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特許7564239道路渋滞原因を提供するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】道路渋滞原因を提供するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20241001BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20241001BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G08G1/01 E
G08G1/09 F
G08G1/13
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022564460
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2020086794
(87)【国際公開番号】W WO2021212500
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】史 岸明
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-065529(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1833359(KR,B1)
【文献】特開2013-149035(JP,A)
【文献】特開2020-027400(JP,A)
【文献】特開2006-084461(JP,A)
【文献】特開2018-128389(JP,A)
【文献】特開2020-166328(JP,A)
【文献】特開2018-195237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路渋滞原因を提供するための方法であって、前記方法はサーバによって実行され、
渋滞地点を判定するステップと、
前記渋滞地点を中心とする第1の所定長さの道路区間に位置する複数の車両を判定するステップと、
前記複数の車両に指示メッセージを送信するステップであって、前記指示メッセージは、車載カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影し、撮影データを前記サーバにアップロードするように前記複数の車両に指示前記渋滞地点に対する前記複数の車両の相対的な位置に基づいて、前記相対的な位置に対応する前記指示メッセージが前記複数の車両にそれぞれ送信される、ステップと、
前記複数の車両から前記撮影データを受信するステップと、
前記撮影データに基づいて前記道路渋滞原因を判定するステップと
を含み、
車載カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように前記複数の車両に指示する前記ステップは、
前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、前記渋滞地点を中心とする第2の所定長さの道路区間に位置する少なくとも1つの車両に指示するステップであって、前記第2の所定長さは前記第1の所定長さよりも短い、ステップと、
後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、前記渋滞地点の前方に位置する少なくとも1つの車両に指示するステップと
のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項2】
車載カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように前記複数の車両に指示する前記ステップは、
前方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、前記渋滞地点の後方に位置する少なくとも1つの車両に指示するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記撮影データに基づいて前記道路渋滞原因を判定する前記ステップは、前記撮影データを事前訓練された第1のモデルに入力するステップと、前記第1のモデルの出力に基づいて前記道路渋滞原因を判定するステップとを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のモデルは画像認識モデルであり、前記第1のモデルは、前記撮影データが複数の所定の特徴のうちの少なくとも1つを有するかどうかを認識するために使用され、前記複数の所定の特徴は、複数の所定の渋滞原因にそれぞれ対応する少なくとも1つの所定の特徴のセットであり、前記第1のモデルの出力に基づいて前記道路渋滞原因を判定する前記ステップは、前記画像認識モデルの出力と各所定の渋滞原因に対応する少なくとも1つの所定の特徴との間の一致度に基づいて前記道路渋滞原因を判定するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のモデルは渋滞原因分類モデルであり、前記第1のモデルは複数の所定の渋滞原因の確率を出力する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記撮影データに基づいて前記道路渋滞原因を判定する前記ステップの後に、前記方法は、前記道路渋滞原因を送出するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の車両から前記撮影データを受信する前記ステップの後に、前記方法は、前記撮影データに基づいて渋滞車線を判定し、前記渋滞車線の情報を送出するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記道路渋滞原因は交通事故原因であり、前記方法は、
前記撮影データを第2のモデルに入力するステップと、
前記第2のモデルの出力に基づいて交通事故責任識別を実行するステップと、
前記交通事故責任識別を送出するステップと
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
道路渋滞原因を提供するための方法であって、前記方法は第1の車両によって実行され、前記第1の車両は、渋滞地点を中心とする所定の長さの道路区間に位置し、前記方法は、
サーバから指示メッセージを受信するステップであって、前記道路区間には前記第1の車両を含む複数の車両が位置し、前記渋滞地点に対する前記複数の車両の相対的な位置に基づいて、前記相対的な位置に対応する前記指示メッセージが前記複数の車両にそれぞれ送信される、ステップと、
車載カメラを使用することによって前記指示メッセージに基づいて前記渋滞地点を撮影するステップと、
前記指示メッセージに基づいて、前記渋滞地点の、撮影によって取得された撮影データを前記サーバに送信するステップと
を含み、
前記指示メッセージは、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、または後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように前記第1の車両に指示し、前記第1の車両は、指示されたカメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように構成される、方法。
【請求項10】
道路渋滞原因を提供するための装置であって、前記装置はメモリとプロセッサとを備え、
前記メモリはコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実施するために前記コンピュータプログラムを実行するように構成される、装置。
【請求項11】
道路渋滞原因を提供するための装置であって、前記装置はメモリとプロセッサとを備え、
前記メモリはコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、請求項9に記載の方法を実施するために前記コンピュータプログラムを実行するように構成される、装置。
【請求項12】
道路渋滞原因を提供するための装置であって、前記装置はサーバで使用され、
渋滞地点を判定するように構成された第1の判定ユニットと、
前記渋滞地点を中心とする第1の所定長さの道路区間に位置する複数の車両を判定するように構成された第2の判定ユニットと、
前記複数の車両に指示メッセージを送信し、前記指示メッセージは、車載カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影し、撮影データを前記サーバにアップロードするように前記複数の車両に指示し、前記渋滞地点に対する前記複数の車両の相対的な位置に基づいて、前記相対的な位置に対応する前記指示メッセージを前記複数の車両にそれぞれ送信するように構成された送信ユニットと、
前記複数の車両から前記撮影データを受信するように構成された受信ユニットと、
前記撮影データに基づいて前記道路渋滞原因を判定するように構成された第3の判定ユニットと
を備え、
車載カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように前記複数の車両に前記指示することは、
前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、前記渋滞地点を中心とする第2の所定長さの道路区間に位置する少なくとも1つの車両に指示し、前記第2の所定長さは前記第1の所定長さよりも短いことと、
後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、前記渋滞地点の前方に位置する少なくとも1つの車両に指示することと
のうちの少なくとも1つを含む、装置。
【請求項13】
車載カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように前記複数の車両に前記指示することは、前方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、前記渋滞地点の後方に位置する少なくとも1つの車両に指示することをさらに含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第3の判定ユニットは、前記撮影データを事前訓練された第1のモデルに入力し、前記第1のモデルの出力に基づいて前記道路渋滞原因を判定するようにさらに構成される、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のモデルは画像認識モデルであり、前記第1のモデルは、前記撮影データが複数の所定の特徴のうちの少なくとも1つを有するかどうかを認識するために使用され、前記複数の所定の特徴は、複数の所定の渋滞原因にそれぞれ対応する少なくとも1つの所定の特徴のセットであり、前記第3の判定ユニットは、前記画像認識モデルの出力と各所定の渋滞原因に対応する少なくとも1つの所定の特徴との間の一致度に基づいて前記道路渋滞原因を判定するようにさらに構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のモデルは渋滞原因分類モデルであり、前記第1のモデルは複数の所定の渋滞原因の確率を出力する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、前記撮影データに基づいて前記道路渋滞原因が判定された後に、前記道路渋滞原因を送出するように構成された第1の送出ユニットをさらに備える、請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、前記複数の車両から前記撮影データが受信された後に、前記撮影データに基づいて渋滞車線を判定するように構成された第4の判定ユニットと、前記渋滞車線の情報を送出するように構成された第2の送出ユニットとをさらに備える、請求項12から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記道路渋滞原因は交通事故原因であり、前記装置は、
前記撮影データを第2のモデルに入力するように構成された入力ユニットと、
前記第2のモデルの出力に基づいて交通事故責任識別を実行するように構成された判断ユニットと、
前記交通事故責任識別を送出するように構成された第3の送出ユニットと
をさらに備える、請求項12から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
道路渋滞原因を提供するための装置であって、前記装置は第1の車両で使用され、前記第1の車両は、渋滞地点を中心とする所定の長さの道路区間に位置し、前記装置は、
サーバから指示メッセージを受信するように構成された受信ユニットであって、前記道路区間には前記第1の車両を含む複数の車両が位置し、前記渋滞地点に対する前記複数の車両の相対的な位置に基づいて、前記相対的な位置に対応する前記指示メッセージが前記複数の車両にそれぞれ送信される、受信ユニットと、
車載カメラを使用することによって前記指示メッセージに基づいて前記渋滞地点を撮影するように構成された撮影ユニットと、
前記指示メッセージに基づいて、前記渋滞地点の、撮影によって取得された撮影データを前記サーバに送信するように構成された送信ユニットと
を備え、
前記指示メッセージは、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように、または後方カメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように前記第1の車両に指示し、前記第1の車両は、指示されたカメラを使用することによって前記渋滞地点を撮影するように構成される、装置。
【請求項21】
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体はコンピュータプログラムまたは命令を記憶し、前記コンピュータプログラムまたは前記命令がコンピュータで実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体はコンピュータプログラムまたは命令を記憶し、前記コンピュータプログラムまたは前記命令がコンピュータで実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、請求項9に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、車両のインターネットの分野に関し、より具体的には、道路渋滞原因を提供するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路が広くなり、都市内および都市間の幹線道路および高速道路がより発展しているが、車両の増加率は道路の支持能力をはるかに超えている。交通渋滞は、都市において不安の中心的な問題になっている。このために、現在の既存の技術的解決策は、渋滞および渋滞度を認識することができ、例えば、異なる色および深度で地図上に渋滞度をマークすることができるが、多くの都市で長期的に渋滞する道路の割合は60%に達する。したがって、交通渋滞の問題に対するさらなる解決策が依然として不足している。
【0003】
先進運転者支援システム(Advanced Driver Assistance System、ADAS)および車車間・路車間(Vehicle to Everything、V2X)技術の出現により、車両運転の問題に対するより多くの解決策が浮上している。ADASは、例えば、車載ナビゲーションシステム、アダプティブクルーズコントロールシステム、車線逸脱警報システム、車線変更支援システム、衝突防止警報システムなどの運転支援システムである。車車間・路車間とは、車両間、車両と歩行者または乗り手との間、および車両とインフラストラクチャとの間の通信システムを指す。車両は、車両に搭載された各種センサやカメラを用いて車両の運転状況や周囲の道路環境情報を取得したり、GPSなどの測位法を用いて正確な車両の位置情報を取得したり、近距離通信やセルラネットワーク通信などの技術を用いてこれらの情報をエンドツーエンドで送信したりする。これにより、車車間・路車間システムにおける情報共有が実現される。ADASは、通常、車載装置を用いて実現される。加えて、車両は、情報共有を行うために車載装置を使用して車両をあらゆるものに結合し、情報共有に基づいてADASをより良好に実施する。
【0004】
現在、車車間・路車間システムにおける車両の渋滞を解決するためのより効果的な解決策が欠けている。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、従来技術の欠点を解決するために、渋滞を解決するためのより効果的な解決策を提供することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本出願の第1の態様は、道路渋滞原因を提供するための方法を提供する。本方法はサーバで使用され、渋滞地点を判定するステップと、渋滞地点を中心とする第1の所定長さの道路区間に位置する複数の車両を判定するステップと、複数の車両に指示メッセージを送信するステップであって、指示メッセージは、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影し、撮影データをサーバにアップロードするように複数の車両に指示する、ステップと、複数の車両から撮影データを受信するステップと、撮影データに基づいて道路渋滞原因を判定するステップとを含む。この解決策では、サーバは、撮影データをリアルタイムで撮影およびアップロードするように車両に指示し、アップロードされた撮影データに基づいて渋滞原因を判定する。これにより、リアルタイムで正確に渋滞原因を判定することができ、道路交通効率を向上させることができる。
【0007】
一実施態様では、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように複数の車両に指示するステップは、以下の3つのステップ、すなわち、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点を中心とする第2の所定長さの道路区間に位置する少なくとも1つの車両に指示するステップであって、第2の所定長さは第1の所定長さよりも短い、ステップと、後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点の前方に位置する少なくとも1つの車両に指示するステップと、または前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点の後方に位置する少なくとも1つの車両に指示するステップとのうちの少なくとも1つを含む。この実施態様では、サーバは、異なる場所にある車両に異なる命令を送信して、異なるカメラを使用して渋滞地点サイトを撮影するように車両に命令し、その結果、すべての撮影画像が渋滞地点を含み、渋滞地点を含まない無効画像が低減され、それによって無効画像のデータ送信を低減し、車載装置の通信トラフィックを低減し、データ送信を高速化する。また、無効画像を低減することは、車載装置によってアップロードされる画像に基づいて、サーバが渋滞原因の計算量や計算時間などを判定することにも役立つ。
【0008】
一実施態様では、撮影データは画像である。撮影データとして判定される画像は、ビデオと比較して、撮影データのデータ量を削減し、車載装置の通信トラフィックを削減し、データ送信を高速化することができる。
【0009】
一実施態様では、撮影データに基づいて道路渋滞原因を判定するステップは、撮影データを事前訓練された第1のモデルに入力するステップと、第1のモデルの出力に基づいて道路渋滞原因を判定するステップとを含む。道路渋滞原因は、人手で判定される代わりに、モデルを使用することによって判定される。これは、渋滞原因をより迅速かつ正確に判定し、判定効率を向上させることができる。
【0010】
一実施態様では、第1のモデルは画像認識モデルであり、第1のモデルは、撮影データが複数の所定の特徴のうちの少なくとも1つを有するかどうかを認識するために使用され、複数の所定の特徴は、複数の所定の渋滞原因にそれぞれ対応する少なくとも1つの所定の特徴のセットであり、第1のモデルの出力に基づいて道路渋滞原因を判定するステップは、画像認識モデルの出力と各所定の渋滞原因に対応する少なくとも1つの所定の特徴との間の一致度に基づいて道路渋滞原因を判定するステップを含む。撮影画像は画像認識モデルを使用することによって認識され、認識された所定の特徴と所定の渋滞原因との間の一致に基づいて渋滞原因が判定される。モデルの構造は単純であり、判定時間は短い。
【0011】
一実施態様では、第1のモデルは渋滞原因分類モデルであり、第1のモデルは複数の所定の渋滞原因の確率を出力する。分類モデルは、複数の画像に基づいて渋滞原因を分類し、各渋滞原因の確率を直接出力する。モデルは操作が簡単であり、モデルの出力結果は直感的で使いやすい。
【0012】
一実施態様では、本方法は、撮影データに基づいて道路渋滞原因を判定するステップの後に、道路渋滞原因を送出するステップをさらに含む。渋滞原因が送出されることで、運転者、これから走行しようとしている人、交通監視者などがリアルタイムで便利に情報を得ることができる。これは、道路交通効率を改善し、交通監視効率を改善し、走行者が適切な走行ルートを選択するのを案内するのに役立つ。
【0013】
一実施態様では、本方法は、複数の車両から撮影データを受信するステップの後に、撮影データに基づいて渋滞車線を判定し、渋滞車線の情報を送出するステップをさらに含む。渋滞車線が判定されるので、車両運転者は、車両運転者の車両の走行経路および走行車線を判定することができ、それによって道路交通効率を改善する。
【0014】
一実施態様では、道路渋滞原因は交通事故原因であり、本方法は、撮影データを第2のモデルに入力するステップと、第2のモデルの出力に基づいて交通事故責任識別を実行するステップと、交通事故責任識別を送出するステップとをさらに含む。渋滞原因が交通事故原因であると判定された後、交通事故責任識別が実行され、情報が送出されることで、関係者や交通警察等に参考情報が提供され得る。これは、交通事故処理プロセスを高速化し、渋滞地点における分散を高速化し、渋滞時間を短縮するのに役立つ。
【0015】
本出願の第2の態様は、道路渋滞原因を提供するための方法を提供する。本方法は、第1の車両で使用され、第1の車両は、渋滞地点を中心とする所定長さの道路区間に位置する。本方法は、サーバから指示メッセージを受信するステップと、車載カメラを有効にすることによって指示メッセージに基づいて渋滞地点を撮影するステップと、指示メッセージに基づいて、渋滞地点の、撮影によって取得された撮影データをサーバに送信するステップとを含む。車載装置は、サーバによって実行される前述の方法と協働する方法を実行することが可能とされ、その結果、本出願による道路渋滞原因を提供するための方法が実施されることができ、それによって前述の有益な技術的効果を実現する。
【0016】
本出願の第3の態様は、道路渋滞原因を提供するための装置を提供する。装置は、メモリとプロセッサとを含み、メモリはコンピュータプログラムを記憶し、プロセッサは、第1の態様における道路渋滞原因を提供するための方法を実施するためにコンピュータプログラムを実行するように構成される。道路渋滞原因を提供するための装置は、サーバ、サーバ内のサブ装置、またはチップを含むが、これらに限定されない。
【0017】
本出願の第4の態様は、道路渋滞原因を提供するための装置を提供する。装置は、メモリとプロセッサとを含み、メモリはコンピュータプログラムを記憶し、プロセッサは、第2の態様における道路渋滞原因を提供するための方法を実施するためにコンピュータプログラムを実行するように構成される。道路渋滞原因を提供するための装置は、車両、車載装置、またはチップを含むが、これらに限定されない。
【0018】
本出願の第5の態様は、道路渋滞原因を提供するための装置を提供する。本装置は、渋滞地点を判定するように構成された第1の判定ユニットと、渋滞地点を中心とする第1の所定長さの道路区間に位置する複数の車両を判定するように構成された第2の判定ユニットと、複数の車両に指示メッセージを送信し、指示メッセージは、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影し、撮影データをサーバにアップロードするように複数の車両に指示するように構成された送信ユニットと、複数の車両から撮影データを受信するように構成された受信ユニットと、撮影データに基づいて道路渋滞原因を判定するように構成された第3の判定ユニットとを含む。道路渋滞原因を提供するための装置は、サーバ、サーバ内のサブ装置、またはチップを含むが、これらに限定されない。
【0019】
一実施態様では、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように複数の車両に指示することは、以下の3つの項目、すなわち、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点を中心とする第2の所定長さの道路区間に位置する少なくとも1つの車両に指示し、第2の所定長さは第1の所定長さよりも短いことと、後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点の前方に位置する少なくとも1つの車両に指示することと、または前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点の後方に位置する少なくとも1つの車両に指示することとのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
一実施態様では、第3の判定ユニットは、撮影データを事前訓練された第1のモデルに入力し、第1のモデルの出力に基づいて道路渋滞原因を判定するようにさらに構成される。
【0021】
一実施態様では、第1のモデルは画像認識モデルであり、第1のモデルは、撮影データが複数の所定の特徴のうちの少なくとも1つを有するかどうかを認識するために使用され、複数の所定の特徴は、複数の所定の渋滞原因にそれぞれ対応する少なくとも1つの所定の特徴のセットである。第3の判定ユニットは、画像認識モデルの出力と各所定の渋滞原因に対応する少なくとも1つの所定の特徴との間の一致度に基づいて道路渋滞原因を判定するようにさらに構成される。
【0022】
一実施態様では、本装置は、撮影データに基づいて道路渋滞原因が判定された後に、道路渋滞原因を送出するように構成された第1の送出ユニットをさらに含む。
【0023】
一実施態様では、本装置は、複数の車両から撮影データが受信された後に、撮影データに基づいて渋滞車線を判定するように構成された第4の判定ユニットと、渋滞車線の情報を送出するように構成された第2の送出ユニットとをさらに含む。
【0024】
一実施態様では、道路渋滞原因は交通事故原因であり、本装置は、
撮影データを第2のモデルに入力するように構成された入力ユニットと、
第2のモデルの出力に基づいて交通事故責任識別を実行するように構成された判断ユニットと、
交通事故責任識別を送出する第3の送出ユニットと
をさらに含む。
【0025】
本出願の第6の態様は、道路渋滞原因を提供するための装置を提供する。車両は、渋滞地点を中心とする所定長さの道路区間に位置する。本装置は、サーバから指示メッセージを受信するように構成された受信ユニットと、車載カメラを使用することによって指示メッセージに基づいて渋滞地点を撮影するように構成された撮影ユニットと、指示メッセージに基づいて、渋滞地点の、撮影によって取得された撮影データをサーバに送信する送信ユニットとを含む。道路渋滞原因を提供するための装置は、車両、車載装置、またはチップを含むが、これらに限定されない。
【0026】
本出願の別の態様はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムまたは命令を記憶する。コンピュータプログラムまたは命令がコンピュータで実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、サーバで使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【0027】
本出願の別の態様はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムまたは命令を記憶する。コンピュータプログラムまたは命令がコンピュータで実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、車両で使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【0028】
本出願の別の態様は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、サーバで使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【0029】
本出願の別の態様は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、車両で使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本出願の一実施形態を実施するためのシステムおよびシナリオの概略図である。
図2】本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための方法のフローチャートである。
図3】ナビゲーション地図上の渋滞地点および渋滞原因を表示する概略図である。
図4】本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための別の方法のフローチャートである。
図5】本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するためのさらに別の方法のフローチャートである。
図6】本出願による車載装置の構造の概略図である。
図7】車載装置のディスプレイの概略図である。
図8】本出願の一実施形態による車車間・路車間サーバの概略図である。
図9】本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための装置を示す図である。
図10】本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照しながら本出願の実施形態の技術的解決策を説明する。
【0032】
図1は、本出願の一実施形態を実施するためのシステムおよびシナリオの概略図である。図1に示されるように、道路渋滞原因を提供するためのシステムは、車車間・路車間サーバ11と、ネットワークプラットフォーム12と、ユーザ端末装置13と、車両A~Fとを含む。車車間・路車間サーバ11は、例えば、クラウドサーバである。車両A~Fは、車両をあらゆるものに結合して運転を支援するための車載装置を各々有する。図に示されるように、ネットワークプラットフォーム12は、例えば、自動車企業プラットフォーム、交通警察プラットフォーム、および別のアプリケーションプラットフォームを含む。図に示される道路に道路補修による渋滞地点があると、図中の2つの左向き車線の車速が低下し、車両が渋滞する。車車間・路車間サーバ11は、ネットワーク内の情報に基づいて、図中の道路区間のうちの左向きの道路に渋滞が発生していると判定した後、道路区間内の渋滞地点を判定し、車車間・路車間システムにおける各車両の測位情報に基づいて、各車両A~Fが渋滞地点の前後の所定長さの道路区間に位置していると判定する。車車間・路車間サーバ11は、カメラが撮影を実行することおよび撮影データをアップロードすることを可能にするように、車両A~F内の車載装置に指示する。車車間・路車間サーバ11は、車両A~Fから撮影データを受信した後、撮影データに基づいて、渋滞原因は道路補修工事であると判定し、ネットワークに渋滞原因を送出する。例えば、車車間・路車間サーバ11は、車車間・路車間サーバ11の車車間・路車間プラットフォームの地図上に渋滞原因をマークしたり、またはネットワークプラットフォーム12に対応する別のサーバに渋滞原因を送信したりする。ユーザ端末13は、例えば、車車間・路車間プラットフォームから渋滞原因に関する情報を受信することができ、これにより、ユーザは、情報に基づいてユーザの走行ルートをより良好に計画することができる。また、他のプラットフォームは、車車間・路車間サーバ11から渋滞原因に関する情報を受信し、その情報を送出してもよい。
【0033】
図2は、本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための方法のフローチャートである。
【0034】
図2に示されるように、ステップS201で、車両(例えば、図1の車両A~F)は、運転中に車両の車載装置を使用することによって、車両の位置情報および速度情報などをサーバ11(すなわち、車車間・路車間サーバ11)に送信することができる。車載装置は、車載装置に含まれる測位システムを介して車両の位置情報を取得してもよいし、車載装置に含まれる速度センサを使用することによって車両の速度を取得してもよいし、車載装置に含まれる移動通信モジュールを使用することによって最新の位置情報および速度情報を所定の時間間隔でサーバ11に送信してもよい。
【0035】
ステップS202で、サーバ11は、道路の渋滞地点を判定する。
【0036】
サーバ11は、まず、都市道路上の渋滞している道路区間を判定することができる。一実施態様では、サーバ11は、各運転車両から受信された車両情報に基づいて、渋滞している道路区間を判定することができる。例えば、サーバ11は、各車両の速度情報に基づいて、道路区間上の車両の走行速度が設計された道路速度よりも著しく低いかどうかを判定することができる。例えば、幹線道路区間の走行速度が10 km/h~40 km/hである場合、または都市の道路区間の走行速度が5 km/h~30 km/hである場合には、2つの道路区間の走行速度が設計速度よりも大幅に低いと判定され、2つの道路区間は渋滞している道路区間と判定されてもよい。サーバ11は、上述されたように道路上の渋滞している道路区間を判定することに限定されないことが理解されよう。サーバ11はまた、別のネットワークプラットフォームを介して渋滞している道路区間を照会することができる。例えば、サーバ11は、ナビゲーション地図上のリアルタイムの道路状況マークを照会することができる。ナビゲーション地図上の関連道路の交通状況が赤色または黄色になったことが認識された場合、その道路区間に渋滞が発生していると判定されてもよい。
【0037】
渋滞している道路区間を判定した後、サーバ11は、渋滞している道路区間の道路状況データおよび静的データなどに基づいて、渋滞している道路区間において渋滞を引き起こしている地点を道路区間の渋滞地点として判定することができる。例えば、サーバ11は、リアルタイムの道路状況において、渋滞している道路区間の各地点の車速に基づいて渋滞地点を判定し、渋滞している道路区間における赤、黄、および緑の合流地点に基づいて渋滞地点を決定する。例えば、図1を参照すると、サーバ11は、図1の左向き道路区間の道路状況データに基づいて、左向き道路区間の渋滞地点は「道路補修」マークボックスを含む位置であると判定することができる。
【0038】
ステップS203で、サーバ11は、渋滞地点を中心とする所定長さの道路区間に位置する車両を判定する。
【0039】
サーバ11は、道路区間における渋滞地点を判定した後、その渋滞地点の位置情報を取得する。そして、渋滞地点を中心とする所定長さの道路区間の位置情報が判定されてもよい。所定長さの道路区間の位置情報は、例えば、道路区間の始点位置と、道路区間の終点位置とを含む。例えば、所定長さは600メートルに予め設定され、すなわち、道路区間は、渋滞地点を中心とし、渋滞地点の300メートル前から300メートル後までの道路区間である。本明細書の600メートルは、単に説明のための例として使用されているにすぎず、本出願のこの実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されよう。実際には、所定長さは、車両カメラの構成、大気の視界などの要因に基づいて決定されてもよい。
【0040】
次いで、サーバ11は、各車両から送信された最新または現在の位置情報に基づいて、判定された道路区間にどの車両が現在位置しているかを判定することができる。
【0041】
一実施態様では、600メートルの道路区間は一方向車線のみを含み、サーバ11は道路区間内のすべての運転車両を判定する。
【0042】
一実施態様では、600メートルの道路区間は双方向車線を含む。図1に示されるように、600メートルの道路区間は、左向き車線と右向き車線とを含む。サーバ11は、道路区間において渋滞地点が位置する車線方向の車両のみを判定する。すなわち、図1に示されるように、サーバ11は、道路区間において左向きに走行している車両のみを判定する。この実施態様では、例えば、図1に示されるように、サーバ11は、車両A~Dが600メートル道路区間に位置する車両であると判定することができる。
【0043】
一実施態様では、600メートルの道路区間は双方向車線を含む。サーバ11は、道路区間内のすべての車両を判定する、すなわち、図1において左向きに走行する車両A~Dを判定するだけでなく、図1において右向き車線を走行する車両EおよびFも判定する。
【0044】
ステップS204で、サーバ11は、判定された車両に指示メッセージを送信する。
【0045】
指示メッセージは、カメラを使用することによって撮影を実行し、撮影された画像またはビデオをサーバ11に返すように対応する車両に指示する。指示メッセージは、例えば、命令の形態である。
【0046】
一実施態様では、サーバ11は、判定されたすべての車両に同じ命令を送信することができ、命令は、すべてのカメラまたはすべての高解像度カメラを使用することによって撮影を実行し、すべての撮影データをサーバ11に返すように対応する車載装置に命令する。
【0047】
一実施態様では、サーバ11は、判定された車両の位置に基づいて渋滞地点に相対的な車両の位置を判定し、次いで、車両の判定された相対位置に基づいて命令を対応して送信することができる。具体的には、相対位置判定規則が最初に事前設定されてもよい。例えば、車両が車両の進行方向において渋滞地点の前方に5メートル離れている場合、車両が渋滞地点の前方に位置していると判定されることができ、車両が車両の進行方向において渋滞地点の5メートル後方にある場合、車両が渋滞地点の後方に位置していると判定されることができ、または車両が渋滞地点を中心とする10メートルの道路区間に位置する場合、車両が渋滞地点の近くにあると判定されることができると予め設定されてもよい。判定規則は、本明細書では限定されないことが理解されよう。例えば、渋滞地点の近くにある車両について、その車両のどちら側が渋滞地点と反対側であるかが判定され得る。例えば、車両が車両の進行方向において渋滞地点の前方に位置する場合、車両が渋滞地点の前方に位置すると判定されることができ、または車両が車両の進行方向において渋滞地点の後方に位置する場合、車両が渋滞地点の後方に位置すると判定されることができると予め設定されてもよい。例えば、車両が渋滞地点を中心とする5メートルの道路区間に位置する場合、車両が渋滞地点の近くにあると判定されることができると予め設定されてもよい。
【0048】
次いで、判定された各車両の相対位置が、前述の規則に従って判定され得る。図1を参照して、上述されたように、図1の車両A~Dが600メートル道路区間の車両であると判定された場合、車両Cは渋滞地点の前方に位置し、車両Aおよび車両Bは渋滞地点の近くに位置し、車両Dは混雑地点の後方に位置すると判定されてもよい。より具体的には、車両Aおよび車両Bの左側が渋滞地点の反対側にあるとさらに判断され得る。図1の車両A~Fが600メートル道路区間の車両であると判定された場合、車両A~Dの相対位置を判定することに加えて、車両Eが渋滞地点の後方にあり、車両Fが渋滞地点の近くにあるとさらに判定され得る。より具体的には、車両Fの左側が渋滞地点の反対側にあるとさらに判断され得る。
【0049】
判定された各車両の相対位置を判定した後、サーバ11は、判定された各車両の相対位置に基づいて命令を対応して送信することができる。後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように車両Cの車載装置に命令するために、車両Cに命令が送信され得る。すべてのカメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、または前方カメラ、左方カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように車両Aおよび車両Bの車載装置に命令するために、車両Aおよび車両Bに命令が送信され得る。前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように車両Dの車載装置に命令するために、車両Dに命令が送信され得る。
【0050】
車両Eおよび車両Fも600メートルの道路区間の車両と判定された場合、サーバ11は、車両Eの前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように車両Eの車載装置に命令するために車両Eに命令を送信することができ、サーバ11は、すべてのカメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、または前方カメラ、左方カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、車両Fの車載装置に命令するために車両Fに命令を送信することができる。
【0051】
判定された車両にサーバ11によって送信される命令は、所定の時間内に所定の頻度で画像を連続的に撮影するように、例えば2分以内に5秒ごとに画像を取り込むように、車載装置のカメラに命令してもよい。本出願のこの実施形態では、命令は本明細書の説明に限定されないことが理解されよう。例えば、命令は、3分間連続的にビデオを撮影するようにカメラに命令することもできる。
【0052】
複数の判定された車両にサーバ11によって送信される命令は、前述の様々な命令に限定されず、以下の3つの命令、すなわち、例えば渋滞地点を中心とする10メートルの道路区間に位置する少なくとも1つの車両に、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように命令するための命令1、渋滞地点の前方に位置する少なくとも1つの車両に、後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように命令するための命令2、渋滞地点の後方に位置する少なくとも1つの車両に、前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように命令するための命令3、のうちの少なくとも1つを含み得ることが理解されよう。例えば、サーバ11が、600メートル道路区間内のすべての車両が渋滞地点の後方にあると判定した場合、サーバ11は、複数の判定された車両に命令3を送信する。サーバ11が、600メートル道路区間内のすべての車両が渋滞地点の前方にあると判定した場合、サーバ11は、複数の判定された車両に命令2を送信する。サーバ11が、600メートル道路区間内のすべての車両が渋滞地点の近くおよび前方にあると判定した場合、サーバ11は、複数の判定された車両に命令1および命令2を送信する。
【0053】
ステップS205で、車両は、撮影を実行するためにカメラを使用する。
【0054】
車両内の車載装置は、命令の具体的な内容に基づいてカメラに対する操作を実行してもよい。例えば、上述されたように、車両Cの車載装置は、車載装置によって受信された命令に基づいて、後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影する。撮影とは、例えば、2分以内に5秒ごとに画像を連続して撮影することである。車両Aまたは車両Bの車載装置は、車載装置によって受信された命令に従って、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影する。車両Dの車載装置は、車載装置によって受信された命令に従って、前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影する。車両Eの車載装置は、車載装置によって受信された命令に従って、前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影し、車両Fは、車両Fによって受信された命令に従って、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影する。
【0055】
ステップS206で、車両は、車両によって撮影されたデータをサーバ11にアップロードする。
【0056】
車両内の車載装置は、例えば、車載装置に含まれる移動通信モジュールを使用することによってネットワークに接続し、撮影データをサーバ11にアップロードしてもよい。
【0057】
ステップS207で、サーバ11は、撮影データに基づいて渋滞原因を判定する。
【0058】
サーバ11は、モデルの出力に基づいて渋滞原因を判定するために、撮影データを事前訓練モデルに入力してもよい。一実施態様では、事前訓練モデルは、例えば、画像認識モデルである。サーバ11では、撮影データが画像認識モデルに入力された後、モデルは、撮影データが複数の所定要素(特徴)のうちの要素を含むかどうかを認識し、複数の所定要素は複数の所定の渋滞要因にそれぞれ対応する少なくとも1つの所定要素のセットであり、モデルは、画像認識モデルの出力と、各所定の渋滞原因に対応する少なくとも1つの所定要素との間の一致度に基づいて、道路渋滞原因を判定する。
【0059】
一実施態様では、事前訓練モデルは、例えば、渋滞原因分類モデルである。モデルは、複数の所定の渋滞原因の確率を出力し、渋滞原因の確率に基づいて渋滞原因を判定する。
【0060】
ステップS208で、サーバ11は、渋滞地点の渋滞原因を送出する。
【0061】
一実施態様では、予測を介して、車両が渋滞地点を通過しようとしていることを取得すると、サーバ11は、車両を運転しているユーザに音声通知を送信するためにスピーカを使用するように車両の車載装置に指示することができる。
【0062】
一実施態様では、サーバ11は、ナビゲーション地図または都市地図上で渋滞地点および渋滞地点の渋滞原因を表示することができる。図3は、ナビゲーション地図上の渋滞地点および渋滞原因を表示する概略図である。図3に示されるように、図に示される画像は、車両の車載装置のディスプレイに表示されてもよいし、ユーザ端末装置13の画面に表示されてもよい。車載装置または端末装置13は、ネットワークを使用することによってサーバ11と接続され、サーバ11によって送出されたナビゲーション地図、渋滞地点、および渋滞原因などの情報が画面に表示されてもよい。道路中央の実線は車両の走行予定経路であり、黒矢印はナビゲーション車両の位置であり、黒丸は渋滞地点の識別子である。渋滞地点の上方で、吹き出しは、渋滞地点の渋滞原因が「道路補修」原因であることを示す。さらに、吹き出しは、ユーザが詳細をさらに知るために「詳細」ボタンをクリックすることができるように、「詳細」ボタンおよび「現場画像」ボタンをさらに含む。詳細は、例えば、渋滞車線、予測される渋滞終了時刻を含む。また、ユーザは、「現場画像」ボタンをクリックすることで、渋滞地点の現場状況を直感的に把握し、現場画像に基づいて渋滞状況を判定することができる。
【0063】
一実施態様では、サーバ11は、所定の頻度でサーバ11によって送出された情報を更新するために、図2のサーバ11によって実行されるステップを所定の頻度で実行することができる。例えば、図3に示される渋滞地点および渋滞原因を判定した後、サーバ11は、例えば5分ごとに、その渋滞地点が依然として渋滞地点であるかどうかを再度判定することができる。この情報は、渋滞地点がもはや渋滞地点ではなくなった場合に地図上で更新されるか、または、渋滞地点が依然として渋滞地点である場合に、渋滞地点の詳細および現場画像情報などが更新され、ユーザは新たな(基本的にリアルタイムの)情報を得ることができる。
【0064】
ナビゲーション地図では、図3に示されるように、車両を運転するユーザに対して渋滞原因が表示されることで、ユーザはより総合的な情報に基づいてユーザの運転ルートを決定し、それによりユーザの運転体験を向上させることができる。例えば、渋滞原因が道路補修である場合、ユーザは、地図内の詳細なプロンプトまたはユーザの判定に基づいて、渋滞地点が短時間で解消されないと判定することができる。これにより、ユーザは、遅れずに別の走行ルートに変更する。渋滞原因が道路清掃である場合、ユーザはすぐに渋滞地点が解消されると判定することができる。したがって、ユーザは、ユーザの元の走行ルートを継続することができる。
【0065】
走行前に都市地図情報を有効にする場合、ユーザは、都市地図情報における渋滞地点および渋滞原因情報に基づいて適切な走行ルートを事前に計画することができる。
【0066】
また、交通監視者は、サーバ11によって送出された渋滞原因に基づいて交通の分散を実行し、交通の分散効率を向上させてもよい。
【0067】
一実施態様では、サーバ11が、渋滞原因は交通事故原因であると判定した場合、サーバ11は、交通事故責任識別を実行するために、車両から受信された撮影画像を事前訓練された交通事故責任識別モデルにさらに入力し、例えば、関与した交通事故当事者または交通警察による参照のために、図3の「詳細」ボタンに対応する内容に交通事故責任識別を表示することができる。これは、交通事故処理プロセスを高速化し、渋滞地点における分散を高速化し、渋滞時間を短縮するのに役立つ。
【0068】
一実施態様では、サーバ11は、複数の撮影画像に基づいて渋滞原因を判定するときに、またはその後に、複数の撮影画像に基づいて車線の占有状況をさらに認識することができ、例えば、画像認識モデルを使用することによって道路区間内の渋滞車線を認識することができる。
【0069】
一実施態様では、渋滞原因を判定するとき、サーバ11は、モデルを使用することによって、または所定の規則に従って、渋滞終了時刻をさらに予測することができる。
【0070】
上記では画像撮影が例として使用されているが、本出願のこの実施形態はこれに限定されないことが理解されよう。例えば、車載装置は、短いビデオを撮影し、短いビデオをサーバにアップロードすることもでき、ビデオは画像のセットである。したがって、前述の方法はビデオ撮影にも適用可能である。
【0071】
図4は、本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための別の方法のフローチャートである。本方法はサーバで使用され、以下のステップを含む。
【0072】
ステップS41:渋滞地点を判定する。
【0073】
ステップS42:渋滞地点を中心とする所定長さの道路区間に位置する複数の車両を判定する。
【0074】
ステップS43:複数の車両に指示メッセージを送信し、指示メッセージは、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影し、撮影データをサーバにアップロードするように複数の車両に指示する。
【0075】
ステップS44:複数の車両から撮影データを受信する。
【0076】
ステップS45:撮影データを事前訓練された画像認識モデルに入力する。
【0077】
ステップS46:画像認識モデルの出力に基づいて道路渋滞原因を判定する。
【0078】
ステップS41~S44については、ステップS202、S203、S204、およびS206の前述の説明を参照されたい。ここでは再度詳細は説明されない。
【0079】
ステップS45で、サーバ11は、撮影データを事前訓練された画像認識モデルに入力し、画像認識モデルを使用することによって、車両の車載装置から受信された複数の撮影画像を認識し、複数の撮影画像が所定要素(すなわち、所定特徴)セットの少なくとも1つの所定要素を含むかどうかを認識する。
【0080】
任意選択で、車載装置から複数の撮影画像を受信した後、サーバ11は、渋滞地点に関連しない画像を除去するために、最初に複数の撮影画像をスクリーニングする。スクリーニングとは、例えば、具体的には、これらの画像に対して画像認識を実行し、渋滞地点の画像を含まない画像を除去することである。
【0081】
所定要素セットは、複数の予め設定された渋滞原因に対応する複数の要素を含む。例えば、交通事故、道路補修、緑化/清掃、および都市配置の4つの渋滞原因が事前設定され得る。交通事故原因に対応する所定要素は、以下を含む:(1)複数の車両が停止している。(2)複数の車両のヘッドは、道路方向との間に角度を形成している。(3)自動車の車線に人が立っている。道路補修理由に対応する所定要素は、以下を含む:(4)車線が狭くなっている。(5)遮断壁がある。(6)工事標識がある。(7)複数の車両が同じ場所で車線を変更している。緑化/清掃原因に対応する所定要素は、以下を含む:(8)工事車両がゆっくりと走行している。(9)工事用ロードコーン回廊がある。都市配置原因に対応する所定要素は、以下を含む:(8)工事車両がゆっくりと走行している。(10)(旗およびランタンなどの)都市配置物がある。したがって、所定要素セットは、所定要素(1)~(10)を含んでもよい。
【0082】
画像認識モデルは、訓練サンプルセットに対応する11個の所定要素を使用することによって訓練され得る。例えば、訓練サンプルセット内の訓練サンプルは、11個の所定要素のうちの少なくとも1つの所定要素を含む画像であり、訓練サンプルのラベル値は、画像に含まれる所定要素の識別子である。したがって、このような複数の訓練サンプルを使用することによって画像認識モデルが訓練されることにより、画像認識モデルは、画像が所定要素(1)~(10)のうちの少なくとも1つを含むかどうかを認識することができる。
【0083】
したがって、上記のように画像認識モデルが訓練された後、サーバ11は、画像認識モデルを使用することによって、任意の画像が少なくとも1つの所定要素を含むかどうかを認識し得る。
【0084】
一実施態様では、複数の撮影画像が少なくとも1つの所定要素を含むかどうかを認識するために、複数の認識対象撮影画像が1つの画像に重畳されてもよく、重畳画像が画像認識モデルに入力される。一実施態様では、複数の認識対象撮影画像を別々に認識するために、複数の認識対象撮影画像が画像認識モデルに別々に入力され得る。画像認識モデルに入力された撮影画像が、上述した10個の所定要素のうちの少なくとも1つを含む場合、画像認識モデルは、例えば、認識された少なくとも1つの要素の要素識別子を出力することにより、画像認識モデルの出力に基づいて、複数の撮影画像に含まれる所定要素が認識され得る。
【0085】
ステップS46で、サーバ11は、画像認識モデルの出力に基づいて道路渋滞原因を判定する、すなわち、認識された所定要素に基づいて渋滞原因を判定する。
【0086】
サーバ11は、所定の規則に従って渋滞原因順位を判定するために、選択された撮影画像ごとに画像認識モデルから出力される各所定要素識別子を所定の判定モデルに入力してもよい。例えば、渋滞原因のすべての要素に対する出力された所定要素の中の各渋滞原因に対応する要素の数量の割合が判定され、割合に基づいて各渋滞原因の推奨される順位を判定することができる。例えば、画像認識モデルは、判定モデルに、以下の要素、すなわち(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)および(9)を合計で入力する。所定の判定モデルは、これらの入力要素に基づいて、原因の全要素に対する入力要素中の交通事故原因に対応する要素の割合が100%であり、原因の全要素に対する入力要素中の道路補修原因に対応する要素の割合が75%であり、原因の全要素に対する入力要素中の緑化/清掃原因に対応する要素の割合が50%であり、原因の全要素に対する入力要素中の都市配置原因に対応する要素の割合が0であると判定してもよい。したがって、渋滞原因の推奨される順位は、交通事故原因>道路補修原因>緑化/清掃原因>都市配置原因であると判定され得る。
【0087】
サーバ11は、渋滞原因順位を判定した後、複数の撮影画像に対応する渋滞原因として、順位が1位となる渋滞原因を決定してもよい。一実施態様では、渋滞原因順位を決定した後、サーバ11は、サービス要員の指示に従って最終的な渋滞原因を判定することができる。
【0088】
図5は、本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するためのさらに別の方法のフローチャートである。本方法はサーバで使用され、以下のステップを含む。
【0089】
ステップS51:渋滞地点を判定する。
【0090】
ステップS52:渋滞地点を中心とする所定長さの道路区間に位置する複数の車両を判定する。
【0091】
ステップS53:複数の車両に指示メッセージを送信し、指示メッセージは、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影し、撮影データをサーバにアップロードするように複数の車両に指示する。
【0092】
ステップS54:複数の車両から撮影データを受信する。
【0093】
ステップS55:撮影データを事前訓練された渋滞原因分類モデルに入力する。
【0094】
ステップS56:渋滞原因分類モデルの出力に基づいて道路渋滞原因を判定する。
【0095】
ステップS51~S54については、ステップS202、S203、S204、およびS206の前述の説明を参照されたい。ここでは再度詳細は説明されない。
【0096】
ステップS55で、サーバ11は、撮影データを事前訓練された渋滞原因分類モデルに入力する。例えば、サーバ11は、車載装置から受信された複数の撮影画像を事前訓練された渋滞原因分類モデルに入力する。
【0097】
任意選択で、車載装置から複数の撮影画像を受信した後、サーバ11は、渋滞地点に関連しない画像を除去するために、最初に複数の撮影画像をスクリーニングし、次いで、事前訓練された渋滞原因分類モデルにスクリーニング後の複数の残りの撮影画像を入力する。
【0098】
この実施態様では、前述の説明と同様に、例えば、(1)交通事故、(2)道路補修、(3)緑化/清掃、および(4)都市配置の4つの渋滞原因が事前設定され得る。渋滞原因分類モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)に基づく分類モデルである。画像は渋滞原因分類モデルに入力されてもよく、画像を分類するために認識処理が画像に対して実行される。渋滞原因分類モデルは、訓練サンプルを使用することによって前述の4つの渋滞原因について訓練され得る。例えば、各訓練サンプルは、1つの渋滞原因に対応する複数の現場画像を含み、各訓練サンプルのラベル値は、訓練サンプルに含まれる複数の現場画像に対応する渋滞原因を示すために使用される。例えば、訓練サンプルに対応する渋滞原因が原因(3)緑化/清掃である場合、訓練サンプルのラベル値はベクトル(0,0,1,0)として表されてもよく、ベクトル内の4つの要素は順序づけられた4つの原因に対応し、1は対応する原因の確率が100%であることを示し、0は対応する原因の確率が0であることを示す。渋滞が発生した場合、複数の現場画像が渋滞地点で収集され、複数の現場画像に対応する渋滞原因が、訓練サンプルを取得するように手動でラベル付けされる。
【0099】
複数の訓練サンプルを使用することによって渋滞原因分類モデルが訓練された後、および複数の予測対象撮影画像がモデルに入力された後、モデルは、4つの原因の確率を出力する。確率が高いほど、対応する原因の確率が高いことを示す。
【0100】
ステップS56で、サーバ11は、渋滞原因分類モデルの出力に基づいて渋滞原因を判定する。
【0101】
上述したように、渋滞原因分類モデルに複数の画像が入力された後、渋滞原因分類モデルは、各渋滞原因の確率を出力するので、各原因の確率の値に基づいて渋滞原因はソートされ得る。一実施態様では、出力確率値が最も大きい渋滞原因が、複数の撮影画像に対応する渋滞原因として判定され得る。一実施態様では、渋滞原因順位を決定した後、サーバ11は、サービス要員の命令に従って最終的な渋滞原因を判定することができる。
【0102】
図6は、本出願による車載装置600の構造の概略図である。図6に示されるように、車載装置600は、プロセッサ61と、メモリ62と、移動通信モジュール63と、カメラ64と、スピーカ65と、ディスプレイ66と、センサモジュール67とを含む。センサモジュール67は、例えば、測位システム671と、速度センサ672とを含む。
【0103】
プロセッサ61は1つまたは複数の処理ユニットを含み得る。異なる処理ユニットは、独立した構成要素であってもよいし、統合された装置であってもよい。
【0104】
メモリ62は、コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されてもよく、例えば、オペレーティングシステムプログラムおよびアプリケーションを記憶してもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)などの揮発性メモリ(volatile memory)であってもよく、またはメモリは、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、もしくはソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)などの不揮発性メモリ(non-volatile memory)であってもよく、またはメモリは、前述のタイプのメモリの組合せを含んでもよい。プロセッサ61は、車載装置600の様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行するために、メモリ62に記憶された命令を実行する。例えば、車載装置600では、ナビゲーションアプリケーション、通知アプリケーションなどのような複数のアプリケーションが、プロセッサ61を使用することによって実行され得る。例えば、本出願による渋滞原因を提供するための方法を実行するために使用される命令は、オペレーティングシステムプログラムまたは車載装置600の特定のアプリケーションに含まれてもよく、その結果、命令を実行するとき、プロセッサは、本出願による道路渋滞原因を提供するための解決策を実行することができる。
【0105】
移動通信モジュール63は、2G/3G/4G/5Gなどの移動通信を提供することができる。車載装置600は、車車間・路車間サーバまたは別の車載装置と通信するために、移動通信モジュール63を使用することによって、および移動通信基地局を使用することによって、ネットワークに接続されてもよく、複数のアプリケーションを介して車車間・路車間サーバから情報を受信してもよく、例えば、車車間・路車間サーバによって送信された新しいメッセージ、地図識別子などを受信してもよい。車載装置は、無線通信モジュール(図示せず)をさらに含んでもよく、無線通信モジュールは、Wi-Fiネットワーク、Bluetooth、NFC、IRなどのようなWLANを含む無線通信ソリューションを提供してもよいことが理解されよう。したがって、車載装置600は、無線通信モジュールを使用することによってネットワークにアクセスすることもできる。
【0106】
測位システム671は、例えば、GPSに基づく測位システムであってもよいし、または移動通信基地局に基づく測位システムであってもよい。速度センサ672は、車両の走行速度を取得するように構成される。車載装置600は、測位システム671から測位情報を取得し、速度センサ672から速度情報を取得し、移動通信モジュール63を使用することによってその情報を車車間・路車間サーバ11に送信してもよい。車車間・路車間サーバ11は、複数の車両からの測位情報および速度情報に基づいて道路上の渋滞地点を判定し、カメラを使用することによってその渋滞地点を撮影するようにその渋滞地点の近くの車載装置に指示してもよい。
【0107】
車載装置600はカメラ64に接続されているので、車車間・路車間サーバ11から指示を受信した後、車載装置600は撮影を実行するためにカメラ64を使用し、カメラ64によって撮影された画像またはビデオデータを取得し、そのビデオデータを車車間・路車間サーバ11に送信することができ、これにより、車車間・路車間サーバ11は道路渋滞原因を判断する。カメラ64は、例えば、少なくとも1つのカメラを含んでもよく、例えば、車両の前方に位置する前方カメラ、車両の後方に位置する後方カメラ、および車体の両側に位置する側面装着カメラを含んでもよい。カメラは、複数のレンズ構成をさらに含むことができ、例えば、高解像度カメラを含むことができる。
【0108】
道路渋滞原因を判定した後、車車間・路車間サーバ11が渋滞原因を送出し、車載装置600が渋滞原因の情報を受信してもよい。例えば、ディスプレイ66上のナビゲーションアプリケーションを使用することによって、地図上の渋滞地点の位置に渋滞原因が表示され得る。図7は、車載装置600のディスプレイ66の概略図である。あるいは、車車間・路車間サーバ11は、通知アプリケーションによって、音声プロンプトを提供するためにスピーカ65を呼び出してもよい。加えて、車車間・路車間サーバ11は、ユーザ端末装置13内の対応するアプリケーションを使用することによってユーザを促すこともできる。
【0109】
図8は、本出願の一実施形態によるサーバ11の概略図である。サーバ11は、通信インタフェース111と、メモリ112と、プロセッサ113とを含む。
【0110】
通信インタフェース111は、車車間・路車間サーバの外部の装置と通信するために使用される。
【0111】
メモリ112は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムを実行すると、プロセッサ113は、図2に示される方法でサーバ11によって実行されるステップを実施する。
【0112】
メモリ112は、ソフトウェアプログラムおよびモジュールを記憶するように構成され得る。プロセッサ113は、メモリ82に記憶されたソフトウェアプログラムおよびモジュールを実行し、その結果、サーバ11は、図2に示される方法でサーバ11によって実行されるステップを実行する。メモリ112は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とを主に含むことができる。プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、前述の方法を実行することによるアプリケーションなどを記憶することができる。データ記憶領域は、アプリケーションの構成ファイルなどを記憶することができる。さらに、メモリ112は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)などの揮発性メモリ(volatile memory)であってもよく、またはメモリ112は、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、もしくはソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)などの不揮発性メモリ(non-volatile memory)であってもよく、またはメモリ112は、前述のタイプのメモリの組合せを含んでもよい。
【0113】
プロセッサ113は、サーバ11のコントロールセンタであり、様々なインタフェースおよび回線を介してサーバ11全体のすべての部分に接続される。メモリ112に記憶されたソフトウェアプログラムおよび/またはモジュールを走らせるかまたは実行し、メモリ112に記憶されたデータを呼び出すことによって、プロセッサ113は、本出願の実施形態による道路渋滞原因を提供するための方法を実行する。
【0114】
図9は、本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための装置900を示す。本装置は、サーバで使用され、
渋滞地点を判定するように構成された第1の判定ユニット901と、
渋滞地点を中心とする第1の所定長さの道路区間に位置する複数の車両を判定するように構成された第2の判定ユニット902と、
複数の車両に指示メッセージを送信し、指示メッセージは、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影し、撮影データをサーバにアップロードするように複数の車両に指示するように構成された送信ユニット903と、
複数の車両から撮影データを受信するように構成された受信ユニット904と、
撮影データに基づいて道路渋滞原因を判定するように構成された第3の判定ユニット905と
を含む。
【0115】
一実施態様では、車載カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように複数の車両に指示することは、前方カメラ、側面装着カメラ、および後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点を中心とする第2の所定長さの道路区間に位置する少なくとも1つの車両に指示することと、後方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点の前方に位置する少なくとも1つの車両に指示することと、または前方カメラを使用することによって渋滞地点を撮影するように、渋滞地点の後方に位置する少なくとも1つの車両に指示することとを含み、第2の所定長さは第1の所定長さよりも短い。
【0116】
一実施態様では、第3の判定ユニット905は、撮影データを事前訓練された第1のモデルに入力し、第1のモデルの出力に基づいて道路渋滞原因を判定するようにさらに構成される。
【0117】
一実施態様では、第1のモデルは画像認識モデルであり、第1のモデルは、撮影データが複数の所定の特徴のうちの特徴を有するかどうかを認識するために使用され、複数の所定の特徴は、複数の所定の渋滞原因にそれぞれ対応する少なくとも1つの所定の特徴のセットである。第3の判定ユニット905は、画像認識モデルの出力と各所定の渋滞原因に対応する少なくとも1つの所定の特徴との間の一致度に基づいて道路渋滞原因を判定するようにさらに構成される。
【0118】
一実施態様では、本装置900は、撮影データに基づいて道路渋滞原因が判定された後に、道路渋滞原因を送出するように構成された第1の送出ユニット906をさらに含む。
【0119】
一実施態様では、本装置900は、複数の車両装置から撮影データが受信された後に、撮影データに基づいて渋滞車線を判定するように構成された第4の判定ユニット907と、渋滞車線の情報を送出するように構成された第2の送出ユニット908とをさらに含む。
【0120】
一実施態様では、道路渋滞原因は交通事故原因であり、本装置900は、
撮影データを第2のモデルに入力するように構成された入力ユニット909と、
第2のモデルの出力に基づいて交通事故責任識別を実行するように構成された判断ユニット910と、
交通事故責任識別を送出する第3の送出ユニット911と
をさらに含む。
【0121】
図10は、本出願の一実施形態による道路渋滞原因を提供するための装置1000を示す。本装置は、第1の車両で使用され、第1の車両は、渋滞地点を中心とする所定長さの道路区間に位置する。本装置1000は、
サーバから指示メッセージを受信するように構成された受信ユニット101と、
車載カメラを使用することによって指示メッセージに基づいて渋滞地点を撮影するように構成された撮影ユニット102と、
指示メッセージに基づいて、渋滞地点の、撮影によって取得された撮影データをサーバに送信する送信ユニット103と
を含む。
【0122】
図9および図10のモジュールのうちの1つまたは複数のみが、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せを使用することによって実装されてもよい。ソフトウェアまたはファームウェアは、限定はしないが、コンピュータプログラム命令またはコードを含み、ハードウェアプロセッサによって実行されてもよい。ハードウェアは、様々な集積回路を含み、例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)を含むが、これらに限定されない。
【0123】
本出願の一実施形態はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムまたは命令を記憶する。コンピュータプログラムまたは命令がコンピュータで実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、サーバで使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【0124】
本出願の一実施形態はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムまたは命令を記憶する。コンピュータプログラムまたは命令がコンピュータで実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、車両で使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【0125】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、サーバで使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【0126】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行されると、道路渋滞原因を提供するための装置は、車両で使用される道路渋滞原因を提供するための方法を実行することが可能にされる。
【0127】
本明細書における「第1」および「第2」などの記載は、説明を簡単にするために同様の概念を区別し、他の限定的な機能を有さないことを理解されたい。
【0128】
当業者は、本出願で提供される実施形態の説明が相互に参照され得ることを明確に理解することができる。説明を容易かつ簡潔にするために、例えば、本出願の実施形態で提供される装置およびデバイスの機能および実行されるステップについては、本出願の方法実施形態の関連する説明を参照されたい。様々な方法実施形態間および様々な装置実施形態間で参照が行われ得る。
【0129】
当業者なら、方法の実施形態のステップの全部または一部が、関連するハードウェアに命令するプログラムによって実施され得ることを理解できる。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。プログラムが実行されるとき、方法実施形態の各ステップが実行される。前述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0130】
上記の実施形態の全部または一部はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはこれらの任意の組合せを使用することによって実施されてもよい。ソフトウェアが、実施形態を実施するために使用される場合、実施形態のすべてまたは一部は、コンピュータプログラム製品の形式で実施されてもよい。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がロードされ、コンピュータ上で実行されるとき、本出願の実施形態による手順または機能が全体的にまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラマブル装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよいし、あるコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、もしくはデジタル加入者回線(DSL))またはワイヤレス(例えば、赤外線、無線、もしくはマイクロ波)の方法で、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに送信されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な何らかの使用可能な媒体であってよく、または1つまたは複数の使用可能な媒体を統合したデータ記憶装置、例えばサーバまたはデータセンタであってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、もしくは磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)、または半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブSolid State Disk(SSD))などであってもよい。
【0131】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示された装置および方法は、本出願の範囲から逸脱することなく他のやり方で実施されてもよいことを理解されたい。例えば、記載された実施形態は単なる例である。例えば、モジュールまたはユニットへの分割は論理的な機能分割にすぎず、実際の実装では別の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが組み合わされるか、または別のシステムに統合されてもよく、またはいくつかの機能が無視されてもよく、または実行されなくてもよい。別々の部分として説明されたユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、また、ユニットとして表示された部分は、物理的なユニットであってもなくてもよく、一箇所に配置されていてもよく、複数のネットワークユニット上に分散されていてもよい。実施形態の解決策の目的を達成するため、実際のニーズに従ってモジュールの一部または全部が選択されてよい。当業者であれば、創造的な努力を払わずに本発明の実施形態を理解し、実施することができる。
【0132】
加えて、本明細書に記載の装置および方法、ならびに異なる実施形態の概略図は、本出願の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わされ、または統合され得る。加えて、表示または説明された、相互接続もしくは直接接続、または通信接続は、いくつかのインタフェースを使用することによって実装されてもよい。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形態として実施されてもよい。
【0133】
前述の説明は、本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図されていない。本出願に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0134】
11 車車間・路車間サーバ
111 通信インタフェース
112 メモリ
113 プロセッサ
12 ネットワークプラットフォーム
13 ユーザ端末装置
600 車載装置
61 プロセッサ
62 メモリ
63 移動通信モジュール
64 カメラ
65 スピーカ
66 ディスプレイ
67 センサモジュール
671 測位システム
672 速度センサ
900 装置
901 第1の判定ユニット
902 第2の判定ユニット
903 送信ユニット
904 受信ユニット
905 第3の判定ユニット
906 第1の送出ユニット
907 第4の判定ユニット
908 第2の送出ユニット
909 入力ユニット
910 判断ユニット
911 第3の送出ユニット
1000 装置
101 受信ユニット
102 撮影ユニット
103 送信ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10