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特許7564322情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20241001BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241001BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20241001BHJP
【FI】
G06Q20/14 300
G06Q50/10
G06Q30/0207
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023212373
(22)【出願日】2023-12-15
【審査請求日】2024-01-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船瀬 圭一
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-065737(JP,A)
【文献】特開2020-030838(JP,A)
【文献】特表2012-519892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の周遊を支援するために企画された企画割引商品であって、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を前記利用者が購入した際に付与されるトークンのうち、前記施設を利用するために要したトークンの利用実績に関する実績情報を取得する取得部と、
前記実績情報に基づいて、前記トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する判定部と、
前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上ではないと判定された場合、前記利用者に対して前記企画割引商品の価格と前記利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する還元部と、
を備え
前記判定部は、
前記指定された期間が経過したか否かを判定し、前記指定された期間が経過したと判定した場合、前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記利用者の住所に関する住所情報を取得し、
前記還元部は、
前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であると判定された場合、前記住所情報に基づいて、前記利用者が前記指定されたエリア内に住んでいるか否かを判定し、前記利用者が前記指定されたエリア内に住んでいないと判定した場合、前記利用者に対して第1の金額に相当する金銭的価値を還元する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記実績情報に基づいて、前記利用者が前記指定されたエリアにおける第1の施設を利用した後に前記指定されたエリアにおける前記第1の施設とは異なる第2の施設を利用したか否かを判定し、
前記還元部は、
前記利用者が前記第1の施設を利用した後に前記第2の施設を利用したと判定された場合、前記利用者に対して第2の金額に相当する金銭的価値を還元する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者の周遊を支援するために企画された企画割引商品であって、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を前記利用者が購入した際に付与されるトークンのうち、前記施設を利用するために要したトークンの利用実績に関する実績情報を取得する取得工程と、
前記実績情報に基づいて、前記トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する判定工程と、
前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上ではないと判定された場合、前記利用者に対して前記企画割引商品の価格と前記利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する還元工程と、
を含み、
前記判定工程は、
前記指定された期間が経過したか否かを判定し、前記指定された期間が経過したと判定した場合、前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する
情報処理方法。
【請求項5】
利用者の周遊を支援するために企画された企画割引商品であって、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を前記利用者が購入した際に付与されるトークンのうち、前記施設を利用するために要したトークンの利用実績に関する実績情報を取得する取得手順と、
前記実績情報に基づいて、前記トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する判定手順と、
前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上ではないと判定された場合、前記利用者に対して前記企画割引商品の価格と前記利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する還元手順と、
をコンピュータに実行させ
前記判定手順は、
前記指定された期間が経過したか否かを判定し、前記指定された期間が経過したと判定した場合、前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の周遊を支援する周遊支援サービスに関する技術が知られている。例えば、周遊施設を識別するための施設識別情報を利用者の端末装置で読み取る情報形式で周遊施設毎に出力する。また、周遊施設で表示された施設識別情報を端末装置で読み取り、端末装置から信号が送信された場合に、あらかじめ記憶されているユーザ情報に基づいて、端末装置の利用者を識別するとともに利用者における周遊施設の利用可否を判別し、判別結果を表示するための信号を端末装置に向けて送信する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-43703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には、利用者が周遊支援サービスを利用する際の利便性を向上させるうえで、さらなる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、利用者の周遊を支援するために企画された企画割引商品であって、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を前記利用者が購入した際に付与されるトークンの利用実績に関する実績情報を取得する取得部と、前記実績情報に基づいて、前記トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する判定部と、前記利用金額の合計が前記企画割引商品の価格以上ではないと判定された場合、前記利用者に対して前記企画割引商品の価格と前記利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する還元部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、利用者が周遊支援サービスを利用する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る周遊支援サービスの概要を説明するための図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る実施形態に係る周遊パスの購入時におけるコインおよびトークンの発行処理について説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る周遊パスの利用時におけるトークンの移転処理について説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る利用者に対する金銭的価値の還元におけるコインおよびトークンの移転処理について説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係る周遊パスの参画事業者に対する金銭的価値の還元におけるコインおよびトークンの移転処理について説明するための図である。
図9図9は、実施形態に係る利用者に対する周遊パストークンの利用実績に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。
図10図10は、実施形態の第1の変形例に係る利用者に対するチケットトークンの利用実績に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。
図11図11は、実施形態の第2の変形例に係る利用者の住所情報に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。
図12図12は、実施形態の第2の変形例に係る利用者の住所情報に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。
図13図13は、実施形態の第3の変形例に係る利用者の買い回り実績に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。
図14図14は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
(実施形態)
〔1.はじめに〕
一般的に、周遊支援サービスは、利用者の周遊を支援するために企画された周遊パスや周遊チケット等の企画割引商品とともに提供される。また、一般的に、周遊パスや周遊チケット等の企画割引商品は、定額で販売される。例えば、利用者は、周遊パスを利用して、指定された期間内に指定されたエリア(以下、「周遊エリア」と記載する場合がある。)における特定の施設を利用し放題になる。例えば、特定の施設が鉄道やバス等の交通機関である場合、利用者は周遊エリア内の(または、周遊エリアを含む)特定の区間の交通機関を乗り放題になる。また、例えば、特定の施設が遊園地等のレジャー施設である場合は、利用者はレジャー施設におけるアトラクション等を利用し放題になる。このため、一般的に、周遊支援サービスを利用する利用者は、周遊エリアにおける施設をお得に利用することができる。
【0010】
しかしながら、利用者にとって周遊パスを利用することがお得でない場合がある。例えば、周遊パスを利用せずに周遊エリアにおける施設を利用した場合の利用料金の合計金額が周遊パスの購入価格を下回る場合、利用者は、周遊パスの購入価格と周遊パスを利用せずに周遊エリアにおける施設を利用した場合の利用料金の合計金額との差額の分だけ金銭的に損をする。つまり、利用者にとっては周遊パスを利用することが損となる場合がある。
【0011】
これに対し、実施形態に係る情報処理装置は、周遊パスを利用者が購入した際に付与されるトークンの利用実績に関する実績情報を取得し、実績情報に基づいて、トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上であるか否かを判定する。また、情報処理装置は、トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上ではないと判定した場合、利用者に対して周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する。これにより、情報処理装置は、利用者にとって周遊パスを利用することが損となる場合には、利用者に対して損となった金額に相当する金銭的価値を還元することにより、実質的に利用者が損をしないようにすることができる。したがって、情報処理装置は、利用者が周遊支援サービスを利用する際の利便性を向上させることができる。
【0012】
図1は、実施形態に係る周遊支援サービスの概要を説明するための図である。図1に示す周遊支援サービスは、実施形態に係る情報処理システム(図2参照)によって提供される。図1では、指定された期間内に周遊エリアにおける施設を利用可能な電子版の周遊パス(以下、「周遊パス」と略記する。)を企画・販売する事業者(以下、「周遊パス事業者」または「周遊パス発行者」と記載する場合がある。)によって販売される周遊パスを、周遊エリアとは異なるエリアの住民である利用者(以下、「域外利用者」と記載する場合がある。)が購入し、利用する場合について説明する。例えば、周遊パスは、周遊エリアにおける施設が発行する紙のチケットを電子化したものである。また、周遊パス事業者は、鉄道事業者やレジャー施設を運営する事業者等であってよい。また、利用者は、周遊パスを利用するためのアプリケーションを自身の端末装置にインストールすることにより、周遊パスを利用する。
【0013】
また、域外利用者が周遊パスを購入すると、周遊パス事業者によって管理される情報処理装置は、トークンを発行し、発行したトークンを域外利用者に対して付与する。本実施形態に係るトークンは、公知のブロックチェーンの技術を用いて、ブロックチェーン上で発行および取引される暗号資産(仮想通貨)である。より具体的には、本実施形態に係るトークンは、デジタル証明書(電子証明書)が付与されたデジタルデータである。例えば、本実施形態に係るトークンは、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)であってよい。例えば、情報処理装置は、周遊パスの価格に対応する金銭的価値を有するトークンを発行し、発行したトークンを域外利用者の端末装置10に送信する。例えば、周遊パスの価格に対応する金銭的価値は、周遊パスの購入価格に相当する金銭的価値であってよい。これにより、情報処理装置は、利用者が周遊エリアにおける施設を利用する際にトークンをやり取りする際のデータの正当性や利用者の身元を保証し、なりすましやデータの改ざん、通信経路上の盗聴等の防止を実現することができる。
【0014】
また、域外利用者は、周遊エリアを来訪する。また、域外利用者は、周遊エリアにおける施設を利用する際、チケットや入場券を提示する代わりに、例えば、各施設に設置された周遊パス用の2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))を端末装置で読み込むことにより、周遊エリアにおける施設を利用することができる。また、域外利用者は、周遊エリアにおける施設を利用する際、クーポン券を提示する代わりに、例えば、各施設に設置された周遊パス用の2次元コードを端末装置で読み込むことにより、周遊エリアにおける施設を割引料金にて利用することができる。また、情報処理装置は、域外利用者が周遊パスを用いて施設を利用した場合、域外利用者が所有するトークンを利用者から施設に取引する。例えば、情報処理装置は、施設の利用料金に相当する金額分のトークンを域外利用者の端末装置10から施設の端末装置20(図示略)へ送信する。また、情報処理装置は、施設において割り引かれた割引料金に相当する金額分のトークンを域外利用者の端末装置10から施設の端末装置20(図示略)へ送信する。
【0015】
また、域外利用者は、指定された期間においてのみ周遊パスを利用することができる。例えば、指定された期間は、周遊パスの購入日から所定の期間(例えば、1年間など)または周遊パスの購入日から周遊パスの有効期限までの期間であってよい。また、情報処理装置は、指定された期間が経過した場合、周遊エリアにおける施設に対する精算を行う。具体的には、情報処理装置は、指定された期間が経過した場合、各施設が所有するトークン(域外利用者から各施設へ所有権が取引したトークン)を各施設の端末装置20(図示略)から受信する。情報処理装置は、各施設の端末装置20(図示略)から受信したトークンに応じた金額に相当するコインを各施設の端末装置20(図示略)に対して送信する。例えば、情報処理装置は、利用者が各施設を利用した利用料金または割り引かれた割引料金に相当する金額に相当するコインを各施設の端末装置20(図示略)に対して送信する。
【0016】
また、図1で説明した情報処理装置による処理は、ブロックチェーン上で実行されるスマートコントラクトにより自動的に実行される。
【0017】
また、本実施形態に係る施設には、周遊パスに参画する参画事業者によって運営されるあらゆる施設が含まれる。例えば、本実施形態に係る施設には、ホテル等の宿泊施設、美術館または遊園地等のレジャー施設、飲食店等の店舗、および、公共交通機関(鉄道、バス、船舶等)が含まれる。また、本実施形態において施設を利用することには、周遊パスの参画事業者によって運営されるあらゆる施設の利用形態が含まれる。例えば、本実施形態において施設を利用することには、宿泊施設に宿泊すること、レジャー施設に入場すること、レジャー施設のアトラクションを利用すること、店舗で商品を購入すること、および、公共交通機関に乗り降りすることが含まれる。また、本実施形態に係る利用料金(または利用金額)には、例えば、宿泊施設に宿泊する際の宿泊料金、レジャー施設に入場する際の入場料金、アトラクションの利用料金、店舗での商品の購入料金、店舗において商品を購入する際に割り引かれた割引価格、および、公共交通機関に乗り降りする際の乗車料金が含まれる。なお、商品にはサービスが含まれてよい。
【0018】
〔2.情報処理システムの構成例〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と、情報処理装置100とを含む。端末装置10および情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図2に示した情報処理システム1には、複数の端末装置10や、複数の情報処理装置100が含まれていてもよい。
【0019】
端末装置10は、利用者(例えば、域外利用者)によって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、利用者により使用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して情報処理装置100等の任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。利用者は、周遊パスを利用するためのアプリケーションを自身の端末装置10にインストールし、情報処理装置100と通信することにより、周遊パスを購入および利用することができる。
【0020】
また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者から指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。例えば、端末装置10は、利用者の操作に応じて、周遊パスの購入要求に関する情報を情報処理装置100に対して送信する。例えば、端末装置10は、カメラを有し、利用者の操作に従って、周遊先の施設に設置された周遊パス用の2次元コード等を読み込むことができる。端末装置10は、周遊パス用の2次元コード等を読み込んだ場合、端末装置10を識別可能な情報とともに周遊先の施設に関する情報を情報処理装置100に対して送信する。例えば、端末装置10は、周遊先の施設に関する情報として、周遊先の施設を識別可能な情報および施設の利用料金に関する情報を情報処理装置100に対して送信する。
【0021】
情報処理装置100は、周遊パス事業者によって管理されるサーバ装置である。情報処理装置100は、端末装置10と連携して、利用者に対して周遊支援サービスを提供する。具体的には、情報処理装置100は、周遊パスの購入要求に関する情報を端末装置10から受信した場合、トークンを発行し、発行したトークンを域外利用者の端末装置10に送信する。また、情報処理装置100は、トークンの発行履歴およびトークンの送信履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。情報処理装置100は、ブロックチェーン基盤上に構築されたスマートコントラクトにより各種処理を自動的に実現する。
【0022】
〔3.情報処理装置の構成例〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、実施形態に係る情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130を有する。
【0023】
通信部110は、ネットワークNと有線または無線により接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0024】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、制御部130による各種処理に必要なデータ及びプログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)を格納する。また、記憶部120は、ブロックチェーンに関する情報を格納する。例えば、記憶部120は、周遊パス事業者によって管理されるコンソーシアム型またはプライベート型のブロックチェーンに関する情報を格納する。また、記憶部120は、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を利用者が購入した際に付与されるトークンの利用実績に関する実績情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、記憶部120は、周遊パスを購入した各利用者の端末装置10を識別可能な情報と、各利用者によって購入された周遊パスに関する情報と、各利用者によって利用されたトークンの利用実績に関する実績情報とを対応付けた情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、記憶部120は、周遊パスに関する情報として、周遊パスの価格および周遊パスを利用可能な期間(以下、「周遊パスについて指定された期間」と記載する場合がある。)に関する情報をブロックチェーン上に記録する。また、記憶部120は、トークンの利用実績に関する実績情報として、利用者が周遊エリアにおける施設を利用した利用日時および利用者が周遊エリアにおける施設を利用するために要したトークン(例えば、利用者が周遊パスを用いないで周遊エリアにおける施設を利用した場合の利用金額に相当するトークンであってよい)に関する情報をブロックチェーン上に記録する。
【0025】
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。また、制御部130は、取得部131と、判定部132と、還元部133を有する。
【0026】
図4は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順を示すフローチャートである。図4では、取得部131は、利用者の周遊を支援するために企画された企画割引商品であって、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を利用者が購入した際に付与されるトークンの利用実績に関する実績情報を取得する(ステップS101)。例えば、取得部131は、企画割引商品の一例として、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な周遊パスを利用者が購入した際に付与されるトークンである周遊パストークンの利用実績に関する実績情報を取得する。例えば、取得部131は、記憶部120に格納されたブロックチェーンに関する情報を参照して、ブロックチェーン上に記録された周遊パストークンの利用実績に関する実績情報を取得する。
【0027】
また、取得部131が実績情報を取得した場合、判定部132は、取得部131が取得した実績情報に基づいて、トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、判定部132は、企画割引商品について指定された期間が経過したか否かを判定する。例えば、判定部132は、記憶部120に格納されたブロックチェーンに関する情報を参照して、周遊パスについて指定された期間が経過したか否かを判定する。判定部132は、指定された期間が経過していないと判定した場合、処理を終了する。一方、判定部132は、指定された期間が経過したと判定した場合、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上であるか否かを判定する。判定部132は、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上であると判定した場合、処理を終了する。
【0028】
一方、判定部132によって利用金額の合計が企画割引商品の価格以上ではないと判定された場合、還元部133は、利用者に対して企画割引商品の価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する(ステップS103)。例えば、還元部133は、判定部132によって利用金額の合計が周遊パスの価格以上ではないと判定された場合、利用者に対して周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する。例えば、還元部133は、利用者の端末装置10に対して周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当するコインを送信する。
【0029】
図5は、実施形態に係る周遊パスの購入時におけるコインおよびトークンの発行処理について説明するための図である。図5では、ブロックチェーン基盤において裏付け資産のある「コイン」(デジタル通貨の一種)と、裏付け資産のない「トークン」とを定義する。情報処理装置100は、スマートコントラクトを介して、コインとトークンを連動して操作する。図5で説明する情報処理装置100による処理は、スマートコントラクトにより自動的に実行される。図5では、利用者がコインで周遊パストークンを購入するイメージについて説明する。
【0030】
図5では、情報処理装置100は、端末装置10から周遊パスの購入要求に関する情報を受信した場合、コインを発行し、発行したコインを周遊パス発行者に対して付与する。具体的には、情報処理装置100は、コインを発行し、発行したコインを周遊パス発行者に対して付与する場合、あらかじめ取得した利用者の金融機関の口座に所在する裏付け資産に関する情報と発行したコインに関する情報とを紐づける。例えば、コインに関する情報は、コインの金銭的価値を示す情報(例えば、周遊パスの価格を示す情報)と、コインの発行者を識別可能な情報(例えば、情報処理装置100を識別可能な情報)と、コインの所有者である周遊パス発行者を識別可能な情報(例えば、情報処理装置100を識別可能な情報)とを紐づけた情報であってよい。また、情報処理装置100は、コインの発行履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、コインの発行履歴に関する情報は、コインに関する情報とコインの発行日時を示す情報とを紐づけた情報であってよい。
【0031】
また、情報処理装置100は、コインを発行し、発行したコインを周遊パス発行者に対して付与した場合、周遊パストークンを発行し、発行した周遊パストークンを利用者に対して付与する。具体的には、情報処理装置100は、周遊パストークンを発行した場合、発行した周遊パストークンを利用者の端末装置10に送信する。また、情報処理装置100は、周遊パストークンの発行履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、周遊パストークンの発行履歴に関する情報は、周遊パストークンに関する情報と周遊パストークンの発行日時を示す情報とを紐づけた情報であってよい。例えば、周遊パストークンに関する情報は、周遊パストークンの金銭的価値を示す情報(例えば、周遊パスの価格を示す情報)と、周遊パストークンの発行者を識別可能な情報(例えば、情報処理装置100を識別可能な情報)と、周遊パストークンの所有者である利用者を識別可能な情報(例えば、端末装置10を識別可能な情報)とを紐づけた情報であってよい。
【0032】
図6は、実施形態に係る周遊パスの利用時におけるトークンの移転処理について説明するための図である。図6では、図5で説明した周遊パスの購入時におけるコインおよびトークンの発行処理の後の周遊パスの利用時におけるトークンの移転処理について説明する。図6では、利用者が周遊エリアにおける店舗で周遊パスを利用して商品を割引価格で購入する場合について説明する。
【0033】
図6では、端末装置10は、利用者の操作に従って、例えば、周遊エリアにおける店舗(以下、「店舗」と略記する場合がある。)に設置された周遊パス用の2次元コードを読み込む。また、端末装置10は、例えば、周遊パス用の2次元コードを読み込んだ場合、端末装置10を識別可能な情報および店舗の利用に関する情報を情報処理装置100に対して送信する。例えば、端末装置10は、店舗の利用に関する情報として、店舗を識別可能な情報と、利用者が店舗において商品を購入する際に割り引かれた割引価格(以下、「割引価格」と略記する場合がある。)を示す情報と、商品の購入日時を示す情報とを紐づけた情報を情報処理装置100に対して送信する。
【0034】
情報処理装置100は、端末装置10を識別可能な情報および店舗の利用に関する情報を端末装置10から受信する。また、情報処理装置100は、端末装置10を識別可能な情報および店舗の利用に関する情報を受信した場合、割引価格に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを利用者から店舗に移転する。具体的には、情報処理装置100は、端末装置10を識別可能な情報および店舗の利用に関する情報に基づいて、割引価格に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを利用者の端末装置10から店舗の端末装置20(図示略)に送信する。また、情報処理装置100は、周遊パストークンの移転履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、周遊パストークンの移転履歴に関する情報は、移転された周遊パストークンに関する情報と周遊パストークンの移転日時を示す情報とを紐づけた情報であってよい。例えば、移転された周遊パストークンに関する情報は、移転された周遊パストークンの金銭的価値を示す情報(例えば、割引価格を示す情報)と、周遊パストークンの移転元である利用者を識別可能な情報(例えば、利用者の端末装置10を識別可能な情報)と、周遊パストークンの移転先である店舗を識別可能な情報(例えば、店舗の端末装置20を識別可能な情報)とを紐づけた情報であってよい。
【0035】
図7は、実施形態に係る利用者に対する金銭的価値の還元におけるコインおよびトークンの移転処理について説明するための図である。図7では、還元部133は、判定部132によって周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上ではないと判定された場合、周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを利用者から周遊パス発行者に移転する。ここで、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額は、例えば、利用者が周遊パスを用いないで周遊エリアにおける施設を利用した場合の利用金額であってよい。具体的には、還元部133は、周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを利用者の端末装置10から受信する。また、還元部133は、周遊パストークンの移転履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、周遊パストークンの移転履歴に関する情報は、移転された周遊パストークンに関する情報と周遊パストークンの移転日時を示す情報とを紐づけた情報であってよい。例えば、移転された周遊パストークンに関する情報は、移転された周遊パストークンの金銭的価値を示す情報(例えば、周遊パスの価格と利用金額の合計との差額を示す情報)と、周遊パストークンの移転元である利用者を識別可能な情報(例えば、利用者の端末装置10を識別可能な情報)と、周遊パストークンの移転先である周遊パス発行者を識別可能な情報(例えば、情報処理装置100を識別可能な情報)とを紐づけた情報であってよい。
【0036】
また、図7では、還元部133は、周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを利用者の端末装置10から受信した場合、周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を有するコインを周遊パス発行者から利用者に移転する。具体的には、還元部133は、周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を有するコインを利用者の端末装置10に送信する。また、還元部133は、コインの移転履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、コインの移転履歴に関する情報は、移転されたコインに関する情報とコインの移転日時を示す情報とを紐づけた情報であってよい。例えば、移転されたコインに関する情報は、移転されたコインの金銭的価値を示す情報(例えば、周遊パスの価格と利用金額の合計との差額を示す情報)と、コインの移転元である周遊パス発行者を識別可能な情報(例えば、情報処理装置100を識別可能な情報)と、コインの移転先である利用者を識別可能な情報(例えば、利用者の端末装置10を識別可能な情報)とを紐づけた情報であってよい。
【0037】
図8は、実施形態に係る周遊パスの参画事業者に対する金銭的価値の還元におけるコインおよびトークンの移転処理について説明するための図である。図8では、判定部132は、記憶部120に格納されたブロックチェーンに関する情報を参照して、周遊パスについて指定された期間が経過したか否かを判定する。判定部132は、指定された期間が経過していないと判定した場合、処理を終了する。一方、判定部132によって指定された期間が経過したと判定した場合、店舗の周遊パストークンを店舗から周遊パス発行者に移転する。具体的には、還元部133は、店舗の端末装置20から周遊パストークンを受信する。より具体的には、還元部133は、利用者が周遊パスを用いないで店舗を利用した場合の利用金額に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを店舗の端末装置20から受信する。例えば、還元部133は、図6で説明した割引価格に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを店舗の端末装置20から受信する。また、情報処理装置100は、周遊パストークンの移転履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、周遊パストークンの移転履歴に関する情報は、移転された周遊パストークンに関する情報と周遊パストークンの移転日時を示す情報とを紐づけた情報であってよい。例えば、移転された周遊パストークンに関する情報は、移転された周遊パストークンの金銭的価値を示す情報(例えば、利用者が周遊パスを用いないで店舗を利用した場合の利用金額を示す情報)と、周遊パストークンの移転元である店舗を識別可能な情報(例えば、店舗の端末装置20を識別可能な情報)と、周遊パストークンの移転先である周遊パス発行者を識別可能な情報(例えば、情報処理装置100を識別可能な情報)とを紐づけた情報であってよい。
【0038】
また、図8では、還元部133は、利用者が周遊パスを用いないで店舗を利用した場合の利用金額に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを店舗の端末装置20から受信した場合、利用者による店舗の利用回数または利用金額に応じて、周遊パスの価格または所定の金額(例えば、1万円等)の所定の割合(例えば、5%等)に相当する金銭的価値を有するコインを周遊パス発行者から店舗に移転する。例えば、還元部133は、利用者による店舗の利用回数または利用金額に応じた割合を周遊パスの価格または所定の金額に乗じて得られる金額に相当する金銭的価値を有するコインを周遊パス発行者から店舗に移転する。例えば、利用者による店舗の利用回数または利用金額に応じた割合は、利用者による店舗の利用回数または利用金額が大きいほど大きい割合であってよい。あるいは、利用者による店舗の利用回数または利用金額に応じた割合は、利用者による店舗の利用回数または利用金額に応じてあらかじめ定められた割合であってもよい。なお、還元部133は、利用者が周遊パスを用いないで店舗を利用した場合の利用金額に相当する金銭的価値を有するコインを周遊パス発行者から店舗に移転してもよい。具体的には、還元部133は、利用者による店舗の利用回数または利用金額に応じた割合を周遊パスの価格または所定の金額に乗じて得られる金額に相当する金銭的価値を有するコインを店舗の端末装置20に送信する。また、還元部133は、コインの移転履歴に関する情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、コインの移転履歴に関する情報は、移転されたコインに関する情報とコインの移転日時を示す情報とを紐づけた情報であってよい。例えば、移転されたコインに関する情報は、移転されたコインの金銭的価値を示す情報(例えば、利用者による店舗の利用回数または利用金額に応じた割合を周遊パスの価格または所定の金額に乗じて得られる金額を示す情報)と、コインの移転元である周遊パス発行者を識別可能な情報(例えば、情報処理装置100を識別可能な情報)と、コインの移転先である店舗を識別可能な情報(例えば、店舗の端末装置20を識別可能な情報)とを紐づけた情報であってよい。
【0039】
図9は、実施形態に係る利用者に対する周遊パストークンの利用実績に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。図9では、まず、利用者が周遊パスを購入する。続いて、利用者が周遊パスを購入した場合、周遊パス事業者が周遊パストークンを発行し、発行した周遊パストークンを利用者に付与する。また、利用者が周遊エリアにおける施設(図9では、店舗または事業者の施設等)において周遊パスを利用する。例えば、利用者は、周遊エリアにおける施設に設置された周遊パス用の2次元コードを自身の端末装置10に読み込ませる。なお、利用者は、自身の端末装置10に周遊パス用の2次元コードを表示させて、周遊エリアにおける施設の端末装置20に周遊パス用の2次元コードを読み込ませてもよい。周遊エリアにおける施設において、利用者の周遊パスが確認された場合、周遊エリアにおける施設は、サービスや商品を利用者に対して提供する。
【0040】
また、利用者の端末装置10は、周遊エリアにおける施設において利用した周遊パストークンの利用実績に関する実績情報を周遊パス事業者が管理する情報処理装置100に対して送信する。情報処理装置100は、端末装置10から実績情報を受信した場合、実績情報に基づいて、例えば、利用者が周遊パスを用いないで店舗を利用した場合の利用金額に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを利用者から店舗に移転する。
【0041】
また、情報処理装置100は、周遊パストークンの利用実績に関する実績情報に基づいて、周遊パストークンが一定額分以上利用されたか否かを判定する。具体的には、情報処理装置100は、指定された期間が経過した場合、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上であるか否かを判定する。情報処理装置100は、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上であると判定した場合、処理を終了する。一方、情報処理装置100は、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上ではないと判定した場合、利用者に対して周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する。
【0042】
〔4.変形例〕
ところで、上述してきた本開示の実施形態には、いくつかの変形例を挙げることができる。
【0043】
上述した実施形態では、企画割引商品の一例として、利用者が指定された期間に指定された周遊エリアにおける施設で利用可能な周遊パスを利用する場合について説明した。第1の変形例では、企画割引商品の他の例として、利用者が指定された期間に指定されたレジャー施設(例えば、遊園地など)におけるアトラクション等を利用可能な定額の周遊チケット(以下、「チケット」と記載する場合がある。)を利用する場合について説明する。なお、チケットは、指定されたレジャー施設が美術館や博物館である場合、利用者が指定された期間に指定された美術館や博物館に入り放題となるようなチケットであってもよい。また、チケットは、指定されたレジャー施設が映画館である場合、利用者が指定された期間に指定された映画館で映画を見放題となるようなチケットであってもよい。
【0044】
図10は、実施形態の第1の変形例に係る利用者に対するチケットトークンの利用実績に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。図10では、周遊パスの代わりに周遊チケットが用いられる点が図9と異なる。図10では、まず、利用者がレジャー施設におけるアトラクションを利用可能な周遊チケットを購入する。続いて、利用者が周遊チケットを購入した場合、レジャー施設事業者(以下、「レジャー事業者」と記載する場合がある。)が周遊チケットトークンを発行し、発行した周遊チケットトークンを利用者に付与する。また、利用者がレジャー施設におけるアトラクション等を利用する際に周遊チケットを利用する。例えば、利用者は、レジャー施設におけるアトラクション等の入口等に設置された周遊チケット用の2次元コードを自身の端末装置10に読み込ませる。レジャー施設におけるアトラクション等において、利用者の周遊チケットが確認された場合、利用者はアトラクション等を利用する。
【0045】
また、利用者の端末装置10は、レジャー施設におけるアトラクション等において利用した周遊チケットトークンの利用実績に関する実績情報をレジャー事業者が管理する情報処理装置100に対して送信する。情報処理装置100は、端末装置10から実績情報を受信した場合、実績情報に基づいて、例えば、利用者が周遊チケットを用いないでアトラクションを利用した場合の利用金額に相当する金銭的価値を有する周遊チケットトークンを利用者からレジャー事業者に移転する。
【0046】
また、情報処理装置100の判定部132は、周遊チケットトークンの利用実績に関する実績情報に基づいて、周遊チケットトークンが一定額分以上利用されたか否かを判定する。具体的には、判定部132は、指定された期間が経過したか否かを判定する。また、判定部132は、指定された期間が経過したと判定した場合、周遊チケットトークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊チケットの価格以上であるか否かを判定する。判定部132は、周遊チケットトークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊チケットの価格以上であると判定した場合、処理を終了する。一方、判定部132によって周遊チケットトークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊チケットの価格以上ではないと判定された場合、情報処理装置100の還元部133は、利用者に対して周遊チケットの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する。
【0047】
図11および図12は、実施形態の第2の変形例に係る利用者の住所情報に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。図11および図12では、周遊パストークンと利用者の住所に関する住所情報とが紐づけられている点が図9と異なる。
【0048】
図11では、記憶部120は、周遊パスを購入した各利用者の端末装置10を識別可能な情報と、各利用者によって購入された周遊パスに関する情報と、各利用者の住所に関する住所情報と、各利用者によって利用されたトークンの利用実績に関する実績情報とを対応付けた情報をブロックチェーン上に記録する。取得部131は、利用者の住所に関する住所情報を取得する。具体的には、取得部131は、記憶部120に格納されたブロックチェーンの情報を参照して、利用者の住所に関する住所情報を取得する。
【0049】
図11では、まず、利用者が周遊パスを購入する。続いて、利用者が周遊パスを購入した場合、情報処理装置100は、利用者が購入した周遊パスに関する情報と利用者の住所に関する住所情報とを対応付けて記憶部120に格納する。また、周遊パス事業者は、利用者の住所情報と紐づけられた周遊パストークンを発行し、発行した周遊パストークンを利用者に付与する。また、利用者が周遊エリアにおける施設(図11では、店舗または事業者の施設等)において周遊パスを利用する。周遊エリアにおける施設において、利用者の周遊パスが確認された場合、周遊エリアにおける施設は、サービスや商品を利用者に対して提供する。
【0050】
また、利用者の端末装置10は、周遊エリアにおける施設において利用した周遊パストークンの利用実績に関する実績情報を周遊パス事業者が管理する情報処理装置100に対して送信する。情報処理装置100は、端末装置10から実績情報を受信した場合、実績情報に基づいて、例えば、利用者が周遊パスを用いないで店舗を利用した場合の利用金額に相当する金銭的価値を有する周遊パストークンを利用者から店舗に移転する。また、情報処理装置100は、周遊パストークンの利用実績に関する実績情報に基づいて、図12で説明する判定を行う。
【0051】
図12では、情報処理装置100の判定部132は、指定された期間が経過したと判定した場合、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上であるか否かを判定する。判定部132によって周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上ではないと判定された場合、還元部133は、利用者に対して周遊パスの価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する。
【0052】
一方、判定部132は、周遊パストークンの利用実績に応じた利用金額の合計が周遊パスの価格以上であると判定した場合、利用者の住所情報に基づいて、利用者が周遊エリア内に住んでいるか否かを判定する。判定部132は、利用者が周遊エリア内に住んでいると判定した場合、処理を終了する。一方、判定部132によって利用者が周遊エリア内に住んでいないと判定された場合、還元部133は、利用者に対して所定の金銭的価値を還元する。例えば、還元部133は、利用者に対して周遊パスの価格の1割に相当する金銭的価値を利用者に対して還元する。なお、所定の金銭的価値は、周遊パスの価格の1割に限らず、周遊パスの価格の2割以上であってもよい。また、所定の金銭的価値は、あらかじめ定められた一定金額(例えば、1000円等)であってもよい。このように、還元部133は、利用金額の合計が企画割引商品の価格以上であると判定された場合、住所情報に基づいて、利用者が指定されたエリア内に住んでいるか否かを判定し、利用者が指定されたエリア内に住んでいないと判定した場合、利用者に対して第1の金額に相当する金銭的価値を還元する。
【0053】
図13は、実施形態の第3の変形例に係る利用者の買い回り実績に基づく金銭的価値の還元処理について説明するための図である。図13では、情報処理装置100が、実績情報に基づいて、利用者が周遊エリアにおけるA店舗を利用した後にB店舗を利用したか否かを判定し、利用者が周遊エリアにおけるA店舗を利用した後にB店舗を利用したと判定された場合、利用者に対してクーポンやポイント等の金銭的価値を還元する点が図9と異なる。
【0054】
図13では、図9と重複する部分の説明は省略する。図13では、判定部132は、周遊パストークンの利用実績に関する実績情報に基づいて、利用者が周遊エリアにおけるA店舗を利用した後にB店舗を利用したか否かを判定する。判定部132は、利用者が周遊エリアにおけるA店舗を利用した後にB店舗を利用しなかったと判定した場合、処理を終了する。一方、判定部132によって利用者が周遊エリアにおけるA店舗を利用した後にB店舗を利用したと判定された場合、還元部133は、利用者に対してクーポンやポイント等の金銭的価値を還元する。このように、判定部132は、実績情報に基づいて、利用者が指定されたエリアにおける第1の施設を利用した後に指定されたエリアにおける第1の施設とは異なる第2の施設を利用したか否かを判定する。還元部133は、利用者が第1の施設を利用した後に第2の施設を利用したと判定された場合、利用者に対して第2の金額に相当する金銭的価値を還元する。ここで、第2の金額は、対象店舗や対象商品・サービスごとに予め設定された金額でもよいし、対象店舗での利用金額または所定の金額(例えば、1万円等)の所定の割合(例えば、5%等)に相当する金額でもよい。例えば、還元部133は、利用者に対して、第2の金額に相当する金銭的価値として、第2の金額に相当するクーポンやポイント等のインセンティブを付与する。
【0055】
〔5.効果〕
上述してきたとおり、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と、判定部132と、還元部133とを備える。取得部131は、利用者の周遊を支援するために企画された企画割引商品であって、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を利用者が購入した際に付与されるトークンの利用実績に関する実績情報を取得する。判定部132は、実績情報に基づいて、トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する。還元部133は、利用金額の合計が企画割引商品の価格以上ではないと判定された場合、利用者に対して企画割引商品の価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する。
【0056】
これにより、情報処理装置100は、利用者にとって企画割引商品を利用することが損となる場合には、利用者に対して損となった金額に相当する金銭的価値を還元することにより、実質的に利用者が損をしないようにすることができる。したがって、情報処理装置は、利用者が周遊支援サービスを利用する際の利便性を向上させることができる。
【0057】
また、判定部132は、指定された期間が経過したか否かを判定し、指定された期間が経過したと判定した場合、利用金額の合計が企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する。
【0058】
これにより、情報処理装置100は、企画割引商品について指定された期間内の利用金額の合計に基づいて、利用者にとって企画割引商品を利用することが損となるか否かを適切に判定することができる。
【0059】
また、取得部131は、利用者の住所に関する住所情報を取得する。還元部133は、利用金額の合計が企画割引商品の価格以上であると判定された場合、住所情報に基づいて、利用者が指定されたエリア内に住んでいるか否かを判定し、利用者が指定されたエリア内に住んでいないと判定した場合、利用者に対して第1の金額に相当する金銭的価値を還元する。
【0060】
これにより、情報処理装置100は、利用者が指定されたエリア内に住んでいるか否かに応じて金銭的価値を還元することができる。
【0061】
また、判定部132は、実績情報に基づいて、利用者が指定されたエリアにおける第1の施設を利用した後に指定されたエリアにおける第1の施設とは異なる第2の施設を利用したか否かを判定する。還元部133は、利用者が第1の施設を利用した後に第2の施設を利用したと判定された場合、利用者に対して第2の金額に相当する金銭的価値を還元する。
【0062】
これにより、情報処理装置100は、利用者に対して、例えば、スタンプラリーのような周遊を促すことができる。
【0063】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100または端末装置10等の情報機器は、例えば図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図14は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。以下、実施形態に係る情報処理装置100を例に挙げて説明する。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0064】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0065】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0066】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0067】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0068】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0069】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0070】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0071】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0072】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 判定部
133 還元部
【要約】
【課題】利用者が周遊支援サービスを利用する際の利便性を向上させる。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、利用者の周遊を支援するために企画された企画割引商品であって、指定された期間に指定されたエリアにおける施設を利用可能な企画割引商品を利用者が購入した際に付与されるトークンの利用実績に関する実績情報を取得する取得部と、実績情報に基づいて、トークンの利用実績に応じた利用金額の合計が企画割引商品の価格以上であるか否かを判定する判定部と、利用金額の合計が企画割引商品の価格以上ではないと判定された場合、利用者に対して企画割引商品の価格と利用金額の合計との差額に相当する金銭的価値を還元する還元部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14