(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】複数の同期ベースを有するレーザ測定システム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/16 20060101AFI20241001BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G01S5/16
G01C15/00 103B
(21)【出願番号】P 2022535552
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 US2020050788
(87)【国際公開番号】W WO2021118667
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-09-05
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505315742
【氏名又は名称】トプコン ポジショニング システムズ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ ブイ ハトゥンツェフ
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-525811(JP,A)
【文献】特開2004-212058(JP,A)
【文献】特開2015-068743(JP,A)
【文献】米国特許第05600436(US,A)
【文献】米国特許第06052181(US,A)
【文献】特開平03-094310(JP,A)
【文献】特開2005-274229(JP,A)
【文献】特表平06-506297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/70
G01S 3/78-3/789
G01S 5/16
G01C 1/00-1/14
G01C 5/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザベースステーションの動作方法であって、
他のレーザベースステーションから第1のレーザ信号を検出するステップと、
前記検出された第1のレーザ信号から、前記他のレーザベースステーションに関連する座標および基準方位角と、前記他のレーザベースステーションに関連する水平角および垂直角とを含む前記他のレーザベースステーションに関連する位置情報を抽出するステップと、
前記他のレーザベースステーションに関連する前記抽出された位置情報に基づいて、前記レーザベースステーションの位置を決定するステップと、
レーザ受光器の位置を決定するために、前記レーザベースステーションの前記位置を含む第2のレーザ信号を前記レーザ受光器に投射するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記検出された第1のレーザ信号の振幅およびタイミングに基づいて、前記レーザベースステーションの回転を前記他のレーザベースステーションの回転と同期させるステップ、をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
他のレーザベースステーションに関連する前記水平角に基づいて、前記レーザベースステーションの回転を前記他のレーザベースステーションの回転と同期させるステップ、をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
レーザベースステーションであって、
他のレーザベースステーションから第1のレーザ信号を検出するための光検出部と、
プロセッサと、
コンピュータプログラム指令を記憶するメモリであって、前記コンピュータプログラム指令は、前記プロセッサ上で実行されると、前記プロセッサに、
前記検出された第1のレーザ信号から、前記他のレーザベースステーションに関連する座標および基準方位角と、前記他のレーザベースステーションに関連する水平角および垂直角とで構成される前記他のレーザベースステーションに関連する位置情報を抽出するステップと、
前記他のレーザベースステーションに関連する前記抽出された位置情報に基づいて、前記レーザベースステーションの位置を決定するステップと、
を含む動作を実行させる、メモリと、
レーザ受光器の位置を決定するために、前記レーザベースステーションの前記位置を含む第2のレーザ信号を前記レーザ受光器に投射するレーザ送光部と、
を備えることを特徴とするレーザベースステーション。
【請求項5】
前記動作は、
前記検出された第1のレーザ信号の振幅およびタイミングに基づいて、前記レーザベースステーションの回転を前記他のレーザベースステーションの回転と同期させるステップ、をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項
4に記載のレーザベースステーション。
【請求項6】
前記動作は、
他のレーザベースステーションに関連する前記水平角に基づいて、前記レーザベースステーションの回転を前記他のレーザベースステーションの回転と同期させるステップ、をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項
4に記載のレーザベースステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年9月11日に出願された米国出願第16/710090号に基づく優先権を主張するものであり、その開示内容全体をここに参照により援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般にレーザ測定システムに関し、より詳細には、レーザ受光器に関連する完全な位置情報を提供するための複数の同期ベースを有するレーザ測定システムに関する。
【0003】
建設作業現場や農作業現場などの作業現場の準備は、作業現場の複数の部分を所望のトポロジーに整地および掘削することを伴うことが一般的である。位置測定は、そのような整地および掘削の精度を向上するために、作業現場準備における重要な一側面である。レーザ測定システムは、位置測定を容易にするために建設機械(例えば、ブルドーザ、スクレーパ、掘削機など)によく用いられる。
【0004】
従来の一アプローチでは、位置測定を容易にするのにレーザ測定システムが利用される。このような従来のレーザ測定システムでは、レーザ送光器のレーザダイオードがレーザ信号を投射し、レーザ受光器のフォトダイオードがそのレーザ信号を受信する。レーザ送光器にはレーザダイオードを中心とする反射面が設けられ、レーザ受光器にはフォトダイオードを中心とする反射面が設けられる。反射面でのレーザ信号の反射に基づいて、レーザ送光器とレーザ受光器との間の距離が算出できる。しかしながら、このような従来のレーザ測定システムにおけるレーザ受光器のようにフォトダイオードを中心とする反射面を有する場合、そうでない場合に比べて、レーザ受光器に必要な寸法が大きくなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一以上の実施形態において、レーザ受光器を動作させるためのシステムおよび方法を提供する。レーザ受光器は、第1のレーザベースステーションから第1のレーザ信号を検出する。検出された第1のレーザ信号から、第1のレーザベースステーションに関連する位置情報が抽出される。レーザ受光器は、第2のレーザベースステーションから第2のレーザ信号を検出する。検出された第2のレーザ信号から、第2のレーザベースステーションに関連する位置情報が抽出される。抽出された第1のレーザベースステーションに関連する位置情報と、抽出された第2のレーザベースステーションに関連する位置情報とに基づいて、レーザ受光器の位置が決定される。
【0006】
一実施形態において、前記第1のレーザベースステーションに関連する前記位置情報は、前記第1のレーザベースステーションに関連する水平角と、前記第1のレーザベースステーションに関連する垂直角と、前記第1のレーザベースステーションに関連する基準方位角と、前記第1のレーザベースステーションに関連する座標とで構成され、前記第2のレーザベースステーションに関連する前記位置情報は、前記第2のレーザベースステーションに関連する水平角と、前記第2のレーザベースステーションに関連する垂直角と、前記第2のレーザベースステーションに関連する基準方位角と、前記第2のレーザベースステーションに関連する座標とで構成される。第1のレーザベースステーションおよび第2のレーザベースステーションに関連する水平角は、それぞれ検出された第1のレーザ信号および検出された第2のレーザ信号の変調に基づいて決定されてもよい。第1および第2のレーザ信号は、N字形の複数のビームを備えてもよく、第1のレーザベースステーションおよび第2のレーザベースステーションに関連する垂直角は、それぞれ、検出された第1のレーザ信号および検出された第2のレーザ信号の複数のビームのそれぞれを受信する時間に基づいて決定されてもよい。第1のレーザベースステーションおよび第2のレーザベースステーションに関連する座標ならびに第1のレーザベースステーションおよび第2のレーザベースステーションに関連する基準方位角は、それぞれ、検出された第1のレーザ信号および検出された第2のレーザ信号内のデータストリームを復調することによって決定されてもよい。
【0007】
一実施形態において、第1のレーザベースステーションおよび第2のレーザベースステーションは、較正されることにより、基準座標系における第1のレーザベースステーションおよび第2のレーザベースステーションのそれぞれの位置を決定する。
【0008】
一実施形態によれば、レーザベースステーションを動作させるためのシステムおよび方法が提供される。他のレーザベースステーションから第1のレーザ信号が検出される。他のレーザベースステーションに関連する位置情報は、検出された第1のレーザ信号から抽出される。位置情報は、他のレーザベースステーションに関連する座標および基準方位角と、他のレーザベースステーションに関連する水平角および垂直角と、を含む。レーザベースステーションの位置は、抽出された他のレーザベースステーションに関連する位置情報に基づいて決定される。レーザベースステーションの位置を含む第2のレーザ信号は、レーザ受光器の位置を決定するためにレーザ受光器に投射される。
【0009】
一実施形態において、レーザベースステーションの回転は、検出された第1のレーザ信号の振幅およびタイミングに基づいて、他のレーザベースステーションの回転と同期される。レーザベースステーションの回転は、さらに他のレーザベースステーションに関連する水平角に基づいて、他のレーザベースステーションの回転と同期されてもよい。
【0010】
本発明のこれらおよび他の効果は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することにより、当業者にとって明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、レーザ測定システムを示す上位概要図である。
【
図2】
図2は、レーザ測定システムのさらなる詳細を示す図である。
【
図3】
図3は、レーザ測定システムにおけるレーザベースステーションの回転ヘッドの詳細を示す図である。
【
図4】
図4は、レーザ測定システムのレーザ受光器の詳細を示す図である。
【
図6】
図6は、レーザ測定システムの動作方法を示す図である。
【
図7】
図7は、レーザ測定システムにおける複数のレーザベースステーションの較正方法を示す図である。
【
図8】
図8は、レーザ測定システムにおけるレーザ受光器の位置決定方法を示す図である。
【
図9】
図9は、レーザ受光器が受信する信号のタイミング図である。
【
図10】
図10は、例示的なレーザ受光器を示す上位ブロック図である。
【
図11】
図11は、例示的なレーザ送光器を示す上位ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、一以上の実施形態におけるレーザ測定システム100を示す上位概要図である。レーザ測定システム100は、建設作業現場、農作業現場、倉庫や他の環境に配備してもよい。レーザ測定システム100は、複数のレーザベースステーション102-A、102-B、102-C(本明細書ではまとめてレーザベースステーション102と呼ぶ)と、レーザ受光器104と、を備える。なお、
図1には、レーザベースステーション102-A、102-B、102-Cならびにレーザ受光器104として示されるが、レーザベースステーション102が2つ又はさらに多くのレーザベースステーションを含んでもよいこと、および、レーザ受光器104が(レーザ受光器が影を生成したり互いに干渉したりしない限り)任意の数のレーザ受光器を含んでもよいことを理解されたい。
【0013】
まず、レーザベースステーション102が基準座標系に較正される。較正中、各レーザベースステーション102は、事前較正済みのレーザベースステーション102の位置情報を受信し、そこから基準座標系におけるその相対位置を決定する。実施形態によっては、例えば、各レーザベースステーション102は、自己整準された2つのレーザベースステーション102、または自己整準されていない3つの事前較正済みレーザベースステーション102の位置情報を受信してもよい。このような較正を目的としてレーザベースステーション102同士の間の通信を容易にするために、各レーザベースステーション102は、レーザ信号を回転照射で連続投射するレーザ送光部と、レーザ送光部の回転に起因するパルスとしてのレーザ信号を検出する光検出部との両方を含むよう構成される。動作中、較正済みレーザベースステーション102は、レーザ信号を回転照射でレーザ受光器104に投射する。レーザ受光器104は、較正済みレーザベースステーション102から受信したレーザ信号から、基準座標系におけるその位置(3次元デカルト座標)を算出(例えば、三角測量)する。
【0014】
好適には、レーザ受光器104は、レーザベースステーション102への送光を行わずにその位置を決定する。また、レーザ受光器104においては、その位置を決定するための反射面が不要となるため、レーザ受光器104の寸法は必要以上に大きくなることはない。以下に、レーザ測定システム100の詳細を説明する。
【0015】
図2は、一以上の実施形態におけるレーザ測定システム200の詳細を示す。一実施形態において、
図2におけるレーザベースステーション202およびレーザ受光器204は、それぞれ
図1におけるレーザベースステーション102およびレーザ受光器104である。なお、便宜上、
図2には1つのレーザベースステーション202を示しているが、レーザ測定システム200は、複数のレーザベースステーションを含んでおり、それぞれは、本明細書においてレーザベースステーション202について記載されているのと同様の方法で動作することを理解されたい。
【0016】
図2に例示されるように、レーザ受光器204は、測量ポール206に搭載されるように構成される。しかしながら、レーザ受光器204について多様な構成が考えられることを理解されたい。例えば、レーザ受光器204は、ローバーや建設機械(例えば、掘削機、ダンプトラック、ブルドーザなど)などの他の車両に搭載されるように構成してもよい。他の例として、レーザ受光器204は、携帯機器または、携帯機器の埋設部である。同様に、レーザベースステーション202は、
図2では三脚214に搭載されているが、任意の適切な方法で搭載されてもよい。
【0017】
レーザベースステーション202は、レーザ信号を一定速度で回転照射で投射(送信)する。一実施形態において、レーザベースステーション202は、2007年3月27日発行の米国特許第7196302号明細書に記載される(その開示内容全体をここに参照により援用する)ように、N字形ビーム208を投射する。N字形ビーム208は、ビーム208の光束の断面がN字形を形成するように投射される複数の扇形ビームで構成される。
図2に例示するように、N字形ビーム208は、垂直ビーム210-Aと、垂直ビーム210-Bと、垂直ビーム210-Aおよび210-Bに対して角度212で傾斜する傾斜ビーム210-Cとで構成されN字形を形成している。
【0018】
レーザベースステーション202は、変調(例えば、位相または周波数)されたN字形ビーム208を投射する。例えば、レーザベースステーション202は、レーザベースステーション202に関連する水平角やさらなるデータのデータストリームを送信するために、複数のサブキャリアでN字形ビーム208を変調してもよい。データストリームは、レーザベースステーション202の識別子、レーザベースステーション202の座標、レーザベースステーション202に関連する基準方位角、レーザベースステーション202のレーザヘッド較正データ、他のレーザベースステーションに関連する水平角および垂直角、それぞれの識別子や任意の他の関連情報を含んでもよい。
【0019】
なお、
図2において、レーザベースステーション202が投射するビーム208は、N字形ビームとして例示されているが、レーザベースステーション202が投射するレーザ信号は、任意の適切な形態であってもよいことを理解されたい。一実施形態において、レーザベースステーション202は、単一の垂直ビームを含むI字形ビーム(
図2には図示せず)を投射する。この実施形態において、レーザベースステーション202は2次元座標を提供する。
【0020】
図3は、一以上の実施形態におけるレーザベースステーションの回転ヘッド300の詳細を示す。一実施形態において、回転ヘッド300は、
図1におけるレーザベースステーション102の回転ヘッドである。回転ヘッド300は、レーザ信号を投射するためのレーザ送光部302と、レーザ信号を検出するための光検出部304とを含む。回転ヘッド300は、時計回りの方向318(実施形態によっては反時計回り)に回転しながらレーザ信号をそれぞれ投射、検出することにより、レーザ信号を、回転ヘッド300を中心に360度で投射、検出できる。なお、
図3は、回転ヘッド300の上位説明図であり、回転ヘッド300は、レーザ信号の投影、検出を容易にするためのさらなる構成要素を含んでもよいことを理解されたい。
【0021】
レーザ送光部302は、レーザダイオード310と、反射部308-A、308-B、および308-C(本明細書ではまとめて反射部308と呼ぶ)と、送光器レンズ306-A、306-B、および306-C(本明細書ではまとめて送光器レンズ306と呼ぶ)とを備える。レーザダイオード310はレーザ信号320を生成し、レーザ信号320は反射部308-A、308-B、および308-C(反射部308-Bおよび308-Cは半透明反射部および/またはビームスプリッタである)によってそれぞれレーザ信号322-A、322-B、および322-C(本明細書ではまとめてレーザ信号322と呼ぶ)として反射され、これらはそれぞれ送光器レンズ306-A、306-B、および306-Cを通して、例えば他のレーザベースステーションまたはレーザ受光器の光検出部に投射される。一実施形態において、レーザ信号322-Aと、322-Bと、322-CとによりN字形ビームが形成される。
【0022】
レーザ送光部302は、レーザ信号322が共通の変調信号で変調される限り、任意の適切な構成であってもよい。例えば、一実施形態において、
図3に示すように、レーザダイオード310は、回転ヘッド300内に埋め込まれ、回転ヘッド300がモータによって回転されると、回転ヘッド300と共に回転する。他の実施形態において、レーザダイオード310は、レーザダイオード310のレーザビーム軸が回転ヘッド300の回転軸と同軸であるように、レーザベースステーションの固定部(回転ヘッド300の外側)に配置される。他の実施形態において、レーザダイオード310は、回転ヘッド300内に埋め込まれた複数のレーザダイオード(例えば、3つのレーザダイオード)を含み、複数のレーザダイオードは、それぞれ反射部308を必要とせずに直接レーザ信号322を投射するように、それぞれの送光器レンズ306の後ろに配置される(各レーザダイオードは共通の変調信号を有する)。
【0023】
光検出部304は、フォトダイオード316と、反射部314と、受光器レンズ312とを備える。レーザ信号324は、(例えば、他のレーザベースステーションから)受光器レンズ312を通して検出され、分析のために反射部314によりフォトダイオード316へ向けて反射される。フォトダイオード316は、PINダイオード、アバランシェフォトダイオード(APD)や、レーザ信号324の波長に適した任意の他の種類のダイオードであってもよい。
【0024】
光検出部304は、任意の適切な構成であってもよい。一実施形態において、
図3に示すように、フォトダイオード316は、回転ヘッド300内に埋め込まれ、回転ヘッド300がモータによって回転されると、回転ヘッド300と共に回転する。他の実施形態において、フォトダイオード316は、レーザ信号324が光学的に視準されフォトダイオード316へ向けて反射されるように、レーザベースステーションの固定部(回転ヘッド300の外側)に配置される。他の実施形態において、フォトダイオード316は、受光器レンズ312を通して投射されるレーザ信号324を直接受信するように、回転ヘッド300内に埋設され、受光器レンズ312の後ろに配置される。
【0025】
図4は、一以上の実施形態におけるレーザ受光器400の詳細を示す。一実施形態において、レーザ受光器400は、
図1におけるレーザ受光器104である。なお、
図4はレーザ受光器400の上位説明図であり、レーザ受光器400はレーザ信号の検出を容易にするためにさらなる構成要素を備えてもよいことを理解されたい。
【0026】
レーザ受光器400は、光検出部402を備える。レーザ受光器400の光検出部402の動作は、
図3におけるレーザベースステーション300の光検出部304と同様である。特に、レーザ信号408は、(例えば、レーザベースステーションから)受光器レンズ404を通して検出され、分析のためにフォトダイオード406(例えば、PINダイオード、P-Nダイオードなど)に集束される。
【0027】
一実施形態において、光検出部402は、360度の方向からのレーザ信号408を検出できるように構成される。例えば、一実施形態において、レーザ受光器400は、レーザ信号を、レーザ受光器400を中心に360度で受信できるように、1つまたは複数の光学素子を含む。1つまたは複数の光学素子の例としては、円錐ミラー、魚眼レンズ、拡散球や、レーザ受光器400の周囲のレーザ信号を収集する任意の他の方法が挙げられる。他の実施形態において、レーザ受光器400は、レーザ受光器400を中心とした360度を網羅するために(それぞれの視野は限定的である)複数のフォトダイオードを備える。なお、レーザ受光器400が十分な数のレーザベースステーション(例えば、2つまたは3つ)からレーザ信号を受信する限り、フォトダイオードによって360度網羅する必要はないことを理解されたい。
【0028】
図5Aは、一以上の実施形態におけるレーザ測定システム500のさらなる詳細を示す上面図であり、
図5Bは、その斜視図である。
図5Aおよび
図5Bにおいて、レーザベースステーション502は、時計回りに回転する回転照射で、レーザ信号506(例えば、N字形ビームまたはI字形ビーム)をレーザ受光器504に連続投射する。一実施形態において、レーザベースステーション502は、
図1におけるレーザベースステーション102または
図2におけるレーザベースステーション202であってもよく、レーザ受光器404は、
図1におけるレーザ受光器104または
図2におけるレーザ受光器204であってもよい。なお、
図5Aおよび
図5Bは、レーザ測定システム500を示す上位説明図であり、レーザ測定システム500は、さらなる構成要素を備えてもよいことを理解されたい。
【0029】
レーザ受光器504の位置は、基準座標系に関するそのデカルト座標(X、Y、Z)により、最大3次元で規定されてもよい。
図5Aは、基準座標系のX軸508-AおよびY軸508-Bを示す(基準座標系におけるZ軸は
図5Aには図示しないが、X軸508-AおよびY軸508-Bの両方に対して垂直である)。座標(X、Y、Z)は、距離D514、水平角θ512、および/または垂直角φ518に基づいて決定されてもよい。距離D514は、レーザベースステーション502とレーザ受光器504との間の距離である。水平角θ512は、レーザ受光器504が基準方向516(例えば、レーザベースステーション502のエンコーダが読み取る水平角θ512が0である方向)に対してとる角度であり、レーザ受光器504によってレーザ信号506から測定される。垂直角φ518は、レーザ受光器504が送光器基準水平面520に対してとる角度であり、N字形レーザ信号506における各ビームの到達時間に基づいてレーザ受光器504によって算出される。
【0030】
レーザベースステーション502の位置は、基準座標系に関する3つのデカルト座標(X、Y、Z)および3つの配向角の最大6次元で規定されてもよい。3つの配向角は、基準方位角θref510と、レーザベースステーション502における回転ヘッドの回転軸522の2つの傾斜角VxおよびVyである。基準方位角θref510は、基準面(例えば、Y軸508-BとZ軸とによって形成される基準座標系の面)と基準方向516とで形成される角度である。VxおよびVyは、回転軸522の傾斜角である。なお、各レーザベースステーション502の基準方位角θref510は、そのレーザベースステーション502の設置状況によって異なってもよいが、基準方位角θref510と水平角θ512との合計が、すべてのベースステーションにとって同じ方向を示すこととなる(ベース同士が同期している場合)ことを理解されたい。
【0031】
一実施形態において、レーザ測定システム500は、少なくとも1つのレーザ受光器504と、I字形レーザ信号506を投射する、少なくとも2つの自己整準されたレーザベースステーション502と、を備える。この実施形態におけるレーザ受光器504は、レーザ信号506からその水平角θ512のみを測定でき、そのため、その2次元位置のみ(高さ情報を除く)を決定できる。整準された、I字形レーザ信号506を投射する少なくとも2つのレーザベースステーション502が存在するので、レーザベースステーション502の位置は、3次元(2次元デカルト座標(X、Y)および基準方位角θref510)で規定され、これらは、低速でレーザ信号506を介してレーザ受光器504にデジタル形式で送信される。各レーザベースステーション502の2次元デカルト座標(X、Y)と基準方位角θref510とを知得すると、レーザ受光器504は、その位置を2次元で算出する。複数のレーザベースステーション502の好ましい座標は、(0、0)および(1、0)である。特に、第1のレーザベースステーション502が座標(0、0)をとる基準点となり、第2のレーザベースステーション502は、座標(1、0)に従ってX軸508-Aおよび距離D514を規定する。
【0032】
一実施形態において、レーザ測定システム500は、少なくとも1つの受光器と、N字形レーザ信号506を投射する少なくとも2つの自己整準されたレーザベースステーション502とを備える。この実施形態におけるレーザ受光器504は、その水平角θ512および垂直角φ518を測定できるため、その全3次元位置を決定できる。整準された、N字形レーザ信号506を投射する少なくとも2つのレーザベースステーション502が存在するので、レーザベースステーション502の位置は、4次元(3次元デカルト座標(X、Y、Z)および基準方位角θref510)で規定され、これらは、低速でレーザ信号506を介してレーザ受光器504にデジタル形式で送信される。各レーザベースステーション502の3次元デカルト座標(X、Y、Z)と基準方位角θref510とを知得すると、レーザ受光器504は、その位置を3次元で算出する。第1のベースステーションの好ましい座標は、(0、0、0)および(1、0、Z)である。レーザベースステーション502は自己整準されるため、基準座標系が水平Z面と面一となる。第1のレーザベースステーション502は座標(0、0、0)をとる基準点となり、第2のレーザベースステーション502は座標(1、0、Z)をとり、これは、基準z面に対する任意の初期位置であるため、z方向におけるオフセットを有する。
【0033】
一実施形態において、レーザ測定システム500は、少なくとも1つのレーザ受光器504と、I字形レーザ信号506を投射する、少なくとも3つの整準されていないレーザベースステーション502と、を備える。この実施形態におけるレーザ受光器504は、その水平角θ512および垂直角φ518を測定できるため、その全3次元位置を決定できる。整準されていない、N字形レーザ信号506を投射する少なくとも3つのレーザベースステーション502が存在するので、レーザベースステーション502の位置は、4次元(3次元デカルト座標(X、Y、Z)および基準方位角θref510)で規定され、これらは、低速でレーザ信号506を介してレーザ受光器504にデジタル形式で送信される。少なくとも2つのレーザベースステーション502の3次元デカルト座標(X、Y、Z)、基準方位角θref510、傾斜角VxおよびVyを知得すると、レーザ受光器504は、その位置を3次元で算出する。第1のベースステーション502の好ましい座標は、(0、0、0)、(1、0、0)、(x、y、0)である。第1のレーザベースステーション502は座標(0、0、0)をとる基準点となり、第2のレーザベースステーション502は、座標(1、0、0)に従ってX軸508-Aおよび距離D514を規定し、第3のレーザベースステーション502は、座標(x、y、0)を用いてZ座標をゼロに固定することにより、X軸508-Aに沿った回転を規定するのに用いられる。少なくとも3つのレーザベースステーション502の3つの中心点によりZ面を規定するが、この場合、Z面は水平でなくてもよい。Z面が規定されるとき、各ベースステーションの傾斜角VxおよびVyは、各ベースステーションによって他のベースステーションの水平角および垂直角に基づいて決定される。
【0034】
一実施形態において、例えば、レーザベースステーション502が整準される場合、レーザベースステーション502の位置は、4次元、つまり3つのデカルト座標(X、Y、Z)と基準方位角θref510で規定される。他の実施形態において、例えば、レーザベースステーション502が整準されない場合、レーザベースステーション502の位置は、6次元、つまり3つのデカルト座標(X、Y、Z)、基準方位角θref510、傾斜角VxおよびVyで規定される。他の実施形態において、例えば、レーザベースステーション502が整準される場合、レーザベースステーション502の位置は、3次元、つまり2つのデカルト座標(X、Y)と基準方位角θref510で規定される。そして、レーザ受光器504の位置は、2次元、つまり2つのデカルト座標(X、Y)で規定される。
【0035】
図6は、一以上の実施形態における複数のレーザベースステーションおよびレーザ受光器を備えるレーザ測定システムの動作の方法600を示す。
【0036】
ステップ602において、複数のレーザベースステーション(例えば、
図1におけるレーザベースステーション102)は、基準座標系に較正される。複数のレーザベースステーションは、それらのデカルト座標、回転軸の傾斜角、および基準方位角が知得されるように較正される。一実施形態において、複数のレーザベースステーションは、それぞれ
図7の方法700の工程を繰り返し実行することによって較正されてもよい。他の実施形態において、複数のレーザベースステーションは、基準座標系におけるそれぞれの相対位置(例えば、座標および基準方位角)を手動で規定することにより較正されてもよい。
【0037】
ステップ604において、基準座標系におけるレーザ受光器(例えば、
図1におけるレーザ受光器104)の位置が、複数の較正済みレーザベースステーションから受信されたレーザ信号から抽出された、複数の較正済みレーザベースステーションに関連する位置情報に基づいて決定される。一実施形態において、位置情報は、複数の較正済みレーザベースステーションのそれぞれに関連する座標、基準方位角、水平角、および垂直角を含む。レーザ受光器は、複数の較正済みレーザベースステーションのそれぞれの位置情報に基づいて、基準座標系におけるその相対位置を算出(例えば、三角測量)する。一実施形態において、基準座標系におけるレーザ受光器の位置は、
図8の方法800を参照して以下に記載するように決定される。
【0038】
図7は、一以上の実施形態におけるレーザ測定システムの複数のレーザベースステーションを較正するための方法700を示す。一実施形態において、方法700は、
図6のステップ602で実行される。方法700の工程は、複数のレーザベースステーションそれぞれによって反復的に繰り返され、それにより複数のレーザベースステーションは、基準座標系に較正される。
【0039】
方法700は、ステップ702から始まり、ここで、1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションからのレーザ信号が各レーザベースステーションに検出されたか否かが判定される。ステップ702は、各ベースステーションが起動すると行うリスニングモードに相当してもよい。各レーザベースステーションに検出されたレーザ信号は、そのレーザベースステーションを較正するための方法700の前のサイクル中に、ステップ706で較正済みレーザベースステーションにより投影してもよい。リスニングモード(ステップ702)中、各レーザベースステーションは、(ステップ706におけるその動作モードに比べて)低回転速度で回転する。一実施形態において、RRを動作モード中の通常の回転速度とし、HFOVを光検出部の水平受光角とするとき、リスニングモードにおける回転速度は
の範囲内である。他の実施形態において、リスニングモードにおける回転速度は
の範囲内である。レーザ信号は、各レーザベースステーションの光検出部(例えば、
図3における光検出部304)を用いて検出してもよい。ステップ702で検出されたレーザ信号は、(方法700の前のサイクル中に)既に較正済みの複数のレーザベースステーションのうちの少なくとも1つのレーザベースステーションが存在することを示し、ステップ702において検出されなかったレーザ信号は、各レーザベースステーションが、較正対象の複数のレーザベースステーションのうちの第1のレーザベースステーションであることを示す。
【0040】
ステップ702において、所定の期間内に1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションからレーザ信号が検出されない場合、方法700はステップ704に進み、基準座標系における各レーザベースステーションの位置が基準位置として規定される。一実施形態において、各レーザベースステーションの位置は、座標(0、0、0)として規定されるが、基準方位角は、第2のレーザベースステーションが基準方位角を規定するのに利用可能になるまで規定されない。また、他の基準位置も考えられる。各レーザベースステーションの位置がステップ704で規定されると、各レーザベースステーションはステップ705に進み、その基準方位角を除く座標(0、0、0)を送信するレーザ信号を投射する。ステップ705中、各レーザベースステーションは、他のレーザベースステーションのレーザ信号を検出するまで待機する。各レーザベースステーションは、検出されたレーザ信号のデータストリームからそれぞれの水平角を復調し、それを、その基準方位角信号を算出し、較正を完了するのに用いる。較正後、方法700はステップ706に進む。
【0041】
ステップ706において、較正済み各レーザベースステーションはレーザ信号を投射する。ステップ706は、レーザ信号を投射する各レーザベースステーションの動作モードに相当してもよい。動作モード中、較正済み各レーザベースステーションは、(ステップ702におけるリスニングモードに比べて)例えば10Hz、20Hzなど高回転速度で動作し、例えば1つまたは複数のレーザベースステーションまたはレーザ受光器にレーザ信号を回転照射で連続投射する。例えば、較正済み各レーザベースステーションは、レーザ信号を投射でき、レーザ信号は、そのレーザベースステーションを較正するための方法700の後のサイクル中に、ステップ702で1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションにより検出される。他の例として、各較正済みレーザベースステーションはレーザ信号を投射してもよく、それらは
図6のステップ604において基準座標系におけるその位置を決定するために(レーザ測定システムの)レーザ受光器によって検出される。レーザ信号は、各レーザベースステーションのレーザ送光部(例えば、
図3におけるレーザ送光部302)を用いて投影してもよい。
【0042】
一実施形態において、較正済み各レーザベースステーションが投射するレーザ信号は、N字形ビームである。例えば、レーザ信号は、垂直ビーム210-A、垂直ビーム210-B、および角度θ212で傾斜したビーム210-Cを含む
図2に示されるN字形ビーム208であってもよい。
【0043】
一実施形態において、較正済み各レーザベースステーションが投射するレーザ信号は、さらなるデータのデータストリームと共に、較正済み各レーザベースステーションの水平角を送信するために変調される。レーザ信号は、例えば周波数変調や位相変調などの任意の適切な変調技術を用いて変調してもよい。例えば、一実施形態において、レーザ信号は、周波数領域符号分割多元接続(CDMA)変調で変調される。一実施形態において、レーザ信号は、2018年12月4日に発行された米国特許第10145671号明細書に記載される(その開示内容全体をここに参照により援用する)ように変調される。
【0044】
レーザ信号は、複数のサブキャリアを用いて変調できる。一実施形態において、レーザ信号は、2019年10月28日に出願された米国特許出願第16/665118号明細書に記載される(その開示内容全体をここに参照により援用する)ように、複数のサブキャリア(副搬送波)を用いて変調される。複数のサブキャリアは、レーザ信号を変調するために使用される搬送波(キャリア)の側波帯である。複数のサブキャリアは、任意の適切な数のサブキャリアを含んでもよい。1つの仮想チャネルは、較正済み各レーザベースステーションにおける、概略的ではあるが漠然とはしていない水平角を用いて変調されてもよい(例えば、倍数1xで抽出される)。例えば、レーザ信号は、較正済み各レーザベースステーションの水平角に比例する位相または周波数で変調されてもよい。また、一実施形態において、1つまたは複数のさらなる仮想チャネルは、較正済み各レーザベースステーションにおける、簡潔ではあるが漠然としている水平角を用いて変調(例えば、4x、20xなどの1xより高い倍数で抽出)されてもよい。このような「漠然としていること」は、上述した「概略的ではあるが漠然とはしていない水平角」を基準として用いれば解消され得る。
【0045】
また、レーザ信号は、さらなるデータのデータストリームを用いて変調された仮想チャネルを用いて、変調されてもよい。データストリームは、較正済み各レーザベースステーションの識別子、較正済み各レーザベースステーションの座標、較正済み各レーザベースステーションの基準方位角、較正済み各レーザベースステーションのレーザヘッド較正データ、他のレーザベースステーションから受信されたレーザ信号の水平角および垂直角、該レーザベースステーションの識別子や任意の他の関連情報を含んでもよい。
【0046】
一実施形態において、較正済み各レーザベースステーションを中心とした任意の角度からデータストリームを復調するために、変調のボーレートは、較正済み各レーザベースステーションの回転速度の半分に設定される。これにより、変調されたレーザ信号をシンボルあたり2回確実にサンプリングできる。任意の既知の位相変調技術が用いられてもよい。また、一実施形態において、レーザ信号は、較正済み各レーザベースステーションからのある距離で所望される最小信号雑音比(SNR)に応じて、例えば、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、8-PSK、16-PSKなどの位相偏移変調(PSK)で変調される。1つの例では、QPSK変調を用いることにより、較正済み各レーザベースステーションの回転速度でデータレートが得られる。例えば、較正済み各レーザベースステーションの10Hzの回転により、10ビット/秒(bps)のデータレートが得られる。高度な変調を用いると、データレートが向上する。
【0047】
一実施形態において、変調におけるボーレートは、レーザベースステーションの回転速度と一致するように設定され、シンボルあたり1回のサンプル数が得られる。トレリス符号化および差動位相シフトキーイング変調を用いると、レーザベースステーションを中心とした360度内のすべての受光器がデータストリームを確実に復調できる。
【0048】
ステップ702において、レーザ信号が所定の期間内に1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションから検出された場合、方法700はステップ708に進み、検出されたレーザ信号に基づいて、各レーザベースステーションの回転を1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの回転と大まかに同期させる。一実施形態において、各レーザベースステーションの光検出部によって検出されたレーザ信号は、回転を大まかに同期させるためのフィードバックに用いられる。例えば、各レーザベースステーションは、それぞれの光検出部によって検出される信号の振幅を最大化するために、その回転を調整してもよい。レーザベースステーションは、較正済みベースステーションと大まかに同期している間、較正済みベースステーションが送信したデータストリームを復調できる。
【0049】
ステップ710において、検出されたレーザ信号から、1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの位置情報が抽出される。位置情報は、基準座標系における1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの座標と、較正済みレーザベースステーションの基準方位角とを含んでもよい。位置情報は、検出されたレーザ信号を復調することによって、検出されたレーザ信号のデータストリームから抽出されてもよい。
【0050】
ステップ712において、基準座標系における各レーザベースステーションの位置が、1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの位置情報ならびに1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの垂直角および水平角に基づいて決定される。一実施形態において、各レーザベースステーションの位置は、2つ以上の較正レーザベースステーションの位置情報(例えば、1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの座標や1つまたは複数の較正済みレーザベースステーション上の各レーザベースステーションの水平角)から三角測量される。この時点で較正済みベースステーションが1つしかない場合、各ベースステーションは、距離単位および基準方位角を規定する座標(1、0、0)または(1、0、Z)をとる第2のベースステーションとなる。三角測量からは、レーザベースステーション間の距離は得られない。その代わりに相対距離が用いられる。一実施形態において、最初の2つの較正済みレーザベースステーション間の相対距離を1.0と規定し、これに対して他のすべてのレーザベースステーション間の相対距離が規定される。三角測量は、レーザ受光器について以下に記載するのと同様の方法で各レーザベースステーションにより実行される。
【0051】
ステップ714において、各レーザベースステーションの回転は、抽出された1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの位置情報に基づいて、1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの回転と正確に同期される。各ベースステーションは、基準方位角を除くその位置に関する情報のみを送信するレーザ信号の投射を開始する。他のすべての較正済みベースステーションは、各ベースステーションから水平角および垂直角を受信し、1つまたは複数の仮想チャネルを介してデジタル形式でそれらの角度を返送する。各ベースステーションが(較正済みベースステーションから)その垂直角および水平角の情報を復調するとき、その基準方位角を算出し、回転を正確に同期させる。各レーザベースステーションの回転を1つまたは複数の較正済みレーザベースステーションの回転と同期させることにより、(例えば、複数のレーザベースステーションまたはレーザ受光器による)レーザ信号の検出のための時間領域信号分離が可能となる。レーザベースステーションは、ある任意の瞬間、θを水平角、θrefを基準方位角としたとき、それらの瞬間基準方位角(θ-θref)が同じ場合は正確に同期される。
【0052】
基準座標系における各レーザベースステーションの位置が決定され(ステップ712)、各レーザベースステーションの回転が正確に同期されると(ステップ714)、各レーザベースステーションが較正される。次に、方法700はステップ706に進み、較正済み各レーザベースステーションが、動作モードでその位置および基準方位角を送信するレーザ信号を投射する。
【0053】
一実施形態において、複数のレーザベースステーションのうちの1つ以上(例えば、すべて)は、レーザ測定システムの完全性を損なうことなく、新たな位置(例えば、フィールド、作業現場など)に再配置されてもよい。いったん複数のレーザベースステーションが較正されると、複数のレーザベースステーションのいずれかは、新たな位置に一度に1つずつ再配置されてもよい。再配置は、一度に静止しているベースステーションが少なくとも2つ存在する場合に可能となる。いったん再配置されると、再配置されたレーザベースステーションは、方法700の工程を実行して、元の基準座標系内におけるその新たな位置を決定してもよい。
【0054】
図8は、一以上の実施形態におけるレーザ測定システム内の複数のレーザベースステーションから受信されたレーザ信号に基づいてレーザ測定システム内のレーザ受光器の位置を決定するための方法800を示す。一実施形態において、方法800は、
図6のステップ604において実行される。方法800の各ステップは、レーザ受光器(例えば、
図1におけるレーザ受光器104)によって実行されてもよい。一実施形態において、複数のレーザベースステーションは、例えば
図7の方法700に従って事前較正済みの第1のレーザベースステーションと第2のレーザベースステーションとを含む。なお、複数のレーザベースステーションは2つ以上のレーザベースステーションを含んでもよく、方法800が第1および第2のレーザベースステーションに限定されないことを理解されたい。
【0055】
ステップ802において、第1のレーザベースステーションから第1のレーザ信号が検出される。第1のレーザ信号は、第1のレーザベースステーションに関連する水平角やデータストリームを用いて(例えば、位相または周波数)変調されてもよい。データストリームは、第1のレーザベースステーションの識別子、第1のレーザベースステーションの座標、第1のレーザベースステーションの基準方位角、第1のレーザベースステーションのレーザヘッド較正データ、他のレーザベースステーションから受信されたレーザ信号の水平角および垂直角、該レーザベースステーションの識別子や任意の他の関連情報を含んでもよい。一実施形態において、第1のレーザ信号は、複数のN字形ビーム(例えば、
図2におけるN字形ビーム208)を含む。
【0056】
ステップ804において、検出された第1のレーザ信号から、基準座標系における第1のレーザベースステーションに関連する位置情報が抽出される。第1のレーザベースステーションに関連する位置情報は、第1のレーザベースステーションに関連する水平角と、第1のレーザベースステーションに関連する垂直角と、第1のレーザベースステーションに関連する基準方位角と、第1のレーザベースステーションに関連する座標と、を含んでもよい。一実施形態において、第1のレーザベースステーションに関連する位置情報は、2019年10月28日に出願された米国特許出願第16/665118号明細書に記載される(その開示内容全体をここに参照により援用する)ように決定できる。
【0057】
一実施形態において、第1のレーザベースステーションに関連する垂直角φは、N字形の第1のレーザ信号の複数のビームのそれぞれの受光時間に基づいて決定される。例えば、垂直角φは、以下の式1に従って算出してもよい。
(式1)
ここで、kを複数のN字形のビームの物理的アライメント(例えば、中間傾斜ビームの角度(例えば、
図2におけるビーム210-Cの角度212))を示す係数とし、t
12を、複数のN字形のビームのうちの第1のビームと中間傾斜ビーム(例えば、ビーム210-Aと210-C)との間の検出時間差とし、t
23を複数のN字形のビームのうちの中間傾斜ビームと第3のビーム(例えば、ビーム210-Cと210-B)との間の検出時間差とする。
【0058】
一実施形態において、第1のレーザベースステーションに関連する水平角θは、N字形の第1のレーザ信号の変調に基づいて決定される。例えば、第1のレーザベースステーションは、4つのサブキャリアを用いてレーザ信号を変調してもよい。変調された信号(TxSignal)は、以下の式2で表される。このとき、Aを第1のレーザベースステーションの送光器(そのエンコーダから)の瞬間ヘッド回転角とし、Cをキャリア位相とし、Sをサブキャリア位相とし、P1、P2、P3、P4を変調されたサブキャリア信号の位相とする。
(式2)
ここで、
、
、
、および
とする。水平角θは、以下の式3に従って算出してもよい。
(式3)
【0059】
一実施形態において、第1のレーザベースステーションに関連する座標(例えば、3次元デカルト座標)は、第1のレーザ信号を復調することによって決定される。特に、第1のレーザ信号を復調することにより、第1のレーザベースステーションに関連する座標を含むデータストリームを抽出してもよい。
【0060】
ステップ806において、第2のレーザベースステーションから第2のレーザ信号が検出される。第2のレーザ信号は、第2のレーザベースステーションに関連する水平角やデータストリームを用いて(例えば、位相または周波数)変調されてもよい。データストリームは、第2のレーザベースステーションの識別子、第2のレーザベースステーションの座標、第2のレーザベースステーションの基準方位角、第2のレーザベースステーションのレーザヘッド較正データ、他のレーザベースステーションから受信されたレーザ信号の水平角および垂直角、該レーザベースステーションの識別子や任意の他の関連情報を含んでもよい。一実施形態において、第2のレーザ信号は、複数のN字形のビーム(例えば、
図2におけるN字形ビーム208)を含む。
【0061】
ステップ808において、基準座標系における第2のレーザベースステーションに関連する位置情報が、検出された第2のレーザ信号から抽出される。第2のレーザベースステーションに関連する前記位置情報は、第2のレーザベースステーションに関連する水平角と、第2のレーザベースステーションに関連する垂直角と、第2のレーザベースステーションに関連する座標と、を含んでもよい。位置情報は、ステップ804において第1のレーザベースステーションに関連する位置情報について述べたように、検出された第2のレーザ信号から抽出されてもよい。
【0062】
ステップ810において、基準座標系におけるレーザ受光器の位置は、第1のレーザベースステーションに関連する復調された位置情報、第1のレーザベースステーションから測定された水平角および垂直角、第2のレーザベースステーションに関連する復調された位置情報、ならびに第2のレーザベースステーションから測定された水平角および垂直角に基づいて決定される。レーザ受光器の位置(座標)は、式4を用いて2つのレーザベースシステムから算出できる。
(式4)
ここで、
、
となるように
および
を各レーザベースステーションからの方向線に沿った受光器側投射点とする。
および
は、それぞれレーザベースステーションAおよびBの座標であり、D
aおよびD
bは、レーザベースステーションから投影点までの距離であり、
および
は、レーザベースステーションAおよびBからレーザ受光器への法線または方向である
および
である。ここで、a、b、およびcは、
、
、
の補助スカラーであり、
、
であり、θ
aおよびθ
bは複数のサブキャリアから測定された水平角であり、φ
aおよびφ
bはNビームの信号の時間差比から算出された垂直角である。レーザベースステーション座標
、
およびベースステーション基準方位角θ
Aref、θ
Brefは、両方のレーザベースステーションから送信されたデータストリームから復調される。
【0063】
2つ以上のベースステーションを有するシステムの場合、レーザ受光器の位置はすべてのペアの組合せ位置から平均化できる、または、最良適合勾配探索を結果として得られる位置を見出すのに用いることができる。
【0064】
図9は、一以上の実施形態におけるレーザ受光器がレーザベースステーションA、B、およびCから受信した信号を示すタイミング
図900である。タイミング
図900は、
図1を参照して説明するが、ここでレーザベースステーションAはレーザベースステーション102-Aに相当し、レーザベースステーションBはレーザベースステーション102-Bに相当し、レーザベースステーションCはレーザベースステーション102-Cに相当し、レーザ受光器はレーザ受光器104に相当する。
【0065】
タイミング
図900に示すように、レーザ受光器は、すべてのレーザベースステーションからレーザ信号を受信する。ベースステーション送光器が同期回転することにより、レーザ受光器は、信号を、時間領域で分離されたパルスとして受信する。レーザ受光器は、レーザ信号904から直接その水平角θ
Aおよび垂直角φ
A(レーザベースステーションAに対する)を測定し、レーザ信号904から復調されたデータストリーム902を受信する。データストリーム902は、レーザベースステーションAの識別子id(「A」)と、レーザベースステーションAの座標
と、レーザベースステーションAに関連する基準方位角θ
Arefと、(レーザベースステーションAに対する)レーザベースステーションBの水平角θ
BAおよび(レーザベースステーションAに対する)レーザベースステーションCの水平角θ
CAと、(レーザベースステーションAに対する)レーザベースステーションBの垂直角φ
BAおよび(レーザベースステーションAに対する)レーザベースステーションCの垂直角φ
CAとを含む。レーザベースステーションBおよびレーザベースステーションCからのレーザ信号から測定されて復調されたデータは、上述のレーザベースステーションAからのレーザ信号から測定されて復調されたデータと同様である。期間T906は、レーザ受光器がすべてのレーザベースステーションA、B、およびCの座標および基準方位角を収集するための時間を示すレーザ受光器初期化時間である。
【0066】
図10は、一以上の実施形態による、レーザ受光器1002を示す上位ブロック図である。一実施形態において、レーザ受光器1002は、
図1におけるレーザ受光器104であってもよい。なお、
図10が例示を目的としてレーザ受光器1002の機能的演算要素を概略的に示すレーザ受光器1002の上位表現であること、レーザ受光器1002がさらなる構造的または機能的要素とともに実施されてもよいことを理解されたい。
【0067】
レーザ受光器1002は、1つまたは複数のレーザ信号1016(例えば、
図2におけるN字形ビーム208)を検出して受信するための光検出部1008を含む。一実施形態において、光検出部1008は、
図4の光検出部402であってもよい。光検出部1008は、例えば、1つまたは複数の光検出器、フォトダイオードや他の任意の好適なデバイスを備えてもよい。レーザ信号1016を受信すると、光検出信号プロセッサ1006への入力として光検出信号が提供され、そこで、レーザ受光器1002によって光が受光されたか否かが判定される。当然のことながら、例えばアナログ-デジタル変換などの任意の必要な信号処理は、周知の方法で実行されてもよく、レーザ信号1016に重畳された任意の変調データは、プロセッサ1004と連動する光検出信号プロセッサ1006によって抽出され、分析される。電源1014は、周知の方法でレーザ受光器1002に電力を供給する。電源1014は、例えば、充電式電池(例えば、NiMH)またはアルカリ電池であってもよく、あるいは、例えば、レーザ受光器1002と関連する建設機械などの外部電源により電力供給されてもよい。メモリ1012は、プロセッサ1004によって実行されると、例えば
図8の方法800の各ステップなどの動作を実行するコンピュータプログラム指令(例えばコード)を記憶する。なお、当業者であれば、レーザ受光器1002が他の構造および構成要素(例えば、トランスインピーダンス増幅器、帯域通過フィルタ、復調器、アナログ-デジタル変換器)を有して実施されてもよいこと、
図10が例示を目的としたそのようなレーザ受光器の構成要素の上位表現であることを理解されるであろう。
【0068】
図11は、一以上の実施形態におけるレーザベースステーション1102を示す上位ブロック図である。一実施形態において、レーザベースステーション1102は、
図1におけるレーザベースステーション102であってもよい。なお、
図11が例示を目的としてレーザベースステーション1102の機能的演算要素を概略的に示すレーザベースステーション1102の上位表現であること、および、レーザベースステーション1102がさらなる構造的または機能的要素とともに実施されてもよいことを理解されたい。
【0069】
レーザベースステーション1102は、1つまたは複数のレーザ信号1114を回転照射(例えば、
図2におけるI字形ビームのN字形ビーム208)で投射するためのレーザ送光部1106を含む。一実施形態において、レーザ送光部1106は、
図3におけるレーザ送光部302であってもよい。レーザベースステーション1102は、レーザ信号1114上のデータを変調してもよい。ロータリエンコーダ1108は、レーザベースステーション1102におけるヘッドの瞬間角度(水平角)を測定する。また、レーザベースステーション1102は1つまたは複数のレーザ信号1120(例えば、
図2におけるN字形ビーム208)を検出し、受信するための光検出部1118を含む。一実施形態において、光検出部1118は、
図3における光検出部304であってもよい。レーザ信号1120を受信すると、光検出信号プロセッサ1116への入力として光検出信号が提供され、そこで、レーザ受光器1102によって光が受光されたか否かが判定される。
【0070】
電源1112は、周知の方法でレーザベースステーション1102に電力を供給する。電源1112は、例えば、充電式電池(例えば、NiMH)またはアルカリ電池であってもよく、あるいは、例えば、レーザベースステーション1102に関連する建設機械などの外部電源により電力供給されてもよい。メモリ1110は、プロセッサ1104によって実行されると、例えば
図7の方法700の各ステップなどの動作を実行するコンピュータプログラム指令(例えばコード)を記憶する。なお、当業者であれば、レーザベースステーション1102が他の構造を有してもよいこと、他の構成要素を含んで実施されてもよいこと、および、
図11がそのようなレーザベースステーションのいくつかの構成要素を上位表現で例示することを目的としていることは理解されるであろう。
【0071】
本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、デジタル回路を用いて、または周知のコンピュータプロセッサ、メモリユニット、記憶装置、コンピュータソフトウェアや他の構成要素を用いる1つまたは複数のコンピュータを用いて実現できる。通常、コンピュータは、指令を実行するためのプロセッサと、指令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリとを備える。コンピュータはまた、1つまたは複数の磁気ディスク、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスク、光磁気ディスク、光ディスクなどの1つまたは複数の大容量記憶装置を含んでもよく、それらに結合されてもよい。
【0072】
本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、クライアントーサーバ関係において動作するコンピュータを用いて実現してもよい。通常、そのようなシステムでは、クライアントコンピュータはサーバコンピュータの遠隔に配置され、ネットワークを介して通信する。クライアントーサーバ関係は、それぞれのクライアントおよびサーバコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって規定され、制御されてもよい。
【0073】
本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、ネットワークベースのクラウドコンピューティングシステム内で実現されてもよい。このようなネットワークベースのクラウドコンピューティングシステムでは、ネットワークに接続されたサーバまたは他のプロセッサが、ネットワークを介して1つまたは複数のクライアントコンピュータと通信する。クライアントコンピュータは、例えば、クライアントコンピュータ上に常駐して動作するネットワークブラウザアプリケーションを介してサーバと通信してもよい。クライアントコンピュータは、サーバ上にデータを記憶し、ネットワークを介してデータにアクセスしてもよい。クライアントコンピュータは、データの要求またはオンラインサービスの要求をネットワークを介してサーバに送信してもよい。サーバは、要求されたサービスを実行し、クライアントコンピュータにデータを提供してもよい。サーバはまた、クライアントコンピュータに指定された機能を実行させ(例えば、演算を実行させ)、指定のデータを画面上に表示させるのに適したデータを送信してもよい。例えば、サーバは、クライアントコンピュータに、本明細書に記載の方法およびワークフローの各ステップまたは機能のうちの1つ以上(
図6~
図8の機能のうちの1つ以上を含む)をクライアントコンピュータに実行させるのに適した要求を送信してもよい。本明細書に記載の方法およびワークフローの特定の各ステップまたは機能(
図6~
図8のステップまたは機能のうちの1つ以上を含む)は、ネットワークベースのクラウドコンピューティングシステム内のサーバまたは他のプロセッサによって実行されてもよい。本明細書に記載の方法およびワークフローの特定の各ステップまたは機能(
図6~
図8のステップのうちの1つ以上を含む)は、ネットワークベースのクラウドコンピューティングシステム内のクライアントコンピュータによって実行されてもよい。本明細書に記載の方法およびワークフローの各ステップまたは機能(
図6~
図8のステップのうちの1つ以上を含む)は、任意の組合せで、ネットワークベースのクラウドコンピューティングシステム内のサーバおよび/またはクライアントコンピュータによって実行されてもよい。
【0074】
本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、プログラマブルプロセッサに実行されるように、情報担体(例えば、非一時的機械読み取り可能な記憶装置)において有形具現化されたコンピュータプログラム製品を用いて実施されてもよく、 本明細書に記載の方法およびワークフローにおける各ステップ(
図6~
図8のステップまたは機能のうちの1つ以上を含む)は、そのようなプロセッサによって実行できる1つまたは複数のコンピュータプログラムを用いて実施されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータにおいて直接的または間接的に使用できる1組のコンピュータプログラム指令であり、それにより特定の動作を行う、または特定の結果をもたらす。コンピュータプログラムは、任意の方式のプログラミング言語(コンパイラ型言語やインタープリタ型言語を含む)で記載でき、任意の方式(スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、構成要素、サブルーチンや任意の演算環境での利用に適した他のユニットとしての方式を含む)で展開できる。
【0075】
なお、当業者であれば、
図10におけるレーザ受光器1002および
図11におけるレーザベースステーション1102が他の構造を有してもよいこと、他の構成要素を含んで実施されてもよいこと、ならびに、
図10および
図11がそのようなレーザ受光器およびレーザベースステーションのいくつかの構成要素を上位表現で例示することを目的としていることは理解されるであろう。例えば、レーザ受光器1002およびレーザベースステーション1102はまた、ネットワークを介して他のデバイスと通信するための1つまたは複数のネットワークインターフェースと、他のコンピュータまたはシステムとのユーザ通信を可能にする1つまたは複数の入出力装置(例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカ、ボタンなど)とを含んでもよい。そのような入出力装置は、プリンタ、スキャナ、ディスプレイ画面などの周辺機器を備えてもよい。例えば、入出力装置は、ユーザに情報を表示するための陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどの表示装置と、キーボードと、ユーザが入力できるマウスやトラックボールなどのポインティングデバイスと、を備えてもよい。
【0076】
プロセッサ1004および1104は、汎用マイクロプロセッサおよび専用マイクロプロセッサの両方を含んでもよく、単一のプロセッサまたは複数のプロセッサのうちの1つであってもよい。プロセッサ1004、1104は、例えば、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)を含んでもよい。プロセッサ1004および1104ならびに/またはメモリ1012および1110は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または1つもしくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備えてもよく、それらにより補完されてもよく、それらに組み込まれてもよい。
【0077】
メモリ1012および1110はそれぞれ、有形の非一時的コンピュータ読み取り記憶媒体を含み、それぞれ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR RAM)や他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの1つまたは複数の磁気ディスク記憶装置、光磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリ、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク読み取り専用メモリ(DVD-ROM)ディスクなどの半導体記憶装置や他の不揮発性ソリッドステートストレージデバイスなどの不揮発性メモリを含んでもよい。
【0078】
上記の詳細な説明は、あらゆる点で非限定的であり、例証的かつ例示的なものであることを理解されたい。本明細書に開示される本発明の範囲は、詳細な説明からではなく、特許法によって許容される最も広い範囲に従って解釈される請求項から判断されるべきである。ここにおいて記載及び示された実施形態は、本発明の原理を例示するものにすぎず、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく当業者が種々の変更を実施し得ることを理解されたい。当業者であれば、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な他の特徴の組み合わせを実施することが可能であろう。