するように明示的にプログラムされることなく予測又は決定を行うために、入力データ(トレーニングデータとも呼ばれ得る)に基づいて数学的モデルを構築し得る。一実施形態では、人工知能モジュールによる処理は、深層学習による処理を有する。深層学習は、具体的には、表現学習による人工ニューラルネットワークに基づく機械学習方法を意味し得る。深層学習は、教師あり、半教師あり、又は教師なしとすることができる。本発明の例示的な実施形態に従って実装され得る深層学習アーキテクチャの例は、深層ニューラルネットワーク、深層信念ネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、及び畳み込みニューラルネットワークである。品質試験の自動実行における深層学習アルゴリズムの実装は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の品質に関する予め決められた試験対象の解釈に関して、品質試験の信頼性、性能、及び精度をさらに改善させ得る。一実施形態では、人工知能モジュールによる処理は、ニューラルネットワークによる処理を有する。そのようなニューラルネットワークは、通常、タスク固有の規則でプログラムされることなく、例を考慮することによってタスクを実行することを学習でき得るコンピューティングシステムであり得る。ニューラルネットワークは、人工ニューロンと呼ばれる接続されたノードの集合に基づき得る。上記ニューロン間の各接続は、信号を他のニューロンに送信できる。信号を受け取った人工ニューロンは、次いで信号を処理し、接続されているニューロンに信号を送ることができる。学習中、接続の重みは継続的に調整され得る。分析中のコンポーネントキャリア構造の以前に決定された試験対象を入力することによって、ニューラルネットワークは、コンポーネントキャリア構造の品質を評価するのに寄与できる。
【0046】
一実施形態では、装置は、入口及び出口の間で人間の介入なしに品質試験を実行するように構成されている。それに対応して、方法は、入口及び出口の間で人間の介入なしに品質試験を実行する段階を備え得る。これにより、人的エラーが回避され、スループットが向上する。
【0047】
一実施形態では、コンポーネントキャリア構造は、少なくとも1つの電気絶縁層構造及び少なくとも1つの導電層構造のスタックを有する。例えば、コンポーネントキャリアは、具体的には、機械的圧力及び/又は熱エネルギーを加えることによって形成される、上述の電気絶縁層構造及び導電層構造の積層であり得る。上述のスタックは、さらなるコンポーネントのための大きな取り付け面を提供でき、それにもかかわらず、非常に薄くコンパクトである板状のコンポーネントキャリアを提供し得る。
【0048】
一実施形態では、コンポーネントキャリア構造は板として形成される。これはコンパクトな設計に寄与し、それにもかかわらず、コンポーネントキャリアは、その上にコンポーネントを取り付けるための大きな基盤を提供する。さらに、具体的には、埋め込み型電子部品の例としてのネイキッドダイは、その薄い厚さのおかげで、プリント回路基板などの薄い板に好都合に埋め込むことができる。
【0049】
一実施形態では、コンポーネントキャリア構造は、プリント回路基板、基板(具体的にはIC基板)、及びインターポーザからなる群のうちの1つとして構成されている。
【0050】
本出願の文脈において、用語「プリント回路基板」(PCB)は、具体的には、例えば、圧力を加えることによって、及び/又は熱エネルギーを供給することによって、いくつかの導電層構造をいくつかの電気絶縁層構造と積層することによって形成される、板状のコンポーネントキャリアを意味し得る。PCB技術に好ましい材料として、導電層構造は銅でできており、一方、電気絶縁層構造は、樹脂及び/又はガラス繊維、いわゆる、プリプレグ又はFR4材料を有し得る。様々な導電層構造は、積層体を貫通する貫通孔を形成することによって、例えば、レーザ穿孔又は機械的穿孔によって、及び、それらを導電性材料(具体的には、銅)で充填し、それによって、ビア又は他の貫通孔接続を形成することによって、所望の方法で互いに接続され得る。(例えば、部分的に)充填された孔は、スタック全体(いくつかの層又はスタック全体を通って延びる貫通孔接続)を接続し得るか、又は充填された孔は、ビアと呼ばれる少なくとも2つの導電層を接続し得る。同様に、電気光学回路基板(Electro-Optical Circuit Board:EOCB)を受容するために、スタックの個別の層を通して光相互接続を形成できる。プリント回路基板に埋め込み得る1つ又は複数のコンポーネントは別にして、プリント回路基板は通常、板状のプリント回路基板の対向面の一方又は両方に1つ又は複数のコンポーネントを収容するように構成されている。それらは、はんだ付けによってそれぞれの主表面に接続し得る。PCBの誘電体部分は、強化繊維(ガラス繊維など)又は他の強化粒子(強化球、具体的にはガラス球など)を含む樹脂で構成され得る。
【0051】
本出願の文脈において、用語「基板」は、具体的には、小さなコンポーネントキャリアを意味し得る。基板は、PCBに関して、1つ又は複数のコンポーネントを取り付け得、1つ又は複数の小片及び別のPCBの間の接続媒体として機能し得る比較的小さなコンポーネントキャリアであり得る。例えば、基板は、(例えば、チップスケールパッケージ(Chip Scale Package:CSP)の場合)その上に取り付けられるコンポーネント(具体的には電子部品)と実質的に同じサイズを有し得る。より具体的には、基板は、電気的接続又は電気ネットワークのためのキャリア、及びプリント回路基板(PCB)に匹敵するコンポーネントキャリアとして理解され得るが、水平及び/又は垂直に配置された接続の密度がかなり高くなる。水平方向の接続は、例えば、導電路であり、一方、垂直方向の接続は、例えば、ドリル孔であり得る。これらの水平方向及び/又は垂直方向の接続は、基板内に配置され、具体的には、ICチップの、収納されたコンポーネント又は収納されていないコンポーネント(ベアダイなど)と、プリント回路基板又は中間のプリント回路基板との電気的、熱的、及び/又は機械的な接続を提供するために使用できる。したがって、用語「基板」には「IC基板」も含まれる。基板の誘電体部分は、強化粒子(強化球、具体的にはガラス球など)を含む樹脂で構成され得る。
【0052】
基板又はインターポーザは、少なくともガラス、シリコン(Si)、及び/又はエポキシベースのビルドアップ材料(エポキシベースのビルドアップフィルムなど)のようなフォトイメージャブル又はドライエッチング可能な有機材料、又はポリイミド又はポリベンゾオキサゾールのような高分子化合物(光分子及び/又は感熱分子を含み得るか、又は含み得ない)の層を有し得るか、又はそれらからなり得る。
【0053】
一実施形態では、少なくとも1つの電気絶縁層構造は、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビスマレイミド-トリアジン樹脂、ポリフェニレン誘導体(例えば、ポリフェニルエーテル PPEに基づく)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、液晶高分子(Liquid Crystal Polymer:LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び/又はそれらの組み合わせなどの樹脂又は高分子からなる群の少なくとも1つを有する。複合材を形成するために、例えばガラス(多層ガラス)で作られた、ウェブ、繊維、球体又は他の種類の充填剤粒子などの強化構造も同様に使用できる。補強剤と組み合わせた半硬化樹脂、例えば、上述の樹脂を含浸させた繊維は、プリプレグと呼ばれる。これらのプリプレグは、多くの場合、その特性、例えば、その難燃性を説明する、FR4又はFR5にちなんで命名される。プリプレグ、特に、FR4が通常、硬質PCBに好ましいが、他の材料、具体的には、エポキシベースのビルドアップ材料(ビルドアップフィルムなど)又はフォトイメージャブルな誘電体材料も使用し得る。高周波用途では、ポリテトラフルオロエチレン、液晶高分子、及び/又はシアン酸エステル樹脂などの高周波材料が好ましい場合がある。これらの高分子の他に、低温同時焼成セラミック(Low Temperature Cofired Ceramics:LTCC)又は他の低DK材料、超低DK材料、又は極低DK材料(「DK」は誘電率の実数部を指し得る)を電気絶縁構造としてコンポーネントキャリアに塗布し得る。
【0054】
一実施形態では、少なくとも1つの導電層構造は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、パラジウム、及びタングステンからなる群のうちの少なくとも1つを有する。通常は銅が好ましいが、他の材料又はそのコーティングされたバージョン、具体的には、グラフェン又はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などの超導電性材料又は導電性高分子でそれぞれコーティングされたバージョンも可能である。
【0055】
スタックに埋め込むことができる少なくとも1つのコンポーネントは、非導電性インレイ、導電性インレイ(好ましくは銅又はアルミニウムを含む、金属インレイなど)、熱伝達ユニット(例えば、ヒートパイプ)、導光要素(例えば、光導波路又は光導体接続)、電子部品、又はそれらの組み合わせからなる群から選択できる。インレイは、例えば、絶縁材料コーティング(IMS-インレイ)の有無にかかわらず、金属ブロックであり得、熱放散を促進する目的で、埋め込まれ得るか表面実装され得る。適切な材料は、少なくとも2W/mKであるべき、それらの熱伝導率に従って定義される。そのような材料は、多くの場合、限定されないが、例えば、銅、酸化アルミニウム(Al2O3)、又は窒化アルミニウム(AlN)のような、金属、金属酸化物、及び/又はセラミックをベースとしている。熱交換容量を増やすために、表面積を増やした他の形状もたびたび使用される。さらに、コンポーネントは、能動電子部品(少なくとも1つのpn接合が実装されている)、抵抗器、インダクタンス、又はコンデンサなどの受動電子部品、電子チップ、ストレージデバイス(例えば、DRAM又は別のデータメモリ)、フィルタ、集積回路(フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、プログラマブルアレイロジック(Programmable Array Logic:PAL)、ジェネリックアレイロジック(Generic Array Logic:GAL)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Devices:CPLD)など)、信号処理コンポーネント、電源管理コンポーネント(電界効果トランジスタ(Field-Effect Transistor:FET)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)、相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor:CMOS)、接合型電界効果トランジスタ(Junction Field-Effect Transistor:JFET)、又は絶縁ゲート電界効果トランジスタ(Insulated-Gate Field-Effect Transistor:IGFET)、炭化ケイ素(Silicon Carbide:SiC)、ヒ化ガリウム(Gallium Arsenide:GaAs)、窒化ガリウム(Gallium Nitride:GaN)、酸化ガリウム(Gallium Oxide:Ga2O3)、ヒ化インジウムガリウム(Indium Gallium Arsenide:InGaAs)、及び/又は任意の他の適切な無機化合物などの半導体材料に基づくすべて、など)、光電子インターフェース素子、発光ダイオード、フォトカプラ、電圧コンバータ(例えば、DC/DCコンバータ又はAC/DCコンバータ)、暗号コンポーネント、送信機及び/又は受信機、電気機械変換器、センサ、アクチュエータ、微小電気機械システム(Microelectromechanical System:MEMS)、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、インダクタンス、バッテリ、スイッチ、カメラ、アンテナ、ロジックチップ、及びエネルギーハーベスティングユニットであり得る。しかし、他のコンポーネントをコンポーネントキャリアに埋め込み得る。例えば、磁性素子コンポーネントとして使用できる。そのような磁性素子は、永久磁性素子(強磁性素子、反強磁性素子、マルチフェロイック素子、又はフェリ磁性素子、例えば、フェライトコアなど)であり得るか、又は常磁性素子であり得る。しかし、コンポーネントはまた、IC基板、インターポーザ、又は、例えば、ボードインボード構成のさらなるコンポーネントキャリアであり得る。コンポーネントは、コンポーネントキャリアに表面実装され得、及び/又はその内部に埋め込まれ得る。さらに、他のコンポーネント、具体的には、電磁放射を生成及び放出する、及び/又は環境から伝播する電磁放射に対して敏感なコンポーネントも、コンポーネントとして使用され得る。
【0056】
一実施形態では、コンポーネントキャリアは積層型のコンポーネントキャリアである。そのような実施形態では、コンポーネントキャリアは、押圧力及び/又は熱を加えることによって一緒に積み重ねられ接続される多層構造の化合物である。
【0057】
コンポーネントキャリアの内部層構造を加工した後、処理された層構造の一方又は両方の対向する主表面を、1つ又は複数のさらなる電気絶縁層構造及び/又は導電層構造で対称的又は非対称的に(具体的には積層によって)覆うことが可能である。換言すれば、所望の層数が得られるまで積層を継続し得る。
【0058】
電気絶縁層構造及び導電層構造のスタックの形成が完了した後、得られた層構造又はコンポーネントキャリアの表面処理を進めることが可能である。
【0059】
具体的には、電気絶縁ソルダーレジストは、表面処理に関して層スタック又はコンポーネントキャリアの一方又は両方の対向する主表面に塗布され得る。例えば、主表面全体にソルダーレジストなどを形成し、続いてソルダーレジストの層をパターン化して、コンポーネントキャリアを電子周辺機器に電気的に結合するために使用される1つ又は複数の導電性表面部分を露出させることが可能である。ソルダーレジストで覆われたままのコンポーネントキャリアの表面部分、特に銅を含有する表面部分は、酸化又は腐食から効果的に保護され得る。
【0060】
表面処理に関して、コンポーネントキャリアの露出した導電性表面部分に選択的に表面仕上げを適用することも可能である。そのような表面仕上げは、コンポーネントキャリアの表面上の露出した導電層構造(パッド、導電トラックなどのような、特に銅を含む又は銅からなる)上の導電性カバー材料であり得る。そのような露出した導電層構造が保護されないままである場合、露出した導電性のコンポーネントキャリア材料(特に銅)が酸化し、コンポーネントキャリアの信頼性を低下させる可能性がある。次いで、表面仕上げは、例えば、表面実装コンポーネント及びコンポーネントキャリアの間の界面として形成され得る。表面仕上げは、露出した導電層構造(特に銅回路)を保護し、例えば、はんだ付けによって、1つ又は複数のコンポーネントとの接合工程を可能にする機能を有する。表面仕上げのための適切な材料の例は、有機はんだ付け性保存剤(Organic Solderability Preservative:OSP)、無電解ニッケル浸漬金(Electroless Nickel Immersion Gold:ENIG)、金(特に硬質金)、化学スズ、ニッケル金、ニッケルパラジウム、無電解ニッケル浸漬パラジウム浸漬金(Electroless Nickel Immersion Palladium Immersion Gold:ENIPIG)などである。
【0061】
上で定義した態様及び本発明のさらなる態様は、以下に記載される実施形態の例から明らかであり、これらの実施形態の例を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行する方法のフローチャートを示す。
【0063】
【
図2】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置を概略的に示す。
【0064】
【
図3】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置の詳細を示す。
【0065】
【
図4】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行する方法の工程フローを示す。
【0066】
【
図5】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置の自動セルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図面内の図は概略図である。異なる図面では、類似又は同一の要素には同じ参照符号が付されている。
【0068】
図面を参照する前に、例示的な実施形態をさらに詳細に説明し、本発明の例示的な実施形態が開発されたことに基づいて、いくつかの基本的な考慮事項を要約する。
【0069】
本発明の例示的な実施形態によれば、クーポンなどのコンポーネントキャリア構造の品質試験の実行の完全な自動化が可能になる。具体的には、そのような自動化されたシステムは、標準化されたコンポーネントキャリア構造試料及び自動測定/検査技術を使用することによって、完全に自動化された品質試験セルで、すべての単一工程を組み合わせ得る。結果として、対象の準備に関して高いスループット及び高い精度が得られ得る。コンポーネントキャリア構造試料の自動測定及び目視検査は、人工知能の要素を実装することによって可能になり得る。非常に有利には、コンポーネントキャリア構造の偏りのない評価が可能になり得る。そのような自動化された装置によって、実験室検査のための改善された能力及び容量が達成され得る。さらに、自動化レベル、反復性、及びスループットの向上も達成され得る。具体的には、コンポーネントキャリア構造に対して品質試験を実行するための自動化されたシステムは、特に、IPC-2221B(バージョン:2012年11月)の第12.1章による適合試験クーポンに準拠したコンポーネントキャリア構造の高速かつ高精度の検査を可能にできる。
【0070】
コンポーネントキャリア構造の断面切り出しに影響を与える変数(以下の個別の変数のより詳細な議論を参照)の例は、材料除去のために使用される研削体、位置合わせ(例えば、ハンドリングアームの利用)、研削及び/又は研磨中に加えられる圧力、研削及び/又は研磨中の回転速度、具体的には、コンポーネントキャリア構造からの材料除去の制御(より具体的には、材料除去の進行制御)、キャリーオーバーを回避するための(コンポーネントキャリア構造及び/又は研削体の)洗浄、加熱又は冷却、及び熱的及び機械的負荷である。
【0071】
研削に関して、調整可能なパラメータは、粒径、接触圧力、及び研磨媒体の回転速度である。粒子も、研削盤のために調整することができる。コンポーネントキャリア構造の断面表面の研磨は、ダイヤモンドサスペンションを使用して実行され得る(回転は、同期又は相互回転し得る)。任意選択で、コンポーネントキャリア構造の浸漬及び/又は充填が、銅の孔の汚れを防ぐために可能であり得る。
【0072】
材料除去のために使用される研削体に関しては、コンポーネントキャリア構造の積層を無傷に保つために、材料除去工程が過度の高温を発生させないことが有利であり得る。好ましくは、材料除去工程は、コンポーネントキャリア材料の樹脂材料のガラス転移温度Tgよりかなり低い温度(例えば、摂氏目盛又はケルビン目盛でTgより少なくとも10%低い)で実行され得る。例えば、冷却及び/又は洗浄媒体として水を使用できる。
【0073】
コンポーネントキャリア構造の材料を除去するために、研削が好ましい場合がある。しかし、材料除去は、(例えば、ワイヤ)切断、ワイヤ浸食、プラズマ処理、レーザ処理、サンドブラスト、ウォータジェット、フライス加工、ソーイング、ゲート剪断による処理、イオンビーム処理及び/又はパンチングによっても達成され得る。
【0074】
好ましくは、粒径は(具体的には材料除去の最後に)その後の研磨を補助するのに十分なほど微細であり得る。粒径は、使用する研磨用懸濁液に応じて選択され得る。例えば、3μmの粒子は、ある程度の研削にのみ適用可能であり得る。
【0075】
コンポーネントキャリア構造の研削及び/又は研磨された表面の平面性のばらつきを抑制するために、過度の高温及び低温を回避することが有利であり得る。さらに、熱的及び機械的負荷を低く抑えるべきである。
【0076】
ハンドリングユニットのハンドリングアームを設計する場合、コンポーネントキャリア構造の滑り及び/又は回転をできるだけ低く抑えるべきである。この有利な境界条件は、最大回転速度の選択に影響を及ぼし得る。
【0077】
次に、研削工程の実施形態について説明する。有利には、反復研削制御工程を実行し得る。研削ディスク(又はプレート)は、水平又は垂直に配置し得るか、又は、必要又は所望であれば(研削の実施されるタイプを考慮して)特別な角度で配置し得る。
【0078】
材料除去の進行の制御に関しては、研削の進行を監視するためにカメラを使用し得る。例えば、そのようなカメラは、研削体の上及び/又は中に配置され得る。これは、コンポーネントキャリア構造の処理された表面の平面性及び/又は位置合わせを促進し得る。進行制御は、電気測定によって、例えば、電気信号の変化によって検出され得る、特定の材料除去の進行状態で部分的に又は完全に除去される銅構造に接触させることによって、達成することもできる。さらに、あるいは、進行制御は、材料除去工程の予め定められた進行が達成されるときに研削体が当接する、1つ又は複数の機械的停止部(例えば、十分に硬い表面、好ましくはダイヤモンド表面を有する)に基づき得る。研削体に対する抵抗測定も、進行制御に使用され得る。他の実施形態では、漸進的供給が進行制御に関して測定され得る。例えば、貫通孔を参照すると、そのような孔が開いた瞬間に、著しい圧力降下が生じ得る。マイクロビアに到達すると、圧力への影響が逆になり得、すなわち、圧力の増加、又は抵抗の増加が検出され得る。より柔らかい樹脂材料ではなく、金属製のビア材料を研削すると、圧力が高くなり得る。電気信号がマイクロビアで測定され、マイクロビアの導電性材料が除去されると、電気抵抗が増加し得、これも検出可能であり得る。進行制御のさらに別の実施形態では、例えば、目標達成時の水の変色を検出し得る。(例えば、研削中に除去された犠牲構造の)抵抗測定も、進行制御のために使用され得る。進行制御に関するさらに別の実施形態では、音検出、トライボメータベースの検出、研削ディスクを押すピン(任意選択で光バリアと組み合わせる)などを使用できる。ドリル孔の中心が検出されると、研削が停止し得る。
【0079】
好ましくは、進行は、試験対象で、又はその近くで測定できる。さらに、研削工程の進行制御を参照すると、急停止が可能であり得る。しかし、反復研削工程も可能である。
【0080】
一実施形態では、研削体及びコンポーネントキャリア構造の間の接触圧力を測定し得る。例えば、これは、圧力調整器(例えば、力に応じて調整する)によって自動化された方法で達成され得る。材料除去中、圧力は一定のままにし得るか、又は変化させ得る。研削体の数が少ないほど、時間、圧力、回転のバランスが保たれ得る。スループット、品質目標、試料の厚さに応じて、可変圧力を印加することも可能であり得る。最大圧力は、特にドリル孔などの試験対象において、又はその周囲でコンポーネントキャリア構造の損傷が発生しないように調整し得る。具体的には、接触圧力は、コンポーネントキャリアをどのように研削すべきか(例えば、層に沿って研削する、層に対して研削するなど)に応じて選択できる。切断準備は、コンポーネントキャリア構造の品質問題を増大も減少もさせないことに注意すべきである。
【0081】
回転速度及びタイプに関しては、予め定められた最大値を下回る範囲でのみ熱を生成することが有利であり得る。回転方向は、同期し得るか、又は逆であり得る。(クランプデバイス、ハンドリングフィクスチャ、ヘキサポッドなどのような)把持デバイス又はハンドリングデバイスは、急速に振動させられ得る。
【0082】
回転に関して調整できるパラメータは、回転時間、接触圧力、回転のタイプ、コンポーネントキャリア構造の材料、粒子などである。
【0083】
自動化された方法で品質試験を実行するための処理中のコンポーネントキャリア構造の位置合わせ又は方向に関して、カメラはコンポーネントキャリア構造試料が第1の研削の前に正しく位置決めされているかどうかを判定し得る。必要に応じて、コンポーネントキャリア構造の位置は、適切な位置合わせを保証するために補正され得る(例えば、好ましくは銅メッキされていない外部基準孔との比較に基づく;そのような基準孔は、例えば、写真工程で穿孔又はエッチングされ得る)。あるいは、機械的な位置合わせ工程(例えば、位置合わせピンを使用)を実行し得る。
【0084】
位置合わせの目的は、対象平面及び研削媒体が平行に配向されることであり得る。これは、媒体、研削体に相応に影響を与え、関与するコンポーネントの1つ又は、さらにすべてを回転させることなどによって達成され得る。
【0085】
位置合わせをさらに参照すると、カメラ画像は参照点及び表示される対象点を撮像し得る。そのようなデータは、対象平面を(ソフトウェアにサポートされて、機械的に、など)定義し得、対象平面を研削媒体に平行にし得る。位置合わせ制御のさらなる過程では、制限要因は、システム全体の機械的安定性に対応する位置合わせが維持されるように、ヘキサポッド/研削速度/最大力の組み合わせであり得る。
【0086】
ここで、コンポーネントキャリア構造の洗浄を参照すると、一実施形態は、研削中にコンポーネントキャリア構造を洗浄し得る。反復手法では、新しい各研削段階(例えば、粗研削に続く微研削)の前に、洗浄段階があり得る。洗浄により、粒子のキャリーオーバーが発生しないことが保証され得る。例えば、粒子は、洗浄に関して、吹き飛ばされる、吸引される、蒸発させる、燃焼させる、剥ぎ取られる、ブラッシングされる、すすがれる、などであり得る。例えば、研削工程中に連続洗浄を実行し得る。吸引、すすぎ(好ましくは、浴又は流し)、剥ぎ取り、吹き飛ばし、超音波浴(振り落とし)又は他の洗浄ユニットを実施し得る。有利には、非常に小さな傷は洗浄によってすすがれ得る。洗浄後、残りの粒子は、最大でも次の工程で研削に使用される粒径と同じサイズか、それよりも小さいサイズであることが有利であり得る。
【0087】
クーポンデザインに関しては、それは、標準化され得るか、標準からはずれ得る。任意のずれは、ユーザと調整され得る。例えば、クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造には、1つ又は複数の位置合わせ孔、摩耗センサなどが設けられ得る。
【0088】
コンポーネントキャリア構造の品質評価に関する品質基準又は特性の例は、鋭いエッジ(好ましくは90°)、ゼロに近い半径、平面性、予め定められた閾値を下回る許容誤差である(例えば、10%又は好ましくは10%未満、7%以下の許容誤差を有する)。コンポーネントキャリア構造のさらなる品質特徴は、100倍の倍率で画像に傷がないことが望ましいことである。さらに、コンポーネントキャリア構造は、間隙(具体的には、試料及び包埋剤の間、より具体的には、導電層及び包埋剤の間、特に、銅及び包埋剤の間)があってはならない。樹脂は包埋時に収縮し得る(速硬化性包埋剤は体積損失が大きく、遅硬化性包埋剤は体積損失がほとんどない)が、収縮が過度であってはならない。
【0089】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行する方法のフローチャート170を示す。
図1の説明に使用される参照符号は、
図2又は
図3の実施形態を指す。好ましくは、上述のコンポーネントキャリア構造102は、パネルの一部を形成するクーポンであり、コンポーネントキャリア(プリント回路基板(PCB)又は集積回路(IC)基板など)を試験するために使用され得る。しかし、コンポーネントキャリア構造102は、代替的に、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを有するパネル又はアレイ(1/4パネルなど)、又はコンポーネントキャリアのプリフォーム又は容易に製造されるコンポーネントキャリアであり得る。
【0090】
有利には、フローチャート170の方法は、自動化された装置100によるコンポーネントキャリア構造102の品質試験の実行に対応し得る。好ましくは、方法は、上記装置100の入口106(入力172に論理的に対応)及び出口108(出力190に論理的に対応)の間で人間の介入なしに品質試験を実行することを備え得る。換言すれば、装置100の入口106は方法の入力172に対応し、一方、装置100の出口108は方法の出力190に対応する。より具体的には、断面の準備及び目視検査並びにコンポーネントキャリア構造102の測定のための自動化された工程が提供される。好ましくは、手作業が発生せず、工程全体が自動化され得る。この目的のために、試験クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造102は、自動化された取り扱い及び機械可読シリアル化のために構成され得る。
【0091】
参照符号172で示すように、コンポーネントキャリア構造102は、装置100に入れられ得る。
【0092】
ブロック174を参照すると、クーポンをコンポーネントキャリア構造102として装置100に挿入され得、これにより、ロボット120によって完全に自動的に取り扱われ得る。より具体的には、クーポンは、例えば、IPC-2221に従って構築又は設計され得るコンポーネントキャリア構造102であり得る。コンポーネントキャリア構造102は、トレーサビリティ情報を装置100に提供し得る。この目的のために、装置100を使用して実行し得る方法は、品質試験を受けるべきコンポーネントキャリア構造102を自動的に識別する段階を備え得る。例えば、クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造102をリストに登録することが可能であり得る。複数のクーポンは並び替えられ得る。トレーサビリティの目的のために、ロット番号、パネル番号、アレイ番号、x/y情報、断面番号、レポート番号、要求識別子などのような情報を、それぞれのコンポーネントキャリア構造102に割り当てられたデータセットに割り当てることが可能であり得る。例えば、そのようなデータセットは、データベース128に記憶され得る。
【0093】
ブロック176を参照すると、パネルなどの残りの部分と依然として一体的に接続され得るコンポーネントキャリア構造102は、例えば、パネルなどのより大きな本体160からコンポーネントキャリア構造102をフライス加工又は切断することによって、単一化又は分離され得る。この目的のために、より大きな本体160内のコンポーネントキャリア構造102の定義された位置を探索し、それを切り出すことが可能であり得る。結果として、分離されたコンポーネントキャリア構造102の形態の試験試料が取得され得る。例えば、コンポーネントキャリア構造102の切り出しは、最小のメッキ貫通孔に従って、又はユーザ定義に対応して達成され得る。
【0094】
ブロック178を参照すると、次いで、コンポーネントキャリア構造102は、例えば、はんだフロート試験を実行することによって、熱応力を受け得る。例えば、コンポーネントキャリア構造102は、コンポーネントキャリア構造102に熱応力を受けさせるために溶融はんだに浸漬され得る。はんだフロート試験の代替として、代替の熱応力法、例えば、リフローシミュレーションを実行することも可能であり得る。
【0095】
ブロック180を参照すると、コンポーネントキャリア構造102は、取り扱いを簡素化するため、及び/又は後続の品質試験中の応力を緩衝するために、カプセル化工程を受けてもよいし、受けなくてもよい。コンポーネントキャリア構造の従来の手動品質試験では、品質を評価する前にカプセル化が必要になり得るが、そのような埋め込みは、コンポーネントキャリア構造102の完全自動品質試験を含む本発明の例示的な実施形態に従って省略され得る。任意選択で実行される場合、カプセル化工程は、さらなる準備のために、コンポーネントキャリア構造102を、樹脂などの埋め込み材料に入れ得る。しかし、本発明の例示的な実施形態による自動化された取り扱いは、そのようなカプセル化なしでも達成され得るので、他の実施形態では、そのような埋め込みを有利にスキップし得る(参照符号192で示すように)。
【0096】
ブロック182を参照すると、次いで、品質試験を受けさせるコンポーネントキャリア構造102の内部を露出させるために、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去することが可能であり得る。より具体的には、コンポーネントキャリア構造102の検鏡試片(具体的には断面)を作成し得る。この目的のために、コンポーネントキャリア構造102を研削し、続いて定義された位置まで(好ましくはビア又はドリル孔又はパターンの中心まで)研磨し得る。例えば、研磨紙処理及び研磨の異なる段階を実行し得る。研削には、例えば、異なる粒子(例えば、次の粒子の1つ又は複数を使用する:60、180、1200、2000)を有する研磨紙を使用することが可能であり得る。
【0097】
ブロック184を参照すると、次いで、方法は、上記材料除去後にコンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の予め定められた試験対象116(メッキされたビア及びそれらの特性など)を決定する段階を備え得る。さらに、方法は、コンポーネントキャリア構造102の品質を評価するために、コンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の試験対象116の特性又は属性を評価する段階を備え得る。ブロック180をスキップするとき、方法は、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造102に基づいて、そうでなければ、カプセル化されたコンポーネントキャリア構造102に基づいて、少なくとも1つの予め定められた試験対象116を決定する段階を備え得る。具体的には、コンポーネントキャリア構造102の断面の視覚的分析は、好ましくは自動化された方法で実行し得る。例えば、x/y寸法測定を実行し得る(例えば、ビルドアップ、銅の厚さなどを検査する)。特に、目視検査は、特定の欠陥の分析を含み得る。上記検査中に、以下の試験対象116及び割り当てられた特性のうちの1つ又は複数を考慮し得る。多層ビルドアップ;メッキ貫通孔特性(壁の特性、ランドの特性のような);表面粗さ(例えば、表面粗さは、Ra目盛に対応して、及び/又はRz目盛に対応して決定され得る)の品質。粗さに関して、粗さ値Rzは、コンポーネントキャリア構造102の露出面(具体的には断面)における擦り傷の存在に対する基準として使用され得、一方、粗さ値Raは、材料除去工程(具体的には研削工程)の品質の基準として使用され得る。例えば、品質基準は、研削及び/又は研磨によって露出されたコンポーネントキャリア構造102の表面の粗さが、前の材料除去段階で使用された研削ディスク及び/又は研磨ペーストの粗さよりも大きくてはならないことであり得る。この基準が満たされない場合、初期の材料除去段階でアーティファクトが導入されたと結論付け得る。例えば、少なくとも1μmの測定分解能を取得し得る。例えば、IPC-6012、IPC-A-600などに準拠した品質試験を実行し得る。
【0098】
ブロック186を参照すると、方法は、予め定められた特性を有するレポートを作成及び記憶する段階を備え得る。レポートは、品質試験及びその結論を要約し得る。これにより、品質試験の適切な文書化が保証され得る。
【0099】
ブロック188を参照すると、方法は、次いで、分析されたコンポーネントキャリア構造102及び品質試験をアーカイブする段階を備え得る。具体的には、これには、試料の保管、電子文書の保管などが含まれ得る。
【0100】
参照符号190で示すように、コンポーネントキャリア構造102は、次いで、装置100から出力され得る。
【0101】
図2は、本発明の例示的な実施形態による、ここではクーポンとして具現化されたコンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行するための装置100を概略的に示す。装置100の周囲ケーシング131によって示すように、全品質試験はクローズドセル内で自動化された方法で実行され得る。
【0102】
図2の左上側には、バッチ手順で複数のコンポーネントキャリア(プリント回路基板など)を製造するためのパネルであり得る、平面シート状本体160の平面図が示されている。図示のパネルは、例えば、18×24平方インチ(45.72×60.96平方センチメートル)以上の寸法を有し得る。パネルの中央の主要領域は、それぞれが複数のPCBを含む複数のアレイ161(図示の実施形態では4つの1/4パネル)に細分され得る。コンポーネントキャリアを取り囲むフレーム163において、1つ又は複数の帯状の試験クーポンが、コンポーネントキャリア構造102として形成され得る。有利には、少なくとも1つの水平に延びるコンポーネントキャリア構造102及び少なくとも1つの垂直に延びるコンポーネントキャリア構造102は、2つの直角に交わる方向における潜在的な構造的欠陥を識別する品質試験を実行することを可能にするために予見され得る。
【0103】
ここで装置100をさらに詳細に参照すると、入口収容ユニット136が上記装置100の入口106に配置され、試験前に複数のコンポーネントキャリア構造102を積み重ねて収容するように構成されている。したがって、クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造102は、パネルタイプの本体160から分離された後、入口収容ユニット136に挿入され得る。あるいは、マガジンタイプの入口収容ユニット136内に、それぞれが少なくとも1つのコンポーネントキャリア構造体102を含む、より大きな本体160を積み重ねることが可能である。
【0104】
ロボットハンドリングユニット104は、装置100の入口106及び出口108の間の様々な部分に沿って、コンポーネントキャリア構造102(任意選択で、依然として本体160内に接続される)を取り扱うように構成されている。具体的には、ハンドリングユニット104は、試験されるコンポーネントキャリア構造102(又は本体160全体)を把持し、入口収容ユニット136から入口106を通して、以下に説明する識別ユニット110に移送するように構成されている。より具体的には、ハンドリングユニット104は、入口106及び以下に説明する材料除去ユニット112の間でコンポーネントキャリア構造102を取り扱うように構成された入口ハンドリングサブユニット122を有する。有利には、ハンドリングユニット104は、1つ又は複数のヘキサポッド、1つ又は複数の線形ロボット、1つ又は複数の多関節アームロボットなどを含み得る1つ又は複数のロボット120を有する。6軸ロボット又はヘキサポッド(
図2に参照符号120で概略的に示す)は、センサを装備し、完全に自動化された装置100内でコンポーネントキャリア構造102を取り扱うのに適した軸を有し得る。有利には、ヘキサポッドは、材料除去ユニット112によって実行される材料除去工程(特に研削工程)のために使用され得、したがって、ヘキサポッドは、機械的に安定であり得、同時に6軸で非常に正確に適合され得る。
図3を参照すると、6軸ロボット又はヘキサポッドは、材料除去ユニット112を操作するため、及び/又は位置合わせユニット154を操作するために、断面ステーション127で使用され得る。その結果、材料除去によるコンポーネントキャリア構造102の準備は、起こり得る位置ずれに対して非常に正確かつ堅牢になり得る。さらに、入口ハンドリングサブユニット122及び/又はハンドリングユニット104の出口ハンドリングサブユニット124の線形ロボット及び/又は多関節アームロボット(図示せず)は、自動化された装置100の個別のワークステーション間でコンポーネントキャリア構造102を取り扱うために使用され得る。
【0105】
既に述べたように、ハンドリングユニット104の入口ハンドリングサブユニット122は、コンポーネントキャリア構造102を識別ユニット110に送る。後者は、品質試験を実行すべきコンポーネントキャリア構造102を識別するように構成されている。これにより、トレーサビリティが保証され得る。より具体的には、識別ユニット110は、コンポーネントキャリア構造102に物理的に接続され得るか、又はコンポーネントキャリア構造102の一体部分を形成し得る識別子126の検出に基づいて、コンポーネントキャリア構造102を識別するように構成されている。例えば、そのような識別子126は、識別ユニット110の光学リーダによって読み取ることができるQRコード(登録商標)、バーコード、又は英数字コードであり得る。識別子126は、RFID(無線周波数識別)タグ又はNFC(近距離通信)タグなどのトランスポンダであることも可能である。そのような実施形態では、識別ユニット110は、識別情報を検索するためにトランスポンダタイプの識別子126を無線で読み出すように構成される無線リーダを備え得る。その識別子126に基づいてコンポーネントキャリア構造102を識別するために、及び/又は識別されたコンポーネントキャリア構造102に割り当てられた追加データ(例えば、特定の品質試験指示)を取得するために、識別ユニット110は、対応するデータベース128にアクセスし得る。具体的には、識別ユニット110は、検出された識別子126を、上記データベース128内の割り当てられたデータセットに記憶された相関識別情報と照合することによって、コンポーネントキャリア構造102を識別するように構成され得る。例えば、そのようなデータセットは、識別子126から読み取り可能な識別コードを、コンポーネントキャリア構造102に関するさらなる情報、例えば、その製造履歴に関する情報(ロット番号、製造日、製造時間などのような)と相関させ得る。識別ユニット110はまた、識別されたコンポーネントキャリア構造102に対して実行される品質試験を示す品質試験関連情報を、データベース128から取得するように構成され得る。そのような品質試験関連情報は、識別されたコンポーネントキャリア構造102に対して実行されるべき品質試験を定義し得る。異なるタイプのコンポーネントキャリア構造102に対して、異なる品質試験を実行し得る。
【0106】
コンポーネントキャリア構造102が入口106を通して装置100に導入される前に、コンポーネントキャリア構造102がより大きな本体160からまだ分離されていない実施形態では、単一化ユニット148(フライス盤又はレーザカッターなど)が提供され得、パネルタイプの本体160からコンポーネントキャリア構造102を単一化するように構成され得る。例えば、単一化は、フライス加工又はレーザ切断によって達成され得る。
【0107】
その後、処理されたコンポーネントキャリア構造102は、ハンドリングユニット104によって、コンポーネントキャリア構造102を熱応力に露出させるように構成された熱応力露出ユニット150に運ばれ得る。好ましくは、熱応力露出ユニット150は、溶融はんだを含み得る、熱応力浴上にコンポーネントキャリア構造102を浮かべるように構成されている。それにより、コンポーネントキャリア構造100は熱応力を受け得る。
【0108】
次いで、コンポーネントキャリア構造102は、上述のロボットによって、又はハンドリングユニット104の別のロボット120によって、材料除去ユニット112に送られ得る。後者は、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去して、品質試験を受けている、又は受けるコンポーネントキャリア構造102の内部を露出させるように構成されている。具体的には、材料除去ユニット112は、コンポーネントキャリア構造102の材料を研削、好ましくは、断面研削(又は代替的に平面研削)によって除去するように構成され得る。
【0109】
材料除去の精度を向上させるために、コンポーネントキャリア構造102は、例えば、その撮像された画像に基づいて、コンポーネントキャリア構造102の位置合わせマーカー(例えば、ドリル孔)を決定するように構成され得る位置合わせユニット154によって位置合わせされ得る。上記位置合わせは、材料除去ユニット112による研削の前に実行され得る。位置合わせユニット154は、材料除去ユニット112に割り当てられ、材料除去工程の前にコンポーネントキャリア構造102を位置合わせするように構成され得る。したがって、位置合わせユニット154によって実行される位置合わせは、好ましくは、材料除去ユニット112によって実行される材料除去工程の前に実行される。したがって、そのような位置合わせは、材料除去工程、具体的には、研削工程の一部を形成し得る。
【0110】
任意選択で、除去材料定量化ユニット142が提供され、研削中にコンポーネントキャリア構造102から除去された材料の量を定量化するように構成され得る。研削された材料の量を決定することによって、研削の進行、したがって、研削工程の正確な制御が可能になり得る。
【0111】
研削後、コンポーネントキャリア構造102は、材料を除去した後にコンポーネントキャリア構造102の露出面を研磨するように構成された研磨ユニット140に供給され得る。コンポーネントキャリア構造102から(研削中に発生する)追加のかなりの量の材料を除去するのではなく、研磨は表面粗さを低減し得、過度の材料除去なしに表面品質を改善し得る。研磨された表面は、以下で分析される対象特徴として使用される1つ又は複数の試験対象116に関するより正確な情報を提供し得る。
【0112】
任意選択でのみ、コンポーネントキャリア構造100は、次いで(又は、あるいは、材料除去ユニット112による材料除去の前に既に)コンポーネントキャリア構造102が引き続きカプセル材146内で検出されるように、コンポーネントキャリア構造102をカプセル材146内にカプセル化するように構成されたカプセル化ユニット144に供給され得る。そのようなカプセル材146は、応力緩衝材として機能し、その後の(及び/又は前の)分析中のコンポーネントキャリア構造102の取り扱いを簡素化する樹脂であり得る。
【0113】
しかし、代わりに、完全に自動化された品質試験装置100は、カプセル化なしでコンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行することも可能であり得るため、そのようなカプセル化を省略することも可能であり、好ましくさえあり得る。したがって、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造102であっても、その後の工程を受けられ得る。
【0114】
その後、(カプセル化された又はカプセル化されていない)コンポーネントキャリア構造102は、例えば、ハンドリングユニット104のさらなるロボット120によって、コンポーネントキャリア構造102を洗浄するように構成された洗浄ユニット152に送られ得る。例えば、コンポーネントキャリア構造102は、超音波浴ですすがれ得る。
【0115】
さらなる位置合わせユニット154は、コンポーネントキャリア構造102上の試験対象116を検出及び決定する前に、コンポーネントキャリア構造102を位置合わせするように構成され得る。この目的のために、コンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の位置合わせ特徴(例えば、角に配置された貫通孔など)を検出し、コンポーネントキャリア構造102を空間的に位置合わせするために使用され得る。
【0116】
次いで、位置合わせされたコンポーネントキャリア構造102は画像化され得る。この目的のために、検出ユニット162が提供され、コンポーネントキャリア構造102の内部(上記材料除去によって露出される間)の画像データを検出するように構成され得る。
【0117】
そのような画像データは、決定ユニット114に送信され得る。後者は、コンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の予め定められた試験対象116を決定するために構成され得る。試験対象116は、コンポーネントキャリア構造102の画像化された断面で可視の予め定められた特徴であり得、品質評価に関して特に有意義な特徴に関連し得る。コンポーネントキャリア構造102の試験対象116の適切な特性又は属性は、ドリル孔158(具体的には、メッキされた銅で充填され得るレーザドリル孔又は機械的に穿孔された孔)の直径D、そのような隣接するドリル孔158間の距離L、導電層構造130(パターン化された銅層など)及び/又は電気絶縁層構造132(プリプレグのシートなど)の厚さd、そのような層構造130及び/又は132の平面性、及びそのような層構造130及び/又は132の層間剥離の程度(参照符号133を参照)であり得る。上述の試験対象116は、
図2で、それぞれ上面
図165及び側面
図167で示される。しかし、別の試験対象116(例えば、平面研削のシナリオにおける)は、銅線又は複数の銅線及びその間の空間であり得る。
【0118】
有利には、決定ユニット114は、予め定められた試験対象116を決定又は認識するために画像データを処理するように構成されている。より具体的には、決定ユニット114は、コンポーネントキャリア構造102の検出された第1の画像に基づいて、大まかな方法で予め定められた試験対象116を最初に決定するように構成され得る。さらに、決定ユニット114は、次に、第1の画像を検出した後、及び、コンポーネントキャリア構造102の表面をエッチングした後に検出されたコンポーネントキャリア構造102の検出された第2の画像に基づいて、洗練された方法で予め定められた試験対象116を決定するように構成され得る。代替実施形態では、決定ユニット114のワンショット操作も可能であり得、決定ユニット114は、単一の画像に基づいて試験対象116を決定する。決定のための基礎として、決定ユニット114はまた、例えば、決定のために考慮される試験対象116へのアクセス権を得るために、データベース128へのアクセス権を有し得る。
【0119】
非常に有利には、フィードバックループ169によって示すように、決定ユニット114は、材料除去(任意選択で研磨及び/又は洗浄及び/又はエッチングを含む)、画像検出、及び画像分析を有するシーケンスを反復して繰り返すことによって、予め定められた試験対象116を決定するように構成され得る。そのような反復手法(十分な精度が達成されたときに終了できる)によって、品質試験の信頼性が大幅に向上し得る。
【0120】
図2にさらに示すように、コンポーネントキャリア構造102の品質を評価するために、コンポーネントキャリア構造102の決定された試験対象116を評価するように構成された評価ユニット118が提供される。評価ユニット118は、決定された試験対象116の特性に基づいて、コンポーネントキャリア構造102の品質を評価するように有利に構成され得る。より具体的には、評価ユニット118は、コンポーネントキャリア構造102を複数の品質クラスのうちの1つに分類することによって品質を評価するように構成され得る。「合格」(コンポーネントキャリア構造102及び/又はより大きな本体160が品質試験に合格したことを示す)、「不合格」(コンポーネントキャリア構造102及び/又はより大きな本体160が品質試験に合格していないことを示す)、及び「さらなる分析が必要」(評価ユニット118はまだ品質について有意義な方法で決定する位置ではないため、コンポーネントキャリア構造102及び/又はより大きな本体160が追加の品質分析を必要とすることを示す)からなるクラス群の1つのクラスに、それぞれのコンポーネントキャリア構造102(及び/又は割り当てられたより大きな本体160)を自動的に分類することが非常に適切であり得る。後者の場合、人間による分析のためにコンポーネントキャリア構造102を人間のオペレータに運ぶことも可能であり得る。説明された通信及びユーザへの影響は、制御ユニット又はプロセッサ156と通信可能に結合される入力/出力ユニット135によって、ユーザ及び装置100の間で交換され得る。
【0121】
具体的には、評価ユニット118は、各試験対象116を個別に、又は好ましくはコンポーネントキャリア構造102の各試験対象116の各属性又は特性を個別に複数の品質クラスのうちの1つ、具体的には、「合格」、「不合格」、及び「さらなる分析が必要」からなるクラスの群の1つのクラスに分類することによって品質を評価するように構成され得る。重要でないパラメータの僅かなずれのみが、コンポーネントキャリア構造102を「合格」として分類することを依然として可能にし得る。欠陥は、特定の欠陥のタイプに基づいて、及び/又は特定の欠陥の強度に基づいて、致命的又は非致命的として分類され得る。そのような品質試験は、品質及び性能に関する、詳細な決定を可能にするために個別に判定され得る、複数の基準を有し得る。
【0122】
その評価タスクをサポートするために、評価ユニット118は、例えば、ニューラルネットワークを利用して、人工知能を使用して評価を実行するように構成された人工知能モジュール134を有し得る。人工知能モジュール134をトレーニングするためのトレーニングデータなども、データベース128に記憶され得る。
【0123】
コンポーネントキャリア構造102の露出面をエッチングする任意選択のエッチング工程によって、粒界及びメッキラインなどのコンポーネントキャリア構造102の分析された露出面上の追加の特徴が見えるようになり得る。これにより、評価ユニット118による試験対象116の特性の評価がさらに正確になり得る。
【0124】
上記評価の後、分析されたコンポーネントキャリア構造102は、装置100の外へ輸送され得る。この目的のために、ハンドリングユニット104には、例えば、材料除去ユニット112及び出口108の間に、少なくとも1つの追加のロボット120によってコンポーネントキャリア構造102を取り扱うように構成された出口ハンドリングサブユニット124が設けられる。図示のように、装置100は、出口108に配置され、試験後に複数のコンポーネントキャリア構造102を積み重ねて収容するように構成された出口収容ユニット138(例えばマガジンタイプでもある)を有する。ハンドリングユニット104は、試験されたコンポーネントキャリア構造102を出口108を通して出口収容ユニット138に移送するように構成され得る。これは、例えば、さらなるロボット120によって達成され得る。
【0125】
参照符号156で示すように、装置100は、コンポーネントキャリア構造102の品質試験中に装置100及びその上記のコンポーネントの動作を制御するための制御ユニットと見なされ得る、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサの一部を備え得る。
【0126】
非常に有利には、装置100は、入口106及び出口108の間で人間の介入なしに品質試験を実行するように構成され得る。任意選択でのみ、ユーザアクセスは入力/出力ユニット135を介して可能であり得る。装置100の自動化された特徴は、品質試験を加速し得、品質試験に関して必要とされる人的資源を削減しながら、品質試験をより正確にし得る。さらに、スループットを向上させ得る。
【0127】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行するための装置100の詳細を示す。
図3は、
図2の装置100の要素を示す特定の実施形態を示す。
【0128】
入力セクション125は、入口106及び材料除去の間の装置100の一部に関連する。断面切り出しステーション127は、コンポーネントキャリア構造102の断面が、研削及びその後の研磨によって完全に自動化された方法で作成される、装置100のその後の部分に対応する。出力セクション129は、断面切り出しステーション127及び出口108の間の装置100の一部に関連する。
【0129】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行する方法の工程フロー200を示す。
【0130】
工程フロー200のセクション202は、例示的な実施形態による方法のクーポン関連の特性に関連する。参照符号204によって示すように、クーポン(又は任意の他のコンポーネントキャリア構造102)は、例えば、(識別ユニット110に関して
図2を参照して説明したように)その識別を可能にするためにコード化され得る。参照符号206によって示すように、クーポンはまた、乾燥され得る。参照符号208を参照すると、2次元ラベリングを実行し得る。セクション202に従って構成された場合、クーポンの断面切り出しは、カプセル材に埋め込むことなく実行され得る。
【0131】
ここで、工程フロー200の準備セクション210及び分析セクション212を参照すると、クーポン入力ユニット218によってマガジン(例えば、500個のマガジンサイズを有する)から取られたクーポンは、開始ブロック214及び終了ブロック216の間で処理され得る。
【0132】
準備セクション210では、(コンポーネントキャリア構造102として)試料又はクーポンが、パネルタイプのより大きな本体160から切り出されるか、又はフライス加工される。ブロック220を参照。ブロック222を参照すると、次いで、コンポーネントキャリア構造102は、(例えば、コンポーネントキャリア構造102を溶融はんだの浴上に浮かべることによって)熱応力を受け得る。その後、コンポーネントキャリア構造102は、材料除去工程、続いて表面粗さ低減工程を受け得る。したがって、対応するブロック224において、コンポーネントキャリア構造102を研削及び研磨し得る。
【0133】
その後、コンポーネントキャリア構造102は、セクション212の分析に進み得る。この文脈において、コンポーネントキャリア構造102の光学分析は、具体的には、後者を画像化することによって実行され得る(ブロック226と比較)。次のブロック228では、コンポーネントキャリア構造102は、任意選択のエッチング工程を受け得る。エッチングが実行されない場合、コンポーネントキャリア構造102は、試料出力及びアーカイブブロック232に進み得、処理は完了され得る。エッチングが実行される場合、コンポーネントキャリア構造102は、ブロック230でマイクロエッチングされ得、次いで、追加の光学分析のためにブロック226に戻され得る。
【0134】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行するための装置100の自動セル250を示す。
【0135】
コンポーネントキャリア構造102は、クーポンマガジンを使用して自動セル250に挿入される。開始ブロック214及びクーポン入力ユニット218を参照。次いで、コンポーネントキャリア構造102は、ハンドリングユニット104の入口ハンドリングサブユニット122を構成する第1のロボットによって取り扱われて、ブロック220によって示す切り出しステーションに進み得る。その後、コンポーネントキャリア構造102は応力試験を受ける。ブロック222と比較。この後、コンポーネントキャリア構造102は、ブロック224によって再び示すように、研削(及び好ましくは研磨)工程を受け得る。
【0136】
その後、コンポーネントキャリア構造102の取り扱いは、ハンドリングユニット104の出口ハンドリングサブユニット124を構成する第2のロボットによって達成され得る。換言すれば、コンポーネントキャリア構造102は、入口ハンドリングサブユニット122から出口ハンドリングサブユニット124に引き渡され得、ここで、材料除去ユニット112は、上記サブユニット122、124間のインターフェースを構成する。
【0137】
その後、コンポーネントキャリア構造102は、洗浄(洗浄ユニット152を参照)、エッチング(ブロック230を参照)、及び光学分析(ブロック226と比較)を受け得る。必要又は所望であれば、研削、研磨、洗浄、エッチング及び/又は光学分析のシーケンスは、1回又は複数回反復して繰り返され得る。
【0138】
最後に、コンポーネントキャリア構造102は、出力ドロワによってセル250から出力され得る(ブロック232を参照)。
【0139】
用語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを除外するものではなく、「a」又は「an」は、複数を除外するものではないことに留意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明された要素は、組み合わせされ得る。
【0140】
特許請求の範囲における参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0141】
本発明の実装は、図に示され、上記で説明された好ましい実施形態に限定されない。代わりに、根本的に異なる実施形態の場合でも、示された解決策及び本発明による原理を使用する多数の変形が可能である。