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特許7564395コンテンツサーバ、コンテンツ販売システム及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】コンテンツサーバ、コンテンツ販売システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241001BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20241001BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0207 350
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024034792
(22)【出願日】2024-03-07
【審査請求日】2024-08-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】▲広▼瀬 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】吉川 澄人
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-093010(JP,A)
【文献】特開2021-086440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツマーケットで販売されるデジタルコンテンツを管理し、
前記デジタルコンテンツは、コミュニティを構成する2以上のメンバーによってそれぞれ制作されたコンポーネントを含み、
前記メンバーによって所有され、表示装置を備えたメンバー端末と通信するコンテンツ通信装置と、
前記コンテンツマーケットでの前記デジタルコンテンツの売上データと、前記デジタルコンテンツに含まれる前記コンポーネントと前記コンポーネントを制作した前記メンバーとを示す契約情報とを取得し、前記売上データ及び前記契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す2以上のノードと、前記ノード同士の関係を示すエッジとで構成されたグラフを、前記コンテンツ通信装置を介して前記表示装置に表示させるコンテンツ制御装置とを備え、
前記グラフは、前記デジタルコンテンツの識別情報、前記コンテンツマーケットでの前記デジタルコンテンツの売上金額、前記コンポーネントの識別情報及び前記メンバーの識別情報を前記固有表現とし、前記デジタルコンテンツの識別情報を示す前記ノードを中心として他の種類の前記固有表現を示す前記ノードへそれぞれ延びた前記エッジを含むことを特徴とするコンテンツサーバ。
【請求項2】
前記グラフは、
前記コンポーネントの識別情報を示す前記ノードと前記メンバーの識別情報とを示す前記ノードとを前記エッジでつなぐことで、前記コンポーネントを制作した前記メンバーを示し、
前記コンポーネントの識別情報を示す前記ノードと前記デジタルコンテンツの識別情報を示す前記ノードとを前記エッジでつなぐことで、前記デジタルコンテンツに含まれる前記コンポーネントを示し、
前記デジタルコンテンツの識別情報を示す前記ノードと他の前記デジタルコンテンツの識別情報とを示す前記ノードとを前記エッジでつなぐことで、前記エッジでつながれた2つの前記デジタルコンテンツの一方が他方を利用して制作された二次的著作物であることを示すことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツサーバ。
【請求項3】
前記コンテンツ制御装置は、前記メンバーからの指示に応じて、前記デジタルコンテンツの識別情報を示す前記ノードを中心とする前記グラフを、他の種類の前記固有表現を示す前記ノードを中心とする前記グラフに切り替えて前記表示装置に表示することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツサーバ。
【請求項4】
前記グラフは、前記二次的著作物である前記デジタルコンテンツの識別情報を示す前記ノードと前記エッジでつながり、一次的著作物である前記デジタルコンテンツから前記二次的著作物である前記デジタルコンテンツへの変更点を示す前記ノードと、前記デジタルコンテンツが前記コンテンツマーケットで販売される金額を示す前記ノードと、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツサーバ。
【請求項5】
コミュニティを構成するメンバーによってそれぞれ制作されたコンポーネントを2以上含むデジタルコンテンツを販売するコンテンツマーケットと、
前記コンテンツマーケットから前記デジタルコンテンツを購入するユーザによって所持されるユーザ端末と、
前記メンバーを管理し、前記コンテンツマーケットでの前記デジタルコンテンツの売上データと、前記デジタルコンテンツに含まれる前記コンポーネントと前記コンポーネントを制作した前記メンバーとを示す契約情報とを取得し、前記売上データ及び前記契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す2以上のノードと、前記ノード同士の関係を示すエッジとで構成されたグラフを生成するコンテンツ制御装置と、
前記グラフを記憶するコンテンツデータベースと、を備え、
前記グラフは、前記デジタルコンテンツの識別情報、前記コンテンツマーケットでの前記デジタルコンテンツの売上金額、前記コンポーネントの識別情報及び前記メンバーの識別情報を前記固有表現とし、前記デジタルコンテンツの識別情報を示す前記ノードを中心として他の種類の前記固有表現を示す前記ノードへそれぞれ延びた前記エッジを含むことを特徴とするコンテンツ販売システム。
【請求項6】
コミュニティを構成するメンバーによってそれぞれ制作されたコンポーネントを2以上含み、コンテンツマーケットで販売されるデジタルコンテンツを管理するコンピュータを、
前記メンバーによって所有され、表示装置を備えたメンバー端末と通信するコンテンツ通信装置と、
前記コンテンツマーケットでの前記デジタルコンテンツの売上データと、前記デジタルコンテンツに含まれる前記コンポーネントと前記コンポーネントを制作した前記メンバーとを示す契約情報とを取得し、前記売上データ及び前記契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す2以上のノードと、前記ノード同士の関係を示すエッジとで構成されたグラフを、前記コンテンツ通信装置を介して前記表示装置に表示させるコンテンツ制御装置として機能させ、
前記グラフは、前記デジタルコンテンツの識別情報、前記コンテンツマーケットでの前記デジタルコンテンツの売上金額、前記コンポーネントの識別情報及び前記メンバーの識別情報を前記固有表現とし、前記デジタルコンテンツの識別情報を示す前記ノードを中心として他の種類の前記固有表現を示す前記ノードへそれぞれ延びた前記エッジを含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツサーバ、コンテンツ販売システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、小説又は漫画などが投稿されたインターネット上のWEBサイトからコンテンツを調達し、そのコンテンツの品質・商品力を向上させた後に書籍として出版して収益を上げるビジネスモデルを開示する。
【0003】
非特許文献1に開示のビジネスモデルは、非特許文献2に示すように、WEBサイトの広告収入を投稿作品の人気度などに応じて投稿者に分配する。これによって投稿者へインセンティブが付与される。
【0004】
ところで、多数のコンテンツを扱うシステムは、利便性の観点から、コンテンツの概要を作家又はユーザによって閲覧可能なことが好ましい。
【0005】
例えば特許文献1に開示の人間関係グラフ生成装置は、コンテンツの詳細な内容を簡略化して示した人間関係グラフを生成できる。人間関係グラフは、コンテンツ内における人物の相関関係を、当該人物をノードのラベルとし、当該人物同士の関係を、当該ノードを結ぶエッジとして表す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】https://www.alphapolis.co.jp/company/business/#model
【文献】https://www.alphapolis.co.jp/campaign/1901/incentive
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2008-112432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら特許文献1に開示のグラフは、ノードのラベルが登場人物という1種類のみであり、分析などの他の用途への汎用性が低い。
【0009】
本発明の目的は、2種類以上の要素が関係する分析に好適なグラフを生成できるコンテンツサーバ、コンテンツ販売システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るコンテンツサーバは、デジタルコンテンツを管理する。デジタルコンテンツは、コンテンツマーケットで販売される。デジタルコンテンツは、コンポーネントを含む。コンポーネントは、コミュニティを構成する2以上のメンバーによってそれぞれ制作される。コンテンツサーバは、コンテンツ通信装置と、コンテンツ制御装置とを備える。コンテンツ通信装置は、メンバー端末と通信する。メンバー端末は、表示装置を備える。メンバー端末は、メンバーによって所有される。コンテンツ制御装置は、売上データと契約情報とを取得する。売上データは、コンテンツマーケットでのデジタルコンテンツの売上を示すデータである。契約情報は、デジタルコンテンツに含まれるコンポーネントとコンポーネントを制作したメンバーとを示す。コンテンツ制御装置は、グラフを、コンテンツ通信装置を介して表示装置に表示させる。グラフは、2以上のノードと、エッジとで構成される。ノードは、売上データ及び契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す。エッジは、ノード同士の関係を示す。グラフは、デジタルコンテンツの識別情報を固有表現とする。グラフは、コンテンツマーケットでのデジタルコンテンツの売上金額を固有表現とする。グラフは、コンポーネントの識別情報を固有表現とする。グラフは、メンバーの識別情報を固有表現とする。グラフは、デジタルコンテンツの識別情報を示すノードを中心として他の種類の固有表現を示すノードへそれぞれ延びたエッジを含む。
【0011】
メンバー端末の表示装置に表示されたグラフは、メンバー、メンバーによって制作されたコンポーネント、コンポーネントを含むデジタルコンテンツ、デジタルコンテンツの売上の各要素の関係性を体系的に示す。コンテンツサーバは、ヒト、モノ、カネの各要素の関係性がメンバーにとって一度で明らかで、2種類以上の要素を関連付けて分析しやすいグラフをメンバー端末の表示装置に表示できる。
【0012】
本発明に係るコンテンツサーバにおいて、グラフは、コンポーネントの識別情報を示すノードとメンバーの識別情報とを示すノードとをエッジでつなぐことで、コンポーネントを制作したメンバーを示す。グラフは、コンポーネントの識別情報を示すノードとデジタルコンテンツの識別情報とを示すノードとをエッジでつなぐことで、デジタルコンテンツに含まれるコンポーネントを示す。グラフは、デジタルコンテンツの識別情報を示すノードと他のデジタルコンテンツの識別情報を示すノードとをエッジでつなぐことで、エッジでつながれた2つのデジタルコンテンツの一方が他方を利用して制作された二次的著作物であることを示す。
【0013】
コンテンツサーバは、どのメンバーによって制作されたコンポーネントを含むデジタルコンテンツが二次的著作物として利用されているか示すグラフをメンバー端末の表示装置に表示できる。このようなグラフは、制作者とコンポーネントと二次利用との関連性を分析できる。
【0014】
本発明に係るコンテンツサーバにおいて、コンテンツ制御装置は、メンバーからの指示に応じて、デジタルコンテンツの識別情報を示すノードを中心とするグラフを、他の種類の固有表現を示すノードを中心とするグラフに切り替えて表示装置に表示する。そのため、コンテンツ制御装置は、利便性のよい分析用グラフを表示装置に表示できる。
【0015】
本発明に係るコンテンツサーバにおいて、グラフは、変更点を示すノードをさらに含む。変更点は、一次的著作物であるデジタルコンテンツから二次的著作物であるデジタルコンテンツへの変更点である。変更点を示すノードは、二次的著作物であるデジタルコンテンツの識別情報を示すノードとエッジでつながる。グラフは、デジタルコンテンツがコンテンツマーケットで販売される金額を示すノードをさらに含む。コンテンツ制御装置は、より多くの要素を考慮した分析を行えるグラフを表示装置に表示できる。
【0016】
本発明に係るコンテンツ販売システムは、コンテンツマーケットと、ユーザ端末と、コンテンツ制御装置と、コンテンツデータベースとを備える。コンテンツマーケットは、デジタルコンテンツを販売する。デジタルコンテンツは、コンポーネントを2以上含む。デジタルコンテンツは、メンバーによってそれぞれ作成される。メンバーは、コミュニティを構成する。ユーザ端末は、ユーザによって所持される。ユーザは、コンテンツマーケットからデジタルコンテンツを購入する。コンテンツ制御装置は、メンバーを管理する。コンテンツ制御装置は、売上データと契約情報とを取得する。売上データは、コンテンツマーケットでのデジタルコンテンツの売上データである。契約情報は、デジタルコンテンツに含まれるコンポーネントとコンポーネントを制作したメンバーとを示す。コンテンツ制御装置は、グラフを生成する。グラフは、2以上のノードとエッジとで構成される。ノードは、売上データ及び契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す。エッジは、ノード同士の関係を示す。コンテンツデータベースは、グラフを記憶する。グラフは、デジタルコンテンツの識別情報、コンテンツマーケットでのデジタルコンテンツの売上金額、コンポーネントの識別情報及びメンバーの識別情報を固有表現とする。グラフは、デジタルコンテンツの識別情報を示すノードを中心として他の種類の固有表現を示すノードへそれぞれ延びたエッジを含む。そのため、コンテンツ販売システムは、データ容量を抑えて、デジタルコンテンツに関する複雑な情報を一元管理できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、2種類以上の要素が関連する分析に好適に利用できるグラフを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る管理サーバを備えたコンテンツ販売システムの概略構成図。
図2】デジタルコンテンツを制作するコミュニティのイメージを示す図。
図3】ユーザ端末に表示されたデジタルコンテンツのイメージを示す図。
図4(a)】コミュニティのメンバーの権限と報酬とを示す契約情報のイメージを示す図。
図4(b)】メインメンバーが加入した場合の契約情報のイメージを示す図。
図4(c)】サブメンバーに仕事を依頼した場合の契約情報のイメージを示す図。
図5】コンテンツ販売システムの構成図。
図6】管理サーバのハード構成を示す図。
図7】グラフデータベースのイメージを示す図。
図8】第2実施形態に係るコンテンツサーバを備えたコンテンツ販売システムの概略構成図。
図9】デジタルコンテンツに関するグラフの一例を示す図。
図10】オントロジの一例を示す図。
図11】オントロジの一例を示す図。
図12】補完処理のイメージ図。
図13】オントロジ表示処理のフローチャート。
図14】類似判別処理のフローチャート。
図15】プロフィールデータに関するオントロジの一例を示す図。
図16】分析用グラフの一例を示す図。
図17】購入画面の一例を示す図。
図18】購入画面の表示処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態であるコンテンツ販売システム100は、図1に示すように、管理サーバ10と、メンバー端末40と、ブロックチェーンシステム30と、コンテンツサーバ50と、マーケットサーバ60と、ユーザ端末70とを有する。コンテンツ販売システム100は、管理システム1を含む。管理システム1は、管理サーバ10と、ブロックチェーンシステム30とを有する。
【0020】
管理サーバ10は、図2に示すようなコミュニティ24を構成するメンバー20を管理する。コミュニティ24のメンバー20は、図3に示すようなデジタルコンテンツ80を制作する。管理サーバ10は、メンバー端末40とそれぞれ通信する。メンバー端末40は、コミュニティ24のメンバー20によって所有される端末である。本実施形態において、管理サーバ10は、ブロックチェーンシステム30と通信する。ブロックチェーンシステム30は、ブロックチェーン技術を使ったシステムである。ブロックチェーン技術は、情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続し、暗号技術を用いて取引記録を分散的に処理及び記録するデータベースに関する技術である。本実施形態において、ブロックチェーン技術の取引記録に対応する情報は、後述する契約情報である。このようなブロックチェーンシステム30は、記憶システムに相当する。管理サーバ10は、コンテンツサーバ50と通信する。コンテンツサーバ50は、デジタルコンテンツデータを記憶する。デジタルコンテンツデータは、コミュニティ24のメンバー20によって制作されたデジタルコンテンツ80のデータである。コンテンツサーバ50は、マーケットサーバ60と通信する。マーケットサーバ60は、コンテンツマーケット65を実現する。コンテンツマーケット65は、デジタルコンテンツ80を売買するウェブサイトである。マーケットサーバ60は、コンテンツサーバ50から、コンテンツマーケット65で販売するデジタルコンテンツデータを取得する。マーケットサーバ60は、ユーザ端末70とそれぞれ通信する。ユーザ端末70は、コンテンツマーケット65でデジタルコンテンツデータを購入しようとするユーザ71によって所有される端末である。メンバー端末40及びユーザ端末70は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット又はパーソナルコンピュータなどの情報通信端末である。
【0021】
図2に示すように、コミュニティ24は、2以上のチーム23を含んで形成される。コミュニティ24は、チーム23単位でデジタルコンテンツ80を制作する。チーム23は、制作したデジタルコンテンツ80をコンテンツマーケット65に投稿する。コミュニティ24のメンバー20は、メンバー種別に基づいて分類される。本実施形態において、メンバー種別は2種類である。メンバー種別は、メインメンバー21とサブメンバー22である。メインメンバー21は、チーム23に所属する。すなわち、チーム23は1以上のメインメンバー21で構成される。メインメンバー21は、同じチーム23に所属する他のメインメンバー21と協働して1つのデジタルコンテンツ80を制作する。チーム23に所属するメインメンバー21が1名の場合には、このメインメンバー21がデジタルコンテンツ80を制作する。
【0022】
メインメンバー21は、デジタルコンテンツ80を制作するための権限を有する。本実施形態における権限は、具体的には、図5に示すフォーマット55へコンポーネント81を登録できる権限である。フォーマット55は、デジタルコンテンツ80をコンテンツマーケット65に投稿するためのフォーマットである。フォーマット55は、メンバー端末40に表示される。サブメンバー22は、チーム23に所属しない。サブメンバー22は、デジタルコンテンツ80の制作を補助する。サブメンバー22は、メインメンバー21から依頼を受けて、デジタルコンテンツ80の制作に関する仕事を請け負うことができる。サブメンバー22は、前述の権限を有しない。サブメンバー22は、前述の権限が与えられることでチーム23に所属できる。すなわち、サブメンバー22は、前述の権限が与えられることでメインメンバー21に変わる。権限は、メインメンバー21からサブメンバー22に分け与えられる。メインメンバー21は、自身が有する権限の一部を、サブメンバー22に分け与えることができる。
【0023】
メンバー20は、配分権を持つことができる。配分権は、報酬を受け取ることができる権利である。本実施形態において、配分権は、デジタルコンテンツ80がコンテンツマーケット65で売れた場合の売上の少なくとも一部を受け取ることができる権利である。メインメンバー21は、権限に対応した配分権を有する。
【0024】
コンテンツマーケット65は、例えば図3に示すようなデジタルコンテンツ80を販売する。コンテンツマーケット65は、例えば図3に示すようなデジタルコンテンツ80を販売する場を提供し、マーケットサーバ60により実現される。デジタルコンテンツ80は、2以上のコンポーネント81を含む。本実施形態において、コンポーネント81は、文章82、イラスト83、写真、動画84、映像、音声又は音楽である。コンポーネント81は、AR機能などを実現させるプログラムであってもよい。デジタルコンテンツ80は、2以上のコンポーネント81が組み合わされて構成される。デジタルコンテンツ80は、同じ種類の2以上のコンポーネント81を含んでもよい。デジタルコンテンツ80は、種類がすべて異なる2以上のコンポーネント81を含んでもよい。デジタルコンテンツ80は、各メンバー20によってコンポーネント81単位で制作が分担される。
【0025】
図1に示す管理サーバ10は、コミュニティ24を管理するコンピュータである。管理サーバ10は、管理制御装置11と、管理通信装置13と、管理記憶装置14と、管理データベース15とを有する。管理サーバ10は、管理通信装置13を介して、メンバー端末40と通信する。管理通信装置13は、サブメンバー22がチーム23に加入する場合、新規加入情報をメンバー端末40から受信する。新規加入情報は、新規に加入するメインメンバー21のID(Identification)情報とアドレス情報とを含む。ID情報は、メンバー20を識別するための情報である。ID情報は、メンバー20によって任意に設定されたユーザーネームを示す。ID情報は、メンバー20のアドレスを示してもよい。アドレス情報は、例えば、メールアドレス、SNSアカウント又は電話番号を示す。管理通信装置13は、メンバー端末40からデジタルコンテンツデータを受信する。管理サーバ10は、管理通信装置13を介して、コンテンツサーバ50と通信する。管理通信装置13は、デジタルコンテンツデータをコンテンツサーバ50に送信する。
【0026】
管理サーバ10は、ブロックチェーンシステム30に契約情報を記憶させる。本実施形態において、契約情報は、図4(a)~図4(c)で示すイメージのように、メンバー20の権限と、メンバー20のIDと、メンバー種別と、報酬とを示す。本発明の他の実施形態では、契約情報は、メンバー種別を示さなくてもよい。契約情報において、権限は、コンポーネント81ごとに設定される。権限の付与は、例えばフォーマット55へコンポーネント81を登録するために必要なパスワードが与えられることである。本実施形態において、契約情報は、コンポーネント81ごとに、権限を持つメンバー20のIDと、メンバー20の報酬とを示す。契約情報は、メインメンバー21のIDに対応付けて、権限が設定されたコンポーネント81を示す。本実施形態において、報酬は、デジタルコンテンツ80がコンテンツマーケット65で売れた場合の売上の配分で示される。配分は、例えば、純利益から分配される割合である。純利益は、例えば、デジタルコンテンツ80の売上のうち、管理サーバ10、コンテンツサーバ50及びマーケットサーバ60などの電気代、並びに各種のライセンス費用などの必要経費等を除いた利益である。メンバー20は、配分権を有し、制作に携わったデジタルコンテンツ80の売上の一部を報酬として受け取ることができる。配分権は、メインメンバー21からサブメンバー22に分け与えられる。すなわちメインメンバー21は、自身が有する配分権の一部を、他のサブメンバー22に分け与えることができる。配分権は、例えばサブメンバー22がチーム23に入会すると分け与えられる。配分権は、例えば、メインメンバー21がサブメンバー22に仕事を依頼すると分け与えられる。仕事は、コンポーネント81の制作である。仕事は、例えば、文章の作成、文章の構成、イラストの制作、写真の撮影、動画の制作、又は、映像の制作などである。仕事は、デジタルコンテンツ80の販売促進に関する仕事を含んでもよい。配分権は、サブメンバー22から他のサブメンバー22に分け与えられてもよい。すなわちサブメンバー22は、自身が有する配分権の一部を、他のサブメンバー22に分け与えることができる。分け与えられる配分権の範囲は、当事者によって決定される。配分の大きさなどは、依頼した仕事内容に応じて予め設定しておくこともできるが、仕事を依頼したメンバー20が仕事の質を評価し、その評価に基づいて決定されてよい。なお、本発明の他の実施形態では、ブロックチェーンシステム30が利用されない構成であってもよい。この場合、管理サーバ10は、契約情報を管理データベース15に記憶させる。
【0027】
このように本実施形態の管理システム1は、コミュニティ24のメンバー20を管理する。コミュニティ24は、デジタルコンテンツ80を制作してコンテンツマーケット65で販売する。デジタルコンテンツ80は、メンバー20によってそれぞれ制作される2以上のコンポーネント81を含む。管理システム1は、管理通信装置13と、ブロックチェーンシステム30と、管理制御装置11とを備える。管理通信装置13は、メンバー端末40と通信する。メンバー端末40は、メンバー20によって所有される。ブロックチェーンシステム30は、契約情報31を記憶する。契約情報31は、IDに対応付けて、権限が設定されたコンポーネント81を示す。契約情報31は、IDに対応付けて、売上の配分を示す。IDは、メンバー20を識別する。権限は、フォーマット55への登録の権限である。フォーマット55は、デジタルコンテンツ80をコンテンツマーケット65に投稿するためのフォーマット55である。売上は、デジタルコンテンツ80がコンテンツマーケット65で売れた場合の売上である。管理制御装置11は、契約情報31に基づき、トークンをメンバー端末40に管理通信装置13を介して送信する。トークンは、配分に相当する。
【0028】
これによって、メインメンバー21は自身のスキルで制作可能なコンポーネント81を担当し、他のコンポーネント81の制作を他のメインメンバー21に任せることができる。そのため、複数人がデジタルコンテンツ80の制作に関与して報酬を得られる仕組みを実現できる。
【0029】
契約情報31は、コミュニティ24の状態によって適宜更新される。契約情報31は、サブメンバー22がチーム23に加入して新規のメインメンバー21となると更新される。例えば、IDが"hanako"である既存のメインメンバー21に勧誘されて、IDが"yamada"であるサブメンバー22がチーム23に加入されるケースを説明する。図4(a)に示すように、当初"hanako"は、第1のコンポーネント81から第3のコンポーネント81の権限を有する。また"hanako"は、配分30%の配分権を有する。これは、"yamada"が新規のメインメンバー21になると、図4(b)に示すように、"hanako"が権限を有するコンポーネント81は、第1のコンポーネント81と第2のコンポーネント81に減少する。第3のコンポーネント81の権限は、"yamada"に移る。また"hanako"の配分権は、配分20%に減少する。"yamada"は、配分10%の配分権を得る。このように管理制御装置11は、サブメンバー22がチーム23に加入して新規のメインメンバー21となる場合、新規のメインメンバー21のIDに対応付けて、既存のメインメンバー21から分け与えられた権限に対応するコンポーネント81を示す契約情報31をブロックチェーンシステム30に記憶させることができる。また管理制御装置11は、サブメンバー22がチーム23に加入して新規のメインメンバー21となる場合、新規のメインメンバー21のIDに対応付けて、既存のメインメンバー21から分け与えられた配分権に対応する配分を示す契約情報31をブロックチェーンシステム30に記憶させる。
【0030】
従来は、組織の一部の人間にしか採用の権限がなく、また、同じ組織の他者の承認を必要とする場合にその承認を得るためにある程度の時間が必要となる。これに対して本実施形態の管理システム1は、メインメンバー21が自身の権限で自由にサブメンバー22をチーム23に加入させることができる。これによって、新規のメインメンバー21を加入させるために他のメインメンバー21の承認を得る必要がなく、採用にかける時間を短くしてデジタルコンテンツ80の質を向上させることができる。
【0031】
また、例えば、IDが"hanako"であるメインメンバー21によって、IDが"maiko"であるサブメンバー22が雇われるケースを説明する。図4(a)に示すように、当初"hanako"は、配分30%の配分権を有する。これは、"maiko"が仕事を請け負うことによって、図4(c)に示すように、"hanako"の配分権は配分20%に減少する。"maiko"は、配分10%の配分権を得る。管理制御装置11は、メインメンバー21がサブメンバー22に仕事を依頼する場合、サブメンバー22のIDに対応付けて、メインメンバー21から分け与えられた配分権に対応する配分を示す契約情報31をブロックチェーンシステム30に記憶させる。このように、メインメンバー21は、自身の配分権から自由にサブメンバー22を雇うことができ、仕事の効率を上げることができる。また自身の配分権からサブメンバー22を雇うことで、サブメンバー22の仕事をきちんと評価しようという気になりやすく、成果に見合った報酬が適切にサブメンバー22に支払われやすくなる。
【0032】
以上のことから、コンテンツ販売システム100を利用するチーム23は、中央集権的な管理者がいなくてもメインメンバー21がそれぞれ自発的に行動する分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization:DAO)を実現できる。
【0033】
管理記憶装置14は、管理サーバ10が実行する各種のプログラムを記憶する。各種のプログラムは、管理プログラムを含む。管理プログラムは、契約情報31の記憶及び契約情報31に基づく報酬の分配を管理サーバ10に実行させるためのプログラムである。管理プログラムは、トークン発行の処理を行うプログラムである。管理記憶装置14は、コンピュータにより読み取られ、当該コンピュータによって実行可能なプログラグムを記録する一時的ではない有形の記録媒体であればよい。管理記憶装置14は、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されてもよい。
【0034】
管理データベース15は、各種のデータを記憶するデータベースである。
【0035】
管理制御装置11は、管理通信装置13と管理記憶装置14と管理データベース15とをそれぞれ制御する。本実施形態において、管理制御装置11は、ブロックチェーンシステム30に契約情報31を記憶させる。管理制御装置11は、ブロックチェーンシステム30にのみ契約情報31を記憶する構成であってもよい。管理制御装置11は、ブロックチェーンシステム30及び管理データベース15に契約情報31をそれぞれ記憶する構成であってもよい。なお、管理制御装置11は、ユーティリティトークンを発行することで、契約情報31を管理する構成であってもよい。
【0036】
管理制御装置11は、トークン発行部12として機能する。管理制御装置11のトークン発行部12は、契約情報31に基づき、配分に相当するトークンを生成する。トークンは、コミュニティ24内及びコンテンツマーケット65でメンバー20によって通貨と同様に利用される。トークンは、例えば、ポイント又はクーポンである。管理制御装置11は、生成したトークンをメンバー端末40に通信装置を介して送信する。このようにして管理制御装置11はトークンを発行する。すなわち、トークン発行部12は、トークン発行の処理を行うプログラムのサブルーチンである。
【0037】
このような管理制御装置11の機能は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアはプログラムとして記述され、管理記憶装置14に格納される。図示しないCPU(Central Processing Unit)は、管理記憶装置14に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、管理制御装置11による各制御を実現する。
【0038】
図1に示すコンテンツサーバ50は、デジタルコンテンツデータを記憶するコンピュータである。コンテンツサーバ50は、コンテンツ制御装置51と、コンテンツ通信装置52と、コンテンツ記憶装置53と、コンテンツデータベース54とを有する。コンテンツサーバ50は、コンテンツ通信装置52を介して、管理サーバ10と通信する。コンテンツ通信装置52は、チーム23によって制作されたデジタルコンテンツデータを管理サーバ10から受信する。コンテンツ制御装置51は、受信したデジタルコンテンツデータをコンテンツデータベース54に記憶させる。コンテンツ通信装置52は、マーケットサーバ60にデジタルコンテンツデータを送信する。コンテンツ記憶装置53は、コンテンツサーバ50が実行する各種のプログラムを記憶する。
【0039】
コンテンツ制御装置51は、コンテンツ通信装置52とコンテンツ記憶装置53とコンテンツデータベース54とをそれぞれ制御する。コンテンツ制御装置51の機能は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアはプログラムとして記述され、コンテンツ記憶装置53に格納される。図示しないCPUは、コンテンツ記憶装置53に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、コンテンツ制御装置51による各制御を実現する。
【0040】
マーケットサーバ60は、コンテンツマーケット65のためのコンピュータである。マーケットサーバ60は、マーケット制御装置61と、マーケット通信装置62と、マーケット記憶装置63と、マーケットデータベース64とを有する。マーケットサーバ60は、マーケット通信装置62を介して、コンテンツサーバ50と通信する。マーケットサーバ60は、マーケット通信装置62を介して、ユーザ端末70と通信する。マーケット通信装置62は、ユーザ71によってコンテンツマーケット65で購入されたデジタルコンテンツデータを、ユーザ端末70に送信する。マーケット記憶装置63は、マーケットサーバ60が実行する各種のプログラムを記憶する。マーケットデータベース64は、売上データ及びユーザデータを記憶する。売上データは、コンテンツマーケット65におけるデジタルコンテンツ80の売上を示す。ユーザデータは、コンテンツマーケット65のユーザ71に関する情報を示す。
【0041】
マーケット制御装置61は、マーケット通信装置62とマーケット記憶装置63とマーケットデータベース64とをそれぞれ制御する。マーケット制御装置61の機能は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアはプログラムとして記述され、マーケット記憶装置63に格納される。図示しないCPUは、マーケット記憶装置63に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、マーケット制御装置61による各制御を実現する。
【0042】
以上のようなコンテンツ販売システム100は、例えば図5に示すように、第1のメインメンバー21が第1のサブメンバー22と交渉し、第1のサブメンバー22を第1のチーム23に加入させる。これにより、第1のサブメンバー22は、第2のメインメンバー21となる。第2のメインメンバー21の権限は、第1のメインメンバー21の権限から分け与えられる。第2のメインメンバー21の配分権は、第1のメインメンバー21の配分権から分け与えられる。次に、第2のメインメンバー21は、第nのサブメンバー22と交渉し、第nのサブメンバー22を第1のチーム23に加入させる。これにより、第nのサブメンバー22は、第nのメインメンバー21となる。第nのメインメンバー21の権限は、第2のメインメンバー21の権限から分け与えられる。第nのメインメンバー21の配分権は、第2のメインメンバー21の配分権から分け与えられる。このようにして、第1のチーム23が形成される。なお、1人のメインメンバー21が交渉及び加入させるサブメンバー22の人数に制限はない。また第nのメインメンバー21は、第n+1のサブメンバー22と交渉し、第n+1のサブメンバー22に仕事を依頼できる。第n+1のサブメンバー22の配分権は、第nのメインメンバー21の配分権から分け与えられる。
【0043】
第1のチーム23の各メインメンバー21によってフォーマット55に登録されたコンポーネント81、すなわちデジタルコンテンツ80は、コンテンツサーバ50に記憶される。そして、デジタルコンテンツ80は、マーケットサーバ60を介してコンテンツマーケット65で販売される。コンテンツマーケット65での純利益は、契約情報31に基づいて各メンバー20にトークンで分配される。
【0044】
≪ハードウェアによる実現例≫
管理サーバ10は、図6に示すようなハードウェア構成によって実現される。管理サーバ10は、CPU91と、ROM(Read Only Memory)92と、RAM(Random Access Memory)93と、ストレージ装置94と、管理通信装置13と、バス95とを備える。これらの構成要素は、1以上のハードウェアである半導体集積回路などにより実現されるが、これに限定されない。
【0045】
CPU91は、演算処理装置および制御装置として機能する。CPU91は、各種プログラムに従って管理サーバ10の動作全般を制御する。CPU91は、RAM93を作業領域にしてROM92に記憶されている各種プログラムを実行する。CPU91は、プログラムを実行することで管理サーバ10の管理制御装置11として機能する。
【0046】
ROM92は、CPU91が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。ROM92は、例えば、管理制御装置11で実行されるプログラムを記憶する。
【0047】
RAM93は、CPU91が制御を実行する際に使用するプログラムを一時的に記憶する。またRAM93は、CPU91が制御を実行する際に適宜変化する変数等を一時的に記憶する。RAM93は、管理制御装置11の一部である。
【0048】
ストレージ装置94は、例えば磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等の情報を記憶可能な装置によって実現される。ストレージ装置94は、CPU91が実行するプログラム、および、外部から取得したデータを含む各種のデータ等を格納する。各種のデータは、契約情報31を含んでもよい。ストレージ装置94は、管理データベース15の一部である。
【0049】
管理通信装置13は、コンテンツサーバ50及びその他の機器との間で通信する。管理通信装置13による通信は、主に無線通信であるが、有線通信であってもよい。また、管理通信装置13は近距離無線通信により通信してもよい。管理通信装置13は、例えばモデム又はルータである。
【0050】
バス95は、管理サーバ10の各構成を接続する。これにより管理サーバ10の各構成が、相互にデータの送受信を行うことできる。
【0051】
コンテンツサーバ50及びマーケットサーバ60は、管理サーバ10と同様のハードウェア構成であるため、具体的な個々の要素の説明を省略する。
【0052】
上記第1実施形態において管理サーバ10はブロックチェーンシステム30で契約情報31を記憶するが、この構成に限定されない。管理サーバ10は、図7にイメージを示すグラフデータベース32を利用して管理データベース15に契約情報31を記憶する構成であってもよい。グラフデータベース32は、グラフ構造を備えたデータベースである。グラフ構造は、ノードとエッジとプロパティの3要素によってノード間の関係性を表現できる。本変形例の場合、ノードは、各メンバー20に対応する。エッジは、メンバー20同士の関係性に対応する。この関係性は、契約情報31に基づく親子関係である。例えば、権限を与えたメインメンバー21が親となる。また権限を与えられたメンバー20が子となる。プロパティは、属性情報である。プロパティは、メンバー20に割り当てられた権限に対応する。プロパティは、メンバー20に割り当てられた配分権に対応する。具体的に、ノードは、図7に例示する3名のメインメンバー21a,21b,21cと2人のサブメンバー22a,22bとに対応する。エッジは、例えば、メインメンバー21aがメインメンバー21bに権限と配分権とを分け与えていることから、メインメンバー21aが親であり、メインメンバー21bが子であるという親子関係を表す。エッジは、例えば、メインメンバー21bがサブメンバー22aに配分権を分け与えていることから、メインメンバー21bが親であり、サブメンバー22aが子であるという親子関係を表す。管理サーバ10は、このようなグラフデータベース32を利用することで、各メンバー20の複雑な関係を適切に記憶できる。このようなグラフデータベース32は、記憶システムに相当する。
【0053】
≪第2実施形態≫
図8に示す第2実施形態のコンテンツ販売システム200は、管理サーバ10と、メンバー端末40と、ブロックチェーンシステム30と、コンテンツサーバ250と、マーケットサーバ60と、ユーザ端末70とを有する。コンテンツ販売システム200は、コンテンツサーバ50の代わりにコンテンツサーバ250を備えること以外、第1実施形態のコンテンツ販売システム100と同様の構成である。以下、前の実施形態と同様の構成は、前の実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
コンテンツサーバ250は、コンテンツ制御装置251と、コンテンツ通信装置52と、コンテンツ記憶装置53と、コンテンツデータベース54と、参考情報データベース254とを有する。コンテンツサーバ250は、コンテンツ通信装置52を介して、コンテンツ販売システム200外にある外部サーバ210と通信する。コンテンツサーバ250は、コンテンツ通信装置52を介して、メンバー端末40と通信する。メンバー端末40は、表示装置40aを備える。表示装置40aは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイである。コンテンツ通信装置52は、例えば送信機と受信機とを含む。管理通信装置13及びマーケット通信装置62も同様である。
【0055】
本実施形態のコンテンツ販売システム200は、テキストデータを含むデジタルコンテンツ80の概要をメンバー20に示ことができる。コンテンツ販売システム200は、コンテンツデータベース54に記憶された2以上のデジタルコンテンツ80それぞれの概要を一度に示すことができる。コンテンツ販売システム200は、グラフ構造を利用してデジタルコンテンツ80の概要を示す。コンテンツ販売システム200は、グラフ構造をメンバー端末40に表示することで、デジタルコンテンツ80の概要を示す。デジタルコンテンツ80は、活動成果情報280に相当する。活動成果情報280は、コミュニティ24に所属する各メンバー20の活動に伴って生成される情報である。活動成果情報280は、後述するメンバー20のプロフィールデータも含む。活動成果情報280に基づいて生成されるグラフ201は、活動成果グラフに相当する。
【0056】
図9に示すように、グラフ201は、2以上のトリプレット209で構成される。グラフ201は、グラフ構造を持つ。グラフ201は、トリプレット209の集合ともいえる。トリプレット209は、2つのノード202とエッジ203とで構成される。ノード202は、固有表現を示す。各ノード202が示す固有表現は、それぞれ異なる。固有表現は、デジタルコンテンツ80に含まれるテキストデータから抽出される。固有表現は、テキストデータから情報抽出を行う際にキー要素となる表現である。テキストデータは文章のデータである。固有表現は、固有名詞、数値表現又は時間表現である。本実施形態において、固有表現は、メンバー20の特徴、メンバー20による申告、又は、活動内容などの表現であってもよい。メンバー20の特徴、メンバー20による申告及び活動内容は、後述する。トリプレット209は、これらの固有表現のうち1種類を使用してもよく、2種類以上を使用してもよい。固有名詞は、人名、事物の名称、地名、組織名又は商品名などである。本実施形態において、商品名は、デジタルコンテンツ80の識別情報と、コンポーネント81の識別情報とを含む。数値表現は、数量、金額又はパーセンテージなどである。時間表現は、日付又は時間などである。各ノード202が示す固有表現の種類は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。固有表現は、あらゆる表現の中から、予めその範囲が定義されていてもよい。以下、人名、事物の名称及び地名を、「ヒト、モノ、コト、バ」とも記載する場合がある。エッジ203は、ノード202同士の関係を示す。グラフ201は、エッジ203に向きのある有向グラフと、エッジ203に向きのない無向グラフとがある。例えば、図9は、「源頼義」のノード202から「鶴岡八幡宮」のノード202へエッジ203が延びた有向グラフである。エッジ203が示す「設立」は、「源頼義」のノード202と「鶴岡八幡宮」のノード202とを関係付ける。すなわち、図9のグラフ201は、「源頼義」が「鶴岡八幡宮」を設立したことを示す。
【0057】
図9のグラフ201は、以下の概要を表す。
・源頼義は、石清水八幡宮で戦勝を祈願した。
・源頼義は、鶴岡八幡宮を設立した。
・源義家の親は、源頼義である。
・源頼朝は、鶴岡八幡宮を移設した。
・源頼朝は、武家を崇拝した。
・源頼朝は、河内源氏である。
・源頼朝の祖先は、源義家である。
・源義家の祖先は、河内源氏である。
・河内源氏の一族は、武家である。
・鶴岡八幡宮は、廃仏毀釈が実施された。
【0058】
図9のグラフ201は、例えば、デジタルコンテンツ80として下記のような内容のテキストデータから固有表現を抽出して作成される。
【0059】
「鶴岡八幡宮」の歴史について
河内源氏2代目の源頼義が、前九年の役での戦勝を祈願した京都の石清水八幡宮護国寺を鎌倉の由比郷鶴岡に鶴岡若宮として勧請したのが始まりである。河内源氏3代目の源義家(八幡太郎義家)が修復を加えた。平家打倒の兵を挙げ鎌倉に入った河内源氏後裔の源頼朝は、12日に宮を現在の地である小林郷北山に遷す。以後社殿を中心にして、幕府の中枢となる施設を整備していった。社殿の焼損を機に、上宮(本宮)と下宮(若宮)の体制とし、あらためて石清水八幡宮護国寺を勧請した。源頼朝が鎌倉幕府を開いた後は、源義家が勧請した経緯もあり、武家の崇敬を集めた。鎌倉幕府衰退後は、25の僧坊の数も減少し、一時衰退する。戦国時代には里見氏により焼き討ちにあうも(鶴岡八幡宮の戦い)、北条氏綱が再建を果たす。江戸幕府崩壊後、鶴岡八幡宮においてもいわゆる廃仏毀釈の動きが始まった。
【0060】
本実施形態のコンテンツ販売システム200は、図10に示すようなオントロジ204をメンバー端末40の表示装置40aに表示する表示処理を行う。コンテンツ販売システム200は、オントロジ204を利用して、コンテンツデータベース54に記憶された2以上のデジタルコンテンツ80の概要をメンバー端末40の表示装置40aに表示する。オントロジ204は、デジタルコンテンツ80に関する知識を網羅したグラフ201である。オントロジ204は、所定の網羅コンテンツから生成される。網羅コンテンツは、デジタルコンテンツ80に関する分野の知識を網羅したコンテンツである。オントロジ204は、網羅コンテンツに含まれるテキストデータから抽出された固有表現をノード202とするグラフ201である。本実施形態において、網羅コンテンツは、Wikipediaを含む。すなわち、網羅コンテンツは、外部サーバ210から取得されたデータを含む。本実施形態において、網羅コンテンツは、参考情報データベース254に記憶された参考情報を含む。本実施形態において、網羅コンテンツは、コンテンツデータベース54に記憶されたデジタルコンテンツ80を含む。網羅コンテンツは、Wikipedia以外の外部サイトを含んでもよい。網羅コンテンツは、ウェブサイトを含まなくてもよい。網羅コンテンツは、デジタルコンテンツに関連する分野の知識が掲載された書籍を含んでもよい。
【0061】
メンバー端末40の表示装置40aに表示されたオントロジ204は、図10に示すように、各デジタルコンテンツ80に含まれる固有表現を識別可能である。まとまり206は、デジタルコンテンツ80に含まれた2以上の固有表現を示す。1つのデジタルコンテンツ80に含まれる2以上の固有表現は、1つのまとまり206で表される。まとまり206は、2以上の共通ノード205を含む。共通ノード205は、オントロジ204を構成するノード202のうち、オントロジ204とデジタルコンテンツ80とで共通するノード202である。まとまり206は、2以上の共通ノード205を囲む線及び色の少なくともいずれか1つによって他のまとまり206と識別可能である。まとまり206は、共通ノード205及びエッジ203によってデジタルコンテンツ80の概要を示す。デジタルコンテンツ80の概要を示すまとまり206は、他のデジタルコンテンツ80の概要を示すまとまり2062に対して識別可能である。2以上のまとまり206は、一部が互いに重複して表示装置40aに表示される場合がある。表示装置40aは、オントロジ204のボリュームに応じて、オントロジ204の一部又は全体を表示する。
【0062】
コンテンツ制御装置251は、テキストデータから固有表現を抽出する。本実施形態において、コンテンツ制御装置251は、網羅コンテンツ、デジタルコンテンツ80及びプロフィールデータにそれぞれ含まれるテキストデータから固有表現を抽出する。コンテンツ制御装置251は、抽出した固有表現同士の関係性をエッジ203として解析できる。コンテンツ制御装置251は、ノード202間を直線に延びるエッジ203を含んだグラフ201を生成する。プロフィールデータの詳細は後述する。
【0063】
コンテンツ制御装置251は、以下のようにしてグラフ201を生成する。
1)入力されたテキストデータを5W1Hの形に分析する
2)Why、Howを除く4Wの要素に、ヒト、モノ、コト、バのいずれかを割り当てる
3)固有表現の要素をノード202とし、エッジ203を、5W1Hの分析結果から割り当てる。エッジ203は、要素間の関係性を表す。
4)上記1~3を繰り返して、複数のテキストデータから得られた分析結果を統合してグラフ201を得る
【0064】
なお、トリプレット209の集合、すなわちグラフ201は、コンテンツサーバ250内でコンテンツ制御装置251等によって扱われるときはデータの羅列であり、メンバー端末40の表示装置40aでは図9などに示すような構造で表示される。
【0065】
本実施形態のコンテンツ販売システム200は、まとまり206をデジタルコンテンツ80ごとに識別可能なオントロジ204を表示装置40aに表示させることで、2以上のデジタルコンテンツ80の概要を体系的にメンバー20に示すことができる。そのため、コンテンツ販売システム200は、既存のデジタルコンテンツ80と同一又は類似したデジタルコンテンツ80が新たに制作されることを防止できる。
【0066】
ここで、例えば、同一又は類似のテーマを扱った2以上のデジタルコンテンツ80は、それぞれ同じ固有表現を含む可能性がある。このような場合、1つの共通ノード205が、1つのデジタルコンテンツ80のみに対応するのではなく、2以上のデジタルコンテンツ80に対応する状態となる。例えば、図11に示すように、Bの共通ノード205が多くのデジタルコンテンツ80に対応する場合、2以上のまとまり206が互いに重なって表示されるので、各デジタルコンテンツ80に対応する共通ノード205が分かりにくくなる。そのため、本実施形態のコンテンツ販売システム200は、第1所定数を超えるデジタルコンテンツ80に対応する共通ノード205を含むオントロジ204の場合、同一の固有表現を示す共通ノード205を2以上表示させる。例えば、表示装置40aに表示されたオントロジ204は、Bの共通ノード205と、B'の共通ノード205とを含む。B'の共通ノード205は、Bの共通ノード205と同一の固有表現を示す。B'の共通ノード205は、Bの共通ノード205と本質的に同一である。B'の共通ノード205は、Bの共通ノード205の仮想的なノード202である。B'の共通ノード205は、コンテンツサーバ250内でコンテンツ制御装置251等によって扱われるときは存在せず、メンバー端末40の表示装置40aには表示される。第1所定数は、例えば3以上10以下である。第1所定数は、3以上5以下が好ましい。第1所定数は3であることがさらに好ましい。表示装置40aに表示されたオントロジ204は、第1所定数以下のデジタルコンテンツ80にしか含まれない固有表現を共通ノード205によって1つだけ示す。表示装置40aに表示されたオントロジ204は、第1所定数を超えるデジタルコンテンツ80に含まれる固有表現を2以上の共通ノード205によって示す。そのため、コンテンツ制御装置251は、互いに類似するデジタルコンテンツ80それぞれの概要もメンバー20に好適に示すことができる。
【0067】
また、コンテンツ制御装置251は、1つのノード202から延びるエッジ203の数が第2所定数を超える場合に、同一の固有表現を示すノード202を2以上含むオントロジ204を表示装置40aに表示させる構成であってもよい。これによって、コンテンツ販売システム200は、他の固有表現に関連する固有表現を含むテキストデータでもメンバー20にとって見えやすいグラフ201を表示装置40aに表示できる。このように、コンテンツ制御装置251は、視認性向上のため、所定の条件を満たす場合、同一の固有表現を示すノード202を2以上含むオントロジ204を表示装置40aに表示される。第2所定数は、例えば5以上15以下である。第2所定数は、例えば9以上15以下が好ましい。
【0068】
本実施形態において、コンテンツ販売システム200は、2つのデジタルコンテンツ80が互いに類似するか否か判断できる。コンテンツ販売システム200は、メインメンバー21によって新たに制作されたデジタルコンテンツ80と、既存のデジタルコンテンツ80とが類似するか否か判断できる。コンテンツ制御装置251は、新たに制作されたデジタルコンテンツ80に含まれるテキストデータから固有表現を抽出し、グラフ201を生成する。コンテンツ制御装置251は、コンテンツデータベース54に記憶された2以上のデジタルコンテンツ80から得られたグラフ201をそれぞれ取得する。以下、デジタルコンテンツ80から生成されたグラフ201は、コンテンツグラフ208とも記載される。コンテンツ制御装置251は、新たに制作されたコンテンツグラフ208と、既存のコンテンツグラフ208それぞれとを比較する。本実施形態において、コンテンツ制御装置251は、各グラフ201を構成する全ノード202のうち、互いに一致するノード202の割合に基づいて類似度を算出する。類似度は、2つのデジタルコンテンツ80が類似する程度を示す。コンテンツ制御装置251は、各グラフ201を構成する全ノード202及びエッジ203のうち、互いに一致するノード202及びエッジ203の割合に基づいて類似度を算出してもよい。例えば、コンテンツ制御装置251は、新たなコンテンツグラフ208を構成するノード202が100個であり、既存のコンテンツグラフ208を構成する50個のノード202と一致する場合、類似度を50と算出する。
【0069】
なお、コンテンツ販売システム200は、デジタルコンテンツ80になる前の下書きのような状態でのコンテンツであっても既存のデジタルコンテンツ80と類似するか否か判断できる構成であってもよい。
【0070】
本実施形態において、コンテンツ販売システム200は、コンテンツグラフ208を生成する場合に補完処理を行う。補完処理は、オントロジ204に基づいてコンテンツグラフ208を補完する処理である。コンテンツ制御装置251は、補完処理を行う場合、オントロジ204を構成するノード202を、共通ノード205又は差分ノード207に判別する。差分ノード207は、オントロジ204とコンテンツグラフ208とで相違するノード202である。コンテンツ制御装置251は、2つの共通ノード205を関連付ける差分ノード207及びエッジ203でコンテンツグラフ208を補完する。コンテンツ制御装置251は、例えば、図12(a)に示すようなコンテンツグラフ208が制作された場合、(c)に示すオントロジ204を構成するAのノード202、Bのノード202及びJのノード202をそれぞれ共通ノード205と判別し、それ以外のノード202を差分ノード207と判別する。コンテンツ制御装置251は、Aの共通ノード205とBの共通ノード205とを関連づけるKの差分ノード207を、図12(a)に示すコンテンツグラフ208に補完し、図12(b)に示すコンテンツグラフ208を得る。このように互いに共通したノード202を持つオントロジ204に基づいてコンテンツグラフ208を補完することで、デジタルコンテンツ80の内容に合致しておらず同じ名称だが別の対象を示すノード202及びエッジ203が補完に利用される可能性を下げることができる。
【0071】
コンテンツ制御装置251は、類似度に基づいて、新たに制作されたデジタルコンテンツ80がn次的著作物であるか否か判断する。コンテンツ制御装置251は、類似度が大きくなるほど、2つのデジタルコンテンツ80が類似すると判断する。コンテンツ制御装置251は、類似度が所定値を超える場合、2つのデジタルコンテンツ80が類似すると判断する。n次的著作物は、n-1次的著作物である既存のデジタルコンテンツ80と同一又は類似の内容を含む著作物である。例えば、nが2である二次的著作物は、一次的著作物である既存のデジタルコンテンツ80と同一又は類似の内容を含む著作物である。コンテンツ制御装置251は、補完されたコンテンツグラフ208同士を比較することで、デジタルコンテンツ80の実質的な内容で類似度を算出できる。実質的な内容が一致する場合、補完前のコンテンツグラフ208同士を比較すると一部に互いに異なったノード202が含まれるが、補完後のコンテンツグラフ208同士を比較すると互いのノード202が一致する。実質的な内容の一致を、デジタルコンテンツ80がクイズである場合を例に説明する。「源頼義が設立した神社は何か」という第1クイズと、「源義家の親が設立した神社は何か」という第2クイズがあるとする。第2クイズは、第1クイズよりも後に制作されたクイズである。図9に表されているように源頼義は源義家の親であり、どちらも答えが鶴岡八幡宮であり問題文も類似することから、第1クイズと第2クイズとは実質的に同じ内容であると言える。また、第2クイズは第1クイズと類似する二次的著作物であると言える。コンテンツ制御装置251は、補完されたコンテンツグラフ208同士を比較することで、デジタルコンテンツ80の実質的な内容で類似度を算出してn次的著作物か否か判断できる。コンテンツ制御装置251は、類似又は非類似の判断を、デジタルコンテンツ80ごとではなく、コンポーネント81ごとに行ってもよい。この場合、デジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81を、他のデジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81と比較する。
【0072】
本実施形態において、図8に示す管理制御装置11は、二次的著作物であるデジタルコンテンツ80がコンテンツマーケット65でユーザ71によって購入された場合、類似度に基づいて報酬の配分を行う。管理制御装置11は、類似度に基づき、二次的著作物の売上を、一次的著作物を制作したメインメンバー21へ報酬を分配する計算を行う。コンテンツ販売システム200は、二次的著作物が存在する場合、二次的著作物の売上を一次的著作物であるデジタルコンテンツ80を制作したメインメンバー21に柔軟に分配できる。管理制御装置11は、例えば類似度が60%の二次的著作物がユーザ71によって購入された場合、一次的著作物を制作したメインメンバー21へ純利益の60%を分配する計算を行い、二次的著作物を制作したメインメンバー21へ純利益の40%を分配する計算を行う。トークン発行部12は、類似度に基づき、配分に相当するトークンを生成する。管理制御装置11は、類似度に基づいた配分をさらに図4等に示す契約情報31に基づいて図2に示す各チーム23のメインメンバー21に分配する。
【0073】
本実施形態において、図8に示すコンテンツ制御装置251は、所定のタイミングで、参考情報に基づいてオントロジ204を更新する。参考情報は、デジタルコンテンツ80の制作に利用される情報である。参考情報は、それ単体ではデジタルコンテンツ80には足りない情報である。参考情報は、サブメンバー22を含めたメンバー20によって投稿され、参考情報データベース254に記憶される。メインメンバー21は、参考情報に基づいてデジタルコンテンツ80を制作できる。なお、この場合、コンテンツ販売システム200は、デジタルコンテンツ80の制作に利用された参考情報の投稿者であるメンバー20に、デジタルコンテンツ80の制作者であるメインメンバー21から報酬を付与する構成にできる。コンテンツ制御装置251は、所定のタイミングで、新たに参考情報データベース254に記憶された参考情報に基づいてオントロジ204を更新する。コンテンツ制御装置251は、新たに制作されたデジタルコンテンツ80がオントロジ204に含まれない固有表現を含む場合に、そのデジタルコンテンツ80に基づいてオントロジ204を更新してもよい。コンテンツ制御装置251は、オントロジ204を更新することで、コンテンツグラフ208の補完処理やオントロジ204の表示処理をよりよく実施できる。
【0074】
参考情報は、例えば以下のようなテキストデータである。
・源頼義は、1063年8月に石清水八幡宮護国寺(あるいは河内源氏氏神の壺井八幡宮)を鎌倉の由比郷鶴岡に鶴岡若宮として勧請した。
・源頼義は、河内国(大阪府羽曳野市)を本拠地としていた。
【0075】
上記のような参考情報が投稿された場合、コンテンツ制御装置251は、図9に二点鎖線で示すように、「1063年」のノード202と、「1063年」のノード202から「鶴岡八幡宮」のノード202に向けた「設立」のエッジ203とをオントロジ204に追加する。またコンテンツ制御装置251は、図9に二点鎖線で示すように、「河内国」のノード202と、「源頼義」のノード202から「河内国」のノード202に向けた「本拠地」のエッジ203とをオントロジ204に追加する。このような追加によって、コンテンツ制御装置251は、オントロジ204を更新する。コンテンツ制御装置251は、他の網羅コンテンツに基づいてオントロジ204を更新する構成であってもよい。コンテンツ制御装置251は、更新に利用する情報を所定の条件で選定できる構成であってもよい。
【0076】
コンテンツ制御装置251は、図13に示すオントロジ204の表示処理を行う。表示処理は、メンバー端末40にオントロジ204を表示させる処理である。コンテンツ制御装置251は、メンバー20がオントロジ204をメンバー端末40に表示させる指示を受けると表示処理を開始する。
【0077】
ステップS1で、コンテンツ制御装置251は、コンテンツデータベース54に記憶されている2以上のデジタルコンテンツ80を取得する。
【0078】
ステップS2で、コンテンツ制御装置251は、ステップS1で取得したデジタルコンテンツ80に含まれるテキストデータから固有表現をそれぞれ抽出する。
【0079】
ステップS3で、コンテンツ制御装置251は、ステップS2で抽出した固有表現同士の関係性を解析する。
【0080】
ステップS4で、コンテンツ制御装置251は、2以上のトリプレット209を生成して、トリプレット209の集合であるコンテンツグラフ208を得る。
【0081】
ステップS5で、コンテンツ制御装置251は、オントロジ204に基づき、ステップS4で生成したコンテンツグラフ208を補完する。なお、ステップS1~S5は、コンテンツグラフ208の補完処理に相当する。
【0082】
ステップS6で、コンテンツ制御装置251は、ステップS5で補完したコンテンツグラフ208と、オントロジ204とを比較して、共通ノード205を検出する。
【0083】
ステップS7で、コンテンツ制御装置251は、オントロジ204にまとまり206を示すためのデータをメンバー端末40に送信する。これによってメンバー端末40の表示装置40aは、まとまり206をデジタルコンテンツ80ごとに識別可能なオントロジ204を表示する。コンテンツ制御装置251は、オントロジ204の表示処理を終了する。
【0084】
なお、コンテンツ制御装置251は、一度生成したコンテンツグラフ208を記憶しておき、次回以降はそのデータを再利用する構成であってもよい。図14に示す類似判別処理は、コンテンツ制御装置251がコンテンツグラフ208を再利用する場合の処理を示す。
【0085】
コンテンツ制御装置251は、図14に示す類似判別処理を行う。類似判別処理は、各デジタルコンテンツ80同士が類似するか否か判断する。コンテンツ制御装置251は、デジタルコンテンツ80が新たに投稿されると類似判別処理を開始する。
【0086】
ステップS11で、コンテンツ制御装置251は、新たに制作されたデジタルコンテンツ80を取得する。
【0087】
ステップS12で、コンテンツ制御装置251は、ステップS11で取得したデジタルコンテンツ80に含まれるテキストデータから固有表現をそれぞれ抽出する。
【0088】
ステップS13で、コンテンツ制御装置251は、ステップS12で抽出した固有表現同士の関係性を解析する。
【0089】
ステップS14で、コンテンツ制御装置251は、ステップS12で抽出した固有表現とステップS13で解析した固有表現同士の関係性に基づき、新たなコンテンツグラフ208を生成する。
【0090】
ステップS15で、コンテンツ制御装置251は、オントロジ204に基づき、ステップS14で生成したコンテンツグラフ208を補完する。
【0091】
ステップS16で、コンテンツ制御装置251は、補完された既存のコンテンツグラフ208を2以上取得する。
【0092】
ステップS17で、コンテンツ制御装置251は、ステップS15で補完したコンテンツグラフ208と、ステップS16で取得した既存のコンテンツグラフ208とを比較して、類似度を算出する。
【0093】
ステップS18で、コンテンツ制御装置251は、新たなコンテンツグラフ208とまだ比較していない既存のコンテンツグラフ208があるかどうか判断する。コンテンツ制御装置251は、比較していない既存のコンテンツグラフ208がある場合、比較していない既存のコンテンツグラフ208を用いて、ステップS17の処理を繰り返す。コンテンツ制御装置251は、比較していない既存のコンテンツグラフ208がない場合、ステップS19に進む。
【0094】
ステップS19で、コンテンツ制御装置251は、ステップS17で算出した類似度が所定値を超える場合、新たに制作されたデジタルコンテンツ80が既存のデジタルコンテンツ80のn次的著作物であると判断する。nは、2以上の整数である。コンテンツ制御装置251は、類似判別処理の結果を新たなデジタルコンテンツ80を制作したメインメンバー21にフォードバックし、類似判別処理を終了する。
【0095】
以上のように、第2実施形態に開示のコンテンツサーバ250は、コンテンツデータベース54と、コンテンツ制御装置251とを備える。コンテンツデータベース54は、デジタルコンテンツ80が2以上記憶される。デジタルコンテンツ80は、コミュニティ24のメンバー20によって制作される。コンテンツ制御装置251は、グラフ201としてコンテンツグラフ208を取得する。コンテンツ制御装置251は、グラフ201としてオントロジ204を取得する。グラフ201は、トリプレット209の集合である。トリプレット209は、2つのノード202とエッジ203とで構成される。2つのノード202は、それぞれ異なる固有表現を示す。エッジ203はノード202同士の関係を示す。コンテンツグラフ208は、デジタルコンテンツ80に含まれるテキストデータから生成される。オントロジ204は、所定の網羅コンテンツに含まれるテキストデータから生成される。網羅コンテンツは、デジタルコンテンツに関する知識が網羅されている。コンテンツ制御装置251は、共通トリプレット209aを検出する。共通トリプレット209aは、コンテンツグラフ208とオントロジ204とで共通するトリプレット209である。コンテンツ制御装置251は、差分ノード207を検出する。差分ノード207は、オントロジ204を構成するノード202のうちコンテンツグラフ208とオントロジ204とで相違するノード202である。コンテンツ制御装置251は、差分ノード207をコンテンツグラフ208に追加する。コンテンツ制御装置251は、補完処理を行う。補完処理は、差分ノード207と共通トリプレット209aの2つのノード202との関係をそれぞれ示すエッジ203をコンテンツグラフ208に追加する。
【0096】
差分ノード207は、オントロジ204に含まれるが、コンテンツグラフ208には含まれないノード202である。コンテンツ制御装置251は、共通トリプレット209aにつながる差分ノード207をコンテンツグラフ208に追加するので、同じ名称だけれども別の対象を示すノード202によってコンテンツグラフ208が補完される可能性を低下させ、デジタルコンテンツ80の内容と合致する可能性が高い情報でコンテンツグラフ208を補完できる。
【0097】
また本実施形態のコンテンツサーバ250において、コンテンツ制御装置251は、類似度を算出する。類似度は、デジタルコンテンツ80が類似する程度を示す。類似度は、補完処理が行われた2つのコンテンツグラフ208の共通するノードの数に基づき算出される。2つのコンテンツグラフ208は、2つのデジタルコンテンツ80に含まれるテキストデータからそれぞれ生成される。コンテンツ制御装置251は、類似度に基づき、メインメンバー21によって新たに制作されたデジタルコンテンツ80が二次的著作物であるか否か判断する。二次的著作物は、一次的著作物である既存のデジタルコンテンツ80と同一の内容が含まれる。
【0098】
コンテンツ制御装置251は、補完処理されたコンテンツグラフ208同士を比較することで、デジタルコンテンツ80の実質的な内容で類似度を算出できる。
【0099】
また本実施形態のコンテンツサーバ250は、参考情報データベース254をさらに含む。参考情報データベース254は、参考情報が蓄積される。参考情報は、メンバー20によって投稿される。参考情報は、他のメインメンバー21がデジタルコンテンツ80の制作に利用する。コンテンツ制御装置251は、更新処理を行う。更新処理は、参考情報が新たに投稿された場合、参考情報に含まれるテキストデータから生成されたトリプレット209をオントロジ204に追加する。
【0100】
コンテンツ制御装置251は、オントロジ204を更新することで、より適切にコンテンツグラフ208の補完処理を行える。
【0101】
本実施形態において、類似度は、二次的著作物であるデジタルコンテンツ80のコンテンツマーケット65での売上を、一次的著作物であるデジタルコンテンツ80を制作したメインメンバー21に配分する計算に用いられる。
【0102】
本実施形態のコンテンツサーバ250は、類似度に基づいて二次的著作物の売上を適切に一次的著作物の制作者に分配できる。
【0103】
また本実施形態のコンテンツサーバ250は、コンテンツデータベース54と、コンテンツ制御装置251と、コンテンツ通信装置52とを備える。コンテンツデータベース54は、活動成果情報280であるデジタルコンテンツ80が順次蓄積される。デジタルコンテンツ80は、コミュニティ24に所属する各メンバー20の活動に伴って生成される。コンテンツ制御装置251は、グラフ201として、活動成果グラフであるコンテンツグラフ208を取得する。コンテンツ制御装置251は、グラフ201として、オントロジ204を取得する。グラフ201は、2以上のノード202とエッジ203とで構成される。ノード202は、それぞれ異なる固有表現を示す。エッジ203は、ノード202同士の関係を示す。コンテンツグラフ208は、デジタルコンテンツ80に含まれるテキストデータから生成される。オントロジ204は、所定の網羅コンテンツに含まれるテキストデータから生成される。網羅コンテンツは、デジタルコンテンツ80に関する知識を網羅する。コンテンツ通信装置52は、メンバー端末40にオントロジ204のデータを送信する。メンバー端末40は、メンバー20に所有される。メンバー端末40は、表示装置40aを備える。コンテンツ制御装置251は、共通ノード205を検出する。共通ノード205は、オントロジ204を構成するノード202のうちコンテンツグラフ208とオントロジ204とで共通するノード202である。表示装置40aに表示されるオントロジ204は、デジタルコンテンツ80に対応する2以上の共通ノード205が、他のデジタルコンテンツ80に対応する2以上の共通ノード205と識別可能である。
【0104】
2以上の共通ノード205のまとまり206は、デジタルコンテンツ80の概要を示す。コンテンツサーバ250は、メンバー端末40の表示装置40aに、デジタルコンテンツ80ごとに共通ノード205を識別可能なオントロジ204を表示させることで、2以上のデジタルコンテンツ80の概要を体系的に示すことができる。コンテンツサーバ250は、表示装置40aに表示されたオントロジ204がメンバー20に閲覧されることで、すでにどのようなデジタルコンテンツ80が存在するか概要を知ることができ、既存のデジタルコンテンツ80と同一又は類似のデジタルコンテンツ80が制作されることを防止できる。
【0105】
また本実施形態において、表示装置40aに表示されるオントロジ204は、所定の条件を満たす場合、同一の固有表現を示す共通ノード205を2以上含む。そのため、コンテンツサーバ250は、内容が類似するデジタルコンテンツ80が比較的多く存在する場合でも、メンバー20にとって各デジタルコンテンツ80の概要を示す共通ノード205のまとまり206が見えにくくなることを抑制できる。
【0106】
本実施形態のコンテンツ販売システム200は、図15に示すように、メンバー20のプロフィールデータに基づいて生成されたオントロジ204をメンバー端末40に表示する。プロフィールデータに基づいて生成されたオントロジ204は、各メンバー20のプロフィールの概要を示す。プロフィールデータは、メンバー20のユーザーネーム、メンバー20の仕事内容、メンバー20の過去の実績データ、メンバー20に対する評価、メンバー20の特徴、メンバー20の申告及びメンバー20の活動内容の少なくともいずれか1つを示す。本実施形態において仕事は、例えば文章作成、イラスト作成、編集、広報などである。実績データは、メンバー20によるコミュニティ24内での実績に基づくデータである。本実施形態において過去の実績は、メンバー20が作成したコンポーネント81で示される。メンバー20の特徴は、他のメンバー20とのコミュニケーションの傾向を示す。メンバー20の特徴は、例えば、他のメンバー20とのコミュニケーションの中で肯定表現が多い又は少ない、否定表現が多い又は少ない、返信が早い又は遅い、1メッセージあたりの文章が多い又は少ないなどである。メンバー20の特徴は、コミュニケーションデータに基づいて作成される。コミュニケーションデータは、メンバー端末40を利用したメンバー20同士のメッセージのデータである。管理サーバ10は、コミュニケーションデータを取得し、各項目をメンバー20ごとに振り分けて特徴データを生成する。特徴データを生成するための生成ワードは、予め設定されておいてよい。生成ワードは、肯定表現であれば、例えば「良い」、「素敵」、「質が高い」などである。生成ワードは、否定表現であれば、例えば「悪い」、「間違いが多い」、「質が低い」などである。本実施形態のコンテンツ販売システム200は、特徴データを利用することで、メンバー20のコミュニティ24での実際の活動が反映されたオントロジ204を表示させることができる。このようなオントロジ204は、例えば、メンバー20が新たにメインメンバー21を集める場合の参考に利用される。
【0107】
本実施形態において、メンバー端末40の表示装置40aに表示されるオントロジ204は、各メンバー20のプロフィールがエッジ203の種類によって識別可能である。例えば、"hanako"に関するノード202は、比較的太い矢印のエッジ203で表される。"Suzuki"に関するノード202は、点線の矢印のエッジ203で表される。
【0108】
コンテンツ制御装置251は、実績データと申告データとを識別して管理できる構成であってもよい。申告データは、メンバー20が他のメンバー20にアピールしたい事項である。コンテンツ制御装置251は、メンバー20の操作に応じて、実績データと申告データと別々に表示又は非表示にできる構成であってもよい。これにより、オントロジ204で表現できるメンバー20のプロフィールの幅を広げることができる。メンバー端末40に表示されるオントロジ204は、エッジ203によって実績データと申告データとを識別可能な表現に限定されず、ノード202の円の大きさ又は色によって実績データと申告データとを識別可能であってもよい。
【0109】
コンテンツ制御装置251は、プロフィールデータに基づいて生成されたオントロジ204を利用して、新たにチーム23を作成するメインメンバー21に、他のメンバー20をメインメンバー21の候補として勧める構成であってもよい。
【0110】
以上の構成であることで、本実施形態のコンテンツサーバ250は、例えばチーム23のメインメンバー21を集めたい場合、どのようなプロフィールのメンバー20がコミュニティ24にいるか体系的に確認でき、メンバー20同士を簡単に比較できる。
【0111】
また本実施形態において、コンテンツ制御装置251は、コミュニケーションデータに基づいて特徴データを生成する。コミュニケーションデータは、メンバー端末40を介したメンバー20同士のコミュニケーションの内容を示す。特徴データは、メンバー20の特徴を示す。プロフィールデータは、特徴データを含む。そのため、コンテンツ制御装置251は、コミュニティ24でのメンバー20のコミュニケーションの傾向を示すオントロジ204を表示装置40aに表示させることができる。
【0112】
プロフィールデータは、実績データと申告データとを含む。実績データは、メンバー20によるコミュニティ24内での実績に基づいたデータである。申告データは、メンバー20が申告したデータである。コンテンツ制御装置251は、実績データと申告データとを識別して管理する。そのため、コンテンツサーバ250は、オントロジ204で表現できるメンバー20のプロフィールの幅を広げることができる。
【0113】
本実施形態のコンテンツサーバ250は、図16に示すようなグラフ201をメンバー端末40の表示装置40aに表示できる。以下、メンバー20による分析に用いられるグラフ201を分析用グラフ201aとも記載する。分析用グラフ201aは、例えば固有表現として売上金額を示す。分析は、例えば、あるデジタルコンテンツ80がコンテンツマーケット65で売上が高い理由を調べることである。分析は、例えば、コンテンツマーケット65で売上が高いデジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81の傾向を調べることである。本実施形態において、固有表現は、デジタルコンテンツ80の識別情報と、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の販売金額と、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の売上金額と、二次的著作物であるデジタルコンテンツ80の一次的著作物からの変更点と、コンポーネント81の識別情報と、メインメンバー21のID情報である。本実施形態において、分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202と、デジタルコンテンツ80の販売金額を示すノード202と、デジタルコンテンツ80の売上金額を示すノード202と、コンポーネント81の識別情報を示すノード202と、メインメンバー21のID情報を示すノード202と、二次的著作物であるデジタルコンテンツ80の一次的著作物からの変更点を示すノード20とを含む。本実施形態において、エッジ203は、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202を中心として他の種類の固有表現を示すノード202へ延びる。例えば、デジタルコンテンツ80であるコンテンツAを示すノード202は、配分30%のエッジ203によってコンポーネントa1を示すノード202とつながる。デジタルコンテンツ80であるコンテンツAを示すノード202は、料金のエッジ203によって販売金額400円を示すノード202とつながる。本実施形態において、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202を中心とする分析用グラフ201aは、制作者のエッジ203が、コンポーネント81の識別情報を示すノード202からメインメンバー21のID情報を示すノード202に延びる。
【0114】
グラフ201は、コンポーネント81の識別情報を示すノード202とメインメンバー21のID情報を示すノード202とを、制作者のエッジ203でつなぐことで、コンポーネント81を制作したメインメンバー21を示す。分析用グラフ201aは、コンポーネント81の識別情報を示すノード202とデジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202とを配分のエッジ203でつなぐことで、デジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81の割合を示す。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202と他のデジタルコンテンツ80の識別情報とを示すノード202とをn次コンテンツのエッジ203でつなぐことで、デジタルコンテンツ80が他のデジタルコンテンツ80のn次的著作物であることを示す。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202と販売金額を示すノード202とを料金のエッジ203でつなぐことで、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の販売金額を示す。グラフ201は、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202と売上金額を示すノード202とを売上のエッジ203でつなぐことで、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の売上金額を示す。
【0115】
本実施形態において、コンテンツ制御装置251は、売上データと契約情報とデジタルコンテンツ80にそれぞれ含まれるテキストデータから固有表現を抽出する。売上データは、コンテンツマーケット65におけるデジタルコンテンツ80の売上を示す。コンテンツ制御装置251は、コンテンツ通信装置52を介して、マーケットサーバ60から売上データを取得する。契約情報は、前述のように、デジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81の配分権と、コンポーネント81を制作したメインメンバー21とを示す。本実施形態において、デジタルコンテンツ80は、2以上のコンポーネント81に加えて、デジタルコンテンツ80の販売金額及びn次的著作物の関係にある他のデジタルコンテンツ80を示す情報をさらに含む。デジタルコンテンツ80の販売金額は、制作者であるメインメンバー21によって決定されて入力されてもよく、他のデジタルコンテンツ80の売上及び販売金額に基づいてコンテンツ制御装置251によって自動で決定されてもよい。n次的著作物の関係にある他のデジタルコンテンツ80を示す情報は、制作者であるメインメンバー21によって入力されてもよく、コンテンツ制御装置251が類似度に基づいて判断したn次的著作物か否かの情報が利用されてもよい。コンテンツ制御装置251は、メンバー端末40を介したメンバー20からの指示に応じて、分析用グラフ201aを生成する。コンテンツ制御装置251は、コンテンツ通信装置52を介して、生成された分析用グラフ201aのデータをメンバー端末40に送信する。これによって、コンテンツサーバ250は、分析用グラフ201aをメンバー端末40の表示装置40aに表示させる。表示装置40aに表示された分析用グラフ201aは、例えば、新たにデジタルコンテンツ80を制作するメンバー20によって閲覧され、売上の良いデジタルコンテンツ80のマーケティングに利用される。またコンテンツ制御装置251は、デジタルコンテンツ80の識別情報以外の固有表現を示すノード202を中心とする分析用グラフ201aを生成する構成であってもよい。コンテンツサーバ250は、メンバー端末40を介したメンバー20からの指示に応じて、中心となるノード202が異なる分析用グラフ201aを切り替えて表示装置40aに表示する。このように、ノード202が種類の異なる2以上の要素で作られた分析用グラフ201aは、分析の効率が良い。
【0116】
本実施形態において、コンテンツサーバ250は、デジタルコンテンツ80に関する複雑な関係をグラフ201で記憶する。コンテンツ販売システム200は、図17に示すような購入画面72をユーザ端末70に表示する。本実施形態において、マーケットサーバ60は、分析用グラフ201aに基づいて、ユーザ端末70の表示装置70aに購入画面72を表示させる。購入画面72は、デジタルコンテンツ80を表示する。購入画面72は、n次的著作物情報85を表示する。n次的著作物情報85は、利用元情報86と利用先情報87とを示す。利用元情報86は、購入画面72に表示されているデジタルコンテンツ80を制作するために利用された他のデジタルコンテンツ80に関する情報である。利用元情報86は、購入画面72に表示されているデジタルコンテンツ80が3次コンテンツの場合、例えば、1次コンテンツ及び2次コンテンツの販売金額、1次コンテンツから2次コンテンツへの変更点、2次コンテンツから3次コンテンツへの変更点、1次コンテンツ又は2次コンテンツを販売する購入画面72へのリンクである。利用先情報87は、購入画面72に表示されているデジタルコンテンツ80を利用して制作された他のデジタルコンテンツ80に関する情報である。利用先情報87は、購入画面72に表示されているデジタルコンテンツ80がn-1次コンテンツの場合、例えば、n次コンテンツの販売金額、n-1次コンテンツからn次コンテンツへの変更点、n次コンテンツを販売する購入画面72へのリンクである。このように、購入画面72は、デジタルコンテンツ80の情報とともに、デジタルコンテンツ80と従属関係にある他のデジタルコンテンツ80との差分を分析用グラフ201aに基づいて示す。そのため、コンテンツ販売システム200は、デジタルコンテンツ80の購入を検討するユーザ71に対して、ユーザ71が必要とする最小限の内容のデジタルコンテンツ80を提示できる。一般的に、比較的少ない手間で制作されたデジタルコンテンツ80は、販売金額が比較的安くなる。ユーザ71は、購入画面72を介して、自身が必要とする最小限のコンポーネント81を含むデジタルコンテンツ80を見つけることで、デジタルコンテンツ80をお得に購入できる。
【0117】
コンテンツ販売システム200は、図18に示すように、購入画面72の表示処理を行う。
【0118】
ステップS21で、コンテンツ制御装置251は、分析用グラフ201aを生成するための各種のデータを取得する。
【0119】
ステップS22で、コンテンツ制御装置251は、各種のデータに含まれるテキストデータから固有表現を抽出する。
【0120】
ステップS23で、コンテンツ制御装置251は、ステップS22で抽出した固有表現同士の関係性を解析する。
【0121】
ステップS24で、コンテンツ制御装置251は、複数のトリプレット209を生成する。
【0122】
ステップS25で、コンテンツ制御装置251は、複数のトリプレット209の集合である分析用グラフ201aを得る。
【0123】
ステップS26で、マーケットサーバ60は、ユーザ71の操作に応じて、分析用グラフ201aに基づき、従属関係をユーザ端末70に表示させ、購入画面72の表示処理を終了する。
【0124】
以上のように、コンテンツサーバ250は、デジタルコンテンツ80を管理する。デジタルコンテンツ80は、コンテンツマーケット65で販売される。デジタルコンテンツ80は、コンポーネント81を含む。コンポーネント81は、コミュニティ24を構成する2以上のメインメンバー21によってそれぞれ制作される。コンテンツサーバ250は、コンテンツ通信装置52と、コンテンツ制御装置251とを備える。コンテンツ通信装置52は、メンバー端末40と通信する。メンバー端末40は、表示装置40aを備える。メンバー端末40は、メンバー20によって所有される。コンテンツ制御装置251は、売上データと契約情報とを取得する。売上データは、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の売上データである。契約情報は、デジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81とコンポーネント81を制作したメインメンバー21とを示す。コンテンツ制御装置251は、分析用グラフ201aを、コンテンツ通信装置52を介して表示装置40aに表示させる。分析用グラフ201aは、2以上のノード202と、エッジ203とで構成される。ノード202は、売上データ及び契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す。エッジ203は、ノード202同士の関係を示す。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を識別情報とする。分析用グラフ201aは、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の売上金額を固有表現とする。分析用グラフ201aは、コンポーネント81の識別情報を固有表現とする。分析用グラフ201aは、メインメンバー21の識別情報であるID情報を固有表現とする。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202を中心として他の種類の固有表現を示すノード202へそれぞれ延びたエッジ203を含む。
【0125】
メンバー端末40の表示装置40aに表示された分析用グラフ201aは、メインメンバー21、メインメンバー21によって制作されたコンポーネント81、コンポーネント81を含むデジタルコンテンツ80、デジタルコンテンツ80の売上の各要素の関係性を体系的に示す。コンテンツサーバ250は、ヒト、モノ、カネの各要素の関係性がメンバー20にとって一度で明らかで、各要素を関連付けて分析しやすい分析用グラフ201aをメンバー端末40の表示装置40aに表示できる。
【0126】
本実施形態において、分析用グラフ201aは、コンポーネント81の識別情報を示すノード202とメインメンバー21の識別情報とを示すノード202とをエッジ203でつなぐことで、コンポーネント81を制作したメインメンバー21を示す。分析用グラフ201aは、コンポーネント81の識別情報を示すノード202とデジタルコンテンツ80の識別情報とを示すノード202とをエッジ203でつなぐことで、デジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81を示す。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202と他のデジタルコンテンツ80の識別情報とを示すノード202とをエッジ203でつなぐことで、エッジ203でつながれた2つのデジタルコンテンツ80の一方が他方を利用して制作された二次的著作物であることを示す。
【0127】
コンテンツサーバ250は、どのメインメンバー21によって制作されたコンポーネント81が二次的著作物であるデジタルコンテンツ80にどのように利用されているかを示す分析用グラフ201aをメンバー端末40の表示装置40aに表示できる。このような分析用グラフ201aは、制作者とコンポーネント81と二次利用との関連性を分析できる。
【0128】
本実施形態において、コンテンツ制御装置251は、メンバー20からの指示に応じて、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202を中心とする分析用グラフ201aを、他の種類の固有表現を示すノード202を中心とする分析用グラフ201aに切り替えて表示装置40aに表示する。そのため、コンテンツ制御装置251は、利便性のよい分析用グラフ201aを表示装置40aに表示できる。
【0129】
本実施形態において、分析用グラフ201aは、変更点を示すノード202をさらに含む。変更点は、一次的著作物であるデジタルコンテンツ80から二次的著作物であるデジタルコンテンツ80への変更点である。変更点を示すノード202は、一次的著作物であるデジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202とエッジ203でつながる。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80がコンテンツマーケット65で販売される金額を示すノード202をさらに含む。コンテンツ制御装置251は、より多くの要素を考慮した分析を行える分析用グラフ201aを表示装置40aに表示できる。
【0130】
本実施形態のコンテンツ販売システム200は、コンテンツマーケット65と、ユーザ端末70と、コンテンツ制御装置251と、コンテンツデータベース54とを備える。コンテンツマーケット65は、デジタルコンテンツ80を販売する。デジタルコンテンツ80は、メンバーによってそれぞれ作成される。メンバーは、コミュニティを構成する。ユーザ端末70は、ユーザ71によって所持される。ユーザ71は、コンテンツマーケット65からデジタルコンテンツ80を購入する。コンテンツ制御装置251は、メンバー20を管理する。コンテンツ制御装置251は、売上データと契約情報とを取得する。売上データは、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の売上データである。契約情報は、デジタルコンテンツ80に含まれるコンポーネント81とコンポーネント81を制作したメインメンバー21とを示す。コンテンツ制御装置251は、分析用グラフ201aを生成する。分析用グラフ201aは、2以上のノード202とエッジ203とで構成される。ノード202は、売上データ及び契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す。エッジ203は、ノード202同士の関係を示す。コンテンツデータベース54は、分析用グラフ201aを記憶する。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報、コンテンツマーケット65でのデジタルコンテンツ80の売上金額、コンポーネント81の識別情報及びID情報を固有表現とする。分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202を中心として他の種類の固有表現を示すノード202へそれぞれ延びたエッジ203を含む。そのため、コンテンツ販売システム200は、データ容量を抑えて、デジタルコンテンツ80に関する複雑な情報を一元管理できる。
【0131】
すなわち、本実施形態のコンテンツ販売システム200は、グラフ201に関して以下の特徴を有する。
【0132】
・Volume(膨大な量)
・Velocity(速さ)
・Variety(多種多様)
【0133】
リレーショナルデータベースの場合、あるデータが別のデータと関係を持つかどうかは、テーブルをジョインして確認する必要がある。なお、リレーショナルデータベースは、行と列によって構成された「表形式のテーブル」と呼ばれるデータの集合を、互いに関連付けて関係モデルを使ったデータベースである。一方、グラフ201のデータベースは、関係を示す情報はデータごとに保持されているため、直ちに関係をたどることができる。そのため、ノード202が示す要素の関係をたどる処理を行う場合、リレーショナルデータベースではジョインが何度も行われることで処理にかかる時間が急速に増大する一方、グラフ201のデータベースは、すぐに処理が終了する。また、本実施形態のコンテンツ販売システム200は、グラフ201を利用することで、階層にとらわれないスケーラビリティを実現できる。
【0134】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、装置構成や制御方法等は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0135】
例えば、上記第1実施形態では仕事の依頼によりメインメンバー21からサブメンバー22へ配分権が分け与えられるが、この構成に限定されない。本発明の他の実施形態では、配分権の代わりに、メンバー20に所有されるポイント又はトークンが報酬として他のメンバー20に与えられる構成であってもよい。例えば、メインメンバー21から仕事の依頼を受けたサブメンバー22がメインメンバー21に成果物を提出すると、メインメンバー21のポイントがサブメンバー22に移行する構成であってもよい。
【0136】
また他の実施形態において、上記の実施形態でのコンポーネント81をデジタルコンテンツ80に相当するものとして考えても良い。
【0137】
上記以外の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また上記実施形態および変形例の構成がそれぞれ組み合わせられてもよい。これらの実施形態に基づいて適宜変更することで得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0138】
上述した非特許文献1及び非特許文献2に開示のシステムは、投稿者それぞれに小説又は漫画などのコンテンツを制作できるスキルが必要となる。そのため、非特許文献1及び非特許文献2に開示のシステムは、コンテンツを投稿してインセンティブを得るまでのハードルが高い。
【0139】
これに対して、本開示の発明の目的は、複数人が1つのデジタルコンテンツの制作に関与して報酬を得られる仕組みを実現する管理サーバ、管理システム及び管理プログラムを提供することである。
【0140】
具体的に、本開示の第一態様に係る管理サーバは、コミュニティのメンバーを管理する。コミュニティは、デジタルコンテンツを制作してコンテンツマーケットで販売する。デジタルコンテンツは、メンバーによってそれぞれ制作される2以上のコンポーネントを含む。管理サーバは、管理通信装置と、管理データベースと、管理制御装置と、を備える。管理通信装置は、メンバー端末と通信する。メンバー端末は、メンバーによって所有される。管理データベースは、契約情報を記憶する。契約情報は、ID情報に対応付けて、権限が設定されたコンポーネントと売上の配分とを示す。ID情報は、メンバーを識別する。権限は、デジタルコンテンツをコンテンツマーケットに投稿するためのフォーマットへの登録の権限である。売上は、デジタルコンテンツがコンテンツマーケットで売れた場合の売上である。管理制御装置は、契約情報に基づき、トークンをメンバー端末に管理通信装置を介して送信する。トークンは、配分に相当する。
【0141】
このような管理サーバは、複数人が1つのデジタルコンテンツの制作に関与して報酬を得られる仕組みを実現できる。
【0142】
また本開示の第一態様において、コミュニティは、2以上のチームを含んで形成される。チームは、デジタルコンテンツをそれぞれ制作する。メンバーは、メインメンバーとサブメンバーとに少なくとも分けられる。メインメンバーは、チームに所属して権限が割り当てられている。サブメンバーは、デジタルコンテンツの制作を補助する。メインメンバーは、配分権を有する。配分権は、権限に応じた配分を受け取れる権利である。契約情報は、メンバー種別をさらに示す。メンバー種別は、メインメンバーとサブメンバーとを含む。管理制御装置は、サブメンバーがチームに加入して新規のメインメンバーとなる場合、契約情報を管理データベースに記憶させる。契約情報は、新規のメインメンバーのID情報に対応付けて、既存のメインメンバーから分け与えられた権限に対応するコンポーネントを示す。契約情報は、既存のメインメンバーから分け与えられた配分権に対応する配分を示す。
【0143】
このような構成であることで、メインメンバーが自身の権限で自由にサブメンバーをチームに加入させることができる。これによって、新規のメインメンバーを加入させるために他のメインメンバーの承認を得る必要がなく、採用にかける時間を短くしてデジタルコンテンツの質を向上させることができる。
【0144】
また本開示の第一態様において、管理制御装置は、メインメンバーがサブメンバーに仕事を依頼する場合、サブメンバーのID情報に対応付けて、契約情報を管理データベースに記憶させる。仕事は、デジタルコンテンツの制作に関する。契約情報は、メインメンバーから分け与えられた配分権に対応する配分を示す。
【0145】
このような構成であることで、メインメンバーは、自身の配分権から自由にサブメンバーを雇うことができ、仕事の効率を上げることができる。
【0146】
本開示の第一態様に係る管理システムは、コミュニティのメンバーを管理する。コミュニティは、デジタルコンテンツを制作してコンテンツマーケットで販売する。デジタルコンテンツは、メンバーによってそれぞれ制作される2以上のコンポーネントを含む。管理システムは、管理通信装置と、記憶システムと、管理制御装置と、を備える。管理通信装置は、メンバー端末と通信する。メンバー端末は、メンバーによって所有される。記憶システムは、ブロックチェーン技術を用いて契約情報を記憶する。又は記憶システムは、グラフデータベースを用いて契約情報を記憶する。ID情報は、メンバーを識別する。契約情報は、ID情報に対応付けて、権限が設定されたコンポーネントと売上の配分とを示す。権限は、デジタルコンテンツをコンテンツマーケットに投稿するためのフォーマットへの登録の権限である。売上は、デジタルコンテンツがコンテンツマーケットで売れた場合の売上である。管理制御装置は、契約情報に基づき、トークンをメンバー端末に管理通信装置を介して送信する。トークンは、配分に相当する。
【0147】
このような管理システムは、複数人が1つのデジタルコンテンツの制作に関与して報酬を得られる仕組みを実現できる。
【符号の説明】
【0148】
20 メンバー
21 メインメンバー
24 コミュニティ
40 メンバー端末
40a 表示装置
52 コンテンツ通信装置
54 コンテンツデータベース
65 コンテンツマーケット
70 ユーザ端末
71 ユーザ
80 デジタルコンテンツ
81 コンポーネント
201a 分析用グラフ
202 ノード
203 エッジ
250 コンテンツサーバ
251 コンテンツ制御装置
【要約】
【課題】 分析に好適に利用できるグラフを生成できるコンテンツサーバ、コンテンツ販売システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 コンテンツサーバ250は、コンテンツマーケット65で販売されるデジタルコンテンツ80を管理し、表示装置40aを備えたメンバー端末40と通信するコンテンツ通信装置52と、売上データ及び契約情報から抽出されたそれぞれ異なる固有表現を示す2以上のノード202と、ノード202同士の関係を示すエッジ203とで構成された分析用グラフ201aを、コンテンツ通信装置52を介して表示装置40aに表示させるコンテンツ制御装置251とを備え、分析用グラフ201aは、デジタルコンテンツ80の識別情報を示すノード202を中心として他の種類の固有表現を示すノード202へそれぞれ延びたエッジ203を含む。
【選択図】図16
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18