(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】バーコード読み取り用の補光モジュールおよびバーコード読み取りデバイス
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20241001BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20241001BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20241001BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20241001BHJP
【FI】
G06K7/10 376
G03B15/05
G03B15/02 G
G06K7/10 408
G06K7/10 416
H04N23/56
(21)【出願番号】P 2023532384
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2021133667
(87)【国際公開番号】W WO2022111650
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】202011356108.6
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022794534.X
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519059292
【氏名又は名称】杭州海康机器人股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Hikrobot Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 304, Unit B, Building 2, 399 Dangfeng Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊帆
(72)【発明者】
【氏名】劉娟
【審査官】田中 啓介
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-522628(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024745(WO,A1)
【文献】特開2010-181938(JP,A)
【文献】特開2009-048549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B15/00-15/16
G06K7/00-7/14
G06K17/00-19/18
H04N5/222-5/257
H04N23/00、23/40-23/76
H04N23/90-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの偏光アセンブリ(30)を含み、
前記偏光アセンブリ(30)のそれぞれがカメラウィンドウ(211)に対して偏心配置されており、かつ、前記偏光アセンブリ(30)のそれぞれが、補光光源(30a)と、前記補光光源(30a)に対して偏光結像を行う偏光レンズ(30b)とを含み、
コード読み取りカメラ(80)が前記カメラウィンドウ(211)を通してコードを読んで結像する時に、各前記偏光アセンブリ(30)において前記偏光レンズ(30b)によって前記補光光源(30a)に対して偏光結像を行って形成した補光光スポットは、前記コード読み取りカメラ(80)の目標結像距離でのカメラ視野における指定された視野領域へ収束し、重なって、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である重畳光スポットを形成し、
前記指定された視野領域は、前記重畳光スポットの光スポット範囲内に入っており、前記重畳光スポットの輪郭は、前記指定された視野領域の境界へ収斂
し、
前記コード読み取りカメラ(80)の前記目標結像距離でのカメラ視野は、近点視野と遠点視野とを含み、前記近点視野は前記目標結像距離を基準として近位端側に向かって延びている前側被写界深度の近位端側の境界に位置し、前記遠点視野は前記目標結像距離を基準として遠位端側に向かって延びている後側被写界深度の遠位端側の境界に位置し、
前記重畳光スポットは前記近点視野から前記遠点視野までの視野被写界深度区間をカバーする、
バーコード読み取り用の補光モジュール。
【請求項2】
各前記偏光アセンブリ(30)の前記偏光レンズ(30b)は、前記重畳光スポットを矩形状にするように配置されている、
請求項1に記載の補光モジュール。
【請求項3】
前記指定された視野領域は前記コード読み取りカメラ(80)の第1視野領域であり、前記コード読み取りカメラ(80)は、前記第1視野領域に対する解像力が前記第1視野領域を囲む第2視野領域に対する解像力より高い、
請求項1に記載の補光モジュール。
【請求項4】
前記偏光アセンブリ(30)は、第1方向において間隔を置いて配置された第1偏光アセンブリ(31)および第2偏光アセンブリ(32)を含み、
前記第1偏光アセンブリ(31)は第1補光光源(31a)と第1偏光レンズ(31b)とを含み、
前記第2偏光アセンブリ(32)は第2補光光源(32a)と第2偏光レンズ(32b)とを含み、
前記第1偏光レンズ(31b)が前記第1補光光源(31a)に対して予め設定された第1指定距離で偏光結像を行って形成した補光光スポットと、前記第2偏光レンズ(32b)が前記第2補光光源(32a)に対して予め設定された第2指定距離で偏光結像を行って形成した補光光スポットとは、前記コード読み取りカメラ(80)の前記指定された視野領域へ収束し、重なって、前記重畳光スポットを形成し、
前記第1指定距離と前記第2指定距離とは異なる、
請求項
2に記載の補光モジュール。
【請求項5】
前記第1偏光アセンブリ(31)は、前記第1方向と交差する第2方向において、対になって前記カメラウィンドウ(211)の対向両側に配置されており、
前記第2偏光アセンブリ(32)は、前記第2方向において、対になって前記カメラウィンドウ(211)の対向両側に配置されている、
請求項
4に記載の補光モジュール。
【請求項6】
前記第1偏光アセンブリ(31)の前記第2方向における配置間隔と前記第2偏光アセンブリ(32)の前記第2方向における配置間隔とは異なる、
請求項
5に記載の補光モジュール。
【請求項7】
前記補光光源(30a)が載置される補光光源基板(33)をさらに含み、
前記補光光源基板(33)は、前記カメラウィンドウ(211)が位置するフレーム(20)に着脱可能に取り付けられており、前記偏光レンズ(30b)は、前記補光光源(30a)と位置合わせて前記フレーム(20)に嵌められている、
請求項1に記載の補光モジュール。
【請求項8】
前記フレーム(20)はスナップフィット(23)を有し、前記補光光源基板(33)は係合溝(333)を有し、前記補光光源基板(33)は、前記スナップフィット(23)と前記係合溝(333)とによって、前記フレーム(20)に係合接続されている、
請求項
7に記載の補光モジュール。
【請求項9】
コード読み取りカメラ(80)と、請求項1~
8のいずれか1項に記載の補光モジュール(10)とを含む、
バーコード読み取りデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年11月27日に中国特許庁に提出した、出願番号が202011356108.6であり、発明の名称が「バーコード読み取り用の補光モジュールおよびバーコード読み取りデバイス」である中国特許出願の優先権、および、2020年11月27日に中国特許庁に提出した、出願番号が202022794534.Xであり、発明の名称が「バーコード読み取り用の補光モジュールおよびバーコード読み取りデバイス」である中国特許出願の優先権を主張し、それらの内容の全ては、援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、物流自動化技術に関し、特に、バーコード読み取り用の補光モジュール、および当該補光モジュールを適用しているバーコード読み取りデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
バーコードを読み取る際に、環境光が足りないと、結像効果およびコード読取率に影響を及ぼし、さらに、コード読み取りに失敗する。そのため、バーコード読み取りのシーンでは、一般的に、補光モジュールを配置する必要がある。
【0004】
従来の補光モジュールは、一般的に、簡単な多光源の組み合わせ配置を採用し、拡散板を用いて多光源によるビームに対して拡散均一化処理を行う。
【0005】
しかしながら、拡散板によって拡散された光は、面積がコード読み取りカメラの視野範囲よりもはるかに広い照射範囲内において、低いエネルギーレベルで均一に分布しているため、補光の光エネルギー利用率が低くなってしまう。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施例は、補光の光エネルギー利用率の向上に寄与するバーコード読み取り用の補光モジュール、および当該補光モジュールを適用しているバーコード読み取りデバイスを提供する。
【0007】
一実施例により提供されたバーコード読み取り用の補光モジュールは、
少なくとも2つの偏光アセンブリを含み、
前記偏光アセンブリのそれぞれがカメラウィンドウに対して偏心配置されており、かつ、前記偏光アセンブリのそれぞれが、補光光源と、前記補光光源に対して偏光結像を行う偏光レンズとを含み、
コード読み取りカメラが前記カメラウィンドウを通してコードを読んで結像する時に、各前記偏光アセンブリにおいて前記偏光レンズによって前記補光光源に対して偏光結像を行って形成した補光光スポットは、前記コード読み取りカメラの目標結像距離でのカメラ視野における指定された視野領域へ収束し、重なって、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である重畳光スポットを形成し、
前記指定された視野領域は、前記重畳光スポットの光スポット範囲内に入っており、前記重畳光スポットの輪郭は、前記指定された視野領域の境界へ収斂する。
【0008】
好ましくは、前記コード読み取りカメラの前記目標結像距離でのカメラ視野は、近点視野と遠点視野とを含み、近点視野は前記目標結像距離を基準として近位端側に向かって延びている前側被写界深度の近位端側の境界に位置し、遠点視野は目標結像距離を基準として遠位端側に向かって延びている後側被写界深度の遠位端側の境界に位置し、前記重畳光スポットは前記近点視野から前記遠点視野までの視野被写界深度区間をカバーする。
【0009】
好ましくは、各前記偏光アセンブリの前記偏光レンズは、前記重畳光スポットを矩形状にするように配置されている。
【0010】
好ましくは、前記指定された視野領域は前記コード読み取りカメラの第1視野領域であり、前記コード読み取りカメラは、前記第1視野領域に対する解像力が前記第1視野領域を囲む第2視野領域に対する解像力より高い。
【0011】
好ましくは、前記偏光アセンブリは、第1方向において間隔を置いて配置された第1偏光アセンブリおよび第2偏光アセンブリを含み、前記第1偏光アセンブリは、第1補光光源と第1偏光レンズとを含み、前記第2偏光アセンブリは、第2補光光源と第2偏光レンズとを含み、前記第1偏光レンズが前記第1補光光源に対して予め設定された第1指定距離で偏光結像を行って形成した補光光スポットと、前記第2偏光レンズが前記第2補光光源に対して予め設定された第2指定距離で偏光結像を行って形成した補光光スポットとは、前記コード読み取りカメラの前記指定された視野領域へ収束し、重なって、前記重畳光スポットを形成し、前記第1指定距離と前記第2指定距離とは異なる。
【0012】
好ましくは、前記第1偏光アセンブリは、前記第1方向と交差する第2方向において、対になって前記カメラウィンドウの対向両側に配置されており、前記第2偏光アセンブリは、前記第2方向において、対になって前記カメラウィンドウの対向両側に配置されている。
【0013】
好ましくは、前記第1偏光アセンブリの前記第2方向における配置間隔と前記第2偏光アセンブリの前記第2方向における配置間隔とは異なる。
【0014】
好ましくは、前記補光光源が載置される補光光源基板をさらに含み、前記補光光源基板は、前記カメラウィンドウが位置するフレームに着脱可能に取り付けられており、前記偏光レンズは、前記補光光源と位置合わせて前記フレームに嵌られている。
【0015】
好ましくは、前記フレームはスナップフィットを有し、前記補光光源基板は係合溝を有し、前記補光光源基板は、前記スナップフィットと前記係合溝とによって、前記フレームに係合接続されている。
【0016】
他の実施例により提供されたバーコード読み取りデバイスは、コード読み取りカメラと、上記実施例に記載した補光モジュールとを含んでよい。
【発明の効果】
【0017】
上記実施例によれば、補光モジュールの各偏光アセンブリにおいて偏光レンズによって補光光源に対して偏光結像を行って形成した補光光スポットは、コード読み取りカメラの目標結像距離でのカメラ視野における指定された視野領域へ収束し、重なって、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である重畳光スポットを形成することができ、コード読み取りカメラの指定された視野領域は、重畳光スポットの光スポット範囲内に入ることができ、重畳光スポットの輪郭は、指定された視野領域の境界へ収斂することができる。これにより、補光光源によるビームに対して、レンズ偏光収束に基づく均一化処理を実現することで、補光するための光エネルギーを均一化して指定された視野領域に集めるため、光拡散に基づく均一化処理と比べて、補光の光エネルギー利用率の向上に寄与することができる。
【0018】
本発明の実施例及び関連技術の技術案をより明らかに説明するためには、以下、実施例及び関連技術の説明に必要となる図面について、簡単に説明する。以下の説明における図面は、本発明のある実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性を有する努力をせずに、これらの図面に基づいて他の実施例を得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は一実施例におけるバーコード読み取りデバイスの組立構成の模式図である。
【
図2】
図2は
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの分解構成の模式図である。
【
図3a】
図3aは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの組立構成の模式図である。
【
図3b】
図3bは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの組立構成の模式図である。
【
図3c】
図3cは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの組立構成の模式図である。
【
図4a】
図4aは
図1に示すバーコード読み取りデバイスの視野の効果図である。
【
図4b】
図4bは
図1に示すバーコード読み取りデバイスの視野の効果図である。
【
図5】
図5は
図1に示すバーコード読み取りデバイスの実装例の模式図である。
【
図6a】
図6aは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの別の構成の模式図である。
【
図6b】
図6bは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの別の構成の模式図である。
【
図6c】
図6cは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの別の構成の模式図である。
【
図6d】
図6dは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの別の構成の模式図である。
【
図6e】
図6eは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの別の構成の模式図である。
【
図6f】
図6fは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの別の構成の模式図である。
【
図7】
図7は他の実施例におけるバーコード読み取りデバイスの組立構成の模式図である。
【
図8】
図8は
図7に示すバーコード読み取りデバイスの部分分解構成の模式図である。
【
図9a】
図9aは
図7に示すバーコード読み取りデバイスの部分構成の模式図である。
【
図9b】
図9bは
図7に示すバーコード読み取りデバイスの部分構成の模式図である。
【
図9c】
図9cは
図7に示すバーコード読み取りデバイスの部分構成の模式図である。
【
図10】
図10は
図7に示すバーコード読み取りデバイスにおける照準指示装置の分解構成の模式図である。
【
図18】
図18は
図7に示すバーコード読み取りデバイスの一改良構成による視野の効果図である。
【
図19】
図19は
図7に示すバーコード読み取りデバイスの別の改良構成による視野の効果図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術案および利点をより明らかに説明するためには、以下、図面及び実施例を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。勿論、説明される実施例は単に本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が進歩性を有する努力をせずに想到し得るほかの実施例はすべて本発明の保護範囲に属する。
【0021】
図1は一実施例におけるバーコード読み取りデバイスの組立構成の模式図である。
図1に示すように、一実施例において、バーコード読み取りデバイス90は、コード読み取りカメラ80と補光モジュール10とを含んでよい。
【0022】
図2は
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの分解構成の模式図である。
図3a~
図3cは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの組立構成の模式図である。
図2、
図1および
図3a~
図3cに示すように、当該補光モジュール10は、フレーム20と少なくとも2つの偏光アセンブリ30とを含んでよい。
【0023】
フレーム20はパネル21を有してよい。パネル21にはカメラウィンドウ211が設けられている。そして、フレーム20は、さらに、パネル21の縁に沿って密閉し周回する周縁22を有してもよい。
【0024】
少なくとも2つの偏光アセンブリ30は、フレーム20に取り付けられ、偏光アセンブリ30のそれぞれがカメラウィンドウ211に対して偏心配置されており、かつ、偏光アセンブリ30のそれぞれが、補光光源30aと、補光光源30aに対して偏光結像を行う偏光レンズ30bとを含むようにしてもよい。例えば、偏光アセンブリ30のそれぞれが補光モジュール10における最小の補光ユニットと見なされてよく、偏光アセンブリ30のそれぞれが、1つの補光光源30aと、当該補光光源30aに対して偏光結像を行う専用の1つの偏光レンズ30bとを含んでよい。ここで、補光光源30aは、例えば、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)などの可視光発光素子であってよく、偏光レンズ30bの非光学面に対して梨地処理してよい。
【0025】
例えば、補光モジュール10は、補光光源30aが載置される補光光源基板33をさらに含んでよい(補光光源30aは補光光源基板33に溶接されてよい)。補光光源基板33はフレーム20に着脱可能に取り付けられてよい(補光光源基板33は、カメラウィンドウ211と位置合わせて設けられているカメラ孔溝331をさらに有してよい)。かつ、偏光レンズ30bは、補光光源30aと位置合わせてフレーム20に嵌められてよい。
【0026】
図2および
図3a~
図3cから分かるように、フレーム20はスナップフィット23を有してよい。補光光源基板33は係合溝333を含む。補光光源基板33はスナップフィット23と係合溝333とによって、フレーム20に係合接続されている。つまり、補光光源基板33は、フレーム20の周縁22によって支持されてよく、フレームのスナップフィット23は補光光源基板33の係合溝333内に収容されてよく、かつ、補光光源基板33はスナップフィット23とフレーム20の周縁22との間に係合保持されてよい。
【0027】
コード読み取りカメラ80は前記カメラウィンドウ211を通してコードを読んで結像する時に、
各偏光アセンブリ30において偏光レンズ30bによって補光光源30aに対して偏光結像を行って形成した補光光スポット(偏光レンズ30bの補光光源30aに対する結像光スポット)は、コード読み取りカメラ80がカメラウィンドウ211を通して予め設定された目標結像距離D_objで形成したカメラ視野における指定された視野領域へ収束し、重なって、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である重畳光スポット100を形成することができ、ここで、重畳光スポット100は均一に補光することを実現するために用いられ、均一に補光することの目的は、コード読み取りカメラ80がコード読み取り成功率の向上に寄与する良質な図像を取得することであるため、予め設定された均一度閾値は、コード読み取りカメラ80の解像能力および予め設定された所望のコード読み取り成功率に基づいて設定されてよく、
コード読み取りカメラ80がカメラウィンドウ211を通して予め設定された目標結像距離D_objで形成したカメラ視野における指定された視野領域は、各偏光アセンブリ30が形成した重畳光スポット100の光スポット範囲内に入ることができ、かつ、当該重畳光スポット100の輪郭は当該指定された視野領域の境界へ収斂することができ、例えば、当該重畳光スポット100の形状およびサイズは、当該指定された視野領域の形状およびサイズに近づいてよく、または、当該重畳光スポット100の光スポット範囲に対する当該指定された視野領域の面積占有率は予め設定された閾値よりも大きくてもよい(当該閾値は、50%以上100%以下の任意のパーセンテージ値であってよく、75%以上100%以下の任意のパーセンテージ値が好ましく、85%以上100%以下の任意のパーセンテージ値がより好ましく、即ち、できる限り100%に近づく)。
【0028】
図1から分かるように、コード読み取りカメラ80は、ある程度のコード読み被写界深度D_depthを有し、即ち、目標結像距離D_objを基準として近位端側に向かって延びている前側被写界深度Dc、および目標結像距離D_objを基準として遠位端側に向かって延びている後側被写界深度Dfを有する。被写界深度は、コード読み取りカメラ80において、図像からバーコードを識別するためのISP(Image Signal Processing、イメージシグナルプロセッシング)アルゴリズムの図像に対するファジィ識別能力に基づいて、目標結像距離D_objによるシフトを許容する許容量と理解されてよい。そのため、前側被写界深度Dcおよび後側被写界深度Dfの値は、ISPアルゴリズムのファジィ識別能力によって異なることがある。
【0029】
コード読み取りカメラ80が被写界深度を有する場合、コード読み取りカメラ80の目標結像距離D_objでのカメラ視野は、近点視野と遠点視野とを含んでよい。ここで、近点視野は目標結像距離D_objを基準として近位端側に向かって延びている前側被写界深度Dcの近位端側の境界に位置し、遠点視野は目標結像距離D_objを基準として遠位端側に向かって延びている後側被写界深度Dfの遠位端側の境界に位置する。且つ、重畳光スポット100は近点視野から遠点視野までの視野被写界深度区間をカバーする。
【0030】
図4aおよび
図4bは
図1に示すバーコード読み取りデバイスの視野の効果図である。
図4aおよび
図4bにおいて、指定された視野領域は、コード読み取りカメラ80のバーコード(barcode)に対する結像効果が良い視野領域であり、当該視野領域は、一般的に、コード読み取りカメラ80のカメラ視野中心に位置する第1視野領域であり、コード読み取りカメラ80は、第1視野領域に対する解像力が第1視野領域を囲む第2視野領域に対する解像力より高い。
【0031】
コード読み取りカメラ80が識別できるバーコードは、1次元コード91または2次元コード92であってよい。1次元コード91は、反射率が十分に異なる黒いバー(バーと略称する)と白いバー(スペースと略称する)からなる。これらのバーとスペースにより構成されるデータは一定の情報を表現し、特定のデバイスによって識別され、コンピューターの互換性がある2進情報や10進情報に変換されることができる。且つ、1次元コード91は、文字をさらに含んでよい。2次元コード92は、ある特定の幾何学的図形を用いて、一定の規則で平面(2次元方向において)に分布した、黒白が互い違いに配列している、データ符号情報を記録する図形識別子であってよい。
【0032】
図4aでは、各偏光アセンブリ30が形成した重畳光スポット100の境界が、バーコードキャリアー900の表面に張り付けられている1次元コード91が位置している指定された視野領域の境界へ収斂することを例とする。
図4bでは、各偏光アセンブリ30が形成した重畳光スポット100の境界が、バーコードキャリアー900の表面に張り付けられている2次元コード92が位置している指定された視野領域の境界へ収斂することを例とする。
【0033】
つまり、指定された視野領域の位置、形状およびサイズは、実際のコード読みの要求に従って設定されてよく、これに応じて、異なる光学特性を有する偏光レンズ30bを交換することにより、重畳光スポット100の位置、形状およびサイズを調整することができ、補光光源基板33における補光光源30aの配列を調整する必要がない。
【0034】
上記実施例によれば、補光モジュール10の各偏光アセンブリ30において偏光レンズ30bによって補光光源30aに対して偏光結像を行って形成した補光光スポットは、コード読み取りカメラ80の目標結像距離D_objでのカメラ視野における指定された視野領域へ収束し、重なって、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である重畳光スポット100を形成することができる。ここで、コード読み取りカメラ80の目標結像距離D_objでのカメラ視野における指定された視野領域は、重畳光スポット100の光スポット範囲内に入ることができ、重畳光スポット100の輪郭は、重畳光スポット100ができる限り小さいエネルギー損失で当該指定された視野領域をカバーするように、コード読み取りカメラ80の当該指定された視野領域の境界へ収斂することができる。
【0035】
例えば、当該重畳光スポット100の形状およびサイズは、当該指定された視野領域の形状およびサイズと同じであってよく、当該指定された視野領域は、重畳光スポット100の光スポット範囲と一致してよく、
または、当該重畳光スポット100の形状およびサイズは当該指定された視野領域の形状およびサイズよりやや大きくすることで、当該重畳光スポット100の光スポット範囲に対する当該指定された視野領域の面積占有率が予め設定された閾値より大きくして、重畳光スポット100は、当該指定された視野領域に対して、冗長の程度が予め設定された閾値を超えない冗長カバーを形成するようにしてよく、
これにより、補光光源30aによるビームに対して、偏光レンズ30bの偏光収束に基づく均一化処理を実現することで、補光するための光エネルギーを均一化して指定された視野領域に集めるため、光拡散に基づく均一化処理と比べて、補光の光エネルギー利用率の向上に寄与することができる。
【0036】
いくつかの実施例において、各偏光アセンブリ30の偏光レンズ30bは、重畳光スポット100を矩形状にするように配置されてよく、これにより、補光範囲をバーコードの矩形形状にさらにフィットさせることで、補光のエネルギー利用率をより一層向上する。
【0037】
図5は
図1に示すバーコード読み取りデバイスの実装例の模式図である。
図5に示すように、あるコード読みシーンにおいて、バーコード読み取りデバイス90は、斜めに取り付けられてよく、例えば、バーコードを斜めに撮ることができるように、鉛直方向に対して10°~20°(好ましくは15°)斜めに取り付けられてよい。これは、バーコードの表面が発生した鏡面反射によるコード読み取りカメラ80のカメラ視野への光害を防止するためである。この場合、各偏光アセンブリ30の偏光結像特性はすべて同じではないことにより、各偏光アセンブリ30が位置する発光平面に対するコード読み取りカメラ80の指定された視野領域が位置する結像平面の傾斜偏差に適応することができる。
【0038】
例えば、偏光アセンブリ30は、第1方向(例えば、縦方向である)において間隔を置いて配置された第1偏光アセンブリ31および第2偏光アセンブリ32を含んでよく、
第1偏光アセンブリ31は、第1方向と交差する(例えば、垂直する)第2方向(例えば、横方向である)において対になって配置されてよく、第1偏光アセンブリ31のそれぞれは、第1補光光源31aと第1偏光レンズ31bとを含んでよく、
第2偏光アセンブリ32は、第2方向(例えば、横方向である)において対になって配置されてよく、第2偏光アセンブリ32のそれぞれは、第2補光光源32aと第2偏光レンズ32bとを含んでよく、
対になって配置されている第1偏光レンズ31bが第1補光光源31aに対して予め設定された第1指定距離WD1で偏光結像を行って形成した補光光スポットと、対になって配置されている第2偏光レンズ32bが第2補光光源32aに対して予め設定された第2指定距離WD2で偏光結像を行って形成した補光光スポットとは重なって、コード読み取りカメラ80の目標結像距離D_objでのカメラ視野における指定された視野領域をカバーする重畳光スポット100を形成する。
【0039】
ここで、第1指定距離WD1は、第2指定距離WD2と異なってよい(例えば、第1指定距離WD1は第2指定距離WD2より大きくてよい)。
【0040】
この実施例において、第1偏光アセンブリ31は第2方向(横方向)においてカメラウィンドウ211の対向両側に対称に配置されてよく、第2偏光アセンブリ32は第2方向(横方向)においてカメラウィンドウ211の対向両側に対称に配置されてよく、これにより、カメラウィンドウ211を中心とした4点偏光分布が形成される。
【0041】
そして、第1偏光アセンブリ31の第2方向(横方向)における対称配置の間隔は、第2偏光アセンブリ32の第2方向(横方向)における対称配置の間隔と異なってよい。例えば、周縁22には、第2偏光アセンブリ32が位置する側に凹状切欠き221が形成されてよく、これにより、凹状切欠き221を回避するように、第2偏光アセンブリ32が第2方向(横方向)において互いに離れている。凹状切欠き221は、第2偏光アセンブリ32が位置する側を示すという作用を有し、一方、フレーム20の強度を増加する補強リブの作用をさらに有している。
【0042】
凹状切欠き221が補強リブとして機能する以外に、周縁22には、第1偏光アセンブリ31が位置する側に類似な作用を有する凸状補強壁222が形成されてもよく、さらに、離散的に分布している弧面補強壁223が配置されてもよい。
【0043】
図6a~
図6fは
図1に示すバーコード読み取りデバイスにおける補光モジュールの別の構成の模式図である。上記実施例において、少なくとも2つの偏光アセンブリ30は、一対の第1偏光アセンブリ31および一対の第2偏光アセンブリ32で計4つの偏光アセンブリを含むことを例としたが、実際の設計中、これに限定されなく、例えば、
図6aに示すように、少なくとも2つの偏光アセンブリ30は、少なくとも、一対の第1偏光アセンブリ31で計2つの偏光アセンブリのみを含んでよく、または、
図6aに示すように、少なくとも2つの偏光アセンブリ30は、少なくとも、一対の第2偏光アセンブリ32で計2つの偏光アセンブリのみを含んでよく、または、
図6cまたは
図6dに示すように、少なくとも2つの偏光アセンブリ30は、少なくとも、第2方向において同じ側または反対側の1つの第1偏光アセンブリ31および1つの第2偏光アセンブリ32で計2つの偏光アセンブリのみを含んでよく、または、
図6eに示すように、少なくとも2つの偏光アセンブリ30は、一対の第1偏光アセンブリ31および1つの第2偏光アセンブリ32で計3つの偏光アセンブリを含んでよく、
同様に、
図6fに示すように、少なくとも2つの偏光アセンブリ30は、1つの第1偏光アセンブリ31と一対の第2偏光アセンブリ32とを含んでよい。
【0044】
図7は他の実施例におけるバーコード読み取りデバイスの組立構成の模式図である。
図8は
図7に示すバーコード読み取りデバイスの部分分解構成の模式図である。
図9a~
図9cは
図7に示すバーコード読み取りデバイスの部分構成の模式図である。
【0045】
図7、
図8および
図9a~
図9cに示すように、重畳光スポット100およびその光スポット範囲内に入ったコード読み取りカメラ80の指定された視野領域を見やすく指示できるために、他の実施例において、バーコード読み取りデバイス90は、照準指示装置40をさらに含んでよく、例えば、照準指示装置40は、対になってカメラ係合溝64の対向両側に配置されてよい。
【0046】
照準指示装置40は、指定された視野領域(第1視野領域)の縁に、輝度が重畳光スポット100より大きい指示光スポット400を形成することができる。例えば、照準指示装置40の指示光スポット400は、コード読み取りカメラ80の指定された視野領域(第1視野領域)の縁に位置することができる。
【0047】
図10は
図7に示すバーコード読み取りデバイスにおける照準指示装置の分解構成の模式図である。
図11a~
図11dは
図10に示す照準指示装置の筒状レンズフードの構成の模式図である。
図12a~
図12cは
図10に示す照準指示装置のレンズキャップの構成の模式図である。
図13は
図10に示す照準指示装置の部分組立構成の模式図である。
図14は
図13に示す部分組立構成のA-A断面図である。
図15は
図10に示す照準指示装置の組立構成の模式図である。
図16は
図15に示す組立構成のB-B断面図である。
【0048】
この実施例において、バーコード読み取り用の照準指示装置40は、筒状レンズフード50と、発光モジュール60と、レンズキャップ70とを含んでよい。
【0049】
図10、
図11a~
図11dおよび
図13~
図16に示すように、筒状レンズフード50は、第1開口端50a(
図11cは第1開口端50aの端面投影図である)と、第2開口端50b(
図11dは第2開口端50bの端面投影図である)と、第1開口端50aと第2開口端50bの間を貫通するビーム整形キャビティ500とを有する。
【0050】
そして、フレーム20は、コード読み取りカメラ80のカメラレンズに外嵌されているカメラウィンドウ211以外に、カメラウィンドウ211と隣接するように配置されている照準ウィンドウ212をさらに有してよい。照準指示装置40は、筒状レンズフード50と照準ウィンドウ212との係合によって、フレーム20に取り付けられている。これに応じて、補光光源基板33は、照準ウィンドウ212と位置合わせて設けられている照準器孔溝332を有してもよい。ここで、筒状レンズフード50の外周面は、照準指示装置40が照準ウィンドウ212を挿設することを容易にするように、テーパ面状を呈していてよく、且つ、筒状レンズフード50の外周面は、照準ウィンドウ212に挿設する時に位置規制を実現するように、位置規制段付きリング57をさらに有してもよい。
【0051】
図10、
図15および
図16に示すように、発光モジュール60は、筒状レンズフード50の第1開口端50aに取り付けられている(例えば、着脱可能に取り付けられている)。
【0052】
例えば、発光モジュール60は、指示光源61と、指示光源61が載置される指示光源基板62(指示光源61は指示光源基板62に溶接することであってよい)とを含んでよく、ここで、指示光源61は、例えばLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)などの可視光発光素子であってよく、指示光源61はビーム整形キャビティ500内に収容されており、指示光源基板62は筒状レンズフード50の第1開口端50aに積層して取り付けられてよい。緑の光に対する人の目の視認率が最も大きい、即ち、波長が異なり、光パワーが同じである場合、人の目は緑の光源のほうがより明るいことを感じるため、指示光源61は、緑色の可視光が発生されるLEDを選択してよい。
【0053】
図11aと
図11bおよび
図15から分かるように、筒状レンズフード50は、径方向に沿って伸びた取付耳53をさらに含んでよく、ここで、取付耳53は第1ネジ孔530を有してよく、指示光源基板62は第2ネジ孔620を有してよく、そして、指示光源基板62は、第1ネジ孔530および第2ネジ孔620を通すネジによって、筒状レンズフード50の第1開口端50aに積層して取り付けられてよい。
【0054】
図10、
図13および
図14に示すように、レンズキャップ70は、筒状レンズフード50の第2開口端50bに取り付けられている(例えば、着脱可能に取り付けられている)。
【0055】
例えば、レンズキャップ70は、筒状レンズフード50の第2開口端50bに係合接続されてよい。
図11a~
図11b、
図12a~
図12cおよび
図13から分かるように、筒状レンズフード50は、第2開口端50bの周壁にスロット56を有してよく、レンズキャップ70はレンズ枠71と、レンズ枠71内に嵌め込まれているビーム整形レンズ72と、レンズ枠71から突起した係合保持アーム73とを有してよく、ここで、スロット56は、筒状レンズフード50の径方向において対になって配置されてよく、係合保持アーム73はレンズ枠71の径方向において対になって配置されてよく、かつ、対になって配置されている係合保持アーム73は、対になって配置されているスロット56に位置合わせて挿入されることで、筒状レンズフード50に対する径方向の係合保持を形成する。
【0056】
上記した構成において、筒状レンズフード50のビーム整形キャビティ500は、発光モジュール60(指示光源61)を通電する時に発生したビームに対して光の孔透過を形成するように配置されることができ、レンズキャップ70(ビーム整形レンズ72)は、光が透過した孔に対して結像するように配置されることができ、かつ、透明キャップ70(ビーム整形レンズ72)によって光が透過した孔に対して結像することは、予め設定された角度閾値以下である発散角で、指定されたサイズを有するとともに、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である指示光スポット400を形成することができる。
【0057】
つまり、上記した構成によれば、発光モジュール60を通電する時に、発光モジュール60(指示光源61)によるビームは、ビーム整形キャビティ500による整形およびレンズキャップ70によって光が透過した孔に対して結像することで、予め設定された角度閾値以下である発散角で、指定されたサイズを有するとともに、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である指示光スポット400を形成することができる。
【0058】
これにより、当該実施例における照準指示装置40は、面積および輝度の均一度が制御可能な指示光スポット400を発生することができるため、バーコードの適切なコード読み位置を正確に指示し、レンズ視野に対する光害を低減することに寄与し、さらに、バーコード読み取りデバイス90のコード読み効果に寄与する。
【0059】
ビーム整形キャビティ500の光の孔透過については、発光モジュール60(指示光源61)を通電する時に発生したビームに対する第1回ビーム整形調整と見なしてよく、かつ、光の孔透過は、光スポット切り出し手段を用いてよい。特に、
図14および
図16に示すように、
筒状レンズフード50のビーム整形キャビティ500内には遮光隔壁51を有してよく、ビーム整形キャビティ500は、遮光隔壁51によって、第1開口端50aに近づく側にある光源収容サブキャビティ500aと、第2開口端50bに近づく側にあるビーム整形光透過サブキャビティ500bとに区切られてよく、
指示光源61は光源収容サブキャビティ500aの中に収容されてよく、つまり、指示光源61は遮光隔壁51の第2開口端50bとは反対側に位置し、かつ、
遮光隔壁51には光スポット切り出し孔52が設けられている。
【0060】
上記した構成によれば、発光モジュール60(指示光源61)を通電する時に発生したビームの中には、指定された発散角範囲内の一部のビーム(輝度が比較的大きい中心ビーム)のみが光スポット切り出し孔52を通してビーム整形光透過サブキャビティ500bに到達するが、予め設定された発散角範囲外のほかのビーム(輝度が比較的小さい周縁ビーム)が遮光隔壁51によって遮られて切り出されてよい。
【0061】
これにより、光スポット切り出し孔52を通してビーム整形光透過サブキャビティ500bに到達するビームは、比較的小さい発散角を有するだけではなく、これらのビームの輝度分布は高輝度である比較的狭い区間に集中されているため、これらのビームの輝度分布は、切り出される前の、輝度が比較的小さい周縁ビームを含むビーム輝度分布よりも均一である。
【0062】
図14および
図16から分かるように、光スポット切り出し孔52は、第1開口端50aに近づく(発光モジュール60に向かう)側に柱状の切り出し孔部521を有してよく、かつ、第2開口端50bに近づく(第2開口端50bに向かう)側に錐状の発散孔部522を有してよく、これにより、発光モジュール60(指示光源61)を通電する時に発生したビームが切り出し孔部521によって切り出された後、発散孔部522によって、レンズキャップ70(ビーム整形レンズ72)の全範囲を十分に透過できる角度で出射されることによって、発光モジュール60(指示光源61)を通電する時に発生したビームの光の孔透過を実現する。
【0063】
なお、第1回ビーム整形調整を実現するための光スポット切り出し孔52の形状は、光の孔透過の切り出しの要求や、光スポット切り出し孔52と発光モジュール60(指示光源61)およびレンズキャップ70(ビーム整形レンズ72)との相対距離に基づいて調整できることが分かる。つまり、光スポット切り出し孔52は、光の孔透過の効果を満たし、レンズキャップ70(ビーム整形レンズ72)との光路連結を十分に構成することができれば、任意の形状を有してもよい。
【0064】
この実施例において、発光モジュール60(指示光源61)の光軸と光スポット切り出し孔52との十分な同軸度を確保するために、筒状レンズフード50は、第1開口端50aに配置されている位置決め柱54を有してよく、発光モジュール60は、指示光源基板62に配置されている位置決め孔63有してよい。ここで、位置決め柱54と位置決め孔63とは位置決め嵌合(インロー嵌合)を行い、この位置決め配合、および第1ネジ孔530と第2ネジ孔620を通すネジの協調位置決めに基づいて、発光モジュール60(指示光源61)の光軸と光スポット切り出し孔52の軸線との間の同軸誤差は、予め設定された同軸誤差閾値より小さいように制約されることができる。
【0065】
これに応じて、指示光源61は、上述した位置決め調整を実施するためのマージンを用意するように、ビーム整形キャビティ500(光源収容サブキャビティ500a)と隙間嵌合してよい。
【0066】
ビーム整形キャビティ500の光スポット切り出し手段を用いた第1回ビーム整形調整に続いて、レンズキャップ70(ビーム整形レンズ72)によって光が透過した孔に対して結像することは、発光モジュール60(指示光源61)を通電する時に発生したビームに対する第2回ビーム整形調整と見なしてよいが、第1回ビーム整形調整の光スポット切り出し手段とは異なる。第2回ビーム整形調整は、光学結像原理に基づく調整手段である。つまり、光スポット切り出し孔52の切り出しの後、光が透過した孔に対して結像することで、予め設定された角度閾値以下である発散角で、指定されたサイズを有するとともに、輝度の均一度が予め設定された均一度閾値以上である指示光スポット400を結像して形成した。
【0067】
なお、ビーム整形キャビティ500内のビームの拡散反射を減少することで、光スポットの切り出しおよび光が透過した孔に対する結像の効果を向上するために、ビーム整形キャビティ500および遮光隔壁51は、いずれも艶消表面を有してよい。
【0068】
図17aおよび
図17bは
図7に示すバーコード読み取りデバイスの視野の効果図である。
図17aでは、各偏光アセンブリ30が形成した重畳光スポット100の輪郭がバーコードキャリアー900の表面に張り付けられている1次元コード91が位置している指定された視野領域の境界へ収斂することを例とする。この場合、一対の照準指示装置40による指示光スポット400はそれぞれ、指定された視野領域(重畳光スポット100)の対向両側の縁に位置する。
図17bでは、各偏光アセンブリ30による重畳光スポット100の輪郭がバーコードキャリアー900の表面に張り付けられている2次元コード92が位置している指定された視野領域の境界へ収斂することを例とする。この場合、一対の照準指示装置40による指示光スポット400はそれぞれ、指定された視野領域(重畳光スポット100)の対向両側の縁に位置する。
【0069】
これから分かるように、指示光スポット400は、重畳光スポット100およびその光スポット範囲内に入ったコード読み取りカメラ80の指定された視野領域を見やすく指示できる。
【0070】
図18は
図7に示すバーコード読み取りデバイスの一改良構成による視野の効果図である。
図18に示すように、少なくとも2つの偏光アセンブリ30が3つの偏光アセンブリ30のみを含む場合、例えば、1つの第1偏光アセンブリ31と一対の第2偏光アセンブリ32とを含む場合、照準指示装置40を1つ追加して取り付けるための余分のスペースが得られることができ、即ち、バーコード読み取りデバイス90は、3つの照準指示装置40を有することができることによって、2次元サイズを示すことができる指示光スポット400の3点分布を形成する。
【0071】
さらに、少なくとも2つの偏光アセンブリ30が2つの偏光アセンブリ30のみを含む場合、偏光アセンブリ30の省略によって節約された余分のスペースは、照準指示装置40を2つ追加して取り付けることに用いられ、即ち、バーコード読み取りデバイス90は、4つの照準指示装置40を有することができることによって、2次元サイズを示すことができる指示光スポット400の4点分布を形成する。
【0072】
図19は
図7に示すバーコード読み取りデバイスの別の改良構成による視野の効果図である。
図19に示すように、少なくとも2つの偏光アセンブリ30が3つの偏光アセンブリ30のみを含む場合、例えば、1つの第1偏光アセンブリ31と一対の第2偏光アセンブリ32とを含む場合、節約された余分のスペースは、照準指示装置40の位置を変更するためのスペースのマージンを提供することができ、即ち、バーコード読み取りデバイス90は、対角線上に配置された2つの照準指示装置40を有することができることによって、2次元サイズを示すことができる指示光スポット400の2点対角線分布を形成する。
【0073】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではなく、本発明の精神及び原則を逸脱せずに行われる変更、同等置換、改良などは、すべて本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0074】
10 補光モジュール
100 重畳光スポット
20 フレーム
21 パネル
211 カメラウィンドウ
212 照準ウィンドウ
22 周縁
221 凹状切欠き
222 凸状補強壁
223 弧面補強壁
23 スナップフィット
30 偏光アセンブリ
30a 補光光源
30b 偏光レンズ
31 第1偏光アセンブリ
31a 第1補光光源
31b 第1偏光レンズ
32 第2偏光アセンブリ
32a 第2補光光源
32b 第2偏光レンズ
33 補光光源基板
331 カメラ孔溝
332 照準器孔溝
333 係合溝
40 照準指示装置
400 指示光スポット
50 筒状レンズフード
50a 第1開口端
50b 第2開口端
500 ビーム整形キャビティ
500a 光源収容サブキャビティ
500b ビーム整形光透過サブキャビティ
51 遮光隔壁
52 光スポット切り出し孔
521 切り出し孔部
522 発散孔部
53 取付耳
530 第1ネジ孔
54 位置決め柱
55 位置決め溝
56 スロット
57 位置規制段付きリング
60 発光モジュール
61 指示光源
62 指示光源基板
620 第2ネジ孔
63 位置決め孔
64 カメラ切欠き
70 レンズキャップ
71 レンズ枠
72 ビーム整形レンズ
73 係合保持アーム
80 コード読み取りカメラ
90 バーコード読み取りデバイス
900 バーコードキャリアー
91 1次元コード
92 2次元コード