(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】フィルタカートリッジ、エアクリーナアセンブリ、ハウジング、特徴、構成要素及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20241001BHJP
B04C 3/00 20060101ALI20241001BHJP
F02M 35/024 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B01D46/00 302
B04C3/00 A
F02M35/024 501E
F02M35/024 501A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023033854
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2020506325の分割
【原出願日】2018-08-30
【審査請求日】2023-03-22
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラーン, ヒューバート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バートン, デイビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】キャンプベル, スティーブン ケー.
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-545094(JP,A)
【文献】特表2007-530259(JP,A)
【文献】国際公開第2017/106752(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/141097(WO,A2)
【文献】特開2003-144978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/54
B04C 1/00-11/00
F02M 35/00-35/16
F01N 3/01,3/02-3/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルタカートリッジであって、
(a)対向する第1の流れ端部及び第2の流れ端部を含むフィルタ媒体パックであって、前記第1の流れ端部と前記第2の流れ端部との間に延びる媒体を有
するフィルタ媒体パックと、
(b)シール部材を含むハウジングシール構造
であって、
(i)前記ハウジングシール構造は、外部周囲表面と、第1のピンチシールハウジング係合表面と、を有する軸方向ピンチシールを有するピンチシール構造であり、
(ii)前記第1のピンチシールハウジング係合表面は、その上に少なくとも第1のハウジング係合突起を有する、傾斜のある軸方向ピンチシール表面であり、
(iii)前記第1のピンチシールハウジング係合表面は、前記第1のハウジング係合突起の隣接する対向周辺側部にある前記傾斜のある軸方向ピンチシール表面の部分よりも、更に前記第2の流れ端部の方に延びる第1のピンチシール突起を含む、
ハウジングシール構造と、
(c)前記フィルタ媒体パック上に配置された入口プリフォームであって、
(i)前記入口プリフォームは、前記媒体パックの前記第1の流れ端部の上に延びるキャップを含み、
(ii)前記キャップは、複数のプレクリーナ、セパレータチューブ、清浄空気入口セクションをその上に有し、前記プリフォームを通って前記媒体への流れを提供する、
入口プリフォームと、
を含む、エアフィルタカートリッジ。
【請求項2】
(a)前記複数の清浄空気入口セクションは、180°回転対称を有するアレイに配置されている、請求項1に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項3】
(a)前記複数の清浄空気入口
セクションは、90°回転対称を有するアレイに配置されている、請求項1に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項4】
(a)前記シール部材は、その中に組み込まれた前記入口プリフォームの一部分とともに現場成形される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項5】
(a)前記入口プリフォームは、前記フィルタ媒体パックの前記第1の流れ端部の端部領域の少なくとも5%を含む空気流開口面積を画定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項6】
(a)前記入口プリフォームは、前記第1の流れ端部において、前記キャップの
前記清浄空気入口セクションを前記媒体パックから少なくとも8mm隔離するように配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項7】
(a)前記ピンチシール構造の一部分と前記媒体パックとの間に配置されたレシーバ凹部を含む、請求項
6に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項8】
(a)前記媒体パックは、コイル式媒体構造である、請求項1~
7のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジ。
【請求項9】
(a)本体と、アクセスカバーと、空気流入口と、空気流出口と、を含むハウジングと、
(b)プレクリーナであって、
(i)前記プレクリーナは、前記アクセスカバーに配置されたセパレータチューブ遠心分離器入口セクションのアレイを含む、プレクリーナと、
(c)前記ハウジング内に動作可能に配置された、請求項1~
8のいずれか一項に記載のエアフィルタカートリッジであって、前記カートリッジ上の清浄空気入口チューブセクションは、前記セパレータチューブ遠心分離器入口セクションへと突出する、エアフィルタカートリッジと、
を含む、エアクリーナアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年8月30日にPCT国際特許出願として出願され、2017年8月31日に出願された米国仮特許出願第62/552,836号明細書、及び2018年6月15日に出願された米国特許出願第62/685,394号明細書の優先権の利益を主張する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2017年8月31日に出願された米国仮特許出願第62/552,836号明細書の、編集を加えた開示を含む。米国仮特許出願第62/552,836号明細書の開示全体を参照により本明細書中に組み込む。
【0003】
本開示は、典型的には、内燃機関の吸気などの空気の濾過において使用するためのフィルタ構造に関する。本開示は、特に、対向する流れ端部を有するカートリッジを伴うフィルタ構造に関する。エアクリーナ構造、構成要素及び特徴並びに組み立て方法及び使用方法が、記載される。
【背景技術】
【0004】
空気流はその中に粉じん及び液体粒子などの汚染物質を保持する場合がある。多くの例では、この汚染物質の一部又はすべてを空気流から濾過することが望まれる。例えば、自動車又は発電機器のエンジンへの空気流ストリーム(例えば、燃焼空気流)、ガスタービンシステムへのガス流、及び種々の燃焼炉への空気流はその中に、濾過されるべき微粒子汚染物質を保持する。このようなシステムでは、選択した汚染物質を空気から除去する(又は選択した汚染物質の空気中におけるレベルを低下させる)ことが好まれる。
【0005】
このような汚染物質を除去するための様々なエアフィルタ構造が開発されている。これらは典型的には、保守可能な(すなわち、取り外し可能且つ交換可能な)メインフィルタカートリッジを含む。メインフィルタカートリッジは、保守が簡単で、それが使用されるエアクリーナアセンブリ内に容易に且つ適切に密閉される構成のものであり、且つ好ましくは、不適切な若しくは認可されていないカートリッジを容易に取り付けることができない又は取り付けられるように見えないように、エアクリーナアセンブリと組み合わせて構成されることが望ましい。この手法は開発されており、参照により本明細書中に組み込む、例えば、国際公開第2014/210541号パンフレット及び国際公開第2016/105560号パンフレットを参照されたい。改良が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、本発明に関連するエアクリーナアセンブリ、構成要素、特徴、及び方法が記載される。記載される特徴の中には、例えば、吸気及び内燃機関を濾過するなどのために、エアクリーナアセンブリ内の保守可能なフィルタカートリッジとして使用可能なエアフィルタカートリッジがある。
【0007】
使用されるときに、カートリッジが対象のエアクリーナにとって適切なものであるかを確実とすることに関連する特徴が含まれる。本明細書の手法の特定の適用において、これらの特徴は、一部、カートリッジのシール構造及びシール表面の構成に関連する。フィルタカートリッジが軸方向ピンチシール表面を有するシール構造を含み、軸方向ピンチシール表面は突起/凹部輪郭を有し、突起/凹部輪郭はその上に少なくとも1つの突起部材を含む特定の構造が示される。
【0008】
記載される手法のいくつかの適用において、本開示の選択した特徴は、望ましくないシール変形を阻止する位置に、(典型的には、第1のハウジング係合突起を含むシールピンチ構造の部分と周囲整列して)シール輪郭突起安定部を有する構造を提供することに関連する。これを容易にするための例示的な選択した特徴が提供される。
【0009】
本開示の一態様によれば、フィルタカートリッジ上に入口キャップを設けることであって、このキャップは、プレクリーナ構造の一部分としてセパレータチューブ構成要素を含む、ことを含む、修正されたカートリッジ特徴が開示される。このような特徴は、上で特徴付けられた特徴とともに有利に使用され得るが、単独で使用することはできる。
【0010】
上記によるエアクリーナ構造及びフィルタカートリッジの更なる特徴が記載される。好ましい特徴及び変更形態が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示による構造において使用可能な第1の例示的媒体種類の部分概略斜視図である。
【
図2】
図1に示される媒体種類の一部分の拡大概略断面図である。
【
図3】
図1及び
図2の種類の媒体の種々のフルート付き媒体の定義の例の概略図を含む。
【
図4】
図1~
図3の種類の媒体を製造するための例示的プロセスの概略図である。
【
図5】
図1~
図4の種類の媒体フルートの任意選択の端部ダーツの概略断面図である。
【
図6】本開示による特徴を含むフィルタカートリッジで使用可能であり、例えば
図1による媒体のストリップで作製されたコイル式フィルタ構造の概略斜視図である。
【
図7】本開示による選択した特徴を含むフィルタ構造で使用可能であり、例えば
図1による媒体のストリップから作製されたスタック式媒体パック構造の概略斜視図である。
【
図8】
図1の媒体とは別の媒体を使用する、本開示による選択したフィルタカートリッジで使用可能な別のフィルタ媒体パックの概略流れ端部図である。
【
図8A】
図8の図とは対向する流れ端部の概略図である。
【
図9】本開示による特徴を含むフィルタカートリッジの媒体パックで使用可能な更に別の媒体種類の概略部分断面図である。
【
図10】
図9の媒体種類の第1の変形形態の概略部分断面図である。
【
図11A】本開示による、使用可能な別のフルート付きシート/外装シートの組み合わせの概略部分図である。
【
図11C】本開示による構造において使用可能な更に別の媒体変形形態の概略部分平面図である。
【
図12A】本開示による別の使用可能なフルート付きシート/外装シートの組み合わせの概略図である。
【
図12B】
図64に示される使用可能なフルート付きシート/外装シートの組み合わせの一部分の斜視図である。
【
図13】本開示によるエアクリーナアセンブリの概略側立面図である。
【
図14】
図13のエアクリーナアセンブリの入口側端部概略斜視図である。
【
図17】
図16の線17-17に沿って概ね取ったエアクリーナアセンブリの概略断面図である。
【
図18】
図13~
図15のアセンブリの任意の安全フィルタカートリッジの概略入口側端部斜視図である。
【
図19】
図18の安全フィルタカートリッジの概略出口側端部斜視図である。
【
図20】
図13~
図15のアセンブリにおいて使用可能なメインフィルタカートリッジの入口側端部概略斜視図である。
【
図21】
図20のフィルタカートリッジの概略側立面図である。
【
図21B】
図21の線21B-21Bに概ね沿って取った拡大部分断面図である。
【
図22】
図20のフィルタカートリッジの概略狭端部立面図である。
【
図23】
図20のフィルタカートリッジの概略出口側端部斜視図である。
【
図23A】
図21の線23A-23Aに沿って概ね取った拡大断面図である。
【
図24】
図20のフィルタカートリッジの概略分解入口側端部斜視図である。
【
図25】
図20のフィルタカートリッジの概略分解出口側端部図である。
【
図27】
図26のエアクリーナアセンブリの選択した構成要素の概略斜視分解断面図であり、視点は、
図26の線27-27に沿って概ね取られている。
【
図27B】
図27Aに対応するが、非分解組立(又は取り付けられた)配向のカートリッジを示す概略図である。
【
図28】
図27に類似するが、
図26の線28-28に沿って概ね取った第2の概略分解断面図である。
【
図28B】
図27Aに類似するが、完全に取り付けられた配向のカートリッジを示す拡大部分概略図である。
【
図29】
図27に類似するが、
図26の線29-29に沿って取った分解概略斜視断面図である。
【
図29B】分解された配向よりもむしろ完全に取り付けられたカートリッジを示すこと以外は
図29Aに類似する拡大部分図である。
【
図30】
図27に類似するが、
図26の線30-30に沿って取った概略分解斜視断面図である。
【
図30B】完全に取り付けられた配向のカートリッジを示すこと以外は
図30Aに類似する図である。
【
図31】
図27に類似するが、
図26の線31-31に沿って概ね取った概略分解斜視断面図である。
【
図31B】(分解されるよりもむしろ)完全に取り付けられた配向のカートリッジを示すこと以外は
図31Aに類似する図である。
【
図32】アクセスカバー及びプレクリーナの一部分を分解図で示す、
図13~
図15、
図32のエアクリーナアセンブリの入口側端部概略斜視図である。
【
図33】
図32に類似するが、ハウジングの出口側端部に向かう視点から取られた分解概略斜視図である。
【
図33A】
図33に示されるアクセスカバー構成要素の内側表面の拡大概略図である。
【
図35】本開示による選択した特徴を含む別のフィルタカートリッジの概略斜視図である。
【
図36】
図35によるフィルタカートリッジの概略分解斜視図である。
【
図37】
図35~
図36によるフィルタカートリッジを含み得るエアクリーナアセンブリを示す概略側立面図である。
【
図38】本開示による選択した特徴を含む別のエアクリーナアセンブリの入口側端部概略斜視図である。
【
図39】
図38のエアクリーナアセンブリの概略分解斜視図である。
【
図39A】
図39のアセンブリのフィルタカートリッジ構成要素の概略分解斜視図である。
【
図40】
図39の線40-40に沿って概ね取った概略断面図である。
【
図41】
図38~
図40の一般的な特徴に従って選択した原理を使用するが、別の形状のカートリッジの状況における、別のフィルタカートリッジの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
I.全般的な例示的媒体構成
本開示による原理は、以下に記載する特定の、選択した所望の結果を達成するための有利な手法におけるフィルタカートリッジとエアクリーナシステムとの間の相互作用に関する。フィルタカートリッジは、一般に、濾過操作中に空気及び他のガスが通過するフィルタ媒体をその中に含む。媒体は、様々な種類及び構成のものであり得るとともに、様々な材料を使用して作製され得る。以下で記載するように、例えば、プリーツ付き媒体構造が、本開示の原理によるカートリッジ内で使用され得る。
【0013】
この原理は、カートリッジの入口側端部と出口側端部との間の媒体の伸張範囲が非常に深い状況における使用のために特に良く適合されているが、別のものは可能である。また、この原理は、比較的大きな断面寸法サイズのカートリッジに使用されることが多い。このような構造では、プリーツ付き媒体とは別の媒体種類が望ましいことが多い。
【0014】
この段落では、本明細書中に記載される手法において使用可能ないくつかの媒体構造の例が提供される。しかしながら、様々な別の媒体種類を使用できることは理解されよう。媒体種類の選択は、一般に、利用可能性、所与の適用状況における機能、製造の容易さ等において好みのものであり、選択は、本明細書中に特徴付けられる各種フィルタカートリッジ/エアクリーナ相互作用特徴のうち選択したものの全体的な機能に必ずしも特に関係するわけではない。
【0015】
A.外装媒体に固定された媒体リッジ(フルート)を有するフィルタ媒体を使用する媒体パック構造
フルート付きフィルタ媒体(媒体リッジを有する媒体)を用いて、流体フィルタ構造を種々の手法で設けることができる。良く知られた手法の1つは、本明細書中ではzフィルタ構造として特徴付けられる。本明細書で使用する場合、用語「zフィルタ構造」は、波形が付けられた、折られた、又はこれ以外で形成されたフィルタフルートの個々のフルートを使用して、媒体を流れる流体のための一群の長手方向の、典型的には平行な、入口及び出口フィルタフルートを画定する(典型的には外装媒体と組み合わせて)種類のフィルタ構造を含む(がこれに限定されない)ものである。zフィルタ媒体のいくつかの例は、米国特許第5,820,646号明細書、米国特許第5,772,883号明細書、米国特許第5,902,364号明細書、米国特許第5,792,247号明細書、米国特許第5,895,574号明細書、米国特許第6,210,469号明細書、米国特許第6,190,432号明細書、米国特許第6,350,291号明細書、米国特許第6,179,890号明細書、米国特許第6,235,195号明細書、米国意匠特許第399,944号明細書、米国意匠特許第428,128号明細書、米国意匠特許第396,098号明細書、米国意匠特許第398,046号明細書、米国意匠特許第437,401号明細書、国際公開第2014/210541号パンフレット、国際公開第2016/105560号パンフレットおよび国際公開第2016/141097号パンフレットに記載されている。これらの引用参照文献はそれぞれ、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0016】
1つのzフィルタ媒体の種類では、ともに接合されて媒体構造を形成している2つの特定の媒体構成要素を用いている。この2つの構成要素は、(1)フルート付き(典型的には、波形付き)媒体シート又はシートセクション、及び(2)外装媒体シート又はシートセクションである。外装媒体シートには、典型的には、波形は付けられていないが、例えば、2004年2月11日に出願され、2005年8月25日に国際公開第05/077487号パンフレットとして公開された米国仮特許出願第60/543,804号明細書(これら明細書は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されているように、フルート方向に垂直に波形を付けることができる。
【0017】
フルート付き媒体セクション及び外装媒体セクションは、互いに別々の材料を含み得る。しかしながら、これらは、外装媒体材料を媒体のフルート付き媒体部分と適切に並置させるために折られる単一媒体シートのセクションとすることもできる。
【0018】
フルート付き(典型的には、波形付き)媒体シート及び外装媒体シート又はシートセクションはともに、平行なフルートを有する媒体を画定するために典型的には、使用される。いくつかの例では、フルート付きシートと外装シートとは別々にされ、そしてともに固定され、その後、媒体ストリップとして巻かれ、zフィルタ媒体構造を形成する。このような構造については、例えば、米国特許第6,235,195号明細書及び米国特許第6,179,890号明細書(このそれぞれは参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。あるその他の構造では、いくつかの巻かれていないセクション又は外装媒体に固定されたフルート付き(典型的には、波形付き)媒体のストリップは互いに積み重ねられてフィルタ構造を作成する。この例は、米国特許第5,820,646号明細書(参照により本明細書中に組み込まれる)の
図11に記載されている。
【0019】
本明細書中では、波形付きシートに固定されたフルート付きシート(リッジを有する媒体のシート)を含む材料のストリップは、後に、スタックへと組み立てられて媒体パックを形成し、時として、「単一フェーサストリップ(single facer strip)」、「単一フェース式ストリップ(single faced strip)」又は「単一フェーサ(single facer)」若しくは「単一フェース式(single faced)」媒体と呼ばれる。これらの用語及びこれらの変化形は、各ストリップにおいて、フルート付き(典型的には、波形付き)シートの1つの面、すなわち、片面が外装シートに面しているという事実を意味するものである。
【0020】
典型的には、コイル式媒体パックを作成するためのフルート付きシート/外装シートの組み合わせ(すなわち単一フェーサ)のストリップの巻き取りは、外装シートを外側に向かって導くことで行われる。巻き取りのいくつかの技術は、2003年5月2日に出願された米国特許仮出願第60/467,521号明細書、及び2004年3月17日に出願され、現在は国際公開第04/082795号パンフレットとして公開されている、PCT出願である米国特許出願第04/07927号明細書(これらはそれぞれ参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。得られるコイル式構造は、結果として、全般的に、媒体パックの外部表面として、外装シートの一部分を有する。
【0021】
媒体内の構造に言及するために本明細書中で使用される「波形付き」という用語は、2つの波形ローラの間、すなわち、2つのローラの間のニップ又はバイトへと媒体を送ることにより得られるフルート構造を意味するものとして多くの場合使用される。ローラはそれぞれ、得られた媒体に波形構造を生じさせるのに適した表面特徴を有する。しかしながら、「波形」という用語は、それらが波形ローラ間のバイトへの媒体の通過を伴う技術によるフルートから生じると明記されない限り、そのようなフルートに限定されるものではない。「波形付き」という用語は、例えば、2004年1月22日に公開されたPCT国際公開第04/007054号パンフレットに(参照により本明細書中に組み込まれる)記載されている折り曲げ技術によって、波形を付けた後に媒体を更に修正する又は変形する場合にも当てはまるものとする。
【0022】
波形付き媒体はフルート付き媒体の特定の形態である。フルート付き媒体は、媒体全体に延びる個々のフルート又はリッジ(例えば、波形を付けること又は折り曲げることによって形成される)を有する媒体である。
【0023】
zフィルタ媒体を用いる保守可能フィルタエレメント又はフィルタカートリッジ構成は、「直流フロー構成(straight through flow configuration)」又はその変化形で呼ばれることがある。概して、本文脈においてそれが意味することは、保守可能フィルタエレメント又はカートリッジが全般的に、入口側流れ端部(又は面)と対向する出口流れ端部(又は面)とを有し、このフィルタカートリッジに流れが略同じ直流方向に出入りするというものである。「保守可能(serviceable)」という用語は、本文脈においては、対応する流体(例えば空気)クリーナから定期的に取り外され、交換される媒体を含むフィルタカートリッジを意味するものである。いくつかの例では、入口側流れ端部(又は面)と出口流端部(又は面)とのそれぞれは略平ら又は平坦であり、この2つは互いに平行である。しかしながら、この変形形態、例えば、非平面面も可能である。
【0024】
(特にコイル式又はスタック式媒体パックにおける)直流フロー構成は、例えば、流れが媒体に入るとき及び出るときに流れが全般的に大きく向きを変える、米国特許第6,039,778号明細書(参照により本明細書中に組み込まれる)に示されている種類の円筒状プリーツ型フィルタカートリッジなどの、保守可能フィルタカートリッジとは対照的である。つまり、米国特許第6,039,778号明細書のフィルタでは、流れは円筒状フィルタカートリッジに円筒側部から入り、その後、向きを変えて媒体の開端部から出る(順流システム)。典型的な逆流システムでは、流れは保守可能円筒状カートリッジに媒体の開端部から入り、その後、向きを変えて円筒状フィルタ媒体の側部から出る。このような逆流システムの例は、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第5,613,992号明細書に示されている。
【0025】
「zフィルタ媒体構造」という用語及びその変化形は、本明細書で使用する場合、単に、以下の一部又は全部を含むが、必ずしもこれらに限定されないことが意図されている:シートが別々であるか単一ウェブの一部であるかを問わず、適切なシーリング(クロージャ)によって(外装)媒体に固定され、入口フルート及び出口フルートの画定を可能にする波形付き若しくはそうでなければフルート付き媒体(媒体リッジを有する媒体)のウェブ、並びに/又はこのような媒体から入口フルート及び出口フルートの3次元ネットワークへと構築された若しくは形成された媒体パック、並びに/又はこのような媒体パックを含むフィルタカートリッジ若しくは構造。
【0026】
図1では、zフィルタ媒体構造において使用可能な媒体1の例が示されている。媒体1は、フルート付き、この例では波形付きシート3と、外装シート4と、から形成されている。媒体1などの構造は、本明細書中では、単一フェーサ又は単一フェース式ストリップと呼ばれる。
【0027】
時として、波形フルート付き又はリッジ付きシート3(
図1)は、本明細書中では、規則的な、湾曲した、波パターンのフルート、リッジ又は波形7を有するものとして一般に特徴付けられる種類のものである。「波パターン」という用語は、本文脈では、トラフ7bとリッジ7aとが交互するフルート、リッジ又は波形付きパターンを意味するものである。「規則的な」という用語は、本文脈では、トラフとリッジ(7b、7a)の対がほぼ同じ繰り返し波形(フルート又はリッジ)形状及び大きさで交互することを意味するものである。(また、典型的には、規則的な構成においては、各トラフ7bは実質的に各リッジ7aに対し反転したリッジである)。「規則的な」という用語は、したがって、波形(又はフルート)パターンがトラフ(反転したリッジ)とリッジとを含み、その各対(隣接するトラフとリッジとを含む)が、フルートの長さの少なくとも70%の波形の大きさ及び形状に大幅な変更なしに繰り返すことを示すものである。「大幅な(substantial)」という用語は、本文脈では、媒体シート3が可撓性であることによるわずかな変更とは対照的に、波形付き又はフルート付きシートを作成するために使用されるプロセス又は形態の変化からもたらされる変更を意味する。繰り返しパターンの特性については、任意の所与のフィルタ構造において、同数のリッジとトラフとが必ずしも存在するというわけではない。媒体1は、例えば、リッジとトラフとを含む対の間で、又はリッジとトラフとを含む対に一部沿って終端され得る。(例えば、
図1では、部分的に示されている媒体1は、8つの完全なリッジ7aと7つの完全なトラフ7bとを有する)。また、対向するフルート端部(トラフの端部及びリッジの端部)は互いに異なっていてもよい。これら定義において、このような端部の変形形態は特に明示されない限り無視される。つまり、フルートの端部の変形形態は上記定義に包含されることが意図される。
【0028】
波形構造の「湾曲した」波パターンの特性の文脈では、特定の場合において、波形パターンは媒体に折り曲げた又はひだを付けた形状を施した結果ではなく、むしろ、各リッジの頂点7a及び各トラフの底部7bは丸みのある曲線に沿って形成される。このようなzフィルタ媒体の典型的な半径は少なくとも0.25mm、典型的には、3mm以下である。
【0029】
波形付きシート3の
図1に示される特定の規則的な、湾曲した波パターンの更なる特性は、各トラフと各隣接するリッジとの間のほぼ中間点30に、フルート7の長さの大部分に沿って、湾曲が反転する移行領域があることである。例えば、裏側又は面3a(
図1)を見ると、トラフ7bは凹状領域であり、リッジ7aは凸状領域である。当然、前側又は面3bに向かって見ると、側3aのトラフ7bはリッジを形成しており、面3aのリッジ7aはトラフを形成している。(いくつかの例では、領域30は、セグメント30の端部の湾曲が反転する点である代わりに、直線セグメントであり得る)。
【0030】
図1に示す特定の規則的な波パターンフルート付き(この例では波形付き)シート3の特性は、代替物は可能であるものの、個々の波形、リッジ又はフルートが略直線ということである。「直線」とは、本文脈では、長さの少なくとも70%、典型的には少なくとも80%にわたって、リッジ7a及びトラフ(又は反転したリッジ)7bの断面が大幅に変化しないことを意味する。
図1に示される波形パターンに関する「直線」という用語は、参照により本明細書中に組み込まれる、2003年6月12日に公開された国際公開第97/40918号パンフレット及びPCT公報国際公開第03/47722号パンフレットの
図1に記載されている波形付き媒体のテーパ状フルートのパターンと一部区別される。国際公開第97/40918号パンフレットの
図1のテーパ状フルートは、本明細書中で使用する用語では、例えば、湾曲した波パターンであり、「規則的な」パターンでも直線フルートのパターンでもない。
【0031】
本
図1を参照すると、また、上で述べたように、媒体1は第1及び第2の対向する縁部8及び縁部9を有する。媒体1が媒体パックへと形成されると、概して、縁部9は媒体パックの入口側端部又は面を形成し、縁部8は出口側端部又は面を形成するが、逆の配向も可能である。
【0032】
示される例では、各種フルート7は対向する縁部8と縁部9との間の全体に延びるが、別の形態も可能である。例えば、各種フルート7は縁部に隣接する又は近い位置まで延びることができるが、縁部を完全には貫通しない。また、各種フルート7は、例えば、参照により本明細書中に組み込む米国特許出願公開第2014/0208705A1号明細書の媒体におけるように、媒体の途中で停止及び開始することができる。
【0033】
図1に示されるような媒体である場合、縁部8に隣接して、シーラントビード10を提供することができる。シーラントビード10は、波形付きシート3と外装シート4とをともに密閉する。ビード10は、「単一フェーサ」又は「単一フェース」ビード又はその変化形で呼ばれる場合があるが、これは、ビード10が、単一フェーサ(単一フェース式)媒体ストリップ1を形成する波形付きシート3と外装シート4との間のビードであることが理由である。シーラントビード10は、空気をフルート11から(又は逆の流れではフルート11に)通すために、縁部8に隣接する個々のフルート11を密封する。
【0034】
図1に示される媒体において、縁部9に隣接して、シールビード14が提供されている。シールビード14は、未濾過の流体をフルート15から通す(又は逆の流れではフルート15内において流す)ために、縁部9に隣接するフルート15をほぼ閉じている。ビード14は典型的には、媒体1が媒体パックへと構成される際に適用される。媒体パックがストリップ1のスタックから作製される場合、ビード14は、外装シート4の裏側17と、次に隣接する波形付きシート3の側面18との間にシールを形成する。媒体1がストリップに切断され、巻き取られるのではなく積み重ねられる場合、ビード14は「積み重ねビード(stacking bead)」と称される。(ビード14が、媒体1の長いストリップから形成されたコイル式構造において使用される場合、ビード14は、「巻いたビード(winding bead)」と称され得る)。
【0035】
別の種類のスルーフロー媒体においては、シール材を異なるように配置することができ、シーラント又は接着剤の添加を回避さえすることができる。例えば、場合によっては、媒体は折り曲げて端部若しくは縁部シームを形成することができる、又は媒体は超音波適用等などの別の技術によって密閉することができる。更に、シーラント材が用いられる場合でも、シーラント材は対向端部に隣接する必要はない。
【0036】
図1を参照すると、フィルタ媒体1が、例えば、積み重ね又は巻き取りによって媒体パックに組み込まれると、フィルタ媒体1は以下のように操作され得る。まず、矢印12の方向の空気が、端部9に隣接する開放フルート11に入る。ビード10による端部8の閉鎖によって、空気は、例えば、矢印13によって示されるようにフィルタ媒体1を通過する。空気は、その後、媒体パックの端部8に隣接するフルート15の開端部15aを通過することによって媒体又は媒体パックを出ることができる。当然、操作は反対方向の空気流において行うこともできる。
【0037】
本明細書の
図1に示されている特定の構造では、平行波形7a、7bは縁部8から縁部9まで媒体全体にわたって略直線である。直線フルート、リッジ又は波形は選択した位置、特に端部において変形され得る又は折り曲げられ得る。閉鎖のためのフルート端部の修正については、「規則的な」、「湾曲した」及び「波パターン」の上記定義においてほぼ無視される。
【0038】
直線の規則的な湾曲した波パターン波形形状を用いないzフィルタ構造が知られている。例えば、Yamadaらの米国特許第5,562,825号明細書では、幾分半円状の(断面)入口フルートを、細いV字形の(湾曲した側面を有する)出口フルートに隣接して用いる波形パターンが示されている(米国特許第5,562,825号明細書の
図1及び
図3を参照のこと)。Matsumotoらの米国特許第5,049,326号明細書では、チューブの半分を有する1つのシートを、チューブの半分を有する別のシートに取り付けることによって画定され、得られる平行直線フルート間に平らな領域を有する円形(断面)又は管形フルートが示されている。Matsumotoの米国特許第5,049,326号明細書の
図2を参照のこと。Ishiiらの米国特許第4,925,561号明細書(
図1)では、矩形断面を有するように折り曲げられたフルートが示されており、このフルートは、その長さに沿ってテーパしている。国際公開第97/40918号パンフレット(
図1)では、湾曲した波パターン(隣接する湾曲した凸状及び凹状トラフから)を有しているが、その長さに沿ってテーパしている(したがって、直線ではない)フルート又は平行波形構造が示されている。また、国際公開第97/40918号パンフレットでは、湾曲した波パターンを有しているが、異なる大きさのリッジ及びトラフを有するフルートが示されている。また、種々のリッジを含むように形状を変更したフルートが知られている。
【0039】
概して、フィルタ媒体は比較的可撓性の材料であり、典型的には、多くの場合、更なる材料で処理されることのある樹脂を内部に含む(セルロース繊維、合成繊維又はこの両方の)不織繊維質材料である。したがって、フィルタ媒体は、容認できない媒体の損傷なく種々の波形パターンへと適合させることができる又は構成することができる。また、フィルタ媒体は、同じく、容認できない媒体の損傷なく使用するために、容易に巻き取ることができる又はそれ以外の手法で構成することができる。当然、フィルタ媒体は、使用時、必要な波形構成を維持するような性質のものでなければならない。
【0040】
典型的には、波形を付ける工程では、媒体に非弾性変形を生じさせる。これにより、媒体がその元の形状に戻ることを防止する。しかしながら、張力が解放されると、フルート又は波形構造は跳ね返る傾向があり、生じた伸張及び湾曲の一部のみが回復する。波形付きシートのこの跳ね返りを阻止するために、フルート付き媒体シートに外装媒体シートが取り付けられる場合がある。このような取り付けは参照符号20で示される。
【0041】
また、典型的には、媒体は樹脂を含む。波形を付ける工程時、媒体はこの樹脂のガラス転移点を超えるまで加熱することができる。その後、この樹脂を冷却すると、フルート付き形状を維持するのを補助する。
【0042】
波形付き(フルート付き)シート3、外装シート4又はこの両方の媒体には、その片面又は両面に、例えば、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第6,673,136号明細書による微細繊維材料が付与され得る。いくつかの例では、このような微細繊維材料が使用される場合、材料の上流側及びフルートの内部に微細繊維を付与することが望ましい場合がある。これが行われた場合、濾過中の空気の流れは、典型的には、積み重ねビードを含む縁部へと向かう。
【0043】
zフィルタ構造に関する課題は、個々のフルート端部の閉鎖に関係する。代替物は可能であるものの、典型的には、閉鎖の実施にはシーラント又は接着剤が提供される。上記説明から明らかなように、特に、テーパ状フルートとは対照的に直線フルート、及びフルートシールにシーラントを用いる典型的なzフィルタ媒体においては、上流側端部と下流側端部との両方に広いシーラント表面積(及び体積)が必要である。結果的に得られる媒体構造の適切な動作にとって、これら位置における高品質のシールが重要である。このことに関して、高いシーラント体積及び面積は問題を生じさせる。
【0044】
ここで、
図2を参照されたい。
図2は、zフィルタ媒体、すなわち、規則的な湾曲した波パターンの波形付きシート43と、波形が付けられていない平らなシート44、すなわち単一フェーサストリップと、を用いたzフィルタ媒体構造40を概略的に示す。点50と点51との間の距離D1は、所与の波形付きフルート53の下方の領域52における平らな媒体44の伸張範囲を画定する。同じ距離D1における波形付きフルート53の弧状媒体の長さD2は、波形付きフルート53の形状のため、当然、D1よりも大きい。フルート付きフィルタ用途において用いられる典型的な規則的な形状の媒体においては、点50と点51との間の媒体53の直線長さD2は、D1の少なくとも1.2倍であることが多い。典型的には、D2はD1の1.2~2.0倍(境界値を含む)の範囲内である。エアフィルタの特に便利な構造の1つは、D2が約1.25~1.35xD1である構成を有する。このような媒体は、例えば、Donaldson Powercore(商標)zフィルタ構造において商業的に用いられてきた。別の便利な可能性のある大きさはD2がD1の約1.4~1.6倍のものである。本明細書中では、比率D2/D1は、波形付き媒体のフルート/平坦部の比率又は媒体の延伸量(media draw)として特徴付けられる場合がある。
【0045】
段ボール業界では、様々な規格のフルートが規定されてきた。例えば、規格Eフルート、規格Xフルート、規格Bフルート、規格Cフルート、及び規格Aフルートなどである。添付の
図3は、以下の表Aと併せて、これらフルートの規定を記載する。
【0046】
本開示の譲受人であるDonaldson Company,Inc.,(DCI)は、種々のzフィルタ構造において規格Aフルート及び規格Bフルートの変形形態を使用してきた。これらフルートもまた、表A及び
図3で定義される。
【0047】
【0048】
当然、段ボール箱業界の他の規格、フルートの規定も知られている。
【0049】
一般に、段ボール箱業界のフルート構成規格を使用して、波形付き媒体の波形形状又は略波形形状を規定することができる。DCI Aフルート及びDCI Bフルート、並びに段ボール業界の規格フルートA及び規格Bフルートの間の上記比較は、いくつかの便利な変形形態を示す。
【0050】
2008年6月26日に出願され、米国特許出願公開第2009/0127211号明細書として公開された米国特許出願第12/215,718号明細書、2008年2月4日に出願され、米国特許出願公開第2008/0282890号明細書として公開された米国特許出願第12/012,785号明細書、及び/又は米国特許出願公開第2010/0032365号明細書として公開された米国特許出願第12/537,069号明細書において特徴付けられているものなどの別のフルート規定を、本明細書の以下で特徴付けられるエアクリーナ特徴とともに使用することができることに留意されたい。米国特許出願公開第2009/0127211号明細書、米国特許出願公開第2008/0282890号明細書及び米国特許出願公開第2010/0032365号明細書それぞれの開示全体は参照により本明細書中に組み込まれる。
【0051】
スタック式又はコイル式形態のいずれかにおける、本開示による構造に使用さすることができる外装媒体が固定されたフルート付き媒体を含む別の媒体変形形態は、参照により本明細書中に組み込まれる、Baldwin Filters,Inc.によって所有されており、2014年7月31日に公開された米国特許出願公開第2014/0208705A1号明細書に記載されている。
【0052】
B.
図1~
図3の媒体を含む媒体パック構成の製造(
図4~
図7を参照)
図4では、ストリップ1(
図1)に相当する媒体ストリップ(単一フェーサ)を作製するための製造プロセスの一例を示す。概して、外装シート64とフルート68を有するフルート付き(波形付き)シート66とが合わせられ、媒体ウェブ69を形成する。外装シート64とフルート68を有するフルート付き(波形付き)シート66との間の参照符号70に接着剤ビードが配置される。接着剤ビード70は単一フェーサビード10(
図1)を形成する。ウェブの中央に配置される中央ダーツ付きセクション72を形成するために、ステーション71において、任意のダーツ付与プロセスが行われる。参照符号75において、ビード70に沿ってzフィルタ媒体又はZ媒体ストリップ74を切断するか細長く切り、zフィルタ媒体74の2つの片又はストリップ76、77を作成することができる。このそれぞれは、波形の付いたシートと外装シートとの間にシーラント(単一フェーサビード)のストリップが延在する縁部を有する。当然、任意のダーツ付与プロセスが使用される場合、シーラント(単一フェーサビード)のストリップを有する縁部はまた、この位置においてダーツが付与されたフルート一式を有する。
【0053】
図4に関し特徴付けられたプロセスを実施するための技術は、参照により本明細書中に組み込まれる、2004年1月22に公開されたPCT国際公開第04/007054号パンフレットに記載されている。
【0054】
引き続き
図4を参照すると、zフィルタ媒体74がダーツ付与ステーション71を通過し、最終的に参照符号75において細長く切られる前に、zフィルタ媒体74を形成しなければならない。
図4に示す概略図では、これはフィルタ媒体92のシートを一対の波形ローラ94、95内に通すことにより行われる。
図4に示す概略図では、フィルタ媒体92のシートはロール96から巻き出され、テンションローラ98に巻回され、その後、波形ローラ94、95間のニップ又はバイト102に通される。波形ローラ94、95は歯104を有し、歯104は、平らなシート92がニップ102を通過した後、波形構造のほぼ所望の形状を付与する。ニップ102を通過した後、シート92は機械の方向にわたって波形が付けられた状態になり、波形付きシートとして参照符号66で参照される。波形付きシート66は、その後、外装シート64に固定される。(いくつかの例では、波形を付けるプロセスには媒体の加熱を伴ってもよい)。
【0055】
更に
図4を参照すると、プロセスは、また、ダーツ付与プロセスステーション71へと送られる外装シート64を示す。外装シート64は、ロール106上で保管され、後に、波形付きシート66へと案内され、Z媒体74を形成するものとして示されている。波形付きシート66と外装シート64とは、典型的には、接着剤によって又は他の手段によって(例えば、音波溶接によって)互いに固定される。
【0056】
図4を参照すると、波形付きシート66と外装シート64とを互いに固定するために用いられる接着線70がシーラントビードとして示される。或いは、参照符号70aとして示されるように、外装ビードを形成するためのシーラントビードが塗布され得る。参照符号70aにおいてシーラントが塗布される場合、波形ローラ95に、及び可能であれば、波形ローラ94、95の両方に、ビード70aを収容するための間隙を配することが望ましい場合がある。
【0057】
当然、
図4の設備は、所望であれば、タックビード20(
図1)を提供するように変更することができる。
【0058】
波形付き媒体に付与される波形の種類は選択できるものであり、波形ローラ94、95の波形又は波形歯によって決定される。有用な波形パターンの1つは、本明細書中に上で定義した、直線フルート又はリッジの規則的な湾曲した波パターンの波形である。使用される典型的な規則的な湾曲した波パターンは、上で定義した波形パターンの距離D2が上で定義した距離D1の少なくとも1.2倍のものである。例示的な用途では、典型的には、D2=1.25~1.35xD1であるが、別のものも可能である。いくつかの例では、例えば、直線フルートを用いていない波パターンを含む「規則的」でない湾曲した波パターンを有する技術が適用されてもよい。また、図示されている湾曲した波パターンの変形形態が可能である。
【0059】
記載されているように、
図4に示すプロセスは、中央ダーツ付きセクション72を作成するために使用することができる。
図5は、ダーツを付与し、スリットを入れた後のフルート68の1つを断面で示す。
【0060】
4つのひだ121a、121b、121c、121dを有するダーツの付いたフルート120を形成するための折り目構成118が示され得る。折り目構成118は、外装シート64に固定された平らな第1の層又は部分122を含む。第1の層又は部分122に押し付けられた第2の層又は部分124が示されている。第2の層又は部分124は、第1の層又は部分122の両外側端部126、127を折ることにより形成されることが好ましい。
【0061】
更に
図5を参照すると、折り目又はひだ121a、121bの2つは、本明細書中では一般に、「上部内側に向けられた」折り目又はひだと呼ばれる。この文脈における「上部」という用語は、折り目120を
図5の向きで見た場合、ひだが折り目120全体の上部分に位置することを示すものである。「内側に向けられた」という用語は、各ひだ121a、121bの折線又はひだ線が他方に向けられていることを意味するものである。
【0062】
図5では、ひだ121c、121dは概して、本明細書では「下部外側に向けられた」ひだと呼ばれる。本文脈における「下部」という用語は、
図5の向きにおいて、ひだ121c、121dはひだ121a、121bのように頂部に位置しないことを意味する。「外側に向けられた」という用語は、ひだ121c、121dの折線が互いから離れる方に向けられていることを示すものである。
【0063】
本文脈において用いられる「上部」及び「下部」という用語は、特に、
図5の向きから見た場合の折り目120を意味するものである。つまり、「上部」及び「下部」という用語は、折り目120が実際の製品において使用のために配向されているときの方向を示すものではない。
【0064】
これら特性及び
図5の考察に基づくと、本開示の
図5による規則的な折り目構成118は、少なくとも2つの「上部内側に向けられたひだ」を含むものであるということが示され得る。これら内側に向けられたひだは特有のものであり、折り重ねが隣接するフルートに大きく入り込むこととならない全体的構成の提供を補助する。
【0065】
第3の層又は部分128がまた、第2の層又は部分124に押し付けられて示され得る。第3の層又は部分128は、第3の層128の反対側の内側端部130、131から折ることによって形成されている。
【0066】
折り目構成118を見る別の手法は、波形付きシート66の交互するリッジとトラフの幾何学的配置を参照することである。第1の層又は部分122は反転したリッジから形成されている。第2の層又は部分124は、反転したリッジに向かって折り曲げられた、及び好適な構成では、反転したリッジとは逆に折り曲げられた二重ピーク(リッジの反転後)に相当する。
【0067】
図5に関して好ましい手法で記載されている任意のダーツを設けるための技術は、参照により本明細書中に組み込まれるPCT国際公開第04/007054号パンフレットに記載されている。媒体を巻き取るための技術は、巻いたビードの適用とともに、2004年3月17日に出願され、国際公開第04/082795号パンフレットとして公開されており、参照により本明細書中に組み込まれるPCT出願米国特許出願第04/07927号明細書に記載されている。
【0068】
閉じたフルート付き端部にダーツを付与する別の手法も可能である。このような手法には、例えば、各フルートの中央に配置されないダーツを付与することと、種々のフルートにわたって圧延すること、プレスすること又は折ることと、を含み得る。概して、ダーツ付与には、圧縮され閉じた状態を実現するために、フルート付き端部に隣接する媒体を折ること又はそうでなければ操作することを含む。
【0069】
本明細書中に記載される技術は、波形付きシート/外装シートの組み合わせ、すなわち、「単一フェーサ」ストリップを含む1つのシートを巻き取るステップから得られる媒体パックにおける使用に特に十分に適応させたものである。しかしながら、これらはまた、スタック構造へと作成することもできる。
【0070】
コイル式媒体又は媒体パック構造には、種々の周辺周囲の定義が与えられ得る。本文脈においては、「周辺周囲の定義」という用語及びその変化形は、媒体又は媒体パックの入口側端部又は出口側端部のいずれかを見たときに画定される外側周囲形状を意味するものである。典型的な形状はPCT国際公開第04/007054号パンフレットに記載されているような円形である。他の使用可能な形状は長楕円であり、長楕円のいくつかの例は楕円形である。一般に、楕円形は、一対の対向する辺によって取り付けられた対向する湾曲端部を有する。いくつかの楕円形では、対向する辺もまた湾曲している。レーストラック形状と呼ばれることがある他の楕円形では、対向する辺は略直線である。レーストラック形状については、例えば、PCT国際公開第04/007054号明細書及び国際公開第04/082795号パンフレットとして公開されているPCT出願米国特許出願第04/07927号明細書(このそれぞれは参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。
【0071】
周辺又は周囲形状を記載する別の手法は、コイルの巻きアクセス(winding access)に直交する方向に媒体パックの断面をとることにより得られる周囲を画定することによるものである。
【0072】
媒体又は媒体パックの対向する流れ端部又は流れ面には、種々の異なる定義が与えられ得る。多くの構造では、端部又は端面は略平ら(平坦)であり、互いに垂直である。他の構造では、端面の1つ又は両方は、テーパ状の、例えば、段付き部分を含み、この部分は、媒体パックの側壁の軸方向端部から軸方向に外側に突出するように画定されるか、媒体パックの側壁の端部から軸方向内側に突出するように画定されるか、のいずれかであり得る。
【0073】
フルートシール(例えば、単一フェーサビード、巻いたビード又は積み重ねビードによる)は、種々の材料から形成され得る。引用され且つ組み込まれる様々な参照文献では、種々の用途において可能なものとしてホットメルト又はポリウレタンシールが記載されている。
【0074】
図6では、単一フェース式媒体の単一ストリップを巻き取ることによって構成されたコイル式媒体パック(又はコイル式媒体)130が全体として示されている。図示されている特定のコイル式媒体パックは楕円形媒体パック130aであり、具体的には、レーストラック形状の媒体パック131である。媒体パック130の外側にある媒体の末端部は参照符号131xで示されている。利便性及び密閉のためにその末端部を媒体パック130の直線セクションに沿って終端することが一般的である。典型的には、ホットメルトシールビード又はシールビードは、密閉を確実とするためにその末端部に沿って配置されている。媒体パック130において、対向する流れ(端部)面は参照符号132、133で示される。1つは入口側流れ面、他方は出口側流れ面である。
【0075】
図7では、積み重ね式zフィルタ媒体(又は媒体パック)を、zフィルタ媒体のストリップ(各ストリップは、外装シートに固定されたフルート付きシートである)から形成するステップを(概略的に)示している。
図6を参照すると、ストリップ200に類似しているストリップ202のスタック201に付加されている単一フェーサストリップ200が示されている。ストリップ200はストリップ76、77(
図4)のいずれかから切り出すことができる。参照符号205(
図6)には、ストリップ200、202に相当する各層の間の、単一フェーサビード又はシールとは反対側の縁部における積み重ねビード206の適用が示されている。(積み重ねはまた、頂部とは逆に、スタックの底部に各層を付加することによって行うこともできる)。
【0076】
図7を参照すると、各ストリップ200、202は、前及び後縁部207、208と、対向する側縁部209a、209bと、を有する。各ストリップ200、202を含む波形付きシート/外装シートの組み合わせの入口フルート及び出口フルートは全体として前縁部207と後縁部208との間に、且つ側縁部209a、209bに平行に延びる。
【0077】
更に
図7を参照すると、形成されている媒体又は媒体パック201において、対向する流れ面が参照符号210、211で示されている。濾過時、どちらの面210、211が入口側端面であるか、及びどちらが出口側端面であるかについての選択は、選択の問題である。いくつかの例では、積み重ねビード206は上流側又は入口面211に隣接して配置されており、他の例では、この逆も成り立つ。流れ面210、211は対向する側面220、221の間に延びる。
【0078】
図7に形成中の状態で示される積み重ね媒体構成又はパック201は、本明細書中では、「ブロック式」積み重ね媒体パックと呼ばれることがある。本文脈における「ブロック式」という用語は、この構造が、すべての面が隣接する全壁面に対し90°である矩形ブロックへと形成されることを示すものである。例えば、いくつかの例では、スタックを各ストリップ200が隣接するストリップと位置合わせされた状態からわずかにずれた状態で作成し、平行四辺形又は傾斜ブロック形状を作成することができる。この形状では、入口面と出口面とが互いに平行であるものの、上面と底面に垂直ではない。
【0079】
いくつかの例では、媒体又は媒体パックは任意の断面が、任意の2つの対向する側面が互いに対して略平行に延びることを意味する、平行四辺形を有するものとして参照される。
【0080】
図7に相当するブロック式スタック構成は、参照により本明細書中に組み込まれる先行技術である米国特許第5,820,646号明細書に記載されていることに留意されたい。スタック構成は、米国特許第5,772,883号明細書;米国特許第5,792,247号明細書;2003年3月25日に出願された米国仮特許出願第60/457,255号明細書;及び2003年12月8日に出願され、米国特許出願公開第2004/0187689号明細書として公開された米国特許出願第10/731,564号明細書に記載されていることにも留意されたい。これら後者の参考文献のそれぞれは参照により本明細書中に組み込まれる。米国特許出願公開第2005/0130508号明細書として公開された米国特許出願第10/731,504号明細書に示されているスタック構成は傾斜スタック構成であることに留意されたい。
【0081】
いくつかの例では、1つより多いスタックを単一媒体パックに組み込むことができることにも留意されたい。また、いくつかの例では、例えば、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,625,419号明細書に示されているように、スタックは凹部を中に有する1つ以上の流れ面を備えて作成することができる。
【0082】
C.フルート付き媒体の複数の離間したコイルを含む選択した媒体又は媒体パック構造、
図8~
図8B
間に延びる対向する端部間のフルートを伴う別の種類の媒体構造又はパックを、本開示に従い選択した原理とともに使用することができる。このような別の媒体構造又はパックの一例が
図8~
図8Bに示されている。
図8~
図8Bの媒体は独国実用新案第20 2008 017 059 U1号明細書に示され、記載されているもの、及びMann&Hummelから「IQORON」の商品名で入手可能な構造に見られ得るものに類似している。
【0083】
図8を参照すると、媒体又は媒体パックは全体として参照符号250で示されている。媒体又は媒体パック250は、第1の外部プリーツ付き(リッジ付き)媒体ループ251と、第2の内部プリーツ付き(リッジ付き)媒体ループ252と、を含み、このそれぞれは、対向する流れ端部の間に延びるプリーツ先端部(又はリッジ)を有する。
図8の図は、媒体パック(流れ)端部255の方に向かうものである。示される端部255は、選択した流れの向きに応じて、入口(流れ)端部とすることも、出口(流れ)端部とすることもできる。フィルタカートリッジにおいて、媒体パック250を有することを特徴とする原理を用いた多くの構造は、端部255が入口側流れ端部であるように構成されている。
【0084】
更に
図8を参照すると、外部プリーツ付き(リッジ付き)媒体ループ251は楕円形で構成されているが、別のものも可能である。参照符号260には、プリーツ又はリッジ251の端部を媒体パック端部255において閉じる、例えば、現場成形される(molded in place)プリーツ端部クロージャが示されている。
【0085】
プリーツ又はリッジ252(及び関連するプリーツ先端部)は、ループ251によって囲まれ、且つループ251から離間した状態で配置されており、したがって、プリーツ付き媒体ループ252もまた、幾分楕円構成で示されている。この例では、ループ252内の個々のプリーツ又はリッジ252pの端部252eは閉じられて密封されている。また、ループ252は中心部252cを取り囲んでいる。中心部252cは、典型的には現場成形される材料の中心ストリップ253によって閉じられる。
【0086】
濾過中、端部255が入口側流れ端部である場合、媒体251、252の2つのループ間の間隙265に空気が入る。空気は、その後、濾過によって媒体パック250を移動する際にループ251又はループ252のいずれかを流れる。
【0087】
示される例では、ループ251は、端部255から離れる方に延びて、ループ252に向かって内側に傾斜して構成されている。また、センタリングリング267を支持しているスペーサ266が示されている。センタリングリング267は構造的完全性のためにループ252の端部を取り囲んでいる。
【0088】
図8Aでは、端部255の反対側のカートリッジ250の端部256を見ることができる。ここでは、開放ガス流領域270を取り囲むループ252の内部を見ることができる。カートリッジ250内を、ほぼ、端部256に向かい且つ端部255から離れる方向に空気が誘導されると、ループ252を通過する空気の一部は中心領域270に入り、中心領域270から端部256において出る。当然、濾過中、媒体ループ251(
図8)に入った空気は、全般的に、端部256の外部周囲256pの周りに(上に)送られる。
【0089】
図8Bでは、カートリッジ250の概略断面図を提供する。選択された、特定及び記載される特徴は、同様の参照番号によって示される。
【0090】
図8~
図8B、上記記載の考察から、記載したカートリッジ250は、概して、対向する流れ端部255、256の間に長手方向に延びる媒体先端部を有するカートリッジであることは理解されよう。
【0091】
図8~
図8Bの配置では、媒体パック250は楕円形、特に、レーストラック形状の周囲を有して示されている。以下の多くの例のエアフィルタカートリッジもまた楕円形又はレーストラック形状の構成を有することから、媒体パック250をこのように示している。しかしながら、この原理は種々の別の周辺形状において具現化され得る。
【0092】
D.他の媒体変形形態、
図9~
図12B
本明細書中の
図9~
図12Bに、本明細書で特徴付けられる原理の選択した用途において使用され得る媒体種類の更に別の変形形態のいくつかの概略部分断面図が提供されている。特定の例は、2014年11月10日に出願され、本開示の譲受人であるDonaldson Company,Inc.によって所有されている米国特許出願第62/077,749号明細書に記載されている。概して、
図9~
図12の構造のそれぞれは、直流フローの、対向する入口流端部と出口流端部(又は面)を有する構造へと積み重ねられ得る又は巻かれ得る媒体種類を示す。
【0093】
図9には、米国特許出願第62/077,749号明細書による例示的媒体構造301が示されている。媒体構造301では、エンボスシート302が非エンボスシート303に固定され、その後、媒体パックへと積み重ねられ且つ巻かれ、対向する縁部に沿って、本明細書中の
図1において上述した種類のシールを有する。
【0094】
図10には、米国特許出願第62/077,749号明細書による別の例示的な媒体パック310が示されている。媒体パック310では、第1のエンボスシート311が第2のエンボスシート312に固定され、その後、本明細書の
図1にほぼ従う縁部シールを有するスタック式又はコイル式媒体パック構造へと形成される。
【0095】
図11には、米国特許出願第62/077,749号明細書による第3の例示的媒体構造320が示されている。媒体構造320では、両側にエンボス加工されたシート321が類似する媒体の別の層322に固定されるが反転され、
図1に幾分類似する縁部シールを有する媒体パック320へと積み重ねられる又は巻かれる。
【0096】
縁部シールは、上流側端部若しくは下流側端部のいずれかに、又は場合によっては両方に導くことができる。特に、媒体が濾過中に化学物質に直面する可能性がある場合、典型的な接着剤又はシーラントを避けることが望ましい場合がある。
【0097】
図11Aに、フルート付きシートXがその上に、外装シートYと係合するための各種隆起を有する断面が示される。同じく、これらは別々のもの、又は同一媒体シートのセクションであり得る。
【0098】
図11Bに、このような、フルート付きシートXと外装シートYとの間の構造の概略図がまた、示される。
【0099】
図11Cに、フルート付きシートXと外装シートYとの間のこのような原理の更に別の変形形態が示される。これらは、多種多様な手法がいかにして可能であるかの理解に役立つようになっているものである。
【0100】
図12A及び
図12Bに、フルート付きシート6402が外装シート6403に固定された例示的な媒体構造6401が示される。外装シート6403は平らなシートであってもよい。その後、媒体構造6401は、媒体パックへと積み重ねること又は巻くことができ、対向する縁部に沿って、本明細書中の
図1において上述した種類のシールを有する。示される実施形態では、フルート付きシート6402のフルート6404は、一連のピーク6405及び鞍部6406を含む波状の稜線を有する。隣接するフルート6404のピーク6405は、
図12A及び
図12Bに示されるように整列することができる又はオフセットすることができる、のいずれかである。更に、ピークの高さ及び/又は密度は、フルート6404の長さに沿って増加し得る、減少し得る、又は一定に留まり得る。鞍部フルート高さに対するピークフルート高さの比率は、約1.5から、典型的には1.1から約1まで変化し得る。
【0101】
フルート付きシートセクションと外装シートセクションに同じ媒体を使用するという特定の要件はないことに留意されたい。異なる効果を得るために、それぞれにおいて異なる媒体が望ましい場合がある。例えば、一方はセルロース媒体であってもよく、他方はいくらかの非セルロース繊維を含む媒体である。これらは、所望の結果を達成するために、異なる気孔率又は異なる構造的特性を備えてもよい。
【0102】
様々な材料を使用することができる。例えば、フルート付きシートセクション又は外装シートセクションは、セルロース材料、合成材料、又はこれらの混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、フルート付きシートセクション及び外装シートセクションのうちの1つがセルロース材料を含み、フルート付きシートセクション及び外装シートセクションのうちのもう一方が合成材料を含む。
【0103】
合成材料としては、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維(様々な加水分解の程度の)、及びポリ酢酸ビニル繊維などの高分子繊維が挙げられ得る。適切な合成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、及びレーヨン繊維が挙げられる。他の適切な合成繊維としては、熱可塑性ポリマー、熱可塑性ポリマーで被覆されたセルロース誘導体及びその他の繊維、並びに成分の少なくとも1つが熱可塑性ポリマーを含む多成分繊維から作製されたものが挙げられる。単一及び多成分繊維は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びその他の従来の熱可塑性繊維質材料から製造され得る。
【0104】
図9~
図12Bの例は、概して、本明細書の原理による様々な別の媒体パックを用いることができることを示すものである。いくつかの別の媒体種類の構造及び適用の一般原理に関しては、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許出願第62/077,749号明細書にも注目されたい。
【0105】
E.更に別の媒体種類
本明細書で特徴付けられる技術の多くは、濾過のために、カートリッジの対向する流れ端部の間に配向される媒体が、これら反対端の間の方向に延びるフルート又はプリーツ先端部を有する媒体である場合に適用されることが好ましい。しかしながら、別のものも可能である。シール構造の定義に関して本明細書で特徴付けられる技術は、対向する流れ端部を有し、これら端部の間の流体の流れを濾過するための媒体が配置されるフィルタカートリッジに、この媒体がこれら端部間の方向に延びるフルート又はプリーツ先端部を含まない場合であっても適用され得る。媒体は、例えば、デプス媒体とすることもでき、別の方向にプリーツを付けることもでき、又はプリーツ付きでない材料とすることもできる。
【0106】
実際、しかしながら、本明細書で特徴付けられる技術は、流れ端部間の伸張範囲が比較的深く、通常、少なくとも100mm、典型的には、少なくとも150mm、多くの場合、少なくとも200mm、時として、少なくとも250mm、及び場合によっては、300mm以上であり、且つ使用時の大きな負荷量用に構成されているカートリッジにおいて使用すると特に有利な場合がある。これらの種類のシステムは、典型的には、媒体が対向する流れ端部の間の方向に延びるプリーツ先端部又はフルートを有して構成されるものである。
【0107】
III.例示的なエアクリーナアセンブリ及び特徴、
図13~
図35
図13~
図35には、本明細書で特徴付けられるように、本明細書において上で特徴付けたような媒体種類を有するフィルタカートリッジとともに使用可能な特徴を含む例示的なエアクリーナアセンブリが示される。上述の媒体変形形態を使用することができるが、これらからの変形形態は可能である。媒体の特定の選択は、コスト、組み立ての好み及び/又はフィルタ性能、効率又は寿命の好みの問題である。典型的には、選択される媒体は、
図1の種類のものであり、2つの流れ面(又は端部)間における伸張の長さは、少なくとも100mm、通常、少なくとも150mm、典型的には、少なくとも200mm、時として、少なくとも250mmである。実際、場合によっては、長さは少なくとも300mm、或いは更にそれ以上であってもよい。
【0108】
A.いくつかの全般的なエアクリーナ特徴、
図13~
図17
参照符号400(
図13)は、本開示による例示的なエアクリーナアセンブリを全体として示す。エアクリーナアセンブリ400は、概して、ハウジング401を含む。例示的なハウジング401は本体402を含む。本体402はその上に、取り外し可能な保守又はアクセスカバー403を備える。保守又はアクセスカバー403によって、フィルタカートリッジなどの内部に受け入れられたコンポーネントへのアクセスを得ることができる。
【0109】
図12を参照すると、エアクリーナ400は、(この例では本体402上に配置されている)出口構造405を含む。出口構造405は、概して、濾過された空気をエアクリーナアセンブリ400から、例においては出口405xを通じて出すために配置されている。出口構造又はアセンブリ405は、本体402の残りの部分とは別に作製し、本体402に取り付けることができる、又は出口構造又はアセンブリ405は、本体402の残りの部分と一体に形成させることができる。出口構造405が別個に作製される構造では、モジュラー組立方式を用いて、使用する異なるシステムのための別の出口構造405を提供することができる。
【0110】
本開示による種々の原理が提供される場合、ハウジング401は種々の材料から構成することができる。特徴付けられる特徴は、主として成形プラスチック構成要素から作製されるハウジングとの使用に特に十分に適応させたものである。
図13のハウジング401は、概して、このような構成要素であり、本体402などの選択されたハウジング特徴は、強度及び完全性のために、その上に様々な構造のリブ状部材(本明細書中では完全には詳述しない)を含むように作製することができ、例えば、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2016/105560号パンフレットの構造を参照されたい。
【0111】
概して、ハウジング401は、空気流入口401aを含むものとして特徴付けることができ、空気流入口構造401aを通じて、濾過された空気がアセンブリ400に入る。示されている特定のアセンブリ400は、また、以下に記載する汚染物質排出ポート又はポート構造426を備えるプレクリーナを含む。
【0112】
図14を参照すると、示されている特定のエアクリーナアセンブリ400は2段式エアクリーナアセンブリ(two-stage air cleaner assembly)であり、その中にプレクリーナ410を含む。示される例では、プレクリーナ410は、例えば
図14で、以下に特徴付けられるような複数のセパレータチューブ411を含む。プレクリーナ410は、空気流によってエアクリーナアセンブリ400へと運ばれる選択された物質(汚染物質)を、この空気がエアクリーナアセンブリ400内に配置されたフィルタカートリッジに到達する前に事前除去するために使用可能である。このような事前除去は、概して、雨水若しくは水はね等のような液体粒子及び/又は種々の(特に大きな)粉じん若しくは他の粒子のかなりの排除につながる。プレクリーナ410の動作及びその好適な構成は、以下、本明細書中で記載する。示される特定の例のプレクリーナ410は、アクセスカバー403の一部分を含むことに留意されたい。このようなプレクリーナについては、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2016/105560号パンフレットなどの参考文献に全般的に記載されている。
【0113】
本明細書で特徴が述べられる原理の多くは、その構成要素として配置されるプレクリーナを有しない、すなわち、プレクリーナが別個の構成要素である又は全く用いられないエアクリーナアセンブリに適用することができる。
【0114】
取付パッド構造が提供され得る。取付パッド構造によって、エアクリーナアセンブリ400を使用のために機器に固定することができる。取付パッド構造は、概して、ハウジング本体402に取り付けられた(又はこれと一体成形された)複数の足又はパッドを含む。この例は
図16の参照符号409に示される。取付パッド又はパッド構造は、例えば、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2016/105560号パンフレットに記載されているような、プラスチックエアクリーナ製造において一般的な手法で設けられ得る。
【0115】
図14を再度参照すると、図示される特定のアクセスカバー403は、コネクタ構造417によって所定の位置に固定されており、図示される例では、一対のラッチ418を含む。当然、別の数若しくは位置を使用することはできる、及び/又は例えば、ボルト若しくは他の締結具を含む別のコネクタ構造を使用することはできる。
【0116】
図示される特定のエアクリーナハウジング401は、概して、長軸(軸又は空気流の全般的な方向に垂直な平面内の)と長軸に垂直な短軸とを有する断面形状を有する。
図14に、使用時、典型的には、断面の長軸が略垂直で取り付けられように、且つイジェクタ426が下に向けられるように構成されたエアクリーナアセンブリ400が示される。本明細書中に記載される原理は、以下の説明から明らかなように、別の構造に適用することができる。
【0117】
図13を再度参照すると、参照符号423に、出口構造405のポートが示される。ポート423は、絞りインジケータ又は他の機器のために使用することができる。加えて、所望であれば、マスエアフローセンサ(MAFS:mass air flow sensor)構造を、出口構造405に、又は出口構造405から更に下流のダクト構造内に取り付けることができる。
【0118】
図13において、汚染物質排出ポート構造426に注目されたい。(出口)ポート426構造は、ハウジング401及び内部カートリッジの上流からプレクリーナ410によって集められた微粒子及び/又は水(汚染物質)を除去するために配置されている。汚染物質排出ポート構造426は、概して、この機能のため汚染物質「排出」ポート又はポート構造として特徴付けることができる。汚染物質排出ポート構造426は、典型的には、ハウジング401の一部分に、使用時に下方向に向けられる状態で配向される。したがって、エアクリーナアセンブリ400を取付パッド構造409に異なる状態で、例えば、対向する側に沿って取り付けることを望む場合、その側に更なる取付用構造を設けることが必要である、又は、ポート構造426を異なる位置に、若しくはハウジング本体内に、例えば、反対方向に配置することが必要である。
【0119】
一般的に、典型的な用途では、出口ポート構造426は、プレクリーナアセンブリ410からの材料の排出の重力補助のために下方向に向けられている。ポート構造410にはその中に排出部バルブアセンブリが提供され得る、又はポート構造410はプレクリーナ410からの物質の除去を容易にするために除去ダクトに取り付けてもよい。
【0120】
更に
図13を参照すると、示されている特定の汚染物質排出部ポート構造426はハウジング本体402に配置されていることに留意されたい。例えば、本明細書に記載された、選択された技術のいくつかの用途においては、別のアクセスカバーの一部分の別の位置も可能である。
【0121】
図13を参照し、構造体426xに注目されたい。これは、例えば、エアクリーナ400が、長軸が水平に向けられた状態で取り付けられる場合に考えられる別の排出出口位置を示す。示される特定の例では、ポート位置426xは、閉じられた状態で成形された構造体である。しかしながら、エアクリーナアセンブリ400が長軸を水平にして使用するように構成される場合、ポート位置426xは開いた状態で、その上に、一次イジェクタポートとして動作する伸張部を有して成形することができ、イジェクタポート426は、閉じた状態で、典型的にはその上に管状伸張部のない状態で成形され得る。
【0122】
ここで、エアクリーナアセンブリ400の分解斜視図である
図15に注目されたい。参照符号402に、ハウジング本体を示す。参照符号403に、アクセスカバーを示す。アクセスカバーは、この例ではプレクリーナ410を含む。示されているプレクリーナ410は、互いに固定された2つのシェル又はカバー構成要素、すなわち、以下で更に述べる外部(入口)カバー部410aと、内部(出口チューブ)カバー部410bと、を含む。本明細書で特徴付けられるいくつかの用途においては、構成要素410a、410bはスナップフィットされる又は他の手法で互いに固定されるが、清掃を容易にするために分離可能であるように構成されている。しかしながら、本明細書で特徴付けられる技術のいくつかの用途においては、2つのカバー又はシェル構成要素410a、410bは組み立て時に再度分離できないように互いに固定することができる。
【0123】
プレクリーナ410の一般的な動作は、同じく、特定の物質(汚染物質)がエアクリーナに入る際にこれを分離し、ハウジング本体402の出口ポート426、及び内部に受け入れられたフィルタカートリッジコンポーネント(特に、媒体)の上流を通して排出することを可能にすることである。これにより、内部に受け入れられたフィルタカートリッジに特定の物質が到達することを阻止する。
【0124】
図15では、参照符号430にフィルタカートリッジを示す。フィルタカートリッジ430は(概して)メイン又は一次フィルタカートリッジであり、使用時、プレクリーナ410によって分離されなかった微粒子又は封じ込め物質(containment material)を選択的に分離する。カートリッジ430は、概して、保守部品(又は取り外し可能な構成要素)であり、すなわち、エアクリーナ400の寿命の間、フィルタカートリッジ430は定期的に、取り外され、修理又は交換される。フィルタカートリッジ430はフィルタ又は濾過媒体431を含み、フィルタ又は濾過媒体431は、種々の種類のいずれか、例えば、本明細書の上記で特徴付けた種々のものであってもよい。本開示による原理とともに使用される典型的なカートリッジ430は「直流フロー」構造であり、この構造は、第1の(入口)流れ面又は端部432と、対向する第2の出口(流れ)面又は端部433と、を有し、フィルタカートリッジ430を通過する濾過する空気の流れは、概して、入口側端部432から外側端部433へと向かう。
【0125】
更に
図15を参照すると、示されている特定のエアクリーナアセンブリ400は、任意の二次又は安全フィルタ435を含む。(任意の)安全又は二次フィルタ435は、概して、メインフィルタカートリッジ430と出口405xとの間に配置されている。典型的な配置においては、(任意の)二次フィルタカートリッジ435はエアクリーナアセンブリ400内に着脱可能に配置されており、保守用構成要素であり得る。しかしながら、二次フィルタカートリッジ435は、典型的には、使用時、非常に著しい粉じん負荷にはさらされず、もし交換するとしてもまれにしか交換しなくてもよい。メインフィルタカートリッジ430が取り外された場合でも安全フィルタ435が適所にとどまり、内部構成要素を粉じんから保護することができるため、安全フィルタ435がメインカートリッジ430から構造的に分離することは有利な特徴である。
【0126】
図16に、入口側端部立面図を示す。前述した特徴は、各種フローチューブ411を有するプレクリーナ410を含むアクセスカバー403と、ラッチ418と、イジェクタポート構造426と、を含む。
【0127】
ここで、上で参照した任意の取付ポスト409も示す。
【0128】
図17に、
図16の線17-17に沿って概ね取った断面図が示される。ここで、選択した前述の特徴を以下に示す:本体402とアクセスカバー403とを含むハウジング401を有するエアクリーナアセンブリ400;内部に配置されたメインフィルタカートリッジ430;安全カートリッジ435;出口ポート405xを有する出口構造405;及びダストイジェクタポート構造426。入口側端部401aに入る空気はダストイジェクタチューブ411に導かれる。チューブ411の最初に遭遇する部分において、空気はベーン構造411vによりサイクロン流へと導かれる。空気はスピンしてベーン構造411vを出、以下で説明するスライドスロットを通して汚染物質を排出させ、最終的に、汚染物質を、ポート構造426によって/を通して排出されるように導く。その後、残った空気流は、出口セクション411eを通して(に)導かれ、ほぼ矢印437の方向の下流に更に導かれ、メインフィルタ構造430の入口側端部431に入る。メインフィルタ430カートリッジ内の媒体によって濾過された空気は端部433で出て、その後、安全フィルタカートリッジ435の媒体435mに入る。安全カートリッジ435を通過すると、その後、空気は出口405xに導かれる。
【0129】
メインフィルタカートリッジ430とハウジング401との間にシール構造を設けることが望ましい。示される例では、シール構造(詳述せず)は、以下で説明する周囲軸方向ピンチシールを含む。
図17Aを参照すると、密閉は、ハウジング本体402の一部分又はシェルフ490とアクセスカバー403の一部分又は先端497との間で圧縮されるシール(図示せず)の圧縮によって起こる。
【0130】
好ましくは、安全カートリッジはハウジング本体402に対しても密閉される。このようなシールは、以下で説明するシール構造440(
図17)によって提供されることが好ましい。
【0131】
図17及び
図17Aは、シール部材(図示せず)が配置され、部品間の当接が起こる領域において、正確ではなく概略であることに留意されたい。これらは一般的な位置を示すものであり、これら領域の特定の特徴を示すものではない。
【0132】
B.任意の安全フィルタカートリッジ、
図18及び
図19
図18及び
図19を参照すると、任意の安全フィルタカートリッジ435が示されている。
図18を参照すると、安全フィルタカートリッジ435は、フレーム構造441内に固定された媒体435m(例では、プリーツ付き媒体だが別のものは可能である)を含む。フレーム構造411は、例えば、成形プラスチック構造体を含んでもよく、成形プラスチック構造体は、成形中にそれに固定される媒体435mを有する。モールディング441の周囲位置に配置されたシール構造440が示されている。示される例では、シール構造440は、外側に向けられた径方向シールを含む。すなわち、シール構造440は、外部周囲縁部に沿って密閉され、ハウジング401の一部を包囲するように構成されている。別の構造では、この位置に軸方向ピンチシール(シール構造がハウジング構成要素間に挟まれる)を使用することができるが、典型的には、径方向シールが好まれる。
【0133】
図18を更に参照すると、モールディング441は、プリーツスペーサ構造442及びハンドル構造443を含むことに留意されたい。ハンドル構造443は、図示される例では、カートリッジ435が取り付けられると上流を向く2つのハンドル部材を含む。
図17の視点では、ハンドル構造443がメインフィルタカートリッジ430に向かって突出しているのを見ることができる。
【0134】
図19に、カートリッジの出口側又は下流側端部に向かって概ね取られたカートリッジ435の別の図が示される。既に特徴を述べた、
図19で見ることができる特徴は、媒体435m、シール構造440、成形されたフレーム構造441、プリーツスペーサ442、及びハンドル構造443を含む。
【0135】
C.メインフィルタカートリッジ特徴(全般的な)、
図20~
図23A
図15を再度参照すると、示されているように、示されるアセンブリ400は、特徴付けられているように、メインフィルタカートリッジ430を含む。メインフィルタカートリッジ430は、同じく、保守部品であり、使用時、エアクリーナ400が使用されると、通常、粉じん及び他の汚染物質を負荷する。やがて、メインフィルタカートリッジが十分に閉塞すると、アクセスカバー403を開き、フィルタカートリッジ430を取り外し、その後、それを修理するかそれを交換するかのいずれかによるエアクリーナ400の保守が許可される。いくつかの例では、この作業にはまた、任意の安全フィルタ435がある場合には任意の安全フィルタ435の取り外し及び交換又は修理を伴うことがあるが、多くの場合、安全フィルタ435はない。
【0136】
一般的に、メインフィルタカートリッジ430は透過性フィルタ媒体(媒体パック460)を含み、透過性フィルタ媒体(媒体パック460)は、空気がそこを通らなければならないように構成されており、入口側端部(面)に入り反対側の出口側端部(面)に出る空気の濾過を伴う。フィルタ媒体は種々の種類のうちどれであってもよい。本開示による典型的な用途においては、フィルタ媒体は、フィルタ媒体パックの入口側端部からフィルタ媒体パックの反対側の出口側端部に向かう流れの向きにおいて空気が通る際に空気の濾過を行う媒体パック内に構成されている。この状況で使用され得る例示的なフィルタ媒体種類については本明細書で上に記載しており、これらの多くは本開示によるいくつかの利点及び用途に対し使用してもよい。
【0137】
図20に、例示的なフィルタカートリッジ430を示す。一般的に、フィルタカートリッジ430は、入口側流れ端部(又は面)461と対向する出口流端部(又は面)462との間に延びて配置されている媒体パック460(媒体)を含む。一般的に、フィルタカートリッジ430は、対向する入口及び出口流端部(面)432、433それぞれを有し、カートリッジ430の入口側流れ端部432は媒体パック460の入口側流れ端部461に対応し、フィルタカートリッジ430の出口流端部433は媒体パック460の出口流端部462に対応する。したがって、概して、フィルタカートリッジ430は直流フロー構造を有する。すなわち、概して、空気は一端に入り、媒体パック内で大きく方向を変えることなく他端を出る。少なくとも、このように、こうしたフィルタカートリッジは、媒体が開放(流)内部の周りに巻かれる様々な良く知られた円筒状プリーツ付き媒体フィルタカートリッジと容易に区別可能である。
【0138】
一般的に、媒体パック460に加えて、フィルタカートリッジ430は、概して、その上にハウジングシール構造465を含む。ハウジングシール構造465は、概して、ハウジングシール部材466(シール439に対応する(
図17A))を含む。シール部材466は、使用時、シール部材466がエアクリーナハウジングと解放可能なシールを形成し、使用中、空気が媒体パック460を越えるのを阻止することができるような状態及び位置においてフィルタカートリッジ430の残りの部分に固定されている。これを容易にするために、シール部材466は、典型的には、このような密閉目的に典型的に用いられる種類の弾性材料である。例は、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2016/105560号パンフレット及び国際公開第2014/210541号パンフレットに記載されている。
【0139】
示されている例示的なシール部材466、結果的に、全体的なハウジングシール構造465は、ピンチシール(又は軸方向ピンチシール)部材468として構成され且つ配置されている。より具体的には、ピンチシール部材468は周囲ピンチシール部材である。これは、シール部材468(及び全体としてハウジングシール構造465)が、使用中、2つのハウジング構成要素間に密閉圧力下でシール部材466を挟むことができるようなカートリッジ430の周囲の位置に延びることを意味する。示されているピンチシール部材468は「軸方向」ピンチシール部材と呼ばれることがあるが、これは、ピンチシール部材469が(2つのハウジング構成要素間の)密閉圧力が軸方向に、すなわち、入口側端部461から出口側端部462へと媒体460内を貫通している軸のおおよそ延びる方向に印加されるように構成されていることが理由である。本開示による選択した原理を用いた他の種類の(例えば、径方向の)シール構造を使用することはできるが、原理は、軸方向ピンチシールにおける使用に特に良く適合されている。
【0140】
本明細書において、「径方向シール」という用語は、概して、ハウジング若しくは他の構造体の周囲部分のいずれかに密閉的に係合するシール(外側に向けられた径方向シール)、又は構造体に対して密閉する際にそれ自体が構造体を包囲する種類のシール(内側に向けられた径方向シール)を指すものである。「径方向」という用語は、密閉力が、特徴を述べたシール部材によって包囲された領域内に延びる中心軸線に向かう方に又は中心軸線から離れる方に向けられることを指すものである。
【0141】
更に
図20を参照すると、示されている特定のフィルタカートリッジ430は、その上に任意のハンドル構造475を含み、ハンドル構造475は、この例では、カートリッジ入口側端部432に隣接して方向付けられており、カートリッジ入口側端部432から、出口側端部433から遠ざかる方向に突出している。これにより、ハンドル構造475を容易に把持してエアクリーナ400の保守を管理することができる位置にハンドル構造475を配置する及び方向付ける。図示される特定の例示的なハンドル構造475は、媒体端部461と軸方向に整列する中心ハンドルブリッジ476を含み、ハンドルブリッジ476の下に、ハンドル部材475の把持中に人が指を延ばすことができる空間を画定する。
【0142】
図示される特定のハンドル構造475は、媒体パック460の短い断面軸にわたって且つその端から端まで延びるハンドルブリッジ476を含むものであるが、別のものは可能である。
【0143】
以下で
図34との関連で記載するように、典型的なアセンブリでは、ハンドル構造475は、周囲フレーム部分475xを含むプリフォーム又は構造体の一部であり、周囲フレーム部分475xは、媒体460を包囲するように、及び例えば、組み立て時にシール部材468に組み込まれることによってシール部材468により係合されるように方向付けられている。媒体432を横断して延び、こうしたフレーム構造475x及び媒体431に支持及び構造的完全性を付与する任意のグリッド構造475yが示される。
【0144】
図15を参照すると、示されているフィルタカートリッジ430は任意の保護シェル480を含む。示されているシェル480は媒体パック460を取り囲み、取り扱い及び使用時に、媒体パック460を保護する。シェル480は、また、以下に記載するように、組み立てを容易にするために使用され得る。示されている特定のシェル480は少なくともシール構造466/468から媒体パック端部462まで延びる。シェル480は種々の手法で組み立てることができ、一例が、以下、本明細書中に記載される。シェル480、典型的な用途では、成形プラスチックのプリフォームの部分を含み、カートリッジ430の組み立て時、この部分内に、媒体パック460が配置される。
【0145】
更に
図20を参照すると、示されている特定のフィルタカートリッジ430では、媒体432は非円形断面周囲形状を有するが、本明細書で記載されている原理は別の構造に適用することができる。媒体431の特定の断面形状は略楕円形であるが、同じく、別のものも可能である。本技術の多くの用途では、媒体431は断面形状を有する。断面形状は、空気の流れ(媒体パックを通した)に垂直な平面内の長断面軸と、長軸に垂直に、且つ層軸(layer axis)の中間点に沿って配置された短軸と、を有し、(長軸の長さに沿った半分の位置における)短軸の長さ(D2)に対する長軸の長さ(D1)の比率が、少なくとも1.4、多くの場合、少なくとも1.7、典型的には、多くの場合、少なくとも1.8、及び1.6~3.0(境界値を含む)の範囲内(例えば、2.0~2.6(境界値を含む)の範囲内)である。別の比率も可能ではあるものの、このような比率が、一部、1つの断面がもう一方の垂直断面寸法に対して相対的に低い全体的外形を有するエアクリーナに関係するという理由から、典型的には本開示による配置にはこのような比率が好ましい。
【0146】
典型的には、媒体パック431は、流れ端部間の伸張範囲が少なくとも長さ100mm、多くの場合、少なくとも長さ150mm、いくつかの例では、少なくとも長さ200mmである。流れ端部間の伸張範囲は、250mm以上とすることができる。
【0147】
図21に、カートリッジ430の側立面図を示す。上で特徴を述べた、選択した特徴を以下のように見ることができる:ハンドル475及びブリッジ476を有するプリフォーム310、シェル480を含むプリフォーム500、並びにシール部材468を有するシール構造465。
【0148】
図21において、シール部材468に注目されたい。シール部材468は、第1の、軸方向に向けられた軸方向(ハウジング)シール表面468xを含み、第1の、軸方向に向けられた軸方向(ハウジング)シール表面468xはカートリッジ端部433の方に向けられており、使用時(
図17)に、空気流出口405xの方に向けられる。表面468xは、「下流」ピンチシール表面(又はハウジングシール表面)又は様々な類似する用語で呼ばれることがあるが、この理由は、表面468xが、下流側に向けられたシール部材468の軸方向ピンチシール表面だからである。これは、使用時、(取り付けられると)より下流のハウジング構成要素に(対して)(すなわちハウジング本体402に)密閉されることから、典型的にはより重要なシール表面である。
【0149】
図21に参照符号468yで示される表面468xの反対側のシール部材468の表面は、周囲上流軸方向表面又は類似の用語で呼ばれることがある。この表面はシール表面であってもなくてもよいが、概して、カートリッジ430が取り付けられたときにアクセスカバー403の一部分又は先端403e(又は参照符号497)が圧力を加えてハウジングに対する表面468xの密閉を生じさせるシール構造468の表面である。表面466yは、周囲伸張範囲に典型的には傾斜がない又はフィーチャがない(基本的に平らである)が、別のものは可能である。
【0150】
シール構造468は(典型的な用途においては)ピンチシール(軸方向ピンチシール)であり、径方向に向けられたシールではないため、参照符号468pに示されるシール構造468の外部周辺又は周囲縁部は、典型的には、密閉に関与しない。しかしながら、表面468pは、任意選択的に、以下で記載するようにハウジング又はハウジングコンポーネントとの係合に関して重要な(多くの場合、凹んだ)輪郭特徴を有してもよい。
【0151】
図21を更に参照すると、表面468xは「傾斜のある」密閉面である。この文脈における「傾斜のある」という用語は、表面468xがカートリッジ430周囲におけるその(周囲又は周辺)伸張部において単なる平ら又は平坦ではなく、むしろ、その中に少なくとも1つの突起/凹部輪郭を有する表面を含むことを意味する。利用可能な突起/凹部輪郭を含む輪郭構成としては、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2014/210541号パンフレット及び/又は国際公開第2016/105560号パンフレットに記載されているものが挙げられる。
【0152】
図21を参照すると、参照符号469に、例示的な突起/凹部輪郭の突起が示される。図示される特定のカートリッジ430は、長い、この例においてはカートリッジ430の(直線の)側部部分と重なった、2つの突起輪郭469をカートリッジ430の各側部に1つずつ有するが、別の数の突起(例えば、1つのみ)は可能である。
【0153】
図示される特定の例では、2つの輪郭469は同じであり、カートリッジ430において互いの鏡像として方向付けられている。別のものは可能である。
【0154】
図21Aに、突起輪郭469の領域内のシール構造465(シール部材468)の拡大部分図が示される。
図21Aに示される典型的な好適な構造の特徴について更に以下で説明する。
【0155】
ここで、
図21Bに注目すると、
図21の線21B-21Bに沿って概ね取った拡大部分図である。ここでは、シール構造468が2つの対向する突起セクション469(469x、469y)を有する軸方向シール表面468xを含むことを見ることができる。既に説明し、
図21Bにも見ることができる選択した特徴は、以下を含む:ハンドルブリッジ476を有するハンドル構造475、入口側端部461を有する媒体460、リブ475y、周囲プリフォームセクション475x、及びシェル480。
【0156】
図22に、カートリッジ430の(狭端部に向かう)端面図が示され、2つの対向する突起輪郭469(469x、469y)も見ることができる。
【0157】
図23に、出口側端部433(462)に向かって取った斜視図が示される。ここで、この位置において媒体端部462を支持する、シェル480を含むプリフォーム500内のグリッド構造481が示される。グリッド構造481の様々な構成を使用することができ、図示されるものは単に例を示す。グリッド構造481は、所望であれば、好ましい空気フローパターン、装飾及び/又は供給元表示機能(source indicating function)用に構成することができる。
【0158】
図23を参照し、レシーバ凹部491に注目されたい。レシーバ凹部491は、概して、表面468xと媒体パック460との間に配置されているレシーバ凹部である(図示される例では、媒体パック460を取り囲むシェル480の一部分)。レシーバ凹部491は、取り付け時に、その中に突出する、ハウジング本体402の一部分を受け入れるように構成されている。レシーバ凹部491は、媒体パック460の周囲の周りの伸張部内において連続してもよい(図示されるように)が、こうしたことは本明細書中に記載される全ての技術の適用において必須ではない。取り付け時にレシーバ凹部491内にハウジング突起を受け入れると、アクセスカバー403が適用される前にカートリッジ430がハウジング本体402内に適切に配置されることを確実にするのに役立つ。また、このことは、カートリッジ430が保守を受けるエアクリーナ400にとって適切なもの(適切に配置される)であることを保守提供者が知ることに役立つ。典型的なレシーバ凹部491は少なくとも5mmの深さ、通常、少なくとも7mmの深さ、及び時としてそれ以上である。レシーバ凹部491はまた、典型的には、少なくとも9mmの幅、多くの場合、9~15mmの幅である。また、典型的には、レシーバ491に隣接するシール構造485は、典型的には、比較的薄く、多くの場合、15mm未満、及び時として、10mm以下である。実際、突起が位置する領域内の先端に隣接するところでは、シール構造485は、厚さ8mm未満であってもよい。
【0159】
外部周囲468pは、その長さに沿った伸張部内に、媒体に向かっていくらかのテーパを備えてもよいことに留意されたい。しかしながら、これは必須ではない。
【0160】
再度
図23を参照し、ハウジングシール構造468の周囲表面468pに注目されたい。図示される例の周囲表面468pは、その周囲に凹部構造468rを含む。
図21Bを参照すると、図示される凹部構造468rは、カートリッジ内に互いの鏡像として配置された2つの凹部468rを含む。図示される例では、各凹部468rは、表面468x内の輪郭突起469と周囲整列して(in perimeter alignment)(すなわち、重なって)配置されている。これは典型的であり且つ以下で説明する理由のため好ましいが、別のものは可能である。
【0161】
ここで、
図17及び
図17Aに再び注目されたい。ハウジング本体402はシールシェルフ490を含み、密閉中、シールシェルフ490に対してシール構造468の表面468xが圧縮される。シール表面又は肩部490を見ることができる
図17Aの拡大図に注目されたい。表面490はその上に任意の中心シールリブ495を含み、密閉を促進するために、中心シールリブ495に対してシール表面468xが押し付けられる。図示される例では、シールリブ495は、カートリッジが取り付けられたときに、表面490において、媒体パックの周囲全体に延びる連続的なリブである。可能であれば、リブ495は不連続とすることはできる。典型的なリブは、シェルフ490の隣接部分に対する逃げの高さが約0.2~2mmである。使用可能なこのようなリブは、参照により本明細書中に組み込む、例えば、国際公開第2016/105560号パンフレット及び国際公開第2014/210541号パンフレットに記載されている。
【0162】
また、
図17Aにおいて見ることができるのは、カートリッジ430上のレシーバ凹部491内に延びるハウジング本体上の突起495である。更に及びなお
図17Aを参照すると、アクセスカバー403の先端497がシール構造468を押して密閉圧力を生じさせる場所を見ることができる。
【0163】
概して、ハウジング本体402は、密閉シェルフ490が傾斜密閉面468xと嵌合するように傾斜し、ハウジング本体402の任意の周囲外壁が密閉構造468の周囲の任意の凹部構造468rと嵌合するよう構成されるように構成されている。
図13に、ハウジング本体401の周囲部分(参照符号401p)が内側に押されてそのような凹部468rと嵌合した状態で示される。このような特徴は、形成されるときにハウジング本体402内に成形することができる。
【0164】
D.全般的なメインフィルタカートリッジ430のアセンブリ、
図23~
図25A
図23~
図25Aの精査から、カートリッジ430に類似するカートリッジを製造する手法が理解される。これは一般に、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2016/105560号パンフレット及び国際公開第2014/210541号パンフレットの関連する記載に従い得る。更に、いくつかの好ましい特徴が理解される。
【0165】
まず
図24を参照すると、カートリッジ430の分解斜視図が示される。まず、媒体パック460に注目されたい。例示的な媒体パック460は、対向する湾曲した(典型的には半円の)端部460eと、その間に延びる対向する側部460sとを有する略楕円形状の媒体パックである。図示される特定の楕円構成は、対向する側部460sが、互いに略平行な中心直線セクション460cを含むことから、本明細書では「レーストラック楕円」と呼ばれることがある。このような媒体パックは、
図6に関連して上述したコイル式構造を用いて構成され得るが、別の媒体選択を使用することはできる。本開示による原理により楕円形とは別のものを使用できることに留意されたい。しかしながら、多くの用途では、この原理は、長軸と長軸に垂直な短軸とを有し、短軸に対する長軸の比率が少なくとも1.4、多くの場合、少なくとも1.5、及び典型的には1.8~3.0の範囲内である(レーストラック形状の)楕円構造に適用される。
【0166】
媒体は、それが媒体のコイルを含む場合、予備形成された中心コアを備えてもよい、又は例えば、参照により本明細書中に組み込む米国特許第8,226,786号明細書に従い、そのようなコアなしで設けられてもよい。
【0167】
図24を更に参照し、この例ではシェル480を含むプリフォーム500に注目されたい。本明細書の「プリフォーム」という用語は、参照される構成要素がカートリッジ430の構築前に形成され、後に、カートリッジ430の構築時に構成要素500として使用されることを意味する。図示される特定のプリフォーム500は、媒体又は媒体パック460を包囲する周辺周囲側壁又はセクション501と、カートリッジ430が形成されるときにシール構造465内に組み込まれる半径方向外側に延びる周辺突起505と、を含む。突起505について本明細書の以下に更に説明する。
【0168】
図24には、(第1の)プリフォーム500とは別個のものであり、前述のハンドル部材475と周縁部475xとグリッド構造476とを含む第2のプリフォーム510も示される。プリフォーム510はまた、シール部材468が成形されるときにシール構造465内に延びる任意の軸方向スペーサ突起511を含む。突起511は、組み立て時に、金型内でプリフォーム510をプリフォーム500に対して適切に配置するためのスペーサとして動作する。このことに関して、選択されたスペーサ511が突起505に当接して示される
図21Bに注目されたい。
【0169】
この
図21Bの記載から、突起511は、カートリッジ430が組み立てられる際に、2つのプリフォーム(ハンドルプリフォーム510及びシェルプリフォーム500によって代表される)を、それらの間に樹脂が流れる空間を残しつつ、金型内で互いに隣接させて適切に配置するために使用され得ることは理解されよう。当然、突起511は、以下で記載するように、突起469が位置する場所など、突起505がくぼみ又は修正を有する場所では突起505に係合しなくてもよい。
【0170】
図24の参照符号468に、シール部材が示される。これは予備形成される構成要素ではないが、典型的には、媒体パック460、第1のプリフォーム500、及び第2のプリフォーム510が金型内に適切に配置されると現場成形される。構築の典型的な手法において、シール構造488は、媒体460に直接成形され、媒体460を包囲し、媒体460と共にシールを形成する一部分を含む。したがって、シール構造488は、その中に延びる突起511のみならず、プリフォーム510の先端510tを有する(
図12B)。
【0171】
典型的には、シール構造468は流動樹脂から成形される。未硬化の流動形態で提供され得る、後にその形状を保持する構造体に硬化されるが、シール部材として動作するように十分に圧縮可能な各種材料は周知である。この例は、参照により本明細書中に組み込まれる国際公開第2014/210541号パンフレット及び国際公開第2016/105560号パンフレットに記載されており、以下で説明する。
【0172】
図24を更に参照すると、シェル480の側壁480sの周囲形状は媒体パック460の楕円周囲形状に周囲において完全に一致しないことに留意されたい。むしろ、図示される周囲480sは、いくらかの比較的直線の部分を概ね含む。当然、シェル側部480sは楕円媒体パック460に嵌合するように楕円にすることはできる。しかしながら、
図24の例は、別のものが可能であることを示す。媒体パック460と側壁480sとの間の空間は、(突起505を有する端部に隣接する)この位置においてシェル480と媒体パック460との間に流される樹脂によって全体的に充填される。或いは、構造468を形成する樹脂が金型内に注がれると、樹脂は、典型的には、媒体パック460に対して流れ、これに係合するように配置される。これは、例えば、
図21Bの参照符号468zに見ることができる。
【0173】
図25に、出口側端部に向かって取ったカートリッジ430の分解斜視図が示される。前述の特徴が全般的に以下のように示される:第1のプリフォーム500、媒体460、成形されたシール構造465、及び第2のプリフォーム510。
【0174】
図24及び
図25に、プリフォーム500上の周辺突起505が示される。示される特定の突起505は、構造468の成形中に樹脂が流入することができる周辺樹脂(又は樹脂流)凹部505r(
図25A)を含む。これは構成要素を共に固定するのに役立ち得る。レシーバ構造は、(代替的に)フランジ505を通る複数の孔を含むことができる。しかしながら、図示される例では、レシーバ構造は複数の樹脂流凹部を含み、複数の樹脂流凹部は、それぞれT字形を有し、それぞれ外縁部から半径方向内側の広い部分505wと狭端部又はネック505nとを有する。これらは、例えば、
図25Aに、幅広いT字形先端505及び狭いネック505nとともに見ることができる。樹脂がフランジ505内に流れ込むと、樹脂は、結果として生じるシール構造468がプリフォーム500から引き離されないように(又はプリフォーム500がシール構造468から引き離されないように)固定するのに役立つ。典型的には及び好ましくは、広い部分505wは狭いネック505nよりも少なくとも30%広い。
【0175】
E.シール構造468の例示的な好ましい輪郭特徴、
図21~
図21B
1.概要
上述のように、図示される例示的なカートリッジ430において、ハウジングシール構造468は、突起/凹部輪郭を有して構成された軸方向ピンチシール密閉面468xと、周囲凹部構造468rを有する外部周囲468pとを有する。この段落では、典型的な好適な構成のいくつかの例示的な寸法及び特徴が提供される。別のものも可能である。
【0176】
図21及び
図21Aを参照すると、突起構造469内の選択した突起469x、469yは、本明細書では「階段」と呼ばれることがある。再度、図示される特定のシール構造468は、1つがカートリッジ430の対向する側部のそれぞれと整列する2つの階段469(469x、469y)を含むことに留意されたい。
図21及び
図21Aを参照すると、この例では、各階段469x、469yは、「単一の階段」、すなわち、それぞれはそれ自体、複数の階段を含まない。参照により本明細書中に組み込む、例えば、国際公開第2014/210541号パンフレットに記載されているものなどの別のものは可能である。
【0177】
2.シールの対称性
この段落では、ハウジングシール構造465に関する対称/非対称な特徴について説明する。本明細書中に記載される手法によって様々な可能性を実施することができる。
【0178】
シールの対称性に関してまず特徴付けられる概念は回転対称である。本明細書に記載する回転対称は、カートリッジ430の中心を、対向する流れ端部(432、433)又は流れ面(461、462)間における方向に貫通する軸を中心とした回転の対称性である。この軸は、その周囲にハウジングシール構造465が延びる中心軸と特徴付けることができる。シール部材ハウジング又はシール構造485(又はシール部材468)は、それが180°回転し、それ自体と整列することができる場合、回転対称、具体的には、180°回転対称を有する。シール構造465における回転対称又は180°回転対称の例は、例えば、
図20~
図23Aに示される実施形態によって提供される。
【0179】
ハウジングシール構造465又はシール部材468の平面対称又は非対称も(又は代替として)定義することができる。一般に、長断面軸と短断面軸とを有する構造においては、(垂直な)略長軸平面は、ハウジングシール構造468の中心を通る、長寸法の平面であり、短寸法(軸)平面は、長寸法の中心において、且つ長寸法に垂直に短寸法を通る平面である。任意の定義した平面に関しては、平面対称は、ハウジングシール構造が、平面の第1の側から反対側に、形状における鏡像を画定する状況である。非対称においては、こうした鏡像はない。
【0180】
シール構造465(又はシール構造469)の長寸法平面対称の例は、例えば、
図20~
図23Aの実施形態に提供される。シール構造465(又はシール部材469)の短寸法平面対称もまた、
図20~
図23Aの実施形態に示される。
【0181】
したがって、シール構造468は、長寸法平面対称及び短寸法平面対称の両方を有し得る。別の代替的構造は、長寸法平面対称及び短寸法平面非対称を有し得る。別の構造は、長寸法非対称及び短寸法対称を有し得る。構造は、長寸法平面及び短寸法平面のそれぞれに関して非対称であり得る。
【0182】
本明細書中で特徴を述べる変形形態の多様な構造のいずれも、特徴を述べる対称又は非対称の種類のいずれにも適用することができる。回転及び2つの平面の定義に関して選択された対称/非対称な特徴を様々な手法で有利に使用することができる。
【0183】
例えば、180°回転対称は、カートリッジが取り付け時に2つの方向のいずれかに回転できることを可能にするために使用することができ、これはいくつかの用途において便利であり得る。その一方で、例えば、考えられるMAFS(マスエアフローセンサ)の課題又はその他の課題に対処するために1つのみの回転を可能にすることが望ましい場合、これにはまた、そうした回転対称を提供しないことによって対応することができる。更に、任意の選択されたシステムに関して特有の見た目のカートリッジを提供するために、対称/非対称な特徴の組み合わせを使用することができる。このことは、保守、すなわち、対象のシステムの適切な保守部分の認識を容易にすることができる。
【0184】
シール構造465は周囲形状が楕円ではないが、楕円形を使用することはできることに留意されたい。むしろ、シール構造465の特定の周囲形状は、ハウジング本体402の周囲部分に概ね対応するものである。これは典型的である。別のものは、当然、可能である。
【0185】
3.例示的なシール階段の定義
本明細書中で特徴を述べる例示的な実施形態では、突起/レシーバハウジング軸方向シール構造の傾斜のある軸方向表面セクションは、輪郭(すなわち、階段状又は階段)構成を有するものとして示される。一般的に、傾斜表面内の各傾斜セクション(この例では突起469)は、媒体460の周縁部又は周囲に沿った伸張部内において、約200mm超、典型的には約180mm超、及び通常、150mm超延びない傾向にある先端を有する(寸法AA、
図21)。典型的には、階段状領域内において、各階段は、少なくとも10mm、通常、少なくとも30mm、多くの場合、少なくとも40mm、多くの場合、40~120mmの範囲内延びる傾斜のない(平らな)セクション又は先端を有する。
【0186】
典型的には、各階段469(
図21)は、ハウジングシール表面468xの直接隣接する部分からの最大軸方向逃げにおいて、少なくとも3mm、多くの場合、少なくとも4mm、典型的には、少なくとも5mm、通常、12mm以下、及び多くの用途では、4~10mm(境界値を含む)の範囲内で延びる。これは、
図21及び
図21Aの寸法ABによって示される。「直接隣接する」及びこの変化形は、本明細書で使用する場合、特徴を述べる他の特徴に隣接する構造内の特徴を指すものである。したがって、各階段469に直接隣接するハウジングシール表面468xは、各階段469が配置される場所の隣の、ハウジングシール表面468xの傾斜のない表面部分である。
【0187】
概して、及び
図21を参照すると、シール構造の第1の階段セクション又は他の平坦先端セクションに対する直線移行セクションの伸張部の角度(
図21に参照符号ACで示される)は、約95°~150°、典型的には120°~150°の範囲内であり、各端部の曲率半径は、ハウジング表面との係合を容易にするために鋭くない。これら角度は、
図21に参照符号ACで示される。好ましくは、移行セクションが平坦周囲セクション(階段の1つ又は隣接する軸方向シール表面の傾斜のない部分のいずれか)に係合する場所の曲率半径は、少なくとも2mm、通常、2~10mmの範囲内、多くの場合、4~8mm(境界値を含む)の範囲内の半径を有する。場合によっては、この曲率半径は、少なくとも8mmの半径を有するものとして特徴付けることができ、非常に大きくなり得る。同様のサイズの移行端部の曲率半径(密閉を阻止するほど鋭い半径ではない)に関する課題は、範囲内のより大きな端部の曲率半径の制御の課題とは異なる。典型的には、良好な密閉のためには十分に大きくすべきであるが、望ましくない余分な長さの周囲が移行の管理に必要となるためそれほど大きくすべきではない。移行セクションのこれら端部の例は、
図21Aに参照符号Zで示される。
【0188】
周辺周囲縁部468pが媒体460に向かう1つ以上の周囲凹部468rを有する場合、輪郭又は凹部468rは、それらが縁部の傾斜のない部分に係合する端部移行領域468t(
図21A)を有することにも留意されたい。典型的には、これら位置における曲率半径は、便利な移行のために、2~6mm(境界値を含む)の範囲内とすべきである。
【0189】
典型的には、各周囲凹部468rは、すぐ隣の端部及び周囲468pの最外部分に対して、少なくとも0.4mm、典型的には3mm以下、及び多くの場合、0.5~2mmの範囲内の凹部の最大量を有するが、別の量は可能である。
【0190】
典型的には、例えば、
図21Aに特徴付けられるように領域469が階段状であるとき、各突起の階段状先端部469t(
図21A)は、同じ軸方向シール表面の傾斜のない部分の傾斜のない表面セクションに略平行な平面内に傾斜のない先端部468tを有し、平面は、少なくとも2mm、通常、少なくとも3mm、時として、少なくとも4mm離隔している。場合によっては、これは非常に大きくなり得る。これは、
図21Aに参照符号ABで示される平面離隔距離である。
【0191】
図21及び
図22を参照すると、全体的なシール構造468は、典型的には50mm以下、通常、少なくとも15mm、及び多くの場合、15~40mmの範囲内の厚さ(軸方向)を持つ外部周囲を有するが、別の厚さは可能であることに留意されたい。これは
図21Aに寸法THで示される。階段469を有する部分と階段469を有しない部分との間に軸方向厚さの変化があることに留意されたい。この差は、当然、階段469の最大逃げ寸法の高さである。
【0192】
図21~
図21Aの例を参照すると、シール表面468xは、「突起」セクション469と、その間の非突起又は傾斜のない移行セクションとを有するものとして特徴付けられ得る。典型的には、突起セクションによって示される総周囲長は、表面468xの総伸張範囲と比較して相対的に短い。典型的には、このようにして測定したときの突起セクション469は、合計すると、これらが配置されるシール表面468xの総周囲伸張範囲の50%以下、通常、40%以下、及び多くの場合、30%以下、及び場合によっては、更にこれ以下を含む。
【0193】
現場成形シール部分468を形成するために様々な材料を使用することができるが、典型的には、十分に軟質且つ表面468の輪郭に対して弾性の材料が、ハウジング特徴に密閉状態で完全に係合することができる。典型的には、発泡ポリウレタン材料又は類似の発泡体材料が使用される。使用可能な材料の例は、典型的には、450kg/cm3以下、通常、355kg/cm3以下、及び多くの場合、290kg/cm3以下、例えば、190~300kg./cm3の成形密度(密閉を提供するのに望ましい)に成形され得るものである。典型的には、材料は、40以下、典型的には、30以下、及び多くの場合、22超、例えば、10~20のショアA硬度に成形される。様々な使用可能な材料を樹脂供給元から入手することができる。
【0194】
上記で特徴を述べたプロセスの精査及びハウジングシール構造465の全般的構成から、傾斜セクション469(表面468x内)と縁部突起/凹部輪郭セクション468rとの間に軸方向の整列を含むとなぜ有利であるかを理解することができる。この理由は、縁部凹部セクション468rはハウジングシール構造465を(空気流に垂直な断面寸法において)薄くするため、傾斜突起469を作成する金型内の樹脂量の管理を容易にすることができるからである。代替的に、凹部468rによってもたらされる樹脂量削減に、突起セクション469から生じる樹脂量拡張を付随させることができる。これは典型的且つ有利であるが、本明細書中に記載される技術の全ての用途において必須ではない。
【0195】
より一般的には、軸方向密閉面上の突起/凹部輪郭の突起部材は、流れ方向断面積A1を有するものとして特徴付けられ得る。場合によっては、ハウジングシール構造はまた、傾斜のないセクションにおいて、流れ方向断面積が面積A2であるように構成され、A1はA2に実質的に類似する(この文脈では、実質的に類似するとは、A1=0.9~1.1A2の意味である)。典型的には、2つのセクションは、A1=0.92~1.08A2、好ましくは、A1=0.95~1.05A2の断面積を有して形成される。本明細書では、「流れ方向断面寸法」という用語又は同様の用語は、カートリッジの対向する流れ端部間の方向に平行な平面における断面を指すものである。A1は、突起の最大部分で取った断面積であり、A2は、傾斜を有しないシール構造の部分で取った断面積である。これらは、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2016/105560号パンフレット及び国際公開第2014/210541号パンフレットに記載されている。当然、別のものは可能である。
【0196】
F.レシーバ凹部491に関する特徴、及び/又はシール表面468xの望ましくない丸まり若しくは変形の阻止
1.概要
再度
図22を参照し、突起輪郭469(469x、469y)に注目されたい。これらは、表面468xの隣接部分よりもカートリッジ端部433(又は媒体端部462)に更に向かって延びるシール表面468xの領域であることを見ることができる。これら突起469によって、対応する成形シール部分は、取り扱い及び取り付け中に、例えば、
図22に矢印520で示される方向に内側に丸まることによって変形する傾向を有し得る。任意の望ましくないこの種類の変形又は丸まりを阻止するための特徴をカートリッジ430に設けることが望ましい。これを容易にするために設けられるカートリッジ430の特徴は、以下から理解することができる。
【0197】
例示的な好ましいカートリッジ430は、シール変形阻止突起構造を有するプリフォームを備え、シール変形阻止突起構造は、傾斜突起469(469x、469y)と周囲整列する位置において、及び突起469を望ましくない丸まり又は変形に対して安定させるのを補助する位置において、シール構造465の成形される樹脂内に延びる。
【0198】
図示される特定のカートリッジ430では、このような変形阻止突起構造が設けられるプリフォーム構造はプリフォーム500(この例ではシェル480を含む)であり、特に、変形構造は周辺突起505に設けられる。これは
図24~
図25Aの精査から理解することができる。
【0199】
特に、及び
図24を参照すると、プリフォーム500の周辺突起505は、セクション505x及びセクション505rを含む。セクション505rは、突起505の(セクション505xに対する)凹設部分であり、パフォーム(perform)500内に、成形されたシール構造465(シール部材468)内の傾斜突起469(469x、469y)が位置する場所と周囲整列して位置する。これらセクション505rは(セクション505xから)媒体パック460の下流側端部462(又はカートリッジ430の端部433)に向かって凹設されている。これらの構成の結果、これら(セクション505r)は、現場成形されたシール構造465に、突起505の他の部分505xよりも突起469x、469yの先端に更に向かう位置において係合する。これにより、上述の種類の丸まり又は変形に対する支持の提供を助ける。これに関しては、凹部505rは、表面468xの残りの(非突出)部分よりも低い位置において実際の突起469へと延びる必要はないことに留意されたい。この選択は、組み立ての利便性の問題であり得る。典型的には、各凹部505rは、セクション505xによって示されるプリフォーム500の先端に対して、少なくとも2mmの深さ、通常、少なくとも3mmの深さ、及び多くの場合、3~10mmの範囲内の深さである。
【0200】
図示される特定のプリフォーム500はシェル480を含むことに留意されたい。しかしながら、この技法は、関連するプリフォームが(シェル480が延びるように)媒体460の長さに沿った全体には延びないが、むしろ、シール部材465が配置される媒体端部461に隣接して配置される構造において実施することができる。即ち、プリフォーム500の代わりとして、媒体パックの周りに延び、(セクション505x、505rを有する)突起505を提供するものの、媒体パック460の全長に延びる側面伸張部は提供しないプリフォームを使用することができる。
【0201】
図24を参照すると、セクション505x、505rを有する突起505は、突起セクション469をその上に有する表面468xの形状を模すように概ね構成されていることに留意されたい。これは典型的であるが必須ではない。例えば、凹部セクション505rは突起468xとほぼ同じ周囲長及び形状を有するが、それぞれの流れ長さに沿った周囲整列のために、より小さなセクション505rを用いて丸まり又は変形に対する安定化を管理することができる。
【0202】
また、丸まりの阻止を提供する構造がフランジ505の一部分であるという特定の要件はない。所望であれば、プリフォームの適切な位置に別の突起を含むことができる。
【0203】
セクション505rは、カートリッジ430の出口側端部又は流れ面433に向かって突出するプリフォーム505の一部分として見た場合、「突起」と特徴付けることができることにも留意されたい。
【0204】
フランジ505は、突起469が配置されていない場所のシール構造468の部分の変形又は丸まりを防止するのを助けるために配置することができることにも留意されたい。これは、できるだけ表面468xの方に近づけて配置されるフランジ505を有することによって容易になる。図示される例では、以下で記載するように、フランジ505は凹部491の端部に配置されている。これは耐変形目的に有用であるが、こうした位置でなくても何らかの利点は得ることができる。
【0205】
典型的には、及び好ましくは、突起構造505が丸まり又は望ましくない変形を阻止するのを助けるために配置される場合、突起構造505は、縁部468xの20mm以内、通常、そのような縁部の15mm以内、及び多くの場合、そのような縁部の約12mm以内の位置に、シール部材468と係合して配置される。しかしながら、別のものは可能である。
【0206】
2.変更を加えた(凹部505rを有する)突起505を収容するためのハウジングの特徴
図26~
図31Bに、ハウジング401と相互作用するレシーバ凹部491の理解を助ける詳細が示される。
図26に、
図27~
図31を示す断面線を有する、
図13に類似する(しかしアクセスカバー403はない)側立面図が示される。
図26の精査から、断面線27-27はカートリッジ430の突起469及び凹部468rのほぼ中間で取られたものであることは理解されよう。
図28は、突起469及び凹部468rを非凹設部分により近い位置で切ったものである。
図29は、シール構造465を、突起469及び凹部端部468rがほぼ位置する場所で切ったものである。
図30及び
図31は、シール構造465の傾斜のない部分を切ったものである。
【0207】
図27及び
図27Aを参照すると、部分分解図が示される。再度、アクセスカバー(参照符号403、
図13)は取り外されている。取り付け中であるが、完全には取り付けられていないカートリッジ430が示される。再度、断面は、軸方向突起469x、469y及び周囲凹部468rのほぼ中間で取られる。シェルフ490が、シール468の軸方向シール表面部分468xに押し込むための中心リブ495(
図27A)とともに配置されているのを見ることができる。
図27及び
図27Aを参照すると、シール突起469x、469yは、シェルフ490の凹部490rに押し込まれるように配置されているのを見ることができる。更に、ハウジング突起496が、レシーバ凹部491内に突出するように配置されているのを見ることができる。ハウジング周辺突起401pは、カートリッジ430が完全に取り付けられると、周辺周囲凹部468rに押し込まれるように配置されている。
【0208】
この位置におけるハウジング突起496は相対的に短く、リブ495に比べて突起があまり高くなく、上で参照したセクション505rを収容することに留意されたい。これは、後の図に見ることができる突起496の他の特定の部分とは対照的である。
【0209】
図27Bに、カートリッジ430が完全に取り付けられていること以外は
図27Aに類似する図を示す。
【0210】
材料が媒体パック460のどこに係合してその周囲の密閉を提供するかを示す、
図27~
図27Bの現場成形される樹脂材料468の領域468zにも注目されたい。
【0211】
図26~
図31Bの進行過程の精査によって、ハウジング402及びカートリッジ430の様々な特徴が、シェルフ490の凹部及びハウジングシール構造468の突起469にどう適応するように構成されているかを見ることができる。特に、輪郭突起469が最長の場所ではハウジング突起496は最短であり、輪郭突起469が存在しない位置においてはハウジング突起496は凹部491内の更に奥に延びるのを見ることができる。これは特に必須ではないが、有利であり得る。突起496が連続的であるという特定の要件はないが、好適な構成では典型的には連続的であることにも留意されたい。
【0212】
3.「傾斜のある」プリフォーム突起表面に関する解説
得られカートリッジ430において、プリフォーム突起表面505は、「傾斜のある」プリフォーム突起表面と特徴付けることができることに留意されたい。このことは、例えば、
図23Aを参照することにより理解することができる。
図23Aは、
図21の線23A-23Aに沿って概ね取った概略断面図である。
【0213】
図23Aに、断面において、レシーバ凹部491を見ることができる。プリフォーム500上の突起505は、シール構造465と、媒体パック460を取り囲むプリフォーム500の一部分との間のその凹部を横断する。参照符号469x、469yにおいて、シール表面468xの突起が観察者に向かって突出しているのを見ることができる。これらセクションと(周囲又は周辺で)整列している周囲凹部468rが提供されていることも見ることができる。更に、プリフォーム突起505のセクション505rが、これら同じセクション469x、469yと整列した状態で観察者に向かって突出しているのを見ることができる。
【0214】
一般的に、したがって、図示される特定のカートリッジ430において、支持突起又はフランジ505はレシーバ凹部491を横断するが、非平面構成、すなわち、突起/凹部輪郭構成を有し、輪郭形状は、シール構造465の突起/凹部輪郭と整列する。
【0215】
図においては、突起505の下方に延びる成形されたシール材は図示されないことに留意されたい。例えば、
図27Aを参照されたい。これは典型的ではあるが全ての場合において必須ではない。より一般的には、樹脂硬化中にプリフォーム500の周囲突起505内の各種孔又はスペーサ内(から下方の突起まで)に完全に、軸方向に樹脂が流れることは必須ではない。これは行うことはできるが、特に必須ではない。
【0216】
本明細書の本段落及び別の箇所において、「整列している」、「周囲整列している」、「周辺整列してしている」、又は同様の用語によって特徴を述べる場合がある。この例は、周囲凹部468rと輪郭突起469x、469yとの間の整列、及びこれらの特徴及びプリフォーム500の周囲突起505内の凹部504rが関与する整列などである。この文脈において、「整列」及び同様の用語は、互いに対する周辺又は周囲整列(軸方向に垂直)、すなわち、媒体パック460に向かう伸張部において互いに整列している、又は他と重なっている、を指すものである。
【0217】
IV.いくつかの一般的な及び任意のプレクリーナ特徴、
図32~
図34
前述のように、図示される特定のアクセスカバー403は、任意選択的に、任意のプレクリーナアセンブリ410を含む。好ましいプレクリーナアセンブリ410の一般的な特徴及び動作は、
図32~
図34の参照により理解することができる。
【0218】
図32に、エアクリーナ400の部分分解図が示される。特に、プレクリーナ410は、フィルタカートリッジ430をその中に含むエアクリーナ本体402から分離されて示されている。
【0219】
図32を参照すると、プレクリーナ410は、前述のように、概して、通常は互いに固定されているが、
図32では分解された状態で示される外セクション又はカバー410aと内セクション又はカバー410bとを含む。図示される外カバー410aは周囲取付フランジ601を含み、周囲取付フランジ601は、取り付け時、前述のように、ラッチ418による固定によって、ハウジング本体402の端部402e内で位置合わせされている。場合によっては、Oリングシールなどのウェザーシール部材(図示せず)がアクセスカバー403とハウジング本体402との間に配置され得る。
【0220】
図32Aに、フローチューブ入口側端部603iを有するセクション601の拡大部分図が示される。
図33に、
図32の図の反対側の、すなわち、セクション601の内側部分に向かって取った分解斜視図が示される。以下の概要で3つの図について述べる。
【0221】
外カバー410a(
図33)はその中に、(参照した入口又は入口側端部603i(
図32A)を有する)フローセパレータ(入口)チューブ603のアレイ602を含む。入口チューブ603は予備形成することができ、例えば、組み立て時にカバー601内の孔に圧入され得る。概して、各セパレータ入口チューブ603は上流入口側端部603i(
図32A)を含み、この端部内に、エアクリーナアセンブリ400に入る(濾過される)空気が送られる。各入口チューブ603は、端部603i内に又は端部603iに隣接して、ベーン構造604(
図32A)を含み、ベーン構造604は、入口空気のサイクロン流を取り込む(誘導する)ように構成されている。入口チューブ603はそれぞれ、概して、入口側端部603iに対向する端部603x(
図33)を含む。各セパレータチューブ端部603xは側部(サイクロン出口)スロット603cを含み、このスロットを通じて、フローセパレータ構造内のサイクロン流によって分離された汚染物質(粉じん、微粒子汚染物質排出器又は水)がチューブ603を出て、結果的に、ハウジング汚染物質排出ポート構造426(
図16)を通って排出される。
【0222】
内カバー410b(
図32及び
図33)は、周囲(外)壁606と中心チューブシートセクション607とを含む。周囲壁606はプレクリーナ410の外側部分の周りに延び、外カバー410aに係合している。図示される例では、周囲(外)壁606はまた、その上に圧力フランジ又は先端403tを含む。
【0223】
より一般的には、アクセスカバー403は内部周囲先端又はフランジ403tを含み、内部周囲先端又はフランジ403tはハウジング内の十分に遠くに突出し、ハウジングシール構造465によってフィルタカートリッジ430に係合している。このフランジ403は、概して、壁606によって設けられる内部周囲シールド又はカバーの最も内側の端部である。
【0224】
チューブシートセクション607は周囲壁606にわたって延びる。チューブシートセクション607は複数の出口チューブを含み、その例は参照符号610に示される。これらチューブ610のうちの選択された1つが、1つの(選択された)各入口チューブ603に向かって延び、その入口チューブ603に入った空気の流れを受け入れ、その空気がチューブシート607を通過してハウジング401の内部401i(
図32)に、最終的にカートリッジ430に達することを可能にする。典型的には、出口チューブ510は、内カバー410bの残りの部分と一体成形(形成)されているが、別のものは可能である。
【0225】
内カバー410bは、典型的には、外カバー410aと別々に作製又は成形され、外カバー410aに固定される。スナップフィット又は別のものを含む様々な固定手法を用いることができる。この例では、このようなスナップフィットは、セクション410bの突起616に係合するセクション410aのループ突起615によって提供される。場合によっては、2つのセクション410a、410bは、支持することができないように共に固定されてもよい。他の用途では、内カバー410b及び外カバー410aを、保守又は内部洗浄のために分解することを可能にするように構成することが望ましい場合がある。
【0226】
より一般的には、プレクリーナアセンブリ410は、内カバー410bと外カバー410aとの間にスナップフィット構造を含むことができる。スナップフィット構造は、概して、それぞれの上に配置された構成要素を含む。図示される例では、内カバー410b上に配置された構成要素は突起構造616であり、外カバー410a上に配置された部材は、突起416と係合するためのループ構造615を含む。
【0227】
図33Aに、セクション601の内部表面601iの方に向けられた図が示される。ここで、行R1、R2、R3、及びR4にそれぞれ対応する、長寸法における各種列に方向付けられたフローチューブ603のアレイ入口が見えることが分かり得る。示される図は、概ね、
図33に示される向きに向かって取ったものである。
図33を参照すると、行R1は、フローチューブ603a、603b、603c、及び603dを含む。行R2は、フローチューブ603e、603f、603g、及び603hを含む。行R3は、チューブ603j、603k、603l、及び604mを含み、行R4は、チューブ603n、603o、603p、及び603qを含む。
【0228】
図示される例では、各種行R1、R2、R3、及びR4は、使用されるエアクリーナ内で垂直に方向付けられた列である。これについては以下で更に述べる。
【0229】
図示される例では、各種フローチューブ603は、入ってくる空気を内部から見たときに反時計回りに(外部から見たときに時計回りに(
図32A))回転させるように方向付けられたベーン603vを有するそれぞれの入口セクション603を有して配置されている。これは、
図33Aの矢印Fによって示される。概して、行R1、R2、R3、及びR4は、行R1及び行R2を含む「第1の組640」と、第2の組641(行R3、行R4を含む)とに分かれているものとして見ることができる。
【0230】
図34に、アクセスカバー403がその上に配置されたエアクリーナアセンブリ400の外観図が示される。チューブ603は、外部から見たとき、ベーンが外部からの空気を時計回り(
図33の内部から見ると反時計回り)の回転へと移動させるように方向付けられているのを見ることができる。
【0231】
これを容易にするために、入口チューブのアレイは、それぞれが好ましい状態に方向付けられた側部ダストイジェクタスロット603cを有して配置されている。これは、
図33及び
図33Aの参照により理解される。
【0232】
図33を参照すると、概して、各入口チューブ603の各イジェクタスロット603cは、約150°~190°の弧に相当するチューブの一部分にわたって延びるように方向付けられている。典型的には、そのそれぞれは、その特定のチューブにおいて粉じんが排出される方向に応じて、上向き又は下向きに方向付けられている。典型的には、粉じんは、サイクロン流に対して、開口部の下流側端部の方に、対応するチューブの曲線に対して幾分接線方向に出る。例えば、及び
図33Aを参照すると、粉じんが反時計回りに旋回するチューブ603aにおいては(
図33Aに示されるように内側から見たとき、粉じんはチューブ603aからほぼ矢印Qの方向に排出される)、粉じんはチューブ603nからほぼ矢印Rの方向に排出される。
【0233】
図33Aの、中心線Zに注目されたい。チューブ603のアレイを通る中心線Zは、ハウジングの中心にダストイジェクタポート426と整列して配置された略垂直線である。中心線Zの側方に、チューブは、中心線Zから遠ざかる方に粉じんを導くように方向付けられた組を含む。したがって、行R1及び行R2のチューブは、概ね矢印Qの方向に粉じんを導くようになっており、R3及びR4のチューブは、概して、矢印Rの方向に粉じんを導くようになっている。これにより、粉じん排出及びイジェクタポート426への結果的な移動が容易になる。
【0234】
チューブ603のアレイが長軸を水平にして配置される場合、同様の原理が適用され得ることに留意されたい。この場合も、チューブを、適切な中心線の両側の組に構成し、その後、所望であれば、チューブの開口部を粉じんの排出のために方向付けることができる。
【0235】
ここで、
図34に注目されたい。内セクション410bの側壁(606、
図33)は、典型的には、チューブ603によって排出される粉じんが壁606を通ってイジェクタ426に入るための孔をその中に有することに留意されたい。このような孔は、典型的には、チューブ607から上流の壁606の一部分に位置する(
図33)。
【0236】
プレクリーナ410の上述の一般原理は、概して、参照により本明細書中に組み込む国際公開第2016/105560号パンフレットに記載されているものに従い、同様の原理を使用することができる。
【0237】
V.対象の特徴のいくつかの追加的な変更形態及び適用可能性、
図35~
図41
概して、これまで説明した特徴の多くは、特定の種類のピンチシール構造の望ましくない変形(丸まり)の制御に関連する。本開示の本段落では、そのような特徴を使用する選択したカートリッジの例示的な変更形態を示す。加えて、カートリッジがそのような耐変形(耐丸まり)特徴を有するかどうかとは無関係に実施され得るエアクリーナアセンブリ及びフィルタカートリッジのいくつかの有用な変更形態を記載する。
【0238】
図35~
図41に、前段落で特徴を述べた例示的な変更形態を提供する。これらの図では、前述の実施形態に関連して記載した特徴と同様に示される若しくは配置される又は類似の目的を有すると記載される特徴は、同様の用語を使用して特徴付けられ得るとともに、類似の詳細、変更形態、及び前述の他の変動形態とともに使用され、図示される相違を説明する。
【0239】
1.円形媒体パックの状況における耐変形特徴の適用
本明細書の上記で、取り付け時に変形する(丸まる)傾向がある特定のピンチシール構造とともに使用可能なフィルタカートリッジの選択した特徴について開示及び説明した。
図35では、そのような特徴は、円形媒体パックの存在下で示される。円形媒体パックに対するそのような特徴の適用可能性については上述した。
図35は単に例を記載する。
【0240】
図35を参照すると、参照符号730にフィルタカートリッジが示されている。カートリッジ730の特徴の多くは、円形を有する媒体パックの状況以外は、前述のカートリッジ430に類似する。
【0241】
したがって、カートリッジ730は、円形断面形状を有する媒体パック731(媒体731mを有する)をその中に含む。媒体パック731は、例えば、
図1~
図6に関する上記説明に従い一般に共に固定されたフルート付きシートと外装シートとを含むコイル式構造の媒体であってもよい。本明細書で上述した媒体の変更形態を含む別の媒体種類を使用することはできる。
【0242】
図35では、媒体パック731を概略的に示し、詳細は図示しない。例えば、媒体パックが媒体のコイルを含む場合、媒体パックは、例えば、参照により本明細書中に組み込む米国特許第7,967,886号明細書による中心プラグ又はシールをその中に含んでもよい。更に、個々のフルートが使用される場合、本明細書で上述した端部特徴等を含んでもよい。
【0243】
したがって、カートリッジ730は、概して、第1の(入口)流れ端部(又は面)731aと、第2の、対向する(出口)流れ端部(又は面)731bとの間に延びて配置されている媒体パック731を含む。したがって、カートリッジ430と同様に、カートリッジ730は直流フロー構造を有する。
【0244】
また、カートリッジ430と同様に、カートリッジ730は、その上にハウジングシール構造765を含む。ハウジングシール構造765は、概して、ハウジングシール部材766を含む。ハウジングシール部材766は、使用時にハウジングシール部材766がエアクリーナハウジングと解放可能なシールを形成することができるような状態及び位置においてフィルタカートリッジ730の残りの部分に固定されている。これを容易にするために、シール部材766は、典型的には、シール部材466に関して上述したものに類似する弾性材料であり、円形の媒体パック731に適応するための変更以外は、シール部材766は、所望であれば、前述の手法及び特徴を使用して適所に固定され得る。
【0245】
シール部材466と同様に、図示される例示的な全体的なハウジングシール構造765のシール部材766は、ピンチシール(又は軸方向ピンチシール)768として構成され、配置されている。したがって、シール部材766は、カートリッジ730の周囲の周りの、使用中、2つのハウジング構成要素(カートリッジ430と同様に)間に密閉圧力下で挟むことができる位置に延びる。
【0246】
図35を更に参照すると、図示されるフィルタカートリッジ730はプリフォーム775xを含み、プリフォーム775xは、この例では、カートリッジ入口側端部731aに隣接して方向付けられ、出口側端部731bから離れる方向に突出するハンドルブリッジ775bを有する任意のハンドル構造775をその上に有する。これにより、カートリッジ730を使用することができるエアクリーナ700(
図37)などのエアクリーナの保守管理のために容易に把持することができる位置にハンドル構造735を配置し、方向付ける。
【0247】
プリフォーム775x及びハンドル構造775は、特定の形状以外は、上述のプリフォーム及びハンドル構造475に類似してもよい。
【0248】
カートリッジ730は、ハンドル構造775含むプリフォーム775xの一部として、任意のグリッド構造475y(
図20)に類似するグリッド構造(図示せず)を任意選択的に含んでもよいことに留意されたい。
【0249】
図35を更に参照すると、図示されるカートリッジ730は、カートリッジ430に関して上述した任意の保護用シェル480に類似する任意の保護用シェル780を含む。図示される特定のシェル480は、少なくとも、シール構造765から媒体パック端部731bまで延びるが、別のものは可能である。カートリッジ430と同様に、カートリッジ730は、端部731bにわたって延びる任意のグリッド(不図示)を含んでもよい。シェル780は、典型的な用途では、シェル480に類似し、したがって、組み立て中に媒体パック731がその中に配置される予備形成された成形プラスチック部品の部分を含み得る。
【0250】
図示されるシェル780は、媒体パック731に一致する円形断面を持つ側壁を有することに留意されたい。別のものは可能であり、実際、シェル780の側壁は、例えば、上述のシェル480と同様に、媒体パック731の形状を模さない形状を有してもよい。
【0251】
選択した部分を有するカートリッジ730を分解図で示す
図36に注目されたい。
図36では、ハンドル構造775を有するプリフォーム775xはシール768に対し分解された状態で図示されないことに留意されたい。
【0252】
図36を参照すると、媒体パック731は中心731cの周りのコイルとして示され、この中心731cは、媒体パック731に未濾過の空気を通すために閉じられていることに留意されたい。この場合も、典型的な手法は、上で参照した米国特許第7,967,886号明細書に従い、中心731c内に中心コアを成形することである。
【0253】
図35と
図36を比較すると、図示される特定のシール部材766が、第1の、軸方向に向けられた軸方向(ハウジング)シール表面766xと対向する第2の表面766yとを有する構造を含むのを見ることができる。シール部材766の外部周囲766zも見ることができる。シール部材766は、傾斜のあるピンチシール部材であり、任意選択的に、カートリッジ430について前述した構造に類似する周囲突起/凹部構造770及びピンチシール表面突起/凹部構造771を含む。そのような構造に関して前述したオプションを使用することができる。
【0254】
図示される特定のカートリッジにおいては、突起/凹部構造770は、4つの(この例では、均一に)離隔した凹部770rを含み、軸方向ピンチシール表面突起/凹部構造771は、媒体パック731の周囲及びカートリッジ730の残りの部分の周りに4つの(この例では、均一に)離隔した突起771pを含む。別のものは可能である。例えば、任意の突起/凹部間の空間に代わるものがあり得る、及び/又はこれらの数の変動があり得る。
【0255】
この例では、及び有利には、提供される記載に従い、周囲凹部770rはそれぞれ、シール表面突起771pと整列している、すなわち、シール部材766はこれらの特徴と軸方向に整列している。そのような階段状構造は、有利には、本明細書で前に特徴を述べたものとすることができるが、別のものは可能である。
【0256】
その結果、特定のカートリッジ730は、シール部材766に対して180°回転対称を有する。実際、適切なシール表面及びハウジングによって、シール部材は、4つの均一に半径方向に離隔した回転方向のいずれかにおいてそれ自体と整列する(又は取り付けられる)ので、特定のカートリッジ730はまた、90°対称を有する。
【0257】
カートリッジ730は、本明細書に記載される特徴を備えることができ、変形又は丸まりの問題なくシール構造765の実施を容易にすることに留意されたい。これは、前述の種類の特徴を含む周囲突起785を有する保護用プリフォーム780が示される
図36の参照によって理解することができる。
【0258】
当然、カートリッジ730は、保護用プリフォーム786を含む第1のプリフォーム、及び得られたシール構造765に組み込まれたハンドル部材775を含む第2のプリフォームに現場成形したシール部材766と、前述のように媒体パック731に係合するモールディングとによって、前述のとおりに構築され得る。しかしながら、前述のように、別のものは可能である。
【0259】
図37に、ハウジング本体701とアクセスカバー702とを有するエアクリーナアセンブリ700が示される。図示されるハウジングは、参照符号703に出口構造を有し、楕円形のものの代わりに円形カートリッジを受け入れるように構成されていること以外は、上述のハウジング401(
図13)に概ね類似し得る。
【0260】
エアクリーナアセンブリ790は、例えば、前の実施形態で前述した排出出口706とともに、アクセスカバー702内に、入口特徴及びプレクリーナ特徴を含んでもよい。当然、セパレータチューブ(図示せず)は、全体的に円形の形状に適応するためにアレイに方向付けられる。
【0261】
要するに、
図35~
図37は、本明細書で上述した原理を、任意選択的に、楕円形のものとは対照的に円形断面形状を有するカートリッジにおいてどのように実施することができるかの一例を提供する。周囲突起/凹部シール構造、傾斜のあるピンチシール表面突起/シール構造、並びに他のカートリッジ特徴及びハウジング特徴に関連して本明細書中に記載される選択した特徴及び変更形態を、
図35~
図37によるカートリッジ及びエアクリーナとともに実施することができる。
【0262】
B.プレクリーナ構造の一部分をカートリッジに含めることを可能にする特徴の例示的な変更形態、
図38~
図41
本明細書の上記において、エアクリーナアセンブリ400との関連で、アクセスカバーの一部として配置された複数のプレクリーナ又はセパレータチューブ411を含むプレクリーナ構造410について記載した。これに関しては、
図14~
図17の記載に注目されたい。
【0263】
示されたように、
図37との関連で上述したエアクリーナアセンブリ700において類似のプレクリーナを使用することができる。円形のハウジングでは、プレクリーナチューブ411の数及びチューブのアレイ内におけるそれらの向きは、円形については異なるようであることが予想される。しかしながら、動作の原理は依然として類似している。
【0264】
場合によっては、ハウジングの一部として完全に配置されるのとは対照的に、カートリッジに固定された(すなわち一体化された)プレクリーナの一部分を含むことが望ましい場合があることが予想される。この例は、
図38~
図41の参照によって理解することができる。
【0265】
まず
図38を参照すると、本体部分802と取り外し可能なアクセスカバー803とを含むハウジング801を含むエアクリーナアセンブリ800が示される。図示される例では、ハウジング本体802は空気流出口構造805を含み、アクセスカバー803は、空気流入口構造810と粉じん排出部構造820とを含む。
【0266】
図38を参照すると、入口構造810は、ここで記載されること以外は、チューブ411について前述したように動作するように構成され得るプレクリーナ又はセパレータチューブ811のアレイを含む。チューブ811の特定のアレイは、以下に更に記載されるように、円形(媒体)構造用に構成されることに留意されたい。
【0267】
ハウジング800は、カートリッジを取り付けるために、この例ではラッチ826を含むクロージャ構造によって確保される圧力により2つの構成要素802、803間にメインフィルタカートリッジのピンチシールを配置した状態で、接合部825において分離可能である。別のものは可能である。
【0268】
図38を更に参照すると、参照符号828aに、使用のためにエアクリーナアセンブリを機器の適所に固定するのを助けるための取付ポスト構造が配置されている。別の取付構造及び取付構造の構成は可能である。
【0269】
図38を更に参照すると、出口805に隣接する参照符号829に、例えば、圧力計及び/又はマスエアフローセンサ(MAFS)等を含む様々な機器構造において使用することができるタップ構造829が設けられている。
【0270】
図39に、アセンブリ800の分解斜視図が示される。ここでは、内部に受け入れられた一次フィルタカートリッジ830を見ることができる。
【0271】
また、
図39に示されるのは、任意の安全カートリッジ860である。任意の安全カートリッジ861は、安全カートリッジ435(
図15)と同様に動作するように構成されてもよく、プリフォーム862によって包囲された媒体861と、シール部材863と、ハンドル構造864と、を含む。同じく図示されるのは、更に、メインカートリッジ830に対する適切な間隔と位置決めの確保を容易にすることができる媒体スペーサ867である。
【0272】
カートリッジ830は、示されるもの以外はカートリッジ730に概ね類似してもよい。特に、例示的なカートリッジ830はカートリッジ730の任意のハンドル構造775を含まず、むしろ、セパレータチューブセクション842のアレイをその上に含む任意の(入口)エンドキャップ840を含む入口プリフォーム840pを含む。概して、キャップ840は、セパレータチューブセクション842を空気が通過する以外は、カートリッジ830の媒体パックに空気を通すために閉じられている。前述のプレクリーナに類似する動作のために、セパレータチューブセクション842は、アクセスカバー803内に配置されたアレイ内のセパレータチューブ入口セクション811iのうちの選択した1つに係合(挿入)され、セパレータチューブ入口プレクリーナ構造を形成するように構成されている。
【0273】
図39を更に参照すると、カートリッジ830は、シール構造765に類似するハウジングシール構造870を含むことに留意されたい。別のものは可能である。
【0274】
図39を参照すると、ハウジング本体802は、ピンチシール構造870内に、ハウジング本体802と関連する突起/レシーバ構造の4つの個々の部材を受け入れるために、端部802eに隣接して配置及び構成されている。したがって、等しい形状及び間隔の個々のピンチシール表面突起/凹部部材並びに周辺突起/凹部部材が使用される場合、シール870を4つの方向のうちのいずれか1つに回転させて配置することができるので、カートリッジ830は、シール870の90°回転対称を有する。当然、カートリッジ830はまた、180°回転対称を有する。
【0275】
カートリッジ830を4つの回転方向内において配置可能であるという正味の結果は、チューブセクション842もまた、カートリッジ830とともに4つの回転方向に整列し、アクセスカバー803になお適合することができる配置に方向付けられることが好ましいことを意味する。これは、示されるチューブセクション842及び811iの(この例では、+形の又はプラス形の)パターンによって提供される。
【0276】
図39Aに、カートリッジ830の分解斜視図が示される。この場合も、ピンチシール部材870は上述のピンチシール部材766に概ね類似し得る。媒体パック831及び保護用カバー832にも同じことが当てはまる。しかしながら、記載したように、その上にハンドル部材を有する代わりに。カートリッジ830は、キャップ840を含むプリフォーム840pを含み、キャップ840は、その上に配置された、媒体に向かってキャップ840を通過する空気の流路を提供する記載した各種チューブセクション842を有する。
【0277】
プリフォーム840pは、所望であれば、チューブセクション842に加えて、概ね前述の種類のハンドル部材を備えることができることに留意されたい。プリフォーム840pの一部としてハンドル部材を成形することの他に全般的に必要なことは、ハウジング内のカートリッジ上のチューブセクション842のアレイ(セクション811iのような)が、ハンドル部材用の隙間を許容するように方向付けられることを確実とすることである。
【0278】
図40に、
図39の線40-40に沿って概ね取ったエアクリーナアセンブリ800の概略断面図が提供される。内部に受け入れられたメインフィルタカートリッジ830及び安全フィルタカートリッジ860を見ることができる(注:保護用カバー832上のグリッド構造832gが媒体パック831の出口側端部にわたって延びる。また、中央プラグ831pが媒体パック831内にあることに注目されたい)。
【0279】
チューブセクション842によって形成され、遠心粉じんセパレータセクション811iに突出するセパレータ又はプレクリーナチューブ890が示される。
図40に、理解を容易にするために、遠心粉じんセパレータセクションの選択された入口セパレータチューブが取り外されて示される。特徴811iと特徴842との組み合わせから生じるセパレータチューブ890は、清浄空気レシーバセクション842が、ハウジング入口カバー上とは対照的に、カートリッジ830上に配置される(一体化されて)こと以外は、前述のチューブと同様に動作し得る。
【0280】
図示されるチューブセクション842は、概して、円形の外部周囲及び内部周囲を有することに留意されたい。別のものは可能である。しかしながら、円形チューブセクションが典型的であり且つ好適である。
【0281】
概して、隣接する媒体パック端部によって同定される縁部(隣接する流れ端部)周囲面積に対する、(プリフォーム840p内の又はプリフォーム840pを通る)チューブセクション842によって提供される空気流開口流れ面積の合計は、望ましくない制限のない、得られたカートリッジを通る良好な空気流にとって十分であるべきである。典型的には、チューブ842の合計によって示される開口面積は、チューブセクション842に隣接する媒体パックの端部領域の少なくとも5%、典型的には、その端部領域の少なくとも10%、多くの場合、その領域の少なくとも15%である。別のものは可能であるが、典型的には、チューブセクション842によって提供される開口部は、その領域の約50%超を含まない。
【0282】
図40の寸法Nで示される、媒体パック端部から周囲キャップ部の間隔は、チューブセクション842からの出口流が媒体の端面にわたって十分に配分され得ることを確実にするほど十分であるべきである。媒体と入口プリフォームとの間の少なくとも5mm、通常、少なくとも8mm、及び時として、10mm以上の間隔が典型的であるが、別のものは可能である。通常、良好な空間利用のため、極めて大きな間隔は好ましくない。したがって、典型的には、合計空間寸法Nは、25mm以下、及び通常は25mm未満であるが、別のものは可能である。
【0283】
カートリッジの入口側端部上にキャップを有し、このキャップはその上に配置された、チューブ842に類似する一体型の清浄空気チューブを含む、プレクリーナ構造の動作原理は、多様又は形状のカートリッジにおいて実施することができる。
図41に、その上にチューブセクション902を有するキャップ901を含む楕円形カートリッジ構造900の一例が概略的に示される。当然、別のチューブ数及びアレイ内の位置を使用することはできる。
【0284】
上述のように、セクション842に対応する様々な構造のチューブセクションを、セクション811i(
図38~
図40)に対応する様々な構造のセクションにおいて使用することができる。特定の構造は、チューブ842が4つの回転方向(回転可能に90°離れた)のいずれかに方向付けられている場合、これらがチューブセクション811iのアレイとなお合致する/嵌合するように方向付けられる。
図38~
図41の構造との関連で記載されるように、チューブセクションがカートリッジ上に含まれる場合、カートリッジ内のチューブセクションは、カートリッジシール構造が対応するハウジングに適切に係合し、密閉することができる方向の数に対応する方向の数において、入口チューブセクションのアレイに適切に係合してセパレータチューブを形成するアレイ内にあることが典型的である。したがって、
図38~
図40の構造においては、シール構造は、チューブセクション840と同様に、4つの回転方向を可能にする。
【0285】
セパレータチューブ清浄空気入口セクションをその上に有するキャップを有するフィルタカートリッジとの関連で本明細書中に記載した原理を、記載したものと異なるピンチシール部材又はシール構造を有する構造に適用することができることに留意されたい。例えば、この原理は、周囲の突起/凹部輪郭あり又はなしで、ピンチシール表面の突起/凹部輪郭あり又はなしで使用することができるとともに、ハウジングシール構造がピンチシールでは全くなく、むしろ、上で参照した種類の径方向シールであるいくつかの構造に適用することができる。特徴は、本明細書で全般的に上述した別の媒体種類とともに使用することができることにも留意されたい。更に、原理は、所望であれば、安全フィルタカートリッジのない状態で適用することができる。
【0286】
加えて、その上に取り付けられた突起を含むシール構造の一部を安定させるための凹部を有する端部に沿って周囲突起を有する端部コア又は端部部品(例えば、参照符号832、
図39A)から得られる耐変形又は耐丸まり特徴を使用する
図38~
図41の構造が示される。入口チューブを有するエンドキャップの特徴は、所望であれば、この耐変形特徴を有しない構造に実装することができる。
【0287】
VI.いくつかの追加的な変更形態、一般的な解説
一般的に、本開示の原理の任意の好ましい適用によるフィルタカートリッジは、場合によっては、提供される特徴がなければ、使用中に媒体パックに向かう方に又はそこから離れる方に変形を受ける部分を有する軸方向ピンチシール構造を含む。図示される例では、ハウジングシール構造は軸方向ピンチシールであり、軸方向ピンチシールは、輪郭を有する下流ハウジングシール表面を含み、シール構造内に(例では、シール構造の一部分と媒体パックとの間の凹部にわたって)延び、そのような丸まり又は変形に対する安定化を提供するプリフォームが提供される。様々な代替形態及び一般的な特徴を記載する。
【0288】
記載される例では、凹部にわたって延びる構造体は、シール材に完全には組み込まれず、むしろ、その端部に凹部セクションの表面を形成する。また、動作を容易にするために、典型的には、この位置において傾斜が付けられている。両方とも好ましいが、本明細書中に記載される手法の全ての用途において特に必須なわけではない。
【0289】
上記特徴は、外形の変更形態、例えば、楕円形又は円形を含み得る媒体パックとの関連で示される。別の媒体種類について記載する。
【0290】
本明細書中に特徴付けられる特定の例示的な構造では、プレクリーナの一部分は、カートリッジに固定され(すなわち一体化され)、アクセスカバーの別の部分に係合する。カートリッジに固定されたプレクリーナの部分は、セパレータチューブの形成を好ましい状態で容易にするために、エアクリーナアクセスカバー内のセパレータセクションと係合するように方向付けられた、その上にセパレータチューブセクションを有するエンドキャップであり得る。
【0291】
様々なハウジング特徴が特徴付けられる。これらは、変形阻止構造を収容する特徴のみならず、選択された、好ましいプレクリーナ構成及び動作のためのいくつかの特徴を含む。
【0292】
構築、組み立て、及び使用の方法が特徴付けられる。
【0293】
本開示によるいくつかの利点を得るために、特に、アセンブリ、構成要素、又は特徴が、本明細書の上で特徴付けられた例示的な特徴の全てを含むという要件はない。