(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】埋め込みパッケージにおける応力緩衝層
(51)【国際特許分類】
H01L 25/16 20230101AFI20241001BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H01L25/16 Z
H01L23/12 J
(21)【出願番号】P 2020569781
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(86)【国際出願番号】 US2019037149
(87)【国際公開番号】W WO2019241610
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-06-13
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ウーチャン キム
(72)【発明者】
【氏名】松浦 政光
(72)【発明者】
【氏名】升本 睦
(72)【発明者】
【氏名】青屋 健吾
(72)【発明者】
【氏名】ハウ タンハ ニューイェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェク キショアチャンド アローラ
(72)【発明者】
【氏名】アニンダヤ ポダール
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0032350(US,A1)
【文献】特開2001-298131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/16
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)パッケージであって、
前記ICパッケージ内のICダイの
非導電性表面の上のシード層と、
前記
シード層上に形成される複数のパッドと、
前記複数のパッドの各々の直上の複数のポストであって、前記複数のポストの各々が、前記複数のパッドの対応するパッドの横幅より小さい横幅を有する、前記複数のポストと、
前記複数のポストに取り付けられるヒートスプレッダであって、前記ICパッケージから露出される表面を含む、前記ヒートスプレッダと、
を含む、集積回路(IC)パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載のICパッケージであって、
前記複数のパッドの各々と前記複数のポストの各々とが銅を含む、ICパッケージ。
【請求項3】
請求項1に記載のICパッケージであって、
前記複数のポストの各々が円筒形形状を含む、ICパッケージ。
【請求項4】
請求項1に記載のICパッケージであって、
前記複数のポストの各々が等しく離間される、ICパッケージ。
【請求項5】
請求項1に記載のICパッケージであって、
前記ヒートスプレッダの高さが15μm~60μmの範囲であるときに、前記複数のパッドと対応する複数のポストとの各ペアの高さが一緒に30μm~60μmの範囲である、ICパッケージ。
【請求項6】
請求項1に記載のICパッケージであって、
前記ヒートスプレッダの高さが40μmであるときに、前記複数のパッドと対応する複数のポストとの各ペアの高さが一緒に40μmである、ICパッケージ。
【請求項7】
請求項1に記載のICパッケージであって、
前記複数のポストの各々の高さと各対応するパッドの高さとの比が3:1である、ICパッケージ。
【請求項8】
集積回路(IC)パッケージ内の熱を放散するために用いる放熱構造を製造するための方法であって、
前記ICパッケージ内のICダイの上に第1のマスク層を堆積することと、
前記ICダイの対応する非導電性表面を露出させる第1の開口をつくるように前記第1のマスク層の領域を除去することと、
前記ICダイの露出される対応する非導電性表面の上の前記第1の開口の各々において前記第1のマスク層の高さまでパッドを形成することと、
各パッドと前記第1のマスク層の残りの部分との上に第2のマスク層を堆積することと、
第2の開口をつくるように前記第2のマスク層の領域を除去することであって、前記第2の開口の各々が対応するパッドの一部のみを露出させる、前記第2のマスク層の領域を除去することと、
各対応するパッドの露出される部分の直上の前記第2の開口の各々においてポストを形成することと、
前記第1及び第2のマスク層を除去することと、
前記ICダイと前記パッドと前記ポストとの上に誘電体材料を前記ポストの高さまで堆積することと、
前記誘電体材料と前記ポストとの上にヒートスプレッダを形成することであって、前記ヒートスプレッダの遠位表面が前記誘電体材料から露出される、前記ヒートスプレッダを形成することと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法であって、
前記第1のマスク層を堆積することと前記第1のマスク層の領域を除去することと、前記第2のマスク層を堆積することと前記第2のマスク層の領域を除去することとが、フォトリソグラフィプロセスを含む、方法。
【請求項10】
請求項
8に記載の方法であって、
前記第1の開口の各々においてパッドを形成することと前記第2の開口の各々においてポストを形成することとが、めっきプロセスを含む、方法。
【請求項11】
請求項
8に記載の方法であって、
前記パッドと前記ポストとが銅を含む、方法。
【請求項12】
請求項
8に記載の方法であって、
前記第1のマスク層を堆積することの前に前記ICダイの非導電性表面上にシード層を形成することを更に含む、方法。
【請求項13】
請求項
8に記載の方法であって、
前記ヒートスプレッダを形成することの前に前記誘電体材料と前記ポストとの上にシード層を形成することを更に含む、方法。
【請求項14】
集積回路(IC)パッケージであって、
ICダイであって、前記ICダイの外面上の導電性ボンドパッドと非導電性表面とを有する、前記ICダイと、
前記導電性ボンドパッドの1つ又は複数に接続される導電性ビアと、
応力緩衝層であって、
前記ICダイ
の非導電性表面の上の
シード層と、
前記シード層上の複数のパッドであって、前記複数のパッドの各々が、前記
シード層に接する近位端と、前記複数のパッドの各々の各近位端と反対の遠位端とを含む、前記複数のパッドと、
前記複数のパッドの各々の直上の複数のポストであって、前記複数のポストの各々が、前記複数のパッドの各伝導性パッドのそれぞれの遠位端に接する近位端と、前記複数のポストの各々の各近位端と反対の遠位端とを含み、各伝導性ポストがその対応するパッドの横幅より小さい横幅を有する、前記複数のポストと、
を含む、前記応力緩衝層と、
前記複数のポストの遠位端に接する近位表面と前記ICパッケージから露出される遠位表面とを含むヒートスプレッダと、
を含む、ICパッケージ。
【請求項15】
請求項
14に記載のICパッケージであって、
前記複数のパッドの各々と前記複数のポストの各々とが銅を含む、ICパッケージ。
【請求項16】
請求項
14に記載のICパッケージであって、
前記ICダイに電気的に接続されるドライバICを前記ICパッケージ内に更に含む、ICパッケージ。
【請求項17】
請求項
14に記載のICパッケージであって、
前記ヒートスプレッダの高さが
15μm~60μm
の範囲にあるときに、前記複数のパッドと対応する複数のポストのと各ペアの高さが
30μm~60μm
の範囲にある、ICパッケージ。
【請求項18】
請求項
14に記載のICパッケージであって、
前記複数のポストの各々の高さと各対応するパッドとの高さとの比が3:1である、ICパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的に、埋め込みパッケージ及びそれらの製造技術に関し、特に、埋め込みパッケージにおいて応力緩衝層を付加すること及びそのような応力緩衝層を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)ダイは、取り扱いや印刷回路基板(PCB)へのアセンブリを容易にするため、及びダイ又は関連する構成要素及びデバイスを損傷から保護するために、保護パッケージ内に封止される。ダイ及び関連する構成要素を封止してパッケージを形成するために、硬質プラスチック等の誘電体材料が用いられ得る。種々の異なるICパッケージタイプが存在し、幾つかのタイプは、パッケージの1つ又は複数の側(例えば頂部側)に形成されるヒートスプレッダを含む。具体的には、ヒートスプレッダは、封止されたダイ及び場合によっては他の封止された構成要素に相互接続されて、ヒートシンクとして機能し、それによってパッケージから外に熱を引き出すのを補助する。
【0003】
ヒートスプレッダを、封止されたダイ及び他の構成要素に物理的に(及び、そのため熱伝導的に)接続するための技術は、適切な熱放散を確実にするのに役立ち得る。下にあるダイとヒートスプレッダとの間に亀裂又は他の物理的故障があると、不十分な熱放散となり得、その結果、ダイの過熱を引き起こし、ダイが故障する可能性がある。これは、下にあるダイを形成するために用いられるシリコン(3ppm/KのCTE)と、ヒートスプレッダを形成するために用いられる銅(l6ppm/KのCTE)の熱膨張係数(CTE)の不一致によって引き起こされ得る。そのため、封止されたダイをヒートスプレッダと物理的に接続するための複数の技法及び構造が存在する。しかしながら、よく使用されるアプローチであっても壊滅的な故障に遭遇する可能性がある。
【0004】
1つのアプローチは、封止されたダイの頂部をヒートスプレッダに直接(例えば、熱パッドを介して)接触させることである。
図1は、ダイとヒートスプレッダとの間に直接接続を提供するICパッケージ100のブロック図の断面図である。具体的には、パッケージ100は、回路層105及び再分散層(RDL)110から構成される。回路層105は、ICダイ115、並びに駆動IC120等の他の構成要素を含む。RDL110は、金属ピラー等の複数の導電性ビア122及び金属リードフレーム等の相互接続124を含み得、ダイ115及び他の構成要素上の伝導性ボンドパッドに、下にある他の回路要素に対する電気的接続を提供する。
【0005】
パッケージ100はまた、優れた熱伝導性に起因して銅で構成され得るヒートスプレッダ125を含む。ダイ115からヒートスプレッダ125に熱を放散するため、これら2つの間の直接物理的接続によって提供されるインタフェース130が存在する。幾つかの実施形態において、ダイ115とヒートスプレッダ125の直接インタフェース130として、同じく銅であり得るプレーンメタル層が提供され得る。しかしながら、パッケージ100が高温にさらされると、ダイ115のシリコンとヒートスプレッダ125(又は金属層)の銅との間の直接インタフェース130におけるCTEの大きな不一致に起因して、それらのインタフェース130において亀裂が発生し得る。例えば、埋め込みパッケージは、製造プロセスの間にプラスチックカプセルが吸収した可能性のある水分を除去するため、(例えば、赤外線(IR)リフロープロセスの間に)はんだ溶融温度を超える温度に加熱され得る。そのようなIRリフロープロセスの間、ヒートスプレッダ125とダイ115の頂部表面との間のCTE不一致は、そのような亀裂を発生させ得、この構造整合性の欠如は、しばしば、ヒートスプレッダの放熱性能に著しく影響し得る。また、このような亀裂は、パッケージ100に対する極端な動作条件において遭遇する高温に応答して生じ得る。
【0006】
図2は、封止されたダイとヒートスプレッダとの間で直接物理的接続を用いる、使用されたパッケージ200の走査型電子顕微鏡(SEM)からの画像である。
図1と同様に、
図2のパッケージ200もまた回路層205、並びにRDL210を含む。ICダイ215が回路層205における誘電体材料内に封止されているのが見られる。走査はまた、放熱のためダイ215の頂部に直接接続されている銅のヒートスプレッダ225を示している。時間経過とともに、ダイ215とヒートスプレッダ225との間のインタフェースに、パッケージ200のこれらの2つの構成要素の間の熱膨張における不一致によって引き起こされる大きな亀裂230が形成され得る。
図2Aは、
図2におけるパッケージ200の一部の拡大図を提供する。この拡大図において、ダイ215とヒートスプレッダ225との間のインタフェースに近接する亀裂230が示されている。結果として、このパッケージ200のヒートスプレッダ225の、ダイ215から熱を放散する能力が損なわれる。
【0007】
図3は、ダイとヒートスプレッダとの間に間接接続を提供する別のICパッケージ300のブロック図の断面図である。このパッケージ300も、回路層305及びRDL310を含む。回路層305は、ヒートスプレッダ325を用いる熱放散を必要とするICダイ315を含む。このアプローチにおいて、ダイ315とヒートスプレッダ325との間に、物理的及び従って熱的接続を提供するために熱伝導性ビア335が用いられる。良好な熱伝導性を提供するために、ビア335もまた、銅の良好な熱伝導性に起因して、ヒートスプレッダ325と共に銅で形成され得る。また、通常は同じく銅である薄い伝導性シード層340がダイ315の頂部上に形成され得、ダイ315の頂部にわたって熱伝導性を支援し、伝導性ビア335の底部との接触も提供する。
【0008】
残念ながら、従来のアプローチと同様に、この第2のアプローチは、構造的な不利益を被り得る。特に、伝導性ビア335及びシード層340は銅で形成され得るが、ビア335がシード層340に接するインタフェースは機械的故障に遭遇し得る。具体的には、各伝導性ビア335の底部とダイ315の頂部との間のインタフェースは、通常は亀裂の形態である構造的故障に遭遇し得る。これは必ずしもCTE不一致に起因するのではなく、たとえ類似構造のシード層340を介した場合でも、伝導性ビア335の底部の各々に対して相対的に小さい直径から生じる高い熱機械的応力に起因する。これは、パッケージ300にIRリフロープロセスを行うときに起こり得る。この構造整合性の欠如は、ヒートスプレッダ375の放熱性能に大きく影響し得る。
【0009】
図3Aは、封止されたダイとヒートスプレッダとの間に伝導性ビアが用いられる、使用されたパッケージのSEM画像350である。画像350は、回路層355及びRDL360を含み、回路層355内に封止されているシリコンICダイ365を備えるパッケージのこの実施形態を示している。ヒートスプレッダ375が、ダイ365の上にダイ365から離間されて配置されていることがわかり、ダイ365とヒートスプレッダ375との間に物理的及び従って熱的接続を提供する銅ビア385を備える。また、熱放散を支援するために、薄い伝導性シード層390がダイ365の頂部の上に堆積されていることがわかり、銅ビア385は、インタフェース380において、シード層390の頂部に物理的に接続されている。
【0010】
しかしながら、上述のように、亀裂の形態での構造的故障は、パッケージがIRリフロープロセス又は同様の高温の他の原因を受けた後でも、ビア385とシード層390との間のインタフェース380において生じる。これは、伝導性ビア385を形成するために用いられる形成プロセスの結果であるビア385の下向きのテーパ状の側壁によって引き起こされる。具体的には、ダイ365及び他の構成要素及び相互接続を回路層355内に封止するために、誘電体材料が回路層355の上及び周囲に堆積されると、封止材料は、ダイ365の周りに事前定義された高さまで堆積される。その後、レーザドリルが用いられ、封止材料を介してダイ365の頂部又はシード層390の頂部に達するまでドリルダウンすることによって、ビア385を形成する。その後、ドリル穴を銅で充填してビア385を形成するように金属堆積技法が用いられ得る。その後、封止材料の頂部上、及び、銅ビア385の頂部と接して、ヒートスプレッダ325を形成するために銅堆積が再び用いられ得る。
【0011】
残念ながら、レーザドリルプロセスは、頂部から底部に向かってテーパ状のビア開口をつくる。結果として、充填された伝導性ビア385は、対応する下向きの円筒形のテーパ形状を有する。ビア385のこのテーパ形状は、その結果、ダイ365又はシード層390とのインタフェース380において細い直径を備えるビア構造をもたらす。これらテーパ状のビア385構造の結果、シード層390又はダイ365から熱を伝導する銅の総表面積が少なくなり、その結果、熱放散が少なくなる。また、この相対的に細いインタフェース380は、例えば、パッケージがリフロープロセスを受けた後に、各ビア385のインタフェース380において高い熱機械的応力をもたらす。従って、上述した他のアプローチの直接伝導接続と同様に、インタフェース380における高い熱機械的応力は、特に、パッケージ300に対する極端な動作条件において、各ビア385の底部のそれらのインタフェース380に亀裂を形成し得る。また、上述のように、そのような亀裂は、伝導性ビア385によって提供されるように意図された熱放散に機械的故障を引き起こす。また、ビア385の底部の内向きにテーパ状にされた構造では、ダイ365に又はダイ365の頂部表面上のシード層390に接する全体の熱伝導表面が少なくなる。
【0012】
従って、当技術分野において必要とされるものは、従来技術における欠陥を被らない、封止されたパッケージのための放散構造及びそのような放散構造を製造するための関連する方法である。下記の例はこれら及びその他の改善を提供する。
【発明の概要】
【0013】
幾つかの例は、埋め込みICダイとICダイの非導電性表面から熱を放散するために用いられるヒートスプレッダとの間の応力緩衝層の作成を提供する。応力緩衝層は、伝導性パッドの分散されたセットと伝導性パッド上に形成される対応する伝導性ポストのセットとで構成される。特に、伝導性パッドは、伝導性ポストより実質的に大きい幅又は直径を有し得る。伝導性パッドの直径が相対的に大きいため、伝導性パッドと、埋め込みダイの直接頂部との間、又は伝導性シード層が使用されている場合は伝導性シード層との間に、かなり大きなインタフェースが提供され、そのため、上述の幾つかのアプローチにみられるCTE不一致に関連するダイのインタフェースにおける熱機械的応力が低減される。また、伝導性パッドの大きな直径は、上述のレーザドリル技法を用いて細いテーパ状の伝導性ビアが形成されるときに存在する高い熱機械的応力をなくす。
【0014】
このように、1つの態様において、本記載は、埋め込みICパッケージ内の熱を放散する際に用いられる応力緩衝層に向けられている。例えば、本明細書で開示される応力緩衝層は、ICパッケージ内に封止されたICダイ上に横方向に分散された複数の伝導性パッドを含み得る。複数の伝導性パッドの各々は、ICダイの非導電性表面に接する近位端を有し得、各伝導性パッドの各近位端の反対側の遠位端を有し得る。また、そのような応力緩衝層は、横方向に分散され、複数の伝導性パッドの各々の上に直接形成された、複数の伝導性ポストを更に含み得る。複数の伝導性ポストの各々は、各伝導性パッドのそれぞれの遠位端に接する近位端、及び各伝導性ポストの各近位端の反対側の遠位端を含み得る。また、各伝導性ポストは、対応する伝導性パッドの横方向幅より小さい横方向幅を有し得る。また、ダイからの熱を放散するための構造は、複数の伝導性ポストの上に形成されるヒートスプレッダを更に含み得る。ヒートスプレッダは、複数の伝導性ポストの遠位端に接する近位表面、及びICパッケージから露出された遠位表面を有し得る。
【0015】
別の態様において、本開示は、ICパッケージ内の埋め込みICダイから熱を放散する際に用いられる応力緩衝層を製造するための方法に向けられる。例えば、或る方法が、ICダイ上に第1のマスク層を堆積させること、及びその後、ICダイの対応する非導電性表面を露出させる第1の開口をつくるように、第1のマスク層の領域を除去することを含み得る。この方法は、その後、ICダイの露出された対応する非導電性表面上で第1のマスク層の高さまで、第1の開口の各々に伝導性パッドを形成することを含み得る。或る例示的な方法が、その後、伝導性パッド及び第1のマスク層の残りの部分の上に第2のマスク層を堆積すること、及び、対応する伝導性パッドの一部を各々が露出させる第2の開口をつくるように、第2のマスク層の領域を除去することを含み得る。その後、第2の開口の各々の中に、各対応する伝導性パッドの露出された部分の直接上に伝導性ポストが形成され得る。或る例示の方法が、その後、第1及び第2のマスク層を除去すること、及びICダイ、伝導性パッド及び伝導性ポストの上に、伝導性ポストの高さまで、封止用誘電体材料を堆積することを含み得る。その後、ヒートスプレッダが、封止用誘電体材料及び伝導性ポストの上に形成され得、ヒートスプレッダの遠位表面が封止用誘電体材料から露出されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明及び好ましい使用の態様を、下記の例示的な実施形態の詳細な説明及び付図を参照して説明する。
【0017】
【
図1】ダイとヒートスプレッダとの間に直接接続を提供するICパッケージのブロック図の断面図である。
【0018】
【
図2】封止されたダイとヒートスプレッダとの間に直接的な物理的接続を用いる、使用されたパッケージの走査型電子顕微鏡からの画像である。
【0019】
【
図2A】
図2におけるパッケージの一部の拡大図である。
【0020】
【
図3】ダイとヒートスプレッダとの間に間接接続を提供する別のICパッケージのブロック図の断面図である。
【0021】
【
図3A】封止されたダイとヒートスプレッダとの間に伝導性ビアを用いる、使用されたパッケージの走査型電子顕微鏡からの画像である。
【0022】
【
図4】本開示に従って構成される放熱構造を有する埋め込みICパッケージのブロック図の断面図である。
【0023】
【
図4A】
図4に関して説明される応力緩衝層の拡大断面図である。
【0024】
【
図4B】本開示に従った応力緩衝層を備えて構成される埋め込みダイ構造とのインタフェースにおいて、熱機械的応力亀裂の発生のDOE結果の概要を提供するチャートである。
【0025】
【
図5A】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5B】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5C】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5D】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5E】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5F】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5G】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5H】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【
図5I】本開示に従って、埋め込みパッケージのための応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
【0026】
【
図6】本開示に従った応力緩衝層の一実施形態を有する埋め込みパッケージの3D図である。
【0027】
【
図7】本開示に従った応力緩衝層を用いる埋め込みパッケージの走査型電子顕微鏡からの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
種々の実施形態が具体的に説明される。しかしながら、説明自体は、本特許の範囲を限定するものではない。特許請求される主題は、他の手法でも具現化され得、説明されるものと類似の異なるステップ又は要素を含み得る。構成要素は、例示的であり、限定的ではない。本明細書に説明される構成要素と同じ又は類似の機能を実施し得る構成要素も本発明の範囲内に含まれる。
【0029】
明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるように、単数形(或る(「a」、「an」)及びその(「the」))は、文脈が明確に別段の指示をしない限り複数の参照を含む。「或る」構成要素を含む構成物に対する参照は、指定されたものに加えて他の構成要素を含むことを意図している。また、好ましい実施形態を説明する際に、用語は明確化の目的で用いられる。各用語は、当業者に理解されるその最も広い意味を企図し、同様の目的を達成するために同様の様式で動作する全ての技術的同等物を含む。
【0030】
用語、「有する(having、has)」、「含む(including、includes)」は、オープンエンド型であり、「含む(comprising、comprises)」等の用語と同じ意味を有することが意図され、他の構造、材料、又は行為の存在を排除するものではない。同様に、「し得る(can又はmay)」等の用語はオープンエンド型であり、その構造、材料、又は行為が必ずしも必要ではないことを反映しており、他の用語の使用が、その構造、材料、又は行為が必須であることを反映することが意図されていることはない。構造、材料、又は行為が不可欠である限り、それらはそのように識別される。
【0031】
1つ又は複数の方法ステップの言及は、明示的に識別されているこれらのステップの間の、付加的な方法ステップ又は介在する方法ステップの存在を排除するものではない。また、用語「ステップ」は、個々のステップの順序が明示的に要求される場合を除いて、種々のステップの間の特定の順を意味するものではない。
【0032】
ここで
図4を参照すると、本開示に従って構成される放熱構造を有する埋め込みICパッケージ400のブロック図の断面図が示されている。埋め込みICパッケージ400は、回路層405及びRDL410を含み、クワッドフラットノーリード(QFN)、スモールアウトラインノーリード(SON)(例えば、ベリースモールアウトラインノーリード(VSON)又はベリーベリースモールアウトラインノーリード(WSON)パッケージ)、ランドグリッドアレイ(LGA)、又は他の有利なパッケージとして具現化され得る。しかしながら、パッケージ400は、ヒートスプレッダ又は他の放熱構造を備える任意のタイプの埋め込みパッケージを含み得る。回路層405内において、ICダイ415が、駆動IC420と同様に、誘電体材料内に封止されている。RDL410内には、ICダイ415のアクティブ側に形成される導電性ボンドパッド412に接続される導電性ビア411がある。導電性リードフレーム413はまた、RDL410内で電気信号を分配するために導電性ビア411に接続されて図示されている。
【0033】
回路層405の上に配置されているのは、銅で構成され得るヒートスプレッダ425である。埋め込みダイ415をヒートスプレッダ425に物理的及び熱学的に接続するのは、本開示に従って構成される応力緩衝層430である。特に、応力緩衝層430の設計及び構造は、ICダイへの接続における熱機械的応力を低減する。この放熱構造はまた、ダイ415の頂部上に堆積されたオプションのシード層440を含み得、これはまた、ダイ415からの熱放散を改善し得る。応力緩衝層430の特異な構造は、熱伝導性パッド445と伝導性ポスト450との組み合わせを含む。具体的には、各伝導性パッド445の近位端が、非導電性表面の上のダイ415又はシード層440の非導電性表面に接し、一方、各伝導性パッド445の遠位端は、ダイ415から離れるように向いている。そのような非導電性表面は、ダイ415内の回路要素と電気的通信するために用いられる導電性ボンドパッドを有さないダイ415の任意の表面を含み得る。各伝導性ポスト450の近位端は、各対応する伝導性パッド445の遠位端に接し、一方、各伝導性ポスト450の遠位端は、伝導性パッド445から離れるように向いている。各伝導性ポスト450の遠位端は、その後、ヒートスプレッダ425、又はヒートスプレッダ425と各伝導性ポスト450との間に配置される任意選択のシード層(
図4Aを参照)と接している。ヒートスプレッダ425は、ICパッケージ400から露出された遠位表面を含む。
【0034】
例示の実施形態において、パッド445及びポスト450の両方は、互いに対する接合を改善するために同じ材料で形成され、例えば、両方とも、高い熱伝導性のために銅で形成される。しかしながら、他の熱伝導材料も用いられ得る。別の実施形態において、伝導性パッド445は、実質的に環状又は実質的に円筒形を有し得るが、伝導性パッド445に対して他の形状も用いられ得る。図示されるように、伝導性パッド445は、伝導性ポスト450より実質的に大きな幅又は直径を有し得る。有利なことに、伝導性パッド445の相対的に大きい直径は、パッド445と、直接ダイ415の非導電性表面か又は伝導性シード層440が存在する場合は伝導性シード層440のいずれかの頂部との間に有意に大きなインタフェースを提供し、それが、幾つかのアプローチにおいて見られるCTE不一致に関連するダイ415におけるインタフェースでの熱機械的応力を低減する。しかしながら、伝導性パッド445の直径は、ダイ415上に直接配置されるヒートスプレッダの接触面積と実質的に等しくなるほど大きくない。また、伝導性パッド445の大きな直径は、上述のレーザドリル技術を用いて細いテーパ状の伝導性ビアが形成される場合に存在する高い熱機械的応力をなくす。
【0035】
図4Aを参照すると、図示されているのは、
図4に関連して説明される応力緩衝層430の拡大断面図である。この拡大図は、応力緩衝層430をつくる伝導性パッド445及び伝導性ポスト450の形状及び比率をより正確に示している。この図にはまた、任意選択のシード層もヒートスプレッダ425の前に堆積され得、所望される場合、伝導性ポスト450の頂部がシード層425aに接続されることが示されている。
【0036】
いずれの実施形態においても、本記載は、伝導性パッド445及び伝導性ポスト450を形成するためのめっきプロセスによって作成される応力緩衝層430の作成を提供する。伝導性ポスト450よりも大きな直径を有する伝導性パッド445は、ダイ415(又はシード層440)に直接接し、パッド445のより大きい直径は、上述のレーザで穴あけされたビアより実質的に小さいダイ415上の単位面積ごとの応力分散をもたらす。また、伝導性パッド445のより大きい直径からの余分な量の銅(又は他の望ましい伝導材料)もまた、本明細書に開示されるような応力緩衝層430を有するパッケージ400の熱的性能を改善する。
【0037】
本明細書に開示されるような応力緩衝層430に関連する設計パラメータはまた、パッケージ400の望ましい熱機械的応力及び熱伝導性能に基づいて調整され得る。寸法(a)は、ダイ415の縁から外側伝導性パッド445の外側の直径までのプルバックの量である。寸法(b)は、より大きい伝導性パッド445によって提供される伝導性ポスト450からの付加的な半径である。寸法(c)は、伝導性ポスト450間の間隔である。寸法(d)は、伝導性ポスト450の直径である。寸法(e)は、ヒートスプレッダ425の厚さである。寸法(f)は、伝導性パッド445及び伝導性ポスト450の総高である。これらの事前定義された寸法に基づいて、伝導性ポストの高さ(f)は、高い応力点をダイから本明細書に開示されているような応力緩衝層に移動させるように選択され得る。また、より大きい伝導性パッドによって提供される付加的な横方向半径と組み合わされたポストの直径(d)は、構造によって提供される一層細い伝導性ビアと比べて、ダイ上の一層幅広い領域に応力を分散することに役立つ。
【0038】
図4Bは、本開示に従った応力緩衝層を用いて構成される埋め込みダイとのインタフェースにおける熱機械的応力亀裂の発生の実験計画(DOE)結果の概要を提供するチャートを示す。より具体的には、DOEの結果は、ヒートスプレッダの厚さ(e)と伝導性ポスト450及び伝導性パッド445の全体的な高さとの比較に注目している。DOEの結果は、ヒートスプレッダ425の厚さと応力緩衝層430の総高との間のトレードオフを示している。例えば、DOEの結果は、応力緩衝層430の最小高さが30μmであると、約60μmまでの厚さのヒートスプレッダ425のためのダイインタフェースにおいて亀裂が生じないという結果になったことを示した。ヒートスプレッダ425の厚さが高くなると、亀裂が発生する可能性が増加する傾向があった。同様に、応力緩衝層430の高さが小さすぎる場合、例えば、15μm以下の場合もまたダイ亀裂が発生する傾向があった。特に、DOEの結果は、ヒートスプレッダを使用して、応力緩衝層をなくすこと(即ち、0μm)は、単に、ヒートスプレッダが埋め込みダイに直接接続される結果になったことを示した。これは、上述の技法の1つであり、その熱分散技法を用いてもたらされ得るダイの亀裂の存在を示した。
【0039】
次に
図5A~
図5Iを参照すると、図示されているのは、埋め込みパッケージ500に対して応力緩衝層を形成するための例示的なプロセスの断面ブロック図である。
図5Aは、形成の中間段階における例示的なパッケージの回路層を示している。具体的には、中間構造は、誘電体パッケージ材料510を用いて封止された埋め込みICダイ505を含む。この中間構造の上に、プロセスは、第1のマスク層515を堆積する。第1のマスク層515は、フォトリソグラフィプロセスを用いて堆積されたフォトリソグラフィフマスクとし得る。しかしながら、その他の、現在存在する又は後に開発されるマスキング技術も用いられ得る。図示されていないが、第1のマスク層515の堆積の前に、ダイ505の頂部上にシード層も堆積されてもよい。
【0040】
図5Bは、応力緩衝層の製造プロセスの後段における中間パッケージ構造の断面図を示している。この段階において、第1のマスク層515は、埋め込みダイ505の非導電性表面を露出させる第1の開口520をつくるように、複数の領域において除去される。例えば、第1のマスク層515の選択部分を開口させるためにもフォトリソグラフィプロセスが用いられ得る。有利な実施形態において、実質的に円形の形状である第1のマスク層515の開口された領域は、応力緩衝層のための伝導性パッドの位置を提供する。また、この実施形態において、第1のマスク層515の厚さは、伝導性パッドの厚さを設定するために用いられる。
【0041】
図5Cは、応力緩衝層の製造プロセスの更なる段階における中間パッケージ構造の断面図を示している。プロセスのこの段階において、伝導性パッド525は、ダイ505の対応する非導電性表面の頂部の上に直接形成される。ダイ505上にシード層が用いられる実施形態において、伝導性パッド525はシード層上に形成される。伝導性パッド525を形成するために、銅めっきプロセス等のめっきプロセスが用いられ得る。他の実施形態において、伝導性パッド525は、半導体製造において用いられる堆積技術、又は金属の堆積又は形成のための他の有利なプロセスを用いて形成され得る。
【0042】
図5Dは、製造プロセスの更に後段における中間パッケージ構造の断面図を示している。プロセスのこの段階において、完成された伝導性パッド525の上、並びに第1のマスク層515の残りの部分の上に第2のマスク層530が形成される。第2のマスク層530はまたフォトリソグラフィプロセス又は任意の他の有利なプロセスを用いて形成され得る。また、第2のマスク層530は、第1のマスク層515と同じプロセスを用いて形成され得るが、そのような制約は要求されていない。また、第2のマスク層530の厚さは応力緩衝層の伝導性ポストの高さを提供するように選択されるので、第2のマスク層530は、第1のマスク層515とは異なる材料で構成され得、従って堆積され得る。或いは、異なるプロセスを用いて形成され得る。
【0043】
図5Eは、応力緩衝層の製造プロセスの更なる段階における中間パッケージ構造の断面図を示している。この段階において、第2のマスク層530は、前に形成された伝導性パッド525の一部を露出する第2の開口535を形成するように複数の領域において除去される。上述のように、第2のマスク層530の選択部分を開口するためにフォトリソグラフィプロセスが再び用いられ得る。第2のマスク層530の開口535は、これも実質的に円形であり得るが、伝導性パッド525に関して伝導性ポスト540の正確な位置及び形状を提供し、従って、伝導性パッド525上の中央に配置され得る。
【0044】
図5Fは、応力緩衝層の製造プロセスの更なる段階における中間パッケージ構造の断面図を示している。プロセスのこの段階の間、伝導性ポスト540は、第2のマスク層530の第2の開口535内に作成される。伝導性パッド525と同様に、ポスト540は、銅めっきプロセス等のめっきプロセスを用いて作成され得る。他の実施形態において、ポスト540は、半導体製造において用いられる堆積技術、又は金属の堆積又は形成のための別の有利なプロセスを用いて作成され得る。図示されるように、ポスト540の高さは、第2のマスク層530の厚さによって決定される。また、伝導性パッド525と同様に、ポスト540も円筒形に形成され得る。しかしながら、ポスト540に対して他の形状も用いられ得る。
【0045】
図5Gは、応力緩衝層の製造プロセスの更なる段階における中間パッケージ構造の断面図を示している。この段階において、完成した応力緩衝層545(伝導性パッド525と伝導性ポスト540との組み合わせ)の形成後、第1及び第2のマスク515、530は、構造から剥がされるか又はその他の方式で除去される。マスク515、530を除去するための技術が用いられ得る。
図5Hは、プロセスの更なる段階における中間パッケージ構造の断面図を示している。具体的には、この段階は、パッケージ500の回路層におけるダイ505及び他の構成要素を封止するために用いられる封止用誘電体材料550の堆積を含む。誘電体材料550を提供するための、現存するか又は後に開発される任意の技法が用いられ得る。
【0046】
図5Iは、製造プロセスが完了した後のパッケージ500の断面図を示している。プロセスのこの段階において、ヒートスプレッダ555が誘電体材料550の頂部上に形成される。ヒートスプレッダ555を形成するために、めっきプロセス又は他の材料の堆積プロセスが用いられ得る。ヒートスプレッダ555は、応力緩衝層545の構成要素の頂部に直接接して配置されるか、或いは最初に伝導性シード層560が誘電体材料550の上に、応力緩衝層545の頂部に接して堆積され得、その後、シード層560の頂部の上にヒートスプレッダ555が直接形成される。また、ヒートスプレッダ555の遠位表面が、熱をパッケージ500の外に伝達させるように封止用誘電体材料550から露出されたままにされる。例示の実施形態において、ヒートスプレッダ555は銅で形成されるが、所望により、他の金属又は伝導性材料も用いられ得る。また、シード層560が存在する場合、シード層560もまた、ヒートスプレッダ555と同じ材料から形成され得、或いは別の有利な材料が用いられ得る。
【0047】
ここで
図6を参照すると、図示されているのは、本開示に従った応力緩衝層の一実施例を有する埋め込みパッケージ600の3D図である。パッケージ600もまた、パッケージ600の回路層においてRDL605及び封止されたICダイ610を含む。また、本明細書に記載されるように、ダイ610をヒートスプレッダ615に熱的に接続するように製造された応力緩衝層も示されている。応力緩衝層は、伝導性パッド620及び対応する伝導性ポスト625のペアによって形成され、この例示の実施形態においては、ダイ610の上側の非導電性表面の上で、実質的に等間隔に配置されている。しかしながら、伝導性パッド620及び伝導性ポスト625のペアに対して、他の間隔配置又はレイアウトも用いられ得る。
【0048】
応力緩衝層は、伝導性パッド620の近位端がダイ610に接するように、ダイ610の頂部表面上に直接形成される伝導性パッド620で構成される。上述のように、パッド620とダイ610との間に、任意選択のシード層が用いられ得る。この実施形態において、伝導性パッド620は、銅で形成され、事前定義された直径(d1)及び事前定義された高さ(h1)になるように実質的に円筒形に形成される。各伝導性パッド620の頂部に形成されるのは、伝導性ポスト625であり、伝導性ポスト625の近位端が、伝導性パッド620の遠位端に接するようになっている。伝導性ポスト625も、銅で形成され、実質的に円筒形を有する。伝導性ポスト625は、事前定義された直径(d2)及び事前定義された高さ(h2)に形成される。伝導性ポスト625の各ペアが対応する伝導性パッド620上に形成されると、応力緩衝層の全体の高さ(f)が確立される。また、伝導性ポスト625の間隔(c)はまた、応力緩衝層に対して事前定義され得る。例示の実施形態において、応力緩衝層の全体の高さ(f)は30μm~60μmの範囲であり、伝導性パッド620の高さ(h1)は約5μm~20μmの範囲であり、伝導性ポスト625の高さ(h2)は約10μm~50μmの範囲であり得る。そのような実施形態において、ヒートスプレッダ615は、15μm~60μmの範囲の高さ(e)を有し得る。更に具体的な実施形態において、応力緩衝層の全体の高さ(f)は約40μmであり得、ヒートスプレッダ615の高さ(e)は約40μmであり得る。そのような実施形態において、伝導性パッド620の高さ(h1)は約10μmであり得、伝導性ポスト625の高さ(h2)は約30μmであり得る。このように、伝導性ポスト625の高さ(h2)と比較したパッド620の高さ(h1)の比は、約3:1であり得る。しかしながら、これら2つの構成要素に対して、他の高さ比も用いられ得る。
【0049】
最後に
図7を参照すると、本開示に従った応力緩衝層を用いる埋め込みパッケージ700の一部の走査型電子顕微鏡からの画像が提供される。上述のように、パッケージ700は、回路層705及びRDL710を含み、埋め込みICダイ715が回路層705に封止されている。また、回路層705内には、本明細書に示されるように、ダイ715の頂部非導電性表面とヒートスプレッダ720との間に熱的接続を提供する応力緩衝層がある。また、ヒートスプレッダ720の遠位表面はパッケージ700から露出されている。
【0050】
応力緩衝層は、ここでも、ダイ715上に形成されるパッド725、及びパッド725の頂部上に形成される伝導性ポスト730を含むように示されている。例示の実施形態において、パッド725及びポスト730は、両方とも円筒形を有して形成され得るが、応力緩衝層のこれらの構成要素の一方又は両方に対して、他の形状も形成され得る。
図7における画像は、パッケージ700が、上述の手法でIRリフローを行った後に撮られたものである。特に、パッド725のインタフェース735及びダイ715の非導電性表面は、SEM画像において可視である亀裂を有さない。結果として、応力緩衝層の熱伝導性は、パッケージ700がIRリフロープロセスを受けたにも関わらず、その維持された構造的完全性に起因して、ダイ715から熱を充分に放散し得る。
【0051】
本発明は、好ましい実施形態を参照して図示及び説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における種々の変更が行われ得る。従って、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された主題の全ての改変及び同等物を含む。また、それら全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが、本明細書に別段の指示がないい限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明に含まれる。
【0052】
種々の実施形態は、単に例として提示されてきたが、これらに制限されるものではない。従って、本開示の幅及び範囲は、上述の例示の実施形態のいずれによっても制限されるものではなく、特許請求の範囲及びそれらの同等物に従ってのみ定義されるべきである。また、上述の利点及び特徴は、説明された実施形態において提供されているが、そのような発行された請求項の適用を、上述の利点のいずれか又は全てを達成するプロセス及び構造に限定しない。