(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】フィールド機器
(51)【国際特許分類】
G08C 19/02 20060101AFI20241001BHJP
G08C 25/00 20060101ALI20241001BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G08C19/02 A
G08C25/00 D
G05B23/02 302R
(21)【出願番号】P 2021023051
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 太一郎
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-123025(JP,A)
【文献】特開平6-60287(JP,A)
【文献】特開昭58-27202(JP,A)
【文献】特開昭58-217100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
G08C 25/00-25/04
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2線式伝送路を介して上位装置へデータを伝送するフィールド機器において、
上位装置へ伝送するデータに応じた出力電流に対応する信号を出力するように構成された信号発生部と、
前記2線式伝送路を流れる出力電流が、前記信号発生部からの信号に応じた、所定の電流範囲の電流になるように調整するように構成されたV/I変換部と、
前記V/I変換部の出力電流に比例した電圧を検出し、検出した電圧の値が正常値と異なるときに、バーンアウト制御信号を出力するように構成された異常検出部と、
前記バーンアウト制御信号が出力されたときに、前記V/I変換部の出力電流の代わりに、前記所定の電流範囲外の電流をバーンアウト信号として出力するように構成されたバーンアウト信号出力部とを備えることを特徴とするフィールド機器。
【請求項2】
請求項1記載のフィールド機器において、
少なくとも前記信号発生部と前記V/I変換部
の一部と前記異常検出部とが集積回路に搭載され、
前記V/I変換部は、
前記信号発生部から出力された信号を電流信号に変換するように構成された電圧電流変換アンプと、
前記電圧電流変換アンプから出力された電流信号を前記所定の電流範囲の出力電流に変換するように構成されたトランジスタと、
前記2線式伝送路を流れる出力電流のループに直列に挿入された抵抗とを含み、
前記V/I変換部のうち前記電圧電流変換アンプが前記集積回路に搭載され、前記トランジスタと前記抵抗とが前記集積回路の外部に設けられ、
前記異常検出部は、前記抵抗に生じた、前記出力電流に比例した電圧を検出し、
前記バーンアウト信号出力部は、
前記集積回路に搭載された第1のバーンアウト信号出力部と、
前記第1のバーンアウト信号出力部と同じ動作の冗長回路として前記集積回路の外部に設けられた第2のバーンアウト信号出力部とから構成されることを特徴とするフィールド機器。
【請求項3】
請求項
1記載のフィールド機器において、
前記V/I変換部は、
前記信号発生部から出力された信号を電流信号に変換するように構成された電圧電流変換アンプと、
前記電圧電流変換アンプから出力された電流信号を前記所定の電流範囲の出力電流に変換するように構成されたトランジスタとを含むことを特徴とするフィールド機器。
【請求項4】
請求項1
または3記載のフィールド機器において、
前記V/I変換部は、前記2線式伝送路を流れる出力電流のループに直列に挿入された抵抗を含み、
前記異常検出部は、前記抵抗に生じた、前記出力電流に比例した電圧を検出することを特徴とするフィールド機器。
【請求項5】
請求項
2または4記載のフィールド機器において、
前記異常検出部は、
前記出力電流に比例した電圧をデジタル値に変換するように構成された第1のA/D変換部と、
前記出力電流に比例した電圧がとるべき正常値のデジタル値と前記第1のA/D変換部の出力値とを比較して、値が異なるときに前記バーンアウト制御信号を出力するように構成された判定部とから構成されることを特徴とするフィールド機器。
【請求項6】
請求項5記載のフィールド機器において、
前記異常検出部は、前記信号発生部のアナログ出力信号をデジタル値に変換するように構成された第2のA/D変換部をさらに備え、
前記判定部は、前記信号発生部のアナログ出力信号がとるべき正常値のデジタル値と前記第2のA/D変換部の出力値とを比較して、値が異なるときに前記バーンアウト制御信号を出力することを特徴とするフィールド機器。
【請求項7】
請求項5または6記載のフィールド機器において、
上位装置へ伝送するデータに応じた出力電流の設定値に基づいて、前記正常値のデジタル値を前記異常検出部に出力するように構成されたCPUをさらに備えることを特徴とするフィールド機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2線式伝送路を介して上位装置へデータを伝送するフィールド機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力発信器、電磁流量計、ポジショナなどの2線式の伝送路を用いるフィールド機器は、電源の異常、クロック信号の異常、センサ信号の異常、出力電流の異常などを検知した場合に、通常の出力信号(4~20mA)とは異なるバーンアウト信号を出力する(特許文献1、特許文献2参照)。フィールド機器は、搭載されたCPUによるバーンアウト設定により、通常信号より大きい電流(バーンアウトHIGH)をバーンアウト信号として出力するか、または通常信号より小さい電流(バーンアウトLOW)をバーンアウト信号として出力する。
【0003】
図3に特許文献1に開示されたフィールド機器の構成を示し、
図4に特許文献2に開示されたフィールド機器の構成を示す。
図3のフィールド機器1000において、CPU103は、センサ部101、A/D変換器102、CPU103、D/A変換器104、通信部105および電源部106の出力を監視し、これら各部の異常を自己の機器内で生じる各種の異常として検出すると、通信部105から伝送路Lへバーンアウト信号を出力させる。
【0004】
図4のフィールド機器1001において、D/A変換器114において異常が生じ、A/D変換器118から入力されるデジタル信号によって示される値と本来の計測値との間に閾値以上のずれが生じると、CPU113は、A/D変換器118からのデジタル信号によって示される値を異常と判断し、信号選択器116を切り替える。これにより、信号選択器116においてバーンアウト信号源119からのバーンアウト信号(電圧信号)が選択され、この選択されたバーンアウト信号がV/I変換器115へ送られ、V/I変換器115によって電流信号に変換されて、伝送路Lに出力される。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された
図3の構成では、通信部105の異常を異常検出部103-3で検出できない可能性があった。その理由は、通信部105の出力が負の電位になることから、一般的な電気回路では通信部105の異常を検出できないためである。また、通信部105の異常を検出できたとしても、通信部105が故障しているとバーンアウト信号を出力することができないという課題があった。
【0006】
また、特許文献2に開示された
図4の構成では、V/I変換器115の異常を検出することができないという課題があり、さらにV/I変換器115が故障しているとバーンアウト信号を出力することができないという課題があった。
【0007】
特許文献1、特許文献2に開示された構成では、いずれも通信部またはV/I変換器から予め定められたバーンアウト信号を伝送路を介して上位装置へ送信できることが前提条件である。しかしながら、通信部またはV/I変換器にバーンアウト信号を出力できないほどの故障が生じている場合には上位装置へバーンアウト信号を出力できない可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2009-266070号公報
【文献】特開2010-123025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、V/I変換部に異常がある場合でも確実にバーンアウト信号を出力することができるフィールド機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、2線式伝送路を介して上位装置へデータを伝送するフィールド機器において、上位装置へ伝送するデータに応じた出力電流に対応する信号を出力するように構成された信号発生部と、前記2線式伝送路を流れる出力電流が、前記信号発生部からの信号に応じた、所定の電流範囲の電流になるように調整するように構成されたV/I変換部と、前記V/I変換部の出力電流に比例した電圧を検出し、検出した電圧の値が正常値と異なるときに、バーンアウト制御信号を出力するように構成された異常検出部と、前記バーンアウト制御信号が出力されたときに、前記V/I変換部の出力電流の代わりに、前記所定の電流範囲外の電流をバーンアウト信号として出力するように構成されたバーンアウト信号出力部とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のフィールド機器の1構成例は、少なくとも前記信号発生部と前記V/I変換部の一部と前記異常検出部とが集積回路に搭載され、前記V/I変換部は、前記信号発生部から出力された信号を電流信号に変換するように構成された電圧電流変換アンプと、前記電圧電流変換アンプから出力された電流信号を前記所定の電流範囲の出力電流に変換するように構成されたトランジスタと、前記2線式伝送路を流れる出力電流のループに直列に挿入された抵抗とを含み、前記V/I変換部のうち前記電圧電流変換アンプが前記集積回路に搭載され、前記トランジスタと前記抵抗とが前記集積回路の外部に設けられ、前記異常検出部は、前記抵抗に生じた、前記出力電流に比例した電圧を検出し、前記バーンアウト信号出力部は、前記集積回路に搭載された第1のバーンアウト信号出力部と、前記第1のバーンアウト信号出力部と同じ動作の冗長回路として前記集積回路の外部に設けられた第2のバーンアウト信号出力部とから構成されることを特徴とするものである。
また、本発明のフィールド機器の1構成例において、前記V/I変換部は、前記信号発生部から出力された信号を電流信号に変換するように構成された電圧電流変換アンプと、前記電圧電流変換アンプから出力された電流信号を前記所定の電流範囲の出力電流に変換するように構成されたトランジスタとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明のフィールド機器の1構成例において、前記V/I変換部は、前記2線式伝送路を流れる出力電流のループに直列に挿入された抵抗を含み、前記異常検出部は、前記抵抗に生じた、前記出力電流に比例した電圧を検出することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のフィールド機器の1構成例において、前記異常検出部は、前記出力電流に比例した電圧をデジタル値に変換するように構成された第1のA/D変換部と、前記出力電流に比例した電圧がとるべき正常値のデジタル値と前記第1のA/D変換部の出力値とを比較して、値が異なるときに前記バーンアウト制御信号を出力するように構成された判定部とから構成されることを特徴とするものである。
また、本発明のフィールド機器の1構成例において、前記異常検出部は、前記信号発生部のアナログ出力信号をデジタル値に変換するように構成された第2のA/D変換部をさらに備え、前記判定部は、前記信号発生部のアナログ出力信号がとるべき正常値のデジタル値と前記第2のA/D変換部の出力値とを比較して、値が異なるときに前記バーンアウト制御信号を出力することを特徴とするものである。
また、本発明のフィールド機器の1構成例は、上位装置へ伝送するデータに応じた出力電流の設定値に基づいて、前記正常値のデジタル値を前記異常検出部に出力するように構成されたCPUをさらに備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、V/I変換部の異常を検出することができ、V/I変換部に異常がある場合でも、確実にバーンアウト信号を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例に係るフィールド機器の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施例に係るフィールド機器の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、従来のフィールド機器の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、従来のフィールド機器の別の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係るフィールド機器の構成を示すブロック図である。フィールド機器100は、計測対象の物理量(例えば圧力)に応じたアナログ信号を出力するセンサ1と、センサ1から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部2と、A/D変換部2から出力されたデジタル信号をサンプリングして物理量の計測データを求めるCPU(Central Processing Unit)3と、CPU3が求めた計測データに対応する出力電流Iが得られるデジタル変調信号を出力する変調信号発生部4と、変調信号発生部4から出力されたデジタル変調信号をアナログ信号に変換するD/A変換部5と、2線式伝送路Lを流れる出力電流Iが、D/A変換部5からの信号に応じた、所定の電流範囲(4~20mA)の電流になるように調整するV/I変換部6と、V/I変換部6の出力電流Iに比例した電圧を検出し、検出した電圧の値が正常値と異なるときに、バーンアウト制御信号VCを出力する異常検出部7と、バーンアウト制御信号VCが出力されたときに、V/I変換部6の出力電流の代わりに所定の電流範囲外の電流をバーンアウト信号として出力するバーンアウト信号出力部8と、フィールド機器100の電源電圧を生成する基準電圧発生部9とを備えている。変調信号発生部4とD/A変換部5とは、信号発生部11を構成している。
【0016】
V/I変換部6は、基準電圧発生部60と、反転入力端子が基準電圧発生部60の出力端子に接続された電圧電流変換アンプ61と、ベース端子が後述するスイッチSW1を介して電圧電流変換アンプ61の出力端子に接続され、コレクタ端子がフィールド機器100の正側出力端子T1に接続されたトランジスタQ1と、一端がD/A変換部5の出力端子に接続され、他端が電圧電流変換アンプ61の非反転入力端子に接続された抵抗R1と、一端が抵抗R1の他端に接続され、他端がフィールド機器100の負側出力端子T2に接続された抵抗R2と、一端が負側出力端子T2に接続され、他端がグラウンドに接続された抵抗R3と、一端がトランジスタQ1のエミッタ端子に接続され、他端がグラウンドに接続された抵抗R4とから構成される。
【0017】
異常検出部7は、D/A変換部5から出力されたアナログ信号VAをデジタル値に変換するA/D変換部70と、抵抗R4に生じた、出力電流Iに比例した電圧VBをデジタル値に変換するA/D変換部71と、D/A変換部5が出力すべき正常な出力信号VAのデジタル値とA/D変換部70の出力値が異なるとき、または出力電流Iに比例した電圧VBがとるべき正常値のデジタル値とA/D変換部71の出力値が異なるときに、バーンアウト制御信号VCを出力する判定部72とから構成される。
【0018】
バーンアウト信号出力部8は、電圧電流変換アンプ61の出力端子とトランジスタQ1のベース端子との間に挿入されたスイッチSW1と、トランジスタQ1のベース端子とグラウンドとの間に挿入されたスイッチSW2と、抵抗R1,R2の接続点とグラウンドとの間に挿入されたスイッチSW3とから構成される。
【0019】
まず、フィールド機器100の通常時の動作について説明する。CPU3は、A/D変換部2からのデジタル信号をサンプリングして例えば圧力の計測データを求める。そして、CPU3は、計測データに応じた出力電流Iの電流設定値に対応するデジタル変調信号を出力するよう変調信号発生部4に対して指示する。CPU3は、図示しないメモリに格納されたプログラムに従って本実施例で説明する処理を実行する。
【0020】
変調信号発生部4は、CPU3から指示されたデジタル変調信号を出力する。D/A変換部5は、変調信号発生部4から出力されたデジタル変調信号をアナログ信号に変換する。
【0021】
上位装置200には、直流電圧源VSUPが設けられており、2線式伝送路Lを介してフィールド機器100に駆動電圧を供給している。また、上位装置200には、負荷抵抗RLが設けられており、フィールド機器100と上記直流電圧源VSUPとで形成されるループに直列に挿入されている。
【0022】
V/I変換部6の電圧電流変換アンプ61は、D/A変換部5から出力されたアナログ信号を電流信号に変換する。
通常時には、後述する異常検出部7からバーンアウト制御信号VCが出力されていないので、バーンアウト信号出力部8のスイッチSW1はオン、スイッチSW2,SW3はオフとなっている。トランジスタQ1は、電圧電流変換アンプ61からの電流を4~20mAの範囲の出力電流Iに変換する。以上の通常時の動作は従来と同様である。
【0023】
次に、フィールド機器100の異常時の動作について説明する。異常検出部7のA/D変換部70は、D/A変換部5の出力信号VAをデジタル値に変換する。CPU3は、計測データに応じた出力電流Iの電流設定値に基づいて、D/A変換部5が出力すべき正常な出力信号VAのデジタル値を判定部72に出力する。
【0024】
変調信号発生部4とD/A変換部5とが正常な場合は、CPU3から出力された正常な出力信号VAのデジタル値とA/D変換部70の出力値とが一致する。一方、値が不一致の場合には、変調信号発生部4またはD/A変換部5のうち少なくとも一方が異常と判断できる。判定部72は、正常な出力信号VAのデジタル値とA/D変換部70の出力値とが異なる場合、バーンアウト制御信号VCを出力する。
【0025】
また、トランジスタQ1のエミッタ端子とグラウンドとの間に設けられた抵抗R4には、出力電流Iに比例した電圧VBが生じる。A/D変換部71は、電圧VBをデジタル値に変換する。CPU3は、計測データに応じた出力電流Iの電流設定値に基づいて、電圧VBがとるべき正常値のデジタル値を判定部72に出力する。
【0026】
V/I変換部6が正常な場合は、CPU3から出力された電圧VBの正常値とA/D変換部71の出力値とが一致する。一方、値が不一致の場合には、V/I変換部6が異常と判断できる。判定部72は、電圧VBの正常値とA/D変換部71の出力値とが異なる場合、バーンアウト制御信号VCを出力する。
【0027】
バーンアウト制御信号VCが出力されることにより、バーンアウト信号出力部8のスイッチSW1はオフ、スイッチSW2,SW3はオンとなる。これにより、V/I変換部6の機能がオフになり、通常の出力電流Iの下限値(4mA)を下回る電流値のバーンアウト信号が出力される。具体的には、スイッチSW1がオフ、スイッチSW2,SW3がオンになることにより、トランジスタQ1がオフになるので、基準電圧発生部9に内部消費電流分の電流が流れ、その消費電流は抵抗R3のグラウンドからフィールド機器100の負側出力端子T2に流れる。フィールド機器100の消費電流を4mA未満にしておくことで、トランジスタQ1のオフ時に、その消費電流がバーンアウト信号(4mA未満)となる。
【0028】
こうして、本実施例では、変調信号発生部4とD/A変換部5とV/I変換部6の異常を検出することができる。また、本実施例では、V/I変換部6とは別にバーンアウト信号出力部8を設けたことにより、V/I変換部6に異常がある場合でも、確実にバーンアウト信号を出力することができる。
【0029】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
図2は本発明の第2の実施例に係るフィールド機器の構成を示すブロック図である。本実施例のフィールド機器100aは、センサ1と、A/D変換部2と、CPU3と、変調信号発生部4と、D/A変換部5と、V/I変換部6と、異常検出部7と、バーンアウト信号出力部8,8aと、基準電圧発生部9とを備えている。
【0030】
バーンアウト信号出力部8aは、電圧電流変換アンプ61の出力端子とトランジスタQ1のベース端子との間に挿入されたスイッチSW4と、トランジスタQ1のベース端子とグラウンドとの間に挿入されたスイッチSW5と、抵抗R1,R2の接続点とグラウンドとの間に挿入されたスイッチSW6とから構成される。
【0031】
本実施例では、A/D変換部2とCPU3と変調信号発生部4とD/A変換部5とV/I変換部6の一部と異常検出部7とを集積回路10で実現する例を示している。この場合、バーンアウト信号出力部8も集積回路10に搭載することが考えられる。バーンアウト信号出力部8を集積回路10に搭載した場合、D/A変換部5やV/I変換部6だけでなく、バーンアウト信号出力部8にも異常が発生することが有り得る。
【0032】
そこで、本実施例では、バーンアウト信号出力部8の冗長回路として、集積回路10の外部にバーンアウト信号出力部8aを設ける。バーンアウト信号出力部8aのスイッチSW4の動作はバーンアウト信号出力部8のスイッチSW1の動作と同じであり、スイッチSW5,SW6の動作はスイッチSW2,SW3の動作と同じである。
【0033】
こうして、本実施例では、集積回路10内のV/I変換部6とバーンアウト信号出力部8に異常がある場合でも、確実にバーンアウト信号を出力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、フィールド機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…センサ、2,70,71…A/D変換部、3…CPU、4…変調信号発生部、5…D/A変換部、6…V/I変換部、7…異常検出部、8,8a…バーンアウト信号出力部、9,60…基準電圧発生部、10…集積回路、11…信号発生部、61…電圧電流変換アンプ、72…判定部、100,100a…フィールド機器、200…上位装置、Q1…トランジスタ、R1~R4…抵抗、SW1~SW6…スイッチ。