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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】鉄道模型用ユニット
(51)【国際特許分類】
   A63H 19/20 20060101AFI20241002BHJP
   A63H 19/14 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
A63H19/20
A63H19/14 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022026277
(22)【出願日】2022-02-24
(65)【公開番号】P2023122654
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2023-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514036069
【氏名又は名称】株式会社アイザック
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】泉 裕之
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-010945(JP,A)
【文献】特開2012-045186(JP,A)
【文献】特開2018-061590(JP,A)
【文献】特開2020-025726(JP,A)
【文献】登録実用新案第3196598(JP,U)
【文献】特開2008-006120(JP,A)
【文献】実開昭58-028697(JP,U)
【文献】特開2018-139775(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0162528(US,A1)
【文献】特開2002-352684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道模型の内部に取付可能なユニット本体を備え、
前記ユニット本体は、照明ユニットと、音声を出力可能な音声ユニットと、支持脚と、前記照明ユニットと前記音声ユニットが取付けられる配線板と、を有し、
前記照明ユニットと前記音声ユニットが一体に構成され、
前記配線板は、可撓性の素材により形成され、且つ、
前記配線板には、前記支持脚を取付けるための開口を含む支持脚取付穴が等間隔に複数設けられ、
前記支持脚は、前記配線板に前記支持脚取付穴を介して着脱可能に取り付けられていることで、前記支持脚の取付位置調節可能に構成され、且つ、
前記支持脚は、前記支持脚取付穴よりも大きい球状部分と、前記開口よりも大きく前記支持脚取付穴より小さい柱状部分と、で構成された脱離防止部を含む、鉄道模型用ユニット。
【請求項2】
光学センサを備え、
前記音声ユニットは、前記光学センサからの入力信号に基づいて、音声を出力可能に構成されている、請求項に記載の鉄道模型用ユニット。
【請求項3】
前記光学センサからの入力信号に基づいて、鉄道模型の走行速度を算出可能に構成されている、請求項に記載の鉄道模型用ユニット。
【請求項4】
前記ユニット本体は、鉄道模型に着脱可能に取り付けられる、請求項1~3の何れかに記載の鉄道模型用ユニット。
【請求項5】
前記音声ユニットは、音声データ入力部と、音声データ記憶部と、音声データ出力部と、を含む、請求項1~4の何れかに記載の鉄道模型用ユニット。
【請求項6】
前記音声データ入力部は、前記音声データ記憶部内の音声データを変更可能に構成されている、請求項に記載の鉄道模型用ユニット。
【請求項7】
前記ユニット本体は、走行状況判定ユニットを有し、
前記走行状況判定ユニットは、加速度判定部と速度判定部を含み、
前記音声ユニットは、前記鉄道模型の加速度と速度に応じて音声を出力可能に構成されている、請求項1~6の何れかに記載の鉄道模型用ユニット。
【請求項8】
前記ユニット本体は、運転制御ユニットを有する、請求項1~7の何れかに記載の鉄道模型用ユニット。
【請求項9】
前記照明ユニット及び前記音声ユニットは、前記運転制御ユニットによって制御可能に構成されている、請求項に記載の鉄道模型用ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道模型に取付けられる鉄道模型用ユニットに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、実際の鉄道用車両を数十分の一程度に縮小再現した鉄道模型が、鉄道愛好家の間で親しまれてきた。
【0003】
鉄道模型の楽しみ方は様々だが、自走可能なものについては、実際に線路模型上を走らせるのが最も一般的な楽しみ方である。
【0004】
そして、鉄道模型をより実車両に近づけるために、走行中の鉄道模型から実車両と同様の走行音を出そうとする試みが、一般の愛好家や、鉄道模型メーカーで行われてきた。
【0005】
例えば、特許文献1には、加速度と駆動電圧を検知することで、鉄道模型の走行状況を判定し、これに応じた走行音を発することが可能な走行判定システムが記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、3軸方向の加速度を検知可能な加速度センサを搭載し、検知された加速度及びその積分値である速度や走行距離に応じて、走行音を発することが可能な鉄道模型用サウンドユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6638112号公報
【文献】特開2020-10945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
他方、鉄道愛好家が鉄道模型に求めるものとしては、上記の走行音に加えて、車内の照明等の、内装の再現度も挙げられる。
【0009】
しかしながら、特許文献1及び2では、鉄道模型の照明や内装等についての記載はなく、具体的な装置構成によっては内装景観を崩しかねない。
【0010】
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、鉄道模型の楽しみの幅を広げる鉄道模型用ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、鉄道模型の内部に取付可能なユニット本体を備え、前記ユニット本体は、照明ユニットと、音声を出力可能な音声ユニットを有し、前記照明ユニットと前記音声ユニットが一体に構成されている。
【0012】
このような構成とすることで、ユニット本体を取り付けるだけで、実車両における室内灯と、走行音と、を両方再現することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記鉄道模型用ユニットは、光学センサを備え、前記音声ユニットは、前記光学センサからの入力信号に基づいて、音声を出力可能に構成されている。
【0014】
このような構成とすることで、鉄道模型用ユニットは、鉄橋やトンネル等、走行する鉄道模型周囲の構造物を検知し、走行箇所に適した音声を発出することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記鉄道模型用ユニットは、前記光学センサからの入力信号に基づいて、鉄道模型の走行速度を算出可能に構成されている。
【0016】
このような構成とすることで、鉄道模型用ユニットは、鉄道模型の走行速度に適した走行音を発出することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記ユニット本体は、略平板状に形成されている。
【0018】
このような構成とすることで、ユニット本体を、鉄道模型内部の目立たない部分(例えば、車室内の天井と車窓の間など)に設置することができ、内装景観を崩さずにユニット本体を設置することが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記ユニット本体は、支持脚を有する。
【0020】
このような構成とすることで、ユニット本体を、特別な加工なしに鉄道模型に取り付けることが可能となる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記ユニット本体は、鉄道模型に対して着脱可能に取り付けられる。
【0022】
このような構成とすることで、ユニット本体を手持ちの鉄道模型間で好きなように移設することが可能となる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記音声ユニットは音声データ入力部と、音声データ記憶部と、音声データ出力部と、を含む。
【0024】
このような構成とすることで、使用者は、任意の音声データを音声ユニットに入力、記憶させ、出力させることができる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記音声データ入力部は、前記音声データ記憶部内の音声データを変更可能に構成されている。
【0026】
このような構成とすることで、鉄道模型間で鉄道模型用ユニットの移設をする際にも、移設先の鉄道模型に合わせて音声データを変更することが可能となる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記ユニット本体は、走行状況判定ユニットを有し、前記走行状況判定ユニットは、加速度判定部と速度判定部を含み、前記音声ユニットは、前記鉄道模型の加速度と速度に応じて音声を出力可能に構成されている。
【0028】
このような構成とすることで、ユニット本体は、鉄道模型の加減速、惰行、停止等の各挙動に合わせた音声を発出することが可能となる。
【0029】
本発明の好ましい形態では、前記ユニット本体は、運転制御ユニットを有する。
【0030】
このような構成とすることで、ユニット本体が搭載された鉄道模型の運転を、運転制御ユニットによって制御することが可能となる。
【0031】
本発明の好ましい形態では、前記照明ユニット及び前記音声ユニットは、前記運転制御ユニットによって制御可能に構成されている。
【0032】
このような構成とすることで、照明ユニット及び音声ユニットを、運転制御ユニットによって制御することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、内装、その他の再現度をより高め、鉄道模型の楽しみの幅を広げる鉄道模型用ユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態に係る鉄道模型用ユニットの機能ブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る鉄道模型用ユニットにおいて、ユニット本体の概略斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る鉄道模型用ユニットにおいて、支持脚の構成と取付方法を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る鉄道模型用ユニットの取付方法を示す側面図である。
図5】本発明の実施形態に係る鉄道模型用ユニットの取付態様を示す側面図である。
図6】本発明の実施形態に係る鉄道模型用ユニットにおいて、光学センサの効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図1図3を用いて、本発明の実施形態に係る鉄道模型用ユニットについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、これらの図において、符号Xは本実施形態に係る鉄道模型用ユニットを示す。
【0036】
図1に示すように、鉄道模型用ユニットXは、ユニット本体1と、光学センサ2を備え、鉄道模型に設けられている電力供給部pを、鉄道模型用ユニットXの電源として流用できるように、構成されている。
【0037】
また、ユニット本体1は、照明ユニット11と、音声ユニット12と、走行状況判定ユニット13と、運転制御ユニット14と、支持脚15を有している。
【0038】
また、音声ユニット12は、音声データ入力部12aと、音声データ記憶部12bと、音声データ出力部12cと、を含む。
【0039】
また、走行状況判定ユニット13は加速度判定部13aと、速度判定部13bと、を含む。
【0040】
以下、図1を用いて鉄道模型用ユニットXの挙動を説明する。
まず、鉄道模型用ユニットXを取り付けた鉄道模型に、外部電源から電力を供給すると、電力供給部pから電力が鉄道模型用ユニットXに供給され、各ユニットが動作可能になる。
【0041】
鉄道模型の走行中、走行状況判定ユニット13及び光学センサ2は、鉄道模型の走行状況と周囲の構造物等を検知可能である。
【0042】
走行状況判定ユニット13は、加速度判定部13aによって、鉄道模型の加速度及びその変化に基づく信号を、速度判定部13bによって鉄道模型の速度及びその変化に基づく信号を、それぞれ運転制御ユニット14に送る。
なお、加速度判定部13aとしては3軸加速度センサが好適に用いられるが、加速度を検知可能な構成であれば特に限定されない。
【0043】
また、速度判定部13bは、光学センサ2の入力信号に基づいて、鉄道模型の速度を算出する。例えば、光学センサ2において、「単位時間あたりに通過した枕木の数」を検知し、これと「枕木の設置間隔」の積をとることで速度が算出可能である。
【0044】
光学センサ2は、鉄道模型の下方と側方の物体を検知可能である。下方では、上記した枕木の数等を検知し、側方では、鉄橋やトンネル等の構造物を検知する。
なお、光学センサ2は、下方の物体を検知可能なものと、側方の物体を検知可能なものと、を分けて、複数設けられていることが好ましい。
【0045】
運転制御ユニット14は、走行状況判定ユニット13及び光学センサ2からの信号に基づいて、音声データ入力部12aを介して、音声データ記憶部12bから適切な音声データを読み出し、音声データ出力部12cから発出させる。
【0046】
例えば、運転制御ユニット14は、走行状況判定ユニット13から送られた、加減速、惰行等を示す信号に基づいて、加減速音、惰行音等の音声を音声データ出力部12cから発出させる。
また、速度によって異なる走行音のパターンをいくつか音声データ記憶部12bに記憶しておくことで、走行速度を示す信号に基づいて、鉄道模型の速度感により近い音声データが選択される。
【0047】
また、運転制御ユニット14は、光学センサ2から送られた、構造物検知を示す信号に基づいて、構造物がトンネルであればトンネル内の走行音を、構造物が鉄橋であれば鉄橋の走行音を音声データ出力部12cから発出させる。
なお、トンネルや鉄橋等、特定の構造物に対する光学センサ2の信号パターンを運転制御ユニット14に予め設定しておくことで、各構造物を区別し、異なる音声データを発出させることができる。
【0048】
図2に示すように、ユニット本体1は、略平板状の配線板wbに、照明ユニット11、音声データ入力部12a、音声データ記憶部12b、音声データ出力部12c、走行状況判定ユニット13、運転制御ユニット14、支持脚15が取り付けられ、各ユニットは一体に構成されている。
なお、配線板wbは各ユニットを適切に配線しているが、具体的な配線は図示しない。
【0049】
図2(B)に示すように、照明ユニット11は、他のユニットが設けられた面とは異なる面に設けられており、この面は、ユニット本体1の鉄道模型への取付時に鉄道模型の車室に面する。
また、照明ユニット11は、等間隔に複数設けられていることで、位置による光量の偏りをなくしている。
【0050】
本実施形態においては、図2(A)に示すように、音声データ記憶部12bは、着脱可能かつ内部データの書き換えが可能な記憶媒体であり、音声データ入力部12aでもって、記憶媒体内のデータを読み込む構成となっている。
なお、大きさやデータ容量等を考慮すると、音声データ記憶部12bに相当する記憶媒体としては、マイクロSDカードが好適に用いられるが、適切な大きさとデータ容量を有する物であれば特に限定されない。
【0051】
また、上記構成については、有線または無線入力可能な音声データ入力部12aを介して、音声データ記憶部12b内部の音声データを書き換える方式であってもよい。
【0052】
音声データ出力部12cは、ユニット本体1に等間隔に複数設けられていることで、発出される音声の位置的な偏りをなくしている。
なお、厚さや音質等を考慮すると、音声データ出力部12cに相当するスピーカーとしては、ピエゾスピーカーが好適に用いられるが、適切な厚さと音質を有する物であれば特に限定されない。
【0053】
運転制御ユニット14としては、デジタル・コマンド・コントロール(Digital Command Control、以下DCC)対応のデコーダを含むものが好適に用いられる。
【0054】
DCCとは、高周波交流電圧パルスを外部電源として、このパルス幅変調に基づくデジタル信号によって鉄道模型を遠隔制御する方法である。
【0055】
このようにすると、運転制御ユニット14は外部電源電圧パルスのパルス幅変調に基づくデジタル信号によって、駆動部m、照明ユニット11や音声ユニット12等を制御可能となる。
【0056】
また、速度や周囲構造物に対する音声データの割り当てや変更等の利便性を考慮すると、PC等の外部機器を用いてプログラミング可能な運転制御ユニット14が好適に用いられる。
また、上記プログラミングの際の利便性を考慮すると、運転制御ユニット14は着脱可能な端子で配線板wbに接続されていることが好ましい。
【0057】
支持脚15は、配線板wbに、支持脚取付穴hを介して着脱可能に取り付けられている。
また、支持脚取付穴hは、配線板wbに、等間隔に複数設けられており、支持脚15の取付位置を調節可能である。
【0058】
図3(A)に示すように、支持脚15は、脱離防止部15aと、支持脚上部15bと、支持脚下部15cと、ばねsを含む。
また、支持脚下部15cは、支持脚上部15bに格納されることができ、これによって支持脚15は伸縮可能である。
さらに、支持脚15内部のばねsは、その復元力によって支持脚15を一定以上の長さに保つことが可能である。
【0059】
上記構成によって、鉄道模型の内部空間がやや狭い場合であっても、支持脚15の長さを縮めることで、ユニット本体1を鉄道模型の内部空間に格納することが可能となる。
【0060】
図3(B)に示すように、支持脚15は、脱離防止部15aを開口が設けられた支持脚取付穴hに押しつけることで、配線板wbの可撓性により開口が一時的に開き、配線板wbに対して着脱可能に取り付けられる。
【0061】
また、脱離防止部15aは、支持脚取付穴hよりも一回り大きい球状部分と、支持脚取付穴hの開口よりも一回り大きく、支持脚取付穴hよりも一回り小さい柱状部分と、で構成されており、脱離防止部15aは柱状部分において支持脚取付穴hに固定され、自然と離脱しないようになっている。
【0062】
以下、図4図6を用いて、鉄道模型用ユニットXの使用方法について説明する。
【0063】
まず、図4に示すように、使用者は、鉄道模型の外装部toと、内装部tiを分離させる。
なお、現在市場に出回っている多くの鉄道模型は、その外装部が箱型の筐体状に形成されており、外装部と内装部とを簡単に分離可能である。
【0064】
次に、使用者は、ユニット本体1の支持脚15を適切な位置に調節し、ユニット本体1を内装部tiに設置する。
このとき、内装部tiに形成されている壁や座席等の構造物と支持脚15とが隣接するような位置を選択すると、取付後のユニット本体1が安定する。
【0065】
次に、使用者は、光学センサ2をそれぞれ適切な位置に取り付ける。例えば、センサが鉄道模型の側方に向く構造物検知用のセンサは、鉄道模型の前部と後部に、センサが鉄道模型の下方に向く速度計測用のセンサは鉄道模型の下部中央に取り付ける。
なお、各光学センサ2は、ユニット本体1の配線板wbの適切な位置に配線されているが、具体的な配線は図示しない。
【0066】
最後に、図5(A)に示すように、使用者は、外装部toを内装部tiに取付け、内部にユニット本体1及び光学センサ2に接続されている配線を収容する。
なお、図5(A)では、外装部toを透過し、内部のユニット本体1を点線で示している。
【0067】
このようにすることで、図5(B)に示すように、外部からほぼ視認されない形で、ユニット本体1を鉄道模型内部に収容することが可能である。
また、各光学センサ2も、鉄道模型の下部に取付けられるため、外装景観を崩しにくくなっている。
【0068】
本実施形態においては、図6(A)に示すように、鉄道模型下方に向かって取付けられた光学センサ2は、「単位時間あたり通過する枕木の数」を検知可能である。よって、この値と「枕木の設置間隔」の積をとることで、鉄道模型の走行速度が算出される。
「枕木の設置間隔」の値は予め計測し、これを速度判定部13bや運転制御ユニット14等に設定しておくことが好ましいが、光学センサ2によって動的に計測される態様も想定される。
【0069】
また、図6(B)に示すように、鉄道模型の前部と後部に、鉄道模型側方に向かって取り付けられた光学センサ2は、まず、前部センサが構造物を検知し、運転制御ユニット14に信号を送り、構造物特有の走行音を発出させる。
そして、後部センサが一定時間構造物を検知しなくなった時点で、運転制御ユニット14に再度信号を送り、通常の走行音に戻す、という方法で、構造物の通過に応じた走行音の発出が実現される。
【0070】
なお、光学センサ2としては、小型で物体検知が可能なものであれば特に限定されない。例えば、反射型の赤外線センサやイメージセンサ等が好適に用いられる。
【0071】
本実施形態によれば、鉄道模型用ユニットXが、鉄道模型の内部に取付可能なユニット本体1を備え、ユニット本体1が、照明ユニット11と、音声を出力可能な音声ユニット12を有し、照明ユニット11と音声ユニット12が一体に構成されていることで、ユニット本体1で鉄道模型の内装と音声両方の再現度を高めることが可能となる。
【0072】
また、鉄道模型用ユニットXが、光学センサ2を備え、音声ユニット12は、光学センサ2からの入力信号に基づいて、音声を出力可能に構成されていることで、周囲の構造物に応じた走行音を発出可能となる。
【0073】
また、鉄道模型用ユニットXが、光学センサ2からの入力信号に基づいて、鉄道模型の走行速度を算出可能に構成されていることで、鉄道模型用ユニットは、鉄道模型の走行速度に適した走行音を発出することができる。
【0074】
また、ユニット本体1が、略平板状に形成されていることで、ユニット本体1を、鉄道模型内部の目立たない部分に設置することができ、内装景観を崩さずにユニット本体1を設置することが可能となる。
【0075】
また、ユニット本体1が、支持脚15を有することで、ユニット本体1を、特別な加工なしに鉄道模型に取り付けることが可能となる。
【0076】
また、ユニット本体1が、鉄道模型に対して着脱可能に取り付けられることで、ユニット本体1を手持ちの鉄道模型間で好きなように移設することが可能となる。
【0077】
また、音声ユニット12が、音声データ入力部12aと、音声データ記憶部12bと、音声データ出力部12cと、を含むことで、任意の音声データを音声ユニットに入力、記憶させ、出力させることができる。
【0078】
また、音声データ入力部12aが、音声データ記憶部12b内の音声データを変更可能に構成されていることで、鉄道模型間で鉄道模型用ユニットXの移設をする際にも、移設先の鉄道模型に合わせて音声データを変更することが可能となる。
【0079】
また、ユニット本体1が、走行状況判定ユニット13を有し、走行状況判定ユニット13が、加速度判定部13aと速度判定部13bを含み、音声ユニット12が、鉄道模型の加速度と速度に応じて音声を出力可能に構成されていることで、ユニット本体は、鉄道模型の挙動に合わせた音声を発出することが可能となる。
【0080】
また、ユニット本体1が、運転制御ユニット14を有することで、ユニット本体1が搭載された鉄道模型の運転を、DCC等の方法で制御することが可能となる。
【0081】
また、照明ユニット11と音声ユニット12が、運転制御ユニット14によって制御可能に構成されていることで、照明ユニット11及び音声ユニット12をDCC等の方法で制御することが可能となる。
【0082】
なお、上述の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0083】
また、各ユニットの配置や寸法等を変更することによって、本発明は、鉄道模型以外の様々な模型に対しても好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0084】
X 鉄道模型用ユニット
1 ユニット本体
11 照明ユニット
12 音声ユニット
12a 音声データ入力部
12b 音声データ記憶部
12c 音声データ出力部
13 走行状況判定ユニット
13a 加速度判定部
13b 速度判定部
14 運転制御ユニット
15 支持脚
15a 脱離防止部
15b 支持脚上部
15c 支持脚下部
2 光学センサ
p 電力供給部
m 駆動部
wb 配線板
h 支持脚取付穴

図1
図2
図3
図4
図5
図6