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特許7563987燃料電池システムならびに燃料電池スタックを起動するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】燃料電池システムならびに燃料電池スタックを起動するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04302 20160101AFI20241001BHJP
   H01M 8/04225 20160101ALI20241001BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20241001BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20241001BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20241001BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20241001BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20241001BHJP
【FI】
H01M8/04302
H01M8/04225
H01M8/0432
H01M8/04746
H01M8/04858
H01M8/04701
H01M8/10 101
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020573212
(86)(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 FI2019050501
(87)【国際公開番号】W WO2020002773
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】20185606
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】512068592
【氏名又は名称】テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ
【氏名又は名称原語表記】TEKNOLOGIAN TUTKIMUSKESKUS VTT OY
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パウリ・コスキー
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-294305(JP,A)
【文献】特開2017-195197(JP,A)
【文献】特開2007-170294(JP,A)
【文献】特開2008-251335(JP,A)
【文献】特開2004-281254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を含む燃料の化学エネルギーを電気に変換するための燃料電池システムであって、
- プロトン交換膜によって分離された少なくとも1つのアノードと1つのカソードとを備える燃料電池スタックと、
- 前記燃料電池スタックに燃料を供給するための燃料輸送回路と、
- 冷却媒体輸送回路を備え、前記燃料電池スタックに冷却媒体を循環させることによって前記燃料電池スタックの温度を制御するように適合されている温度制御システムであって、
- 前記冷却媒体輸送回路内で前記冷却媒体を循環させるためのポンプと、
- 前記冷却媒体をPTCヒーターで加熱するために前記冷却媒体輸送回路に接続されているヒーターユニットと、
- 前記燃料電池スタックから過剰な熱を除去するために前記冷却媒体輸送回路に接続されている熱放射ユニットと、
- 少なくとも1つの温度センサーとを備える温度制御システムとを具備し、
前記燃料電池システムは、前記燃料電池スタックの起動状態に応じて、前記燃料輸送回路が燃料を前記燃料電池スタックに送達する場合に、
- 前記少なくとも1つの温度センサーから前記燃料電池スタックの温度を示す温度信号を読み取り、
- 前記燃料電池スタックの温度が第1の所定の値T1より低い場合に、前記冷却媒体輸送回路内の前記熱放射ユニットを、前記冷却媒体輸送回路内の少なくとも1つの弁を動作させることによってバイパスして、前記冷却媒体が前記ヒーターへ流れることを可能にし、前記熱放射ユニットを通る前記冷却媒体の流れを停止し、前記燃料電池スタックによって生成される電力を前記PTCヒーターに接続し、また前記燃料電池スタックまたは前記冷却媒体が所定の第2のT2、第3のT3、および第4のT4の温度に達し、T2≦T3≦T4であることを示す温度信号を前記少なくとも1つのセンサーから受信すると、
- T2において前記燃料電池スタックによって生成された電力を外部消費のための出力に接続し、
- T3において前記電力から前記PTCヒーターを切断し、
- T4において前記冷却媒体の流れを前記熱放射ユニットに向ける少なくとも1つの弁を動作させることによって前記熱放射ユニットを前記冷却媒体輸送回路に接続するように適合されたコントローラを備え、
前記熱放射ユニットが前記冷却媒体輸送回路に接続された際、前記燃料電池スタックを起点として前記冷却媒体が前記冷却媒体輸送回路を一周する間に、前記冷却媒体が前記熱放射ユニットおよび前記ヒーターユニットの両方を通るように前記温度制御システムが構成され、
前記冷却媒体の全量が常に前記ヒーターを通るように前記温度制御システムが構成されている、燃料電池システム。
【請求項2】
前記温度制御システムが、前記冷却媒体の全量が常に前記燃料電池スタックを通るよう構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
水素を含む燃料の化学エネルギーを電気に変換するための燃料電池システムを始動するための方法であって、前記方法は
- プロトン交換膜によって分離された少なくとも1つのアノードおよび1つのカソードを備える燃料電池スタックならびに前記燃料電池スタックに燃料を供給するための燃料輸送回路と、
- 前記燃料電池スタックに冷却媒体を循環させることによって前記燃料電池スタックの温度を制御するように適合されている冷却媒体輸送回路を備える温度制御システムであって、
- 前記冷却媒体輸送回路内で前記冷却媒体を循環させるためのポンプと、
- 前記冷却媒体輸送回路内の前記冷却媒体をPTCヒーターで加熱するためのヒーターユニットと、
- 前記燃料電池スタックから過剰な熱を除去するために前記冷却媒体輸送回路に接続されている熱放射ユニットと、
- 少なくとも1つの温度センサーとを備える温度制御システムとを設けるステップを含み、
前記燃料電池スタックの起動状態に応じて、前記燃料輸送回路が燃料を前記燃料電池スタックに送達している場合に、前記方法は、少なくとも、コントローラによって実行されるさらなるステップ、すなわち、
- 前記少なくとも1つの温度センサーから前記燃料電池スタックの温度を示す温度信号を読み取るステップと、
- 前記冷却媒体輸送回路内の前記熱放射ユニットを、前記冷却媒体輸送回路内の少なくとも1つの弁を動作させることによってバイパスして、前記冷却媒体が前記ヒーターに流れることを可能にし、前記熱放射ユニットを通る前記冷却媒体の流れを停止させるステップと、
- 前記燃料電池スタックの温度が第1の所定の値T1より低い場合に、前記燃料電池スタックによって生成された電力を前記PTCヒーターに接続するステップと、
- 前記燃料電池スタックまたは前記冷却媒体が所定の第2のT2、第3のT3、および第4のT4の温度に達し、T2≦T3≦T4であることを示す温度信号を前記少なくとも1つのセンサーから受信すると、
- T2において前記燃料電池スタックによって生成された電力を外部消費のための出力に接続するステップと、
- T3において前記電力から前記PTCヒーターを切断するステップと、
- T4において前記冷却媒体の流れを前記熱放射ユニットに向ける少なくとも1つの弁を動作させることによって前記熱放射ユニットを前記冷却媒体輸送回路に接続するステップとを含み、
前記冷却媒体輸送回路は、前記熱放射ユニットが前記冷却媒体輸送回路に接続された際、前記燃料電池スタックを起点として前記冷却媒体が前記冷却媒体輸送回路を一周する間に、前記冷却媒体が前記熱放射ユニットおよび前記ヒーターユニットの両方を通るように前記温度制御システムが構成され、
前記冷却媒体の全量が常に前記ヒーターを通るように前記温度制御システムが構成されている、方法。
【請求項4】
前記温度制御システムが、前記冷却媒体の全量が常に前記燃料電池スタックを通るよう構成されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
水素を含む燃料の化学エネルギーを電気に変換するための燃料電池スタックと、少なくとも1つの処理コアと、コンピュータプログラムコードを収めた少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアにより、前記装置に前記燃料電池スタックの起動状態に応じて、少なくとも、
- 少なくとも1つの温度センサーから前記燃料電池スタックの温度を示す温度信号を読み取り、
- 前記燃料電池スタックが起動状態に設定され、前記燃料電池スタック内の前記温度が第1の所定の値T1より低い場合に、前記燃料電池スタックに対する冷却媒体輸送回路から熱放射ユニットを、前記冷却媒体輸送回路内の少なくとも1つの弁を動作させることによってバイパスして、冷媒体PTCヒーターへ流れることを可能にし、前記熱放射ユニットを通る前記冷却媒体の流れを停止し、前記燃料電池スタックによって生成される電力を前記冷却媒体輸送回路内の前記冷却媒体を加熱することができる前記PTCヒーターに接続し、また前記燃料電池スタックまたは前記冷却媒体が所定の第2のT2、第3のT3、および第4のT4の温度に達し、T2≦T3≦T4であることを示す温度信号を前記少なくとも1つのセンサーから受信すると、
- T2において前記燃料電池スタックによって生成された電力を外部消費のための出力に接続し、
- T3において前記電力から前記PTCヒーターを切断し、
- T4において前記冷却媒体の流れを前記熱放射ユニットに向ける少なくとも1つの弁を動作させることによって前記熱放射ユニットを前記冷却媒体輸送回路に接続することを行わせるように構成され、
前記熱放射ユニットが前記冷却媒体輸送回路に接続された際、前記燃料電池スタックを起点として前記冷却媒体が前記冷却媒体輸送回路を一周する間に、前記冷却媒体が前記熱放射ユニットおよび前記ヒーターの両方を通るように前記冷却媒体輸送回路が構成され、
前記冷却媒体の全量が常に前記ヒーターを通るように前記冷却媒体輸送回路が構成されている、装置。
【請求項6】
前記冷却媒体の全量が常に前記燃料電池スタックを通る、請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン交換膜(PEM)型燃料電池燃料電池システム(Proton-exchange membrane (PEM) fuel cells fuel cell system)、特に、PTCヒーターを使用する燃料電池のコールドスタートシステム(cold-start system)に関する。
【0002】
謝辞
本発明に至る研究は、助成金契約n°621218に基づく「燃料電池および水素ジョイントテクノロジーイニシアティブ」のための欧州連合(EU)の第7次研究開発フレームワークプログラム(FP7/2007-2013)からの資金拠出を受けた。
【背景技術】
【0003】
プロトン交換膜型燃料電池は、高分子電解質膜型燃料電池(PEMFC)とも呼ばれ、主に輸送用途向けに、さらには据置型燃料電池用途および携帯型燃料電池用途向けに開発が進められている燃料電池の一種である。その際立った特徴は、低温域(50から100℃)であること、および特別なプロトン伝導性高分子電解質膜であることである。
【0004】
冷起動時のPEMFCスタックの加熱は、通常、外部電力に頼り、電熱器によりスタックおよび/または冷却剤を加熱することによって行われる。これは、ニアショート状態で予備乾燥されたスタックを運転し、燃料のポテンシャルエネルギーの大部分を電気の代わりに熱に直接変換することと組み合わされ得る。米国特許第8862305号、米国特許出願公開第20080187802号、および米国特許出願公開第20090272727号において開示されているような従来技術は、スタックに取り付けられているPTC(正温度係数)ヒーターを使用することによってコールドスタート状態で燃料電池によって生成される電気がそれ自体を加熱するために使用される解決策を示している。
【0005】
問題は、スタックを損傷させることなく、いかにして「ニアショート」状態を調節するかである。ニアショート状態におけるスタックの制御は、電流を流しすぎると電気接点が過熱して燃料電池のコンポーネントを溶かす可能性があるので問題がある。別の問題は、起動状態における液体冷却剤とスタックの間の温度差が高く、これが漏れおよびスタックの不具合を引き起こす可能性があることである。
【0006】
冷起動状態に対処することを目的として、スタックの設計を変更し、および/または複数の内部もしくは外部の電熱器を組み込むと、システムの価格および複雑さが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第8862305号明細書
【文献】米国特許出願公開第20080187802号明細書
【文献】米国特許出願公開第20090272727号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、スタック設計から独立して適用され得る改良されたPEMFCコールドスタート調節機構が必要とされており、これは、所望の温度までの燃料電池スタックの加熱を容易に制御できるようにし、燃料電池システム内のショート損傷の危険性をなくす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様により、水素を含む燃料の化学エネルギーを電気に変換するための燃料電池システムが提供される。本発明のシステムは、
- プロトン交換膜によって分離された少なくとも1つのアノードと1つのカソードとを備える燃料電池スタックと、
- 前記燃料電池スタックに燃料を供給するための燃料輸送回路と、
- 冷却剤輸送回路を備え、前記燃料電池スタックに冷却媒体を循環させることによって前記燃料電池スタックの温度を制御するように適合されている温度制御システムであって、
- 前記冷却剤輸送回路内で前記冷却媒体を循環させるためのポンプと、
- 前記冷却媒体をPTCヒーターで加熱するために前記冷却剤輸送回路に接続されているヒーターユニットと、
- 前記燃料電池スタックから過剰な熱を除去するために前記冷却剤輸送回路に接続されている熱放射ユニットと、
- 少なくとも1つの温度センサーとを備える温度制御システムとを具備し、
前記燃料電池システムは、前記燃料電池スタックの起動状態に応じて、前記燃料輸送回路が燃料を前記燃料電池スタックに送達する場合に、
- 前記少なくとも1つの温度センサーから前記燃料電池スタックの温度を示す温度信号を読み取り、
- 前記燃料電池スタックの温度が第1の所定の値より低い場合に、前記冷却剤輸送回路内の前記熱放射ユニットをバイパスし、
- 起動されるべき前記燃料電池スタックによって生成された電力を接続により前記PTCヒーターに伝達するように適合されているコントローラを備える。
【0010】
本発明の第2の態様により、燃料電池システムを起動するための方法が提供される。本発明の方法は、
- プロトン交換膜によって分離された少なくとも1つのアノードおよび1つのカソードを備える燃料電池スタックならびに前記燃料電池スタックに燃料を供給するための燃料輸送回路と、
- 冷却剤輸送回路を備え、前記燃料電池スタックに冷却媒体を循環させることによって前記燃料電池スタックの温度を制御するように適合されている温度制御システムであって、
- 前記冷却剤輸送回路内で前記冷却媒体を循環させるためのポンプと、
- 前記冷却媒体をPTCヒーターで加熱するためのヒーターユニットと、
- 前記燃料電池スタックから過剰な熱を除去するために前記冷却剤輸送回路に接続されている熱放射ユニットと、
- 少なくとも1つの温度センサーとを備える温度制御システムとを設けるステップを含み、
方法は、前記燃料電池スタックの起動状態に応じて、前記燃料輸送回路が燃料を前記燃料電池スタックに送達している場合に、前記コントローラによって実行されるさらなるステップ、すなわち、
- 前記少なくとも1つの温度センサーから前記燃料電池スタックの温度を示す温度信号を読み取るステップと、
- 前記燃料電池スタックの温度が第1の所定の値より低い場合に、前記冷却剤輸送回路内の前記熱放射ユニットをバイパスするステップと、
- 起動されるべき前記燃料電池スタックによって生成された電力を接続により前記PTCヒーターに伝達するステップとを含む。
【0011】
本発明の第3の態様により、水素を含む燃料の化学エネルギーを電気に変換するための燃料電池スタックと、少なくとも1つの処理コアと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置が提供される。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つの処理コアにより、この装置に、少なくとも
- 少なくとも1つの温度センサーから前記燃料電池スタックの温度を示す温度信号を読み取り、
- 燃料電池スタックが起動状態に設定され、前記燃料電池スタック内の温度が第1の所定の値より低くなった場合に、前記燃料電池スタックに対する冷却剤輸送回路からの熱放射ユニットをバイパスし、
- 前記起動された燃料電池スタックによって生成された電力を接続により前記冷却剤輸送回路内の前記冷却媒体を加熱することができるPTCヒーターに伝達することを行わせるように構成されている。
【0012】
燃料は、本発明の文脈の範囲内では、液体または気体であってよい。同様に、冷却媒体も、液体または気体であってよい。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、熱放射ユニットは、前記熱放射ユニットを通過することなく、冷却剤がヒーターへ流れることを可能にする少なくとも1つの弁を動作させることによってバイパスされる。言い換えると、冷却剤がヒーターへ流れることが可能にされ、前記熱放射ユニットを通る冷却剤の流れが停止される。
【0014】
いくつかの実施形態において、燃料電池スタックの温度または冷却剤の温度が第2の所定の値に達したことを示す前記少なくとも1つのセンサーからの温度信号を受信するコントローラは、外部消費のために電力を接続により出力部に伝達するように適合される。本発明のPEMFC燃料電池システムの出力は、たとえば、車両モーターから地域の電力網に至るまで、任意のタイプの負荷に接続され得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、燃料電池スタックの温度または冷却剤の温度が第3の所定の値に達したことを示す前記少なくとも1つのセンサーからの温度信号を受信したコントローラは、前記PTCヒーターを前記電力から切り離すように適合される。
【0016】
いくつかの実施形態において、燃料電池スタックの温度または冷却剤の温度が第4の所定の値に達したことを示す前記少なくとも1つのセンサーからの温度信号を受信したコントローラは、冷却剤の流れを前記熱放射ユニットに向ける少なくとも1つの弁を動作させることによって前記熱放射ユニットを前記冷却剤輸送回路に接続するように適合される。
【0017】
PEMFCシステムのコールドスタート時に、スタックはニアショート状態で動作し、燃料および酸化剤のポテンシャルエネルギーの大部分はスタックを加熱するために直接的に使用されるが、その結果生じる電力の一部は、冷却剤回路を加熱する液冷PTCヒーターで使用される、すなわち、電力はPTC抵抗器に伝達されて冷却材を加熱する。この方法は、加熱して正常な冷起動を行うための最も重要な部分である、スタックおよび冷却剤に熱を効果的に伝達することによって起動を可能にする。PTC素子は、スタックから引き出される電流を本質的に調節し、真のショートによる過熱の問題を回避する。スタックが真のショート状態にないので、高いショート電流がスタックの集電体の過熱を引き起こすことによる損傷が防止される。
【0018】
本発明には相当の利点がある。第1に、PTCヒーターは、冷却剤回路への1つの追加コンポーネントでしかなく、調節は既存の冷却剤システムによって行われる。第2に、本発明のPTCヒーターは、スタック集電回路の過熱を安全に防ぎ、その間、それをニアショート状態に維持し、燃料エネルギーの大部分はスタックを加熱するために変換される。第3に、この方法は、スタックそれ自体の変更を必要とせず、既存のシステム設計に容易に組み込むことができる。
【0019】
液冷PTC抵抗器を使用するときに、熱出力は冷却液に伝導され、ヒーターの抵抗はヒーターに冷たい冷却剤を通す冷却剤ポンプによって原理上調節される。このようにして、熱はせいぜい必要とされる場所にも伝達され、冷却剤はシステムの熱容量の著しい部分を形成し、これは有利な動作温度まで十分な速さで加熱される必要がある。
【0020】
起動時の熱容量の量を減らすために、ラジエータは、本発明によれば、ソレノイド弁などによって冷却剤回路から一時的にバイパスされる。
【0021】
PTCヒーターは、抵抗器の温度がその特性締切値の近くまで加熱されたときに抵抗が指数関数的に増大する自己調節サーミスタとして作ることができる。代表的なPTCラバーヒーターでは、特性温度は、通常、PEMFC動作温度に近い60~80℃となるように選択される。
【0022】
本発明の実施形態は、次に、添付図面を参照することによってより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明において使用され得る燃料電池の概略を表す図である。
図2】本発明による燃料電池システムを示す図である。
図3】本発明による燃料電池システムのための制御システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、本発明において使用され得る燃料電池の概略を表す図が示されている。
【0025】
プロトン交換膜型燃料電池は、水素と酸素の電気化学反応時に発生した化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。水素の流れが、アノード側に送られる。アノード側では、水素ガスが触媒的に陽子と電子とに分けられる。アノードでのこの水素酸化反応は、化学反応式H2→2H++2e-で表される。液体燃料の場合、直接メタノールの例示的な化学反応式は、CH3OH+H2O→6H++6e-+CO2である。
【0026】
次いで、陽子は高分子電解質膜を通ってカソード側に移動し、電子は外部負荷回路に沿って移動し、それによって燃料電池の電流出力を生じる。一方、酸素の流れがカソード側に送られ、酸素分子は、高分子電解質膜を通って伝達された陽子および外部回路を通って戻った電子と反応して水分子を形成する。この酸素還元反応は、化学反応式1/2 O2+2H++2e-→H2Oで表される。
【0027】
図2には、本発明による燃料電池システム20の概略を表す図が示されている。主要なコンポーネントおよびサブシステムは、PEMFCスタック21、その燃料供給装置22、電力消費負荷28およびその電力回路23、ラジエータ27を備える冷却システム24、ならびに関係するサブシステム25を備える加湿器29である。負荷28は、スタックによって駆動されるモーターまたは他の電力消費デバイスとは別に、たとえば、地域の送電線または配電鋼であってもよい。
【0028】
燃料供給サブシステム22は、本発明の例示的な実施形態において、圧力調整器を備える水素供給弁22a、循環ポンプ22b、および水を排出し希薄水素をシステムから吐出するためのアクチュエータを備えるパージ弁22cからなる。また、循環を使用する、もしくは使用しない、および/または燃料エジェクタなどを使用する、他の燃料供給システムも使用され得る。
【0029】
電力サブシステム23は、いくつかの実施形態において、たとえば電気自動車のエンジンであってよい負荷28、負荷28を燃料電池21の出力23cへの接続および切断を行う第1のブレーカー23a、PTC発熱素子26aのオンオフ接続および切断を行う第2のブレーカー23bからなる。負荷28は、スタック起動のための電力を供給するために結合され得るバッテリ(図示せず)を含み得る。
【0030】
冷却サブシステム24は、ラジエータおよび/またはファンなどの放熱デバイス27、冷却剤ポンプ24a、およびアクチュエータを備えた冷却剤バイパス弁24b、24cからなる。2つの弁の代わりに、本発明から逸脱することなく、三方弁が使用され得るか、または冷却剤の入力流れを1つの出力経路から迂回させ、別の経路へのそのような流れを可能にするための任意の解決手段が使用されてもよい。冷却剤回路はヒーター26を通過するものであり、コイル26bまたは他の何らかの冷却剤流体運搬容器がオンにされた場合にPTCヒーター26aから熱を受け取ることができる。
【0031】
最後に、加湿器サブシステム25は、加湿器29、空気圧縮機25a、およびフィルタ25bからなる。加湿器29は、燃料電池21の入って来る酸化剤または水素燃料の流れに熱および湿度を加える。正しい加湿は、動作中に膜プロトン伝導率およびシステム全体の効率が高いままであることを確実にする。燃料電池21が停止されたときに、濾過された空気が燃料電池内に吹き込まれてそれを乾燥し、加湿器への空気戻り経路は、燃料電池から水分を運び出す。空気は圧縮機25aから直接的に燃料電池21内に吹き込まれ、すなわち、加湿器29をバイパスし、急速乾燥を円滑にするように配置構成されてもよい。次の起動時に低伝導率/効率モードで動作することを可能にするために、膜から湿気が除去されるべきである。過剰な水を除去することで、凍結/解凍を循環させたときの膜の寿命が改善される。
【0032】
図2の発明的な燃料電池システム20は、次のように、0℃を下回る温度などの寒冷時に動作する。
【0033】
システム20は、サブシステム22において燃料および反応物の流れを開始することによって開始される。一実施形態において、冷却剤弁24cは閉じられ、冷却剤バイパス弁24bは開いており、これにより、冷却剤回路からラジエータを排除する。冷却剤ポンプ24aは低速で始動され、PTCヒーターへのコンタクタ23bが接続される。コンタクタ23aは開いたままである。冷却剤ポンプ24aの回転数(回転/分など)を調整することによって、PTCヒーター26の加熱電力が調節され、たとえば、スタックのショート状態を制御することを補助し得る。
【0034】
燃料電池スタック21内の反応が開始されると、PTCヒーター26aを通して電流が流れる。スタック電位は、好ましくは低く保たれ、これにより燃料/酸化物エネルギーの大部分がスタック内の熱に変わる。スタックバイポーラ板が急速な加熱を開始している間、生成された電力のほんの一部が、コンタクタ23bを通して出力23cから電力として導かれ、ヒーター26で冷却剤システム23を加熱する。
【0035】
スタック21およびサブシステム23内の冷却液が氷点より高い温度に、たとえば40℃の温度まで加熱された後、出力23cからの電流は、コンタクタ23aを閉じることによって外部負荷28に向けられ、それによってシステムの正味電力を供給する。また、冷却剤の流れは、弁24bを閉じ、弁24cを開くことによって、ラジエータに向けられる。これは、動作温度が、たとえば、60~80℃の公称値に達したときに行われ得る。コンタクタ23bは、燃料電池が動作する条件、燃料電池21の制御システムにおける設計上の考慮事項が与えられた場合に最適なヒーター性能と考えられるものに応じて、早めに開かれるか、同時に開かれるか、または閉じられたままであってよい。
【0036】
低温状態感知温度(第1の所定温度)T1が0℃の場合、たとえば、第2の所定の温度T2は、コンタクタ23aを動作させることによって電力が外部負荷28に接続されたとき。T2は、たとえば40℃であってもよい。第3の所定の温度T3は、たとえば、PTCヒーターがコンタクタ23bを開くことによって電力から切断されているときに、60℃であってもよい。第4の所定の温度T4は、たとえば、弁が動作して冷却剤の流れを熱放射ユニットに再接続するときに、60~80℃であってよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、たとえば、T2=T3=T4である。いくつかの実施形態において、たとえば、T2<T3<T4であり、いくつかの実施形態において、T2=T3<T4である。トリガー温度の選択は、車両内の急速始動プロセスの要件など、負荷の設計上の考慮事項によっても決定される。
【0038】
いくつかの実施形態において、100℃を超える燃料電池スタック内の動作温度が使用され、それにより酸素還元反応の水の副生成物(図1を参照)が水蒸気にされるものとしてよい。これにより、スタックおよびシステム設計において水の管理は重大な問題でなくなり得る。
【0039】
燃料電池のシャットダウンは、燃料電池スタックの通常の動作と変わらず、シャットダウン時のスタックおよび膜の乾燥が円滑になる。
【0040】
図3には、本発明の少なくともいくつかの実施形態をサポートすることができる、すなわち、図2に示されているような本発明の燃料電池システムの起動を制御するための、制御システムの一例の概略図が示されている。これは、回線32を介して1つまたは複数の温度センサー31からの入力感知信号として受信する、好適なプロセス制御プログラムを装備したコンピューティングデバイス30を備える。このコンピューティングデバイス30は、図2に関連して説明されている手順に従って、弁24b、24cのアクチュエータ、およびコンタクタ23a、23bを動作させるために信号バス33上に出力制御信号を発生する。
【0041】
コンピューティングデバイス30は、マイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラベースのコンピューティングユニットなどの、汎用コンピュータまたは専用コンピュータであってよい。コンピューティングデバイス30に備えられているのは、たとえば、シングルコアプロセッサもしくはマルチコアプロセッサを備え得る、プロセッサ310であり、シングルコアプロセッサは1つの処理コアを備え、マルチコアプロセッサは2つ以上の処理コアを備える。プロセッサ310は、たとえば、Qualcomm Snapdragon 800プロセッサを含み得る。プロセッサ310は、2つ以上のプロセッサを含んでいてもよい。処理コアは、たとえば、Intel Corporationによって製造されているCortex-A8処理コア、またはAdvanced Micro Devices Corporationによって製造されているBrisbane処理コアを含み得る。プロセッサ310は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路、ASICを含み得る。プロセッサ310は、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGAを含み得る。プロセッサ310は、コンピューティングデバイス30において方法ステップを実行するための手段であり得る。プロセッサ310は、コンピューティングデバイス30において方法ステップを実行するための手段であり得る。プロセッサ310は、少なくとも一部はコンピュータ命令によって、アクションを実行するように構成され得る。
【0042】
コンピューティングデバイス30は、メモリ320を備え得る。メモリ320は、ランダムアクセスメモリおよび/または永続的メモリを含み得る。メモリ320は、少なくとも1つのRAMチップを備え得る。メモリ320は、たとえば、磁気メモリ、光学メモリ、および/またはホログラフィックメモリを含み得る。メモリ320は、少なくとも一部は、プロセッサ310からアクセス可能であってよい。メモリ320は、情報を記憶するための手段であってよい。メモリ320は、コンピュータ命令が収められるものとしてよく、プロセッサ310はそれらの命令を実行するように構成されている。プロセッサ310にいくつかのアクションを実行させるように構成されているコンピュータ命令がメモリ320に記憶され、コンピューティングデバイス30が全体として、メモリ320からのコンピュータ命令を使用してプロセッサ310の指令の下で実行するように構成されているときに、プロセッサ310および/またはその少なくとも1つの処理コアは、前記いくつかのアクションを実行するように構成されていると考えられてよい。
【0043】
コンピューティングデバイス30は、送信機330を備え得る。コンピューティングデバイス30は、受信機340を備え得る。送信機330および受信機340は、それぞれ、少なくとも1つのセルラー規格または非セルラー規格に従って情報を送受信するように構成され得る。送信機330は、2つ以上の送信機を含んでいてもよい。受信機340は、2つ以上の受信機を含んでいてもよい。送信機330および/または受信機340は、たとえば、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション、GSM、広帯域符号分割多元接続、WCDMA(登録商標)、ロングタームエボリューション、LTE、IS-95、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、WLAN、イーサネット、および/またはワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス、WiMAX、などの規格に従って動作するように構成され得る。
【0044】
送信機330は、説明されているように、プロセッサ310からの情報を、コンピューティングデバイス30の内部の電気リードを介して、弁24b、24cのアクチュエータ、およびコンタクタ23a、23bに出力するように配置構成され得る。このような送信機は、シリアルまたはパラレルバス33を使用するものであってよい。同様に、受信機340は、コンピューティングデバイス30の内部の電気リードを介して、1つまたは複数の温度センサー31および/または他のセンサーから、シリアルまたはパラレルバス32を介して、プロセッサ310内の情報を受信するように配置構成され得る。
【0045】
コンピューティングデバイス30は、また、近距離無線通信、NFC、トランシーバ350を備え得る。NFCトランシーバ350は、NFC、Bluetooth(登録商標)、Wibree、または類似の技術などの少なくとも1つのNFC技術をサポートし、他のワイヤレスまたは固定通信手段と並行して、またはその代わりに、上述のアクチュエータ、コンタクタ、およびセンサーと通信するために使用され得る。
【0046】
コンピューティングデバイス30は、ユーザインターフェース360を備え得る。ユーザインターフェース(UI)360は、ディスプレイ、キーボード、タッチスクリーンのうちの少なくとも1つを含み得る。ユーザは、たとえば、メモリ320に記憶されているか、または送信機330および受信機340を介して、もしくはNFCトランシーバ350を介してアクセス可能なクラウド上に記憶されているデジタルファイルを管理するために、UI360を介してコンピューティングデバイス30を操作することができるものとしてよい。
【0047】
コンピューティングデバイス30は、図3に例示されていないさらなるデバイスを備え得る。しかしながら、当業者であれば理解するように、これは一例に過ぎず、実施形態にもよるが、前述のデバイスのうちの少なくとも2つを相互接続する様々な手段が、本発明の範囲から逸脱することなく選択され得る。
【0048】
開示されている本発明の実施形態は、本明細書において開示されている特定の構造、プロセスステップ、または材料に限定されず、関連する技術分野の当業者によって理解されるようにそれらの等価物にまで拡張されることは理解されるべきである。本明細書において採用されている用語は、特定の実施形態のみを説明する目的で使用され、限定することを意図されていないことも理解されるべきである。
【0049】
本明細書全体を通して「一実施形態」または「実施形態」と記述されている場合、これは、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、「一実施形態において」または「実施形態では」という語句が本明細書全体の様々な箇所に記載されていても、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0050】
本明細書において使用されているように、複数の項目、構造要素、組成要素、および/または材料は、便宜上、共通のリストで示され得る。しかしながら、これらのリストは、リストの各メンバーが個別に別々の固有のメンバーとして識別されているかのように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストのいかなる個別のメンバーも、それとは反対の指示なく、共通のグループ内のそれらの提示にのみ基づき、同じリストの任意の他のメンバーの事実上の等価物として解釈されるべきでない。それに加えて、本発明の様々な実施形態および例は、その様々なコンポーネントの代替的形態とともに本明細書において参照され得る。そのような実施形態、例、および代替的形態は、互いの事実上の等価物として解釈されるべきではなく、本発明の別々の自律的表現として考慮されるべきであることは理解される。
【0051】
さらに、説明されている特徴、構造、または特性は、好適な任意の方式で1つまたは複数の実施形態に組み合わせられ得る。次の説明において、本発明の実施形態を十分理解できるように長さ、幅、形状などの例などの多数の具体的詳細が取りあげられている。しかしながら、当業者であれば、本発明は、具体的詳細の1つまたは複数がなくても、または他の方法、コンポーネント、材料などを使用しても、実施できることを理解するであろう。他の場合には、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構造、材料、または動作は、示されず、または詳細に説明されていない。
【0052】
前述の例は、1つまたは複数の特定の用途における本発明の原理を例示しているが、実装の形態、使用方法、および詳細の多数の変更形態が、発明才能を使うことなく、また本発明の原理および概念から逸脱することなく、行われ得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、以下に述べる特許請求の範囲による場合を除き、限定されることを意図されていない。
【0053】
本明細書において、「含む」および「備える」という動詞は、未記載の特徴をも、除外することもその存在を必要とすることもしない、開かれた限定として使用される。従属請求項に記載されている特徴は、別に明確な断りのない限り、相互に自由に組み合わせることが可能である。さらに、本明細書全体を通して、「1つの(a)」または「1つの(an)」、すなわち単数形の使用は、複数形を除外するものではないことは理解されるべきである。
【符号の説明】
【0054】
20 燃料電池システム
21 PEMFCスタック
22 燃料供給装置、燃料供給サブシステム
22a 水素供給弁
22b 循環ポンプ
22c パージ弁
23 電力回路
23a 第1のブレーカー、コンタクタ
23b 第2のブレーカー、コンタクタ
23c 出力
24 冷却システム、冷却サブシステム
24a 冷却剤ポンプ
24b、24c 冷却剤バイパス弁
25 サブシステム、加湿器サブシステム
25a 空気圧縮機
25b フィルタ
26 ヒーター
26a PTC発熱素子、PTCヒーター
26b コイル
27 ラジエータ、放熱デバイス
28 電力消費負荷、負荷
29 加湿器
30 コンピューティングデバイス
31 温度センサー
32 回線、シリアルまたはパラレルバス
33 信号バス、シリアルまたはパラレルバス
310 プロセッサ
320 メモリ
330 送信機
340 受信機
350 近距離無線通信、NFC、トランシーバ
360 ユーザインターフェース
図1
図2
図3