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特許7564108アイロン掛けしたリネンシーツを折り畳むための折り畳み装置、およびその装置の操作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】アイロン掛けしたリネンシーツを折り畳むための折り畳み装置、およびその装置の操作方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 89/00 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
D06F89/00
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021542119
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2020051517
(87)【国際公開番号】W WO2020152220
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】PA201970051
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501430803
【氏名又は名称】イェンセン・デンマーク・アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ヨーナス バーク
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン,ヤコブ ロルステズ
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-011857(JP,U)
【文献】特開平11-165000(JP,A)
【文献】米国特許第04479640(US,A)
【文献】英国特許出願公告第01058846(GB,A)
【文献】実開昭62-077173(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第105544174(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれたリネンシーツ(L)を形成するための折り畳み装置(1)であって、
-対向する側壁(W)、後側(5)、前側(6)を備えたハウジング(H)と、
-前記折り畳み装置(1)の第1の機械方向を規定する前記後側(5)から前記前側(6)への方向と、それとは垂直であって、前記折り畳み装置(1)の第2の機械方向を規定する前記側壁(W)の一方から他方に向かう方向と、
-前記第1の機械方向にリネンシーツ(L)を導入するための搬送面を規定する第1のコンベヤ(10)であって、前記リネンシーツ(L)の2つの対向する縁部は前記第1の機械方向に略平行である、第1のコンベヤ(10)と、
-前記リネンシーツ(L)を縦方向に折り畳んで縦方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を形成するための少なくとも1つの縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)と、
を備え、前記折り畳み装置(1)の動作において、前記リネンシーツ(L)は、前記第1の機械方向に垂直な折り目を規定する方向に折り畳まれ、それに平行な折り目を規定する方向に折り畳まれる折り畳み装置(1)において、
-前記ハウジング(H)内の前記縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)の下に配置され、前記縦方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を前記第2の機械方向にハウジング部分(H2)まで前進させる、第2の機械方向のコンベヤループ(35)と、
-前記縦方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を横方向に折り畳むためのいくつかの横方向の折り畳みステーション(S4、S5)を備え、いくつかの補助的なコンベヤループ(40、45、50、55)を含む前記ハウジング部分(H2)であって、前記補助的なコンベヤループ(40、45、50、55)は、前記折り畳まれたリネンシーツ(L)を前記第2の機械方向および前記第2の機械方向の反対方向に運搬し前進させる、前記ハウジング部分(H2)と、
を備え
-折り畳まれたリネンシーツ(L)を受け取って積み重ねるためのスタッカーモジュール(S)であって、前記折り畳み装置(1)のハウジング(H)内の前記前側(6)の前記対向する側壁(W)の間の前記少なくとも1つの縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)の下方に配置された、スタッカーモジュール(S)と、
-前記第2の機械方向と反対の前記補助的なコンベヤループ(40、45、50、55)から前記折り畳まれたリネンシーツ(L)のスタッカーモジュール(S)まで前記横方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を前進させるためのスタッカーコンベヤ(SC)と、
を備えたたことを特徴とする折り畳み装置(1)。
【請求項2】
-一連の主要なコンベヤループ(15、20、25)であって、それぞれの主要なコンベヤループ(15、20、25)が、上部経路と下部経路、前記前側(6)に近接したそれぞれの前部ローラーと前記後側(5)に近接したそれぞれの後部ローラーを含み、前記主要なコンベヤループ(15、20、25)は、前記リネンシーツ(L)を前記第1の機械方向と前記第1の機械方向と反対に前進させる、主要なコンベヤループ(15、20、25)と、
-第1のコンベヤループ(15)の下部経路(17)と第2のコンベヤループ(20)の上部経路(21)の間の第1のギャップ(G1)を規定するように配置された前記第1のコンベヤループ(15)とつぎの前記第2のコンベヤループ(20)の前部ローラー(18、23)と、
-前記第2のコンベヤループ(20)の下部経路(22)と第3のコンベヤループ(25)の上部経路(26)の間の第2のギャップ(G2)を規定するように配置された前記第2のコンベヤループ(20)とつぎの前記第3のコンベヤループ(25)の後部ローラー(24、29)と、
-前記縦方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を形成するための、前記第1および第2のギャップ(G1、G2)のうちの1つ以上にある少なくとも1つの前記縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)、
をさらに備えた請求項1の折り畳み装置。
【請求項3】
前記縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)が、リネンシーツ(L)の一部を前記ギャップ(G1、G2)の対応する1つに押し込むための、可動なブレード(60)とエアブラストノズルのうちの少なくとも1つを含む請求項1または2に記載の折り畳み装置(1)。
【請求項4】
前記第2のコンベヤループ(20)の前記下部経路(21)と前記第3のコンベヤループ(25)の前記上部経路(26)が、前記ギャップ(G2)が徐々に狭くなるように収束する請求項2または3に記載の折り畳み装置(1)。
【請求項5】
-前記ハウジング部分(H2)内の第1の補助的なコンベヤループ(40)が、上部経路(41)と下部経路(42)を有し、第1のローラー(43)と第2のローラー(44)の周囲に延び、
-前記ハウジング部分(H2)内の第2の補助的なコンベヤループ(45)が、上部経路(46)と下部経路(47)を有し、第3のローラー(48)と第4のローラー(49)の周囲に延び、
-前記第1および第3のローラー(43、48)が、前記第1の補助的なコンベヤループ(40)の前記下部経路(42)と前記第2の補助的なコンベヤループ(45)の前記上部経路(46)の間の横方向の折り畳みギャップ(G4)を規定するように配置され、
-可動な折り畳みブレード(600)および/または空気出口が、前記横方向の折り畳みギャップ(G4)とともに、前記縦方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)の横方向の折り畳みのための前記横方向の折り畳みステーション(S4)の1つを規定する請求項1~4のいずれかに記載の折り畳み装置。
【請求項6】
前記ハウジング(H)内の少なくとも1つの主要な横方向の折り畳みステーション(S3)が、前記縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)から前記リネンシーツ(L)を受け取り、
-隣接するベルト(30’、30”)の上部経路(31)と下部経路(32)を含む第4のコンベヤループ(30)であって、前記隣接するベルト(30’、30”)が、それらの間に主要な横方向の折り畳みギャップ(G3)を規定する、コンベヤループ(30)と、
-前記第1の機械方向と略平行な軸の周りを回転するように配向された一対の対向するローラー(110)であって、前記対向するローラー(110)が、前記主要な横方向の折り畳みギャップ(G3)にある、ローラー(110)と、
-縦方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)の一部を前記横方向の折り畳みギャップ(G3)に押し込み前記対向するローラー(110)と係合させるための、前記主要な横方向の折り畳みギャップ(G3)内に上下に移動可能に配置された横方向の折り畳みブレード(100)および/または前記対向するローラー(110)の上方に配置された空気出口と、
-前記第2の機械方向に前記主要な横方向の折り畳みステーション(S3)から前記ハウジング部分(H2)へ前記リネンシーツ(L)を前進させる第2の機械方向のコンベヤループ(35)と、
を備えた請求項1~5のいずれかに記載の折り畳み装置。
【請求項7】
前記一対の対向するローラー(110)が、前記第4のコンベヤループ(30)の内側に配置され、前記第1の機械方向と平行なそれぞれの軸の周りで反対方向に回転する請求項6に記載の折り畳み装置(1)。
【請求項8】
前記第2の機械方向のコンベヤループ(35)上に横方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を向けるために前記主要な横方向の折り畳みギャップ(G3)の下方に配置された、横方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)のガイドを含む請求項6または7に記載の折り畳み装置(1)。
【請求項9】
-前記対向する側壁(W)の間の方向に互いに隣接して配置された複数の個別に制御可能な縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)と、
-前記対向する側壁(W)の間の方向に互いに隣接して配置された複数の前記主要な横方向の折り畳みステーション(S3)と、
-複数の個別に制御可能な前記縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)のうちの1つまたは複数に割り当てられ、そこから縦方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を受け取るための、それぞれの主要な横方向の折り畳みステーション(S3)と、
を備えた請求項6~8のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項10】
それぞれの折り畳みステーション(S1、S2)の制御が、前記可動なブレード(60)を作動させて移動させること、および/または、前記エアブラストノズル(70)を作動させて空気を噴射させることを含む請求項3に従属する請求項9に記載の折り畳み装置(1)。
【請求項11】
前記第2の機械方向のコンベヤループ(35)が、前記第4のコンベヤループ(30)の上部経路(31)の下方に配置され、複数の前記主要な横方向の折り畳みステーション(S3)のすべてまたはいくつかから折り畳まれたリネンシーツ(L)を受け取る請求項6~9のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項12】
前記折り畳み装置(1)のハウジング(H)内の前記前側(6)の前記側壁(W)の間に互いに隣接して配置された、複数のスタッカーモジュール(S)を含み、複数の前記スタッカーモジュール(S)が、前記補助的なコンベヤループ(40、45、50、55)から前記第2の機械方向と反対に前進されたそれぞれの横方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を受け取る請求項1~11のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項13】
横方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を、前記補助的なコンベヤループ(40、45、50、55)から前記第2の機械方向と反対に、前記折り畳まれたリネンシーツ(L)を受け取って積み重ねるための1つ以上のスタッカーモジュール(S)まで前進させるための、スタッカーコンベヤ(SC)を備え、前記スタッカーモジュール(S)が、前記折り畳み装置(1)のハウジング(H)内の前記前側(6)の前記対向する側壁(W)の間の前記少なくとも1つの縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)の下方に配置され、1つ以上の前記スタッカーモジュール(S)がそれぞれ、収集容器を規定し、前記収集容器内に保管された前記折り畳まれたリネンシーツ(L)の積み重ねを、それぞれの関連する排出コンベヤ(S’)に直接落下させることによって排出するように配置および構成されている請求項1~11のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項14】
横方向に折り畳まれたリネンシーツ(L)を、前記補助的なコンベヤループ(40、45、50、55)から前記第2の機械方向と反対に、前記折り畳まれたリネンシーツ(L)を受け取って積み重ねるための1つ以上のスタッカーモジュール(S)まで前進させるための、スタッカーコンベヤ(SC)を備え、前記スタッカーモジュール(S)が、前記折り畳み装置(1)のハウジング(H)内の前記前側(6)の前記対向する側壁(W)の間の前記少なくとも1つの縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)の下方に配置され、1つ以上の前記スタッカーモジュール(S)がそれぞれ、折り畳まれたリネンシーツ(L)を、前記折り畳まれたリネンシーツ(L)の積み重ねが形成される関連する排出コンベヤ(S’)に直接排出するように配置および構成されている、ゲート(810)を備えた請求項1~11のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項15】
前記排出コンベヤ(S’)が、前記ハウジング(H)の前記前側(6)から外に延びている請求項13または14に記載の折り畳み装置(1)。
【請求項16】
前記リネンシーツ(L)が、前記第1のコンベヤ(10)によって前記折り畳み装置(1)の上部(T)に導入される請求項1~15のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項17】
2の補助的なコンベヤループ(45)が、第3のローラー(48)から第4のローラー(49)まで下向きの角度で延びている請求項1~16のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項18】
第1のコンベヤ(10)のフレーム(11)が、前記ハウジング(H)の上部(T)で前記ハウジング(H)に接続され、垂直に対する前記第1のコンベヤ(10)の角度調整のために構成され、前記第1のコンベヤ(10)が前記折り畳み装置(1)の上流に配置されたアイロナー(1100)の出口の高さに達することを可能している請求項1~17のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項19】
前記対向する壁(W)の間の距離が、マルチレーンの折り畳み装置を規定するために、2つまたは3つまたはそれ以上のリネンシーツ(L)が、前記第1のコンベヤ(10)の前記搬送面上に互いに並んで横たわって導入されることによって、同時に処理されることを可能にするように選択され、前記距離が、少なくとも3メートルである請求項1~18のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項20】
前記ハウジング(H)が、前記後側(5)に高さ(P)を有し、前記高さ(P)が、少なくとも1.6メートルである請求項1~19のいずれかに記載の折り畳み装置(1)。
【請求項21】
互いに同期してまたは同期していない前記縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)を作動させること、および/または、それぞれの折り畳みステーション(S1、S2)について、リネンシーツ(L)を縦方向に折り畳むための、前記折り畳みブレード(60)および/またはエアブラストを提供する前記エアブラストノズル(70)の動きを作動させることを含む請求項3に従属する請求項9に記載の折り畳み装置(1)の操作方法。
【請求項22】
前記リネンシーツ(L)が、前記補助的なコンベヤループ(40、45、50、55)から前記第2の機械方向と反対に進められ、つぎに、前記対向する側壁(W)の間の前記少なくとも1つの縦方向の折り畳みステーション(S1、S2)の下方に配置された、排出コンベヤ(S’)に排出される請求項1の折り畳み装置(1)の操作方法。
【請求項23】
前記排出コンベヤ(S’)が、前記ハウジング(H)の前記前側(6)から外に延びている請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業用ランドリーで使用するための装置、特に布片を縦方向および横方向に折り畳むための改良された工業用折り畳み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の工業用折り畳み装置の例は、EP-A-2014798031に開示されている。そのような工業用折り畳み装置が、洗濯された布片の縦方向の折り畳みに加えて横方向の折り畳みも実行する場合、おそらくその後の折り畳まれた布片の積み重ねにより、従来技術の工業用折り畳み装置は一般に工業用ランドリー施設の大きな床面積を占める。
【0003】
本発明の目的は、折り畳み装置の比較的小さい設置面積で、縦方向および横方向の折り畳み、ならびに任意の積み重ね操作を実行できるようにすることによって、請求項1の前文で定義される従来技術の折り畳み装置に関連する問題を解決することである。
【発明の概要】
【0004】
この目的を考慮して、請求項1の特徴づけ条項でさらに定義されるような折り畳み装置が提供される。
【0005】
一実施形態では、横方向折り畳み用のハウジング部には、第1の二次リネンシーツコンベヤループを運ぶ第1のフレームがあり、および/または第2の二次リネンシーツループを運ぶ第2のフレームが可動に、例えば枢動可能に支持され、折り畳み装置は、第1および第2のフレームを互いに近い位置に解放可能に維持し、例えば、ラッチなどの解放可能なロックによって、第1および第2のフレームを互いに離れた位置に解放可能に維持するように構成される。これにより、オペレーターは、何らかの理由でハウジング部の内部にストックされたリネンシーツを簡単に取り出すことができる。
【0006】
別の実施形態では、折り畳み装置は、折り畳み装置の幅全体にいくつかの縦方向の折り畳みステーションを備え、互いに同期してまたは同期していないように動作するように制御されることによって、それらの前縁がオフセットされているか、または互いに相対的ではない状態で、互いに並んで導入されたいくつかの布片の同時処理を可能にする。請求の範囲は、互いに同期してまたは同期していない縦方向の折り畳みステーションを作動させること、および/または、それぞれの折り畳みステーションについて、リネンシーツを縦方向に折り畳むための、折り畳みブレードおよび/またはエアブラストを提供するエアブラストノズルの動きを作動させることを含む、その実施形態の装置を使用する方法に向けられている。
【0007】
さらに別の実施形態では、折り畳み装置は、縦方向の折り畳みを行う折り畳みステーションの下に配置された折り畳まれたリネンシーツを積み重ねるための1つまたは複数の折り畳まれたリネンシーツのスタッカーモジュールと、折り畳まれたリネンシーツをスタッカーモジュールに進めるためのスタッカーコンベヤとを有し、折り畳み装置の前述のハウジング部は、縦方向の折り畳みが行われる床領域の隣の床領域に配置されている。
【0008】
本発明のさらなる結果として、一実施形態では、折り畳み装置は、人が便利な作業位置で直立または実質的に直立した状態でメンテナンスを実行することを可能にする。
【0009】
当業者が理解するように、以下で論じられる本発明の折り畳み装置は、フォルダの上流に配置された処理装置のタイプに関係なく、あらゆる工業用洗濯設備の操作に全体的な利益を提供することができ、これは、本発明の折り畳み装置が既存の設備の使い古されたフォルダに置き換わる場合、および本発明の折り畳み装置が新しい工業用洗濯設備の一部として供給される場合にも同様に当てはまる。本発明のフォルダの特定の実施形態は、折り畳みプロセスの中断を引き起こし、したがって、洗濯設備全体での布片の処理の遅延を引き起こした布片の、本発明のフォルダからの取り出しの容易さに関連する他の利点に加えて、ローラーを備えたアイロナーと、それに続く本発明のフォルダのすぐ上流に配置されたバーナーとに関連して操作される場合に、特定の利点を提供することができる。
【0010】
簡単にするために、以下では、テーブルカバー、ベッドカバー、枕カバー、タオルなどの洗濯された布片/平坦な織物材料片を、通常はリネンシーツと称する。本発明は、例えば、それらの形状に関係なく、例えば、リネンシーツの形状が円形、長方形、正方形であるかどうかに関係なく、そのようなリネンシーツを必要に応じて折り畳むのに有用である。いくつかの折り目を、それぞれの長方形または正方形のリネンシーツの縁に平行および/または垂直に形成することができる。
【0011】
特に従属請求項で定義されている追加の利点および問題解決策は、以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1aおよび1bは、それぞれ、側面および上面から見た、従来技術の工業用洗濯設備を概略的に示す。
【0013】
図1cおよび1dは、図1aおよび1bの設置の上流に配置された追加の布片処理装置を概略的に示す。
【0014】
図2aおよび2bは、それぞれ、本発明のフォルダの正面および背面の斜視図であり、図2cは、アイロナーの下流に配置されたフォルダを概略的に示す。
【0015】
図2dおよび2eは、図2aのフォルダの異なる動作モードを示す。
【0016】
図3aおよび3bは、図2aのフォルダの第1の部分を示す断面側面図および斜視図である。
【0017】
図4a~4cは、縦方向の折り畳みステーションの可動部分の様々な構成を示す。
【0018】
図5a~5cは、図2aのフォルダの正面に向かって見た、横方向の折り畳みステーションの斜視図および正面図を示す。
【0019】
図6aは、さらに横方向の折り畳みステーションを含むハウジングの斜視図を示す。
【0020】
図6bおよび6cは、2つの構成で、図6aに示されるハウジング内のさらなる折り畳みステーションの断面図および斜視図である。
【0021】
図7a、7bおよび7cは、図2aのフォルダに組み込まれたスタッカーユニットの詳細を、正面斜視図および正面図を通して示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明は、その現時点における好ましい実施形態を示す図面を参照することによって、より詳細に説明される。
【0023】
図1aおよび1bは、ベッドカバー、枕カバーおよびタオルなどの平坦な布片のアイロンがけおよびその後の折り畳みのための従来技術の工業用洗濯設備1000を概略的に示している。示されている設備1000は、「Jenroll EXTM」として知られているタイプのアイロナー1100を含み、このアイロナー1100は、一連の加熱されたローラーRと、それに続く、ローラーRに熱媒体を供給するバーナー1050と、それに続く、以下では一般にフォルダと呼ばれ、エンドユーザーの要求に応じてアイロンをかけた布片を折りたたむための、折り畳み装置Fとを含む。示されているフォルダFは、「Jenfold Classic SWTM」として知られているタイプであり、フォルダFの横に配置された「Jenstack Max SWTM」として知られている折り畳まれたリネンのスタッカーユニットSと連携する。スタッカーユニットSは、排出コンベヤS’によって間隔を置いて排出されることのできる折り畳まれた布片の積み重ねを形成する。
【0024】
動作中、洗濯された広げられた布片Lは、その前端に示されるアイロナー1100に手動で個別に導入され、図1aの左から右に前進する。アイロナー1100の直前、すなわち、図1aに示されるアイロナー1100の左側に配置された、WO2017153511に示されるフィーダーなどの、布片スプレッダーを有する自動フィーダーによる自動導入が、代替的に実行されてもよい。アイロナー1100の幅に応じて、2つ以上の布片が互いに並んで同時にアイロンがけされ、アイロナー1100を通過してもよい。
【0025】
図1cおよび1dは、一般に図1aに示されるような設備1000の上流に配置されることがあり、図1cに文字Eにより示されている前述の自動フィーダーを含むことのある追加の布片処理装置を概略的に示す。オーバーヘッドコンベヤーレールは、洗濯機(図示せず)から受け取った洗濯された布片LがローディングステーションBからバッファおよび荷降ろしステーションC、Dを介してオーバーヘッドレールに沿って移動するクランプに挿入される位置Aから、布片Lを吊り下げられた形で自動フィーダーEに運ぶ。布片Lをクランプに挿入するステップは、PCT/EP2018/077293に示されている装置を使用して実行することができる。
【0026】
図2aおよび2bは、参照番号1で示される本発明のフォルダの、それぞれ、正面および背面の斜視図である。フォルダ1は、後側5および前側6を有し、様々な主要なコンベヤループを支えるフレーム構造を囲むハウジングHを含み、それぞれのコンベヤループは細長いベルトを含み、コンベヤループのいくつかまたはすべてのベルトは、複数の個別の隣接し平行に離間したリボン3によって規定されてもよく、リボン3の端部は結合され、同じ速度で動作する個々の閉ループを形成している。
【0027】
動作中、リネンシーツLはアイロナーから進められ、通常、図2bに示されるように次々にまたは互いに並んで、その後側5のフォルダ1に自動的に導入され、図2cを参照すると、アイロナーボイラー1050の上のアイロナーの出口側からフォルダ1の上部Tに延びる第1のコンベヤ10の上部経路に平坦に横たわっている。リネンシーツLは、通常、その2つの対向する縁部が第1のコンベヤ10の搬送面の図示されている移動方向DMとほぼ平行に延びた状態で導入され、その結果、フォルダ1の動作において、リネンシーツLは、最終的に、前述の縁部に平行および/または垂直な折り目に沿って折り畳まれる。第1のコンベヤ10の搬送面の移動方向DMに平行な折り目は、以下では横方向の折り目と呼ばれ、それに垂直な折り目は縦方向の折り目と呼ばれる。
【0028】
ハウジングHは、フォルダ1の両端の部分を規定する対向する側壁Wを含み、フォルダ1の適切な操作および/または対向する壁Wの間の距離の寸法決定によって、複数のリネンシーツLは、図2bに示されるように、フォルダ1に渡され第1のコンベヤ10の搬送面上に互いに並んで横たわり、フォルダ1によって同時に処理されることができる。本発明のそのようなフォルダ1は、例として、以下で2レーンモードまたは4レーンモードと呼ばれるもので選択的に操作することができる。前述の距離が4mである本発明のフォルダ1は、その異なる動作が図2dに概略的に例示されており、4レーンモードにおいて、それぞれが約1mの幅を有する4枚の長方形のリネンシーツLの同時処理を可能にし、それらの長い方の縁部が第1のコンベヤ10の搬送面の移動方向と平行になるように互いに並んで導入される。他の動作モードが図2dおよび2eに図示されており、例えば、フォルダ1は、2レーンモード(単一/同期でレーン1+レーン2、および単一/同期でレーン3+レーン4)、またはその代わりに3レーンモード(単一/同期でレーン1+レーン2、および単一/同期でレーン3+レーン4、および単一/同期でレーン5+レーン6)で動作可能である。
【0029】
フォルダ1がシングルレーン動作(図2dのレーン1+レーン2+レーン3+レーン4の単一/同期操作など)またはマルチレーン動作用に設定されているかどうかに関係なく、通常、フォルダ1の第1の部分のコンベヤループは、それぞれ単一のベルトによって規定され、任意選択で、図示されている実施形態においてすべて一定の同じ速度で連続的に走行する多数の前述の平行なリボン3によって規定される。
【0030】
以下において、後側5から前側6への方向は、第1の機械方向と称され、図2bに示されるリネンシーツLの移動DMの方向と一致しており、一方で、それに垂直な、ハウジングHの壁Wの一方または他方に向かう方向は、フォルダ1の第2の機械方向と称される。
【0031】
好ましくは、図示されるように、第1のコンベヤ10は、フォルダ1の構造部分であり、第1のコンベヤ10のフレーム11は、その上部TでハウジングHに調整可能に接続されており、好ましくは、垂直に対する第1のコンベヤ10のいくらかの角度調整(図2aの矢印ARによって示されるように)を可能にするヒンジを介して接続されており、例えばアクチュエータ12を用いて、第1のコンベヤ10が、図1aに概略的に示されるアイロナー1100の出口の高さに達することを可能にする。
【0032】
一般的なフォルダ1の高さおよび第1のコンベヤのフレーム11は、好ましくは、人が後側5の隣で直立するのに十分なスペースを第1のコンベヤのフレーム11の下に残すように、例えば、フォルダ1が配置されている建物の床FLと第1のコンベヤフレーム11との間に少なくとも1.6メートル、好ましくは少なくとも1.7メートル、好ましくは少なくとも1.8メートルまたはそれ以上の高さP(図3aを参照)を残すように、それぞれ、構成および配置される。これにより、立ち上がった人間の操作者(図示せず)は、メンテナンスのために、および/またはフォルダ1内にストックされたリネンシーツLを取り出すために、後側5からハウジングHの内側に快適にアクセスすることができる。
【0033】
フォルダ1の前述の一般的な高さPは、便利なことに、複数の折り畳まれたリネンピースのスタッカーモジュールSを、壁Wの間の方向に、そして一般に前側6のフォルダ1のハウジングH内に、互いに隣接して配置することを可能にし、それにより、図1bのフォルダFがその横に配置されたいくつかのそのようなスタッカーユニットSを有していた場合のように、折り畳まれたリネンシーツLを、フォルダ1の設置面積を大幅に増加させることなく、いくつかの隣接するスタックに分類することが可能になる。スタッカーモジュールSは、要求に応じて、それぞれのスタッカーモジュールS内に保管された折り畳まれたリネンシーツLの積み重ねを、前側6のフォルダ1の真下にあるそれぞれの関連する排出コンベヤS’に落下させることによって排出するように任意に配置および構成される。
【0034】
図3aに最もよく見られるように、一連の主要なコンベヤループの第1のコンベヤループ15は、ハウジングHの外側から第1のコンベヤフレーム11に沿って、フォルダ1の前側5まで、複数のスタッカーモジュールSの上に延びている。あるいは、第1のコンベヤフレーム11によって運ばれる第1のコンベヤ10は、この場合、スタッカーモジュールSの上であって、ハウジングHのみの内側に延在する第1の主要なコンベヤループ15にリネンシーツLを送達するコンベヤループを含んでいてもよく、第1のコンベヤ10をフォルダ1から取り外すことを可能にし、その場合、別個の第1のコンベヤフレーム11は、床FL上に載る支持脚、任意選択で車輪を備えて便利に提供されてもよい。
【0035】
主要なコンベヤループの第2のコンベヤループ20および第3のコンベヤループ25は、同様に、ハウジングHの内側で、第1のコンベヤループ15とスタッカーモジュールSとの間の高さで、後側5と前側6との間の方向に延びている。
【0036】
図3aおよび3bに示されるように、それぞれの第1、第2および第3のコンベヤループ15、20、25は、上部および下部の経路を含み、いくつかのローラーによって案内および駆動される。第1のコンベヤループ15の上部経路16は、第1の機械方向にフォルダ1の前側6に向かって、第1のコンベヤループ15の前部ローラー18に、リネンシーツLを運び、前進させる。参照番号17で示される第1のコンベヤループ15の下部経路は、後側5に近い第1のコンベヤループ15の後部ローラー19、19’に戻る。
【0037】
第2のコンベヤループ20の上部経路21は、つぎにリネンシーツLを受け取り、第1の機械方向と反対の方向にフォルダ1の後側5に向かって、第2のコンベヤループ20の後部ローラー24に、リネンシーツLを運ぶように構成されている。第2のコンベヤループ20の下部経路および前部ローラーは、それぞれ、参照番号22および23で示されている。リネンシーツLを上記の方向に前進させるために、2つの前部ローラー18、23は反対方向に回転し、上部のローラー18は反時計回りに回転し、下部のローラー23は時計回りに回転する。
【0038】
前述の2つの前部ローラー18、23は、互いに近接して配置され、第1のコンベヤループ15の下部経路17と第2のコンベヤループ20の上部経路21との間に狭いギャップG1を規定する。複数の高圧空気出口を含む細長いバー8は、フォルダ1の対向する壁Wとの間の長さに沿って多数の個別に制御可能な第1の折り畳みステーションS1を規定するように配置され、空気排出ノズルはギャップG1に向けられている。湾曲した枢動自在なリネンシーツLの第1のガイド部材9は、図4bの番号50によって参照されるガイド部材として形成され、ガイドアクチュエータによって駆動されるものが提供されてもよい。一般に、参照番号50によって概略的に示されるものと同様の本明細書で論じられるガイド部材は、コンベヤループのベルトを規定する隣接するリボン3の間の空間に延びる一連の隣接する尖った突起部を備えている。
【0039】
2つの対向する壁Wの間の長さに沿って備えられた第1の折り畳みステーションS1の数は、所与の時間にフォルダ1によって利用されるレーンの数に対応し、1つの第1の折り畳みステーションS1がそれぞれのレーンに利用される。i)非常に大きなサイズのリネンシーツLがフォルダ1に導入され、複数のレーンにまたがるようになっている場合(図2eを参照、例えば、レーン1+レーン2+レーン3が同期して動作するモード)またはii)通常サイズのリネンシーツLが複数のレーンにまたがるように導入された場合のどちらも、つぎに2つ以上の第1の折り畳みステーションS1が同期動作のために制御される。図2eのレーン1+レーン2+レーン3のモードのとき、これは、3つの隣接する第1の折り畳みステーションS1の空気排出ノズルが同時に作動すること、すなわち、隣接する第1の折り畳みステーションS1の同期動作があることを意味する。
【0040】
通常、リネンシーツLが1つのレーンに沿って前進するシングルレーンモードでは、リネンシーツLは、別のリネンシーツが別のレーンに沿って前進すると同時に対応する第1の折り畳みステーションS1に到着しないので、そのような同期操作はない。折り畳みを実行するためのそれぞれの第1の折り畳みステーションS1の起動は、図2bに示されるような方法で、処理されるリネンシーツLのそれぞれのレーンの位置および寸法のセンサーデータを、フォルダ1の後側5に配置されることのあるセンサー7の配列から受信する、コントローラーによって行われる。
【0041】
第1の折り畳みステーションS1において、リネンシーツLが上部経路16によって前進されると、通常はその短辺であるその前縁は、第1のコンベヤループ15の前部ローラー18において上部経路16を離れ、ハウジングH内のフォルダ1の前側5に吊り下げられたリネンシーツLの前部を徐々に増加させる。これは、折り畳みが第1の折り畳みステーションS1で行われるときに、第1のガイド部材9が、図4bに示される第2のガイド部材50の位置と同様の動作しない格納された位置にある場合である。
【0042】
所与の時間に、通常、リネンシーツLの長さの半分よりわずかに多くが吊り下げられている場合、エアブラストは、折り畳みステーションS1のバー8のノズルを離れるように設定され、バー8とギャップG1とのすぐ間に位置するリネンシーツLの部分をギャップG1に押し込み、それにより、リネンシーツLがそれぞれ移動しているループ15、20との接触を通じてギャップG1に引き込まれるときに、第1の長さ方向の折り目が生成される。このようにして、リネンシーツLは、その後縁がその前縁に重なるように二重にされ、二重にされたリネンシーツLは、第2のコンベヤループ20の上部経路21によって運ばれる。
【0043】
第1のガイド部材9がその代わりに前進位置(以下で説明する図4aに示される位置と同様)に移動された場合、リネンシーツLの前縁は、単に前部ローラー18、23の間のギャップG1に向かって前方に向けられ、リネンシーツLは折りたたまれずに進められる。
【0044】
この手順全体の間、第1および第2のコンベヤループ15、20は、通常、同じ一定速度で連続的に移動する。リネンシーツLの前方への動きの少なくとも一部について、上部経路21によって現在運ばれているリネンシーツLに下部経路17が接触することが好ましい。
【0045】
第1の折り畳みステーションS1で取られる制御可能な動作に応じて、リネンシーツLは、図3bの拡大図に示される第2のループ20の後部ローラー24に向かって、第1のリネンの折り畳みによって規定される前縁の有無にかかわらず進められる。
【0046】
前述の第3のコンベヤループ25は、リネンシーツLを第1の機械方向にフォルダ1の前側6に向かって前方に運ぶように構成され、第3のコンベヤループ25の前部ローラー28および第3のコンベヤルー25の後部ローラー29の周りに延びる上部経路26を有しており、その下部経路は番号27で示されている。2つの後部ローラー24および29は、それぞれのガイド部材50のアクチュエータによって駆動される任意選択のそれぞれの湾曲した枢動自在なリネンシーツLの第2のガイド部材50、それぞれの枢動自在な細長いブレード60、それぞれのブレードアクチュエータ61、それぞれのブレードアバットメント62、および複数の任意選択の高圧空気出口を含むそれぞれのバー70とともに、対向する壁Wの間の多数の個別に制御可能な第2の折り畳みステーションS2を規定するように配置されている。
【0047】
後部ローラー24、29は、第2のコンベヤループ20の下部経路22と第3のコンベヤループ25の上部経路26との間に収束するギャップG2を規定するように配置されており、前述の空気出口は、このギャップG2に向けて空気を噴射するように構成されている。第2および第3のコンベヤループ20、25を形成するベルト/リボン3の弾力性は、異なる厚さの折り畳まれたリネンシーツLが下部経路22と上部経路26との間で受け取られ、下部経路21と上部経路26の間に挟まれて前方に運ばれることを可能にする。これは、下部/上部経路22、26の一方または両方が、上向き/下向きにたわみ、リネンシーツLがギャップG2に導入されるばねとして何らかの形で機能することから生じる。
【0048】
それぞれの第1の折り畳みステーションS1に対して、対応する第2の折り畳みステーションS2が存在し、第2の折り畳みステーションS2もまた、フォルダ1の対向する壁Wの間に互いに隣接して配置されていることが理解される。第1の折り畳みステーションS1の場合のように、そのような第2の折り畳みステーションS2のうちの2つ以上は、図1eに示すように、レーン1+レーン2+レーン3モードのように、リネンシーツLが複数のレーンにまたがる同期動作のために制御されてもよい。リネンシーツLは、通常、一緒に進められた別のリネンシーツと同時に、対応する第2の折り畳みステーションS2に到着しない。さらに、あるリネンシーツLで実行される折り畳み操作は、一緒に進められた別のリネンシーツLで実行される操作とは異なる場合があり、この場合、第2の折り畳みステーションS2の同期動作も起こらない。
【0049】
リネンシーツLの前縁が第2のコンベヤループ20の上部経路21上にある第2の折り畳みステーションS2に入ると、リネンシーツLの徐々に増加する前部は、図4bに示される第2のガイド部材50の第1の格納位置において、ギャップG2の前のハウジングH内のフォルダ1の後側6に吊り下げられる。別の図4aに示される第2のガイド部材50の前進した第2の位置において、リネンシーツLは、折り畳まれることなく、後部ローラー24、29の間のギャップG2に直接前方に向けられるだけであり、リネンシーツLは、対応する第1の折り畳みステーションS1で折り畳まれているか折り畳まれていない。
【0050】
第2の折り畳みステーションS2の任意の第2のガイド部材50の格納された第1の位置において、リネンシーツLの折り畳みは、2つの方法:可動のブレード60によって、または任意選択のバー70の空気出口を出るエアブラストによって、達成することができる。例として、以前に対応する第1の折り畳みステーションS1でリネンシーツLが折り畳まれていない場合、エアブラストを使用することが好ましい場合があり、その場合、リネンシーツLの折り畳みは、リネンシーツLをギャップG2に押し込むために大きな力を必要としない。あるいは、リネンシーツLがステーションS1で折り畳まれた場合、折り畳まれたリネンシーツLの厚さは、つぎに折り畳まれたリネンシーツLの前縁を形成する新しいさらなる折り目を規定するように、リネンシーツLをギャップG2に押し込むために、可動のブレード60によって提供されるより力よりも強い力が必要とされるような折り畳みに対する抵抗力を与えることがある。
【0051】
ステーションS2での折り畳みは、ブレード60の選択された動きに応じて、ブレード60によって1つまたは2つの縦方向の折り畳みを形成するようにすることができる。折り畳みステーションS2でのみ1つの折り畳みを行うために、ブレード60は、アバットメント62に対して静止している格納位置から図4cに示される前進位置まで1回回転され、そこでは、そのノーズ部分65がギャップG2内に延在し、ブレード60が別のアバットメントに対して静止している。この回転運動は、移動するリネンシーツLの前部が、ギャップG2の前で、図4bに示されるその格納位置にあるブレード60の左側に、後部ローラー24から吊り下げられているときに実行される。あるいは、2つの折り目を作るために、ブレード60の反対方向への2つの回転操作が、原則として、EP-A-2014798031の図4に開示された方法で実行され、このとき、ブレード60は、最初は、図4cに示される前述の前進位置にあり、リネンシーツLがブレード60の右側に吊り下げられ、つぎに、リネンシーツLを折り畳むために図4bに示される位置に、そして最後に、図4cに示される位置に移動され、それにより、折り畳みステーションG2でさらに別の折り畳みを行うために、リネンシーツLをギャップG2に突き入れる。
【0052】
原則として、ブレード60のみを使用して折り畳みステーションS2ですべての縦方向の折り畳み操作を実行することができるが、上記の理由により、また、エアブラストが実際にブレード60によって実行される折り畳み操作を支援する可能性がある場合には、必要なときはいつでも、対応する第2の折り畳みステーションS2へ向かってエアブラストを生成するバー70を準備できるようにすると便利である。
【0053】
前述の第1、第2および第3の主要なコンベヤループ15、20、25は、フォルダ1の第1の部分を規定し、主要なコンベヤループ15、20、25のベルトは、通常、リネンシーツLが、それが走るレーンに関係なく同じ速度で前進するように、すべて同じ速度でリネンシーツLを前進させる。
【0054】
ここで説明され図5aおよび5bで最もよく見られるフォルダ1の第2の下流部分は、1つまたは複数の、通常は個別に制御可能で平行な第4のコンベヤループ30を含み、その数は、通常、壁Wとの間の個々の折り畳みステーションS2の数と、したがって、フォルダ1がサービスを提供できるレーンの数、つまり、フォルダ1が動作する可能性のあるレーンモードに対応する。第3のコンベヤループ25は、リネンシーツLを1つまたは複数の第4のコンベヤループ30のうちの対応する1つに送達し、第4のコンベヤループ30はリネンシーツLを第1の機械方向に前側6に向かってさらに前進させる。第4のコンベヤループ30はそれぞれ、図3aおよび3bに示されるように、リネンシーツLを運ぶ上部経路31および下部経路32を有し、それぞれの前部ローラー34’および後部ローラー34によって案内される。
【0055】
図5a~cに示されるように、それぞれが対応する上流の第2の折り畳みステーションS2からリネンシーツLを受け取るいくつかの主要な横方向折り畳みステーションS3は、第4のコンベヤループ30のそれぞれだけでなく、エアノズル115、および、第4のコンベヤループ30のそれぞれを組み合わせで規定する2つの隣接するベルトまたはリボン30’、30”の間のギャップG3内に上下に移動可能な横方向の折り畳みブレード100、によってそれぞれ規定される。主要な横方向折り畳みステーションS3は、以下に説明されるように、横方向の折り畳みを実行して横方向の折り畳みを提供する点で、第1および第2の折り畳みステーションS1、S2と区別される。第4のコンベヤループ30のそれぞれは、横方向の折り畳みが対応する主要な横方向折り畳みステーションS3のブレード100によって実行されるときに、一時的に移動を停止するように制御可能である。これは、通常、フォルダ1の第1の部分で連続的に走行する第1、第2、および第3のコンベヤループの動きとは対照的である。
【0056】
第1のコンベヤ10の中央、例えば、図2eに示されるレーン3+レーン4モードなど、複数のレーンを横切るようにリネンシーツLがフォルダ1に導入されるようにフォルダ1が操作される場合、つぎに、これはセンサー7によって検出され、2つ以上の隣接する第4のコンベヤループ30は、複数の横方向折り畳みステーションS3のブレード100のうちの選択されたもの、通常は中央に位置するものが横方向の折り畳みを実行するように動作されている間、同時に走行および一時停止するように動作される。
【0057】
ギャップG3に沿って第4のコンベヤループ30のそれぞれの内側に配置されているのは、一体型ドラムモータによって駆動され、第1の機械方向に平行な、すなわち、第4のコンベヤループ30の移動方向DMと平行な軸の周りで反対方向に回転する、一対の対向するローラー110であり、ローラー110間のニップは、前述のギャップG3にある。細長いブレード100は、ギャップG3内でニップの上の位置に移動するように構成され、それにより、下にある延長部全体を、図5bに示される一時的に停止した第4のコンベヤループ30の上部経路31上にあるリネンシーツLの機械方向に、強制的にギャップG3に押し込み、回転ローラー110と係合させる。これは、リネンシーツLのさらなる折り畳みにつながり、ここでさらに折り畳まれたギャップG3の下に吊り下げられているリネンシーツLの前部が徐々に増加する。ブレード100は、同じ機能を果たす空気出口と交換するか、または組み合わせることができる。
【0058】
ローラー110または他のガイドの下に配置された横向きのエアノズル115からのエアブラストは、この前部の吊り下げられた前縁を、ハウジングHの対向する側壁Wの1つに向けられた横方向に向ける働きをする。ローラー110の回転は、この前縁を、第4のコンベヤループ30の上部経路31の下に位置する、第5のコンベヤループ/第2の機械方向のコンベヤループ35の上部経路36に向かって、そしてその上に前進させ、この第5のコンベヤループ35は、横方向に折り畳まれたリネンシーツLを、フォルダ1の第2の機械方向に、示されている実施形態では文字DMで示される左側に、一連のさらなる折り畳みステーションS4、S5まで、さらに運搬するように構成されている。別個のローラー110のベルトまたは同様の駆動装置をフォルダ1の前端または後端5、6に隣接して配置する必要がないので、一体型ドラムモータを備えたローラー110の使用は、省スペースであることが証明されている。第5のコンベヤループ35は、1つの主要な横方向折り畳みステーションS3を離れる横方向に折り畳まれたリネンシーツLが、別の主要な横方向折り畳みステーションS3から排出される別の横方向に折り畳まれたリネンシーツの上に排出されないように制御することを可能にするために、その長さに沿って複数のセクションに分割されていてもよく、例えば、第5のコンベヤループ35のそのような複数のセクションの動きを停止することによって、短い一時的な緩衝を可能にすることによりそのように制御する。あるいは、前述の目的のために、主要な横方向折り畳みステーションS3のそれぞれのブレード100の動きの遅延を与えることができる。
【0059】
それぞれの第4のコンベヤループ30の動作の停止は、主要な横方向折り畳みステーションS3のセンサーが、横方向に折り畳まれるリネンシーツLの全体が主要な横方向折り畳みステーションS3内の上部経路31上に存在していることを検出したときであってもよく、または、センサー7による元来のレーンごとの検出、および第1、第2、第3のコンベヤループ10、15、20によるそれぞれのリネンシーツLの前進速度の情報に基づいて行われてもよい。
【0060】
図5bにも前述の第5のコンベヤループ35が示されており、第5のコンベヤループ35は、前述の折り畳みステーションS1、S2、S3が収容されるハウジングHの隣に配置された一連のさらなる横方向折り畳みステーションS4、S5に向かって、一方の壁から対向する壁Wに向かって延びている。第5のコンベヤループ35は、好ましくは、すべての横方向折り畳みステーションS3からリネンシーツLを受け取る。図5bでは、リネンシーツLが移動する方向は、矢印DMによって示されている。
【0061】
図6aは、ハウジング部分H2を示し、リネンシーツLのさらなる横方向の折り畳みが行われる一連のさらなる横方向折り畳みステーションS4、S5を収容している斜視図である。第5のコンベヤループ35は、さらなる横方向折り畳みステーションS4の一部を形成してもよいが、つぎに第2の機械方向に前進したすべてのリネンシーツLが第6のコンベヤループ40の上部経路41の上に移され、フォルダ1の残りの部分からハウジング部分H2が取り外されるようにすることが好ましい。示されている実施形態では、フォルダ1を前側6に向けて見たときに、さらなる折り畳みステーションS4、S5が折り畳みステーションS1、S2、S3の左側に配置され、左端に配置されたさらなる折り畳みステーションS4、S5のアイテムは、以下では、左にあると呼ばれ、一方、右側に配置されたさらなる折り畳みステーションS4、S5のアイテムは、右側にあると呼ばれる。フォルダ1を前面6に向けて見たときに、さらなる折り畳みステーションS4、S5が折り畳みステーションS1、S2、S3の右側に配置されている場合は、逆のことが当てはまる。本質的に同一のそのようなハウジング部分H2は、それぞれの側壁Wにあってもよく、それぞれのハウジング部分H2は、さらなる横方向の折り畳みのために、選択された主要な横方向折り畳みステーションS3からリネンシーツLを受け取る。
【0062】
ハウジング部分H2は、いくつかの補助的なコンベヤループ40、45、50、55を備え、それぞれが上部と下部の経路を含み、いくつかのそれぞれの左と右のローラーによってガイドされ、駆動される。図6bにおいて、第6のコンベヤループ40の上部経路41は、リネンシーツL(図示せず)を第6のコンベヤループ40の左ローラー43に向かって第2の機械方向に運ぶように構成されている。第6のコンベヤループ40の下部経路42は、第6のコンベヤループ40の右ローラー44に戻るように延びている。第7のコンベヤループ45は、左ローラー48から第7のコンベヤループ45の右ローラー49まで下向きの角度で延び、その上部および下部の経路は、それぞれ、番号46、47で示されている。2つの左ローラー43、48は反対方向に回転し、上部ローラー43は反時計回りに回転し、下部ローラー48は時計回りに回転し、リネンシーツLを均一な速度で前進させる。
【0063】
2つの左ローラー43、48は、折り畳みステーションS1と同様の方法で、第6のコンベヤループ40の下部経路42と第7のコンベヤループ45の上部経路46との間の狭いギャップG4を規定するように、互いに近接して配置されている。枢動自在または他の方法で可動なブレード600およびブレードアクチュエータ610は、左ローラー43、48の左側に配置されている。
【0064】
以前に横方向に折り畳まれたリネンシーツLが上部経路41によって前進されると、その前縁は、最終的に、第6のコンベヤループ40の左ローラー43で上部経路41を離れ、ギャップG4の前に吊り下げられたリネンシーツLの前部が徐々に増加する。折り畳みを行うために、ブレード600は、格納位置から、そのノーズ部分650がギャップG4内に延びる前進位置まで、1回回転される。これは、第3のガイド部材900が、原則として図4bおよび4cを参照して上で論じた方法で、格納位置(図示せず)にある場合である。「リバーサ折り畳み」として当技術分野で知られている方法で、図示されたコンベヤループ50の左端でさらなる横方向の折り畳みを行うことができる。
【0065】
代わりに、第3のガイド部材900が前進位置に移動された場合、リネンシーツLの前縁は、折り畳みが行われることなく、単に左ローラー43、48の間のギャップG4に向かって前進させられる。
【0066】
図6cは、一般的に適用され得る非常に有利な実施形態を示し、補助的なコンベヤループ40、55のそれぞれを運ぶ1つまたは複数の個別のフレームF1が、ハウジング部分H2内で枢支または他の方法で可動に支持されており、これにより、オペレーターは、何らかの理由でハウジング部品H2内にストックされた折り畳まれたリネンシーツLを簡単に取り出すことができる。具体的には、図6cに示されるような補助的なコンベヤループ40、45、50、55の対(40、45)、(45、55)が互いに離れている位置、および、図6bに示されるような横方向の折り畳みのために互いに近接している操作位置に、可動フレームF1を一時的に維持するために、ラッチなどの1つまたは複数の解放可能なロックが備えられていてもよい。
【0067】
スタッカーコンベヤSCの下部経路510が図6bにも概略的に示されており、このスタッカーコンベヤSCは、補助的なコンベヤループ55から受け取った折り畳まれたリネンシーツLを、複数のスタッカーモジュールSの第1のスタッカーモジュールSの下部経路510と滑らかな上面800との間に挟むように配置および構成されている。スタッカーコンベヤSCは、挟まれた折り畳まれたリネンシーツLを第2の機械方向と反対に、折り畳まれたリネンシーツが送達される所定のスタッカーモジュールSに向かって運ぶように動作する。このプロセスにおいて、折り畳まれたリネンシーツLは、それぞれのスタッカーモジュールSの前述の上面800上を滑り、所定のスタッカーモジュールSに到達すると、滑らかな上面810を部分的に規定するゲート810が、センサー7とも通信するフォルダ1のコントローラーによって自動的に開かれ、図示されているように、リネンシーツLが、折り畳まれたリネンシーツLが積み重ねられている関連する排出コンベヤS’上に直接落下することを可能にし、または、折り畳まれたリネンシーツLの積み重ねを関連する排出コンベヤS’上に後で排出するための、スタッカーモジュールSによって規定された収集容器(図示せず)内に直接落下することを可能にする。
【0068】
2つの横方向折り畳みのハウジング部分H2がそれぞれの側壁Wに1つずつ使用される場合、それぞれのハウジング部分H2は、折り畳まれたリネンシーツLを対応する左または右の一連のスタッカーモジュールSに送達することができる。スタッカーモジュールSは、必要に応じてフォルダ装置1に追加することができ、図5aは、スタッカーモジュールSを示していない。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c