(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】パネル装置
(51)【国際特許分類】
G09F 13/04 20060101AFI20241001BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20241001BHJP
【FI】
G09F13/04 J
B60K35/00
(21)【出願番号】P 2020131707
(22)【出願日】2020-08-03
【審査請求日】2023-02-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石原 彰人
(72)【発明者】
【氏名】野村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】坂井 祐紀
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-268801(JP,A)
【文献】特許第6350489(JP,B2)
【文献】特開2002-213997(JP,A)
【文献】実開平03-129992(JP,U)
【文献】実開昭54-115887(JP,U)
【文献】特開平09-230799(JP,A)
【文献】特開2019-028389(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0066660(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0101738(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/04
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有色透明又は無色透明のパネル部と、
前記パネル部に表示する表示体を象った孔を有する遮光層と、
前記パネル部の背面から光を照射して、前記孔を通過する光によって、前記パネル部に前記表示体を表示する光源部と、
周囲の光を減衰することにより、前記遮光層による有色化を補填する光減衰層とを備え、
前記光減衰層は、前記光源部及び前記遮光層の間に配置され
、
前記光減衰層は、前記孔としての窓枠と連通するように貫設されるとともに前記窓枠よりも大きい光通過部を備えたパネル装置。
【請求項2】
前記光減衰層は、前記遮光層の裏面に設けられている
請求項1に記載のパネル装置。
【請求項3】
前記孔としての前記窓枠と、
前記パネル部の背面から前記窓枠を介して前記パネル部に前記表示体としての画像を投影することにより、前記パネル部に前記画像を表示する前記光源部としての画像表示部と、を含むディスプレイ部を備えた請求項1又は2に記載のパネル装置。
【請求項4】
前記表示体としてのマークの形状を象った前記孔としてのマーク用孔部と、
前記パネル部の背面から前記マーク用孔部に光を照射して、前記マーク用孔部の形状に応じた前記マークを前記パネル部に表示する前記光源部としての投光部と、
前記マーク用孔部の内部に配置され、前記マークを狙い位置とした前記パネル部へのタッチ操作を検知する検知部と、を含むシンボル部を備えた請求項1~3のうちいずれか一項に記載のパネル装置。
【請求項5】
光を拡散する拡散シートを備え、
前記拡散シートは、減衰層と光源との間に配置される
請求項1~4のうちいずれか一項に記載のパネル装置。
【請求項6】
前記表示体としてのインジケータの形状を象った前記孔としてのインジケータ用孔部と、
前記パネル部の背面から前記インジケータ用孔部に光を照射して、前記インジケータ用孔部の形状に応じた前記インジケータを前記パネル部に表示する前記光源部としての投光部と、を含むインジケータ部を備えた請求項1~5のうちいずれか一項に記載のパネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示体を表示するパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載された機器を操作する際に使用される車両用のパネル装置として、例えば、特許文献1に開示された表示装置が周知である。この表示装置は、例えば、アウターパネル、液晶表示器、及び、表示形成板を備えている。表示装置は、液晶表示器によって表示される画像を、表示形成板を介してアウターパネルに投影することにより、種々の表示体をアウターパネルに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示形成板は、例えば、投光基材シート、遮光印刷層、及び、スモーク印刷層を備えている。ところで、この表示形成板では、スモーク印刷層の裏面に遮光印刷層が配置されている。この層配置順の構造をとる場合、層配置順を要因として、パネル装置の品質を確保できない可能性があった。
【0005】
例えば、パネル装置の外観において、スモーク印刷層及び遮光印刷層の段差が見えてしまう可能性があり、意匠性が低くなってしまう問題があった。また、アウターパネルをタッチ操作式とする場合、遮光印刷層の裏面に静電センサ等のシートを取り付けることになる。しかし、この構造の場合、このシートがスモーク印刷層及び遮光印刷層の境目でしっかりと固定されないことも想定され、センサ感度を確保できない可能性もあった。
【0006】
本発明の目的は、品質の確保を可能にしたパネル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するパネル装置は、有色透明又は無色透明のパネル部と、前記パネル部に表示する表示体を象った孔を有する遮光層と、前記パネル部の背面から光を照射して、前記孔を通過する光によって、前記パネル部に前記表示体を表示する光源部と、周囲の光を減衰することにより、前記遮光層による有色化を補填する光減衰層とを備え、前記光減衰層は、前記光源部及び前記遮光層の間に配置されている。
【0008】
[定義]孔は、窓枠、マーク用孔部、及び、インジケータ用孔部のうち、少なくとも1つを含む。表示体は、画像、マーク、及び、インジケータのうち、少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パネル装置において品質を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図7】従来位置付けのパネル装置の構成を示し、(a)はディスプレイ部の部分断面図、(b)はシンボル部の部分断面図。
【
図8】本例のパネル装置の構成を示し、(a)はディスプレイ部の部分断面図、(b)はシンボル部の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、パネル装置の一実施形態を説明する。なお、実施形態を説明する各図では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す。また、各部分の寸法比率についても、実際とは異なる場合がある。
【0012】
図1に示すように、車両1の運転席2は、車載された機器3の作動状態を切り換える際に操作するパネル装置4を備えている。パネル装置4は、パネル表示機能、タッチ操作機能、及び、インジケータ機能等を備えたパネル装置の一種である。パネル表示機能は、例えば、機器3の作動の現在状態を表示したり、機器3に係る意匠を表示したりする機能である。タッチ操作機能は、例えば、パネル装置4をタッチ操作することで機器3の作動状態を切り換える機能である。インジケータ機能は、例えば、点灯及び消灯の切り換わりによって機器3の作動状態を通知する機能である。機器3は、例えば、車内を空調するエアーコンディショナー装置5である。
【0013】
図2に示すように、パネル装置4は、パネル部8、光源部9、及び、遮光層10を備えている。パネル部8は、有色透明又は無色透明をなす。本例の場合、パネル部8は、有色透明である。パネル部8の背景は、例えば、遮光層10の色(黒印刷)に基づく黒色である。遮光層10は、パネル部8に表示する表示体13(
図1等参照)を象った孔12を有する。光源部9は、パネル部8の背面から光を照射して、孔12を通過した光によって、パネル部8に表示体13を表示する。
【0014】
図1に示す通り、パネル装置4は、ディスプレイ部16、シンボル部17、及び、インジケータ部18を備えている。ディスプレイ部16は、パネル装置4において機器3の作動の現在状態を表示する。シンボル部17は、パネル装置4のタッチ操作機能を実現する。インジケータ部18は、パネル装置4のインジケータ機能を実現する。なお、パネル装置4は、ディスプレイ部16、シンボル部17、及び、インジケータ部18のうち、少なくとも1つを備えていればよいが、本例の場合、3つ全てを備える構成とする。
【0015】
シンボル部17及びインジケータ部18は、互いに組をなすように設けられている。シンボル部17及びインジケータ部18は、1つずつで組をなしてもよいし、1つのシンボル部17に対してインジケータ部18が複数となった組み合わせでもよい。本例の場合、シートヒータ用のシンボル部17が複数(本例は3つ)のインジケータ部18を備えている。
【0016】
パネル装置4は、ディスプレイ部16に表示された各種機能の状態を切り換える際に操作するスイッチ部19を備えている。スイッチ部19は、例えば、トグルスイッチである。スイッチ部19は、ディスプレイ部16に表示された表示体13ごとに設けられている。本例の場合、スイッチ部19は、運転席温度調整用と、送風モード切換用と、風量調整用と、助手席温度調整用とが設けられている。
【0017】
図3に示すように、ディスプレイ部16は、孔12としての窓枠22と、光源部9としての画像表示部23とを備える。窓枠22は、光源部9と対向するように配置されている。画像表示部23は、パネル部8の背面から窓枠22を介してパネル部8に表示体13としての画像24を投影することにより、パネル部8に画像24を表示する。
【0018】
ディスプレイ部16の具体的な構成は、以下の通りである。パネル部8は、例えば、樹脂パネル25及び裏フィルム26を備えている。樹脂パネル25は、例えば、スモーク(光減衰部材)が入ったパネルである。裏フィルム26は、樹脂パネル25の裏面に貼り付けられ、例えば、透明フィルムが用いられる。パネル部8は、例えば、平板状又は曲面状のいずれでもよい。
【0019】
遮光層10は、例えば、裏フィルム26の裏面に設けられ、一例として、黒印刷によって形成されている。遮光層10は、例えば、裏フィルム26の裏面に印刷されている。遮光層10は、画像表示部23からのパネル部8に通さない素材から形成されている。遮光層10の製造方法は、例えば、塗装レーザ、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パッド印刷等が使用される。
【0020】
画像表示部23は、例えば、表示ユニット27、レンズ28、及び、発光素子29を備えている。表示ユニット27は、種々の画像を適宜表示可能な画像表示モジュール30を備えている。画像表示モジュール30は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)が挙げられるが、これ以外には、例えば有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)を用いてもよい。画像表示モジュール30の裏面には、局所的に設けられたテープ部材31を介して拡散シート32が取り付けられている。テープ部材31は、例えば、両面テープである。発光素子29は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。レンズ28は、発光素子29の輝度を上げるために設けられている。
【0021】
パネル装置4は、パネル部8の見た目の黒さを確保するための光減衰層37を備えている。光減衰層37は、いわゆるスモーク層であって、光源部9及び遮光層10の間に配置されている。本例の場合、光減衰層37は、遮光層10の裏面に設けられている。光減衰層37の製造方法は、例えば、塗装レーザ、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パッド印刷等が使用される。
【0022】
光減衰層37は、窓枠22と連通するように貫設された光通過部42を備えている。光通過部42は、例えば、窓枠22よりも大きな開口サイズ、又は、同じ大きさに形成されている。画像表示部23は、パネル部8の背面から光を照射して、窓枠22及び光通過部42を通過した光によって、パネル部8に画像24を表示する。
【0023】
図4に示すように、シンボル部17は、孔12としてのマーク用孔部33、光源部9としての投光部34、及び、検知部35を備えている。マーク用孔部33は、表示体13としてのマーク36の形状を象った孔部位である。投光部34は、パネル部8の背面からマーク用孔部33に光を照射して、マーク用孔部33の形状に応じたマーク36をパネル部8に表示する。検知部35は、マーク用孔部33の内部に配置され、マーク用孔部33を狙い位置としたパネル部8へのタッチ操作を検知する。
【0024】
シンボル部17の具体的な構成は、以下の通りである。マーク用孔部33は、遮光層10にマーク36の形状を象って形成された孔部位である。マーク36は、例えば機器3がエアーコンディショナー装置5の場合、フロントガラス曇り止め用、リヤガラス曇り止め用、シートヒータ用、オート作動用、内気用、外気用、エアコン用、オフ用などがある。光減衰層37は、遮光層10の裏面一帯に配置されつつ、マーク用孔部33を埋めるような形状に形成されている。
【0025】
検知部35は、テープ部材38を介して光減衰層37の裏面に取り付けられている。検知部35は、例えば静電容量方式のセンサであるが、これ以外には、例えば抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、超音波表面弾性波方式、光学方式、電磁誘導方式等を用いてもよい。検知部35は、マーク36を狙い位置としたパネル部8へのタッチ層を検出するものであって、例えばシート状をなしている。検知部35は、光源部9からの光をパネル部8に向かって引き出せるように透明(透明電極)となっている。
【0026】
投光部34は、例えば、拡散シート39、レンズ40、及び、発光素子41を備えている。拡散シート39は、検知部35及びレンズ40の間に配置されている。拡散シート39は、例えば、光を透過可能な白色シートからなる。発光素子41は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。レンズ40は、発光素子41の輝度を上げるために設けられている。
【0027】
光減衰層37は、マーク用孔部33を埋めるように設けられた埋設部43を備えている。光減衰層37は、例えば、マーク用孔部33の孔形状に追従するように設けられることにより、埋設部43が形成される。光減衰層37は、マーク用孔部33の孔形状に追従して埋設部43が形成された場合、埋設部43の裏面に凹部43aが形成される。
【0028】
図5に示すように、インジケータ部18は、孔12としてのインジケータ用孔部44と、光源部9としての投光部45とを備えている。インジケータ用孔部44は、表示体13としてのインジケータ46の形状を象った孔部位である。投光部45は、パネル部8の背面からインジケータ用孔部44に光を照射して、インジケータ用孔部44の形状に応じたインジケータ46をパネル部8に表示する。
【0029】
インジケータ部18の具体的な構成は、以下の通りである。インジケータ用孔部44は、遮光層10にインジケータ46の形状を象って形成された孔部位である。インジケータ用孔部44は、例えば、丸形状の孔である。インジケータ部18は、1つのシンボル部17に対して1つのみ形成されてもよいし、1つのシンボル部17に対して複数(本例は3つ)形成されてもよい。インジケータ部18は、複数設けられる場合、例えば、隣同士と隣接して配置されている。遮光層10の裏面には、インジケータ用孔部44を埋めるように前述の光減衰層37が設けられている。なお、光減衰層37は、シンボル部17及びインジケータ部18で共用されることに限らず、別体で設けられてもよい。
【0030】
投光部45は、例えば、レンズ47及び発光素子48を備えている。発光素子48は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。レンズ47は、発光素子48の輝度を上げるために設けられている。
【0031】
図6に示すように、パネル装置4は、パネル装置4の作動を制御するコントローラ50を備えている。コントローラ50の入力は、スイッチ部19及び検知部35に接続されている。コントローラ50の出力は、他のECU、画像表示モジュール30、及び、発光素子29、41、48に接続されている。コントローラ50は、スイッチ部19及び検知部35の入力信号Sinを基に、パネル部8に対するユーザ操作を検出し、その検出結果に応じた操作信号Soutを他のECUに出力する。他のECUは、例えば、機器3のECUである。コントローラ50は、入力信号Sinを基に、画像表示モジュール30及び発光素子29、41、48を制御して、表示体13の表示を切り換える。
【0032】
次に、本実施形態のパネル装置4の作用について説明する。
図7(a)に、ディスプレイ部16の従来位置付けの構造例を図示し、
図7(b)に、シンボル部17の従来位置付けの構造例を図示する。
図7(a)に示すように、従来位置付けのディスプレイ部16の場合、パネル部8の背面に光減衰層37を介して遮光層10が設けられる。すなわち、遮光層10及び光減衰層37は、パネル部8の外側から見て、光減衰層37→遮光層10の順に配置されている。光減衰層37は、開口の周縁に遮光層10が延在されている。よって、パネル部8を正面から見た場合に、光減衰層37の段差が見えてしまい、意匠性が確保されない。
【0033】
図7(b)に示すように、従来位置付けのシンボル部17の場合、遮光層10と光減衰層37との間に大きな段差が生じている。よって、検知部35として、例えば静電センサシート等を遮光層10の裏面に取り付ける場合に、段差の部分で隙間52が発生してしまう可能性がある。これだと、検知部35を遮光層10及び光減衰層37に亘ってしっかりと貼り付けることができず、検知部35が浮いたり、内部に気泡が入ったりして、検知部35の感度低下に繋がってしまう。
【0034】
一方、
図8(a)に示すように、本例の場合、パネル部8の裏面に遮光層10を間に配置して光減衰層37を取り付けた。すなわち、遮光層10及び光減衰層37は、パネル部8の外側から見て、遮光層10→光減衰層37の順に配置されている。このため、ディスプレイ部16においては、遮光層10に背面に光減衰層37が隠すことが可能となるので、遮光層10及び光減衰層37の段差が外側から見えない。よって、ディスプレイ部16の意匠性が確保される。
【0035】
図8(b)に示すように、本例のシンボル部17においては、光減衰層37が遮光層10の孔形状に追従した形状で形成されるため、遮光層10のマーク用孔部33に埋まった光減衰層37の埋設部43の裏面には、斜面が緩やとなった凹部43aが生じる。このため、検知部35を光減衰層37の裏面に取り付ける場合に、検知部35を追従性よく光減衰層37の裏面に取り付けることが可能となる。従って、検知部35を隙間無く光減衰層37の裏面に取り付けることが可能となるので、検知部35の感度も確保される。
【0036】
上記実施形態のパネル装置4によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)パネル装置4は、パネル部8、光源部9、遮光層10、及び、光減衰層37を備えている。光減衰層37は、光源部9及び遮光層10の間に配置されている。この構成によれば、例えば、遮光層10が孔12を有する構造の場合、この孔12の周囲において遮光層10の裏側に光減衰層37を隠す構造(本例のディスプレイ部16の構造)をとれば、遮光層10と光減衰層37との段差が外部から見えなくなる。また、遮光層10の孔12に光減衰層37が配置される構造(本例のシンボル部17の構造)をとった場合、この孔12に部材(本例は、検知部35)を設ける必要があっても、光減衰層37の裏面に沿って検知部35を配置することが可能となる。このため、急な段差ではなく緩やかな曲面をなす追従性の高い箇所に検知部35を取り付けることが可能となるので、検知部35をしっかりと光減衰層37に取り付けて、検知部35のセンサ感度を確保することが可能となる。以上により、パネル装置4の品質を確保することができる。
【0037】
(2)光減衰層37は、遮光層10の裏面に設けられている。この構成によれば、遮光層10及び光減衰層37の層構造を、遮光層10の裏面に光減衰層37を取り付けるという簡易な構造とすることができる。
【0038】
(3)パネル部8の背面は、遮光層10に色に基づく黒色である。この構成によれば、パネル部8の見た目が黒一色に統一された意匠性の高いパネル装置4とすることができる。
【0039】
(4)パネル装置4は、窓枠22及び画像表示部23を含んだディスプレイ部16を備えている。この構成によれば、ディスプレイ部16による各種画像をパネル部8に表示可能な高い意匠性のパネル装置4とすることができる。
【0040】
(5)光減衰層37は、窓枠22と連通するように貫設された光通過部42を備えた。この場合、窓枠22で遮光層10及び光減衰層37の色違いによる段差が見えないので、ディスプレイ部16の意匠性も確保することができる。また、画像表示部23(光源部9)から照射される光を、光減衰層37を通過させずにパネル部8に引き出すことが可能となるので、明瞭な表示体13(画像24)をパネル部8に表示することができる。
【0041】
(6)パネル装置4は、マーク用孔部33、投光部34、及び、検知部35を含むシンボル部17を備えた。この構成によれば、パネル部8に操作式のマーク36が表示された高い意匠性を有するパネル装置4とすることができる。
【0042】
(7)光減衰層37は、マーク用孔部33を埋めるように設けられた埋設部43を備えた。この構成によれば、埋設部43の外面形状に沿って検知部35を取り付けることが可能となるので、検知部35を追従性よく光減衰層37に取り付けることが可能となる。よって、マーク用孔部33に検知部35を設ける場合に、検知部35を外れ難い状態でしっかりと取り付けることができる。
【0043】
(8)パネル装置4は、インジケータ用孔部44及び投光部45を含むインジケータ部18を備えた。この構成によれば、パネル部8にインジケータ46が表示された高い意匠性を持つパネル装置4とすることができる。
【0044】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・レンズや光源は、例えば、ディスプレイ部16、シンボル部17、及び、インジケータ部18のうち、少なくとも2つ以上で共用されてもよい。
【0045】
・インジケータ部18が複数設けられる場合、これらインジケータ部18の間で、レンズ及び光源の組が共用されてもよい。
・光減衰層37は、パネル部8の裏面に取り付けられることに限らず、例えば、光源部9に取り付けられてもよい。
【0046】
・光減衰層37は、パネル部8や光源部9に取り付けられることに限らず、これらの間に配置された取り付け状態をとってもよい。
・光減衰層37は、光通過部42や埋設部43が省略された構成でもよい。
【0047】
・遮光層10及び光減衰層37の各々は、ディスプレイ部16、シンボル部17及びインジケータ部18の間に亘って一帯に形成されたシートでもよいし、或いは、別々に形成されたシートのいずれでもよい。
【0048】
・ディスプレイ部16の光源は、LED以外の他の部材を使用してもよい。なお、これはシンボル部17やインジケータ部18でも同様である。
・スイッチ部19は、トグルスイッチに限定されず、プッシュスイッチ、ダイヤルスイッチ等に変更してもよい。
【0049】
・パネル装置4は、車載用に限定されず、他の機器や装置に使用してもよい。すなわち、パネル装置4は、機器3の作動に係る各種情報を表示体によってユーザ通知する必要がある対象であれば、どのようなものに搭載されてもよい。
【0050】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0051】
4…パネル装置、8…パネル部、9…光源部、10…遮光層、12…孔、13…表示体、16…ディスプレイ部、17…シンボル部、18…インジケータ部、22…窓枠、23…画像表示部、24…画像、33…マーク用孔部、34…投光部、35…検知部、36…マーク、44…インジケータ用孔部、45…投光部。