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特許7564362経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法
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  • 特許-経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/74 20220101AFI20241001BHJP
【FI】
H04L45/74
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023528534
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2021096321
(87)【国際公開番号】W WO2022100060
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】202011259838.4
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110281708.9
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510268565
【氏名又は名称】中国科学院声学研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF ACOUSTICS, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジンリィン
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ,ジアリー
(72)【発明者】
【氏名】チァン,ガァン
(72)【発明者】
【氏名】スゥン,パァン
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0149531(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0103128(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110545243(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109309618(CN,A)
【文献】特表2012-510774(JP,A)
【文献】特開2002-354005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法であって、
前記経路に従って宛先アドレスを変更するルーティング及び転送方法を用いるネットワークにおいて、
ネットワークにおけるすべてのネットワークエレメントエンティティは、ホスト、デバイス、データ及びサービスを含み、各ネットワークエレメントエンティティは、一意で不変である識別子(ID)により識別され、各ネットワークエレメントエンティティの識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係は、サービスレベルに基づく解析サービスシステムにより保持され、
前記サービスレベルは、測定により定義された差別化サービスを指し、該定義は、ネットワーク測定の応答遅延に基づいて定義されたサービスレベル、地理的距離の測定により定義されたサービスレベル、セマンティック相関の測定及び計算により定義されたサービスレベル、及び上記いずれか2つ又は3つの情報の組み合わせに基づいて定義されたサービスレベルを含み、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイスは、ネットワーク層データメッセージを受信した後、該ネットワーク層データメッセージのネットワークアドレスフィールド及びネットワークアドレス拡張フィールドを書き替え、書き替えられたメッセージネットワークアドレスフィールド及びネットワークアドレス拡張フィールドに基づいて、メッセージの再構築によって転送メッセージを形成して、転送テーブルに基づいて転送することができ、転送テーブルは、位置に基づくルーティング方法によって計算及び保持され、
前記ネットワーク層データメッセージは、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、ネットワークアドレスフィールド、ネットワークアドレス拡張フィールド、セッション中に変更されないID識別フィールドを含み、さらに、伝送要件に対するアプリケーションのプリファレンスフィールドを含み、該プリファレンスフィールドは、アプリケーションに関連する特定のパラメータを含み、該アプリケーションに関連する特定のパラメータは、サービス品質要件及びアプリケーションプリファレンスを含む、
ことを特徴とする、経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項2】
前記サービスレベルに基づく解析サービスシステムにおいて、該解析サービスシステムは1つ又は複数のサービスレベルを含み、識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係を保持して、複数のサービスレベルの解析サービスを提供することが可能な分散型照会サービスシステムであり、
該解析サービスシステムはサービスレベルに基づく階層型構造の分散型システムであり、該分散型システムを構成する各分散型ノードは、いずれも1つ又は複数の隣接エリアノードリストを保持し、且つ前記1つ又は複数の隣接エリアノードリストにおけるノードは、同一の解析要求に連携して応答し、
すべての識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係は、解析サービスシステムにおいて登録及び管理され、
前記解析サービスシステムは、新規登録サービス機能、検索サービス機能、照会サービス機能及び管理サービス機能を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載された経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項3】
前記サービスレベルに基づく階層型構造の分散型システムにおいて、該分散型システムは、単層構造又は多層構造であり、
前記分散型システムにおける同一階層のノードは、同じサービスレベルを有するが、異なる層のノードは、異なるサービスレベルを有し、
あるユーザーのあるサービスレベルでのサービスノードは、該ユーザーが該サービスノードにおいて該サービスレベルに対応するサービス性能で解析照会サービスを取得することができることを示し、
あるサービスノードがあるユーザーを持つことは、該サービスノードが該サービスレベルに対応するサービス性能の解析照会サービスを該ユーザーに提供することができることを示す、
ことを特徴とする、請求項2に記載された経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項4】
前記サービスレベルに基づく階層型構造の分散型システムにおいて、1つのユーザーノードは、同じサービスレベルに属する1つ又は複数のサービスノードを有し、あるサービスレベルに複数のサービスノードがある場合に、該サービスレベルにおいては1つのみのサービスノードがマスターノードであり、
ユーザーにサービスを提供する各サービスレベルにおけるすべてのマスターノードは、ネスト構造になっており、サービスレベルjのマスターノードが持つすべてのユーザーは、必ずサービスレベルjよりも高いサービスレベルのマスターノードが持つユーザーでもなければならず、
ユーザーがuであると仮定し、msi,jがuにサービスレベルjで選択されたマスターノードであり、Φ(msi,j)がマスターノードmsi,jがサービスを提供するユーザーセットであり、サービスレベルk>サービスレベルjである場合、
【数1】
であり、
マスターノードは、選択関数により定義されたもの又は割り当て方式で決定されたものである、
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載された経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項5】
前記隣接エリアノードリストは、ノード自体が保持する局所的に自律するノードリストであり、該ノードが隣接エリア判定基準に従ってネットワークの一部におけるサービスノードを選択して隣接エリアノードリストを構築し、
複数の基準に従う場合には、複数の隣接エリアノードリストを構築することができ、
隣接エリア判定基準は、
ネットワーク遅延測定基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノードと候補隣接エリアノードとの間の遅延が所定の閾値よりも小さいときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加する、ことと、
地理位置距離基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノードと候補隣接エリアノードとの物理的距離が所定の距離閾値よりも小さいときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加する、ことと、
セマンティック相関基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノード及び候補隣接エリアノードに格納されているコンテンツの関連性が高いときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加し、ここで、関連性とは、セマンティック計算によって2つのノードに格納されているコンテンツの類似性を得ることを意味する、ことと、
構造関係基準に基づいて隣接エリアを構築し、すべてのサービスノードが1つのツリー構造を構成するときに、該ツリー構造における子孫ノード又はさらなる子孫ノードを隣接エリアに構成することと、を含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載された経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の隣接エリアノードリストにおけるノードは、同一の解析要求に連携して応答し、各ノードが保持する隣接エリアノードリストにおけるノードは、ノード自体の代替として又はノードと並行してサービスを提供することができ、
代替可能であること又は並行することの判定条件は、
ノード自体の負荷が大きすぎてサービスレベルの要件において要求に応答するのが困難であり、且つノード自体と同じサービス機能を有する隣接エリアノードが該要求に対してレベル要件に適合するサービスを提供することができる、ことと、
ノード自体に所要のコンテンツが記憶されておらず、且つ関連する隣接エリアノードが該所要のコンテンツを有しておりユーザーに必要なサービスレベルのサービスを提供することができる、ことと、
同時要求が多数発生した場合に、複数の隣接エリアノードがサービス要件を同時に充たすことができ、分路の要求を実行することができることと、を含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載された経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項7】
前記ネットワークアドレス拡張フィールドについて、その情報は、宛先ID識別子に対応するコンテンツにおける複数の候補記憶アドレスセット情報又はその参照情報、同一のデバイスID識別子における複数の候補ネットワークアドレスセット情報又はその参照情報、及びネットワーク層処理指示情報を含み、前記参照情報がポインタ及びオフセットを含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載された経路に従って宛先アドレスを変更することによるメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項8】
前記ネットワーク層データメッセージのネットワークアドレスフィールド及びネットワークアドレス拡張フィールドを書き替える具体的なプロセスは、
前記ネットワーク層データメッセージに含まれるID識別子に基づいて、応答サービスレベル要件に適合する解析サービスを解析サービスシステムに要求して、該ID識別子における新たな宛先アドレスを取得し、且つ該新たな宛先アドレスで前記ネットワーク層データメッセージのネットワークアドレスフィールドを書き替えて、書き替えられたネットワークアドレスフィールドを取得する、ステップ1)と、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイス自体が識別したネットワークステータス及び前記ネットワーク層データメッセージに含まれる可能性があるネットワークアドレス及びネットワークアドレス拡張フィールド情報に基づいて、ネットワークアドレス拡張フィールドにおける候補アドレスセット情報又はその参照情報から候補アドレスセットを取得し、
該候補アドレスセットとID識別子に基づいて解析サービスシステムを照会して取得されたアドレスとで構成されるセットにおいて、そのサブセットを選択してソートし、事前に設定されたポリシーに従って適切なアドレスを新たな宛先アドレスとして選択して前記ネットワーク層データメッセージのネットワークアドレスフィールドに書き込んで、選択された部分のサブセットを選別し、選別された内容をネットワークアドレス拡張フィールドにおける対応位置に書き戻す、ステップ2)と、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイス自体が識別したネットワークステータス及び前記ネットワーク層データメッセージに含まれる可能性があるネットワークアドレス拡張フィールド情報に基づいて、事前に設定されたポリシーに従って新たなネットワークアドレス拡張フィールドにおけるフィールド情報の一部を計算して、前記ネットワーク層データメッセージにおけるネットワークアドレス拡張フィールドにおける対応部分を書き替えて、書き替えられたNA Expandedフィールドを取得する、ステップ3)と、を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載された経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【請求項9】
前記メッセージ再構築の具体的なプロセスは、
書き替えられたネットワークアドレスフィールド及び書き替えられたネットワークアドレス拡張フィールドのメッセージを現在のネットワークがサポートしているメッセージフォーマットに改めて構築して、新たな宛先アドレスの転送テーブルに基づいて転送することである、
ことを特徴とする、請求項1に記載された経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年11月12日に出願した中国特許出願第2020112598384号と、2021年3月16日に出願した中国特許出願第2021102817089号とに基づく優先権を主張し、上記2つの中国特許出願の全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、コンピュータネットワークの技術分野に属し、具体的には、経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のネットワークにおけるメッセージのルーティング及び転送方法において、ルーティングアルゴリズムは、経路を計算した後、後続の伝送プロセスにおいて経路の動的修正を行うことができない。しかし、ネットワークステータスが常に変化するので、前のタイミングに適切であった経路が次のタイミングに輻輳している可能性があり、現在の方法において、経路を直ちに調整及び迂回することができず、サービス性能が著しく低下する場合が多い。
【0003】
SDNの発展に伴い、制御プレーンとデータプレーンとを分離することによって、ネットワークステータスの識別及び制御がより柔軟になり、ネットワーク識別機能も徐々に向上するとともに、移動体通信、コンテンツの効率的な配信、マルチホストネットワーク伝送などのシーンにおいて、メッセージ伝送プロセスにおけるマルチアドレス及びアドレス変更処理ニーズがあり、メッセージの伝送プロセスにおいてアドレスを動的に変更させ、伝送経路を変更させる方法は、重要な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、ネットワーク伝送性能を向上させることにより、識別されたネットワークステータスに直ちに対応することが可能な、経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法は、前記経路に従って宛先アドレスを変更するルーティング及び転送方法を用いるネットワークにおいて、
ネットワークにおけるすべてのネットワークエレメントエンティティは、ホスト、デバイス、データ及びサービスを含むが、それらに限定されず、各ネットワークエレメントエンティティは、一意で不変である識別子(ID)により識別され、各ネットワークエレメントエンティティの識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係は、サービスレベルに基づく解析サービスシステムにより保持され、
前記サービスレベルは、測定により定義された差別化サービスを指し、該定義は、ネットワーク測定の応答遅延に基づいて定義されたサービスレベル、地理的距離の測定により定義されたサービスレベル、セマンティック相関の測定及び計算により定義されたサービスレベル、及び上記いずれか2つ又は3つの情報の組み合わせに基づいて定義されたサービスレベルを含むが、それらに限定されず、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイスは、ネットワーク層データメッセージを受信した後、該メッセージのネットワークアドレスフィールド及びネットワークアドレス拡張フィールドを書き替え、書き替えられたメッセージネットワークアドレスフィールド及びネットワークアドレス拡張フィールドに基づいて、メッセージの再構築によって転送メッセージを形成して、転送テーブルに基づいて転送することができ、転送テーブルは、位置に基づくルーティング方法によって計算及び保持されてもよく、
前記データメッセージは、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、ネットワークアドレスフィールド、ネットワークアドレス拡張フィールド、セッション中に変更されないID識別フィールドを含み、さらに、伝送要件に対するアプリケーションのプリファレンスフィールドを含み、該プリファレンスフィールドは、アプリケーションに関連する特定のパラメータを含み、該アプリケーションに関連する特定のパラメータは、サービス品質要件及びアプリケーションプリファレンスを含むが、それらに限定されない。
【0006】
上記技術案の改良の1つとして、前記サービスレベルに基づく解析サービスシステムにおいて、該解析サービスシステムは、1つ又は複数のサービスレベルを含み、識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係を保持して、複数のサービスレベルの解析サービスを提供することが可能な分散型照会サービスシステムであり、
該解析サービスシステムは、サービスレベルに基づく階層型構造の分散型システムであり、該分散型システムを構成する各分散型ノードは、いずれも1つ又は複数の隣接エリアノードリストを保持し、且つ前記1つ又は複数の隣接エリアノードリストにおけるノードは、同一の解析要求に連携して応答し、
すべての識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係は、解析サービスシステムにおいて登録及び管理され、
なお、前記解析サービスシステムは、新規登録サービス機能、検索サービス機能、照会サービス機能及び管理サービス機能を含むが、それらに限定されない。
【0007】
上記技術案の改良の1つとして、前記サービスレベルに基づく階層型構造の分散型システムにおいて、該分散型システムは、単層構造又は多層構造であり、
前記分散型システムにおける同一階層のノードは、同じサービスレベルを有するが、異なる層のノードは、異なるサービスレベルを有し、
あるユーザーのあるサービスレベルでのサービスノードは、該ユーザーが該サービスノードにおいて該サービスレベルに対応するサービス性能で解析照会サービスを取得することができることを示し、
あるサービスノードがあるユーザーを持つことは、該サービスノードが該サービスレベルに対応するサービス性能の解析照会サービスを該ユーザーに提供することができることを示す。
【0008】
上記技術案の改良の1つとして、前記サービスレベルに基づく階層型構造の分散型システムにおいて、1つのユーザーノードは、同じサービスレベルに属する1つ又は複数のサービスノードを有し、あるサービスレベルに複数のサービスノードがある場合に、該サービスレベルにおいては1つのみのサービスノードがマスターノードであり、
該ユーザーにサービスを提供する各サービスレベルにおけるすべてのマスターノードは、ネスト構造になっており、該ユーザーがサービスレベルjのマスターノードに持つすべてのユーザーも必ず該ユーザーがサービスレベルjよりも高いマスターノードに持つユーザーでなければならず、
ユーザーがuであると仮定し、msi,jがuにサービスレベルjで選択されたマスターノードであり、Φ(msi,j)がマスターノードmsi,jがサービスを提供するユーザーセットであり、サービスレベルk>サービスレベルjである場合、
【数1】

であり、
マスターノードは、選択関数により定義されたもの又は割り当て方式で決定されたものである。
【0009】
上記技術案の改良の1つとして、前記隣接エリアノードリストは、ノード自体が保持する局所的に自律するノードリストであり、該ノードが隣接エリア判定基準に従ってネットワークの一部におけるサービスノードを選択して隣接エリアノードリストを構築し、
複数の基準に従う場合には、複数の隣接エリアノードリストを構築することができ、
なお、隣接エリア判定基準は、
ネットワーク遅延測定基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノードと候補隣接エリアノードとの間の遅延が所定の閾値よりも小さいときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加する、ことと、
地理位置距離基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノードと候補隣接エリアノードとの物理的距離が所定の距離閾値よりも小さいときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加する、ことと、
セマンティック相関基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノード及び候補隣接エリアノードに格納されているコンテンツの関連性が高いときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加し、ここで、関連性とは、セマンティック計算によって2つのノードに格納されているコンテンツの類似性を得ることを意味する、ことと、
構造関係基準に基づいて隣接エリアを構築し、すべてのサービスノードが1つのツリー構造を構成するときに、該ツリー構造における子孫ノード又はさらなる子孫ノードを隣接エリアに構成することと、を含むが、それらに限定されない。
【0010】
上記技術案の改良の1つとして、前記1つ又は複数の隣接エリアノードリストにおけるノードは、同一の解析要求に連携して応答し、各ノードが保持する隣接エリアノードリストにおけるノードは、ノード自体の代替として又はノードと並行してサービスを提供することができ、
代替可能であること又は並行することの判定条件は、
ノード自体の負荷が大きすぎてサービスレベルの要件において要求に応答するのが困難であり、且つノート自体と同じサービス機能を有する隣接エリアノードが、該要求に対してレベル要件に適合するサービスを提供することができる、ことと、
ノード自体に所要のコンテンツが記憶されておらず、且つ関連する隣接エリアノードが該所要のコンテンツを有しておりユーザーに必要なサービスレベルのサービスを提供することができる、ことと、
同時要求が多数発生した場合に、複数の隣接エリアノードは、サービス要件を同時に充たすことができ、分路の要求を実行することができることと、を含むが、それらに限定されない。
【0011】
上記技術案の改良の1つとして、前記ネットワークアドレス拡張フィールドについて、その情報は、宛先ID識別子に対応するコンテンツにおける複数の候補記憶アドレスセット情報又はその参照情報、同一のデバイスID識別子における複数の候補ネットワークアドレスセット情報又はその参照情報、及びネットワーク層処理指示情報を含むが、それらに限定されず、前記参照情報がポインタ及びオフセット量を含むが、それらに限定されない。
【0012】
上記技術案の改良の1つとして、前記データメッセージのネットワークアドレスフィールド、及びネットワークアドレス拡張フィールドを書き替える具体的なプロセスは、
データメッセージに含まれるID識別子に基づいて、応答サービスレベル要件に適合する解析サービスを解析サービスシステムに要求して、該ID識別子における新たな宛先アドレスを取得し、且つ該新たな宛先アドレスで該データメッセージのネットワークアドレスフィールドを書き替えて、書き替えられたネットワークアドレスフィールドを取得する、ステップ1)と、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイス自体が識別したネットワークステータス及び該データメッセージに含まれる可能性があるネットワークアドレス及びネットワークアドレス拡張フィールド情報に基づいて、ネットワークアドレス拡張フィールドにおける候補アドレスセット情報又はその参照情報から候補アドレスセットを取得し、
該候補アドレスセットとID識別子に基づいて解析サービスシステムを照会して取得されたアドレスとで構成されるセットにおいて、そのサブセットを選択してソートし、事前に設定されたポリシーに従って適切なアドレスを新たな宛先アドレスとして選択して該データメッセージのネットワークアドレスフィールドに書き込んで、選択された部分のサブセットを選別し、選別された内容をネットワークアドレス拡張フィールドにおける対応位置に書き戻す、ステップ2)と、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイス自体が識別したネットワークステータス及び該データメッセージに含まれる可能性があるネットワークアドレス拡張フィールド情報に基づいて、事前に設定されたポリシーに従って新たなネットワークアドレス拡張フィールドにおけるフィールド情報の一部を計算して、該データメッセージにおけるネットワークアドレス拡張フィールドにおける対応部分を書き替えて、書き替えられたNA Expandedフィールドを取得する、ステップ3)と、を含む。
【0013】
上記技術案の改良の1つとして、前記メッセージ再構築の具体的なプロセスは、
書き替えられたネットワークアドレスフィールド及び書き替えられたネットワークアドレス拡張フィールドのメッセージを現在のネットワークがサポートしているメッセージフォーマットに改めて構築して、新たな宛先アドレスの転送テーブルに基づいて転送する、ことである。
【発明の効果】
【0014】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0015】
本発明に係る方法は、ネットワークが識別したステータス情報によってルーティング及び転送プロセスを直ちに最適化及び調整し、転送経路の選択及び計算によって各ホップに適切な転送経路を選択することにより、ネットワーク全体のルーティング及び転送性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本発明に係る経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明は、経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法を提供し、前記経路に従って宛先アドレスを変更するメッセージのルーティング及び転送方法を用いるネットワークにおいて、その方法は具体的に以下のとおりである。
【0019】
(1)ネットワークにおけるすべてのネットワークエレメントエンティティは、ホスト、デバイス、データ及びサービスを含むが、それらに限定されず、一意で不変である識別子(ID)により識別される。各ネットワークエレメントエンティティの識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係は、サービスレベルに基づく解析サービスシステムにより保持される。
なお、サービスレベルとは、測定により定義された差別化サービスを指し、該定義は、ネットワーク測定の応答遅延に基づいて定義されたサービスレベル、地理的距離の測定により定義されたサービスレベル、セマンティック相関の測定及び計算により定義されたサービスレベル、及び上記いずれか2つ又は3つの情報の組み合わせにより定義されたサービスレベルを含むが、それらに限定されない。
【0020】
(2)上記サービスレベルに基づく解析サービスシステムにおいて、
該解析サービスシステムは、1つ又は複数のサービスレベルを含み、識別子(ID)と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係を保持して、複数のサービスレベルの解析サービスを提供することが可能な分散型照会サービスシステムである。
なお、サービスレベルとは、測定により定義された差別化サービスを指し、該定義は、ネットワーク測定の応答遅延に基づいて定義されたサービスレベル、地理的距離に基づいて定義されたサービスレベル、セマンティック相関に基づいて定義されたサービスレベル、並びに上記いずれか2つ又は3つのサービスレベルの複数の組み合わせを含むが、それらに限定されない。
すべてのID識別子と、対応するネットワークアドレスとのマッピング関係は、解析サービスシステムにおいて登録及び管理を行う。解析システムは、登録、検索、管理及び照会サービス機能を含むが、それらに限定されない。
【0021】
該解析サービスシステムは、サービスレベルに基づく階層型構造の分散型解析システムであり、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
同一階層のノードは、同じサービスレベルを有するが、異なる層のノードは、異なるサービスレベルを有する。
【0022】
あるサービスレベルのサービスノードは、あるユーザーにサービスを提供することができ、該ユーザーの識別子(ID)とネットワークアドレスとの対応関係を示し、該サービスノードにおいて、該サービスレベルに対応するサービス性能で照会することができる。
【0023】
該システムを構成する各分散型ノードは、いずれも1つ又は複数の隣接エリアノードリストを保持し、且つ前記1つ又は複数の隣接エリアノードリストにおけるノードは同じ解析要求に連携して応答することができる。
ここで、前記隣接エリアノードリストは、ノード自体が保持する局所的に自律するノードリストであり、該ノードが隣接エリア判定基準に従ってネットワークの一部におけるサービスノードを選択して隣接エリアノードリストを構築し、
複数の基準に従う場合には、複数の隣接エリアノードリストを構築することができる。
【0024】
隣接エリア判定基準は、
ネットワーク遅延測定基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノードと候補隣接エリアノードとの間の遅延が所定の閾値よりも小さいときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加する、ことと、
地理位置距離基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノードと候補隣接エリアノードとの物理的距離が所定の距離閾値よりも小さいときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加する、ことと、
セマンティック相関基準に基づいて隣接エリアを構築し、ノード及び候補隣接エリアノードに格納されているコンテンツの関連性がより高いときに、該候補隣接エリアノードを隣接エリアノードリストに追加し、ここで、関連性とは、セマンティック計算によって2つのノードに格納されているコンテンツの類似性を得ることを意味する、ことと、
構造関係基準に従って隣接エリアを構築し、すべてのサービスノードが1つのツリー構造を構成するときに、該ツリー構造における子孫ノード又はさらなる子孫ノードを隣接エリアに構成することと、を含むが、それらに限定されない。
【0025】
さらに、1つ又は複数の隣接エリアノードリストにおけるノードは、同一の解析要求に連携して応答し、各ノードが保持する隣接エリアノードリストにおけるノードは、ノード自体の代替として又はノードと並行してサービスを提供することができ、
なお、代替可能であること又は並行することの判定条件は、
一、ノード自体の負荷が大きすぎてサービスレベルの要件において要求に応答するのが困難であり、且つノード自体と同じサービス機能を有する隣接エリアノードが該要求に対してレベル要件に適合するサービスを提供することができる、ことと、
二、ノード自体に所要のコンテンツが記憶されておらず、且つ関連する隣接エリアノードが該所要のコンテンツを有しておりユーザーに必要なサービスレベルのサービスを提供することができる、ことと、
三、同時要求が多数発生した場合に、複数の隣接エリアノードがサービス要件を同時に充たすことができ、分路の要求を実行することができることと、を含むが、それらに限定されない。
【0026】
1つのユーザーノードは、同じサービスレベルに属する1つ又は複数のサービスノードを有し、あるサービスレベルに複数のサービスノードがある場合に、該サービスレベルにおいては1つのみのサービスノードがマスターノードである。
なお、該ユーザーにサービスを提供する各サービスレベルにおけるすべてのマスターノードはネスト構造になっており、該ユーザーがサービスレベルjのマスターノードに持つすべてのユーザーも必ず該ユーザーがサービスレベルjよりも高いマスターノードに持つユーザーでなければならず、
ユーザーがuであると仮定し、msi,jがuにサービスレベルjで選択されたマスターノードであり、Φ(msi,j)がマスターノードmsi,jがサービスを提供するユーザーセットであり、サービスレベルk>サービスレベルjである場合、
【数2】

である。
なお、マスターノードは、選択関数により定義されたもの又は割り当て方式で決定されたものであってもよい。
【0027】
前記データメッセージは、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、ネットワークアドレスフィールド(NAアドレスフィールド)、ネットワークアドレス拡張フィールド(NA Expandedフィールド)、セッション中に変更されないID識別フィールドを含み、さらに、伝送要件に対するアプリケーションのプリファレンス(Preference)フィールドを含み、該プリファレンスフィールドは、アプリケーションに関連する特定のパラメータを含み、該特定パラメータは、サービス品質要件、アプリケーションプリファレンスを含むが、それらに限定されない。
【0028】
NAアドレスフィールドとNA Expandedフィールドは、いずれもルーティング及び転送プロセスにおいて動的に書き替えられることができる。
【0029】
(3)ネットワークルーティング及びスイッチングデバイスは、データメッセージを受信した後、該メッセージのNAアドレスフィールド及びNA Expandedフィールドを書き替えることができる。
NAアドレスフィールド及びNA Expandedフィールドを書き替える具体的なプロセスは、
データメッセージに含まれるID識別子に基づいて、応答サービスレベル要件に適合する解析サービスを解析サービスシステムに要求して、該ID識別子における新たな宛先アドレスを取得し、且つ該新たな宛先アドレスで該データメッセージのNAアドレスフィールドを書き替えて、書き替えられたNAアドレスフィールドを取得する、ステップ1)と、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイス自体が識別したネットワークステータス及び該データメッセージに含まれる可能性があるネットワークアドレス及びネットワークアドレス拡張フィールド情報に基づいて、NA Expandedフィールドの候補アドレスセット情報又はその参照情報から候補アドレスセットを取得し、
該候補アドレスセットとID識別子に基づいて解析サービスシステムを照会して取得されたアドレスとで構成されるセットにおいて、そのサブセットを選択してソートし、事前に設定されたポリシーに従って適切なアドレスを新たな宛先アドレスとして選択して該データメッセージにおけるNAアドレスフィールドに書き込んで、選択された部分のサブセットを選別し、選別された内容をNA Expandedフィールドにおける対応位置に書き戻す、ステップ2)と、
ネットワークルーティング及びスイッチングデバイス自体が識別したネットワークステータス並びに該データメッセージに含まれる可能性があるNA Expandedフィールド情報に基づいて、事前に設定されたポリシーに従って新たなNA Expandedフィールドにおけるフィールド情報の一部を計算して、該データメッセージにおけるNA Expandedフィールドにおける対応部分を書き替えて、書き替えられたNA Expandedフィールドを取得する、ステップ3)と、を含む。
【0030】
NA Expandedフィールドについて、その情報は、宛先IDに対応するコンテンツにおける複数の候補記憶アドレスセット情報又はその参照情報、同一のデバイスIDにおける複数の候補ネットワークアドレスセット情報又はその参照情報、及びネットワーク層処理指示情報を含むが、それらに限定されない。前記参照情報はポインタ及びオフセットを含むが、それらに限定されない。
【0031】
(4)ネットワークルーティング及びスイッチングデバイスは、書き替えられたメッセージのNAフィールド及びNA Expandedフィールドに基づいて、メッセージの再構築によって転送メッセージを形成して、新たな宛先アドレスの転送テーブルに基づいて転送する。該転送テーブルは、位置に基づくルーティング方法、例えばIPプロトコルを使用して計算及び保持されるものであってもよい。
【0032】
具体的には、メッセージの再構築は、書き替えられたNAアドレスフィールド又はNA Expandedフィールドのメッセージを現在のネットワークがサポートしているメッセージフォーマットに改めて構築して、新たな宛先アドレスの転送テーブルに基づいて転送する。
【0033】
実施例1
ネットワークにおけるすべてのネットワークエレメントエンティティは、ホスト、デバイス、データ及びサービスを含み、一意で不変である識別子(ID)により識別され、IPをネットワークアドレスとしてルーティングするものである。
【0034】
解析サービスシステムは、ネットワークエレメントエンティティのID識別子と対応するネットワークアドレス(即ち、IPアドレス)とのマッピング関係を保持する。ここで、解析サービスシステムは、遅延差別化されたサービスを提供し、ネットワーク測定により取得された異なる遅延範囲が異なるサービスレベルであり、該解析サービスシステムは、解析遅延のdms、dms、dms…など異なるサービスレベルにおける解析サービスを提供する。
【0035】
データメッセージは、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信元アドレスs、宛先アドレスts、ID識別フィールドid及び候補アドレスセット情報CTS={ts,ts…}を含む。なお、初期ではCTSがヌルである。データメッセージは、アプリケーションに関連する特定のパラメータR={r,r…}を含むアプリケーション要件情報を更に含み、該関連する特定のパラメータは、サービス品質要件、アプリケーションプリファレンスを含むが、それらに限定されない。なお、ネットワークルーティング及びスイッチングデバイスは、スイッチであり、その伝送プロセスにおけるアドレスの書き替え及び転送のステップは図1に示される。
【0036】
1)各転送において、まず現在のノードアドレスがメッセージを転送する宛先アドレスであるかどうかを判断し、YESの場合には、転送を停止し、NOの場合には、スイッチは、解析サービスシステムによってデータメッセージに含まれるidを解析して照会し、スイッチが受信したメッセージ解析サービスレベル1に対する要件に応じて、解析サービスシステムにおける1サービスレベルに対応するサービスノードに解析照会要求を送信し、解析サービスノードは、1サービスレベルのサービス性能要件範囲内に結果を返送する必要がある。そうすると、該返送結果はヌル(即ち、CIP=null)を返送する可能性もあれば、1つのIPアドレスセット、即ち候補アドレスセットCIP={cip1,cip2…cipn}を返送する可能性もあり、ここで、n>=1である。
【0037】
2)スイッチは、返送された候補アドレスセットCIPを受信した後、CIPを候補アドレスフィールドCTSに追加して、変更後の候補アドレスセットCTS′を取得し、即ちCTS′=CTS∪CIPであり、且つ選択関数に基づいてその中のアドレスを選択し、
tip=S(CTS′,R,NS)であり、
ここで、S(X,Y,Z)が選択関数であり、X値が変更後の候補アドレスセットCTS′であり、Y値がパラメータセットRであり、Z値がネットワークステータス情報セットNS、例えばポート負荷、リンク帯域幅などであり、
tipが最終的に選択された選択関数の要件に適合するipアドレスであって、次のホップの転送アドレス、即ち新たな宛先アドレスとされる。S(X,Y,Z)が選択された最小ポート負荷に対応するアドレスであって、次のホップのアドレスとされ、
候補ノードリストCTS1=DEL(CTS,R,NS)を計算する。
ここで、DEL(X,Y,Z)が候補アドレスリストにおけるクリッピング関数であり、該クリッピング関数がサービス要件に応じて定義されてもよい。
ポート負荷が閾値を超える対応する候補アドレスを削除する必要がある場合、性能の要件に適合しないノードを変更後の候補アドレスセットCTS′セットから削除し、削除後の候補ノードリストを前のリストの代わりに使用する。
【0038】
ここで、DEL(X,Y,Z)は、ポート負荷が閾値THLよりも大きなすべての候補ノードを削除することである。
【0039】
3)新たに選択された宛先アドレスと、前の送信元アドレスs及びID識別子idと、変更後の候補アドレスセットCTS′とによって、現在のネットワークがサポートするメッセージフォーマットを有する新たなIPデータメッセージを再構築し、且つIPルーティング及び転送メカニズムによってIPルーティングプロトコルに基づいて新たな宛先アドレスの転送テーブルに従ってメッセージ転送を行う。
【0040】
4)宛先アドレスtsに到達するまで上記プロセスを継続して繰り返し実行する。
【0041】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は単に本発明の技術案を説明するためのものであって、制限するものではない。実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解されるように、本発明の技術案を修正又は等価置換するものは、いずれも本発明の技術案の主旨及び範囲を逸脱するものではなく、それらはいずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
図1