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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】コーヒー豆を焙煎するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A23N 12/08 20060101AFI20241001BHJP
   F24F 8/158 20210101ALI20241001BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20241001BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20241001BHJP
   A23F 5/04 20060101ALI20241001BHJP
   B03C 3/017 20060101ALI20241001BHJP
   B01D 50/00 20220101ALI20241001BHJP
【FI】
A23N12/08 A
F24F8/158
F24F8/108 310
F24F8/192
A23F5/04
B03C3/017 Z
B01D50/00 501Z
B01D50/00 501A
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021572511
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2020067201
(87)【国際公開番号】W WO2020254635
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】19181452.4
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19216237.8
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】モレンド, ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】チェカロリ, ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】デュビエフ, フラヴィアン フローラン
(72)【発明者】
【氏名】デグリーフ, トーマス, ルディー, エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ダイク, ベン
(72)【発明者】
【氏名】レメンス, リエン, デニス, エム.
(72)【発明者】
【氏名】セリス, ミシェル, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン バヴァンショーヴ, クリストフ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0072018(US,A1)
【文献】特開平11-075796(JP,A)
【文献】特開昭60-030641(JP,A)
【文献】特表2016-529888(JP,A)
【文献】特開平11-056321(JP,A)
【文献】米国特許第06051266(US,A)
【文献】特表2001-522593(JP,A)
【文献】特表2007-514418(JP,A)
【文献】特開2009-148606(JP,A)
【文献】特開2009-030850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-15/12
A23F 3/00- 5/50
A47J 27/00-27/13
A47J 27/20-29/06
A47J 31/00-36/42
G07F 13/00-15/12
B01D 50/00
B03C 3/017
F24F 8/108
F24F 8/158
F24F 8/192
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を焙煎するためのシステム(100)であって、
煙を生成する焙煎装置(1)と、
前記焙煎装置によって生成された煙を収集して処理するように構成された煙処理ユニット(2)と、
を備え、
前記焙煎装置が、煙出口(11)を備え、
前記煙処理ユニットが、
煙を収集するように構成された煙入口(21)と、
少なくとも活性炭フィルタ(221)を備える煙フィルタリングサブユニット(22)と、
前記煙入口から前記煙処理ユニットの出口(25)へ前記煙処理ユニットを通って煙を流通させるように構成された煙ドライバ(23)と、
を備え、
前記システムが、前記煙フィルタリングサブユニット(22)内部の前記煙の温度を制御するために、前記焙煎装置(1)によって生成された前記煙を周囲空気と混合するように構成された空気入口デバイス(24)を備え
前記空気入口デバイス(24)が、前記煙フィルタリングサブユニット(22)の上流の位置に配置されている、システム(100)。
【請求項2】
前記煙フィルタリングサブユニット(22)が、少なくとも1つの追加のフィルタ(222、223)を備え、前記追加のフィルタが加熱なしで動作する、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記煙フィルタリングサブユニット(22)が、HEPAフィルタ(222)と、電気集塵装置(223)と、前記活性炭フィルタ(221)と、を連続的に備える、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記空気入口デバイス(24)が、前記煙処理ユニット(2)内部の同じ点に空気と煙の両方を導入するように配置及び設計されている、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記煙処理ユニット(2)が、前記煙処理ユニット内部の温度を監視するように構成された少なくとも1つの温度センサ(26)を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記空気入口デバイス(24)が、
前記焙煎装置の前記煙出口(11)と前記煙処理ユニットの前記煙入口(21)との間に延在する第1の壁(241)と、
前記壁を貫通する少なくとも1つの孔(240)と、
を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記空気入口デバイス(24)の前記第1の壁(241)が、前記焙煎装置の前記煙出口(11)を前記煙処理ユニットの前記煙入口(211)に接続する少なくとも2つのロッドからなり、
2つの隣り合うロッド間に延在する空間が1つの孔(240)を画定する、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記空気入口デバイスの前記第1の壁の輪郭の1つの区域(244)のみが、前記少なくとも1つの孔(240)を備える、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記空気入口デバイス(24)が、外壁(242)を備え、前記外壁は、前記少なくとも1つの孔(240)を備える前記第1の壁(241)の少なくとも一部を取り囲んでおり、前記第1の壁前記外壁は、間隙(245)によって分離されている、請求項からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記空気入口デバイス(24)が、前記第1の壁(241)に備えられた前記少なくとも1つの孔(240)のサイズを調節するための少なくとも1つのサイズ調整手段(246)を備える、請求項からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムが、前記サイズ調整手段(246)を制御するための少なくとも1つの作動デバイス(247)を備え、前記システムは、前記作動デバイス(247)を制御するように動作可能な制御システム(3)を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記煙処理ユニット(2)が、前記煙処理ユニット内部の温度を監視するように構成された少なくとも1つの温度センサ(26)を備え、前記制御システム(3)が、少なくとも前記煙処理ユニット内部の前記監視温度に基づいて、前記少なくとも1つのサイズ調整手段の前記少なくとも1つの作動デバイス(247)を制御するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御システムが、少なくとも前記煙処理ユニット内部の前記監視温度に基づいて、前記煙処理ユニットの前記作動デバイス(247)及び前記煙ドライバ(23)を制御するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御システムが、少なくとも前記少なくとも1つの孔(240)のサイズに基づいて、前記煙処理ユニットの前記煙ドライバ(23)を制御するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの孔のサイズが固定されており、前記煙処理ユニット(2)が、前記煙処理ユニット内部の温度を監視するように構成された少なくとも1つの温度センサ(26)を備え、前記システムが、前記煙処理ユニットの前記煙ドライバ(23)を制御するように動作可能な制御システム(3)を備え、前記制御システム(3)が、前記温度センサによって提供された前記温度の測定値に基づいて前記煙ドライバ(23)を制御するように構成されている、請求項からのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記空気入口デバイス(24)が、前記焙煎装置(1)の一部、若しくは前記煙処理ユニット(2)の一部である、又は前記焙煎装置及び前記煙処理ユニットに接続可能な別個のデバイスである、請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
コーヒー豆焙煎装置の煙出口(11)と、前記焙煎装置によって生成された煙を収集して処理するように構成された煙処理ユニットの煙入口(21)とを接続するために、請求項1に記載のシステムにおいて使用するデバイス(24)であって、前記デバイスは、前記煙処理ユニット(2)内部で前記焙煎装置(1)によって生成された煙(S1)に周囲空気(A)を導入して混合するように構成されており、前記デバイス(24)が、
前記焙煎装置の前記煙出口(11)と前記煙処理ユニットの前記煙入口(21)との間に延在する第1の壁(241)と、
前記壁を貫通する少なくとも1つの孔(240)と、
を備える、デバイス(24)。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムにおいて使用する、煙出口(11)を備えるコーヒー豆焙煎装置(1)であって、前記装置が、前記煙出口(11)に接続された空気入口デバイス(24)を備え、前記デバイス(24)が、
前記焙煎装置の前記煙出口(11)から外へ延在する第1の壁(241)と、
前記壁を貫通する少なくとも1つの孔(240)と、
を備える、コーヒー豆焙煎装置(1)。
【請求項19】
焙煎装置によって生成された煙を収集して処理するように構成された煙処理ユニット(2)であって、前記煙処理ユニットは、
煙を収集するように構成された煙入口(21)と、
少なくとも活性炭フィルタ(221)を備える煙フィルタリングサブユニット(22)と、
前記煙入口から前記煙処理ユニットの出口(25)へ前記煙処理ユニットを通って煙を流通させるように構成された煙ドライバ(23)と、
を備え、
前記煙処理ユニットが、前記煙が前記煙フィルタリングサブユニット(22)を通って流通する前に、前記煙を周囲空気と混合するように構成された空気入口デバイス(24)を備える、煙処理ユニット(2)。
【請求項20】
前記空気入口デバイス(24)が前記煙入口(211)に接続されており、前記デバイス(24)が、
前記煙入口(21)から外へ延在する第1の壁(241)と、
前記壁を貫通する少なくとも1つの孔(240)と、
を備える、請求項19に記載の煙処理ユニット(2)。
【請求項21】
請求項1から16のいずれか一項に記載のシステムを用いてコーヒー豆を焙煎し、前記豆の前記焙煎中に生成された前記煙をフィルタリングする方法であって、前記煙フィルタリングサブユニット(22)内部の前記煙の前記温度を制御するために、前記煙処理ユニット内の周囲空気の量を適合させるように、前記煙処理ユニットの前記煙ドライバ(23)が制御される、方法。
【請求項22】
記煙処理ユニットの前記煙ドライバ(23)が、前記活性炭フィルタ(221)における前記煙の温度を最大で65℃にするために、前記煙内に、ある量の周囲空気を導入するように制御される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項10から15のいずれか一項に記載のシステムを用いてコーヒー豆を焙煎し、前記豆の前記焙煎中に生成された前記煙をフィルタリングする方法であって、前記煙フィルタリングサブユニット(22)内部の前記温度を制御するために、前記空気入口デバイスの前記第1の壁に備えられた前記少なくとも1つの孔(240)のサイズを調節する工程を含む、方法。
【請求項24】
温度を低下させるために前記少なくとも1つの孔(240)の前記サイズを大きくする、又は前記温度を上昇させるために前記少なくとも1つの孔(240)の前記サイズを小さくする、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全な環境でコーヒー豆を焙煎するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー豆の焙煎は、周知のプロセスである。主要工程は、豆を所望の焙煎レベルに加熱し、次いで加熱された豆を冷却又は急冷して焙煎を停止することからなる。加熱中、煙が放出される。この煙には、安全かつ所望の成分、特に通常の焙煎コーヒーアロマが、全て一緒に含まれるだけでなく、ピリジン、2-フランメタノール、カフェインフルフラール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの望ましくない安全性の低い揮発性有機化合物(volatile organic compounds、VOC)VOC、及び粒子状物質(PM2.5、PM10)も含まれる。
【0003】
重要な量の焙煎豆を生産する製造現場で焙煎が実施される場合、一般に安全でない成分を捕捉することに対する全ての条件が供給される。
【0004】
しかし最近は、顧客が焙煎したての豆で淹れたコーヒーを消費することが可能な店舗、レストラン及びコーヒーにおいて、小さなロースターで小バッチの焙煎を実施する傾向がある。ロースターは、新鮮さ及び上演効果の利点を提供するだけでなく、店舗の内部又はコーヒーに心地よい焙煎コーヒーアロマを送出する。
【0005】
しかし、上述したように、有害な成分も放出される。ロースターが店舗、コーヒー又はレストランのような閉鎖的な環境で使用される場合、部屋のサイズ、部屋の換気に応じて、一部の成分の放出が有害となり得る。その部屋で数時間作業する人々にとって、ロースターの煙を嗅ぐことは、健康問題につながる可能性がある。
【0006】
その結果、このような環境では、店舗内に存在する人々の健康問題を回避するために、ロースターからの煙の放出を停止することが推奨される。既存の解決策は、煙の成分を捕捉又は破壊するために、触媒コンバータ及び/又は電気集塵装置を使用して、フィルタリングすることからなる。
【0007】
煙を処理するために使用される解決策のタイプによっては、煙の高温は煙処理デバイスに有害作用を及ぼすことがある。特に、活性炭で作製されたフィルタは、フィルタモジュール内に高い頻度で配置される。ある温度を超える温度を示す煙がフィルタを横切る場合、このタイプのフィルタは、損傷するか、又は正しく動作しないことがある。
【0008】
逆に、フィルタリング解決策が300℃を超える温度で操作される触媒コンバータである場合、高温な煙を必要とすることがある。
【0009】
既存の解決策では、フィルタ解決策に煙を推進するようにファンが頻繁に使用され、このファンは、店舗又はレストランのような公共の場において望ましくない多くの騒音を作り出すことがある。
【0010】
本発明の目的は、フィルタリング解決策によって処理された後に、コーヒー豆のロースターによって送出された煙の温度を制御する問題に対処することである。
【0011】
本発明の目的は、コーヒー豆のロースターによって送出された煙の熱から活性炭のようなフィルタを保護する問題に対処することである。
【0012】
別の目的は、あまり騒音を生成しない解決策を提供することである。
【発明の概要】
【0013】
本発明の第1の態様では、コーヒー豆を焙煎するためのシステムが提供され、システムは、
煙を生成する焙煎装置と、
焙煎装置によって生成された煙を収集して処理するように構成された煙処理ユニットと、
を備え、
焙煎装置は、煙出口を備え、
煙処理ユニットは、
煙を収集するように構成された煙入口と、
煙フィルタリングサブユニットと、
集煙デバイスから煙処理ユニットの出口へ煙処理ユニットを通って煙を流通させるように構成された煙ドライバと、を備え、
システムは、煙フィルタリングサブユニット内部の煙の温度を制御するために、焙煎装置によって生成された煙を周囲空気と混合するように構成された空気入口デバイスを備える。
【0014】
このシステムは、第1に、豆を加熱して焙煎する焙煎装置、第2に、コーヒー豆の焙煎中に第1の焙煎装置内部で生成された煙を処理するように構成された煙処理ユニットである、2つの装置によるコーヒー豆の焙煎に関する。
【0015】
この2つの装置は、1つの単一の主システムのサブパートであり得、あるいは、この2つの装置は、焙煎プロセス中に一緒に連携する分離されたモジュールとして考えられ得る。
【0016】
任意のタイプの焙煎装置を使用することができる。焙煎装置では、コーヒー豆を加熱し、好ましくは混合して、豆を通して加熱を均質化する。
【0017】
加熱源は、天然ガス、液化石油ガス(LPG)、又は更には木材によって供給されるバーナー(燃焼を意味する)であってもよい。あるいは、熱源は、電気抵抗器、セラミックヒータ、ハロゲン源、赤外線源、又はマイクロ波源であってもよい。
【0018】
好ましくは、加熱源は、電気的に給電され、これにより、焙煎中に生成される空気汚染物質は、コーヒー豆自体の加熱からのみ生成される汚染物質であって、加熱源が天然ガス、プロパン、液化石油ガス(LPG)、又は更には木材を使用するガスバーナであるときに生じるような、ガスの燃焼からのものではない。
【0019】
焙煎操作中の豆の混合は、熱風の流動層を用いて、又は撹拌ブレード若しくは回転ドラムを用いて機械的に得ることができる。
【0020】
好ましくは、焙煎装置は、熱風流動層チャンバである。このようなチャンバ内で、加熱された空気は、豆を持ち上げるのに十分な力で、コーヒー豆の下のスクリーン又は多孔板を通して押し出される。熱は、豆がこの流動床内でタンブリングし、流通するにつれて、豆に伝達される。
【0021】
あるいは、焙煎装置は、加熱された環境においてコーヒー豆がタンブリングされるドラムチャンバであってもよい。ドラムチャンバは、水平軸に沿って回転するドラムからなることができ、又はドラムチャンバは、加熱された環境においてコーヒー豆をタンブリングさせるための撹拌ブレードを備えることができる。
【0022】
焙煎装置は、焙煎操作中に生成された煙を排出することができる出口を備える。
【0023】
システムの煙処理ユニットは、焙煎装置の煙出口と連携し、煙入口を通って煙を収集するように構成された煙入口を備える。
【0024】
システムの煙処理ユニットは、煙フィルタリングサブユニットを備える。このサブユニットは、煙が含有する有害な汚染物質を低減又は排除するために煙を処理する。
【0025】
このサブユニットは、
汚染物質熱酸化を可能にするアフターバーナー、又は触媒アフターバーナーなどの、装置内部の汚染物質を破壊する能動的処理ユニット、
又は
機械的フィルタ(金属ふるい若しくは紙フィルタ)、活性炭フィルタ、又は電気集塵装置のような、装置内部の汚染物質を保持する受動的処理ユニット、
又は
汚染物質を部屋からそらすユニット(部屋の外側に接続されたダクトなど)、
又は、上記ユニットの組み合わせを備えることができる。
【0026】
アフターバーナーは、COやCOのような汚染物質を、一般に700℃を超える非常に高い温度で熱酸化し、灰に変換する。
【0027】
触媒アフターバーナーは、酸化銅のナノ粒子、酸化鉄のナノ粒子、及び典型的には白金族(白金、パラジウム、ロジウム)の1つ以上の金属などの貴金属を含有する触媒含浸剤でコーティングされたセラミック基材を含む。触媒アフターバーナーの操作は、アフターバーナーよりも低い温度を必要とし、温度は、一般に300℃~500℃である。好都合には、必須ではないが、煙が触媒コンバータに送られる前に、煙は、一般に触媒コンバータから出てくる煙が供給された熱交換器によって予熱される。
【0028】
フィルタは、通常、揮発性有機化合物(VOC)、炭化水素及び粒子状物質(particulate matter、PM)を保持することができる。煙処理ユニットは、特定の汚染物質を保持する能力に応じて、いくつかのフィルタを備えることができる。VOC及び炭化水素を捕集するように構成されたフィルタは、好ましくは、活性炭フィルタ又はチャコールフィルタである。粒子状物質を捕集するように構成されたフィルタは、好ましくは高効率粒子アキュムレータ(high efficiency particulate accumulator、HEPA)フィルタ、金属フィルタ(例えば、超微細のスチールウールメディアフィルタ)である。電気集塵装置を使用して、PM及びVOCを捕集することができる。
【0029】
好ましい一実施形態では、煙フィルタリングサブユニットは、少なくとも活性炭フィルタを備えることができる。このタイプのフィルタは、揮発性有機化合物(VOC)を吸着する。このフィルタは、温度に関して特定の操作条件を必要とする。
【0030】
通常、この活性炭フィルタは、65℃より低い温度を必要とする。このような温度を超えると、活性炭フィルタは、これらの化合物を保持する代わりに、VOCを発生させることがある。
【0031】
好ましくは、この活性炭フィルタは、少なくとも50℃の温度で操作される。このような温度を下回ると、効率的なフィルタリングは、活性炭フィルタ内での煙のより長い滞留時間を必要とし、低温及び長い滞留時間の管理は、実施が困難な場合がある。
【0032】
この好ましい実施形態では、煙フィルタリングサブユニットは、通常、少なくとも1つの追加のフィルタを備え、この追加のフィルタは加熱なしで動作する。少なくとも1つの追加のフィルタは、以下のような、VOC以外の少なくとも他のタイプの汚染物質を保持することを目的とする。
【0033】
2.5μmを超えるサイズを有する大きな粒子状物質(PM)。このタイプの粒子状物質は、HEPAフィルタ(高効率粒子アキュムレータ)によって捕捉することができる。このタイプの大きな粒子状物質は、白色プルーム煙及び小粒子であり得る。
【0034】
超微細スチールウールメディアフィルタ又は金属メッシュによって捕集され得るチャフの微粉、
小さな粒子状物質(PM2.5)。これらの粒子は、電気集塵装置によって捕集され得る。
【0035】
好ましくは、煙フィルタリングサブユニットは、煙処理ユニット内部の煙の流れ方向に応じて、粒子状物質を除去するための少なくとも1つのフィルタ、及び次いで活性炭フィルタを連続的に備える。この順序は、活性炭フィルタが粒子状物質によって塞がれることを防止する。
【0036】
好ましくは、電気集塵装置が実装される場合、それは物理的に活性炭フィルタの下に配置される。その結果、例えば、煙処理ユニットの洗浄及び/又はメンテナンス中に電気集塵装置をオフにされたとき、重力によって電気集塵装置から落下する粒子は、活性炭フィルタ上に落下しない。
【0037】
好ましい一実施形態によれば、煙フィルタリングサブユニットは、煙処理ユニット内部の煙の流れの移動に応じて、HEPAフィルタ、電気集塵装置、次いで活性炭フィルタと、を連続的に備える。
【0038】
好ましくは、この実施形態内では、活性炭フィルタは、物理的に電気集塵装置の上に配置される。したがって、煙は、連続するデバイスを通って上向きに導入される。
【0039】
煙は、集煙デバイスから煙処理ユニットの出口へ煙処理ユニットを通って煙を流通させるように構成された煙ドライバによって、煙処理ユニット及び異なるフィルタの内部で推進される。出口では、汚染物質が捕集されているので、室内の雰囲気内に安全に煙を放出することができる。
【0040】
煙ドライバは、一般に煙を出口に推進するファンである。
【0041】
好ましくは、ファンは、煙処理ユニットの出口に隣接して配置される。その結果、ファンは、処理されていない煙によって汚染されず、そのメンテナンスがより容易になる。
【0042】
煙処理ユニットは、好ましくは活性炭フィルタの後に配置された、VOCセンサ及び/又はPMセンサを備えることができる。VOC又はPMのレベルが特定の所定レベルを迂回する場合、警告を提供することができる。
【0043】
システムは、煙フィルタリングサブユニット内部の煙の温度を制御するために、焙煎装置によって生成された煙を周囲空気と混合するように構成された空気入口デバイスを備える。
【0044】
周囲空気は、システムが設置されている部屋から直接取り込まれ得る。
【0045】
通常、この空気入口デバイスは、煙フィルタリングサブユニットの上流の位置に配置され、煙フィルタリングサブユニットが活性炭フィルタを備える場合には、その活性炭フィルタの上流に配置される。
【0046】
したがって、活性炭フィルタによって処理する前に、煙を周囲空気と混合し、これは40℃より低い、通常は25℃より低い温度を有する空気であり、煙出口から収集された煙の温度を低下させる効果がある。焙煎装置の煙出口における温度は通常65℃超に達するが、更に周囲空気と混合すると、煙フィルタリングサブユニット内部の活性炭フィルタの誤動作を回避するために、煙の温度を低下する。
【0047】
煙処理ユニットの空気入口は、活性炭フィルタにおける煙の温度を十分に低下させるために、煙内に大量の周囲空気を導入するように設計することができる。この設計は、空気量対煙量の比を部分的に決定して、所望の温度に到達することができる。この比率は、以下に詳述するように煙ドライバの電力を調整することによって制御することもできる。
【0048】
好ましくは、煙処理ユニットは、そのユニット内部の温度を監視するように構成された少なくとも1つの温度センサを備える。煙処理ユニットが活性炭フィルタを備える場合、少なくとも1つの温度センサが、その活性炭フィルタの前に配置される。温度センサは、特定の温度範囲内で操作を必要とするこの活性炭フィルタに近い煙の温度の制御を可能にする。温度センサを使用して、温度が操作範囲外である場合に警告を提供することができる。
【0049】
一実施形態では、空気入口デバイスは、煙処理ユニット内部の同じ点に空気と煙の両方を導入するように配置及び設計される。煙処理ユニット内部の1つの単一点において空気と煙とを同時に導入することにより、これらの両方のガスの流れは煙処理ユニット内部で同様に方向決めされ、このユニット内部でそれらを推進するために必要な力は、それらが煙処理ユニットの異なる点で異なる方向に導入された場合よりも重要ではない。
【0050】
特に、煙ドライバが、通常、煙処理ユニットの出口に隣接して配置されたファンである場合、ファンの速度は、煙処理ユニットの周りに過度の騒音を作り出さない範囲に留めることができる。
【0051】
好ましくは、空気入口は、煙入口を取り囲むように設計される。この設計は、焙煎装置と煙処理ユニットとの間の接続部において、煙が室内に逃げることを防止する利点を有する。
【0052】
好ましくは、空気入口デバイスは、
焙煎装置の煙出口と煙処理ユニットの煙入口との間に延在する第1の壁と、
その壁を貫通する少なくとも1つの孔と、を備える。
【0053】
第1の壁は、焙煎装置の煙出口と煙処理ユニットの煙入口との接続を可能にし、その2つの装置の間に煙を誘導する。少なくとも1つの孔は、周囲雰囲気へのアクセスを提供し、第1の壁によって形成された通路内部に空気を導入することを可能にする。通常、孔は、平らな壁に穿孔された開口である。
【0054】
その結果、煙が煙処理ユニットに誘導され、空気が導入され、かつ同時に混合される。
【0055】
一般に、孔の数及びサイズは、システムの煙ドライバ部の最低速度に対する空気量対煙量の最小比を提供するように設定される。通常、空気量/煙量の最小比は、約1である。
【0056】
この最小比率は通常、特に焙煎装置が流体層を生成するための空気ドライバを備える場合、焙煎操作中に焙煎装置内部の圧力に影響を与え、焙煎操作に直接影響を与える可能性がある、焙煎装置の煙出口と煙処理ユニットの煙入口との間の接続が過密でないことを保証する。
【0057】
煙処理ユニットの煙ドライバによって抽出される流量(特に煙ドライバのファンの速度)を適合させることにより、所定の最小流量からこの流量を正確に増加させることによって、この空気量対煙量の最小比を増加させることができる。
【0058】
この比率は、焙煎装置のタイプ(例えばロースターが、重要な量の煙を生成し得る、煙出口の設計)、煙処理ユニットのタイプ(このユニットが低温で操作されなければならない場合は大流量の空気を意味し、逆に高温では少量の空気を意味する)を考慮することによって定義することができる。
【0059】
特定の実施形態では、空気入口デバイスの第1の壁は、焙煎装置の煙出口を煙処理ユニットの煙入口に接続する少なくとも2つのロッドと、1つの孔を画定する2つの隣り合うロッド間に延在する空間と、からなり得る。
【0060】
空気入口デバイスの一実施形態では、少なくとも1つの孔はメッシュによって覆われ得る。メッシュは保護性があり、周囲空気の導入を制限することなく、大きなサイズの埃、昆虫又は指のような小片の導入を防止する。
【0061】
一実施形態では、空気入口デバイスの第1の壁の輪郭の1つの区域のみが、少なくとも1つの孔を備える。
【0062】
第1の壁の輪郭の1つの特定区域における孔(単数又は複数)の位置は、デバイスに入る空気の流れを安定させるために、システムの周囲の特定領域から周囲空気を導入することを可能にする。この構成は、ドアの頻繁な開放、顧客の移動により、周囲空気が不規則にシステムの周囲を流れる場所,又は半開放の店舗及びカフェでシステムが使用される場合に特に有用である。全ての孔を備える区域を有する壁を設け、周囲空気の移動がより安定している部屋の中でこの区域を方向付けることにより、煙処理ユニット内部の周囲空気の不規則な流れの導入を回避し、フィルタリングサブユニット内の煙の処理に影響を与えることができる。
【0063】
好ましくは、空気入口デバイスは、外壁を備え、その外壁は、少なくとも1つの孔を備える第1の壁の少なくとも一部を取り囲み、第1の壁及びその外壁は、間隙によって分離されている。
【0064】
この外壁は、1つ又はいくつかの孔を備える第1の壁の少なくとも一部を取り囲む。したがって、この外壁の位置は、孔の前に保護を提供し、空気がその孔を通って入る前に空気を安定化させる。
【0065】
好ましい一実施形態では、外壁は、第1の壁を完全に取り囲むリングである。
【0066】
この好ましい実施形態では、いくつかの孔が第1の壁内に設けられる場合、それらをその第1の壁の円周に沿って規則的に配置することができる。
【0067】
あるいは、外壁は、クレネルの各歯が第1の壁の孔に面するクレネルの形状を有することができる。
【0068】
一実施形態では、空気入口デバイスは、第1の壁に備えられた少なくとも1つの孔のサイズを調整するための少なくとも1つのサイズ調整手段を備える。
【0069】
したがって、孔(単数又は複数)の大きさに応じて、システム内で別の空気入口デバイスを使用する必要なしに、又は煙処理ユニットの煙ドライバによって抽出される流量を適合させる必要なしに、煙入口内部に導入される周囲空気の流量及び煙に対するその比率を調整することができる。
【0070】
あるいは、煙処理ユニット内部に導入された空気の量を制御するより柔軟な方法を提供するために、サイズ調整手段と煙ドライバによって駆動される流量(一般に煙ドライバのファンの速度)の両方を修正することができる。
【0071】
空気入口デバイスがその第1の壁にいくつかの孔を備える場合、サイズ調整手段は、空気入口デバイスの全ての孔のサイズを同時に適合させるように構成することができる、又は空気入口デバイスの各孔に対して、1つのサイズ調整手段を設けることができる。
【0072】
一般に、サイズ調整手段は、少なくとも1つの孔のサイズの調整を全開から全閉にすることを可能にする。
【0073】
全閉位置は、通常は焙煎装置の焙煎操作に対応しないシステムの特定の使用に対応する。実際には、上述したように、空気を導入するために開口された孔(単数又は複数)の不在は、特に焙煎装置が流体層を生成するための空気ドライバを備える場合、焙煎操作中に焙煎装置内部の圧力にインパクトを与え、焙煎操作に直接影響を与える可能性がある。更に、全閉位置は、以下に更に説明するように、システムの洗浄操作中に、特に煙処理ユニットのフィルタリングサブユニットの乾燥操作において、対象となり得る。
【0074】
1つの手動モードでは、サイズ調整手段は、システムの操作者によって手動で制御することができる。この手動制御はシステムの構成の工程で、例えば、特定の煙処理ユニットが特定の焙煎装置に関連付けられるときに、設定することができる。操作者は、2つの装置の仕様に基づいて、少なくとも1つの孔のサイズを固定して空気と煙の特定の比を可能にすることができる。
【0075】
例えば、焙煎操作中に、操作者は、過度の高温を回避し、煙と空気との混合物に空気の大部分を導入することにより、活性炭フィルタを備える煙処理ユニットの性能を向上させることを所望する場合がある。この設定は、システムに使用される特定の焙煎装置によって生成された煙の温度及び流量を考慮する。
【0076】
煙処理ユニットの別の洗浄操作では、操作者は、例えば、フィルタリングサブユニットの一部の湿潤部分を乾燥させるために、煙フィルタリングユニット内部に高温のガス流を導入することを所望する場合がある。このモードでは、最高温度が所望され、少なくとも1つの孔は、冷たい周囲空気と混合することなく、焙煎装置によって生成された高温ガスの利益を得るために、完全に閉鎖され得る。
【0077】
1つの自動モードでは、システムは、サイズ調整手段を制御するための少なくとも1つの作動デバイスを備えることができ、システムは、その作動デバイスを制御するように動作可能な制御システムを備える。
【0078】
そのモードでは、サイズ調整手段は、システムの制御システムによって制御されるモーターのような作動デバイスによって移動させられる。
【0079】
いくつかの孔が存在する場合、1つのサイズ調整手段及び1つの作動デバイスは、孔のサイズを同時に調節するように構成することができる。より複雑なシステムでは、異なるサイズ調整手段を設けることができ、それらのそれぞれ又はそれらの一部は、異なる作動デバイスによって移動させられる。この実装は、異なるタイプのシステム(異なる焙煎装置及び異なる煙処理ユニット)に対する空気入口デバイスのカスタマイズを、異なるタイプの部屋(上記に説明したような、部屋に応じた空気入口デバイスの第1の壁の1つの区域内における孔の閉鎖)で、異なるモード(焙煎、洗浄)に対して可能にする。
【0080】
この作動デバイスを制御する制御システムは、焙煎装置の制御システム、又は煙フィルタリングユニットの制御システムであり得る。
【0081】
自動モードの好ましい一実施形態では、煙処理ユニットは、そのユニット内部の温度を監視するように構成された少なくとも1つの温度センサを備えることができ、制御システムは、煙処理ユニット内部の少なくとも監視温度に基づいて、少なくとも1つのサイズ調整手段の少なくとも1つの作動デバイスを制御するように構成される。
【0082】
温度設定点に基づいて、少なくとも1つの孔のサイズを大きくすることによって煙処理ユニット内部の温度を低下させ、少なくとも1つの孔のサイズを小さくして煙処理ユニット内部の温度を上昇させて、煙処理ユニット内部の温度を制御することができる。
【0083】
この実装は、焙煎装置によって生成された煙の流れが一定でない場合に、特に有用であり得る。
【0084】
特に、コーヒー豆の焙煎操作中に、焙煎操作の開始時により少ない空気及び焙煎操作の終了時により多くの空気を導入するために、焙煎操作の開始から終了まで、少なくとも1つの孔のサイズを大きくことができる。実際に、焙煎操作の開始時に、豆の焙煎によって生成された煙は、焙煎操作の終了時よりも温度が低い。加えて、ある時間使用されていないシステムで焙煎操作が起こる場合、フィルタリングサブユニットの上流の部品などのこのシステムの内部部品は冷たく、煙がフィルタリングサブユニットに到達する前に、煙の熱を吸収する。したがって、その煙内に多くの周囲空気を導入する必要性は少ない。逆に、焙煎操作の終了時には、煙が特に高温であり、煙処理ユニット内部により多くの周囲空気を導入することが必要になる。
【0085】
好ましくは、上記制御システムは、煙処理ユニット内部の少なくとも監視温度に基づいて、煙処理ユニットの作動デバイス及び煙ドライバを制御するように構成される。
【0086】
煙ドライバの電力は、煙処理ユニット内部の空気をより多く又はより少なく推進し、それぞれ煙処理ユニット内部の温度をそれぞれ低下させる、又は上昇させるように調整することができる。この制御は、本質的に、特にファンの速度を適合させることによって、煙処理ユニット内部の煙の流量を適合させることからなる。
【0087】
特定の一実施形態では、制御システムは、空気入口デバイスの少なくとも1つの孔のサイズに基づいて、煙処理ユニットの煙ドライバを制御するように構成され得る。
【0088】
実際に、少なくとも1つの孔の大きさが特に小さくなると、煙処理ユニット内部のあるレベルの吸引を維持することで、上述したような焙煎装置内部の圧力の修正を作り出すことができる。したがって、焙煎操作中に、少なくとも1つの孔の開口部の所定のサイズ下で、煙を吸引する強すぎる力及び焙煎室内の圧力の変化をそれぞれ回避するために、煙ドライバの電力を自動的に低減することができる。
【0089】
煙ドライバは、ファンによって生成された騒音など、孔のサイズ以外の要因に基づいて制御することができる。
【0090】
システムがサイズ調整手段を備えず、少なくとも1つの孔のサイズが固定されている場合、好ましくは、煙処理ユニットは、そのユニット内部の温度を監視するように構成された少なくとも1つの温度センサを備え、制御システムは、温度センサによって提供された温度の測定値に基づいて煙処理ユニットの煙ドライバを制御するように構成される。
【0091】
通常、コントローラは、活性炭フィルタの位置で煙の温度を制御するように適合される。
【0092】
空気入口デバイスは、焙煎装置の一部、若しくは煙処理ユニットの一部であってもよく、又は焙煎装置及び煙処理ユニットに接続可能な別個のデバイスであってもよい。
【0093】
一部とは、空気入口デバイスが装置の一部として考えられることを意味する。
【0094】
空気入口デバイスは、焙煎装置の内部に完全に一体化され得る。その場合、空気入口デバイスは、その特定の焙煎装置によって生成された煙との所定の最小比で空気の流れを導入することができるように設計され得る。
【0095】
同様に、空気入口デバイスは、煙処理ユニットの内部に完全に一体化され得る。その場合、空気入口デバイスは、その煙処理ユニットによって効率的に処理されるために、特に煙ドライバの性能及びフィルタリングサブユニットの最適な操作温度を考慮して、煙との所定の最小比で空気の流れを導入することができるように設計することができる。
【0096】
最後の場合、空気入口デバイスは、焙煎装置及び煙処理ユニットのシステムをアップグレードために使用することができる別個のデバイスであり得る。
【0097】
第2の態様では、コーヒー豆焙煎装置の煙出口と、焙煎装置によって生成された煙を収集して処理するように構成された煙処理ユニットの煙入口とを接続するデバイスが提供され、そのデバイスは、煙処理ユニット内部で焙煎装置によって生成された煙に周囲空気を導入して混合するように構成され、そのデバイスは、
焙煎装置の煙出口と煙処理ユニットの煙入口との間に延在する第1の壁と、
その壁を貫通する少なくとも1つの孔と、を備える。
【0098】
好ましくは、このデバイスは、焙煎装置の煙出口と連携するように構成された境界面と、煙処理ユニットの煙入口と連携するように構成された境界面と、を備える。
【0099】
第3の態様では、煙出口を備えるコーヒー豆焙煎装置が提供され、この装置は、煙出口に接続された空気入口デバイスを備え、このデバイスは、
焙煎装置の煙出口から外へ延在する第1の壁と、
その壁を貫通する少なくとも1つの孔と、を備える。
【0100】
一実施形態では、空気入口デバイスは、煙処理ユニットの煙入口と連携するための境界面を備えることができる。
【0101】
第4態様では、煙処理ユニットは、焙煎装置によって生成された煙を収集して処理するように構成された煙処理ユニットが提供され、その煙処理ユニットは、
煙を収集するように構成された煙入口と、
煙フィルタリングサブユニットと、
集煙デバイスから煙処理ユニットの出口へ煙処理ユニットを通って煙を流通させるように構成された煙ドライバと、を備え、
煙処理ユニットは、煙が煙フィルタリングサブユニットを通って流通する前に、煙を周囲空気と混合するように構成された空気入口デバイスを備える。
【0102】
一実施形態では、空気入口デバイスは煙入口に接続することができ、そのデバイスは、
煙入口から外へ延在する第1の壁と、
その壁を貫通する少なくとも1つの孔と、を備える。
【0103】
一実施形態では、空気入口デバイスは、焙煎装置の煙出口と連携するための境界面を備えることができる。
【0104】
煙処理ユニットは、焙煎装置から独立したモジュールで、かつ異なるタイプの焙煎装置に接続可能であることを除いて、第1の態様で言及したものと同じ特徴を有する。
【0105】
第5の様態では、上述のようなシステムを用いて、コーヒー豆を焙煎し、その豆の焙煎中に生成された煙をフィルタリングする方法であって、煙フィルタリングサブユニット内部の煙の温度を制御するために、煙処理ユニット内の周囲空気の量を適合させるように、煙処理ユニットの煙ドライバが制御される方法が提供される。
【0106】
制御は、通常、空気流ドライバの電力、又は空気流ドライバのファンの速度を調整することからなる。
【0107】
煙処理ユニットが活性炭フィルタを備える場合、煙処理ユニットの煙ドライバは、活性炭フィルタにおける煙の温度を最大で65℃、好ましくは少なくとも50℃にするために、煙内に周囲空気の量を導入するように制御され得る。
【0108】
50℃未満の温度に到達するためには、煙の量に対する空気の量の高い比率が必要であり、これは煙ドライバのより高い電力、及び煙と空気の混合物のより高い流量を意味し、この混合物の活性炭フィルタとの短い接触時間につながる。この短い時間では、煙から全ての汚染物質を排除するのに十分でない場合がある。加えて、高電力及び高流量は、煙ドライバによってより多くの騒音を誘発し、これはシステムを室内に設置する場合に必ずしも望ましいとは限らない。このため、空気量を増加させる他の方法がない場合(特に空気入口の設計が固定されている場合)、活性炭フィルタにおける煙の温度を50℃より高く保つことが好ましい。
【0109】
一実施形態では、焙煎装置におけるコーヒー豆の焙煎中の、空気流ドライバの制御、及びそれに応じて煙処理ユニット内の温度は、煙処理ユニット内の温度の監視に基づくことができる。
【0110】
別の実施形態では、焙煎装置におけるコーヒー豆の焙煎中の、空気流ドライバの制御、及びそれに応じて煙処理ユニット内の温度は、焙煎装置内に実装された所定の焙煎プロファイルに基づいて予め決定することができる。
【0111】
第6の態様では、上記のような第1の壁に備えられた少なくとも1つの孔のサイズを調節するための少なくとも1つのサイズ調節手段を有する空気入口デバイスを備えるシステムを用いてコーヒー豆を焙煎し、その豆の焙煎中に生成された煙をフィルタリングする方法が提供され、その方法は、煙フィルタリングサブユニット内部の温度を制御するために、空気入口デバイスの第1の壁に備えられた少なくとも1つの孔のサイズを調節する工程を含む。
【0112】
好ましくは、煙処理ユニット内部の温度を低下させるために少なくとも1つの孔のサイズを大きくする、又は煙フィルタリングサブユニット内部の温度を上昇させるために少なくとも1つの孔のサイズを小さくする。
【0113】
更に、方法は、煙処理ユニットの内部の温度を調整するために、空気ドライバを制御する工程を含むことができる。
【0114】
一実施形態では、焙煎装置におけるコーヒー豆の焙煎中の、サイズの調整、及びそれに応じて煙処理ユニット内の温度は、煙処理ユニット内の温度の監視に基づくことができる。
【0115】
別の実施形態では、焙煎装置におけるコーヒー豆の焙煎中の、サイズの調整、及びそれに応じて煙処理ユニット内の温度は、焙煎装置内に実装された所定の焙煎プロファイルに基づいて予め決定することができる。
【0116】
本出願において、用語「フィルタ」は、ふるい分け、捕集、吸着、吸収、静電捕捉などのあらゆる物理的プロセスによって、煙から汚染物質を除去することができる任意のデバイスに関する。
【0117】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【0118】
本発明の特定の実施形態が、以下の図面を参照して、例として更にここで記載される。
【図面の簡単な説明】
【0119】
図1】システムを通る煙の経路を示す、本発明によるシステムの図である。
図2図1のシステムの収集デバイス及び空気入口の詳細図である。
図3】システムを通る煙の経路を示す、本発明による別のシステムの図である。
図4図3のシステムの収集デバイス及び空気入口の詳細図である。
図5】本発明による空気入口デバイスの異なる実施形態を示す。
図6】本発明による空気入口デバイスの異なる実施形態を示す。
図7A】本発明による空気入口デバイスの異なる実施形態を示す。
図7B】本発明による空気入口デバイスの異なる実施形態を示す。
図8】本発明による空気入口デバイスの異なる実施形態を示す。
図9】本発明による空気入口デバイスの異なる実施形態を示す。
図10】本発明による空気入口デバイスの異なる実施形態を示す。
図11】焙煎装置に対する煙処理ユニットの代替的な位置を示す。
図12】本発明によるシステムのコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0120】
焙煎するためのシステム
図1及び図2は、焙煎装置1及び煙処理ユニット2のシステムの例示的な図を示す。機能上、焙煎装置はコーヒー豆を焙煎するように動作可能であり、煙処理ユニットは、焙煎装置によって焙煎中に生成された煙を処理するように動作可能である。
【0121】
焙煎装置
焙煎装置1は、焙煎チャンバ12内部でコーヒー豆を受け入れ、焙煎するように動作可能である。
【0122】
好ましくは、焙煎装置1は焙煎チャンバ12を備え、この焙煎チャンバ12では、熱風の流れが導入されて、豆を撹拌及び加熱する。熱風流は、通常、空気流ドライバ及びヒータによって生成される。これらのデバイスは焙煎チャンバの下方に配置され、チャンバの底部を通じて熱風の流れを導入する。示した図では、チャンバの底部は、空気が通過することができるように構成されており、具体的には、豆が置かれ、それを通して空気が上向きに流れることができる多孔板であり得る。
【0123】
空気流ドライバは、容器の底部の方向に上向きに空気流を生成するように動作可能である。生成された流れは、豆を加熱し、撹拌して持ち上げるように構成される。その結果、豆は均質に加熱される。具体的には、空気流ドライバは、モーターを動力源とするファンであり得る。空気入口は、ハウジング内部に空気を供給するためにハウジングの基部内に設けることができ、空気流ドライバは、チャンバ12の方向にこの空気を吹き込む。
【0124】
ヒータは、空気流ドライバによって生成された空気の流れを加熱するように動作可能である。好ましくは、ヒータは、ファンと多孔板との間に配置された電気抵抗であり、その結果、空気の流れは、豆を加熱し、持ち上げるためにチャンバ12に入る前に加熱される。
【0125】
ヒータ及び/又はファンは、焙煎プロファイルを豆に適用するように動作可能であり、この焙煎プロファイルは、時間に対する温度の曲線として定義される。
【0126】
豆の焙煎は、図1の矢印S1で示すように、空気流ドライバによって生成された空気の流れによって焙煎チャンバの上部開口部121に駆動される煙を生成する。
【0127】
一般に、チャフコレクタは、チャンバの上部開口部121と流れ連通しており、焙煎中に豆から漸進的に分離し、それらの軽い密度によってチャフコレクタに吹き飛ばされるチャフを受け入れる。
【0128】
残りの煙は、焙煎装置の上部で煙出口11を通って排出される。
【0129】
煙処理ユニット
煙処理ユニット2は、焙煎装置の煙出口11で放出された煙S1を受け入れ、処理するように動作可能である。
【0130】
第1に、煙処理ユニット2は、煙を収集するように適合された煙入口21を備える。この煙入口21は、特に図2の分解図に示されており、収集デバイスは、焙煎装置の出口11から煙フィルタリングサブユニット22の方向に煙(点線S1、S2、S3)を誘導する内部空隙空間を形成する。図2では、煙収集デバイスの底部は、焙煎装置の煙出口11と緩く連携するように設計された孔211を備え、孔211は、焙煎装置の煙出口端部の断面よりもかなり大きいことが理解できる。一般に、集煙デバイスの底部は、固定手段なしに、焙煎装置の上部の上に単に設置される。これは、焙煎ユニット1と煙処理ユニット2とが2つの分離されたモジュールである場合に、特に実用的である。煙処理ユニット2は、任意の焙煎装置から容易に接続でき、又は焙煎装置から容易に分離することができる。この緩い連携は気密ではなく、特に焙煎が流動層で起こる場合、焙煎操作に影響を与える焙煎装置内の真空を生成しない。
【0131】
収集デバイスは、煙フィルタリングサブユニット22である煙処理ユニットの第2の部分に煙を導く誘導ダクト27と連携する煙出口212を備える。図示した実施形態では、誘導ダクト27は、異なるフィルタリングデバイスを底部から上部に通過させるために、煙を下向きに運ぶように設計されている。更に、図示されていない他の実施形態では、誘導ダクトは、煙を導いて異なるフィルタリングデバイスを上部から底部まで通過させるように設計することができる。
【0132】
図示した実施形態では、煙フィルタリングサブユニット22は、焙煎装置の近くに、脇に配置されている。図11に示すような他の実施形態では、煙フィルタリングサブユニット22は、離れた場所、例えば、焙煎装置1が置かれているカウンターの下に、配置することができる。そのような実施形態では、誘導ダクト27の形状は、煙処理ユニットの異なる部分間の接続を確立するように適合される。
【0133】
煙フィルタリングサブユニット22は、煙からVOCを除去するように適合された活性炭フィルタ221を備える。加えて、特に図示された実施形態では、煙フィルタリングサブユニット22は、大きな粒子状物質PM10をフィルタリングするように適合されたデバイス223(例えば、HEPAフィルタ)、及び小さな粒子状物質PM2.5をフィルタリングするように適合されたデバイス222(例えば、電気集塵装置)などの粒子状物質用フィルタを備える。好ましくは、粒子状物質を除去するためのデバイスは、活性炭フィルタの上流に配置される。この上流位置は、粒子状物質が活性炭フィルタを汚染しないことを保証する。
【0134】
物理的に、電気集塵装置は活性炭フィルタの下に配置され、電気集塵装置のスイッチが切られたときに活性炭フィルタ上に電気集塵装置から粒子が落ちるのを回避する。
【0135】
第3に、煙フィルタリングサブユニット22は、収集デバイスの入口211から、そこで汚染された煙が処理される煙フィルタリングサブユニット22を通して煙フィルタリングサブユニット22の出口25へと汚染された煙を吸引するための煙ドライバ23、一般的にはファン、を備え、出口で周囲雰囲気に安全に送出される。
【0136】
最後に、煙処理ユニットは、煙のために画定された通路に沿って、煙フィルタリングサブユニット22の上流にある、空気入口24を備える。図示した実施形態では、この空気入口24は、煙入口21に配置される。この空気入口は、粒子の進入を回避するためにグリッドによって最終的に保護される、周囲雰囲気に対する単純な開口部である。煙ドライバ23の吸入機能により、周囲空気の流れAが吸引され、煙処理ユニット22内部で煙S1と混合される。周囲空気の温度は一般に最大で40℃であり、これは焙煎装置の出口での煙の温度よりもはるかに低いため、得られるガス状混合物S2の温度は低下する。空気入口は、活性炭フィルタ221による煙の最適な処理を可能にする混合物S2の結果として得られる温度、好ましくは50~65℃の温度を可能にするように構成されている。
【0137】
空気入口の設計は、空気量対煙量の比を部分的に決定して、所望の温度に到達することができる。空気入口の固定された設計に基づいて、空気量対煙量の比はまた、煙と混合した空気の流れである煙ドライバの電力を調整することによって制御することができる。煙S1の流れは、焙煎装置のみによって制御されるので、煙ドライバの電力を増減させることは、空気入口を通じて導入される周囲空気Aの量のみに影響を与える。
【0138】
煙ドライバの電力による比率調整は、活性炭フィルタにおける温度を制御することを目的に管理される。加えて、以下のような他の二次的条件を考慮し得る。
【0139】
高流量での煙ドライバによって作り出される騒音。煙ドライバを高電力で実装することは、店舗環境では必ずしも望ましいとは限らない騒音環境を作り出す可能性があることに注意しなければならない。
【0140】
高流量でのフィルタとの煙の接触時間の減少。煙ドライバの高電力は、煙処理ユニットを通る煙の高流量を意味するので、これは、異なるフィルタ、具体的には活性炭フィルタ221内で、不十分な接触時間につながり、煙処理ユニットの出口25で雰囲気中の汚染物質を送出する効果を有する可能性がある。
【0141】
最後に、空気入口24の設計は、好ましくは以下のように定義される。
【0142】
上流の焙煎プロセスに影響を与えることがあるため、焙煎装置の煙出口11での圧力降下を制限するような設計。これは、十分に大きな空気入口を設けることによって得ることができ、
かつ
煙がこの空気入口24を通って周囲雰囲気に流れるのを防止するような設計。これは、この空気入口が大きすぎる場合に起こり得る。
【0143】
空気入口24は、活性炭フィルタ221の上流に留まる限り、煙入口21の下流に配置することができる。
【0144】
この煙の制御された温度の効果は、活性炭フィルタによる煙の効率的な処理であり、VOCの効率的な吸着を保証し、一般に65℃を超える高温での活性炭フィルタ自体によるVOCの放出を回避する。
【0145】
図3は、図1及び図2のシステムの変形を示し、このシステムは、煙入口21及び空気入口24はわずかに異なることを除いて、同じ焙煎装置1及び類似した煙処理ユニット2を備える。
【0146】
図4では、煙入口21と煙出口11との間の境界に、空気入口デバイス24が設けられていることが理解できる。煙ドライバ23の吸入機能により、周囲空気の流れAが吸引され、煙処理ユニット22内部の煙S1と混合される。このデバイス24は、焙煎装置によって生成された煙S1内に周囲空気(矢印Aで示す)を導入し、この空気とこの煙を煙処理ユニット2の内部で混合する。
【0147】
図3から気づき得るように、この空気入口デバイス24は、煙処理ユニット2内部に空気を導入することができる単一の手段である。焙煎装置の煙出口12と煙処理ユニットの煙入口11との間の境界に位置する空気入口デバイスの下流の煙処理ユニット内には、空気を導入するための他の空気入口又は他のデバイスは存在しない。
【0148】
この煙入口21は、特に図4に示されており、煙処理ユニットの上部上流側において、煙入口21は管端部で形成される。管は、煙フィルタリングサブユニット22の方向に、焙煎装置の出口11から煙(点線S1、S2)を誘導する。
【0149】
図4の図示した実施形態による煙処理ユニットと焙煎装置との間の境界の拡大図では、空気入口装置24は、煙出口11と煙入口21との間に延在し、それらを接続する第1の壁241を備える。この第1の壁は、4つの矢印Aで示すように、空気の導入を可能にするいくつかの孔240(この特定の実施形態では4つの孔であるが、図4の正面図では4つの孔のうち2つのみが見える)を備える。
【0150】
有利には、これらの孔は、焙煎チャンバ内部の任意の圧力効果を制限する好ましい効果と同時に、煙出口11の煙処理ユニットへの緩い接続を提供する。
【0151】
これらの孔240は、管の周囲に沿って煙入口21を取り囲む。その結果、これらの孔は、矢印Aで図示された垂直上方方向に沿って、煙S1と同様に図示された空気の導入を可能にする。煙処理ユニットの同じ点に煙及び空気を導入することにより、同じ方向(ここでは垂直及び上方)に沿った空気及び煙の流れが提供され、煙ドライバ23による吸引が少なくて済み、少ない騒音をもたらす。煙処理ユニット2は、これらの図示した上流入口24以外のその他の空気入口を備えないことに気づき得る。
【0152】
代替的な実施形態では、空気入口は、1つの孔のみを含む、より多くの又はより少ない孔240を有することができる。
【0153】
好ましくは、これらの孔240は、アイテムのいかなる侵入も防止するために、微細グリッド又はメッシュによって保護される。
【0154】
これらの孔240のサイズ及び形状は、異なってもよい。図5は、4つの非常に大きな孔240を有する空気入口デバイス24を概略的に示しており、ここで第1の壁241は、焙煎装置の煙出口に接続可能な部分248aを、煙処理ユニットの煙入口に接続可能な部分248bに接続する4つのロッドに限定されている。グリッドは、これらの大きな孔を保護する。
【0155】
空気入口24の設計、特に孔によって画定される空気入口24の数及び面積は、好ましくは、以下のように定義される。
【0156】
上流の焙煎プロセスに影響を与えることがあるため、焙煎装置の煙出口11での圧力降下を制限するような設計。これは、十分に大きな全体的な空気入口を設けることによって得ることができる。特に、設計は、システムの煙ドライバ部分の最低速度に対して空気量対煙量の最小比を提供するように定義され得る。
かつ
煙S1がこれらの空気入口24を通って周囲雰囲気に流れるのを防止するような設計。これは、この空気入口が大きすぎる場合に起こり得る。異なる入口24の周囲の位置は、図示された実施形態においてこの効果を保証することができる。
【0157】
図6は、第1の壁241の輪郭の前方区域244のみに3つの孔240を備える、空気入口デバイス24の特定の実施形態を示す。第1の壁241の他の側部及び後方区域には孔が設けられていない。
【0158】
顧客の移動、ドアの開閉により空気の乱れを被る部屋の一部でシステムが使用される場合、システムにおけるこのような空気加熱デバイスの使用により、空気が乱れにさらされないか、又はさらされにくい位置での孔240の方向決めが可能になる。
【0159】
図7Aは、第1の壁241内の4つの孔240と、第1の壁241を取り囲む外部リング壁242とを備える、空気入口デバイス24の特定の実施形態を示す。2つの壁241、242は、間隙245によって分離される。この隙間の内部では、空気は外部の乱れから保護され、空気入口デバイス内部及び煙処理ユニットの煙入口内で、孔240を通して均一に吸引することができる。
【0160】
加えて、この外部リング壁242は、孔240を通るアイテムの導入を防止し、煙が孔から逃げることを防止する(空気の安定化による)。この壁242はまた、この外部リング壁のない実施形態と比較して、空気入口デバイスを通って吸引される空気の騒音を制限する。
【0161】
図7Bは、図5Aの代替実施形態であり、ここで外壁は、2つの部分242a、242bを備え、それら部分のそれぞれが、孔240を備える第1の壁の部分を取り囲む。
【0162】
図8は、第1の壁241内の1つの孔240と、その孔240のサイズを調整するサイズ調整手段246とを備える、空気入口デバイス24の特定の実施形態を示す。本実施形態では、調整手段は、孔が全開されている第1の位置から孔が全閉されている第2の位置までの間と、孔のサイズを調整することができる中間の位置との間で方向決めされ得るシャッタからなる。この実施形態では、調整手段246は、ねじなどの手動アクチュエータ249によって制御することができる。
【0163】
他のタイプのサイズ調整手段は、回転又は並進によって孔の上を漸進的に摺動するカバーのように使用することができる。図10は、サイズ調整手段が、回転移動に従って孔240の上で部分的又は全体的に摺動するように構成されたカバー246である実施形態を示す。
【0164】
いくつかの孔が設けられる場合、好ましくは、孔のそれぞれに、それぞれのサイズ調整手段が設けられる。これは、上述したような空気の導入を保護する効果を伴う、1つの特定の領域244内の孔を閉鎖する機会を提供する。
【0165】
異なる調整手段は、同じ共通のアクチュエータによって制御され得るが、好ましくは、異なるアクチュエータによって別々に制御される。
【0166】
図9は、手動アクチュエータが、システムの制御システムによって制御され得るモーターのような自動作動デバイス247によって置き換えられている、図6の実施形態の代替例を示す。
【0167】
周囲空気の温度は一般に最大で40℃であり、焙煎装置の出口での煙の温度よりもはるかに低いので、煙に空気を導入して混合することにより、フィルタリングサブユニットによって処理される煙S2の温度の低下につながる。
【0168】
空気入口デバイスは、例えば、フィルタリングサブユニットが、50~65℃の温度で最適に操作される活性炭フィルタ21を備える場合に、煙の最適な処理を保証する混合物S2の温度をもたらす空気の流れの導入を可能にするように構成することができる。
【0169】
空気入口の設計は、空気量対煙量の比を部分的に決定して、所望の温度に到達することができる。空気入口の固定された設計に基づいて、空気量対煙量の比はまた、煙と混合した空気の流れである煙ドライバの電力を調整することによって制御することができる。煙S1の流れは、焙煎装置のみによって制御されるので、煙ドライバの電力を増減させることは、空気入口を通じて導入される周囲空気Aの量のみに影響を与える。
【0170】
煙ドライバの電力による比率調整は、煙処理ユニットにおける温度を制御することを目的に管理される。加えて、以下のような他の二次的条件を考慮し得る。
【0171】
高流量での煙ドライバによって作り出される騒音。煙ドライバを高電力で実装することは、店舗環境では必ずしも望ましいとは限らない騒音環境を作り出す可能性があることに注意しなければならない。
【0172】
高流量でのフィルタとの煙の接触時間の減少。煙ドライバの高電力は、煙処理ユニットを通る煙の高流量を意味するので、これは、異なるフィルタ、具体的には煙処理ユニットの出口25で雰囲気中の汚染物質を送出する効果を有する活性炭フィルタ221の使用で、不十分な接触時間につながる可能性がある。
【0173】
この煙の制御された温度の効果は、特に活性炭フィルタによる煙の効率的な処理であり、VOCの効率的な吸着を保証し、一般に65℃を超える高温での活性炭フィルタ自体によるVOCの放出を回避する。
【0174】
空気入口デバイスが孔(単数又は複数)のサイズを調整するための作動デバイス247を備える場合、空気の流れ、及び空気と煙との比は、煙ドライバの電力の調整の代わりに又はそれに加えて、孔(単数又は複数)のサイズを修正することによって制御することができる。
【0175】
このような孔(単数又は複数)のサイズの調整は、煙処理ユニット内部の温度の測定値に基づいて焙煎装置によって生成された煙の処理中に動的に行うことができ、例えば、煙処理ユニットの内部部分を加熱するための加熱慣性により煙の温度が高くならないので、焙煎操作の開始時にそのサイズを小さくすることができ、ある時間後、温度が上昇した後に、孔のサイズを大きくして煙内に新鮮な空気を導入することができる。
【0176】
図3図4図12及び図9又は図10を参照して、システムが空気入口のための作動デバイス247を備える場合の制御システム3を、ここで考察する。
【0177】
空気入口デバイス24が、孔240のサイズ調整手段を制御するための自動作動デバイス247を備える場合、煙ドライバ23の制御に代えて又はそれに加えて、処理ユニット30は、以下のように動作可能であり得る。
【0178】
温度センサ26の入力を受信する、
メモリユニット31に記憶された煙処理プログラムコード(又はプログラムされた論理)に従って入力を処理する、
作動デバイス247の制御を含む出力を提供する。また、プロセスは、温度センサ26からの入力信号をフィードバックとして使用して、閉ループ制御を用いて実行されることがより好ましい。
【0179】
温度が高くなりすぎる場合には、孔(単数又は複数)240のサイズを大きくして空気入口デバイス24を通してより重要な量の周囲空気Aを導入し、煙S2の流れの温度を低下させる効果を有するより多くの空気を煙S1と混合する。
【0180】
しかし、温度が低くなりすぎる場合には、孔(単数又は複数)240のサイズを小さくしてより重要でない量の空気周囲Aを導入し、煙S2の温度を上昇させる効果を有するより少ない空気を煙S1と混合する。そのような状況では、処理ユニットは、煙ドライバ23を制御してファンの速度を低下させることにより、焙煎装置内部の圧力への影響を回避し、かつ空気の導入を制限するという目的を達成するために、孔(単数又は複数)240のサイズを最小値未満に調整することを防止するように動作可能であり得る。
【0181】
煙ドライバの速度のみを制御する解決策と比較して、孔(単数又は複数)240のサイズを調整することによって温度を制御する利点は、煙ドライバによって生成された騒音に影響を与えないか、又は影響が少ないことである。
【0182】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0183】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0184】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0185】
1 焙煎装置
11 煙出口
12 焙煎チャンバ
121 上部出口
2 煙処理ユニット
21 煙入口
211 孔
22 煙フィルタリングサブユニット
221 活性炭フィルタ
222、223 PMフィルタ
23 煙ドライバ
24 空気入口デバイス
240 孔
241 第1の壁
242、242a、242b 外壁
243 メッシュ
244 区域
245 間隙
246 サイズ調整手段
247 作動デバイス
248a、248b 境界面
249 手動アクチュエータ
25 出口
26 温度センサ
27 誘導ダクト
3 制御システム
30 処理ユニット
31 メモリユニット
32 ユーザインタフェース
33 電源
100 システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12