(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】駐車検知装置及び駐車検知方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
G08G1/14 A
(21)【出願番号】P 2020161072
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 雄二
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197377(JP,A)
【文献】特開2006-164145(JP,A)
【文献】国際公開第2009/060651(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107293151(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0199077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駐車領域の高さ方向の第1磁気と、前記高さ方向に交差する交差方向の第2磁気と、を検知する磁気検知部と、
前記第1磁気が変化する速度である第1変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点と、前記第2磁気が変化する速度である第2変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点との時間差を算出する時間差算出部と、
算出された前記時間差に基づいて、前記第1駐車領域及び当該第1駐車領域に隣接する第2駐車領域の駐車状態を判定する判定部と、
を備
え、
前記交差方向は、前記第1駐車領域から前記第2駐車領域へ向かう方向である、
駐車検知装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記時間差が所定時間差を超えた場合、前記第1駐車領域に進入した車両が前記第2駐車領域へ移動したと判定する、
請求項
1に記載の駐車検知装置。
【請求項3】
前記時間差算出部は、前記第1変化速度が第1閾値を超えて前記第1閾値以下に戻った時点と、前記第2変化速度が第2閾値を超えて前記第2閾値以下に戻った時点との差を、前記時間差として算出する、
請求項1
又は2に記載の駐車検知装置。
【請求項4】
前記磁気検知部は、前記高さ方向に交差し、かつ、前記交差方向とは異なる方向の第3磁気を検知し、
検知された前記第1磁気、前記第2磁気及び前記第3磁気と、前記第1駐車領域が空車状態である場合の前記第1磁気、前記第2磁気及び前記第3磁気との差に関する差分値を算出する差分値算出部を備え、
前記判定部は、前記差分値に基づいて、前記第1駐車領域及び前記第2駐車領域の駐車状態を判定する、
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の駐車検知装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記差分値が増減を繰り返した場合、前記第1駐車領域に進入した車両が前記第2駐車領域へ移動したと判定する、
請求項
4に記載の駐車検知装置。
【請求項6】
前記差分値算出部は、検知された前記第1磁気、前記第2磁気及び前記第3磁気と、前記第1駐車領域が空車状態である場合の前記第1磁気、前記第2磁気及び前記第3磁気との差分である第1差分値、第2差分値及び第3差分値を算出し、
前記判定部は、前記第1差分値、前記第2差分値及び前記第3差分値に基づいて、前記第1駐車領域及び前記第2駐車領域の駐車状態を判定する、
請求項
4又は5に記載の駐車検知装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記第1差分値、前記第2差分値及び前記第3差分値について、前記第1駐車領域が駐車状態であるか否かを判定する第1判定値、第2判定値及び第3判定値を有し、
前記第1差分値、前記第2差分値及び前記第3差分値が、前記第1判定値、前記第2判定値及び前記第3判定値未満である場合、前記第1駐車領域に進入した車両が前記第2駐車領域へ移動したと判定する、
請求項
6に記載の駐車検知装置。
【請求項8】
第1駐車領域の高さ方向の第1磁気と、前記高さ方向に交差する交差方向
であって、前記第1駐車領域から当該第1駐車領域に隣接する第2駐車領域へ向かう交差方向の第2磁気と、を検知し、
前記第1磁気が変化する速度である第1変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点と、前記第2磁気が変化する速度である第2変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点との時間差を算出し、
算出された前記時間差に基づいて、前記第1駐車領域及び
前記第2駐車領域の駐車状態を判定する、
駐車検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車検知装置及び駐車検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の駐車ロット(駐車領域)における車両の有無を検知する装置として、駐車検知装置が知られている。例えば、特許文献1には、駐車検知装置が、駐車ロットの磁気を磁気センサーで検出し、検出により得られた検出値の変化率を算出し、変化率が閾値を超えた場合、例えば、駐車状態を空車状態に変更することが示されている。特許文献1では、空車状態のときの磁気センサーの検出値の変化率を算出し、算出された変化率を参照して、閾値を設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、磁気センサーの検出値は、磁気センサーが設置された駐車ロットだけでなく、その周囲の、例えば、隣接する駐車ロットでの車両の移動によっても変化する。
【0005】
例えば、駐車検知対象の駐車ロットに車両が進入した後、車両を切り返して、最終的に、隣接する駐車ロットに移動して入庫したとする。この場合、駐車検知対象の駐車ロットの磁気センサーの検出値は、駐車検知対象の駐車ロットに車両が進入したときに変化し、その変化に続いて、隣接する駐車ロットに車両が移動して入庫するときにも変化する。このような場合、検出値の変化率に基づいて、駐車状態、空車状態を判断しようとすると、駐車検知対象の駐車ロットではなく、隣接する駐車ロットに車両が駐車したにもかかわらず、駐車検知対象の駐車ロットに車両が駐車したと、誤検知する場合がある。
【0006】
本発明の目的は、検知対象の駐車領域において、駐車状態の誤検知を防止する駐車検知装置及び駐車検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る駐車検知装置は、
第1駐車領域の高さ方向の第1磁気と、前記高さ方向に交差する交差方向の第2磁気と、を検知する磁気検知部と、
前記第1磁気が変化する速度である第1変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点と、前記第2磁気が変化する速度である第2変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点との時間差を算出する時間差算出部と、
算出された前記時間差に基づいて、前記第1駐車領域及び当該第1駐車領域に隣接する第2駐車領域の駐車状態を判定する判定部と、
を備え、
前記交差方向は、前記第1駐車領域から前記第2駐車領域へ向かう方向である。
【0008】
また、本発明に係る駐車検知方法は、
第1駐車領域の高さ方向の第1磁気と、前記高さ方向に交差する交差方向であって、前記第1駐車領域から当該第1駐車領域に隣接する第2駐車領域へ向かう交差方向の第2磁気と、を検知し、
前記第1磁気が変化する速度である第1変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点と、前記第2磁気が変化する速度である第2変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点との時間差を算出し、
算出された前記時間差に基づいて、前記第1駐車領域及び前記第2駐車領域の駐車状態を判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検知対象の駐車領域において、駐車状態の誤検知を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る駐車検知装置の一例(実施例1)を説明するブロック図である。
【
図2】
図1に示した駐車検知装置を備える駐車場を示す上面図である。
【
図3】
図1に示した駐車検知装置で実施する駐車検知方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示した駐車検知装置で実施する駐車検知方法を説明するタイムチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態に係る駐車検知装置の他の一例(実施例2)を説明するブロック図である。
【
図6】
図5に示した駐車検知装置で実施する駐車検知方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図5に示した駐車検知装置で実施する駐車検知方法を説明するタイムチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態に係る駐車検知装置の他の一例(実施例3)を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
[実施例1]
<駐車検知装置>
図1は、本実施例の駐車検知装置10Aを説明するブロック図である。また、
図2は、
図1に示した駐車検知装置10Aを備える駐車場20を示す上面図である。
【0013】
駐車検知装置10Aは、
図1に示すように、磁気センサー11(磁気検知部)と演算部12Aとを有する。なお、
図1に示すように、駐車検知装置10Aは、ドップラーセンサー13を有していてもよい。
【0014】
駐車検知装置10Aは、例えば、
図2に示すように、駐車場20の各駐車ロット21、22の地面(又は床面)20aに設置される。なお、駐車検知装置10Aは、例えば、駐車場20の天井などに設置してもよい。また、ここでは、以降の説明を簡単にするため、2つの駐車ロット21(第1駐車領域)、駐車ロット22(第2駐車領域)を有する駐車場20を例示しているが、駐車場20は、更に多くの駐車ロットを有するものでもよい。また、ここでは、駐車ロット21を検知対象とする場合について説明する。
【0015】
磁気センサー11は、地磁気を含む磁気の大きさを検知して出力するセンサーであり、ここでは、車両Cの移動や有無などに起因して変化する磁気の大きさを、X軸、Y軸及びZ軸において検知して出力する。ここでは、
図2に示すように、駐車ロット21、22の奥行きの方向(図中の左右方向)をX軸、駐車ロット21と駐車ロット22とが隣接する方向(図中の上下方向)をY軸、駐車場20の地面20aに垂直な方向をZ軸とする。また、ここでは、駐車検知装置10Aが1つの磁気センサー11を備える例を示すが、磁気センサー11は複数あってもよい。
【0016】
演算部12Aは、
図1に示すように、時間差算出部121と第1判定部122とを有する。
【0017】
時間差算出部121は、駐車ロット21の高さ方向の第1磁気の第1変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点と、高さ方向に交差する第1交差方向の第2磁気の第2変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点との時間差を算出する。
【0018】
ここで、上記の第1磁気は、駐車ロット21の高さ方向の磁気であり、ここでは、Z軸成分の磁気とする。なお、第1磁気は、Z軸成分の磁気を主とすれば、X軸成分、Y軸成分の磁気を含んでいてもよい。
【0019】
また、上記の第2磁気は、駐車ロット21の高さ方向に交差する第1交差方向の磁気であり、ここでは、駐車ロット21から駐車ロット22へ向かう方向であるY軸成分の磁気とする。なお、第2磁気は、Y軸成分の磁気を主とすれば、X軸成分、Z軸成分の磁気を含んでいてもよい。
【0020】
また、本実施例は、上記の第1磁気及び第2磁気とは異なる方向の第3磁気を用いるようにしてもよい。その場合、この第3磁気は、駐車ロット21の高さ方向に交差し、かつ、第1交差方向とは異なる第2交差方向の磁気であり、ここでは、駐車ロット21、22の奥行きの方向であるX軸成分の磁気とする。なお、第3磁気は、X軸成分の磁気を主とすれば、Y軸成分、Z軸成分の磁気を含んでいてもよい。
【0021】
また、第1変化速度は、第1磁気が変化する速度であり、第2変化速度は、第2磁気が変化する速度である。第1変化速度は、磁気センサー11で検知された第1磁気の微分により算出され、第2変化速度も、磁気センサー11で検知された第2磁気の微分により算出される。例えば、演算部12Aが磁気センサー11からの出力値(第1磁気、第2磁気)を1秒毎に取得している場合には、1秒間又は複数秒間の出力値の差分から、第1変化速度、第2変化速度を算出する。
【0022】
時間差算出部121は、詳細は後述するが(
図4を参照)、第1変化速度が第1閾値Thzを超えて第1閾値Thz以下に戻った時点t1と、第2変化速度が第2閾値Thyを超えて第2閾値Thy以下に戻った時点t2との差を、時間差Δtとして算出する。
【0023】
第1判定部122は、時間差Δtに基づいて、駐車ロット21及び駐車ロット22の駐車状態を判定する。詳細は後述するが(
図3を参照)、第1判定部122は、時間差Δtに基づいて、時間差Δtが所定時間差を超えた場合、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定する。
【0024】
ドップラーセンサー13は、送信波に対する反射波のドップラーシフトを検知して出力するセンサーであり、ここでは、駐車ロット21、22における車両Cの移動や有無を検知して出力する。磁気センサー11とドップラーセンサー13とを併用する場合には、空車状態の判定の信頼性を向上させることができる。
【0025】
<駐車検知方法>
本実施例の駐車検知装置10Aにおける駐車検知方法の一例について、
図3及び
図4を参照して説明を行う。
図3は、駐車検知装置10Aで実施する駐車検知方法を示すフローチャートである。
図4は、駐車検知装置10Aで実施する駐車検知方法を説明するタイムチャートである。
【0026】
ここでは、上述したように、第1磁気はZ軸成分の磁気、第2磁気はY軸成分の磁気、第3磁気はX軸成分の磁気として説明を行う。また、フラグFz=1は、Z軸成分の磁気が変化する速度である第1変化速度が増加したことを示し、フラグFy=1は、Y軸成分の磁気が変化する速度である第2変化速度が増加したことを示し、初期状態では、フラグFz=0、フラグFy=0である。
【0027】
(ステップS11)
演算部12Aは、磁気センサー11の出力値(X、Y、Z軸成分)を取得する。
【0028】
(ステップS12)
演算部12Aは、磁気センサー11の出力値のY、Z軸成分の変化速度の絶対値を、例えば、一定期間の移動平均で平均化して、平均変化速度を算出する。一定期間としては、例えば、演算部12Aが磁気センサー11からの出力値を1秒毎に取得している場合には、10秒間(10サンプル)とする。このようにして求めた平均変化速度により、不規則な変動(ノイズなど)を除去することができ、平均変化速度の変化(例えば、ピークなど)が把握しやすくなる。なお、ここで算出されたZ軸成分の平均変化速度が本発明における第1変化速度に該当し、Y軸成分の平均変化速度が本発明における第2変化速度に該当する。
【0029】
(ステップS13)
演算部12Aは、フラグFz=1かどうかを確認する。フラグFz=1でなければ(NO)、ステップS14へ進み、フラグFz=1であれば(YES)、ステップS16へ進む。
【0030】
(ステップS14)
演算部12Aは、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thzを超えたかどうかを確認する(
図4を参照)。Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thzを超えた場合(YES)、ステップS15へ進み、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thzを超えていない場合(NO)、ステップS18へ進む。
【0031】
(ステップS15)
演算部12Aは、フラグFz=1とし、ステップS18へ進む。つまり、Z軸成分の平均変化速度が増加して、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thzを超えた場合、Z軸成分の平均変化速度が増加したことを示すため、フラグFz=1とする。
【0032】
(ステップS16)
演算部12Aは、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thz以下に戻ったかどうかを確認する(
図4を参照)。Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thz以下に戻った場合(YES)、ステップS17へ進み、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thz以下に戻っていない場合(NO)、ステップS18へ進む。このステップS16は、フラグFz=1のときに実施され、Z軸成分の平均変化速度が増加して、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thzを超えた後に、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thz以下に戻ったかどうかを確認している。
【0033】
(ステップS17)
演算部12Aは、Z軸成分の平均変化速度がZ軸閾値Thz以下に戻った第1時点t1を検知する(
図4を参照)。なお、このとき、フラグFz=0とする。
【0034】
(ステップS18)
演算部12Aは、フラグFy=1かどうかを確認する。フラグFy=1でなければ(NO)、ステップS19へ進み、フラグFy=1であれば(YES)、ステップS21へ進む。
【0035】
(ステップS19)
演算部12Aは、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thyを超えたかどうかを確認する(
図4を参照)。Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thyを超えた場合(YES)、ステップS20へ進み、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thyを超えていない場合(NO)、ステップS11へ戻る。
【0036】
(ステップS20)
演算部12Aは、フラグFy=1とし、ステップS11へ戻る。つまり、Y軸成分の平均変化速度が増加して、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thyを超えた場合、Y軸成分の平均変化速度が増加したことを示すため、フラグFy=1とする。
【0037】
(ステップS21)
演算部12Aは、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thy以下に戻ったかどうかを確認する(
図4を参照)。Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thy以下に戻った場合(YES)、ステップS22へ進み、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thy以下に戻っていない場合(NO)、ステップS11へ戻る。このステップS21は、フラグFy=1のときに実施され、Y軸成分の平均変化速度が増加して、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thyを超えた後に、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thy以下に戻ったかどうかを確認している。
【0038】
(ステップS22)
演算部12Aは、Y軸成分の平均変化速度がY軸閾値Thy以下に戻った第2時点t2を検知する(
図4を参照)。
【0039】
(ステップS23)
演算部12Aは、時間差Δt(第2時点t2-第1時点t1)が所定時間差を超えたかどうかを確認する。時間差Δtが所定時間差を超えた場合(YES)、ステップS24へ進み、時間差Δtが所定時間差を超えていない場合(NO)、ステップS25へ進む。
【0040】
この時間差Δtは、Z軸成分の磁気の変動が収まった後、Y軸成分の磁気の変動が収まるまでの時間となる。時間差Δtが所定時間差を超えた場合、駐車ロット21の磁気センサー11上で車両Cの移動があった後、隣接する駐車ロット22で車両Cの移動があったことを意味する。従って、所定時間差としては、駐車ロット21に車両Cが進入した後、車両Cが駐車ロット21へ入庫したか、又は、車両Cを切り返して、駐車ロット22へ入庫したかを判定可能な時間差が設定される。例えば、駐車ロット21から駐車ロット22への移動に必要な時間が設定される。
【0041】
(ステップS24)
演算部12Aは、時間差Δtが所定時間差を超えた場合、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動したと判定して、一連の手順を終了する。
【0042】
(ステップS25)
演算部12Aは、時間差Δtが所定時間差を超えていない場合、車両Cが検知対象の駐車ロット21に駐車したと判定して、一連の手順を終了する。
【0043】
以上説明したように、本実施例において、駐車検知装置10Aは、駐車ロット21の高さ方向となるZ軸成分の磁気(第1磁気)と、高さ方向に交差する第1交差方向となるY軸成分の磁気(第2磁気)と、を検知する。
【0044】
そして、Z軸成分の磁気(第1磁気)が変化する速度である第1変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点t1と、Y軸成分の磁気(第2磁気)が変化する速度である第2変化速度が増加した後に増加前の状態に戻る時点t2との時間差Δtを算出する。そして、算出された時間差Δtに基づいて、上述したように、駐車ロット21及び駐車ロット22の駐車状態を判定している。
【0045】
磁気の変化率による従来の判定では、駐車検知対象の駐車ロット21に車両Cが進入した後、車両Cを切り返して、最終的に、隣接する駐車ロット22に移動して入庫した場合、駐車検知対象の駐車ロット21に車両Cが駐車したと、誤検知する場合があった。
【0046】
これに対し、本実施例では、上述したように、算出された時間差Δtに基づいて、駐車ロット21及び駐車ロット22の駐車状態を判定している。そのため、車両Cが検知対象の駐車ロット21に駐車したのか、又は、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動して駐車したのかを判定することができる。この結果、検知対象の駐車ロット21において、駐車状態の誤検知を防止することができる。
【0047】
なお、上記の判定に加えて、演算部12Aが以下の判定も実施することにより、車両Cが検知対象の駐車ロット21に駐車したのか、又は、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動して駐車したのかを判定するようにしてもよい。
【0048】
例えば、磁気センサー11で検知された第1磁気をSz、第2磁気をSy、第3磁気をSx、駐車ロット21が空車状態である場合の第1磁気をRz、第2磁気をRy、第3磁気をRxとする。そして、以下の式(1a)、(1b)、(1c)により、差分値Dx(第3差分値)、Dy(第2差分値)、Dz(第1差分値)を算出する。駐車ロット21が空車状態である場合の第1磁気Rz、第2磁気Ry、第3磁気Rxとしては、一定期間の移動平均などにより、ノイズを低減した値とすることが望ましい。
【0049】
Dx=|Rx-Sx| ・・・ (1a)
Dy=|Ry-Sy| ・・・ (1b)
Dz=|Rz-Sz| ・・・ (1c)
【0050】
これらの差分値Dx、Dy、Dzについては、駐車ロット21が駐車状態であるか否かを判定する閾値Tx(第3判定値)、Ty(第2判定値)、Tz(第1判定値)が予め規定されている。そして、上記の判定に加えて、Dx<Tx、Dy<Ty、Dz<Tzである場合、つまり、駐車ロット21が駐車状態でない場合、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動して駐車したと判定する。
【0051】
また、上記以下の式(1a)、(1b)、(1c)に代えて、下記の式(2)を用いて、差分値Dを算出してもよい。差分値Dを算出する式は、下記式(2)に示すように、各軸成分の差分の絶対値の合計である。
【0052】
D=|Rx-Sx|+|Ry-Sy|+|Rz-Sz| ・・・ (2)
【0053】
この差分値Dについても、駐車ロット21が駐車状態であるか否かを判定する閾値Txyzが予め規定されている。そして、上記の判定に加えて、D<Txyzである場合、つまり、駐車ロット21が駐車状態でない場合、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動して駐車したと判定する。
【0054】
以上のような判定も加えることにより、検知対象の駐車ロット21において、駐車状態の誤検知をより確実に防止することができる。
【0055】
[実施例2]
<駐車検知装置>
図5は、本実施例の駐車検知装置10Bを説明するブロック図である。
【0056】
駐車検知装置10Bは、実施例1で示した駐車検知装置10Aと同様に、磁気センサー11を有する。また、駐車検知装置10Bは、演算部12Bを有するが、実施例1で示した駐車検知装置10Aの演算部12Aとは、後述する相違がある。なお、
図5に示すように、駐車検知装置10Bも、実施例1で示した駐車検知装置10Aと同様に、ドップラーセンサー13を有していてもよい。
【0057】
駐車検知装置10Bは、実施例1で示した駐車検知装置10Aに代えて、駐車場に設置可能である。例えば、上述した
図2において、駐車検知装置10Aに代えて、駐車場20の各駐車ロット21、22の地面(又は床面)20aや天井などに駐車検知装置10Bが設置される。ここでも、
図2に示す、2つの駐車ロット21、22を有する駐車場20を前提に、以降の説明を行うが、駐車場20は、更に多くの駐車ロットを有するものでもよい。また、ここでも、駐車ロット21を検知対象とする場合について説明する。
【0058】
磁気センサー11及びドップラーセンサー13は、実施例1で説明した通りであり、ここでは、これらの重複する説明は省略する。
【0059】
演算部12Bは、
図5に示すように、差分値算出部123と第2判定部124とを有する。
【0060】
差分値算出部123は、磁気センサー11で検知された磁気(第1磁気、第2磁気及び第3磁気)と、駐車ロット21が空車状態である場合の磁気(第1磁気、第2磁気及び第3磁気)との差分である差分値を算出する。
【0061】
ここで、上記の第1磁気は、駐車ロット21の高さ方向の磁気であり、ここでは、Z軸成分の磁気とする。なお、第1磁気は、Z軸成分の磁気を主とすれば、X軸成分、Y軸成分の磁気を含んでいてもよい。
【0062】
また、上記の第2磁気は、駐車ロット21の高さ方向に交差する第1交差方向の磁気であり、ここでは、駐車ロット21から駐車ロット22へ向かう方向であるY軸成分の磁気とする。なお、第2磁気は、Y軸成分の磁気を主とすれば、X軸成分、Z軸成分の磁気を含んでいてもよい。
【0063】
また、上記の第3磁気は、駐車ロット21の高さ方向に交差し、かつ、第1交差方向とは異なる第2交差方向の磁気であり、ここでは、駐車ロット21、22の奥行きの方向であるX軸成分の磁気とする。なお、第3磁気は、X軸成分の磁気を主とすれば、Y軸成分、Z軸成分の磁気を含んでいてもよい。
【0064】
差分値算出部123は、磁気センサー11で検知された第1磁気をSz、第2磁気をSy、第3磁気をSx、駐車ロット21が空車状態である場合の第1磁気をRz、第2磁気をRy、第3磁気をRxとすると、式(2)により、差分値Dを算出する。駐車ロット21が空車状態である場合の第1磁気Rz、第2磁気Ry、第3磁気Rxとしては、一定期間の移動平均などにより、ノイズを低減した値とすることが望ましい。
【0065】
D=|Rx-Sx|+|Ry-Sy|+|Rz-Sz| ・・・ (2)
【0066】
また、以下の式(3)、(4)を用いて、差分値Dを算出してもよい。
【0067】
D=(Rx-Sx)2+(Ry-Sy)2+(Rz-Sz)2 ・・・ (3)
D=√{(Rx-Sx)2+(Ry-Sy)2+(Rz-Sz)2} ・・・ (4)
【0068】
差分値Dを算出する式は、上記式(2)に示すように、各軸成分の差分の絶対値の合計であってもよい。また、上記式(3)に示すように、各軸成分の差分の2乗の合計であったりしてもよい。また、上記式(4)に示すように、各軸成分の差分の2乗の合計の平方根であったりしてもよい。
【0069】
更には、各軸成分に重み付けの係数をかけて、差分値Dを算出してもよい。また、上記のSx、Sy、Szは、磁気センサー11で検知されたデータそのものでもよいが、各々、一定期間の移動平均などにより平均化したデータでもよい。磁気センサー11で検知されたデータを平均化することにより、検知の際のノイズを低減することができる。
【0070】
第2判定部124は、算出された差分値Dが増減を繰り返した場合、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定する。
【0071】
<駐車検知方法>
本実施例の駐車検知装置10Bにおける駐車検知方法の一例について、
図6及び
図7を参照して説明を行う。
図6は、駐車検知装置10Bで実施する駐車検知方法を示すフローチャートである。
図7は、駐車検知装置10Bで実施する駐車検知方法を説明するタイムチャートである。
【0072】
ここでは、上述したように、第1磁気はZ軸成分の磁気、第2磁気はY軸成分の磁気、第3磁気はX軸成分の磁気として説明を行う。また、フラグF=1は、差分値Dが増加したことを示し、カウントCは、差分値Dが増加した回数を示し、初期状態では、フラグF=0、カウントC=0である。
【0073】
(ステップS31)
演算部12Bは、検知対象の駐車ロット21が空車状態のときの磁気センサー11の出力値(X、Y、Z成分)を予め取得し、取得した出力値を参照値とする。この参照値は、上述したRx、Ry、Rzに該当する。なお、この出力値は、検知対象の駐車ロット21、22が空車状態であることをユーザーが確認した上で測定されている。
【0074】
(ステップS32)
演算部12Bは、検知対象の駐車ロット21の磁気センサー11の出力値(X、Y、Z成分)を取得する。この出力値は、上述したSx、Sy、Szに該当する。
【0075】
(ステップS33)
演算部12Bは、取得された出力値と参照値との差分値Dを求める。演算部12Bは、例えば、上述した式(2)~式(4)などを用いて、差分値Dを算出すればよい。この差分値Dは、駐車ロット21の磁気センサー11上に車両Cがあるときに、最も値が大きくなる。
【0076】
(ステップS34)
演算部12Bは、フラグF=1かどうかを確認する。フラグF=1でなければ(NO)、ステップS35へ進み、フラグF=1であれば(YES)、ステップS37へ進む。
【0077】
(ステップS35)
演算部12Bは、差分値Dが第1閾値Thaを超えたかどうかを確認する(
図7を参照)。差分値Dが第1閾値Thaを超えた場合(YES)、ステップS36へ進み、差分値Dが第1閾値Thaを超えていない場合(NO)、ステップS32へ戻る。
【0078】
(ステップS36)
演算部12Bは、フラグF=1とし、ステップS32へ戻る。つまり、差分値Dが増加して、差分値Dが第1閾値Thaを超えた場合、差分値Dが増加したことを示すため、フラグF=1とする。
【0079】
(ステップS37)
演算部12Bは、差分値Dが第2閾値Thb以下に戻ったかどうかを確認する。差分値Dが第2閾値Thb以下に戻った場合(YES)、ステップS38へ進み、差分値Dが第2閾値Thb以下に戻っていない場合(NO)、ステップS32へ戻る。このステップS37は、フラグF=1のときに実施され、差分値Dが増加して、第1閾値Thaを超えた後に、差分値Dが第2閾値Thb以下に戻ったかどうかを確認している。
図7を参照すると、時間t11において、差分値Dが増加して、第1閾値Thaを超えた後に、差分値Dが第2閾値Thb以下に戻っている(1回目)。また、時間t12において、差分値Dが増加して、第1閾値Thaを超えた後に、差分値Dが第2閾値Thb以下に戻っている(2回目)。
【0080】
ここで、第1閾値Tha>第2閾値Thbである。1つの閾値を用いる場合、1つの閾値の周辺で判定が揺らぐ可能性があるが、このように、2つの閾値(第1閾値Tha及び第2閾値Thb)を用いることで、より確実に判定を行って、判定が揺らがないようにしている。
【0081】
(ステップS38)
演算部12Bは、フラグF=0とし、カウントC=C+1として、ステップS39へ進む。このステップS38では、差分値Dが増減を繰り返す回数をカウントCで数えている。
【0082】
(ステップS39)
演算部12Bは、カウントC=2かどうかを確認する。カウントC=2でなければ(NO)、ステップS32へ戻り、カウントC=2であれば(YES)、ステップS40へ進む。つまり、差分値Dが増減を2回繰り返した場合、ステップS40へ進む。
【0083】
(ステップS40)
演算部12Bは、差分値Dが増減を2回繰り返した場合、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動したと判定して、一連の手順を終了する。
【0084】
以上説明したように、本実施例において、駐車検知装置10Bは、Z軸成分の磁気(第1磁気Sz)と、Y軸成分の磁気(第2磁気Sy)と、X軸成分の磁気(第3磁気Sx)と、を検知する。
【0085】
そして、磁気センサー11で検知された磁気(第1磁気Sz、第2磁気Sy及び第3磁気Sx)と、駐車ロット21が空車状態である場合の磁気(第1磁気Rz、第2磁気Ry及び第3磁気Rx)との差分である差分値Dを算出する。そして、差分値Dが増減を繰り返した場合、駐車ロット21に進入した車両Cが、駐車ロット22へ移動したと判定している。
【0086】
磁気の変化率による従来の判定では、駐車検知対象の駐車ロット21に車両Cが進入した後、車両Cを切り返して、最終的に、隣接する駐車ロット22に移動して入庫した場合、駐車検知対象の駐車ロット21に車両Cが駐車したと、誤検知する場合があった。
【0087】
これに対し、本実施例では、上述したように、差分値Dが増減を繰り返した場合、駐車ロット21に進入した車両Cが、駐車ロット22へ移動したと判定している。この結果、検知対象の駐車ロット21において、駐車状態の誤検知を防止することができる。
【0088】
また、例えば、駐車ロット21に車両Cが入庫した直後に、隣接する駐車ロット22に別の車両が入庫した場合には、駐車ロット21の磁気センサー11において算出された差分値Dが第2閾値Thb以下に下がることはない。そのため、本実施例は、このような場合でも、駐車ロット21に進入した車両Cが、駐車ロット22へ移動したどうかを正しく判定することができ、この結果、検知対象の駐車ロット21において、駐車状態の誤検知を防止することができる。
【0089】
なお、上記の判定に加えて、演算部12Bが以下の判定も実施することにより、車両Cが検知対象の駐車ロット21に駐車したのか、又は、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動して駐車したのかを判定するようにしてもよい。
【0090】
上述したように、例えば、磁気センサー11で検知された第1磁気をSz、第2磁気をSy、第3磁気をSx、駐車ロット21が空車状態である場合の第1磁気をRz、第2磁気をRy、第3磁気をRxとする。そして、以下の式(1a)、(1b)、(1c)により、差分値Dx(第3差分値)、Dy(第2差分値)、Dz(第1差分値)を算出する。
【0091】
Dx=|Rx-Sx| ・・・ (1a)
Dy=|Ry-Sy| ・・・ (1b)
Dz=|Rz-Sz| ・・・ (1c)
【0092】
これらの差分値Dx、Dy、Dzについては、駐車ロット21が駐車状態であるか否かを判定する閾値Tx(第3判定値)、Ty(第2判定値)、Tz(第1判定値)が予め規定されている。そして、上記の判定に加えて、Dx<Tx、Dy<Ty、Dz<Tzである場合、つまり、駐車ロット21が駐車状態でない場合、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動して駐車したと判定する。
【0093】
また、上記以下の式(1a)、(1b)、(1c)に代えて、上記の式(2)を用いて、差分値Dを算出してもよい。
【0094】
この差分値Dについても、駐車ロット21が駐車状態であるか否かを判定する閾値Txyzが予め規定されている。そして、上記の判定に加えて、D<Txyzである場合、つまり、駐車ロット21が駐車状態でない場合、車両Cが検知対象の駐車ロット21から隣接する駐車ロット22に移動して駐車したと判定する。
【0095】
以上のような判定も加えることにより、検知対象の駐車ロット21において、駐車状態の誤検知をより確実に防止することができる。
【0096】
[実施例3]
<駐車検知装置>
図8は、本実施例の駐車検知装置10Cを説明するブロック図である。
【0097】
駐車検知装置10Cは、実施例1、2で示した駐車検知装置10A、10Bと同様に、磁気センサー11を有する。また、駐車検知装置10Cは、演算部12Cを有するが、実施例1、2で示した駐車検知装置10A、10Bの演算部12A、12Bとは、後述する相違がある。なお、
図8に示すように、駐車検知装置10Cも、実施例1、2で示した駐車検知装置10A、10Bと同様に、ドップラーセンサー13を有していてもよい。
【0098】
駐車検知装置10Cも、実施例1で示した駐車検知装置10Aに代えて、駐車場に設置可能である。例えば、上述した
図2において、駐車検知装置10Aに代えて、駐車場20の各駐車ロット21、22の地面(又は床面)20aや天井などに駐車検知装置10Cが設置される。ここでも、
図2に示す、2つの駐車ロット21、22を有する駐車場20を前提に、以降の説明を行うが、駐車場20は、更に多くの駐車ロットを有するものでもよい。また、ここでも、駐車ロット21を検知対象とする場合について説明する。
【0099】
磁気センサー11及びドップラーセンサー13は、実施例1で説明した通りであり、ここでは、これらの重複する説明は省略する。
【0100】
演算部12Cは、
図8に示すように、時間差算出部121と、第1判定部122と、差分値算出部123と、第2判定部124と、第3判定部125とを有する。
【0101】
時間差算出部121及び第1判定部122は、実施例1で説明した通りであり、差分値算出部123及び第2判定部124は、実施例2で説明した通りであり、ここでは、これらの重複する説明も省略する。
【0102】
第3判定部125は、第1判定部122及び第2判定部124の判定結果に基づいて判定を行っている。具体的には、第3判定部125は、第1判定部122と第2判定部124とが、共に、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定した場合、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定する。
【0103】
<駐車検知方法>
本実施例の駐車検知装置10Cにおける駐車検知方法では、
図3で説明したフローチャートを実施し、そして、
図4で説明したフローチャートを実施する。
【0104】
そして、本駐車検知方法において、
図3に示すステップS24及び
図6に示すステップS40の実施後に、演算部12Cは、ステップS24及びステップS40で、共に、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定したかどうかを判定する。
【0105】
そして、ステップS24及びステップS40で、共に、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定した場合、演算部12Cは、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定する。
【0106】
以上説明したように、本実施例において、駐車検知装置10Cは、実施例1で説明した駐車検知方法及び実施例2で説明した駐車検知方法を実施し、両方法で、共に、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定したかどうかを判定する。そして、両方法で、共に、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定した場合、演算部12Cは、駐車ロット21に進入した車両Cが駐車ロット22へ移動したと判定する。この結果、検知対象の駐車ロット21において、駐車状態の誤検知をより確実に防止することができる。
【0107】
なお、上記実施の形態、変形例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、又は、その主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0108】
10A、10B、10C 駐車検知装置
11 磁気センサー
12A、12B、12C 演算部
121 時間差算出部
122 第1判定部
124 第2判定部
125 第3判定部
123 差分値算出部
13 ドップラーセンサー
20 駐車場
21、22 駐車ロット