(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】イベント処理システム、処理装置、処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/20 20060101AFI20241001BHJP
G06F 11/07 20060101ALI20241001BHJP
G06F 15/177 20060101ALI20241001BHJP
G05B 9/03 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G06F11/20 620
G06F11/07 184
G06F15/177 Z
G05B9/03
(21)【出願番号】P 2020119611
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 健
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-012094(JP,A)
【文献】再公表特許第2008/105032(JP,A1)
【文献】特開2004-032224(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129075(WO,A1)
【文献】特開2013-161251(JP,A)
【文献】再公表特許第2008/105098(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/20
G06F 11/07
G06F 15/177
G05B 9/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下位監視装置が現用系の処理装置と待機系の処理装置とにイベント情報を送信し、前記現用系の処理装置が前記下位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を上位監視装置に送信するイベント処理システムにおける、処理装置であって、
下位監視装置から送信された下位イベント情報を受信し、処理装置が現用系である場合は受信した下位イベント情報を整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は受信した下位イベント情報を破棄する下位送受信手段と、
処理装置が現用系である場合は受信した下位イベント情報を記憶手段に記憶させ、記憶させたイベント情報と同一のイベント情報を待機系の処理装置の整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は現用系の処理装置の整合手段から受信したイベント情報を記憶手段に記憶させる整合手段と、
を備える、処理装置。
【請求項2】
前記整合手段は、前記処理装置が待機系から現用系に切り替わった場合に、前記下位監視装置から送信されたイベント情報のうち、前記記憶手段に記憶されていないイベント情報を、前記下位監視装置から取得し、取得したイベント情報を、前記記憶手段、及び、前記待機系の処理装置の記憶手段に記憶させる、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記上位監視装置が前記現用系の処理装置と前記待機系の処理装置とにイベント情報を送信し、前記現用系の処理装置が前記上位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を前記下位監視装置に
送信する前記イベント処理システムにおける、処理装置であって、
上位監視装置から送信された上位イベント情報を受信し、処理装置が現用系である場合は受信した上位イベント情報を整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は受信した上位イベント情報を破棄する上位送受信手段を備え、
前記整合手段は、処理装置が現用系である場合は受信した上位イベント情報を記憶手段に記憶させ、記憶させたイベント情報と同一のイベント情報を待機系の処理装置の整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は現用系の処理装置の整合手段から受信したイベント情報を記憶手段に記憶させる、
請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記整合手段は、前記処理装置が待機系から現用系に切り替わった場合に、前記上位監視装置から送信されたイベント情報のうち、前記記憶手段に記憶されていないイベント情報を、前記上位監視装置から取得し、取得したイベント情報を、前記記憶手段、及び、前記待機系の処理装置の前記記憶手段に記憶させる、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
さらに、前記処理装置が現用系として動作する場合に、前記下位監視装置から送信されたイベント情報に所定の処理を行う処理手段を備え、
当該所定の処理により得られた結果をイベント情報として、前記上位監視装置に送信する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
さらに、前記処理装置が現用系として動作する場合に、前記処理手段は、前記上位監視装置から送信されたイベント情報に所定の処理を行い、
当該所定の処理により得られた結果をイベント情報として、前記下位監視装置に送信する、
請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の処理装置であって、前記現用系の処理装置および前記待機系の処理装置と、
管理する制御対象から収集したイベントについてイベント情報を生成し、前記現用系の処理装置と前記待機系の処理装置とに送信する、下位監視装置と、
前記現用系の処理装置から受信したイベント情報を表示する、上位監視装置と、
を含むイベント処理システム。
【請求項8】
下位監視装置が現用系の処理装置と待機系の処理装置とにイベント情報を送信し、前記現用系の処理装置が前記下位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を上位監視装置に送信するイベント処理システムにおける、処理装置の処理方法であって、
下位監視装置から送信された下位イベント情報を受信し、処理装置が現用系である場合は受信した下位イベント情報を整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は受信した下位イベント情報を破棄し、
処理装置が現用系である場合は受信した下位イベント情報を記憶手段に記憶させ、記憶させたイベント情報と同一のイベント情報を待機系の処理装置の整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は現用系の処理装置の整合手段から受信したイベント情報を記憶手段に記憶させる、
処理方法。
【請求項9】
下位監視装置が現用系の処理装置と待機系の処理装置とにイベント情報を送信し、前記現用系の処理装置が前記下位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を上位監視装置に送信するイベント処理システムにおける、処理装置のプログラムであって、
コンピュータに、
下位監視装置から送信された下位イベント情報を受信し、処理装置が現用系である場合は受信した下位イベント情報を整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は受信した下位イベント情報を破棄し、
処理装置が現用系である場合は受信した下位イベント情報を記憶手段に記憶させ、記憶させたイベント情報と同一のイベント情報を待機系の処理装置の整合手段に送信し、処理装置が待機系である場合は現用系の処理装置の整合手段から受信したイベント情報を記憶手段に記憶させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イベント処理システム、処理装置、処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道会社における列車の運行管理等に用いられる監視制御システムでは、運転指令所や駅・車両基地等から、さまざまなイベント情報(信号)が処理装置に送信され、データベースに記憶される。処理装置は、データベースに記憶されたイベント情報や、当該イベント情報に対して運行管理に関するさまざまな処理を行った結果を、運転指令所や駅・車両基地等に送信する。ここで、処理装置は、障害時にイベント情報を保護するために、冗長化される。
【0003】
冗長化構成を有する監視制御システムとして、特許文献1には、監視情報の処理量が増大する緊急時において対処可能なように、二重化された監視制御装置にそれぞれ異なる処理を行わせる監視制御システムが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、現用系及び待機系の通信制御装置で個別に演算を行い、それらの演算データの精度を検証するサーバを設けることにより、通信制御装置の異常を早期に検出することができる監視制御システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平08-265319号公報
【文献】特開2012-114642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、上述のような、冗長化構成を有する監視制御システムでは、処理装置間でデータベースの内容を一致させるために、例えば、互いの処理装置のデータベースに記憶されているイベント情報を比較して整合する、整合処理を実施する必要がある。イベント情報が大量に発生する場合、処理装置において、このような整合処理は負荷が高くなり、上述の、イベント情報の送受信や、イベント情報に対して実行すべきさまざまな処理に対する影響が大きくなる。上述の特許文献1や特許文献2には、冗長化された監視制御装置や、通信制御装置、サーバ間で、このような整合処理を効率化する技術は開示されていない。
【0007】
本開示の目的の一つは、上述の課題を解決し、冗長化された処理装置間でのイベント情報の整合を効率的に行うことができる、イベント処理システム、処理装置、処理方法、及び、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様における処理装置は、下位監視装置が現用系の処理装置と待機系の処理装置とにイベント情報を送信し、前記現用系の処理装置が前記下位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を上位監視装置に送信するイベント処理システムにおける、処理装置であって、前記処理装置は、前記下位監視装置から送信されたイベント情報を記憶する記憶手段と、前記処理装置が現用系として動作する場合に、前記下位監視装置から受信したイベント情報を、前記記憶手段、及び、前記待機系の処理装置の記憶手段に記憶させる整合手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様における処理方法は、下位監視装置が現用系の処理装置と待機系の処理装置とにイベント情報を送信し、前記現用系の処理装置が前記下位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を上位監視装置に送信するイベント処理システムにおける、処理装置の処理方法であって、前記処理装置が現用系として動作する場合に、前記下位監視装置から受信したイベント情報を、前記現用系の処理装置の記憶手段に記憶させ、当該下位監視装置から受信したイベント情報を、前記待機系の処理装置の記憶手段に記憶させる。
【0010】
本開示の一態様におけるプログラムは、下位監視装置が現用系の処理装置と待機系の処理装置とにイベント情報を送信し、前記現用系の処理装置が前記下位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を上位監視装置に送信するイベント処理システムにおける、処理装置のプログラムであって、コンピュータに、前記処理装置が現用系として動作する場合に、前記下位監視装置から受信したイベント情報を、前記現用系の処理装置の記憶手段に記憶させ、当該下位監視装置から受信したイベント情報を、前記待機系の処理装置の記憶手段に記憶させる、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の効果は、冗長化された処理装置間でのイベント情報の整合を効率的に行うことができることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における、監視制御システム10の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態における、処理装置13の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態における、下位イベント情報処理を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態における、下位イベント情報の一例を示す図である。
【
図5】実施形態における、上位イベント情報処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態における、上位イベント情報の一例を示す図である。
【
図7】実施形態における、記憶部24に格納されるイベント情報の例を示す図である。
【
図8】実施形態における、系切り替え処理を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態における、記憶部24に記憶されるイベント情報の他の例を示す図である。
【
図10】第2の実施形態における、監視制御システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(監視制御システムの構成)
はじめに、実施形態における監視制御システムの構成の一例を説明する。
図1は、実施形態における、監視制御システム10の構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、監視制御システム10は、上位監視装置11、下位監視装置12_1~12_N、及び、処理装置13a、13bを含む。下位監視装置12_1~12_Nの各々は、制御対象を管理している。
【0015】
監視制御システム10では、処理装置13a、13bのうち、一方が現用系、他方が待機系として動作する。以下、処理装置13a、13bを、まとめて処理装置13とも記載する。また、下位監視装置12_1~12_Nを、まとめて下位監視装置12とも記載する。
【0016】
上位監視装置11は、通信ネットワーク等を介して、処理装置13a、及び、処理装置13bと、通信可能に接続されている。また、下位監視装置12_1~12_Nも、通信ネットワーク等を介して、処理装置13a、及び、処理装置13bと、通信可能に接続されている。さらに、下位監視装置12_1~12_Nの各々は、通信ネットワーク等を介して、管理する制御対象と、通信可能に接続されている。
【0017】
本実施の形態では、監視制御システム10が、鉄道会社における運行管理等に用いられる監視制御システムの場合を例に説明する。
【0018】
下位監視装置12は、各駅や車両基地等に備え付けられる、カメラや電源装置、無線機器(送信機及び受信機)、信号装置等の制御対象から、下位イベントを受信(収集)する。ここで、下位イベントは、例えば、制御対象が備えるセンサで検出したセンサ情報(例えば、カメラで撮像した周辺画像の画像情報)や、制御対象に入力された文字や音声等の入力情報である。また、下位イベントは、制御対象自体が検出した、当該制御対象の状態情報や障害情報(例えば、電源装置の状態)でもよい。また、下位イベントは、下位監視装置12が制御対象の死活監視により検出した、当該制御対象の状態情報や障害情報でもよい。下位監視装置12は、下位イベントに基づいて下位イベント情報を生成し、処理装置13a、及び、処理装置13bに送信する。また、下位監視装置12は、処理装置13aや処理装置13bから、制御対象に対する制御指令を含む上位イベント情報を受信し、制御対象に送信する。下位監視装置12は、例えば、各駅や車両基地等に配置されるが、それに限らず、各駅や車両基地以外の場所に配置されてもよい。
【0019】
上位監視装置11は、下位監視装置12から、下位イベント情報を受信し、オペレータ等に表示する。また、上位監視装置11は、上位イベント情報を生成し、処理装置13a、及び、処理装置13bに送信する。ここで、上位イベント情報は、例えば、制御対象に対するリモート操作(例えば、カメラの角度やズーム等の操作)、設定(例えば、電源装置の起動及び停止)、及び、定時処理等、制御対象に対する制御指示を示す制御情報である。また、上位イベント情報は、制御対象に出力させる画像や文字、音声等の、出力情報でもよい。上位監視装置11は、例えば、運転指令所等に配置されるが、それに限らず、運転指令所以外の場所に配置されてもよい。
【0020】
また、上位監視装置11は、処理装置13aや処理装置13bに、現用系と待機系との切り替えのための系切り替え指示を送信してもよい。
【0021】
以降、下位イベント情報及び上位イベント情報をまとめてイベント情報とも記載する。
【0022】
処理装置13は、下位監視装置12から送信された下位イベント情報、及び、上位監視装置11から送信された上位イベント情報を記憶する。
【0023】
また、処理装置13は、下位イベント情報を上位監視装置11へ送信する。ここで、処理装置13は、例えば、下位監視装置12から送信された下位イベント情報を上位監視装置11へ送信する。また、処理装置13は、下位監視装置12から送信された下位イベント情報等に対して、所定の処理を行い、当該所定の処理の結果を、新たな下位イベント情報として、上位監視装置11へ送信してもよい。
【0024】
また、処理装置13は、上位イベント情報を下位監視装置12へ送信する。ここで、処理装置13は、例えば、上位監視装置11から送信された上位イベント情報を下位監視装置12へ送信する。また、処理装置13は、上位監視装置11から送信された上位イベント情報等に対して、所定の処理を行い、当該所定の処理の結果を、新たな上位イベント情報として、下位監視装置12へ送信してもよい。
【0025】
ここで、所定の処理とは、イベント情報に対する、履歴生成処理や、検索処理、統計処理、フィルタリング処理、加工処理、変換処理、転送処理等である。例えば、処理装置13は、所定の処理として、下位監視装置12から送信された複数の下位イベント情報の履歴を表す履歴情報を生成する、履歴生成処理を行う。この場合、処理装置13は、生成された履歴情報を、新たな下位イベント情報として、上位監視装置11へ送信する。また、処理装置13は、所定の処理として、下位監視装置12から送信された複数の下位イベント情報から、上位監視装置11等から指定された条件の下位イベント情報を検索する、検索処理を行う。この場合、処理装置13は、検索された下位イベント情報を、新たな下位イベント情報として、上位監視装置11へ送信する。また、処理装置13は、所定の処理として、下位監視装置12から送信された複数の下位イベント情報から、上位監視装置11等から指定された条件の下位イベント情報のみを上位監視装置11に送信する、フィルタリング処理を行う。
【0026】
処理装置13a、及び、処理装置13bは、どちらも現用系、または、待機系として動作する。処理装置13は、自装置が待機系として動作している場合に、現用系として動作している処理装置13に障害が発生すると、待機系から現用系に切り替わって動作する。以下、現用系として動作している処理装置13を「現用系の処理装置13」、待機系として動作している処理装置13を「待機系の処理装置13」とも記載する。
【0027】
現用系の処理装置13は、下位監視装置12から受信した下位イベント情報を記憶するとともに、当該下位イベント情報を待機系の処理装置13にも送信し、記憶させる。また、現用系の処理装置13は、記憶された下位イベント情報や、記憶された下位イベント情報等に対する所定の処理の結果である、新たな下位イベント情報を、上位監視装置11へ送信する。
【0028】
また、現用系の処理装置13は、上位監視装置11から受信した上位イベント情報を記憶するとともに、当該上位イベント情報を待機系の処理装置13にも送信し、記憶された上位イベント情報等に対する所定の処理の結果である、新たな上位イベント情報を、下位監視装置12へ送信する。
【0029】
一方、待機系の処理装置13は、下位監視装置12から受信した下位イベント情報、及び、上位監視装置11から受信した上位イベント情報を破棄する。また、待機系の処理装置13は、現用系の処理装置13から受信したイベント情報を記憶する。
【0030】
(処理装置の構成)
次いで、
図2を参照しながら、処理装置13の構成を説明する。
図2は、実施形態における、処理装置13の構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、処理装置13aは、下位送受信部21a、上位送受信部22a、情報処理部23a、記憶部24a、整合部25a、及び、系間通信部26aを含む。同様に、処理装置13bは、下位送受信部21b、上位送受信部22b、情報処理部23b、記憶部24b、整合部25b、及び、系間通信部26bを含む。
【0032】
以下、下位送受信部21a、21bや、上位送受信部22a、22b、情報処理部23a、23b、記憶部24a、24b、整合部25a、25b、系間通信部26a、26bを、それぞれ、まとめて、下位送受信部21や、上位送受信部22、情報処理部23、記憶部24、整合部25、系間通信部26とも記載する。また、現用系の処理装置13のこれらの構成要素を、例えば、「現用系の下位送受信部21」、待機系の処理装置13のこれらの構成要素を、例えば、「待機系の下位送受信部21」のように記載する。
【0033】
下位送受信部21は、下位監視装置12から送信された下位イベント情報を受信する。ここで、現用系の下位送受信部21は、受信した下位イベント情報を、整合部25に送信する。一方、待機系の下位送受信部21は、受信した下位イベント情報を破棄する。
【0034】
また、現用系の下位送受信部21は、上位イベント情報を、下位監視装置12へ送信する。
【0035】
上位送受信部22は、上位監視装置11から送信された上位イベント情報を受信する。ここで、現用系の上位送受信部22は、受信した上位イベント情報を、整合部25に送信する。一方、待機系の上位送受信部22は、受信した上位イベント情報を破棄する。
【0036】
また、現用系の上位送受信部22は、下位イベント情報を、上位監視装置11へ送信する。
【0037】
現用系の整合部25は、下位送受信部21や上位送受信部22から受信した下位イベント情報や上位イベント情報を、記憶部24に記憶させる。また、現用系の整合部25は、記憶部24に記憶させた下位イベント情報や上位イベント情報と同一のイベント情報(複製)を、待機系の整合部25に送信する。待機系の整合部25は、現用系の整合部25から受信した下位イベント情報や上位イベント情報(複製)を、記憶部24に記憶させる。
【0038】
また、現用系の整合部25は、系切り替え時に、下位監視装置12や上位監視装置11から送信されたイベント情報のうちの、記憶部24に記憶されていないイベント情報を、下位監視装置12や上位監視装置11から取得する。
【0039】
記憶部24は、下位監視装置12から送信された下位イベント情報、及び、上位監視装置11から送信された上位イベント情報を記憶する。記憶部24は、例えば、データベースである。
【0040】
現用系の情報処理部23は、記憶部24に格納された下位イベント情報や上位イベント情報に対して、上述の所定の処理を行う。所定の処理は、オペレータ等により予め定められていてもよい。また、下位イベント情報や上位イベント情報に設けられた処理の項目により、当該イベント情報に対する所定の処理が指定されていてもよい。
【0041】
系間通信部26は、互いの処理装置13に対する死活監視を行う。系間通信部26は、例えば、死活の検知や運用状態の取得により、互いの処理装置13の状態が正常であるか否かを監視する。互いの処理装置13に対する死活監視は、定期的または不定期のどちらで行ってもよい。
【0042】
待機系の系間通信部26は、死活監視の結果、または、運用状態の取得の結果に基づいて、現用系の処理装置13の障害を検知した場合に、現用系の処理装置13に、系切り替えを指示するとともに、待機系の処理装置13の系切り替えを行う。
【0043】
次に、実施形態の動作について説明する。ここでは、
図1のように、処理装置13aが現用系で動作し、処理装置13bが待機系で動作しているものとする。
【0044】
(下位イベント情報処理)
監視制御システム10における、下位イベント情報処理について説明する。
【0045】
図3は、実施形態における、下位イベント情報処理を示すフローチャートである。下位イベント情報処理は、例えば、下位監視装置12が制御対象から下位イベントを受信(収集)した場合に実行される。
【0046】
ここで、
図4を参照して、下位イベント情報について説明する。
図4は、実施形態における、下位イベント情報の一例を示す図である。下位イベント情報は、
図4に示すように、例えば、送信元、送信先、イベントID(IDentifier)、送信日時、制御対象、及び、イベントの項目を含む。
【0047】
ここで、送信元は、下位イベント情報の送信元の下位監視装置12を示す識別子である。送信先は、下位イベント情報の送信先の上位監視装置11を示す識別子である。イベントIDは、下位イベント情報を識別する識別子である。イベントIDには、例えば、各下位監視装置12により、当該下位監視装置12がイベント情報を生成する度に、1を加算した値が付与される。送信日時は、例えば、下位監視装置12による、下位イベント情報の送信日時である。制御対象は、下位イベント情報を生成したイベントに関する制御対象を示す識別子である。イベントは、下位イベントの内容である。イベントには、例えば、上述のセンサ情報や、入力情報、状態情報、障害情報等が設定される。
【0048】
図3を参照すると、下位監視装置12は、現用系の処理装置13a及び待機系の処理装置13bに、下位イベント情報を送信する(ステップS11)。
【0049】
待機系の処理装置13bにおいて、下位送受信部21bは、受信した下位イベント情報を破棄する(ステップS12)。
【0050】
現用系の処理装置13aにおいて、整合部25aは、下位送受信部21aが受信した下位イベント情報を、記憶部24aに記憶させる(ステップS13)。整合部25aは、記憶部24aに記憶された下位イベント情報の複製を、待機系の処理装置13bに送信する(ステップS14)。
【0051】
待機系の処理装置13bにおいて、整合部25bは、現用系の処理装置13aから送信された下位イベント情報を受信し、記憶部24bに記憶させる(ステップS15)。
【0052】
現用系の処理装置13aにおいて、情報処理部23aは、記憶部24aに記憶された下位イベント情報に対して所定の処理を実行してもよい(ステップS16)。下位送受信部21aは、下位イベント情報(記憶部24aに記憶された下位イベント情報、または、所定の処理により得られた新たな下位イベント情報)を、上位監視装置11に送信する(ステップS17)。
【0053】
上位監視装置11は、受信した下位イベント情報を表示する(ステップS18)。
【0054】
例えば、下位監視装置12は、
図4の各下位イベント情報を処理装置13a及び処理装置13bに送信する。処理装置13aは、
図4の各下位イベント情報を記憶部24aと、処理装置13bの記憶部24bに記憶させる。そして、処理装置13aは、
図4の各下位イベント情報を上位監視装置11に送信する。
【0055】
これにより、
図4の各下位イベント情報が、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶される。すなわち、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶される下位イベント情報は一致した状態となる。
【0056】
(上位イベント情報処理)
次に、監視制御システム10における、上位イベント情報処理について説明する。
図5は、実施形態における、上位イベント情報処理を示すフローチャートである。上位イベント情報処理は、例えば、上位監視装置11が、制御対象に対して制御指示を行う場合に実行される。
【0057】
ここで、
図6を参照して、上位イベント情報について説明する。
図6は、実施形態における、上位イベント情報の一例を示す図である。上位イベント情報は、例えば、送信元、送信先、イベントID、送信日時、制御対象、及び、イベントの項目を含む。
【0058】
ここで、送信元は、上位イベント情報の送信元の上位監視装置11を示す識別子である。送信先は、上位イベント情報の送信先の下位監視装置12を示す識別子である。イベントIDは、上位イベント情報を識別する識別子である。イベントIDには、例えば、上位監視装置11により、当該上位監視装置11がイベント情報を生成する度に、1を加算した値が付与される。送信日時は、例えば、上位監視装置11による、上位イベント情報の送信日時である。制御対象は、上位イベント情報による制御対象を示す識別子である。イベントは、上位イベントの内容である。イベントには、例えば、上述の制御情報や、出力情報等が設定される。
【0059】
図5を参照すると、上位監視装置11は、現用系の処理装置13a、及び、待機系の処理装置13bに、上位イベント情報を送信する(ステップS21)。待機系の処理装置13bにおいて、上位送受信部22bは、受信した上位イベント情報を破棄する(ステップS22)。
【0060】
現用系の処理装置13aにおいて、整合部25aは、上位送受信部22が受信した下位イベント情報を、記憶部24aに記憶させる(ステップS23)。整合部25aは、記憶部24aに記憶された上位イベント情報の複製を、待機系の処理装置13bに送信する(ステップS24)。
【0061】
待機系の処理装置13bにおいて、整合部25bは、現用系の処理装置13aから送信された上位イベント情報を受信し、記憶部24bに記憶させる(ステップS25)。
【0062】
現用系の処理装置13aにおいて、情報処理部23aは、記憶部24aに記憶された上位イベント情報に対して所定の処理を実行してもよい(ステップS26)。下位送受信部21aは、上位イベント情報(記憶部24aに記憶された上位イベント情報、または、所定の処理により得られた新たな上位イベント情報)を、下位監視装置12に送信する(ステップS27)。
【0063】
下位監視装置12は、受信した上位イベント情報で示される制御対象に、当該上位イベント情報を送信する(ステップS28)。これにより、制御対象が制御される。
【0064】
例えば、上位監視装置11は、
図6の各上位イベント情報を処理装置13a、及び、処理装置13bに送信する。処理装置13aは、
図6の各下位イベント情報を記憶部24aと、処理装置13bの記憶部24bに記憶させる。そして、処理装置13aは、
図4の各上位イベント情報を下位監視装置12に送信する。
【0065】
これにより、
図6の各上位イベント情報が、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶される。すなわち、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶される上位イベント情報は一致した状態となる。
【0066】
図7は、実施形態における、記憶部24に記憶されるイベント情報の例を示す図である。ここで、イベント情報は、受信された順(送信日時T1~T8の順)に記憶されている。
【0067】
例えば、上述のような、下位イベント情報処理、及び、上位イベント情報処理が実行された結果、記憶部24a、及び、24bには、
図7のイベント情報が記憶される。すなわち、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶されるイベント情報は一致した状態となる。
【0068】
(系切り替え処理)
次に、監視制御システム10における、系切り替え処理について説明する。
図8は、実施形態における、切り替え処理を示すフローチャートである。系切り替え処理は、待機系の処理装置13を現用系に、現用系の処理装置13を待機系に切り替える処理である。系切り替え処理は、例えば、待機系の処理装置13が、死活監視等により現用系の処理装置13の障害発生を検知した場合に実行される。ここでは、現用系の処理装置13aに障害が発生し、その障害を、待機系の処理装置13bが検知した場合を例に説明する。
【0069】
現用系の系間通信部26a及び待機系の系間通信部26bは、互いに、死活監視を行う(ステップS31、S32)。待機系の系間通信部26bは、現用系の処理装置13aの障害を検知する(ステップS33)。待機系の系間通信部26bは、現用系の系間通信部26aに、系切り替え指示を行う(ステップS34)。
【0070】
ここで、待機系の系間通信部26bは、上位監視装置11に、現用系の処理装置13aの障害検知を通知してもよい。また、待機系の系間通信部26bの代わりに、上位監視装置11が、現用系の処理装置13aからの障害発生通知や、待機系の処理装置13bからの障害検知通知、オペレータからの操作に応じて、現用系の処理装置13a、及び、待機系の処理装置13bに系切り替え指示を行ってもよい。
【0071】
現用系の処理装置13aは待機系に切り替わる(ステップS35)。ここで、系間通信部26aは、下位送受信部21a、及び、上位送受信部22aに現用動作停止を通知する。これにより、下位送受信部21aは、受信する下位イベント情報の破棄を開始し、上位送受信部22aは、受信する上位イベント情報の廃棄を開始する(ステップS36)。
【0072】
一方、待機系の処理装置13bは、現用系に切り替わる(ステップS37)。ここで、系間通信部26bは、下位送受信部31b、及び、上位送受信部32bに現用動作開始を通知する。これにより、下位送受信部21bは、下位イベント情報の受信を開始し、上位送受信部22bは、上位イベント情報の受信を開始する(ステップS38)。
【0073】
ここで、現用系の処理装置13aに障害が発生してから、系切り替えが終了するまでの間、下位監視装置12や上位監視装置11から送信されたイベント情報は、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶されていない可能性がある。そこで、新たな現用系の処理装置13bは、以下のように、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶されていないイベント情報を、下位監視装置12や上位監視装置11から取得する。
【0074】
新たな現用系の処理装置13bの整合部25bは、各下位監視装置12から送信された下位イベント情報のうち、記憶部24bに記憶されていない下位イベント情報の再送信を、当該下位監視装置12に要求する(ステップS39)。ここで、整合部25bは、例えば、各下位監視装置12について、系切り替えが終了した時点で記憶部24bに記憶されている、当該下位監視装置12から送信された下位イベント情報のうちの最新の下位イベント情報のイベントIDを、当該下位監視装置12に送信する。
【0075】
各下位監視装置12は、要求された下位イベント情報を、処理装置13bに再送信する(ステップS40)。ここで、下位監視装置12は、例えば、処理装置13bから受信したイベントID以降の、送信済みの最新のイベントIDまでの下位イベント情報を、処理装置13bに再送信する。
【0076】
同様に、整合部25bは、各上位監視装置11から送信された上位イベント情報のうち、記憶部24bに記憶されていない上位イベント情報の再送信を、当該上位監視装置11に要求する(ステップS41)。ここで、整合部25bは、例えば、各上位監視装置11について、系切り替えが終了した時点で記憶部24bに記憶されている、当該上位監視装置11から送信された下位イベント情報のうちの最新の下位イベント情報のイベントIDを、当該上位監視装置11に送信する。
【0077】
各上位監視装置11は、要求された上位イベント情報を、処理装置13bに再送信する(ステップS42)。ここで、上位監視装置11は、例えば、処理装置13bから受信したイベントID以降の、送信済みの最新のイベントIDまでの上位イベント情報を、処理装置13bに再送信する。
【0078】
これらの再送信されたイベント情報に対しても、上述のイベント情報処理が、処理装置13aを待機系、処理装置13bを現用系として、実行される。
【0079】
図9は、実施形態における、記憶部24に記憶されるイベント情報の他の例を示す図である。
【0080】
下位監視装置12、及び、上位監視装置11が、それぞれ、
図4の下位イベント情報、及び、
図6の上位イベント情報を送信したときに、上述の現用系の処理装置13aの障害により、系切り替えが行われたとする。その結果、新たな現用系の処理装置13bの記憶部24bには、
図9のようなイベント情報が記憶されているとする。
【0081】
この場合、整合部25bは、下位監視装置12「下位1」、「下位2」、「下位3」に、それぞれ、イベントID「D11」、「D21」、「D31」とともに、下位イベント情報の再送信を要求する。下位監視装置12「下位1」、「下位2」は、イベントID「D12」、「D22」の下位イベント情報を再送信する。
【0082】
同様に、整合部25bは、上位監視装置11「上位」に、イベントID「U12」とともに、上位イベント情報の再送信を要求する。上位監視装置11「上位」は、イベントID「U13」の上位イベント情報を再送信する。
【0083】
この結果、再送信されたイベント情報について、上述のイベント情報処理が行われ、記憶部24a、24bには、
図7のイベント情報が記憶される。すなわち、記憶部24a、及び、記憶部24bに記憶されるイベント情報は、処理層著13の障害中や系切り替え中に送信されたイベント情報も含み、かつ、一致した状態となる。
【0084】
以降、上述のイベント情報処理が、処理装置13aを待機系、処理装置13bを現用系として、実行される。
【0085】
以上により、実施形態の動作が完了する。
【0086】
上述の実施形態では、整合部25が、系切り替えが終了した時点で記憶部24に記憶されている最新のイベントIDを指定して、下位監視装置12や上位監視装置11にイベント情報の再送信を要求した。しかしながら、これに限らず、整合部25は、記憶部24に記憶されているイベントIDの不連続(抜け)を検出して、抜けているイベントIDを指定することで、イベント情報の再送信を要求してもよい。また、整合部25は、障害発生時刻と系切り替え終了時刻を指定することで、それらの時刻間に送信されたイベント情報の再送信を要求してもよい。また、整合部25は、系切り替えが終了した時点より所定期間前の間に送信された全てのイベント情報の再送信を要求してもよい。
【0087】
また、上述の実施の形態では、監視制御システム10が、鉄道会社における運行管理等に用いられる監視制御システムである場合を例に説明した。しかしながら、それに限らず、イベント情報を冗長化された処理装置が記憶するシステムであれば、監視制御システム10は、空港や港湾、道路、ビルの管理等、他のインフラやサービスの管理に用いられるシステムでもよい。
【0088】
(実施形態の基本的な構成)
上述の実施形態の基本的な構成について説明する。
【0089】
図10は、実施形態の基本的な構成を示すブロック図である。
【0090】
図10において、処理装置13は、次のようなイベント処理システムにおいて用いられる。すなわち、処理装置13が用いられるイベント処理システムは、下位監視装置が現用系の処理装置13と待機系の処理装置13とにイベント情報を送信し、現用系の処理装置13が下位監視装置から送信されたイベント情報に基づくイベント情報を上位監視装置に送信する、イベント処理システムである。
【0091】
図10参照すると、処理装置13は、記憶部24、及び、整合部25を含む。記憶部24、及び、整合部25は、それぞれ、記憶手段、及び、整合手段の一実施形態である。
【0092】
記憶部24は、下位監視装置12から送信されたイベント情報を記憶する。整合部25は、自装置が現用系として動作する場合に、下位監視装置12から受信したイベント情報を、自装置の記憶部24、及び、待機系の処理装置13の記憶部24に記憶させる。
【0093】
次に、実施形態の効果を説明する。
【0094】
実施形態によれば、冗長化された処理装置間でのイベント情報の整合を効率的に行うことができる。その理由は、処理装置13において、記憶部24が、下位監視装置12から送信されたイベント情報を記憶し、整合部25が、自装置が現用系として動作する場合に、下位監視装置12から受信したイベント情報を、自装置の記憶部24、及び、待機系の処理装置13の記憶部24に記憶させるためである。
【0095】
(ハードウェア構成)
上述した実施形態において、処理装置13の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。処理装置13の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0096】
図11、はコンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図11を参照すると、コンピュータ500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、プログラム504、記憶装置505、ドライブ装置507、通信インタフェース508、入力装置509、出力装置510、入出力インタフェース511、及び、バス512を含む。
【0097】
プログラム504は、処理装置13の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム504は、予め、ROM502やRAM503、記憶装置505に格納される。CPU501は、プログラム504に含まれる命令を実行することにより、処理装置13の各機能を実現する。例えば、処理装置13のCPU501がプログラム504に含まれる命令を実行することにより、下位送受信部21、上位送受信部22、情報処理部23、整合部25、及び、系間通信部26の機能を実現する。また、例えば、処理装置13のRAM503が、記憶部24のデータを記憶してもよい。
【0098】
ドライブ装置507は、記録媒体506の読み書きを行う。通信インタフェース508は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置509は、例えば、マウスやキーボード等であり、オペレータ等からの情報の入力を受け付ける。出力装置510は、例えば、ディスプレイであり、オペレータ等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース511は、周辺機器とのインタフェースを提供する。バス512は、これらハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム504は、通信ネットワークを介してCPU501に供給されてもよいし、予め、記録媒体506に格納され、ドライブ装置507により読み出され、CPU501に供給されてもよい。
【0099】
なお、
図11に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0100】
処理装置13の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、処理装置13は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、処理装置13が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0101】
また、処理装置13の各構成要素の一部または全部は、プロセッサ等を含む汎用または専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現されてもよい。これらの回路は、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。処理装置13の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0102】
また、処理装置13の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0103】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
10 監視制御システム
11 上位監視装置
12 下位監視装置
13 処理装置
21 下位送受信部
22 上位送受信部
23 情報処理部
24 記憶部
25 整合部
26 系間通信部
500 コンピュータ
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 プログラム
505 記憶装置
506 記録媒体
507 ドライブ装置
508 通信インタフェース
509 入力装置
510 出力装置
511 入出力インタフェース
512 バス