IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】電子機器及び導光部材
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20241001BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20241001BHJP
【FI】
G09F13/18 Q
A63F13/24
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022062960
(22)【出願日】2022-04-05
(65)【公開番号】P2023153593
(43)【公開日】2023-10-18
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宮 龍
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 健
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091806(JP,A)
【文献】国際公開第2021/200076(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
13/00-13/98
G09F 13/00-13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
光源と、
前記電子機器の外側に前記光源の光を出す発光部と、
二色成形によって形成されている導光部と遮光部とを有している導光部材と
を有し、
前記導光部は、前記光源からの光を受ける受光部と、前記発光部に向けて光を出す射光部と、前記受光部から前記射光部に向かって伸びている光伝送部とを有し、
前記遮光部には第1開口が形成され、前記第1開口の内周縁は、前記受光部又は前記射光部のうち一方の部分である第1部分に接触しており、
前記光伝送部は、前記光伝送部の延伸方向に伸びており且つ前記遮光部から露出している外面を有して、
前記光伝送部の外面は、前記光伝送部の延伸方向に延びている第1~第4側面であって、第1の方向において互いに反対側に向いている第1側面及び第2側面と、前記第1の方向とは交差する第2の方向において互いに反対側に向いている第3側面及び第4側面とを有し、
前記第1側面と前記第3側面は前記遮光部によって覆われておらず、
前記遮光部に第2開口が形成されており、前記第2開口の内面は、前記第2側面に沿って形成され且つ互いに向き合っている第1及び第2内面とを有し、前記第2側面は前記第2開口を通して前記第1の方向の一方側に露出し、
前記遮光部は、前記第4側面に固定され且つ前記第2開口の前記第1内面から前記第1の方向に延びている面を有している支持部を有している
電子機器。
【請求項2】
前記光伝送部の延伸方向に対して直交する平面における前記光伝送部の断面を見たとき、前記断面の外周縁は、当該外周縁の半分以上の範囲において前記遮光部から露出している
請求項1に記載される電子機器。
【請求項3】
前記第1開口の前記内周縁は、前記内周縁の全周に亘って第1部分に接触している
請求項1に記載される電子機器。
【請求項4】
前記遮光部には第3開口が形成され、前記第3開口の内周縁は前記受光部又は前記射光部のうち他方の部分である第2部分に接触している
請求項1に記載される電子機器。
【請求項5】
前記第1部分は前記第1開口の内側に嵌まっている凸部であり、
前記第1開口は前記凸部の外周面に密着している内周面を有している
請求項1に記載される電子機器。
【請求項6】
前記第1開口は、その内側に前記射光部が形成されている射光開口である
請求項1に記載される電子機器。
【請求項7】
前記第1開口は、その内側に前記受光部が形成されている受光開口である
請求項1に記載される電子機器。
【請求項8】
前記導光部材は、複数の前記受光部を含み、
前記遮光部は、前記第1開口として、前記複数の受光部がそれぞれ配置される複数の受光開口を有している
請求項1に記載される電子機器。
【請求項9】
前記遮光部は、隣り合う2つの受光開口の間に形成され、前記受光部よりも突出している遮光壁を有している
請求項1に記載される電子機器。
【請求項10】
前記受光部の端面から前記光源までの距離は、前記受光部の端面から前記遮光壁の端部までの距離よりも小さい
請求項9に記載される電子機器。
【請求項11】
前記電子機器は、ユーザが握るためのグリップを有する入力デバイスである
請求項1に記載される電子機器。
【請求項12】
前記導光部材は、ユーザが指で動かすことのできる入力部材に設けられている
請求項1に記載される電子機器。
【請求項13】
導光部と、
遮光部と、を有し、
前記導光部と前記遮光部は二色成形によって形成されており、
前記導光部は、光源からの光を受ける受光部と、発光部に向けて光を出す射光部と、前記受光部から前記射光部に向かって伸びている光伝送部とを有し、
前記遮光部には第1開口が形成され、前記第1開口の内周縁は、前記受光部又は前記射光部のうち一方の部分である第1部分に接触しており、
前記光伝送部は、前記光伝送部の延伸方向に伸びており且つ前記遮光部から露出している外面を有し、
前記光伝送部の前記外面は、前記光伝送部の延伸方向に延びている第1~第4側面であって、第1の方向において互いに反対側に向いている第1側面及び第2側面と、前記第1の方向とは交差する第2の方向において互いに反対側に向いている第3側面及び第4側面とを有し、
前記第1側面と前記第3側面は前記遮光部によって覆われておらず、
前記遮光部に第2開口が形成されており、前記第2開口の内面は、前記第2側面に沿って形成され且つ互いに向き合っている第1及び第2内面とを有し、
前記第2側面は前記第2開口を通して前記第1の方向の一方側に露出し、
前記遮光部は、前記第4側面に固定され且つ前記第2開口の前記第1内面から前記第1の方向に延びている面を有している支持部を有している
導光部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光部を有する電子機器、及び導光部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置などの情報処理装置に対する入力デバイスのなかには、その外面に複数の発光領域を有するものがある。発光領域は、入力デバイスの状態や、情報処理装置において実行されるゲームの状況などをユーザに提示するために使用される。こういった入力デバイスは、その内部に、光源(一般的には発光ダイオード(LED))と、入力デバイスの外面に設けられた発光領域まで光源の光を導く導光部材とを有している。また、入力デバイスの内部には、意図しない領域への光漏れを防止する遮光部材が配置されることもある。このような構造は、入力デバイスに限られず、例えば、ゲーム装置自体や、オーディオビジュアル装置など種々の電子機器においても使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2021/200076号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
入力デバイス等の電子機器の設計においては、発光領域を設計者が意図した明るさで効率よく光らせたいという要望がある。しかしながら、導光部材と遮光部材との間に生じる隙間の大きさが、部材の公差に起因して安定せず、そのことが発光領域の輝度に影響してしまうことがある。その結果、発光領域が意図した輝度で光らないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示で提案する電子機器は、光源と、前記電子機器の外側に前記光源の光を出す発光部と、二色成形によって形成されている導光部と遮光部とを有している導光部材とを有している。前記導光部は、前記光源からの光を受ける受光部と、前記発光部に向けて光を出す射光部と、前記受光部から前記射光部に向かって伸びている光伝送部とを有している。前記遮光部には第1開口が形成され、前記第1開口の内周縁は、前記受光部又は前記射光部のうち一方の部分である第1部分に接触している。前記光伝送部は、前記光伝送部の延伸方向に伸びており且つ前記遮光部から露出している外面を有している。この構造によると、導光部と遮光部との間の隙間の大きさの不安定さを解消でき、その結果、発光領域の輝度を安定させることができる。また、受光部から射光部に光源の光を効率的に導くことができる。
【0006】
本開示で提案する導光部材は、導光部と遮光部とを有している。前記導光部と前記遮光部は二色成形によって形成されている。前記導光部は、光源からの光を受ける受光部と、前記発光部に向けて光を出す射光部と、前記受光部から前記射光部に向かって伸びている光伝送部とを有している。前記遮光部には第1開口が形成され、前記第1開口の内周縁は、前記受光部又は前記射光部のうち一方の部分である第1部分に接触している。前記光伝送部は、前記光伝送部の延伸方向に伸びており且つ前記遮光部から露出している外面を有している。この構造によると、導光部と遮光部との間の隙間の大きさの不安定さを解消でき、その結果、発光領域の輝度を安定させることができる。また、受光部から射光部に光源の光を効率的に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本開示で提案する電子機器の一例として、入力デバイスを示す平面図である。
図1B図1Aで示す入力デバイスの平面図である。
図2図1Aで示す入力デバイスが有している入力パッドの平面図である。
図3】入力パッドの分解斜視図である。
図4】入力パッドを構成している導光フレームの斜視図である。
図5】導光フレームの背面図である。
図6図5で示すVI-VI線での断面図である。
図7A図5で示すVIIa-VIIa線での断面図である。
図7B図7Aで示す領域VIIbの拡大図である。
図8】導光フレームの平面図である。導光部の上面に網掛けが施されている。
図9】導光フレームの下側を示す斜視図である。
図10】導光フレームの底面図である。
図11A図8で示すXIa-XIa線に沿った切断面で得られる第2導光部の断面を概略的に示す図である。
図11B図8で示すXIb-XIb線に沿った切断面で得られる第2導光部の断面を概略的に示す図である。
図12A図8で示すXIIa-XIIa線に沿った切断面で得られる第3導光部の断面を概略的に示す図である。
図12B図8で示すXIIb-XIIb線に沿った切断面で得られる第3導光部の断面を概略的に示す図である。
図13】入力デバイスが使用されるシステムを説明するための図である。
図14A】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図14B】情報処理装置が有している制御装置の機能を示すブロック図である。
図15A】入力デバイスの構成を示すブロック図である。
図15B】入力デバイスが有している制御装置の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示で提案する電子機器について図面を参照しながら説明する。図1Aは、本開示で提案する電子機器の例である入力デバイス10の平面図である。図1Bは入力デバイス10の正面図である。入力デバイス10は、例えば、ゲーム装置に対してユーザの指示操作を入力するための装置である。図2図12Bは、入力デバイス10が有している入力パッドPdを説明するための図である。
【0009】
以下の説明では、図1Aに示すX1及びX2をそれぞれ右方向及び左方向とし、Y1及びY2をそれぞれ前方及び後方とし、図1Bに示すZ1及びZ2をそれぞれ上方及び下方とする。これらの方向は、入力デバイス10の要素(部品、部材、及び部分)の形状や相対的な位置関係を説明するため規定され、使用時における入力デバイス10の姿勢を限定するものではない。
【0010】
図1Aに示すように、入力デバイス10は、その左部及び右部に、ユーザが手で保持するための左被保持部10Lと右被保持部10Rとをそれぞれ有している。入力デバイス10は、被保持部10L・10Rの間に、デバイス中央部10Mを有している。被保持部10L・10Rは、デバイス中央部10Mの後縁よりも後方に伸びているグリップ10Gを有している。これとは異なり、デバイス中央部10Mの後縁は、被保持部10L・10Rの後端の位置に達していてもよい。
【0011】
入力デバイス10は、ユーザが指で操作するための複数の入力部材を有している。図1Aに示すように、例えば、右被保持部10Rの前部の上面に、4つの入力ボタン18が配置され、左被保持部10Lの前部の上面に、十字形状を有する方向キー(十字ボタン)19が配置される。入力デバイス10は、左右の入力ボタン17aや、入力デバイス10の左右方向での中心に配置される入力ボタン17bを有してもよい。さらに、入力デバイス10は、図1Bに示すように、被保持部10R・10Lの前面に、入力ボタン15とトリガーボタンと16を有してもよい。
【0012】
図1Aで示すように、入力デバイス10は入力スティック14を有してもよい。入力スティック14は、例えば、デバイス中央部10Mの右部と左部とに配置される。入力スティック14は、その半径方向に傾けたり、傾けた状態で初期位置の中心線を中心として回転させたりすることができる。入力スティック14は上下動可能に支持され、ボタンとして機能してもよい。入力スティック14は、半径方向での傾きに替えて、その半径方向にスライド可能であってもよい。
【0013】
また、入力デバイス10は、ユーザが指で操作する入力部材の例として、入力パッドPdを有している。入力パッドPdは、図1Aに示すように、例えば左右の入力スティック14の前方、且つ入力ボタン18と方向キー19との間に配置される。入力パッドPdの位置はこれに限られない。
【0014】
[入力パッドの構成]
入力デバイス10は、図2で示すように、複数の発光部E1・E2・E3を有している。発光部E1・E2・E3は、例えば入力パッドPdの外縁に沿って設けられる。図で示す例では、発光部E1・E2・E3は、入力パッドPdの後縁に沿って設けられている。図2で示すように、入力デバイス10は、例えば、1つの第1発光部E1と、2つの第2発光部E2とを有してよい。第1発光部E1は、例えば、2つの第2発光部E2の間に配置される。入力デバイス10は、2つの第3発光部E3を有してよい。第1発光部E1と2つの第2発光部E2は、例えば、2つの第3発光部E3の間に配置されてよい。
【0015】
入力デバイス10は複数の光源S1・S2・S3(図3参照)を有している。第1光源S1は第1発光部E1の光源であり、第2光源S2は2つの第2発光部E2の光源であり、第3光源S3は2つの第3発光部E3の光源であってよい。各光源S1・S2・S3の光は、導光フレーム20に形成されている導光部21・22・23によって、発光部E1・E2・E3に伝えられる。導光フレーム20については、後において詳説する。
【0016】
複数(図2で示す例において5つ)の発光部E1~E3は、情報処理装置(例えば、ゲーム装置)から入力デバイス10が受信する情報に応じて発光してよい。
【0017】
例えば、複数の発光部E1~E3は、情報処理装置によって入力デバイス10に割り当てられる識別情報に応じて、発光してよい。例えば、2つの入力デバイス10が同時に使用される場合、1つ目の入力デバイス10に識別情報として「1」が割り当てられ、2つ目の入力デバイス10には、識別情報として「2」が割り当てられてよい。そして、複数の発光部E1・E2・E3のうち、識別情報に応じた数の発光部だけが発光してよい。例えば、識別情報として「1」が割り当てられた場合には、真ん中の第1発光部E1だけが発光してよい。識別情報として「2」が割り当てられた場合には、2つの第2発光部E2だけが発光してよい。
【0018】
3つの入力デバイス10が使用される場合には、3つの入力デバイス10に識別情報として「1」~「3」がそれぞれ割り当てられてよい。同様に、4つの入力デバイス10が使用される場合、4つの入力デバイス10に識別情報として「1」~「4」がそれぞれ割り当てられ、5つの入力デバイス10が使用される場合、5つの入力デバイス10に識別情報として「1」~「5」がそれぞれ割り当てられてよい。そして、識別情報として「3」が割り当てられた場合には、第1発光部E1と2つの第2発光部E2(或いは2つの第3発光部E3)が発光してよい。識別情報として「4」が割り当てられた場合には、2つの第2発光部E2と2つの第3発光部E3とが発光し、識別情報として「5」が割り当てられた場合には、第1発光部E1と、2つの第2発光部E2と、2つの第3発光部E3とが発光してよい。
【0019】
ユーザは発光している発光部E1・E2・E3の数を確認することで、自身の入力デバイス10に割り当てられた番号を把握できる。このような発光制御は、入力デバイス10が有している制御装置11(図15A参照)によって実行されてよい。
【0020】
なお、発光部E1・E2・E3の利用は、このような識別情報の提示に限られない。例えば、発光部E1・E2・E3は、入力デバイス10の状態(例えば、異常発生、バッテリー残量)や、入力デバイス10と情報処理装置(ゲーム装置)の通信状態、情報処理装置で実行されるゲームの状況やフレンド(他のゲームユーザ)からのチャットメッセージの受信などを提示するために発光してよい。
【0021】
図3で示すように、入力パッドPdは、外装プレート30と、導光フレーム20と、回路基板40と、光拡散部材50とを有している。
【0022】
[回路基板と外装プレート]
外装プレート30は入力デバイス10の外面を構成する。図3で示すように、外装プレート30は、例えば入力パッドPdの最上部に配置され、入力デバイス10の上面を構成する。
【0023】
外装プレート30の下面に回路基板40が取り付けられる。回路基板40の下面に、光源S1・S2・S3が実装される。光源S1・S2・S3は、発光ダイオードである。複数の光源S1・S2・S3のそれぞれが、赤、緑、及び青の3色の発光ダイオードを有してもよい。これによれば、白色光を含め、種々の色の光で発光部E1・E2・E3を光らせることができる。これとは異なり、複数の光源S1・S2・S3のそれぞれは、赤、緑、青の3色の発光ダイオードのうちいずれかの色の発光ダイオードだけで構成されてもよい。この場合、発光部E1・E2・E3のそれぞれは、単色光で光らせることができる。回路基板40の上面に、ユーザの指の位置を検知するためのタッチセンサ41が形成されてもよい。外装プレート30の表面(上面)に触れたユーザの指の位置を、タッチセンサ41によって検知できる。
【0024】
図3で示すように、回路基板40の下側に導光フレーム20が配置されている。導光フレーム20は、外装プレート30に螺子で取り付けられたり、外装プレート30に接着されてよい。
【0025】
[光拡散部材]
図3で示すように、光拡散部材50は、例えば導光フレーム20を取り囲む枠形状であってよい。光拡散部材50は、導光フレーム20の後縁に沿って配置される後部51と、導光フレーム20の左側及び右側に沿ってそれぞれ配置される左右の側部52と、導光フレーム20の前縁に沿って配置される前部53とを有してよい。
【0026】
後部51の上面51aが、上述した発光部E1・E2・E3を含む発光領域として機能する。光源S1・S2・S3の光は、導光フレーム20が有する導光部21・22・23を通って後部51に入射する。光拡散部材50は、光を反射する微粒子が混ぜられた、光透過性を有する材料で形成されている。光拡散部材50に入射した光は、光拡散部材50の内部で乱反射し、光拡散部材50の上面51a(発光部E1・E2・E3)から出射する。
【0027】
光拡散部材50の形状は、発光部E1・E2・E3が確保される形状であれば、図3等で示す枠形状で無くてもよい。例えば、光拡散部材50は導光フレーム20の後縁に沿って配置される棒状であってよい。
【0028】
[導光フレーム(導光部材)]
図4図6、及び図8で示すように、導光フレーム20は、導光部21・22・23と遮光部27とを有している。図4及び図8において、網掛け部分が導光部21・22・23の表面である。導光部21・22・23は光源S1・S2・S3の光を発光部E1・E2・E3まで導く部分であり、光透過性を有する樹脂で形成される。例えば、導光部21・22・23はポリカーボネートで形成される。遮光部27は不透明な樹脂、すなわち光透過性を有していない樹脂で形成される。遮光部27の材料は、例えばABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)樹脂であってよい。
【0029】
導光部21・22・23と遮光部27は二色成形(ダブルモールド)によって一体的に成形されている。すなわち、導光部21・22・23と遮光部27は別個に成形され、その後に互いに取り付けられた部位(組み合わされた部位)ではなく、二種類の材料によって一体的に成形されている。導光部21・22・23と遮光部27は、それらの界面において溶着(より詳細には熱溶着)している。これによって部品数を低減でき、また入力デバイス10の製造工程において、それらを組み合わせる工程も省略できる。
【0030】
導光フレーム20は、導光部として、第1導光部21、第2導光部22、及び第3導光部23を有している。第1導光部21は、第1光源S1の光を第1発光部E1に導く部分である。第2導光部22は、第2光源S2の光を第2発光部E2に導く部分であり、第3導光部23は、第3光源S3の光を第3発光部E3に導く部分である。
【0031】
3つの導光部21・22・23は、これら導光部と同じ材料で形成されている連結部24・25・26(図7A参照)を介して互いに連結されてよい。これによれば、導光部21・22・23の成形時に金型内への材料の供給工程を簡単化でき、また部品数を低減できる。
【0032】
連結部24・25・26は、導光部21・22・23の延伸方向に対して実質的に直交する方向に伸びていてよい。例えば、第2導光部22と第3導光部23とを連結する連結部24は前後方向に伸びて、導光部22・23において左右方向に伸びている部分に連結している。連結部26は左右方向に伸びて、導光部21・22・23において前後方向に伸びている部分に連結している。
【0033】
[第1導光部]
図6で示すように、第1導光部21は第1光源S1からの光を受ける受光部21aを有している。受光部21aは、第1光源S1と対向する受光面21bを有している。第1光源S1は下方に光を発するように配置されている。受光面21bは、第1光源S1の下方に位置し、上方に向くように形成されている。
【0034】
図7Bで示すように、第1導光部21は、第1発光部E1(図2図3)に向けて光を出す射光部21cを有している。上述したように、入力パッドPdは、1つの第1発光部E1を有している。射光部21cは、光拡散部材50の後部51に対向している端面(射光面21d)を有している。射光面21dは後方に向いている。
【0035】
図6で示すように、第1導光部21は、受光部21aから射光部21cに光を導く光伝送部21eを有している。射光部21cは受光部21aの後方に位置している。光伝送部21eは、受光部21aから後方に伸びて射光部21cに達している。受光部21aは、第1光源S1からの光を後方に反射する反射面21fを有している。反射面21fは、上下方向と前後方向の双方に傾斜している。
【0036】
[第2導光部]
図6で示すように、第2導光部22は、第2光源S2からの光を受ける受光部22aを有している。受光部22aは第2光源S2と対向する受光面22bを有している。第2光源S2は、第1光源S1と同様、下方に光を発するように配置されている。受光面22bは、第2光源S2の下方に位置し、上方に向くように形成されている。
【0037】
図7Aで示すように、第2導光部22は、第2発光部E2(図2図3)に向けて光を出す射光部22cを有している。入力パッドPdは左右方向で離れている2つの第2発光部E2を有している。そのため、第2導光部22は左右方向で離れている2つの射光部22cを有している。2つの射光部22cの位置は、第2発光部E2の位置にそれぞれ対応している。各射光部22cは、光拡散部材50の後部51に対向している端面(射光面22d、図7B)を有している。射光面22dは後方に向いている。
【0038】
図7Aで示すように、第2導光部22は、受光部22aから射光部22cに光を導く光伝送部22eを有している。第2導光部22は、受光部22aから2つの射光部22cに向けてそれぞれ伸びている2本の光伝送部22eを有している。一方の光伝送部22eは受光部22aから左方に伸び、後側に向かって湾曲し、左側の射光部22cに達している。他方の光伝送部22eは受光部22aから右方に伸び、後側に向かって湾曲し、右側の射光部22cに達している。
【0039】
第2光源S2は第1光源S1の前方に位置している。そのため、図6で示すように、第2導光部22の受光部22aは第1導光部21の受光部21aの前方に位置している。第2導光部22(2本の光伝送部22e)は、第1導光部21を取り囲むように形成されている。
【0040】
図9で示すように、第2導光部22は、受光面22bの下方に形成されている2つの反射面22fを有している。2つの反射面22fは第2光源S2からの光を左側及び右側に向けてそれぞれ反射する。すなわち、反射面22fは第2光源S2からの光を、左右の光伝送部22eに向けて反射する。
【0041】
[第3導光部]
図6で示すように、第3導光部23は、第3光源S3からの光を受ける受光部23aを有している。受光部23aは第3光源S3と対向する受光面23bを有している。第3光源S3は、光源S1・S2と同様、下方に光を発するように配置されている。受光面23bは、第3光源S3の下方に位置し、上方に向くように形成されている。
【0042】
図7Aで示すように、第3導光部23は、第3発光部E3(図2図3)に向けて光を出す射光部23cを有している。入力パッドPdは左右方向で離れている2つの第3発光部E3を有している。そのため、第3導光部23は、左右方向で離れている2つの射光部23cを有している。2つの射光部23cの位置は、第3発光部E3の位置にそれぞれ対応している。各射光部23cは、光拡散部材50の後部51に対向している端面(射光面23d、図7B参照)を有している。射光面23dは後方に向いている。
【0043】
図7Aで示すように、第3導光部23は、受光部23aから射光部23cに光を導く光伝送部23eを有している。第3導光部23は、受光部23aから2つの射光部23cに向けてそれぞれ伸びている2本の光伝送部23eを有している。一方の光伝送部23eは受光部23aから左方に伸び、後側に向かって湾曲し、左側の射光部23cに達している。他方の光伝送部23eは受光部23aから右方に伸び、後側に向かって湾曲し、右側の射光部23cに達している。
【0044】
第3光源S3は光源S1・S2の前方に位置している。そのため、図6で示すように、第3導光部23の受光部23aは第1及び第2導光部21・22の受光部21a・22aの前方に位置している。第3導光部23(2本の光伝送部23e)は、第1及び第2導光部21・22を取り囲むように形成されている。
【0045】
図9で示すように、第3導光部23は、受光面23bの下方に形成されている2つの反射面23fを有している。2つの反射面23fは第3光源S3からの光を左側及び右側に向けてそれぞれ反射する。すなわち、反射面23fは第3光源S3からの光を、左右の光伝送部23eに向けて反射する。
【0046】
[第1導光部と遮光部との構造関係]
図5及び図7Bで示すように、遮光部27には第1射光開口27aが形成されている。第1射光開口27aは、例えば、遮光部27の最後部に位置している後壁27mに形成される。第1射光開口27aは後壁27mを貫通していてよい。第1導光部21の射光部21cは第1射光開口27aの内側に形成されている。
【0047】
図5で示すように、射光開口27aの内周縁(内周面)27gは、内周縁27gの全体に亘って射光部21cに接触している。射光部21cの外周面と、第1射光開口27aの内周縁27gとの間には、隙間が形成されていない。これによると、意図しない部分から光が漏れることを抑えることができ、第1発光部E1を効果的に光らせることができる。射光開口27aの内周縁27gは、射光面21dの全周を取り囲んでいる。
【0048】
上述したように、第1導光部21と遮光部27は二色成形によって一体的に成形されている。このため、第1射光開口27aの内周縁27gは溶着(より詳細には熱溶着)によって射光部21cに固定され、また、それらの間の隙間を無くすことができている。
【0049】
第1導光部21と遮光部27とが別個に成形されていると、それらに公差があるので、第1導光部21と遮光部27との間の隙間を一定にするのが難しい。そのため、複数の導光部材20を製造した場合には、第1導光部21と遮光部27とが部分的に接触する箇所のある導光部材20が発生し得る。そのような箇所では、光が遮光部27に吸収され、光が反射しにくい。したがって、第1導光部21と遮光部27とが別個に成形されていると、発光部E1の輝度の不安定さが生じる。これに対して、入力デバイス10では、第1導光部21と遮光部27との二色成形によって、第1射光開口27aと射光部21cとの隙間が無くなっているので、発光部E1の輝度を安定化できる。また、第1導光部21と遮光部27とを一体的に成形すると、部品数が低減するので、光源S1や、第1導光部21、遮光部27など、発光部E1の発光に関与する要素間の累積公差が低減し、要素間の相対位置のずれも低減する。このことも、発光部E1の輝度の安定化に寄与する。
【0050】
図7Bで示すように、射光部21cは後方に向かって突出する凸部であり、第1射光開口27aの内側に嵌まっている。第1射光開口27aの内周面が、射光部21cの外周面に密着している。これによると、第1発光部E1をより効果的に光らせることができる。また、射光部21cの外周面と第1射光開口27aの内周面とが溶着(より詳細には熱溶着)しているため、射光部21cを第1射光開口27aに強固に固定できる。ここで外周面とは、射光面21dに対して直交する方向に射光面21dを見たときに、射光面21dを取り囲む面である。
【0051】
図5で示すように、射光面21dは矩形であり、射光部21cの外周面は4つの側面F1~F4を有している。すなわち、射光部21cは、第1側面F1、第1側面F1とは反対側の側面である第2側面F2、第1及び第2側面F1・F2とは直交する方向に向いている第3側面F3、及び第3側面F3とは反対側の側面である第4側面F4を有している。第1射光開口27aの内周面は、4つの側面F1~F4のそれぞれに密着し、固定されている。
【0052】
なお、射光面21dの形状は矩形でなくてもよい。例えば、射光面21dは円形であってもよい。この場合においても、第1射光開口27aの内周縁27g及び/又は内周面は、その全体に亘って、射光部21cに接触していてよい。
【0053】
さらに他の例として、射光面21dは、三角形や、五角形、六角形などの多角形であってもよい。この場合においても、第1射光開口27aの内周縁27g及び/又は内周面は、その全体に亘って、射光部21cに接触していてよい。
【0054】
また、射光部21cは必ずしも凸部でなくてもよい。この場合、射光部21cは第1射光開口27aの内周面に達していないものの、第1射光開口27aの内周縁27gには接触していてよい。
【0055】
図6及び図8で示すように、遮光部27には第1受光開口27bが形成されている。第1導光部21の受光部21aは第1受光開口27bの内側に形成されている。
【0056】
遮光部27は、後壁27mの前側に形成され、上下方向に対して実質的に直交するよう形成されている主壁27nを有している。第1受光開口27bは、例えば主壁27nに形成されてよい。受光部21aは、この第1受光開口27bの内側で上方に露出してよい。
【0057】
第1受光開口27bの内周縁27h(図6参照)は、その全体に亘って受光部21aに接触している。言い換えれば、受光部21aと、第1受光開口27bの内周縁27hとの間に、隙間が形成されていない。その結果、入力デバイス10の内部における意図しない領域に、第1光源S1の光が漏れることを抑えることができる。
【0058】
上述したように、第1導光部21は遮光部27と二色成形によって形成されている。そのため、内周縁27hと受光部21aとの間の隙間を無くすことができている。また、内周縁27hは、溶着(より詳細には熱溶着)によって受光部21aに固定される。
【0059】
図8で示すように、第1受光開口27bの内周縁27hは受光面21bの全周を取り囲んでいる。その結果、入力デバイス10の内部における意図しない領域に光が漏れることを、より効果的に抑えることができる。
【0060】
第1導光部21の光伝送部21eは、光伝送部21eの延伸方向に伸びており且つ遮光部27から露出している外面を有している。図6及び図9で示すように、光伝送部21eは、例えば、光伝送部21eの延伸方向(前後方向)に沿って形成されている下面21gを有してよい。下面21gが遮光部27から露出してよい。すなわち、下面21gは遮光部27によって覆われておらず、空気に接していてよい。この構造によれば、下面21gに遮光部27が触れている構造に比して、下面21gにおいて光が反射し易くなる。その結果、第1光源S1の光を効率的に射光部21cに導くことができる。
【0061】
第1導光部21は、受光部21aから入射した光を射光部21cに向けて反射する反射面21fを有している。反射面21fも遮光部27から露出している。下面21gは、この反射面21fから後方に伸びている。
【0062】
なお、光伝送部21eの外面において露出する面は、下面21gに限られない。例えば、光伝送部21eの右側面及び左側面も遮光部27から露出していてもよい。例えば、図9で示すように、光伝送部21eの左右の側面が部分的に遮光部27から露出していてよい。
【0063】
光伝送部21eの外面は、光伝送部21eの延伸方向に伸びており且つ遮光部27が固定されている面を含んでもよい。例えば、図6で示すように、光伝送部21eの上面21iに遮光部27が接触し、固定されていてよい。これによれば、第1導光部21の支持強度を増すことができる。
【0064】
[第2導光部と遮光部との構造関係]
図5及び図7Bで示すように、遮光部27には第2射光開口27cが形成されている。第2射光開口27cは後壁27mを貫通している。第2導光部22の射光部22cは、第1導光部21の射光部21cと同様、第2射光開口27cの内側に形成されている。
【0065】
第2射光開口27cの内周縁27iは射光部22cに接触している。言い換えれば、内周縁27iと射光部22cとの間に隙間が形成されていない。これによると、意図しない光漏れを抑えることができ、第2発光部E2を効果的に光らせることができる。内周縁27iは、射光面22dの全周を取り囲み、内周縁27iの全体に亘って射光部22cに接触している。
【0066】
上述したように、第2導光部22は遮光部27と二色成形によって一体的に成形されている。そのため、第2射光開口27cの内周縁27iと射光部22cは接触し、溶着(より詳細には熱溶着)によって相互に固定され、それらの間の隙間を無くすことができている。
【0067】
第2導光部22と遮光部27とが別個に成形されていると、それらに公差があるので、第2導光部22と遮光部27との間の隙間を一定にするのは難しい。そのため、複数の導光部材20を製造した場合には、射光部22cと遮光部27とが部分的に接触する箇所のある導光部材20が発生し得る。そのような箇所では、光が遮光部27に吸収され、光が反射しにくい。したがって、第2導光部22と遮光部27とが別個に成形されていると、発光部E2の輝度の不安定さが生じる。これに対して、入力デバイス10では、第2導光部22と遮光部27との二色成形によって、第2射光開口27cと射光部22cとの隙間が無くなっているので、発光部E2の輝度を安定化できる。また、第2導光部22と遮光部27とを一体的に成形すると、部品数が低減するので、光源S2や、第2導光部22、遮光部27など、発光部E2の発光に関与する要素間の累積公差が低減し、要素間の相対位置のずれも低減する。このことも、発光部E2の輝度の安定化に寄与する。
【0068】
図7B等で示す例において、射光部22cは後方に向かって突出する凸部であり、第2射光開口27cの内側に嵌められている。第2射光開口27cの内周面が、射光部22cの外周面に密着している。これによって、第2発光部E2を効果的に光らせることができる。また、射光部22cの外周面と第2射光開口27cの内周面とが溶着(より詳細には熱溶着)しているため、射光部22cを第2射光開口27cに強固に固定できる。ここで外周面とは、射光面22dに対して直交する方向に射光面22dを見たときに、射光面22dを取り囲む面である。
【0069】
図5及び図7Bで示すように、射光面22dは矩形である。従って、第2導光部22の射光部22cの外周面は、第1導光部21の射光部21cと同様、第1側面F1、第2側面F2、第3側面F3、及び第4側面F4を有している。第2射光開口27cの内周面は4つの側面F1~F4のそれぞれに密着している。
【0070】
なお、射光面22dの形状は矩形でなくてもよい。例えば、射光面22dは円形であってもよい。この場合においても、第2射光開口27cの内周縁27i及び/又は内周面は、その全体に亘って、射光部22cに接触していてよい。
【0071】
さらに他の例として、射光面22dは、三角形や、五角形、六角形などの多角形であってもよい。この場合においても、第2射光開口27cの内周縁27i及び/又は内周面は、その全体に亘って、射光部22cに接触していてよい。
【0072】
また、射光部22cは必ずしも凸部でなくてもよい。この場合、射光部22cは第2射光開口27cの内周面に達していないものの、第2射光開口27cの内周縁27iには接触していてよい。
【0073】
図6及び図8で示すように、遮光部27には第2受光開口27dが形成されている。第2導光部22の受光部22aは、第2受光開口27dの内側に形成されている。第2受光開口27dは主壁27nを上下方向に貫通してよい。受光部22aは、第2受光開口27dの内側で上方に露出していてよい。
【0074】
第2受光開口27dの内周縁27jは、内周縁27jの全体に亘って受光部22aに接触している。言い換えれば、第2受光開口27dの内周縁27jと受光部22aとの間に、隙間が形成されていない。これによって、入力デバイス10の内部において、意図しない光漏れを抑えることができる。
【0075】
上述したように、第2導光部22は遮光部27と二色成形によって一体的に成形されている。そのため、内周縁27jと受光部22aは溶着(より詳細には熱溶着)によって相互に固定され、またそれらの間の隙間を無くすことができている。
【0076】
図8で示すように、第2受光開口27dの内周縁27jは、受光面22bの全周を取り囲み、内周縁27jの全体に亘って受光部22aに接触している。その結果、意図しない光漏れを、より効果的に抑えることができる。
【0077】
受光部22aは、第2光源S2に向かって上方に突出している凸部である。受光部22aは第2受光開口27dの内側に嵌まっている。そのため、第2受光開口27dの内周面が、受光部22aの外周面に密着している。ここで外周面とは、受光面22bに対して直交する方向に受光面22bを見たときに、受光面22bを取り囲む面である。
【0078】
第2導光部22の光伝送部22eの外面は、光伝送部22eの延伸方向に伸びている第1の面22g(図9図11A図11B)、第2の面22h(図8図11A図11B)、第3の面22i(図7A図11B)、及び第4の面22k(図7A図11B)を有している。4つの面22g・22h・22i・22kは、互いに異なる方向に向いている面である。図で示す例において、第1の面22gは下面であり、第2面22hは上面である。反射面22fから射光部22cに近づくに従って光伝送部22eが細くなるように、光伝送部22eの下面22gは傾斜していてよい。第3の面22iは、湾曲している光伝送部22eの半径方向の外側に向いている面(以下において、外側湾曲面)である。第4の面22kは、湾曲している光伝送部22eの半径方向の内側に向いている面(以下において、内側湾曲面)である。
【0079】
光伝送部22eは、遮光部27から露出している外面を有している。図で示す例では、下面22g(図9図11A)と上面22h(図8図11A)とが露出している。すなわち、下面22g及び上面22hは遮光部27によって覆われておらず、空気に接している。この構造によれば、下面22g及び上面22hに遮光部27が触れている構造に比して、これらの面22g・22hにおいて光が反射し易くなり、その結果、第2光源S2の光を効率的に射光部22cに導くことができる。
【0080】
主壁27nには、光伝送部22eの外面を露出させるための開口や穴が形成されてよい。例えば、図8で示すように、主壁27nには開口27qが形成されてよい。上面22hはこの開口27qから上側に露出してよい。
【0081】
また、図7で示すように、外側湾曲面22iも遮光部27から露出していてよい。すなわち、外側湾曲面22iは遮光部27によって覆われておらず、空気に接していてよい。この構造によれば、外側湾曲面22iに遮光部27が触れている構造に比して、外側湾曲面22iにおいて光が反射し易くなり、その結果、第2光源S2の光を効率的に射光部22cに導くことができる。
【0082】
外側湾曲面22iは、上述したように、湾曲している光伝送部22eの半径方向の外側に向いている面である。そのため、外側湾曲面22iが遮光部27から露出していることによって、外側湾曲面22iで効率的に光が反射し、光の進行方向を射光部22cに向けて曲げることができる。
【0083】
図11Bで示すように、光伝送部22eの延伸方向に対して直交する平面における光伝送部22eの断面(図11Bの断面)を見たとき、光伝送部22eの外面は、その半分以上の範囲において、遮光部27から露出していてよい。すなわち、光伝送部22eの断面に表れる下面22gの幅をW1(図11B参照)とし、上面22hの幅をW2(図11B参照)とし、外側湾曲面22iの幅をW3(図11B参照)とし、光伝送部22eの断面の外周全体の長さをLとしたとき、「W1+W2+W3>L/2」が成立していてよい。これによると、光伝送部22eの外面において、遮光部27から露出している範囲が十分に確保される。その結果、第2光源S2の光を効率的に射光部22cに導くことができる。なお、(W1+W2+W3)は断面の外周全体の長さLの2/3より大きくてもよい(「W1+W2+W3>L×2/3」)。
【0084】
図11Aで示すように、光伝送部22eの延伸方向における下面22gと上面22hの長さ(露出している面の長さ)は、受光面22bから射光面22dまでの距離の半分よりも大きくてよい。これによると、光伝送部22eの外面の大部分が遮光部27から露出することとなり、その結果、第2光源S2の光を効率的に射光部22cに導くことができる。光伝送部22eの延伸方向における下面22gと上面22hの長さは、受光面22bから射光面22dまでの距離の2/3よりも大きくてもよい。
【0085】
光伝送部22eは、光伝送部22eの延伸方向に伸びており且つ遮光部27が固定されている面を含んでよい。例えば、図7及び図11Bで示すように、遮光部27は、内側湾曲面22kに沿って形成されている支持部27pを有し、この支持部27pが内側湾曲面22kに固定されてよい。上述したように第2導光部22と遮光部27は二色成形によって一体的に成形されている。そのため、光伝送部22eの内側湾曲面22kと支持部27pは溶着(より詳細には熱溶着)によって相互に固定されている。これによって、導光フレーム20の強度を増すことができる。
【0086】
図11Bで示すように、内側湾曲面22kも部分的に支持部27pから露出していてよい。同図で示す例では、内側湾曲面22kの下部が支持部27pから露出している。
【0087】
また、光伝送部22eの露出している3つの面22g・22h・22iも部分的に遮光部27に固定されていてよい。例えば、外側湾曲面22iの上面22hに遮光部27が固定され、外側湾曲面22iは、その他の部分において、遮光部27から露出していてよい。これによって、第2導光部22の強度、及び導光フレーム20の強度を増すことができる。
【0088】
なお、光伝送部22eの形状は、図で示す例に限られない。例えば、光伝送部22eは円柱状であってもよい。この場合、光伝送部22eの延伸方向に対して直交する平面における光伝送部22eの断面を見たとき、断面の外周縁は、当該外周縁の全体の長さLの半分以上の範囲において露出してよい。そして、残りの範囲においては遮光部27が接触(溶着)されていてよい。
【0089】
また、光伝送部22eは湾曲していなくてもよい。例えば、受光部22aから射光部22cまで直線的に伸びていてもよい。また、第2導光部22が有している射光部22c及び光伝送部22eの数はそれぞれ1つであってもよい。
【0090】
[第3導光部と遮光部との構造関係]
図5及び図7Bで示すように、遮光部27には第3射光開口27eが形成されている。第3射光開口27eは後壁27mを貫通している。第3導光部23の射光部23cは、第3射光開口27eの内側に形成されている。
【0091】
図7Bで示すように、第3射光開口27eの内周縁27kは、内周縁27kの全体に亘って射光部23cに接触している。言い換えれば、内周縁27kと射光部23cとの間に隙間が形成されていない。これによると、意図しない部分から光が漏れることを抑えることができ、第3発光部E3を効果的に光らせることができる。内周縁27kは、射光面23dの全周を取り囲んでいる。
【0092】
第3導光部23と遮光部27は二色成形によって一体的に成形されている。そのため、第3射光開口27eの内周縁27kと射光部23cは溶着(より詳細には熱溶着)によって相互に固定され、また、それらの間の隙間を無くすことができている。
【0093】
第3導光部23と遮光部27とが別個に成形されていると、それらに公差があるので、第3導光部23と遮光部27との間の隙間を一定にするのは難しい。そのため、複数の導光部材20を製造した場合には、第3導光部23と遮光部27とが部分的に接触する箇所のある導光部材20が発生し得る。そのような箇所では、光が遮光部27に吸収され、反射しにくい。したがって、第3導光部23と遮光部27とが別個に成形されていると、発光部E3の輝度の不安定さが生じる。これに対して、入力デバイス10では、第3導光部23と遮光部27との二色成形によって、第3射光開口27eと射光部23cとの隙間が無くなっているので、発光部E3の輝度を安定化できる。また、第3導光部23と遮光部27とを一体的に成形すると、部品数が低減するので、光源S3や、第3導光部23、遮光部27など、発光部E3の発光に関与する要素間の累積公差が低減し、要素間の相対位置のずれも低減する。このことも、発光部E3の輝度の安定化に寄与する。
【0094】
図7Bで示すように、射光部23cは後方に向かって突出する凸部であり、第3射光開口27eの内側に嵌まっている。第3射光開口27eの内周面が、射光部23cの外周面に密着している。これによって、第3発光部Eを効果的に光らせることができる。また、射光部23cの外周面と第3射光開口27eの内周面とが溶着(より詳細には熱溶着)しているため、射光部23cを第3射光開口27eに強固に固定できる。ここで外周面とは、射光面23dに対して直交する方向に射光面23dを見たときに、射光面23dを取り囲む面である。
【0095】
図5A及び図7Bで示すように、射光面23dは矩形である。従って、第3導光部23の射光部23cの外周面は、第1導光部21の射光部21cと同様、4つの側面F1~F4を有している。第3射光開口27eの内周面は4つの側面F1~F4のそれぞれに密着している。
【0096】
なお、射光面23dの形状は矩形でなくてもよい。例えば、射光面23dは円形であってもよい。この場合においても、第3射光開口27eの内周縁27k及び/又は内周面は、その全体に亘って、射光部23cに接触していてよい。
【0097】
さらに他の例として、射光面23dは、三角形や、五角形、六角形などの多角形であってもよい。この場合においても、第3射光開口27eの内周縁27k及び/又は内周面は、その全体に亘って、射光部23cに接触していてよい。
【0098】
また、射光部23cは必ずしも凸部でなくてもよい。この場合、射光部23cは第3射光開口27eの内周面に達していないものの、第3射光開口27eの内周縁27kには接触していてよい。
【0099】
図6で示すように、遮光部27には第3受光開口27fが形成されている。第3導光部23の受光部23aは、第3受光開口27fの内側に形成されている。受光部23aは、第3受光開口27fの内側で上方に露出していてよい。
【0100】
第3受光開口27fの縁27Lは、受光部23aに接触している。言い換えれば、第3受光開口27fの縁27Lと受光部23aとの間に、隙間が形成されていない。これによって、入力デバイス10の内部において意図しない光漏れを抑えることができる。
【0101】
上述したように、第3導光部23は遮光部27と二色成形によって形成されている。そのため、縁27Lと受光部23aとの間の隙間を無くすことができている。また、縁27Lと受光部23aは溶着(より詳細には熱溶着)によって相互に固定されている。
【0102】
図8で示すように、第3受光開口27fの縁27Lは、上述した第1受光開口27bの内周縁27hや第2受光開口27dの内周縁27jとは異なり、受光部23aの外縁の一部にだけ接している。具体的には、縁27Lは、受光部23aの後縁にだけ接している。図で示す例とは異なり、第3受光開口27fの縁27Lは、第2受光開口27dと同様に、受光部23aの全体を取り囲んでいてもよい。
【0103】
第3導光部23の光伝送部23eの外面は、光伝送部23eの延伸方向に伸びている第1の面23g(図9図12A図12B)、第2の面23h(図8図12A図12B)、第3の面23i(図7A図12A図12B)、及び第4の面23k(図7A図12A図12B)を有している。4つの面23g・23h・23i・23kは、互いに異なる方向に向いている面である。図で示す例において、第1の面23gは下面であり、第2面23hは上面である。図9で示すように、反射面23fから射光部23cに近づくに従って光伝送部23eが細くなるように、光伝送部23eの下面23gは傾斜していてよい。第3の面23iは、湾曲している光伝送部23eの半径方向の外側に向いている面(以下において、外側湾曲面)である。第4の面23kは、湾曲している光伝送部23eの半径方向の内側に向いている面(以下において、内側湾曲面)である。
【0104】
光伝送部23eは、遮光部27から露出している外面を有している。図で示す例では、下面23gと上面23hとが露出している。すなわち、下面23g及び上面23hは、遮光部27によって覆われておらず、空気に接している。この構造によれば、これらの面23g・23hに遮光部27が触れている構造に比して、下面23g及び上面23hにおいて光が反射し易くなり、その結果、第3光源S3の光を効率的に射光部23cに導くことができる。
【0105】
主壁27nには、光伝送部23eの外面を露出させるための開口や穴が形成されてよい。例えば、図8で示すように、主壁27nには開口27sが形成されてよい。上面23hはこの開口27sから上側に露出してよい。
【0106】
また、図7A図12A、及び図12Bで示すように、外側湾曲面23iも遮光部27から露出していてよい。すなわち、外側湾曲面23iは遮光部27によって覆われておらず、空気に接していてよい。この構造によれば、外側湾曲面23iに遮光部27が触れている構造に比して、外側湾曲面23iにおいて光が反射し易くなり、その結果、第3光源S3の光を効率的に射光部23cに導くことができる。
【0107】
外側湾曲面23iは、上述したように、湾曲している光伝送部23eの半径方向の外側に向いている面である。そのため、外側湾曲面23iが遮光部27から露出していることによって、外側湾曲面23iで効率的に光が反射し、光の進行方向を射光部23cに向けて曲げることができる。
【0108】
なお、第3導光部23の光伝送部23eにおいても、図11Bを参照しながら説明した第2導光部22の光伝送部22eと同様に、光伝送部23eの延伸方向に対して直交する平面における光伝送部23eの断面を見たとき、光伝送部23eの外面は、その半分以上の範囲において露出していてよい。これにより、光伝送部23eの外面で光が反射し易くなり、その結果、第3光源S3の光を効率的に射光部23cに導くことができる。
【0109】
また、第2導光部22の光伝送部22eと同様に、第3導光部23の光伝送部23eの延伸方向における下面23gと上面23hの長さは、受光面23bから射光面23dまでの距離の半分よりも大きくてよい。これによると、光伝送部23eの外面の大部分が遮光部27から露出することとなり、その結果、第3光源S3の光を効率的に射光部23cに導くことができる。光伝送部23eの延伸方向におけるにおける下面23gと上面23hの長さは、受光面23bから射光面23dまでの距離の2/3よりも大きくてもよい。
【0110】
光伝送部23eは、光伝送部23eの延伸方向に伸びており且つ遮光部27が固定されている面を含んでよい。例えば、図9図12A図12Bで示すように、遮光部27は、内側湾曲面23kに沿って形成されている支持壁27rを有してよい。そして、この支持壁27rが内側湾曲面23kに接触していてよい。上述したように第3導光部23と遮光部27は二色成形によって一体的に成形されている。そのため、光伝送部23eの内側湾曲面23kと支持壁27rとが溶着(より詳細には熱溶着)によって、相互に固定される。これによって、導光フレーム20の強度を増すことができる。
【0111】
なお、光伝送部23eの形状は、図で示す例に限られない。例えば、光伝送部23eは円柱状であってもよい。この場合においても、光伝送部23eの延伸方向に対して直交する平面における光伝送部23eの断面を見たとき、光伝送部23eの外面は、その半分以上の範囲において遮光部27から露出してよい。そして、残りの範囲においては遮光部27が接触(溶着)されていてよい。
【0112】
また、光伝送部23eは湾曲していなくてもよい。例えば、受光部23aから射光部23cまで直線的に伸びていてもよい。また、第3導光部23が有している射光部23c及び光伝送部23eの数はそれぞれ1つであってもよい。
【0113】
[遮光壁]
図6で示すように、遮光部27は遮光壁27t・27uを有している。遮光壁27tは、隣り合う2つの受光開口27b・27dの間に形成され、受光部21a・22aの端面(すなわち、受光面21b・22b)よりも上方に突出している。この遮光壁27tによって、第1光源S1の光が第2導光部22の受光部22aに入射すること、及び第2光源S2の光が第1導光部21の受光部21aに入射することを抑えることができる。
【0114】
図6で示すように、受光面21b・22bから遮光壁27tの上端面までの距離(遮光壁27tの高さ)は、受光面21b・22bから光源S1・S2の下端までの距離よりも大きい。これによると、第1光源S1の光が第2導光部22の受光部22aに入射すること、及び第2光源S2の光が第1導光部21の受光部21aに入射することを、より効果的に抑えることができる。
【0115】
また、遮光壁27uは、隣り合う2つの受光開口27d・27fの間に形成され、受光部22a・23aの端面(すなわち、受光面22b・23b)よりも上方に突出している。この遮光壁27uによって、第2光源S2の光が第3導光部23の受光部23aに入射すること、及び第3光源S3の光が第2導光部22の受光部22aに入射することを抑えることができる。
【0116】
図6で示すように、受光面22b・23bから遮光壁27uの上端面までの距離(遮光壁27uの高さ)は、受光面22b・23bから光源S2・S3の下端までの距離よりも大きい。これによると、第2光源S2の光が第3導光部23の受光部23aに入射すること、及び第3光源S3の光が第2導光部22の受光部22aに入射することを、より効果的に抑えることができる。
【0117】
[遮光部の後壁]
上述したように遮光部27は後壁27mを有している。図6で示すように、外装プレート30は、その後縁に沿って伸びている溝30aを有している。後壁27mは、溝30aに嵌まっている頂部28aを有している。これにより、光源S1・S2・S3の光が外装プレート30の後縁と後壁27mとの間から漏れることを、抑えることができる。
【0118】
また、図6で示すように、外装プレート30は、その後縁に沿って伸びている凸部30bを有している。凸部30bは頂部28aの後側に形成された段差に配置されている。これにより、光源S1・S2・S3の光が外装プレート30の後縁と後壁27mとの間から漏れることを、さらに効果的に抑えることができる。
【0119】
溝30a、凸部30b、及び頂部28aは、図6で示されるように、第1導光部21の射光部21cの上方だけでなく、第2導光部22の射光部22cと第3導光部23の射光部23cの上方にも形成されている。
【0120】
図6で示す例とは反対に、導光フレーム20の後壁27mの上端に、外装プレート30の後縁に沿って伸びている溝が形成され、この溝に嵌まる凸部が外装プレート30の後縁に形成されていてもよい。この場合も、光源S1・S2・S3の光が外装プレート30の後縁と後壁27mとの間から漏れることを、効果的に抑えることができる。
【0121】
図6で示すように、後壁27mの頂部28aの上端面の位置は、光源S1・S2・S3よりも高い。これにより、光源S1・S2・S3の光が外装プレート30の後縁と後壁27mとの間から漏れることを、より効果的に抑えることができる。頂部28aの上端面の位置は、光源S1・S2・S3が実装されている回路基板40よりも高い。これにより、光源S1・S2・S3の光が外装プレート30の後縁と後壁27mとの間から漏れることを、更に効果的に抑えることができる。
【0122】
[板バネ部]
入力パッドPdは、上下動可能となるように支持されている。入力デバイス10は、入力パッドPdの下側に配置される2つの支持凸部71A・71B(図10参照)を有している。2つの支持凸部71A・71Bは、左右方向で離れて配置されている。一方、入力パッドPdの導光フレーム20は、図9及び図10で示すように、板バネ部29A・29Bを有している。板バネ部29A・29Bの端部に被支持穴29aが形成されている。この被支持穴29aに支持凸部71A・71Bが嵌まっている。入力パッドPdは、板バネ部29A・29Bの弾性力によって、上方に付勢されている。これにより、入力パッドPdは押しボタンとして機能し得る。すなわち、ユーザが入力パッドPdを押す力を解除すると、入力パッドPdは、板バネ部29A・29Bの弾性力によって初期位置に戻る。
【0123】
板バネ部29A・29Bは、遮光部27とは異なる材料で形成されてよい。板バネ部29A・29Bは、弾性変形に適した材料で形成されるのが好ましい。板バネ部29A・29Bの材料としては、例えばポリカーボネートが利用されてよい。例えば、板バネ部29A・29Bは、導光部21・22・23と同じ材料で、二色成形によって遮光部27と一体的に成形されてよい。これによれば、板バネ部29A・29Bの成形を容易化できる。
【0124】
図10で示すように、板バネ部29A・29Bは略L字形状に形成されてよい。すなわち、板バネ部29A・29Bは、その基部から伸びている第1延伸部29bと、第1延伸部29bとは交差する方向に第1延伸部29bの端部から伸びている第2延伸部29cとを有してよい。図で示す例では、第1延伸部29bは、基部から後方に伸びている。第2延伸部29cは第1延伸部29bから左右方向の外側に向かって伸びている。
【0125】
このように板バネ部29A・29Bを略L字形状にすることによって、板バネ部29A・29Bの長さを確保することが可能となる。その結果、板バネ部29A・29Bの弾性力の調整が容易となる。例えば、板バネ部29A・29Bの長さを増すことで、板バネ部29A・29Bの厚さを薄くすること無く、弾性力を下げることができる。薄い板バネ部29A・29Bを樹脂で成形することが難しい場合がある。そのため、板バネ部29A・29Bの長さによって弾性力を下げることができる構造は、有効である。
【0126】
図10で示すように、被支持穴29aの下端の内周縁には斜面29eが形成されている。斜面29eに支持凸部71A・71Bの上端部が当たる。支持凸部71A・71Bは略T字形状であってよい。そして、T字の端部71aが、被支持穴29aの内周縁における一点にあたる。具体的には、被支持穴29aの内周縁における、左右方向での外側部分にあたる。このように、支持凸部71A・71Bと板バネ部29A・29Bとの接点の位置が固定されるので(変化しないので)、板バネ部29A・29Bの弾性力を安定させることができる。
【0127】
図6で示すように、回路基板40の下面にはスイッチ42が実装されてよい。入力デバイス10は、スイッチ42に対応する位置にストッパを有している。入力パッドPdが押されて下がると、スイッチ42にストッパが当たり、スイッチがオンする。これにより、入力パッドPdに対するユーザの押下操作が検知される。導光フレーム20(遮光部27)には、このスイッチ42を下側に露出させるための開口27vが形成されている。
【0128】
[変形例]
なお、導光フレーム20の形状は、上述した例に限られない。
【0129】
例えば、入力デバイス10は、複数の光源S1・S2・S3を有している。しかしながら、光源の数は1つでもよいし、2つでもよい。さらに光源の数は、4つ以上であってもよい。この場合、導光フレーム20は、光源の数に応じた数の導光部を有してよい。
【0130】
また、導光部22・23は受光部22a・23aから左方と右方のそれぞれに伸びている。しかしながら、本開示で提案する導光部22・23の構造は、受光部22a・23aから右方又は左方のうちの一方にのみ伸びる導光部に適用されていてもよい。また、本開示で提案する導光部22・23の構造は、受光部から一方向にだけ伸びる導光部に適用されてもよい。
【0131】
[入力デバイスを含むシステム]
図13は、入力デバイス10を含むシステム1の構成の一例を示す図である。図13に示すように、システム1は情報処理装置90と表示装置95と複数の入力デバイス10を含む。
【0132】
情報処理装置90は、例えばゲーム装置やパーソナルコンピュータである。表示装置95は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(electroluminescence)ディスプレイであり、情報処理装置90から出力される映像信号が表す映像などを表示させる。なお、情報処理装置90及び表示装置95は、例えばスマートフォンやタブレットPCといった、ディスプレイと一体型の装置として実現されてもよい。情報処理装置90は、インターネットなどのネットワークを介してサーバ装置に接続され、サーバ装置からデータを受信してよい。そして、情報処理装置90は、サーバ装置によって実行された処理(ゲーム処理など)の結果を表示装置95に出力してよい。また、情報処理装置90は、ネットワークを介して接続されるサーバ装置であってもよい。
【0133】
図14Aは、情報処理装置90の構成の一例を示す図である。同図に示すように、情報処理装置90は、制御装置91、記憶装置92、及び通信装置93などを含んでいる。制御装置91は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)を含み、記憶装置92は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)といった記憶素子や、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などである。CPUは記憶装置92にインストールされるプログラムに従って動作し、例えば記憶装置92や、他の記憶装置に記憶されているゲームプログラムの実行などによって、映像や音声を生成する。通信装置93は、ネットワークボードや無線LAN(local area network)モジュールやブルートゥース(登録商標)モジュールなどの通信インタフェースであり、複数の入力デバイス10の各々と有線又は無線でデータ通信を行う。
【0134】
図14Bは、制御装置91が実現する機能の一例を示すブロック図である。同図に示すように、制御装置91は、その機能として、例えばゲーム処理部91Aと、識別情報割当部91Bとを含む。ゲーム処理部91Aは、記憶装置92や他の記憶装置に記憶されているゲームプログラムを実行し、その実行結果として映像や音声を生成する。ゲーム処理部91Aは、サーバ装置に含まれるCPUなどの制御装置によって実現されてもよい。
【0135】
識別情報割当部91Bは、情報処理装置90に接続している入力デバイス10に固有の識別情報を割り当てる。識別情報割当部91Bは、例えば、「1」、「2」、「3」などの番号を識別情報として各入力デバイス10に割り当てる。例えば、情報処理装置90に3つの入力デバイス10が接続される場合、識別情報割当部91Bは、1つ目の入力デバイス10に「1」を割り当て、2つ目の入力デバイス10に「2」を割り当て、3つ目の入力デバイス10に「3」を割り当てる。4つ、或いは5つの入力デバイス10が使用される場合、識別情報割当部91Bは、4つ目の入力デバイス10に「4」を割り当て、5つ目の入力デバイス10に「5」を割り当てよい。割り当てられた番号は、各入力デバイス10に送信される。
【0136】
図15Aは、入力デバイス10の構成の一例を示すブロック図である。入力デバイス10は、制御装置11、記憶装置12、通信装置13などを含んでいる。制御装置11は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)といった駆動回路である。記憶装置12は、例えばメモリなどの記憶素子である。通信装置13は、例えば無線LANモジュールやブルートゥースモジュールなどの通信インタフェースであり、情報処理装置90の通信装置93と有線又は無線でデータ通信を行う。
【0137】
図15Bは、入力デバイス10が実現する機能の一例を示すブロック図である。同図に示すように、入力デバイス10は、機能として、例えば識別情報受信部11Aと、発光制御部11Bを含む。識別情報受信部11Aは、情報処理装置90から送信された番号などの識別情報を、通信装置13を通して受信する。発光制御部11Bは、識別情報受信部11Aが受信した識別情報(例えば「1」、「2」など)に応じて、光源S1~S3(図6を参照)を制御する。
【0138】
発光制御部11Bは、例えば、入力デバイス10に識別情報として「1」が割り当てられた場合、光源S1だけを点灯し、「2」が割り当てられた場合、光源S2だけを点灯してよい。また、入力デバイス10に識別情報として「3」が割り当てられた場合、第1光源S1と第3光源S3を点灯し、「4」が割り当てられた場合、第2光源S2と第3光源S3とを点灯してよい。また、識別情報として「5」が割り当てられた場合、3つの光源S1・S2・S3を点灯してよい。こうすることで、割り当てられた番号の数だけ発光部E1・E2・E3が点灯することとなる。
【0139】
[まとめ]
以上説明したように、入力デバイス10では、導光部21・22・23は受光部21a・22a・23aと、射光部21c・22c・23cと、受光部21a・22a・23aから射光部21c・22c・23cに向かって伸びている光伝送部21e・22e・23eとを有している。遮光部27には、射光部21c・22c・23cが内側に形成されている射光開口27a・27c・27eが形成され、受光部21a・22a・23aが内側に形成されている受光開口27b・27d・27fが形成されている。射光開口27a・27c・27eの内周縁27g・27i・27kは、内周縁の全体に亘って射光部21c・22c・23cに接触している。光伝送部21e・22e・23eは、光伝送部21e・22e・23eの延伸方向に伸びており且つ遮光部27から露出している外面(21g・22g~22k、23g~23k)を有している。
【0140】
この構造によると、射光部21c・22c・23cからの意図しない方向への光漏れを低減できる。また、光伝送部21e・22e・23eは遮光部27から露出している外面(21g・22g~22k、23g~23k)を有しているので、受光部21a・22a・23aから射光部21c・22c・23cに光源S1・S2・S3の光を効率的に導くことができる。
【0141】
光伝送部22e・23eは、遮光部27から露出している下面22g・23g及び上面22h・23hを有している。これにより、受光部21a・22a・23aから射光部21c・22c・23cに光源S1・S2・S3の光を効率的に導くことができる。
【0142】
光伝送部22e・23eは、遮光部27から露出している下面22g・23g、上面22h・23h、及び外側湾曲面22i・23iを有している。これにより、受光部21a・22a・23aから射光部21c・22c・23cに光源S1・S2・S3の光を、さらに効率的に導くことができる。
【0143】
光伝送部22e・23eは、光伝送部22e・23eの延伸方向に伸びている内側湾曲面22k・23kを有している。内側湾曲面22k・23kには遮光部27が固定されている。これにより、導光フレーム20の強度及び導光部22・23の強度を増すことができる。
【0144】
光伝送部22e・23eの延伸方向に対して直交する平面における光伝送部22e・23eの断面を見たとき、断面の外周縁は、その外周縁の半分以上の範囲において遮光部27から露出している。すなわち、図11Bを参照しながら説明したように、「W1+W2+W3>L/2」が成立してよい。
【0145】
受光開口27b・27dの内周縁27h・27jは、内周縁の全体に亘って受光部21a・22aに接触している。入力デバイス10内部において意図しない光漏れを低減できる。
【0146】
射光部21c・22c・23cは射光開口27a・27c・27eの内側に嵌まっている凸部である。射光開口27a・27c・27eの内周面は射光部21c・22c・23cの外周面に密着している。これによって、発光部E1・E2・E3を効果的に光らせることができる。また、射光部21c・22c・23cを射光開口27a・27c・27eに強固に固定できる。
【0147】
遮光部27は、隣り合う2つの受光開口27b・27d(27d・27f)の間に形成され、受光部21a・22a・23aよりも突出している遮光壁27t・27uを有している。これによると、例えば、第1光源S1の光が第2導光部22の受光部22aに入射すること、及び第2光源S2の光が第1導光部21の受光部21aに入射することを抑えることができる。
【0148】
受光面21b・22b・23bから遮光壁27t・27uの端部までの距離は、受光面21b・22b・23bから光源S1・S2・S3までの距離よりも大きい。これによると、例えば、第1光源S1の光が第2導光部22の受光部22aに入射すること、及び第2光源S2の光が第1導光部21の受光部21aに入射することを、より効果的に抑えることができる。
【0149】
[その他の例]
なお、本開示で提案する構造は、入力デバイスとは異なる電子機器(例えば、ゲーム装置や、パーソナルコンピュータ、オーディオビジュアル装置)に適用されてもよい。
【0150】
また、入力デバイス10は、導光部21・22・23が設けられている導光部材として、入力パッドPdの導光フレーム20を有していた。しかしながら、導光部21・22・23が設けられている導光部材は、入力部材とは異なり、例えば電子機器の外装部材の一部であってもよい。
【0151】
また、導光部材(導光フレーム)が有している導光部の数は3つでなくてもよい。すなわち、本開示で提案する導光フレーム20の構造は、導光部の数が1つだけの導光部材に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0152】
1:システム、10:入力デバイス、10G:グリップ、10L・10R:被保持部、10M:デバイス中央部、11:制御装置、11A:識別情報受信部、11B:発光制御部、12:記憶装置、13:通信装置、14:入力スティック、15・16:入力ボタン、17a・17b:入力ボタン、18:入力ボタン、19:方向キー、20:導光フレーム、21:第1導光部、21a:受光部、21b:受光面、21c:射光部、21d:射光面、21e:光伝送部、21f:反射面、21g:下面、21i:上面、22:第2導光部、22a:受光部、22b:受光面、22c:射光部、22d:射光面、22e:光伝送部、22f:反射面、22g:下面、22h:上面、22i:外側湾曲面、22k:内側湾曲面、23:第3導光部、23a:受光部、23b:受光面、23c:射光部、23d:射光面、23e:光伝送部、23f:反射面、23g:下面、23h:上面、23i:外側湾曲面、23k:内側湾曲面、24:連結部、26:連結部、27:遮光部、27L:縁、27a:第1射光開口、27b:第1受光開口、27c:第2射光開口、27d:第2受光開口、27e:第3射光開口、27f:第3受光開口、27g・27h・27i・27j・27k:内周縁、27m:後壁、27n:主壁、27p:支持部、27q:開口、27r:支持壁、27s:開口、27t:遮光壁、27u:遮光壁、27v:開口、28a:頂部、29A・28B:板バネ部、29a:被支持穴、29b:第1延伸部、29c:第2延伸部、29e:斜面、30:外装プレート、30a:溝、30b:凸部、40:回路基板、41:タッチセンサ、42:スイッチ、50:光拡散部材、51:後部、51a:上面、52:側部、53:前部、71A・71B:支持凸部、71a:端部、95:表示装置、E1・E2・E3 発光部、F1・F2・F3・F4
側面、Pd:入力パッド、S1・S2・S3:光源。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B