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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】生体情報管理システム及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018165100
(22)【出願日】2018-09-04
(65)【公開番号】P2020036733
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-09-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 亮介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼本 淳
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 憲彦
(72)【発明者】
【氏名】田島 有美
(72)【発明者】
【氏名】礒田 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 咲由美
(72)【発明者】
【氏名】本城 友基
【合議体】
【審判長】加々美 一恵
【審判官】榎本 吉孝
【審判官】萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-228982(JP,A)
【文献】特開2000-296115(JP,A)
【文献】特開2014-155540(JP,A)
【文献】特開2003-319913(JP,A)
【文献】特開2014-94085(JP,A)
【文献】特開2014-229199(JP,A)
【文献】特表昭61-501493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
G06Q 50/22
G16H 10/00- 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報モニターと、
少なくとも前記生体情報モニターによって取得された生体情報を記憶する記憶装置と、
前記生体情報モニターによって形成されたアラーム情報に基づくアラームを表示する表示部を有する端末装置と、
を備える生体情報管理システムであって、
前記端末装置は、予め前記生体情報管理システムに登録された端末装置であるとともに、前記記憶装置から前記アラーム情報の要因となった生体情報を受信し、前記アラーム情報に基づくアラームと、前記アラーム情報の要因となった生体情報とを前記表示部に一緒に表示するものであり、
前記端末装置は、前記生体情報モニターから送信された前記アラーム情報を受信し、少なくとも受信した前記アラーム情報に含まれる患者識別情報及びアラーム発生時刻を前記記憶装置に送信し、
前記記憶装置は、記憶した生体情報の中から、前記端末装置から受信した前記アラーム情報に含まれる前記患者識別情報及び前記アラーム発生時刻に基づき、少なくとも前記アラーム情報の要因となった生体情報を読み出して、前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記記憶装置から受信した前記生体情報を前記アラームと一緒に表示し、
記端末装置は、前記アラーム情報の要因となった生体情報が現時点からどれくらい前の情報であるかを示す経過時間を表示
さらに、前記端末装置は、前記アラーム情報の要因となった生体情報と、当該生体情報とは時間的に不連続な最新の生体情報と、を一緒に表示可能である、
生体情報管理システム。
【請求項2】
前記アラーム情報には、アラームが発生した、患者ID及び時刻が含まれる、
請求項1に記載の生体情報管理システム。
【請求項3】
前記アラーム情報の要因となった前記生体情報は、アラームが発生している期間の心電図を含む、
請求項1又は2に記載の生体情報管理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、ナースコールシステムに属する無線端末装置である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の生体情報管理システム。
【請求項5】
前記記憶装置は、前記生体情報モニターの上位サーバーである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の生体情報管理システム。
【請求項6】
生体情報モニターからアラーム情報を受信するとともに、少なくとも当該アラーム情報に含まれる患者識別情報及びアラーム発生時刻を生体情報を記録する記憶装置に送信し、
前記記憶装置により、前記記憶装置からの前記患者識別情報及び前記アラーム発生時刻に基づいて読み出された、前記アラーム情報の要因となった生体情報を、前記記憶装置から受信し、
受信した生体情報をアラーム情報に基づくアラームと一緒に表示するとともに、前記アラーム情報の要因となった生体情報が現時点からどれくらい前の情報であるかを示す経過時間を表示さらに、前記アラーム情報の要因となった生体情報と、当該生体情報とは時間的に不連続な最新の生体情報と、を一緒に表示可能である、
端末装置。
【請求項7】
前記アラーム情報には、アラームが発生した、患者ID及び時刻が含まれる、
請求項6に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報管理システム及びそれに用いられる端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報モニターは、生体情報(例えば、心電図、血圧及び酸素飽和度など)の計測値及び波形を、表示部に一括表示することができる。生体情報モニターの例としては、病室などのベッドサイドに設置して使用されるベッドサイドモニター及びナースステーション(スタッフステーションとも呼ばれている)などに設置して使用されるセントラルモニターなどがある。生体情報モニターにより表示された計測値及び波形を見ることで、医療従事者(医師及び看護師など)は、患者の容体を把握することができる。
【0003】
また、生体情報モニターは一般的に、アラーム機能を備えている。アラーム機能とは、患者の生体情報を閾値と比較することで生体情報の異常を検知し、異常を検知したときに表示や音によってアラーム出力を行う機能である。このアラーム機能により、医療従事者は、患者の異常時に適切な措置を迅速にとることができる。このようなアラーム機能を備えた生体情報モニターは、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
生体情報モニターのアラームは、例えばナースコールシステムに送信される。ナースコールシステムでは、生体情報モニターからアラームを受信すると、看護師が携帯する携帯電話などにアラームが発生した患者IDや生体パラメータ名(HRアラーム、VFアラーム、SpOアラームなど)を送信する。これにより、看護師は、アラームが発生した患者の下に急行することができる。
【0005】
また、従来の生体情報管理システムとして、生体情報モニターが上位サーバーに接続され、さらにこの上位サーバーに電子カルテシステムが接続された、いわゆる統合型の生体情報管理システムが実現されている。この生体情報管理システムでは、上位サーバーに、各患者の生体情報やアラーム履歴が各患者の患者情報に紐付けられて記録される。この結果、例えば電子カルテシステムのユーザーは上位サーバーにアクセスすることで、各患者の生体情報やアラーム履歴を見ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-070257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ユーザーが自分の操作する端末に、上位サーバーに記憶されている生体情報やアラーム情報のうち、アラーム情報に関連した生体情報などを上位サーバーから読み出して表示させたい場合、ユーザーは煩雑な操作をする必要がある。具体的には、ユーザーは、例えば患者IDや床番号を入力し、さらには表示させたいアラーム情報や生体情報を特定する必要もある。
【0008】
上位サーバーはアラーム情報を履歴情報としては記憶しているが、ユーザーが膨大なアラーム履歴情報の中から所望のアラーム情報を見つけ出して特定することは容易ではない。特に、アラーム情報に関連した生体情報を見たい状況は、緊急時である場合が多く、煩雑な操作を行って時間をかけてアラーム情報に関連した生体情報を表示させることは、ユーザーにとって甚だ煩わしかった。
【0009】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、アラームに関連した生体情報を端末装置に容易に表示させることができる生体情報管理システム及び端末装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の生体情報管理システムの一つの態様は、
少なくとも生体情報モニターによって取得された生体情報を記憶する記憶装置と、
前記生体情報モニターによって形成されたアラーム情報を表示する表示部を有する端末装置と、
を備え、
前記端末装置は、前記記憶装置から前記アラーム情報に対応する生体情報を受信し、前記アラーム情報と、前記アラーム情報に対応する生体情報とを前記表示部に一緒に表示する。
【0011】
本発明の端末装置の一つの態様は、
生体情報モニターから、アラーム情報を受信するとともに、当該アラーム情報を生体情報を記録する記憶装置に送信し、
前記記憶装置から読み出された、前記アラーム情報に対応する生体情報を受信し、
受信した生体情報をアラーム情報と一緒に表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、端末装置が、記憶装置からアラーム情報に対応する生体情報を受信し、アラーム情報と、アラーム情報に対応する生体情報とを表示部に一緒に表示するようにしたので、アラームに関連した生体情報を端末装置に容易に表示させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係る生体情報管理システムの全体構成を示す概略的ブロック図
図2】ナースコールシステムの携帯電話に表示されるアラーム画像の表示例を示す図
図3】電子カルテシステムで表示されるアラーム着信履歴の例を示す図
図4】アラーム表示モードにおける表示例を示す図
図5】最新表示モードにおける表示例を示す図
図6】他の表示例を示す図
図7】他の実施の形態の生体情報管理システムの構成を示す概略的ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
<1>全体構成
図1は、本発明の実施の形態に係る医用システムの全体構成を示す概略的ブロック図である。図1の医用システムは、生体情報モニタリングシステム20及び生体情報管理システム100を有する。
【0016】
図1の医用システムは、各病棟に設けられた生体情報モニターが生体情報管理システム100の上位サーバー110によって統合されたいわゆる統合型システムである。
【0017】
各病棟A、Bには、セントラルモニター10、ベッドサイドモニター(BSモニター)11、テレメーター送信機12が設けられており、ベッドサイドモニター11及びテレメーター送信機12で取得された患者の生体情報がセントラルモニター10に集約される。これらセントラルモニター10、ベッドサイドモニター11及びテレメーター送信機12は、全て生体情報モニターと呼ぶことができる。
【0018】
各病棟A、Bのセントラルモニター10に集約された生体情報及びアラーム情報は、上位サーバー110の記憶部111に記憶される。具体的には、上位サーバー110の記憶部111には、患者ID(患者識別情報)に紐付けられて、各患者の生体情報及びアラーム情報が記憶される。生体情報には、心電図などの波形や、計測値が含まれる。アラーム情報には、アラームが発生した、患者ID、生体パラメータ名(アラーム名と呼ぶこともある)及び時刻などが含まれる。
【0019】
図1の医用システムは、ナースコールシステムや電子カルテシステムなどの他システム120を有する。他システム120はセントラルモニター10及び上位サーバー110と有線で接続されている。なおこれらは無線で接続されていてもよい。
【0020】
セントラルモニター10は、アラームが発生すると、アラーム発生情報を他システム120に送信する。このアラーム発生情報には、患者ID、アラーム名(つまりアラームが発生した生体情報パラメータ名)、アラーム発生時刻などが含まれる。なお、「アラーム発生情報」は「アラーム情報」に含まれる。本明細書では、アラーム発生情報を含めてアラーム情報と呼ぶことがある。
【0021】
他システム120は、セントラルモニター10からアラーム発生情報を受信すると、アラームの内容を表示又は記録する。具体的には、他システム120がナースコールシステムの場合には、看護師の携帯電話などに、図2に示したような画像が表示される。また、他システムが電子カルテシステムの場合には、電子カルテシステムのサーバーなどに図3に示したようなアラーム着信履歴が記憶され、これを表示可能である。
【0022】
図2に示したように、ナースコールシステムの携帯電話には、着信日時「7/3 10:05:07」、部屋番号「101-3」、患者氏名「患者一郎」、患者ID「012345678」、アラーム名「HRアラーム」、その他の情報「診療科:内科 担当:看護師花子」、通話ボタン「通話」、確認ボタン「確認」などが表示される。
【0023】
図3に示したように、電子カルテシステムの端末の表示部には、着信日時「7/3 10:05:07」、部屋番号「101-3」、患者氏名「患者一郎」、アラーム名「HRアラーム」などが表示される。勿論、図3に示したようなアラーム着信履歴は、ナースコールシステムにおいて表示されてもよい。
【0024】
加えて、生体情報管理システム100は、端末装置130を有する。本実施の形態の端末装置130は、スマートフォンなどの無線端末装置である。端末装置130は、パソコンなどであってもよい。本実施の形態では、主に端末装置130が無線端末装置である場合について説明する。端末装置130は、表示部131及び通信部132を有する。勿論、端末装置130は、図示しない操作入力部や制御部などの他の構成要素も有する。通信部132は、上位サーバー110と無線通信が可能である。
【0025】
他システム120は、セントラルモニター10からアラーム発生情報を受信すると、このアラーム発生情報を上位サーバー110に送信する。より具体的には、他システム120は、アラーム発生情報と、端末装置130の識別情報であるユーザー情報とを、上位サーバー110に送る。
【0026】
上位サーバー110の通信部112は、アラーム発生情報及び端末装置130の識別情報を受信すると、記憶部111に記憶された情報の中から、アラーム発生情報に対応する生体情報を読み出して、この生体情報をアラーム情報とともに、ユーザー情報に対応する端末装置130に無線送信する。
【0027】
端末装置130は、通信部132によってアラーム情報及び生体情報を無線受信すると、このアラーム情報及び生体情報を表示部131に表示する。
【0028】
なお、他システム120に送信されるアラーム発生情報と、記憶部111に記憶されるアラーム情報は、同じものであってもよく、記憶部111に記憶されるアラーム情報はアラーム発生情報よりも詳しい情報であってもよい。実際上、他システム120に送信されるアラーム発生情報はセントラルモニター10から他システム120への通知が必要であると判断されたアラーム情報であるが、記憶部111に記憶されるアラーム情報は他システム120への通知が必要であると判断されたアラーム情報に加えて他システム120への通知が不要であると判断されたアラーム情報も含んでいる。
【0029】
<2>端末装置における表示
図4図5及び図6は、端末装置130が表示するアラーム情報及び生体情報の表示例を示す。
【0030】
図4及び図5の表示例は、アラーム表示モード(図4)と最新表示モード(図5)とを切り替えることができる表示例である。この表示例では、画面に「アラーム」及び「最新」のボタンが表示され、ユーザーが「アラーム」のボタンをタッチ操作すると図4の画像が表示され、ユーザーが「最新」のボタンをタッチ操作すると図5の画像が表示される。
【0031】
図4及び図5の画像において、画面の上部には患者の部屋番号「101-3」、患者氏名「患者一郎」、アラーム名「HR」、アラーム通知からの経過時間「16秒前」(図4)、「1分20秒前」(図5)が表示される。これらの表示情報は、図2及び図3の表示例からも明らかなように、従来のナースコールシステムの携帯電話や電子カルテシステムの画面にも表示されていたものである。
【0032】
本実施の形態の端末装置130においては、この従来の表示に加えて、生体情報も表示される。具体的には、図4のアラーム表示モードでは、アラーム発生時の計測値「HR30 SpO83 RR15」、心電図(図の例の場合、II誘導)、アラーム通知時点を示すマーク「◆HR」、アラーム発生日時「7/3 10:05:30」、アラーム発生期間を示す背景色(図4における心電図の塗りつぶし部分)などが表示される。因みに、アラーム表示モードにおいては、心電図として、アラーム発生時点の前後の心電図が表示される。また、計測値として、アラーム発生時点の計測値が表示される。
【0033】
さらに、アラーム発生時刻から現時点までの経過時間が表示される(図の例の場合、「HR 16秒前」)。ここで、表示される生体情報波形は、アラーム期間を含むものなので、場合によっては現時点から数時間前の波形であることもある。このような場合に、アラーム発生時刻から現時点までの経過時間が表示されていれば、ユーザーは表示されている生体情報波形が現時点からどの程度前のものかを即座に判断できる。なお、表示する経過時間は、アラーム発生時刻から現時点までの経過時間である必要はなく、アラームが通知されてから現時点までの経過時間であってもよい。要は、端末装置130が、アラーム情報に対応する生体情報が現時点からどれくらい前のものであるかを示す経過時間を表示すればよい。
【0034】
また、図5の最新表示モードでは、現時点の計測値「HR60 SpO94 RR19」、現時点までの心電図(図の例の場合、II誘導)、現在の日時(つまり最も新しく生体情報を計測した日時)「7/3 10:06:55」などが表示される。因みに、最新表示モード(図5)の心電図は、現時点に近い波形ほど下段側に表示される。また、最新表示モードでは、現時点からどれくらい前にアラームが発生したかが表示される(図の例の場合、「HR 1分20秒前」)。
【0035】
なお、図6に示したように、端末装置130が、図4のアラーム表示モードの画像と一緒に最新の心電図を表示するようにしてもよい。このようにすれば、アラームが発生したときの生体情報(心電図)と現時点の生体情報(心電図)とを同一画面上で比べることができるようになるので、ユーザーは患者の回復状態などを把握できるようになる。
【0036】
<3>まとめ
以上説明したように、本実施の形態によれば、端末装置130が、上位サーバー110からアラーム情報に対応する生体情報を受信し、アラーム情報と、アラーム情報に対応する生体情報とを表示部131に一緒に表示するので、端末装置130は、単にアラーム情報が表示されるだけでなく、生体情報が表示されることにより、ユーザーはアラームが発生した患者の容体を推測できるようになり、単にアラーム情報のみが表示された場合と比較して、患者の所に行くまでに様々な準備をすることも可能となる。
【0037】
ここで、本実施の形態の生体情報管理システム100は、従来からセントラルモニターからナースコールシステムなどに送信していたアラーム発生情報を利用して、上位サーバー110からそのアラーム発生情報(つまり、アラームが発生した、患者ID、生体パラメータ名及び時刻)に対応する生体情報を読み出し、この生体情報とアラーム情報を予め登録された端末装置130に送信するようにしたものである。これにより、端末装置130では、煩雑な操作を行うことなしにアラーム情報とそのアラーム情報に関連する生体情報が表示される。なお、アラーム発生情報に対応する生体情報を読み出す際には、生体パラメータ名を用いずに、アラームが発生した、患者ID及び時刻のみを用いてもよい。因みに、アラームが発生した時刻とは、生体情報モニターによってアラームが形成された時刻でもよいし、アラームが送信又は受信された時刻でもよい。ただし、システム内でどの時刻を用いるのかが決められていれることが好ましい。
【0038】
つまり、本実施の形態によれば、アラームに関連した生体情報をユーザー端末(端末装置130)に容易に表示させることができる生体情報管理システム100及び端末装置130を実現できる。
【0039】
<4>他の実施の形態
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することの無い範囲で、様々な形で実施することができる。
【0040】
<4-1>
上述の実施の形態では、端末装置130が他システム(ナースコールシステムや電子カルテシステム)120の外にある場合を例に説明したが、図7に示したように、端末装置130が他システム120に属する端末装置であってもよい。
【0041】
具体的には、端末装置130はナースコールシステムにおいて看護師が携帯する従来の携帯電話に代えて用いることができる。この場合の表示例について説明する。セントラルモニター10からアラーム発生情報が送信されると、このアラーム発生情報は直接あるいはナースコールシステムの通信部(図示せず)を介して端末装置130の通信部132で受信される。この結果、端末装置130の表示部131には図2に示したような画像が表示される。
【0042】
端末装置130のユーザーが図2の「確認」のボタンをタッチ操作すると、表示部131には図4に示したような画像が表示される。具体的には、図2の「確認」のボタンがタッチ操作されると、端末装置130は、上位サーバー110にアラーム発生情報、ユーザー情報(つまり端末装置130のIDや端末装置130を使用しているユーザーのID)を送信し、上位サーバー110はこれらの情報に対応する生体情報を記憶部111から読み出して端末装置130に送信し、端末装置130はこの生体情報及びアラーム情報に基づく画像を表示する。なお、端末装置130は、アラーム発生情報を受信したときに、図2の画像を表示せずに、図4の画像を表示するようにしてもよい。従来は図2の「確認」のボタンは看護師がアラームを見たときに操作するボタンとして利用されているが、上記の例では生体情報を確認するためのボタンとして用いられている。勿論、「確認」のボタン以外に生体情報を表示させるための別の操作ボタンを設けてもよい。
【0043】
端末装置130の表示処理は、電子カルテシステムのパソコンなどの端末装置の表示処理として用いることができる。この場合の表示例について説明する。電子カルテシステムのサーバーには、図3に示したようなアラーム着信履歴が記憶され、電子カルテシステムの端末装置130はこれを表示可能である。端末装置130のユーザーが図3の「HRアラーム」のボタンを操作すると、その端末装置130には図4に示したような画像が表示される。具体的には、図3の「HRアラーム」のボタンが操作されると、端末装置130は、上位サーバー110にそのボタンに対応したアラーム発生情報と、ユーザー情報(つまり端末装置130のIDや端末装置130を使用しているユーザーのID)とを送信し、上位サーバー110はこれらの情報に対応する生体情報を記憶部111から読み出して端末装置130に送信し、端末装置130はこの生体情報及びアラーム情報に基づく画像を表示する。勿論、ここで述べたような図3に示したようなアラーム着信履歴の表示、及びそれに基づく生体情報の読み出しと表示は、電子カルテシステムに限らずナースコールシステムで行うようにしてもよい。
【0044】
<4-2>
上述の実施の形態では、生体情報モニターによって取得された患者のアラーム情報及び生体情報を記憶する記憶装置として上位サーバー110を例に挙げたが、記憶装置は上位サーバー110に限らない。要は、記憶装置は、生体情報モニターによって取得された生体情報を記憶しておき、この生体情報の中から、アラーム情報に対応する生体情報を読み出して送信できる構成であればよい。記憶装置は、アラーム情報に紐付けて生体情報を記憶している。
【0045】
<4-3>
上述の実施の形態では、セントラルモニター10がアラーム発生情報(アラーム情報)を送信する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ベッドサイドモニター11やテレメーター送信機12がアラーム発生情報(アラーム情報)を送信してもよい。
【0046】
<4-4>
上述の実施の形態では、端末装置130が表示する生体情報が心電図である場合について述べたが、生体情報として心電図以外の波形を表示してもよい。また、複数の異なる波形を同時に表示してもよい。この場合、例えば異なる波形を1行ごとに交互に表示すると好ましい。また、図4及び図5の表示において、波形部をスクロールすることで、表示する範囲を選択可能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、生体情報モニターから送られたアラーム情報を表示する端末装置を有する生体情報管理システムに適用し得る。
【符号の説明】
【0048】
10 セントラルモニター
11 ベッドサイドモニター(BSモニター)
12 テレメーター送信機
20 生体情報モニタリングシステム
100 生体情報管理システム
110 上位サーバー
111 記憶部
112 通信部
120 他システム
130 端末装置
131 表示部
132 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7