IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミクシィの特許一覧

特許7564484空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム
<>
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図1
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図2
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図3
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図4
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図5
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図6
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図7
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図8
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図9
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図10
  • 特許-空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】空間情報処理装置,情報処理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20241002BHJP
   A63F 13/5372 20140101ALI20241002BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20241002BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241002BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/5372
A63F13/65
A63F13/69
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023175380
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2019025203の分割
【原出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2023171533
(43)【公開日】2023-12-01
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】山口 太樹
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064711(JP,A)
【文献】特開2017-023544(JP,A)
【文献】特開2013-244307(JP,A)
【文献】特開2000-217153(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090273(WO,A1)
【文献】移動のコツ|PUBGスマホ版,PUBGモバイル攻略Wiki[online],2018年08月27日,[2024年8月21日検索]、インターネット:<URL:https://appmedia.jp/pubg/1944516>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
現実空間に対応する仮想空間においてユーザに対し利用制限が課される制限領域のうち、前記現実空間内の前記ユーザの位置情報に対応する前記仮想空間内の対応位置に基づく第1部分に課されている前記利用制限を解除し、
前記第1部分を、収縮条件に基づいて収縮させ、
前記ユーザによる対価の負担に応じて前記第1部分の収縮の進行を抑止する、
情報処理装置。
【請求項2】
現実空間に対応する仮想空間においてユーザに対し利用制限が課される制限領域のうち、前記現実空間内の前記ユーザの位置情報に対応する前記仮想空間内の対応位置に基づく第1部分に課されている前記利用制限を解除し、
前記第1部分を、収縮条件に基づいて収縮させ、
前記ユーザによる対価の負担に応じて前記第1部分の収縮の進行を抑止する、
処理をプロセッサに実行させるプログラム。
【請求項3】
プロセッサが、現実空間に対応する仮想空間においてユーザに対し利用制限が課される制限領域のうち、前記現実空間内の前記ユーザの位置情報に対応する前記仮想空間内の対応位置に基づく第1部分に課されている前記利用制限を解除し、
プロセッサが、前記第1部分を、収縮条件に基づいて収縮させ、
プロセッサが、前記ユーザによる対価の負担に応じて前記第1部分の収縮の進行を抑止する、
情報処理方法。
【請求項4】
サーバとユーザの端末とを備え、
前記サーバは、
現実空間に対応する仮想空間において前記ユーザに対し利用制限が課される制限領域のうち、前記現実空間内の前記端末の位置情報に対応する前記仮想空間内の対応位置に基づく第1部分に課されている前記利用制限を解除し、
前記第1部分を、収縮条件に基づいて収縮させ、
前記ユーザによる対価の負担に応じて前記第1部分の収縮の進行を抑止する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上の特定位置の設定・指示器に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に通行したことがある道路を地図上で強調する仕組みが知られている。例えば、特許文献1には、地図表示機能を有する移動体端末の移動履歴に基づき当該移動体端末が目的地周辺で過去に通行した履歴がある過去通行道路を当該移動体端末に表示させた地図上で強調表示させる目的地表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-072670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現実空間に対応するように形成された仮想空間においてユーザ向けに何らかの効果を発動させるサービスでは、当該仮想空間において当該ユーザが活動し得る活動領域の広狭がサービスの興趣に大きく影響する。この活動領域に関し、制限がないと広過ぎる可能性がある一方で、例えば特許文献1に開示されている過去通行道路に限定されると狭過ぎる可能性がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザに仮想空間における活動領域を効率よく確保させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、ユーザの動作に応じて位置情報を適用することにより仮想空間の制限領域において当該ユーザに課されている利用制限を解除する。
【0007】
本発明の一形態である空間情報処理装置は、現実空間に対応する仮想空間において第1ユーザに対し利用制限が課される制限領域を設定する制限手段と、前記現実空間内の特定位置を示す位置情報を適用させる動作が前記第1ユーザによりなされた場合に該特定位置に対応する前記仮想空間内の対応位置を含むように画定される前記制限領域内の第1部分に課されている前記利用制限を解除する解除手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの動作に応じた位置情報の適用により仮想空間における当該ユーザの活動領域が効率よく確保され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】サービスの概要の説明図である。(実施例)
図2】サービスの特徴の説明図である。(実施例)
図3】サービスの特徴の説明図である。(実施例)
図4】システムのネットワーク構成を例示する構成図である。(実施例)
図5】サーバ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
図6】ユーザ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
図7】ユーザ管理サーバの機能構成を例示するブロック図である。(実施例)
図8】データベース構成を例示する説明図である。(実施例)
図9】実績情報の適用手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
図10】収縮演出の手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
図11】実績情報の転用手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.実施形態]
[1-1.概要]
本実施形態は、現実空間に対応するように形成された仮想空間において、ユーザ向けに何らかの効果を発動させるサービスに関する。本実施形態では、ユーザに仮想空間における活動領域を効率よく確保させるため、ユーザの動作に応じて位置情報を適用することにより仮想空間の制限領域において当該ユーザに課されている利用制限を解除する。
【0011】
「仮想空間」とは、情報ネットワーク上に概念的に形成される仮想的な空間をいう。仮想的な空間は、2次元の空間と3次元の空間を包含する。2次元の空間は、例えば、2次元の地図空間である。仮想的な空間は、現実空間に対応するように形成されている。仮想的な空間は、例えば、現実空間に地理的に対応するように形成されている。
【0012】
「活動領域」は、仮想空間において特定のユーザに対し利用制限が課されない領域をいう。あるユーザの活動領域は、現実空間における当該ユーザ又は他のユーザの所在実績に応じて確保され得る。ある一定領域に利用制限が課されている場合において、当該一定領域内の当該利用制限が解除された部分は「解除部分」と呼ばれることがある。ある一定領域に利用制限が課されている場合において、当該一定領域内の当該利用制限が一時的に解除されている部分は「臨時領域」と呼ばれることがある。「可用領域」は、仮想空間において特定のユーザが利用可能な領域であって活動領域を包含する概念である。
【0013】
「活動領域」は、形状,基準位置及び始期サイズにより特定され得る。例えば、円形の活動領域の基準位置は中心であり、当該活動領域の始期サイズは半径である。活動領域は、収縮条件に基づき収縮し得る。収縮条件が始期及び終期を含む場合、活動領域のサイズは始期に始期サイズから収縮を開始し終期に終期サイズになる。終期サイズは0でない所定サイズでもよいし、0でもよい。所定サイズは、固定値であってもよいし変動値であってもよい。変動値は、ユーザごとに設定されてもよいし活動領域ごとに設定されてもよい。活動領域の現在サイズは、活動領域の情報と収縮条件とを用いて計算により導出可能である。
【0014】
「位置情報」は、特定位置を示す情報である。特定位置を示す情報は、位置データの取得履歴,位置データが関連付けられているコンテンツ,位置を特定可能な場所と関連付けられているログデータを少なくとも包含する。位置データの取得履歴は、ナビゲーション装置により継続的に取得される位置データの集合である。ナビゲーション装置は、ユーザが携帯する装置でもよいし、移動体(例えば、自動車,自転車)に設置される装置でもよい。位置データが関連付けられているコンテンツは、ジオタグが付加されている画像データ,位置データが付加されているアップロードデータを少なくとも包含する。画像データは、例えば、静止画像データや動画像データである。アップロードデータは、例えば、SNS(Social Networking Service)における投稿データやブログ(blog,weblog)における記事データである。位置を特定可能な場所は、現実空間に存在する店舗,設備,施設である。位置を特定可能な場所と関連付けられているログデータは、位置を特定可能な場所における商品の購入履歴や役務の利用履歴である。役務の利用履歴は、例えば、宿泊施設の利用履歴,遊戯施設の利用履歴,交通手段の利用履歴である。
【0015】
「所在実績」は、過去から現在までに特定位置に実際に所在したことがある事実をいう。所在実績は、位置データの取得履歴や位置データが関連付けられているコンテンツに基づいて確認され得る。また、所在実績は、位置を特定可能な場所と関連付けられているログデータに基づいて確認され得る。
【0016】
「制限領域」は、仮想空間において特定のユーザに対し利用制限が課される領域をいう。制限領域は、仮想空間の全域に設定されてもよいし、仮想空間の一部のみに設定されてもよい。利用制限は、例えば、ユーザにとって不利な取扱いである。ユーザにとって不利な取扱いは、例えば、当該ユーザに関連付けられている表示要素の進入が禁止される制約,所定効果が発動しない制約である。
【0017】
「表示要素」は、画像データである。画像データは、例えば、特定のキャラクタのアイコンである。キャラクタは、例えば、現実空間に実在する人や物を写し、描き、又は模したものでもよいし、現実空間に実在しない空想上の人や物を描いたものでもよい。キャラクタは、例えば、人物,動物,擬人化された機械,怪獣などである。仮想空間において特定のユーザに関連付けられているアイコンは、「アバタ」と呼ばれることがある。
【0018】
対応位置を含むように画定される「第1部分」は、対応位置の周辺エリアをいう。対応位置の周辺エリアは、対応位置を基準とする所定形状の領域であって当該対応位置を含む。対応位置の周辺エリアは、例えば、対応位置を中心とする円形領域である。円形領域の大きさは、任意に設定可能である。
【0019】
本実施形態は、下記の各形態を少なくとも包含する。
【0020】
〔A〕現実空間に対応する仮想空間において第1ユーザに対し利用制限が課される制限領域を設定する制限手段と、前記現実空間内の特定位置を示す位置情報を適用させる動作が前記第1ユーザによりなされた場合に該特定位置に対応する前記仮想空間内の対応位置を含むように画定される前記制限領域内の第1部分に課されている前記利用制限を解除する解除手段と、を備える空間情報処理装置。
【0021】
〔B〕現実空間に対応する仮想空間において第1ユーザに対し利用制限が課される制限領域を設定する制限機能と、前記現実空間内の特定位置を示す位置情報を適用させる動作が前記第1ユーザによりなされた場合に該特定位置に対応する前記仮想空間内の対応位置を含むように画定される前記制限領域内の第1部分に課されている前記利用制限を解除する解除機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。なお、当該制御プログラムは、記録媒体に非一時的に記録されていてもよい。
【0022】
〔C〕現実空間に対応する仮想空間において第1ユーザに対し利用制限が課される制限領域を設定する制限段階と、前記現実空間内の特定位置を示す位置情報を適用させる動作が前記第1ユーザによりなされた場合に該特定位置に対応する前記仮想空間内の対応位置を含むように画定される前記制限領域内の第1部分に課されている前記利用制限を解除する解除段階と、を含む、情報処理装置の制御方法。
【0023】
上記〔A〕の「空間情報処理装置」は、クライアントサーバ型の情報処理システムにおいて、通信ネットワークを介してクライアント側装置に所定サービスを提供するサーバ側装置として構成されるのが好適である。クライアント側装置は、ユーザに携帯され得る装置でもよいし、移動体に設置され得る装置でもよい。クライアント側装置は、表示装置として機能する。なお、実施形態に係る空間情報処理装置は、単独で動作する装置でもよい。この場合、空間情報処理装置のディスプレイが表示装置として機能する。
【0024】
上記〔A〕の「空間情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕の「制御プログラム」及び上記〔C〕の「制御方法」にそれぞれ加えてもよい。
【0025】
(1)前記第1ユーザによる所在実績がある第1の前記特定位置を示す前記位置情報を適用させる第1の前記動作の情報を受け付ける第1受付手段をさらに備える。これにより、ユーザの所在実績に基づく位置情報の適用により当該ユーザの活動領域が確保され得る。
【0026】
(2)第1の前記動作に応じて前記利用制限が解除されたいずれかの解除部分に含まれる前記対応位置を変位させる操作が前記第1ユーザによりなされた場合に該操作により該対応位置が変位した変位位置を含むように画定される前記制限領域内の第2部分に課されている前記利用制限を解除する追加解除手段をさらに備える。これにより、ユーザの所在実績に基づく位置情報の転用により当該ユーザの活動領域が確保され得る。
【0027】
「対応位置を変位させる操作」は、例えば、当該対応位置に関連するオブジェクトを移動(シフト)させる操作である。オブジェクトを移動させる操作は、対応位置を含む解除部分の少なくとも輪郭を視覚的に表すオブジェクトを、画面上で任意の方向に任意の大きさでスライドさせる操作である。入力装置としてマウスが利用される場合、スライドさせる操作は、例えば、オブジェクトをドラッグしこれを所望の位置でドロップするドラッグ・アンド・ドロップ操作である。入力装置としてタッチパネルが利用される場合、スライドさせる操作は、例えば、オブジェクトの表示領域を始点とし所望の位置を終点とするスワイプ操作である。オブジェクトを移動させる際に形状や大きさを変化させてもよい。
【0028】
「変位位置」は、対応位置を変位させる操作により当該対応位置が変位した場合における変位後の位置をいう。変位位置を含むように画定される「第2部分」は、変位位置の周辺エリアをいう。変位位置の周辺エリアは、変位位置を基準とする所定形状の領域であって当該変位位置を含む。変位位置の周辺エリアは、例えば、変位位置を含む矩形領域である。矩形領域の大きさ及び形状は、任意に設定可能である。
【0029】
(3)前記操作を受け付ける第2受付手段をさらに備え、前記追加解除手段が、前記操作により前記対応位置が変位した方向と大きさに基づいて前記変位位置を特定する。これにより、ユーザの操作により変位位置が指定され得る。
【0030】
(4)前記解除部分内の所定位置を標的とする所定アクションが前記第1ユーザによりなされた場合に該所定位置に設定されている所定効果を発動させる発動手段をさらに備え、前記追加解除手段が、前記第2部分に課されている前記利用制限が解除された追加解除部分に前記所定効果の発動制限を課す。これにより、位置情報の転用による活動領域の拡大に起因する所定効果の過度な発動が抑制され得る。
【0031】
「所定位置」は、仮想空間内に設定される位置である。所定位置は、例えば、仮想空間内に配置されるスポットの位置である。「所定効果」は、所定位置に設定される仕掛けである。仕掛けは、例えば、仮想空間内に配置されるスポットごとに設定される特典である。特典は、例えば、ユーザにとって有利な取扱いである。ユーザにとって有利な取扱いは、例えば、アイテムの付与,金銭的価値の付与、ゲーム内キャラクタの強化、クリア報酬の増加などである。
【0032】
「所定位置を標的とする所定アクション」は、例えば、仮想空間内を移動し得るアバタを当該所定位置に近付ける操作,現実空間を移動し得るユーザが当該所定位置に対応する現実位置に近づく行動,仮想空間内を移動し得るアバタが当該所定位置の近傍にいる状態において当該所定位置の近傍を示す位置データを適用して当該所定位置に関連付けられている所定効果の発動制限を解除する操作である。
【0033】
(5)前記追加解除手段が、第1の前記解除部分と、該解除部分との間に所定の接続関係がない第2の前記解除部分と、が接続されるように前記第2部分を画定する。これにより、位置情報の適用により形成された他の解除部分と接続関係がない解除部分への移動経路が確保され得る。
【0034】
2つの領域の「接続関係」は、直接の接続関係と間接的な接続関係を包含する。直接の接続関係は、両領域が少なくとも部分的に重畳している関係である。一方、間接的な接続関係は、両領域がそれぞれ直接の接続関係を有する他の領域を介して接続している関係である。他の領域との間に接続関係がない領域は、位置情報の適用により発生し得る。なお、他の領域との間に接続関係がない領域又は領域群は、以下の説明において「飛び地」と呼ばれることがある。接続関係がない2つの領域を接続させる経路になるように第2部分が画定される場合には、2つの当該領域とそれぞれ重畳部分が生じるように矩形領域の大きさ及び形状が決定される。
【0035】
(6)前記第1ユーザによる所在実績がない第2の前記特定位置を示す前記位置情報を適用させる第2の前記動作の情報を受け付ける第3受付手段をさらに備える。これにより、ユーザの所在実績に基づかない位置情報の適用により当該ユーザの活動領域が確保され得る。
【0036】
(7)前記第3受付手段が、前記第1ユーザと所定の人的関係にある第2ユーザによる所在実績がある第2の前記特定位置を示す前記位置情報を適用させる第2の前記動作の情報を受け付ける。これにより、活動領域の過度の拡大が防止され得る。
【0037】
所定の「人的関係」とは、双方向的なやりとりがなされ得る関係をいう。双方向的なやりとりがなされ得る関係は、一時的な関係でもよいし、少なくともいずれかの意向により解消されるまで継続する半永久的な関係でもよい。双方向的なやりとりがなされ得る関係は、例えば、双方の明示的な承諾により形成された友人関係,何かを協同して実行する協同関係である。協同関係を有する他のユーザは、仲間であってもよいし敵であってもよい。
【0038】
[1-2.用語]
「ゲーム」とは、少なくとも一部がオンラインのゲームサービスにおいて提供される電子ゲームをいう。広義ではゲームサービスそのものを指称し、狭義ではゲームサービスを構成する個別のステージを指称する。「プレイヤ」とは、ゲームサービスのユーザをいう。「プレイ」とは、プレイヤがゲームを進行させて遊ぶことをいう。
【0039】
「単独プレイ」とは、単数のプレイヤによるプレイをいう。「協同プレイ」とは、協同関係にある複数のプレイヤによる同期プレイをいう。協同プレイでは、ゲームの協同プレイを主催して仲間を募集するプレイヤ(ホスト)と当該募集に応募して当該ゲームの協同プレイに参加するプレイヤ(ゲスト)とにより協同関係が形成され、プレイの進行がプレイヤ間で同期される。
【実施例
【0040】
[2.実施例]
[2-1.概要]
(1)実施例のサービス
本実施例は、少なくとも一部がオンラインで提供されるゲームサービス(以下「実施例のサービス」という。)に関する。実施例のサービスでは、プレイヤに対し、デッキを構成する4体のキャラクタをプレイヤが所定アクションにより順次操作して、ゲーム内に用意されている複数のステージ(狭義のゲーム)に順次挑戦していく電子ゲーム(広義のゲーム)が提供される。以下では、上記ステージを「クエスト」と呼ぶ。
【0041】
(2)ソロプレイ,マルチプレイ
クエストのプレイには、1人のプレイヤが単独で挑戦するソロプレイ(単独プレイ)と、2人~4人のプレイヤが協同して挑戦するマルチプレイ(協同プレイ)と、の2通りのプレイ形態がある。マルチプレイでは、当該マルチプレイを主催して仲間を募集するホストと当該募集に応募して当該マルチプレイに参加するゲストとにより協同関係が形成され、プレイの進行がプレイヤ間で同期される。
【0042】
(3)仮想地図空間,スポット,スポット効果
図1は、実施例のサービスの概要の説明図である。実施例のサービスでは、現実空間に地理的に対応するように形成された仮想地図空間100(仮想空間)が用意される。仮想地図空間100には、多数のスポット(所定位置)が配置される(図1(a)のスポット111,スポット121)。各スポットには、スポット効果(所定効果)が設定される。また、各スポットには、近接の目安である近傍範囲が定義される(図1(a)の範囲112,範囲122)。
【0043】
プレイヤは、所定操作又は所定動作により自身のアバタ130(表示要素)を仮想地図空間100内で移動させることができる。所定操作は、プレイヤが自身のアバタ130を変位させる操作である。所定動作は、プレイヤ自身が現実空間内で変位する動作である。アバタ130は、現実空間におけるプレイヤの移動に連動して又はこれに連動せずに仮想地図空間100内で移動し得る。仮想地図空間100においてアバタ130が例えば範囲112に進入すると、スポット111に設定されているスポット効果が発動する(図1(b))。スポット効果の発動により、プレイヤに例えばスポット特典が付与される。
【0044】
[2-2.特徴]
(1)活動領域の制限
図2は、実施例のサービスの特徴の説明図である。実施例のサービスでは、仮想地図空間100におけるプレイヤの活動領域(可用領域)に制限がある。具体的には、初期状態で仮想地図空間100の全域に利用制限が課される(図2(a))。当該利用制限のため、初期状態でスポット111やスポット121に設定されているスポット効果は発動し得ない。
【0045】
仮想地図空間100の全域に課されている利用制限は、現実空間におけるプレイヤの所在実績に基づいて部分的にかつ一時的に解除される。具体的には、プレイヤの現在位置(特定位置)を示す位置データ(位置情報)に基づいて、当該現在位置に対応する仮想地図空間100内の位置141(対応位置)を含むように画定される領域142(第1部分)に課されている利用制限が一時的に解除され、領域142が一時的な活動領域(解除部分,臨時領域)になる(図2(b))。アバタ130が活動領域内を移動して範囲122に進入すると、スポット121に設定されているスポット効果が発動する。
【0046】
一時的な活動領域は、時間の経過に伴い収縮する。具体的には、領域142に関連付けて設定される条件(収縮条件)に基づき、領域142は徐々に収縮する(図2(c))。スポット121がいずれかの活動領域の内部にあるうちは、スポット121に設定されたスポット効果が発動し得る。スポット121がいずれの活動領域からも外れた状態では、スポット121に設定されたスポット効果は発動し得ない。
【0047】
(2)実績情報の適用
図3は、実施例のサービスの特徴の説明図である。実施例のサービスでは、現実空間におけるプレイヤ又は他のプレイヤの過去から現在までの所在実績に基づいて、仮想地図空間100の全域に課されている利用制限が部分的にかつ一時的に解除され得る。具体的には、現実空間内の特定の位置(特定位置)を示す実績情報(位置情報)を適用させる指示動作(適用させる動作)がプレイヤによりなされた場合に、当該位置に対応する仮想空間内の位置(対応位置)を含むように画定される領域(第1部分)に課されている利用制限が一時的に解除される。
【0048】
例えば、上記指示動作がなされた場合に、位置151(対応位置)を含む領域152(第1部分)及び位置161(対応位置)を含む領域162(第1部分)にそれぞれ課されている利用制限がそれぞれ一時的に解除され、活動領域となる(図3(a))。なお、実績情報は、例えば、位置データが関連付けられているコンテンツである。位置データが関連付けられているコンテンツは、ジオタグが付加されている写真(画像データ)や位置データが付加されているSNSの投稿データ(アップロードデータ)である。これらの実績情報は、プレイヤが例えば所定アイテム(専用アイテム,仮想通貨アイテム)を消費することを条件に、当該プレイヤの仮想地図空間100に適用可能になる。
【0049】
(3)実績情報の転用
実績情報が示す特定位置に由来する活動領域(解除部分)は、他の活動領域と接続関係にないことがある。例えば、位置151に由来する活動領域152は、領域142と接続関係にない飛び地であり、アバタ130が移動して進入することができない状態となっている。実施例のサービスでは、現実空間におけるプレイヤの過去から現在までの所在実績に基づいて、活動領域が変位され得る。具体的には、いずれかの活動領域の中心位置(対応位置)を任意の2つの活動領域の中心位置を結ぶ線分の中点(変位位置)の方向に変位
(シフト)させる操作がプレイヤによりなされた場合に、線分の中点を含むように画定される領域(第2部分)に課されている利用制限が部分的にかつ一時的に解除される。
【0050】
例えば、活動領域162を表すオブジェクトを図中の矢印が示す方向に変位させるシフト操作がなされた場合に(図3(b))、当該オブジェクトがシフトした方向と大きさに基づいて位置141と位置151の中点が特定され、位置161が当該中点の位置163に変位するとともに、位置163を含みかつ活動領域142と活動領域152を接続する矩形状の領域164が形成される(図3(c))。このとき、領域164に課されている利用制限が部分的にかつ一時的に解除されるとともに、スポット効果の発動制限が課される。
【0051】
[2-3.実施例のシステムの構成]
[2-3-1.ネットワーク構成]
図4は、実施例のシステムのネットワーク構成を例示する。実施例のシステムは、実施例のサービスをユーザに提供する。
【0052】
図4に例示されるように、実施例のシステムは、実施例のサービスのユーザ(プレイヤ)を管理するユーザ管理サーバ10と、実施例のサービスに関連するデータを管理するデータ管理サーバ20と、複数のユーザがそれぞれ使用する複数のユーザ端末30(30-1,30-2,…30-n)(n:自然数)と、を含む。
【0053】
ユーザ管理サーバ10とユーザ端末30は、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。データ管理サーバ20は、内蔵する又は外部の接続可能なストレージ21にアクセス可能である。ユーザ管理サーバ10は、データ管理サーバ20を介してストレージ21に記憶されるデータにアクセス可能である。
【0054】
通信ネットワーク40は、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)などの既存のネットワークのうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0055】
(1)ユーザ管理サーバ
ユーザ管理サーバ10は、Webサーバプログラム及びアプリケーションプログラム(制御プログラム)がインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21から必要なデータを取得させ、要求元に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21へ必要なデータを登録させる。また、ユーザ管理サーバ10は、実施例のサービスを提供するため、種々の処理を実行する。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ10の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ10にかかる負荷を分散させてもよい。
【0056】
(2)データ管理サーバ
データ管理サーバ20は、DB(Data Base)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。データ管理サーバ20は、ストレージ21とともにDBMS(Data Base Management System)を構成する。データ管理サーバ20は、要求
(リクエスト)に応じて、ストレージ21から必要なデータを取得し、要求元に提供(レスポンス)する。また、データ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じて、ストレージ21へ必要なデータを登録する。ストレージ21は、実施例のサービスに関連するデータを記憶する記憶装置である。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ20の機能を分担させ又はデータ管理サーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。
【0057】
(3)ユーザ端末
ユーザ端末30は、所定のゲームプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。本実施例では、ユーザ装置として、プログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),ウェアラブルデバイス(wearable device)など)や汎用の処理装置(例えば、PC(personal computer)など)を用いることができる。
【0058】
[2-3-2.電気的構成]
(1)サーバ装置の電気的構成
図5は、サーバ装置の電気的構成を例示する。図5に例示されるサーバ装置は、CPU
(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置510と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置520と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置530と、マウスやキーボードを含む入力装置540と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置550と、ネットワークカード(Network InterfaceCard)を含む通信制御装置560と、を有する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の装置を用いてもよい。
【0059】
主記憶装置520、補助記憶装置530、入力装置540、出力装置550及び通信制御装置560は、バスラインを介して制御処理装置510とそれぞれ接続される。制御処理装置510は、(1)補助記憶装置530に記憶されたプログラムを主記憶装置520上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置540と補助記憶530と通信制御装置560との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置530と出力装置550と通信制御装置560との少なくともいずれかに提供する。
【0060】
(2)ユーザ装置の電気的構成
図6は、ユーザ装置の電気的構成を例示する。図6に例示されるユーザ装置は、制御処理部を構成するDSP611と、主記憶部を構成するRAM621と、補助記憶部を構成するROM622及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)623と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ631と、音声出力部を構成するスピーカ632と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)641及び無線LAN(Local Area Network)チップ642と、測位部を構成するGPS(Global Positioning System)ユニット651と、を少なくとも有する。なお、DSPの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)等の装置を用いてもよい。
【0061】
RAM621、ROM622、EEPROM623、タッチパネルディスプレイ631、スピーカ632、NIC641、無線LANチップ642及びGPSユニット651は、バスラインを介してDSP611とそれぞれ接続される。DSP611は、(1)ROM622又はEEPROM623に記憶されたプログラムをRAM621上に読み込み、
(2)プログラムの指示に従ってタッチパネルディスプレイ631とEEPROM623とNIC641と無線LANチップ642とGPSユニット651との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM623とタッチパネルディスプレイ631とスピーカ632とNIC641と無線LANチップ642との少なくともいずれかに提供する。
【0062】
[2-3-3.機能構成]
(1)概要
ユーザ管理サーバ10及びデータ管理サーバ20の機能は、サーバ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するプログラム(制御プログラム)とがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。サーバ装置にインストールされるべきプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に読み込まれてもよいし、通信ネットワーク40又はその他の通信ネットワークを介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給されてもよい。
【0063】
ユーザ端末30の機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するゲームプログラムがユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。なお、ゲームプログラムに代えて、上記ユーザ装置向けOS上で動作するWebブラウザプログラムと当該Webブラウザプログラム上で動作するゲームプログラム(プラグイン)がユーザ装置にそれぞれインストールされることによってもユーザ端末30の機能が実現され得る。
【0064】
ユーザ装置向けOSは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているのが一般的である。ユーザ装置にインストールされるべきその他のプログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。なお、ユーザ装置にインストールされるべき上記その他のプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に読み込まれてもよい。
【0065】
(2)ユーザ管理サーバの機能構成
図7は、ユーザ管理サーバの機能構成を例示する。図7に例示されるように、ユーザ管理サーバ10は、受付提供部710,設定部720,発動部730,演出部740,警告部750及び同期部760を具備する。受付提供部710,設定部720,発動部730,演出部740,警告部750及び同期部760はそれぞれ、ユーザ管理サーバ10として動作するサーバ装置の制御処理装置510及び通信制御装置660を含んで構成される。
【0066】
受付提供部710は、プレイヤ(第1プレイヤ)による所在実績がある第1位置(特定位置)を示す実績情報(位置情報)を適用させる第1動作の情報を受け付ける。また、受付提供部710は、活動領域(解除部分)を視覚的に表すオブジェクトを画面上でシフトさせる操作を受け付ける。
【0067】
また、受付提供部710は、プレイヤによる所在実績がない第2位置(特定位置)を示す実績情報(位置情報)を適用させる第2動作の情報を受け付ける。特に受付提供部710は、プレイヤ(第1プレイヤ)と協同関係(所定の人的関係)にある他のプレイヤ(第2プレイヤ)による所在実績がある第2位置を示す実績情報を適用させる第2動作の情報を受け付ける。
【0068】
また、受付提供部710は、演出部740が出力する演出指示データをユーザ端末30に提供する。また、受付提供部710は、警告部750が出力する警告指示データをユーザ端末30に提供する。
【0069】
設定部720は、仮想地図空間100においてプレイヤに対し利用制限が課される制限領域を設定する。また、設定部720は、実績情報(位置情報)を適用させる動作の情報が受付提供部710により受け付けられた場合に、当該実績情報が示す位置(特定位置)に対応する仮想空間内の位置(対応位置)を含むように画定される制限領域内の部分(第1部分)に課されている利用制限を解除する。
【0070】
設定部720は、第1動作に応じて利用制限が解除されたいずれかの活動領域(解除部分)に含まれる位置(対応位置)を他の位置(変位位置)に変位させる操作の情報が受付提供部710により受け付けられた場合に、当該変位位置を含むように画定される制限領域内の部分(第2部分)に課されている利用制限を解除する。特に、設定部720は、上記操作により活動領域を表すオブジェクトがシフトした方向と大きさに基づいて変位位置を特定する。また、設定部720は、利用制限が解除された追加解除部分に所定効果の発動制限を課す。また、設定部720は、第1の解除部分と、当該解除部分との間に所定の接続関係がない第2の解除部分と、が接続されるように第2部分を画定する。
【0071】
設定部720は、現実空間におけるプレイヤ(第1プレイヤ)と他のプレイヤ(第2プレイヤ)の少なくともいずれかの所在実績に基づき、仮想地図空間100においてプレイヤ(第1プレイヤ)が利用し得る活動領域(臨時領域)を設定する。また、設定部720は、活動領域を始期サイズから徐々に収縮させるため当該活動領域に係る収縮条件を当該活動領域に関連付けて設定する。また、設定部720は、プレイヤによる対価(抑止対価)の負担を条件に、活動領域の収縮の進行が抑止されるように当該活動領域に係る収縮条件を更新する。
【0072】
発動部730は、プレイヤのアバタ(プレイヤに関連付けられ表示要素)が活動領域(解除部分,臨時領域)内のスポット(所定位置)に近接した場合に当該スポットに設定されているスポット効果(所定効果)を発動させる。
【0073】
演出部740は、活動領域(臨時領域)が収縮する様子を視覚的に演出させる演出指示データを、受付提供部710を介してユーザ端末30(表示装置)に提供する。特に、演出部740は、活動領域の中心(基準位置)が表示範囲に含まれている状態において当該活動領域の概形を視覚的に表すオブジェクトを始期サイズ(現在のサイズより大きいサイズ)から現在のサイズ(現在のサイズに近似するサイズ)に所定時間(短時間)で収縮させる演出指示データをユーザ端末30に提供する。
【0074】
警告部750は、現在から所定時間のうちにスポット(所定位置)が活動領域(臨時領域)から外れることが見込まれる場合に、プレイヤに向けて所定の警告を出力させる警告指示データを、受付提供部710を介してユーザ端末30(表示装置)に提供する。特に、警告部750は、スポット効果が未発動であるスポットが活動領域から外れることが見込まれる場合に限り当該スポット効果が未発動であることの注意喚起を含む警告を出力させる警告指示データを提供する。
【0075】
同期部760は、所定の更新タイミングで、ユーザ端末30にキャッシュ更新データを送信して、ユーザ端末30に保持されるキャッシュデータを更新させる。所定の更新タイミングは、例えば、ユーザ端末30においてゲームプログラムが起動されユーザ管理サーバ10にアクセスがなされた直後である。また、同期部760は、所定のタイミングで、ユーザ端末30から各種データを受信し、データ管理サーバ20で管理されているデータを必要に応じて更新する。
【0076】
[2-3-4.データベース構成]
図8は、実施例のシステムにおけるデータベース構成を例示する。これらのデータは、ストレージ21に記憶され、データ管理サーバ20を介してアクセス可能である。これらのデータの少なくとも一部を含むキャッシュ更新データがユーザ管理サーバ10(同期部760)からユーザ端末30に提供され、ユーザ端末30においてキャッシュデータとして保持される。
【0077】
(1)プレイヤ管理情報
プレイヤ管理情報は、プレイヤごとに当該プレイヤに関連する各種パラメータを管理する管理情報である。プレイヤ管理情報は、各プレイヤによる初期設定時に追加され、クエストのプレイ開始前又はプレイ終了後に更新される。図8(a)に例示されるように、プレイヤ管理情報は、プレイヤに一意の「プレイヤID(識別情報)」に、「通貨アイテム保有数」を少なくとも対応付ける。
【0078】
(2)制限管理情報
制限管理情報は、プレイヤごとに仮想地図空間の初期化の有無を管理する管理情報である。制限管理情報は、各プレイヤによる初期設定時に追加される。図8(b)に例示されるように、制限管理情報は、「プレイヤID」に、有意のとき初期制限が完了していることを示す「初期制限済フラグ」を少なくとも対応付ける。初期制限は、仮想地図空間の全域に利用制限を課すことである。
【0079】
(3)解除管理情報
解除管理情報は、活動領域ごとの状態を管理する管理情報である。解除管理情報は、各プレイヤによる実績情報を適用させる手順を経て追加され、随時更新される。図8(c)に例示されるように、解除管理情報は、「プレイヤID」及び「基準位置」に、利用制限が解除された時期を示す「解除時期」,活動領域の種類を区分する「領域区分」,活動領域の現況を示す「ステータス」を少なくとも対応付ける。「領域区分」は、例えば、実績情報の適用により形成された円形の領域,実績情報の転用により形成された矩形の領域を含む複数の区分のいずれかを表す。「ステータス」は、例えば、収縮中,収縮停止中,消滅を含む複数の状態のうちいずれかを表す。
【0080】
(4)収縮条件情報
収縮条件情報は、活動領域ごとの収縮条件を表す情報である。収縮条件情報は、各プレイヤによる実績情報を適用させる手順を経て追加され、随時更新される。図8(d)に例示されるように、収縮条件情報は、「プレイヤID」及び「基準位置」に、「始期サイズ」,「終期サイズ」,「始期」,「終期」を少なくとも対応付ける。実施例のサービスにおいて、「始期サイズ」は円の半径である。始期サイズは固定の距離(例えば、100m)でもよいし、変動する距離でもよい。変動する距離は、例えば、実績情報の種別に応じて変動してもよい。実施例のサービスにおいて、「終期サイズ」は0以上の実数でよい。終期サイズが0である場合、活動領域は終期の到来により消滅する。一方、終期サイズが0より大きい場合、活動領域は終期の到来により収縮を停止し残存する。
【0081】
(5)スポット設定情報
スポット設定情報は、仮想地図空間に配置されるスポットに関連する情報を設定する設定情報である。スポット設定情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。図8(e)に例示されるように、スポット設定情報は、「スポットID」に、「位置」,「スポット効果(効果種別ID)」を少なくとも対応付ける。
【0082】
(6)スポット効果設定情報
スポット効果設定情報は、スポット効果に関連する情報を設定する設定情報である。スポット効果設定情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。図8(f)に例示されるように、スポット効果設定情報は、「効果種別ID」に、「始期」,「終期」,「発動条件」,「内容」を少なくとも対応付ける。
【0083】
(7)グループ管理情報
グループ管理情報は、協同関係にある複数のプレイヤを管理する管理情報である。グループ管理情報は、ホストによるマルチプレイの募集が開始する度に追加される。図8(g)に例示されるように、グループ管理情報は、グループに一位の「グループID(識別情報)」に、グループの現況を示す「ステータス」,「ホスト」(プレイヤID),「ゲスト」(プレイヤID)を少なくとも対応付ける。「ステータス」は、例えば、募集中,有効,消滅を含む複数の状態のうちいずれかを表す。
【0084】
[2-4.情報処理手順]
[2-4-1.仮想地図空間の初期化処理]
設定部720は、仮想地図空間100においてプレイヤに対し利用制限が課される制限領域を設定する。具体的には、設定部720は、制限管理情報(図8(b))の「初期制限済フラグ」を更新(有意化)する。これにより、仮想地図空間100の全域が、利用制限が課された制限領域になる。
【0085】
[2-4-2.実績情報の適用処理]
(1)手順
図9は、実施例のシステムによる実績情報の適用手順を例示する。S905では、ユーザ端末30が、プレイヤによる実績情報を適用させる動作を検知する。S910では、ユーザ端末30がユーザ管理サーバ10に、S905で検知した動作の動作情報を送信する。動作情報は、実績情報又はこれを特定するためのデータを含む。実績情報を特定するためのデータは、例えばURL(Uniform Resource Locator)である。ユーザ管理サーバ10(受付提供部710)は動作情報を受け付け、実績情報が示す位置(特定位置)を特定する。
【0086】
S915では、ユーザ管理サーバ10(設定部720)が、当該実績情報が示す位置(特定位置)に対応する仮想空間内の位置(対応位置)を含むように画定される制限領域内の部分(第1部分)に課されている利用制限を解除する。具体的には、ユーザ管理サーバ10(設定部720)は、解除管理情報(図8(c))を生成し、「基準位置」に対応位置を入力し、「解除時期」に現在日時を入力する。「ステータス」は初期値(収縮中を示す値)のままである。S920では、ユーザ管理サーバ10がユーザ端末30に、表示内容を更新させる。以上の手順により、現実空間におけるプレイヤ又は他のプレイヤの所在実績に基づいて活動領域が確保される。
【0087】
(2)補足
プレイヤ(第1プレイヤ)と協同関係(所定の人的関係)にある他のプレイヤ(第2プレイヤ)所在実績に基づいて活動領域が確保されるようにしてもよい。S905では、第2プレイヤが募集するマルチプレイに応募する動作が検知される。S910では、動作情報とともに、募集中のグループのグループ管理情報(図8(g))のグループIDが送信される。ユーザ管理サーバ10(受付提供部710)は動作情報を受け付け、グループ管理情報を特定する。S915では、グループ管理情報の「ステータス」が有効を示す値に更新されたことを条件に、第2プレイヤの活動領域を第1プレイヤに反映させる。このとき、同様に、第1プレイヤの活動領域が第2プレイヤに反映される。
【0088】
[2-4-3.収縮条件の設定処理]
(1)手順
設定部720は、活動領域を始期サイズから徐々に収縮させるため当該活動領域に係る収縮条件を当該活動領域に関連付けて設定する。具体的には、設定部720は、新たに確保された活動領域について、収縮条件情報(図8(d))を追加する。このとき、「基準位置」は実績情報が示す位置(特定位置)に対応する仮想地図空間の位置(対応位置)である。「始期サイズ」は固定値又は実績情報の種別に応じた値である。「終期サイズ」は0以上の実数である。「始期」は現在日時である。「終期」は「始期」から所定時間が経過した時期である。
【0089】
(2)補足
実施例のサービスにおいて活動領域は、それぞれ収縮条件に基づいて徐々に収縮する。ただし、活動領域を収縮条件に基づいて徐々に収縮させる処理は、実施例のシステムにおいて存在しない。したがって、活動領域の収縮に関しユーザ管理サーバ10とユーザ端末30の間でデータを同期する必要がない。なお、活動領域は「始期」から「終期」までの期間に「始期サイズ」から「終期サイズ」まで徐々に収縮するので、活動領域の現在のサイズは計算により導出可能である。すなわち、収縮期間の進行度合いに相当する数を始期サイズに乗じれば、活動領域の現在のサイズが導出される。
【0090】
(3)変形例
活動領域を収縮条件に基づいて徐々に収縮させる処理をユーザ管理サーバ10が実行する構成にしてもよい。
【0091】
[2-4-4.収縮演出処理]
(1)手順
図10は、実施例のシステムによる収縮演出の手順を例示する。S1005では、ユーザ端末30が、プレイヤによる表示範囲の変更指示を受け付ける。変更指示は、仮想地図空間の表示範囲外の部分を表示範囲内に表示させる指示である。変更指示は、例えば、仮想地図空間の画像をスクロールさせるスワイプ操作,仮想地図空間の表示範囲を切り換えるためのボタンの選択操作によりなされる。S1010では、ユーザ端末30がユーザ管理サーバ10に、表示範囲の変更を指示する。
【0092】
S1015では、ユーザ管理サーバ10がデータ管理サーバ20に、変更後の表示範囲内に基準位置が包含される活動領域を照会(検索)する。S1020では、ユーザ管理サーバ10(演出部740,受付提供部710)がユーザ端末30に、活動領域(臨時領域)が収縮する様子を視覚的に演出させる演出指示データを提供する。S1025では、ユーザ端末30が、演出指示データを用いて、活動領域が収縮する様子を視覚的に演出する。以上の手順により、活動領域の収縮がユーザに印象付けられる。
【0093】
(2)演出の内容
ユーザ端末30は、活動領域の中心(基準位置)が表示範囲に含まれている状態において、当該活動領域の概形を視覚的に表すオブジェクトを始期サイズ(現在のサイズより大きいサイズ)から現在のサイズ(現在のサイズに近似するサイズ)に所定時間(短時間)で収縮させる。例えば、活動領域142の中心141が表示範囲に含まれている状態において(図2(b))、活動領域142の概形を視覚的に表すオブジェクトを始期サイズから現在のサイズに所定時間(例えば、1秒間)で収縮させる(図2(c))。これにより、活動領域の収縮がユーザに強く印象付けられる。
【0094】
[2-4-5.警告処理]
警告部750は、現在から所定時間のうちにスポット(所定位置)が活動領域(臨時領域)から外れることが見込まれる場合に、プレイヤに向けて所定の警告を出力させる警告指示データを、受付提供部710を介してユーザ端末30(表示装置)に提供する。これにより、活動領域の収縮による不利益がユーザに印象付けられる。なお、活動領域は「始期」から「終期」までの期間に「始期サイズ」から「終期サイズ」まで徐々に収縮するので、あるスポットが当該活動領域から外れるタイミングは計算により導出可能である。
【0095】
特に、警告部750は、スポット効果が未発動であるスポットが活動領域から外れることが見込まれる場合に限り当該スポット効果が未発動であることの注意喚起を含む警告を出力させる警告指示データを提供する。これにより、活動領域の収縮による具体的な不利益がユーザに強く印象付けられる。なお、特定のプレイヤに関連付けて特定のスポットのスポット効果が発動したか否かを記録しておけば、スポット効果が未発動であるか否かが判定可能である。
【0096】
[2-4-6.収縮条件の更新処理]
設定部720は、プレイヤによる対価(抑止対価)の負担を条件に、活動領域の収縮の進行が抑止されるように当該活動領域に係る収縮条件を更新する。プレイヤによる対価の負担は、当該プレイヤに関連付けられたプレイヤ管理情報(図8(a))の「通貨アイテム保有数」が減少するように更新することにより実現する。
【0097】
収縮の進行の抑止は、減速と中断の2種類がある。収縮の進行を減速させるには、収縮条件情報(図8(d))の「終期」を後ろにずらして遅らせればよい。収縮の進行を中断するには、収縮条件情報(図8(d))の「始期サイズ」を現在のサイズに更新し、「始期」を収縮を再開させる日時に更新し、「終期」を更新前の「終期」までの残存時間が更新後の「始期」から経過した時期に更新すればよい。これにより、活動領域の収縮の進行を抑止するための早期行動が促進され得る。
【0098】
[2-4-7.実績情報の転用処理]
(1)手順
図11は、実施例のシステムによる実績情報の転用手順を例示する。S1105では、ユーザ端末30が、いずれかの活動領域の中心位置(対応位置)をシフト(変位)させる操作を検知する。S1110では、ユーザ端末30がユーザ管理サーバ10に、S1105で検知した操作の操作情報を送信する。操作情報は、上記操作によるオブジェクトの変位ベクトル(変位の方向と大きさ)を含む。ユーザ管理サーバ10(受付提供部710)は操作情報を受け付け、上記操作による変位後の位置(変位位置)を特定する。
【0099】
S1115では、ユーザ管理サーバ10(設定部720)が、当該変位後の位置(変位位置)を含むように画定される制限領域内の部分(第2部分)に課されている利用制限を解除する。具体的には、ユーザ管理サーバ10(設定部720)は、解除管理情報(図8
(c))を生成し、「基準位置」に対応位置を入力し、「解除時期」に現在日時を入力し、「領域区分」を実績情報の転用により形成された矩形の領域を表す値とする。また、「ステータス」に附従(接続する2つの活動領域の少なくともいずれかの消滅に伴い消滅すること)を表す値を入力する。このとき、変位前の活動領域に関連付けられた解除管理情報(図8(c))の「ステータス」を消滅を表す値に更新する。S1120では、ユーザ管理サーバ10がユーザ端末30に、表示内容を更新させる。以上の手順により、実績情報の転用によりプレイヤの活動領域が確保され得る。
【0100】
(2)操作の態様
シフトさせる操作は、活動領域の輪郭を視覚的に表すオブジェクトを、画面上で任意の方向に任意の大きさでスライドさせる操作である。実施例のサービスでは、オブジェクトの表示領域を始点とし所望の位置を終点とするスワイプ操作である。例えば、活動領域162を視覚的に表すオブジェクトの表示領域を始点とするスワイプ操作がなされると(図3(b))、当該スワイプ操作の始点と終点から変位ベクトルが特定される。
【0101】
[3.変形例]
上記実施例では、設定部720が、プレイヤによる対価(抑止対価)の負担を条件に、活動領域の収縮の進行が抑止されるように当該活動領域に係る収縮条件を更新する。収縮の進行の抑止は、例えば、収縮の減速,収縮の中断である。
【0102】
これに対し、設定部720は、プレイヤによる対価(復元対価)の負担を条件に、活動領域(臨時領域)を復元し、復元後の活動領域を当初の始期サイズから徐々に収縮させるため当該活動領域に係る収縮条件を当該活動領域に関連付けて新たに設定してもよい。これにより、活動領域を復元するための早期の行動が促進され得る。特に、設定部720は、復元前の活動領域に係る収縮の進行が進んでいるほど大きい対価(復元対価)の負担を条件に、活動領域を復元してもよい。これにより、活動領域を復元するためのより早期の行動が促進され得る。プレイヤによる対価の負担は、当該プレイヤに関連付けられたプレイヤ管理情報(図8(a))の「通貨アイテム保有数」が減少するように更新することにより実現する。
【0103】
また、設定部720は、プレイヤによる対価(拡大対価)の負担を条件に、活動領域(臨時領域)が拡大するように当該活動領域に係る収縮条件を更新してもよい。これにより、活動領域を拡大させるための早期の行動が促進され得る。特に、設定部720は、プレイヤに負担させる対価(拡大対価)の大きさに応じて拡大後の始期サイズを決定してもよい。これにより、例えば対価の負担が大きいほど大きく拡大させることができる。プレイヤによる対価の負担は、当該プレイヤに関連付けられたプレイヤ管理情報(図8(a))の「通貨アイテム保有数」が減少するように更新することにより実現する。
【0104】
活動領域を拡大させるには、収縮条件情報(図8(d))の「始期サイズ」を拡大後の始期サイズに更新し、「始期」を現在に更新し、「終期」を更新前の「始期」から「終期」までの時間(収縮時間)を更新後の「始期」に加算した値に更新すればよい。
【符号の説明】
【0105】
10 ユーザ管理サーバ(空間情報処理装置の一例)
20 データ管理サーバ
21 ストレージ
30 ユーザ端末(表示装置の一例)
40 通信ネットワーク
710 受付提供部(第1受付手段,第2受付手段,第3受付手段)
720 設定部(制限手段,解除手段,追加解除手段,第1設定手段,第2設定手段)
730 発動部(発動手段)
740 演出部
750 警告部
760 同期部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11