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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ダクト
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20241001BHJP
   F16L 23/14 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F24F13/02 E
F16L23/14
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020063681
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021162217
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000221580
【氏名又は名称】東都積水株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】高橋 尚住
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107781960(CN,A)
【文献】特開2019-045118(JP,A)
【文献】実開昭49-028813(JP,U)
【文献】中国実用新案第2309514(CN,Y)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0020149(KR,A)
【文献】中国実用新案第202769090(CN,U)
【文献】国際公開第2015/128608(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02053320(EP,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0407694(KR,Y1)
【文献】実開昭56-057623(JP,U)
【文献】実開平03-107650(JP,U)
【文献】特開2017-203559(JP,A)
【文献】米国特許第04280536(US,A)
【文献】特開2009-047395(JP,A)
【文献】実開昭51-106313(JP,U)
【文献】実開昭61-032463(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0126321(KR,A)
【文献】実公昭48-007901(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F16L 23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、
前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、
前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、
を備え、
前記第2挟持板は前記第1挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、
前記第4挟持板は前記第3挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長い結合部材と、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との間に端部が配置される第1プレートと、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との間に端部が配置される第2プレートと、
を備え、
前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートは、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する直交方向に、それぞれ延在し、
前記第2挟持板における前記第1方向の前記第1側を向く外面は、前記第2方向の前記第1側から前記第2方向の第2側に向かうに従い、前記第1方向の第2側に向かうように傾斜し、
前記第4挟持板における前記第2方向の前記第1側を向く外面は、前記第1方向の前記第1側から前記第1方向の第2側に向かうに従い、前記第2方向の前記第2側に向かうように傾斜しているダクト。
【請求項2】
第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、
前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、
前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、
を備え、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長い結合部材と、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との間に端部が配置される第1プレートと、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との間に端部が配置される第2プレートと、
を備え、
前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートは、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する直交方向に、それぞれ延在し、
前記第1挟持板は、前記第2方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなり、
前記第3挟持板は、前記第1方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなるダクト。
【請求項3】
前記第1挟持板の厚さは前記第2挟持板の厚さよりも厚く、
前記第3挟持板の厚さは前記第4挟持板の厚さよりも厚い請求項1又は2に記載のダクト。
【請求項4】
第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、
前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、
前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、
を備え、
前記第2挟持板は前記第1挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、
前記第4挟持板は前記第3挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長い結合部材と、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との間に端部が配置される第1プレートと、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との間に端部が配置される第2プレートと、
を備え、
前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートは、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する直交方向に、それぞれ延在し、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との距離は、前記第2方向の前記第1側に向かうに従い長くなり、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との距離は、前記第1方向の前記第1側に向かうに従い長くなるダクト。
【請求項5】
第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、
前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、
前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、
を備え、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長い結合部材と、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との間に端部が配置される第1プレートと、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との間に端部が配置される第2プレートと、
を備え、
前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートは、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する直交方向に、それぞれ延在し、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との距離は、前記第2方向の前記第1側に向かうに従い長くなり、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との距離は、前記第1方向の前記第1側に向かうに従い長くなるダクト。
【請求項6】
第1方向を厚さ方向とする第1接合板と、
前記第1方向に交差する第2方向を厚さ方向とする第2接合板と、
前記第1接合板における前記第2方向の第1側の端部と前記第2接合板における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、
を備え、
前記第1接合板は、前記第2方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなり、
前記第2接合板は、前記第1方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなる結合部材と、
前記第1接合板に端部が接合される第1プレートと、
前記第2接合板に端部が接合される第2プレートと、
を備え、
前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートは、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する直交方向に、それぞれ延在しているダクト。
【請求項7】
第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、
前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、
前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、
を備え、
前記第2挟持板は前記第1挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、
前記第4挟持板は前記第3挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長い結合部材と、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との間に端部が配置される第1プレートと、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との間に端部が配置される第2プレートと、
筒状に形成された連結部と、前記連結部の端部から径方向外側に向かって突出するフランジ部と、を有するフランジと、
を備え、
前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートは、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する直交方向に、それぞれ延在し、
前記連結部は、前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートにおける前記直交方向の端部を覆っているダクト。
【請求項8】
第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、
前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、
前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、
を備え、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、
前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、
前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長い結合部材と、
前記第1挟持板と前記第2挟持板との間に端部が配置される第1プレートと、
前記第3挟持板と前記第4挟持板との間に端部が配置される第2プレートと、
筒状に形成された連結部と、前記連結部の端部から径方向外側に向かって突出するフランジ部と、を有するフランジと、
を備え、
前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートは、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ直交する直交方向に、それぞれ延在し、
前記連結部は、前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートにおける前記直交方向の端部を覆っているダクト。
【請求項9】
筒状に形成された連結部と、前記連結部の端部から径方向外側に向かって突出するフランジ部と、を有するフランジを備え、
前記連結部は、前記結合部材、前記第1プレート、及び前記第2プレートにおける前記直交方向の端部を覆っている請求項1から6のいずれか一項に記載のダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合部材及びダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、4枚のプレートの長手方向の側部を結合部材により接合してダクトを構成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。プレート及び結合部材は、硬質塩化ビニル等の樹脂で形成されている。
結合部材は、第1接合部(第1挟持部、第1接合板)と、第2接合部(第2挟持部、第2接合板)と、接続部と、を備えている。第1接合部には、隣接する2枚のプレートの中の一方が接合される。第2接合部には、隣接する2枚のプレートの中の他方が接合される。接続部は、第1接合部の一端部と第2接合部の一端部とを直角に接続する。
例えば、4枚のプレート及び4つの結合部材により、ダクトが構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-045118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダクト内に空気を流す送風機の仕様により、ダクトの外部の大気圧に比べて、ダクト内は正圧又は負圧になる。例えばダクト内が負圧になると、ダクトのプレートは、ダクトの径方向内側に向かって凸となるように変形する。
しかしながら、特許文献1の結合部材では、プレートの支持方法に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、ダクト内が正圧又は負圧になったときに、プレートを効果的に支持することができる結合部材、及びこの結合部材を備えるダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の結合部材は、第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、を備え、前記第2挟持板は前記第1挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、前記第4挟持板は前記第3挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長いことを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、例えば第1挟持板と第2挟持板との間に第1プレートの端部を差し込み、第3挟持板と第4挟持板との間に第2プレートの端部を差し込むこと等により、ダクトを構成する。例えばダクト内を負圧にすると、両端部を結合部材により支持された両プレートが、ダクトの径方向内側に向かって凸となるように変形する。
この際に、第1プレートの端部を、第1挟持板及び第2挟持板により第1方向に挟むように支持することができる。さらに、第2挟持板よりも第1方向の第2側(径方向内側)に配置され、第2挟持板よりも第2方向に長い第1挟持板により、径方向内側に向かって変形する第1プレートの端部を確実に支持することができる。
同様に、第2プレートの端部を、第3挟持板及び第4挟持板により第2方向に挟むように支持することができる。さらに、第4挟持板よりも第2方向の第2側(径方向内側)に配置され、第4挟持板よりも第1方向に長い第3挟持板により、径方向内側に向かって変形する第2プレートの端部を確実に支持することができる。
以上のように、ダクト内が負圧になったときに、両プレートを効果的に支持することができる。
【0008】
また、本発明の他の結合部材は、第1方向に互いに間隔を空けて配置された第1挟持板及び第2挟持板を有する第1挟持部と、前記第1方向に交差する第2方向に互いに間隔を空けて配置された第3挟持板及び第4挟持板を有する第2挟持部と、前記第1挟持部における前記第2方向の第1側の端部と前記第2挟持部における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、を備え、前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第1方向の前記第1側に配置され、前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第2方向の前記第1側に配置され、前記第1挟持板は前記第2挟持板よりも前記第2方向に長く、前記第3挟持板は前記第4挟持板よりも前記第1方向に長いことを特徴としている。
【0009】
この発明によれば、例えば、第1挟持板と第2挟持板との間に第1プレートの端部を差し込み、第3挟持板と第4挟持板との間に第2プレートの端部を差し込むこと等により、ダクトを構成する。例えばダクト内を正圧にすると、両端部を結合部材により支持された両プレートが、ダクトの径方向外側に向かって凸となるように変形する。
この際に、第1プレートの端部を、第1挟持板及び第2挟持板により第1方向に挟むように支持することができる。さらに、第2挟持板よりも第1方向の第1側(径方向外側)に配置され、第2挟持板よりも第2方向に長い第1挟持板により、径方向外側に向かって変形する第1プレートの端部を確実に支持することができる。
同様に、第2プレートの端部を、第3挟持板及び第4挟持板により第2方向に挟むように支持することができる。さらに、第4挟持板よりも第2方向の第1側(径方向外側)に配置され、第4挟持板よりも第1方向に長い第3挟持板により、径方向外側に向かって変形する第2プレートの端部を確実に支持することができる。
以上のように、ダクト内が正圧になったときに、両プレートを効果的に支持することができる。
【0010】
また、前記結合部材において、前記第1挟持板は、前記第2方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなり、前記第3挟持板は、前記第1方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなってもよい。
この発明によれば、径方向内側又は径方向外側に向かって変形する両プレートを支持する第1挟持板及び第3挟持板は、厚さが厚い接続部側から厚さが薄い接続部とは反対側に向かうに従い漸次、変形しやすくなる。このため、第1挟持板及び第3挟持板の厚さが第1方向、第2方向の位置により変わらない場合に比べて、両プレートがプレートの全範囲にわたって変形しやすくなる。これにより、両プレートの変形が1カ所に集中するのを抑制することができる。
【0011】
また、前記結合部材において、前記第1挟持板の厚さは前記第2挟持板の厚さよりも厚く、前記第3挟持板の厚さは前記第4挟持板の厚さよりも厚くてもよい。
この発明によれば、径方向内側又は径方向外側に向かって変形する両プレートを、第2挟持板及び第4挟持板よりも厚くて剛性の高い第1挟持板及び第3挟持板により、さらに確実に支持することができる。
【0012】
また、前記結合部材において、前記第1挟持板と前記第2挟持板との距離は、前記第2方向の前記第1側に向かうに従い長くなり、前記第3挟持板と前記第4挟持板との距離は、前記第1方向の前記第1側に向かうに従い長くなってもよい。
この発明によれば、第1挟持板と第2挟持板との間における、距離が長い第2方向の第1側の部分に、第1挟持板及び第2挟持板に第1プレートを接合するための接着剤等を溜めることができる。そして、第1挟持板と第2挟持板との間に第1プレートを押し込むことで、接着剤が両挟持板と第1プレートとの隙間を埋めるため、両挟持板と第1プレートとを確実に接合することができる。また、両挟持板と第1プレートとの気密性を確保することができる。
同様に、第3挟持板と第4挟持板との間における、距離が長い第1方向の第1側の部分に、第3挟持板及び第4挟持板に第2プレートを接合するための接着剤等を溜めることができる。そして、第3挟持板と第4挟持板との間に第2プレートを押し込むことで、接着剤が両挟持板と第2プレートとの隙間を埋めるため、両挟持板と第2プレートとを確実に接合することができる。また、両挟持板と第2プレートとの気密性を確保することができる。
【0013】
また、本発明の別の他の結合部材は、第1方向を厚さ方向とする第1接合板と、前記第1方向に交差する第2方向を厚さ方向とする第2接合板と、前記第1接合板における前記第2方向の第1側の端部と前記第2接合板における前記第1方向の第1側の端部とを接続する接続部と、を備え、前記第1接合板は、前記第2方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなり、前記第2接合板は、前記第1方向の第2側に向かうに従い漸次厚さが薄くなることを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、例えば第1接合板に第1プレートの端部を接合し、第2接合板に第2プレートの端部を接合すること等により、ダクトを構成する。例えばダクト内を負圧にすると、両端部を結合部材により支持された両プレートが、ダクトの径方向内側に向かって凸となるように変形する。径方向内側に向かって変形する両プレートを支持する第1接合板及び第2接合板は、厚さが厚い接続部側から厚さが薄い接続部とは反対側に向かうに従い漸次、変形しやすくなる。このため、第1接合板及び第2接合板の厚さが第1方向、第2方向の位置によらずそれぞれ一定の厚さである場合に比べて、両プレートがプレートの全範囲にわたって変形しやすくなる。これにより、両プレートの変形が1カ所に集中するのを抑制することができる。
以上のように、両接合板により両プレートを効果的に支持することができる。
【0015】
また、本発明のダクトは、前記のいずれかに記載の結合部材と、前記第1挟持板と前記第2挟持板との間に端部が配置される第1プレートと、前記第3挟持板と前記第4挟持板との間に端部が配置される第2プレートと、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、ダクト内が正圧又は負圧になったときにプレートを効果的に支持することができる結合部材を用いて、ダクトを構成することができる。
【0016】
また、本発明のダクトは、前記に記載の結合部材と、前記第1接合板に端部が接合される第1プレートと、前記第2接合板に端部が接合される第2プレートと、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、ダクト内が正圧又は負圧になったときにプレートを効果的に支持することができる結合部材を用いて、ダクトを構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の結合部材及びダクトによれば、ダクト内が正圧又は負圧になったときにプレートを効果的に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態のダクトの正面図である。
図2】同ダクトの側面図である。
図3】同ダクトの結合部材の正面図である。
図4】同ダクトの製造方法の一例の工程を示す図である。
図5】同ダクトの製造方法の一例の工程を示す図である。
図6】同ダクトの製造方法の一例の工程を示す図である。
図7】同ダクトの製造方法の一例の工程を示す図である。
図8】本発明の第1実施形態の変形例のダクトにおける、要部の正面図である。
図9】本発明の第2実施形態のダクトにおける要部の正面図である。
図10】従来の結合部材が変形する前後の形状を示す正面図である。
図11】本発明の第2実施形態の変形例のダクトにおける、要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るダクトの第1実施形態を、図1から図8を参照しながら説明する。図1以下においては、ダクトの要部の構成を明確に示すために、適宜図を破断して示している。
図1及び図2に示すように、本実施形態のダクト1は、第1プレート10と、第2プレート11と、第3プレート12と、第4プレート13と、本実施形態の結合部材20と、フランジ35と、を備えている。
本実施形態では、プレート10,11,12,13(以下、プレート10~13と略して記載する)は同一の構成である。以下では、第1プレート10を例にとって説明する。
第1プレート10は、第1プレート10の厚さ方向に見たときに矩形を呈する板状に形成されている。例えば、第1プレート10は、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)やABS樹脂等の接着可能な非晶性樹脂を成形することで形成されている。
【0020】
本実施形態では、ダクト1は結合部材20を4つ備えている。以下では、これら4つの結合部材20を、結合部材20A,20B,20C,20Dとも区別して言う。結合部材20は、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)やABS樹脂等の接着可能な非晶性樹脂を成形することで形成されている。結合部材20は、第1プレート10と同じ樹脂で形成されていることが好ましい。
図3に示すように、結合部材20は、第1挟持部21Aと、第2挟持部21Bと、接続部22と、を備えている。
第1挟持部21Aは、第1方向Xに互いに間隔を空けて配置された第1挟持板25A及び第2挟持板26Aを備えている。ここで、第1方向Xに直交する方向を第2方向Yと言う。なお、第2方向Yは、第1方向Xに交差する方向であるとしてもよい。第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ直交する方向を、第3方向Zと言う。
第1挟持板25A及び第2挟持板26Aは、それぞれ第1方向Xを厚さ方向とする板状に形成されている。
【0021】
第2挟持板26Aは、第1挟持板25Aよりも第1方向Xの第1側X1に配置されている。第1挟持板25Aは、第2挟持板26Aよりも第2方向Yに長い。具体的には、第1挟持板25Aの第2方向Yの第1側Y1の端と、第2挟持板26Aの第2方向Yの第1側Y1の端とは、第2方向Yにおいて同等の位置に配置されている。一方で、第1挟持板25Aの第2方向Yにおける第1側Y1とは反対側の第2側Y2の端は、第2挟持板26Aの第2方向Yの第2側Y2の端よりも、第2方向Yの第2側Y2に配置されている。
第1挟持板25Aは、第2方向Yの第2側Y2に向かうに従い漸次、厚さ(第1方向Xの長さ)が薄くなる。この例では、第1挟持板25Aは、第1挟持板25Aの第2方向Yの全長にわたって厚さが変化している。一方で、第2挟持板26Aは、第2方向Yの位置によらず厚さが一定である。第1挟持板25Aの厚さは、第2挟持板26Aの厚さよりも厚い。ここで言う第1挟持板25Aの厚さは、第1挟持板25Aにおける最も厚い部分の厚さとしてもよい。第2挟持板26Aについても同様である。
第1挟持板25Aと第2挟持板26Aとの距離LAは、第2方向Yの第1側Y1に向かうに従い長くなる。すなわち、第1挟持板25A、第2挟持板26A、及び接続部22により形成される溝28Aは、第2方向Yの第1側Y1に向かうに従い幅(第1方向Xの長さ)が広くなる。
【0022】
例えば、第1挟持板25Aの第1方向Xの第1側X1の表面を第2方向Yに沿わせ、第2挟持板26Aの第1方向Xにおける第1側X1とは反対側の第2側X2の表面を第2方向Yに対して傾斜させることで、第2方向Yの位置により距離LAが変化する形状を構成することが好ましい。このように構成することで、結合部材20へ第1プレート10を確実に接合することができる。また、接着剤の隙間が埋まりやすく、気密性の確保が容易になる。
【0023】
第2挟持部21Bは、第2方向Yに互いに間隔を空けて配置された第3挟持板25B及び第4挟持板26Bを備えている。第3挟持板25B及び第4挟持板26Bは、それぞれ第2方向Yを厚さ方向とする板状に形成されている。
第4挟持板26Bは、第3挟持板25Bよりも第2方向Yの第1側Y1に配置されている。第3挟持板25Bは、第4挟持板26Bよりも第1方向Xに長い。具体的には、第3挟持板25Bの第1方向Xの第1側X1の端と、第4挟持板26Bの第1方向Xの第1側X1の端とは、第1方向Xにおいて同等の位置に配置されている。一方で、第3挟持板25Bの第1方向Xの第2側X2の端は、第4挟持板26Bの第1方向Xの第2側X2の端よりも、第1方向Xの第2側X2に配置されている。
第3挟持板25Bは、第1方向Xの第2側X2に向かうに従い漸次、厚さ(第2方向Yの長さ)が薄くなる。この例では、第3挟持板25Bは、第3挟持板25Bの第1方向Xの全長にわたって厚さが変化している。一方で、第4挟持板26Bは、第1方向Xの位置によらず厚さが一定である。第3挟持板25Bの厚さは、第4挟持板26Bの厚さよりも厚い。
【0024】
例えば、ダクト1が、長辺が500mm以下の樹脂製角ダクトである場合、第1挟持板25Aの第2方向Yの長さ、及び第3挟持板25Bの第1方向Xの長さは、それぞれ50mm程度であることで強度計算上、問題ないことを確認している。第2挟持板26Aの厚さ及び第4挟持板26Bの厚さは、それぞれ1mm程度に薄く設計することで、隙間S1を塩化ビニル溶接(塩ビ溶接)等で埋める作業が容易となる。
第1挟持板25A及び第3挟持板25Bでは、接続部22側が厚さが厚く、接続部22とは反対側が厚さが薄い。
第3挟持板25Bと第4挟持板26Bとの距離LBは、第1方向Xの第1側X1に向かうに従い長くなる。すなわち、第3挟持板25B、第4挟持板26B、及び接続部22により形成される溝28Bは、第1方向Xの第1側X1に向かうに従い幅(第2方向Yの長さ)が広くなる。
【0025】
接続部22は、第1挟持部21Aと第2挟持部21Bとを接続している。より詳しくは、接続部22は、第1挟持部21Aにおける第2方向Yの第1側Y1の端部と第2挟持部21Bにおける第1方向Xの第1側X1の端部とを接続している。
接続部22は、第1挟持板25Aにおける第2方向Yの第1側Y1の端部、及び第2挟持板26Aにおける第2方向Yの第1側Y1の端部にそれぞれ接続されている。さらに、接続部22は、第3挟持板25Bにおける第1方向Xの第1側X1の端部、及び第4挟持板26Bにおける第1方向Xの第1側X1の端部にそれぞれ接続されている。
接続部22における第1方向Xの第1側X1かつ第2方向Yの第1側Y1の隅部22aは、第3方向Zに見たときに、第1方向Xの第1側X1と第2方向Yの第1側Y1との間の向きに向かって凸となる円弧状を呈している。
以上のように構成された結合部材20は、全体として第3方向Zに延在している。
【0026】
図1に示すように、結合部材20Aにおいて、第1挟持板25Aと第2挟持板26Aとの間には、第1プレート10の第1端部が配置されている。第3挟持板25Bと第4挟持板26Bとの間には、第2プレート11の第1端部が配置されている。なお、第1挟持部21Aと第1プレート10、第2挟持部21Bと第2プレート11は、図示しない接着剤によりそれぞれ接合されている。こうして、結合部材20Aは、第1プレート10及び第2プレート11にそれぞれ接合されている。
同様に、結合部材20Bは、第2プレート11及び第3プレート12にそれぞれ接合されている。結合部材20Cは、第3プレート12及び第4プレート13にそれぞれ接合されている。結合部材20Dは、第4プレート13及び第1プレート10にそれぞれ接合されている。
【0027】
図1及び図2に示すように、フランジ35は、連結部36と、フランジ部37と、を備えている。
連結部36は、角筒状に形成されている。連結部36は、プレート10~13及び結合部材20が延在する延在方向の第1側の端部を覆っている。図1に示すように、連結部36には、結合部材20の第2挟持板26A、第4挟持板26B、及び接続部22がそれぞれ接触している。連結部36とプレート10~13との間には、隙間S1が形成されている。
図1及び図2に示すように、フランジ部37は、連結部36の延在方向の第1側の端部から径方向外側に向かって突出している。図1に示すように、フランジ部37には、フランジ部37を延在方向に貫通する貫通孔37aが形成されている。
フランジ35及び前記結合部材20は、プレート10~13と同一の樹脂で形成することで、様々な樹脂による角ダクトを製造することができる。
ダクト1は、延在方向に見たときに正方形状を呈するダクトである(図1参照)。
なお、正方形のダクトは1例であって、延在方向に見たときのダクトの形状は、第1方向Xまたは第2方向Yに長軸を有する長方形であってもよい。
【0028】
以上のように構成されたダクト1を延長するには、このダクト1の端部に付属したフランジと同様のフランジを設けたダクト部材を用意し、各ダクト1のフランジ部37が対向するように配置する。フランジ部37の貫通孔37aに、図示しないボルトを挿入する。このボルトにナットを嵌め合わせ、一対のフランジ部37を、ボルトの頭部及びナットで延在方向に挟持する。
以上の工程を行うことで、樹脂製角ダクトを延在方向に延長することができる。
【0029】
次に、以上のように構成されたダクト1の製造方法の一例について説明する。
まず、図4に示すように、結合部材20Aの溝28Bに接着剤40を流し込む。
次に、図5に示すように、結合部材20Aの溝28Bに、第2プレート11の第1端部を差し込む。このとき、第2プレート11の第2端部を作業台42に押し当てた状態で、結合部材20Aを第2プレート11に向かって差し込むことが好ましい。こうして、結合部材20Aに第2プレート11を接合する。
同様にして、図6に示すように、結合部材20Bに第3プレート12を接合する。そして、結合部材20Bに第2プレート11を接合する。
同様にして、図7に示すように、結合部材20C,20Dに第4プレート13及び第1プレート10を接合する。さらに、結合部材20Cに第3プレート12を接合し、結合部材20Aに第1プレート10を接合する。
この後で、プレート10~13及び結合部材20にフランジ35を接合して、ダクト1を製造する。
なお、結合部材20にプレート10~13を接合する順序は、特に限定されない。
また、前記隙間S1を塩化ビニル溶接等により埋めることで、樹脂製角ダクトの気密性が確保できる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の結合部材20によれば、例えば第1挟持板25Aと第2挟持板26Aとの間に第1プレート10の端部を差し込み、第3挟持板25Bと第4挟持板26Bとの間に第2プレート11の端部を差し込むこと等により、ダクト1を構成する。ダクト1内を負圧にすると、両端部を結合部材20により支持されたプレート10~13が、ダクト1の径方向内側に向かって凸となるように変形する。
この際に、第1プレート10の端部を、第1挟持板25A及び第2挟持板26Aにより第1方向Xに挟むように支持することができる。さらに、第2挟持板26Aよりも第1方向Xの第2側X2(径方向内側)に配置され、第2挟持板26Aよりも第2方向Yに長い第1挟持板25Aにより、径方向内側に向かって変形する第1プレート10の端部を確実に支持することができる。
同様に、第2プレート11の端部を、第3挟持板25B及び第4挟持板26Bにより第2方向Yに挟むように支持することができる。さらに、第4挟持板26Bよりも第2方向Yの第2側Y2(径方向内側)に配置され、第4挟持板26Bよりも第1方向Xに長い第3挟持板25Bにより、径方向内側に向かって変形する第2プレート11の端部を確実に支持することができる。
以上のように、ダクト1内が負圧になったときに、プレート10~13を効果的に支持することができる。
【0031】
ダクト1を製造する際に、第1挟持板25A及び第2挟持板26Aにより第1プレート10を第1方向Xに挟むため、第1プレート10の支持が安定し、ダクト1を容易に製造することができる。
【0032】
第1挟持板25Aは、第2方向Yの第2側Y2に向かうに従い漸次厚さが薄くなり、第3挟持板25Bは、第1方向Xの第2側X2に向かうに従い漸次厚さが薄くなる。
径方向内側に向かって変形するプレート10~13を支持する第1挟持板25A及び第3挟持板25Bは、厚さが厚い接続部22側から厚さが薄い接続部22とは反対側に向かうに従い漸次、変形しやすくなる。例えば、第2プレート11が径方向内側に向かって変形する場合に、第2プレート11及び第3挟持板25Bが変形した後の形状を、図3中に二点鎖線で示す。このため、第1挟持板25A及び第3挟持板25Bの厚さが第1方向X、第2方向Yの位置により変わらない場合に比べて、プレート10~13がプレート10~13の全範囲にわたって変形しやすくなる。これにより、プレート10~13の変形が1カ所に集中するのを抑制することができる。
第1挟持板25Aの厚さは第2挟持板26Aの厚さよりも厚く、第3挟持板25Bの厚さは第4挟持板26Bの厚さよりも厚い。従って、径方向内側に向かって変形するプレート10~13を、第2挟持板26A及び第4挟持板26Bよりも厚くて剛性の高い第1挟持板25A及び第3挟持板25Bにより、さらに確実に支持することができる。
【0033】
第1挟持板25Aと第2挟持板26Aとの距離LAは、第2方向Yの第1側Y1に向かうに従い長くなり、第3挟持板25Bと第4挟持板26Bとの距離LBは、第1方向Xの第1側X1に向かうに従い長くなる。
これにより、第1挟持板25Aと第2挟持板26Aとの間における、距離LAが長い第2方向Yの第1側Y1の部分に、第1挟持板25A及び第2挟持板26Aに第1プレート10を接合するための接着剤40を溜めることができる。そして、第1挟持板25Aと第2挟持板26Aとの間に第1プレート10を差し込むことで、接着剤が挟持板25A,26Aと第1プレート10との隙間を埋めるため、挟持板25A,26Aと第1プレート10とを確実に接合することができる。また、両挟持板25A,26Aと第1プレート10との気密性を確保することができる。
同様に、第3挟持板25Bと第4挟持板26Bとの間における、距離LBが長い第1方向Xの第1側X1の部分に、第3挟持板25B及び第4挟持板26Bに第2プレート11を接合するための接着剤40を溜めることができる。そして、第3挟持板25Bと第4挟持板26Bとの間に第2プレート11を差し込むことで、接着剤が挟持板25B,26Bと第2プレート11との隙間を埋めるため、挟持板25B,26Bと第2プレート11とを確実に接合することができる。また、挟持板25B,26Bと第2プレート11との気密性を確保することができる。
【0034】
また、本実施形態のダクト1によれば、ダクト1内が負圧になったときにプレート10~13を効果的に支持することができる結合部材20を用いて、ダクト1を構成することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、図8に示すように、結合部材50を構成してもよい。なお、プレート10,11及び結合部材50により、ダクト1Aを構成する。結合部材50は、第1挟持部51Aと、第2挟持部51Bと、接続部52と、を備えている。
第1挟持部51Aは、第1方向Xに互いに間隔を空けて配置された第1挟持板55A及び第2挟持板56Aを備えている。第1挟持板55Aは第2挟持板56Aよりも第1方向Xの第1側X1に配置されている。第1挟持板55Aは、第2挟持板56Aよりも第2方向Yに長い。
第2挟持部51Bは、第2方向Yに互いに間隔を空けて配置された第3挟持板55B及び第4挟持板56Bを備えている。第3挟持板55Bは第4挟持板56Bよりも第2方向Yの第1側Y1に配置されている。第3挟持板55Bは、第4挟持板56Bよりも第1方向Xに長い。
【0036】
この変形例では、第1挟持板55Aは、第2方向Yの位置によらず一定の厚さである。第3挟持板55Bは、第1方向Xの位置によらず一定の厚さである。第1挟持板55Aと第2挟持板56Aとの距離は、第2方向Yの位置によらず一定である。第3挟持板55Bと第4挟持板56Bとの距離は、第1方向Xの位置によらず一定である。
なお、本実施形態の結合部材20においても、これらのように構成してもよい。
【0037】
本変形例の結合部材50によれば、例えば、第1挟持板55Aと第2挟持板56Aとの間に第1プレート10の端部を差し込み、第3挟持板55Bと第4挟持板56Bとの間に第2プレート11の端部を差し込むこと等により、ダクト1Aを構成する。ダクト1A内を正圧にすると、両端部を結合部材50により支持されたプレート10,11が、ダクト1Aの径方向外側に向かって凸となるように変形する。
この際に、第1プレート10の端部を、第1挟持板55A及び第2挟持板56Aにより第1方向Xに挟むように支持することができる。さらに、第2挟持板56Aよりも第1方向Xの第1側X1(径方向外側)に配置され、第2挟持板56Aよりも第2方向Yに長い第1挟持板55Aにより、径方向外側に向かって変形する第1プレート10の端部を確実に支持することができる。
同様に、第2プレート11の端部を、第3挟持板55B及び第4挟持板56Bにより第2方向Yに挟むように支持することができる。さらに、第4挟持板56Bよりも第2方向Yの第1側Y1(径方向外側)に配置され、第4挟持板56Bよりも第1方向Xに長い第3挟持板55Bにより、径方向外側に向かって変形する第2プレート11の端部を確実に支持することができる。
以上のように、ダクト1A内が正圧になったときに、プレート10,11を効果的に支持することができる。
【0038】
なお、本実施形態及び変形例の結合部材20,50では、第1挟持板及び第2挟持板の厚さは互いに等しくてもよい。第3挟持板及び第4挟持板についても同様である。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9から図11を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9に示すように、本実施形態のダクト2は、プレート10~13と、本実施形態の結合部材60と、を備えている。なお、図9中には、プレート12,13は示していない。
結合部材60は、第1接合板61Aと、第2接合板61Bと、接続部62と、を備えている。
【0040】
第1接合板61Aは、第1方向Xを厚さ方向とする板状に形成されている。第1接合板61Aは、第2方向Yの第2側Y2に向かうに従い漸次、厚さが薄くなる。
第2接合板61Bは、第2方向Yを厚さ方向とする板状に形成されている。第2接合板61Bは、第1方向Xの第2側X2に向かうに従い漸次、厚さが薄くなる。
接続部62は、第1接合板61Aにおける第2方向Yの第1側Y1の端部と第2接合板61Bにおける第1方向Xの第1側X1の端部とを接続している。この例では、接続部62は、第1接合板61Aよりも第1方向Xの第1側X1に突出するとともに、第2接合板61Bよりも第2方向Yの第1側Y1に突出している。
第1接合板61Aにおける第1方向Xの第1側X1の表面には、第1プレート10の端部が、図示しない接着剤等により接合されている。第2接合板61Bにおける第2方向Yの第1側Y1の表面には、第2プレート11の端部が、図示しない接着剤等により接合されている。
【0041】
ダクト2内を負圧にすると、両端部を結合部材60により支持されたプレート10,11が、ダクト2の径方向内側に向かって凸となるように変形する。径方向内側に向かって変形するプレート10,11を支持する第1接合板61A及び第2接合板61Bは、厚さが厚い接続部62側から厚さが薄い接続部62とは反対側に向かうに従い漸次、変形しやすくなる。例えば、第2プレート11が径方向内側に向かって変形する場合に、第2プレート11及び第2接合板61Bが変形した後の形状を、図9中に二点鎖線で示す。一方で図10に、従来の結合部材65が変形する前後の形状を示す。結合部材65では、第1接合板66Aは、第2方向Yの位置によらず一定の厚さである。第2接合板66Bは、第1方向Xの位置によらず一定の厚さである。この場合、第1接合板66Aはほとんど変形せずに、図10中に二点鎖線で示すように、第2プレート11が径方向内側に向かって変形する。
このため、第1接合板及び第2接合板の厚さが第1方向X、第2方向Yの位置により変わらない場合に比べて、プレート10,11がプレート10,11の全範囲にわたって変形しやすくなる。これにより、プレート10,11の変形が1カ所に集中するのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態のダクト2によれば、ダクト2内が負圧になったときにプレート10,11を効果的に支持することができる結合部材60を用いて、ダクト2を構成することができる。
ダクト2では、第1プレート10の第1方向Xの第1側X1側の表面と、接続部62の第1方向Xの第1側X1側の表面とは面一であり、第2プレート11の第2方向Yの第1側Y1側の表面と、接続部62の第2方向Yの第1側Y1側の表面とは面一であることが好ましい。このように構成すると、ダクト2に前記フランジ35を固定した際に、前記隙間S1が生じなくなる。
【0043】
なお、本実施形態では、図11に示すように結合部材70を構成してもよい。なお、プレート10,11及び結合部材70により、ダクト2Aを構成する。
結合部材70は、前記第1接合板61Aと、第2接合板61Bと、接続部71と、を備えている。
接続部71は、第1接合板61Aよりも第1方向Xの第2側X2に突出するとともに、第2接合板61Bよりも第2方向Yの第2側Y2に突出している。
第1接合板61Aにおける第1方向Xの第2側X2の表面には、第1プレート10の端部が、図示しない接着剤等により接合されている。第2接合板61Bにおける第2方向Yの第2側Y2の表面には、第2プレート11の端部が、図示しない接着剤等により接合されている。
結合部材70は、ダクト2A内を正圧にする場合に用いられる。
【0044】
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
例えば、延在方向に見たときに、プレート10,12の長さと、プレート11,13の長さとが、互いに異なっていてもよい。この場合、ダクトは、延在方向に見たときに矩形状を呈するダクトである。
【符号の説明】
【0045】
1,1A,2,2A ダクト
10 第1プレート
11 第2プレート
20,50,60,70 結合部材
21A,51A 第1挟持部
21B,51B 第2挟持部
22,52,62 接続部
25A,55A 第1挟持板
25B,55B 第3挟持板
26A,56A 第2挟持板
26B,56B 第4挟持板
61A 第1接合板
61B 第2接合板
LA,LB 距離
X 第1方向
X1,Y1 第1側
X2,Y2 第2側
Y 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11