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特許7563952配管支援装置、配管支援システム、配管支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】配管支援装置、配管支援システム、配管支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/18 20200101AFI20241001BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20241001BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20241001BHJP
   G06F 113/14 20200101ALN20241001BHJP
【FI】
G06F30/18
G06F30/10
G06F30/12
G06F113:14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020194392
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083122
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】大籔 直孝
(72)【発明者】
【氏名】新子 忠
(72)【発明者】
【氏名】宮川 公彦
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-118187(JP,A)
【文献】特開2009-277134(JP,A)
【文献】特開2007-066284(JP,A)
【文献】特開平10-131490(JP,A)
【文献】特開2009-108990(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111914324(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111666625(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103218492(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/28
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管図情報を取得する取得部と、
少なくとも継手及び直管を有する複数の加工配管ピースのうちのいずれかを、前記配管図情報に含まれる配管図の一部に割り当てる割当部と、
前記配管図に割り当てた前記加工配管ピースに関する割当情報を出力する出力部と、を備える配管支援装置であって、
前記割当部は、加工することによって前記配管図の一部に相当する前記加工配管ピースを割当加工配管ピースとして前記配管図の一部に割り当てるとともに、前記割当加工配管ピースをプレハブ対応するか否かを判定し、前記プレハブ対応をする場合には、プレハブ加工情報を生成し、
前記出力部は、前記加工配管ピースの加工態様に関する加工態様情報を出力する、
配管支援装置。
【請求項2】
前記割当部は、前記配管図における直管に相当する部分の長さ以上の長さの直管を有する前記加工配管ピースを前記割当加工配管ピースとし、
前記出力部は、前記割当加工配管ピースの切断長さに関する切断情報を前記加工態様情報として出力する、
請求項1に記載の配管支援装置。
【請求項3】
前記配管図には、屈曲部が含まれ、
前記加工配管ピースは、エルボ部を備えており、
前記割当部は、前記屈曲部に前記エルボ部を対応させて、前記加工配管ピースを前記配管図に割り当てる、
請求項1または2に記載の配管支援装置。
【請求項4】
前記配管図には、分岐部が含まれ、
前記加工配管ピースは、チーズ部を備えており、
前記割当部は、前記分岐部に前記チーズ部を対応させて、前記加工配管ピースを前記配管図に割り当てる、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の配管支援装置。
【請求項5】
前記配管図に前記加工配管ピースを割り当てた施工図を表示装置に表示させる表示制御部を更に備える、
請求項2に記載の配管支援装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記施工図とともに前記切断情報を前記表示装置に表示させる、
請求項5に記載の配管支援装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記施工図に割り当てられた前記加工配管ピースが指定された場合に、指定された前記加工配管ピースの切断情報を前記表示装置に表示させる、
請求項6に記載の配管支援装置。
【請求項8】
請求項5から7のうちいずれか1項に記載の配管支援装置と、
前記表示制御部の制御に応じた画像を表示する表示装置と、を備える、
配管支援システム。
【請求項9】
コンピュータが、
配管図情報を取得し、
少なくとも継手及び直管を有する複数の加工配管ピースのうちのいずれかを、前記配管図情報に含まれる配管図の一部に割り当て、
前記配管図に割り当てた前記加工配管ピースに関する割当情報を出力する配管支援方法であって、
前記コンピュータが、
前記配管図の一部に割り当てる際に、加工することによって前記配管図の一部に相当する前記加工配管ピースを割当加工配管ピースとして前記配管図の一部に割り当てるとともに、前記割当加工配管ピースをプレハブ対応するか否かを判定し、前記プレハブ対応をする場合には、プレハブ加工情報を生成し、
前記割当情報は、前記加工配管ピースの加工態様に関する加工態様情報を含む、
配管支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
配管図情報を取得させ、
少なくとも継手及び直管を有する複数の加工配管ピースのうちのいずれかを、前記配管図情報に含まれる配管図の一部に割り当てさせ、
前記配管図に割り当てた前記加工配管ピースに関する割当情報を出力させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記配管図の一部に割り当てさせる際に、加工することによって前記配管図の一部に相当する前記加工配管ピースを割当加工配管ピースとして前記配管図の一部に割り当てさせるとともに、前記割当加工配管ピースをプレハブ対応するか否かを判定させ、前記プレハブ対応をさせる場合には、プレハブ加工情報を生成させ
前記割当情報は、前記加工配管ピースの加工態様に関する加工態様情報を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管支援装置、配管支援システム、配管支援方法、及びプログラム
に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物などの配管にプレハブ工法を採用する場合には、例えば、配管モジュールデータを作成する。配管モジュールデータを作成する方法としては、一般的な形状の継手や直管、更にはこれらの継手や直管を加工した加工配管ピースなどの配管ピースのデータを記憶しておき、配管モジュールデータの一部に配管ピースを割り当てるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-277134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術において、配管モジュールデータの一部に配管ピースを割り当てる場合には、すべての配管ピースを工場で製造することが前提となる。このため、配管ピースを手配するための手間がかかるとともに、適切な配管ピースがない場合には、新たに加工配管ピースを製造することとなり、ピッキング、移動、加工などの負担が大きいとともに、積算や部材の手配に手間がかかり、生産効率の低下を招くことがあった。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、生産効率の低下を抑制することができる配管支援装置、配管支援システム、配管支援方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、配管図情報を取得する取得部と、少なくとも継手及び直管を有する複数の加工配管ピースのうちのいずれかを、前記配管図情報に含まれる配管図の一部に割り当てる割当部と、前記配管図に割り当てた前記加工配管ピースに関する割当情報を出力する出力部と、を備える配管支援装置であって、前記割当部は、加工することによって前記配管図の一部に相当する前記加工配管ピースを割当加工配管ピースとして前記配管図の一部に割り当て、前記出力部は、前記加工配管ピースの加工態様に関する加工態様情報を出力する、配管支援装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、前記割当部は、前記配管図における直管に相当する部分の長さ以上の長さの直管を有する前記加工配管ピースを前記割当加工配管ピースとし、前記出力部は、前記割当加工配管ピースの切断長さに関する切断情報を前記加工態様情報として出力する、配管支援装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、前記配管図には、屈曲部が含まれ、前記加工配管ピースは、エルボ部を備えており、前記割当部は、前記屈曲部に前記エルボ部を対応させて、前記加工配管ピースを前記配管図に割り当てる、配管支援装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、前記配管図には、分岐部が含まれ、前記加工配管ピースは、チーズ部を備えており、前記割当部は、前記分岐部に前記チーズ部を対応させて、前記加工配管ピースを前記配管図に割り当てる、配管支援装置である。
【0010】
また、本発明の一態様は、前記配管図に前記加工配管ピースを割り当てた施工図を表示装置に表示させる表示制御部を更に備える、配管支援装置である。
【0011】
また、本発明の一態様は、前記表示制御部は、前記施工図とともに前記切断長さを前記表示装置に表示させる、配管支援装置である。
【0012】
また、本発明の一態様は、前記表示制御部は、前記施工図に割り当てられた前記加工配管ピースが指定された場合に、指定された前記加工配管ピースの切断情報を前記表示装置に表示させる、配管支援装置である。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記の配管支援装置と、前記表示制御部の制御に応じた画像を表示する表示装置と、を備える、配管支援システムである。
【0014】
また、本発明の一態様は、コンピュータが、配管図情報を取得し、少なくとも継手及び直管を有する複数の加工配管ピースのうちのいずれかを、前記配管図情報に含まれる配管図の一部に割り当て、前記配管図に割り当てた前記加工配管ピースに関する割当情報を出力する配管支援方法であって、前記コンピュータが、前記配管図の一部に割り当てる際に、加工することによって前記配管図の一部に相当する前記加工配管ピースを割当加工配管ピースとして前記配管図の一部に割り当て、前記割当情報は、前記加工配管ピースの加工態様に関する加工態様情報を含む、配管支援方法である。
【0015】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、配管図情報を取得させ、少なくとも継手及び直管を有する複数の加工配管ピースのうちのいずれかを、前記配管図情報に含まれる配管図の一部に割り当てさせ、前記配管図に割り当てた前記加工配管ピースに関する割当情報を出力させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記配管図の一部に割り当てさせる際に、加工することによって前記配管図の一部に相当する前記加工配管ピースを割当加工配管ピースとして前記配管図の一部に割り当てさせ、前記割当情報は、前記加工配管ピースの加工態様に関する加工態様情報を含む、プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る配管支援装置、配管支援システム、配管支援方法、及びプログラムによれば、生産効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の配管支援システムのブロック図である。
図2】加工配管ピースDB62の一例を示す図である。
図3】配管支援装置20により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図4】配管図の一例を示す図である。
図5】管割図を基に施工図を作成するまでの流れを説明する図である。
図6】アイソメ図を基に施工図を作成するまでの流れを説明する図である。
図7】表示装置30に表示される画像の一例を示す図である。
図8】表示装置30に表示される画像の一例を示す図である。
図9】加工配管ピースDB62の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る配管支援装置、配管支援システム、配管支援方法、及びプログラムの実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、実施形態の配管支援システムのブロック図である。図1に示すように、実施形態の配管支援システム1は、例えば、入力装置10と、配管支援装置20と、表示装置30と、を備える。
【0019】
入力装置10は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルなどのユーザが操作可能である物理的な操作部品を備える。入力装置10は、これらの物理的な操作部品を備えるものだけに限られず、例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路でもよい。
【0020】
配管支援装置20は、配管図に示される配管の各部分に配管ピースを割り当てて、配管を完成させるための施工図を作成して、例えばユーザに対して出力する。この出力は、表示装置に表示することによる出力であってもよいし、プリンタなどによって印刷することによる出力であってもよい。配管ピースには、例えば、既存継手(既存の製品として取り扱われている一般的な継手)、直管、加工配管ピースが含まれる。以下、加工配管ピース以外の配管ピースをまとめて非加工配管ピースということがある。
【0021】
既存継手は、例えば、直管同士を接続する接続部分にフレア加工が施された配管ピースである。直管は、直線状の管で、両端部には既存継手のフレア加工部分に接続される接続部が設けられた配管ピースである。加工配管ピースは、既存継手と直管を予め組み合わせて製造された配管ピースである。加工配管ピースには、エルボ付き直管、枝付き直管、ソケット付き直管などの種類がある。
【0022】
配管支援装置20は、例えば、制御部50と、記憶部60とを備える。制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ハードウェアが実行するプログラムは、記憶部60に記憶されていてもよいし、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体をドライブ装置に装着することでインストールされてもよい。
【0023】
制御部50は、例えば、取得部51と、割当部52と、出力部53と、表示制御部54と、を備える。記憶部60には、例えば、加工配管ピースデータベース(以下、「加工配管ピースDB」という)62が記憶されている。加工配管ピースDB62には、複数の加工配管ピースモデルの情報が含まれる。記憶部60には、加工配管ピースDB62のほか、既存継手モデル及び直管モデルの情報も記憶されている。
【0024】
図2は、加工配管ピースDB62の一例を示す図である。加工配管ピースDB62には、複数の加工配管ピースについての品番、名称、直管調整可能長さ、形状の各項目の情報が含まれる。図2に示す加工配管ピースDB62には、例えば、加工配管ピースとして、直管調整可能長さが異なる5種類のエルボ付き直管、2種類の枝付き直管、2種類のソケット付き直管についての情報が含まれる。加工配管ピースDB62には、さらに多くの加工配管ピースの情報が含まれていてもよい。直管調整可能長さの最大値は、加工配管ピースの直管部分の長さである。
【0025】
取得部51は、入力装置10に対するユーザの入力操作に応じた各種情報を取得する。取得部51が取得する情報には、配管図を示す配管図情報が含まれる。配管図には、配管の経路及び内容を示した管割図と、配管の経路のみを示したアイソメトリック図(以下、「アイソメ図」という)がある。取得部51が取得する配管図情報は、管割図のみまたはアイソメ図のみの情報でもよいし、それらの両方でもよい。取得部51は、例えば、入力装置10に対するユーザの入力操作に応じて、配管図情報を取得する。取得部51は、例えば、予め記憶部60に記憶された配管図情報を読み出して取得してもよいし、他のコンピュータやデータベースなどから出力された配管図情報を取得してもよいし、外部のシステムなどから送信された配管情報を受信して取得してもよい。取得部51は、取得した情報を適切な出力先に出力する。例えば、取得部51は、取得した配管図情報を割当部52に出力する。
【0026】
割当部52は、取得部51により配管図情報が出力された場合に、記憶部60に記憶された既存継手モデル、直管モデル、加工配管ピースDB62に含まれる加工配管ピースモデルの各情報を読み出す。割当部52は、読み出した既存継手モデル、直管モデル、加工配管ピースモデルを配管図情報に含まれる配管図の一部に対応付ける処理を実行して割り当てることで既存継手、直管、加工配管ピースを割り当てて、施工図を作成する。施工図は、配管モジュールを示す図であり、配管図の各部分に割り当てられる配管ピースの配置を示す。割当部52は、作成した施工図に関する施工図情報を出力部53に出力する。
【0027】
割当部52は、例えば、加工配管ピースを現場で切断することで加工配管ピースが配管図の一部に相当する場合には、その加工配管ピースを配管図の一部に割り当てる。割当部52は、切断することによって配管図の一部に相当する加工配管ピースを配管図に割り当てる場合に、切断情報及び配管ピース加工情報を合わせて作成する。
【0028】
切断情報は、配管図に割り当てられた加工配管ピースの切断部位及び切断長さに関する情報である。配管ピース加工情報には、配管図に割り当てられた加工配管ピースの種類、品番、及び加工内容の情報が含まれる。加工内容情報は、文字と、加工配管ピースの全体像と切断部位とを分けて示す画像の情報を含む。
【0029】
加工配管ピースの切断長さは、例えば、加工配管ピースが割り当てられた配管図の一部に相当する長さを、配管図の一部に割り当てられた加工配管ピースの直管の長さから減じた長さである。割当部52は、加工配管ピースの現場加工指示書及び品質管理表を作成し、配管ピース加工情報に含める。加工、例えば切断することによって配管図の一部に割り当てられる加工配管ピースは、割当加工配管ピースの一例である。
【0030】
出力部53は、割当部52により出力された施工図情報及び切断情報を含む配管ピース加工情報を出力するための処理を行う。実施形態では、施工図情報を配管ピース加工情報とともに表示装置30に表示することにより、出力する。このため、出力部53は、施工図情報及び配管ピース加工情報を表示制御部54に出力する。出力部53は、例えば、施工図情報、及び配管ピース加工情報をデータ化して他の装置に送信したり、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納させたりして、施工図情報及び配管ピース加工情報を出力してもよい。出力部53は、施工図情報と配管ピース加工情報の一方のみを出力してもよいし、切断情報を配管ピース加工情報の他の情報と分けて出力してもよい。切断は加工態様の一例である。切断情報は、加工態様情報の一例である。施工図情報は、割当情報の一例である。
【0031】
表示制御部54は、表示装置30を制御することにより、出力部53により出力された施工図情報に応じた施工図を画像化して表示装置30に表示させる。表示制御部54は、入力装置10に対するユーザの入力操作に応じて、記憶部60に記憶された加工配管ピースDB62を画像化して表示装置30に表示させるようにしてもよい。表示制御部54が表示させる施工図は、例えば、GUI(Graphical User Interface)スイッチとして機能する。
【0032】
表示制御部54は、表示装置30に表示された施工図が操作された場合に、操作された施工図の部位(配管)の切断情報及び配管ピース加工情報を施工図をとともに表示装置30に表示させる。表示制御部54は、施工図の操作がなくても切断情報及び配管ピース加工情報を表示装置30に表示させるようにしてもよい。
【0033】
表示装置30は、例えば、ディスプレイを含んで構成される。表示装置30は、配管支援装置20と一体に設けられていてもよいし、別体で設けられていてもよい。表示装置30は、表示制御部54の制御にしたがって各種の情報を表示する。表示装置30が表示する情報には、施工図情報が含まれる。表示装置30は、入力装置10と一体化されたタッチパネルでもよい。
【0034】
次に、配管支援装置20における処理について説明する。図3は、配管支援装置20により実行される処理の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、配管支援装置20は、まず、取得部51において、入力装置10に対するユーザの入力操作に応じた配管図情報を取得する(ステップS11)。続いて、割当部52は、配管図に含まれる屈曲点、分岐点、及び直管接続点を検出する(ステップS13)。
【0035】
図4は、配管図の一例を示す図である。図4に示す配管では、2つの屈曲点EP(第1屈曲点EP1及び第2屈曲点EP2)、1つの分岐点RP、1つの直管接続点SPが設けられている。図4に示す配管図は管割図である。以下の説明では、屈曲点、分岐点、及び直管接続点をまとめて基準点ということがある。屈曲点EP及び直管接続点SPには、両側にそれぞれ2本の管が接続され、分岐点RPには、両側に2本の管と、その途中位置に1本の管の合計3本の管が接続される。屈曲点は屈曲部の一例であり、分岐点は分岐部の一例である。屈曲部及び分岐部は点でなくてもよく、例えば、直線、曲線などの線、一定の面積を有する領域などでもよい。
【0036】
続いて、割当部52は、記憶部60に記憶された加工配管ピースDB62を読み込む(ステップS15)。割当部52は、配管図に含まれるすべての基準点に対して、配管ピースを順に割り当てる。基準点に割り当てられる配管ピースとして、屈曲点にはエルボ付き配管、分岐点には枝付き直管、直管接続点にはソケット付き直管の割当をそれぞれ検討する。エルボ付き配管は、直管部及びエルボ部を備え、枝付き配管は、直管部及びチーズ部を備える。屈曲点には、例えば、エルボ付き配管のエルボ部を対応させ、分岐点には、例えば、枝付き直管のチーズ部を対応させる。
【0037】
基準点に配管ピースを割り当てるために、割当部52は、配管ピースを割り当てる対象となる基準点(以下、「対象点」という)を特定し、対象点に対して対応可能な加工配管ピースが加工配管ピースDB62に含まれているか否かを判定する(ステップS17)。対象点に対して対応可能であるか否かは、対象点の種類と、対象点に接続される管の長さが、直管調整長さの範囲で対応できるか否かによって判定される。
【0038】
例えば、対象点が図4に示す第1屈曲点EP1である場合、この対象点は屈曲点であるので、割り当てる加工配管ピースをエルボ付き直管とする。続いて、割当部52は、加工配管ピースDB62に含まれるエルボ付き直管の中で、直管可能長さが第1屈曲点EP1に接続される直管部分STの長さLを含むものがあるか否かを判定する。例えば、直管部分STの長さLが1.5mである場合には、品番A2からA5の加工配管ピースがあてはまるので、対応可能な加工配管ピースが加工配管ピースDB62に含まれていると判定する。
【0039】
対象点に対して対応可能な加工配管ピースが加工配管ピースDB62に含まれていると判定した場合(ステップS17;YES)、割当部52は、対応可能な加工配管ピースの直管部の長さの調整が必要であるか否かを判定する(ステップS19)。ここでは、加工配管ピースの直管部分の長さが対象点に接続される管の長さと一致する場合に、対応可能な加工配管ピースの直管部の長さの調整が必要でないと判定し、一致しない場合に長さの調整が必要であると判定する。
【0040】
対応可能な加工配管ピースの直管部の長さの調整が必要でないと判定した場合(ステップS19;NO)、割当部52は、直管部の長さの調整が必要でない加工配管ピースを対象点に割り当てて(ステップS21)、ステップS41に進む。一方、対応可能な加工配管ピースの直管部の長さの調整が必要であると判定した場合(ステップS19;YES)、割当部52は、対象点に接続される管の長さが、直管部分の長さが最大である加工配管ピースの直管長さ以上であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0041】
対象点に接続される管の長さが、直管部分の長さが最大である加工配管ピースの直管部分の長さ以上であると判定した場合(ステップS23;YES)、割当部52は、直管部分の長さが最長である加工配管ピースを対象点に割り当てる(ステップS25)。この場合、直管部分の長さが最長である加工配管ピースを対象点に割り当てたとしても、対象点に接続される管の長さに達しないので、割当部52は、割り当てた加工配管ピースの端部位置に、新たに直管接続点を設定して(ステップS27)、ステップS41に進む。
【0042】
対象点に接続される管の長さが、直管部分の長さが最大である加工配管ピースの直管部分の長さ以上でないと判定した場合(ステップS23;NO)、割当部52は、直管部分の長さが対象点に接続される管の長さよりも長く、対象点に接続される管の長さに最も近い加工配管ピースを対象点に割り当てる(ステップS29)。続いて、割当部52は、加工配管ピースの種類、品番、加工内容、現場加工指示書、品質管理表などを含む配管ピース加工情報を作成して(ステップS31)、ステップS41に進む。
【0043】
ステップS17において、対象点に対して対応可能な加工配管ピースが加工配管ピースDB62に含まれていないと判定した場合(ステップS17;NO)、割当部52は、対象点に対して、既存継手及び直管を割り当てる(ステップS33)。続いて、割当部52は、その対象点をプレハブ対応とするか否かを判定する(ステップS35)。プレハブ対応とするか否かについては、例えば、ユーザが入力装置10を操作して出力される信号に基づいて判定する。
【0044】
プレハブ対応するための入力装置10の操作をユーザが行って、プレハブ対応するための信号が入力装置10により出力された場合に、割当部52は、プレハブ対応を行うと判定し、プレハブ対応しないための入力装置10の操作をユーザが行って、プレハブ対応しないための信号が入力装置10により出力された場合に、割当部52は、プレハブ対応を行わないと判定する。
【0045】
プレハブ対応すると判定した場合、割当部52は、プレハブ対応する範囲を決定する(ステップS37)。さらに、割当部52は、ユーザの入力装置10の操作等に基づいて、プレハブ加工情報を作成する(ステップS39)。プレハブ加工情報には、例えば、プレハブ配管の図面、プレハブ加工の内容、プレハブの現場加工指示書、品質管理表などが含まれる。
【0046】
続いて、割当部52は、配管図におけるすべての基準点に対する配管ピースの割付が完了したか否かを判定する(ステップS41)。配管図におけるすべての基準点に対する配管ピースの割付が完了していないと判定した場合(ステップS41;NO)、割当部52は、対象点を他の基準点に変更し(ステップS43)、ステップS17に戻って同様の処理を繰り返す。
【0047】
配管図におけるすべての基準点に対する配管ピースの割付が完了したと判定した場合(ステップS41;YES)、割当部52は、施工図を作成する(ステップS45)。続いて、出力部53は、割当部52が作成した施工図及び加工配管ピース情報を出力するために表示制御部54に出力し、表示制御部54は、施工図情報及び加工配管ピース情報に応じた画像を表示装置30に表示させる(ステップS47)。こうして、配管支援装置20は図3に示す処理を終了する。
【0048】
次に、管割図を基に施工図を作成するまでの流れについて、管割図と施工図を示して説明する。図5は、管割図を基に施工図を作成するまでの流れを説明する図である。図5(A)には、管割図F1を示す。管割図F1は、図4に示す配管図と同様であり、第1屈曲点EP1、第2屈曲点EP2、分岐点RP、第1直管接続点SP1、及び第2直管接続点SP2が設けられる。
【0049】
管割図を基に施工図を作成する場合、まず、任意の基準点、例えば第1屈曲点EP1を対象点として、配管ピースの割当を行う。第1屈曲点EP1には、エルボ付き配管が割り当てられる。加工配管ピースDB62には、エルボ付き配管として、直管部分の長さが異なる5本のエルボ付き配管モデルが含まれる。
【0050】
第1屈曲点EP1に割り当てられるエルボ付き直管が配置される第1直管部分の長さL1が1.5mであるとすると、第1屈曲点EP1に割り当てられるエルボ付き直管は、直管部分の長さが1.5m以上であり、1.5mに最も近い長さであるエルボ付き直管となる。このため、第1屈曲点EP1には、直管長さが2mである品番A2のエルボ付き直管(以下「第1割当加工配管ピース」という)TA1が割り当てられる。
【0051】
第1割当加工配管ピースTA1の直管部分は、第1直管部分の長さL1よりも長いため、第1割当加工配管ピースの直管部分の端部TA1Cは、第1屈曲点EP1に組み付けられる際に切断される。第1割当加工配管ピースTA1の直管部分の長さが2mであり、第1直管部分の長さL1が1.5mである。このため、図5(B)に示すように、第1割当加工配管ピースTA1の直管部分の端部TA1Cの切断長さは、0.5mとなる。図5(B)及び(C)では、管割図を仮想線で示す。
【0052】
続いて、分岐点RPを対象点として、配管ピースの割当を行う。分岐点RPには、枝付き配管が割り当てられる。加工配管ピースDB62には、枝付き配管として、直管部分の長さが異なる2本の枝付き配管モデルが含まれる。分岐点RPに割り当てられる枝付き直管が配置される第2直管部分の長さL2が2.3mであるとすると、分岐点RPに割り当てられる枝付き直管は、直管部分の長さが2.3m以上であり、2.3mに最も近い長さである枝付き直管となる。このため、分岐点RPには、直管長さが3mである品番B2の枝付き直管(以下、「第2割当加工配管ピース」という)TA2が割り当てられる。
【0053】
第2割当加工配管ピースTA2の直管部分の長さは、第2直管部分の長さL2よりも長いため、第2割当加工配管ピースTA2の直管部分の端部TA2Cは、分岐点RPに組み付けられる際に切断される。第2割当加工配管ピースTA2の直管部分の長さが3mであり、第2直管部分ST2の長さが2.3mである。このため、図5(B)に示すように、第2割当加工配管ピースTA2の直管部分の端部TA2Cの切断長さは、0.7mとなる。
【0054】
また、第2屈曲点EP2には、エルボ付き既存継手EFが割り当てられる。第2割当加工配管ピースTA2の継手部分には、短管(短尺の直管)MTが割り当てられる。また、第2割当加工配管ピースTA2の分岐管には、枝付き直管が割り当てられる。この例では、配管の領域の広さ等の関係で、第2割当加工配管ピースTA2の短い側の直管が切断されてソケット付き直管が割り当てられる。
【0055】
続いて、第1直管接続点SP1を対象点として、配管ピースの割当を行う。第1直管接続点SP1には、ソケット付き直管が割り当てられる。加工配管ピースDB62には、ソケット付き配管として、直管部分の長さが異なる2本のソケット付き配管モデルが含まれる。第1直管接続点SP1に割り当てられるソケット付き直管が配置される第2直管部分ST2の長さが3.5mであるとすると、分岐点RPに割り当てられるソケット付き直管は、直管部分の長さが3.5m以上であり、3.5mに最も近い長さであるソケット付き直管となる。このため、図5(C)に示すように、分岐点RPには、直管長さが3mである品番C2のソケット付き直管(以下、「第3割当加工配管ピース」という)TA3が割り当てられる。
【0056】
直管接続点SPでは、第3割当加工配管ピースTA3のソケット部分が第2割当加工配管ピースTA2の分岐管に接続されるので、第3割当加工配管ピースのソケット部分を切断して長さを調整する代わりに、第2割当加工配管ピースTA2の分岐管を切断することにより、長さを調整する。このため、第2割当加工配管ピースTA2の分岐管の切断長さを決定する。
【0057】
さらに、同様にして、第2直管接続点SP2を対象として、配管ピースの割当を行う。第2直管接続点SP2には、ソケット付き直管が割り当てられる。第2直管接続点SP2に割り当てられる直管としては、図5(C)に示すように、第1直管接続点SP1の場合と同様に、加工配管ピースDB62に含まれる2本のソケット付き配管モデルの中から、例えば第4割当加工配管ピースTA4及び第5割当加工配管ピースTA5が決定される。その後、管割図を消去することにより、図5(D)に示す施工図が作成される。
【0058】
次に、アイソメ図を基に施工図を作成するまでの流れについて、アイソメ図と施工図を示して説明する。図6は、アイソメ図を基に施工図を作成するまでの流れを説明する図である。図6(A)には、アイソメ図F2を示す。アイソメ図F2は、図4に示す配管図の経路のみを示しており、第1屈曲点EP1、第2屈曲点EP2、及び分岐点RPが設けられる。アイソメ図では、直線部分における配管の切れ目がないので、直管接続点は設けられていない。
【0059】
アイソメ図を基に施工図を作成する場合、管割図を基にする場合と同様、まず、任意の基準点、例えば第1屈曲点EP1を対象点として、配管ピースの割当を行う。第1屈曲点EP1には、管割図を基にする場合と同様の手順で、第1割当加工配管ピースTA1が割り当てられ、図6(B)に示すように、第1割当加工配管ピースTA1の直管部分の端部TA1Cの切断長さを、0.5mとする。
【0060】
続いて、分岐点RPを対象点として、配管ピースの割当を行い、管割図を基にする場合と同様の手順で、分岐点RPに第2割当加工配管ピースTA2が割り当てられる。さらに、第2割当加工配管ピースTA2の直管部分の端部TA2Cの切断長さは、0.7mとする。さらに、第2屈曲点EP2には、エルボ付き既存継手EFが割り当てられ、第2割当加工配管ピースTA2の短い側の直管には、ソケット付き直管が割り当てられる。
【0061】
続いて、アイソメ図の直線部分に対して、配管ピースの割当を行う。割り当てられる配管ピースは、加工配管ピースDB62に含まれる2本のソケット付き配管のいずれかとなる。アイソメ図には、管割図のような直管接続点が設けられていないので、アイソメ図における直管部分のうち、配管ピースが割り当てられた部分と割り当てられていない部分の間に直管接続点を設定する。図6(B)に示す例では、第2割当加工配管ピースTA2における分岐管の先端に第1直管接続点を設定する。続いて、図6(C)に示すように、第1直管接続点SP1を対象点として、管割図を基にする場合と同様の手順で、第3割当加工配管ピースTA3を割り当てる。
【0062】
さらに、第1割当加工配管ピースTA1におけるエルボ部に接続されるソケット付き直管のソケット部分に第2直管接続点を設定する。続いて、管割図を基にする場合と同様の手順で、第2直管接続点SP2を対象として、配管ピースの割当を行い、第4割当加工配管ピースTA4及び第5割当加工配管ピースTA5を割り当てる。その後、配管図を消去することにより、図6(D)に示す施工図が作成される。
【0063】
こうして、割当部52によって作成された施工図は、例えば、表示制御部54により、表示装置30に表示される。図7及び図8は、表示装置30に表示される画像の一例を示す図である。図7に示すように、表示装置30には、施工図を示す画像が表示される。施工図を示す画像には、第1割当加工配管ピースTA1~第5割当加工配管ピースTA5及び既存継手EFなどの配管ピースの各図に対応する第1割当加工配管ピース画像GTA1~第5割当加工配管ピース画像GTA5及び既存継手画像GEFが含まれる。以下、配管ピースの画像を配管ピース画像という。
【0064】
配管ピース画像は、配管ピースが加工配管ピースであるか非加工配管ピースであるか、加工配管ピースである場合には、現場での加工が必要であるか否かに基づいて、表示態様が異なる。この例では、表示装置30は、非加工配管ピースを示す画像(以下、「非加工配管ピース画像」という)を第1色、例えば黒色、現場加工が必要な加工配管ピースを示す画像(以下、「要加工配管ピース画像」という)を第2色、例えば水色、現場加工が不要な加工配管ピースを示す画像(以下、「不要加工配管ピース画像」という)を第3色、例えば緑色で表示する。
【0065】
配管ピース画像に用いられる色は、どのような色でもよい。また、これらの色は共通していてもよいし、一部が共通して他の一部が異なっていてもよいし、すべてが異なっていてもよい。図7及び図8においては、黒色を実線、青色を破線、緑色を一点鎖線で示すが、表示装置30は、実際には、それぞれの対応する色の実線を表示する。
【0066】
具体的に、非加工配管ピース画像は、図7に示す既存継手画像GEF及び短管画像GMTを含む。加工配管ピース画像のうち、要加工配管ピース画像は、第1割当加工配管ピース画像GTA1、第2割当加工配管ピース画像GTA2、及び第5割当加工配管ピース画像GTA5を含む。不要加工配管ピース画像は、第3割当加工配管ピース画像GTA3及び第4割当加工配管ピース画像GTA4を含む。
【0067】
さらに、表示装置30に表示された配管ピース画像が操作されると、図8に示すように、操作された配管ピース画像に対応する配管ピースの諸元を表示する諸元画像GSが表示される。配管ピースの諸元には、切断情報及び配管ピース加工情報が示す各項目が含まれる。図8に示す例では、第5割当加工配管ピース画像GTA5が操作され、第5割当加工配管ピース画像GTA5の諸元画像GSが表示される。諸元画像GSには、切断情報に含まれる切断部位、切断長さなどの情報及び配管ピース加工情報に含まれるピース番号、加工番号、加工内容、品番、品名などの情報が含まれる。諸元画像GSにおける加工内容としては、第5割当加工配管ピース画像GTA5に対応するソケット付き直管及びその切断部位を示す画像が含まれる。配管ピース画像が操作されることは、配管ピース画像が指定されることの一例である。
【0068】
さらに、図示はしないが、他の配管ピース画像を操作することにより、操作された配管ピース画像に対応する配管ピースの諸元を表示する諸元画像が表示される。諸元画像は、特定の消去操作、例えば、諸元画像にクローズボタンを含めておき、このクローズボタンが操作されることで消去されるようにしてもよいし、一定時間が経過した場合に消去されてもよい。あるいは、他の諸元画像が表示された場合に消去されてもよいし、諸元画像が所定数表示されたり、諸元画像の表示面積が所定の面積以上となったりした場合に、消去されたりしてもよい。
【0069】
以上説明した実施形態の配管支援システム1は、配管ピースを配管図に割り当てて施工図を作成するにあたり、既存継手や直管などの既存配管ピースとともに加工配管ピースを配管図に割り当てる。配管支援システム1は、加工配管ピースを施工図に割り当てる際に、加工することによって配管図の一部に相当する加工配管ピースを配管図の一部に割り当てる。このため、既存の加工配管ピースの中に適切な加工配管ピースがない場合でも、加工配管ピースを割り当てることができる。したがって、ピッキング、移動、加工などの負担や費用の積算や部材の手配の手間を軽減することができるので、生産効率の低下を抑制することができる。
【0070】
また、上記の配管支援システム1では、施工図を表示装置30に表示させるにあたり、切断を要する加工配管ピースが割り当てられている場合には、加工配管ピースの切断部位および切断長さを表示装置30に表示させる。このため、例えば、配管支援システム1の表示装置30を作業現場に設置しておくことにより、作業現場で配管作業を行うにあたり、加工配管ピースの切断が必要である場合に、作業者は、切断部位及び切断長さを容易に把握することができる。
【0071】
表示装置30を作業現場に設置するにあたり、配管支援装置20は、作業現場に設置されていてもよいし、作業現場以外の場所、例えば配管の設計を行う設計事務所などに設置されていてもよい。表示装置30が設置された場所以外の場所に配管支援装置20が設置される場合には、施工図情報、切断情報、及び配管ピース加工情報は、インターネットなどを介して配管支援装置20から表示装置30に送信されてもよい。あるいは、配管支援装置20において、施工図情報、切断情報、及び配管ピース加工情報が記憶されたDVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体を作成して、表示装置30で再生するようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、配管支援装置20は、施工図情報及び切断情報を表示装置30に表示させて出力するが、他の態様で出力してもよい。例えば、表示装置30以外のサーバなどに送信して出力してもよいし、加工配管ピースを含む配管ピースを保管する出荷元となる保管施設における管理装置などに送信して出力してもよい。
【0073】
例えば、保管施設における管理装置に施工図情報及び切断情報を出力することにより、例えば、保管施設において、作業現場で行われる加工配管ピースの加工を保管施設で行ってから出荷することができる。あるいは、保管施設において、作業現場で切断される加工配管ピースに切断対象である旨を示す情報媒体、例えばQRコード(登録商標)などの二次元コードを付与しておいてもよい。この場合には、作業現場において、加工配管ピースの切断作業をスムーズに行うことができる。
【0074】
また、施工図情報、切断情報、及び配管ピース加工情報を、例えば、配管の費用を算出する演算装置に出力してもよい。施工図情報、切断情報、及び配管ピース加工情報を、演算装置にすることにより、既存配管ピースを使用した場合と使用しない場合の積算価格の比較などを行うことができる。
【0075】
また、上記の実施形態では、加工配管ピースDB62は、配管支援装置20が記憶しているが、他の態様で記憶されていてもよい。例えば、クラウド上のサーバに加工配管ピースDB62が記憶されており、配管支援装置20は、クラウド上のサーバに記憶された加工配管ピースDB62を読み込むようにしてもよい。
【0076】
また、上記の実施形態では、加工することによって配管図の一部に相当する加工配管ピースは、切断することによって配管図の一部に相当する加工配管ピースであるが、切断以外の加工の態様であってもよい。切断以外の加工の態様としては、例えば、切削、継ぎ足し、折曲などの加工の態様がある。
【0077】
また、上記の実施形態では、加工配管ピースDB62に含まれる加工配管ピースは、同種類の加工配管ピース間で直管調整可能長さに共通する範囲があるが、例えば、図9に示すように、直管調整可能長さがいずれも異なるようにしてもよい。この場合、配管ピースを割り当てる際に、加工配管ピースの直管部分の長さによって複数の加工配管ピースが対象となることはないので、図4に示すフローチャートを実行する場合に、ステップS29の処理は不要となる。
【符号の説明】
【0078】
1…配管支援システム、10…入力装置、20…配管支援装置、30…表示装置、50…制御部、51…取得部、52…割当部、53…出力部、54…表示制御部、60…記憶部、62…加工配管ピースDB、F1…管割図、F2…アイソメ図
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9