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特許7564140無線通信における高精度なチャネル推定を実行する制御装置、制御方法、及びプログラム
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  • 特許-無線通信における高精度なチャネル推定を実行する制御装置、制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】無線通信における高精度なチャネル推定を実行する制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0413 20170101AFI20241001BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20241001BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20241001BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20241001BHJP
【FI】
H04B7/0413
H04L27/26 114
H04L27/26 410
H04W28/18 110
H04W16/28 130
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022024006
(22)【出願日】2022-02-18
(65)【公開番号】P2023120886
(43)【公開日】2023-08-30
【審査請求日】2024-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 昇
(72)【発明者】
【氏名】山崎 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】大関 武雄
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ カイア
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ゲッチュ
【審査官】鉢呂 健
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0256420(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0156138(US,A1)
【文献】伊藤 雅秋 他,バックホール伝送容量制約を考慮した複数中央処理局を用いたスケーラブルセルフリー大規模MIMOシステムの性能評価 ,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2021年10月14日,Vol.121, No.210,pp.1-6,<URL:https://www.ieice.org/ken/user/index.php?cmd=download&p=5ezF&t=IEICE-RCS&l=c8c85caf1435742e6b29275d0be91bd770c3abe48e90324d15b9311d1bff91ae&lang=>
【文献】相原 直紀 他,Beyond 5Gに向けたユーザセントリックRANにおけるCF-mMIMOの分散CPU間の連携手法の特性評価,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2021年12月09日,Vol.121, No.302,pp.1-6,<URL:https://www.ieice.org/ken/user/index.php?cmd=download&p=I4cL&t=IEICE-RCS&l=c8c85caf1435742e6b29275d0be91bd770c3abe48e90324d15b9311d1bff91ae&lang=>
【文献】松田 崇弘 他,Cell-Free Massive MIMOのための伝搬路データベースに関する検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2022年01月20日,Vol.121, No.357,pp.1-6,<URL:https://www.ieice.org/ken/user/index.php?cmd=download&p=D4dZ&t=IEICE-CQ&l=c8c85caf1435742e6b29275d0be91bd770c3abe48e90324d15b9311d1bff91ae&lang=>
【文献】安藤 研吾 他,セルフリーMIMOネットワークのためのテンソル信号処理を用いた送受信ビームフォーマー設計法,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2021年02月24日,Vol.120, No.404,pp.1-6,<URL:https://www.ieice.org/ken/user/index.php?cmd=download&p=JeR2&t=IEICE-RCS&l=23d4e04d7fff4b24dc4fed77fd399f3604175ab97108895d556b3ba81abc654a&lang=>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0413
H04L 27/26
H04W 28/18
H04W 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から送出された第1の信号を含んだ信号が複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた複数の第1のチャネル推定値を、所定の順序で並べることにより第1の系列を取得する第1の取得手段と、
前記第1の系列をフーリエ変換することにより、第1のドメインの前記第1の系列を、第2のドメインの第2の系列に変換する変換手段と、
前記第2の系列に基づいて、前記第2のドメインにおいて、前記端末装置から送出された信号が受信される範囲を特定する特定手段と、
前記端末装置から送出された第2の信号が前記複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた第2のチャネル推定値から、前記第2のドメインにおける前記範囲の成分を抽出することにより、第3のチャネル推定値を取得する第2の取得手段と、
前記第3のチャネル推定値を用いて前記端末装置の通信が行われるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第1の信号は、サウンディング参照信号(SRS)である、ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
時間ごとに前記SRSにおいて使用されるパイロットシンボルを変動させることにより得られる複数のパイロットパターンのいずれかを用いて前記第1の信号が送信され、前記第1の取得手段は、当該第1の信号の送信に使用されるパイロットパターンを用いて前記第1の系列を取得することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1の取得手段は、複数の時間区間において、前記第1の系列を取得し、
前記特定手段は、前記複数の時間区間にそれぞれ対応する複数の前記第2の系列を用いた主成分分析又は独立成分分析を実行することにより前記範囲を特定する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
制御装置によって実行される制御方法であって、
端末装置から送出された第1の信号が複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた複数の第1のチャネル推定値を所定の順序で並べることにより第1の系列を取得することと、
前記第1の系列をフーリエ変換することにより、第1のドメインの前記第1の系列を、第2のドメインの第2の系列に変換することと、
前記第2の系列に基づいて、前記第2のドメインにおいて、前記端末装置から送出された信号が受信される範囲を特定することと、
前記端末装置から送出された第2の信号が前記複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた第2のチャネル推定値から、前記第2のドメインにおける前記範囲の成分を抽出することにより、第3のチャネル推定値を取得することと、
前記第3のチャネル推定値を用いて前記端末装置の通信が行われるように制御することと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
制御装置に備えられたコンピュータに、
端末装置から送出された第1の信号が複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた複数の第1のチャネル推定値を所定の順序で並べることにより第1の系列を取得させ、
前記第1の系列をフーリエ変換することにより、第1のドメインの前記第1の系列を、第2のドメインの第2の系列に変換させ、
前記第2の系列に基づいて、前記第2のドメインにおいて、前記端末装置から送出された信号が受信される範囲を特定させ、
前記端末装置から送出された第2の信号が前記複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた第2のチャネル推定値から、前記第2のドメインにおける前記範囲の成分を抽出することにより、第3のチャネル推定値を取得させ、
前記第3のチャネル推定値を用いて前記端末装置の通信が行われるように制御させる、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信におけるチャネル推定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のアンテナを高密度に配置し、その多数のアンテナの一部を使用して端末装置と通信を行うcell-free massive MIMOシステムが検討されている。このcell-free massive MIMOシステムでは、端末装置ごとに使用されるアンテナが選択されることにより、端末装置ごとに仮想的にセルが構成され、端末装置は概ねその仮想的なセルの中心に存在することとなる。このような技術によれば、端末装置は、その位置によらずに均一な通信品質を得ることができるようになる。
【0003】
なお、このようなcell-free massive MIMOシステムにおける効率的な通信のために、地理的に分散配置された多数のネットワーク側のアンテナと端末装置のアンテナとの間でのチャネル推定が高精度に行われることが重要である。システムでは、ネットワークがその端末装置と周囲に存在するアンテナとを関連付け、そのアンテナと端末装置との間の伝送路に関するチャネル推定が実行される。例えば、ある端末装置からの上りリンクの通信が行われる場合、端末装置から送信された参照信号が、その端末装置に関連付けられたアンテナにおいて受信され、その受信された参照信号に基づいてチャネル推定が行われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】H. Yin, L. Cottatellucci, D. Gesbert, R. R. Muller and G. He, "Pilot Decontamination Using Combined Angular and Amplitude based Projections in Massive MIMO Systems," 2015 IEEE 16th International Workshop on Signal Processing Advances in Wireless Communications (SPAWC) 2015, pp. 216-220
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
参照信号として利用可能な信号のパターンは有限である。このため、複数の端末装置が同じパターンを利用して参照信号を送信することが想定されうる。この場合、ネットワーク側のアンテナにおいて、その複数の端末装置からの参照信号が混在して受信され、他の端末装置からの参照信号による干渉の影響でチャネル推定精度が劣化してしまいうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多数のアンテナを選択的に用いて端末装置に通信サービスが提供される無線通信システムにおけるチャネル推定の精度向上技術を提供する。
【0007】
本発明の一態様による制御装置は、端末装置から送出された第1の信号が複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた複数の第1のチャネル推定値を所定の順序で並べることにより第1の系列を取得する第1の取得手段と、前記第1の系列をフーリエ変換することにより、第1のドメインの前記第1の系列を、第2のドメインの第2の系列に変換する変換手段と、前記第2の系列に基づいて、前記第2のドメインにおいて、前記端末装置から送出された信号が受信される範囲を特定する特定手段と、前記端末装置から送出された第2の信号が前記複数のアンテナのそれぞれにおいて受信されることによって得られた第2のチャネル推定値から、前記第2のドメインにおける前記範囲の成分を抽出することにより、第3のチャネル推定値を取得する第2の取得手段と、前記第3のチャネル推定値を用いて前記端末装置の通信が行われるように制御する制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、多数のアンテナを選択的に用いて端末装置に通信サービスが提供される無線通信システムにおいて、チャネル推定の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無線通信システムの構成例を概略的に示す図である。
図2】制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】制御装置の機能構成例を示す図である。
図4】制御装置によって実行される処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
(システム構成)
本実施形態にかかる無線通信システムについて説明する。無線通信システムは、多数のアンテナが地理的に分散して配置され、例えば端末装置の位置に基づいて、その多数のアンテナのうちの一部がその端末装置に関連付けられて、その端末装置との通信に使用される。一例において、この無線通信システムは、端末装置ごとに使用されるアンテナが選択されることにより、端末装置ごとに仮想的にセルが構成されるcell-free massive MIMOシステムである。このシステムでは、端末装置に関連付けるアンテナを適切に設定することにより、その仮想的なセルの概ね中心にその端末装置を存在させることができるため、端末装置の位置によらずに良好な通信品質を得ることができるようになる。
【0012】
図1に、cell-free massive MIMOシステムを概略的に示す。制御装置101が、地理的に分散されて配置された多数のアンテナを制御し、端末装置121~端末装置123に対してそれぞれ複数のアンテナを関連付ける。そして、端末装置121~端末装置123の通信が、その関連付けられた複数のアンテナを用いて行われるように制御を行う。図1は、端末装置121にアンテナ群111が関連付けられ、端末装置122にアンテナ群112が関連付けられ、端末装置123にアンテナ群113が関連付けられた場合を一例として示している。なお、図1において示されているアンテナは、無線周波数(RF)の信号をそのまま制御装置101に転送するように構成されたアンテナそのものであってもよいし、例えば周波数変換や増幅などの処理を実行し、中間周波数(IF)やベースバンドの信号を制御装置101に転送するように構成された通信装置であってもよい。
【0013】
制御装置101は、各端末装置との通信の効率を向上させるために、端末装置と、その端末装置に関連付けられた複数のアンテナのそれぞれとの間のチャネル推定を実行し、そのチャネル推定値を用いてビームを形成して通信を行う。例えば、端末装置が事前に定められた複数の参照シンボル系列のうちのその端末装置に割り当てられた1つの参照シンボル系列を用いて復調参照信号(DMRS)を生成して送信する。そして、端末装置から送信されたDMRSは各アンテナにおいて受信され、制御装置101がその端末装置に割り当てられた参照シンボル系列を用いて位相回転量や振幅の減衰量などを特定することにより、チャネル推定値が取得される。高効率な通信のためには、チャネル推定が高精度に行われることが重要となる。このために、例えば、少なくとも一部のアンテナ群が共通して関連付けられている複数の端末装置が存在する場合に、それらの端末装置から送信されるDMRSは、それぞれ異なる参照シンボル系列に基づいて送信されうる。例えば、端末装置121と端末装置122は、それぞれ異なる参照シンボル系列でDMRSを送信するように設定される。
【0014】
一方で、端末装置の数は非常に多いことが想定される。このため、第1の端末装置が使用している参照シンボル系列と同じ参照シンボル系列を使用してDMRSを送信する第2の端末装置が、第1の端末装置の近傍に存在する場合がありうる。この場合、第1の端末装置が送信したDMRSと第2の端末装置が送信したDMRSとが干渉し、チャネル推定精度が劣化してしまいうる。例えば、図1において、端末装置121と端末装置123とが同じ参照シンボル系列を使用してDMRSを送信する場合、端末装置121におけるチャネル推定精度が劣化してしまう場合がある。
【0015】
これに対して、非特許文献1では、各アンテナで受信された信号に基づくチャネル推定値に対するフーリエ変換(離散フーリエ変換、DFT)を用いて、複数の端末装置の信号が混在する環境において、干渉の影響を取り除いたチャネル推定値を取得する手法が提案されている。より具体的には、複数のアンテナのそれぞれにおいて端末装置から受信された信号と、その端末装置に割り当てられた参照シンボル系列に基づいて、仮のチャネル推定値が取得される。そして、その複数のアンテナのそれぞれに対応する複数の仮のチャネル推定値が所定の順序で並べられて、フーリエ変換器に入力される。例えば、チャネル推定の対象の端末装置に関連付けられたアンテナのうちのn番目(0≦n≦N-1)のアンテナにおける仮のチャネル推定値がhnであるとすると、H=[h0,h1,・・・,hN-1Tがフーリエ変換器に入力される。フーリエ変換により、複数のアンテナにおける仮のチャネル推定値を要素とする第1のドメインのチャネル推定値の系列が、その第1のドメインとは異なる第2のドメインのチャネル推定値の系列に変換される。なお、第2のドメインは、角度ドメインと呼ばれうる。
【0016】
複数の端末装置が同じ参照信号を用いている場合、第1のドメインのチャネル推定値の系列にも第2のドメインのチャネル推定値の系列にも、干渉の影響が残ることとなる。第1のドメインのチャネル推定値の系列では、複数のアンテナのそれぞれに対応する要素において、複数の端末装置からの信号の影響が加算されて存在することとなる。一方で、第2のドメインのチャネル推定値の系列では、複数の端末装置の存在する位置の違いから、各端末装置に対応する成分が偏在しうる。このため、第2のドメインのチャネル推定値の系列において、チャネル推定の対象となる端末装置のチャネル推定値に対応する範囲の値のみを使用することにより、その端末装置のチャネル推定値の成分を抽出し、干渉の影響を除去することができる。しかしながら、第2のドメインのチャネル推定値の系列の中で、チャネル推定の対象となる端末装置のチャネル推定値に対応する成分がどの範囲に存在するかを特定する手法については、非特許文献1は明らかにはしていなかった。この範囲を特定することができない場合、干渉の影響を適切に除去することはできない。
【0017】
本実施形態では、第2のドメインのチャネル推定値の系列中のどの範囲に、チャネル推定の対象となる端末装置のチャネル推定値が含まれるかを特定可能とし、上述の手法を現実の環境において利用可能とする手順を提供する。
【0018】
本実施形態では、まず、端末装置から送出された第1の信号が複数のアンテナによって受信され、制御装置101が、その第1の信号に基づいて複数のアンテナのそれぞれについての複数の第1のチャネル推定値を取得する。第1の信号は、既知の系列を用いて送信された信号であり、例えば、事前に定められた参照シンボル(パイロットシンボル)の系列を用いて生成されたサウンディング参照信号(SRS)でありうる。SRSは既存の信号であるため、SRSを用いることにより、追加の信号を用いずに本実施形態に係る処理を実行することができる。なお、これは一例であり、追加の参照信号(ネットワーク及び端末装置において共通の知識を有する参照シンボル系列を用いて生成された)参照信号が定義されてもよい。追加の参照信号が用いられる場合、既存の参照信号を用いる場合と比して自由度の高い信号設計を行うことができ、処理の効率を向上させることができる。制御装置101は、例えば、あるアンテナにおいて受信されて周波数変換等が実行された後のベースバンド信号において、そのパイロットシンボルが送信される周波数および時間リソースにおいて、そのパイロットシンボルの複素共役値を乗じることにより、そのアンテナに関する第1のチャネル推定値を取得する。そして、そのチャネル推定の対象とする端末装置に関連付けられた複数のアンテナのそれぞれについて取得された第1のチャネル推定値が、所定の順序で並べられて第1のドメインのチャネル推定値の系列が取得される。なお、以下では、この第1のドメインのチャネル推定値の系列を、第1の系列と呼ぶ場合がある。上述のように、例えば、チャネル推定の対象の端末装置に関連付けられたアンテナのうちのn番目(0≦n≦N-1)のアンテナにおける第1のチャネル推定値がhnであるとすると、H=[h0,h1,・・・,hN-1Tが、第1の系列として取得される。
【0019】
制御装置101は、取得した第1の系列をフーリエ変換して、第1のドメインの第1のチャネル推定値の系列を第2のドメインの第2のチャネル推定値の系列に変換する。なお、以下では、第2のチャネル推定値の系列を第2の系列と呼ぶ場合がある。一例において、制御装置101は、複数の第1の系列を取得して、それらの第1の系列のそれぞれに対するフーリエ変換処理を実行することにより、複数の第2の系列を取得する。制御装置101は、この複数の第2の系列を用いて、例えば独立成分分析や主成分分析などの統計処理を実行することにより、第2の系列に含まれるターゲットのチャネル推定値の成分を抽出し、その成分が第2のドメインのどの範囲に存在するかを特定する。なお、主成分分析や独立成分分析などの統計処理は、第2の系列に対してではなく、フーリエ変換前の第1の系列に対して行われてもよい。第1の系列に対して主成分分析が行われた場合、その主成分として抽出された信号成分に対してフーリエ変換を実行する。そして、制御装置101は、変換後の成分に基づいて、ターゲットのチャネル推定値が第2のドメインにおいてどの範囲に存在するかを特定することができる。
【0020】
その後、ターゲットのチャネル推定値に対応する端末装置から送信された、第1の信号とは異なる第2の信号が、複数のアンテナを介して受信される。第2の信号も、既知の系列を用いて送信された信号であり、例えばDMRSである。制御装置101は、その複数のアンテナにおいて受信された第2の信号に対して、第2の信号の送信に使用された既知の系列を用いて第2のチャネル推定値を特定する。そして、制御装置101は、第2のチャネル推定値から、上述のようにして特定された第2のドメインにおける範囲の成分を抽出して、第3のチャネル推定値を取得する。まず、制御装置101は、第2のチャネル推定値を、上述の第1のチャネル推定値と同じ所定の順序で並べた系列を取得する。例えば、チャネル推定の対象の端末装置に関連付けられたアンテナのうちのn番目(0≦n≦N-1)のアンテナにおける第2のチャネル推定値がh2,nであるとすると、H2=[h2,0,h2,1,・・・,h2,N-1Tが、この系列として取得される。そして、制御装置101は、一例において、フーリエ変換を示す行列のうち、ターゲットのチャネル推定値が存在する範囲に対応する要素のみを抽出した行列Fと、その逆変換行列FHとを乗じた行列F・FHを、H2に乗じることにより、各アンテナにおける第3のチャネル推定値を示す系列を算出しうる。なお、Fは、フーリエ変換を示す行列の中から、ターゲットのチャネル推定値が存在する範囲に対応する列の要素を除いたものであり、上付きのHは共役転置を示す。FH・H2を計算することにより、その範囲に対応する要素のみが出力される。そして、その要素のベクトルに対して逆変換を乗じたF・FH・H2を計算することにより、第3のチャネル推定値の系列が算出される。一方で、ターゲット以外のチャネル推定値の成分が、ターゲットのチャネル推定値が存在する範囲にほぼ存在しない場合、その成分に変換行列FHが乗じられることにより、その成分の影響を大幅に抑圧することができる。したがって、F・FH・H2の計算により得られる第3のチャネル推定値は、ターゲット以外のチャネル推定値の成分が除去された値となる。なお、演算子F・FHを作用させる処理は一例に過ぎず、制御装置101は、例えば、系列H2をフーリエ変換して、変換後の系列のうち第2のドメインにおけるターゲットのチャネル推定値が存在する範囲以外の値をゼロに置換して逆変換することにより、同様の効果を得ることができる。
【0021】
そして、制御装置101は、各アンテナにおける第3のチャネル推定値の系列を用いて、それらのアンテナに関連付けられた端末装置の通信が行われるように制御を行う。このようにすることにより、制御装置101は、端末装置と、その端末装置に関連付けられた複数のアンテナのそれぞれの間のチャネル推定を高精度に実行することができ、端末装置に対して高効率な通信サービスを提供することが可能となる。
【0022】
なお、複数の端末装置からの信号に対応するチャネル推定値を効率的に分離するために、それらの端末装置がそれぞれ送信する第1の信号が異なる性質を有するようにすることができる。例えば、上述の第2の系列を複数回取得して、その複数の第2の系列に基づいて主成分分析を行う場合に、その複数の第2の系列においていずれも同じ端末装置の信号による干渉が発生している場合には、その干渉成分までもが主成分として抽出されてしまいうる。このため、複数の第2の系列のうちの少なくともいずれかにおいて干渉が発生しない状態を作ることによって、チャネル推定値を効率的に分離することができる。例えば、複数の第2の系列が取得される複数の時間区間において、複数の端末装置からそれぞれ異なる参照信号が送信されるようにしうる。1つ以上の時間区間において参照信号が異なる場合、少なくとも干渉成分が主成分として抽出される確率を低減することができる。
【0023】
第2の系列のうちの少なくともいずれかにおいて干渉が発生しないようにするために、例えば、第1の信号を送信する際に使用される参照シンボル系列を時間区間ごとに変化させうる。例えば、SRSを送信する際のパイロットシンボルをSRSの送信機会ごとに変動させることにより、複数のパイロットパターンを用意し、端末装置が、その複数のパイロットパターンのうちのいずれかを用いて第1の信号を送信するようにしうる。制御装置101は、端末装置が使用すべきパイロットパターンを制御対象の端末装置に対して指示しうる。これによれば、2つの端末装置が、ある時間区間において共通の参照信号を送信することとなっても、他の時間区間のいずれかにおいて、異なる参照信号を送信することとなる確率を向上させることができる。なお、ここでの複数のパイロットパターンは、一部の時間区間において同じパイロットシンボルが複数の端末装置によって使用されることを許容する。一方で、複数のパイロットパターンは、全ての時間区間において共通のパイロットシンボルが複数の端末装置によって使用される確率を大幅に低減させるように構成されうる。なお、上述の例では、シンボルが異なるパターンについて説明したが、これに限られない。すなわち、例えば時間や周波数リソースなどのいずれかの参照信号の送信のためのリソースが異なるように設定されれば足りる。以上のようにして、所定の距離範囲内に存在する複数の端末装置のそれぞれによる参照信号の送信機会の少なくとも1つにおいて、参照信号の送信のためのリソースを異ならせることにより、統計的信号処理の精度を向上させることができ、干渉信号の影響が除かれたチャネル推定値を得ることが可能となる。
【0024】
(装置構成)
図2を用いて、制御装置101のハードウェア構成例について説明する。制御装置101は、一例において、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、及び通信回路205を含んで構成される。プロセッサ201は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM202は、制御装置101が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM203は、プロセッサ201がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置204は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路205は、例えば、各アンテナにおいて受信された信号をそのアンテナから受信し、また、アンテナを介して送信されるべき信号やアンテナを制御するための信号をそのアンテナへ送信するための回路によって構成される。なお、図2では、1つの通信回路205が図示されているが、制御装置101は複数の通信回路を有しうる。例えば、制御装置101は、制御対象のアンテナとの間の通信回路205と、それらのアンテナとは異なる別のアンテナを制御する別の制御装置との間の通信回路205とを有しうる。
【0025】
なお、制御装置101は、例えば、プロセッサ201が、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを実行することにより、端末装置の通信を制御するように構成される。一例において、制御装置101は、プロセッサ201等の動作により通信回路205を制御して、端末装置に対して、上述のようにして決定した、端末装置が使用すべきパイロットパターンを指示する。また、制御装置101は、上述のようにして推定されたチャネル推定値を用いて端末装置との間の通信を行うための制御を実行する。例えば、制御装置101は、端末装置に関連付けられた複数のアンテナを制御して、適切なビームを用いて通信が行われるようにしうる。
【0026】
図3に、制御装置101のチャネル推定に関する機能の構成例を示す。制御装置101は、第1チャネル推定部301、フーリエ変換部302、範囲特定部303、及び第2チャネル推定部304を有しうる。これらの機能は、例えばプロセッサ201が、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを実行することにより実現されうるが、専用のハードウェアによって各機能の一部または全部が実現されてもよい。なお、図3の構成は一例であり、上述の制御装置101の機能を果たすことができる限りにおいて、図3の構成と異なる構成が用いられてもよい。
【0027】
第1チャネル推定部301は、通信サービスの提供先の端末装置から送出された参照信号がその端末装置に関連付けられた複数のアンテナを介してそれぞれ入力されると、その参照信号の送信に使用された参照シンボル系列に基づいて、仮のチャネル推定を実行する。ここでの仮のチャネル推定は、各アンテナにおいて受信された受信信号に、参照シンボル系列の複素共役値を乗じることによって得られる。なお、参照シンボル系列の振幅が1でない場合は、乗算結果を、参照シンボル系列の振幅の二乗値で除算する。これにより得られたチャネル推定値は、同じ参照シンボル系列を用いた他の端末装置からの参照信号の影響を含みうる、仮のチャネル推定値である。なお、ここで得られる、複数のアンテナのそれぞれに対応する仮のチャネル推定値は、フーリエ変換前の第1のドメインの値である。第1チャネル推定部301は、各アンテナの仮のチャネル推定値がフーリエ変換された後の第2のドメインにおいて、通信サービスの提供先の端末装置に対応するチャネル推定値成分が存在する範囲を特定するための信号についての仮のチャネル推定値をフーリエ変換部302へ出力する。例えば、第1チャネル推定部301は、SRSによるチャネル推定結果をフーリエ変換部302へ出力する。一方で、第1チャネル推定部301は、第2のドメインにおける、通信サービスの提供先の端末装置に対応するチャネル推定値成分が存在する範囲の特定が完了している場合、端末装置の通信のための信号についての仮のチャネル推定値を、第2チャネル推定部304へ出力する。例えば、第1チャネル推定部301は、DMRSによるチャネル推定結果を第2チャネル推定部304へ出力する。
【0028】
フーリエ変換部302は、第1チャネル推定部301から入力された、複数のアンテナのそれぞれに対応する仮のチャネル推定値からなる系列をフーリエ変換する。このフーリエ変換により、仮のチャネル推定値が、第1のドメインの系列から第2のドメインの系列へと変換される。なお、第1チャネル推定部301は、例えば、複数のSRSにそれぞれ対応する、仮のチャネル推定部からなる複数の系列をフーリエ変換部302へ出力し、フーリエ変換部302は、その複数の系列をそれぞれフーリエ変換して、第2のドメインの複数の系列を生成しうる。フーリエ変換部302は、フーリエ変換後の系列を範囲特定部303へ出力する。
【0029】
範囲特定部303は、フーリエ変換部302から入力された、第2のドメインの系列を解析して、通信サービスの提供先の端末装置からの受信信号に対応するチャネル推定値が、第2のドメインのどの範囲に存在するかを特定する。例えば、範囲特定部303は、主成分分析や独立成分分析などの統計処理により、通信サービスの提供先の端末装置からの受信信号に対応するチャネル推定値を分離抽出し、その成分が、第2のドメインのどの範囲に分布しているかを特定する。なお、範囲特定部303は、例えば、分離抽出後のチャネル推定値が所定の電力以上で検出されている範囲を、通信サービスの提供先の端末装置からの受信信号に対応するチャネル推定値が存在する範囲として特定しうる。範囲特定部303は、特定した第2のドメインの範囲を第2チャネル推定部304へ出力する。
【0030】
第2チャネル推定部304は、範囲特定部303から入力された、通信サービスの提供先の端末装置からの受信信号に対応するチャネル推定値が存在すると特定された範囲の成分のみに対応する、フーリエ変換及びフーリエ逆変換の一部からなる部分行列を決定する。すなわち、第2チャネル推定部304は、例えば上述のような演算子F・FHを特定する。そして、第2チャネル推定部304は、その演算子を、第1チャネル推定部301から入力された、複数のアンテナのそれぞれに対応する仮のチャネル推定値の系列(ベクトル)に乗じて、最終的なチャネル推定値を取得する。なお、ここでの操作は、仮のチャネル推定値の系列をフーリエ変換した後の第2のドメインの系列のうち、範囲特定部303によって特定された範囲以外の成分を0で置換した後に、フーリエ逆変換する操作と同様である。このため、ここでの処理は、フーリエ変換、成分の置換、及び、フーリエ逆変換の組み合わせによって置き換えられてもよい。第2チャネル推定部304は、最終的なチャネル推定値を出力し、制御装置101は、その最終的なチャネル推定値を用いて、通信サービスの提供先の端末装置の通信が行われるように制御を行う。
【0031】
(処理の流れ)
続いて、図4を用いて、本実施形態において制御装置101が実行する処理の流れの例について概説する。処理の内容は、上述の通りであるため、ここでは、処理の大まかな流れを概説するにとどめ、詳細については繰り返さない。
【0032】
まず、制御装置101は、配下のアンテナが関連付けられる位置に存在する端末装置に対して、パイロットパターンを通知する(S401)。このパイロットパターンの通知は、例えば、SRS等の参照信号で使用されるパイロットの構成の通知である。なお、送信機会ごとに同じ系列に基づいてSRSが送信される場合、1つの送信機会におけるパイロットシンボルの情報が、端末装置に通知されうる。なお、この場合、パイロットパターンの通知は、従来の手法に従って行われれば足りるため、制御装置101が新たにS401の処理を実行する必要はない。また、送信機会ごとに異なる系列に基づいてSRSが送信される場合、複数の送信機会のそれぞれにおいていずれのパイロットシンボルを用いるべきかを特定可能な情報が端末装置に通知される。なお、この情報は、例えば、SRSの送信機会の時間インデクス(例えばフレーム番号等)から、どのパイロットシンボルを使用するかを算出するための引数などの情報でありうる。例えば、最初の1回目のSRSの送信に使用されるべきパイロットシンボルを指定するインデクスと、次回以降のSRSの送信機会において使用されるべきパイロットシンボルを決定するためのオフセット値が通知されうる。端末装置は、2回目のSRSの送信時に、最初のインデクスにオフセット値を加算して、使用すべきパイロットシンボルのインデクスを特定し、3回目のSRSの送信時に、2回目のインデクスにオフセット値を加算して、使用すべきパイロットシンボルのインデクスを特定する。なお、この場合、インデクスの最大値を法とするモジューロ演算によって、インデクスの特定が行われうる。なお、これは一例であり、例えば、複数の時間インデクスのそれぞれに使用されるべきパイロットシンボルのインデクスが関連付けられた情報が端末装置に通知されてもよい。
【0033】
そして、制御装置101は、端末装置から送信されて複数のアンテナにおいてそれぞれ受信されたSRSに基づいて、仮のチャネル推定値を取得する(S402)。この仮のチャネル推定値は、各アンテナにおける受信信号に対して、送信されたパイロットシンボルの複素共役値を乗じることにより取得される。なお、この時点では、同じパイロットシンボルを用いて他の端末装置から送信されたSRSによる影響を含んだチャネル推定値が取得される。なお、この仮のチャネル推定値は、例えば複数のアンテナのインデクス等に基づいて所定の順序で並べられ、各アンテナに対応するチャネル推定値を要素とする第1の系列が生成される。
【0034】
制御装置101は、第1の系列をフーリエ変換し、ドメインの異なる第2の系列を生成する(S403)。そして、制御装置101は、その第2の系列が属するドメイン(第2のドメイン)において、ターゲットの(例えばS401においてパイロットパターンを通知した端末装置と各アンテナとの間の)チャネル推定値が存在する範囲を特定する(S404)。例えば、制御装置101は、統計処理によって、第2の系列からターゲットの成分を抽出し、その成分が主としてどの範囲に存在するかを特定する。なお、雑音等の影響を除去するために、ターゲットの成分として抽出された系列のうち、振幅が所定値以上の要素が存在する範囲を、そのターゲットの成分が存在する範囲であると特定されてもよい。そして、制御装置101は、チャネル推定値の系列の中から、その特定された範囲の要素のみを抽出するための演算子を特定する(S405)。例えば、制御装置101は、フーリエ変換を示す行列のうち、特定された範囲に対応する要素のみを抽出した部分行列を算出し、その部分行列の共役転置行列に、その部分行列を乗じた行列積を、演算子として特定しうる。
【0035】
その後、制御装置101は、例えば、端末装置に関連付けられた複数のアンテナを介してそれぞれ受信されたDMRSに基づいて、仮のチャネル推定値の系列を取得する(S406)。この処理は、受信する信号がSRSからDMRSに変わったのみであり、S402と同様である。なお、これは一例であり、例えばS402の処理がDMRSを用いて行われてもよいし、S406の処理がDMRS以外の参照信号に基づいて行われてもよい。また、S402及びS406では、SRSやDMRSと異なる参照信号(例えば新たに定義された参照信号)が使用されてもよい。そして、制御装置101は、S406で取得された系列に対して、S405で特定した演算子を作用させることにより、最終的なチャネル推定値を取得する(S407)。
【0036】
このように、本実施形態では、制御装置101が、まず、端末装置に関連付けられた複数のアンテナを介して受信されたSRS等の所定の参照信号に基づいて、第1のチャネル推定値を取得する。そして、制御装置101は、その第1のチャネル推定値に基づいて、その端末装置に対応するチャネル推定値が、チャネル推定値の系列をフーリエ変換した後のドメインにおいて、どの範囲に分布するかを特定する。その後、制御装置101は、フーリエ変換後のドメインにおいてその特定した範囲に対応する成分のみを抽出するための演算子を特定して、通信に使用されるDMRSなどの参照信号によって特定されるチャネル推定値に、その演算子を作用させることにより、最終的なチャネル推定値を取得する。これによれば、例えばDMRSが共通するが、SRSの少なくとも一部が共通しない他の端末装置からの干渉信号の影響を除去して、ある端末装置の通信のためのDMRSによるチャネル推定値を高精度化させることができる。この結果、通信の効率を向上させることが可能となり、よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0037】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4