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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】広告印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241001BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 373
G06F3/12 385
B41J29/38 201
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021020807
(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公開番号】P2022123472
(43)【公開日】2022-08-24
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】袁 彬
(72)【発明者】
【氏名】張 シュタン
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132938(JP,A)
【文献】特開2009-210949(JP,A)
【文献】特開2018-007084(JP,A)
【文献】特開2016-057784(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0070515(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の印刷装置と、該印刷装置に広告情報を配信する広告管理装置とを有する広告印刷システムであって、
前記印刷装置は、
一度印刷した印刷物を再印刷する場合に前記印刷物を特定するジョブ特定情報を前記広告管理装置に送信し、前記広告管理装置から受信する再印刷指令に基づいて前記再印刷を行う動作を管理するジョブ管理部を備え、
前記広告管理装置は、
前記ジョブ特定情報により、前記印刷物に印刷された前記広告情報を特定し、該広告情報に対応付けられた配信制限情報に基づいて前記広告情報の前記再印刷の可否を判定する再印刷可否判定部と、
前記再印刷可否判定部において再印刷可と判定された場合は前記印刷物の再印刷可能枚数を表す再印刷枚数情報を含む前記再印刷指令を生成し、再印刷不可と判定された場合は前記印刷物に適合する新たな広告情報を含む前記再印刷指令を生成する再印刷ジョブ生成部と
を備える広告印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物に掲載する広告の広告料で印刷料金を賄う広告印刷システムが知られている。この広告印刷システムにおいては、通常、広告の配信期間や印刷枚数上限等の制約条件が設けられる。
【0003】
利用者は、広告印刷システムを用いて印刷物を印刷する場合、広告情報を管理する管理サーバに制約条件を照会する。管理サーバは、印刷が可能な広告のみを印刷装置に配信し、印刷物に広告を印刷する。したがって、配信期間や印刷枚数の上限を超えて広告が印刷される問題は生じない。このような広告印刷システムは例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-166646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された広告印刷システムは、印刷装置において一度印刷した印刷済みの原稿を再印刷する際に制約条件の照会を行わない。よって、再印刷を行う際に、制約条件を越えて広告が印刷されてしまう場合がある。その結果、契約した配信部数よりも多く印刷された印刷物の広告料を広告主に請求してしまう問題が発生する場合がある。このように従来の広告印刷システムは、広告の配信期間や印刷枚数上限を越えて広告を印刷してしまうという課題がある。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、広告の配信期間や印刷枚数上限を越えて広告を印刷してしまうことがない広告印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る広告印刷システムは、一つ以上の印刷装置と、該印刷装置に広告情報を配信する広告管理装置とを有する広告印刷システムであって、前記印刷装置は、一度印刷した印刷物を再印刷する場合に前記印刷物を特定するジョブ特定情報を前記広告管理装置に送信し、前記広告管理装置から受信する再印刷指令に基づいて前記再印刷を行う動作を管理するジョブ管理部を備え、前記広告管理装置は、前記ジョブ特定情報により、前記印刷物に印刷された広告情報を特定し、該広告情報の配信制限情報に基づいて前記広告情報の前記再印刷の可否を判定する再印刷可否判定部と、前記再印刷可否判定部において再印刷可と判定された場合は前記印刷物の再印刷可能枚数を表す再印刷枚数情報を含む前記再印刷指令を生成し、再印刷不可と判定された場合は前記印刷物に適合する新たな広告情報を含む前記再印刷指令を生成する再印刷ジョブ生成部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広告の配信期間や印刷枚数上限を越えて広告を印刷してしまうことがない広告印刷システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る広告印刷システムの構成例を示すブロック図である。
図2図1に示す印刷装置の印刷履歴を示す模式図である。
図3】ジョブ特定情報と再印刷指令のそれぞれに紐付く情報の例を示す図である。
図4図1に示す印刷装置と広告管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図5図1に示す印刷装置と広告管理装置の他の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る広告印刷システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す広告印刷システム100は、一つ以上の印刷装置10、ネットワーク20、印刷装置10に広告画像情報を含む印刷情報を配信する広告管理装置30、及び広告印刷システム100の全体の動作を制御する制御装置40を有する。
【0012】
なお、制御装置40は無くても構わない。制御装置40の機能は、印刷装置10及び広告管理装置30のどちらかに設けてもよい。以降で説明する実施形態は、制御装置40が無い構成で説明する。
【0013】
印刷装置10と広告管理装置30は、ネットワーク20を介して接続される。ネットワーク20は、インターネットでもよいし、LANケーブルであってもよい。印刷装置10と広告管理装置30との間で情報のやり取りが可能であればネットワーク20は無くても構わない。また、図1に「…」で示すように広告管理装置30は、複数の印刷装置10と接続させてもよい。
【0014】
(印刷装置)
印刷装置10は、送受信部11、ジョブ管理部12、及び印刷部13を備える。印刷装置10は、インクジェット印刷装置、電子写真方式印刷装置、及び穿孔印刷装置等の何れでもよい。
【0015】
印刷方式は、紙又はフィルム等の印刷媒体に画像を形成するものであればどのような方式であっても構わない。以降、印刷媒体に画像等が形成(印刷)されたものを印刷物と称する。
【0016】
また、図1に示す機能構成部は、本実施形態の説明に必要な最小限の構成を示すものであり、説明に不要な操作部及び制御部等の一般的な構成の表記は省略している。このことは後述する広告管理装置30についても同様である。
【0017】
送受信部11は、広告管理装置30と印刷媒体に印刷する広告情報及び原稿を表す画像情報等を送受信する。広告情報及び画像情報は、例えばページ記述言語(PDL:Page Description Language)で表される。
【0018】
ページ記述言語は、印刷部13に印刷すべき内容を伝えるために用いるコンピュータ言語であり、広告情報、画像情報、印刷枚数、片面/両面、及び解像度等の印刷ジョブの全てを指定することができる。なお、ページ記述言語は、印刷部13の仕様と一致するものであれば、PS、PCL、Pages、LIPS等の何れで有ってもよい。
【0019】
ジョブ管理部12は、一度印刷した印刷物を再印刷する場合に印刷物を特定するジョブ特定情報を生成し、広告管理装置30から受信する再印刷指令に基づいて再印刷を行う動作を管理する。
【0020】
印刷部13は、画像情報に広告画像情報を挿入した印刷情報を広告管理装置30から受信し、該印刷情報を印刷媒体に印刷する。
【0021】
(広告管理装置)
広告管理装置30は、送受信部31、再印刷可否判定部32、再印刷ジョブ生成部33、及び広告情報データベース34(以降、広告情報DB)を備える。広告管理装置30は、例えばROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで実現してもよい。印刷装置10の送受信部11とジョブ管理部12も同様である。これらの機能構成部をコンピュータによって実現する場合、各機能構成部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。
【0022】
送受信部31は、印刷媒体に印刷する広告情報と画像情報の他、ジョブ特定情報や再印刷指令等を印刷装置10との間で送受信する。ジョブ特定情報は、一度印刷した印刷物を再印刷する場合に印刷物を特定する情報である。再印刷指令は、再印刷する広告情報等を含む制御信号である。
【0023】
再印刷可否判定部32は、印刷装置10から受信するジョブ特定情報により、印刷物に印刷された広告情報を特定し、該広告情報の配信制限情報に基づいて広告情報の再印刷の可否を判定する。
【0024】
再印刷ジョブ生成部33は、再印刷可否判定部32において再印刷可と判定された場合は印刷物の再印刷可能枚数を表す再印刷枚数情報を含む再印刷指令を生成し、再印刷不可と判定された場合は印刷物に適合する新たな広告情報を含む再印刷指令を生成する。
【0025】
広告情報DB34は広告情報を記録する。広告情報は、広告画像情報、広告料情報、配信期間情報、及び配信部数上限情報を含む。各情報について詳しくは後述する。
【0026】
(ジョブ特定情報)
図2は、印刷装置10の操作部(図示せず)に表示された一度印刷した印刷物の印刷履歴を示す模式図である。図2に示す各行は、それぞれ印刷履歴を表している。
【0027】
過去に印刷した印刷物を再印刷する場合、印刷履歴の中から印刷ジョブを特定すれば再印刷を行うことができる。再印刷する印刷ジョブの特定は、例えば図2に示す各行を利用者が指先でタッチすることで行う。印刷ジョブは、ジョブ特定情報120で識別される。
【0028】
ジョブ特定情報120は、図2の「ジョブ名」の列に表記された例えばCOPY…0100002といった識別子である。同じ行の時刻表示と、「完了」、「中止」、「エラー」等の表示は、印刷履歴を表す。
【0029】
このように、ジョブ特定情報120には、印刷履歴を表す印刷履歴情報122が紐付けられている。紐付けは、関連付け、又は対応付けと言い換えが可能である。1行目の「1」、「22:36」、「完了」で表される印刷履歴情報122は、22:36に1枚のコピーが完了したことを表している。3行目の「42」、「15:43」、「中止」で表される印刷履歴情報122は、15:43に42枚をコピーした後に印刷が中止されたことを表している。
【0030】
図3(a)は、ジョブ特定情報120に紐付けられた複数の情報の例を模式的に示す図である。図3(a)に示すように、ジョブ特定情報120には、ページ構成情報121、印刷履歴情報122、画像情報123、空白領域情報124、広告情報125、広告画像情報126、広告料情報127、配信期間情報128、及び配信部数上限情報129のそれぞれが紐付けられている。
【0031】
ページ構成情報121は、その文言通りページ構成を表す情報であり、印刷枚数、片面/両面、及び解像度等の情報を含む。
【0032】
印刷履歴情報122は、上記の通りであり、印刷済みの印刷物の枚数、印刷結果を表す情報を含む。
【0033】
画像情報123、空白領域情報124、広告情報125、広告画像情報126、及び広告料情報127については、その文言通りの情報であり詳しい説明は省略する。これらの情報は、ページ記述言語で表せる。画像情報123と広告画像情報126は、ビットマップ形式の画像を含んでもよい。
【0034】
配信期間情報128と配信部数上限情報129は、広告主(スポンサー)との契約に基づいて決められる情報である。配信期間情報128は、広告を配信する期間を表す。配信部数上限情報129は、広告を印刷する印刷物の上限枚数を表す。
【0035】
図3(a)は、ジョブ特定情報120を最上位に各情報が紐付く例を示したが、この階層関係に限定されない。図3(a)に示す情報の何れかを選択した場合に、選択した情報に対応する各情報が特定できればどのような階層関係であっても構わない。
【0036】
(再印刷指令)
図3(b)は、再印刷指令に紐付けられた複数の情報の例を模式的に示す図である。図3(b)に示すように、再印刷指令330には、再印刷特定情報331、広告情報125、及び再印刷枚数情報332のそれぞれが紐付けられている。
【0037】
再印刷特定情報331は、再印刷を特定する情報であり上記のジョブ特定情報120と同様な識別子である。広告情報125は、その参照符号から明らかなように図3(a)に示す広告情報と同じである。再印刷枚数情報332は、再印刷する印刷物の枚数を表す。
【0038】
図3(b)に示す再印刷指令330の階層関係は、ジョブ特定情報120と同様にこの例に限られない。
【0039】
(広告印刷システム)
図4は、本実施形態に係る広告印刷システム100の動作手順を示すフローチャートである。図4を参照してその動作を説明する。
【0040】
印刷装置10は、再印刷で無い場合(ステップS10のNO)、印刷する画像情報123(図3(a))を取得する(ステップS11)。画像情報123は、例えばスキャナーで構成された画像情報取得部(図示せず)で取得する。スキャナーは、原稿をCCDラインセンサでスキャンして画像情報123を読み取る。スキャンして読み取ったビットマップ形式の画像情報123は、例えばページ記述言語に変換される。
【0041】
次に印刷装置10は、利用者に印刷物に広告を挿入してよいかを問い合わせる。広告挿入が不可の場合は、例えば印刷をしないで動作を終了する。
【0042】
広告挿入が許可された場合((ステップS12のYES)は、画像情報123を含むページ構成情報121を広告管理装置30に送信する(ステップS13)。
【0043】
広告管理装置30は、ページ構成情報121を受信する(ステップS30)。
【0044】
再印刷可否判定部32は、受信したページ構成情報121で表される印刷物のページ構成に適合する広告情報125を選択する(ステップS31)。例えば空白領域情報124に適合する広告情報125が選択される。
【0045】
広告管理装置30は、画像情報123に広告画像情報126を挿入した印刷情報を合成する(ステップS32)。印刷情報は印刷装置10に送信される(ステップS33)。
【0046】
印刷装置10は印刷情報を受信する(ステップS14)。受信した印刷情報は印刷部13によって印刷可能なビットマップ形式に変換(RIP:Raster Image Processor)され印刷媒体に印刷される(ステップS15)。
【0047】
次にジョブ管理部12は、ステップS15で印刷した印刷結果を記録する(ステップS16)。印刷結果は、上記の印刷履歴情報122で表される。印刷履歴情報122は広告管理装置30に送信される(ステップS17)。
【0048】
広告管理装置30は印刷履歴情報122を受信する(ステップS34)。そして、広告が印刷された印刷物の印刷枚数を管理する(ステップS35)。
【0049】
以上説明したように広告管理システム100は、広告情報を印刷装置10に配信し、印刷媒体に印刷される広告を含む印刷物の枚数を管理する。したがって、印刷コストを広告料で賄うサービスを適切に提供することができる。
【0050】
図5は、広告印刷システム100が一度印刷した印刷物を再印刷する場合の動作手順を示すフローチャートである。図5は、図4のステップ10で再印刷であると判定された場合の結合子A以降の動作手順を示す。再印刷であることは、例えば、図2に示した印刷履歴の何れかの行に利用者の指先がタッチしたことで判定する。
【0051】
広告管理装置30はジョブ特定情報120を受信する(ステップS36)。
【0052】
次に再印刷可否判定部32は、ジョブ特定情報120により、印刷物に印刷された広告情報125を特定(ステップS37)し、該広告情報に紐付けられた配信制限情報に基づいて広告情報125の再印刷の可否を判定する(ステップS38)。配信制限情報は、配信期間情報128と配信部数上限情報129の2つである。
【0053】
再印刷可否判定部32は、例えば配信期間情報128で表される広告期間を過ぎていれば再印刷不可と判定する。また、印刷物がすでに配信部数上限情報129で表される枚数を印刷済みであれば再印刷不可と判定する(ステップS38の不可)。印刷済みの印刷物が配信制限を越えているか否かは、印刷履歴情報122と配信部数上限情報129を対比することで判定する。
【0054】
再印刷不可と判定した場合(ステップS38の不可)、再印刷ジョブ生成部33は、印刷物に適合する新たな広告情報125を含む再印刷指令330を生成する(ステップS40)。ここで生成された再印刷指令330には、新たな広告画像情報126と、画像情報123を合成した印刷情報とを含めてもよい。
【0055】
再印刷指令330は、再印刷特定情報331、広告情報125、及び再印刷枚数情報332を含む。再印刷不可の場合の再印刷枚数情報332は、印刷枚数が0であることを表す情報である。または、再印刷不可の場合は、再印刷指令330に再印刷枚数情報332を含めなくてもよい。
【0056】
再印刷可と判定した場合(ステップS38の可)、再印刷可能枚数を表す再印刷枚数情報332を含む再印刷指令330を生成する(ステップS39)。
【0057】
再印刷ジョブ生成部33は、生成した再印刷指令330を印刷装置10に送信する(ステップS41)。
【0058】
印刷装置10は再印刷指令330を受信する(ステップS19)。
【0059】
印刷装置10のジョブ管理部12は、再印刷指令330に含まれる広告情報125が新たな広告情報125であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0060】
新たな広告情報125で無い場合(ステップS20のNO)は、印刷装置10に記録された前のページ構成情報121に基づいて、再印刷枚数情報332で表される枚数の印刷物を印刷する(ステップS21)。
【0061】
新たな広告情報125で有る場合(ステップS20のYES)は、ジョブ管理部12はその新たな広告情報を含む印刷物の印刷の可否を利用者に問い合わせる(ステップS22)。印刷可の場合(ステップS22のYES)、印刷部13は新たな広告情報125に対応したページ構成情報121で印刷する(ステップS23)。
【0062】
このようにジョブ管理部12は、再印刷指令330が印刷物に適合する新たな広告情報125を含む場合に、該広告情報125を含む印刷物の印刷の可否を利用者に問い合わせ、印刷可の場合は再印刷を行わせ、印刷不可の場合は再印刷を中止させる。これにより利用者が意図しない広告情報125が印刷されることを防止することができる。
【0063】
ジョブ管理部12は、ステップS21又はステップS23で印刷した印刷結果を記録する(ステップS24)。印刷結果、つまり印刷履歴情報122は、広告管理装置30に送信される(ステップS25)。
【0064】
以降の動作は、上記の再印刷しない場合の動作と同じである。広告管理装置30は、再印刷枚数情報332を含めて印刷部数を管理する。したがって、再印刷する場合でも印刷コストを広告料で賄うサービスを適切に提供することができる。
【0065】
以上説明したように本実施形態に係る広告印刷システム100は、一つ以上の印刷装置10と、該印刷装置10に広告情報を配信する広告管理装置30とを有する広告印刷システムであって、印刷装置10は、一度印刷した印刷物を再印刷する場合に印刷物を特定するジョブ特定情報120を広告管理装置30に送信し、広告管理装置30から受信する再印刷指令330に基づいて再印刷を行う動作を管理するジョブ管理部12を備え、広告管理装置30は、ジョブ特定情報120により、印刷物に印刷された広告情報125を特定し、該広告情報125に対応付けられた配信制限情報に基づいて広告情報125の再印刷の可否を判定する再印刷可否判定部32と、再印刷可否判定部32において再印刷可と判定された場合は印刷物の再印刷可能枚数を表す再印刷枚数情報332を含む再印刷指令330を生成し、再印刷不可と判定された場合は印刷物に適合する新たな広告情報125を含む再印刷指令330を生成する再印刷ジョブ生成部33とを備える。これにより、広告の配信期間や印刷枚数上限を越えて広告を印刷してしまうことがない広告印刷システムを提供することができる。つまり、印刷装置10で再印刷を行う場合に、広告情報の配信制限をチェックすることにより、配信期間(配信期間情報128)及び配信部数(配信部数上限情報129)を越えて広告が印刷されることを防止できる。
【0066】
本実施形態に係る広告印刷システム100によれば、再印刷を行う際に、配信制限情報に基づいて再印刷の可否を判定するので配信制限を越えて広告を印刷することがない。また、配信制限を越えた場合でも新たな広告情報125を配信するのでサービスを継続して提供することができる。また、配信制限を越えて広告が印刷され、広告主に余分な広告料を請求してしまうことを防止できる。
【0067】
なお、再印刷の可否を判定する再印刷可否判定部32を広告管理装置30が備える例を示したが、本発明はこの例に限定されない。再印刷可否判定部32は印刷装置10に配置するようにしてもよい。その場合、再印刷の可否の判定は印刷装置10が行う。また、再印刷可否判定部32は制御装置40に配置しても構わない。
【0068】
また、再印刷の指定は、操作部に表示された印刷履歴(図2)を利用者の指先でタッチする例を示したが、本発明はこの例に限定されない。再印刷の指定は、制御装置40で行ってもよい。また、図3に示したジョブ特定情報120の階層関係は一例であり、この例に限定されない。
【0069】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0070】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0071】
(付記1)
一つ以上の印刷装置と、該印刷装置に広告情報を配信する広告管理装置とを有する広告印刷システムであって、
前記印刷装置は、
一度印刷した印刷物を再印刷する場合に前記印刷物を特定するジョブ特定情報を前記広告管理装置に送信し、前記広告管理装置から受信する再印刷指令に基づいて前記再印刷を行う動作を管理するジョブ管理部を備え、
前記広告管理装置は、
前記ジョブ特定情報により、前記印刷物に印刷された広告情報を特定し、該広告情報に対応付けられた配信制限情報に基づいて前記広告情報の前記再印刷の可否を判定する再印刷可否判定部と、
前記再印刷可否判定部において再印刷可と判定された場合は前記印刷物の再印刷可能枚数を表す再印刷枚数情報を含む前記再印刷指令を生成し、再印刷不可と判定された場合は前記印刷物に適合する新たな広告情報を含む前記再印刷指令を生成する再印刷ジョブ生成部と
を備える広告印刷システム。
【0072】
(付記2)
前記ジョブ管理部は、
前記再印刷指令が前記印刷物に適合する新たな広告情報を含む場合に、該広告情報を含む印刷物の印刷の可否を利用者に問い合わせ、印刷可の場合は前記再印刷を行わせ、印刷不可の場合は前記再印刷を中止させる
付記1に記載の広告印刷システム。
【符号の説明】
【0073】
10 印刷装置
12 ジョブ管理部
13 印刷部
20 ネットワーク
30 広告管理装置
31 送受信部
32 再印刷可否判定部
33 再印刷ジョブ生成部
34 広告情報データベース
40 制御装置
100 広告印刷システム
120 ジョブ特定情報
330 再印刷指令
図1
図2
図3
図4
図5