(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】アスコルビン酸とpH調整剤とを含有する緑茶飲料
(51)【国際特許分類】
A23F 3/16 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
A23F3/16
(21)【出願番号】P 2020186403
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】西垣 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】柳田 晃伸
【審査官】藤井 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-135416(JP,A)
【文献】特開2006-314207(JP,A)
【文献】特許第6761139(JP,B1)
【文献】特開2019-071807(JP,A)
【文献】特開2020-061995(JP,A)
【文献】特開2003-333990(JP,A)
【文献】特開2003-164259(JP,A)
【文献】Sugar Free Green Tea,Mintel GNPD,ID#576780,2006年
【文献】公開版メールマガジン バックナンバーライブラリー 機能性表示最新情報167号/第6のGABA訴求「認知機能」登場! ~2181号~,薬事法ドットコム [online],2020年08月29日,URL: https://www.yakujihou.com/mailmagazine/7866/ [検索日 2024.01.19]
【文献】原 利男ら著,緑茶缶ドリンクの製造法,茶業研究報告,1986年,第64号,pp. 35-38
【文献】Natural Care Green Tea GABA,Mintel GNPD,ID#1510601,2010年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)~(D);
(A)アスコルビン酸 100~800ppm、
(B)ナトリウム 20~250ppm、
(C)2-メトキシ-4-ビニルフェノール 0.5~20ppb、及び
(D)γ-アミノ酪酸 80~2000ppm
を含有する、
容器詰め緑茶飲料。
【請求項2】
(E)1-ヘキサノール 0.2~5.0ppbをさらに含有する、請求項1に記載の
容器詰め緑茶飲料。
【請求項3】
緑茶原料と、γ-アミノ酪酸と、アスコルビン酸と、pH調整剤とからなる飲料である、請求項1又は2に記載の
容器詰め緑茶飲料。
【請求項4】
(F)グルタミン酸 6~30ppmをさらに含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器詰め緑茶飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスコルビン酸とpH調整剤とを含有する緑茶飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、缶やペットボトル等の容器に充填された容器詰め茶飲料が多く開発、市販されており、茶飲料のなかでも、特に緑茶飲料の市場が拡大している。このような容器詰め緑茶飲料を製造する場合には、食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる加熱殺菌を必要とする。例えば、常温で長期保存可能な缶入り緑茶飲料を製造する場合には、缶に密封した後、缶中心部の温度を120℃で4分間加熱する高温高圧殺菌(レトルト殺菌)方法、またはこれと同等以上の効果が得られる方法により加熱殺菌することが義務付けられている。
【0003】
緑茶抽出液をそのまま加熱殺菌に供した場合には、熱変化や酸化などにより、pHの低下、液色の褐変及び香味の劣化が起きることから、容器詰め緑茶飲料の製造においてはL-アスコルビン酸などの酸化防止剤と重曹などのpH調整剤が不可欠である。しかし、アスコルビン酸の添加は、液色の褐変抑制に効果があるものの、緑茶飲料の香味をマイルド化し、新鮮さが弱くなる傾向があり、お茶としての好ましい香味から離れていくことが指摘されている(非特許文献1)。
【0004】
そこで、アスコルビン酸又はその塩を高含有する茶飲料に、アストラガリンを添加することで、鼻抜け香を強く感じられる茶飲料が得られることが報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】日本茶業技術協会、「茶業研究報告」、No.72、p1―8、(1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アスコルビン酸及びpH調整剤が配合されながらも、緑茶本来の香味を有する嗜好性の高い緑茶飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、アスコルビン酸及び重曹のようなpH調整剤が配合され、加熱殺菌された緑茶飲料の香味に与える成分について検討を行った結果、一定範囲の量のアスコルビン酸と一定範囲の量のナトリウムと一定範囲の量の2-メトキシ-4-ビニルフェノールの相互作用によって、緑茶飲料の香味が低減することが判明した。2-メトキシ-4-ビニルフェノールは、緑茶飲料中のフェルラ酸が加熱殺菌工程で脱炭酸反応して生成する成分である。容器詰め緑茶飲料の製造においては、アスコルビン酸のような酸化防止剤と重曹のようなpH調整剤との配合を避けられないことから、アスコルビン酸、重曹、及び2-メトキシ-4-ビニルフェノールの組合せの影響を最小限にできる成分を種々探索したところ、所定量のγ-アミノ酪酸に優れた効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の態様を包含する。
[1]以下の成分(A)~(D);
(A)アスコルビン酸 100~800ppm、
(B)ナトリウム 20~250ppm、
(C)2-メトキシ-4-ビニルフェノール 0.5~20ppb、及び
(D)γ-アミノ酪酸 80~2000ppm
を含有する、緑茶飲料。
[2](E)1-ヘキサノール 0.2~5.0ppbをさらに含有する、[1]に記載の緑茶飲料。
[3]緑茶原料と、γ-アミノ酪酸と、アスコルビン酸と、pH調整剤とからなる飲料である、[1]又は[2]に記載の緑茶飲料。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、アスコルビン酸及びpH調整剤が配合されながらも、緑茶本来の香味を有する嗜好性の高い緑茶飲料を得ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(緑茶飲料)
本発明は、アスコルビン酸及びpH調整剤が配合された緑茶飲料に関する。ここで、本発明でいう緑茶飲料とは、緑茶葉の抽出物を配合して調製した飲料を意味し、具体的には、Camellia属(例えば、C. sinensis var. sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var. assamica等のCamellia sinensis等)及びそれらの雑種から選択される茶葉で、不発酵茶に分類される茶葉(例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等)から水や熱水、抽出助剤を添加した水溶液で抽出した緑茶葉抽出物を配合した飲料の総称をいう。なお、乳酸菌や真菌による後発酵工程を含む茶葉(例えば、阿波番茶、碁石茶(登録商標)、プーアール茶)は緑茶葉に含まれないものとする。抽出方法としては、例えば、ニーダー抽出、撹拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、抽出条件は特に限定されず、抽出方法に応じて適宜選択することができる。例えば、これらに限定されないが、水の温度は60~100℃、好ましくは、70~90℃であり、水の量は茶葉の重量に対して5~100倍量、好ましくは20~60倍量であり、抽出時間は約1~40分間、好ましくは1~20分間である。必要に応じて1回~数回撹拌して、常圧又は加圧下で抽出することができる。
【0012】
本発明の緑茶飲料の好適な一つの態様として、緑茶抽出物を主成分とする飲料が挙げられる。ここで、緑茶抽出物を主成分とする飲料とは、食品表示法(平成27年4月施行)で表記される原材料表示において、「緑茶」「緑茶抽出物」などの緑茶に関する表記が上位に記載される飲料をいう。好ましくは、原材料表示で緑茶に関する表記が1番目又は2番目に表記される飲料であり、より好ましくは1番目に表記される飲料である。本発明の緑茶飲料には、緑茶抽出物に加えて緑茶由来の成分(例えば、緑茶精製物や緑茶葉を粉砕して得られる粉砕茶葉等)を配合してもよい。本明細書中、緑茶抽出物と緑茶由来の成分を合わせて、「緑茶原料」と表記することもある。
【0013】
(アスコルビン酸)
本発明の緑茶飲料は、アスコルビン酸又はその塩を含有する。アスコルビン酸又はその塩は、緑茶飲料に酸化防止剤として添加され、それにより、緑茶飲料の製造過程中における褐変が防止される。本発明の飲料に用いられるアスコルビン酸又はその塩としては、食品添加物として用いられるアスコルビン酸又はその塩であれば特に制限されない。例えば、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム等が用いられる。このアスコルビン酸又はその塩が添加された本発明の緑茶飲料は、成分(A)としてアスコルビン酸を含有する。本発明の飲料における成分(A)の含有量は、100~800ppmであり、好ましくは150~700ppm、より好ましくは20~600ppm、さらに好ましくは250~500ppmである。アスコルビン酸が塩の形態で飲料に添加される場合は、遊離体(フリー体)のアスコルビン酸量に換算した値であり、飲料中の成分(A)の含有量は、HPLCを用いて測定することができる。なお、本明細書において、単位ppmは、特に断りがない限り、質量基準である。
【0014】
(ナトリウム)
本発明の緑茶飲料は、アスコルビン酸の添加に伴うpH低下の抑制や緩衝効果の観点から、pH調整剤を配合する。pH調整剤としては、食品添加物として用いられる炭酸水素ナトリウム(重曹)、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム等の1種または2種以上を用いることができ、好ましくは重曹が用いられる。pH調整剤を用いて、緑茶飲料のpHは5.5~7.0、好ましくは5.6~6.8、より好ましくは5.7~6.5に調整される。このようにpH調整剤が添加され、pHが調整された本発明の緑茶飲料は、pH調整剤由来のナトリウムを含有する。また、緑茶飲料には、緑茶葉や他の成分由来のナトリウムも含まれ得る。本発明の飲料におけるナトリウム(成分(B))の含有量は、20~250ppmであり、好ましくは50~200ppmである。飲料中の成分(B)の含有量は、原子吸光光度計を用いて測定することができる。なお、pH調整剤として重曹を用いる場合、重曹から生成する炭酸ガスが飲料中に残留しないようにするために、重曹を添加する際に緑茶飲料を50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上に加熱して、炭酸ガスの発泡及び除去を促進することが好ましい。
【0015】
(2-メトキシ-4-ビニルフェノール)
本発明は、(A)アスコルビン酸100~800ppmと、(B)ナトリウム20~250ppmに加え、(C)2-メトキシ-4-ビニルフェノール(2-Methoxy-4-vinylphenol、CAS登録番号:7786-61-0)を0.5~20ppb含有する緑茶飲料を対象とする。後述する通り、緑茶飲料において成分(A)~(C)がこれらの範囲を満たす場合、緑茶飲料の香味が低減することがわかった。本発明は、成分(A)~(C)を上記の範囲の量で含有しながらも、緑茶本来の香味が十分に維持された緑茶飲料を提供するものである。成分(C)2-メトキシ-4-ビニルフェノールの飲料中の含有量は0.5~20ppbであり、好ましくは0.8~15ppb、より好ましくは1~10ppbである。飲料中の(C)2-メトキシ-4-ビニルフェノールの含有量は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。なお、本明細書において、単位ppbは、特に断りがない限り、質量基準である。
【0016】
成分(C)は、緑茶飲料中のフェルラ酸が加熱殺菌工程で脱炭酸反応して生成する成分であり、穀物(特にトウモロコシ)のアルコール発酵物などにも含まれる成分である。甘いスパイシーな香気を有し、その匂いの閾値は、0.25~0.3mg/L(=0.25~0.3ppm)であることが知られている(国立医薬品食品衛生研究所,「食品衛生監視員による食品衛生監視手法の高度化に関する研究」(平成21~23年度食品の安心・安全確保推進研究事業),“食品中揮発性有機化合物について 揮発性有機化合物濃度に関する調査結果_表3臭い閾値”,[online],[2020年9月9日検索],インターネット<URL:http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/kanshi/table3.xls>)。驚くべきことに、成分(C)の含有量が匂いの閾値を大きく下回る量であっても、一定範囲の量の(A)アスコルビン酸と一定範囲の量の(B)ナトリウムとを含む緑茶飲料においては、その香味に影響することが見出された。詳述すると、一定範囲の量の成分(A)及び(B)を含有する緑茶飲料において、極微量の成分(C)を含有する飲料では、飲料を飲み込んだ後の滋味(清香と苦味)と香り(レトロネーザルアロマ)が低減し、フラットな味わいになる。このメカニズムは不明であるが、匂いを呈さない量の成分(C)が、アスコルビン酸による苦味または渋味を低減する作用(例えば、特開2007-054001号公報参照)や重曹(ナトリウム(塩))による苦味を低減する作用(例えば、特開2019-135935号公報参照)を助長したり、レトロネーザルアロマの知覚を阻害したりすると推測される。
【0017】
飲料中の成分(C)の含有量の調整は、加熱殺菌工程後の緑茶飲料中の成分(C)濃度を測定し、必要に応じて緑茶原料の配合割合を調整する(例えば、配合水の割合を増やす、フェルラ酸含有量の少ない緑茶原料に一部を置き換える等)ことによって行うことができる。ここで、本明細書でいう加熱殺菌とは、95~150℃、好ましくは110~150℃で、1秒間~60分間、好ましくは1秒間~30分間の加熱をいう。加熱殺菌方法は、特に制限されず、容器に合わせて、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を適宜選択することができる。
【0018】
(γ-アミノ酪酸)
本発明は、アスコルビン酸及びpH調整剤を添加した緑茶飲料であり、一定範囲の量の(A)アスコルビン酸、(B)ナトリウム、及び(C)2-メトキシ-4-ビニルフェノールを含有する。本発明は、この一定範囲の量の成分(A)~(C)を含有する緑茶飲料に対し、一定範囲の量の成分(D)γ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid, 以下「GABA」と略記する)を添加することにより、成分(A)~(C)の組合せによる影響を抑えて緑茶飲料の香味を改善するものである。
【0019】
GABAは、野菜類、果物類、穀類、発酵食品等に幅広く含まれるアミノ酸の一種である。本発明に用いられるGABAとしては、特に限定されるものではなく、例えば野菜類、果物類、穀類などから抽出されたGABA、醗酵によって生産されたGABA、有機合成により得られたGABA等を用いることができる。
【0020】
GABA原料として、嫌気処理することによってγ-アミノ酪酸を富化させた茶(ギャバロン茶(商標))や、乳酸菌の作用でグルタミン酸をGABAに変換した乳酸菌発酵茶(例えば、特開2003-333990号公報参照)の抽出液を用いることもできる。しかし、これらのGABAを含有する茶葉の抽出物を用いると、GABA以外の共存物による各茶葉に独特の風味が緑茶飲料自体の風味に影響を及ぼし得る。例えば、乳酸菌発酵茶であれば、乳酸や酢酸が多く生成するため、独特の発酵臭を呈する。そのため、この独特の風味をマスキングするための香料の使用が余儀なくされる。香料不使用の自然な緑茶飲料の風味を得るためには、本発明の飲料には、ギャバロン茶や乳酸菌発酵茶を用いないことが好ましい。
【0021】
本発明の飲料に用いるGABAとしては、GABAを80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上含有するGABAの精製品を使用することが好ましい。精製品の形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものを用いることができる。市販されているGABAの精製品としては、GABA100%ピュアパウダー(NOW FOODS社)、オリザギャバエキスHC-90(オリザ油化社)などがある。なお、本明細書において、単位%は、特に断りがない限り、質量基準(wt%)である。
【0022】
本発明においては、飲料中のGABAの濃度が80~2000ppm、好ましくは120~1000ppm、より好ましくは150~700ppm、さらに好ましくは160~500ppmとなるように、GABAを添加する。GABAの含有量が80ppmに満たない場合は、本発明の効果が十分に得られないことがある。また、GABAの含有量が2000ppmを超える場合は、GABAに起因する異味(特に、独特の酸味)が緑茶飲料の風味に影響を及ぼすことがある。GABAの含有量は、アミノ酸分析装置を用いて測定することができる。
【0023】
GABAの添加方法は、特に制限されない。加熱殺菌済緑茶飲料に対して所定量のGABAを添加してもよいし、加熱殺菌工程前の緑茶抽出液に予め所定量のGABAを添加しておいてもよい。
【0024】
(1-ヘキサノール)
本発明では、緑茶原料と、アスコルビン酸と、pH調整剤とを配合して調製する飲料に、GABAを添加して、所定量のGABAを含有させる。これにより、緑茶飲料自体の香味を維持したまま、成分(A)、(B)及び(C)の影響を最小限に抑えた緑茶飲料を得ることができる。すなわち、飲んだ後に緑茶特有の適度な苦味と渋味を感じ、緑茶特有のふくよかな爽やかな香り(Green Aroma)が口の奥から口の中へふわっと蘇る(すなわち緑茶のレトロネーザルアロマが感じられる)、緑茶らしい良い香りと深みのある緑茶飲料となる。
【0025】
上述のグリーンの香り(Green Aroma)の指標の1つとして、成分(E)1-ヘキサノール(1-Hexanol)が挙げられる。成分(E)の含有量が0.2~5.0ppb、好ましくは0.4~3.0ppb、より好ましくは0.6~2.5ppbである緑茶飲料は、緑茶特有のグリーンの香りがより好ましく感じれられるという利点を有する。飲料中の1-ヘキサノールの含有量は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
【0026】
成分(E)の含有量の調整は、緑茶原料中の成分(E)濃度を測定し、上記範囲となるように配合割合を調整したり、成分(E)を含有する香料を添加するなどにより調整することができる。香料不使用の自然な緑茶飲料の風味を得るためには、緑茶原料の配合割合を調整して、成分(E)の含有量を調整することが好ましい。
【0027】
(グルタミン酸)
GABAは特有の酸味を有している。緑茶飲料の旨味、具体的にはグルタミン酸に起因する旨味が少ないと、このGABAの酸味が悪目立ちし、緑茶飲料の異味として知覚されることがある。したがって、本発明の緑茶飲料は、成分(F)として6ppm以上のグルタミン酸を含むことが好ましい。成分(F)の含有量は、より好ましくは7ppm以上であり、さらに好ましくは8ppm以上である。グルタミン酸の上限は特にないが、苦味と旨味のバランスから、通常30ppm以下、好ましくは25ppm以下、より好ましくは20ppm以下である。グルタミン酸の含有量は、アミノ酸分析装置を用いて測定することができる。
【0028】
(その他成分)
その他、本発明の緑茶飲料には、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲であれば、上記成分に加え、必要に応じて各種添加剤が配合されていてもよい。各種添加剤としては、例えば、色素類、乳化剤、保存料、ビタミン、エキス類、香料等を単独で又は併用することができる。自然な緑茶飲料の風味を得るためには、香料不使用の緑茶飲料であることが好ましく、また、発酵茶、半発酵茶、後発酵茶、ギャバロン茶は含まないことが好ましい。緑茶原料、γ-アミノ酪酸、アスコルビン酸、及びpH調整剤からなる緑茶飲料は、本発明の最も好適な態様の一例である。
【0029】
(容器詰め緑茶飲料)
開口部の広いコップ等を用いて飲料を飲用する場合とは異なり、PETボトルのような開口部の狭い容器から直接に飲料を引用する場合には、鼻先香(オルソネーザルアロマともいう)を感じることができない。そのようなオルソネーザルアロマが感じられにくい容器に詰められる飲料においては、口中香(レトロネーザルアロマ、戻り香ともいう)が重要視される。本発明の緑茶飲料は、飲用後にも余韻の長い緑茶飲料の香味(レトロネーザルアロマ)を楽しむことができるため、レトロネーザルアロマが重要視される開口部の狭い容器に詰めた容器詰め緑茶飲料としても好適に用いることができる。ここで、開口部の狭い容器とは、消費者が容器に直接口をつけて飲用する容器(例えば、缶容器やPETボトル容器)や、消費者がストローで飲用する形態の容器(例えば、紙パック容器)をいい、具体的には、0.03~13cm2の開口部を有する容器、好ましくは2.0~7.0cm2の開口部を有する容器をいう。
【実施例】
【0030】
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、濃度の単位であるppm、ppb、%はすべて質量基準(w/w)であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0031】
各成分の定量
(アスコルビン酸)
各サンプルにおけるアスコルビン酸は、DNPH誘導体化法による総アスコルビン酸量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。具体的には、試料液1~5gを5%メタリン酸溶液50mLに加えて適宜希釈した希釈液を遠心分離してろ過したろ液1mLを小試験管にとり、5%メタリン酸溶液1mLを加えた後、0.2%2,6-ジクロロフェノールインドフェノール溶液100μLと2%チオ尿素-5%メタリン酸溶液2mLを加え、これに2%2,4-ジニトロフェニルヒドラジン-4.5mol/L硫酸0.5mLを加え、38~42℃で16時間反応を行わせて誘導体化した。反応後、酢酸エチル3mL(振盪60分間)で転溶して酢酸エチル層を回収し、抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、HPLCに供した。HPLCの測定条件を以下に示す。
・HPLC:GL-7400 system(ジーエルサイエンス)
・カラム:Inertsil SIL-100A (5μm, 250 x 4.6 mm I.D.)
・溶離液:(A) CH3COOC2H5、(B) n-Hexane、(C) CH3COOHの混合液(A/B/C = 50/40/10, v/v/v)
・ カラム温度:40℃
・流量:1.5mL/min
・測定波長:495nm
・注入量:20μL。
【0032】
(ナトリウム)
試料2~5gを抽出容器に分取し、1%塩酸溶液200mLを加え、室温下で30分間振とう抽出した。抽出液を遠心管に移して遠心分離し、上澄み液を測定用試験溶液とした。原子吸光光度計の測定波長を589nmに設定して測定用試験溶液の吸光度を検出し、予め作成した標準物質濃度による検量線に基づき、試験溶液の濃度を求めた。
【0033】
(2-メトキシ-4-ビニルフェノール、1-ヘキサノール)
各サンプルにおける2-メトキシ-4-ビニルフェノール、1-ヘキサノールは、GC/MSを用いて定量した。具体的には、試料液をそのまま、または高速液体クロマトグラフ用蒸留水(富士フィルム和光純薬社製)で適宜希釈して希釈液とし、試料液または希釈液5mlを、ガラス製20ml容クリンプバイアル(直径18mm,AMR社製)に入れ、PTFE製セプタム付きクリンプキャップ(AMR社製)にて密栓し、固相マイクロ抽出法(SPME Arrow)にて成分の抽出を行った。定量は、GC/MSの分析結果からMS Rangeを設定してクロマトグラムを描画し、検出されたピークの面積を用いて、標準添加法または内部標準法にて行った。使用した機器及び条件を以下に示す。
【0034】
・ファイバー:SPME Arrow 1.1mm,Phase Carbon WR/PDMS,Thickness 120μm,Length 20mm(パルシステム社製)
・オートサンプラー:TriPlus RSH(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
・分析待ちサンプルの冷却保管温度:1~4℃
・予備加温攪拌装置:Agitator
・予備加温:45℃3分間
・予備加温攪拌:300rpm
・揮発性成分抽出装置:Heatex Stirrer
・揮発性成分抽出:45℃20分間
・揮発性成分抽出時の攪拌:800rpm
・揮発性成分の脱着時間:2分間
・揮発性成分の脱着時ファイバー深さ:50mm
・GCオーブン:Trace1300(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
・カラム:DB-WAX UI,60m×0.25mmi.d.×df=0.50μm(アジレントテクノロジーズ社製);ただし不活性化フューズドシリカチューブ(0.25mmi.d.,アジレントテクノロジーズ社製)をプレカラム部(長さ1.5m)、ポストカラム部(長さ1.0m)に接続
・GC温度条件:40℃(5分間)→3℃/分→190℃→5℃/分→250℃(15分間)
・平衡化待ち時間:0.5分間
・キャリアーガス:ヘリウム,1.0ml/分,流量一定モード
・インジェクション:スプリットレス法
・インレット温度:250℃
・クライオフォーカス機能:液体窒素冷却装置およびヒーター(PTVインジェクタを利用、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)をプレカラム部に設置
・クライオフォーカス条件:-95℃(2.5分間)→14.5℃/分→250℃(分析終了まで)
・質量分析装置:Q Exactive GC Orbitrap MS system(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
・イオン化方式:EI(70eV)
・測定方式:Orbitrapによるスキャン測定
・Runtime:3.5~80.0分
・Polatiry:positive
・Resolution:60000
・AGC target:3e6
・スキャンレンジ:m/z35~500
定量イオンは以下に示すイオンから、検出感度、ピーク形状、及びピーク分離が良好なものを選択する。2-メトキシ-4-ビニルフェノール m/z150.06753、135.04406、又は107.04914;1-ヘキサノール m/z69.06988、55.05423、又は56.06205。MS Rangeは5~10ppmとし、質量のずれがある場合は、上記定量イオンのm/zを適宜シフトさせる。なお、上記イオンのいずれを用いてもピーク形状又は感度が良好でない場合は、AGC targetの変更や、SIMモードを用いる。
【0035】
(GABA、グルタミン酸)
試料中のアミノ酸(GABA及びグルタミン酸)濃度は、HPLCを用いて、以下の方法により測定した:
・HPLC装置:Waters アミノ酸分析装置2695
・カラム:AccQ-Tagカラム(3.9mm×150mm)
・カラム温度:40℃
・移動相A:AccQ-TagA(pH5.8)
・移動相B:アセトニトリル
・移動層C:水/メタノール=9/1
・検出:EX250nm EM395nm Gain100
・注入量:5μL
・グラジエントプログラム:
【0036】
【0037】
・標準物質:アミノ酸(グルタミン酸、GABA)。
実験1:緑茶飲料の製造と評価(参考例)
実験1-1
20gの緑茶葉(玉露下級)に対し熱水(70~80℃)1000mLを用いて5分間抽出処理を行った。抽出終了後は抽出液を速やかに25℃以下程度まで冷却し、茶葉を分離し、さらに200メッシュを通液させ、粉砕組織や茶粒子などの固形分を除去した。この濾液が47.5mg/100mLとなるように水を加えて緑茶抽出液を得た(pH5.8)(「緑茶抽出液(未殺菌)」)。また、この緑茶抽出液に、350ppmの濃度となるようにアスコルビン酸を添加し、pH調整剤としての炭酸水素ナトリウムを混合してpH6.4に調整して調合液を得た(「調合液(未殺菌)」)。この調合液を138℃で30秒間加熱殺菌(UHT殺菌)処理して、40℃に冷却し、無菌充填機にて開口部面積が6.2cm2のPET容器(500mL)に充填して容器詰緑茶飲料を製造した。殺菌後の緑茶飲料のpHは6.0であった(「容器詰緑茶飲料(加熱殺菌済)」)。
【0038】
上記の緑茶抽出液(未殺菌)、調合液(未殺菌)、及び容器詰緑茶飲料(加熱殺菌済)について、アスコルビン酸含有量、ナトリウム含有量、2-メトキシ-4-ビニルフェノール含有量及び1-ヘキサノール含有量を分析した。また、緑茶抽出液(未殺菌)、調合液(未殺菌)、及び容器詰緑茶飲料(加熱殺菌済)について、専門パネル5名による官能評価を行った。評価は、緑茶抽出液(未殺菌)及び調合液(未殺菌)も同じPET容器に充填し、PETボトル容器に直接口をつけて飲用して行った。パネルは、提示されたペアのうちどちらの飲料が緑茶らしい香味をより強く感じるか、2点識別試験により評価した。
【0039】
表2に成分分析結果を、表3に官能評価結果を示す。加熱殺菌により、2-メトキシ-4-ビニルフェノールが生成した。緑茶らしい香味は、緑茶抽出液>調合液>>容器詰緑茶飲料(加熱殺菌済)の順に低下した。具体的には、飲料を飲み込んだ後の滋味、すなわち適度な苦味と口の奥から口の中へふわっと蘇る緑茶特有のふくよかな爽やかな香り(レトロネーザルアロマ(Green Aroma)の強さ)が低減し、フラットな味わいとなった。
【0040】
【0041】
【0042】
実験1-2
上記実験1-1の調合液(未殺菌)に、表4の含有量となるように、2-メトキシ-4-ビニルフェノール(合成品、Toronto Research Chemicals社製、純度97%)を添加し、実験1-1と同じPET容器に充填した。5名の専門パネルに対し、2-メトキシ-4-ビニルフェノール無添加の緑茶飲料と、2-メトキシ-4-ビニルフェノールを添加した飲料とを組み合わせたペアを提示した。パネルは、提示されたペアのうちどちらの飲料が緑茶らしい香味、すなわち飲用後に知覚される適度な苦味とレトロネーザルアロマ(Green Aroma)をより強く感じるか、2点識別試験により評価した。なお、評価は、PETボトル容器に直接口をつけて飲用して行った。
【0043】
結果を表4に示す。アスコルビン酸と炭酸水素ナトリウムが配合された緑茶飲料において、飲料中の2-メトキシ-4-ビニルフェノール含有量が0.5ppb以上になると、パネルの過半数が緑茶飲料の香味が低減したと判断した。2-メトキシ-4-ビニルフェノールを2.5ppb含有する緑茶飲料の香味は、実験1-1における加熱殺菌済みの容器詰緑茶飲料における香味と類似していた。これより、緑茶飲料の香味低下は、アスコルビン酸とナトリウムと2-メトキシ-4-ビニルフェノールの相互作用によって、引き起こされることが示唆された。
【0044】
【0045】
実験2:GABA添加による緑茶飲料の香味改善(1)
緑茶飲料として、実験1-2の2-メトキシ-4-ビニルフェノールを2.5ppb含有する飲料を用いた。この緑茶飲料に、γ-アミノ酪酸(GABA)の含有量が50~2000ppmの濃度となるようにGABA(純度99%以上)を添加してよく攪拌し、GABAを含有する緑茶飲料を調製し、実験1-1と同じPET容器に充填した。緑茶飲料のpHは、6.3~6.4程度であった。このGABAを含有する緑茶飲料について、専門パネル5名による官能評価をを行った。評価は、GABA無添加の緑茶飲料を対照として、対照と緑茶らしい香味の強さ(飲用後に知覚される適度な苦味とレトロネーザルアロマ(Green Aroma)の強さ)に差がないものを「N」(no difference)、対照よりも若干緑茶らしい香味が付与された飲料を「A」(a difference)、対照よりも大きく緑茶らしい香味が付与され、実験例1の調合液(未殺菌)の濃厚感に近い濃厚感を有するものを「B」(big difference)として、評価したパネルの人数をカウントした。なお、評価は、PETボトル容器に直接口をつけて飲用して行った。
【0046】
結果を表5に示す。GABA含有量が80~2000ppmとなるようにGABAを添加することにより、緑茶飲料の香味が改善されることが示された。特に、飲料中のGABA含有量が150ppm以上となるGABAを添加した場合には、パネルの半数以上が「B」(big difference)を選択し、飲料を飲み込んだ後に、明らかに緑茶らしい香味が強くなったと評価した。GABA0~2000ppmの緑茶飲料のうち、最も緑茶らしい香味が強いと感じるサンプルをブラインドテストしたところ、GABA含有量:700ppmが2人、GABA含有量:800ppmが1人、GABA含有量:1000ppmが2人であった。GABA含有量が700ppm以上では、緑茶らしい香味の強さに大差がないと評価された。
【0047】
【0048】
実験3:GABA添加による緑茶飲料の香味改善(2)
実験3-1
茶葉を緑茶葉(煎茶下級)に変える以外は、実験1-1と同様にして緑茶抽出液を得た(pH5.9)。この抽出液に、550ppmの濃度となるようにアスコルビン酸を添加し、炭酸水素ナトリウムを用いてpHを6.5に調整して調合液を得た。この調合液185gを190mL用缶(開口部面積:2.6cm2)に充填し、レトルト殺菌(130℃、5分)を行い、容器詰緑茶飲料を製造した。殺菌後の緑茶飲料のpHは6.3であった。実験1-1と同様に評価した。結果を表6、表7に示す。茶葉を変えた場合にも、加熱殺菌により、2-メトキシ-4-ビニルフェノールが生成し、緑茶らしい香味は、緑茶抽出液>調合液>>容器詰緑茶飲料(加熱殺菌済)の順に低下した。
【0049】
【0050】
【0051】
実験3-2
上記実験3-1の調合液(未殺菌)に、2-メトキシ-4-ビニルフェノールを添加して、2-メトキシ-4-ビニルフェノールを5.0ppb含有する飲料を調製した。この緑茶飲料に、γ-アミノ酪酸(GABA)の含有量が50~2000ppmの濃度となるようにGABA(純度99%以上)を添加してよく攪拌し、GABAを含有する緑茶飲料を調製し、実験3-1と同じ缶容器に充填した後、実験2と同様にして評価した。
【0052】
結果を表8に示す。GABA含有量が80ppm以上となるようにGABAを添加することにより、緑茶飲料の香味が改善されることが示された。
【0053】
【0054】
実験3-3
上記実験3-1の調合液(未殺菌)に、殺菌後の1-ヘキサノール及びGABA含有量が表9に記載の量となるように、1-ヘキサノール(純度97%以上、富士フイルム和光純薬)及びGABAを添加する以外は、実験3-1と同様にして加熱殺菌処理して容器詰め緑茶飲料を製造した。殺菌後の飲料のアスコルビン酸含有量は約490ppm、ナトリウム含有量は110ppm、2-メトキシ-4-ビニルフェノール含有量は3.5ppb、pH6.3程度であった。1-ヘキサノール含有量の異なる容器詰緑茶飲料について、それぞれGABA無添加の緑茶飲料を対照として、緑茶らしい香味の強さについて評価した。
【0055】
結果を表9に示す。GABA含有量が80ppm以上となるようにGABAを添加することにより、緑茶飲料の香味が改善されることが示された。特に、1-ヘキサノール含有量が0.2ppb以上の緑茶飲料では、GABAによる緑茶らしい香味の付与効果が顕著に感じられた。具体的には、飲用後に知覚されるレトロネーザルアロマ(Green Aroma)がより強く感じられ、緑茶らしい良い香りと深みのある緑茶飲料と感じられた。
【0056】
【0057】
実験3-4
上記実験3-3の1.0ppbの1-ヘキサノール及び500ppmのGABAを含有する容器詰緑茶飲料に、表10の濃度になるようにグルタミン酸を添加した。緑茶飲料中のグルタミン酸含有量が低い場合には、僅かにGABA由来の酸味が知覚されたが、グルタミン酸含有量が高くなるに伴って、GABA由来の酸味が抑制された。グルタミン酸含有量が7ppm以上の場合、過半数がGABA由来の酸味を感じないと評価し、グルタミン酸含有量が8ppm以上の場合には、パネル全員がGABA由来の酸味を感じないと評価した。
【0058】
【0059】
実験4:GABA添加による緑茶飲料の香味改善(3)
実験4-1.市販製品の分析
市販のPET容器詰緑茶飲料を分析した。5種類の市販製品(A~E)の成分分析値を表11に示す。なお、市販製品のいずれからもGABAは検出されなかった。
【0060】
【0061】
実験4-2
上記の容器詰緑茶飲料(市販製品A~E)に、GABAを表12の含有量となるように添加し、GABAを添加していない緑茶飲料を対照として緑茶らしい香味の強さを評価した。結果を表12-1~12-5に示す。市販の容器詰緑茶飲料においてもGABA含有量が80ppm以上となるようにGABAを添加することにより、緑茶飲料の香味が改善されることが示された。
【0062】
【0063】