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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】手毬刺繍地割り器
(51)【国際特許分類】
   A63B 45/00 20060101AFI20241001BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20241001BHJP
   A41D 27/08 20060101ALI20241001BHJP
   A41D 3/08 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A63B45/00 Z
A63H33/00 A
A41D27/08 C
A41D3/08 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021176965
(22)【出願日】2021-10-04
(65)【公開番号】P2023054737
(43)【公開日】2023-04-14
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】596065278
【氏名又は名称】仲田 英夫
(72)【発明者】
【氏名】仲田 英夫
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3102279(JP,U)
【文献】実開昭48-072056(JP,U)
【文献】特開平05-131039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B37/00-47/04
A63H1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
前記第一の部材と、前記第二の部材と、前記第三の部材との表面には、円周に沿っていろいろな造形作品の絵柄からなる、多種多様の地割り糸の模様に種々対応する目盛が施され、目盛には、関連する識別記号が添えて施され前記第一の部材と、前記第二の部材のA面には、主に円周を8等分と12等分の目盛が施されていて、前記第三の部材のA面には、多様な模様が造形できるように、円周を細分割して目盛が施され手毬刺繍の造形五角形12面の地割り造形には、前記第一の部材と、前記第二の部材と、前記第三の部材の各々のB面に、造形五角の中心を示す目盛が4ヶ所と、五角底辺の両端を示す目盛4ヶ所とが、特定の間隔を持って構成されていて、造形五角の中心と、五角底辺の両端を示す目盛には、関連する識別記号が添えて施され造形五角の識別記号に合わせてマチ針の色を振り分けることにより、造形五角12面の地割り造形が手早く容易に行えるようになっており、これらから、各種地割り造形において、略全ての造形形態の地割りが、手早く容易に行えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手毬刺繍地割り器。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手毬刺繍の地割りを容易化する、手毬刺繍地割り器に関する。
【背景技術】
【0002】
手毬刺繍は、長年の伝統芸術作品であり、造形模様は新しく研究されているが、刺繍を始める基本の地割りは、従来から変わる事が無く、作品に応じた基準の物差しを紙テープに切り込みを入れて構成し、作品に応じて基準の物差しで寸法を割り出している。初心者には一寸難しいが、地割りが出来ないと手毬刺繍の制作は始まれません、特殊な造形作品による地割りは、熟練者でも煩雑で難しく多くの手間が掛かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】続 郷土のてまり 作者 尾崎千代子 平成2年9月17日発行 発行所 (株)マコー社 ページ34 地割り4等分 ページ37 地割り8等分・16等分・地割り6等分・地割り10等分 ページ47 10等分の組み合わせで5角の地割り(説明文不足)
【文献】かわいい 手まり 作者 尾崎啓子 2015年1月15日発行 発行所 (株)日本ヴォーグ社 ページ38 10等分組み合わせの地割り 円周の1/6+円周の1/100に切り込みを入れて、印をしたテープを用意する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
手毬刺繍は、発砲スチロール等の毬をベースに、地肌が見えなくなるまで糸を巻き付けている。新しい地肌が出来たら刺繍糸で地割りを始める。従来の地割りは、最初に幅1cm程のテープにより、手毬の円周長を測って基準の物差しを作っている。基準の物差しは、円周長を2つに折り、更に2つ折りにして、折り目に目盛やV字状の切り込みを入れている。 特に赤道線は、1/6・1/8・1/10・1/12・1/16等々造形作品によって種々分割されるので、帳合いする目盛を形成されている。 基準物差しができたら目盛の0点の上から手毬にマチ針を挿して北極点を決める。 基準物差しは、一周し2つ折りの中間点に仮の南極点としてマチ針を挿し、北極点のマチ針を中心にして約90°向きを変え、仮の南極点のマチ針に基準テープを接合し、仮の南極に挿したマチ針を基準物差の中間点に移動して南極点とし、1/4の目盛に縦経線と赤道線との交点として仮のマチ針2本を挿し、基準物差しを90°向きを戻して1/4の目盛に赤道線と横経線との交点として仮のマチ針2本を挿している。 基準物差は、0点を赤道線上に仮配置したマチ針のいずれか一本に合わせ、残り3本の仮配置したマチ針を接合しながら一周し、1/4の目盛ごとに3本のマチ針を移動して、赤道線と縦横主経線の交点として4箇所を決定する。しかし、マチ針は、針の挿し換えにより、正位置から多少ズレが出てくるので、綺麗な作品造形には、再点検をしながらマチ針の配置を修正している。 不慣れな手毬制作者には、此処までにも手間取っている。 地割り糸は、造形作品に応じて縦と横の経線や赤道線との交点を基準物差で配分しながら、マチ針を配置している。マチ針を挿し終えたら、手毬の北極点から南極点へとマチ針の元を地割り糸でかがり、さらに、造形模様に応じ配置したマチ針を辿りながら、地割り糸をかがって地割りの造形をしている。
【0004】
手毬刺繍の造形作品の一つに、少し難しい五角12面を造形する地割りがある。 この地割りは、赤道線を10等分し、北極点と南極点とを結ぶ10本の経線を形成し、円周長に定数を掛けて割り出した値の基準物差しで、北極点を中心に構成する五角形外辺に連接する五角形の中心を、北極点から奇数番号の経線上に五ヶ所割り出し、そこに、マチ針を挿して配置する。 南極点を中心に構成する五角形外辺に連接する五角形の中心を、南極点から偶数番号の経線上に、北極側と同様な作法で、5ヶ所の五角形中心位置を割り出しマチ針を挿して配置する。赤道線を10等分に割り出したマチ針は外して、手毬刺繍の地割りにおける、マチ針の配置が全て完了する。 地割り糸は、各経線上に挿した五角形中心のマチ針から、隣接する五角形の中心を通り対極点上に当たる五角形中心のマチ針を辿って直線状に一周したら、マチ針の元をかがって向きを変え他方を同様に一周しながらかがる。 向きを変えながら北極と南極の五角形と、他の10個の五角形に5本ずつの地割糸を張り、各々の針元をかがって地割りが仕上がる。 五角形12面の地割りは、特に初心者にはとても難しく、熟練者においても手間取っている。
【0005】
従来の手毬刺繍の地割り造形法は、手毬の大きさに合わせて、地割用のテープ状の物差しを構成して、この物差しを基本に北極点と南極点と赤道線との交点を位置決めし、その後、縦と横の経線上や赤道線上を造形作品に応じて分割し、分割交点にマチ針を挿し地割りをするが、綺麗な地割り糸を造形するには、昔から変わる事無く手間取っている。
【0006】
本発明の目的は、手毬刺繍の地割りの造形法を容易化して、誰にでも綺麗な手毬刺繍が行える手毬刺繍地割り器を提供することに有る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
手毬刺繍の球体の縦主経線に対応する第一の部材と、横主経線に対応する第二の部材と、赤道線に対応する第三の部材とを備え、これらの三部材は、互いに直交するように構成され、各々の表面には、地割り構成に用いる目盛と、目盛に添えて関連する識別記号が施されている。
【0008】
前記第一の部材と、前記第二の部材とは、双方が係合する溝を、上部の北極点と、下部の南極点において垂直に構成されていて組み合あっている。 前記第二の部材の北極点側の係合溝の上部は切断されて、切断部に鍵状の接続部材を備え、前記第一の部材との組合せと分解が容易に行えるよう構成されている。 赤道線に対応する前記第三の部材には、前記第一の部材と、前記第二の部材とに直交して係合する水平方向の4本の溝が、放射線状に設けられている。 また、前記第一の部材と前記第二の部材には、上部の両外方側部を、上端から赤道対応点まで、不要部分を切除形成し、前記第三の部材と速やかに直交して係合出来るよう構成されている。
【009】
前記第一の部材と、前記第二の部材と、前記第三の部材との表面には、円周に沿っていろいろな造形作品の絵柄からなる、多種多様の地割り糸の模様に種々対応する目盛が施され、目盛には、関連する識別記号が添えて施されている。 前記第一の部材と、前記第二の部材のA面には、主に円周を8等分と12等分の目盛が施され、前記第三の部材のA面には、多様な模様が造形できるように、円周を細分割して目盛が施されている。
手毬刺繍の造形五角12面の地割り造形には、前記第一の部材と、前記第二の部材と、前記第三の部材の各々のB面に、造形五角の中心を示す目盛が4ヶ所と、五角底辺の両端を示す目盛4ヶ所とが、特定の間隔を持って構成されていて、造形五角の中心と、五角底辺の両端を示す目盛には、関連する識別記号が添えて施されている。 造形五角の識別記号に合わせてマチ針の色を振り分けることにより、造形五角形12面の地割り造形が手早く容易に行えるようになっている。 これらから、各種地割り造形において、略全ての造形形態の地割りが、手早く容易に行えるようになっている。
【0010】
前記手毬刺繍地割り器には、手毬刺繍のサイズごとの大小複数の地割り器が構成されているが、同一サイズグループの手毬でもサイズに若干の相違があり、前記第一の部材と、前記第二の部材と、前記第三の部材との側面には、一例として、手毬固定板が複数変位定着するよう構成されて、手毬が地割り器の中心定置に固定するようになっている。
これらにより、手毬刺繍地割り糸の造形がより正確で綺麗に仕上がるように出来ている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、難しく手間取る手毬刺繍の地割り造形法が、初心者にも熟練者にも、簡便で容易に行える手毬刺繍の地割り器が提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係わる手毬刺繍地割器の立体図である。
図2図1における第一の部材A面の平面図
図3図1における第二の部材A面の平面図
図4図1における第三の部材A面の平面図
図5】第一部材のB面における、造形五角に関する平面図
図6】第二部材のB面における、造形五角に関する平面図
図7】第三部材のB面における、造形五角に関する平面図
図8】手毬固定部材構成図
図9】五角形地割りの展開図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係わる手毬刺繍地割器の実施の形態を、実施例に基づいて図面を参照して以下に説明する。
図1は、本発明に係わる手毬刺繍地割り器の実施例を示す立体図であり、図1で示すように、地割り器1には、手毬の縦主経線に対応する第一の部材11と、横主経線に対応する第二の部材21と、赤道線に対応する第三の部材31とを備えて、これらの三部材が、互いに直交するように構成され、中央に手毬を取り入れる円孔2が形成されている。 図2図4に示す第一の部材11と、第二の部材21と、第三の部材31との、A面11A21A、31Aと、B面11Bと、21Bと31Bの両面に、地割りに必要な目盛と、関連する記号が添えて施されている。
【0014】
図1図3に示す、前記第一の部材11と、前記第二の部材21とは、上部北極点41で垂直の溝15と25とに、南極点42で、垂直の溝16と26とで双方が係合し組み合あっている。 前記第二の部材21の北極点側の係合溝25の上部22が左右に切断されて、切断部に鍵状の接続部材5を備え、鍵軸51を軸として回旋し、鍵受52で接続と分離が行えるよう構成されている。 鍵5によって前記第一の部材11と前記第二の部材21との組合せと分解が容易に行えるようになり、地割りをする手毬の、取り組み入れと、取り出しが容易になっている。 図4図7で示す赤道線に対応する第三部材31には、第一の部材11と、第二の部材21とに直交して係合する溝35~38が水平で放射線状に4ヶ所形成されている。
図2図7に示す第一の部材11の両側上端17と171から赤道対応点18と181までの不要上部外側部19と191とを切除形成し、第二の部材21の両側上端27と271から赤道対応点28と281まの不要上部外側部29と291とを切除形成し、第一の部材11と第二の部材21とが、第三の部材31の係合溝35~38とに、速やかに係合出来るよう構成されている。
【0015】
図1図4で示す第一の部材11のA面11Aと、第二の部材21の、A面21Aには、例として、手毬の円周を8等分と、12等分する目盛14と24とが施されて、それらの目盛に関連して、等分数を示す数字141と241とが記号として目盛に添えて施されている。 第一の部材11と、第二の部材21と、第三の部材31とが、組み合って交わる6交点41~46によって、各々の円周が4等分され、各交点にマチ針を添えて挿すことにより、基本となる4等分の地割の配置が行なえる。 図4で示す第三の部材31のA面31Aには、円周を更に細分割して多様な模様を造形できるよう6・8・10・12・16・20等分を示す目盛34と、それらの目盛に添えて等分数を示す数字341が記号として施されている。
【0016】
手毬刺繍の造形五角12面の地割りにおける、図5で示す第一の部材11のB面11Bには、造形五角中心を示す目盛C1~C4と、五角底辺の両端を示す目盛D1~D4とが4ヶ所ずつ8ヶ所施されている。 図6に示す第二の部材21のB面21Bには、造形五角中心を示す目盛C5~C8と、造形五角底辺の両端を示す目盛D5~D8とが4ヶ所ずつ8ヶ所施されている。 図7に示す第三の部材31のB面には、造形五角中心を示す目盛C9~C12と、造形五角底辺の両端を示す目盛D9~D12とが4ヶ所ずつ8ヶ所施さ
αが32°で構成されている。 造形五角底辺両端を示す目盛D1は、赤道線との交点4
成されている。 図5図7に示す各々の目盛には、関連する記号として、五角中心の目盛に◎記号と、底辺両端の目盛に○記号とが目盛に添えて施されている。
【0017】
図5で示す第一の部材11の円周における北極点41側には、造形五角中心の目盛C1とC2が、第二の部材21を挟んで両側に、対極の南極点42側には目盛C3とC4とが第二の部材21を挟んで両側に2ケ所での4ヶ所が施されている。 更に、五角底辺の両端の目盛D1と,D2とが、赤道線との交点43を挟み両側に2ケ所と対極点44を挟んで目盛D3,D4とが、第三の部材31を挟み上下に4ヶ所が施されている。
【0018】
図6に示す、第二の部材21の円周の北極点41側には、五角底辺の両端の目盛D5とD6とが、第一の部材11を挟んで両側に、対極の南極点42側には目盛D7,D8の目盛が第一の部材11を挟んで両側に2ケ所での4ヶ所が施されている。 更に、赤道線に対応する第三の部材31との交点45で、第三の部材31挟んで上下に、造形五角の中心を示す目盛C5とC6と、対極点の交点46の上下に目盛C7と,C8とで4ヶ所が施されている。
【0019】
図7に示す、第三の部材31の円周には、第一の部材11との交点43を挟み左右両側に造形五角の中心を示す目盛C9とC10とに、対極点44の左右両側にC11とC12との4ヶ所が施されている。 更に、第二の部材21との交点45から、五角底辺の両端の目盛が、第二の部材21を挟んで両側にD9,D10の2ケ所と、対極交点46の両側にD11,D12との4ヶ所が施されている。 第三の部材31には、第一部材11との合記号6も施されている。 第一の部材11と、第二の部材21と、第三の部材31とにおける五角中心の目盛と、五角底辺両端の目盛との配列間隔は、同一状に構成されている。
【0020】
手毬刺繍の手毬には、大きさが大小種々あり、手毬刺繍地割り器1は、手毬の各サイズタイプ別に対応し構成されている。 しかし、同一サイズグループの手毬でもサイズに若干の相違があり、図8に示す、第一の部材11と、第二の部材21と、前記第三の部材31との各面には、一例として、変位する手毬固定板60と固定板を固定するビス64を複数ヶ所設けて、手毬が地割り器の中心に固定出来る。 二例として手毬固定板60の替わりに、変移するビス66でも、同様に手毬を地割り器の中心で固定出来るようになる。
【0021】
本発明に基づく望ましい実施例の手毬刺繍地割り器によれば、地肌の糸巻が済んだ手毬を、係合された繍地割り器の第一の部材11と、第二の部材21とを開いて、円孔2に取り入れ、第一の部材11と、第二の部材21とを直角の方向へ戻して、次に、第三の部材31を上部から組入れて、第一の部材11と第二の部材21と第三の部材31とを直交状態に係合して準備が完了する。 これらにより、従来のテープ状の物差しを使わずにして、地割りのためのマチ針の配置位置を一瞬にして知りえることが出来る。
【0022】
次に、地割り模様の一例として、造形五角12面の地割りを説明すると、基本の4等分の地割と同様に、第一の部材11と、第二の部材21と、第三の部材31との交点に添えて緑色のマチ針6本を挿し、次に、第一の部材11と第二の部材21と第三の部材31のB面に施されている、造形五角中心を示すC1~C12の◎記号の目盛に添えて、赤色マチ針を12本添えて挿し、五角形底辺両端を示すD1~D12の○記号の目盛に白マチ針12本を添えて挿して、緑色6本と、赤色12本と白色12本のマチ針によって、30ヶ所の造形五角のマチ針による、地割り糸の配置配分が完了する。 第三の部材31を上方に向って外し、地割り器から針の配置が決まった刺繍手毬を外して、地割り糸を使った糸かがりを始める。
【0023】
マチ針の配置が済んだ手毬に、糸かがりを例えれば、糸かがりは、赤道線上に配置された4本の緑色マチ針43・44.45・46の針元の側を添えて、北極点と南極点の緑色マチ針の針元を十字にかがり、縦と横の主経線の糸が張られる。 縦と横の経線の糸と赤道線上の交点43・44.45・46に設けられた4本のマチ針の元を赤道線に沿うように糸をかがり、緑色のマチ針による、4等分の基本の地割りが出来上がる。 例えとして、造形五角12面の地割りでは、図9の展開図を用いると、地割り糸71を、横主経線上で北極点41に隣接する、五角底辺両端の一方の白色マチ針D5から、隣接する縦主経線上のC1と、赤道線上のC10の赤色マチ針の針元を交えて、南極側横主経線上で、D5との対極に当たる白色マチ針D7の針元を地割り糸でかがり、縦主経線上のC4と、赤道線上のC11の赤色マチ針を交えて、振り出しのD5のマチ針に直線状に一周巻き付けて針もとをかがる。 向きを変えて赤道線上のC9と、縦主経線上のC3の赤色マチ針を交えて、対極の白色マチ針D7の針元で2周目に当たる地割糸をかがり、赤道線上のC12と、縦主経線上のC2との赤色のマチ針を交えて、振り出しのマチ針D5に直線状に二周目の糸を巻き付けて針もとをかがる。 白マチ針D5と対極の白マチ針D7での造形五角対する一組の地割りが仕上がる。 同様に地割り糸72を、北極点41で対隣接する白色マチ針D6から、縦主経線上のC1と赤道線上のC9との赤色マチ針を交えて、対極する白色マチ針D8でかがり、縦主経線上のC4と赤道線上のC12の赤色マチ針を交えて、振り出しの白色マチ針D6でかがり、向きを変えて、赤道線上のC10と縦主経線上のC3との赤マチ針を交えて対極の白マチ針D8の針元で2周目の糸をかがり、直線状に赤道線上の赤マチ針C11と縦主経線上のC2との赤マチ針を交えて、地割り糸72を振り出しのD8白色マチ針の針元で2周目の糸をかがって、白マチ針D6と対極の白マチ針D8での造形五角二組の地割りが仕上がる。続いて縦経線上の白マチ針D1と対極のD3とに、D2と対極のD4とを、赤色マチ針4本を直線状に選択しながら地割り糸を割り振って、各々2周回ずつかがる。 赤道線上のD9と対極のD11とに、D10と対極のD12との白色マチ針にも、赤マチ針を4本ずつ交えて2周回ずつ、前記白マチ針D5と、対極の白マチD7同様に、地割り糸を赤色と白色とのマチ針を振り分けて、12周の12本を張り巡らし、造形後半になり、地割り糸が、造形五角の中心となる赤色マチ針の元に集合して、地割り糸が5本集まるごとに、5本の糸を赤色マチ針の元でまとめてかがって行くと、綺麗な造形五角12面の地割造形が完成する。 造形五角12面の地割は、解り易く手早く仕上げられる。
【符号の説明】
【0024】
1 手毬刺繍地割り器
2 手毬の入る円孔
11 第一の部材
11A 第一の部材のA面
14 第一の部材のA面に設けた等分割目盛
15・16 第一の部材に形成した、第二の部材との係合溝
11B 第一の部材のB面
21 第二の部材
21A 第二の部材のA面
24 第二の部材のA面に設けた等分割目盛
25・26 第二の部材に設けた、第一の部材との係合溝
21B 第二の部材のB面
31 第三の部材
31A 第三の部材のA面
34 第三の部材のA面に設けた等分割目盛
35・36 第三の部材に設けた、第一の部材との係合溝
37・38 第三の部材に設けた、第二の部材との係合溝
31B 第三の部材のB面
3 第三の部材B面での、第一の部材との係合に関する合記号
41 北極点
42 南極点
5 連結部材
C1・C2・C3・C4 第一の部材B面の造形五角中心の目盛
D1・D2・D3・D4 第一の部材B面の造形五角底辺両端の目盛
C5・C6・C7・C8 第二の部材B面の造形五角中心の目盛
D5・D6・D7・D8 第二の部材B面の造形五角底辺両端の目盛
C9・C10・C11・C12 第三の部材B面の造形五角中心の目盛
D9・D10・D11・D12 第三の部材B面の造形五角底辺両端の目盛
60 手毬固定板
66 手毬固ネジ
7 地割り糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9