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特許7564544信号処理装置、信号処理システム、信号処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-01
(45)【発行日】2024-10-09
(54)【発明の名称】信号処理装置、信号処理システム、信号処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/36 20060101AFI20241002BHJP
   H04B 1/10 20060101ALI20241002BHJP
   G08G 3/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G01S7/36
H04B1/10 L
G08G3/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021042027
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142048
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】503361400
【氏名又は名称】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(72)【発明者】
【氏名】平原 大地
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-518369(JP,A)
【文献】特開2016-127516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0304597(US,A1)
【文献】米国特許第4646274(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/10 - H04B 1/14
H04B 15/00 - H04B 15/06
G08G 1/00 - G08G 99/00
G01S 1/00 - G01S 19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得部と、
前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタ部と、
前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転部と、
前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算部と、
反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別部と
を備える信号処理装置。
【請求項2】
前記取得部と前記フィルタ部と前記反転部と前記加算部と前記判別部とのうちの少なくとも一つは、取得する処理と抽出する処理と反転させる処理と加算する処理と生成する処理とのうちの少なくとも一つの処理において用いられた条件の履歴を、前記受信信号の受信位置ごとに記録し、記録された前記履歴を前記受信位置ごとに再利用することで前記少なくとも一つの処理を再実行する、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
記録された前記履歴における前記受信位置と前記受信信号との波形とを学習し、学習された前記受信位置と前記受信信号の波形とに基づいて前記条件の最適値を推論する二次処理部を更に備え、
前記取得部と前記フィルタ部と前記反転部と前記加算部と前記判別部とのうちの少なくとも一つは、推論された前記条件の最適値を用いて、前記少なくとも一つの処理を実行する、
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記二次処理部は、前記ノイズが分離された前記受信信号の空間的分布と前記ノイズの空間的分布とを、前記受信位置ごとに生成し、
前記取得部と前記フィルタ部と前記反転部と前記加算部と前記判別部とのうちの少なくとも一つは、前記ノイズが分離された前記受信信号の空間的分布と前記ノイズの空間的分布とを用いて、前記少なくとも一つの処理を実行する、
請求項3に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記二次処理部は、前記ノイズの空間的分布に基づいて、前記ノイズの発信源分布を生成し、
前記取得部と前記フィルタ部と前記反転部と前記加算部と前記判別部とのうちの少なくとも一つは、前記ノイズの発信源分布を用いて、前記少なくとも一つの処理を実行する、
請求項4に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記二次処理部は、前記ノイズの発信源分布に基づいて、前記ノイズの頻度及び強度を、前記無線信号のパケット検出が前記ノイズによって失敗した頻度に換算し、前記ノイズによって失敗した頻度に基づいて、互いに等価の送信アルゴリズムで前記無線信号を送信する複数の無線装置の分布である等価発信源分布を生成し、
前記取得部と前記フィルタ部と前記反転部と前記加算部と前記判別部とのうちの少なくとも一つは、前記等価発信源分布を用いて、前記少なくとも一つの処理を実行する、
請求項5に記載の信号処理装置。
【請求項7】
模擬された前記受信信号を用いて前記受信信号の受信性能を予測する制御部を更に備え、
前記二次処理部は、前記発信源分布又は前記等価発信源分布における前記受信位置及び受信条件に基づいて、模擬された前記受信信号を生成する、
請求項6に信号処理装置。
【請求項8】
信号処理装置を備える信号処理システムであって、
前記信号処理装置は、
複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得部と、
前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタ部と、
前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転部と、
前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算部と、
反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別部とを備える、
信号処理システム。
【請求項9】
信号処理装置が実行する信号処理方法であって、
複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得ステップと、
前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタステップと、
前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転ステップと、
前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算ステップと、
反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別ステップと
を含む信号処理方法。
【請求項10】
信号処理装置のコンピュータに、
複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得手順と、
前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタ手順と、
前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転手順と、
前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算手順と、
反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別手順と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置、信号処理システム、信号処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の情報を無線信号を用いて船舶から収集するシステムとして、自動船舶識別システム(Automatic Identification System : AIS)が知られている(特許文献1参照)。自動船舶識別システムは、船舶の位置情報等を、その船舶に搭載された無線装置から収集する。自動船舶識別システムに用いられる受信局は、人工衛星に搭載されることによって、所定の高度で地球を周回する。受信局に備えられた受信装置は、地球を周回しながら、船舶等に搭載された無線装置から送信された狭帯域の無線信号を受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-197779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の無線装置からそれぞれ送信された複数の無線信号の送信タイミングが互いに同期していない場合がある。この場合、複数の無線装置からそれぞれ送信された複数の無線信号は、混信状態の無線信号として受信局に受信される。例えば、人工衛星を用いる自動船舶識別システムでは、複数の無線装置からそれぞれ送信された狭帯域のAIS信号(パケット)同士が、人工衛星の軌道上で衝突する場合がある。この場合、複数のAIS信号は、混信状態の無線信号として人工衛星(受信局)に受信される。受信された無線信号に対して受信局がアナログデジタル変換を実行することによって、受信された無線信号はサンプリングデータとなる。
【0005】
また、地上に配置されたレーダ装置は、広帯域に周波数を掃引しながら、強力な電磁波を送信する。地上レーダからの電磁波は、人工衛星によって受信され、サンプリングデータにおいてスパイク状の干渉ノイズ(スパイクノイズ)になる。このように、地上レーダからの電磁波は、上記のような混信状態の無線信号にとって妨害波となる。この場合、妨害波によるスパイクノイズが重畳された混信状態の無線信号を、受信局が受信することになる。なお、スパイクノイズは、サンプリングデータにおけるいわゆる「パルスノイズ」と同意である。
【0006】
スパイクノイズが狭帯域信号に干渉した場合、周波数領域のフィルタリング処理によってスパイクノイズを分離することは困難である。このため、周波数領域のフィルタリング処理によってではなく、時間領域のフィルタリング処理によって、スパイクノイズが分離される。
【0007】
しかしながら、混信状態が発生した又は信号が急に受信(以下「混信等」という。)された場合、信号レベルの時間変化が激しい。それらによる波形変動とスパイクノイズによる波形変動とが混在する場合、すなわち、混信等と干渉ノイズとを波形変動が含んでいる場合、信号処理装置は、受信信号の混信等による波形変動を、妨害波によるノイズと誤判別し易くなる。このような誤判別の結果に基づいて、混信等と干渉ノイズを含む波形変動の状態の受信信号からノイズが分離された場合には、無線装置から送信された情報(例えば、船舶の位置情報)を電気信号から抽出することが困難になる。
【0008】
このような問題は、電磁波を用いる無線信号に限られず、スパイクノイズと複数の電磁波情報とが混在する場合においてそれぞれの判別が実行される場合に共通する問題である。例えば、レーダや赤外カメラにおける画像データにおいて、複数の構造物が電磁波の反射源となっている場合、スパイクノイズ(観測対象である反射した電磁波の周波数帯域を含む広帯域における、強力なノイズ)の干渉時は、識別や分離が困難となる。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、スパイクノイズと混信等による波形変動とのいずれであるのかを判別し、混信等した信号からスパイクノイズを分離する処理(以下「混信等と干渉ノイズの分離処理」という。)の性能を向上させることができる信号処理装置、信号処理システム、信号処理方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得部と、前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタ部と、前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転部と、前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算部と、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別部とを備える信号処理装置である。
【0011】
本発明の一態様は、信号処理装置を備える信号処理システムであって、前記信号処理装置は、複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得部と、前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタ部と、前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転部と、前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算部と、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別部とを備える、信号処理システムである。
【0012】
本発明の一態様は、信号処理装置が実行する信号処理方法であって、複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得ステップと、前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタステップと、前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転ステップと、前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算ステップと、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別ステップとを含む信号処理方法である。
【0013】
本発明の一態様は、信号処理装置のコンピュータに、複数の無線装置から送信された無線信号に応じた受信信号を取得する取得手順と、前記受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、前記受信信号に重畳されたスパイク状波形のノイズの候補を抽出するフィルタ手順と、前記候補の受信時刻の前後で前記受信信号を時間方向について反転させる反転手順と、前記候補の受信時刻を基準として、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号とを加算する加算手順と、反転前の前記受信信号と反転後の前記受信信号との加算結果に基づいて、前記ノイズの候補が前記ノイズであるか否かを判別することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する、又は、前記加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、前記ノイズが分離された前記受信信号を生成する判別手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、スパイクノイズと混信等による波形変動とのいずれであるのかを判別し、混信等と干渉ノイズの分離処理の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】信号処理システムの構成の第1例を示す図である。
図2】受信局の構成の第1例を示す図である。
図3】混信等による波形変動状態の電波情報と、妨害波ノイズと、妨害波ノイズが重畳されて混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号との第1例を示す図である。
図4】時間領域フィルタリング処理後のノイズと、ノイズに対する動的閾値との第1例を示す図である。
図5】動的閾値処理後のノイズ候補と、動的閾値処理後のノイズ候補が除去されたサンプリングデータとの第1例を示す図である。
図6】時刻「t1」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図7】時刻「t2」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図8】時刻「t3」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図9】時刻「t4」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図10】時刻「t5」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図11】時刻「t6」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図12】時刻「t7」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図13】時刻「t8」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図14】時刻「t9」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図15】判別された妨害波ノイズと、分離処理後の混信状態の受信信号との第1例を示す図である。
図16】信号処理装置の動作例を示すフローチャートである。
図17】信号処理システムの構成の第2例を示す図である。
図18】受信局の構成の第2例を示す図である。
図19】記憶部に蓄積されるデータが登録されたデータテーブルの例の図である。
図20】混信等による波形変動状態の電波情報と、妨害波ノイズと、妨害波ノイズが重畳されて混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号との第2例を示す図である。
図21】時間領域フィルタリング処理後のノイズと、ノイズに対する動的閾値との第2例を示す図である。
図22】動的閾値処理後のノイズ候補と、動的閾値処理後のノイズ候補が除去されたサンプリングデータとの第2例を示す図である。
図23】時刻「t10」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図24】時刻「t11」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図25】時刻「t12」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図26】時刻「t13」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図27】時刻「t14」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図28】時刻「t15」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図29】時刻「t16」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図30】時刻「t17」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図31】時刻「t18」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図32】時刻「t19」を基準として時間反転されてから加算された受信信号の例を示す図である。
図33】判別された妨害波ノイズと、分離処理後の混信状態の受信信号との第2例を示す図である。
図34】信号処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のいくつかの実施形態の信号処理装置、信号処理システム、信号処理方法及びプログラムを、図面を参照して説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、信号処理システム1の構成の第1例を示す図である。信号処理システム1は、信号に対して所定の処理を実行するシステムである。例えば、信号処理システム1は、自動船舶識別システム等の衛星リモートセンシングシステムである。この所定の処理とは、所定の情報を受信信号から抽出する処理である。この所定の処理において、ノイズが受信信号から分離される。この所定の情報とは、例えば、船舶の位置情報である。以下では、混信等と干渉ノイズの分離処理の一部又は全体は、アナログ処理又はデジタル処理のいずれによって処理されてもよい。
【0018】
信号処理システム1は、複数の第1無線装置2と、第2無線装置3と、受信局4とを備える。受信局4が受信装置を備え、信号処理システム1は、受信局4とは別に、信号処理装置を備える。
【0019】
第1無線装置2は、アンテナを用いて、狭帯域の無線信号5を発信する。受信局4は、狭帯域の無線信号を受信する。第1無線装置2は、例えば、海上の船舶に搭載される。無線信号5は、例えば、AIS信号である。複数の無線信号5の送信タイミングが互いに同期していない場合、混信状態の無線信号5が、受信局4に受信されることがある。
【0020】
第2無線装置3は、地上に配置されたレーダ装置である。第2無線装置3は、広帯域に周波数を掃引しながら、電磁波を送信する。このような電磁波は、混信等を含む電波情報において、さらなる妨害波となる。この場合、妨害波6は、狭帯域受信においてスパイクノイズ(パルスノイズ)となって、無線信号5に重畳される。受信局4は、混信等と干渉ノイズを含む波形変動した電波情報を受信することになる。以下、妨害波によるノイズ(スパイクノイズ)を「妨害波ノイズ」という。
【0021】
受信局4は、狭帯域の無線信号を、複数の第1無線装置2から受信する。受信局4は、移動体に搭載されることによって移動してもよい。移動体は、例えば、人工衛星又は航空機である。
【0022】
第1実施形態では、受信局4は、一例として人工衛星に搭載されることによって、所定の高度で地球を周回する。受信局4は、地球を周回しながら、地球の表面に分布する複数の第1無線装置2からそれぞれ送信された無線信号5を受信する。
【0023】
次に、受信局4について説明する。
図2は、受信局4の構成の第1例を示す図である。信号処理システム1は、受信局4と、信号処理装置41aとを備える。受信局4は、受信装置40を備える。信号処理装置41aは、記憶部410と、取得部411と、フィルタ部412と、除外部413と、反転部414と、加算部415と、判別部416と、出力部417とを備える。
【0024】
次に、混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号の第1例を用いて、混信等と干渉ノイズの分離処理を説明する。
図3は、混信等による波形変動状態の電波情報と、妨害波ノイズと、妨害波ノイズが重畳されて混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号との第1例を示す図である。図3の上段には、混信等による波形変動状態の受信信号が示されている。混信状態の受信信号は、第1無線装置2-1から受信された無線信号5-1に応じた受信信号50-1と、第1無線装置2-2から受信された無線信号5-2に応じた受信信号50-2と、第1無線装置2-3から受信された無線信号5-3に応じた受信信号50-3とを、一例として含む。図3の中段には、スパイクノイズ(スパイク状波形のノイズ)となって受信信号に現れた妨害波ノイズ60が示されている。図3の下段には、混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号が示されている。
【0025】
第1実施形態では、受信装置40は、アンテナを用いて、地球の表面に分布する複数の第1無線装置2からそれぞれ送信された無線信号5を受信する。ここで、受信装置40は、受信信号に対してアナログデジタル変換を実行することによって、サンプリングデータを生成する。すなわち、受信装置40は、混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号(アナログ信号)に対して、サンプリング処理を実行する。受信装置40は、混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態のサンプリングデータを、信号処理装置41aの取得部411に出力する。
【0026】
信号処理装置41aの取得部411は、混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態のサンプリングデータを、受信装置40から取得する。取得部411は、サンプリングデータを、受信時刻に対応付けて、記憶部410(バッファメモリ)に記録する。記憶部410は、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等の記録媒体である。記憶部410は、サンプリングデータと、受信時刻とを記憶する。また、記憶部410は、過去の信号処理結果から閾値等の処理条件を記憶する。
【0027】
フィルタ部412は、サンプリングデータに対して、時間領域のフィルタリング処理を実行することによって、妨害波ノイズ60の候補を抽出する。時間領域のフィルタリング処理は、例えば、メディアンフィルタ処理である。
【0028】
図4は、時間領域フィルタリング処理後のノイズと、ノイズに対する動的閾値との第1例を示す図である。時間領域フィルタリング処理は、例えば、メディアンフィルタの処理である。図4の上段には、時間領域フィルタリング処理にメディアンフィルタを用いた場合の処理後のノイズが例示されている。メディアンフィルタ処理後のノイズは、妨害波ノイズ60の候補である。図4の下段には、ノイズに対する閾値7が例示されている。除外部413は、妨害波ノイズ60の候補に対して、閾値7を用いる動的閾値処理を実行する。
【0029】
図5は、動的閾値処理後のノイズ候補と、動的閾値処理後のノイズ候補が除去されたサンプリングデータとの第1例を示す図である。除外部413は、閾値7を用いる動的閾値処理を実行することによって、閾値7よりも信号レベル(強度)が低いノイズを、妨害波ノイズ60の候補のうちから除外する。図5の上段には、閾値7よりも信号レベルが高い妨害波ノイズ60の候補が例示されている。これらの候補の受信時刻は、時刻「t1」から時刻「t9」までの各時刻である。図5の下段には、動的閾値処理後のノイズ候補を除去したサンプリングデータが例示されている。
【0030】
反転部414は、図3の下段に示された混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態のサンプリングデータを、妨害波ノイズ60の候補の時刻(基準時刻)の前後で、時間方向(時間軸)について反転させる。また、加算部415は、妨害波ノイズ60の候補の受信時刻を基準として、図3の下段に示された反転前のサンプリングデータと、反転後のサンプリングデータとを加算する。これによって、妨害波ノイズ60の候補の時刻の前後では、混信等による波形変動が相殺される。
【0031】
図6は、時刻「t1」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図7は、時刻「t2」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図8は、時刻「t3」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図9は、時刻「t4」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図10は、時刻「t5」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図11は、時刻「t6」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図12は、時刻「t7」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図13は、時刻「t8」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図14は、時刻「t9」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。
【0032】
判別部416(評価部)は、抽出された妨害波ノイズ60の候補が妨害波ノイズ60であるか否かを判別する。例えば、判別部416は、反転加算後のサンプリングデータに対して、閾値判定を実行する。各受信時刻の前後による反転加算後のサンプリングデータにおいて、混信等による波形変動が相殺されて平坦化し、妨害波ノイズ60の候補(干渉ノイズによる波形変動)のみが突出する。判別部416は、その突出した候補を、周辺の信号レベルに基づいて導出される閾値判定によって妨害波ノイズ60と判別する。なお、閾値判定として、フィルタリング処理が実行されてもよい。
【0033】
例えば、図6に示された時刻「t1」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t1」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となる。このことから、判別部416は、時刻「t1」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0034】
例えば、図7に示された時刻「t2」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t2」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となる。このことから、判別部416は、時刻「t2」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0035】
例えば、図8に示された時刻「t3」の前後では、波形の時間変化が相殺されたことによって、波形の信号レベルの変化は小さい。このため、判別部416は、時刻「t3」におけるノイズを、妨害波ノイズ60でなく混信等による波形変動と判別する。
【0036】
例えば、図9に示された時刻「t4」の前後では、波形の時間変化が相殺されたことによって、波形の信号レベルの変化は小さい。このため、判別部416は、時刻「t4」におけるノイズを、妨害波ノイズ60でなく混信等による波形変動と判別する。
【0037】
例えば、図10に示された時刻「t5」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t5」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t5」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0038】
例えば、図11に示された時刻「t6」の前後では波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t6」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t6」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0039】
例えば、図12に示された時刻「t7」の前後では、波形の時間変化が相殺されたことによって、波形の信号レベルの変化は小さい。このため、判別部416は、時刻「t7」におけるノイズを、妨害波ノイズ60でなく混信等による波形変動と判別する。
【0040】
例えば、図13に示された時刻「t8」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t8」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t8」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0041】
例えば、図14に示された時刻「t9」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t9」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t9」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0042】
図15は、判別された妨害波ノイズと、妨害波ノイズの分離処理後のサンプリングデータとの第1例を示す図である。図15の上段には、判別された妨害波ノイズ60が例示されている。図15の下段には、妨害波ノイズの分離処理後のサンプリングデータが例示されている。出力部417は、判別された妨害波ノイズと、妨害波ノイズの分離処理後のサンプリングデータとを、後段処理に引き渡す。後段処理とは、例えば、妨害波ノイズが用いられる統計処理及び応用と、妨害波ノイズの分離処理後のサンプリングデータに対する復調処理とである。
【0043】
次に、信号処理装置41aの動作例を説明する。
図16は、信号処理装置41aの動作例を示すフローチャートである。取得部411は、サンプリングデータを、受信装置40から取得する(ステップS101)。取得部411は、サンプリングデータを、記憶部410に記録する。この記録処理は、任意のタイミングで実行されてよい(ステップS102)。フィルタ部412は、サンプリングデータに対して、時間領域のフィルタリング処理を実行することによって、妨害波ノイズ60の候補を抽出する(ステップS103)。
【0044】
除外部413は、妨害波ノイズ60の候補に対して動的閾値処理を実行することによって、信号レベルの低いノイズを妨害波ノイズ60の候補のうちから除外する(ステップS104)。反転部414は、妨害波ノイズ60の候補の各受信時刻の前後で、サンプリングデータを時間方向について反転させる(ステップS105)。加算部415は、妨害波ノイズ60の候補の各受信時刻を基準として、反転前のサンプリングデータと反転後のサンプリングデータとを加算する(ステップS106)。
【0045】
判別部416は、反転加算後のサンプリングデータに基づいて、妨害波ノイズ60の候補が妨害波ノイズ60であるか否かを、妨害波ノイズ60の候補が所定閾値以上であるか否かに基づいて判別する。この所定閾値は、周辺の信号レベルに基づいて導出される。なお、判別部416は、所定閾値を用いて妨害波ノイズ60を判別する代わりに、時間領域のフィルタ処理を用いて妨害波ノイズ60を判別してもよい(ステップS107)。
【0046】
妨害波ノイズ60の候補が妨害波ノイズ60でない(妨害波ノイズ60の候補が所定閾値未満である)と判別された場合(ステップS107:NO)、判別部416は、妨害波ノイズ60に該当しないサンプリングデータとして、フィルタ処理前のサンプリングデータ(ステップS101における取得処理の結果)を採用する(ステップS108)。
【0047】
妨害波ノイズ60の候補が妨害波ノイズ60である(妨害波ノイズ60の候補が所定閾値以上である)と判別された場合(ステップS107:YES)、判別部416は、妨害波ノイズ60に該当するサンプリングデータとして、ステップS104における除外処理後のサンプリングデータ(除外処理の結果)を採用する(ステップS109)。
【0048】
判別部416は、妨害波ノイズ60(判別対象)の他の候補が残っているか否かを判定する(ステップS107b)。妨害波ノイズ60(判別対象)の他の候補が残っていると判定された場合(ステップS107b:YES)は、ステップS107aに処理を戻す。
【0049】
妨害波ノイズ60(判別対象)の他の候補が残っていないと判定された場合(ステップS110:NO)、出力部417は、分離された妨害波ノイズ60のサンプリングデータと、妨害波ノイズ60が除去されたサンプリングデータとを、後段の処理装置(不図示)に出力する(ステップS108)。
【0050】
以上のように、取得部411は、複数の第1無線装置2から送信された無線信号5の受信信号(サンプリングデータ)を、受信装置40から取得する。複数の第1無線装置2から受信された受信信号には、1台以上の第2無線装置3から送信された妨害波6が重畳されている場合がある。フィルタ部412は、受信信号に対して第1の時間領域のフィルタ処理を実行することによって、妨害波ノイズに由来するスパイクノイズの候補を抽出する。反転部414は、スパイクノイズの候補の受信時刻の前後で、サンプリングデータを時間方向について反転させる。加算部415は、候補の受信時刻を基準として、反転前のサンプリングデータと反転後のサンプリングデータとを加算する。判別部416は、反転前のサンプリングデータと反転後のサンプリングデータとの加算結果に基づいて、ノイズの候補が妨害波ノイズ60であるか否かを判別することで、判別結果を用いて分離されたサンプリングデータを生成する。判別部416は、加算結果に基づいて、第2の時間領域のフィルタ処理を実行することで、スパイクノイズが分離された受信信号を生成してもよい。
【0051】
このように、妨害波ノイズ60の候補の受信時刻の前後では、混信等による波形の時間変動が相殺される。これによって、スパイクノイズと混信等による波形変動とのいずれであるのかを判別部416が判別し、混信等と干渉ノイズの分離処理の性能を向上させることができる。ここで、空間ダイバーシチによるヌルステアリング等が実行されない場合、又は、ヌルステアリング等だけでは効果が不十分である場合でも、スパイクノイズと混信による波形変動とのいずれであるのかを判別する性能を向上させることができる。なお、時間領域でのフィルタリング処理などの一部の処理は、アナログ処理で実行されてもよいし、取得後のサンプリングデータに対するデジタル処理で実行されてもよい。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態では受信局が地上又は海上に設置されている点が、第1実施形態と第2実施形態との間の差分である。第2実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0053】
図17は、信号処理システム1の構成の第2例を示す図である。信号処理システム1は、複数の第1無線装置2と、第2無線装置3と、受信局4と、中継局8とを備える。第1無線装置2は、アンテナを用いて、狭帯域の無線信号5を中継局8に送信する。中継局8は、狭帯域の無線信号5を、複数の第1無線装置2から受信する。中継局8は、移動体に搭載されることによって移動してもよい。移動体は、例えば、人工衛星又は航空機である。
【0054】
第2実施形態では、中継局8は、一例として人工衛星に搭載されることによって、所定の高度で地球を周回する。中継局8は、地球を周回しながら、地球の表面に分布する複数の第1無線装置2からそれぞれ送信された無線信号5を受信する。複数の無線信号5の送信タイミングが互いに同期していない場合、混信状態の無線信号5が、混信状態の受信信号として中継局8に受信されることがある。中継局8は、ダウンリンクの送信が可能なタイミングで、混信状態の受信信号の波形情報を表す無線信号9を、受信局4に中継する。
【0055】
第2実施形態では、受信局4(基地局)は、地球の表面(地上又は海上)に設置されている。受信局4は、アンテナを用いて、中継局8から送信された無線信号9を受信する。すなわち、受信局4は、混信状態の無線信号(アップリンク信号)の波形情報を表す無線信号(ダウンリンク信号)を、中継局8から受信する。
【0056】
以上のように、中継局8は、混信状態の無線信号5(アップリンク信号)の波形情報を表す無線信号9を、受信局4に中継する。受信局4は、混信状態の無線信号5の波形情報を表す無線信号9を、中継局8から受信する。
【0057】
これによって、スパイクノイズと混信等による波形変動とのいずれであるのかを判別する性能を、地上等に設置された受信局4が向上させることができる。ここで、空間ダイバーシチによるヌルステアリング等が実行されない場合、または不十分な場合であっても、ノイズを判別する性能を向上させることができる。
【0058】
(第3実施形態)
第3実施形態では、各処理の条件を導出する制御部を信号処理装置が備える点が、第1実施形態及び第2実施形態と第3実施形態との間の差分である。第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態との差分を中心に説明する。
【0059】
図18は、受信局4の構成の第2例を示す図である。受信局4は、受信装置40と、信号処理装置41bとを備える。信号処理装置41bは、記憶部410と、取得部411と、フィルタ部412と、除外部413と、反転部414と、加算部415と、判別部416と、出力部417と、制御部418と、二次データ生成部419とを備える。
【0060】
例えば、自動船舶識別システムに用いられる受信局は、人工衛星に搭載されることによって、所定の高度で地球を周回する。このため、記憶部410には、受信装置40から取得されたサンプリングデータが蓄積されている。また、記憶部410には、取得部411とフィルタ部412と除外部413と反転部414と加算部415と判別部416と出力部417との過去における処理の履歴情報と、二次データ生成部419又は外部から入力された運用情報及び二次処理データとが蓄積されている。
【0061】
図19は、記憶部410に蓄積されるデータが登録されたデータテーブルの例の図である。図19に示されたデータテーブルでは、受信位置と、再利用可否と、動的閾値の導出条件と、前後反転加算の範囲と、ノイズのレベルと、ノイズ源の位置と、ノイズ指向情報と、パケット損失の頻度と、ノイズ分離後の受信レベルとが、互いに対応付けられている。
【0062】
受信位置とは、受信局4又は中継局8の時系列の位置である。受信局4又は中継局8が人工衛星に搭載された場合、受信局4又は中継局8の位置は、人工衛星の軌道情報を用いて表されてもよい。
【0063】
再利用可否とは、取得部411とフィルタ部412と除外部413と反転部414と加算部415と判別部416と出力部417との各処理の履歴情報を再利用するか否かを、受信局4又は中継局8の時系列の位置ごとに、二次データ生成部419又は外部入力によって判定された結果である。
【0064】
動的閾値の導出条件とは、受信局4又は中継局8の時系列の位置ごとに除外部413によって導出された閾値情報である。
【0065】
前後反転加算の範囲とは、受信局4又は中継局8の時系列の位置ごとに反転部414によって実行される、妨害波ノイズ60の候補の各受信時刻の前後における反転加算処理の範囲である。
【0066】
ノイズのレベルとは、受信局4又は中継局8の時系列の位置ごとに判別部416によって導出された、分離された妨害波ノイズのサンプリングデータと、妨害波ノイズの頻度情報と、妨害波ノイズの強さ情報とである。ノイズ源の位置は、所定の方法で特定された各妨害ノイズ発信源(第2無線装置)の位置情報である。
【0067】
ノイズ指向情報は、二次データ生成部419によって導出された又は外部から入力された、各妨害波ノイズ発信源(第2無線装置3)の指向情報である。この指向情報は、ノイズのレベルとノイズ源位置とに基づいて導出される。これにより、分離された妨害波ノイズの空間分布が管理される。また、二次データ生成部419は、受信装置40から取得されるサンプリングデータを模擬することができる。
【0068】
パケット損失の頻度とは、二次データ生成部419によって導出された又は外部から入力された、各妨害ノイズ発信源(第2無線装置)による妨害波ノイズの送信頻度を、第1無線装置2による無線信号5のフォーマットに等価的に換算した情報である。パルスノイズによって無線信号5のパケット検出を信号処理システム1が失敗する頻度で表現することで第2無線装置3の送信頻度が簡易に定義される。また、二次データ生成部419は、ノイズ分離前後での性能を予測することができる。
【0069】
例えば、衛星AISにおける地上レーダによる軽度なスパイクノイズの干渉が発生する場合、1分間に2250スロットに時間分割されたAIS信号のタイムスロットにおいて、パケットの検出が失敗するほどのスパイクノイズの干渉が検証されることで、パケット検出の失敗を誘発する妨害波ノイズが何スロット間隔で送信されるかが、等価的に表現される。
【0070】
ノイズ分離後の受信レベルとは、受信局4又は中継局8の時系列の位置ごとに判別部416によって導出された、妨害波ノイズが分離されたサンプリングデータ及び頻度や強さ情報である。これにより、各第1無線装置2による無線信号5の空間分布が管理される。また、二次データ生成部419は、受信装置40から取得されるサンプリングデータを模擬することができる。
【0071】
取得部411とフィルタ部412と除外部413と反転部414と加算部415と判別部416と出力部417とのうちの少なくとも一つは、取得する処理と抽出する処理と反転させる処理と加算する処理と生成する処理とのうちの少なくとも一つの処理において用いられた条件の履歴を、受信信号の受信位置ごとに記憶部410に記録する。取得部411とフィルタ部412と除外部413と反転部414と加算部415と判別部416と出力部417とのうちの少なくとも一つは、制御部418による制御に応じて、このデータテーブルにおける情報を、各処理の再実行において再利用することで各処理を再実行してもよい。
【0072】
以上のように、取得部411とフィルタ部412と除外部413と反転部414と加算部415と判別部416とのうちの少なくとも一つは、取得する処理と抽出する処理と除外する処理と反転させる処理と加算する処理と生成する処理とのうちの少なくとも一つの処理において用いられた条件の履歴を、受信信号の受信位置ごとに記録し、記録された履歴を受信位置ごとに再利用することで各処理を再実行してもよい。
【0073】
二次データ生成部419(二次処理部)は、記録された履歴における受信位置と受信信号との波形とを学習してもよい。二次データ生成部419は、学習された受信位置と受信信号の波形とに基づいて、条件の最適値を推論してもよい。
【0074】
二次データ生成部419は、記憶部410に記録された図19に示すデータテーブルを用いて、ノイズが分離された受信信号の空間的分布とノイズの空間分布とを、模擬された受信信号として、受信信号の受信位置ごとに生成する。空間的分布と空間分布との一部又は全部は、外部装置(不図示)によって、記憶部410に記録されてもよい。
【0075】
二次データ生成部419は、記憶部410に記録された図19に示すデータテーブルを用いて、模擬された受信信号として、ノイズの発信源分布を生成する。ノイズの発信源分布の一部又は全部は、外部装置(不図示)によって、記憶部410に記録されてもよい。
【0076】
二次データ生成部419は、記憶部410に記録された図19に示すデータテーブルを用いて、ノイズの頻度及び強度を、無線信号のパケット検出がノイズによって失敗した頻度に換算してもよい。二次データ生成部419は、ノイズによって失敗した頻度に基づいて、互いに等価の送信アルゴリズムで無線信号を送信する複数の無線装置の分布である等価発信源分布を、模擬された受信信号として生成する。等価発信源分布の一部又は全部は、外部装置(不図示)によって、記憶部410に記録されてもよい。
【0077】
取得部411は、これらのように模擬された受信信号を、二次データ生成部419又は記憶部410から取得してもよい。模擬された受信信号は、受信装置40から入力される受信信号の模擬信号であり、例えば、発信源分布又は等価発信源分布における受信信号の受信位置及び受信条件に基づく信号である。
【0078】
制御部418による制御に応じて、取得部411とフィルタ部412と除外部413と反転部414と加算部415と判別部416とのうちの少なくとも一つは、模擬された受信信号を用いて、取得部411とフィルタ部412と除外部413と反転部414と加算部415と判別部416とのうちの少なくとも一つにおける処理を実行してもよい。これによって、制御部418は、無線信号の受信性能を事前に予測することができる。
【0079】
制御部418は、記憶部410に記録されたデータテーブルを用いて、人工衛星等の移動体に搭載された受信局4又は中継局8の位置に応じた処理を効率的に実行することができる。また、記憶部410に蓄積された無線信号5の空間分布情報と、妨害波6の空間分布情報と、サンプリングデータの模擬情報とに基づいて、受信環境のシミュレーション(機械学習等を含む)を利用して、各処理の条件の精度を向上させることができる。
【0080】
次に、混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号の第2例を用いて、混信等と干渉ノイズの分離処理を説明する。
図20は、混信等による波形変動状態の電波情報と、妨害波ノイズと、妨害波ノイズが重畳されて混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号との第2例を示す図である。図20の上段には、混信等による波形変動状態の受信信号が示されている。混信状態の受信信号は、第1無線装置2-1から受信された無線信号5-1に応じた受信信号50-1と、第1無線装置2-2から受信された無線信号5-2に応じた受信信号50-2と、第1無線装置2-3から受信された無線信号5-3に応じた受信信号50-3とを、一例として含む。図20の中段には、スパイクノイズ(スパイク状波形のノイズ)となって受信信号に現れた妨害波ノイズ60が示されている。図20の下段には、混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態の受信信号が示されている。
【0081】
図21は、時間領域フィルタリング処理後のノイズと、ノイズに対する動的閾値との第2例を示す図である。時間領域フィルタリング処理は、例えば、メディアンフィルタの処理である。図21の上段には、時間領域フィルタリング処理にメディアンフィルタを用いた場合の処理後のノイズが例示されている。メディアンフィルタ処理後のノイズは、妨害波ノイズ60の候補である。図21の下段には、ノイズに対する閾値7が例示されている。除外部413は、妨害波ノイズ60の候補に対して、閾値7を用いる動的閾値処理を実行する。
【0082】
図22は、動的閾値処理後のノイズ候補と、動的閾値処理後のノイズ候補が除去されたサンプリングデータとの第2例を示す図である。除外部413は、閾値7を用いる動的閾値処理を実行することによって、閾値7よりも信号レベル(強度)が低いノイズを、妨害波ノイズ60の候補のうちから除外する。図22の上段には、閾値7よりも信号レベルが高い妨害波ノイズ60の候補が例示されている。これらの候補の受信時刻は、時刻「t10」から時刻「t19」までの各時刻である。図22の下段には、動的閾値処理後のノイズ候補を除去したサンプリングデータが例示されている。
【0083】
反転部414は、図21の下段に示された混信等と干渉ノイズを含む波形変動状態のサンプリングデータを、妨害波ノイズ60の候補の時刻(基準時刻)の前後で、時間方向(時間軸)について反転させる。また、加算部415は、妨害波ノイズ60の候補の受信時刻を基準として、図21の下段に示された反転前のサンプリングデータと、反転後のサンプリングデータとを加算する。これによって、妨害波ノイズ60の候補の時刻の前後では、混信等による波形変動が相殺される。
【0084】
図23は、時刻「t10」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図24は、時刻「t11」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図25は、時刻「t12」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図26は、時刻「t13」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図27は、時刻「t14」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図28は、時刻「t15」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図29は、時刻「t16」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図30は、時刻「t17」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図31は、時刻「t18」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。図32は、時刻「t19」を基準として時間反転されてから加算されたサンプリングデータの例を示す図である。
【0085】
判別部416(評価部)は、抽出された妨害波ノイズ60の候補が妨害波ノイズ60であるか否かを判別する。例えば、判別部416は、反転加算後のサンプリングデータに対して、閾値判定を実行する。各受信時刻の前後による反転加算後のサンプリングデータにおいて、混信等による波形変動が相殺されて平坦化し、妨害波ノイズ60の候補(干渉ノイズによる波形変動)のみが突出する。判別部416は、その突出した候補を、周辺の信号レベルに基づいて導出される閾値判定によって妨害波ノイズ60と判別する。なお、閾値判定として、フィルタリング処理が実行されてもよい。
【0086】
例えば、図23に示された時刻「t10」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t10」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となる。このことから、判別部416は、時刻「t10」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0087】
例えば、図24に示された時刻「t11」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t11」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となる。このことから、判別部416は、時刻「t11」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0088】
例えば、図25に示された時刻「t12」の前後では、波形の時間変化が相殺されたことによって、波形の信号レベルの変化は小さい。このため、判別部416は、時刻「t12」におけるノイズを、妨害波ノイズ60でなく混信等による波形変動と判別する。
【0089】
例えば、図26に示された時刻「t13」の前後では、波形の時間変化が相殺されたことによって、波形の信号レベルの変化は小さい。このため、判別部416は、時刻「t13」におけるノイズを、妨害波ノイズ60でなく混信等による波形変動と判別する。
【0090】
例えば、図27に示された時刻「t14」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t14」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t14」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0091】
例えば、図28に示された時刻「t15」の前後では、波形の時間変化が相殺されたことによって、波形の信号レベルの変化は小さい。このため、判別部416は、時刻「t15」におけるノイズを、妨害波ノイズ60でなく混信等による波形変動と判別する。
【0092】
例えば、図29に示された時刻「t16」の前後では波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t16」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t16」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0093】
例えば、図30に示された時刻「t17」の前後では、波形の時間変化が相殺されたことによって、波形の信号レベルの変化は小さい。このため、判別部416は、時刻「t17」におけるノイズを、妨害波ノイズ60でなく混信等による波形変動と判別する。
【0094】
例えば、図31に示された時刻「t18」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t18」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t18」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0095】
例えば、図32に示された時刻「t19」の前後では、波形の時間変化が相殺されていても、時刻「t19」におけるノイズの信号レベルは突出して高い。反転加算後のサンプリングデータにおいて、突出したノイズの信号レベルが、周辺の信号レベルに基づいて導出される所定閾値以上となることから、判別部416は、時刻「t19」におけるノイズを、妨害波ノイズ60と判別する。
【0096】
図33は、判別された妨害波ノイズと、妨害波ノイズの分離処理後のサンプリングデータとの第2例を示す図である。図33の上段には、判別された妨害波ノイズ60が例示されている。図33の下段には、妨害波ノイズの分離処理後のサンプリングデータが例示されている。出力部417は、判別された妨害波ノイズと、妨害波ノイズの分離処理後のサンプリングデータとを、後段処理に引き渡す。
【0097】
(各実施形態における、信号処理装置のハードウェア構成例)
図34は、各実施形態における、信号処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図34には、信号処理装置41aと信号処理装置41bとにそれぞれ相当する信号処理装置41が示されている。信号処理装置41における処理部の各機能部のうちの一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ100が、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶部200に記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。通信部300は、信号処理装置41による処理結果を所定の情報処理装置(不図示)に送信する。
【0098】
信号処理装置41の各機能部のうちの一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0100】
その他の実施形態例として、信号処理システム1は、レーダシステムに置き換えられてもよい。複数の第1無線装置2は、電波反射源に置き換えられてもよい。混信状態の受信信号は、複数の電波反射源を示す画像情報を用いて表現されてもよい。複数の第2無線装置3から送信された妨害波が、点(零次元的)、一次元的又は二次元的に、電波反射源に干渉してもよい。このような電波反射源に干渉する妨害波ノイズを示す画像情報に対するフィルタリング処理だけでは課題が解決されない場合において、画像のノイズ除去処理のための各種フィルタ処理では真の画像情報も損失してしまうという課題の解消のために、誤検出の解消のための画像反転処理が、画像情報に対して一次元又は二次元的に実行されてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…信号処理システム、
2…第1無線装置、
3…第2無線装置、
4…受信局、
5…無線信号、
6…妨害波、
7…閾値、
8…中継局、
9…無線信号、
40…受信装置、
41,41a,41b…信号処理装置、
50…受信信号、
60…妨害波ノイズ、
100…プロセッサ、
200…記憶部、
300…通信部、
410…記憶部、
411…取得部、
412…フィルタ部、
413…除外部、
414…反転部、
415…加算部、
416…判別部、
417…出力部、
418…制御部
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