(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】照明ユニットおよび照明用レンズ
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241002BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20241002BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21L4/00 621
F21V5/04 200
F21V5/04 550
(21)【出願番号】P 2021104901
(22)【出願日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2021036766
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390007249
【氏名又は名称】ジュラロン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】和田 悟
(72)【発明者】
【氏名】荒井 昭浩
(72)【発明者】
【氏名】下薗 裕明
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108132573(CN,A)
【文献】特開2007-214564(JP,A)
【文献】特開2004-184612(JP,A)
【文献】特開2019-113530(JP,A)
【文献】特開2014-209078(JP,A)
【文献】特表2018-511785(JP,A)
【文献】特開2019-159067(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03054313(EP,A1)
【文献】特表2008-547176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21L 2/00-27/00
F21V 1/00- 8/00
F21V 9/00-15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源からなる光源部と、
入射面又は出射面に、前記光源
部からの
前記複数の光源の光
が入射して光源の数と同じ数の略平行光にする微小レンズ
を、複数配列し
てなるマイクロレンズアレイ構造を有し、該マイクロレンズアレイ構造を通じて、光源部からの光束を不連続なスポット状の複数の光束として出射する照明用レンズと、
よりなる照明ユニット。
【請求項2】
前記照明用レンズの前記マイクロレンズアレイ構造を有する面と反対側である出射面又は入射面に、前記マイクロレンズアレイ構造で分岐される複数の前記略平行光の広がり角を調整する平面、球面又は非球面のレンズ構造を有する、請求項1記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記照明用レンズの入射面又は出射面に、前記マイクロレンズアレイ構造を有する第1の領域と、光源からの光を発散させる微小レンズを複数配列した第2のマイクロレンズアレイ構造を有する第2の領域を設けてなる、請求項1又は2記載の照明ユニット。
【請求項4】
入射面又は出射面に、
光源部の複数の光源の光が入射して光源の数と同じ数の略平行光にする微小レンズを
、複数配列し
てなるマイクロレンズアレイ構造を有し、該マイクロレンズアレイ構造を通じて、入射した
光源部からの光束を不連続なスポット状の複数の光束として出射する照明用レンズ。
【請求項5】
前記マイクロレンズアレイ構造を有する面と反対側である出射面又は入射面に、前記マイクロレンズアレイ構造で分岐される複数の前記略平行光の広がり角を調整する平面、球面又は非球面のレンズ構造を有する、請求項4記載の照明用レンズ。
【請求項6】
前記入射面又は出射面に、前記マイクロレンズアレイ構造を有する第1の領域と、入射した光を発散させる微小レンズを複数配列した第2のマイクロレンズアレイ構造を有する第2の領域を設けてなる、請求項4又は5記載の照明用レンズ。
【請求項7】
樹脂射出成形によって一体的に形成された、請求項4~6の何れか1項に記載の照明用レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TOFカメラ等のスポット照明光学系に好適に用いられる照明ユニットおよび照明用レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
投光側から出た光が対象物にあたり、対象物からの反射光を受光側で取り込むまでの時間を計ることで、対象物までの距離を得る技術をTOF(Time of Flight)という。この技術により、三次元空間の把握ができるようになる。
【0003】
従来のTOFの照明光学系の第1の方式(均一照明)は、光源からの光を広げることで、対象物を均一に照明する方式である。このように均一に対象物を照明することで、撮像素子数と同じ数の点を3次元計測することが可能となる。具体的な構成は、光源と、光源からの光を発散させる複数の微小レンズ系であるマイクロレンズアレイ(MLA)と、MLAで発散した光を纏めて所望の広がり角に調整する非球面レンズ面からなる。このような光学素子は、樹脂材料を射出成形等の技術により成形することで安価に製作することができる。
【0004】
TOFの照明光学系の第2の方式(スポット照明)は、光を複数に分けて、輝度の高いスポット光として対象物に投影する方式である(例えば、特許文献1参照。)。この方式では、3次元計測できる点数は照射したスポット光の数に限定されるものの、輝度の高い点を検出できるため、第1の方式(均一照明)に比べて遠方まで測定が可能となる。具体的な構成は、複数の光源と、それぞれの光源からの光を略平行光に変換するレンズと、回折により光束を分岐する回折型光学素子(DOE)とから構成されている。DOEは、高次の回折光による光損失を防ぐため、フォトリソグラフィー等で作成した複雑な3次元構造を有し、その構造が表面に転写されたフィルムをガラス等の透明基板上に貼り合わせて作成されている。
【0005】
ところで、近距離の高精度3次元計測と遠距離の計測の双方を必要とする場合は、上記した前記第1の方式と第2の方式の双方を搭載する必要があり、構成が複雑になるとともにコストアップになる。また、とくに第2の方式(スポット照明)に使われているDOEは、スポット光の生成に関わらない高次回折光による光ロスや、複雑な3次元構造であるためにその3次元構造をフィルムに転写する際の形状誤差による光ロスが存在するといった課題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、簡易な構造で、近距離の高精度3次元計測と遠距離の計測の双方に対応することも可能で、光ロスも少ない照明ユニットを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、かかる現況に鑑み、鋭意検討した結果、屈折光学系によるスポット照明光学系とすることで、回折によって生じていた光ロスを低減できるとともに、近距離の高精度3次元計測と遠距離の計測の双方に対応することも可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 単又は複数の光源からなる光源部と、入射面又は出射面に、前記光源からの光を略平行光にする微小レンズを複数配列したマイクロレンズアレイ構造を有し、該マイクロレンズアレイ構造を通じて、光源部からの光束を不連続なスポット状の複数の光束として出射する照明用レンズと、よりなる照明ユニット。
【0010】
(2) 前記照明用レンズの前記マイクロレンズアレイ構造を有する面と反対側である出射面又は入射面に、前記マイクロレンズアレイ構造で分岐される複数の前記略平行光の広がり角を調整する平面、球面又は非球面のレンズ構造を有する、(1)記載の照明ユニット。
【0011】
(3) 前記照明用レンズの入射面又は出射面に、前記マイクロレンズアレイ構造を有する第1の領域と、光源からの光を発散させる微小レンズを複数配列した第2のマイクロレンズアレイ構造を有する第2の領域を設けてなる、(1)又は(2)記載の照明ユニット。
【0012】
(4) 入射面に、入射した光を略平行光にする微小レンズを複数配列したマイクロレンズアレイ構造を有し、該マイクロレンズアレイ構造を通じて、入射した光束を不連続なスポット状の複数の光束として出射する照明用レンズ。
【0013】
(5) 前記マイクロレンズアレイ構造を有する面と反対側である出射面又は入射面に、前記マイクロレンズアレイ構造で分岐される複数の前記略平行光の広がり角を調整する平面、球面又は非球面のレンズ構造を有する、(4)記載の照明用レンズ。
【0014】
(6) 前記入射面又は出射面に、前記マイクロレンズアレイ構造を有する第1の領域と、入射した光を発散させる微小レンズを複数配列した第2のマイクロレンズアレイ構造を有する第2の領域を設けてなる、(4)又は(5)記載の照明用レンズ。
【0015】
(7) 樹脂射出成形によって一体的に形成された、(4)~(6)の何れかに記載の照明用レンズ。
【発明の効果】
【0016】
以上にしてなる本発明によれば、入射面又は出射面に光源からの光を略平行光にする微小レンズを複数配列したマイクロレンズアレイ構造を有し、該マイクロレンズアレイ構造を通じて光源部からの光束を不連続なスポット状の複数の光束として出射する照明用レンズを設けることで、簡易な構造で、光ロスもなく、低コスト且つ高効率なスポット光を提供することができ、該スポット光の間隔なども、光源とマイクロレンズアレイ構造との距離や微小レンズの表面形状やピッチ等を変えることで容易かつ幅広く設定でき、適用範囲が広く、たとえば近距離の高精度3次元計測と遠距離の計測の双方に対応することも可能となる。
【0017】
ここで、照明用レンズの前記マイクロレンズアレイ構造を有する面と反対側である出射面又は入射面に、前記マイクロレンズアレイ構造で分岐される複数の前記略平行光の広がり角を調整する平面、球面又は非球面のレンズ構造を設けることで、スポット光の間隔等を調整でき、広い配光角のスポット投影も可能となる。
【0018】
また、たとえば照明用レンズの入射面又は出射面に、前記マイクロレンズアレイ構造を有する第1の領域と、光源からの光を発散させる微小レンズを複数配列した第2のマイクロレンズアレイ構造を有する第2の領域を設けることで、前記第1の領域によりスポット光を提供し、第2の領域により連続的な光束を提供することができる。
【0019】
また、前記照明用レンズは、樹脂射出成形によって一体的に形成することができ、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明にかかる照明ユニットの一実施形態を示す説明図。
【
図2】(a),(b)は同じく照明ユニットに用いる照明用レンズの構造を示す説明図。
【
図3】同じく照明用レンズの入射面(マイクロレンズアレイ構造のアレイ面)のXY座標上の各微小レンズの座標を示す説明図。
【
図4】同じく照明ユニットの光源、レンズ入射面、レンズ出射面を通る各座標を示す説明図。
【
図5】実施例1の照明用レンズモデルを用いた投影像とレンズ面の形状パラメータを示す図。
【
図6】本発明の照明用レンズの他の実施形態として、出射面を非球面のレンズ構造とした照明用レンズを示す説明図。
【
図7】実施例1の照明用レンズから出射面の形状を変えること(実施例2:球面、実施例3:非球面)で、スポット光の広がり角を調整できることを示す各投影像およびレンズ面形状パラメータを示す図。
【
図8】本発明の照明用レンズの他の実施形態として、入射面に2種類のマイクロレンズアレイ構造(第1の領域/第2の領域)を設けた照明用レンズを示す説明図。
【
図9】同じく照明用レンズの第1の領域を通過した光の投影像、および第1の領域と対応する出射面の領域の形状パラメータを示す図であり、右横の明るさの指標はインコヒーレント放射照度を示す。
【
図10】同じく照明用レンズの第2の領域を通過した光の投影像、および第2の領域と対応する出射面の領域の形状パラメータを示す図であり、右横の明るさの指標はインコヒーレント放射照度を示す。
【
図11】本発明の照明ユニットの他の実施形態として、光源部を複数の光源から構成した例を示す説明図。
【
図13A】実施例5の照明ユニットによる光の投影像を示す図。
【
図13B】実施例5の照明用レンズの入射面形状、出射面形状を示す説明図。
【
図14】実施例6の照明ユニットによる光の投影像を示す図。
【
図15】実施例7の照明ユニットによる光の投影像を示す図。
【
図16】光源部と入射面との間の距離を変更する様子を示す説明図。
【
図17】実施例6と実施例8の照明ユニットによる光の投影像を比較して示す図。
【
図18】出射面の形状を変更する様子を示す説明図。
【
図19】実施例7と実施例9の照明ユニットによる光の投影像を比較して示す図。
【
図20A】微小レンズと光軸の位置、光源部の関係を示す説明図。
【
図20B】同じく微小レンズと光軸の位置、光源部の関係を示す説明図。
【
図21】実施例10の照明ユニットによる光の投影像を示す図。
【
図22】実施例10の微小レンズの配置、光軸を示す説明図。
【
図23】実施例10のレンズの形状パラメータを示す図。
【
図24】実施例10の実際のサンプルを用いたスポット照明光の写真。
【
図25】実施例11の照明ユニットの構成を示す説明図。
【
図26A】実施例11の照明ユニットによる光の投影像を光軸傾き無しの場合と比較して示す図。
【
図26B】実施例11の照明ユニットによる光の投影像を光軸傾き無しの場合と比較して示す図。
【
図27】実施例12の照明ユニットの構成を示す説明図。
【
図28】同じく照明ユニットのレンズを複合ユニットとした例を示す説明図。
【
図29】実施例12の照明ユニットによる光の投影像を拡大レンズ(アフォーカルレンズ)無しの場合と比較して示す図。
【
図30】照明ユニットの他の実施形態を示す説明図。
【
図31】実施例13の照明用レンズを用いた投影像とレンズ面の形状パラメータを示す図。
【
図32】他の実施形態として、入射面を非球面のレンズ構造とした照明用レンズを示す説明図。
【
図33】照明ユニットのさらに他の実施形態を示す説明図。
【
図34】実施例14の照明用レンズを用いた投影像とレンズ面の形状パラメータを示す図。
【
図35】照明ユニットのさらに他の実施形態を示す説明図。
【
図36A】実施例15の照明用レンズを用いた投影像を光軸の傾きが無い場合と比較して示す図。
【
図36B】実施例15の照明用レンズを用いた投影像を光軸の傾きが無い場合と比較して示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
本発明に係る照明ユニット1Aは、
図1に示すように、単又は複数の光源20からなる光源部2と、入射面30(又は出射面31)に、前記光源20からの光を略平行光にする微小レンズ40を複数配列したマイクロレンズアレイ構造4を有し、該マイクロレンズアレイ構造4を通じて、光源部2からの光束L
0を不連続なスポット状の複数の光束L
1として出射する照明用レンズ3Aとを備えている。このような照明ユニット1Aは、従来のDOEのような光ロスが生じることなく、かつ簡易な構造で、高効率なスポット光を提供することができ、たとえば近距離の高精度3次元計測と遠距離の計測の双方に対応することも可能となる。
【0023】
光源部2には、単一の発光点(光源20)を備えたファブリペロー型半導体レーザー、単一または複数の発光点(光源20)を備えた面発光レーザー等を採用できる。
【0024】
入射面30に形成されるマイクロレンズアレイ構造4は、複数の微小レンズ40が縦横に並んだアレイ構造を有し、一つの微小レンズ40から光源の数だけの略平行光(スポット状の光束L1)が発生し、一つの光源からの光が微小レンズ40の数の複数のスポット光に分けて出射される。
【0025】
入射面30のマイクロレンズアレイ構造4の各微小レンズ40のレンズ面は、
図3に示すように、光軸を3軸直交XYZ座標系のZ軸と平行とし、それに直交する面をXY面として、回転対称または回転非対称な非球面プロファイルを表す項を含む次の(式1)によって表される。各微小レンズ40のレンズ面はすべて同じ係数の式で表現される面でもよいし、異なる係数の式で表現される面を含むものでもよい。
【0026】
【0027】
出射面31のレンズ構造5は、平面、球面又は非球面(
図1の例では平面)とされている。これら出射面31は、次の(式2)で表現できる。ここで、
図4に示すように、出射面31も入射面30と同様、光軸をZ軸とし、それに直交する面をX’Y’面とする。
【0028】
【0029】
スポット光(スポット状の複数の光束L1)の間隔は、光源とマイクロレンズアレイ構造4との距離、又は微小レンズ40の間隔を設定することで調整することができる。
【0030】
なお、以上の実施形態は、入射面30に微小レンズ40を複数配列したマイクロレンズアレイ構造4を設け、出射面31に平面、球面又は非球面(
図1の例では平面)のレンズ構造5を設けた例について説明したが、
図30に示すように、入射面30に平面、球面又は非球面(
図30の例では平面)を設け、出射面31に微小レンズ40を複数配列したマイクロレンズアレイ構造4を設けることにより同様の照明ユニットを実現することもできる。
【0031】
図5は、
図1、
図2に示した例である出射面31が平面の照明用レンズ3Aのモデル(実施例1)について、スポット光(出射面31から5m先の平面に投影された像)を得たシミュレーションの結果を示している。縦軸,横軸の数字は照射された面の座標を表している。e3は10
3を表し、2.5e3は2.5×10
3(=2500)を表している。
【0032】
なお、各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・単光源 波長940nm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):1.5mm
・入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.0mm
・出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」): 5000mm
【0033】
(照明用レンズ)
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(30,30)
・微小レンズのピッチ(
図3の「P
X」、「P
Y」):いずれも0.05mm
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のX座標:-0.725
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のY座標:-0.725
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0034】
入射面、出射面の形状の式の係数は、
図5の右に示すとおりである。
図5の左の投影像に示すように、縦横に等間隔な複数のスポット光が得られることが確認された。
【0035】
これら一つ一つのスポット光の間の広がり角は、出射面31のレンズ構造5により調整でき、たとえば
図6のように出射面31を非球面のレンズ構造5として、複数のスポット光全体の配光角がより広いスポット投影を得ることも可能である。
【0036】
図31は、
図30に示した例である入射面30が平面のレンズ構造5を設けた照明用レンズのモデル(実施例13)について、スポット光(出射面31から5m先の平面に投影された像)を得たシミュレーションの結果を示している。縦軸,横軸の数字は照射された面の座標を表している。
【0037】
各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・単光源 波長940nm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):1.75mm
・入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.1mm
・出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」): 5000mm
【0038】
(照明用レンズ)
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(24,24)
・微小レンズのピッチ(
図3の「PX」、「PY」):いずれも0.1mm
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のX座標:―1.15
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のY座標:―1.15
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0039】
入射面、出射面の形状の式の係数は、
図31の右に示すとおりである。
図31の左の投影像に示すように、縦横に等間隔な複数のスポット光が得られることが確認された。
【0040】
これら一つ一つのスポット光の間の広がり角は、入射面のレンズ構造により調整でき、たとえば
図32のように入射面を非球面のレンズ構造として、複数のスポット光全体の配光角が異なるスポット投影を得ることも可能である。
【0041】
図7は、出射面のレンズ構造5を異なるものとして配光角の異なるスポット光が得られた投影像を比較した図であり、
図7(a)は、
図5と同じレンズ(実施例1)を用いた投影像であり、出射面を平面としたレンズのものである。これに対し、
図7(b)は、出射面を球面としたレンズモデル(実施例2)の投影像、
図7(c)は、出射面を非球面としたレンズモデル(実施例3)の投影像である。
【0042】
それぞれ投影像の下側に、入射面、出射面の形状の式の係数を示す。光源や、光源から入射面までの距離、レンズの素材、入射面の微小レンズの数その他の条件については、いずれも共通(上述した
図5の照明ユニットの条件と同じ)とした。
図7から分かるように、出射面の形状を変えることでスポット光の広がり角を調整できることが確認された。
【0043】
また、
図8に示すように、照明用レンズ3Cの入射面30に、前記マイクロレンズアレイ構造4を有する第1の領域R1と、光源部2’の光源20’からの光を発散させる微小レンズ60を複数配列した第2のマイクロレンズアレイ構造6を有する第2の領域R2を設けたものも好ましい例である。第1の領域によりスポット光が提供され、第2の領域により連続的な光束が提供される。つまり一つのレンズで均一照明方式とスポット照明方式の両方に対応したレンズを、一つのレンズとしてたとえば、樹脂射出成形によって一体的に形成できるのである。
【0044】
本例の照明用レンズ3Cを用いた照明ユニットとしては、図示したように各領域R1/R2用にそれぞれ光源20、20’を設けることもできるし、共通の光源を設けたもの、この共通の光源から双方の領域R1、R2に同時に光を入射するもの、または相対位置を切り替えていずれかの領域R1/R2に光を入射させるものなど、さまざまな形態が可能である。
【0045】
図9は、このような2種のマイクロレンズアレイ構造を有する実施例4のレンズにつき、第1の領域R
1を通過した光の投影像を示す図であり、
図10は、同じく実施例4のレンズにつき、第2の領域R
2を通過した光の投影像を示す図である。各図の下側には、各領域に対応する入射面、出射面の形状の式の係数を示す。
【0046】
光源や、光源から入射面までの距離、レンズの素材、入射面の微小レンズの数その他の条件については、いずれも共通(上述した
図5の照明ユニットの条件と同じ)とした。
図8から分かるように、第1の領域によりスポット光が提供され、第2の領域により連続的な光束が提供されることが確認された。また、1.0Wattで発光する単一の光源を使用した際、
図9に示すように、投影されたスポットのピーク照度は2×10
-6 Watt/mm
2 であり、
図10に示す連続的な光束により均一に照明された照度は6×10
-8 Watt/mm
2であり、スポットの方が均一照明より照度が30倍程度大きくなっている。その結果、スポット照明方式の方が、より遠くの物体を検知することが可能になる。
【0047】
また、
図11に示すように、光源部を複数の光源より構成し、一つの微小レンズから、光源の数だけの略平行光を発生させるようにしたものも好ましい例である。これによれば、光源の数と微小レンズの数の積の値の数のスポット光を提供することができる。この場合、たとえば
図12に示すように、板状の基板面に複数の光源が縦横に規則的に配列されたアレイ構造の光源部2を用いることが好ましい。
【0048】
このようなアレイ構造の光源部2を用いる場合、光源部2の大きさとレンズ入射面の微小レンズのピッチとの関係が、各微小レンズを通じて形成されるスポット像同士の位置関係に影響を与えるため、これら大きさ関係を設定することで、当該スポット像の重なりや隙間の調整を行うことができる。
【0049】
図13Aは、X方向について、レンズ入射面の微小レンズのピッチを、光源部の寸法(光源のアレイ構造の寸法)に一致させ、Y方向について、前記微小レンズのピッチを光源部の寸法をより小さく設定した実施例5の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。光源部は
図12に示す大きさとし、レンズの入射面、出射面の形状パラメータを
図13Bに示す(出射面形状は平面)。
【0050】
なお、各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・アレイ構造 各光源 波長940nm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):2.35mm
・入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.25mm
・出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」): 5000mm
【0051】
(照明用レンズ)
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(4,4)
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のX座標:-0.714
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のY座標:-0.714
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0052】
図13Aから分かるように、各微小レンズを通じて形成される、光源の数のスポット像同士は、X方向については一列のみ綺麗に重なり、Y方向は複数の列がずれた状態で重なって配置されることが確認された。
【0053】
図14は、X方向について、レンズ入射面の微小レンズのピッチを、光源部の寸法より大きく設定し、Y方向について、前記微小レンズのピッチを光源部の寸法に一致させた実施例6の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。ユニット各部の条件、光源部の寸法、レンズの入射面形状及び出射面形状は、実施例5と同じである。
【0054】
図14から分かるように、各微小レンズを通じて形成される、光源の数のスポット像同士は、X方向は隙間ができた状態となり、Y方向については一列のみ綺麗に重なって配置されることが確認された。
【0055】
図15は、X方向、Y方向の両方向について、前記微小レンズのピッチを光源部の寸法に一致させた実施例7の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。ユニット各部の条件、光源部の寸法、レンズの入射面形状及び出射面形状は、実施例5(6)と同じである。
【0056】
図15から分かるように、各微小レンズを通じて形成される、光源の数のスポット像同士は、X方向、Y方向とも、一列のみ綺麗に重なって配置されることが確認された。
【0057】
ここで、光源部とレンズ入射面との間の距離sを変えた場合、
図16に示すように、像の倍率を調整することができるが、スポット像の重なりや隙間の調整にはならない。
図17は、上記実施例6と、上記距離sのみ変えた実施例8の各光の投影像を示している。上記距離sが2.35mmの実施例6の場合に比べ、距離sを1.5mmとした実施例8では、スポット像の倍率が大きくなるが、スポット像同士の関係は同様に隙間が生じることが分かる。
【0058】
図18に示すように、レンズ出射面31のレンズ形状を変えることで、スポット像の重なりや隙間を微調整することはできる。
図19は、上記実施例7と、出射面のレンズ形状のみ変更(投影像の下に記載のとおりのパラメータを有する非球面形状に変更した。ただしスポット像が若干変形してしまうので入射面も微調整した。)した実施例9の各光の投影像を示している。実施例7ではX方向、Y方向とも各スポット像が1列重なっている状態であったが、実施例9ではスポット像同士が重なることなく且つ隙間も大きく生じることなく配置されることが確認された。
図24は、実施例9を実際に作製して1m離れた壁面に照射したスポット照射光の写真である。上記
図19のシミュレーションの結果と同様の照射を実現できることを確認した。
【0059】
以上の実施例7~9は、
図33に示すように、入射面側を平面、球面又は非球面のレンズ構造とし、出射側をマイクロレンズアレイ構造とした形態でも同様に構成できる。
図34はこのような照明ユニットにおいて、出射面の微小レンズのピッチを、光源部の寸法(光源のアレイ構造の寸法)に一致させた実施例14の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。レンズの入射面、出射面の形状パラメータを
図34に示す。
【0060】
なお、各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・アレイ構造 各光源 波長940nm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):2.5mm
・入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.0mm
・出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」): 10000mm
【0061】
(照明用レンズ)
・入射面:平面
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(2,2)
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のX座標:―0.25
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のY座標:―0.3
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0062】
図34から分かるように、入射面側を平面、球面又は非球面のレンズ構造とし、出射側をマイクロレンズアレイ構造とした形態でも、実施例7~9と同じような像を得ることができる。
【0063】
尚、前述した「微小レンズのピッチと光源部の寸法を一致させる」ということは、各微小レンズの光軸間隔と光源部の寸法を一致させることを意味する。
図20Aに示すように、前述した構成では、各微小レンズの光軸は、そのレンズ中心に位置するからである。
【0064】
また、とくに微小レンズの数が少ない場合(例えば、2×2や3×3の配列の場合)は、
図20Bに示すように、光軸の縦の間隔と光源部の縦の寸法及び、光軸の横の間隔と光源部の横の寸法とを一致させてスポット光の配列を調整し、微小レンズのサイズを光軸間隔によらずに大きくすることができる。そうすることで、周辺の微小レンズを通過する光量を増やし、スポット光の強度がより均一な照明光学系が実現できる。尚、「光軸間隔と光源部の寸法の一致」とは、厳密に一致させることを意味するのではなく、スポット光の配列が最適となるように光軸間隔の微調整がなされた結果を含んでいる。
【0065】
図21は、
図22に示すように微小レンズを3×3配列とし、光軸の縦の間隔(0.6mm)と光源部の縦の寸法(0.6mm)とを一致させ、かつ光軸の横の間隔(0.5mm)と光源部の横の寸法(0.5mm)とを一致させた実施例10の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。レンズの入射面、出射面の形状パラメータを
図23に示す(出射面形状は平面)。
【0066】
なお、各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・アレイ構造 各光源 波長940nm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):4.0mm
・入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.3mm
・出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」): 10000mm
【0067】
(照明用レンズ)
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(3,3)
・微小レンズのピッチ(光軸間隔):X0.5mm Y0.6mm
・基準となる微小レンズ(
図22の左下)の光軸のX座標:―0.5
・基準となる微小レンズ(
図22の左下)の光軸のY座標:―0.6
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0068】
図21から分かるように、各微小レンズを通じて形成される、光源の数のスポット像同士は、X方向、Y方向とも、適切に配置されている。
【0069】
また、
図25に示すように、微小レンズの非球面光軸を光源部の中央部に向けて傾けたものも好ましい実施例である。このような設計により、スポット配列の端のスポットの歪を低減させることが可能となる。
図26は、このように微小レンズの非球面光軸を光源部の中央部に向けて傾けた実施例11の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。
【0070】
なお、各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・光源:単光源 波長940nm
・光源サイズ:X0.5mm Y0.6mm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):1.5mm
・入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.0mm
・出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」):10000mm
【0071】
(照明用レンズ)
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(2,2)
・微小レンズのピッチ(光軸間隔):X0.5mm、Y0.6mm
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))の光軸のX座標:―0.25
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))の光軸のY座標:―0.3
・微小レンズ面形状:Cx=+1.136、Cy=1.136、Kx=―0.6、Ky=―0.6
・非球面光軸傾き:6度
・微小レンズ光軸間隔:X0.5mm Y0.6mm
・微小レンズサイズ:
図22で示す各矩形の寸法。例えば(0.7×0.8mm)
・光出射面:平面
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0072】
図26から分かるように、微小レンズの非球面光軸を光源部の中央部に向けて傾いた状態に設定することで、スポット配列の4隅のスポットが長く伸びることなく、綺麗な円形を保つようにすることができる。
【0073】
上記実施例11の結果は、
図35に示すように、微小レンズを出射面側に設けたものでも同様に実現される。この場合も、出射面側の微小レンズの非球面光軸を光源部の中央部に向けて傾ける。このような設計により、スポット配列の端のスポットの歪を低減させることが可能となる。
【0074】
図36は、このように出射面側の微小レンズの非球面光軸を光源部の中央部に向けて傾けた実施例15の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。
【0075】
なお、各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・光源:単光源 波長940nm
・光源サイズ:X0.5mm Y0.6mm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):1.5mm
・入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.0mm
・出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」):10000mm
【0076】
(照明用レンズ)
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(2,2)
・微小レンズのピッチ(光軸間隔):X0.64mm、Y0.78mm
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のX座標:―0.32
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))中心のY座標:―0.39
・微小レンズ面形状:Cx=―0.571、Cy=―0.571、Kx=―1.4、Ky=―1.4
・非球面光軸傾き:8度
・微小レンズサイズ:
図22で示す各矩形の寸法。例えば(0.7×0.8mm)
・入射面:平面
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0077】
図36から分かるように、実施例11と同じく、微小レンズの非球面光軸を光源部の中央部に向けて傾いた状態に設定することで、スポット配列の4隅のスポットが長く伸びることなく、綺麗な円形を保つようにすることができる。
【0078】
また、
図27に示すように、本発明にかかる照明用レンズの平行光出射側に、凸面及び凹面を有するアフォーカルレンズを配置した照明ユニットも好ましい実施形態である。このような照明ユニットによれば、平行光は平行光のままで、その出射角度を拡大させることができる。照明用レンズの微小レンズの非球面は出射側ではなく入射側としてもよく、いずれにしても、平行光が出射するように微小レンズの面形状を設計すれば広角スポット照射が可能となるのである。
【0079】
ここで、
図28に示すように、照明用レンズとアフォーカルレンズとを一体化してひとつの複合レンズとすれば、簡単な構成の広角スポット照射光学系を提供できる。
【0080】
図29は、このように照明用レンズの出射側にアフォーカルレンズを配置した実施例12の照明ユニットにつき、光の投影像を示す図である。
【0081】
なお、各部の条件は次のとおりである。
(光源部)
・光源:単光源 波長940nm
・光源サイズ:X0.4mm Y0.4mm
(配置)
・光源から入射面までの距離(
図4の「s」):2.4mm
・照明用レンズの入射面から出射面までの距離(
図4の「d」):1.0mm
・照明用レンズの出射面から照射面までの距離(
図4の「s’」):10000mm
【0082】
(照明用レンズ)
・光入射面:平面
・厚さ:1mm
・素材:ポリカーボネート樹脂
・入射面の微小レンズの数:(
図3の「(N,M)」):(2,2)
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))の光軸のX座標:―0.21
・基準となる微小レンズ(
図3の(1、1))の光軸のX座標:―0.21
・ 微小レンズ面形状:Cx=+0.562 Cy=+0.562、Kx=―0.55、Ky=―0.55
・ 微小レンズ光軸間隔:X0.42mm Y0.42mm
・ 微小レンズサイズ:2mm×2mm
【0083】
(拡大アフォーカルレンズ)
・ 光入射面: C=+0.541 k=-0.85
・ 中心厚:2.5mm 材料:ポリカーボネート
・ 光出射面: C=+1.03 k=-0.78
(シミュレーションソフト)
・Zemax, LLC製「Zemax OpticStudio 21.1.1」
【0084】
図29から分かるように、アフォーカルレンズ(拡大レンズ)を配置することで、無い場合に比べ、平行光のままその出射角度が2倍に拡大させることができることが分かる。
【0085】
これらの照明用レンズは、公知の非球面レンズ用の材質を広く用いて製造することが可能である。これらの材質としてはたとえば、ポリメタクリル酸メチル樹脂やポリカーボネートなどの有機ガラス、ポリオレフィン系樹脂、光学ガラスなどがあげられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。ただし、これらの中でも軽量化可能という観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂をレンズ用の材質として採用するのが好ましく、あるいは、耐熱化という観点から、ポリカーボネートをレンズ用の材質として採用するのが好ましい。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0087】
1A 照明ユニット
1C 照明用レンズ
2、2’ 光源部
3 高精度
3A 照明用レンズ
4 マイクロレンズアレイ構造
5 レンズ構造
6 マイクロレンズアレイ構造
20、20’ 光源
30 入射面
31 出射面
40 微小レンズ
60 微小レンズ
R1、R2 領域