(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】画像誘導放射線治療装置内に統合されるヘリカルファンビームコンピュータ断層撮影
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
A61N5/10 P
A61N5/10 K
A61N5/10 T
A61N5/10 S
(21)【出願番号】P 2021521752
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(86)【国際出願番号】 US2019063074
(87)【国際公開番号】W WO2020112674
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-22
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505172824
【氏名又は名称】アキュレイ インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】1240 Deming Way, Madison, WI 53717 U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シア ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ギャニオン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュナー エリック
(72)【発明者】
【氏名】チャオ エドワード ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ペトル
(72)【発明者】
【氏名】マウラー ジュニア カルヴィン アール.
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0192978(US,A1)
【文献】特表2011-528977(JP,A)
【文献】国際公開第2016/046870(WO,A1)
【文献】特開2011-67555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療送達装置であって、
少なくとも部分的に患者支持台の周囲に配置されている回転可能なガントリーシステムと、
前記回転可能なガントリーシステムに結合され、治療用放射線として構成されている第1の放射線源と、
前記回転可能なガントリーシステムに結合され、撮像用放射線として構成されている第2の放射線源であって、前記第1の放射線源より低いエネルギレベルを有する、第2の放射線源と、
前記回転可能なガントリーシステムに結合され、前記第2の放射線源からの放射線を受信するように配置されている放射線検出器と、
前記第2の放射線源に対して配置されているコリメータアセンブリであって、ヘリカルスキャン中に、速度と画質の目標に基づいて、前記第2の放射線源によって放出される放射線ビームの形状を選択的に制御して、前記放射線検出器のアクティブ領域よりも小さい1つの連続した領域を前記放射線ビームに対して選択的に曝露する、コリメータアセンブリと、
を有する、放射線治療送達装置。
【請求項2】
前記第2の放射線源がキロボルト(kV)放射線源を有する、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項3】
前記放射線ビームの前記形状がファンビームである、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項4】
前記ヘリカルスキャン中に、前記コリメータアセンブリが、前記放射線ビームを調整するために選択的に制御される、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項5】
前記患者支持台が、前記回転可能なガントリーシステムに対して可変速度で動く、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項6】
前記回転可能なガントリーシステムが、前記患者支持台の周囲を可変レートで回転する、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項7】
前記第2の放射線源は、前記第1の放射線源と同時に動作する、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項8】
前記第2の放射線源は、前記第1の放射線源と順次動作する、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項9】
前記放射線検出器のアクティブ領域は、前記第2の放射線源に対して半影領域および影領域を含む、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項10】
前記第1の放射線源と前記第2の放射線源とを同時に動作させたとき、前記放射線検出器のアクティブ領域は、前記第2の放射線源から投影データを取得し、前記第1の放射線源から散乱データを取得する、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項11】
再構成プロセッサをさらに有し、前記再構成プロセッサは、前記放射線検出器が受信する放射線に基づいて患者の画像を生成する、請求項1に記載の放射線治療送達装置。
【請求項12】
治療用放射線として構成されている第1の放射線源と、撮像用放射線として構成され、回転可能なガントリーシステムに結合されている第2の放射線源と、を有する放射線治療装
置の作動方法であって、
前記装置のコントローラが、前記第2の放射線源および前記第2の放射線源に対して配置されたコリメータアセンブリを制御して、放射線検出器のアクティブ領域よりも小さい1つの連続した領域を曝露する放射線のファンビームを
出射するステップと、
前記装置のコントローラが、前記回転可能なガントリーシステムおよび患者支持台を制御して、前記患者支持台上の患者のヘリカルスキャンを
行うステップと、
前記装置のプロセッサが、前記放射線検出器の前記アクティブ領域からの撮像データを提供するステップと、
を含み、
前記第2の放射線源および前記コリメータアセンブリを制御することは、速度と画質の目標に基づく、方法。
【請求項13】
前記装置のコントローラが、前記放射線検出器が受信する前記撮像データに基づいて治療処置を計画するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記治療処置を計画するステップが、前記患者の位置合わせ、撮像線量の計算、治療線量の計算、以前の撮像データの確認、以前の治療計画の確認、修正された治療計画の生成、または新しい治療計画の生成、の少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記放射線検出器が受信する放射線は投影データと半影データを含んでおり、
前記装置のコントローラが、前記半影データに基づいて散乱領域を決定するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記放射線検出器が受信する放射線は投影データと散乱データを含んでおり、
前記装置のコントローラが、前記散乱データに基づいて前記第2の放射線源による患者の散乱推定量を決定するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記装置のコントローラが、前記患者の散乱推定量に基づいて、前記投影データ内の汚染を補間するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の放射線源と前記第2の放射線源は同時に放射線を放出し、前記放射線検出器が受信する放射線は、投影データと散乱データを含んでおり、
前記装置のコントローラが、前記散乱データに基づいて、前記第1の放射線源による患者の散乱推定量を決定するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記放射線検出器が受信する前記第2の放射線源からの放射線に基づいて患者の画像を生成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
放射線治療送達装置であって、
少なくとも部分的に患者支持台の周囲に配置されている回転可能なガントリーシステムと、
前記回転可能なガントリーシステムに結合され、治療用放射線として構成されている第1の放射線源と、
前記回転可能なガントリーシステムに結合され、撮像用放射線として構成されている第2の放射線源であって、前記第1の放射線源より低いエネルギレベルを有する、第2の放射線源と、
前記回転可能なガントリーシステムに結合され、前記第2の放射線源からの放射線を受信するように配置されている放射線検出器と、
前記第2の放射線源に対して配置されているコリメータアセンブリであって、ヘリカルスキャン中に、速度と画質の目標に基づいて、前記第2の放射線源によって放出される放射線ビームの形状を選択的に制御して、前記放射線検出器のアクティブ領域よりも小さい1つの連続した領域を前記放射線ビームに対して選択的に曝露する、コリメータアセンブリと、
前記放射線検出器のアクティブ領域から撮像データを受信するように構成され、IGRT中に前記撮像データに基づいて患者の画像を再構成するように構成された、データ処理システムと、
を有する、放射線治療送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、11個の米国仮特許出願、すなわち、第62/773,712号(出願日2018年11月30日)(代理人整理番号:38935/04001)、第62/773,700号(出願日2018年11月30日)(代理人整理番号:38935/04002)、第62/796,831号(出願日2019年1月25日)(代理人整理番号:38935/04004)、第62/800,287号(出願日2019年2月1日)(代理人整理番号:38935/04003)、第62/801,260号(出願日2019年2月5日)(代理人整理番号:38935/04006)、第62/813,335号(出願日2019年3月4日)(代理人整理番号:38935/04007)、第62/821,116号(出願日2019年3月20日)(代理人整理番号:38935/04009)、第62/836,357号(出願日2019年4月19日)(代理人整理番号:38935/04016)、第62/836,352号(出願日2019年4月19日)(代理人整理番号:38935/04017)、第62/843,796号(出願日2019年5月6日)(代理人整理番号:38935/04005)、第62/878,364号(出願日2019年7月25日)(代理人整理番号:38935/04008)、の利益を主張する。さらに本出願は、同じ日に出願された10個の米国非仮特許出願、すなわち、代理人整理番号38935/04019、タイトル「MULTIMODAL RADIATION APPARATUS AND METHODS」、代理人整理番号38935/04020、タイトル「APPARATUS AND METHODS FOR SCALABLE FIELD OF VIEW IMAGING USING A MULTI-SOURCE SYSTEM」、代理人整理番号38935/04010、タイトル「COMPUTED TOMOGRAPHY SYSTEM AND METHOD FOR IMAGE IMPROVEMENT USING PRIOR IMAGE」、代理人整理番号38935/04013、タイトル「OPTIMIZED SCANNING METHODS AND TOMOGRAPHY SYSTEM USING REGION OF INTEREST DATA」、代理人整理番号38935/04015、タイトル「HELICAL CONE-BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY IMAGING WITH AN OFF-CENTERED DETECTOR」、代理人整理番号38935/04021、タイトル「MULTI-PASS COMPUTED TOMOGRAPHY SCANS FOR IMPROVED WORKFLOW AND PERFORMANCE」、代理人整理番号38935/04012、タイトル「METHOD AND APPARATUS FOR SCATTER ESTIMATION IN CONE-BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY」、代理人整理番号38935/04014、タイトル「ASYMMETRIC SCATTER FITTING FOR OPTIMAL PANEL READOUT IN CONE-BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY」、代理人整理番号38935/04018、タイトル「METHOD AND APPARATUS FOR IMPROVING SCATTER ESTIMATION AND CORRECTION IN IMAGING」、代理人整理番号38935/04022、タイトル「METHOD AND APPARATUS FOR IMAGE RECONSTRUCTION AND CORRECTION USING INTER-FRACTIONAL INFORMATION」、にも関連する。上に記載した特許出願および特許の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
開示する技術の態様は、画像誘導放射線治療(IGRT:image-guided radiation treatment)に関し、より詳細には、IGRTで使用するヘリカルファンビーム(helical fan-beam)コンピュータ断層撮影を含む、高品質の撮像のために低エネルギ(例:キロボルトX線)放射線源を使用するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
放射線治療は、多くの場合、(例えばメガボルト範囲のエネルギレベルにおける)高エネルギのX線ビームを患者内の腫瘍や他の関心領域の方に導くことによって行われる。この治療の目標は、周囲の組織の被曝を最小限にしながら、高エネルギX線ビームを関心領域に集中させることである。医用画像工学(medical imaging technology)は、放射線治療手順に関連して使用することができる。いわゆるIGRTでは、コンピュータ断層撮影(CT)などの医用画像工学を利用して、画像に基づく送達前ステップ(治療計画を含むことができる)で使用するための患者の画像を収集する。また画像取得は、治療用放射線ビームが関心領域に正しく導かれて関心領域を治療していることを確認する目的にも使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態においては、放射線治療送達装置は、少なくとも部分的に患者支持台の周囲に配置されている回転可能なガントリーシステムと、回転可能なガントリーシステムに結合され、治療用放射線として構成されている第1の放射線源と、回転可能なガントリーシステムに結合され、撮像用放射線として構成されている第2の放射線源であって、第1の放射線源より低いエネルギレベルを有する、第2の放射線源と、回転可能なガントリーシステムに結合され、第2の放射線源からの放射線を受信するように配置されている放射線検出器と、ヘリカルスキャン中に、第2の放射線源によって放出される放射線ビームが放射線検出器を選択的に曝露するように放射線ビームの形状を選択的に制御するため、前記第2の放射線源に対して配置されているコリメータアセンブリと、を有する。
【0005】
一実施形態に関連して説明および/または図示した特徴は、1つまたは複数の別の実施形態において同じ方法で、または類似する方法で、および/または、別の実施形態の特徴と組み合わせて、または別の実施形態の特徴の代わりに、使用することができる。
【0006】
本発明の説明は、請求項で使用されている単語、または請求項もしくは本発明の範囲を、限定するものではない。請求項で使用されている単語は、すべての通常の意味を持つ。
【0007】
添付の図面(本明細書に組み込まれており本明細書の一部を構成している)には、本発明の実施形態が図解されており、上に記載した本発明の一般的な説明および以下に記載する詳細な説明と合わせて、本発明の実施形態を例示する役割を果たす。なお図に示した要素の境界(例:長方形、長方形のグループ、またはその他の形状)は、境界の一実施形態を表すことが理解されよう。いくつかの実施形態においては、1つの要素を複数の要素として設計することができる、または複数の要素を1つの要素として設計することができる。いくつかの実施形態においては、別の要素の内部の構成要素として示されている要素は、外部の構成要素として実施することができ、逆も同様である。さらに、要素は正しい縮尺で描かれていないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】開示する技術の一態様による例示的な放射線治療送達装置(radiotherapy delivery device)の斜視図である。
【
図2】開示する技術の一態様による例示的な放射線治療送達装置の概略図である。
【
図3】開示する技術の態様に関連して利用される例示的なヘリカルファンビーム放射線源軌道の概略図である。
【
図4】開示する技術の態様に関連して利用される例示的なヘリカルファンビーム放射線源軌道とコリメーションの概略図である。
【
図5】開示する技術の例示的な一態様による、そのアクティブ領域の一部分のみが第2の放射線源からの放射線に曝露される例示的な検出器を示す概略図である。
【
図6】放射線治療装置を使用するIGRTの例示的な方法を描いた流れ図である。
【
図7】例示的な画像に基づく送達前ステップを描いたブロック図である。
【
図8】撮像中または画像に基づく送達前ステップ中に利用することのできる例示的なデータ源を描いたブロック図である。
【0009】
すべての図面は線図であり、正しい縮尺では描かれていないことに留意されたい。これらの図の一部の相対的な寸法および比率は、図面の明確さおよび便宜上の理由で、誇張または縮小されて示されている。同じ参照番号は、一般には、異なる実施形態における対応するかまたは類似する特徴を参照するために使用されている。したがって図面および説明は、本質的に例示を目的としているとみなすべきであり、本発明を制限するようにはみなされないものとする。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本開示全体を通じて使用される例示的な用語を定義しておく。すべての用語の単数形および複数形は、いずれも各用語の意味を持つ。
【0011】
本明細書で使用される「構成要素」は、ハードウェアの一部、ソフトウェアの一部、またはこれらの組合せとして定義することができる。ハードウェアの一部は、少なくともプロセッサおよびメモリの一部を含むことができ、メモリは、実行するための命令を含む。構成要素は装置に関連付けられることがある。
【0012】
本明細書で使用される「ロジック」(「回路」と同義)は、(1つまたは複数の)機能または(1つまたは複数の)動作を実行するためのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれぞれの組合せを含み、ただしこれらに限定されない。例えばロジックは、所望の用途またはニーズに基づいて、ソフトウェアによって制御されるマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などのディスクリートロジック、または他のプログラマブルロジックデバイスおよび/またはコントローラを含むことができる。ロジックは、完全にソフトウェアとして実施することもできる。
【0013】
本明細書で使用される「プロセッサ」は、実質的に任意の数のプロセッサシステムまたはスタンドアロンプロセッサ(マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、およびデジタルシグナルプロセッサ(DSP)など)の1つまたは複数を任意の組合せで含み、ただしこれらに限定されない。プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、クロック、デコーダ、メモリコントローラ、または割り込みコントローラなど、プロセッサの動作をサポートする様々な別の回路に関連付けることができる。これらのサポート回路は、プロセッサまたはそれに関連する電子パッケージの内部または外部であってよい。サポート回路は、プロセッサと動作可能に通信する。ブロック図または他の図面において、サポート回路は必ずしもプロセッサとは別に示されていない。
【0014】
本明細書で使用される「信号」は、1つまたは複数の電気信号(アナログ信号またはデジタル信号を含む)、1つまたは複数のコンピュータ命令、ビットまたはビットストリームなどを含み、ただしこれらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用される「ソフトウェア」は、コンピュータ、プロセッサ、ロジック、および/または他の電子デバイスに、機能、動作を実行させる、および/または所望の方法で挙動させる、1つまたは複数のコンピュータ可読および/またはコンピュータ実行可能の命令を含み、ただしこれらに限定されない。命令は、ルーチン、アルゴリズム、モジュール、または動的にリンクされるソースまたはライブラリからの個別のアプリケーションまたはコードを含むプログラムなど、様々な形式で実施することができる。
【0016】
上記の例示的な定義が提供されているが、本明細書と一致する最も広く合理的な解釈がこれらの用語および他の用語に使用されることが出願人の意図である。
【0017】
後からさらに詳しく説明するように、開示する技術の実施形態は、IGRTと組み合わせて、またはIGRTの一部として使用するために、CTのための統合された低エネルギ放射線源を利用する放射線治療送達装置および方法に関する。特に、例えば放射線治療送達装置および方法は、回転(例:ヘリカルまたはステップアンドシュート(step-and-shoot))画像取得を使用する、ガントリー内の撮像のためにコリメートされた低エネルギ放射線源を、撮像および/または治療処置のための高エネルギ放射線源と組み合わせることができる。一実施形態においては、低エネルギ放射線源はCTシステムの一部としてのキロボルト(kV)放射線源であり、治療処置のための高エネルギ放射線源はメガボルト(MV)放射線源である。kV放射線源に言及する以下の実施形態においては、別の低エネルギ放射線源を利用してもよい。
【0018】
低エネルギ放射線源(例:kV)は、撮像のために高エネルギ(例:MV)を使用するよりも高品質の画像を生成することができる。kVエネルギで生成された画像は、MVエネルギで生成された画像よりも組織コントラストが優れている。ターゲットとリスクのある臓器(OARS:organs-at-risk)の視覚化、適応治療モニタリング、および治療計画/再計画には、高品質のボリューム撮像が必要となる。いくつかの実施形態においては、kV撮像システムは、動き追跡および/または補正機能にも使用できる。
【0019】
画像取得の方法は、例えば、連続スキャン(例:ガントリーボアを通る患者支持台の縦方向の動きとともに中心軸の周りのヘリカル線源軌道を伴う)であり得る複数回転スキャン、患者支持台の段階的な縦方向の動きを伴う非連続的な円形のストップアンドリバーススキャン(stop-and-reverse scan)、ステップアンドシュート円形スキャン(step-and-shoot circular scans)などを含む、または利用することができる。いくつかの実施形態においては、撮像用放射線は、kV放射線源からのコリメートされたファンビームを利用する。
【0020】
画質には多くの決定要因がある(例:X線源の焦点サイズ、検出器のダイナミックレンジなど)。例えば、kVコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)の画質の限界は散乱であり得る。様々なアプローチが散乱を減らすために使用できる。(散乱をコリメートする)散乱防止グリッドを使用することも1つのアプローチとなる。しかしながら動き追跡や補正用への実装も含めて、kV撮像システムに散乱グリッドを実装することは問題になる可能性がある。高度な再構成アルゴリズム(例:ソフトウェアベースの散乱補正)を含む、再構成プロセスにおいて散乱の補正を試みることもある。
【0021】
様々な実施形態においては、放射線治療装置は、例えば、コリメータ(ビームフォーマを含むか、またはその一部であり得る)を使用して、ビームを制限するために、低エネルギ放射線源をコリメートする(例えば、コーンビームまたはファンビームを含む)。一実施形態においては、コリメートされたビームは、患者が移動している間に連続的に回転するガントリーと組み合わせて、ヘリカル画像取得を可能にする。
【0022】
いくつかの実施形態においては、ファンビームは、ファンビームまたは「シックファン(thick-fan)ビーム」のkVビームコリメーションである。シックファンビームは、ファンビームよりも複数列放射線検出器において多くの列を曝露するビームでありうるにもかかわらず、コーンビーム(CB)に関連するアーチファクトを避けることができ、後からさらに詳しく説明する。たとえばCBCTなど従来の治療中撮像システムに関しては、高品質のボリューム画像を完成させるためのスキャン回転の増加に関連する時間は、放射線治療送達プラットフォームでのkV CT撮像を提供する目的で、高いガントリーレート/速度(例:最大10回転/分(rpm)、最大20rpm、最大60rpm、またはそれ以上のrpmを含む高速スリップリング回転を使用する)、高kVフレームレート、および/またはスパースデータ再構成技術によって軽減することができる。フラットパネル検出器(の様々な列/スライスサイズ、構成、ダイナミックレンジなど)、スキャンピッチ、および/または動的コリメーションは、様々な実施形態における追加の機能(検出器の一部を選択的に曝露することを含む)であり、後からさらに詳しく説明する。特に、低エネルギ撮像用放射線源に調整可能なコリメータを使用し、散乱を低減することにより画質を向上させることができる。別の利点は、放射線被曝の低減にある。このような実装形態においては、例えば、CBCTなどの従来のシステムよりも散乱を低減し、散乱推定を改善できるため、高い品質のkV画像が可能になることが理解されよう。
【0023】
放射線治療送達装置および方法は、関連する放射線検出器(例:kV放射線源からの放射線を受け取るように配置された放射線検出器)の全アクティブ領域よりも小さい領域を曝露するファンビームの幾何学形状を含む、kV放射線源の選択的かつ可変のコリメーションを提供することができる。開示された放射線治療装置および方法は、放射線源からのビームを選択的に制御する(ビームの幾何学形状を調整し、関連する検出器の全部または一部を選択的に曝露することができる能力を含む)ことを可能にする。検出器の主領域のみを直接放射線に曝露することで、検出器の影領域が散乱のみを受け取ることができる。いくつかの実施形態においては、検出器の影領域での散乱測定(いくつかの実施形態においては、半影領域での測定)を使用して、投影データを受信する検出器の主領域での散乱を推定することができる。
【0024】
放射線治療送達装置および方法は、検出器の読み出し範囲を調整して読み出し速度を改善するために検出器のアクティブ領域を限定することを含む、選択的かつ可変の検出器読み出し領域および範囲を提供することができる。例えば、利用可能な影領域よりも小さい領域のデータを読み取って散乱推定に使用してもよい。選択的読み出しとビーム形成(コリメート)を組み合わせることで、散乱フィッティング(scatter fitting)技術の様々な最適化が可能になる。
【0025】
図1および
図2を参照し、放射線治療装置10が提供される。放射線治療装置10は、画像誘導放射線治療または療法(IGRT)を含む(ただしこれに限定されない)様々な用途に使用できることが理解されよう。放射線治療装置10は、支持ユニットまたはハウジング14によって支持されている、または収容されている回転可能なガントリーシステム(ガントリー12と称する)を含む。本明細書におけるガントリーとは、ターゲットの周囲を回転するときに1つまたは複数の放射線源および/または関連する検出器を支持することのできる1つまたは複数のガントリー(例:リングまたはCアーム)を備えたガントリーシステムを指す。例えば、一実施形態においては、第1の放射線源および関連する検出器を、ガントリーシステムの第1のガントリーに取り付けることができ、第2の放射線源および関連する検出器を、ガントリーシステムの第2のガントリーに取り付けることができる。別の実施形態においては、2つ以上の放射線源および関連する(1つまたは複数の)検出器を、ガントリーシステムの同じガントリーに取り付けることができる(例えばガントリーシステムが1つのガントリーのみから構成される場合を含む)。ガントリー、放射線源、および放射線検出器の様々な組合せを、様々なガントリーシステム構成に組み合わせて、同じ装置内で同じボリュームを撮像および/または治療することができる。例えば、kV放射線源およびMV放射線源を、ガントリーシステムの同じガントリーまたは異なるガントリーに取り付けて、IGRTシステムの一部としての撮像および/または治療に、選択的に使用することができる。異なるガントリーに取り付けられる場合、これらの放射線源は独立して回転することができるが、依然として同じ(またはほぼ同じ)ボリュームを同時に撮像することができる。回転可能なリングガントリー12は、上に述べたように10rpm以上の能力とすることができる。回転可能なガントリー12は、ガントリーボア16を画成しており、撮像および/または治療のために患者をこのボアの中に入れて位置決めすることができる。一実施形態によれば、回転可能なガントリー12は、スリップリングガントリーとして構成されており、撮像用放射線源および関連する放射線検出器の連続的な回転を提供する一方で、検出器によって受信される高品質な撮像データの十分な帯域幅を提供する。スリップリングガントリーでは、装置に関連付けられる電力および信号を伝えるケーブルが巻き付く、および巻き付きが解除されるように、ガントリーの回転方向を交互にする必要がない。後からさらに詳しく説明するように、このような構成によって、たとえIGRTシステムに統合されているときでも、連続的なヘリカル(例:ファンビーム、コーンビームなど)コンピュータ断層撮影が可能になる。上に述べたように、一回転CBCTの主な問題は、中央のスライス(回転を含むスライス)を除くすべてのスライスでのサンプリングが不十分なことにある。この問題は、ヘリカル軌道コーンビーム撮像によって克服することができる。
【0026】
患者支持台18は、回転可能なガントリー12に隣接して配置されており、回転可能なガントリー12内へ動かす、およびガントリー12の中で縦方向に動かすことができるように、一般には水平姿勢で患者を支持するように構成されている。患者支持台18は、例えばガントリー12の回転面に垂直な方向に(ガントリー12の回転軸に沿って、または回転軸に平行に)患者を動かすことができる。患者支持台18は、患者および患者支持台18の動きを制御する患者支持台コントローラに動作可能に結合することができる。命令された撮像計画および/または治療計画に従って患者の縦方向軸を中心に回転するように、患者支持台コントローラを、回転可能なガントリー12と、回転するガントリーに取り付けられている放射線源とに同期させることができる。いくつかの実施形態においては、患者支持台がボア16の中に入った時点で、最適な治療のために患者の位置を調整する目的で、患者支持台を限られた範囲内で上下左右に動かすこともできる。
【0027】
図2に示したように、放射線治療装置10は、回転可能なガントリー12に結合されている、またはガントリー12によって支持されている第1の放射線源20を含む。一実施形態によれば、第1の放射線源20は、患者の中の関心領域内の腫瘍の治療に使用される高エネルギ放射線源など、治療用放射線源として構成されている。治療用放射線源は、開示する技術の範囲から逸脱することなく、高エネルギX線ビーム(例:メガボルト(MV)X線ビーム)、および/または高エネルギ粒子ビーム(例:電子のビーム、光子のビーム、またはより重いイオン(炭素など)のビーム)、または別の適切な形態の高エネルギ放射線とすることができることが理解されよう。一実施形態においては、第1の放射線源20は、1MeV以上のメガ電子ボルトピーク光子エネルギ(MeV)を備えている。一実施形態においては、高エネルギX線ビームは、0.8MeVより高い平均エネルギを有する。一実施形態においては、高エネルギX線ビームは、0.2MeVより高い平均エネルギを有する。一実施形態においては、高エネルギX線ビームは、150keVより高い平均エネルギを有する。一般的に、第1の放射線源20は、第2の放射線源30より高いエネルギレベル(ピークおよび/または平均など)を有する。
【0028】
撮像システム(後から詳しく説明する)は、第2の放射線源30を備えており、この第2の放射線源30は、比較的低い強度かつ低エネルギの撮像用放射線を生成する独立したX線撮像源とすることができる。一実施形態においては、第2の放射線源30は、キロボルト(kV)線源として構成されたX線源(例:約20kV~約150kVの範囲内のエネルギレベルを有する臨床用X線源)である。一実施形態においては、kV放射線源は、最大150keVのキロ電子ボルトピーク光子エネルギ(keV)を備えている。撮像用放射線源は、撮像に適切な任意のタイプの透過スキャン用線源(transmission source)とすることができる。例えば、撮像用放射線源は、X線生成源(CT用を含む)、または十分なエネルギおよびフラックスを有する光子を生成する任意の別の方法(例えばガンマ線源(例:コバルト57、エネルギピーク122keV)、蛍光X線源(Pb k線を通じた蛍光源など、2つのピーク約70keVおよび約82keV)など)とすることができる。本明細書におけるX線、X線撮像、撮像X線源などの言及は、特定の実施形態において例示的である。様々な別の実施形態においては、これらに代えて別の撮像用透過スキャン用線源を使用することができる。
【0029】
第1の放射線源20は、患者支持台18の上に支持されている患者内の関心領域(ROI)の方に、1本または複数の放射線ビーム(全体を22によって示してある)を放出できることがさらに理解されよう。第1の放射線源は、治療計画に従って1本または複数の放射線ビームを放出することができる。治療計画は、線源の角度位置、ビームの幾何学形状、ビームの強度、変調、照射線量などに関する詳細なパラメータを含み得ることも理解されたい。
【0030】
一実施形態においては、第1の放射線源20は、治療用放射線(例:MV)を生成するLINACであり、撮像システムは、比較的低い強度かつ低エネルギの撮像用放射線(例:kV)を生成する独立した第2の放射線源30を備えている。別の実施形態においては、第1の放射線源20は、一般に1MeVを超えるエネルギを有することのできる放射性同位元素(例えばCo-60など)とすることができる。第1の放射線源20は、患者支持台18の上に支持されている患者内の関心領域(ROI)の方に、治療計画に従って1本または複数の放射線ビーム(全体を22によって示してある)を放出することができる。
【0031】
後から詳しく説明するように、放射線源20,30は、互いに組み合わせて使用して、より高い画質かつ利用価値の高い画像を生成することができる。別の実施形態においては、回転可能なガントリー12に少なくとも1つの追加の放射線源を結合して動作させ、放射線源20,30のピーク光子エネルギとは異なるピーク光子エネルギにおいて投影データを取得することができる。
【0032】
図1および
図2は、リングガントリー12に取り付けられた放射線源20を有する放射線治療装置10を描いているが、別の実施形態は、別のタイプの回転可能な撮像装置(例えば、Cアームガントリーおよびロボットアームベースのシステムを含む)を含むことができる。ガントリーベースのシステムでは、ガントリーが、アイソセンタを通る軸を中心に撮像用放射線源30を回転させる。ガントリーベースのシステムとしてはCアームガントリーが挙げられ、Cアームガントリーでは、撮像用放射線源30が、片持ち梁に似た方法で取り付けられており、アイソセンタを通る軸を中心に回転する。さらにガントリーベースのシステムとしてリングガントリー(例えばほぼトロイダル形状を有する回転可能なガントリー12)が挙げられ、リングガントリーでは、患者の身体がリング/トロイドのボアの中に延び、撮像用放射線源30がリングの周囲に取り付けられており、アイソセンタを通る軸を中心に回転する。いくつかの実施形態においては、ガントリー12は連続的に回転する。別の実施形態においては、ガントリー12は、順方向と逆方向とに反復的に回転するケーブルベースのシステムを利用する。
【0033】
第1の検出器24は、回転可能なガントリー12に結合する、またはガントリー12によって支持することができ、第1の放射線源20からの放射線22を受信するように配置されている。第1の検出器24は、減衰されていない放射線量を検出する、または測定することができ、したがって患者または関連する患者のROIによって実際に減衰されたものを(最初に生成されたものと比較して)推測することができる。第1の検出器24は、第1の放射線源20が患者の周囲を回転して患者の方に放射線を放出するときに、様々な角度からの減衰データを検出する、または収集することができる。収集された減衰データを処理して、患者の身体の1つまたは複数の画像に再構成することができる。
【0034】
放射線治療装置10内に統合されている撮像システムは、放射線送達手順(治療)を設定する(例:位置合わせおよび/またはレジストレーション)、計画する、および/または誘導するために使用される現在の画像を提供することができる。一般的な設定は、現在の(治療中)画像を、治療前画像情報と比較することによって達成される。治療前画像情報は、例えば、CTデータ、CBCTデータ、磁気共鳴画像法(MRI)データ、ポジトロン放出断層撮影法(PET)データ、または3D回転血管造影法(3DRA)データ、および/または、これらまたは別の画像診断法から得られた任意の情報、を含むことができる。いくつかの実施形態においては、撮像システムは、治療中の患者、ターゲット、またはROIの動きを追跡することができる。
【0035】
従来の治療中画像は、一般に、CBCT画像または2次元画像(一般にはレントゲン写真)を含む。レントゲン写真は、1つまたは複数の異なる視点において取得することができ(例:立体X線画像)、3次元の治療前画像情報から導かれる2次元のデジタル再構成レントゲン写真(DRR:digitally reconstructed radiographs)と比較することができる。CBCTは、ターゲットボリュームの2D投影から3Dボリューム画像を直接構築することができる。この技術分野において公知であるように、CBCTは、ターゲットボリュームの周りのガントリーの一回転から、より等方性の空間分解能を有する3D画像ボリュームを形成する能力を有する。しかしながら散乱ノイズとアーチファクトはCBCTシステムにとって重大な問題であり、画質が制限される。理解できるように、上記および他の従来の放射線治療の治療中撮像システムは、治療前画像と同様の、かつリアルタイムの治療計画を含む画像ベースの送達前ステップに適した高品質の画像を生成することができない。
【0036】
図2に示したように、放射線治療装置10内に統合された撮像システムは、回転可能なガントリー12に結合されている、またはガントリー12によって支持されている第2の放射線源30を含む。上述したように、第2の放射線源30は、治療用の第1の放射線源20より低いエネルギレベルを有する、高品質の治療中画像のための撮像用放射線(例:kV)(全体を32として示してある)の線源として構成することができる。
【0037】
第2の検出器34(例:2次元のフラット検出器または湾曲した検出器)は、回転可能なガントリー12に結合する、または回転可能なガントリー12によって支持することができる。第2の検出器34は、第2の放射線源30からの放射線を受信するように配置されている。検出器34は、減衰されていない放射線量を検出する、または測定することができ、したがって患者または関連する患者のROIによって実際に減衰されたものを(最初に生成されたものと比較して)推測することができる。検出器34は、第2の放射線源30が患者の周囲を回転して患者の方に放射線を放出するときに、異なる角度からの減衰データを検出する、または収集することができる。
【0038】
コリメータまたはビームフォーマアセンブリ(全体を36として示してある)は、第2の放射線検出器34のアクティブ領域の一部分または領域を選択的に曝露させるために、第2の放射線源30によって放出される放射線ビーム32の形状を選択的に制御および調整する目的で、第2の放射線源30に対して配置されている。コリメータ36は、検出器34上の放射線ビーム32の配置状態も制御することができる。一実施形態においては、コリメータ36は、(例えばより薄い、またはより厚いスリットを形成するために)1つの角度/寸法を動かすことができる。別の実施形態においては、コリメータ36は、(例えば様々なサイズの長方形を形成するために)2つの角度/寸法を動かすことができる。別の実施形態においては、コリメータ36は、様々な別の動的に制御される形状(例えば平行四辺形を含む)に対応することができる。これらのすべての形状は、スキャン中に動的に調整することができる。いくつかの実施形態においては、コリメータの遮断部分を回転させる、および/または平行移動させることができる。
【0039】
コリメータ/ビームフォーマ36は、第2の放射線源30によって放出される放射線ビーム32の形状を調整することを可能にする様々な方法で構成することができる。例えば、第2の放射線源30からの放射線ビームがコリメートされた状態で通過できる開口部のサイズを定義および選択的に調整する一連の顎部または他の適切な部材を含むように、コリメータ36を構成することができる。1つの例示的な構成によれば、第2の放射線源30からの放射線ビームが通過する開口部のサイズを調整する目的と、撮像を最適化しかつ患者の線量を最小にするために、撮像される患者の部分のみが照射されるように患者に対してビーム32の位置を調整する目的で、コリメータ36は上側顎部および下側顎部を含むことができ、上側顎部および下側顎部は異なる方向(例:互いに平行な方向)に可動である。例えば、コリメータは、マルチリーフコリメータ(MLC:multi-leaf collimator)として構成することができ、マルチリーフコリメータは、最小限に開いた位置または閉じた位置と、最大限に開いた位置との間の1つまたは複数の位置に動くように動作可能な複数のインターレースリーフ(interlaced leaves)を含むことができる。放射線源によって放出される放射線ビームの望ましい形状が達成されるように、リーフを所望の位置に動かすことができることが理解されよう。一実施形態においては、マルチリーフコリメータ(MLC)は、ミリメートル以下のターゲティング精度が可能である。
【0040】
一実施形態によれば、第2の放射線源30からの放射線ビーム32の形状を、画像の取得中に変化させることができる。言い換えれば、例示的な一実装形態によれば、スキャンの前またはスキャン中に、コリメータ36のリーフ位置および/または開口部の幅を調整することができる。例えば、一実施形態によれば、撮像中にビーム32が十分な主領域/影領域を有する形状を有し、関心オブジェクト(例:前立腺)のみを含む形状を有するように、第2の放射線源30の回転中にコリメータ36を選択的に制御して動的に調整することができる。第2の放射線源30によって放出される放射線ビーム32の形状は、所望の画像取得に応じて、スキャン中またはスキャン後に選択的に制御することができ、所望の画像取得は、後からさらに詳しく説明するように、撮像および/または治療のフィードバックに基づくことができる。
【0041】
第1の放射線源20は、ビームフォーマまたはコリメータを含む、またはビームフォーマもしくはコリメータに関連付けることができることがさらに理解されよう。第1の放射線源20に関連付けられるコリメータ/ビームフォーマは、第2の放射線源30に関連付けられるコリメータ36と同様に、複数の方法で構成することができる。
【0042】
コリメータアセンブリ36を動的に、第2の放射線源30によって放出される放射線ビーム32の形状を、複数の幾何学形状に調整するように制御することができ、複数の幾何学形状は、ファンビーム、シックファンビーム、または1つの検出器列の幅と同程度に小さいビーム厚さ(幅)を有するコーンビーム、または複数の検出器列(これは検出器のアクティブ領域の一部分のみとすることができる)を含むビーム厚さ(幅)を有するコーンビームを含み、ただしこれらに限定されない。様々な実施形態においては、ファンビームの厚さは、より大きな検出器のアクティブ領域の数センチメールを曝露する厚さであってもよい。例えば、5~6センチメートルの検出器のうち(検出器平面において縦方向に測定される)3~4センチメートルを、撮像用放射線32に選択的に曝露させることができる。本実施形態においては、各読み出しにおいて後から説明するように、片側または両側に約1~2センチメートルの散乱データをキャプチャするために使用できる未曝露検出器領域とともに、3~4センチメートルの投影画像データをキャプチャできる。
【0043】
別の実施形態においては、アクティブな検出器34の実質的に一部が、撮像用放射線に選択的に曝露され得る。例えば、いくつかの実施形態においては、ビームの厚さは、約2センチメートル、1センチメートル、1センチメートル未満、またはより小さな検出器などと同様のサイズの範囲にまで減少させることができる。別の実施形態においては、ビームの厚さは、約4センチメートル、5センチメートル、5センチメートルを超える、またはより大きな検出器などと同様のサイズの範囲にまで増大させることができる。様々な実施形態においては、検出器のアクティブ領域に対する曝露領域の比率は30~90%または50~75%であってもよい。別の実施形態においては、検出器のアクティブ領域に対する曝露領域の比率は60~70%であってもよい。しかしながら別の実施形態においては、曝露されるアクティブ領域の別の様々なサイズ、または検出器のアクティブ領域に対する曝露領域の別の様々な比率が、適切でありうる。ビームと検出器は、検出器の影領域(アクティブであるが直接放射線に曝露されていない)が半影領域外の散乱データをキャプチャするのに十分であるように構成することもできる。
【0044】
様々な実施形態においては、測定データが主(曝露)領域および影領域に対して十分であるが、速度および線量制御についても最適化されるように、検出器の選択的露出を制御する特徴の最適化が可能である(例:ビームサイズ、ビーム/開口部中心、コリメーション、ピッチ、検出器読み出し範囲、検出器読み出し中心など)。コリメータ/ビームフォーマ36の形状/位置および検出器34の読み出し範囲は、X線源30からの放射線ビーム32が、実行されている特定の撮像タスクおよび散乱推定プロセスに基づいて、検出器34のできるだけ大きいまたはできるだけ小さい部分を覆うように(例えば、狭いFOVスキャンと広いFOVスキャンの組み合わせを含む)制御することができる。装置10は、一回転コーンビーム画像と、ヘリカルまたはその他の、広および狭ビーム角度コーンビーム(wide and narrow beam angle cone beam)画像との両方を取得する能力を有する。
【0045】
例示的な一実施形態によれば、今まで放射線治療装置10を、第1の放射線源20と、第2の放射線源30と、第1の放射線源20からの放射線を受信するように配置されている第1の放射線検出器24と、第2の放射線源30からの放射線を受信するように配置されている第2の放射線検出器34とを含むものとして、説明してきた。しかしながら、開示する技術の範囲から逸脱することなく、放射線治療装置10は、第1の放射線源20(例:治療用放射線源)と、第2の放射線源30(例:kV放射線源)と、第2の放射線源30からの放射線を受信するように配置されている放射線検出器34のみを含むことができることが理解されよう。
【0046】
放射線源20は、放射線源30と同じ平面または異なる平面(オフセット)に取り付ける、構成する、および/または動かすことができる。いくつかの実施形態においては、放射線源20,30を同時に作動させることに起因する散乱は、放射線の平面をずらすことによって段階的に低減することができる。別の実施形態においては、作動を交互に行うことによって散乱を回避することができる。例えば、同時マルチモーダル撮像では、個別のパルスを同時に発生させることなく、取得を同時に行うことができる。別の実施形態においては、例えばkV検出器におけるMV散乱の問題に対処するために、影ベースの散乱補正(shadow-based scatter correction)を使用することができる。
【0047】
放射線治療装置として統合された装置10は、放射線送達手順(治療)を設定する(例:位置合わせおよび/またはレジストレーション)、計画する、および/または誘導するために使用される画像を提供することができる。一般的な設定は、現在の(治療中)画像を、治療前画像情報と比較することによって達成される。治療前画像情報は、例えば、CTデータ、CBCTデータ、MRIデータ、PETデータ、または3D回転血管造影法(3DRA)データ、および/または、これらまたは別の画像診断法から得られた任意の情報、を含むことができる。いくつかの実施形態においては、装置10は、治療中の患者、ターゲット、またはROIの動きを追跡することができる。
【0048】
再構成プロセッサ40は、第1の検出器24および/または第2の検出器34に動作可能に結合することができる。一実施形態においては、再構成プロセッサ40は、検出器24,34によって受信される放射線源20,30からの放射線に基づいて患者の画像を生成するように構成されている。再構成プロセッサ40は、後からさらに詳しく説明する本方法を実行するために使用されるように構成できることが理解されよう。装置10は、情報(処理および再構成アルゴリズムおよびソフトウェア、撮像パラメータ、以前の画像または以前に取得された画像(例:計画画像)からの画像データ、治療計画などを含む、ただしこれらに限定されない)を格納するのに適するメモリ44をさらに含むことができる。
【0049】
放射線治療装置10は、オペレータ/ユーザインタフェース48を含むことができ、放射線治療装置10のオペレータは、放射線治療装置10と対話する、または制御して、スキャンパラメータまたは撮像パラメータなどに関連する入力を行うことができる。オペレータインタフェース48は、任意の適切な入力デバイス(キーボード、マウス、音声作動式コントローラなど)を含むことができる。放射線治療装置10は、放射線治療装置10のオペレータに出力を提供するためのディスプレイ52、または人が読むことのできる他の要素も含むことができる。例えば、ディスプレイ52は、再構成された患者の画像および他の情報(放射線治療装置10の動作に関連する撮像パラメータまたはスキャンパラメータなど)をオペレータが確認することを可能にすることができる。
【0050】
第2の放射線源30に対して配置されているコリメータアセンブリ36は、第2の放射線源30によって放出される放射線ビームを動的にコリメートするように構成できることが理解されよう。
【0051】
実行されている特定の撮像タスクに基づいて、第2の放射線源30からのビーム32が第2の検出器34のできるだけ大きい部分または小さい部分を覆うように、コリメータアセンブリ36を制御することができる。例えば、ミリメートルであり得る単一検出器列以上、最大数センチメートルのファン厚さ(例えば、検出器平面において縦方向に測定して3~4センチメートルのファンビーム厚さを含む)を有するファンビームを提供するようにコリメータ36を選択的に制御することができる。このようなビーム構成は、開示する技術の態様に従って連続的なヘリカルファンビーム撮像モードにおいて使用することができる。別の例示的な実施形態によれば、約1センチメートルのファン厚さを有するファンビームを提供するように、コリメータ36を選択的に制御することができる。別の例示的な実施形態によれば、1センチメートルを超えるかまたは数センチメートル(例えば約2センチメートル~約4センチメートルの範囲内を含む)のファン厚さを有するファンビームを提供するように、コリメータ36を選択的に制御することができる。別の例示的な実施形態によれば、約15センチメートル~約30センチメートルの範囲内の厚さを有するビーム32を提供するように、コリメータ36を選択的に制御することができる。別の例示的な実施形態によれば、約35センチメートル~約40センチメートルの範囲内の厚さを有するビーム32を提供するように、コリメータ36を選択的に制御することができる。一般には、薄い(例:単一列)、厚い(例:複数列)、またはコーン形状であるファンビームを生成するように、ファンビームの幾何学形状を制御することができる。
【0052】
上述のファンビームコリメーションに加えて、開示する技術の範囲から逸脱することなく、コリメータ36は、他のビーム32の幾何学形状を提供するように選択的に制御することができることが理解されよう。例えば、コリメータ36は、患者支持台上に支持されている患者内の関心オブジェクトの全部または一部のみを覆う、長方形または実質的に長方形のビームの幾何学形状を提供するように選択的に制御することができる。
【0053】
一実装形態によれば、第2の放射線源30からのビーム32の幾何学形状を、画像取得中に変化させることができる。言い換えれば、例示的な一実装形態によれば、スキャンの前またはスキャン中に、コリメータ36のリーフ位置および/または開口部の幅を調整することができる。例えば、一実装形態によれば、撮像中にビーム32が関心オブジェクト(例:前立腺)のみを含む長方形の幾何学形状を有するように、第2の放射線源30の回転中にコリメータ36を選択的に制御して動的に調整することができる。
【0054】
図2に示したように、放射線治療装置10は、放射線治療システム10の1つまたは複数の構成要素に動作可能に結合されているコントローラ(全体を60として示してある)を含む。コントローラ60は、放射線治療装置10の全体的な機能および動作を制御する(第1の放射線源20および/または第2の放射線源30と、回転可能なガントリー12の回転速度および位置を制御するガントリーモータコントローラとに、電力およびタイミング信号を提供することを含む)。コントローラ60は、以下、すなわち、患者支持台コントローラ、ガントリーコントローラ、第1の放射線源20および/または第2の放射線源30に結合されているコントローラ、コリメータアセンブリコントローラ、第1の検出器24および/または第2の検出器34に結合されているコントローラ、その他、の1つまたは複数を包含し得ることが理解されよう。一実施形態においては、コントローラ60は、他の構成要素、装置、および/またはコントローラを制御することのできるシステムコントローラである。
【0055】
様々な実施形態においては、再構成プロセッサ40、オペレータインタフェース48、ディスプレイ52、コントローラ60、および/または他の構成要素を組み合わせて、1つまたは複数の構成要素または装置にすることができる。
【0056】
放射線治療システム10は、様々な構成要素、ロジック、およびソフトウェアを含むことができる。一実施形態においては、コントローラ60は、プロセッサ、メモリ、およびソフトウェアを備えている。本発明を制限することのない一例として、放射線治療システム(例えば
図1および
図2に示した放射線治療システム10など)は、特定の用途における撮像および/またはIGRTに関連する1つまたは複数のルーチンまたはステップを実施することのできる様々な他の装置および構成要素(例:特に、ガントリー、放射線源、コリメータ、検出器、コントローラ、電源、患者支持台)を含むことができ、ルーチンは、メモリに格納することのできるそれぞれの装置の設定、構成、および/または位置(例:経路/軌道)を含む、撮像、画像に基づく送達前ステップ、および/または治療送達を含むことができる。別のルーチンは、データおよび画像の処理に関連付けられるプロセスおよび/またはアルゴリズム(例えば後から説明するプロセスを含む)を含む。さらに、(1つまたは複数の)コントローラは、メモリに格納されている1つまたは複数のルーチンまたはプロセスに従って、1つまたは複数の装置および/または構成要素を直接的または間接的に制御することができる。直接的な制御の例は、撮像または治療に関連付けられる様々な放射線源またはコリメータのパラメータ(出力、速度、位置、タイミング、変調など)の設定である。間接的な制御の例は、患者支持台コントローラまたは別の周辺装置に、位置、経路、速度などを伝えることである。放射線治療装置10に関連付けることのできる様々なコントローラの階層は、適切な命令および/または情報が所望の装置および構成要素に伝えられるように、任意の適切な方法で編成することができる。
【0057】
さらに、本システムおよび本方法を別のコンピュータシステム構成を使用して実施できることが、当業者には理解されるであろう。本発明の図示した態様は、分散コンピューティング環境において実施することができ、分散コンピューティング環境では、特定のタスクは、通信ネットワークを通じてリンクされているローカルまたはリモートの処理装置によって実行される。例えば、一実施形態においては、再構成プロセッサ40を別のシステムに関連付けることができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールを、ローカルのメモリ記憶装置およびリモートのメモリ記憶装置の両方に配置することができる。例えば、リモートデータベース、ローカルデータベース、クラウドコンピューティングプラットフォーム、クラウドデータベース、またはこれらの組合せを、放射線治療装置10で利用することができる。
【0058】
放射線治療装置10は、本発明の様々な態様を実施するために、コンピュータを含む例示的な環境を利用することができ、コンピュータは、コントローラ60(例:プロセッサおよびメモリ(メモリ44とすることができる)を含む)およびシステムバスを含む。システムバスは、システムの構成要素(メモリを含む、ただしこれに限定されない)をプロセッサに結合することができ、他のシステム、コントローラ、構成要素、装置、およびプロセッサと通信することができる。メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、フラッシュドライブ、および任意の他の形式のコンピュータ可読媒体を含むことができる。メモリは、ルーチンおよびパラメータを含む様々なソフトウェアおよびデータ(例えば治療計画を含みうる)を格納することができる。
【0059】
第1の放射線源20および/または第2の放射線源30は、第1の放射線源20および第2の放射線源30の相対的な動作を制御するように構成されているコントローラ60に動作可能に結合することができる。例えば、第2の放射線源30を、第1の放射線源20と同時に制御および動作させることができる。これに加えて、またはこれに代えて、実施されている特定の治療計画および撮像計画に応じて、第2の放射線源30を、第1の放射線源20と順次に制御および動作させることができる。
【0060】
第2の検出器34は、開示する技術の範囲から逸脱することなく、複数の構造をとり得ることが理解されよう。
図2に示したように、第2の検出器34を、フラットパネル検出器(例:複数列フラットパネル検出器)として構成することができる。別の例示的な実施形態によれば、第2の検出器34を、湾曲した検出器として構成することができる。
【0061】
第2の放射線源30に対して配置されている、または第2の放射線源30に関連付けられるコリメータアセンブリ36は、第2の検出器34の構造または幾何学形状にかかわらず、第2の放射線検出器34の一部または全体を選択的に曝露するように、第2の放射線源30によって放出される放射線ビーム32の形状を制御するために、選択的に制御できることが理解されよう。例えば例示的な一実施形態によれば、撮像用放射線のファンビームが提供されるように、第2の放射線源からのビームをコリメートする、または制御することができる。ファンビームのサイズおよび幾何学形状は、特定の所望の撮像用途に基づいて制御できることが理解されよう。開示する技術の一例によれば、第2の放射線源によって放出される放射線ビーム32が、約1センチメートルより大きい、および約1センチメートルのファンビーム厚さを有するファンビームであるように、コリメータアセンブリ36を選択的に制御することができる。上述したように、第2の放射線源によって放出される放射線ビーム32の幾何学形状は、所望の画像取得(撮像および/または治療のフィードバックに基づくことができる)に応じて、スキャン中またはスキャン後に変化させることができ、後からさらに詳しく説明する。
【0062】
第2の放射線源30と、第2の放射線源30からの放射線を受信するように配置されている第2の検出器34は、撮像スキャン中に患者の周囲を連続的に回転するように構成できることが理解されよう。さらに、第2の放射線源30の動きおよび照射を、患者支持台の縦方向の動きと同期させることによって、処置中に患者の画像をヘリカルファンビームによって連続的に取得することができる。
図3は、ヘリカルファンビーム線源軌道300の例示的な概略図を提供する。本実施形態においては、ヘリカル軌道を達成するために、放射線源30の連続的な円回転は、患者の縦方向の動きと組み合わされる。
【0063】
図4は、ヘリカルファンビーム画像取得400の例示的な概略図を提供する。第2の放射線源30の動きは、全体として70で示され、コリメータ36のリーフは、例示的なファンビームカラム/スライス幅を示すことによって、全体として74で概略的に示されている。患者支持台の動きは、全体として
図4の矢印76で示してある。
【0064】
放射線源20,30および(1つまたは複数の)検出器24,34は、複数の方法で、撮像中および/または治療スキャン中に患者の周囲を回転するように構成することができることが理解されよう。一実施形態においては、線源20,30の動きおよび照射を患者支持台18の縦方向の動きと同期させることにより、処置中にヘリカルに患者の画像を連続的に取得し、またはスキャンすることができる。放射線源20,30および(1つまたは複数の)検出器24,34の連続的な回転(例:一定の患者移動速度と一定のコリメータ開口部に合わせたガントリーの連続的かつ一定な回転)に加えて、開示する技術の範囲から逸脱することなく、別のバリエーションを採用できることが理解されよう。例えば、回転可能なガントリー12に対して(一定速度または可変速度で)動くように患者支持台が制御されるとき、支持台の上に支持されている患者の周囲を、(上に説明したような連続的な回転ではなく)ガントリー12が「交互方向に」(例:右回転および左回転の交互に)回転するように、回転可能なガントリー12および患者支持台を制御することができる。別の実施形態においては、連続的なステップアンドシュート円形スキャンの場合、所望のボリュームがキャプチャされるまで、縦方向における患者支持台18の移動(ステップ)と、回転可能なガントリー12によるスキャン回転(シュート)とが交互に行われる。装置10は、ボリュームベースおよび平面ベースの画像取得に対応している。例えば、様々な実施形態においては、装置10を使用して、ボリューム画像および/または平面画像を取得し、関連する処理(後から説明する散乱推定/補正方法を含む)を実行することができる。
【0065】
放射線源および/または患者支持台の様々な別のタイプの動きを利用して、投影データを生成するための、放射線源と患者の相対運動を達成することができる。放射線源および/または患者支持台の非連続的な運動、連続的であるが可変/非一定の(線形および非線形を含む)運動、速度、および/または軌道など、およびその組合せを使用することができる(上に説明した装置10の様々な実施形態との組合せを含む)。
【0066】
一実施形態においては、コリメータ36の開口部は、撮像用放射線をファンビームにコリメートするようにスリットに設定され、ガントリー12は患者を動かしながら連続的に回転して、患者のコリメートされた画像データを連続的に収集することで、画像をヘリカルに取得し画像を再構成してボリュームkV画像を生成する。
【0067】
一実施形態においては、ガントリー12の回転速度、患者支持台18の速度、コリメータの形状、および/または検出器の読み出しはすべて、画像取得中に一定とすることができる。別の実施形態においては、これらの変数の1つ以上が画像取得中および/または治療中に、動的に変化することができる。ガントリー12の回転速度、患者支持台18の速度、コリメータの形状、および/または検出器の読み出しは、例えば、画質、画像取得時間、線量、ワークフローなどを含む様々な要因のバランスをとるために変更することができる。
【0068】
動的コリメーションの利点(例:固定のスリット開口部と比べて)は、撮像システムを2次元画像(例:動き追跡での使用のため)の取得に使用できる、および/またはCBCT画像(例:1回転、かつ患者の動きや開口部のコリメーションはなし、の場合)のために使用できることにある。
【0069】
別の実施形態においては、コリメータ36の開口部は、長方形のビームを形成するために使用することができ、例えば、関心オブジェクトまたは関心領域のみを含むようにビーム32をコリメートするために使用することができる。本実施形態においては、コリメータ36は、回転とともに動的に変化して、ビームを関心オブジェクトまたは関心領域(ROI)にコリメートし続けてもよい。
【0070】
別の実施形態においては、これらの機能は、例えば、患者の設定、適応治療モニタリング、治療計画などを含む、他の画像に基づく1つまたは複数のアクティビティまたは処理と組み合わせることができる。
【0071】
図5は、第2の放射線源30からの放射線を検出する、または受信するように配置された活性領域80を有する第2の放射線検出器34(例:フラットパネル検出器)の例示的な実施形態の概略図である。図示された例示的な実施形態においては、アクティブ領域80は、第2の放射線源30からの投影88に対応する領域よりも大きい。
図5は、第2の放射線源30によって放出される放射線の選択的制御またはコリメーションを図示しており、選択的制御またはコリメーションは放出される放射線32の幾何学形状が関連する検出器34の活性領域80よりも小さい(そしておそらく著しく小さい)領域を覆うように行われる。1つの例示的なビームの幾何学形状は、ファンビームの幾何学形状である(例えば、ファンビームが縦方向において、第2の放射線検出器の約1センチメートル以上の領域を覆うように制御される、またはコリメートされる)。図示した実施形態は、第2の放射線源30からの放射線ビーム32が縦方向にコリメートされて一列の検出器のみを覆っている、複数列の検出器を表すと考えることもできる。
【0072】
図5からわかるように、検出器34のアクティブ領域80の全体よりも小さい領域を利用することにより、第2の放射線源30からのコリメートされたビーム88の領域の外側における放射線の検出が可能になる。例えば、検出器は、第2の放射線源30からの半影(全体を84として示してある)および第2の放射線源30からの投影情報の影領域エッジを受信することができる。
【0073】
この構成において、第2の放射線源30からの散乱放射線(全体として半影領域の外側の矢印90で示してある)による散乱の推定量を得ることも可能である。このようにして、放射線源30に曝露されていない検出器の部分を使用し、投影情報88(および半影84)のいずれかの側の散乱領域90における検出器応答からのビーム(ファン)内の汚染を補間することによって、放射線源30からの患者によって生成された散乱放射線を評価することができる。さらに、2つの線源20,30を同時に動作させたとき、ファンビームの幾何学形状において、第2の放射線源30(例:kV線源)に曝露されていない検出器34の部分は、第1の放射線源20(例:MV線源)からの散乱の残留効果を評価するためにも使用できることが理解されよう。上に述べたように、一実施形態においては、領域88(半影84と共に)は、5~6センチメートルの検出器80内で幅が3~4センチメートルであってもよい。別の実施形態においては、様々な他の曝露領域およびアクティブ領域のサイズまたは検出器における曝露対アクティブ領域の比率が使用可能である。
【0074】
図示した実施形態においては、第2の放射線源30および関連する第2の検出器34は、回転するガントリーにおいて互いに約180度離れて配置されている。第2の放射線源30および関連する第2の検出器34を、180度のオフセットとは異なる位置関係に配置できることが理解されよう。例えば、ハーフファンCT取得(half-fan CT acquisition)が達成されるように、第2の放射線源30および関連する第2の検出器34を互いに対して配置することができる。
【0075】
上述したように、開示する技術の態様を、IGRTと組み合わせて、またはIGRTの一部として使用するために、統合された低エネルギ(例えば、kV)CTを利用する放射線治療装置および方法において利用することができる。一実装形態によれば、画像取得の方法は、例えば放射線治療送達プラットフォームでのkV CT撮像を提供する目的で、高速スリップリング回転とともに、ファンまたは「シックファン」ビームのコリメーションを使用するヘリカル線源軌道(例:線源が中心軸の周りに連続的に回転するとともに、ガントリーのボアの中を通って患者支持台が縦方向に移動する)を含むことができる、または利用する。このような実装形態は、散乱を低減し散乱推定を改善できるため、従来のシステムよりも高い品質のkV画像を可能にすることが理解されよう。
【0076】
いくつかの実施形態においては、ボリューム画像を完成させるための複数ファンビームの回転に関連する潜在的なスキャン時間の増加は、高kVフレームレート、高ガントリーレート、および/またはスパースデータ再構成技術によって軽減または相殺できることが理解されよう。上述のように選択的に制御可能なコリメータを提供することにより、特定のアプリケーションおよび/または臨床のニーズに応じて、ユーザーが画像取得時間と画質とをトレードオフ、または変更できるシステムが可能になることがさらに理解されよう。放射線治療送達装置は、画像取得時間が(例:動き追跡のため)高速の(散乱により画質が低下する可能性がある)半回転または一回転コーンビームCTスキャンを提供するように制御することもできるし、ナロー/スリット(narrow/slit)ファンビームを使用し、取得時間が長いが散乱が減少するため画質が向上する円形または連続ヘリカル取得を提供するように、制御できることも理解されよう。
【0077】
続く流れ図およびブロック図は、上述したシステムによる、IGRTに関連付けられる例示的な構成および方法を示している。例示的な方法は、ロジック、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組合せにおいて実行することができる。さらに、これらの手順および方法は、ある順序で提示されているが、ブロックを異なる順序(連続的および/または並行を含む)で実行することができる。特に、例えば、第1の放射線源20および第2の放射線源30を、順次、および/または同時に作動させることができる。したがって、後から説明するステップ(撮像、画像に基づく送達前ステップ、治療送達を含む)は、順次示してあるが、同時に実行することができる(リアルタイムでの実行を含む)。さらには、追加のステップを使用する、またはより少ないステップを使用することができる。
【0078】
図6は、放射線治療装置(例:放射線治療装置10)を使用するIGRTの例示的な方法600を描いた流れ図である。以前のデータ605は、患者のデータの画像(例:以前のCT画像を含む、以前に取得した計画画像であってもよい以前の画像)、治療計画、ファントム情報、モデル、事前情報などを含むこともできる。いくつかの実施形態においては、以前の画像データ605は、同じ放射線治療装置によって、ただしより早い時間に、生成される。ステップ610においては、低エネルギ放射線(例:第2の放射線源30からのkV放射線)の線源を使用して、患者の撮像を実行する。一実施形態においては、撮像は、ファンビームの幾何学形状を有するヘリカルスキャンを有する。ステップ610は、上述の技術を使用して、高品質(HQ)な(1つまたは複数の)画像または撮像/スキャンデータ615を生成することができる。いくつかの実施形態においては、画質/解像度と線量との間のバランスを最適化するために、画質を調整することができる。言い換えれば、すべての画像が最高品質である必要はない、または、画質/解像度と画像取得時間との間のバランスを最適化するかまたはトレードオフする目的で、画質を調整することができる。撮像ステップ610は、(例:上述した方法に従って)撮像/スキャンデータ615に基づいて患者の画像を生成するための画像処理をさらに含むことができる。いくつかの実施形態においては、画像処理は別のステップである(画像処理が別の装置によって実行される場合を含む)。
【0079】
次にステップ620において、1つまたは複数の、画像に基づく送達前ステップ(後から説明する)を、ステップ610からの撮像データ615に少なくとも部分的に基づいて実行する。後からさらに詳しく説明するように、ステップ620は、治療処置および(次の)撮像計画に関連付けられる様々なパラメータを決定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態においては、画像に基づく送達前ステップ(620)では、治療送達(630)前に、より多くの撮像(610)を必要とすることがある。ステップ620は、適応放射線治療ルーチン(adaptive radiotherapy routine)の一部として、撮像データ615に基づいて治療計画を適応させるステップを含むことができる。いくつかの実施形態においては、画像に基づく送達前ステップ620は、リアルタイムの治療計画を含んでもよい。実施形態は、撮像用放射線源および治療用放射線源を同時に作動させる、一部が重なるように作動させる、および/または交互に作動させることを含むこともできる。リアルタイムの治療計画は、撮像用放射線および治療用放射線のこれらのタイプの作動方法(同時、重なり、および/または交互)のいずれかまたはすべてを含むことができる。
【0080】
次にステップ630において、高エネルギ放射線源(例:第1の放射線源20からのMV放射線)を使用して治療処置送達を実行する。ステップ630では、治療計画に従って患者に治療線量635を送達する。いくつかの実施形態においては、IGRT方法600は、様々な間隔における追加の撮像のためにステップ610に戻るステップを含むことができ、その後に必要に応じて、画像に基づく送達前ステップ(620)および/または治療送達(630)を行うことができる。このようにして、適応治療が可能な1台の放射線治療装置10を使用し、高品質の撮像データ615を生成してIGRT中に利用することができる。上に述べたように、ステップ610、ステップ620、および/またはステップ630は、同時に、一部が重なるように、および/または交互に、実行することができる。
【0081】
IGRTは、少なくとも2つの一般的な目標、すなわち(i)高いレベルで適合する線量分布をターゲットボリュームに送達すること、および(ii)すべての治療フラクションの全体を通じて高い精度で治療ビームを送達すること、を含むことができる。第3の目標は、上記2つの一般的な目標を、フラクションあたりできる限り短い時間で達成すること、とすることができる。治療用ビームを正確に送達するには、高品質の画像を使用して、ターゲットボリュームのイントラフラクション(intrafraction)の位置を識別および/または追跡する能力が要求される。送達速度を高めるには、治療計画に従って放射線源を高い精度で迅速に動かす能力が要求される。
【0082】
図7は、上のステップ620に関連付けることのできる例示的な、画像に基づく送達前ステップ/オプションを描いたブロック
図700である。上述した放射線治療装置(例:放射線治療装置10)は、本発明の範囲から逸脱することなく、画像に基づく送達前ステップ(620)を含めて様々に使用することのできるkV画像を生成できることが理解されよう。例えば、放射線治療装置によって生成される画像615を使用して、治療(710)の前に患者を位置合わせすることができる。患者の位置合わせは、現在の撮像データ615を、より早い時点での治療前のスキャンおよび/または計画(治療計画を含む)に関連する撮像データに関連付ける、またはレジストレーションするステップを含むことができる。さらに患者の位置合わせは、患者が送達システムの範囲内に物理的に位置しているかを確認する目的で、放射線源に対する患者の物理的位置に関するフィードバックを含むことができる。必要な場合、フィードバックに応じて患者を調整することができる。いくつかの実施形態においては、線量を最小限にし、ただし十分な位置合わせ情報が提供されるように、患者位置合わせ用の撮像を意図的に低い画質で行うことができる。
【0083】
放射線治療装置によって生成される画像は、治療計画または再計画(720)にも使用することができる。様々な実施形態においては、ステップ720は、治療計画を確認するステップ、治療計画を修正するステップ、新しい治療計画を生成するステップ、および/または、治療計画のセットから治療計画(場合によっては「本日の計画」とも称される)を選択するステップ、を含むことができる。例えば、ターゲットボリュームまたはROIが、治療計画が作成されたときと同じであることを撮像データ615が示している場合、その治療計画を確認することができる。しかしながらターゲットボリュームまたはROIが同じではない場合、治療処置の再計画が必要でありうる。再計画の場合、(ステップ610において放射線治療装置10によって生成された)撮像データ615の品質が高いため、この撮像データ615を治療の計画または再計画に使用することができる(例:新しい治療計画または修正された治療計画を生成する)。このようにして、異なる装置による治療前のCT撮像が必要ない。いくつかの実施形態においては、確認および/または再計画は、様々な治療の前および/または後に行われる手順とすることができる。
【0084】
別の例示的な使用例によれば、放射線治療装置10によって生成される画像を使用して、撮像線量を計算する(730)ことができ、この撮像線量は、患者への総線量の進行中の決定、および/またはその後の撮像計画において、使用することができる。例えば画質と線量のバランスをとる目的で、その後の撮像の品質を、治療計画の一部として決定することもできる。別の例示的な使用例によれば、放射線治療装置10によって生成される画像を使用して、治療線量を計算する(740)ことができ、この治療線量は、患者への総線量の進行中の決定に使用することができる、および/または、治療の計画または再計画の一部として含めることができる。
【0085】
別の例示的な使用例によれば、放射線治療装置10によって生成される画像を、別の撮像(750)の計画または調整に関連して、および/または、別の治療(760)のパラメータまたは計画に関連して、使用することができる(例えば適応治療および/または治療計画の生成の一部として使用することを含む)。別の例示的な使用例によれば、放射線治療装置10によって生成される画像は、適応治療モニタリング(770)に関連して使用することができ、適応治療モニタリング(770)は、治療送達のモニタリングおよび必要に応じた適合化を含むことができる。
【0086】
画像に基づく送達前ステップ(620)は、互いに排他的ではないことを理解されたい。例えば、様々な実施形態において、治療線量の計算(740)を、それ自体を1ステップとすることができる、および/または、適応治療モニタリング(770)もしくは治療計画(720)またはその両方の一部とすることができる。様々な実施形態においては、画像に基づく送達前ステップ(620)は、自動的に実行する、および/または人の関与を伴って手動で実行することができる。
【0087】
上記の装置および方法(画像放射線のコリメーションおよび画像放射線検出器スキームを含む)は、散乱を低減し、散乱推定を改善することができるため、CBCTのような従来の治療中撮像システムよりも高品質のkV生成画像を生成することができる。
【0088】
上記のように、また
図5を再度参照すると、第2の放射線源30は、撮像用ビーム32が検出器34のアクティブ領域80の全体を直接曝露せず、コリメートされたビーム88の領域(投影データ)の外側(半影領域84および/または散乱領域90を含む)における放射線の検出を可能にするように、制御および/またはコリメート(例:コリメータによって)されてファンビームになり得る。
【0089】
図8は、撮像(610)中に、および/またはその後の治療計画(620)時に、利用することのできる例示的なデータ源を描いたブロック
図800である。検出器データ810は、画像放射線検出器34によって受信されるすべてのデータを表す。
図5をさらに参照し続けると、投影データ820は、コリメートされたビーム領域(主領域と称されることがある)88に入射した放射線によって生成されるデータである。半影データ830は、半影領域84に入射した放射線によって生成されるデータである。散乱データ840は、散乱(のみの)領域90に入射した放射線によって生成されるデータである。
【0090】
一実施形態においては、半影データ830は、投影および/または散乱データを分離または識別するために使用され得る。別の実施形態においては、ファンビームの幾何学形状において、散乱データ840は、散乱データ840からの投影データ820内の汚染を補間することによって、第2の放射線源30(例:kV)からの患者によって生成された散乱放射線を決定するために使用され得る。別の実施形態においては、同じくファンビームの幾何学形状において、散乱データ840は、2つの線源20,30を同時に動作させたとき、第1の放射線源20(例:MV)からの散乱の残留効果を決定するために使用することができる。
【0091】
このようにして、半影データ830および/または散乱データ840は、撮像ステップ610によって生成される画像の品質を改善するために利用することができる。いくつかの実施形態においては、半影データ830および/または散乱データ840を投影データ820と組み合わせることができる、および/または、適用可能な撮像設定850と、治療設定860(例:撮像用放射線および治療用放射線が同時の場合)と、撮像検出器34におけるデータ収集の時点で放射線治療装置10に関連付けられる任意の他のデータ870とを考慮して、半影データ830および/または散乱データ840を分析することができる。別の実施形態においては、データを治療計画ステップ720において使用することができる。
【0092】
開示する技術を、特定の態様、一実施形態、または複数の実施形態に関連して図示および説明してきたが、当業者には、本明細書を添付の図面と併せて読み進めて理解した時点で、同等の変更および修正が明らかであろう。特に、上述した要素(構成要素、アセンブリ、装置、部材、合成物など)によって実行される様々な機能に関して、そのような要素を説明するために使用されている用語(「手段」の言及を含む)は、特に明記されていない限り、説明されている要素の指定された機能を実行する(すなわち機能的に同等である)任意の要素に対応するように意図されており、このことは、たとえ開示する技術の本明細書に示した例示的な態様、一実施形態、または複数の実施形態においてこれらの機能を実行する開示されている構造に構造的に同等でない場合にも、あてはまる。さらに、開示する技術の特定の特徴が、いくつかの図示した態様または実施形態のうちの1つまたは複数のみに関連して上に説明されているが、このような特徴は、任意の所与の用途または特定の用途において望ましく有利であるとき、別の実施形態の1つまたは複数の別の特徴と組み合わせることができる。
【0093】
本明細書で説明した実施形態は、上述したシステムおよび方法に関連しているが、これらの実施形態は例示を目的としており、これらの実施形態の適用性を本明細書に記載されている説明のみに制限するようには意図していない。本発明はその実施形態の説明によって示されており、これらの実施形態はある程度詳細に説明されているが、本出願人は、添付される請求項の範囲をそのような細部に制限する、またはいかようにも限定するようには意図していない。当業者には、さらなる利点および修正がただちに明らかであろう。したがって、より広い態様における本発明は、特定の細部、代表的な装置および方法、ならびに図示および説明されている例示的な例に制限されない。したがって、出願人の一般的な発明概念の趣旨または範囲から逸脱することなく、そのような細部の修正・変更を行うことができる。