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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】コンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20241002BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20241002BHJP
   A63F 13/215 20140101ALI20241002BHJP
   A63F 13/833 20140101ALI20241002BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20241002BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/54
A63F13/215
A63F13/833
G10L15/00 200H
G10L13/00 100A
G10L13/00 100L
G10L13/00 100S
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022097229
(22)【出願日】2022-06-16
(62)【分割の表示】P 2020102455の分割
【原出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2022130494
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-194229(JP,A)
【文献】特開2016-189804(JP,A)
【文献】特許第6098691(JP,B1)
【文献】特開2003-210833(JP,A)
【文献】国際公開第2019/168630(WO,A2)
【文献】国際公開第2020/039476(WO,A1)
【文献】竹内 郁雄,未踏の第25期スーパークリエータたち,情報処理,日本,一般社団法人情報処理学会,2019年08月15日,第60巻第9号,第829~830頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
G10L 13/00
G10L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムによって、
ゲーム進行ステップと、入力ステップと、出力ステップと、表示ステップと、評価ステップとを実行するように構成され、
前記ゲーム進行ステップでは、プレイヤの操作に基づいてキャラクタを制御してゲームを進行し、
前記入力ステップでは、前記ゲームに対する、情報発信者の音声入力を受け付け、
前記出力ステップでは、前記入力ステップで受け付けた音声入力および前記ゲームのゲーム状況データに応じた音声情報、ならびに、前記音声入力を、少なくとも視聴者に対して出力し、
前記表示ステップでは、前記ゲームを行うプレイヤと、前記情報発信者と、前記視聴者とにゲーム画面を表示し、
前記評価ステップでは、前記音声情報に対する前記視聴者による評価を受け付ける、
音声情報の生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の音声情報の生成方法において、
前記評価ステップでは、前記評価に基づいて、前記音声情報を記憶部に記憶する
音声情報の生成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の音声情報の生成方法において、
前記音声情報は、機械学習の学習済みモデルに基づいて生成される
音声情報の生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプレイ動画を配信する場合に、実況者の実況音声情報が提供される場合がある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、ゲームを実況した実況者の操作に応じて、実況音声情報を含むゲームプレイ動画を配信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-044086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームに対して実況などの音声を出力することで、プレイヤのみならず、ゲームのプレイ動画の視聴者やeスポーツ(Electric Sports)の観戦者が、ゲームに対してより面白さを感じることができる。
【0005】
本開示は、コンピュータシステムによって、実況などの音声出力を、ゲームの状況や実況などの会話の流れに沿って行えるようにすること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、コンピュータシステムであって、
ゲーム進行ステップと、入力ステップと、出力ステップと、表示ステップと、評価ステップとを実行するように構成され、
前記ゲーム進行ステップでは、プレイヤの操作に基づいてキャラクタを制御してゲームを進行し、
前記入力ステップでは、前記ゲームに対する、情報発信者の音声入力を受け付け、
前記出力ステップでは、前記入力ステップで受け付けた音声入力に応じた音声情報を、少なくとも視聴者に対して出力し、
前記表示ステップでは、前記ゲームを行うプレイヤと、前記情報発信者と、前記視聴者とにゲーム画面を表示し、
前記評価ステップでは、前記音声情報に対する前記視聴者による評価を受け付ける、
ものである。
【0007】
前記態様においては、
前記評価ステップでは、前記評価に基づいて、前記音声情報を記憶部に記憶するとよい。
【0008】
前記態様においては、
前記出力ステップでは、前記情報発信者の前記音声入力に加えて、前記情報発信者の前記音声入力または前記ゲームのゲーム状況データに基づいて前記音声情報を出力するとよい。
【0009】
前記態様においては、
前記音声情報は、機械学習の学習済みモデルに基づいて生成されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンピュータシステムによって、実況などの音声出力を、ゲームの状況や実況などの会話の流れに沿って行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図4】情報発信者端末の構成を示すブロック図である。
図5】ゲーム画像の一例を示す。
図6】情報発信者端末におけるゲーム画像、ユーザインターフェースの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示におけるコンピュータシステム、および音声情報の生成方法について、図面を参照して説明する。本開示のコンピュータシステムは、ゲームシステムとして実現されている。本開示における音声情報の生成方法は、ゲームシステムの機能として実装されている。
【0013】
なお、以下の説明において、「ゲーム」とは、所定のルールに従って、何らかの目的を達成する活動であって、コンピュータを利用して実施されるものをいう。前記ゲームには、複数の参加者が競い合うもの(勝敗を定めるもの)もあるし、参加者毎に、得点、時間などの、何らかの指標に基づく評価を受けるものもある。ここでの参加者は、個人またはチームの両方を含む。
【0014】
[実施形態]
《ゲームシステムの概要》
図1は、実施形態におけるゲームシステム1の構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、例えば、eスポーツ大会を運営するために用いられる。ゲームシステム1におけるゲームは、ゲームプレイヤ(参加者)の操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元の仮想ゲーム空間(以下、単に仮想空間という)で活動させたり、プレイヤキャラクタの仲間に対して様々なアクションを行わせたりする。
【0015】
本実施形態で説明するゲームは、プレイヤキャラクタを、他のプレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタと仮想空間内で対戦させる対戦型アクションゲームである。より詳しくは、本実施形態のゲームは、いわゆる格闘ゲームである。
【0016】
本実施形態の格闘ゲームでは、2人のゲームプレイヤが、1対1で対戦を行う。対戦では、各ゲームプレイヤが、一のキャラクタ(プレイヤキャラクタ)を選択して操作する。対戦では、例えば、いずれかのキャラクタの体力値が0になることで勝敗が決定する。
【0017】
本実施形態のeスポーツ大会では、例えば、トーナメント方式などにより、大会が進行する。このeスポーツ大会では、対戦の状況が実況者によって実況される。また、このeスポーツ大会では、対戦内容(例えば使用された技)などが、解説者によって解説される。実況および解説は、通信網などを介して、観戦者などに配信される。実況および解説は、大会会場に設置されたスピーカなどによって放送される場合もある。
【0018】
以下では、ゲームに関わる情報を音声情報として発信する者を「情報発信者」という。「音声情報」は、ゲームの実況およびゲームの解説の少なくとも一方に関連する情報である。実況者、および解説者は、それぞれ、「情報発信者」の一例である。
【0019】
《ハードウェアの構成》
〈概要〉
ゲームシステム1は、サーバ装置2、ゲーム装置5、および情報発信者端末10を備えている。サーバ装置2は、ゲーム装置5と通信ネットワーク6(例えばインターネット)を介して、通信可能に構成されている。
【0020】
情報発信者端末10は、情報発信者が使用する端末である。情報発信者端末10は、通信ネットワーク6に接続されている。情報発信者端末10とサーバ装置2とは、通信ネットワーク6を介して通信を行う。
【0021】
サーバ装置2は、eスポーツ大会の管理、および情報発信のサポートを行う。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶している。サーバ装置2は、ゲーム装置5のゲームデータの管理を行う。サーバ装置2は、eスポーツ大会の管理を行うための各種プログラムおよびデータを記憶している。
【0022】
ゲーム装置5は、ゲームプレイヤの操作に基づいてゲームを実行する。本実施形態では、ゲーム装置5において、対戦型アクションゲームが行われる。本実施形態では、一台のゲーム装置5によって、一組のプレイヤ(この例では二人)の操作を受け付ける。
【0023】
ゲーム装置5には、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)、Nintendo Switch(登録商標)などの、市販の装置を利用できる。
【0024】
ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(ダウンロード)する場合がある。ゲーム装置5は、ゲームプログラム等を受信したら、受信したゲームプログラム等をインストールする。
【0025】
ゲーム装置5は、各プレイヤ(以下、プレイヤP1,P2)の操作に基づいて、対戦型アクションゲームによる対戦を開始する。ゲーム装置5は、各プレイヤの操作に基づいてゲーム画像や音声を、ディスプレイ61およびスピーカ62(それぞれ後述)に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0026】
ゲーム装置5は、対戦が終了すると、対戦結果を示す結果情報をサーバ装置2に送信する。結果情報には、例えば、対戦のステージ(1回戦、決勝戦などの情報)、対戦における勝者を特定する情報が含まれる。
【0027】
〈サーバ装置2の構成〉
図2は、サーバ装置2の構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22、および制御部23を備えている。ネットワークインターフェース21、および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0028】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6(通信網)を介して、ゲーム装置5、情報発信者端末10等と通信可能に接続されている。
【0029】
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成されている。記憶部22には、ゲームデータ、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムが記憶されている。
【0030】
制御部23は、サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0031】
〈ゲーム装置5の構成〉
図3は、ゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5には、図3に示すように、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。ディスプレイ61は、2台設けられている。また、ゲーム装置5には、コントローラ63も2台設けられている。以下では、ディスプレイ61のように複数が存在する構成要素には、必要に応じて、参照符号に枝番を付して区別する(例えば61-1、61-2等。以下同様)。
【0032】
ディスプレイ61-1およびコントローラ63-1は、プレイヤP1が使用する。ディスプレイ61-2およびコントローラ63-2は、プレイヤP2が使用する。コントローラ63は、ゲームシステム1において標準で装備されたものに代えて、プレイヤP1,P2自身によって用意されたものが接続される場合もある。
【0033】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0034】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で、各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0035】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、仮想空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61(61-1,61-2)と接続されている。動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0036】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されている。オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成し、これをスピーカ62から出力させる。
【0037】
操作部54は、コントローラ63(63-1,63-2)と接続されている。操作部54は、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。プレイヤP1,P2は、コントローラ63のボタン等の各種操作子を操作することで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0038】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードされたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラムなどが格納されている。
【0039】
制御部56は、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0040】
〈情報発信者端末10の構成〉
情報発信者端末10は、例えば、パーソナルコンピュータに所定のソフトウェアをインストールすることによって構成できる。図4は、情報発信者端末10の構成を示すブロック図である。図4に示すように、情報発信者端末10には、ディスプレイ91、スピーカ92、マイクロフォン94、およびキーボード93が接続されている。
【0041】
情報発信者端末10は、ネットワークインターフェース81、グラフィック処理部82、オーディオ処理部83、操作部84、記憶部85、および制御部86を有する。ネットワークインターフェース81、グラフィック処理部82、オーディオ処理部83、操作部84、および記憶部85は、バス87を介して制御部86と電気的に接続されている。
【0042】
ネットワークインターフェース81は、各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。これにより、情報発信者端末10は、サーバ装置2との通信が可能になる。
【0043】
グラフィック処理部82は、ディスプレイ91と接続されている。グラフィック処理部82は、制御部86から出力される画像情報に従って、ディスプレイ91に各種画像を表示する。
【0044】
オーディオ処理部83は、スピーカ92と接続されている。オーディオ処理部83は、制御部86から出力される音声情報に従って、音声をスピーカ92から出力(再生)させる。
【0045】
オーディオ処理部83には、マイクロフォン94が接続されている。マイクロフォン94は、情報発信者の音声を電気信号として収集するために使用される。オーディオ処理部83は、マイクロフォン94から入力された信号をデジタル信号(音声信号)に変換する。オーディオ処理部83は、音声信号を制御部86に送信する。
【0046】
操作部84は、キーボード93と接続されている。操作部84には、使用者(例えば情報発信者)によるキーボード93の操作に応じて、操作信号が入力される。例えば、使用者は、キーボード93を操作することにより、記憶部85に記憶された各種プログラムを実行させることができる。使用者は、キーボード93を操作することで、種々の情報を入力することができる。
【0047】
記憶部85は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部85には、各種プログラムなどが格納されている。
【0048】
制御部86は、情報発信者端末10を制御する。制御部86は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0049】
《ゲーム装置5における制御部56の機能的構成》
制御部56は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、対戦実行部561、および送信部562として機能する。
【0050】
対戦実行部561は、プレイヤによるコントローラ63の操作に従って、ゲームデータに含まれるオブジェクト、およびテクスチャなどのデータを読み出し且つゲームプログラムを実行する。ゲームプログラムの実行によって、二次元または三次元のゲーム画像情報が生成される。
【0051】
ゲーム画像情報は、グラフィック処理部52によって処理される。グラフィック処理部52の処理により、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が表示される。例えば、図5に示すようなゲーム画像Scがディスプレイ61に表示される。ゲーム画像Scは、会場に設置されている観客用ディスプレイにも表示される。ゲーム画像Scは、通信ネットワーク6を介しても、観戦者に配信される。情報発信者からの音声入力(後述)も通信ネットワーク6を介して、観戦者に配信する。
【0052】
対戦実行部561は、所定の条件を満たした場合(例えば、コントローラ63に対して所定の操作が行われた場合)に、対戦型アクションゲームによる対戦を開始する。対戦実行部561は、対戦の勝敗が決した場合(例えば、キャラクタの体力値が0になった場合)に、対戦を終了する。
【0053】
送信部562は、各対戦者が選んだキャラクタの情報(キャラクタ名、使用コスチュームなど)を送信する。これらの情報は、実況、および解説に使用できる。
【0054】
送信部562は、対戦中に、コントローラ63による入力の履歴情報(以下、入力履歴情報)を、ネットワークインターフェース51を介して、サーバ装置2に送信する。入力履歴情報を解析することによって、プレイヤP1,P2が繰り出した技を特定することができる。
【0055】
送信部562は、対戦中は、ゲームにおけるステータス情報をサーバ装置2に送信する。ステータス情報としては、各キャラクタの体力値を例示できる。
【0056】
《サーバ装置2における制御部23の機能的構成》
制御部23は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、入力部231、状況収集部232、表示部233、ユーザインターフェース制御部234、情報生成部235、出力部236、切替え部237、および評価部238として機能する。
【0057】
入力部231は、情報発信者からの音声入力(デジタルデータ)を受信する。より具体的には、入力部231は、情報発信者端末10から送信された音声入力を受信する。入力部231は、受信した音声入力を情報生成部235に送信する。
【0058】
状況収集部232は、ゲームの状況に関する情報(以下、状況データという)を収集する。例えば、状況収集部232は、状況データとして、入力履歴情報、ステータス情報、およびキャラクタの情報を収集する。状況収集部232は、収集した状況データを情報生成部235に送信する。
【0059】
表示部233は、ゲーム画像Scを情報発信者端末10に出力する。これにより、情報発信者は、対戦を見ることができる。すなわち、対戦会場において対戦が行われる場合のみならず、対戦者同士が通信ネットワーク6経由で対戦を行う場合にも、情報発信者は対戦の状況を把握できる。
【0060】
ユーザインターフェース制御部234(情報表示部)は、ネットワークインターフェース21を介して、情報発信者端末10(ディスプレイ91)に、ユーザインターフェースUIを表示させる。ユーザインターフェース制御部234は、ゲーム画像Scに重ねてユーザインターフェースUIを情報発信者端末10に表示させたり、ユーザインターフェースUIを単独で情報発信者端末10に表示させたりする。
【0061】
例えば、ユーザインターフェース制御部234は、ユーザインターフェースUIとして、テキスト情報を表示する領域(以下、テキスト領域)を情報発信者端末10に表示させる。また、ユーザインターフェース制御部234は、ユーザインターフェースUIとして、学習済みモデル(後述)の切り替えを行うための選択画面を情報発信者端末10に表示させる。
【0062】
情報生成部235は、実況者としての音声情報、あるいは解説者としての音声情報を生成する。本実施形態では、情報生成部235は、AI(artificial intelligence)によって実装されている。情報生成部235は、機械学習の学習済みモデルに基づいて機能する。情報生成部235は、学習済みモデルの内容に応じて、実況者としての音声情報を生成するか、解説者としての音声情報を生成するかが定まる。
【0063】
情報生成部235は、ニューラルネットワークを用いて構成されている。このニューラルネットワーク(情報生成部235)は、入力部231に対する音声入力、および状況収集部232が収集した状況データを入力としている。音声入力は、音声認識技術によってテキストデータに変換することによって、容易に情報生成部235に入力することができる。
【0064】
ニューラルネットワーク(情報生成部235)は、音声入力、および状況データの双方の入力に応じた音声情報を生成する機能(第1機能)を有している。情報生成部235は、状況データに応じた音声情報を生成する機能(第2機能)も有している。つまり、情報生成部235は、音声入力を用いずに、音声情報を生成することもできる。更に、情報生成部235は、音声入力のみを用いて、音声情報を生成する機能(第3機能)を有している。
【0065】
本実施形態では、学習済みモデルは、複数種類が用意されている。学習済みモデルは、例えば、過去に、ゲームにおいて行われた解説および実況を利用して構築できる。機械学習の際に用いる音声情報を適宜、選択することによって、種々の特性(性格)のAIを構築することができる。
【0066】
例えば、実況者(人)の音声(発言)と状況データからなる入力、およびこれらの入力に対応した解説者(人)の音声(出力)を教師データとして用いてAIに機械学習を行わせることで、情報生成部235に、解説者としての動作(発言)を行わせることができる。同様に、解説者(人)の音声(発言)と状況データからなる入力、およびこれらの入力に対応した実況者(人)の音声(出力)を教師データとして用いてAIに機械学習を行わせることで、情報生成部235に、実況者としての動作(発言)を行わせることができる。
【0067】
また、女性の情報発信者の音声を用いて、AIに機械学習を行わせることで、情報生成部235に、女性としての音声情報を生成させることができる。
【0068】
また、AI(情報生成部235)は、ゲストとして振る舞うように機械学習を行わせてもよい。ゲストは、ときには解説もするが自由に話す。ゲストとして振る舞う情報生成部235(以下、ゲストAIという)は、例えば、次のような教師データを用いて機械学習を行わせることによって構築できる。
【0069】
例えば、教師データには、ゲストによる、情報発信者を邪魔する発言を含める。具体的には、ゲストによる「○○いいねー!」、「チャンス!」、「あぶない!」、「うまいねー」などの、情報発信者(実況者等の人)の邪魔をして横槍を入れる発言を教師データに含めることが考えられる。邪魔をして横槍を入れる発言には、情報発信者の音声入力中にゲストの音声を再生したり、情報発信者に話しかけたり、ゲーム進行や情報発信者の音声入力や感情の起伏とは無関係な音声を再生したりすることも含まれる。
【0070】
教師データには、ゲストによる、情報発信者の感情の起伏とは異なる発言を含めることが考えられる。具体的には、サッカーのゲームにおいて、音声入力(情報発信者の発言)として「ゴール!!!」とあったあとに行われる、「(全然喜んでいない口調で)油断してはだめ、気を引き締めよう」などの、ゲストによる発言を教師データに含めることが考えられる。
【0071】
また、ゲストによる、事実とは異なる発言を教師データに含めてもよい。例えば、ファールに近いことがゲーム上行われた場合(実際にはファールではない場合)に、「あれはファールだ!レッドカードだ!」といった怒った口調の発言を教師データに含めることが考えられる。
【0072】
ゲストAI(情報生成部235)の発言に対して、実況者(人)等がうまく対応することで、観戦者は、より面白さを感じることができる。AIの発言は、情報発信者に対する一種の課題である。情報発信者は、AIの発言(課題)への対応を考え、音声入力を行う。ゲストAIの発言も、情報発信者に対する一種の課題の提供である。情報発信者の課題への対応の仕方は、評価部238による評価項目に使用できる。具体的には、観戦者(視聴者)による、情報発信者の評価項目(後述)として使用できる。
【0073】
情報生成部235は、ゲームに関する情報をテキスト情報(文字で表された情報)として生成する。本実施形態では、情報生成部235は、テキスト情報として、直近に繰り出された技名、対戦経過(この対戦での技の成功率など)、対戦者のプロフィール等を生成する。また、テキスト情報は、プレイヤに表示する情報に限らず、ゲーム中にプレイヤには表示されない情報を含む。
【0074】
対戦者のプロフィールは、種々の選手のプロフィールをデータベース化しておくことで取得できる。直近に繰り出された技名は、入力履歴情報を分析することで取得できる。技の成功率またはガード成功率は、例えば、技と、体力値の変化度を対戦中に統計処理することで取得できる。技の成否の判断手法、およびガードの成否の判断手法については後に例示する。
【0075】
また、テキスト情報には、キャラクタ同士が対峙して睨み合っていること、技または技の発動後の隙がキャンセルされたこと、対峙位置(キャラクタの方向)が変わったこと、高度な攻撃が行われたことなどの、キャラクタの状態を含めてもよい。これらのテキスト情報は、専門用語(例えばプレイ中のゲームに特有の用語など)を用いて生成するのが望ましい。
【0076】
専門用語を含むテキスト情報を生成するには、専門用語を記憶部22内のデータベースから抽出できるように、データベースおよび情報生成部235を構成することが考えられる。また、専門用語を出力できるように、情報生成部235に機械学習を行わせてもよい。
【0077】
情報生成部235は、生成したテキスト情報をユーザインターフェース制御部234に送信する。ユーザインターフェース制御部234は、受け取ったテキスト情報を、テキスト領域に表示させる。情報生成部235は、適宜、テキスト情報を更新する。
【0078】
情報生成部235は、ユーザインターフェースUIを介して、終了の指示が入力された場合に動作を終了する。これにより、情報発信者は、実況等の情報発信を終了できる。
【0079】
出力部236は、情報発信者からの音声入力を、通信ネットワーク6を介して配信する。出力部236は、ネットワークインターフェース21を介して、ゲーム音声も情報発信者端末10に送信する。また、出力部236は、ネットワークインターフェース21を介して、情報生成部235が生成した音声情報を、所定のタイミング(後述)で情報発信者端末10に出力する。出力部236は、ネットワークインターフェース21を介して、情報生成部235が生成した音声情報の配信も行う。
【0080】
詳しくは、出力部236は、状況データの変化が所定回数(1または複数回)あった後の所定期間(後述)における音声入力の有無に応じて、出力する音声情報を選択する。ここで、「状況データの変化」としては、格闘ゲームの場合には、体力ゲージや必殺技ゲージなどのパラメータに変化があった場合、必殺技などの特殊な攻撃が実行された場合などを例示できる。
【0081】
例えば、連続技(いわゆるコンボ技)の成功、失敗は、入力されたキー情報(入力履歴情報)と入力フレーム(所定期間内に技に対応する入力を行ったかの情報)を参照することで判定できる。出力部236は、技の成否で音声情報を生成し出力することができる。
【0082】
例えば、一方のキャラクタの必殺技のゲージが最大値になり、プレイヤの操作によって必殺技が実行されたときに、他方のキャラクタの体力ゲージが減ったときは必殺技(例えば連続技)がヒットした状況となる。また、一方のキャラクタの必殺技のゲージが最大値になり、プレイヤの操作によって必殺技が実行されたときに、プレイヤの操作によって他方のキャラクタがガードを実行し、体力ゲージが減らなかったときは必殺技がヒットしなかった状況(ガードまたは回避が成功した状況)となる。また、必殺技等により与えるダメージと、実際に与えたダメージ(体力ゲージの減少度合い)とを比較し、どの程度必殺技がヒットしたかどうかを判断することができる。
【0083】
また、「状況データの変化」には、出力部236が所定回の出力(発言)を行った場合も含まれる。この「発言」は、内容が質問である場合がある。
【0084】
「音声入力がない」とは、入力部231が信号を受信していない状態を例示できる。「音声入力がない」には、入力部231が信号を受信はしているが、その信号が言葉として認識できない状態も含む。また、「所定期間」とは、情報発信者が沈黙したと認められる期間である。この実施形態での「所定期間」は、数秒である。「所定期間」は、例えば、動画像のフレーム数によって定めてもよい。
【0085】
以下では、「状況データの変化が所定回数(1または複数回)あった後の所定期間」を「判定期間」という。出力部236は、判定期間に音声入力があった場合には、音声入力、および状況データの双方に応じた音声情報(第1機能に基づいて生成された音声情報)を出力する。
【0086】
一方、出力部236は、判定期間に音声入力がなかった場合には、状況データに応じた音声情報(第2機能に基づいて生成された音声情報)を出力する。更に、出力部236は、所定期間、状況データの変化が無かった場合であっても、音声入力があった場合には、音声入力に応じた音声情報(第3機能に基づいて生成された音声情報)を出力する。
【0087】
出力部236は、状況データが、特定の状態(以下、特殊状態という)を示す場合には、状況データに応じた音声情報(第2機能に基づいて生成された音声情報)を出力する機能を有している。特殊状態においては、出力部236は、入力部231が音声入力を受け付けている状態中であっても、状況データに応じた音声情報を出力する場合がある。特殊状態には、ゲームの状況がいわゆるチャンスシーン、得点シーン等の場合を例示できる。
【0088】
以上の出力部236の機能は、AIによって実現できる。出力部236を実現するAIは、情報生成部235を実現するAIと共通のものでもよいし、別個のAIでもよい。出力部236をAIによって実装した場合には、ゲームが繰り返されるごとに学習させ、特殊状態の定義を更新してもよい。勿論、何れの状態が特殊状態とされるかを、予め設定(例えば所定の変数に情報を格納)しておいてもよい。
【0089】
切替え部237は、情報生成部235が使用する学習済みモデルを切り替える。本実施形態では、情報発信者端末10の使用者(例えば情報発信者)がユーザインターフェースUIを操作することによって、学習済みモデルの切り替えのリクエストが、切替え部237に送信される。これにより、情報発信者端末10の使用者は、AIの性格(特性)を選択することができる。
【0090】
切替え部237は、切り替えのリクエストに応じて、使用すべき学習済みモデルを情報生成部235に通知する。情報生成部235は、動作時に通知された学習済みモデルを使用する。
【0091】
評価部238は、音声情報、および状況データの少なくとも一方に基づいて、音声入力(すなわち情報発信者の発言)を評価する。ここでは、評価部238は、テキストデータに変換された音声情報と状況データとを比較し、両者の適合度合いを指標として、音声入力を評価する。
【0092】
評価部238は、観戦者(視聴者)による評価も、音声情報の評価に利用する。観戦者からの評価は、SNS(social networking service)等を介した評価を利用できる。また、観戦者による評価には、視聴用の端末装置が備えるUIから入力された評価を利用することも考えられる。視聴用の端末装置は、パーソナルコンピュータやゲーム装置によって構成できる。
【0093】
《情報発信者端末10における制御部86の機能的構成》
制御部86は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、音声送信部861、およびUI処理部862として機能する。
【0094】
音声送信部861は、オーディオ処理部83が生成した音声信号を、ネットワークインターフェース81を介して、サーバ装置2に送信する。ここでの音声信号は、情報発信者がマイクロフォン94を用いてオーディオ処理部83に入力したものである。音声送信部861から送信された音声信号は、サーバ装置2の入力部231が受信する。
【0095】
UI処理部862は、サーバ装置2のユーザインターフェース制御部234の指示に応じて、ユーザインターフェースUIをディスプレイ91に表示する。UI処理部862は、表示部233が出力したゲーム画像Scをディスプレイ91に表示する。図6に、UI処理部862によって表示される画面の例を示す。UI処理部862は、ユーザインターフェースUIに対するユーザの操作結果をサーバ装置2に送信する。
【0096】
《動作例》
音声情報の発信を行うには、情報発信者は、情報発信者端末10からゲームシステム1(詳しくはサーバ装置2)にアクセスしてログインする。それにより、サーバ装置2のユーザインターフェース制御部234が機能して、情報発信者端末10には、ユーザインターフェースUIが表示される。
【0097】
情報発信者は、ユーザインターフェースUIを操作することによって、解説者として機能するAIを選択したり、実況者として機能するAIを選択したりできる。ここでは、情報発信者は、実況者として機能するAIを選択したものとする。換言すると、情報発信者は、解説者として発言を行うものとする。
【0098】
情報発信者端末10において準備が完了すると、情報生成部235が機能する。例えば、情報生成部235は、対戦の開始前に、選手のプロフィール等のテキスト情報をユーザインターフェース制御部234に送信する。それにより、ユーザインターフェース制御部234は、テキスト領域(ディスプレイ91)に、受け取った情報を表示させる。情報発信者は、テキスト領域に表示された情報を用いて解説等を開始してもよいし、表示された情報に基づいて、対戦中に話す内容を準備してもよい。
【0099】
対戦中は、表示部233によって、対戦の様子がゲーム画像Scとしてディスプレイ91に表示される。情報発信者は、ゲーム画像Scを見て、解説を行うことができる。情報発信者が発した音声は、情報発信者端末10からサーバ装置2の入力部231に送信される。入力部231への音声入力は、情報生成部235および評価部238に送られる。評価部238は、適宜、音声入力の評価を行う。
【0100】
対戦中は、状況収集部232は、入力履歴情報、ゲームの状態(体力ゲージや必殺技ゲージなどのパラメータ等)等の状態データを収集して情報生成部235に送る。情報生成部235は、音声入力、および状況データの少なくとも一方に基づいて、実況者としての音声情報を生成する。換言すると、情報生成部235は、第1~第3機能を適宜、発揮する。情報生成部235は、生成した音声情報を出力部236に送る。
【0101】
例えば、出力部236は、判定期間に音声入力があった場合には、第1機能に基づいて生成された音声情報を出力する。また、出力部236は、判定期間に音声入力がなかった場合、および特殊状態の場合には、第2機能に基づいて生成された音声情報を出力する。特殊状態では、出力部236は、音声入力を受け付けている状態中に出力を行う場合がある。すなわち、出力部236は、情報発信者の発言に割り込んで、出力(発言)を行う場合がある。
【0102】
情報生成部235は、テキスト領域に表示可能な情報があれば、その情報をユーザインターフェース制御部234に送信する。例えば、情報生成部235は、直近に繰り出された技名などをテキスト領域に表示させる。情報発信者は、解説を行う場合等に、テキスト領域に表示された情報を利用できる。
【0103】
情報発信者は、対戦が終了したあとも、解説などの情報発信を続けてもよい。情報生成部235は、対戦が終了した後も、音声入力に応じて、音声情報を生成する。情報発信者は、情報発信を終了したい場合には、ユーザインターフェースUIを介して、情報発信習の終了をサーバ装置2に通知できる。情報発信者の情報発信が終了したら、評価部238は、音声情報の評価結果を記憶部22内のデータベースに格納する。
【0104】
以上をまとめると、本件開示は、ゲーム装置5(コンピュータ)を介して行われるゲームに対する、情報発信者の音声入力を受け付ける入力部231と、前記ゲームの状況に関する状況データを収集する状況収集部232と、前記入力部231に対する音声入力、および前記状況収集部232が収集した状況データに応じて、音声情報を生成する機能を有する音声情報生成部235と、前記音声情報を出力する出力部236と、を備えていることを特徴とするゲームシステム1(コンピュータシステム)である。
【0105】
《本実施形態の効果》
以上の通り、本実施形態では、コンピュータシステムによって、実況などの音声出力を、ゲームの状況や実況などの会話の流れに沿って行うことが可能になる。
【0106】
また、ゲームシステム1は、実況者、および解説者の練習に利用できる。すなわち、本実施形態によれば、コンピュータシステムによって、情報発信者の育成ができる。
【0107】
[その他の実施形態]
情報生成部235は、解説者としての音声情報を生成するように構成してもよい。しかし、情報生成部235が生成する音声情報は、解説者、実況者には限定されない。例えば、実況者とともにゲームを観戦する観戦者として音声情報を出力するように、情報生成部235(AI)を構成してもよい。
【0108】
ゲームの種類は、例示した格闘ゲームには限定されない。ゲームシステム1(コンピュータシステム)は、種々のゲームプレイに利用できる。例えば、ゲームは、対人戦に限らない。また、ゲームは、複数のプレイヤが互いに協力してプレイするゲームでもよいし、個人でプレイするゲーム(例えばタイムアタックなど)でもよい。
【0109】
実施形態で説明した「状況データの変化」は、例示にすぎない。例えば、ゲームがサッカーゲームであれば、ボールを所持(支配)しているチームが変わる、ゴール付近にボールが近づく、といった変化が「状況データの変化」の一例である。ゲームが野球のゲームであれば、塁上にランナーがでる、攻守が変わるなどの変化が「状況データの変化」の一例である。同様に「特殊状態」も例示にすぎない。
【0110】
音声情報の生成に用いるサーバは、ゲーム管理のサーバ(対戦実施を管理するサーバ)とは別個に設けてもよい。
【0111】
ゲームのバージョンアップなどによってキャラクタや技に更新があったり、ゲームルールが変更になったりした場合には、学習済みモデルは、更新するのが望ましい。
【0112】
対戦のデータを収集し、各キャラクタ(プレイヤの操作)の傾向(最近は、XしてからのYのコンボが流行りであるなどの情報)を解説できるように、情報生成部235を構成してもよい。また、ゲームのバージョンアップにより変更になったところを解説できるように、情報生成部235を構成してもよい。解説する変更としては、キャラクタAは、必殺技が弱体化したといった変更、強パンチの後の隙が、Xフレーム短縮されたといった変更などを例示できる。
【0113】
AI(情報生成部235)とユーザ(情報発信者)の信頼関係を示すパラメータ(以下、信頼パラメータという)を設けてもよい。例えば、信頼パラメータの値が低い場合には、ユーザの話に被せて出力部236に音声出力を行わせたり、信頼パラメータの値が高い場合には、ユーザが話しているときは、出力部236に音声出力を行わなにようにしたり(静かにさせたり)するといった応用ができる。
【0114】
また、信頼パラメータの値が高い場合において、情報発信者による音声入力と音声出力がたまたま被った場合に、情報発信者に発言を譲るといった応用もできる。この場合、出力部236において、出力中の音声を中断し(出力中の音声に代えて)、発言機会を譲ることを示す音声出力(例えば「Aさんどうぞ」という音声出力)を行うようにしてもよい。
【0115】
信頼パラメータは、所定の変数に保持するようにしてもよいし、教師データとして用いてもよい。
【0116】
サーバ装置2には、選手キャラクタ(プレイヤでも可)にインタビューする機能を実装してもよい。具体的にはサーバ装置2に、情報発信者の音声をゲーム装置5に送信する機能を実装する。ゲーム装置5には、選手キャラクタ(プレイヤでも可)からの発言をサーバ装置2に送信する機能を実装する。
【0117】
こうすることで、例えば、実況者(情報発信者)が「いい試合でしたね」と選手キャラクタ(プレイヤでも可)に聞けば、選手キャラクタ(プレイヤでも可)が「ありがとうございます。」と答えるといったやり取りが可能になる。観戦者(視聴者)は、ゲームに対してより面白さを感じることができる。
【0118】
サーバ装置2は、情報発信者の音声入力によって制御できるように構成してもよい。例えば、情報発信者が「リプレイだせますか?」とサーバ装置2に音声入力した場合に、リプレイ映像を表示(配信)するようにすることが考えられる。また、情報発信者(例えば実況者)が音声入力によって、「A選手を映せますか?」と入力した場合に、サーバ装置2が、仮想カメラを制御したり表示する画像を切り替えたりして、ゲーム画像ScとしてA選手キャラクタを表示するようにしてもよい。
【0119】
ゲームによっては、仮想のカメラを操作することによって配信するゲーム画像Scを選択できるものがある。また、オンラインゲーム(eスポーツを含む)では、選手や情報発信者の他に、カメラマン、放送局(後述)等の裏方が存在するものがある。
【0120】
カメラマンは、仮想カメラを操作する者(人)である。放送局は、例えば、複数の仮想カメラの中から配信に使用するものを選定する役割を担う。放送局の役割、およびカメラマンの役割は、人が端末装置(例えばパーソナルコンピュータ、ゲーム装置など)を介して果たす。
【0121】
ゲームシステム1は、実況者と裏方とがやりとり(意思疎通)できるように構成してもよい。こうすることで、配信内容をより面白くすることが可能になる。
【0122】
情報生成部235は、情報発信者が不正確な発言を行った場合などに、リアルタイムに指摘するように構成してもよい。不正確な発言としては、例えば、言葉の誤用(言葉の意味の誤解)、選手の名前やチームの名前の誤り、ルールの誤認などを例示できる。指摘の方法としては、例えば、情報発信者端末10に誤用したことを示す表示をしたり、「bad」などの評価表示を行ったり、正しい情報を表示したりすることが考えられる。また、情報発信者に、評価結果を伝える際に、不正確な発言の内容を示してもよい。
【0123】
一定以上の評価があった回の発言内容、名言(名場面)などは、データベースに記録できるようにしてもよい。「名言」は、コンピュータ(例えばサーバ装置2)が自動で抽出してもよいし、観戦者の評価に基づいて抽出してもよい。
【0124】
SNSでは、ユーザ(視聴者)が意思表示する仕組み(例えば「イイネ」といったラベルのボタン)が設けられることが多い。観戦者の評価が高い発言(例えば「イイネ」などのボタンが多数押されて盛り上がった際の発言)を「名言」として抽出することが考えられる。
【0125】
ゲームシステム1は、情報発信者にアドバイスを与えるように構成してもよい。具体的には、情報発信者の直近の、情報発信の履歴や評価を参照し、アドバイスを与えることが考えられる。ユーザ(実況者)は、アドバイスの形態(タイミングや表示方法など)を任意に切り替えられるのが望ましい。
【0126】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0127】
1 ゲームシステム(コンピュータシステム)
5 ゲーム装置(コンピュータ)
231 入力部
232 状況収集部
233 表示部
234 ユーザインターフェース制御部(情報表示部)
235 音声情報生成部
236 出力部
237 切替え部
238 評価部
図1
図2
図3
図4
図5
図6