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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】テクスチャ認識装置及び対向基板
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/13 20220101AFI20241001BHJP
【FI】
G06V40/13
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021568952
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 CN2020087170
(87)【国際公開番号】W WO2021217325
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 雷
(72)【発明者】
【氏名】丁 小梁
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 英明
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲賈▼ ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】舒 ▲適▼
(72)【発明者】
【氏名】秦 云科
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 林
【審査官】藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/027488(WO,A1)
【文献】特開2020-184227(JP,A)
【文献】特開2012-221083(JP,A)
【文献】特開2007-299085(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0233531(US,A1)
【文献】特開平01-158769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/00-40/70
H04N 23/00-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テクスチャ認識装置であって、
光源アレイと、画像センサアレイと、遮光層と、を備え、
前記光源アレイは複数の光源を備え、
前記画像センサアレイは複数の画像センサを備え、前記複数の画像センサは、前記複数の光源から放出されてテクスチャによって前記複数の画像センサに反射された光を受信してテクスチャ画像を収集するために構成され、前記複数の画像センサは第1画像センサを含み、
前記遮光層は前記画像センサアレイの光入射側に位置し、前記遮光層の前記光源アレイが位置する平面での正投影は前記複数の光源のうち隣接する2つの光源の間に位置し、前記遮光層の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影は前記複数の画像センサと少なくとも部分的に重なり、
前記遮光層には少なくとも1つの開口部を有し、前記少なくとも1つの開口部は、前記複数の光源から放出されてテクスチャによって反射された光が通過することを許容するように構成され、前記少なくとも1つの開口部は第1開口部を含み、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は前記第1画像センサの少なくとも一側に位置する、又は前記第1画像センサと重なり、
前記第1開口部は閉鎖又は非閉鎖リング状であり、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は前記第1画像センサを取り囲み、
前記遮光層は前記閉鎖又は非閉鎖リング状のリング中心に位置する中間遮光パターンを備え、前記中間遮光パターンの前記画像センサアレイが位置する平面での正投影は前記第1画像センサと少なくとも部分的に重なる、テクスチャ認識装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの開口部は複数の前記第1開口部を含み、前記複数の第1開口部は前記複数の画像センサと一対一で対応して設けられ、
対応して設けられた1つの第1開口部と1つの画像センサについては、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は前記画像センサの少なくとも一側に位置する、又は前記画像センサと重なる、請求項1に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項3】
対応して設けられた1つの第1開口部と1つの画像センサについては、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影と前記画像センサの重なり面積は、前記画像センサが、前記画像センサアレイが位置する平面で占める面積の50%よりも小さい、請求項2に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項4】
前記テクスチャ認識装置は表示パネルを備え、前記表示パネルはアレイ基板を備え、前記アレイ基板はベース基板及び前記ベース基板に設けられたサブ画素アレイを備え、前記サブ画素アレイは複数のサブ画素を備え、
前記光源アレイは前記サブ画素アレイを備え、前記複数の光源は前記複数のサブ画素を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項5】
前記複数のサブ画素のそれぞれは発光デバイスを備え、前記複数のサブ画素の発光デバイスが放出する可能な光の色は異なり、
前記遮光層の前記発光デバイスが位置する平面での正投影は隣接する発光デバイスの発光領域の間に位置する、請求項4に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項6】
前記表示パネルはフィルタ層をさらに備え、前記フィルタ層は、前記サブ画素アレイの前記ベース基板から離れる側に位置し、それぞれ異なる色の光が透過することを許容する複数のフィルタパターンを備え、
前記遮光層は隣接する前記フィルタパターンの間に設けられる、請求項4又は5に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、前記サブ画素アレイの前記ベース基板から離れる側に設けられたカプセル化層をさらに備え、
前記フィルタ層及び前記遮光層は前記カプセル化層の前記ベース基板から離れる側に設けられる、請求項6に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項8】
前記表示パネルは前記アレイ基板に対向して設けられた対向基板をさらに備え、
前記フィルタ層及び前記遮光層は前記対向基板に設けられる、請求項6に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項9】
前記中間遮光パターンの平面図形は全体として長方形であり、前記中間遮光パターンと前記第1画像センサの平面形状は同じである、請求項1~8のいずれか1項に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項10】
前記中間遮光パターンは複数の遮光ユニットを備え、
前記複数の遮光ユニットのそれぞれは正方形であり、隣接する2つの遮光ユニットの間にサブ開口部を有し、前記第1開口部は前記サブ開口部を含む、請求項9に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項11】
前記第1画像センサは前記複数の遮光ユニットと一対一で対応する複数の感知領域を備え、
対応して設けられた1つの遮光ユニットと1つの感知領域については、前記遮光ユニットの前記画像センサアレイが位置する平面での正投影は前記感知領域の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影と少なくとも部分的に重なる、請求項10に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項12】
前記中間遮光パターンの半値幅をdとし、前記第1画像センサの半値幅をdとし、前記中間遮光パターンの中心から前記中間遮光パターンに隣接する遮光層までの幅をdとし、前記遮光層と前記画像センサアレイとの距離をhとした場合、
【数1】
【数2】
ここで、θはテクスチャ認識のための光路の最小臨界角であり、θはテクスチャ認識のための光路の最大臨界角である、請求項1~11のいずれか1項に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項13】
前記中間遮光パターンの平面図形が全体として長方形である場合、前記中間遮光パターンの半値幅は6μm~18μmの範囲内である、請求項12に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項14】
前記表示パネルはタッチ層をさらに備え、前記タッチ層は、タッチ検出機能を有するように構成され、かつ前記遮光層の前記ベース基板から離れる側に位置する、請求項6~8のいずれか1項に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項15】
前記表示パネルはタッチ層及び偏光板をさらに備え、
前記タッチ層は、タッチ検出機能を有するように構成され、かつ前記遮光層の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記偏光板は、前記タッチ層の前記ベース基板に近接する側又は前記ベース基板から離れる側に設けられる、請求項4又は5に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項16】
前記表示パネルはタッチ層をさらに備え、前記タッチ層は、タッチ検出機能を有するように構成され、かつ前記遮光層の前記ベース基板に近接する側に位置し、
前記タッチ層は、第1方向に沿って配置された第1タッチ電極、及び第2方向に沿って配置された第2タッチ電極を備え、前記第1方向は前記第2方向と垂直であり、
前記ベース基板と垂直な方向に、前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極の少なくとも前記開口部と重なる部分は透明である、請求項4又は5に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項17】
前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極の材料は透明導電性材料である、請求項16に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項18】
前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極はそれぞれ複数の金属配線部及び少なくとも1つの透明配線部を備え、
前記少なくとも1つの透明配線部は隣接する2つの金属配線部を電気的に接続し、前記少なくとも1つの透明配線部の前記ベース基板での正投影は前記少なくとも1つの開口部の前記ベース基板での正投影と少なくとも部分的に重なる、請求項16に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項19】
前記表示パネルは前記複数のサブ画素を定義するための画素定義層をさらに備え、前記画素定義層は600nmを超える波長の光をフィルタリングできるように構成される、請求項4又は5に記載のテクスチャ認識装置。
【請求項20】
前記遮光層は黒色光吸収材を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載のテクスチャ認識装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例はテクスチャ認識装置及び対向基板に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末が益々普及することに伴って、携帯端末を用いて本人確認、電子決済などの操作を行うユーザーが多くなっている。指紋パターン又は掌紋パターンなどの皮膚テクスチャが唯一性を有するため、光学イメージングと組み合わせた指紋認識技術は、本人確認、電子決済などのために携帯電子機器に徐々に使用されている。如何にしてより最適化されたテクスチャ認識装置を設計するかは、本分野で注目されている焦点問題になっている。
【発明の概要】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例は、光源アレイと、画像センサアレイと、遮光層とを備えるテクスチャ認識装置を提供している。光源アレイは複数の光源を備え、画像センサアレイは複数の画像センサを備え、前記複数の画像センサは、前記複数の光源から放出されてテクスチャによって前記複数の画像センサに反射された光を受信してテクスチャ画像を収集するために構成され、前記複数の画像センサは第1画像センサを備え、遮光層は前記画像センサアレイの光入射側に位置し、前記遮光層の前記光源アレイが位置する平面での正投影は前記複数の光源のうち隣接する2つの光源の間に位置し、前記遮光層の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影は前記複数の画像センサと少なくとも部分的に重なる。前記遮光層には少なくとも1つの開口部があり、前記少なくとも1つの開口部は、前記複数の光源から放出されてテクスチャによって反射された光が通過することを許容するように構成され、前記少なくとも1つの開口部は第1開口部を備え、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は前記第1画像センサの少なくとも一側に位置する、又は前記第1画像センサと重なる。
【0004】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記少なくとも1つの開口部は複数の前記第1開口部を備え、前記複数の第1開口部は前記複数の画像センサと一対一で対応して設けられ、対応して設けられた1つの第1開口部と1つの画像センサについては、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は前記画像センサの少なくとも一側に位置する、又は前記画像センサと重なる。
【0005】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、対応して設けられた1つの第1開口部と1つの画像センサについては、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影と前記画像センサの重なり面積は、前記画像センサが、前記画像センサアレイが位置する平面で占める面積の50%よりも小さい。
【0006】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記テクスチャ認識装置は表示パネルを備え、前記表示パネルはアレイ基板を備え、前記アレイ基板はベース基板及び前記ベース基板に設けられたサブ画素アレイを備え、前記サブ画素アレイは複数のサブ画素を備え、前記光源アレイは前記サブ画素アレイを備え、前記複数の光源は前記複数のサブ画素を備える。
【0007】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記複数のサブ画素のそれぞれは発光デバイスを備え、前記複数のサブ画素の発光デバイスが放出する可能な光の色は異なり、前記遮光層の前記発光デバイスが位置する平面での正投影は隣接する発光デバイスの発光領域の間に位置する。
【0008】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記表示パネルはフィルタ層をさらに備え、前記フィルタ層は、前記サブ画素アレイの前記ベース基板から離れる側に位置し、それぞれ異なる色の光が透過することを許容する複数のフィルタパターンを備え、前記遮光層は隣接する前記フィルタパターンの間に設けられる。
【0009】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記表示パネルは、前記サブ画素アレイの前記ベース基板から離れる側に設けられたカプセル化層をさらに備え、前記フィルタ層及び前記遮光層は前記カプセル化層の前記ベース基板から離れる側に設けられる。
【0010】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記表示パネルは前記アレイ基板に対向して設けられた対向基板をさらに備え、前記フィルタ層及び前記遮光層は前記対向基板に設けられる。
【0011】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記第1開口部は閉鎖又は非閉鎖リング状であり、前記第1開口部の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は前記第1画像センサを取り囲む。
【0012】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記遮光層は前記リング状のリング中心に位置する中間遮光パターンを備え、前記中間遮光パターンの前記画像センサアレイが位置する平面での正投影は前記第1画像センサと少なくとも部分的に重なる。
【0013】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記中間遮光パターンの平面図形は全体として長方形であり、前記中間遮光パターンと前記第1画像センサの平面形状は同じである。
【0014】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記中間遮光パターンは複数の遮光ユニットを備え、前記複数の遮断ユニットのそれぞれは正方形であり、隣接する2つの遮光ユニットの間にサブ開口部があり、前記第1開口部は前記サブ開口部を備える。
【0015】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記第1画像センサは前記複数の遮断ユニットと一対一で対応する複数の感知領域を備え、対応して設けられた1つの遮断ユニットと1つの感知領域については、前記遮光ユニットの前記ベース基板での正投影は前記感知領域の前記ベース基板での正投影と少なくとも部分的に重なる。
【0016】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記中間遮光パターンの半値幅をdとし、前記第1画像センサの半値幅をdとし、前記中間遮光パターンの中心から前記中間遮光パターンに隣接する遮光層までの幅をdとし、前記遮光層と前記画像センサアレイとの距離をhとした場合、
【数1】
【数2】
ここで、θcはテクスチャ認識のための光路の最小臨界角であり、θmはテクスチャ認識のための光路の最大臨界角である。
【0017】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記中間遮光パターンの平面図形が全体として長方形である場合、前記中間遮光パターンの長さと幅のサイズは6μm~18μmの範囲内である。
【0018】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記第1開口部はストリップ状又はブロック状である。
【0019】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記表示パネルはタッチ層をさらに備え、前記タッチ層は、タッチ検出機能を有するように構成され、かつ前記遮光層の前記ベース基板から離れる側に位置する。
【0020】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記表示パネルはタッチ層及び偏光板をさらに備え、前記タッチ層は、タッチ検出機能を有するように構成され、かつ前記遮光層の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記偏光板は前記タッチ層の前記ベース基板に近接する側又は前記ベース基板から離れる側に設けられる。
【0021】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記表示パネルはタッチ層をさらに備え、前記タッチ層は、タッチ検出機能を有するように構成され、かつ前記遮光層の前記ベース基板に近接する側に位置し、前記タッチ層は、第1方向に沿って配置された第1タッチ電極、及び第2方向に沿って配置された第2タッチ電極を備え、前記第1方向は前記第2方向と垂直であり、前記ベース基板と垂直な方向に、前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極の少なくとも前記開口部と重なる部分は透明である。
【0022】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極の材料は透明導電性材料である。
【0023】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極はそれぞれ複数の金属配線部及び少なくとも1つの透明配線部を備え、
前記少なくとも1つの透明導電部は隣接する2つの金属配線部を電気的に接続し、前記少なくとも1つの透明配線部の前記ベース基板での正投影は前記少なくとも1つの開口部の前記ベース基板での正投影と少なくとも部分的に重なる。
【0024】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記表示パネルは前記複数のサブ画素を定義するための画素定義層をさらに備え、前記画素定義層は600nmを超える波長の光をフィルタリングできるように構成される。
【0025】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置では、前記遮光層は黒色光吸収材を含む。
【0026】
本開示の少なくとも1つの実施例は対向基板を提供し、該対向基板はアレイに配置された複数の透光領域を有し、遮光層を備え、前記遮光層は、前記複数の透光領域を画定するように、隣接する2つの透光領域の間に設けられ、前記遮光層は、光が透過することを許容するように、少なくとも1つの開口部を備える。
【0027】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る対向基板では、前記少なくとも1つの開口部はリング状、ストリップ状又はブロック状である。
【0028】
たとえば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る対向基板はカラーフィルム基板を備え、前記カラーフィルム基板は前記複数の透光領域にそれぞれ位置する複数のフィルタパターンを備え、前記複数のフィルタパターンはそれぞれ異なる色の光が透過することを許容し、前記遮光層は隣接する2つのフィルタパターンの間に設けられる。
【0029】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示を限定するものではなく、本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】指紋イメージングの概略を説明する原理図である。
図1B】点光源のイメージング範囲を示す模式図である。
図1C】線光源のイメージング範囲を示す模式図である。
図2A】本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置の断面模式図である。
図2B】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の断面模式図である。
図3A】本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図3B】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図3C】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図4A】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の断面模式図である。
図4B】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の断面模式図である。
図5】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の断面模式図である。
図6A】は本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置の中央遮光パターン及び第1画像センサの第1方向に沿った断面模式図である。
図6B】は本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置の中央遮光パターン及び第1画像センサの第2方向に沿った断面模式図である。
図7A】は本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置の中央遮光パターン及び第1画像センサの第2方向に沿った別の断面模式図である。
図7B】は本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置の中央遮光パターン及び第1画像センサの第2方向に沿った別の断面模式図である。
図8】本開示の少なくとも1つの実施例に係るテクスチャ認識装置の第1開口部が光を透過させる光路図である。
図9A】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図9B】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図9C】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図10】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の断面模式図である。
図11A】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図11B】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別のテクスチャ認識装置の平面模式図である。
図12A】本開示の少なくとも1つの実施例に係る対向基板の断面模式図である。
図12B】本開示の少なくとも1つの実施例に係る別の対向基板の断面模式図である。
図13】本開示の少なくとも1つの実施例に係る対向基板の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確、かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得る全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0032】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、何らかの順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。「備える」又は「含む」などの類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は部材が、該用語の後に列挙される素子又は部材、及びそれらの同等物をカバーするが、他の素子又は部材を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」などの類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかに関わらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すことのみに用いられ、説明対象の絶対位置が変化すると、該相対位置関係もそれに応じて変化する可能性がある。
【0033】
現在、狭額縁は、徐々に表示装置、特に携帯電話などの携帯型表示装置の設計及び製造の主流となっている。狭額縁を実現する手段の1つは、指紋認識機能を有する画像センサを表示装置に統合し、ディスプレイ内指紋認識方式を実現し、表示装置の表示領域の面積を大きくし、さらに画面占有率を高めることである。
【0034】
たとえば、点光源、線光源又は所定のパターンを有する光源などを画像センサの感光光源として使用し、指紋認識を行うことができる。また、光源と画像センサの設置方式は複数種があり、たとえば、光源は画像センサの指紋タッチ領域に近接する側に設けられてもよく、又は、光源は画像センサと同じ平面内に設けられてもよく、さらに又は、光源は画像センサの指紋タッチ領域から離れる側に設けられてもよい。光源と画像センサの設置方式は異なる必要に応じて選択して設定することができる。
【0035】
以下、点光源を画像センサの感光光源とし、かつ光源が画像センサの指紋タッチ領域に近接する側に設けられることを例とし、指紋認識原理を説明するが、これは本開示の実施例を限定しない。
【0036】
反射型光学式指紋認識装置では、指紋認識プロセスで、図1Aに示すように、点光源L1が発光するとき、放出された光は異なる角度で指紋押圧インタフェース(たとえば、ガラススクリーンの外面)に照射され、指紋押圧インタフェースの全反射作用により、これらの光の、入射角が全反射の臨界角θ以上である部分は全反射作用を有し、この部分の光が指紋押圧インタフェースから射出できなくなり、全反射領域を生成させる。それに対応し、これらの光の、入射角が全反射の臨界角θよりも小さい部分は指紋押圧インタフェースから射出される。従って、全反射領域で反射した光によってテクスチャ画像を収集することができ、たとえば、画像センサが位置する指紋イメージングインタフェースのB1で鮮明なテクスチャ画像を形成し、該テクスチャ画像は指紋のF1に位置する部分に対応し、F1は全反射領域であり、B1はイメージング領域である。
【0037】
具体的には、たとえば、ユーザーの指の指紋が全反射領域F1に押圧されると、指紋の隆起は全反射領域F1の表面に触れるため、指紋の隆起に対応する位置の全反射条件は破壊され、従って、光が該対応する位置で射出され、元の反射経路が変更され、指紋の谷間が全反射領域F1の表面に触れないため、指紋の谷間に対応する位置の全反射条件は破壊されず、従って、光が該対応する位置で依然として全反射され、元の反射経路が変更されない。このように、全反射領域の光について、指紋の谷間、隆起が全反射条件に対して異なる影響を与えるため、指紋イメージングインタフェースに入射された光は異なる位置で明暗のテクスチャ画像を形成する。
【0038】
また、指紋押圧インタフェースから射出されて指紋などによって反射された光により干渉され、又は光源から放出された光が指紋押圧インタフェースに到達する前に他の機能層によって指紋イメージングインタフェースに反射されるため、指紋イメージングインタフェースのA1は検出無効領域になり、該領域は有効なテクスチャ画像を形成できない。無効領域A1では、光源L1から放出された光のうち、指紋押圧インタフェースに到達する前に他の機能層によって指紋イメージングインタフェースに反射された部分及び指紋押圧インタフェースによってほぼ垂直に反射された部分は、輝度が高く、基本的に無効領域A1の中心位置に位置し、それにより高輝度領域を形成し、該高輝度領域の光の輝度が高いため、画像センサアレイの対応する部分で大きな光電信号を生成し、残像領域とも呼ばれる残像を形成しやすくする。
【0039】
たとえば、図1Bは点光源のイメージング範囲を示す図である。図1Bに示すように、点光源の感光範囲内で、有効イメージング範囲はリング状であり、すなわち、図1Bでは、内円11と外円12との間のリング状領域は有効イメージング範囲であり、図1Aの全反射領域F1に対応するイメージング領域B1に対応し、該リング状の内円11以内の領域(以下、リング中心10と呼ばれる)は無効イメージング領域であり、図1Aの無効領域A1に対応し、リング中心10内部の領域の一部(陰領域)13は高輝度領域(残像領域)であり、該高輝度領域は、イメージングプロセス中に画像センサアレイに残像を形成しやすくする。
【0040】
同様に、図1Cは線光源のイメージング範囲を示す図である。図1Cに示すように、線光源の有効イメージング範囲は、内円21と外円22との間のレーストラック形状のリング状領域又は長楕円形状のリング状領域であり、リング中心20は無効イメージング領域であり、リング中心10内部の領域の一部(陰領域)23は、イメージングプロセス中に画像センサアレイに残像を形成しやすくする高輝度領域(残像領域)である。
【0041】
また、指紋認識プロセスで、光源から放出された光が画像センサによってセンシングされ得る以外、画像センサが指などによって入射された周囲光をセンシングする可能性もある。画像センサによる光の受信は受動的であるため、光源アレイから放出された光を周囲光と能動的に区別せず、従って、周囲光は画像センサの指紋認識を干渉する可能性があり、テクスチャイメージがぼやけており、ひいてはイメージングできなくなる。いくつかの実施例では、テクスチャイメージング装置に遮光素子を設けて周囲光を遮断し、かつ強光による画像センサのテクスチャ認識への影響を回避するが、該遮光素子は、周囲光をフィルタリングする際にテクスチャ認識に使用される信号光に影響を与え、信号光の強度を確保する際に周囲光のフィルタリング効果が制限され、両者を両立させることは困難になる。
【0042】
また、テクスチャ認識装置のタッチ面に偏光板がある場合、偏光板も信号光に影響を与え、テクスチャ認識画像の照度分布が不均一になり、一部の領域のテクスチャが鮮明になり、一部の領域のテクスチャがぼやけており、ひいては区別できないという現象が発生している。
【0043】
本開示の少なくとも1つの実施例は、光源アレイと、画像センサアレイと、遮光層とを備えるテクスチャ認識装置を提供する。該光源アレイは複数の光源を備え、画像センサアレイは複数の画像センサを備え、複数の画像センサは、複数の光源から放出されてテクスチャによって複数の画像センサに反射された光を受信してテクスチャ画像を収集するために構成され、複数の画像センサは第1画像センサを備え、遮光層は画像センサアレイの光入射側に位置し、遮光層の光源アレイが位置する平面での正投影は複数の光源のうち隣接する2つの光源の間に位置し、遮光層の画像センサアレイが位置する平面での正投影は複数の画像センサと少なくとも部分的に重なる。遮光層には少なくとも1つの開口部があり、少なくとも1つの開口部は、複数の光源から放出されてテクスチャによって反射された光が通過することを許容するように構成され、少なくとも1つの開口部は第1開口部を備え、第1開口部の画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は第1画像センサの少なくとも一側に位置する、又は第1画像センサと重なる。該テクスチャ認識装置は、信号光の強度を確保するとともに、周囲光の干渉を低減させ、かつ強光を回避し、それによりテクスチャ認識装置のテクスチャ認識精度を向上させることができる。
【0044】
本開示の少なくとも1つの実施例は対向基板を提供し、該対向基板はアレイに配置された複数の透光領域を有し、遮光層を備え、遮光層は、隣接する2つの透光領域の間に設けられ、複数の透光領域を画定することに用いられ、遮光層は、光が透過することを許容するように、少なくとも1つの開口部を備える。該対向基板は、テクスチャ認識機能を有する表示パネルなどのテクスチャ認識装置に使用でき、それにより信号光の強度を確保するとともに、周囲光の干渉を低減させ、かつ強光を回避し、さらにテクスチャ認識装置のテクスチャ認識精度を向上させる。
【0045】
以下、いくつかの具体的な実施例を参照しながら、本開示の実施例に係るテクスチャ認識装置及び対向基板を詳細、かつ非限定的に説明する。
【0046】
図2Aは本開示のいくつかの実施例に係るテクスチャ認識装置の断面模式図であり、図3Aは該実施例に係るテクスチャ認識装置の平面模式図であり、図2Aは、たとえば図3AのA-A線に沿って切断された図である。
【0047】
たとえば、図2A及び図3Aに示すように、テクスチャ認識装置はタッチ側112(図1Aではテクスチャ認識装置の上側として示される)を有し、光源アレイと、画像センサアレイと、遮光層201とを備え、該テクスチャ認識装置は、テクスチャ(たとえば、指紋又は掌紋)の収集に使用でき、それによりテクスチャ認識に使用される。
【0048】
たとえば、光源アレイは複数の光源101を備え、これらの光源101は所定の領域内にアレイに配置される。画像センサアレイは複数の画像センサ102を備え、複数の画像センサ102は、複数の光源101から放出されてテクスチャによって複数の画像センサ102に反射された光を受信してテクスチャ画像を収集するために構成され、複数の画像センサ102は第1画像センサ1021を備え、すなわち、複数の画像センサ102のうちの1つ又は複数は、以下の説明において第1画像センサ1021と呼ばれる。遮光層201は画像センサアレイの光入射側(図面では画像センサアレイの上側として示される)に設けられ、遮光層201の光源アレイが位置する平面での正投影は複数の光源101のうち隣接する2つの光源101の間に位置し、遮光層201の画像センサアレイが位置する平面での正投影は複数の画像センサ102と少なくとも部分的に重なる。遮光層201には少なくとも1つの開口部2011があり、少なくとも1つの開口部2011は、複数の光源101から放出されてテクスチャによって反射された光が通過することを許容するように構成され、少なくとも1つの開口部2011は第1開口部2011Aを備え、第1開口部2011Aの画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は第1画像センサ1021の少なくとも一側に位置する、又は第1画像センサ1021と重なる。
【0049】
たとえば、いくつかの実施例では、遮光層201には複数の第1開口部2011Aがあり、複数の第1開口部2011Aは複数の画像センサ102と一対一で対応し、かつ対応して設けられた1つの第1開口部2011Aと1つの画像センサ102において、該第1開口部2011Aの画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は画像センサ102の少なくとも一側に位置する、又は画像センサ102と重なる。該テクスチャ認識装置の遮光層201は、少なくとも一部の周囲光を遮断し、強光の悪影響を低減させるとともに、遮光層の少なくとも1つの開口部2011を利用して画像センサの有効イメージング用の信号光を透過することができ、それにより該テクスチャ認識装置は、周囲光及び強光の干渉を低減させるとともに、信号光の強度を確保し、さらにテクスチャ認識装置のテクスチャ認識精度を向上させることができる。
【0050】
たとえば、いくつかの実施例では、対応して設けられた1つの第1開口部2011Aと1つの画像センサ102については、第1開口部2011Aの画像センサアレイが位置する平面での正投影と画像センサ102の重なり面積は、該画像センサが画像センサアレイが位置する平面で占める面積の50%よりも小さく、たとえば、60%又は70%などよりも小さく、すなわち、遮光層201の画像センサアレイが位置する平面での正投影と1つの画像センサ102の重なり面積は、該画像センサ102が画像センサアレイが位置する平面で占める面積の50%よりも大きく、たとえば、60%又は70%などよりも大きい。それにより、開口部2011を有する遮光層201は、周囲光及び強光の干渉を低減させ、信号光の強度を確保することができる。
【0051】
図2Aに示すように、テクスチャを有する指などの操作体がテクスチャ認識装置のタッチ側112に触れると、光源101から放出された光は操作体によって反射され、たとえば、光が遮光層201の開口部2011を透過して画像センサ102に到達し、画像センサ102はこれらの光を感知して、操作体のテクスチャ画像を収集することができる。
【0052】
上記したように、テクスチャを有する操作体は手であってもよく、このとき、画像センサ102によって認識されたテクスチャは、指紋、掌紋などの皮膚テクスチャであり、また、テクスチャを有する操作体は、樹脂などの材料で作られた所定のテクスチャを有する物体など、所定のテクスチャを有する非生体であってもよく、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0053】
たとえば、いくつかの実施例では、画像センサアレイは光源アレイのタッチ側112から離れる側に設けられてもよい。たとえば、他の実施例では、画像センサアレイは光源アレイと同じ層に配置されてもよく、たとえば、画像センサアレイが備えた複数の画像センサ102は、光源アレイが備えた複数の光源101と同じ層に間隔をおいて配置される。さらにたとえば、光源アレイは画像センサアレイのタッチ側から離れる側に形成されてもよく、このとき、光源101から放出された光は隣接する画像センサ102の隙間から射出されてテクスチャによって画像センサ102に反射され得る。またたとえば、画像センサアレイは、検出チップとして個別に製造されて、該テクスチャ認識装置の一方側に取り付けられてもよい。
【0054】
本開示の実施例は、画像センサアレイ及び光源アレイの配置方式を具体的に限定せず、複数の画像センサ102が光源101から放出されてテクスチャによって画像センサ102に反射された光を受信してテクスチャの収集に使用することを実現できればよい。
【0055】
たとえば、いくつかの実施例では、図4Aに示すように、テクスチャ認識装置は、たとえばディスプレイ内テクスチャ認識機能を有する表示装置であり、それに対応して表示パネルを備える。たとえば、図4Aに示すように、表示パネルはアレイ基板100を備え、アレイ基板100はベース基板110、及びベース基板110に設けられたサブ画素アレイを備え、サブ画素アレイは複数のサブ画素111を備え、たとえば、光源アレイはサブ画素アレイを備え、複数の光源101は複数のサブ画素111を備える。それにより、表示パネルのサブ画素アレイは光源アレイとして実装することに用いられ、複数のサブ画素111は複数の光源101として実装することに用いられる。すなわち、表示パネルの少なくとも一部のサブ画素111は光源101として多重化され、従って、表示装置のコンパクト性を向上させ、各機能構造の配置難度を低減させることができる。
【0056】
たとえば、複数のサブ画素111のうちの1つ又は複数は同時に点灯(発光)され、所定の形状の感光光源を形成することに用いられ、たとえば点状光源、線状光源又は他のパターン化された光源を形成する。たとえば、いくつかの例では、7×7のアレイに配置された(すなわち、7行7列のアレイに配置される)複数のサブ画素111は同時に点灯され、点状感光光源を形成することに用いられ、たとえば、8×8のアレイに配置された(すなわち、8行8列のアレイに配置される)複数のサブ画素111は間隔をおいて点灯され、低輝度の点状感光光源を形成することに用いられ、さらにたとえば、3×7のアレイに配置された(すなわち、3行7列のアレイに配置される)複数のサブ画素111は同時に点灯され、線状感光光源などを形成することに用いられる。
【0057】
たとえば、表示パネルの表示領域全体のサブ画素111はいずれも光源101として多重化されるように制御することができ、画像センサアレイも対応して表示領域全体の下方に配置され、それにより全画面テクスチャ認識を実現することができる。
【0058】
たとえば、他のいくつかの実施例では、ディスプレイ内テクスチャ認識機能を有する表示装置は表示パネルと、個別に提供されるテクスチャ認識を実現する感光光源となる発光素子とを備え、これらの発光素子は、たとえば、サブ画素アレイのうち隣接するサブ画素の間に設けられ、又はサブ画素と重なって設けられ、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0059】
たとえば、表示基板の各サブ画素111は、発光デバイス111A、及び該発光デバイス111Aを駆動するための画素駆動回路を備え、発光デバイス111Aは陰極、陽極、及び陰極と陽極との間の発光層を備え、画素駆動回路はスイッチング素子111B(たとえば、薄膜トランジスタ)及びストレージキャパシタ(図示せず)などを備える。たとえば、各画像センサ102はセンシング素子102A、及び該センシング素子102Aを駆動するためのスイッチング素子102B(たとえば、薄膜トランジスタ)を備える。たとえば、複数の画像センサ102と複数のサブ画素111は、同じアレイ基板100に半導体プロセスによって共に形成され得る。たとえば、サブ画素アレイ又はサブ画素アレイの一部が光源アレイとして多重化される場合、画像センサ102の信号スイッチ102Bとサブ画素のスイッチング素子111Bは同じプロセスで共に形成され、それにより製造プロセスを簡素化し、コストを削減し、装置の厚さを薄くすることができる。
【0060】
たとえば、いくつかの実施例では、複数のサブ画素111の発光デバイス111Aから放出できる光の色が異なり(たとえば、それぞれ赤色光、青色光、及び緑色光を放出できる)、遮光層201の発光デバイス111Aが位置する平面での正投影は隣接する発光デバイス111Aの発光領域Dの間に位置する。それにより、表示パネルはカラー表示を実現でき、遮光層201は複数のサブ画素111の発光デバイス111Aから放出された光のクロストークを発生させることを防止し、さらに表示パネルの表示品質を向上させることができる。
【0061】
たとえば、いくつかの実施例では、図2B及び図5に示すように、表示パネルはフィルタ層202をさらに備えてもよく、フィルタ層202はサブ画素アレイのベース基板110から離れる側に位置する。たとえば、フィルタ層202は、それぞれ異なる色の光が透過することを許容する複数のフィルタパターン2021を備え、遮光層201は隣接するフィルタパターン2021の間に設けられる。
【0062】
たとえば、複数のサブ画素111によってそれぞれ放出された光の色が異なる場合、複数のフィルタパターン2021は複数のサブ画素111と一対一で対応して設けられ、かつ対応して設けられた1つのフィルタパターン2021と1つのサブ画素111において、該サブ画素111が放出できる光の色は該フィルタパターン2021を透過可能な光の色と同じであり、それにより各サブ画素111から射出された単色光の純度を向上させることができる。たとえば、他のいつくかの実施例では、複数のサブ画素111はいずれも白色光を放出でき、該白色光はそれぞれ異なる色の光が透過することを許容する複数のフィルタパターン2021を透過した後、それぞれカラー単色光(たとえば、赤色光、青色光、及び緑色光)を形成し、さらにカラー表示を実現する。
【0063】
本開示の上記実施例では、フィルタ層202及び遮光層201は表示パネルで一般的に使用される偏光板を代替することができ、それにより光の透光率を向上させ、光損失を低減させ、このとき、表示パネルに偏光板が設けられなくてもよく、偏光板によるテクスチャ認識に使用される信号光の干渉を回避し、さらにテクスチャ認識精度を向上させることができる。
【0064】
たとえば、いくつかの実施例では、図4Aに示すように、表示パネルはサブ画素アレイのベース基板110から離れる側に設けられたカプセル化層105をさらに備え、遮光層201はカプセル化層105のベース基板110から離れる側に設けられる。たとえば、いくつかの実施例では、表示パネルは遮光層201と同じ層に設けられたフィルタ層202をさらに備え、遮光層201はフィルタ層202の隣接するフィルタパターン2021の間に設けられる。図2B及び図4Bに示すように、このとき、遮光層201及びフィルタ層202はカプセル化層105のベース基板110から離れる側に設けられる。たとえば、表示パネルの製造プロセスで、遮光層201及びフィルタ層202はカプセル化層105に直接製造され得る。
【0065】
たとえば、図4Bに示すように、各サブ画素の画素駆動回路が備えたスイッチング素子111Bは薄膜トランジスタであってもよく、活性層、ゲート、ソース及びドレインなどの構造を備える。たとえば、各画像センサ102のスイッチング素子102Bは薄膜トランジスタであってもよく、活性層、ゲート、ソース及びドレインなどの構造を備える。たとえば、スイッチング素子111B及びスイッチング素子102Bは同じ層に設けられてもよく、すなわち、製造プロセスで同じ材料層を使用して同じパターニングプロセスによって形成され、それにより表示パネルの製造プロセスを簡素化する。たとえば、画像センサ102のスイッチング素子102Bは隣接するサブ画素のスイッチング素子111Bの間に設けられ、画像センサ102のセンシング素子102Aは隣接するサブ画素の発光デバイス111Aの間に設けられる。それにより、画像センサ102を表示パネルに統合する。
【0066】
たとえば、他のいつくかの実施例では、表示パネルはアレイ基板100に対向して設けられた対向基板をさらに備え、遮光層201は対向基板に設けられる。対向基板は接着層を介してアレイ基板100に結合される。たとえば、アレイ基板100及び対向基板はそれぞれ独立して製造された基板であり、かつ位置合わせして設けられて表示パネルを形成する。たとえば、図5に示される実施例では、フィルタ層202及び遮光層201はいずれも対向基板200に設けられてもよく、対向基板200は接着層203を介してアレイ基板100に結合される。
【0067】
たとえば、該表示パネルは有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)表示パネル又は量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diodes、QLED)表示パネルなどであってもよく、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。OLED表示パネルは、たとえばフレキシブルOLED表示パネルであってもよい。たとえば、OLED表示パネル及びQLED表示パネルは自発光特性を有し、かつ表示画素ユニットの発光をさらに必要に応じて制御又は変調でき、それによりテクスチャ収集に利便性を与え、装置の集積度を向上させることに役立つ。
【0068】
たとえば、表示パネルは、サブ画素アレイに加えて、電気信号(走査信号、データ信号、検出信号などを含む)を提供するための信号線(ゲート線、データ線、検出線などを備える)をさらに備え、たとえば、駆動回路によって発光デバイスの発光状態を制御することにより、サブ画素の点灯を実現することができる。たとえば、表示パネルには保護カバープレート400がさらにあり、保護カバープレート400の表面にはタッチ側112が形成される。保護カバープレート400は、ガラス、ポリイミドなどの透明材料である。たとえば、いくつかの実施例では、表示パネルは、タッチ層、偏光板層などの機能層をさらに有し、これらの機能層は、光学透明接着剤(OCA接着剤)を介して表示パネルに結合され得る。
【0069】
たとえば、図4A図4B及び図5に示すように、表示パネルはベース基板110に設けられた画素定義層103、スペーサー104及びカプセル化層105などの構造をさらに備えてもよい。画素定義層103は複数のサブ画素を定義することに用いられ、スペーサー104はシール空間を形成することに用いられ、カプセル化層105はアレイ基板100をカプセル化することに用いられ、たとえば、カプセル化層105は複数の無機カプセル化層と有機カプセル化層の積層を含んでもよい。
【0070】
指紋認識プロセスで、光源アレイから放出された光が画像センサアレイによってセンシングされ得る以外、画像センサアレイが指によって入射された周囲光をセンシングする可能性もある。該周囲光は画像センサの指紋認識を干渉する可能性がある。たとえば、周囲光が指の真上に照射されると、周囲光は指を透過して指内の生体組織を刺激して色素光を放出させ、該色素光は指紋認識を干渉する可能性がある。検出により、該色素光は主に600nm以上の波長の光を含む。
【0071】
たとえば、いくつかの実施例では、画素定義層103はさらに、600nmを超える波長の光をフィルタリングでき、たとえば600nm~900nmの波長の光をフィルタリングできるように構成される。たとえば、画素定義層103の材料は有色染料がドープされた有機樹脂材料を含み、それにより画素定義層103は600nm~900nmの波長の光に対して所定のフィルタリング効果を有する。該有色染料は、たとえば、ブロマミン誘導体などを含む。それにより、遮光層201と画素定義層103の連携により、信号光の通過を確保するとともに、周囲光及び強光による画像センサの影響を回避し、テクスチャ認識精度を向上させることができる。
【0072】
たとえば、他のいつくかの実施例では、使用される画像センサ102は、900nm以上の波長の赤外光に応答しない可能性があり、従って周囲光/色素光による画像センサの干渉をさらに回避することができる。
【0073】
たとえば、いくつかの実施例では、画像センサ102は、電荷結合装置(CCD)画像センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ、又はフォトダイオード(たとえば、PINフォトダイオードなど)などの様々な適当なタイプの画像センサであってもよい。必要に応じて、該画像センサ102は、たとえば、特定の波長の光(たとえば、赤色光又は緑色光)のみを感知することができ、全ての可視光を感知することもできる。
【0074】
たとえば、図4A図4B及び図5に示される実施例では、画像センサ102はPINフォトダイオードであってもよく、該PINフォトダイオードは、積層して設けられたP型半導体層(たとえば、P型Si層)、真性半導体層(たとえば、真性Si層)、及びN型半導体層(たとえば、N型Si層)を備える。たとえば、該PINフォトダイオードは半導体プロセスによってアレイ基板100に直接形成されてもよい。たとえば、図4Bに示すように、画像センサ102の上下両側にはそれぞれ電極102C、102Dが設けられ、画像センサ102を駆動して回路接続を行うことに用いられる。
【0075】
たとえば、いくつかの実施例では、遮光層201は黒色光吸収材を含み、それによりブラックマトリックスの形態で形成され、遮光効果を実現する。
【0076】
たとえば、いくつかの実施例では、図3Aに示すように、遮光層201の開口部2011、たとえば第1開口部2011Aは、閉鎖又は非閉鎖リング状である。たとえば、該リング状は、正方形のリング状(図3Aに示される状況)又は円形のリング状(たとえば、一般的には、円形のリング状又は楕円形のリング状、図3Cに示される状況)などであってもよく、本開示の実施例は第1開口部2011Aの具体的な形状を限定しない。たとえば、第1開口部2011Aの画像センサアレイが位置する平面での正投影の少なくとも一部は第1画像センサ1021を取り囲む。たとえば、図3Aに示される例では、第1開口部2011Aの画像センサアレイが位置する平面での正投影は、閉鎖リング状であり、かつ第1画像センサ1021を完全に取り囲む。
【0077】
たとえば、図3Aに示すように、遮光層201はリング状のリング中心に位置する中間遮光パターン2012を備え、中間遮光パターン2012の画像センサアレイが位置する平面での正投影は第1画像センサ1021と少なくとも部分的に重なる。たとえば、いくつかの例では、中間遮光パターン2012の画像センサアレイが位置する平面での正投影は第1画像センサ1021と完全に重なり、すなわち、中間遮光パターン2012と第1画像センサ1021の形状やサイズはいずれも同じであり、又は、いくつかの例では、中間遮光パターン2012の画像センサアレイが位置する平面での正投影は第1画像センサ1021の内部に位置し、たとえば、中間遮光パターン2012は第1画像センサ1021の縁部に沿って等比例で縮小され、又は、いくつかの例では、第1画像センサ1021の遮光層201での正投影は中間遮光パターン2012の内部に位置し、たとえば、中間遮光パターン2012は第1画像センサ1021の縁部に沿って等比例で拡大される。このとき、図4A及び図5に示すように、中間遮光パターン2012は第1画像センサ1021の真上に位置し、周囲光を遮断することができ、画像センサ102が強光にさらされることも回避でき、また、遮光層201の第1開口部2011Aは有効イメージングに使用できる信号光を透過することができ、それにより画像センサ102のテクスチャ収集に使用される。
【0078】
たとえば、いくつかの実施例では、中間遮光パターン2012と第1画像センサ1021の平面形状は同じである。たとえば、図3Aに示される実施例では、中間遮光パターン2012の平面図形は全体として長方形であり、第1画像センサ1021の平面形状は中間遮光パターン2012の平面図形と同じであり、長方形でもある。
【0079】
たとえば、いくつかの例では、中間遮光パターン2012の前記画像センサアレイが位置する平面での正投影と前記画像センサ1021の重なり面積は50%以上である。
【0080】
たとえば、図3AのX方向に、中間遮光パターン2012及び第1画像センサ1021のサイズが小さく、このとき、図6Aに示すように、有効イメージングに使用できる信号光は第1画像センサ1021の各部に十分に入射できる。たとえば、図3AのY方向に、中間遮光パターン2012及び第1画像センサ1021のサイズが大きく、このとき、図6Bに示すように、有効イメージングに使用できる信号光が第1画像センサ1021の中間部分に入射されることは困難である。
【0081】
たとえば、いくつかの実施例では、図3B及び図7Aに示すように、中間遮光パターン2012は複数の遮光ユニット2012Aを備えてもよく、各遮断ユニット2012Aは正方形であり、隣接する2つの遮光ユニット2012Aの間にはサブ開口部2013があり、第1開口部2011はサブ開口部2013を備える。それにより、有効イメージングに使用できる信号光は各方向から第1開口部2011(サブ開口部2013を備える)を通過して第1画像センサ1021に十分に入射でき、第1画像センサ1021のテクスチャ収集に使用される。
【0082】
なお、本開示の実施例では、構造設置又は製造精度などの理由により、各遮断ユニット2012Aのパターンは標準の正方形から外れている可能性があり、従って、長さと幅のサイズ差が20%の範囲内の矩形又は面取りを有する正方形などは、いずれも本開示の実施例で説明される「正方形」と見なされる。
【0083】
たとえば、いくつかの実施例では、第1画像センサ1021自体は分割して設計することができる。たとえば、図7Bに示すように、第1画像センサ1021は複数の遮断ユニット2012Aと一対一で対応する複数の感知領域1021Aを備え、複数の感知領域1021Aは同じスイッチング素子によって制御され、同じ電極によって駆動され、1つの画像センサの機能を実現することに用いられる。たとえば、対応して設けられた1つの遮断ユニット2012Aと1つの感知領域1021Aについては、該遮光ユニット2012Aのベース基板110での正投影は該感知領域1021Aのベース基板110での正投影と少なくとも部分的に重なる。それにより、有効イメージングに使用できる信号光は各方向から第1開口部2011(サブ開口部2013を備える)を通過して第1画像センサ1021の各感知領域1021Aに十分に入射でき、第1画像センサ1021のテクスチャ収集に共に使用される。
【0084】
たとえば、いくつかの実施例では、中央遮光パターン1012のサイズ及び開口部2011のサイズは計算して得られる。たとえば、図8に示すように、中間遮光パターン1012の半値幅をdとし、第1画像センサ1021の半値幅をdとし、中間遮光パターン1012の中心から中間遮光パターン1012に隣接する遮光層までの幅をdとし、遮光層201と画像センサアレイとの距離をhとした場合、
【数3】
【数4】
ここで、θcはテクスチャ認識のための光路の最小臨界角であり、θmはテクスチャ認識のための光路の最大臨界角である。たとえば、θcは保護カバープレート400の屈折率によって決められ、θcは保護カバープレート400の全反射臨界角であり、たとえば、1つの例では、保護カバープレート400の屈折率は1.53であり、全反射臨界角θcは約41°である。たとえば、θmは信号光の強度及び第1画像センサ1021の感度によって決められ、たとえば、いくつかの例では、θmは60°~80°、たとえば70°である。上記式に基づいて、中間遮光パターン1012の半値幅がdであり、このとき、開口部2011の幅がd-dであると計算することができる。
【0085】
なお、中間遮光パターン1012の平面形状が長方形である場合、中間遮光パターン1012の半値幅dは該長方形の断面位置での長さ又は幅の半分であり、中間遮光パターンの平面形状が円形である場合、中間遮光パターンの半値幅は該円形の断面位置での半径であり、中間遮光パターンの平面形状が楕円形である場合、中間遮光パターンの半値幅は該楕円形の長軸又は短軸の半分である。第1画像センサ1021の半値幅dは同様である。
【0086】
たとえば、製品パラメータを確定する場合、中央遮光パターン1012の半値幅を上記算出された半値幅d以上にすることができ、中央遮光パターン1012の半値幅が大きいほど、中央遮光パターン1012の遮光能力は強くなるが、中央遮光パターン1012はより多くの信号光を遮断する可能性がある。中間遮光パターン1012の中心から中間遮光パターン1012に隣接する遮光層までの幅を、上記算出されたd以下にすることができ、中間遮光パターン1012の中心から中間遮光パターン1012に隣接する遮光層までの幅が小さいほど、信号光の強度も弱くなる。
【0087】
たとえば、いくつかの実施例では、中間遮光パターン1012の平面図形が全体として長方形である場合、計算により、中間遮光パターン1012の半値幅を6μm~18μmの範囲内にすることができる。このとき、遮光層201は、少なくとも一部の周囲光を効果的に遮断し、強光の悪影響を低減させることを実現できるとともに、信号光の強度を確保することもできる。たとえば、1つの例では、光源アレイと画像センサアレイとの距離は約1mmであり、第1画像センサ1021の半値幅dは約10μmであり、遮光層201と画像センサアレイとの距離hは約23μmであり、計算された中央遮光パターンの半値幅dが約10μmであり、このとき、中央遮光パターン1012の半値幅を10μm以上にすることができる。
【0088】
たとえば、他のいつくかの実施例では、遮光層201の開口部2011(たとえば、第1開口部2011A)はストリップ状又はブロック状であってもよい。たとえば、図9Aに示すように、遮光層201は、対応する隣接する光源101(又は隣接するサブ画素111)の間に少なくとも1つの(図面では3つ示される)ストリップ状又はブロック状の開口部2011を有し、それにより信号光が通過して画像センサ102に到達することを許容する。
【0089】
たとえば、図9Aに示される実施例では、遮光層201は隣接する2行及び隣接する2列の光源101(又はサブ画素111)の間に対応して設けられ、それによりメッシュ状の遮光層201を形成する。たとえば、他のいつくかの実施例では、図9Bに示すように、遮光層201は隣接する2列の光源101(又はサブ画素111)の間にのみ対応して設けられてもよく、それによりストリップ状の遮光層201を形成し、該ストリップ状の遮光層201は、対応する隣接する光源101(又は隣接するサブ画素111)の間に少なくとも1つの開口部2011を有する。さらにたとえば、いくつかの実施例では、図9Cに示すように、遮光層201は隣接する光源101(又は隣接するサブ画素111)の間にブロック状で分散して設けられてもよく、かつ対応する隣接する光源101(又はサブ画素111)の間に少なくとも1つの開口部2011を有する。
【0090】
なお、上記行及び列の定義は交換可能であり、たとえば、図面のテクスチャ認識装置が回転すると、光源101(又はサブ画素111)の行及び列も変化する。
【0091】
本開示の実施例は遮光層201及び遮光層201の開口部2011の設置方式を具体的に限定せず、該遮光層201は、少なくとも一部の周囲光を遮断し、強光の悪影響を低減させる効果を果たし、かつ遮光層201の開口部2011は有効イメージングに使用できる信号光が通過することを許容すればよい。異なって設けられた遮光層201及び遮光層201の開口部2011が少なくとも一部の周囲光及び強光を遮断し、及び信号光が通過することを許容する程度は異なる。たとえば、相対的には、図9Aの実施例は、周囲光をより十分に遮断し、強光を回避することができるが、一部の信号光を遮断する可能性があり、図9Cの実施例は一部の周囲光を遮断し、強光を回避することができるが、信号光が通過することを十分に許容する。従って、表示パネル自体の構造及び異なる必要に応じて遮光層201及び遮光層201の開口部2011を設計することができる。
【0092】
たとえば、いくつかの実施例では、表示パネルはタッチ層をさらに備えてもよく、該タッチ層は、タッチ検出機能を有するように構成され、たとえば、タッチセンサを備え、本開示の実施例はタッチセンサのタイプを限定せず、たとえば、抵抗型、容量型、表面音波型などであってもよく、ここで詳細な説明が省略される。たとえば、図5に示すように、タッチ層300は遮光層201のベース基板110から離れる側に位置する。それにより、タッチ層が外付けされた表示パネルを実現する。該表示パネルは、遮光層201と、フィルタ層201とを有し、従って、偏光板が設けられていない場合、光の透光率を向上させ、光損失を低減させることができ、また、表示パネルには偏光板が設けられていない場合、偏光板によるテクスチャ認識の信号光の干渉を回避し、さらにテクスチャ認識精度を向上させることができる。
【0093】
たとえば、他のいつくかの実施例では、表示パネルがフィルタ層を有さない場合、図4Aに示すように、表示パネルは偏光板301をさらに備えてもよく、タッチ層300は遮光層201のベース基板110から離れる側に位置し、偏光板301はタッチ層300のベース基板110に近接する側(図面に示される状況)又はベース基板110から離れる側に設けられる。それにより、タッチ層が外付けされた表示パネルを実現することができる。
【0094】
たとえば、他のいつくかの実施例では、図10に示すように、タッチ層300は遮光層201のベース基板110に近接する側に位置し、このとき、タッチ層300は、たとえば、アレイ基板100と対向基板200との間に設けられる。それにより、タッチ層が内蔵された表示パネルを形成する。たとえば、タッチ層300は、第1方向Xに沿って配置された第1タッチ電極301、及び第2方向Yに沿って配置された第2タッチ電極302を備え、第1方向は第2方向と垂直であり、ベース基板100と垂直な方向に、第1タッチ電極及び第2タッチ電極の少なくとも開口部2011と重なる部分は透明である。それにより、タッチ層300はテクスチャ認識に使用される信号光の伝播に影響を与えることはない。
【0095】
たとえば、図11Aに示される実施例では、第1タッチ電極301及び第2タッチ電極302の材料は透明導電性材料である。それにより、第1タッチ電極301及び第2タッチ電極302は全体として透明である。たとえば、透明導電性材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明金属酸化物などを含む。
【0096】
たとえば、図11Bに示される実施例では、図10を参照し、第1タッチ電極301は、複数の金属配線部3011、及び少なくとも1つの透明配線部3012を備え、透明配線部3012は隣接する2つの金属配線部3011を電気的に接続し、透明配線部3012のベース基板110での正投影は開口部2011のベース基板110での正投影と少なくとも部分的に重なる。たとえば、第2タッチ電極302は、複数の金属配線部3021、及び少なくとも1つの透明配線部3022を備え、透明導電部3022は隣接する2つの金属配線部3021を電気的に接続し、透明配線部3022のベース基板110での正投影は開口部2011のベース基板110での正投影と少なくとも部分的に重なる。それにより、第1タッチ電極301及び第2タッチ電極302の開口部2011と重なる部分は透明であり、従ってテクスチャ認識に使用される信号光の伝播に影響を与えることはない。
【0097】
たとえば、金属配線部3011、3021の材料は、銅、モリブデン、アルミニウムなどの金属材料又はそれらの合金であり、透明配線部3012、3022の材料は、ITO、IZOなどの透明金属酸化物などの透明導電性材料である。
【0098】
なお、図11A及び図11Bに示される平面図は、第1タッチ電極301及び第2タッチ電極302の表示パネルにおける相対位置のみを示し、具体的な構造を示していない。
【0099】
本開示の少なくとも1つの実施例は対向基板をさらに提供し、図12Aは該対向基板の断面模式図であり、図13は該対向基板の平面模式図であり、図12Aは、たとえば図13のB-B線に沿って切断された図である。
【0100】
図12A及び図13に示すように、該対向基板200はアレイに配置された複数の透光領域211を有し、対向基板200がアレイ基板と位置合わせすることに用いられる場合、複数の透光領域211は複数のサブ画素から放出された光を透過させることに用いられる。対向基板200は遮光層201を備え、遮光層201は、隣接する2つの透光領域211の間に設けられ、複数の透光領域2011を画定することに用いられる。たとえば、遮光層201は少なくとも1つの開口部2011を備え、たとえば、複数の開口部2011を備え、それにより光が透過することを許容する。
【0101】
たとえば、いくつかの実施例では、遮光層201の開口部2011はリング状、ストリップ状又はブロック状であってもよく、具体的な形態は、図3A図3C及び図9A図9Cなどを参照すればよく、ここで詳細な説明が省略される。
【0102】
たとえば、いくつかの実施例では、対向基板200はカラーフィルム基板であり、図12Bに示すように、該カラーフィルム基板は、複数の透光領域211にそれぞれ位置する複数のフィルタパターン2021を備え、複数のフィルタパターンはそれぞれ異なる色の光が透過することを許容し、このとき、遮光層201は隣接する2つのフィルタパターン2021の間に設けられる。該カラーフィルム基板がアレイ基板と位置合わせされて表示パネルを形成することに用いられる場合、該表示パネルには偏光板を設ける必要がなく、さらに偏光板による該表示パネルのテクスチャ認識への悪影響を回避することができ、かつ本開示の実施例は上記カラーフィルム基板に結合されるアレイ基板の具体的な構造及びタイプを限定しない。
【0103】
以下の点を説明する必要がある。
【0104】
(1)本開示の実施例の図面は本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
【0105】
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するための図面において、層又は領域の厚さは拡大又は縮小され、すなわち、これらの図面は実際の比例に応じてレンダリングされるものではない。理解できるように、層、フィルム、領域又は基板などの素子が、別の素子の「上」又は「下」に位置すると記載される場合、該素子は、別の素子の「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、又は中間素子が存在してもよい。
【0106】
(3)矛盾がない限り、本開示の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0107】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、本開示の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0108】
10 リング中心
11 内円
12 外円
13 一部(陰領域)
20 リング中心
21 内円
22 外円
23 一部(陰領域)
100 ベース基板
100 アレイ基板
101 光源
102 電極
102 画像センサ
103 画素定義層
104 スペーサー
105 カプセル化層
110 ベース基板
111 サブ画素
112 タッチ側
200 対向基板
201 遮光層
202 フィルタ層
203 接着層
211 透光領域
300 タッチ層
301 第1タッチ電極
302 第2タッチ電極
400 保護カバープレート
1012 中間遮光パターン、中央遮光パターン
1021 第1画像センサ
2011 開口部
2012 中間遮光パターン
2013 サブ開口部
2021 フィルタパターン
3011 金属配線部
3012 透明配線部
3021 金属配線部
3022 透明配線部
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13