(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】カテーテル超音波トランスデューサコンテナ
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20241001BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2021500965
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 IL2019050941
(87)【国際公開番号】W WO2020039442
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-22
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521009108
【氏名又は名称】ヒーリアム メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】セラ,ラン
(72)【発明者】
【氏名】メゲル,ユリ
(72)【発明者】
【氏名】エックハウス,シモン
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-514921(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257779(US,A1)
【文献】特表2014-518717(JP,A)
【文献】特開平7-227394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0081301(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0088630(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0224090(US,A1)
【文献】特表平8-508432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル超音波トランスデューサコンテナであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの長手方向軸に沿って長手方向に向けられた少なくとも1つの冷却チャネルと、
シーリング冷却チャネルカバーと、
前記冷却チャネルの床上に配置され且つ前記カバーに面する放出面を有する1つ以上の圧電素子と、を備え、
前記冷却チャネルが、前記圧電素子に沿った任意の点で台形断面を有し、前記床が台形の短い基部を含む、カテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの圧電素子の放出面が、前記冷却チャネルカバーと平行に配向されている、請求項1に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記冷却チャネルの近位端に開口する少なくとも1つの流体入口と、前記冷却チャネルの遠位端に位置する少なくとも1つの流体出口とをさらに備える、請求項1又は2に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項4】
前記コンテナが、前記冷却チャネルの遠位端に連結された流体迂回チャンバをさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記冷却チャネルの前記床に連結され、前記圧電素子を支持し、前記床と前記圧電素子との間にギャップを形成する少なくとも1つの支柱を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの圧電素子が、前記冷却チャネルの前記床に対して角度が付けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項7】
前記冷却チャネルカバー及び前記圧電素子の前記放出面が平行である、請求項1~6のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項8】
前記冷却チャネルが、前記冷却チャネルを通る層流を促進するように構成されたトラフ形状に形成された、請求項1~7のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項9】
前記トラフ形状が、前記圧電素子の前記放出面と前記
冷却チャネルカバーとの間の距離(L)に沿って流れる前記流体の温度勾配を促進するように構成される、請求項8に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項10】
前記トラフ形状が、前記圧電素子の前記放出面と前記
冷却チャネルカバーとの間の距離(L)に沿って流れる前記流体の温度勾配を促進し、前記冷
却チャネルカバーの温度を前記コンテナを囲む血液の温度以下に維持するように構成される、請求項9に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項11】
前記コンテナが、互いに角度を付けられた複数の圧電素子を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項12】
前記コンテナが、前記冷却チャネル床に対して少なくとも1つが角度を付けられた複数の圧電素子を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項13】
前記圧電素子の少なくとも1つがアブレーション圧電素子であり、前記圧電素子の少なくとも1つが撮像圧電素子である、請求項1~12のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの圧電素子のうちの第1のものがアブレーション及び撮像圧電素子の双方である、請求項1~13のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項15】
前記第1の少なくとも1つの圧電素子が、アブレーション及び撮像圧電素子の双方であり、前記少なくとも1つの圧電素子の第2の圧電素子が、撮像圧電素子のみである、請求項1~14のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの圧電素子の第1の圧電素子が低周波数で動作し、前記少なくとも1つの圧電素子の第2の圧電素子が高周波数で動作する、請求項1~15のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項17】
前記冷却チャネルの断面の深さ(d)が前記ハウジングの半径よりも小さい、請求項1~16のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項18】
前記カテーテルが少なくとも1つのポジショナを備える、請求項1及び17のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項19】
前記ポジショナが、バスケット、コイル、及び/又は傘のうちの1つ以上の形態である、請求項18に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項20】
前記ポジショナが少なくとも1つの開口部を備える、請求項18又は19に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項21】
前記ポジショナが非閉塞性である、請求項18~20のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項22】
前記ポジショナが前記コンテナの上に配置されている、請求項18~21のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項23】
前記コンテナが2つのポジショナの間に配置されている、請求項18~21のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項24】
前記コンテナがビームコリメート音響レンズを備える、請求項1~23のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項25】
前記ビームコリメート音響レンズが、超音波ビームをコリメートし、前記血液を通る前記ビーム経路に沿って周囲の血液にジェット効果を生成するように構成される、請求項24に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項26】
前記コリメート音響レンズが、前記ジェット効果
をアブレーションされた組織に向けて冷却するように構成される、請求項25に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項27】
前記カテーテルが、前記コンテナに隣接する薬剤出口を備え、前記コリメート音響レンズが、前記ジェット効果を組織に向け、前記薬剤を組織に駆動するように構成される、請求項2
5~26のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項28】
前記圧電素子がプロセッサと連通し、前記プロセッサが、前記圧電素子の前記放出面から組織壁への測定距離、組織の厚さ、エネルギ送達の持続時間、組織から戻る超音波信号の振幅及び/又は位相の変化、ならびに記録された電位信号の減少の少なくとも1つ基づいて、前記圧電素子から放出されるエネルギのレベルを調整するように構成される、請求項1~27のいずれか1項に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項29】
前記プロセッサが、前記ビームエネルギレベルに基づいて前記冷却チャネル内の流体の流速を調整するように構成される、請求項28に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【請求項30】
前記冷
却チャネルが流体入口を備え、前記プロセッサが、前記入口の流体温度及びビームエネルギレベルに基づいて、前記入口の流体温度を調整するように構成される、請求項28又は29に記載のカテーテル超音波トランスデューサコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] この出願は、2018年8月22日に出願された「CATHETER ULTRASOUND TRANSDUCER CONTAINER」と題された米国仮特許出願第62/720,995号に対する優先権の利益を主張している。上記の出願の内容は全て、その全体が本明細書に完全に記載されているかのように参照により組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、そのいくつかの実施形態では、カテーテル超音波(US)トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] カテーテルアブレーションは、特に心不整脈を発症しやすい人において、心臓の一部から欠陥のある電気経路を除去又は終結し、心臓を正常なリズムに戻すために使用される処置である。アブレーション処置は、通常、高周波(RF)アブレーション及び冷凍アブレーションによって実行される。
【0004】
[0004] カテーテルアブレーションは、異常な心筋組織をアブレーションする専門のカテーテルベースの処置である。この処置は、特に心不整脈を薬でコントロールすることができない患者に使用される。
【0005】
[0005] カテーテルアブレーションは、通常、大腿静脈、内頸静脈、又は鎖骨下静脈のいずれかで、患者の血管にいくつかの可撓性カテーテルを進めることを含む。次に、カテーテルは、心臓に向かって進められる。次に、電気インパルスを使用して不整脈を誘発し、局所的な加熱又は凍結を使用して、不整脈を引き起こしている異常な組織を切除する。カテーテルアブレーションは、通常、カテーテルラボ又は専門のEPラボで電気生理学者(特別に訓練された心臓専門医)によって行われる。
【0006】
[0006] 関連技術の前述の例及びそれに関連する限定は、例示を意図するものであり、排他的ではない。関連技術の他の限定は、明細書を読み、図を研究することにより、当業者にとって明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明のいくつかの実施形態によれば、ハウジングと、コンテナの長手方向軸に沿って長手方向に配向された1つ以上の冷却チャネルと、シーリング冷却チャネルカバーと、冷却チャネルの床上に配置され且つカバーに面する放出面を有する1つ以上のPE素子と、を含み、冷却チャネルがPE素子に沿った任意の点で台形断面を有する、カテーテルUSトランスデューサコンテナが提供される。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのPE素子の放出面は、冷却チャネルカバーと平行に配向されている。いくつかの実施形態では、床は、台形の短い基部を含む。いくつかの実施形態では、ハウジングは、さらに、冷却チャネルの近位端に開口する少なくとも1つの流体入口と、冷却チャネルの遠位端に位置する及び/又は流体収集及び迂回チャンバの内側に位置する少なくとも1つの流体出口と、冷却チャネルの遠位端に連結された流体収集及び迂回チャンバと、を含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、ハウジングは、冷却チャネルの床に連結された少なくとも1つの支柱を含み、PE素子を支持し、床とPE素子との間にギャップを形成する。いくつかの実施形態では、PE素子は、冷却チャネルの床に対して角度が付けられている。いくつかの実施形態では、冷却チャネルカバーとPE素子の放出面は平行である。いくつかの実施形態では、冷却チャネルは、カバーとPE素子の放出面との間を流れる流体の層流を促進するように構成される。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、冷却チャネルを流れる流体の流量は、流体の粘度に合わせて調整され、冷却チャネル内の流体速度は、それが乱流になる閾値未満に維持される。いくつかの実施形態では、動作中、流体チャネルの形状及び寸法によって層流が促進される。いくつかの実施形態では、冷却チャネルの形状及び設計によって影響を受ける層流は、PE素子の放出面と流体チャネルカバーとの間の距離(L)に沿って、冷却チャネル内の流体に温度勾配を形成し、温度勾配は、冷却流体チャネルカバーの温度をコンテナ周囲の血液の温度以下に維持する。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、コンテナは、互いに対して角度が付けられた複数のPE素子を含む。いくつかの実施形態では、コンテナは、複数のPE素子を含み、その少なくとも1つは、冷却チャネル床に対して角度が付けられている。いくつかの実施形態では、PE素子の少なくとも1つは、アブレーションPE素子であり、PE素子の少なくとも1つは、撮像PE素子である。いくつかの実施形態では、冷却チャネルの断面の深さ(d)は、ハウジングの半径よりも小さい。いくつかの実施形態では、コンテナの直径は変更できない。いくつかの実施形態では、ハウジングは、少なくとも1つの温度センサを含む。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、PE素子は、第1及び第2の電極を含み、第1の電極は、放出面に沿って配置され、第2の電極は、PE素子の反対面に沿って配置され、PE素子は、第1及び第2の電極を含み、第1の電極は、PE素子の放出面の少なくとも一部に沿って、PE素子の一方の端部の周りに配置され、第2の電極は、PE素子の反対面の少なくとも一部に沿って、PE素子の反対側の端部の周りに配置される。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、電極は、PE素子の放出面及び反対面上の少なくとも1つのギャップによって互いに分離され、少なくとも1つのギャップは、絶縁接着剤によって橋渡しされている。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、カテーテルは、少なくとも1つのポジショナを含む。いくつかの実施形態では、ポジショナは、バスケットの形態である。いくつかの実施形態では、
図7Eに示されるように、ポジショナは、コイルの形態である。いくつかの実施形態では、
図7F及び
図7Gに示されるように、ポジショナは、傘の形態である。いくつかの実施形態では、ポジショナは、USトランスデューサコンテナ100に面する開口部を備えることができる(
図7F)。いくつかの実施形態では、ポジショナは、USトランスデューサコンテナ100とは反対側に面する開口部を備えることができる(
図7G)。いくつかの実施形態では、ポジショナは、少なくとも1つの開口部を含む。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、非閉塞性である。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、コンテナの上に配置される。いくつかの実施形態では、コンテナは、2つのポジショナ702の間に配置される。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、コンテナは、カテーテルの周りで回転可能である。いくつかの実施形態では、コンテナは、ビームコリメート音響レンズを含む。いくつかの実施形態では、ビームコリメート音響レンズは、USビームをコリメートし、血液を通るビーム経路に沿って周囲の血液にジェット効果を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、コリメート音響レンズは、ジェット効果を切除された組織に向けて冷却するように構成される。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、カテーテルは、コンテナに隣接する薬剤出口を含み、コリメート音響レンズは、ジェット効果を薬剤に向けて、薬剤を組織に駆動するように構成される。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、プロセッサは、PE素子の放出面から組織壁まで測定された距離、組織の厚さ、エネルギ送達の持続時間、組織から戻る超音波信号の振幅及び/又は位相の変化、及び記録された電位信号の減少の少なくとも1つに基づいて、PE素子から放出されるエネルギのレベルを調整するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、温度読み取り値及びビームエネルギレベルに基づいて、冷却チャネル内の流体の流速を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、冷却流体チャネルは、流体入口を含み、プロセッサは、温度読み取り値及びビームエネルギレベルに基づいて入口における流体温度を調整するように構成される。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、少なくとも1つの冷却流体チャネル、少なくとも1つのPE素子取り付け支柱、及び少なくとも1つの配線導管を有するハウジングを成形することと、配線導管の内部に電気及びデータ配線を敷設することと、少なくとも1つの取り付け支柱及び冷却チャネルの指定された空洞内に少なくとも1つのPE素子を取り付けることと、配線を接続することと、PE素子の周囲を冷却チャネルの壁にシールして、冷却流体収集及び迂回チャンバをハウジングの遠位端に取り付けることと、ハウジング及び冷却チャネル上に絶縁カバーを配置することと、カバーを収縮させ、ハウジング及び冷却チャネルをしっかりとシールすることと、を含む、カテーテルUSトランスデューサコンテナの製造方法が提供される。
【0019】
[0019] 以下の実施形態及びその態様は、範囲を限定するものではなく、例示的且つ説明的であることを意味するシステム、ツール、及び方法と併せて説明及び図示される。
【0020】
[0020] 上述した例示的な態様及び実施形態に加えて、さらなる態様及び実施形態は、図を参照し、以下の詳細な説明を検討することによって明らかになるであろう。
【0021】
[0021] 例示的な実施形態は、参照された図に示されている。図に示されている構成要素及び特徴の寸法は、一般に、表現の便宜と明確さのために選択されており、必ずしも縮尺どおりに示されているわけではない。図は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1D】
図1Dは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1E】
図1Eは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1F】
図1Fは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1G】
図1Gは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1H】
図1Hは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1I】
図1Iは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1J】
図1Jは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図1K】
図1Kは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ冷却システムの断面図の簡略図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ冷却システムの断面図の簡略図である。
【
図2C】
図2Cは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ冷却システムの断面図の簡略図である。
【
図3A】
図3Aは、USトランスデューサコンテナ冷却システムの斜視図の簡略図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、冷却システム内の熱分布を示すグラフである。
【
図3C】
図3Cは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、冷却システム内の熱分布を示すグラフである。
【
図4A】
図4Aは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、気泡に対する層流冷却流体の流れの効果の縦断面図の簡略図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、気泡に対する層流冷却流体の流れの効果の横断面図の簡略図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5F】
図5Fは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5G】
図5Gは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5H】
図5Hは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図5I】
図5Iは、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である。
【
図6】
図6は、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナの製造及び組み立て方法のフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図7C】
図7Cは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図7D】
図7Dは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図7E】
図7Eは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図7F】
図7Fは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図7G】
図7Gは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図7H】
図7Hは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ用のポジショナ702の平面図及び斜視図の簡略図である。
【
図8】
図8は、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナによって生成されるジェット効果の断面図の簡略図である。
【
図9】
図9は、本発明のいくつかの実施形態にかかる、多方向USトランスデューサコンテナの横断面の簡略図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサ/RF電極カテーテルコンテナの組み合わせの斜視図の簡略図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサ/RF電極カテーテルコンテナの組み合わせの斜視図の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0032] 本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、1つ以上の圧電(PE)素子(セラミック)及びトランスデューサの温度及び/又はUSトランスデューサに隣接する容積(例えば、冷却流体)を調節する1つ以上の冷却システムを有するカテーテルUSトランスデューサが提供される。いくつかの実施形態によれば、USトランスデューサ及び冷却システムは、コンテナ内に収容されている。いくつかの実施形態では、コンテナは、1つ以上のアパーチャを含む。
【0024】
[0033] いくつかの実施形態では、冷却システムは、冷却流体を含む。いくつかの実施形態では、冷却システムは、コンテナ内で循環される。いくつかの実施形態では、コンテナは、環境からシールされている。いくつかの実施形態では、冷却流体は、カテーテル及び/又はコンテナを囲む流体と接触しない。いくつかの実施形態では、コンテナの外径は、カテーテルの外径よりも小さい。いくつかの実施形態では、コンテナの外径は、カテーテルの外径と同じである。いくつかの実施形態では、コンテナの外径は、カテーテルの外径よりも大きい。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナの外面の温度は、45℃未満に維持される。いくつかの実施形態では、コンテナは剛性である。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナの外径は、動作中に変化しない。
【0025】
[0034] 本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、カテーテルに沿って及び/又は送達カテーテル内に配置されるようにサイズ設定及び適合されたUSトランスデューサコンテナが提供される。いくつかの実施形態では、USトランスデューサの放出面は、その一次元がカテーテルの長手方向軸に平行に配向された平面を含む。いくつかの実施形態では、USトランスデューサの放出面は、その一次元がカテーテルの長手方向軸に対して角度を付けられている平面を含む。いくつかの実施形態では、USトランスデューサは、複数の放出面を含み、少なくとも1つの放出面は、その一次元がカテーテルの長手方向軸に平行に配向された平面を含み、少なくとも第2の放出面は、少なくとも一次元がカテーテルの長手方向軸に対して角度が付けられた平面を含む。いくつかの実施形態では、USトランスデューサは、複数の放出面を含み、少なくとも2つの放出面は、カテーテルの長手方向軸に対して角度が付けられている。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの放出面は、カテーテルの長手方向軸に対して互いに向かって傾斜している。
【0026】
[0035] 本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、カテーテルに沿って及び/又は送達カテーテル内に配置されるようにサイズ設定及び適合されたUSトランスデューサコンテナが提供される。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナは、コリメート音響レンズを備える。いくつかの実施形態では、USトランスデューサは、コリメートされたビームを放出する。いくつかの実施形態では、コリメートされたビームは、血流中に1つ以上のジェットを生成する(ジェット効果)。いくつかの実施形態では、コリメートされたビームは、血液を通るビーム経路に沿って周囲の血液にジェット効果を生成する。いくつかの実施形態では、生成されたジェットは、それらが生成された媒体と同じ温度にある。
【0027】
[0036] 本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、1つ以上のUSトランスデューサポジショナ702が提供される。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、バスケットの形態である。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、ケージの形態である。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、コイルの形態である。いくつかの実施形態では、トランスデューサカテーテルは、USトランスデューサコンテナのいずれかの側に1つ配置された2つのポジショナ702を備える。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、形状記憶合金から作製される。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、USトランスデューサコンテナを包む。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、アパーチャを備える。いくつかの実施形態では、アパーチャの直径は、アパーチャを通して放出されるUSビームの直径よりも大きい。
【0028】
[0037] 本発明のいくつかの実施形態によれば、カテーテルは、放出されたUSビーム内の容積に治療剤を送達するように構成された1つ以上の治療剤送達ノズルを備える。いくつかの実施形態では、USトランスデューサは、コリメートされたビームエネルギを放出する。いくつかの実施形態では、コリメートされたビームエネルギは、ジェット気流を介して組織面に向かって治療剤を駆動する1つ以上のジェットを血流中に生成する(ジェット効果)。
【0029】
概要
[0038] ここで、本発明のいくつかの実施形態にかかるカテーテルUSトランスデューサコンテナの斜視図及び断面図の簡略図である
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図1E、
図1F、
図1G、
図1H、
図1I、
図1J及び
図1Kを参照する。本発明のいくつかの実施形態によれば、コンテナ100に収容されたカテーテルUSトランスデューサ175が提供される。いくつかの実施形態では、コンテナ100は、USトランスデューサの上及び周囲に冷却流体を流すことによってトランスデューサ175の温度を調節する1つ以上の冷却システム200を備える。いくつかの実施形態によれば、USトランスデューサ175及び冷却システム200は、コンテナ100内に収容されている。いくつかの実施形態では、コンテナ100は、1つ以上のアパーチャ118を備える。いくつかの実施形態では、1つ以上のアパーチャ118は、1つ以上の血液接触面116を備える。
【0030】
[0039] いくつかの実施形態では、コンテナ100は、環境から流体的にシールされている。いくつかの実施形態では、冷却流体は、カテーテル及び/又はコンテナ100を囲む流体と接触しない。いくつかの実施形態では、コンテナ100の外径は、カテーテル106の外径よりも小さい。いくつかの実施形態では、コンテナ100の外径は、カテーテルの外径と同じである。いくつかの実施形態では、コンテナの外径は、カテーテル106の外径よりも大きい。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100の外面の温度は、45℃未満に維持される。
【0031】
[0040] いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100は、カテーテル106の端部に取り付けられ、冷却流体、電力(例えば、電気電力)、真空、及び一方向及び/又は双方向のデータ通信管の1つ以上の供給源に機能的に連結される。カテーテル106は、主管腔126を備える。本明細書で使用される「冷却流体」という用語は、血液接触面116の温度を周囲の血液温度よりも高く維持しないように構成された温度を有する流体に関する。
【0032】
[0041] いくつかの実施形態では、USトランスデューサ175のコンテナ100は、カテーテル106の遠位端に取り付けられている。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100は、カテーテル先端の近位に取り付けられている。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100の外径は、手術前、手術中、及び/又は手術後に変化しない。
【0033】
[0042] 本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、USカテーテルのユーザに近いことを意味し、「遠位」という用語は、USカテーテルの先端に近いことを意味する。「近位に」という用語は、USのカテーテルのユーザに向かっていることを意味し、「遠位に」という用語は、USのカテーテルのユーザから離れて、USのカテーテルの先端に向かっていることを意味する。
【0034】
[0043] いくつかの実施形態では、
図1A及び
図1Bに示される例示的な実施形態に示されるように、カテーテル超音波トランスデューサコンテナ100は、円筒形の形状を有し、ハウジング502を備える。いくつかの実施形態では、ハウジング502の少なくとも1つ以上の部分は固体である。いくつかの実施形態では、ハウジング502は、例えば、電気及び/又はデータ通信配線、冷却剤、薬剤、及び/又は供給源からUSトランスデューサコンテナ100への他の任意の流体のための通路を提供する1つ以上の中空導管を備える。いくつかの実施形態では、ハウジング502の固体部分は、ハウジング502の断面の50%以上を満たす。いくつかの実施形態では、ハウジング502の固体部分は、ハウジング502の断面の50%から75%の間を満たす。
【0035】
[0044] いくつかの実施形態では、ハウジング502は、コンテナ100及びカテーテル106の長手方向軸に沿って長手方向に配置され且つ層流を促進するように構成された1つ以上のトラフ形状の冷却チャネル120を備える。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120は、床108と壁122/124との間に鈍角を形成する床108の側面に、床108及び壁122/124によって規定される台形断面(
図2A)を備える。いくつかの実施形態では、壁122/124は、コンテナ100及びカテーテル106の長手方向軸に平行に配置される。いくつかの実施形態では、台形は等脚台形である。いくつかの実施形態では、床108は、台形の短い基部を備える。
【0036】
[0045] いくつかの実施形態では、ハウジング502は、床108から突出し且つ1つ以上の圧電(PE)要素140を支持し、PE素子140と床108との間にギャップを形成する1つ以上の支柱102を備える。冷却チャネル120の長さは、少なくともPE素子140の長さと同じである。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120は、少なくとも1つ以上のPE素子140に沿った任意の点で台形断面を有する。
【0037】
[0046] いくつかの実施形態では、カテーテル超音波トランスデューサコンテナ100の冷却チャネル120は、近位に配置された冷却チャネル120の1つ以上の冷却流体入口152を備える。冷却チャネル120は、流体(例えば、冷却剤)冷却流体迂回チャンバ156に対して遠位に開く。いくつかの実施形態では、ハウジング502は、冷却チャネル120の遠位端に、及び/又は流体冷却流体迂回チャンバ156の内部に配置された冷却流体出口154を備える。いくつかの実施形態では、流体冷却流体迂回チャンバ156は、冷却チャネル120を通ってPE素子140の放出面142上を流れ且つその遠位端から出る流体を収集し、液体収集リザーバまで流体を迂回させて流体出口154及びカテーテル106に排出するように構成される。
【0038】
[0047] いくつかの実施形態では、カテーテルUSトランスデューサコンテナ100は、流体的にシールされ、周囲、例えば血液から隔離されている。いくつかの実施形態では、カテーテルUSトランスデューサコンテナ100は、シーリング冷却チャネルカバー130を備える。いくつかの実施形態では、本明細書でより詳細に説明するように、カバー130は、少なくとも2つの表面、すなわち、PE素子140に面する表面と、PE素子140とは反対に面する血液接触面116とを備える。いくつかの実施形態では、流体(例えば、冷却剤)入口152は、カバー130とPE素子140の放出面142との間に配置されている。いくつかの実施形態では、カバー130は、PE素子140の放出面142に平行である。いくつかの実施形態では、入口152から冷却チャネル120を通って、PE素子140とカバー130の2つの平坦な表面との間を流れる流体は、層流で流れる。冷却流体の流量は、流体の粘度に合わせて調整され、流体の速度は、乱流になる閾値未満に維持される。
【0039】
[0048] いくつかの実施形態では、必要に応じて、冷却チャネル120は、壁122/124内の1つ以上の冷却流体側入口128を備え、側入口128から冷却チャネル120を通って、PE素子140の2つの平坦面とカバー130との間を流れる流体は、層流で流れる。
【0040】
[0049] いくつかの実施形態では、冷却チャネル120のカバー130は、台形断面を完成させる。いくつかの実施形態では、カバー130は平坦である。いくつかの実施形態では、カバー130は湾曲している。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の断面の深さ(d)(
図2A及び
図2C)は、ハウジング502の半径よりも小さい。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の断面の深さ(d)は、ハウジング502の半径の3分の2未満である。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の断面の深さ(d)は、ハウジング502の半径の3分の2から半分の間である。
【0041】
[0050] いくつかの実施形態では、カバー130は、ハウジング502の円周の50%未満に及ぶ。いくつかの実施形態では、カバー130は、ハウジング502の円周の40%から50%の間に及ぶ。いくつかの実施形態では、カバー130は、ハウジング502の円周の30%から40%の間に及ぶ。いくつかの実施形態では、カバー130は、ハウジング502の円周の20%から30%の間に及ぶ。いくつかの実施形態では、カバー130は、ハウジング502の円周の20%未満に及ぶ。
【0042】
[0051] PE素子140の放出面142は、冷却チャネル120の床108及びコンテナ100の長手方向軸に平行に配置され、PE素子140の放出面142にほぼ垂直な方向に半径方向外向きにUSエネルギを放出する。いくつかの実施形態では、PE素子140は、PE素子140と冷却チャネル120の床108との間のギャップ104を規定する支柱102に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ギャップ104は、超音波エネルギがチャネル床108の方向に放出されるのをブロックし、半径方向外向きに放出されるエネルギを増加させるバッファを形成する空気を含む。
【0043】
[0052] いくつかの実施形態では、
図1Cに示されるように、PE素子140は、冷却チャネル120の床108及びコンテナ100の長手方向軸に対してカテーテル先端158に向かってほぼ前方(遠位)に傾斜して傾斜し、一般に冷却チャネル120の床108及びコンテナ100の長手方向軸に対して前方(遠位)に角度が付けられてUSエネルギを放出するように構成される。いくつかの実施形態では、
図1Dに示されるように、傾斜角(α)は、1度から80度の間である。いくつかの実施形態では、傾斜角(α)は、20度から70度の間、30度から60度の間、又は40度から50度の間である。
【0044】
[0053] いくつかの実施形態では、
図1Eに示されるように、PE素子140は、冷却チャネル120の床108及びコンテナ100の長手方向軸に対してほぼ近位に(カテーテル先端158から離れて)傾斜し、一般に冷却チャネル120の床108及びコンテナ100の長手方向軸に対して1度から80度の間の傾斜角(β)で後方(近位)に角度が付けられてUSエネルギを放出するように構成される。いくつかの実施形態では、傾斜角(β)は、20度から70度の間、30度から60度の間、又は40度から50度の間である。
【0045】
[0054] この構成の潜在的な利点は、USエネルギが、傾斜した又は傾いた解剖学的組織、例えば、切除目的で血管110の壁を狭くする開口部又は口112に向かってほぼ垂直に放出されることができるということである。
図1Fに示されるように、カテーテル106の先端158は、血管110の壁114によるさらなる導入から制限され、場合によっては、血管110の口112内の組織の治療は困難又は不可能である可能性がある。
【0046】
[0055] いくつかの実施形態では、
図1Fに示されるように、USトランスデューサコンテナ100は、カテーテル先端158に向かってほぼ前方(遠位)に傾斜した1つ以上のPE素子140-1と、冷却チャネル120の床108及びコンテナ100の長手方向軸に平行な1つ以上のPE素子140-2とを備える。この構成の潜在的な利点は、USのエネルギが、アブレーションの目的でアクセスが制限された領域、例えば、狭窄血管110の口112に向かってほぼ前方に放出されることができるということである。この構成では、アブレーションUSエネルギは、安全な距離からPE素子140-1から放出されるが、処置された組織に害を与えることなく、なおもPE素子140-2によって撮像されることができる。
【0047】
[0056] いくつかの実施形態では、
図1Gに示されるように、USトランスデューサコンテナ100は、カテーテル先端158に向かってほぼ前方に(遠位に)傾斜する1つ以上のPE素子140-1と、カテーテル先端158から離れてほぼ後方に(近位に)傾斜する1つ以上のPE素子140-2とを備える。この構成の潜在的な利点は、アブレーションエネルギがPE素子140の1つ(例えば、PE素子140-1)によって放出されることができ、切除処置の進行が第2のPE素子(例えば、PE素子140-2)によって撮像されるということである。この構成では、アブレーションUSエネルギは、安全な距離からPE素子140-1から放出されるが、処置された組織に害を与えることなく、なおもPE素子140-2によって撮像されることができる。
【0048】
[0057] いくつかの実施形態では、
図1Hに示されるように、USトランスデューサコンテナ100は、カテーテル先端158に向かってほぼ前方(遠位)に傾斜した1つ以上のPE素子140-1と、冷却チャネル120の床108及びコンテナ100の長手方向軸に平行な1つ以上のPE素子140-2と、ほぼ近位に(カテーテル先端158から離れて)傾斜した1つ以上のPE素子140-3とを備える。この構成の潜在的な利点は、USエネルギが、切除目的で角度が付けられた又は急勾配の解剖学的構造を有する領域(例えば、狭窄血管110の口112)に向かってほぼ前方及び垂直に、又は切除目的で角度が付けられた又は急勾配の解剖学的構造を有する領域(例えば、狭窄血管110の口112)に向かってほぼ後方に放出されることができるということである。この構成では、アブレーションUSエネルギは、安全な距離からPE素子140-1及び/又は140-3から放出されるが、処置された組織に害を与えることなく、なおもPE素子140-2によって撮像されることができる。
【0049】
[0058] いくつかの実施形態では、2つのアブレーションPE素子140(例えば、
図1J、140-1及び140-2)は、例えば、1mmよりも広いギャップによって互いに間隔を置いて配置されたコンテナ100内に設定される。この構成における潜在的な利点は、PE素子の同時活性化及びUSトランスデューサコンテナ100の同時完全回転が2つの隣接する円周方向病変リングを形成し、二重病変ブロックをもたらすということである。
【0050】
[0059]
図1G~
図1Jに示される構成の潜在的な利点は、例えば、冷却チャネル120の近位側及び遠位側にさらなるPE素子140を追加することにより、組織に対するPE素子140-2の位置合わせを測定することを可能にするということである。
【0051】
[0060] PE放出面が組織に対してある角度にある(すなわち、平行ではない)場合、組織上の音響フットプリントは大きくなる(表面上の角度を向けたフラッシュライトの影のように)。音響フットプリントが大きいということは、組織に分布する面積あたりのエネルギが小さいことを意味する。したがって、同じエネルギレベルで組織を切除することはより困難である。組織標的面に対する放出面の角度がわかっている場合、エネルギレベルの必要な増加を計算することができる。
【0052】
[0061] したがって、2つ以上の傾斜した放出面を有する構成の潜在的な利点は、システムプロセッサが、例えば、平行度、標的組織に対する放出面の角度を測定するためのシステムプロセッサを提供し、アブレーションに必要なUSビームエネルギを計算し、それに応じてUSビームを放出したPE素子を調整するということである。いくつかの実施形態では、例えば、10度、15度、又は20度を超える標的組織100の表面に対する放出面142の角度は、それぞれ、7%、14%、又は25%の増加を必要とする。
【0053】
[0062] 第2の水平な放出面に対してある角度で配置された放出面を有することの潜在的な利点は、そのような構成が、角度が付けられた放出面から放出され且つ組織から水平な放出面に向かって反射された信号の検出を改善するということである。
【0054】
[0063] いくつかの実施形態では、角度が付けられた放出面は、角度が付けられた放出面に垂直な第1の軸が、5mmから25mm、7から20mm、又は10mmから17mmの間の距離で、水平な放出面に垂直な第2の軸と交差するように角度が付けられる。
【0055】
[0064] いくつかの実施形態では、及び
図1G、
図1H、
図1I、
図1J及び
図1Kに示されるように、PE素子140-1は、PE素子140-2から放出され且つ標的組織110で反射されたUS信号を検出するように構成される。必要に応じて、又は代替的に、PE素子140-2は、PE素子140-1から放出され且つ標的組織110で反射されたUS信号を検出するように構成される。
【0056】
[0065] いくつかの実施形態では、第1のPE素子、例えば、140-1は、第2のPE素子、例えば、140-2から放出され且つ標的組織110で反射された予想されるUS信号に面するように配置される。
【0057】
[0066]
図1Kに示される例示的な実施形態では、USトランスデューサコンテナ100は、並んで配置された2対のPE素子140-1/140-2及び140-1a/140-2aを備える。この構成の潜在的な利点は、PE素子140-1/140-2及び140-1a/140-2aが配置及び角度付けられて、任意の所望の特定処置に適した撮像及び切除結果を提供することができるということである。
【0058】
[0067] いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100は、USトランスデューサコンテナ100に沿って軸方向に配置された複数のPE素子を備える。いくつかの実施形態では、複数のPE素子のうちの2つ以上の連続するPE素子は、少なくとも2つのアブレーションPE素子を備える。いくつかの実施形態では、2つ以上の連続するPE素子は、それらの間に、幅1mmを超えるギャップ(例えば、528、
図5G、
図5H、
図5I)を規定する。いくつかの実施形態では、第1のPE素子は、アブレーション中にUS信号を送受信するように構成された切除及びセンサ(撮像)の双方を備える。いくつかの実施形態では、切除及びセンサ(撮像)PE素子は、切除US輝線に沿ってPE素子に直接戻る信号を検出するように構成される。
【0059】
[0068] いくつかの実施形態では、第2のPE素子は、アブレーションパルス間の信号のみを受信するセンサ(撮像)としてのみ機能する。第2のPE素子の潜在的な利点は、センサ(撮像)としてのみ機能し、処置領域がより大きく、直接切除線から逸れる戻り信号を検出する能力が向上するということである。さらに、第2のPE素子は、信号が到達する前にPE素子が静止状態にあり、したがって、到達した信号がよりクリーンである(通常、信号を受信すると振動する素子に関連付けられるノイズ/リンギングが少ない)ことから、近距離からの信号を検出することができるセンサ(撮像)としてのみ機能する。
【0060】
[0069] いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100の異なるPE素子は、異なる周波数で動作する。例えば、アブレーションPE素子は、8mHzを超える周波数範囲で動作するが、撮像PE素子は、異なる低い範囲で動作し、パルスエコーモードで動作する。この構成では、アブレーションPE素子が組織をアブレーションし、撮像PE素子がアブレーション領域から独自の撮像信号を送受信する(パルスエコーモード)。パルスエコーモード構成は、撮像PE素子が低周波数で動作するため、アブレーションPE素子の高周波数信号を検出することができない。この構成の潜在的な利点は、低周波数のPE素子がより深い信号浸透を可能にするということである。低周波数のUS信号によって切除病変を形成することは非常に困難であるため、低周波数のPE素子は、アブレーション目的に使用することができない。
【0061】
[0070] いくつかの実施形態では、撮像に使用されるPE素子は、少なくとも4つのより小さなPE素子のアレイを備える。この構成の潜在的な利点は、画像の解像度が向上するということである。
【0062】
[0071] いくつかの実施形態では、例えば、
図1Fから
図1Kに示されるように、肺静脈の1つ以上の口を切除する際に、走査PE素子とアブレーションPE素子との組み合わせ、又は単一の走査及びアブレーションPE素子を使用する方法は、以下を備える:
USトランスデューサコンテナ100を血管の小孔に配置することと、
トランスデューサをその軸を中心に回転させ、静脈口を走査することと、
静脈口のベースライン画像を作成するために、組織から返された1つ以上の信号を記録することと、
同時に又は連続して、血管壁の厚さを測定することと、
完全な回転が完了するまでトランスデューサをセグメント的に回転させることにより、連続したセグメントで静脈口の血管組織をアブレーションすることと、
アブレーションされたセグメントの戻り信号をリアルタイムで記録し、1つ以上の戻り信号に基づいてリアルタイム画像を作成することと、
アブレーション中に取得された戻り信号及び/又は画像を、取得されたベースライン戻り信号及び/又はそこから作成された画像と比較することと、
アブレーション病変形成に対応する組織の変化を表す、アブレーション中に取得された戻り信号及び/又は画像の変化を特定することと、
ベースライン戻り信号及び/又は画像と取得された戻り信号及び/又は画像との間の戻り信号及び/又は画像の変化が達成された所定レベルのアブレーションを示した後、アブレーションを終了すること。
【0063】
カテーテル超音波トランスデューサ冷却システム
[0072] いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、カテーテルUSトランスデューサコンテナ100は、PE素子140を冷却し、コンテナの血液接触面116の温度を45℃以下に維持するように構成された冷却システム200を備える。いくつかの実施形態では、冷却システム200は、冷却流体入口152と、冷却流体出口154と、それらの間のトラフ形状の冷却チャネル120とを備える。いくつかの実施形態では、トラフ形状の冷却チャネル120は、床108の両側から放出面142の両側に沿って延びる第1及び第2の側壁122/124によって縁取られた床108によって規定される。第1及び第2の側壁122/124は、床108とカバー130との間に及び、コンテナの血液接触面116の縁に密封的に接触して、コンテナ100にアパーチャ118を形成する。
【0064】
[0073] いくつかの実施形態では、カバー130は、少なくとも2つの表面、すなわち、PE素子140に面する表面と、PE素子140とは反対に面する血液接触面116とを備える。いくつかの実施形態では、血液接触面116は、冷却チャネル120の最も外側の面である。いくつかの実施形態では、血液接触面116は、冷却チャネル120と、コンテナ100及びカテーテル106を囲む血液との間のインターフェースを備える。いくつかの実施形態では、カバー130は、冷却チャネル120内に冷却流体を維持し、血液がPE素子140及び/又は冷却システム200と接触するのを防ぐバリアを形成する。そのような接触は、血液凝固を引き起こす可能性がある。
【0065】
[0074] いくつかの実施形態では、本明細書の他の場所でより詳細に説明されるように、壁122/124は傾斜しており、冷却チャネル120に台形断面を与えて、床108を形成するより小さな台形基部を与える。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の断面は、その長さの少なくとも50%を超える台形の形状を有する。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の断面は、その長さの少なくとも75%を超える台形の形状を有する。
【0066】
[0075] PE素子140/140-1/140-2/140-3のいずれか1つは、USアブレーション素子及び/又はUS撮像トランスデューサとして機能することができる。例えば、
図1Gでは、PE素子140-2は、USトランスデューサとして機能することができるが、PE素子140-1及び140-3は、USアブレーション素子として機能することができる。必要に応じて、及び代替的に、本明細書の他の場所で詳細に説明されるように、
図1A~
図1Gに示される実施形態において、ならびに本明細書の他の場所に記載されている実施形態において、PE素子140は、USアブレーション素子及び/又はUSトランスデューサ素子として機能することができる。いくつかの実施形態では、本明細書の他の場所で説明するように、PE素子140は、冷却チャネル120の内側に配置され、1つ以上の支柱102に取り付けられる。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の寸法は、PE素子140の寸法以上である。例えば、いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の長さは、PE素子140の長さと少なくとも同じである。いくつかの実施形態では、それは、PE素子140よりも短い。
【0067】
[0076] いくつかの実施形態では、
図2A、
図2B及び
図2Cに示されるように、壁122/124は、垂線202から床108に対して1度から45度の間の角度(γ)で半径方向内側に傾斜している。いくつかの実施形態では、角度(γ)は、床108に垂直から、10から30度又は15から25度の間である。
【0068】
[0077] 冷却チャネル120の台形断面における潜在的な利点は、傾斜した壁122/124が、PE素子140の放出面142から放出されるUSビーム204について遮るもののない経路を形成するということである。冷却チャネル120の台形断面における潜在的な利点は、傾斜した壁122/124が、製造中にPE素子140を取り付けるために床108への容易なアクセスを提供するということである。
【0069】
カテーテルUSトランスデューサコンテナ
[0078] 冷却チャネル120を介して放出面142に垂直にUS PE素子140から放出された音響ビームのUSビーム分布パターンの熱画像である
図2Cは、放出面142と冷却チャネル120のカバー130との間の高さ(h)(
図2A)の関数としてのX軸に沿った(すなわち、PE放出面142の横断面に沿った)放出されたビームの圧力(Pmax)を示している。
図2Cに示される例示的な実施形態に示されるように、US音圧のないマージンは、干渉なしに放出される全ビーム150のスパンを示す、放出されたビーム150の両側の濃い青色148によって表される。
図2Cに示されるように、US PE素子140から放出された音響ビームは、それが冷却チャネル120を通って出入りするときに妨害されない。
【0070】
[0079] ここで、カテーテルUSトランスデューサコンテナ100及びUSトランスデューサコンテナ100の冷却システム200の斜視図の簡略図である
図3Aと、本発明のいくつかの実施形態にかかる、冷却システム200内の熱分布を示すグラフである
図3B及び
図3Cとを参照する。いくつかの実施形態では、冷却システム200は、PE素子140を冷却するように構成されるとともに、血液凝固や塞栓の発生のリスクを減らすために、閉回路システム、PE素子140と血液接触面116との間にコンテナ100の血液接触面116の温度を45℃以下に維持するように構成された熱伝達緩衝ゾーン160を形成するように構成される。
図3Cに示されるように、緩衝ゾーン160内の冷却流体の温度は、矢印350によって示されるように、PE素子140からの流体の距離が増加するにつれて低下する。
【0071】
[0080] いくつかの実施形態では、緩衝ゾーン160は、本明細書の他の場所でより詳細に説明されるように、冷却チャネル120内の冷却流体に温度勾配を生成することによって、放出面142とカバー130との間の冷却チャネル120内に形成される。いくつかの実施形態では、冷却勾配は、少なくともPE素子140の放出面142上での冷却流体の層流均一流によって達成され、これは、冷却チャネル120、ほぼ平坦な床、PE素子140の平坦な放出面142、及び平坦なカバー130によって形成され、チャネル120の一方の端部にある音響的に整合された専用冷却流体入口152によって供給され、チャネル120の反対側の端部にある専用冷却流体出口154によって排気される。いくつかの実施形態では、冷却剤流体の流量は、流体の粘度に合わせて調整され、流体速度は、それが乱流になる閾値未満に維持される。
【0072】
[0081] いくつかの実施形態では、血液接触面116-血液界面(又は流路内の温度)の温度センサ166は、血液凝固を防止するために必要な目標温度未満に血液バリアの温度を維持するために必要な流量を制御する。
【0073】
[0082] いくつかの実施形態では、システムは、冷却流体の流量を変化させ、血液接触面116-血液界面での有効温度を変化させるように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、血液接触面116-血液界面を冷却するために流量が増加される。
【0074】
[0083] いくつかの実施形態では、システムは、血液接触面116-血液界面での温度センサ166の温度読み取り値(又は流路内の温度)に基づいて、流体入口152の温度又はそれにおける温度を変化させ、変化しない流速を維持するように構成される。
【0075】
[0084] 必要に応じて、システムは、流体入口152の温度又はそれにおける温度を変化させ、血液接触面116-血液界面での温度センサ166の温度読み取り値(又は流路内の温度)に基づいて冷却流体の流れを変化させるように構成される。
【0076】
[0085] 流量及び流量の変動は、冷却チャネル120の断面積、血液接触面116-血液界面の面積、冷却流体の温度、及び血管の血液温度の変動のうちの少なくとも1つに依存する。血液接触面116-血液界面及び所与の冷却チャネル120チャネル寸法を冷却するために、いくつかの実施形態では、アブレーション素子上の冷却流体の速度は、5cm/秒~60cm/秒の間である。いくつかの実施形態では、流速は、15cm/秒~50cm/秒の間である。いくつかの実施形態では、流速は、20cm/秒~30cm/秒の間、25cm/秒である。
【0077】
[0086] このシステム構成における潜在的な利点は、システム冷却チャネルが、例えば、血液接触面116-血液界面で45℃未満の効率的な冷却を達成するのに十分に高い流速を生成するように構成されたカテーテル106の直径よりも小さい(カテーテル106の直径の0.01~0.5の間)小断面を有するということである。
【0078】
[0087] 冷却システム200の構造は、矢印180によって示される方向に、PE素子140の放出面142上に層流均一流を提供する。いくつかの実施形態では、冷却流体の流量は、5ml/秒から400ml/秒の間である。いくつかの実施形態では、冷却流体の流量は、50ml/秒から300ml/秒の間である。いくつかの実施形態では、冷却流体の流量は、75ml/秒から200ml/秒の間である。
【0079】
[0088] いくつかの実施形態では、コンテナ100は、コンテナ100のカバー130の血液接触面116に1つ以上の温度センサ166を備え、流量は、血液接触面116で測定された温度にしたがって調整される。例えば、血液接触面116で測定された温度が45℃を超えると、それに応じて、入口152からの血流が増加する。
【0080】
[0089] いくつかの実施形態では、コンテナ100は、PE素子140と冷却チャネル120の床108との間のギャップ104内に、又はPE素子140に隣接して、1つ以上の温度センサ168を備える。いくつかの実施形態では、流量は、ギャップ104で測定された温度にしたがって調整され、動作中のPE素子140の温度を監視及び制御する。
【0081】
[0090]
図3B及び
図3Cは、PE素子140の放出面142からの距離(L)によって測定された流体層のレベルに対する冷却チャネル120内の温度勾配を示すグラフ(
図3B)及び熱分布マップ(
図3C)である。
図3Bに示すように、流体層とPE素子140の放出面142との間の距離(L)が大きいほど、温度は低くなり、
図3Bに示すように、放出面142における約120℃からUSビーム放出面142から最大距離(d
max)である血液接触面116における約45℃まで低下する。
【0082】
[0091]
図3Bにおいて、温度は、血液接触面116に隣接する血流層において、血液接触面116を超えて45℃未満に低下し続けることにも留意されたい。必要に応じて、冷却流体は、血液接触面116において37℃未満に冷却され、その場合、通常37℃である血液温度は、血液接触面116を超えた層において低下しない。
【0083】
[0092] 冷却システム200の断面プロファイルにおける潜在的な利点は、冷却チャネル120内の冷却流体の層流が、効果的で均一な血液接触面116-血液界面を生成し、急速に形成された均一な熱ゾーンのない血液接触面116-血液界面の温度プロファイルを提供するということである。
【0084】
[0093] 冷却システム200の断面プロファイルにおける潜在的な利点は、冷却チャネル120内の冷却流体の層流が、例えばカバー130のPE素子140に面する表面に付着した気泡など、冷却チャネル120内に形成されたガス(例えば、空気)気泡の除去用に構成され、効果的であるということである。
【0085】
PE素子冷却システムの構成要素
[0094] いくつかの実施形態では、プロセッサ(図示せず)を使用して、信号送信及び検知データ(例えば、温度、器官壁からの距離、壁の厚さ、電力印加時間、戻り信号の振幅及び位相の変化)を計算及び最適化して、電力出力(例えば、アブレーション用)、トランスデューサの信頼性、病変サイズを最適化する。いくつかの実施形態では、コンテナ100は、プロセッサと通信するPE素子温度センサ166を備える。プロセッサは、圧電温度センサから受信したデータに基づいて入力電力を増減するように構成される。
【0086】
[0095] いくつかの実施形態では、システムプロセッサは、PE素子の放出面から前記組織壁まで測定される1つ以上の距離、組織の厚さ、エネルギ送達の持続時間、組織から戻る超音波信号の振幅及び/又は位相の変化、及び記録された電位信号の減少に基づいて、PE素子から放出されるエネルギのレベルを調整するように構成される。
【0087】
[0096] いくつかの実施形態では、エネルギレベルの調整は、カテーテル106シャフト又はUSトランスデューサコンテナ100上に位置する組織と接触していない、ポジショナ702及び1つ以上の電気電極上の1つ以上の組織接触電極725の間のインピーダンス測定に基づいている。
【0088】
[0097] いくつかの実施形態では、プロセッサ(図示せず)は、カテーテルハンドル(図示せず)に配置されたモータ(図示せず)を介したトランスデューサの回転速度を計算し、検知データ(例えば、臓器壁からの距離、壁の厚さ、電力供給時間、戻り信号の振幅及び位相の変化)に基づいて、最適な病変形成のための電力出力を最適化するように構成される。あるいは、そして必要に応じて、プロセッサは、カテーテル106のハンドル(図示せず)内に埋め込まれたジャイロスコープに基づいてトランスデューサの回転を計算するように構成される。ジャイロスコープの潜在的な利点は、医師が処置中に記録された角度位置に戻ることを可能にするカテーテル/超音波トランシーバの絶対角度を表示できるということである。
【0089】
[0098] いくつかの実施形態では、プロセッサは、血液接触表面温度センサ164及びPE素子温度センサ166の双方からデータを受信し、現在の冷却流体流量に基づいて、放出面142と血液接触面116との間の温度勾配を推定し、それに応じてPE素子140への入力電力を増加又は減少させる。
【0090】
[0099] いくつかの実施形態では、組織病変を形成するのに必要な50度を超えて組織温度を上昇させるのに必要な組織へのエネルギ伝達速度に影響を与えることなく、USトランスデューサPE素子140を冷却するために、US送信デューティサイクルが60%よりも大きく維持される。
【0091】
[0100] PE素子140の比較的低温を維持するために使用される他の手段は、パルス繰り返し周波数を使用してトランスデューサ温度を下げ、流量を増やし、冷却流体温度を下げ、デューティサイクルを下げ、組織壁からの距離に基づいて電圧を調整して成功裏のアブレーションのために必要な時間を調整することを含む。
【0092】
気泡コントロール
[0101] キャビテーション効果又は入口及び/又は出口チューブに閉じ込められた空気によって一般に形成される気泡は、放出されたUSビームの一部を予期しない方向に反射する1つ以上の非音響的に一致する表面を形成することにより、US伝送で一般的な干渉の問題を引き起こす。これは、USトランスデューサを包むバルーン内で冷却剤を循環させる冷却システムを含む構成で特に見られる。気泡は、大抵の場合、バルーンの湾曲した壁に閉じ込められて付着し、そこでは気泡を取り除くには循環が不十分であり、成功すると、気泡の近くの冷却流体の流れは乱流になり、ただ気泡をある場所から別の場所に任意に移動させるだけである。
【0093】
[0102] 本発明のいくつかの実施形態にかかる気泡に対する層流冷却流体の流れの効果の簡略図である、線B-Bに沿って取られた側断面図及び横断面図である
図4A及び
図4Bに示される例示的な実施形態に示されるように、冷却チャネル120内に形成された気泡402は、層流450によって放出面142及び冷却チャネルカバー130から離れて維持され、コンテナ100の先端158にある冷却流体迂回チャンバ156に配置された冷却流体出口154に向かって運ばれ、そこで、冷却流体出口154内の真空によって又は流体を冷却流体出口154に向けて強制する圧力ヘッドによってカテーテル106から吸引される。
【0094】
[0103] いくつかの実施形態では、閉じ込められたチャネル断面は、気泡が付着する可能性のある壁面を制限するとともに、現れる気泡に加えられる流体圧力を増加させることによって、層流冷却流体の流れの効果を高める。
図4A及び
図4Bに示されるように、現れる気泡は、コンテナ100の先端158において、流体出口154に向かう下降流によって、冷却流体冷却流体迂回チャンバ156に押し込まれる。冷却チャネル120内の層流の構成ならびに流れの方向性における追加の利点は、気泡による超音波送信干渉のリスクを排除し、脱気流体又はインライン気泡検出センサ及び/又はトラップの使用の必要性を排除するということである。
【0095】
[0104] いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の断面の面積は、同じ位置でのカテーテル106の断面の面積の0.01から0.5の間を構成する。いくつかの実施形態では、冷却チャネル120の断面の面積は、同じ位置でのカテーテル106の断面の面積の0.1から0.4の間を構成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサの1つ以上のPE素子140が、チャネル120の床108内及び床上に配置されている。
【0096】
[0105] 冷却チャネル内の層流冷却流体の流れの潜在的な利点は、冷却剤による熱伝達が手動又は自動で流量を調整することによって予測及び制御され、必要な超音波パラメータに関して流量パラメータを事前定義(及びシミュレーション)することができるということである。
【0097】
[0106] 冷却チャネル内の層流冷却流体の流れの潜在的な利点は、USトランスデューサコンテナ100全体にわたる均一な温度分布と、血液接触表面温度調整のより速い制御によって表されるより速い流れ調整にある。均一な温度は、血液接触面116における高温ゾーンの形成を排除する。
【0098】
[0107] いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100内の冷却剤の最大容積は、14,200mm^3よりも小さい。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100内の冷却剤の最大容積は、251mm^3よりも小さい。いくつかの実施形態では、任意の所与の時点でのUSトランスデューサコンテナ100内の冷却剤の容積は、1mm^3から40mm^3の間である。
【0099】
[0108] いくつかの実施形態によれば、USトランスデューサは、カテーテルを介して器官(例えば、血管)に挿入されるように構成される。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100の外径は、USトランスデューサを器官に挿入するように構成されたカテーテル106の直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、
図1のセクションA-Aに示されるように、コンテナ100の断面は、冷却チャネル120のカバー130のレベルで減少する。いくつかの実施形態では、カバー130は、高熱吸収材料から作製されている。いくつかの実施形態では、カバー130は、低音響減衰材料から作製されている。いくつかの実施形態では、カバー130の厚さは、1mm未満、0.5mm未満、又は0.3mm未満である。
【0100】
[0109] いくつかの実施形態では、USトランスデューサの外面と組織との間の距離が監視され、例えば、トランスデューサに供給される電力は、監視された距離に基づいて増加又は減少する。いくつかの実施形態では、トランスデューサに供給される電力が監視された距離に基づいて増加又は減少するなど、トランスデューサと組織との間の距離が監視される。いくつかの実施形態では、トランスデューサと組織との間の距離が監視され、例えば、監視された距離が所定の安全距離未満である場合、トランスデューサに供給される電力が手動又は自動で停止される。いくつかの実施形態では、安全距離は、1mmを超える距離によって規定される。いくつかの実施形態では、安全距離は、2mmを超える距離によって規定される。いくつかの実施形態では、安全距離は、5mmを超える距離によって規定される。いくつかの実施形態では、処置期間及び/又は電力は、組織からの戻り信号の分析、組織における病変形成の検出、及び形成された病変の完了に基づいて調節される。
いくつかの実施形態では、処置期間及び/又は電力は、以下の測定及び計算のうちの1つ以上に基づいて調節される:組織からの距離、組織の厚さ、トランスデューサのデューティサイクル、トランスデューサパルスの繰り返し周波数、電圧、標的領域からの戻り信号の振幅、戻り信号の振幅の変化率、標的領域からの信号戻りの位相変化、例えば、肺静脈から記録された信号など、記録された電位信号の減少、及び/又はポジショナ702に取り付けられた組織接触電極とカテーテルシャフト又はUSハウジングに取り付けられた非接触電極との間のインピーダンス測定。いくつかの実施形態では、USトランスデューサは、入力としてセンサデータを受信し、トランスデューサ動作パラメータを出力する1つ以上のコンピューティングユニットを備える。
【0101】
トランスデューサの設計及び製造
[0110] ここで、本発明のいくつかの実施形態にかかるコンテナトランスデューサを製造する方法の斜視図及び断面図の簡略図である
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、
図5F、
図5G、
図5H及び
図5Iを参照する。
図5Aに示されるように、コンテナ100は、PE素子140のための1つ以上の支持体504を有するトラフ形状の流体チャネル120を含むハウジング502を備える。
【0102】
[0111] いくつかの実施形態では、PE素子140の支持体504は、動作中に支持体504上に配置されたPE素子140によって生成された熱が近位及び遠位PE素子140の支持体504によって吸収されるように、非導電性高温容量材料から作製されている。いくつかの実施形態では、US PE素子140は、トランスデューサセラミックの遠位端及び近位端において接続されたトランスデューサ電極間を絶縁する非導電性材料から作製された中間パーティションを備える。
【0103】
[0112] 本発明のいくつかの実施形態では、カテーテルUSトランスデューサは、その遠位端において、USトランスデューサ表面、トランスデューサ支持体のうちの1つ以上に接続され、それによってUSトランスデューサから熱を伝達する内部熱伝導管腔を備える。
【0104】
[0113] いくつかの実施形態では、ハウジング502は、本明細書でより詳細に説明されるように、PE素子140の温度センサ166用の電気導管506と、電気配線用の導管508とを備える。
図5Bに示される例示的な実施形態では、電気配線510は、ハウジング502に挿入され、PE素子140に接続される前に敷設されている。
【0105】
[0114]
図5C及び
図5Dは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、PE素子140の配線オプションの簡略図である側断面図である。
図5Cに示されるように、PE素子140の配線は、PE素子140放出面142に沿った第1の電極512、及び冷却チャネル120の床108に面するPE素子140の反対面に沿った第2の電極514の2つ以上の電極を備える。電極512及び514は、互いに絶縁されている。
【0106】
[0115] あるいは、そして必要に応じて、
図5Dに示されるように、PE素子140の配線は、PE素子140の放出面142の少なくとも一部に沿ったPE素子140の一方の端部の周りの第1の電極516、及び冷却チャネル120の床108に面するPE素子140の反対面の少なくとも一部に沿ったPE素子140の反対側の先端158に面する端部の周りの第2の電極518の2つ以上の電極を備える。電極516及び518は、それぞれ、放出面142及び床108に面する反対面上の1つ以上のギャップ530/536によって互いに絶縁されている。
【0107】
[0116] いくつかの実施形態では、1つ以上のギャップ530/536は、絶縁接着剤によって橋渡しされている。
図5Dでは、PE素子140の放出面142上のギャップ536は、絶縁接着剤532によって橋渡しされている。
【0108】
[0117] 配線構成の潜在的な利点は、この構成が、PE素子140を非導電性材料、例えば、パリレンで隔離する必要性を無効にするということである。これは、PE素子140を絶縁材料、例えば電気絶縁接着剤によって円周方向に絶縁しながら維持し、PE素子140のほぼ反対側に少なくとも2つの接点を配置することによって達成される。これは、PE素子の両側間の潜在的な電気的短絡を防止する。
【0109】
[0118] 非導電性材料、例えば、PE素子140を絶縁するためのパリレンの使用における潜在的な利点は、それが製造プロセスを単純化し、他の一般的に使用される技術よりも安価であるということである。ここで、
図5Bに示されるセクションC-Cに沿って取られたUSトランスデューサコンテナ100の断面であり、導管508を出て、PE素子140の先端158に面する端部と接触して配置されるワイヤ510を示す
図5Eが参照される。いくつかの実施形態では、コンテナカバー130は、冷却チャネル120から周囲の血流への流体の流出を可能にする1つ以上のマイクロ出口ポート195を備える。マイクロ出口ポートの潜在的な利点は、マイクロポートを出る流体が、アブレーションプロセス中に形成される可能性のある血液残留物/炭化物を洗い流すということである。
【0110】
[0119]
図5Fは、矢印550によって
図5Bに示される方向から見た、カテーテル106へのハウジング502の電気的及び流体通路の簡略図の断面図である。
図5Fに示される例示的な実施形態に示されるように、ハウジング502は、冷却流体入口152の管及び冷却流体出口154の管のための導管と、管腔126を有するトランスデューサハウジング支持管520とを備える。いくつかの実施形態では、トランスデューサハウジング支持管520及び管腔126は、ガイドワイヤ524の導電管526を収容するようにサイズ設定されている。いくつかの実施形態では、ハウジング502は、1つ以上のアブレーションPE素子140同軸ケーブル用の1つ以上の導管508と、1つ以上の傾斜PE素子140同軸ケーブル用の1つ以上の導管522とを備える。
【0111】
[0120]
図5G、
図5H及び
図5Iは、USトランスデューサコンテナ100の電気配線に続くUSトランスデューサコンテナ100の製造プロセスを示している。
図5Gは、本明細書に記載の前の段階に続く製造段階を示し、本明細書の他の場所に記載された接続オプションにしたがって、導電体506/510をPE素子140の対応する端部に接続することを備える。いくつかの実施形態では、
図5Hに示されるように、流体入口152及び流体出口154を、
図5Iに示されるように、コンテナの先端158内の冷却流体迂回チャンバ156に取り付けることによって、電気配線の接続のステップが続く。PE素子140の周囲534は、柔軟な絶縁及び耐水性止接着剤、例えば、エポキシ接着剤、UV接着剤又はシリコン接着剤(例えば、Dymax 204-CTH、Dymax 1191、Epo-Tek 301又はEpo-Tek 353ND)によって冷却チャネル120の壁122/124及び支柱102にシールされ、したがって、絶縁カバー130は、その後に収縮(例えば、熱への曝露による)のようにハウジング502上に配置されてハウジング502をしっかりとシールするポリマー(例えば、ポリエステル又はPebax(登録商標))を備える。
【0112】
[0121] このプロセスは、冷却チャネルカバー130をハウジング502及びコンテナ先端156の非球形部分に取り付けることによって終了する。
【0113】
[0122] ここで、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ100の製造及び組み立て方法のフローチャートである
図6を参照する。
図6に示されるように、この方法は、602において、1つ以上の流体導管152/154、1つ以上の電気導管506/510、1つ以上の温度センサ166の導管、1つ以上の主カテーテル管腔126、及び1つ以上のトラフ形状の冷却チャネル120を備えるハウジング502を成形することを備える。
【0114】
[0123] いくつかの実施形態では、冷却チャネル120は、コンテナの血液接触面116に開口118を形成するように、1つ以上の支柱102を含み且つ床108の両側から放出面142の両側面に沿ってコンテナの血液接触面116の縁に接して延びる第1及び第2の側壁122/124によって隣接される床108によって規定されるトラフ形状の冷却チャネル120を備える。
【0115】
[0124] 604において、PE素子140の電気導管506/510は、カテーテル106と連通し、カテーテルを通ってそれぞれの電源及び/又は通信(図示せず)に通じて、それぞれの導管内に配置される。
606において、PE素子140は、本明細書の他の場所で詳細に説明されるように、1つ以上の支柱102に取り付けられ、導電体506/510に接続される。いくつかの実施形態では、必要に応じて、この方法は、PE素子140を誘電体層でコーティングすることを備える。いくつかの実施形態では、必要に応じて、この方法は、PE素子140に接続された導電体506/510の端部の間に誘電体材料を適用することを備える。608において、PE素子140の周囲を冷却チャネル120の壁122/124に柔軟な絶縁及び流体防止接着剤でシールし、610において、冷却流体迂回チャンバ156及びコンテナの先端158を取り付ける。いくつかの実施形態では、ステップ606及び608は、単一のステップに組み合わされる。このプロセスは、ハウジング502の上に絶縁カバーを配置することによって完了し、その一部は、いくつかの実施形態では、カバー130を備え、カバーを収縮させ(例えば、熱への曝露による)、ハウジング502及び冷却チャネル120をしっかりとシールする。
【0116】
ポジショナ
[0125] ここで、本明細書に開示されるようなUSトランスデューサコンテナ100を運ぶカテーテル106用のポジショナ702の簡略図である平面図及び斜視図である
図7A、
図7B、
図7C及び
図7Dを参照する。いくつかの実施形態では、カテーテル106は、USトランスデューサコンテナ100の少なくとも一部を包む拡張可能なポジショナ702を備える。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、カテーテル106を通して挿入されたカテーテルに取り付けられている。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、カテーテル106の一体部分である。いくつかの実施形態では、
図7A、
図7B及び
図7Cに示されるように、ポジショナ702は、USトランスデューサコンテナ100を包む。いくつかの実施形態では、ポジショナ100は、1つ以上の開口部704を備え、その直径は、開口部704を介して放出されるUSビームの直径よりも大きいことから、ポジショナ702は、ビームの伝播を妨害しない。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、形状記憶弾性生体適合性材料、例えば、ニチノールから作製されている。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、それを通る血流を可能にするように構成された非閉塞ポジショナである。
【0117】
[0126] いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、ケージ状の形状を備える。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、バスケット状の形状を備える。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、円筒状の形状を備える。いくつかの実施形態では、円筒形ポジショナ702の寸法は、直径10mm~30mm及び長さ7mm~60mmである。いくつかの実施形態では、円筒形ポジショナ702の寸法は、直径15mm~25mm及び長さ10mm~50mmである。いくつかの実施形態では、円筒形ポジショナ702の寸法は、直径17mm~20mm及び長さ8mm~40mmである。
【0118】
[0127] いくつかの実施形態では、ポジショナ702の形状及びポジショナ702内の開口部704の位置は不均一であり、例えば、開口部704は、より効果的な音響アブレーションを可能にするために、ポジショナ702の一部、例えば近位部分が機械的支持を提供し、別の部分、例えば遠位部分がより少ない機械的支持及びより多くの露出(より多くの開口部704)を提供するように、ポジショナ702の遠位部分に配置される。
【0119】
[0128] いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、カテーテルから取り外し可能なものを備える。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、例えば、アブレーション処置後の左心房付属器などの左心房の空洞を塞ぐように構成された取り外し可能なプラグを備える。
【0120】
[0129] いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、接触及び/又は非接触電極725を備え、処置の有効性を監視するために、アブレーション前、アブレーション中、及び/又はアブレーション後の電気的活動を記録するように構成される。
【0121】
[0130] いくつかの実施形態では、
図7A及び
図7Bに示されるように、ポジショナ702は、卵形の形状を有する。いくつかの実施形態では、
図7Cに示されるように、ポジショナ702は、ダイアモンド形状又は任意の他の適切な形状を有するポジショナ702を備える。
【0122】
[0131]
図7Dは、本発明のいくつかの実施形態にかかる、USトランスデューサコンテナ100及びポジショナ702の実装の斜視図の簡略図である。
図7Dに示される例示的な実施形態に示されるように、USトランスデューサコンテナは、心臓の左心房における肺静脈の口の非接触アブレーションにおいて実装される。この処置では、本明細書の他の場所で説明されているように、アブレーション傾斜PE素子140及び撮像PE140-1を使用するUSトランスデューサコンテナ100構成を使用することができる。ポジショナ702は、左心房内腔の内側に拡張され、4つの主要な肺静脈口のうちの1つに向けられる。ポジショナ702が肺静脈口の壁と接触して配置されると、USトランスデューサコンテナ100は、口縁の安全なアブレーションを可能にするために、一般に口の中心に自動的に配置される。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナは、矢印750によって示されるようにポジショナ702内で回転可能であり、肺静脈口の縁を取り囲むリングをアブレーションするように構成される。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナは、ポジショナ702内で双方向に軸方向に並進して、例えば肺静脈口内でUSトランスデューサコンテナ100をより適切に配置するように構成される。この特徴の潜在的な利点は、USトランスデューサコンテナ100の線形運動が、選択された解剖学的構造における組織の線形的アブレーション(例えば、USトランスデューサコンテナ100の並進軸に平行)を提供するということである。
【0123】
[0132] 例えば心房細動治療などの場合には、肺静脈をアブレーションして異所性心臓活動電位トリガーを停止する。そのような処置において、そのような処置で一般に使用されるバルーンタイプのポジショナ又は冷却バルーンは、バルーン表面が血管壁に対して押し付けられる点まで膨張し、それによりアブレーション素子を安定させる。しかしながら、冷却バルーンを使用してトランスデューサの血管を冷却及びセンタリングし(肺静脈内など)、バルーン壁が肺静脈組織に接触すると、血液がバルーンと組織の間に閉じ込められて溜まる可能性がある。プールされた血液は、アブレーション中に組織によって生成される熱のために凝固する可能性がある。処置の最後にバルーンが収縮すると、新たに形成された血栓が放出され、脳卒中のリスクになる可能性がある。
非閉塞ポジショナの潜在的な利点は、血液がそこを通って流れることを可能にするように構成され、血液の貯留及び/又は凝固及び血液塞栓の形成を大幅に低減又は完全に防止するということである。
【0124】
ジェット効果
[0133] ここで、本発明のいくつかの実施形態にかかるカテーテルUSトランスデューサコンテナの実装の断面図の簡略図である
図8を参照する。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100は、カテーテル106に沿って、又はカテーテル106内に配置されるようにサイズ設定及び適合されている。いくつかの実施形態では、USトランスデューサコンテナ100は、コリメート音響レンズ802を備える。
【0125】
[0134] 本開示の著者が驚いたことに、いくつかの実施形態では、適切に設計されたUSトランスデューサPE素子140から生成されたコリメートビームエネルギが、周囲の血流と同じ温度を有する周囲の血流にジェット効果850を生成することが観察された。いくつかの実施形態では、コリメートされたビームエネルギは、50W/cm^2を超える。いくつかの実施形態では、コリメートされたビームエネルギは、70W/cm^2を超える。いくつかの実施形態では、コリメートされたビームエネルギは、90W/cm^2を超える。
【0126】
[0135] そのようなジェット効果850の潜在的な利点は、処置領域に向けられたジェットが、超音波ビームが組織に浸透する点で組織壁808を冷却し、組織の炭化を防ぐということである。
【0127】
[0136] いくつかの実施形態では、カテーテル106は、治療剤806が放出されたUSビーム204に流入して組織808に向かってジェット効果850によって駆動されるように、例えばUSトランスデューサコンテナ100の上流の血流に治療剤806を送達するように構成された1つ以上の治療剤送達ノズル804を備える。
【0128】
[0137] 断面寸法(例えば、面積)が小さすぎるとジェット効果が生成されないこと、又は生成されたジェットが治療剤806を小さい組織808の領域に向かって駆動するのに効果的でないことも、本開示の著者に知られるようになった。あるいは、断面寸法(例えば、面積)が大きすぎると、装置の最大エネルギ要件を超える高レベルの駆動エネルギが必要になる。
【0129】
[0138] いくつかの実施形態では、治療剤806を小さな組織808の領域に向けて駆動するのに十分に効果的なジェット効果を生成するための最適な断面寸法(例えば、面積)は、十分に小さい必要があり(例えば、断面積当たりの高いエネルギ)、8mm^2から30mm^2の範囲であることが見出された。いくつかの実施形態では、最適な断面寸法(例えば、面積)は、12mm^2から20mm^2の間の範囲にある。いくつかの実施形態では、最適な断面寸法(例えば、面積)は、14mm^2から16mm^2の間の範囲にある。
【0130】
[0139]
図9は、本発明のいくつかの実施形態にかかる、多方向USトランスデューサコンテナの横断面の簡略図である。いくつかの実施形態では、多方向USスキャナ/アブレーショントランスデューサコンテナ900は、コンテナ900の長手方向軸の周りに円周方向に配置された複数のPE素子140を含む。いくつかの実施形態では、各PE素子は、本明細書の他の場所で説明されるように、冷却チャネル120内に配置され、冷却流体の入口及び出口ならびに導電体を含む。
【0131】
[0140] いくつかの状況では、本明細書の他の場所で詳細に説明される心房細動治療のためのカテーテルアブレーションに加えて、非肺静脈口の位置、例えば左下肺静脈と僧帽弁、後壁に沿った左肺静脈から右肺静脈の間(LAルーフライン及びLAフロアライン)及び/又は異所性心臓作用の潜在的なトリガーが識別される左心房の選択された領域に、病変(例えば、病変ライン)を形成する必要がある。
【0132】
[0141] ここで、USトランスデューサ/RF組み合わせカテーテルコンテナ1000を形成する1つ以上のRF電極先端を含む、カテーテルUSトランスデューサコンテナの斜視図の簡略図である
図10A及び
図10Bを参照する。いくつかの実施形態では、
図10A及び
図10Bに示されるように、US用トランスデューサ/RFコンテナ1000の先端158は、例えば、イリジウム/プラチナ、プラチナ、銅又は金などの金属材料を含む。いくつかの実施形態では、USトランスデューサ/RF組み合わせカテーテルコンテナ1000の先端158は、導電体506/510と同様に、1つ以上の導電体を介してRF電源(図示せず)に電気的に接続されたRF電極1002を備える。いくつかの実施形態では、コンテナ先端158は、RF処理された病変及び/又は処置された病変を囲む組織を冷却するために冷却流体(例えば、生理食塩水)を排出するように構成された1つ以上の灌注ポート1004を備える。いくつかの実施形態では、USトランスデューサ/RF組み合わせカテーテルコンテナ1000のRF電極1002は、組織と接触し、組織に病変を形成するように構成される。
【0133】
[0142] USトランスデューサ/RF組み合わせカテーテルコンテナの潜在的な利点は、肺静脈(PV)口を処置するだけでなく、肺静脈の電気的隔離の完了後に必要な又は望まれる可能性のある追加の病変ラインを形成する装置の能力にある。
【0134】
[0143] USトランスデューサ/RF組み合わせカテーテルコンテナの潜在的な利点は、そのような組み合わせコンテナが以下のように構成されるということである:
a.円周方向の肺静脈(PV)の電気的絶縁をもたらす放射状に外向きのUSアブレーション、及び
b.非PV異所性心臓活動電位トリガーを対象としたポイントバイポイントRFアブレーション。
【0135】
[0144] USトランスデューサ/RF組み合わせカテーテルコンテナの潜在的な利点は、そのような組み合わせコンテナが、異なるタイプのエネルギ(例えば、US及びRFエネルギ)を組み合わせて、以下のように装置の処置の多様性を高めるように構成されるということである:
a.円周方向の肺静脈(PV)の電気的絶縁をもたらす放射状に外向きのUSアブレーション、及び
b.特定の非PV異所性心臓活動電位トリガーに対する順方向接触RFアブレーション。
いくつかの実施形態では、
図10Bに示されるように、USトランスデューサ/RF組み合わせカテーテルコンテナは、ポジショナ702を備える。いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、取り外し可能である。この構成における潜在的な利点は、ポジショナ702が取り外し可能であり、空洞、例えば左心耳を塞ぐように構成されるということである。
いくつかの実施形態では、ポジショナ702は、折り畳み可能である。いくつかの実施形態では、折り畳み構成のポジショナ702は、カテーテル106に引き込まれるように構成される。この構成における潜在的な利点は、組織位置を最初にUSトランスデューサで処置し、本明細書の他の場所で詳細に説明するようにポジショナ702によって所定の位置に維持し、続いて、例えば、コンテナ先端158のRF電極1002を使用する接触RF処置が続くカテーテル106への折り畳み及び回収によってポジショナ702を取り外すことができるということである。
【0136】
[0145] 本出願を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示されることができる。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個々の数値だけでなく、全ての可能なサブ範囲を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1から6などの範囲の記述は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などのサブ範囲、ならびに、例えば、1、2、3、4、5、及び6など、その範囲内の個々の数を具体的に開示していると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0137】
[0146] 本明細書で数値範囲が示されるときはいつでも、それは、示された範囲内の引用された数字(分数又は整数)を含むことを意味する。第1の指示番号と第2の指示番号との間の「範囲に及ぶ/範囲」という句、及び第1の指示番号から第2の指示番号までの「範囲に及ぶ/範囲」という句は、本明細書では互換的に使用され、第1及び第2の指示番号、ならびにそれらの間の全ての分数及び整数を含むことを意味する。
【0138】
[0147] 本出願の説明及び特許請求の範囲において、「備える(comprise)」、「含む(include)」及び「有する(have)」の各語、ならびにそれらの形態は、必ずしも、語が関連付けられることができるリスト内の部材に限定されるものではない。さらに、本出願と参照により組み込まれる任意の文献との間に矛盾がある場合、本出願が支配することがここに意図される。
【0139】
[0148] 本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたが、網羅的であることを意図するものではなく、又は開示される実施形態に限定されることを意図するものではない。説明された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの変更及び変形が当業者にとって明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術に対する実際の適用又は技術的改善を最もよく説明するために、又は当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択された。